説明

防風壁、および、防風壁を利用した車両の燃費向上方法

【課題】車両への横風や斜め前方からの風の影響を抑制し且つ防風壁を通過する風を利用して走行車両の省燃費に寄与すべく構成された防風壁、防風壁を利用した車両の燃費向上方法を提供する。
【解決手段】道路沿い又は線路沿いに設置される防風壁1であって、前記防風壁1は、防風壁外から防風壁内へ通じる通風要素が設けられており、前記通風要素は、走行中の車両の斜め前方乃至側方から吹く風を防風壁外面において遮断するか、減少させるか又は弱めて、走行中の車両が受ける斜め前方乃至側方からの風圧を減少させ、かつ、走行中の車両の斜め後方から吹く風を防風壁外から防風壁内へ通過させ、走行中の車両が斜め後方乃至後方からの風を受けるよう構成されている、防風壁である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路沿い又は線路沿い(以下「道路等」と称する。)へ設置する防風壁(以下、単に「防風壁」と称する。)、および、防風壁を利用した車両の燃費向上方法に関する。
更に詳しくは、防風壁に設けられた通風部又は通風要素によって、防風壁に当たった風を車両の進行方向に対して順風又は追い風に変えるようにして、走行する車両の省燃費に寄与すべく構成されたもの、および、防風壁を利用した車両の燃費向上方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、道路等において、横風や突風による走行車両の横揺れ又は転覆等を防止するために、道路等に並行して板状体を設置した防風壁又は防風フェンスが利用されている。
このような板状体を使用した防風壁又は防風フェンスは、経年劣化や疲労破壊、設計時の想定を超える風の加圧により破壊されることがあったため、風圧を逸らし破壊を防止すべく、例えば、特許文献1(特開平09−67810号)に示すような防風フェンス又は特許文献2(特開2005−307432号)に示すような防風フェンス、が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平09−67810号公報
【0004】
【特許文献2】特開2005−307432号公報
【0005】
特許文献1記載の防風フェンスは、防風効果が必要な風速を超えた時点で、抗力係数が低減し、風荷重を軽減しようとすることを目的とするものであって、柱状材を高さ方向又は横方向に配設すると共に前記柱状材の間に隙間を介在した半透過型防風フェンスにおいて、前記柱状材に丸味を与えたことを特徴としている。
【0006】
また、特許文献2記載の防風フェンスは、表裏を貫通して風を導く複数の導風路を備え、これら複数の導風路は、隣接する導風路の水平面内又は鉛直面内での導風方向が互いに逆向きに傾斜するように設けられていることを特徴としている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1及び特許文献2記載の防風フェンスは、構造上フェンス内へ風を通し、走行中の車両に横風や斜め前方からの向かい風が当たることがあり、当該風による横揺れによってハンドルが取られたり、風圧による抵抗によって燃費低下を招くという課題があった。
【0008】
(発明の目的)
そこで、本発明の目的は、車両に対する横風や斜め前方からの向かい風の影響を抑制し、かつ、防風壁を通過する風を利用して走行する車両の省燃費に寄与すべく構成された、防風壁、および、防風壁を利用した車両の燃費向上方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために講じた本発明の手段は次のとおりである。
本発明は、道路沿い又は線路沿いに設置される防風壁であって、前記防風壁は、防風壁外から防風壁内へ通じる通風要素が設けられており、前記通風要素は、走行中の車両の斜め前方乃至側方から吹く風を防風壁外面において遮断するか、減少させるか又は弱めて、走行中の車両が受ける斜め前方乃至側方からの風圧を減少させ、かつ、走行中の車両の斜め後方から吹く風を防風壁外から防風壁内へ通過させ、走行中の車両が斜め後方乃至後方からの風を受けるよう構成されている、防風壁である。
【0010】
前記防風壁は、防風壁に設けられた通風要素は、走行中の車両の斜め前方乃至側方から吹く風を防風壁外面において遮断するか、減少させるか又は弱めて、走行中の車両が受ける斜め前方乃至側方からの風圧を減少させ、かつ、防風壁外面に吹き付けて通風要素から流入した風の風向きを偏向させて防風壁内へ導入し、走行中の車両の斜め後方乃至後方へ当たる風向きになるよう構成されているものであってもよい。
【0011】
本発明は、道路沿い又は線路沿いに設置される防風壁であって、壁面に通風部を有し、該通風部は風の導入部と排出部を備えており、排出部は排出される風が車両の進行方向に対して順風となる方向に構成されている、防風壁である。
【0012】
本発明は、道路沿い又は線路沿いに設置される防風壁であって、前記防風壁は、設置箇所に対して鉛直方向に配置された複数の羽板を有するルーバー形状に設けられており、各羽板は、防風壁外面側の縁部が車両進行方向に対して直交乃至斜め後方側に傾斜し、防風壁内面側の縁部が車両進行方向側へ斜め前方に傾斜するよう角度を付けて設けられており、羽板が、走行中の車両の斜め前方乃至側方から吹く風を防風壁外面において遮断するか、減少させるか又は弱めて、走行中の車両が受ける斜め前方乃至側方からの風圧を減少させ、かつ、防風壁外面に吹き付けて各羽板の間から流入した風を走行中の車両の斜め後方乃至後方へ当たる風向きになるよう導入するか又は車両進行方向に対して順風になるよう導入するよう構成されている、防風壁である。
【0013】
本発明は、防風壁に当たった風を、通風部又は通風要素によって、車両の進行方向に対して順風又は追い風に変えるようにした、防風壁を利用した車両の燃費向上方法である。
【0014】
本明細書及び本願の特許請求の範囲にいう防風壁は、柵、フェンスを含む意味で使用している。
【0015】
本明細書及び本願の特許請求の範囲にいう通風要素としては、防風壁外面から防風壁内へ通風可能とする要素又は部材であればよく、例えば、設置箇所に対して鉛直方向に配置された複数の羽板を有するルーバー形状における各羽板及び羽板間の隙間、が挙げられるが、これに限定するものではなく、例えば、一枚板の防風壁に設けられたスリット又は貫通孔等であって、防風壁の外面側から流入した風が、走行する車両の斜め後方乃至後方から、車両を前方へ押し出す方向へ誘導できる角度に設定されたもの、或いは、流入した風の排出部が車両の進行方向に対して順風となる方向に構成されているもの等でもよい。
【0016】
本明細書及び本願の特許請求の範囲にいう燃費向上とは、ガソリン車、ハイブリッド車での走行におけるガソリン消費量の抑制のほか、ハイブリッド車、電動自動車での走行における消費電力の抑制を含む意味で使用している。
【0017】
本明細書及び本願の特許請求の範囲にいう車両とは、自動車のほか、電車、汽車、自動二輪車を含む意味で使用している。
【0018】
(作 用)
本発明に係る防風壁の作用を説明する。
【0019】
まず、本発明に係る防風壁が道路沿い又は線路沿いに設置されている箇所を、車両が走行する。
すると、前記防風壁は、道路又は線路を走行中の車両の斜め前方乃至側方から吹く風を、防風壁外面において遮断するか、減少させるか又は弱めるので、走行中の車両が受ける斜め前方乃至側方からの風圧が減少する。
更に、前記防風壁は、道路又は線路を走行中の車両の斜め後方から吹く風を、防風壁外から防風壁内へ通過させるので、走行中の車両は斜め後方乃至後方からの風を受ける。即ち、防風壁外から防風壁内へ通過した風は、走行中の車両にとっての追い風となる。
【0020】
なお、防風壁に設けられた通風要素が、防風壁外面に吹き付けて通風要素から流入した風の風向きを偏向させて防風壁内へ導入し、走行中の車両の斜め後方乃至後方へ当たる風向きになるよう構成されたものについても、前記と同様に、防風壁外から流入する風の風向きが偏向されて防風壁内へ通過し、通過後の風が走行中の車両にとっての追い風となる。また、道路又は線路を走行中の車両の斜め前方乃至側方から吹く風が防風壁外面において遮断されるか、減少させるか又は弱められるので、走行中の車両が受ける斜め前方乃至側方からの風圧が減少する。
【0021】
壁面に通風部を有し、該通風部は風の導入部と排出部を備えており、排出部は排出される風が車両の進行方向に対して順風となる方向に構成されている防風壁にあっては、通風部を通じて防風壁外から防風壁内へ通過した風が排出されると、該風は車両の進行方向に対して順風(走行中の車両にとっての追い風)となる。
【0022】
設置箇所に対して鉛直方向に配置された複数の羽板を有するルーバー形状に設けられ、各羽板は、防風壁外面側の縁部が車両進行方向に対して直交乃至斜め後方側に傾斜し、防風壁内面側の縁部が車両進行方向側へ斜め前方に傾斜するよう角度を付けて設けられた防風壁にあっては、羽板が、走行中の車両の斜め前方乃至側方から吹く風を防風壁外面において遮断するか、減少させるか又は弱めて、走行中の車両が受ける斜め前方乃至側方からの風圧を減少させる。更に、羽板は、防風壁外面に吹き付けて各羽板の間から流入した風を走行中の車両の斜め後方乃至後方へ当たる風向きになるよう導入する。
【0023】
前記いずれかの防風壁が設けられた道路又は線路を走行中の車両は、その斜め後方乃至後方へ、防風壁外から通風要素、通風部あるいは防風壁間のいずれかを抜けて流入した風が当たる。この風は、走行中の車両を前方へ押し出すか又は車両の前進運動の補助となり(即ち、防風壁外から防風壁内へ通過した風が走行中の車両にとっての追い風又は順風となり)、走行中の車両の燃料消費量が抑制される。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係る防風壁、および、防風壁を利用した車両の燃費向上方法によれば、以下の効果を奏する。
(1)走行する車両の抵抗となる車両斜め前方乃至側方からの風の影響が抑制され、かつ、防風壁を通過した風を走行車両に対する追い風又は順風になるよう利用して、走行車両の燃費向上に寄与する。
(2)また、走行車両の燃費向上を通じて、走行車両自体と、走行車両が使用する燃料・エネルギーの製造工程において排出されるCOの削減が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係る防風壁を複数車線を有する一方通行の道路へ設置した状態を示す斜視図。
【図2】図1記載の防風壁の通風状態を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の実施の形態を図面に基づき更に詳細に説明する。
図1は本発明に係る防風壁を複数車線を有する一方通行の道路へ設置した状態を示す斜視図、図2は図1記載の防風壁の通風状態を示す説明図である。
【0027】
図1及び図2に示す防風壁1について説明する。
防風壁1は、道路Rに沿って設置され、道路Rの路側帯から鉛直方向に立ち上がった所要高さの基礎部120の上に設けられている。また、防風壁1は、基礎部120の長手方向へ並設された複数の羽板110と、各羽板110上端を連結する部材である天面板130を備えている(図1参照)。
【0028】
各羽板110は、基礎部120の上面に対して鉛直方向に設けられており、基礎部120の設置方向と比較して車両進行方向側の側辺が道路R側に傾斜し、他の側辺(即ち、車両進行方向と反対側の側辺)が防風壁外(即ち、道路Rと反対方向)に傾斜するよう、所要角度を付けて設けられている(図1及び図2参照)。
【0029】
また、各羽板110は、側面視で、道路R側に傾斜した車両進行方向側の側辺と、車両進行方向側に設けられた羽板110の他の側辺が一部重複するよう配置されている(図2参照)。つまり、防風壁1を道路外の正面側から見た場合に、各羽板110の間に隙間が見えず(隙間無く並んでいるように見え)、防風壁に対して直交する横風を素通しない構造となっている(図2参照)。
【0030】
なお、本実施の形態においては、羽板は、断面視平板状の部材であるが、当該形状に限定するものではなく、例えば、断面視において、羽板の側辺と比較して羽板の中央部が膨らんだ形状であってもよいし、車両進行方向に鈍角の折り曲げ部を有する形状であってもよいし、車両進行方向が窪んだ円弧形状であってもよい。
【0031】
また、本実施の形態においては、各羽板の設置角度(基礎部120の車両進行方向線上と羽板が交わる箇所の角度であって車両進行方向側の角度)は、15°に設定しているが、当該数値に限定するものではなく、例えば、横風がそのままの勢いで羽板の隙間を通過しないために10°〜45°の範囲であることが好ましく、更には15°〜35°の範囲であることが好ましい。
【0032】
(作 用)
図2を参照して、防風壁の作用を説明する。
まず、防風壁1が設置されている箇所の道路Rを、車両C1,C2が走行する。
【0033】
このとき、防風壁1が設置されている箇所の側方から横風W1が吹き付けると、横風W1は防風壁1の羽板110に当たって素通しされず、横風W1は、防風壁1外面において遮断されるか又は弱められ、走行中の車両が受ける横風W1の風圧が減少する。
【0034】
次に、防風壁1外面において弱められた横風W1は、各羽板110の間の隙間を抜けて、羽板の隙間を通過した風W2となる。
羽板の隙間を通過した風W2は、各羽板110によって、各羽板110の隙間を抜ける際に風向きが変えられ、走行中の車両C1,C2は、斜め後方乃至後方から、羽板の隙間を通過した風W2を受ける。即ち、防風壁1外から防風壁1内へ通過した羽板の隙間を通過した風W2は、走行中の車両C1,C2にとっての追い風(走行方向への順風)となる。
【0035】
このように、防風壁1が設けられた道路Rにおいては、走行する車両C1,C2の抵抗となる車両斜め前方乃至側方からの風の影響が抑制され、かつ、車両斜め後方乃至後方へ防風壁1外から流入した羽板の隙間を通過した風W2が追い風(順風)として当たって走行中の車両C1,C2を前方へ押し出すか又は車両C1,C2の前進運動の補助が行われる。
【0036】
この結果、防風壁1は、設けられた道路Rを走行する車両C1,C2の燃費向上に寄与する。
また、走行する車両C1,C2の燃費向上を通じて、車両C1,C2自体と、車両C1,C2が使用する燃料・エネルギーの製造工程において排出されるCOの削減が期待できる。
【0037】
なお、図2においては、片側(左側)からの横風とその横風が流入する方向のみを矢印により示しているが、他の片側(右側)からの横風についても同様の作用及び効果を奏する。例えば、防風壁が設けられた道路が昼夜で風向きが逆転するような場所である場合は、昼夜で横風とその横風が流入する方向が逆転する。
また、対向車線が存在する道路の場合、対向車線側の防風壁は、羽板の向きが反対(対向車線の進行方向側に風が抜ける構造)となる。
【0038】
本明細書及び特許請求の範囲で使用している用語と表現は、あくまでも説明上のものであって、なんら限定的なものではなく、本明細書及び特許請求の範囲に記述された特徴およびその一部と等価の用語や表現を除外する意図はない。また、本発明の技術思想の範囲内で、種々の変形態様が可能であるということは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0039】
走行する車両の抵抗となる車両斜め前方乃至側方からの風の影響が抑制され、かつ、防風壁を通過した風を走行車両に対する追い風又は順風になるよう利用して、走行車両の燃費向上に寄与する。また、走行車両の燃費向上を通じて、走行車両自体と、走行車両が使用する燃料・エネルギーの製造工程において排出されるCOの削減が期待できる。
【符号の説明】
【0040】
1 防風壁
110 羽板
120 基礎部
130 天面板
R 道路
C1,C2 車両
W1 横風
W2 羽板の隙間を通過した風

【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路沿い又は線路沿いに設置される防風壁であって、
前記防風壁は、防風壁外から防風壁内へ通じる通風要素が設けられており、
前記通風要素は、
走行中の車両の斜め前方乃至側方から吹く風を防風壁外面において遮断するか、減少させるか又は弱めて、走行中の車両が受ける斜め前方乃至側方からの風圧を減少させ、かつ、走行中の車両の斜め後方から吹く風を防風壁外から防風壁内へ通過させ、走行中の車両が斜め後方乃至後方からの風を受けるよう構成されている、
防風壁。
【請求項2】
防風壁に設けられた通風要素は、
走行中の車両の斜め前方乃至側方から吹く風を防風壁外面において遮断するか、減少させるか又は弱めて、走行中の車両が受ける斜め前方乃至側方からの風圧を減少させ、かつ、防風壁外面に吹き付けて通風要素から流入した風の風向きを偏向させて防風壁内へ導入し、走行中の車両の斜め後方乃至後方へ当たる風向きになるよう構成されている、
請求項1記載の防風壁。
【請求項3】
道路沿い又は線路沿いに設置される防風壁であって、
壁面に通風部を有し、該通風部は風の導入部と排出部を備えており、排出部は排出される風が車両の進行方向に対して順風となる方向に構成されている、
防風壁。
【請求項4】
道路沿い又は線路沿いに設置される防風壁(1)であって、
前記防風壁(1)は、設置箇所に対して鉛直方向に配置された複数の羽板(110)を有するルーバー形状に設けられており、
各羽板(110)は、防風壁(1)外面側の縁部が車両進行方向に対して直交乃至斜め後方側に傾斜し、防風壁(1)内面側の縁部が車両進行方向側へ斜め前方に傾斜するよう角度を付けて設けられており、
羽板(110)が、走行中の車両(C1,C2)の斜め前方乃至側方から吹く風(W1)を防風壁(1)外面において遮断するか、減少させるか又は弱めて、走行中の車両(C1,C2)が受ける斜め前方乃至側方からの風圧を減少させ、かつ、防風壁(1)外面に吹き付けて各羽板(110)の間から流入した風(W2)を走行中の車両(C1,C2)の斜め後方乃至後方へ当たる風向きになるよう導入するか又は車両進行方向に対して順風になるよう導入するよう構成されている、
防風壁。
【請求項5】
防風壁に当たった風を、通風部又は通風要素によって、車両の進行方向に対して順風又は追い風に変えるようにした、
防風壁を利用した車両の燃費向上方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−163850(P2010−163850A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−9303(P2009−9303)
【出願日】平成21年1月19日(2009.1.19)
【出願人】(500026717)
【出願人】(501327961)
【Fターム(参考)】