説明

除去効率測定方法

【課題】対象ガスを直接利用してガス除去エアフィルタの信頼性や信憑性の高い除去効率を測定することができる除去効率測定方法を提供する。
【解決手段】除去効率測定方法は、対象ガスと同一の試験用ガス19と、ガス除去エアフィルタ11に除去されずにそれを通過するトレーサーガス22と、サンプル空気に含まれる試験用ガス19およびトレーサーガス22の濃度を測定する光音響ガスモニタ14とを利用し、所定量の試験用ガス19とトレーサーガス22とをエアフィルタ11の入口側からエアフィルタ11に同時に供給するガス供給プロセスと、エアフィルタ11を通ってその出口から流出したサンプル空気に含まれる試験用ガス19とトレーサーガス22との濃度をガスモニタ14を利用して測定するガス濃度第1測定プロセスとを実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気中に含まれる各種複数のガス成分のうちの所定の対象ガスを除去するガス除去装置の除去効率を測定する除去効率測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力施設から放出される排気ガスに含まれる放射性ヨウ素をヨウ素吸着材によって除去するヨウ素フィルタの漏れを試験するリーク試験方法がある(特許文献1参照)。このリーク試験方法は、空気の組成を変化させる所定のガス成分を含ませた試験空気をヨウ素フィルタに流入させ、その試験空気がヨウ素フィルタの入口から出口に達したときの時間を検出することでヨウ素フィルタにおけるヨウ素の漏れの可能性を試験する。
【0003】
このリーク試験方法では、正常にヨウ素吸着材が設置されたヨウ素フィルタのガス成分の通過時間がガス成分の種類や濃度(流量)、ヨウ素吸着材の量(層厚)に依存することに着目し、空気の組成を変化させるガス成分を含ませた試験空気の正常なヨウ素フィルタにおける比較通過時間をあらかじめ事前の試験によって求めておく。ヨウ素フィルタにおける大気中のガス成分のリークがあると、そのガス成分がヨウ素吸着剤と吸着・脱着反応を起こさずにヨウ素フィルタ中を通過し、リークがない場合と比較して試験空気が早くヨウ素フィルタから出てしまう。ゆえに、リークがある場合のヨウ素フィルタにおける試験空気の通過時間はリークがない場合のヨウ素フィルタにおける試験空気の通過時間よりも早い。したがって、正常なヨウ素フィルタにおいてあらかじめ求めた試験空気の比較通過時間と試験対象のヨウ素フィルタにおける試験空気の通過時間とを比較することで、そのヨウ素フィルタにおけるリークの有無を判定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−148418号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1に開示のリーク試験方法は、ヨウ素とは異なるガス成分を含む試験空気をヨウ素フィルタにおけるヨウ素のリーク有無の試験に利用し、その試験空気がヨウ素フィルタの入口から出口に達したときの時間を検出することでヨウ素フィルタにおけるヨウ素のリークの有無を推定する。ゆえに、ヨウ素そのものを利用してヨウ素フィルタにおけるヨウ素のリークを試験するものではないから、そのヨウ素フィルタにおいてヨウ素そのもののリークがあるかの確証を得ることが難しく、試験結果に高い信頼性や信憑性を求めることはできない。また、このリーク試験方法は、ヨウ素フィルタの入口側に空気導入装置を設置し、ヨウ素フィルタの出口側にガス測定装置を設置するとともに、それら装置とヨウ素フィルタとの間を密閉する密閉機構を取り付け、試験空気の漏れを防止しつつ、試験空気の流速や流量を一定に保持する必要があり、試験に手間と時間とを要するのみならず、それら装置や密閉機構を設置できない環境にある使用中のヨウ素フィルタでは試験を行うことができない場合がある。
【0006】
本発明の目的は、対象ガスを直接利用してガス除去装置におけるその対象ガスの除去効率を測定することができ、信頼性や信憑性の高い除去効率を測定することができる除去効率測定方法を提供することにある。本発明の他の目的は、使用中にあるガス除去装置の除去効率を測定することができる除去効率測定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するための本発明の前提は、空気中に含まれる各種複数のガス成分のうちの所定の対象ガスを除去するガス除去装置の除去効率を測定する除去効率測定方法である。
【0008】
前記前提における本発明の特徴として、除去効率測定方法は、対象ガスと同一の試験用ガスと、ガス除去装置に除去されずにそれを通過するトレーサーガスと、空気中に含まれる試験用ガスおよびトレーサーガスの濃度を測定するガス濃度測定装置とを利用し、所定量の試験用ガスとトレーサーガスとをガス除去装置の入口側からガス除去装置に同時に供給するガス供給プロセスと、ガス除去装置を通ってその出口から流出した空気中に含まれる試験用ガスとトレーサーガスとの濃度をガス濃度測定装置を利用して測定するガス濃度第1測定プロセスとを実行することにある。
【0009】
本発明の一例として、除去効率測定方法は、試験用ガスとトレーサーガスとの供給を停止した後、ガス除去装置から飛散してその出口から流出した空気中に含まれる試験用ガスの濃度をガス濃度測定装置を利用して測定するガス濃度第2測定プロセスを含む。
【0010】
本発明の他の一例として、除去効率測定方法は、ガス除去装置の出口から流出した空気中に含まれるトレーサーガスの濃度からトレーサーガスの空気中における希釈倍率を算出する希釈倍率計算プロセスと、希釈倍率計算プロセスによって算出したトレーサーガスの空気中における希釈倍率に基づいてガス除去装置に流入した試験用ガスの濃度を算出する試験用ガス濃度算出プロセスとを含む。
【0011】
本発明の他の一例として、除去効率測定方法は、ガス除去装置の対象ガスに対する使用可能な限界効率に対応させてガス除去装置の入口側から供給する試験用ガスの空気に対する濃度の倍率を決定する濃度倍率決定プロセスを含む。
【0012】
本発明の他の一例として、ガス供給プロセスでは、ガス除去装置の入口側から供給する試験用ガスの濃度がガス濃度測定装置の検出限界濃度と同一またはそれよりもわずかに高く、試験用ガスとトレーサーガスとの供給時間が同一である。
【0013】
本発明の他の一例として、ガス供給プロセスにおける試験用ガスとトレーサーガスとのガス除去装置の入口側への供給時では、ガス除去装置の周囲の空気の風量または風速が不均一である。
【0014】
本発明の他の一例として、除去効率測定方法では、対象ガスを除去する使用中の状態にあるガス除去装置の除去効率を測定する。
【0015】
本発明の他の一例としては、ガス濃度測定装置が複数種類のガスの濃度を連続して同時に測定することが可能な光音響ガスモニタである。
【0016】
本発明の他の一例としては、ガス除去装置が空気中の対象ガスを吸着するガス除去エアフィルタである。
【発明の効果】
【0017】
本発明にかかる除去効率測定方法によれば、所定量の試験用ガスとトレーサーガスとをガス除去装置の入口側から同時に供給し、ガス除去装置を通ってその出口から流出した空気中に含まれる試験用ガスとトレーサーガスとの濃度をガス濃度測定装置を利用して測定するから、その測定中にトレーサーガスがガス濃度測定装置に検出された場合、試験用ガスがガス除去装置に流入したことが実証され、逆に、その測定中にトレーサーガスがガス濃度測定装置に検出されない場合、試験用ガスもガス除去装置に流入していないことが実証される。ゆえに、ガス除去装置の出口側においてトレーサーガスが検出されることで、その測定中における試験用ガスのガス除去装置への流入を認定することができ、試験用ガスを使用してガス除去装置が設置された環境下の空気に含まれる対象ガスに対するガス除去装置の除去効率を確実に測定することができる。除去効率測定方法は、対象ガスと同一の試験用ガスを利用してガス除去装置における除去効率を測定するから、対象ガスに対するガス除去装置の除去効率を測定したものとみなすことができ、対象ガスに対するガス除去装置の除去効率を高い精度で測定することができるとともに、対象ガスに対するガス除去装置の信頼性や信憑性の高い除去効率を測定することができる。除去効率測定方法は、ガス除去装置の出口側においてトレーサーガスとともに所定濃度の試験用ガスがガス濃度測定装置に検出された場合、そのガス除去装置にリーク等の構造的な欠陥があることやガス除去装置の性能が低下したことを知ることができる。また、それによってそのガス除去装置の使用限界を知ることができるから、ガス除去装置を交換する時期を判断することができる。この除去効率測定方法は、それを実施することでガス除去装置を適時に交換することができ、空気に対象ガスが含まれたとしても、ガス除去装置を利用してその対象ガスを空気から確実に除去することができる。
【0018】
試験用ガスとトレーサーガスとの供給を停止した後、ガス除去装置から飛散してその出口から流出した空気中に含まれる試験用ガスの濃度をガス濃度測定装置を利用して測定する除去効率測定方法は、試験用ガスとトレーサーガスとの供給を停止した後、所定濃度の試験用ガスがガス濃度測定装置に検出された場合、そのガス除去装置にリーク等の構造的な欠陥以外の化学的な欠陥等の他の欠陥があることを知ることができる。また、それによってそのガス除去装置の使用限界を知ることができ、ガス除去装置を交換する時期を正確に判断することができる。この除去効率測定方法は、ガス除去装置を適時に交換することができ、空気に対象ガスが含まれたとしても、ガス除去装置を利用してその対象ガスを空気から確実に除去することができる。
【0019】
ガス除去装置の出口から放出された空気中に含まれるトレーサーガスの濃度からトレーサーガスの空気中における希釈倍率を算出し、算出したトレーサーガスの空気中における希釈倍率に基づいてガス除去装置に流入する試験用ガスの濃度を算出する除去効率測定方法は、ガス除去装置の出口から放出された空気中に含まれるトレーサーガスの希釈倍率からガス除去装置に流入する試験用ガスの濃度を算出することで、ガス除去装置に実際に流入した試験用ガスの実質濃度を解析することができるから、ガス除去装置に流入しない試験用ガスを除いた場合のガス除去装置の除去効率を測定することができ、ガス除去装置の除去効率を高い精度で測定することができるとともに、対象ガスに対するガス除去装置の信頼性や信憑性の高い除去効率を測定することができる。除去効率測定方法は、ガス除去装置の出口においてトレーサーガスとともに所定濃度の試験用ガスがガス濃度測定装置に検出された場合、そのガス除去装置にリーク等の構造的な欠陥があることやガス除去装置の性能が低下したことを知ることができる。また、それによってそのガス除去装置の使用限界を知ることができ、ガス除去装置を交換する時期を正確に判断することができる。この除去効率測定方法は、ガス除去装置を適時に交換することができ、空気に対象ガスが含まれたとしても、ガス除去装置を利用してその対象ガスを空気から確実に除去することができる。
【0020】
ガス除去装置の対象ガスに対する使用可能な限界効率に対応させてガス除去装置の入口側から供給する試験用ガスの空気に対する濃度の倍率を決定する除去効率測定方法は、ガス除去装置の使用環境を考慮しつつ、ガス除去装置の交換の指標となる限界効率に応じて試験用ガスの空気に対する濃度の倍率を自由に決定することができる。この除去効率測定方法は、ガス除去装置の限界効率に応じた倍率の濃度の試験用ガスがガス濃度測定装置に検出された場合、そのガス除去装置の使用限界を知ることができ、ガス除去装置を交換する時期を正確に判断することができる。この除去効率測定方法は、ガス除去装置の限界効率を考慮しつつガス除去装置を適時に交換することができ、空気に対象ガスが含まれたとしても、ガス除去装置を利用してその対象ガスを空気から確実に除去することができる。
【0021】
ガス除去装置の入口側から供給する試験用ガスの濃度がガス濃度測定装置の検出限界濃度と同一またはそれよりもわずかに高く、試験用ガスとトレーサーガスとの供給時間が同一である除去効率測定方法は、必要以上に高い濃度の試験用ガスを供給すると、試験用ガスによってガス除去装置の性能を低下させることになるが、トレーサーガスを利用して試験用ガスのガス除去装置への流入を実証することができるから、ガス濃度測定装置の検出限界濃度と同一またはそれよりもわずかに高い濃度の試験用ガスを除去効率の測定に使用することができるとともに、試験用ガスの供給時間を短くすることができ、ガス除去装置の性能を低下させることなく、そのガス除去装置の除去効率を確実に測定することができる。除去効率測定方法は、ガス濃度測定装置の検出限界濃度にあわせて試験用ガスの濃度を自由に設定することができる。この除去効率測定方法は、試験用ガスとトレーサーガスとの供給時間が同一であるから、その測定中にトレーサーガスがガス濃度測定装置に検出された場合、試験用ガスがガス除去装置に流入したことが確実に実証され、逆に、その測定中にトレーサーガスがガス濃度測定装置に検出されない場合、試験用ガスもガス除去装置に流入していないことが確実に実証される。ゆえに、ガス除去装置の出口側においてトレーサーガスが検出されることでその測定中における試験用ガスのガス除去装置への流入を確証することができ、試験用ガスを使用してガス除去装置が設置された環境下の空気に含まれる対象ガスに対するガス除去装置の除去効率を確実に測定することができる。
【0022】
試験用ガスとトレーサーガスとのガス除去装置の入口側への供給時ではガス除去装置の周囲の空気の風量または風速が不均一である除去効率測定方法は、ガス除去装置の実際の使用環境では空気の風量または風速が不均一であり、そのような環境下でガス除去装置の除去効率を測定することで、ガス除去装置の実際の使用環境に応じた除去効率を測定することができ、ガス除去装置の現実的な使用限界を知ることができるとともに、ガス除去装置を交換する時期を具体的に判断することができる。この除去効率測定方法は、ガス除去装置の実際の使用環境を考慮しつつガス除去装置を適時に交換することができ、空気に対象ガスが含まれたとしても、ガス除去装置を利用してその対象ガスを空気から確実に除去することができる。
【0023】
対象ガスを除去する使用中の状態にあるガス除去装置の除去効率を測定する除去効率測定方法は、実際に設置された使用中のガス除去装置の除去効率を測定することで、その使用中のガス除去装置の欠陥の有無を知ることができ、それによってそのガス除去装置の使用限界を知ることができるとともに、ガス除去装置を交換する時期を具体的に判断することができる。この除去効率測定方法は、ガス除去装置の実際の使用環境においてガス除去装置を適時に交換することができ、空気に対象ガスが含まれたとしても、ガス除去装置を利用してその対象ガスを空気から確実に除去することができる。
【0024】
ガス濃度測定装置が複数種類のガスの濃度を連続して同時に測定することが可能な光音響ガスモニタである除去効率測定方法は、複数種類のガスの濃度を連続かつ同時に測定する光音響ガスモニタを使用することで、試験用ガスとトレーサーガスとを所定時間連続してガス除去装置に流入させたとしても、それらガスの濃度が光音響ガスモニタによって測定されるから、ガス除去装置の除去効率を高い精度で測定することができ、対象ガスに対するガス除去装置の信頼性や信憑性の高い除去効率を測定することができる。
【0025】
ガス除去装置が空気中の対象ガスを吸着するガス除去エアフィルタである除去効率測定方法は、ガス除去エアフィルタの出口側においてトレーサーガスが検出されることで、その測定中における試験用ガスのガス除去エアフィルタへの流入を確証することができ、試験用ガスを使用してガス除去エアフィルタが設置された環境下の空気に含まれる対象ガスに対するガス除去エアフィルタの除去効率を確実に測定することができる。除去効率測定方法は、対象ガスと同一の試験用ガスを利用してガス除去エアフィルタにおける除去効率を測定するから、対象ガスに対するエアフィルタの除去効率を測定したものとみなすことができ、対象ガスに対するエアフィルタの除去効率を高い精度で測定することができるとともに、対象ガスに対するエアフィルタの信頼性や信憑性の高い除去効率を測定することができる。除去効率測定方法は、ガス除去エアフィルタの出口側においてトレーサーガスとともに所定濃度の試験用ガスがガス濃度測定装置に検出された場合、そのエアフィルタに欠陥があることを知ることができる。また、それによってそのガス除去エアフィルタの使用限界を知ることができるから、エアフィルタを交換する時期を判断することができる。この除去効率測定方法は、ガス除去エアフィルタを適時に交換することができ、空気に対象ガスが含まれたとしても、エアフィルタを利用してその対象ガスを空気から確実に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】一例として示す除去効率測定システムの構成図。
【図2】一例として示すガス除去エアフィルタの斜視図。
【図3】ディスプレイに表示された初期画面の一例を示す図。
【図4】濃度倍率設定画面の一例を示す図。
【図5】条件設定画面の一例を示す図。
【図6】システムによって実行される除去効率測定方法のフローチャート。
【図7】図6から続くフローチャート。
【図8】図7から続くフローチャート。
【図9】濃度測定データ表示画面の一例を示す図。
【図10】第2サンプリングにおける条件設定画面の一例を示す図。
【図11】他の一例として示す図7から続く除去効率測定方法のフローチャート。
【図12】濃度測定データ表示画面の他の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
一例として示す除去効率測定システムの構成図である図1等の添付の図面を参照し、本発明にかかる除去効率測定方法の詳細を説明すると、以下のとおりである。なお、図2は、一例として示すガス除去エアフィルタ11の斜視図である。除去効率測定システム10は、所定の除去対象ガスが発生するおそれがある環境下に設置されたガス除去エアフィルタ11の対象ガスの除去効率を測定する除去効率測定方法を実行する。
【0028】
除去効率測定システム10は、ガス除去エアフィルタ11(ガス除去装置)と、ガス供給ユニット12と、空気サンプリングユニット13と、光音響ガスモニタ14(ガス濃度測定装置)と、コントローラ15とから形成されている。本実施の形態ではガス除去装置としてガス除去エアフィルタ11を例示しているが、ガス除去装置をガス除去エアフィルタ11に限定するものではなく、他のすべてのガス除去装置を用いて本発明にかかる除去効率測定方法を実行することができる。また、ガス濃度測定装置として光音響ガスモニタ14を例示しているが、ガス濃度測定装置を光音響ガスモニタ14に限定するものではなく、他のすべてのガス濃度測定装置を用いて本発明にかかる除去効率測定方法を実行することができる。
【0029】
ガス除去エアフィルタ11は、主に原子力施設や半導体製造施設、液晶製造施設において使用される。ガス除去エアフィルタ11にはセパレータ型エアフィルタやミニプリーツ型エアフィルタ等があり、その除去対象ガスには酸性ガスや有機ガス、塩基性ガス等があり、二酸化炭素や酸素も含まれる。ガス除去エアフィルタ11は、ガラス繊維や炭素繊維、合成樹脂繊維、吸着剤(化学薬品)を濾材とし、図2に示すように、フィルタ収納カートリッジ16(収納枠)に収納して使用される。ガス除去エアフィルタ11は、蛇腹に折り畳まれた四角柱状の立体構造を有する。なお、ガス除去エアフィルタ11には、立体構造を有するそれの他に、略扁平のそれも含まれ、さらに、円柱状や多角柱状のものも含まれる。
【0030】
ガス除去エアフィルタ11は、図1に示すように、ダクト17に着脱可能かつ気密に設置され、ダクト17を通る空気に含まれる除去対象ガスを除去し、清浄空気を施設内または施設外に放出する。ダクト17には、図示はしていないが、その上流側と下流側との少なくとも一方に給気ファンや排気ファンが取り付けられている。それらファンは、施設内の空気をダクト17内に強制的に流入させる。ガス除去エアフィルタ11は実際に使用中のそれであり、このシステム10(除去効率測定方法)では除去対象ガスを除去する使用中の状態にある中古品のガス除去エアフィルタ11の除去効率が測定される。なお、このシステム10では、使用中のガス除去エアフィルタ11に限らず、使用する以前の新品のガス除去エアフィルタ11の除去効率の測定に使用される場合もある。
【0031】
他のガス除去装置として、たとえば脱臭・有毒ガスを除去する活性炭フィルタを例示することができる。活性炭フィルタは、空調用フィルタや空気清浄用フィルタ、排気処理用フィルタ、車両用エアフィルタとして使用される。活性炭フィルタの除去対象ガスには、アンモニアやアセトアルデヒド、トルエン、スチレン、キシレン、メチルメルカプタン、硫化水素、硫化メチル、二硫化メチル、トリメチルアミン、イソブタノール、酢酸エチル、メチルイソブチルケトン、プロピオン酸、ノルマル酸等がある。
【0032】
ガス供給ユニット12は、ダクト17の空気取り入れ口18(ガス除去エアフィルタ11の上流)からダクト17内に所定量のガスを所定時間供給する。ガス供給ユニット12は、ガス除去エアフィルタ11の除去対象ガスと同一の試験用ガス19をダクト17に供給する試験ガス供給機構20と、ガス除去エアフィルタ11に除去されずにそれを通過するトレーサーガス22をダクト17に供給するトレーサーガス供給機構23とから形成されている。試験ガス供給機構20やトレーサーガス供給機構23は、ダクト17の空気取り入れ口18に着脱可能に設置される。
【0033】
試験ガス供給機構20は、圧縮された試験用ガス19を貯蔵した試験ガス用ボンベ24と、定流量装置25と、切替バルブ26と、吹出口27とから形成されている。ボンベ24や定流量装置25、切替バルブ26、吹出口27は通気管路28を介して接続されている。試験ガス供給機構20では、ガス除去エアフィルタ11に向かってボンベ24、定流量装置25、切替バルブ26、吹出口27の順に並んでいる。
【0034】
切替バルブ26は、その弁機構を開閉することで、試験用ガス19の通気管路29における流通をON/OFFするとともに、ダクト17への試験用ガス19の供給量を調節する。定流量装置25は、通気管路28を通る試験用ガス19を一定量に保持し、試験ガス用ボンベ24内の試験用ガス19の一定量を切替バルブ26に向かって流入させる。
【0035】
トレーサーガス供給機構23は、圧縮されたトレーサーガス22を貯蔵したトレーサーガス用ボンベ29と、定流量装置30と、切替バルブ31と、吹出口32とから形成されている。ボンベ29や定流量装置30、切替バルブ31、吹出口32は通気管路33を介して接続されている。トレーサーガス供給機構23では、ガス除去エアフィルタ11に向かってボンベ29、定流量装置30、切替バルブ31、吹出口32の順に並んでいる。
【0036】
切替バルブ31は、その弁機構を開閉することで、トレーサーガス22の通気管路33における流通をON/OFFするとともに、ダクト17へのトレーサーガス22の供給量を調節する。定流量装置30は、通気管路33を通るトレーサーガス33を一定量に保持し、トレーサーガス用ボンベ29内のトレーサーガス33の一定量を切替バルブ31に向かって流入させる。
【0037】
空気サンプリングユニット13は、ガス除去エアフィルタ11の下流側におけるダクト17(ガス除去エアフィルタ11とダクト17の空気排出口34との間に延びるダクト17)に着脱可能に設置される。空気サンプリングユニット13は、ダクト17を通る空気を採集する採集口35と、採集した空気をダクト17に戻す放出口36と、吸引ポンプ37と、流量計付き調節バルブ38および切替バルブ39,40とから形成されている。採集口35や放出口36は、ダクト17内に設置されている。採集口35や放出口36、吸引ポンプ37、流量計付き調節弁38、切替バルブ39,40は通気管路41を介して接続されている。空気サンプリングユニット13では、ガス除去エアフィルタ11の側から採集口35、吸引ポンプ37、流量計付き調節弁38、切替バルブ39,40、放出口36の順に並んでいる。
【0038】
吸引ポンプ37は、その出力が一定に保持され、ダクト17を流動する空気を採集口35から通気管路41に強制的に流入させる。流量計付き調節弁38は、通気管路41を通るサンプル空気を一定量に保持し、吸引ポンプ37が吸引したサンプル空気の一定量を各切替バルブ39,40に向かって流入させる。切替バルブ39,40は、その弁機構を開閉することで、サンプル空気の通気管路41における流通をON/OFFする。切替バルブ39は、光音響ガスモニタ14に流入させるサンプル空気のサンプリング量を調節する。
【0039】
光音響ガスモニタ14は、通気管路41に流れるサンプル空気に含まれる各種複数のガス(ガス成分)の濃度を複数同時に測定するとともに、それらガスの濃度を連続的に測定し、測定したガス濃度をコントローラ15に出力する。光音響ガスモニタ14は、その接続端子が通気管路41に接続されている。コントローラ15は、中央処理部(CPUまたはMPU)とメモリと大容量ハードディスクとを有するコンピュータである。コントローラ15には、キーボード42やマウス43、ディスプレイ44、プリンタ(図示せず)等の入出力装置(図示せず)がインターフェイスを介して接続されている。コントローラ15には、試験ガス供給機構20の切替バルブ26とトレーサーガス供給機構23の切替バルブ31とがインターフェイス21を介して接続されている。コントローラ15には、空気サンプリングユニット13の各切替バルブ39,40がインターフェイス21を介して接続され、光音響ガスモニタ14がインターフェイス21を介して接続されている。
【0040】
コントローラ15のメモリには、後記する各種手段をコントローラ15や光音響ガスモニタ14に実行させるためのアプリケーションが格納されている。コントローラ15のハードディスクには、切替バルブ26の弁機構の開閉時間、切替バルブ26の弁機構の開度と切替バルブ26を通過する試験用ガス19の量との相関関係、試験用ガス19の供給量とが格納されている。コントローラ15は、切替バルブ26の弁機構を開け、弁機構の開度を調節し、定流量装置25から切替バルブ26に達した試験用ガス19の一定量(供給量)を吹出口27から所定時間ダクト17内に供給する。コントローラ15は、所定時間経過後に切替バルブ26の弁機構を閉じ、試験用ガス19のダクト17内への供給を停止する。
【0041】
コントローラ15のハードディスクには、切替バルブ31の弁機構の開閉時間、切替バルブ31の弁機構の開度と切替バルブ31を通過するトレーサーガス22の量との相関関係、トレーサーガス22の供給量とが格納されている。コントローラ15は、切替バルブ31の弁機構を開け、弁機構の開度を調節し、定流量装置30から切替バルブ31に達したトレーサーガス22の一定量(供給量)を吹出口32から所定時間ダクト17内に供給する。コントローラ15は、所定時間経過後に切替バルブ31の弁機構を閉じ、トレーサーガス22のダクト17内への供給を停止する。なお、コントローラ15は、試験用ガス19とトレーサーガス22とを同一時間同期してダクト17内に供給する。
【0042】
コントローラ15のハードディスクには、サンプリング時間、切替バルブ39の弁機構の開度と切替バルブ39を通過するサンプル空気のサンプリング量との相関関係、サンプル空気のサンプリング量とが格納される。コントローラ15は、切替バルブ40の弁機構を閉じるとともに、切替バルブ39の弁機構の開度を調節し、流量計付き調節弁38から切替バルブ39に達したサンプル空気の一定量を光音響ガスモニタ14に流入させる。コントローラ15は、一定量のサンプル空気が所定時間光音響ガスモニタ14に流入すると、切替バルブ39の弁機構を閉じるとともに、切替バルブ40の弁機構を開け、サンプル空気の光音響ガスモニタ14への流入を停止しつつ、収集したサンプル空気を放出口36からダクト17内に放出する。
【0043】
コントローラ15の中央処理部は、オペレーティングシステムによる制御に基づいて、メモリからアプリケーションを起動し、起動したアプリケーションに従って、以下の各手段を実行する。コントローラ15の中央処理部は、ガス除去エアフィルタ11の除去対象ガスに対する使用可能な限界効率に対応させてガス除去エアフィルタ11に供給する試験用ガス18のダクト17内の空気に対する濃度の倍率を決定する濃度倍率決定手段(濃度倍率決定プロセス)を実行し、決定した濃度倍率をハードディスクに格納する濃度倍率格納手段(濃度倍率格納プロセス)を実行する。なお、コントローラ15の中央処理部は、濃度倍率決定手段(濃度倍率決定プロセス)を実行することなく、あらかじめ入力された濃度倍率をハードディスクに格納する濃度倍率格納手段(濃度倍率格納プロセス)を実行し、入力された濃度の試験用ガス19をガス除去エアフィルタ11に供給する場合もある。
【0044】
コントローラ15の中央処理部は、選択された除去対象ガスをハードディスクに格納する除去対象ガス格納手段(除去対象ガス格納プロセス)を実行し、選択されたトレーサーガス22をハードディスクに格納するトレーサーガス格納手段(トレーサーガス格納プロセス)を実行するとともに、それらガスの供給時間をハードディスクに格納する供給時間格納手段(供給時間格納プロセス)を実行する。コントローラ15の中央処理部は、トレーサーガス濃度倍率をハードディスクに格納するトレーサーガス濃度倍率格納手段(トレーサーガス濃度倍率格納プロセス)を実行し、サンプリング時間をハードディスクに格納するサンプリング時間格納手段(サンプリング時間格納プロセス)を実行するとともに、サンプリング量をハードディスクに格納するサンプリング量格納手段(サンプリング量格納プロセス)を実行する。
【0045】
コントローラ15の中央処理部は、ダクト17の空気取り入れ口18(ガス除去エアフィルタ11の入口側)からガス除去エアフィルタ11に向かって所定量の試験用ガス19とトレーサーガス22とを同時に供給するガス供給手段(ガス供給プロセス)を実行する。ガス供給手段(ガス供給プロセス)では、ガス除去エアフィルタ11に供給する試験用ガス19の濃度が光音響ガスモニタ14の検出限界濃度と同一またはそれよりもわずかに高い場合、または、ガス除去エアフィルタ11に供給する試験用ガス19の濃度が光音響ガスモニタ14の検出限界濃度よりも高い場合がある。
【0046】
ガス供給手段では、試験用ガス19とトレーサーガス22との供給時間が同一である。ガス供給手段における試験用ガス19とトレーサーガス22とのガス除去エアフィルタ11への供給時では、ダクト17の空気取り入れ口18から取り入れられた空気の風量や風速が一定ではなく、ガス除去エアフィルタ11の周囲の空気の風量または風速が不均一である。
【0047】
コントローラ15の中央処理部は、ガス供給手段(ガス供給プロセス)の実行前に、ガス除去エアフィルタ11を通ってダクト17を流れる空気(ガス除去エアフィルタ11を通ってその出口から流出した空気)の一部を空気サンプリングユニット13にサンプリングさせるバックグラウンドサンプリング手段(バックグラウンドサンプリングプロセス)を実行する。コントローラ15の中央処理部は、バックグラウンドサンプリング手段によってサンプル空気をサンプリングした後、そのサンプル空気に含まれる除去対象ガスやトレーサーガスの濃度を光音響ガスモニタ14を利用して測定するバックグラウンドガス濃度測定手段(バックグラウンドガス濃度測定プロセス)を実行する。コントローラ15の中央処理部は、バックグラウンドガス濃度測定手段(バックグラウンドガス濃度測定プロセス)によって測定した除去対象ガスやトレーサーガスの濃度をハードディスクに格納するバックグラウンドガス濃度格納手段(バックグラウンドガス濃度格納プロセス)を実行する。
【0048】
コントローラ15の中央処理部は、ガス供給手段(ガス供給プロセス)の実行中に、ガス除去エアフィルタ11を通ってダクト17を流れる空気(ガス除去エアフィルタ11を通ってその出口から流出した空気)の一部を空気サンプリングユニット13にサンプリングさせる第1サンプリング手段(第1サンプリングプロセス)を実行する。コントローラ15の中央処理部は、第1サンプリング手段によってサンプル空気をサンプリングした後、そのサンプル空気に含まれる試験用ガス19とトレーサーガス22との濃度を光音響ガスモニタ14を利用して測定するガス濃度第1測定手段(ガス濃度第1測定プロセス)を実行する。コントローラ15の中央処理部は、ガス濃度第1測定手段(ガス濃度第1測定プロセス)によって測定した試験用ガス19およびトレーサーガス22の濃度をハードディスクに格納するガス濃度第1格納手段(ガス濃度第1格納プロセス)を実行する。
【0049】
コントローラ15の中央処理部は、ガス除去エアフィルタ11の出口から流出した空気中に含まれるトレーサーガス22の濃度からトレーサーガス22の空気中における希釈倍率を算出する希釈倍率計算手段(希釈倍率計算プロセス)を実行し、希釈倍率計算手段(希釈倍率計算プロセス)によって算出したトレーサーガス22の空気中における希釈倍率をハードディスクに格納する希釈倍率格納手段(希釈倍率格納プロセス)を実行する。
【0050】
コントローラ15の中央処理部は、希釈倍率計算手段(希釈倍率計算プロセス)によって算出したトレーサーガス22の空気中における希釈倍率に基づいてガス除去エアフィルタ11に流入した試験用ガス19の実供給濃度を算出する試験用ガス実供給濃度算出手段(試験用ガス実供給濃度算出プロセス)を実行し、試験用ガス実供給濃度算出手段(試験用ガス実供給濃度算出プロセス)によって算出した試験用ガス19の実供給濃度をハードディスクに格納する試験用ガス実供給濃度格納手段(試験用ガス実供給濃度格納プロセス)を実行する。
【0051】
コントローラ15の中央処理部は、試験用ガス19とトレーサーガス22との供給を停止した後、ガス除去エアフィルタ11を通ってダクト17を流れる空気(ガス除去エアフィルタ11を通ってその出口から流出した空気)の一部を空気サンプリングユニット13にサンプリングさせる第2サンプリング手段(第2サンプリングプロセス)を実行する。コントローラ15の中央処理部は、第2サンプリング手段によってサンプル空気をサンプリングした後、そのサンプル空気に含まれる試験用ガス19の濃度を光音響ガスモニタ14を利用して測定するガス濃度第2測定手段(ガス濃度第2測定プロセス)を実行する。コントローラ15の中央処理部は、ガス濃度第2測定手段(ガス濃度第2測定プロセス)によって測定した試験用ガス19の濃度をハードディスクに格納するガス濃度第2格納手段(ガス濃度第2格納プロセス)を実行する。コントローラ15の中央処理部は、各種の濃度測定データを出力する(濃度測定データ出力手段、濃度測定データ出力プロセス)を実行する。
【0052】
図3は、ディスプレイ44に表示された初期画面の一例を示す図であり、図4は、濃度倍率設定画面の一例を示す図である。図5は、第1サンプリングにおける条件設定画面の一例を示す図であり、図6は、このシステム10によって実行される除去効率測定方法のフローチャートである。図7は、図6から続くフローチャートであり、図8は、図7から続くフローチャートである。図3〜図5では、各入力エリアや表示エリアに表示されるデータの図示を省略している。
【0053】
システム10を起動すると、ガス供給ユニット12、空気サンプリングユニット13、光音響ガスモニタ14、コントローラ15が稼動する。さらに、ダクト17に設置された給気ファンや排気ファンを別途起動させる。給気ファンや排気ファンを起動させると、図1に矢印L1で示すように、施設内の空気がダクト17の空気取り入れ口18からダクト17内に進入し、その空気がガス除去エアフィルタ11を通ってダクト17の空気排出口34から排出される。ダクト17に進入した空気に除去対象ガスが含まれている場合、その除去対象ガスがガス除去エアフィルタ11によって除去される。
【0054】
システム10を起動すると、コントローラ15は、図3の初期画面をディスプレイ44に表示する。初期画面には、濃度倍率設定ボタン50a、条件設定ボタン50b、バックグラウンドサンプリングボタン50c、第1サンプリングボタン50d、第2サンプリングボタン50e、希釈倍率算出ボタン50f、ログアウトボタン50g、濃度測定データ表示ボタン50hが表示される。ログアウトボタン50gをクリックすると、システム10を閉じる。濃度倍率設定ボタン50aをクリックすると、コントローラ15は、図4の濃度倍率設定画面をディスプレイ44に表示する。濃度倍率設定画面には、測定対象フィルタ名入力エリア51a、限界効率入力エリア51b、除去対象ガス濃度倍率入力エリア51c、実行ボタン51d、キャンセルボタン51e、クリアボタン51fが表示される。
【0055】
キーボード42やマウス43等の入力装置を利用して測定対象フィルタ名入力エリア51aに測定対象フィルタを特定する名称(仮称を含む)を入力(測定対象フィルタ名入力エリア51aのプルダウンリストから測定対象フィルタの名称を選択)する。限界効率入力エリア51bにガス除去エアフィルタ11の除去対象ガスに対する使用可能な限界効率を入力(限界効率入力エリア51bのプルダウンリストから限界効率を選択)する。または、限界効率を入力せずに、除去対象ガス濃度倍率入力エリア51cに除去対象ガスの濃度倍率を入力(除去対象ガス濃度倍率入力エリア51cのプルダウンリストから濃度倍率を選択)する。キャンセルボタン51eをクリックすると、図3の初期画面に戻る。クリアボタン51fをクリックすると、入力エリア51a〜51cに入力された名称や限界効率、濃度倍率の各データが消去され、入力エリア51a〜51cに各データを再入力する。
【0056】
フィルタ名を入力するとともに限界効率を入力した後、実行ボタン51dをクリックすると、コントローラ15は、限界効率入力エリア51aに入力された限界効率に基づいて、ガス除去エアフィルタ11に供給する試験用ガス19のダクト17内の空気に対する濃度倍率を決定し(濃度倍率決定手段、濃度倍率決定プロセス)(S−10)、図示はしていないが、濃度倍率確認画面をディスプレイ44に表示する。また、フィルタ名を入力するとともに濃度倍率を入力した後、実行ボタン51dをクリックすると、コントローラ15は、図示はしていないが、濃度倍率確認画面をディスプレイ44に表示する。
【0057】
コントローラ15は、たとえば、ガス除去エアフィルタ11の限界効率が90%の場合、試験用ガス19のダクト17内の空気に対する濃度の倍率を10倍(ダクト17内の空気を1とした場合、試験用ガス19は10)に決定する。また、ガス除去エアフィルタ11の限界効率が99%の場合、試験用ガス19のダクト17内の空気に対する濃度の倍率を100倍(ダクト17内の空気を1とした場合、試験用ガス19は100)に決定する。
【0058】
濃度倍率確認画面には、濃度倍率表示エリア、濃度倍率確認ボタン、濃度倍率変更ボタンが表示される。濃度倍率表示エリアには、除去対象ガス(試験用ガス19)の決定した濃度倍率が表示される。濃度倍率に変更があれば、濃度倍率変更ボタンをクリックする。濃度倍率変更ボタンをクリックすると、図4の濃度倍率入力画面に戻り、名称や限界効率、濃度倍率の各データを再入力する。濃度倍率に変更がなければ、濃度倍率確認ボタンをクリックする。濃度倍率確認ボタンをクリックすると、コントローラ15は、測定対象フィルタ名入力エリア51aに入力された測定対象フィルタを特定するフィルタ識別子を生成し、濃度倍率(測定対象フィルタ名、格納日時を含む)をフィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納する(濃度倍率格納手段、濃度倍率格納プロセス)。コントローラ15は、濃度倍率を格納すると、図3の初期画面をディスプレイ44に表示する。
【0059】
初期画面において条件設定ボタン50bをクリックすると、コントローラ15は、図示はしていないが、第1サンプリングにおける条件設定と第2サンプリングにおける条件設定のいずれかを選択する選択画面をディスプレイに表示する。選択画面には、第1サンプリング条件設定ボタン、第2サンプリング条件設定ボタンが表示される。第1サンプリング条件設定ボタンをクリックすると、コントローラ15は、図5の第1サンプリング条件設定画面をディスプレイ44に表示する。条件設定画面には、除去対象ガス入力エリア52a、トレーサーガス入力エリア52b、供給時間入力エリア52c、トレーサーガス濃度倍率入力画面52d、サンプリング時間入力エリア52e、サンプリング量入力エリア52f、実行ボタン52g、キャンセルボタン52h、クリアボタン52iが表示される。
【0060】
除去対象ガス入力エリア52aに除去対象ガスを入力(除去対象ガス入力エリア52aのプルダウンリストから除去対象ガスを選択)し、トレーサーガス入力エリア52bにトレーサーガス22を入力(トレーサーガス入力エリア52bのプルダウンリストからトレーサーガス22を選択)するとともに、供給時間入力エリア52cにそれらガスの供給時間を入力(供給時間入力エリア52cのプルダウンリストから供給時間を選択)する。
【0061】
さらに、トレーサーガス濃度倍率入力エリア52dにトレーサーガス22の濃度倍率を入力(トレーサーガス濃度倍率入力エリア52dのプルダウンリストからトレーサーガス濃度倍率を選択)し、サンプリング時間入力エリア52eにサンプリング時間を入力(サンプリング時間入力エリア52eのプルダウンリストからサンプリング時間を選択)するとともに、サンプリング量入力エリア52fにサンプリング量を入力(サンプリング量入力エリア52fのプルダウンリストからサンプリング量を選択)する。キャンセルボタン52hをクリックすると、図3の初期画面に戻る。クリアボタン52iをクリックすると、入力エリア52a〜52fに入力されたデータが消去され、入力エリア52a〜52fに各データを再入力する。
【0062】
それら入力エリア52a〜52fに各データを入力した後、実行ボタン52gをクリックすると、コントローラ15は、図示はしていないが、条件設定確認画面をディスプレイ44に表示する。条件設定確認画面では、各入力エリアにデータが表示されるとともに、条件確認ボタン、条件変更ボタンが表示される。除去対象ガスやトレーサーガス、供給時間、トレーサーガス濃度倍率、サンプリング時間、サンプリング量に変更があれば、条件変更ボタンをクリックする。条件変更ボタンをクリックすると、図5の条件設定画面に戻り、それら入力エリア52a〜52fに各データを再入力する。除去対象ガスやトレーサーガス、供給時間、トレーサーガス濃度倍率、サンプリング時間、サンプリング量に変更がなければ、条件確認ボタンをクリックする。
【0063】
条件確認ボタンをクリックすると、コントローラ15は、入力(選択)された除去対象ガス(格納日時を含む)をフィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納し(除去対象ガス格納手段、除去対象ガス格納プロセス)、入力(選択)されたトレーサーガス(格納日時を含む)をフィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納するとともに(トレーサーガス格納手段、トレーサーガス格納プロセス)、供給時間(格納日時を含む)をフィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納する(供給時間格納手段、供給時間格納プロセス)。
【0064】
さらに、コントローラ15は、入力(選択)されたトレーサーガス濃度倍率(格納日時を含む)をフィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納し(トレーサーガス農簿倍率格納手段、トレーサーガス農簿倍率格納プロセス)、サンプリング時間(格納日時を含む)をフィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納するとともに(サンプリング時間格納手段、サンプリング時間格納プロセス)、サンプリング量(格納日時を含む)をフィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納する(サンプリング量格納手段、サンプリング量格納プロセス)(S−11)。
【0065】
コントローラ15は、除去対象ガスやトレーサーガス、供給時間、トレーサーガス濃度倍率、サンプリング時間、サンプリング量を格納すると、図3の初期画面をディスプレイ44に表示する。濃度倍率設定やガス供給中における条件設定が完了した後、図3の初期画面において、バックグラウンドサンプリングボタン50cをクリックする。バックグラウンドサンプリングボタン50cをクリックすると、コントローラ15は、空気サンプリングユニット13を利用し、ガス除去エアフィルタ11の下流側に延びるダクト17(ガス除去エアフィルタ11の出口とダクト17の空気排出口34との間に延びるダクト17)からサンプル空気をサンプリングする(バックグラウンドサンプリング手段、バックグラウンドサンプリングプロセス)(S−12)。
【0066】
コントローラ15は、図示はしていないが、バックグラウンドサンプリング中メッセージをディスプレイ44に表示する。なお、ダクト17には図示しない給気ファンや排気ファンを介して施設内の空気が強制的に流入している。コントローラ15は、切替バルブ40の弁機構を閉め、切替バルブ39の弁機構を開け、所要量(サンプリング量)のサンプル空気が光音響ガスモニタ14に流入するように弁機構の開度を調節しつつ、吸引ポンプ37を稼動させる。ガス除去エアフィルタ11を通過した空気(ガス除去エアフィルタ11の出口とダクト17の空気排出口34との間に延びるダクト17を流動する空気)は、その一部(サンプル空気)が採集口35からポンプ37に進入し、通気管路41を通ってそれら光音響ガスモニタ14に流入する。
【0067】
コントローラ15は、空気サンプリングユニット13がサンプリングしたサンプル空気に含まれる除去対象ガスやトレーサーガスの濃度測定を光音響ガスモニタ14に指示する。光音響ガスモニタ14は、コントローラ15の指示によってサンプル空気に含まれる除去対象ガスやトレーサーガスの濃度を測定する(バックグラウンドガス濃度測定手段、バックグラウンドガス濃度測定プロセス)(S−13)。なお、サンプル空気は、光音響ガスモニタ14から通気管路41を通って放出口36からダクト17内に放出される。
【0068】
コントローラ15は、バックグラウンドのサンプリング時間が経過したかを判断する(S−14)。サンプリング時間が経過していない場合、コントローラ15は、引き続きサンプル空気を光音響ガスモニタ14に流入させ、サンプル空気に含まれる除去対象ガス19やトレーサーガス22の濃度を光音響ガスモニタ14に測定させる。サンプル空気が光音響ガスモニタ14に流入してから所定時間が経過し、サンプリング時間が経過した場合、コントローラ15は、切替バルブ39の弁機構を閉じ、サンプル空気の光音響ガスモニタ14への流入を停止し、切替バルブ40の弁機構を開け、サンプル空気を放出口36からダクト17内に放出する。次に、切替バルブ40の弁機構を閉じ、ポンプ37を停止してサンプル空気のサンプリングを停止する(S−15)。
【0069】
サンプル空気のサンプリングを停止した後(バックグラウンドサンプリング手段を完了した後)、コントローラ15は、図示はしていないが、バックグラウンドサンプリング完了メッセージ、バックグラウンドガス濃度測定終了ボタンをディスプレイ44に表示する。バックグラウンドガス濃度測定終了ボタンをクリックすると、コントローラ15は、バックグラウンドサンプリングが終了したと判断し、光音響ガスモニタ14に濃度測定データの送信を指示する。光音響ガスモニタ14は、サンプル空気の除去対象ガスバックグラウンド濃度とトレーサーガスバックグラウンド濃度とをコントローラ15に出力する(S−16)。
【0070】
コントローラ15は、光音響ガスモニタ14から出力されたバックグラウンド濃度測定データ(除去対象ガスバックグラウンド濃度、トレーサーガスバックグラウンド濃度、サンプリング日時)をフィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納する(バックグラウンドガス濃度格納手段、バックグラウンドガス濃度格納プロセス)(S−17)。コントローラ15は、図示はしていないが、バックグラウンド完了メッセージとバックグラウンド完了確認ボタンとをディスプレイ44に表示する。バックグラウンド完了確認ボタンをクリックすると、コントローラ15は、図3の初期画面をディスプレイ44に表示する。
【0071】
バックグラウンドガス濃度測定やバックグラウンドガス濃度格納が完了した後、図3の初期画面の第1サンプリングボタン50dをクリックする。第1サンプリングボタン50dをクリックすると、コントローラ15は、指定した除去対象ガスと同一の試験用ガス19およびトレーサーガス22をダクト17内に供給する(ガス供給手段、ガス供給プロセス)(S−18)。コントローラ15は、空気サンプリングユニット13を利用し、ガス除去エアフィルタ11の上流側に延びるダクト17(ダクト17の空気取り入れ口18とガス除去エアフィルタ11の入口との間に延びるダクト17)からサンプル空気をサンプリングする(第1サンプリング手段、第1サンプリングプロセス)(S−19)。
【0072】
コントローラ15は、図示はしていないが、ガス供給中メッセージおよび第1サンプリング中メッセージをディスプレイ44に表示する。なお、ダクト17には図示しない給気ファンや排気ファンを介して施設内の空気が強制的に流入しており、ガス除去エアフィルタ11の周囲の空気の風量や風速が均一ではない。コントローラ15は、切替バルブ26,31の弁機構を開けるとともに、弁機構の開度を調節し、ダクト17を流れる空気に対して試験用ガス19やトレーサーガス22の濃度があらかじめ設定された濃度倍率になるように、所定量の試験用ガス19やトレーサーガス22を通気管路28,33に流入させ、所定量の試験用ガス19やトレーサーガス22をガス供給機構20,23の吹出口27,32からダクト17内に流入させる。
【0073】
コントローラ15は、あらかじめ設定された供給時間の間、それらガス19,22をダクト17に供給し、供給時間が経過すると、切替バルブ26,31の弁機構を閉じ、それらガス19,22の供給を停止する。コントローラ15は、それらガス19,22の供給と供給停止とを同期して行い、それらガス19,22を同一時間ダクト17に供給する。
【0074】
コントローラ15は、試験用ガス19やトレーサーガス22の供給を開始してから所定時間経過後に切替バルブ40の弁機構を閉め、切替バルブ39の弁機構を開け、所要量(サンプリング量)のサンプル空気が光音響ガスモニタ14に流入するように弁機構の開度を調節しつつ、吸引ポンプ37を稼動させる。ガス除去エアフィルタ11を通過した空気(ガス除去エアフィルタ11の出口とダクト17の空気排出口34との間に延びるダクト17を流動する空気)は、その一部(サンプル空気)が採集口35からポンプ37に進入し、通気管路41を通って光音響ガスモニタ14に流入する。
【0075】
コントローラ15は、空気サンプリングユニット13がサンプリングしたサンプル空気に含まれる試験用ガス19やトレーサーガス22の濃度測定を光音響ガスモニタ14に指示する。光音響ガスモニタ14は、コントローラ15の指示によって流入したサンプル空気に含まれる試験用ガス19やトレーサーガス22の濃度を測定する(ガス濃度第1測定手段、ガス濃度第1測定プロセス)(S−20)。サンプル空気は、光音響ガスモニタ14から通気管路41を通って放出口36からダクト17内に放出される。
【0076】
なお、光音響ガスモニタ14は、バックグラウンドガス濃度測定手段(バックグラウンドガス濃度測定プロセス)によって測定した除去対象ガスの濃度を参照し、ガス濃度第1測定手段(ガス濃度第1測定プロセス)によって測定した試験用ガス19の濃度を補正する。また、バックグラウンドガス濃度測定手段(バックグラウンドガス濃度測定プロセス)によって測定したトレーサーガスの濃度を参照し、ガス濃度第1測定手段(ガス濃度第1測定プロセス)によって測定したトレーサーガス22の濃度を補正する。
【0077】
コントローラ15は、サンプリング時間が経過したかを判断する(S−21)。サンプリング時間が経過していない場合、コントローラ15は、引き続きサンプル空気を光音響ガスモニタ14に流入させ、サンプル空気に含まれる試験用ガス19やトレーサーガス22の濃度を光音響ガスモニタ14に測定させる。
【0078】
サンプル空気が光音響ガスモニタ14に流入してから所定時間が経過し、サンプリング時間が経過した場合、コントローラ15は、切替バルブ39の弁機構を閉じ、サンプル空気の光音響ガスモニタ14への流入を停止し、切替バルブ40の弁機構を開け、サンプル空気を放出口36からダクト17内に放出する。次に、切替バルブ40の弁機構を閉じ、ポンプ37を停止してサンプル空気のサンプリングを停止する(S−22)。さらに、コントローラ15は、切替バルブ26,31の弁機構を閉じ、試験用ガス19やトレーサーガス22のダクト17内への供給を停止する。
【0079】
サンプル空気のサンプリングを停止した後(第1サンプリング手段を完了した後)、コントローラ15は、図示はしていないが、第1サンプリング完了メッセージ、ガス濃度測定終了ボタン、ガス濃度測定継続ボタンをディスプレイ44に表示する。ガス濃度測定終了ボタンをクリックすると、コントローラ15は、サンプリングが終了したと判断し(S−23)、光音響ガスモニタ14に濃度測定データの送信を指示する。
【0080】
光音響ガスモニタ14は、サンプル空気の試験用ガス実測濃度(補正した試験用ガス実測濃度)とトレーサーガス実測濃度(補正したトレーサーガス実測濃度)とをコントローラ15に出力する(S−24)。コントローラ15は、光音響ガスモニタ14から出力された濃度測定データ(試験用ガス実測濃度、トレーサーガス実測濃度、サンプリング日時)をフィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納する(ガス濃度格納手段、ガス濃度格納プロセス)(S−25)。コントローラ15は、図示はしていないが、ガス供給中ガス濃度測定完了メッセージとガス供給中ガス濃度測定完了確認ボタンとをディスプレイ44に表示する。ガス供給中ガス濃度測定完了確認ボタンをクリックすると、コントローラ15は、図3の初期画面をディスプレイ44に表示する。
【0081】
同じガス除去エアフィルタ11においてサンプル空気の試験用ガス19とトレーサーガス22との濃度測定を2回以上行う場合、ガス濃度測定継続ボタンをクリックする。ガス濃度測定継続ボタンをクリックすると、コントローラ15は、サンプリングが終了していないと判断するとともに(S−23)、光音響ガスモニタ14に濃度測定データの送信を指示する。光音響ガスモニタ14は、サンプル空気の試験用ガス実測濃度とトレーサーガス実測濃度とをコントローラ15に出力する(S−26)。
【0082】
コントローラ15は、光音響ガスモニタ14から出力された濃度測定データ(試験用ガス実測濃度、トレーサーガス実測濃度、サンプリング日時)をフィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納する(ガス濃度格納手段、ガス濃度格納プロセス)(S−27)。コントローラ15は、濃度測定データを格納すると、図4の濃度倍率設定画面をディスプレイ44に表示し、ステップ10(S−10)からの手順を繰り返す。その場合、濃度倍率や条件設定を従前と同一としつつ、バックグラウンドサンプリングを省略した状態でステップ18(S−18)以降の手順を実施することができる。
【0083】
図9は、濃度測定データ表示画面の一例を示す図である。図9では、各表示エリアに表示されるデータの図示を省略している。濃度測定が完了した後、コントローラ15は、トレーサーガス22の空気中における希釈倍率を算出するかを判断する(S−28)。希釈倍率を算出する場合、図3の初期画面において希釈倍率算出ボタン50fをクリックする。希釈倍率算出ボタン50fをクリックすると、コントローラ15は、トレーサーガス22の空気中における希釈倍率を算出すると判断し、ガス除去エアフィルタ11の出口から流出した空気中に含まれるトレーサーガス22の濃度からトレーサーガス22の空気中における希釈倍率を算出する(希釈倍率計算手段、希釈倍率計算プロセス)(S−29)。
【0084】
さらに、希釈倍率計算手段(希釈倍率計算プロセス)によって算出したトレーサーガス22の空気中における希釈倍率に基づいてガス除去エアフィルタ11に流入した(ガス除去エアフィルタ11に達した)試験用ガス19の実供給濃度を算出する(試験用ガス実供給濃度算出手段、試験用ガス実供給濃度算出プロセス)(S−20)。
【0085】
具体的には、トレーサーガス22の実測平均濃度をガス供給ユニット23から供給されたトレーサーガス22の濃度で除してトレーサーガス22の空気中における希釈倍率を算出する。次に、ガス供給ユニット20から供給された試験用ガス19の濃度にトレーサーガス22の希釈倍率を掛け合わせ、ガス除去エアフィルタ11に達した試験用ガス19の実際の実供給濃度を算出する。たとえば、希釈倍率計算手段によって算出したトレーサーガス22の空気中における希釈倍率が95%であった場合、ガス供給ユニット23から供給されたトレーサーガス22のうちの5%のそれがガス除去エアフィルタ11に達しなかったことになるとともに、ガス供給ユニット20から供給された試験用ガス19のうちの5%のそれがガス除去エアフィルタ11に達しなかったことになる。コントローラ15は、ガス供給ユニット20から供給された試験用ガス19の濃度に0.95を掛け合わせ、ガス除去エアフィルタ11に達した試験用ガス19の実際の実供給濃度を算出する。
【0086】
コントローラ15は、希釈倍率計算手段(希釈倍率計算プロセス)によって算出したトレーサーガス22の空気中における希釈倍率(格納日時を含む)をフィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納し(希釈倍率格納手段、希釈倍率格納プロセス)、試験用ガス実給濃度算出手段(試験用ガス実供給濃度算出プロセス)によって算出した試験用ガス19の実供給濃度(格納日時を含む)をフィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納する試験用ガス実供給濃度格納手段(試験用ガス実供給濃度格納プロセス)(S−31)。コントローラ15は、トレーサーガス22の希釈倍率と試験用ガス19の実供給濃度とを格納した後、図3の初期画面をディスプレイ44に表示する。
【0087】
図3の初期画面において希釈倍率算出ボタン50fをクリックすることなく(希釈倍率を算出することなく)濃度測定データ表示ボタン50hをクリックすると、ステップ28(S−28)おいてコントローラ15は、トレーサーガス22の空気中における希釈倍率を算出しないと判断し、図9の濃度測定データ表示画面をディスプレイ44に表示する(濃度測定データ出力手段、濃度測定データ出力プロセス)(S−32)。また、希釈倍率を算出した後、図3の初期画面において濃度測定データ表示ボタン50hをクリックすると、コントローラ15は、図9の濃度測定データ表示画面をディスプレイ44に表示する(濃度測定データ出力手段、濃度測定データ出力プロセス)(S−32)。濃度測定データは、プリンタを介して出力することができる(濃度測定データ出力手段、濃度測定データ出力プロセス)(S−32)。
【0088】
図9の濃度測定データ表示画面には、測定対象フィルタ名表示エリア53a、サンプリング日時表示エリア53b、除去対象ガス表示エリア53c、除去対象ガス濃度倍率表示エリア53d、トレーサーガス表示エリア53e、トレーサーガス濃度倍率表示エリア53f、供給時間表示エリア53g、サンプリング時間表示エリア53h、サンプリング量表示エリア53i、トレーサーガス希釈倍率表示エリア53j、試験用ガス実供給濃度表示エリア53k、試験用ガス実測濃度表示エリア53l、トレーサーガス実測濃度表示エリア53m、印刷ボタン53n、閉じるボタン53oが表示される。
【0089】
測定対象フィルタ名表示エリア53aには、図4の濃度倍率設定画面で指定した測定対象フィルタ名が表示され、サンプリング日時表示エリア53bには、その測定対象フィルタのサンプル空気のサンプリング日時が表示されるとともに、除去対象ガス表示エリア53cには、図5の条件設定画面において指定した除去対象ガスが表示され、除去対象ガス濃度倍率表示エリア53dには、除去対象ガスの濃度倍率が表示される。トレーサーガス表示エリア53eには、図5の条件設定画面において指定したトレーサーガスが表示され、トレーサーガス濃度倍率表示エリア53fには、トレーサーガスガスの濃度倍率が表示されるとともに、供給時間表示エリア53gには、それらガスの供給時間が表示され、サンプリング時間表示エリア53hには、サンプリング時間が表示される。
【0090】
サンプリング量表示エリア53iには、サンプリング量が表示され、トレーサーガス希釈倍率表示エリア53jには、希釈倍率計算手段によって算出したトレーサーガスの希釈倍率が表示されるとともに、試験用ガス実供給濃度表示エリア53kには、試験用ガス実給濃度算出手段によって算出した試験用ガスの実供給濃度が表示される。試験用ガス実測濃度表示エリア53lには、試験用ガスの実測濃度が表示され、トレーサーガス実測濃度表示エリア53oには、トレーサーガスの実測濃度が表示される。なお、トレーサーガスの希釈倍率を算出しない場合は、トレーサーガス希釈倍率表示エリア53jと試験用ガス実供給濃度表示エリア53kとがブランクになる。
【0091】
図6,7のフローチャートで説明した除去効率測定方法は、所定量の試験用ガス19とトレーサーガス22とをダクト17に同時に供給し、ガス除去エアフィルタ11(ガス除去装置)を通ってその出口から流出したサンプル空気に含まれる試験用ガス19とトレーサーガス22との濃度を光音響ガスモニタ14(ガス濃度測定装置)を利用して測定するから、その測定中にトレーサーガス22が光音響ガスモニタ14に検出された場合、試験用ガス19がガス除去エアフィルタ11に確実に流入したことが実証され、逆に、その測定中にトレーサーガス22が光音響ガスモニタ14に検出されない場合、試験用ガスもガス除去エアフィルタ11に流入していないことが実証される。ゆえに、ガス除去エアフィルタ11の出口側においてトレーサーガス22が検出されることで、その測定中における試験用ガス19のガス除去エアフィルタ11への流入を認定することができ、試験用ガス19を使用してガス除去エアフィルタ11が設置された環境下の空気に含まれる対象ガスに対するガス除去エアフィルタ11の除去効率を確実に測定することができる。
【0092】
除去効率測定方法は、除去対象ガスと同一の試験用ガス19を利用してガス除去エアフィルタ11における除去効率を測定するから、対象ガスに対するガス除去エアフィルタ11の除去効率を測定したものとみなすことができ、対象ガスに対するガス除去エアフィルタ11の除去効率を高い精度で測定することができるとともに、対象ガスに対するガス除去エアフィルタ11の信頼性や信憑性の高い除去効率を測定することができる。
【0093】
除去効率測定方法は、実際に設置された使用中のガス除去エアフィルタ11の出口側においてトレーサーガス22とともに所定濃度の試験用ガス19が光音響ガスモニタ14に検出された場合、その使用中のガス除去エアフィルタ11にリーク等の構造的な欠陥があることやガス除去エアフィルタ11の性能が低下したことを知ることができる。また、それによってそのガス除去エアフィルタ11の使用限界を知ることができるから、ガス除去エアフィルタ11を交換する時期を具体的に判断することができる。除去効率測定方法は、ガス除去エアフィルタ11の実際の使用環境においてガス除去エアフィルタ11を適時に交換することができ、空気に除去対象ガスが含まれたとしても、ガス除去エアフィルタ11を利用してその対象ガスを空気から確実に除去することができる。
【0094】
除去効率測定方法は、ガス除去エアフィルタ11の出口から放出されたサンプル空気に含まれるトレーサーガス22の希釈倍率を算出し、その希釈倍率から逆算してガス除去エアフィルタ11に流入する試験用ガス19の濃度を算出することで、ガス除去エアフィルタ11に実際に流入した試験用ガス19の実質濃度を解析することができるから、ガス除去エアフィルタ11に流入しない試験用ガス19を除いた場合のガス除去エアフィルタ11の除去効率を測定することができ、ガス除去エアフィルタ11の除去効率を高い精度で測定することができるとともに、除去対象ガスに対するガス除去エアフィルタ11の信頼性や信憑性の高い除去効率を測定することができる。
【0095】
除去効率測定方法は、ガス除去エアフィルタ11の除去対象ガスに対する使用可能な限界効率に対応させてガス除去エアフィルタ11の入口側から供給する試験用ガス19の空気に対する濃度の倍率を決定するから、ガス除去エアフィルタ11の使用環境を考慮しつつ、ガス除去エアフィルタ11の交換の指標となる限界効率に応じて試験用ガス19の空気に対する濃度の倍率を自由に決定することができる。除去効率測定方法は、ガス除去エアフィルタ11の限界効率に応じた倍率の濃度の試験用ガス19が光音響ガスモニタ14に検出された場合、そのガス除去エアフィルタ11の使用限界を知ることができ、ガス除去エアフィルタ11を交換する時期を正確に判断することができる。
【0096】
除去効率測定方法は、ガス除去エアフィルタ11の入口側から供給する試験用ガス19の濃度が光音響ガスモニタ14の検出限界濃度と同一またはそれよりもわずかに高い場合、必要以上に高い濃度の試験用ガス19を使用するとガス除去エアフィルタ11の性能を低下させることになるが、レーサーガス22を利用して試験用ガス19のガス除去エアフィルタ11への流入を実証することで、光音響ガスモニタ14の検出限界濃度と同一またはそれよりもわずかに高い濃度の試験用ガス19を除去効率の測定に使用することができるとともに、試験用ガス19の供給時間を短くすることができ、ガス除去エアフィルタ11の性能を低下させることなく、そのガス除去エアフィルタ11の除去効率を確実に測定することができる。除去効率測定方法は、光音響ガスモニタ14の検出限界濃度にあわせて試験用ガス19の濃度を自由に設定することができる。
【0097】
図10は、第2サンプリングにおける条件設定画面の一例を示す図であり、図11は、他の一例として示す図7から続く除去効率測定方法のフローチャートである。図10では、各入力エリアに表示されるデータの図示を省略している。なお、以下の説明では、バックグラウンドサンプリングを示す図6や第1サンプリングを示す図7を援用する。システム10を起動し、図3の初期画面において濃度倍率設定ボタン50aをクリックすると、コントローラ15は、図4の濃度倍率設定画面をディスプレイ44に表示する。図4の濃度倍率設定画面の各入力エリア51a〜51cに名称や限界効率、濃度倍率の各データを入力する。
【0098】
フィルタ名を入力するとともに限界効率を入力した後、実行ボタン51dをクリックすると、コントローラ15は、限界効率入力エリア51aに入力された限界効率に基づいて、ガス除去エアフィルタ11に供給する試験用ガス19のダクト17内の空気に対する濃度の倍率を決定する(濃度倍率決定手段、濃度倍率決定プロセス)(S−10)。また、フィルタ名を入力するとともに濃度倍率を入力した後、実行ボタン51dをクリックする。コントローラ15は、測定対象フィルタ名入力エリア51aに入力された測定対象フィルタを特定するフィルタ識別子を生成し、濃度倍率(格納日時を含む)をフィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納する(濃度倍率格納手段、濃度倍率格納プロセス)。コントローラ15は、濃度倍率を格納すると、図3の初期画面をディスプレイ44に表示する。
【0099】
初期画面において条件設定ボタン50bをクリックすると、コントローラ15は、第1サンプリング条件設定ボタンと第2サンプリング条件設定ボタンとが表示された選択画面をディスプレイ44に表示する(図示せず)。第1サンプリング条件設定ボタンをクリックすると、コントローラ15は、図5の第1サンプリング条件設定画面をディスプレイ44に表示する。図5の条件設定画面の各入力エリア52a〜52fに除去対象ガス、トレーサーガス22、供給時間、トレーサーガス22の濃度倍率、サンプリング時間、サンプリング量を入力する。
【0100】
コントローラ15は、入力(選択)された除去対象ガス(格納日時を含む)をフィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納し(除去対象ガス格納手段、除去対象ガス格納プロセス)、入力(選択)されたトレーサーガス(格納日時を含む)をフィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納するとともに(トレーサーガス格納手段、トレーサーガス格納プロセス)、供給時間(格納日時を含む)をフィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納する(供給時間格納手段、供給時間格納プロセス)。
【0101】
さらに、コントローラ15は、入力(選択)されたトレーサーガス濃度倍率(格納日時を含む)をフィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納し(トレーサーガス農簿倍率格納手段、トレーサーガス農簿倍率格納プロセス)、サンプリング時間(格納日時を含む)をフィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納するとともに(サンプリング時間格納手段、サンプリング時間格納プロセス)、サンプリング量(格納日時を含む)をフィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納する(サンプリング量格納手段、サンプリング量格納プロセス)(S−11)。
【0102】
コントローラ15は、除去対象ガスやトレーサーガス、供給時間、トレーサーガス濃度倍率、サンプリング時間、サンプリング量を格納すると、図3の初期画面をディスプレイ44に表示する。濃度倍率設定やガス供給中における条件設定が完了した後、バックグラウンドガス濃度測定手段(バックグラウンドガス濃度測定プロセス)やバックグラウンドガス濃度格納手段(バックグラウンドガス濃度格納プロセス)を実行する。なお、バックグラウンドガス濃度測定やバックグラウンドガス濃度格納における各手順は、図6のフローチャートのステップ12(S−12)〜ステップ17(S−17)のとおりであるから、上述した図6の説明を援用することで、その詳細な説明は省略する。
【0103】
バックグラウンドガス濃度測定やバックグラウンドガス濃度格納が完了した後、図3の初期画面において、第1サンプリングボタン50cをクリックする。第1サンプリングボタン50cをクリックすると、コントローラ15は、指定した除去対象ガスと同一の試験用ガス19およびトレーサーガス22を通気ダクト17内に供給する(ガス供給手段、ガス供給プロセス)(S−18)。コントローラ15は、空気サンプリングユニット13を利用し、ガス除去エアフィルタ11の下流側に延びるダクト17(ガス除去エアフィルタ11の出口とダクト17の空気排出口34との間に延びるダクト17)からサンプル空気をサンプリングする(第1サンプリング手段、第1サンプリングプロセス)(S−19)。
【0104】
コントローラ15は、ガス供給中メッセージおよび空気サンプリング中メッセージをディスプレイ44に表示する(図示せず)。なお、ダクト17には図示しない給気ファンや排気ファンを介して施設内の空気が強制的に流入しており、ガス除去エアフィルタ11の周囲の空気の風量や風速が均一ではない。コントローラ15は、ダクト17を流れる空気に対して試験用ガス19やトレーサーガス22の濃度があらかじめ設定された濃度倍率になるように、所定量の試験用ガス19やトレーサーガス22を通気管路28,33に流入させ、試験用ガス19やトレーサーガス22をガス供給機構20,23の吹出口27,32からダクト17内に流入させる。
【0105】
コントローラ15は、あらかじめ設定された供給時間の間、それらガス19,22をダクト17に供給し、供給時間が経過すると、それらガス19,22の供給を停止する。コントローラ15は、それらガス19,22の供給と供給停止とを同期して行い、それらガス19,22を同一時間ダクト17に供給する。ガス除去エアフィルタ11を通過した空気(ガス除去エアフィルタ11の出口とダクト17の空気排出口34との間に延びるダクト17を流動する空気)は、その一部(サンプル空気)が通気管路41を通って光音響ガスモニタ14に流入する。
【0106】
コントローラ15は、サンプリングユニット13がサンプリングしたサンプル空気に含まれる試験用ガス19やトレーサーガス22の濃度測定を光音響ガスモニタ14に指示する。光音響ガスモニタ14は、コントローラ15の指示によって流入したサンプル空気に含まれる試験用ガス19やトレーサーガス22の濃度を測定する(ガス濃度第1測定手段、ガス濃度第1測定プロセス)(S−20)。サンプル空気は、光音響ガスモニタ14から通気管路41を通って放出口36からダクト17内に放出される。
【0107】
なお、光音響ガスモニタ14は、バックグラウンドガス濃度測定手段(バックグラウンドガス濃度測定プロセス)によって測定した除去対象ガスの濃度を参照し、ガス濃度第1測定手段(ガス濃度第1測定プロセス)によって測定した試験用ガス19の濃度を補正する。また、バックグラウンドガス濃度測定手段(バックグラウンドガス濃度測定プロセス)によって測定したトレーサーガスの濃度を参照し、ガス濃度第1測定手段(ガス濃度第1測定プロセス)によって測定したトレーサーガス22の濃度を補正する。
【0108】
コントローラ15は、サンプリング時間が経過したかを判断する(S−21)。サンプル空気が光音響ガスモニタ14に流入してから所定時間が経過し、サンプリング時間が経過した場合、コントローラ15は、サンプリングを停止し(S−22)、試験用ガス19やトレーサーガス22のダクト17内への供給を停止する。
【0109】
サンプル空気のサンプリングを停止した後(第1サンプリング手段を完了した後)、コントローラ15は、第1サンプリング完了メッセージ、ガス供給停止メッセージ、ガス濃度測定終了ボタン、ガス濃度測定継続ボタンをディスプレイ44に表示する(図示せず)。ガス濃度測定終了ボタンをクリックすると、コントローラ15は、サンプリングが終了したと判断し(S−23)、光音響ガスモニタ14に濃度測定データの送信を指示する。
【0110】
光音響ガスモニタ14は、サンプル空気の試験用ガス実測濃度(補正した試験用ガス実測濃度)とトレーサーガス実測濃度(補正したトレーサーガス実測濃度)とをコントローラ15に出力する(S−24)。コントローラ15は、光音響ガスモニタ14から出力された濃度測定データ(試験用ガス実測濃度、トレーサーガス実測濃度、サンプリング日時)をフィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納する(ガス濃度格納手段、ガス濃度格納プロセス)(S−25)。コントローラ15は、ガス供給中ガス濃度測定完了メッセージとガス供給中ガス濃度測定完了確認ボタンとをディスプレイ44に表示する(図示せず)。ガス供給中ガス濃度測定完了確認ボタンをクリックすると、コントローラ15は、図3の初期画面をディスプレイ44に表示する。
【0111】
同じガス除去エアフィルタ11においてサンプル空気の試験用ガス19とトレーサーガス21との濃度測定を2回以上行う場合、ガス濃度測定継続ボタンをクリックする。ガス濃度測定継続ボタンをクリックすると、コントローラ15は、サンプリングが終了していないと判断するとともに(S−23)、光音響ガスモニタ14に濃度測定データの送信を指示する。光音響ガスモニタ14は、サンプル空気の試験用ガス実測濃度とトレーサーガス実測濃度とをコントローラ15に出力する(S−26)。コントローラ15は、光音響ガスモニタ14から出力された濃度測定データ(試験用ガス実測濃度、トレーサーガス実測濃度、サンプリング日時)をフィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納する(ガス濃度格納手段、ガス濃度格納プロセス)(S−27)。コントローラ15は、濃度測定データを格納すると、図4の濃度倍率設定画面をディスプレイ44に表示し、ステップ10(S−10)からの手順を繰り返す。その場合、濃度倍率や条件設定を従前と同一としつつ、バックグラウンドサンプリングを省略した状態でステップ18(S−18)以降の手順を実施することができる。
【0112】
第1サンプリングが完了した後、第2サンプリングを行うには、図3の初期画面において条件設定ボタン50bをクリックする。条件設定ボタン50bをクリックすると、コントローラ15は、第1サンプリング条件設定ボタンと第2サンプリング条件設定ボタンとが表示された選択画面をディスプレイ44に表示する(図示せず)。第2サンプリング条件設定ボタンをクリックすると、コントローラ15は、図10の条件設定画面をディスプレイ44に表示する。図10の条件設定画面には、測定対象フィルタ名入力エリア54a、サンプリング時間入力エリア54b、サンプリング量入力エリア54c、実行ボタン54d、キャンセルボタン54e、クリアボタン54fが表示される。
【0113】
測定対象フィルタ名入力エリア54aに測定対象フィルタの名称を入力(測定対象フィルタ名入力エリア54aのプルダウンリストから測定対象フィルタ名を選択)し、サンプリング時間入力エリア54bにサンプリング時間を入力(サンプリング時間入力エリア54bのプルダウンリストからサンプリング時間を選択)するとともに、サンプリング量入力エリア54cにサンプリング量を入力(サンプリング量入力エリア54cのプルダウンリストからサンプリング量を選択)する。キャンセルボタン54eをクリックすると、図3の初期画面に戻る。クリアボタン54fをクリックすると、入力エリア54a〜54cに入力されたデータが消去され、入力エリア54a〜54cに各データを再入力する。
【0114】
それら入力エリア54a〜54cに各データを入力した後、実行ボタン54dをクリックすると、コントローラ15は、図示はしていないが、条件設定確認画面をディスプレイ44に表示する。条件設定確認画面では、各入力エリアにデータが表示されるとともに、条件確認ボタン、条件変更ボタンが表示される。測定対象フィルタ名やサンプリング時間、サンプリング量に変更があれば、条件変更ボタンをクリックする。条件変更ボタンをクリックすると、図9の条件設定画面に戻り、それら入力エリア54a〜54cに各データを再入力する。測定対象フィルタ名やサンプリング時間、サンプリング量に変更がなければ、条件確認ボタンをクリックする。
【0115】
条件確認ボタンをクリックすると、コントローラ15は、入力(選択)された測定対象フィルタ名(格納日時を含む)をフィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納し、サンプリング時間(格納日時を含む)フィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納するとともに(サンプリング時間格納手段、サンプリング時間格納プロセス)、サンプリング量(格納日時を含む)をフィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納する(サンプリング量格納手段、サンプリング量格納プロセス)(S−40)(図11参照)。
【0116】
コントローラ15は、測定対象フィルタ名やサンプリング時間、サンプリング量を格納すると、図3の初期画面をディスプレイ44に表示する。第2サンプリングにおける条件設定が完了した後、図3の初期画面において、第2サンプリングボタン50eをクリックする。第2サンプリングボタン50eをクリックすると、コントローラ15は、空気サンプリングユニット13を利用し、ガス除去エアフィルタ11の下流側に延びる通気ダクト17からサンプル空気をサンプリングする(第2サンプリング手段、第2サンプリングプロセス)(S−41)。
【0117】
コントローラ15は、図示はしていないが、ガス供給停止中メッセージおよび第2サンプリング中メッセージをディスプレイ44に表示する。なお、第2サンプリング手段の実行中では、試験用ガス19やトレーサーガス22のダクト17内への供給が停止している。また、ダクト17には図示しない給気ファンや排気ファンを介して施設内の空気が強制的に流入しており、ガス除去エアフィルタ11の周囲の空気の風量や風速が均一ではない。
【0118】
コントローラ15は、切替バルブ40の弁機構を閉め、切替バルブ39の弁機構を開け、所要量(サンプリング量)のサンプル空気が光音響ガスモニタ14に流入するように弁機構の開度を調節しつつ、吸引ポンプ37を稼動させる。ガス除去エアフィルタ11を通過した空気(ガス除去エアフィルタ11の出口とダクト17の空気排出口34との間に延びるダクト17を流動する空気)は、その一部(サンプル空気)が採集口35からポンプ37に進入し、通気管路41を通って光音響ガスモニタ14に流入する。
【0119】
コントローラ15は、サンプリングユニット13がサンプリングしたサンプル空気に含まれる試験用ガス19の濃度測定を光音響ガスモニタ14に指示する。光音響ガスモニタ14は、コントローラ15の指示によってサンプル空気に含まれる試験用ガス19の濃度を測定する(ガス濃度第2測定手段、ガス濃度第2測定プロセス)(S−42)。なお、光音響ガスモニタ14は、バックグラウンドガス濃度測定手段(バックグラウンドガス濃度測定プロセス)によって測定した除去対象ガスの濃度を参照し、ガス濃度第2測定手段(ガス濃度第2測定プロセス)によって測定した試験用ガス19の濃度を補正する。
【0120】
サンプル空気は、光音響ガスモニタ14から通気管路41を通って放出口36からダクト17内に放出される。コントローラ15は、サンプリング時間が経過したかを判断する(S−43)。サンプリング時間が経過していない場合、コントローラ15は、引き続きサンプル空気を光音響ガスモニタ14に流入させ、サンプル空気に含まれる試験用ガス19の濃度を光音響ガスモニタ14に測定させる。
【0121】
サンプル空気が光音響ガスモニタ14に流入してから所定時間が経過し、サンプリング時間が経過した場合、コントローラ15は、切替バルブ39の弁機構を閉じ、サンプル空気の光音響ガスモニタ14への流入を停止し、切替バルブ40の弁機構を開け、サンプル空気を放出口36からダクト17内に放出する。次に、切替バルブ40の弁機構を閉じ、ポンプ37を停止してサンプル空気のサンプリングを停止する(S−44)。
【0122】
サンプル空気のサンプリングを停止した後(第2サンプリング手段を完了した後)、コントローラ15は、図示はしていないが、第2サンプリング完了メッセージ、ガス濃度測定終了ボタン、ガス濃度測定継続ボタンをディスプレイ44に表示する。ガス濃度測定終了ボタンをクリックすると、コントローラ15は、サンプリングが終了したと判断し(S−45)、光音響ガスモニタ14に濃度測定データの送信を指示する。
【0123】
光音響ガスモニタ14は、サンプル空気の試験用ガス実測濃度(補正した試験用ガス実測濃度)をコントローラ15に出力する(S−46)。コントローラ15は、光音響ガスモニタ14から出力された濃度測定データ(試験用ガス実測濃度、サンプリング日時)をフィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納する(ガス濃度格納手段、ガス濃度格納プロセス)(S−47)。コントローラ15は、図示はしていないが、ガス供給停止後ガス濃度測定完了メッセージとガス供給停止後ガス濃度測定完了確認ボタンとをディスプレイ44に表示する。ガス供給停止後ガス濃度測定完了確認ボタンをクリックすると、コントローラ15は、図3の初期画面をディスプレイ44に表示する。
【0124】
同じガス除去エアフィルタ11においてサンプル空気の試験用ガス19の濃度測定を2回以上行う場合、ガス濃度測定継続ボタンをクリックする。ガス濃度測定継続ボタンをクリックすると、コントローラ15は、サンプリングが終了していないと判断するとともに(S−45)、光音響ガスモニタ14に濃度測定データの送信を指示する。光音響ガスモニタ14は、サンプル空気の試験用ガス実測濃度をコントローラ15に出力する(S−48)。コントローラ15は、光音響ガスモニタ14から出力された濃度測定データ(試験用ガス実測濃度、サンプリング日時)をフィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納する(ガス濃度格納手段、ガス濃度格納プロセス)(S−49)。コントローラ15は、濃度測定データを格納すると、図10の条件設定画面をディスプレイ44に表示し、ステップ40(S−40)からの手順を繰り返す。
【0125】
図12は、濃度測定データ表示画面の他の一例を示す図である。図12では、各表示エリアに表示されるデータの図示を省略している。濃度測定が完了した後、コントローラ15は、トレーサーガス22の空気中における希釈倍率を算出するかを判断する(S−50)。希釈倍率を算出する場合、図3の初期画面において希釈倍率算出ボタン50fをクリックする。希釈倍率算出ボタン50fをクリックすると、コントローラ15は、トレーサーガス22の空気中における希釈倍率を算出すると判断し、ガス除去エアフィルタ11の出口から流出した空気中に含まれるトレーサーガス22の濃度からトレーサーガス22の空気中における希釈倍率を算出する(希釈倍率計算手段、希釈倍率計算プロセス)(S−51)。さらに、希釈倍率計算手段(希釈倍率計算プロセス)によって算出したトレーサーガス22の空気中における希釈倍率に基づいてガス除去エアフィルタ11に流入した(ガス除去エアフィルタ11に達した)試験用ガス19の実供給濃度を算出する(試験用ガス実供給濃度算出手段、試験用ガス実供給濃度算出プロセス)(S−52)。
【0126】
コントローラ15は、希釈倍率計算手段(希釈倍率計算プロセス)によって算出したトレーサーガス22の空気中における希釈倍率(格納日時を含む)をフィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納し(希釈倍率格納手段、希釈倍率格納プロセス)、試験用ガス実給濃度算出手段(試験用ガス実供給濃度算出プロセス)によって算出した試験用ガス19の実供給濃度(格納日時を含む)をフィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納する試験用ガス実供給濃度格納手段(試験用ガス実供給濃度格納プロセス)(S−53)。コントローラ15は、トレーサーガス22の希釈倍率と試験用ガス19の実供給濃度とを格納した後、図3の初期画面をディスプレイ44に表示する。
【0127】
図3の初期画面において希釈倍率算出ボタン50eをクリックすることなく濃度測定データ表示ボタン50hをクリックすると、ステップ50(S−50)おいてコントローラ15は、トレーサーガス22の空気中における希釈倍率を算出しないと判断し、図12の濃度測定データ表示画面をディスプレイ44に表示する(濃度測定データ出力手段、濃度測定データ出力プロセス)(S−54)。また、希釈倍率を算出した後、図3の初期画面において濃度測定データ表示ボタン50hをクリックすると、コントローラ15は、図12の濃度測定データ表示画面をディスプレイ44に表示する(濃度測定データ出力手段、濃度測定データ出力プロセス)(S−54)。濃度測定データは、プリンタを介して出力することができる(濃度測定データ出力手段、濃度測定データ出力プロセス)(S−54)。濃度測定データ表示画面には、第1サンプリングの濃度測定データと第2サンプリングの濃度測定データとが表示され、印刷ボタン55n、閉じるボタン55oが表示される。
【0128】
濃度測定データ表示画面には、第1サンプリングの濃度測定データとして、測定対象フィルタ名表示エリア55a、サンプリング日時表示エリア55b、除去対象ガス表示エリア55c、除去対象ガス濃度倍率表示エリア55d、トレーサーガス表示エリア55e、トレーサーガス濃度倍率表示エリア55f、供給時間表示エリア55g、サンプリング時間表示エリア55h、サンプリング量表示エリア55i、トレーサーガス希釈倍率表示エリア55j、試験用ガス実供給濃度表示エリア55k、試験用ガス実測濃度表示エリア55l、トレーサーガス実測濃度表示エリア55mが表示される。第2サンプリングの濃度測定データとしては、測定対象フィルタ名表示エリア55n、サンプリング日時表示エリア55o、サンプリング時間表示エリア55p、サンプリング量表示エリア55q、試験用ガス実測濃度表示エリア55rが表示される。
【0129】
測定対象フィルタ名表示エリア55aには、図4の濃度倍率設定画面で指定した測定対象フィルタ名が表示され、サンプリング日時表示エリア55bには、その測定対象フィルタのサンプル空気のサンプリング日時が表示されるとともに、除去対象ガス表示エリア55cには、図5の条件設定画面において指定した除去対象ガスが表示され、除去対象ガス濃度倍率表示エリア55dには、除去対象ガスの濃度倍率が表示される。トレーサーガス表示エリア55eには、図5の条件設定画面において指定したトレーサーガスが表示され、トレーサーガス濃度倍率表示エリア55fには、トレーサーガスガスの濃度倍率が表示されるとともに、供給時間表示エリア55gには、それらガスの供給時間が表示され、サンプリング時間表示エリア55hには、サンプリング時間が表示される。
【0130】
サンプリング量表示エリア55iには、サンプリング量が表示され、トレーサーガス希釈倍率表示エリア55jには、希釈倍率計算手段によって算出したトレーサーガスの希釈倍率が表示されるとともに、試験用ガス実供給濃度表示エリア55kには、試験用ガス実給濃度算出手段によって算出した試験用ガスの実供給濃度が表示される。試験用ガス実測濃度表示エリア55lには、試験用ガスの実測濃度が表示され、トレーサーガス実測濃度表示エリア55oには、トレーサーガスの実測濃度が表示される。なお、トレーサーガスの希釈倍率を算出しない場合は、トレーサーガス希釈倍率表示エリア55jと試験用ガス実供給濃度表示エリア55kとがブランクになる。
【0131】
測定対象フィルタ名表示エリア55nには、図10の条件設定画面において指定した測定対象フィルタ名が表示され、サンプリング日時表示エリア55oには、その測定対象フィルタのサンプル空気のサンプリング日時が表示されるとともに、サンプリング時間表示エリア55pには、サンプリング時間が表示される。サンプリング量表示エリア55qには、サンプリング量が表示され、試験用ガス実測濃度表示エリア55rには、試験用ガスの実測濃度が表示される。
【0132】
図11のフローチャート(図6,7のフローチャートを含む)で説明した除去効率測定方法は、図6〜図8のフローチャートで説明した除去効率測定方法が有する効果に加え、以下の効果を有する。図10,11のフローチャートで説明した除去効率測定方法は、試験用ガス19とトレーサーガス22との供給を停止した後、ガス除去エアフィルタ11から飛散してその出口から流出したサンプル空気に含まれる試験用ガス19の濃度を光音響ガスモニタ14を利用して測定するから、所定濃度の試験用ガス19が光音響ガスモニタ14に検出された場合、実際に設置された使用中のガス除去エアフィルタ11にリーク等の構造的な欠陥以外の化学的な欠陥等の他の欠陥があることを知ることができる。また、それによってそのガス除去エアフィルタ11の使用限界を知ることができるから、ガス除去エアフィルタ11を交換する時期を具体的に判断することができる。除去効率測定方法は、ガス除去エアフィルタ11の実際の使用環境においてガス除去エアフィルタ11を適時に交換することができ、空気に除去対象ガスが含まれたとしても、ガス除去エアフィルタ11を利用してその対象ガスを空気から確実に除去することができる。
【符号の説明】
【0133】
10 除去効率測定システム
11 ガス除去エアフィルタ(ガス除去装置)
12 ガス供給ユニット
13 空気サンプリングユニット
14 光音響ガスモニタ(ガス濃度測定装置)
15 コントローラ
19 試験用ガス
20 試験用ガス供給機構
22 トレーサーガス
23 トレーサーガス供給機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気中に含まれる各種複数のガス成分のうちの所定の対象ガスを除去するガス除去装置の除去効率を測定する除去効率測定方法において、
前記除去効率測定方法が、前記対象ガスと同一の試験用ガスと、前記ガス除去装置に除去されずにそれを通過するトレーサーガスと、空気中に含まれる前記試験用ガスおよび前記トレーサーガスの濃度を測定するガス濃度測定装置とを利用し、所定量の前記試験用ガスと前記トレーサーガスとを前記ガス除去装置の入口側から該ガス除去装置に同時に供給するガス供給プロセスと、前記ガス除去装置を通ってその出口から流出した空気中に含まれる前記試験用ガスと前記トレーサーガスとの濃度を前記ガス濃度測定装置を利用して測定するガス濃度第1測定プロセスとを実行することを特徴とする除去効率測定方法。
【請求項2】
前記除去効率測定方法が、前記試験用ガスと前記トレーサーガスとの供給を停止した後、前記ガス除去装置から飛散してその出口から流出した空気中に含まれる前記試験用ガスの濃度を前記ガス濃度測定装置を利用して測定するガス濃度第2測定プロセスを含む請求項1に記載の除去効率測定方法。
【請求項3】
前記除去効率測定方法が、前記ガス除去装置の出口から流出した空気中に含まれる前記トレーサーガスの濃度から該トレーサーガスの空気中における希釈倍率を算出する希釈倍率計算プロセスと、前記希釈倍率計算プロセスによって算出したトレーサーガスの空気中における希釈倍率に基づいて前記ガス除去装置に流入した前記試験用ガスの濃度を算出する試験用ガス濃度算出プロセスとを含む請求項1または請求項2に記載の除去効率測定方法。
【請求項4】
前記除去効率測定方法が、前記ガス除去装置の対象ガスに対する使用可能な限界効率に対応させて該ガス除去装置の入口側から供給する前記試験用ガスの空気に対する濃度の倍率を決定する濃度倍率決定プロセスを含む請求項1ないし請求項3いずれかに記載の除去効率測定方法。
【請求項5】
前記ガス供給プロセスでは、前記ガス除去装置の入口側から供給する前記試験用ガスの濃度が前記ガス濃度測定装置の検出限界濃度と同一またはそれよりもわずかに高く、前記試験用ガスと前記トレーサーガスとの供給時間が同一である請求項1ないし請求項4いずれかに記載の除去効率測定方法。
【請求項6】
前記ガス供給プロセスにおける前記試験用ガスと前記トレーサーガスとの前記ガス除去装置の入口側への供給時では、前記ガス除去装置の周囲の空気の風量または風速が不均一である請求項1ないし請求項5いずれかに記載の除去効率測定方法。
【請求項7】
前記除去効率測定方法では、前記対象ガスを除去する使用中の状態にある前記ガス除去装置の除去効率を測定する請求項1ないし請求項6いずれかに記載の除去効率測定方法。
【請求項8】
前記ガス濃度測定装置が、複数種類のガスの濃度を連続して同時に測定することが可能な光音響ガスモニタである請求項1ないし請求項7いずれかに記載の除去効率測定方法。
【請求項9】
前記ガス除去装置が、空気中の前記対象ガスを吸着するガス除去エアフィルタである請求項1ないし請求項8いずれかに記載の除去効率測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−226943(P2011−226943A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−97646(P2010−97646)
【出願日】平成22年4月21日(2010.4.21)
【出願人】(000153100)株式会社日本環境調査研究所 (30)
【Fターム(参考)】