説明

院内放送システム及びそのメインサーバ

【課題】院内放送システムについて、医療施設において過剰な手間を要することなく所望するコンテンツだけを放送可能としながら、院内放送の視聴者が放送内容をより有効に活用できるようにすることを課題とする。
【解決手段】メインサーバ10Aと複数の会員医療施設の端末装置3a,3b,・・とを備え、メインサーバ10Aから端末装置3a,3b,・・に院内放送用のコンテンツを送信してスピーカ付ディスプレイ装置4a,4b,・・で各々放送を行わせる会員制の院内放送システムにおいて、メインサーバ10Aは記憶部に保存した複数種類の放送用のコンテンツを1つにまとめて各端末装置3a,3b,・・に送信して保存させ、各端末装置3a,3b,・・ではシステム用ソフトウエアを用いながら保存した複数種類のコンテンツの中から会員医療施設側で選定したコンテンツの組み合わせの放送用データに編集して院内放送を実施する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、院内放送システム及びそのメインサーバに関し、殊に、医療施設の待合室等で所定のコンテンツを放送するための院内放送システム、及びそのシステムの中核をなし放送用のコンテンツを各医療機関の端末にデータ送信して提供するメインサーバに関するものである。
【背景技術】
【0002】
病院や診療所等の医療施設の待合室においては、患者が待ち時間中に退屈しないようにテレビを常設して視聴可能としているのが一般的である。また、このようなテレビを用いて、通常の公共放送とは別に患者にとって有益な情報となり得る各種情報をケーブルテレビ放送網やビデオ・DVD等を用いて連続的に放送している施設も増えている。
【0003】
しかし、公共放送には医療施設で放送するのにふさわしくない内容や患者の嗜好に合わないものが含まれる場合が多い。また、所定の情報を有したコンテンツを同じ内容のまま長期間に亘って放送した場合には、情報価値がしだいに低下して観る者も興味を失ってしまう。さらに、医療情報の場合は、提供したいコンテンツの種類は医療施設ごと或いは診療科ごとに患者に応じて異なるのが通常であるが、所望するコンテンツをタイムリーに入手して所望の時期・時間帯に放送することは実際上困難である。
【0004】
この問題に対し、特開2007−325124号公報には、インターネット回線を介しコンテンツ提供会社のメインサーバからその病院専用の内容を有したコンテンツを各々得可能として、取得したコンテンツのデータを病院の放映用端末の保持部に保持させることにより、所望する時間帯で放送できるようにした院内放送システムが提案されている。
【0005】
この院内放送システムでは、メインサーバが各々の病院識別情報と関連づけて専用のコンテンツを蓄積し、これを病院識別情報で識別される各病院放映端末に送信することでオンデマンド的な放送を可能としたものであり、所望のコンテンツを各病院の都合に合わせたタイミング・回数にて放送可能としている。
【0006】
しかしながら、このシステムでは各病院が自己の所望する放送内容について、予めコンテンツ提供会社に要望を伝えたり内容を調整したりする手間と費用を要し、且つ、情報の陳腐化を防ぐため所定の期間毎にコンテンツの更新を行う必要があるため、その毎回の更新時の手間が病院運営者にとって大きな負担となりやすい。
【0007】
また、上述した従来の院内放送システム総てに共通して、その視聴者は複数のコンテンツを含む放送内容から自分で活用すべき情報を選別しながら、短時間でこれを理解して記憶することが実際上困難であることに加え、放送内容をより詳しく知りたいというニーズが存在すると考えられる。ところが、これらのシステムでは斯かる問題やニーズに対応する手段を有していないため、視聴者がせっかくの情報を有効に活用しにくい状況となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−325124号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記のような問題を解決しようとするものであり、院内放送システムについて、医療施設において過剰な手間を要することなく所望するコンテンツだけを放送可能としながら、院内放送の視聴者が放送内容をより有効に活用できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そこで、本発明は、コンテンツ提供者のメインサーバと、インターネット回線を介して前記メインサーバに接続可能な複数の会員医療施設の端末装置とを備えて、前記メインサーバから前記端末装置に院内放送用のコンテンツをデータ送信して前記会員医療施設に設置したスピーカ付ディスプレイ装置で各々放送を行わせる会員制の院内放送システムにおいて、前記メインサーバは、記憶部に保存している複数種類の前記コンテンツを1つにまとめて所定のタイミングで前記会員医療施設の各端末装置にデータ送信して保存させ、前記各端末装置では予めインストールしてあるシステム用ソフトウエアを用いながら保存した複数種類の前記コンテンツをそのまま又は前記コンテンツの中から前記会員医療施設側で選定した前記コンテンツの組み合わせによる放送用データに編集し、前記会員医療施設側における所望の時間に前記スピーカ付ディスプレイ装置に出力して各々院内放送を実施することを特徴とする。
【0011】
このように、コンテンツ提供者側のメインサーバから会員医療施設に配置したパーソナルコンピュータ等の端末装置に院内放送用のコンテンツをデータ送信して提供する院内放送システムにおいて、メインサーバからは複数種類のコンテンツを1つにまとめてデータ送信し、会員医療施設側で院内放送管理者が端末装置のシステム用ソフトウエアを用いて所望のコンテンツの組み合わせに編集可能としたことで、最小限の手間で各医療施設に合った放送内容を容易に構築することができ、また、これによりその医療施設を訪れた院内放送の視聴者も視聴しやすい状態となって、その情報を活用しやすいものとすることができる。
【0012】
さらに、上述したシステムにおいて、そのメインサーバは、保存している各コンテンツに関連した内容の文書・画像データを記憶部に保存して会員医療施設の端末装置に送信可能とされており、送信された文書・画像データを端末装置に保存した各会員医療施設で印刷又はディスプレイ表示して患者に閲覧させることにより、患者が医療情報を理解するための補助手段として使用させること特徴としたものとすれば、院内放送の視聴者がその印刷文書を参照することで視聴内容を理解しやすくなることに加え、医療情報を含むデータを印刷またはディスプレイ表示して医療担当者が患者への説明の際に用いることにより、患者における説明内容の理解を補助・促進させることができる。
【0013】
この場合、その文書・画像データの少なくとも一部分は、使用する会員医療施設側で所定レベルの改変・修正・追加が可能とされていることを特徴としたものとすれば、各医療施設の治療方針や説明方法に合わせた内容に修正・追加して各会員医療施設のニーズに合った内容にすることができる。
【0014】
さらにまた、記憶部に保存している複数種類の放送用のコンテンツを1つにまとめて所定のタイミングでインターネット回線を介し会員医療施設の端末装置にデータ送信して保存させるものとして、上述した院内放送システムにおいてシステムの中核をなすメインサーバとすれば、これを使用することで上述したシステムを比較的容易に構築することができる。
【0015】
加えて、前記コンテンツ提供者側のメインサーバに前記会員医療施設側の端末との間で送受信可能なメール通信手段が組み込まれていると相互に容易に連絡が可能であり、特に、前記メール通信手段を用いてメインサーバにおいて作成した今後の所定期間に予定され
る放送内容を、前記会員医療施設の端末装置に送信するとともに印刷またはディスプレイ表示させて会員医療施設側に予め知らせ、これに対して会員医療施設側において放送前に各施設にとって適切な内容かどうかを評価して、前記メール通信手段を用いて会員医療施設側から前記コンテンツ提供者側へ放送内容の訂正や変更などの要望などができる場合には会員医療施設側の意向に沿った放送内容とすることができ、更に利用の幅を広げることができる。
【発明の効果】
【0016】
メインサーバが1つにまとめてデータ送信した複数種類のコンテンツを、会員医療施設側の端末装置で所望のコンテンツの組み合わせに編集して放送するものとした本発明によると、医療施設において過剰な手間を要することなく所望するコンテンツだけを放送することができ、院内放送の視聴者が放送内容をより有効に活用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明における実施の形態のシステム構成図である。
【図2】図1のメインサーバの機能ブロック図である。
【図3】図1のシステムにおける会員医療施設の端末装置によるシステム初期状態のディスプレイ画面ある。
【図4】図3の状態から配信フォルダを開く手順を説明するためのディスプレイ画面の部分展開図である。
【図5】図4の状態からコンテンツデータを取り込む手順を説明するためのディスプレイ画面の部分展開図である。
【図6】図3の状態から放送データを作成して放送を行う手順を説明するためのディスプレイ画面の部分展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための形態を説明する。
【0019】
図1は、本実施の形態の院内放送システム1のシステム構成図を示している。この院内放送システム1は、病院や診療所等の医療施設において、待合室等のパブリックスペースでテレビ等のスピーカ付ディスプレイ装置を用い、所定のコンテンツを放映して院内放送を行うためのシステムであり、コンテンツ提供会社が複数の医療施設と会員契約を結んで運営を行う形態が好ましい。
【0020】
そして、そのシステムの中核をなすのがコンテンツ提供会社側に設置されたメインサーバ10Aであり、これがインターネット回線100を介して各会員医療施設に配置したパーソナルコンピュータ等の端末装置3a,3b,3c,・・・との間で送受信を行うものとされ、このメインサーバ10Aがその記憶部12(図2参照)にデータとして保存している院内放送用のコンテンツを所定のタイミングで各端末装置3a,3b,3c,・・・にデータ送信して保存させ、保存したデータを待合室等に配置したテレビ等のスピーカ付ディスプレイ装置4a,4b,4c,4d,・・・に各々出力することで院内放送を実施させるようになっている。
【0021】
そして、本発明においては、そのメインサーバ10Aがその記憶部12に保存している複数種類の院内放送用のコンテンツ(の一部)を基本的に1つにまとめて会員医療施設の各端末装置3a,3b,3c,・・・に送信して保存させるものとし、その各端末装置3a,3b,3c,・・・にはシステム用ソフトウエアが予めインストールしてあり、このソフトウエアを用いながら、保存した複数種類のコンテンツの中から会員医療施設側で選定したコンテンツの組み合わせによる放送用データに各々編集し、スピーカ付ディスプレイ装置4a,4b,4c,4d,・・・に連続的に出力して各々院内放送を実施するよう
にしている。尚、各会員医療施設に設置されるパソコンはこの院内放送のためだけに使われる専用のパソコンを購入又は貸与される場合が機器の増設、ソフトウェアのインストールや各種の設定などの点で有利である。
【0022】
これにより、従来の院内放送システムにおいて各会員医療施設に合った放送内容とするためにコンテンツ提供会社との間で緊密なやりとりを行う手間と費用をコンテンツの更新毎に要して会員医療施設側の負担が過大となりやすかったのに対し、複数種類のコンテンツを1つにまとめて送信して保存させ、会員医療施設側で端末装置3a,3b,3c,・・・のシステム用ソフトウエアを用いながら所望するコンテンツを選んだ放送用データに編集するだけの手間のみで、自己の施設に適した放送内容を構築することを可能としたものである。
【0023】
本実施の形態の場合、病院である会員医療施設の端末装置3a,3bには、データ送信用の送信機31,31が各々付設され、スピーカ付ディスプレイ装置(テレビ)4a,4b,4cに各々付設した受信機32,32,32との間で無線によるデータ通信を行うようになっている。一方、診療所である会員医療施設の端末装置3cは、スピーカ付ディスプレイ装置4dまで距離が近いことから、有線によるデータ通信を行っているが、無線方式であってもよい。
【0024】
また、メインサーバ10Aは、会員医療施設側の端末3a,3b,3c,・・・との間で送受信可能なメール通信手段11a(図2参照)を有しており、このメール通信手段11aを用いてメインサーバ10Aにおいて作成した今後の所定期間に予定される放送内容(番組表)を、前記会員医療施設の端末装置3a,3b,3c,・・・に送信するとともに端末装置3a,3b,3c,・・・に接続した印刷機(図示せず)により印刷またはスピーカ付ディスプレイ装置4a,4b,4c,4d,・・・にディスプレイ表示させて会員医療施設側に予め知らせ、これに対して会員医療施設側において放送前に各施設にとって適切な内容かどうかを評価して、前記メール通信手段11aを用いて会員医療施設側の端末装置3a,3b,3c,・・・から前記コンテンツ提供者側のメインサーバ10Aへ放送内容の訂正や変更などの要望などができるものであり、放送内容を会員医療施設側にとって所望の内容にすることにより更に多くの利用を図ることができる。
【0025】
図2のメインサーバ10Aの機能ブロック図を参照して、本システムの中核をなすメインサーバ10Aは、ハード的にはインターネット回線100に接続可能な汎用のサーバ装置であるが、本実施の形態の院内放送システムを実行するための特有のソフトウエアがインストールされており、主としてシステムの制御・運営を行う制御部11と、各種データを記憶する記憶部12と、外部との送受信を行う送受信手段13を備えたものとなっている。
【0026】
制御部11には、会員用のホームページに入る際に会員を認証するための認証手段11a、メールを通信するためのメール通信手段11b、放送用のコンテンツデータを編成・更新するためのコンテンツ編成・更新手段11c、会員の登録・管理等を行うための登録・管理・計数手段11dを有している。記憶部12には、コンテンツデータファイル12a、例えば前記メール通信手段により送信する番組表を保存する放送内容データファイル12b、配信文書データファイル12c、会員データファイル12dを有している(これらはプログラムにより機能的に構成されている)。
【0027】
また、本システムでは、医療施設で現在放送中または過去に放送されたコンテンツに関連した内容がある程度纏まった形で記載されたフリーペーパー33aやパンフレット33bが設置されている。これらのフリーペーパー33aやパンフレット33bはメインサーバ10Aの配信文書データファイル12cに保存してある文書・画像データの中から情報
を送信して端末装置3a,3b,3c,・・・に接続した印刷機(図示せず)により印刷してもよいが、印刷の手間や経費を考慮してコンテンツ提供会社が印刷したものを配布する場合が好ましく、或いは、別なソース(USBやDVDなど)で配布して各会員医療施設側における別のパソコン等により印刷する手段をとることがセキュリティや各会員医療施設側における編集面で好ましい。
【0028】
尚、前述したフリーペーパー33a、パンフレット33bは、基本的に各々1種類の放送用のコンテンツに対応した内容に纏められており、主として会員医療施設で放送されているコンテンツに対応したものが各々待合室等に配置されるものであり、実際には5〜10種類程度を配置するのが一般的である。
【0029】
特に、別なソース(USBやDVDなど)で配布した場合には、院内放送用のコンテンツとともに自動的に複数種類を1つにまとめて送信されて保存した複数種類の文書・画像データをそのまま利用してもよいが、それらの中から各会員医療施設側で選定して利用する方式としてもよい。以上のようにすることで、院内のプリンターを用い印刷して配置したり、図1中央上部に表示したようにタブレット型端末35等のディスプレイに表示しながら患者への説明時に利用したりすることもできる。
【0030】
この文書・画像データには、前述のフリーペーパー33a、パンフレット33bのほか、例えば視覚・色覚検査用等のポスターや、図1左側に表示したように医師や看護婦などの医療担当者が説明しながら患者に渡すための説明書34も含まれる。また、これらの印刷物には医療情報のほかに公的機関等からのお知らせや各種宣伝等も表示可能とすることが情報の多様化の観点から好ましい。さらに、その少なくとも一部分を各会員医療施設側で改変・修正・追加できるようにすれば、提供する会員医療施設の都合に合わせた内容として情報価値と利便性を高めることができる。
【0031】
次に、本実施の形態の院内放送システム1の会員医療施設側の使用手順の一例について、その端末装置3aのディスプレイ画面を参照しながら説明する。
【0032】
図3は、端末装置3aに予めインストールしたシステム用のソフトウエアを起動させることで表示される初期状態の画面を示しており、左側の再生動画の欄の「放映リスト作成」をクリックすることで再生ボタンが表示され(図6参照)、これを押すことで放送データがスピーカ付ディスプレイ装置4a,4bに出力されて院内放送が開始される。
【0033】
尚、起動用のアイコンをクリックしてからユーザーIDの入力等の認証手続を要する方式とすることが、セキュリティの観点から好ましい。また、この例では、各コンテンツは1分から2分程度の長さであり、再生ボタンを押すことでこれらが順次連続的に放送され、最後のコンテンツが終わると最初のコンテンツに戻るようになっている。
【0034】
一方、左側上部の「配信動画」をクリックすると、その欄が図4左側のように展開し、その「配信フォルダ」をクリックすることで、図4右側に示すような配信リスト一覧が表示される。また、「配信フォルダ」の左側のフォルダ表示(アイコン)に図のようなチェックが付されている場合は、新しい更新データが保存されていることを表している。
【0035】
そこで、院内放送管理者は、この複数種類のコンテンツからなる配信リストから取得すべきコンテンツを選んで、図5左側に示す「データ取込」をクリックすることにより、選定されたもののみからなる実際に放送するコンテンツ群に編集されて、図5右側のようなローカルリストが表示される。このローカルリスト右端側のリピート部分の数字は表示した回数分連続して放送されることを表しており、任意の回数にて設定できるようになっている。尚、コンテンツの放送順も任意に変更できるようにすることが好ましく、さらに、
放送したくないコンテンツについては、配信リストのコンテンツデータ部分を右クリックすること等により除外するものを選択して他を残すようにすれば便利である。
【0036】
そして、図6左側に示す再生動画の欄の「放映リスト作成」をクリックすることにより、図5のローカルリストにあるコンテンツのデータを読み込んで放映データ(放送用データ)が作成され、「放映リスト作成」の下方に展開表示された「テレビ出力」をクリックすることで登録されたスピーカ付ディスプレイ装置4a,4bの中から出力先を選択して出力を開始し、その下に表示された「再生/一時停止ボタン」を操作することにより、出力した放送データの再生/一時停止を行えるようになっている。
【0037】
再度、図3の初期画面を参照して、上部の「配信文書」をクリックすることで、放送用コンテンツとともにメインサーバ10Aから自動送信され保存されている文書・画像データの一覧を参照することができる(図示省略)。そのデータのうち、所望のものをクリックすることでその内容を表示させることができ、表示中にその所定の部分が修正・追加を可能な状態となっている。これにより、例えば当該医療施設の情報を追加して記載したり、内容を変更したりすることができる。
【0038】
斯かる文書・画像データには、前述したようにフリーペーパー33aやパンフレット33bのほか、ポスター形式のもの、或いは説明書形式のものが想定される。また、これらの文書・画像データは、端末装置3aに付設した送信手段31の送信機能を用いてタブレット端末35に送信して保存・表示させることも可能である。
【0039】
尚、上述したように、コンテンツの更新時にはメインサーバ10Aから比較的大きなデータが送信(ダウンロード)されることから、例えば医療施設の営業時間外である夜中等の空いている時間帯を利用してこれを自動的に行わせるようにすることが推奨される。
【0040】
また、上述した説明において、放送用のコンテンツは1つが1〜2分の短いもので、これらを複数種類まとめて連続的に放送する場合を述べたが、例えば、これらの通常用の院内放送とは別に、所定の間隔で1本が比較的長時間の特集番組を提供するものとして、これを複数施設で放送することにより市民講座の開催とすることも想定できる。
【0041】
さらに、このシステムの他の利用方法として、別途にホームページを開設して例えば前記フリーペーパー33a、パンフレット33bにアドレスを記載して会員医療施設同士の情報交換会、講習会、eラーニング等も実施することも想定され、これによりシステムが一層有用性の高いものとなる。加えて、このようなホームページにおいて、コンテンツに関連している医会、学会、提供会社とのリンク機能を設けたり、各会員医療施設の診療案内、得意分野、宣伝等を表示したりしても良い。尚、ホームページを本システムに組み込んでもよいが、ホームページをシステムと別にすることによりは不正侵入、ウイルスによるメインサーバーへの影響を排除することができる。
【0042】
以上、述べたように、院内放送システムについて、本発明により、医療施設において過剰な手間を要することなく所望するコンテンツだけを放送できるものとなり、且つ、院内放送の視聴者が放送内容をより有効に活用できるようになった。
【符号の説明】
【0043】
1 院内放送システム、3a,3b,3c,5a,5b 端末装置、4a,4b,4c,4d スピーカ付ディスプレイ装置、10A メインサーバ、11 制御部、11b メール通信手段、12 記憶部、100 インターネット回線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツ提供者のメインサーバと、インターネット回線を介して前記メインサーバに接続可能な複数の会員医療施設の端末装置とを備えて、前記メインサーバから前記端末装置に院内放送用のコンテンツをデータ送信して前記会員医療施設に設置したスピーカ付ディスプレイ装置で各々放送を行わせる会員制の院内放送システムにおいて、前記メインサーバは、記憶部に保存している複数種類の前記コンテンツを1つにまとめて所定のタイミングで前記会員医療施設の各端末装置にデータ送信して保存させ、前記各端末装置では予めインストールしてあるシステム用ソフトウエアを用いながら保存した複数種類の前記コンテンツをそのまま又は前記コンテンツの中から前記会員医療施設側で選定した前記コンテンツの組み合わせによる放送用データに編集し、前記会員医療施設側における所望の時間に前記スピーカ付ディスプレイ装置に出力して各々院内放送を実施することを特徴とする院内放送システム。
【請求項2】
前記メインサーバが、保存している前記各コンテンツに関連した内容の文書・画像データを前記記憶部に保存して前記会員医療施設の端末装置に送信可能であり、送信された前記文書・画像データを前記端末装置に保存した前記各会員医療施設で印刷又はディスプレイ表示して患者に閲覧させることにより、前記患者が医療情報を理解するための補助手段として使用させること特徴とする請求項1に記載した院内放送システム。
【請求項3】
前記文書・画像データの少なくとも一部分は、使用する前記会員医療施設側で所定レベルの改変・修正・追加が可能とされていることを特徴とする請求項2に記載した院内放送システム。
【請求項4】
前記コンテンツ提供者側のメインサーバに前記会員医療施設側の端末との間で送受信可能なメール通信手段が組み込まれていることを特徴とする請求項1,2又は3に記載した院内放送システム。
【請求項5】
前記メール通信手段を用いてメインサーバにおいて作成した今後の所定期間に予定される放送内容を、前記会員医療施設の端末装置に送信するとともに印刷またはディスプレイ表示させて会員医療施設側に予め知らせ、これに対して会員医療施設側において放送前に各施設にとって適切な内容かどうかを評価して、前記メール通信手段を用いて会員医療施設側から前記コンテンツ提供者側へ放送内容の訂正や変更などの要望などができることを特徴とする請求項4記載に記載した院内放送システム。
【請求項6】
前記記憶部に保存している複数種類の前記コンテンツを1つにまとめて所定のタイミングでインターネット回線を介して前記会員医療施設の端末装置にデータ送信して保存させることにより、請求項1,2,3,4又は5に記載した院内放送システムにおいてシステムの中核をなす前記メインサーバ。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−205102(P2012−205102A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−68174(P2011−68174)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(511077649)株式会社オプティーズクリエーション (1)
【Fターム(参考)】