説明

防雷装置

【解決手段】本発明は、防雷装置において、金属製テンションメンバー2bを有する光ケーブル2に接続された、オフィスビルや通信局舎1内の通信機器等の設備機器に、光ケーブル用クロージャー3を介して、光ケーブル2を導入するとともに、光ケーブル用クロージャー3内に配設された光ケーブル保持部材Hを構成する絶縁基板8に取り付けられた一対の金属製テンションメンバー把持金具10に把持されている金属製テンションメンバー2bを、相対する金属製テンションメンバー把持金具10の近傍で切断し除去することにより、相対する金属製テンションメンバー2bの端部間に、サージ電流侵入阻止距離Dを形成したものである。
【効果】雷サージが、光ケーブルの金属製テンションメンバーに侵入した場合でも、サージ電流侵入阻止距離で絶縁されて、設備機器への雷サージの侵入が阻止されるので、設備機器を、雷サージからの損傷から保護することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ケーブルの金属製テンションメンバーから侵入する雷サージ等から、光ケーブルに接続された、オフィスビルや通信局舎内の通信機等の設備機器を保護するための防雷装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、光ケーブルは、需要家と通信事業者の局舎やオフィス内に設置された設備機器に接続され、光ケーブルの金属製テンションメンバーから侵入する雷サージ等から、設備機器を保護するために、局舎やオフィスにおいて、光ケーブルの金属製テンションメンバーに接地を施し、金属製テンションメンバーから侵入する雷サージ等を大地に放流して、局舎やオフィスに侵入する雷サージ等を防護して、設備機器を保護している。そして、光ケーブルの金属製テンションメンバーを接地する場合には、光ケーブルの端部(本線路に置いては、局舎やオフィスの設備機器の光ケーブルの入出口部分)部分の金属製テンションメンバーを引き留め個所で接地している。このような構成は、一例として、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−319525号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、光ケーブルの金属製テンションメンバーは、金属製テンションメンバーに侵入する雷サージ等を大地に放流するように接地されており、光ケーブルからの雷サージ等を局舎やオフィスに設置された設備機器に侵入しないように構成されている。しかしながら、所定の設計以上の雷サージ等が、局舎やオフィスに設置された設備機器に侵入すると、大地電位が高電圧となり、接地を介して、この高電圧が設備機器に印加され、設備機器に損傷を与えることになる。また、長年の経時老化等で接地抵抗値が高抵抗になり、大地電位がより高電圧になり、この高電圧が設備機器に印加され、設備機器に損傷を与えるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述した目的を達成するために、防雷装置において、金属製テンションメンバーを有する光ケーブルに接続された、オフィスビルや通信局舎内の通信機器等の設備機器に、光ケーブル用クロージャーを介して、光ケーブルを導入するとともに、光ケーブル用クロージャー内に配設された光ケーブル保持部材を構成する絶縁基板に取り付けられた一対の金属製テンションメンバー把持金具に把持されている金属製テンションメンバーを、相対する金属製テンションメンバー把持金具の近傍で切断し除去することにより、相対する金属製テンションメンバーの端部間に、サージ電流侵入阻止距離を形成したものである。
【0006】
本発明は、上述した構成により、以下に記載する効果を奏することができる。
【0007】
防雷装置において、金属製テンションメンバーを有する光ケーブルに接続された、オフィスビルや通信局舎内の通信機器等の設備機器に、光ケーブル用クロージャーを介して、光ケーブルを導入するとともに、光ケーブル用クロージャー内に配設された光ケーブル保持部材を構成する絶縁基板に取り付けられた一対の金属製テンションメンバー把持金具に把持されている金属製テンションメンバーを、相対する金属製テンションメンバー把持金具の近傍で切断し除去することにより、相対する金属製テンションメンバーの端部間に、サージ電流侵入阻止距離を形成したので、雷サージが、光ケーブルの金属製テンションメンバーに侵入した場合でも、サージ電流侵入阻止距離で絶縁されて、設備機器への雷サージの侵入が阻止されるので、設備機器を、雷サージからの損傷から保護することができる。
【0008】
また、防雷装置を、上述したように構成したので、既設(活線、使用中)の光ケーブルに対し、該光ケーブルに内蔵された光ファイバー心線を切断することなく、本発明の防雷装置を取り付けることが可能となる。従って、特に、既設の光ケーブルの雷対策を、効果的且つ効率的に行なうことが可能であり、これにより、通信局舎等に配設されている重要な通信設備機器の保護を、より一層強化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明の概要を説明するための全体構成図である。
【図2】図2は、本発明を構成する光ケーブル用クロージャーの全体斜視図である。
【図3】図3は、本発明を構成する光ケーブル用クロージャー内に配設される光ケーブル保持部材の全体斜視図である。
【図4】図4は、図3に示されている光ケーブル保持部材を構成する光ケーブル把持金具の分解斜視図である。
【図5】図5は、図3に示されている光ケーブル保持部材を構成するテンションメンバー把持金具の分解斜視図である。
【図6】図6は、図3に示されている光ケーブル保持部材に光ケーブルが取り付けられた状態の斜視図である。
【図7】図7は、図3に示されている光ケーブル保持部材が、光ケーブル保持部材の下部筒部に配設された状態の斜視図である。
【実施例】
【0010】
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明の趣旨を越えない限り、何ら、本実施例に限定されるものではない。
【0011】
図1は、本発明の実施例の概要を説明する概要構成図であり、1は、通信機器等の設備機器が設置されているオフィスビルや通信局舎であり、2は、需要家とオフィスビルや通信局舎1と接続されている光ケーブルであり、3は、光ケーブル2の架空部分2A或いは大地Fに埋設された地中部分2Bに設置された光ケーブル用クロージャーである。
【0012】
次に、図2は、一例としての公知の光ケーブル用クロージャー3の斜視図であり、光ケーブル用クロージャー3は、長手方向の分割線4に沿って、2分割された下部筒体5と上部筒体6とからなり、2分割された下部筒体5と上部筒体6とを、緊締バンド7で締め付けることにより、2分割された下部筒体5と上部筒体6とを一体化にして、光ケーブル用クロージャーが構成されることになる。
【0013】
また、下部筒体5の両端部には、公知のように、下部周状凹部ガ形成されており、同様に、上部筒体6の両端部にも、公知のように、上部周状凹部ガ形成されており、下部筒体5と上部筒体6とが一体化された際には、光ケーブル用クロージャー3の両端部には、公知のゴム製のグロメットGが装着されるグロメット装着凹部が形成されることになる。公知のように、光ケーブル用クロージャー3の一方の端部のグロメット装着凹部に装着されたグロメットGに穿設された透孔g1を通じて、光ケーブル2が、光ケーブル用クロージャー3内に導入され、また、光ケーブル用クロージャー3のもう一方の端部のグロメット装着凹部に装着されたグロメットGに穿設された透孔g1を通じて、光ケーブル2が、光ケーブル用クロージャー3から導出されることになる。
【0014】
図3は、光ケーブル用クロージャー3内に配設される光ケーブル保持部材Hの斜視図であり、光ケーブル保持部材Hは、光ケーブル用クロージャー3の長手方向に沿って配置される、長尺からなる絶縁基板8と、絶縁基板8の両端に取り付けられる金属製の光ケーブル把持金具9と、光ケーブル把持金具9間に位置する絶縁基板8に取り付けられる、光ケーブル2の金属製テンションメンバーを把持する一対の金属製テンションメンバー把持金具10とから構成されている。
【0015】
図4は、光ケーブル把持金具9の分解斜視図であり、光ケーブル把持金具9は、略Z状の台座部9aを有しており、台座部9aは、絶縁基板8に載置される下部水平部9a1と、垂直部9a2と、下部水平部9a1と平行に、垂直部9a2に対して、下部水平部9a1と反対方向に延在する上部水平部9a3とを有している。また、下部水平部9a1には、複数の螺子孔9a1’が形成されており、螺子孔9a1’には、絶縁基板8の両端に穿設されたボルト挿通孔8aに、絶縁基板8の裏面側から挿入されるボルトBの螺子部b1が螺合されるように構成されており、このようにして、台座部9aが、絶縁基板8に取り付けられることになる。また、上部水平部9a3には、複数の螺子孔9a3’が形成されている。
【0016】
光ケーブル把持金具9は、平面形状が略十字状の光ケーブル把持下部台座部9bを有しており、光ケーブル把持下部台座部9bは、台座部9aの上部水平部9a3に載置される短辺片9b1と、短辺片9b1と直交する長辺片9b2とから形成されており、短辺片9b1と長辺片9b2とは、互いに、その中央部において直交するように構成されている。また、短辺片9b1を挟んで位置する長辺片9b2の一対の半分領域の略中央部には、それぞれ、下方に膨出する半円形状の上部凹部9b3が形成されている。更に、長辺片9b2の両端部付近には、ボルトBの螺子部b1が螺合される螺子孔9b2’が形成されており、更にまた、短辺片9b1の両端部付近には、ボルトBの螺子部b1が挿通される透孔9b1’が穿設されている。
【0017】
光ケーブル把持金具9は、平面形状が略L状の一対の光ケーブル把持上部9cを有しており、光ケーブル把持上部9cの長辺片9c1の略中央部には、上方に膨出する半円形状の下部凹部9c2が形成されている。また、長辺片9c1の端部付近には、ボルトBの螺子部b1が挿通される透孔9c1’が穿設されており、光ケーブル把持上部9cの短辺片9c3の端部付近にも、ボルトBの螺子部b1が挿通される透孔9c3’が穿設されている。
【0018】
上述したように、絶縁基板8に取り付けられた台座部9aの上部水平部9a3に、光ケーブル把持下部台座部9bの短辺片9b1を載置する。また、光ケーブル把持下部台座部9bの長辺片9b2の一方の半分領域に、一対の光ケーブル把持上部9cのうちの一方の光ケーブル把持上部9cを、光ケーブル把持上部9cの長辺片9c1が、光ケーブル把持下部台座部9bの長辺片9b2に載置され、また、光ケーブル把持上部9cの短辺片9c3が、光ケーブル把持下部台座部9bの短辺片9b1の半分の領域に載置されるように配置し、更に、光ケーブル把持下部台座部9bの長辺片9b2のもう一方の半分領域に、一対の光ケーブル把持上部9cのうちのもう一方の光ケーブル把持上部9cを、光ケーブル把持上部9cの長辺片9c1が、光ケーブル把持下部台座部9bの長辺片9b2に載置され、また、光ケーブル把持上部9cの短辺片9c3が、光ケーブル把持下部台座部9bの短辺片9b1のもう半分の領域に載置されるように配置する。
【0019】
その後、ボルトBの螺子部b1を、光ケーブル把持上部9cの長辺片9c1に形成された、ボルトBの螺子部b1が挿通される透孔9c1’に挿通するとともに、ボルトBの螺子部b1の先端部を、光ケーブル把持下部台座部9bの長辺片9b2に形成された螺子孔9b2’に螺合させる。また、光ケーブル把持上部9cの短辺片9c3に形成された、ボルトBの螺子部b1が挿通される透孔9c3’に挿通するとともに、ボルトBの螺子部b1の先端部を、光ケーブル把持下部台座部9bの短辺片9b1に形成された螺子孔9b1’に螺合させる。このようにして、一方の光ケーブル把持上部9cを、光ケーブル把持下部台座部9bの半分領域に取り付ける。同様にして、もう一方の光ケーブル把持上部9cを、光ケーブル把持下部台座部9bのもう一方の半分領域に取り付ける。
【0020】
上述したように、絶縁基板8に、台座部9aが取り付けられ、また、台座部9aに、光ケーブル把持下部台座部9bが取り付けられ、更に、光ケーブル把持下部台座部9bに、一対の光ケーブル把持上部9cが取り付けられて、絶縁基板8に、光ケーブル把持金具9が取り付けられることになる。光ケーブル把持下部台座部9bと光ケーブル把持上部9cとが重ねられた際には、光ケーブル把持下部台座部9bに形成されている上部凹部9b3と光ケーブル把持上部9cに形成された下部凹部9c2とが重なり、図3に示されているように、光ケーブル2が挿通可能な光ケーブル挿通孔9’が形成されるように構成されている。
【0021】
図5は、金属製テンションメンバー把持金具10の分解斜視図であり、金属製テンションメンバー把持金具10は、台座部10Aと逆U字状の金属製テンションメンバー押え部10Bとを有している。
【0022】
台座部10Aは、絶縁基板8の長手方向に延在するとともに、絶縁基板8に載置される下部水平部10aと、下部水平部10aの相対する長辺の一方の辺から垂直に延びる垂直部10bと、垂直部10bの上端から、下部水平部10aと同じ方向に延在する上部水平部10cとから構成されており、また、下部水平部10aには、ボルトBの螺子部b1が挿通される複数の透孔10a1が穿設されており、下部水平部10aに穿設された透孔10a1に、ボルトBの螺子部b1を挿通し、螺子部b1の先端部を、絶縁基板8に形成された螺子孔8bに螺合することにより、金属製テンションメンバー把持金具10を、絶縁基板8に取り付けるように構成されている。なお、上部水平部10cには、複数の螺子孔10c1が形成されている。
【0023】
逆U字状の金属製テンションメンバー押え部10Bは、水平部10dと、水平部10dの相対する長辺から垂設された垂直部10eとを有している。また、垂直部10eには、垂直部10eの下端の中央部から、上方に延びる切欠き凹部10e1が形成されており、切欠き凹部10e1の上縁は、光ケーブル2に合わせて、半円形状に形成することが好ましい。更に、金属製テンションメンバー押え部10Bの水平部10dには、台座部10Aの上部水平部10cに形成された螺子孔10c1に対応して、複数のボルトBの螺子部b1が挿通される透孔10d1が穿設されている。
【0024】
台座部10Aの下部水平部10aに穿設された透孔10a1に、ボルトBの螺子部b1を挿通し、螺子部b1の先端部を、絶縁基板8に形成された螺子孔8bに螺合することにより、金属製テンションメンバー把持金具10を、絶縁基板8に取り付け、また、台座部10Aの上部水平部10cに、金属製テンションメンバー押え部10Bの水平部10dを載置し、水平部10dに穿設された透孔10d1に、ボルトBの螺子部b1を挿通し、その後、ボルトBの螺子部b1を、台座部10Aの上部水平部10cに形成された螺子孔10c1に螺合させることにより、台座部10Aと逆U字状の金属製テンションメンバー押え部10Bとからなる金属製テンションメンバー把持金具10が、絶縁基板8に取り付けられるように構成されている。
【0025】
次に、図6及び図7を用いて、光ケーブル2の光ケーブル保持部材Hへの取り付け及び光ケーブル2が取り付けられた光ケーブル保持部材Hの光ケーブル用クロージャー3内への配設について説明する。
【0026】
図6に示されているように、光ケーブル2を、絶縁基板8の両端部に配設された光ケーブル把持金具9の光ケーブル把持下部台座部9bと光ケーブル把持上部9cとを取り付けるボルトBを外して、光ケーブル2を、光ケーブル把持下部台座部9bに形成された上部凹部9b3の挿入し、その後、光ケーブル2を、光ケーブル把持上部9cに形成された下部凹部9c2に挿入し、上述したように、光ケーブル把持下部台座部9bと光ケーブル把持上部9cとを、ボルトBにより締め付けることにより、光ケーブル2を、絶縁基板8の両端部に配設された光ケーブル把持金具9に把持する。
【0027】
次いで、絶縁基板8の両端部に配設された光ケーブル把持金具9に把持されている光ケーブル2の外被2aを、相対する光ケーブル把持金具9の近傍において切除して、光ケーブル2の金属製テンションメンバー2bと光ファイバー心線2cとを露出させる。
【0028】
次いで、露出した金属製テンションメンバー2bを、絶縁基板8の両端部に配設された光ケーブル把持金具9間に配設された相対する金属製テンションメンバー把持金具10の台座部10Aを構成する上部水平部10cに配置するとともに、金属製テンションメンバー2bが、金属製テンションメンバー押え部10Bの垂直部10eに形成された切欠き凹部10e1に挿入されるように配置し、その後、台座部10Aと金属製テンションメンバー押え部10Bとを、ボルトBにより締め付けることにより、金属製テンションメンバー2bを、金属製テンションメンバー把持金具10により把持する。なお、露出された光ファイバー心線2cは、切断されることがなく、必要に応じて、公知のスパイラルチューブを巻き付けることにより、複数の光ファイバー心線2cが、束ねられるように、また、光ファイバー心線2cを保護するように構成されている。
【0029】
その後、相対する金属製テンションメンバー把持金具10により把持された金属製テンションメンバー2bを、相対するテンションメンバー把持金具10の近傍で切断し除去して、相対する金属製テンションメンバー2bの端部間に、オフィスビルや通信局舎1に配設された通信機器等の設備機器を、雷サージの設備機器への侵入を阻止するサージ電流侵入阻止距離Dを形成する。このサージ電流侵入阻止距離Dは、例えば、100mmのサージ電流侵入阻止距離Dにて試験すると、100KVの電圧に耐えられることを確かめられた。従って、サージ電流侵入阻止距離Dを、100mm以上とすることが好ましい。
【0030】
上述したようにして、光ケーブル2が取り付けられた光ケーブル保持部材Hは、光ケーブル用クロージャー3の下部筒体5に収容されることになる。この際、先ず最初に、グロメットGに形成された切り込み線g2に沿って、グロメットGに、光ケーブル2が挿入される間隙を形成し、光ケーブル2を、グロメットGの透孔g1に挿入するとともに、光ケーブル把持金具9が、光ケーブル保持部材Hの長手方向に沿って移動しないように、下部筒体5の内周面に形成された相対する光ケーブル把持金具移動抑制突部g3間に挿入する。次いで、光ケーブル2が取り付けられた光ケーブル保持部材Hが配設された下部筒体5に、上部筒体6を被せ、図2に示されているように、緊締バンド7により、下部筒体5と上部筒体6とを緊諦することにより、2分割された下部筒体5と上部筒体6とを一体化にして、光ケーブル用クロージャー3が構成されることになる。
【0031】
なお、光ケーブル保持部材Hを、下部筒体5に配設した後に、下部筒体5内で、光ケーブル2の光ケーブル把持金具9への把持や、外被2aの除去や、露出された金属製テンションメンバー2bの金属製テンションメンバー把持金具10への把持や、金属製テンションメンバー2bの切断等を行うように構成することもできる。
【0032】
なお、本実施例においては、1本の光ケーブル2が、配設されている例が示されているが、2本の光ケーブル2を配設することもできる。この場合には、図3において、絶縁基板8には、もう一対の金属製テンションメンバー把持金具10が取り付けられることになる。
【0033】
上述したように、金属製テンションメンバー2bを有する光ケーブル2に接続された、オフィスビルや通信局舎1内の通信機器等の設備機器に、光ケーブル用クロージャー3を介して、光ケーブル2を導入するとともに、光ケーブル用クロージャー3内に配設された光ケーブル保持部材Hを構成する絶縁基板8に取り付けられた一対の金属製テンションメンバー把持金具10に把持されている金属製テンションメンバー2bを、相対する金属製テンションメンバー把持金具10の近傍で切断し除去することにより、相対する金属製テンションメンバー2bの端部間に、サージ電流侵入阻止距離Dを形成したので、雷サージが、光ケーブル2の金属製テンションメンバー2bに侵入した場合でも、サージ電流侵入阻止距離Dで絶縁されて、設備機器への雷サージの侵入が阻止されるので、設備機器を、雷サージからの損傷から保護することができる。
【0034】
また、防雷装置を、上述したように構成したので、既設(活線、使用中)の光ケーブル2に対し、該光ケーブル2に内蔵された光ファイバー心線2cを切断することなく、本発明の防雷装置を取り付けることが可能となる。従って、特に、既設の光ケーブルの雷対策を、効果的且つ効率的に行なうことが可能であり、これにより、通信局舎等1に配設されている重要な通信設備機器の保護を、より一層強化することができる。
【符号の説明】
【0035】
H・・・・・・・・光ケーブル保持部材
D・・・・・・・・サージ電流侵入阻止距離
1・・・・・・・・オフィスビルや通信局舎
2・・・・・・・・光ケーブル
2a・・・・・・・外被
2b・・・・・・・金属製テンションメンバー
2c・・・・・・・光ファイバー心線
3・・・・・・・・光ケーブル用クロージャー
5・・・・・・・・下筒体
6・・・・・・・・上筒体
8・・・・・・・・絶縁基板
9・・・・・・・・光ケーブル把持金具
10・・・・・・・金属製テンションメンバー把持金具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
防雷装置において、金属製テンションメンバーを有する光ケーブルに接続された、オフィスビルや通信局舎内の通信機器等の設備機器に、光ケーブル用クロージャーを介して、光ケーブルを導入するとともに、光ケーブル用クロージャー内に配設された光ケーブル保持部材を構成する絶縁基板に取り付けられた一対の金属製テンションメンバー把持金具に把持されている金属製テンションメンバーを、相対する金属製テンションメンバー把持金具の近傍で切断し除去することにより、相対する金属製テンションメンバーの端部間に、サージ電流侵入阻止距離を形成したことを特徴とする防雷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−70495(P2013−70495A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−206707(P2011−206707)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(000130835)株式会社サンコーシヤ (64)
【Fターム(参考)】