除塵装置
【目的】 一旦除塵作用面で取り込んだ塵埃が再度除塵対象面に付着したり、取り込んだ塵埃が除塵対象面を傷つけてしまうのを防止し、的確に除塵対象面の除塵を行えるようにする。
【構成】 除塵装置において、除塵作用面RSの一部を除塵作用位置に順次繰り返し移動させて、除塵対象面2aの塵埃を取り込んで除塵作用を行う除塵部材REと、前記除塵作用面RSにおける非除塵作用位置に位置する部分に対して除塵作用を行う塵埃除去手段DEとが設けられている。
【構成】 除塵装置において、除塵作用面RSの一部を除塵作用位置に順次繰り返し移動させて、除塵対象面2aの塵埃を取り込んで除塵作用を行う除塵部材REと、前記除塵作用面RSにおける非除塵作用位置に位置する部分に対して除塵作用を行う塵埃除去手段DEとが設けられている。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、除塵作用面の一部を除塵作用位置に順次繰り返し移動させて、除塵対象面の塵埃を取り込んで除塵作用を行う除塵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】除塵対象面の塵埃を取り込む構成としては、従来、ブラシ状に形成した除塵作用面を、例えば写真用フィルムのフィルム面等の除塵対象面に対して順次繰り返し移動させる構成が考えられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来構成では、除塵作用面が除塵対象面に対して繰り返して除塵作用するので、一旦除塵作用面で取り込んだ塵埃が再度除塵対象面に付着したり、取り込んだ塵埃が除塵対象面を傷つけてしまう虞れがあり、改善が望まれていた。本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、その第1の目的は、一旦除塵作用面で取り込んだ塵埃が再度除塵対象面に付着したり、取り込んだ塵埃が除塵対象面を傷つけてしまうのを防止し、的確に除塵対象面の除塵を行えるようにする点にある。第2の目的は、簡素な構成で上記第1の目的を達成する点にある。第3の目的は、効率良く除塵対象面の除塵を行えるようにしながら、上記第1の目的を達成する点にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の除塵装置の第1特徴構成は、除塵作用面の一部を除塵作用位置に順次繰り返し移動させて、除塵対象面の塵埃を取り込んで除塵作用を行う除塵部材と、前記除塵作用面における非除塵作用位置に位置する部分に対して除塵作用を行う塵埃除去手段とが設けられた点にある。第2特徴構成は、上記第1特徴構成において、前記除塵対象面が、搬送径路に沿って搬送される長尺の帯状部材の表裏両面に存在し、前記除塵部材が、前記表裏両面の除塵対象面に対して除塵作用するように構成されている点にある。第3特徴構成は、上記第1又は第2特徴構成において、前記除塵部材が、略円柱状の外形形状に形成され、前記除塵作用面が、前記略円柱状の除塵部材の周面をブラシ状に形成されて、前記除塵対象面に接触して除塵作用するように構成され、前記除塵作用面が前記除塵対象面に接触する状態で、前記除塵部材の略円形断面の中央部を通る軸芯周りに前記除塵部材を回動駆動する駆動手段が設けられている点にある。
【0005】第4特徴構成は、上記第3特徴構成において、前記ブラシ状に形成された除塵作用面が導電性を有するように構成されている点にある。第5特徴構成は、上記第3又は第4特徴構成において、前記除塵作用面における特定箇所が、粘着性を有するように構成されている点にある。第6特徴構成は、上記第1又は第2特徴構成にておいて、前記除塵部材が、外形形状が略円柱状で且つ前記除塵部材の略円形断面の中央部を通る軸芯周りに回動自在に構成され、前記除塵作用面が、前記略円柱状の除塵部材の周面を粘着力を有するように形成されて、前記除塵対象面に接触して除塵作用するように構成されている点にある。第7特徴構成は、上記第6特徴構成において、前記除塵部材が、その回動軸芯が横並びとなる状態に複数個備えられ、前記除塵部材夫々の除塵作用面が前記除塵部材の回動軸芯方向に不連続で、且つ、前記除塵部材の並び方向視において、前記回動軸芯方向の設定範囲内の何れの箇所においても前記複数の除塵部材の除塵作用面が存在するように構成されている点にある。
【0006】第8特徴構成は、上記第1又は第2特徴構成において、前記除塵部材が、無端帯状に形成され、前記除塵作用面が、前記無端帯状の除塵部材の外周面を前記除塵対象面に接触して除塵作用するように構成され、前記除塵作用面が前記除塵対象面に接触する状態で、前記除塵部材を巻回方向に回動駆動する駆動手段が設けられている点にある。第9特徴構成は、上記第8特徴構成において、前記除塵対象面が、搬送径路に沿って搬送される長尺の帯状部材の表裏両面に存在し、その表裏両面の夫々に対して除塵作用する一対の除塵部材が、夫々偏平形状に巻回され、且つ、前記除塵対象面を交差状態で挟んで、その偏平形状の長手方向に沿う状態で配置され、前記塵埃除去手段は、前記長手方向の一端部に位置する前記一対の除塵部材の除塵作用面の両方に対して除塵作用するように構成されている点にある。第10特徴構成は、上記第8又は第9特徴構成において、前記除塵部材が屈曲部を有するように巻回され、前記塵埃除去手段が、前記屈曲部に位置する前記除塵作用面に対して除塵作用するように構成されている点にある。
【0007】第11特徴構成は、上記第8、第9又は第10特徴構成において、前記除塵部材の除塵作用面が、ブラシ状に形成されている点にある。第12特徴構成は、上記第8、第9又は第10特徴構成において、前記除塵部材の除塵作用面が、ウレタン被覆層が形成された布地にて構成されている点にある。第13特徴構成は、上記第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11又は第12特徴構成において、前記塵埃除去手段が、前記除塵作用面に付着されている塵埃を粘着作用により除去する粘着面が備えられて構成されている点にある。第14特徴構成は、上記第13特徴構成において、前記塵埃除去手段は、前記粘着面が、外形形状が略円柱状の粘着面支持部材の周面に形成されて構成されている点にある。第15特徴構成は、上記第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11又は第12特徴構成において、前記塵埃除去手段は、外形形状が略円柱状で、且つ、略円柱状の周面をブラシ状に形成されて、前記除塵作用面に接触して除塵作用する塵埃除去部材と、前記塵埃除去部材の略円形断面の中央部を通る軸芯周りに前記塵埃除去部材を回動駆動する駆動手段とが備えられて構成されている点にある。第16特徴構成は、上記第15特徴構成において、前記塵埃除去部材に付着した塵埃を粘着作用により除去する補助塵埃除去部材が備えられた点にある。
【0008】第17特徴構成は、上記第15特徴構成において、前記塵埃除去部材に付着した塵埃を吸引作用により除去する補助吸引手段が備えられた点にある。第18特徴構成は、上記第15、第16又は第17特徴構成において、前記塵埃除去部材の前記ブラシ状に形成された周面が導電性を有するように構成されている点にある。第19特徴構成は、上記第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11又は第12特徴構成において、前記塵埃除去手段が、前記除塵作用面に付着されている塵埃を吸引作用により除去する吸引手段が備えられて構成されている点にある。第20特徴構成は、上記第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、第16、第17、第18又は第19特徴構成において、前記除塵対象面が、写真感光材料の表面である点にある。
【0009】
【作用】本発明の第1特徴構成によれば、除塵部材の除塵作用面が除塵対象面から取り込んだ塵埃は、塵埃除去手段によって除去される。従って、除塵作用面は、取り込んだ塵埃が除去された状態で、再び除塵対象面に対して除塵作用することになる。本発明の第2特徴構成によれば、除塵部材が、搬送径路に沿って搬送される長尺の帯状部材の表裏両面に対して除塵作用する。従って、除塵対象面自体が移動するので、除塵部材を長尺の帯状部材に対して相対移動させるための手段を必ずしも必要のないものとしながら、長尺の帯状部材の表裏両面及び搬送される全長に亘って的確に塵埃を除去できる。本発明の第3特徴構成によれば、外形形状が略円柱状の除塵部材の周面がブラシ状に形成されて除塵作用面としてあり、駆動手段が、除塵部材の略円形断面の中央部を通る軸芯周りに除塵部材を回動駆動する。この回動駆動によって、除塵作用面が除塵対象面と接触する除塵作用位置に順次繰り返し移動し、除塵対象面に付いた塵埃をブラシ状に形成された除塵作用面にて取り込む。つまり、ブラシ状に形成された除塵作用面を有する除塵部材を回動駆動するだけの簡素な構成で、設置スペースをとらず、除塵対象面の除塵を行うことができる。
【0010】本発明の第4特徴構成によれば、ブラシ状に形成された除塵作用面が導電性を有するので、静電気で除塵対象面に付いている塵埃を除電して、効果的に除塵対象面から塵埃を取り込むことができる。本発明の第5特徴構成によれば、除塵作用面の特定箇所が粘着性を有しており、特定箇所においてはその粘着力で除塵対象面に付いた塵埃を取り込める。つまり、除塵作用面として、ブラシ状に形成された部分と粘着性を有する部分とを併有しているのである。一般に、粘着性を有する部分はブラシ状の部分よりも塵埃を取り込む力が強いので、除塵部材の除塵作用面と除塵対象面との相対移動に対する抵抗が大きくなるものの除塵対象面に付いた塵埃をより確実に取り込める。従って、除塵対象面のうち特に確実に塵埃を除去したい部分に対応する除塵対象面に粘着作用させるようにして、除塵作用面と除塵対象面との相対移動に対する抵抗が過大とならないようにしながら、部分的に、より効果的に塵埃を除去することができる。本発明の第6特徴構成によれば、除塵部材の外形形状が略円柱状に形成されて、その除塵部材の粘着力を有する周面が除塵作用面として除塵対象面に接触して除塵対象面に付いた塵埃を除去する。つまり、粘着力を有する除塵作用面で除塵対象面の塵埃をより確実に取り込むのである。
【0011】本発明の第7特徴構成によれば、粘着力を有する除塵部材の除塵作用面は回動軸芯方向に不連続になっているので、連続する状態で備えられる場合に較べて、一つの除塵部材が除塵対象面である長尺の帯状部材の平面部に対して作用する粘着力は小さくなる。一つの除塵部材から除塵対象面に作用する粘着力が過大であると、例えば、除塵対象面が薄板状のもののような場合、除塵対象面を巻き込む等して、円滑に除塵作用面を除塵作用位置に順次繰り返し移動させることが困難となるが、上記のように一つの除塵部材が長尺の帯状部材に対して作用する粘着力を小さくできることで、そのような事態を防止できる。又、複数の除塵部材全体としては、除塵部材の並び方向視において、回動軸芯方向の設定範囲内の何れの箇所においても、除塵作用面が存在するように配置されているので、除塵対象面に除塵されない箇所が生じてしまうこともない。本発明の第8特徴構成によれば、無端帯状の除塵部材を、その巻回方向に回動させて、除塵作用するので、除塵対象面に付着した塵埃を、幅広く、むらなくしかも効果的に拭い去りながら取り込むのである。
【0012】本発明の第9特徴構成によれば、無端帯状に形成された一対の除塵部材は、搬送経路に沿って搬送される長尺の帯状部材の表裏両面に対して除塵作用を行う。除塵部材は偏平状に巻回され、除塵対象面である長尺の帯状部材の表裏両面を交差状態で挟んでいるので、除塵部材が除塵対象面の塵埃を帯状部材の搬送径路外に掃き出す状態となり、除塵部材が塵埃を取り込むことができなかった場合でも、その塵埃を搬送経路外へ排除できる。本発明の第10特徴構成によれば、除塵部材の屈曲部においては、除塵部材における除塵対象面に接触する側の面である外周面が引き延ばされることになり、付着した塵埃が清掃体から離脱し易い状態となると同時に、屈曲部での遠心力によってもその離脱が助長されることになり、塵埃除去手段は、除塵部材が取り込んだ塵埃を効果的に取り除くことができる。本発明の第11特徴構成によれば、無端帯状に形成された除塵部材の除塵作用面がブラシ状に形成され、そのブラシ状の除塵作用面が除塵対象面に接触し、駆動手段にて回動駆動されて除塵作用する。つまり、除塵対象面の塵埃をブラシで掃き取る状態で取り込む。
【0013】本発明の第12特徴構成によれば、無端帯状に形成された除塵部材の除塵作用面がウレタン被覆層が形成された布地にて構成され、その除塵作用面が除塵対象面に接触し、駆動手段にて回動駆動されて除塵作用する。このようにウレタン被覆層を形成することで、除塵作用面が除塵対象面と接触することにより生じる発塵を可及的に防止できるのである。本発明の第13特徴構成によれば、塵埃除去手段は、非除塵作用位置にある除塵作用面に接触して、除塵対象面から除塵作用面へ取り込まれた塵埃を粘着面の粘着作用により除去する。従って、粘着面を有する塵埃除去手段を備えるだけの簡素な構成で、除塵作用面の塵埃を除去できる。本発明の第14特徴構成によれば、塵埃除去手段を構成する粘着面は、外形形状が略円柱状の粘着面支持部材の周面に備えられている。従って、シート状の粘着面が順次供給されるような構成に較べて、簡素な構成で、しかも設置スペースをとることもない。
【0014】本発明の第15特徴構成によれば、外形形状が略円柱状で、その周面がブラシ状に形成された塵埃除去部材が、駆動手段にて、略円形断面の中央部を通る軸芯周りに除塵部材を回動駆動される状態で、除塵対象面の塵埃を取り込んだ除塵作用面に対して除塵作用する。従って、ブラシ状に形成された塵埃除去部材を回動駆動するだけの簡素な構成で、設置スペースをとらず、除塵部材が取り込んだ塵埃の除塵を行うことができる。本発明の第16特徴構成によれば、ブラシ状に形成された塵埃除去部材が除塵部材の除塵作用面から取り込んだ塵埃を、更に、補助塵埃除去部材が粘着作用により除去する。本発明の第17特徴構成によれば、ブラシ状に形成された塵埃除去部材が除塵部材の除塵作用面から取り込んだ塵埃を、更に、補助吸引手段が吸引作用により除去する。
【0015】本発明の第18特徴構成によれば、塵埃除去部材のブラシ状に形成された周面が導電性を有するので、塵埃除去部材と除塵部材との摩擦による帯電を防止できる。これにより、塵埃の離脱を容易にして、効果的に除塵作用面から塵埃を除去することができる。本発明の第19特徴構成によれば、塵埃除去手段は、除塵部材の除塵作用面が除塵対象面から取り込んだ塵埃を吸引手段が吸引して取り除く。本発明の第20特徴構成によれば、写真感光材料の表面を除塵対象面とする。写真感光材料は、良質の写真画像を得るために特に塵埃を嫌うので、かかる除塵対象面に上記の除塵作用を行うのは特に有効である。
【0016】
【発明の効果】上記第1特徴構成によれば、除塵作用面は、取り込んだ塵埃が除去された状態で、再び除塵対象面に対して除塵作用することになるので、一旦除塵作用面で取り込んだ塵埃が再度除塵対象面に付着したり、取り込んだ塵埃が除塵対象面を傷つけてしまうのを防止し、的確に除塵対象面の除塵を行うことができる。上記第2特徴構成によれば、除塵部材を長尺の帯状部材に対して相対移動させるための手段を必ずしも必要のないものとしながら、長尺の帯状部材の表裏両面及び搬送される全長に亘って的確に塵埃を除去できるので、構成の簡素化を図りながら、的確に除塵対象面の除塵を行うことができる。上記第3特徴構成によれば、ブラシ状に形成された除塵作用面を有する除塵部材を回動駆動するだけの簡素な構成で、設置スペースをとらず、除塵対象面の除塵を行うことができ、簡素な構成としながら、上記第1又は第2特徴構成による効果を奏することができる。
【0017】上記第4特徴構成によれば、効果的に除塵対象面から塵埃を取り込むことができるので、効率良く除塵対象面の除塵を行いながら、上記第3特徴構成による効果を奏することができる。上記第5特徴構成によれば、除塵作用面と除塵対象面との相対移動に対する抵抗が過大とならないようにしながら、部分的に、より効果的に塵埃を除去することができるので、除塵対象面に応じた的確な除塵が可能となり、除塵装置を一層便利なものとすることができる。上記第6特徴構成によれば、粘着力を有する除塵作用面で除塵対象面の塵埃をより確実に取り込むので、構成の簡素化を図りながら、的確に除塵対象面の除塵を行うことができる。上記第7特徴構成によれば、一つの除塵部材が長尺の帯状部材に対して作用する粘着力を小さくできるので、円滑且つ的確に除塵を行える。上記第8特徴構成によれば、除塵対象面に付着した塵埃を、幅広く、むらなくしかも効果的に拭い去りながら取り込むので、的確に除塵対象面の除塵を行うことができる。
【0018】上記第9特徴構成によれば、除塵部材が塵埃を取り込むことができなかった場合でも、その塵埃を搬送経路外へ排除できるので、的確に除塵対象面の除塵を行うことができる。上記第10特徴構成によれば、塵埃除去手段は、除塵部材が取り込んだ塵埃を効果的に取り除くことができるので、塵埃を取り込んだままの除塵作用面が除塵対象面に除塵作用するのを効果的に防止でき、的確に除塵対象面の除塵を行うことができる。上記第11特徴構成によれば、除塵対象面の塵埃をブラシで掃き取る状態で取り込むので、的確に除塵対象面の除塵を行うことができる。上記第12特徴構成によれば、発塵を可及的に防止できるので、更に、的確に除塵対象面の除塵を行うことができる。上記第13特徴構成によれば、粘着面を有する塵埃除去手段を備えるだけの簡素な構成で、粘着作用によって除塵作用面の塵埃を除去できるので、構成の簡素化をはかりながら、塵埃を取り込んだままの除塵作用面が除塵対象面に除塵作用するのを効果的に防止でき、的確に除塵対象面の除塵を行うことができる。
【0019】上記第14特徴構成によれば、簡素な構成で、しかも設置スペースをとることもないので、更に構成の簡素化をはかりながら、上記第13特徴構成による効果を奏することができる。上記第15特徴構成によれば、ブラシ状に形成された塵埃除去部材を回動駆動するだけの簡素な構成で、設置スペースをとらず、塵埃除去部材が取り込んだ塵埃の除塵を行うことができ、構成の簡素化を図りながら、的確に除塵対象面の除塵を行うことができる。上記第16特徴構成によれば、ブラシ状に形成された塵埃除去部材が除塵部材の除塵作用面から取り込んだ塵埃を補助塵埃除去部材が粘着作用により除去するので、塵埃除去部材は更に効果的に除塵部材の除塵作用面の除塵を行うことができ、もって、的確に除塵対象面の除塵を行うことができる。上記第17特徴構成によれば、ブラシ状に形成された塵埃除去部材が除塵部材の除塵作用面から取り込んだ塵埃を補助吸引手段が吸引作用により除去するので、塵埃除去部材は更に効果的に除塵部材の除塵作用面の除塵を行うことができ、もって、的確に除塵対象面の除塵を行うことができる。
【0020】上記第18特徴構成によれば、効果的に除塵作用面から塵埃を除去することができるので、塵埃を取り込んだままの除塵作用面が除塵対象面に除塵作用するのを効果的に防止でき、的確に除塵対象面の除塵を行うことができる。上記第19特徴構成によれば、除塵部材の除塵作用面が除塵対象面から取り込んだ塵埃を吸引手段が吸引して取り除くので、塵埃を取り込んだままの除塵作用面が除塵対象面に除塵作用するのを防止でき、的確に除塵対象面の除塵を行うことができる。上記第20特徴構成によれば、写真感光材料の表面を除塵対象面とすることで、除塵装置の機能を有効に発揮させることができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の除塵装置を画像プリンタに備えた実施例を図面に基づいて説明する。
〔第1実施例〕図1に示すように、画像プリンタ1には、写真感光材料PLの一例であり長尺の帯状部材であるネガフィルム等の写真用フィルム2の画像を印画紙3に投影露光する投影露光部5、及び、露光された印画紙3を現像する現像処理部Dが設けられている。印画紙3をロール状に収納している印画紙マガジン4から引き出された印画紙3は、投影露光部5で露光された後、現像処理部Dにて現像され、1枚分の画像情報を含む大きさに切断されて排出される。
【0022】以下、各構成部分について説明する。投影露光部5には、投影露光用光源10、写真用フィルム2に照射する光の色バランスを調整する調光フィルタ11、調光フィルタ11を通過した光を均一に混色するミラートンネル12、写真用フィルム2の画像情報を印画紙3上に結像させる焼き付けレンズ13及びシャッタ14が同一光軸上に設けられている。投影露光部5の写真用フィルム2搬送経路上流側には、写真用フィルム2の画像情報を多数の領域に分割して読み取る画像センサ15が設けられている。この画像センサ15は、写真用フィルム2に対して白色光を照射し、その反射光あるいは透過光の強度を赤色,緑色,青色の3原色に分解して例えばCCDラインセンサ又はCCDイメージセンサ等で測定するものであり、画像センサ15にて読み取った画像情報は、コントローラ7に送られて、投影露光部5における露光条件を求めるのに利用されると共に、その求めた露光条件にて印画紙3を露光した場合に得られる画像をシミュレートしてモニタMに表示される。
【0023】画像センサ15の写真用フィルム2搬送経路上流側には、写真用フィルム2を投影露光部5に供給するローラ16及びローラ18とローラ16,18を回転駆動するモータM3とが設けられている。ローラ16とローラ18との間の写真用フィルム2搬送経路には、写真用フィルム2用の除塵装置DRが設けられている。この写真用フィルム2の表裏両面が除塵対象面2aとなる。除塵装置DRには、図2に示すように、写真用フィルム2搬送経路を挟んで上下両側に、除塵部材REとしての上側ブラシベルト40及び下側ブラシベルト41と、上下のブラシベルト40,41に付着した塵埃を吸引作用により除去する塵埃除去手段DEである吸引手段DSと、上下のブラシベルト40,41を回動駆動する駆動手段BDとが備えられている。上下のブラシベルト40,41は、図2に示すように、無端帯状に形成され、夫々の外周面が除塵作用面RSとして、駆動手段BDの駆動により、写真用フィルム2の搬送径路と交差する位置である除塵作用位置に順次繰り返し移動して、写真用フィルム2の除塵対象面2aに接触して除塵作用する。
【0024】駆動手段BDは、ブラシベルト40,41を巻回するための駆動ローラ42及び従動ローラ43、駆動ローラ42に連結される連結シャフト44、ブラシベルト40,41を回動駆動するためのモータM4、モータM4の回転軸の先端に備えられたモータ用ローラ45、及び、モータ用ローラ45と二本の連結シャフト44の端部とに亘って巻回されてモータM4の駆動力を伝達する伝達ベルト46からなり、ブラシベルト40,41を写真用フィルム2の搬送方向視において反時計回り方向に回動駆動する。吸引手段DSは、上側ブラシベルト40を巻回する従動ローラ43付近及び下側ブラシベルト41を巻回する駆動ローラ42付近に夫々開口47a,47bを有するエアダクト47及びエアダクト47に連結されたファン48とからなり、ファン48は、開口47a,47bからブラシベルト40,41の塵埃を吸引する方向に回転する。図3に示すように、ブラシベルト40,41は、ベルト地40a,41aの写真用フィルム2に接する側の面にブラシ40b,41bが形成され、上側ブラシベルト40と下側ブラシベルト41とが向かい合った箇所では、ブラシ40bとブラシ41bとが先端部が互いに重なり合う状態としてある。
【0025】写真用フィルム2はこのブラシ40b,41bが重なり合った部分を押し分けて通過し、ブラシベルト40,41が写真用フィルム2の表裏両面夫々に対して接する状態となるのである。又、ブラシベルト40,41は、駆動ローラ42と従動ローラ43との間に亘って偏平形状に巻回され、図2中矢印Aで示す写真用フィルム2の搬送方向と90°の角度をなす交差状態で写真用フィルム2を表裏両面を挟んで配置されており、ブラシベルト40,41が偏平形状の長手方向に沿う状態となっている。上側ブラシベルト40と下側ブラシベルト41とは、何れも、写真用フィルム2の搬送方向視にて反時計回り方向に回動しているので、ブラシベルト40,41における写真用フィルム2の表裏両面夫々に対する一対の接触部分は、写真用フィルム2の搬送方向同一箇所において互いに逆方向に回動駆動されることになる。駆動ローラ42及び従動ローラ43は、写真用フィルム2の左右側に離れた箇所に設置されており、駆動ローラ42及び従動ローラ43により形成されるブラシベルト40,41の屈曲部Bも写真用フィルム2から離れた非除塵作用位置に位置する。
【0026】上記吸引手段DSのエアダクト47の開口47a,47bは、このブラシベルト40,41の屈曲部Bのうち、写真用フィルム2に接触後の最初の屈曲部Bに向けて設置されている。すなわち、上側ブラシベルト40及び下側ブラシベルト41の何れも写真用フィルム2の搬送方向視にて反時計方向に回動するので、上側ブラシベルト40のための開口47aは、ファン48に近い側の屈曲部Bに向けて位置し、下側ブラシベルト41のための開口47bは、ファン48に遠い側の屈曲部Bに向けて位置し、夫々の屈曲部Bに位置するブラシベルト40,41に付着した塵埃を吸引作用により除去するのである。このように、写真用フィルム2に接触後の最初の屈曲部Bにおいて、ブラシベルト40,41に付着した塵埃を吸引することで、ブラシベルト40,41に付着した塵埃をいたずらに飛散させることなく的確に除去できるのである。
【0027】投影露光部5では、ローラ16,18及びモータM3による写真用フィルム2の供給作動に伴って画像センサ15にて読み取った写真用フィルム2の画像情報に基づいて、コントローラ7が調光フィルタ11を制御して投影露光用光源10の照射光を写真用フィルム2の画像の色濃度に応じた色バランスに調整し、その調整後の光で写真用フィルム2を照射し、写真用フィルム2の画像情報を印画紙3に焼き付けるのである。投影露光部5の印画紙搬送経路下流側には、印画紙3を搬送するローラ22とそのローラ22を駆動するモータM2とが設けられている。現像処理部Dには、図示を省略するが、露光後の印画紙3を現像するための処理液を充填した複数のタンクが備えられ、印画紙3はその複数のタンクを順次通過して行き現像処理される。
【0028】以下、画像プリンタ1の印画紙3に対する露光作動を概略説明する。画像プリンタ1の起動後、写真用フィルム2が、投影露光部5に装填されると、モータM3が作動して写真用フィルム2の搬送を開始する。図示しないセンサによって写真用フィルム2の接近を検知すると、除塵装置DRのモータM4が作動してブラシベルト40,41の回動駆動を開始する。ブラシベルト40,41の設置箇所を通過する写真用フィルム2はブラシベルト40,41にて除塵され、ブラシベルト40,41に付着した塵埃は吸引手段DSにて吸引除去される。除塵装置DRを通過した写真用フィルム2は、画像センサ15にて駒の画像情報が読み取られ、その画像情報を読み取った駒が露光用位置まで搬送される。コントローラ7は、画像センサ15の読取情報に基づいて露光条件を求めると、その露光条件にて印画紙3に露光した場合に得られる写真プリントとしての画像をシミュレートして、モニタMに表示する。操作者はモニタMの表示を見て、修正の必要があれば操作卓Oから修正指示を入力し、修正の必要がなければそのまま露光指示を操作卓Oから入力する。露光指示が入力されると、求めた露光条件に基づいて投影露光部5にて、写真用フィルム2の画像を印画紙3に露光する。
〔第2実施例〕次に、第2実施例を図4に基づいて説明する。第2実施例は、上記第1実施例では、除塵装置DRのブラシベルト40,41における写真用フィルム2の表裏両面夫々に対する一対の接触部分が、写真用フィルム2の搬送方向同一箇所において互いに逆方向に回動駆動されているのに対し、同一方向に回動駆動されるように構成したものである。すなわち、図4に示すように、二本の連結シャフト44の夫々の端部に歯数の等しいギア44a,44bを両者が噛み合った状態で取り付け、そのうち一方のギヤ44aをモータM4の回転軸に取り付けた駆動ギヤ49に噛み合うように配置するのである。この構成により、モータM4の回転により、上側ブラシベルト40は、写真用フィルム2の搬送方向視で反時計回り方向に、下側ブラシベルト41は、写真用フィルム2の搬送方向視で時計回り方向に夫々回動駆動される。尚、上記第1実施例においても、又、本第2実施例においても、モータM4の駆動力の伝達機構の構成は種々変更可能である。
【0029】〔第3実施例〕次に、第3実施例を図面に基づいて説明する。第3実施例の除塵装置DRは、図1に示す第1実施例の除塵装置DRと同様の箇所に配置され、図5乃至図7に示すように、写真用フィルム2搬送経路を挟んで上下両側に、写真用フィルム2と接触して除塵作用する除塵部材REであるブラシローラ30,31、ブラシローラ30,31の上下両側に、ブラシローラ30,31に付着された塵埃を除去するための塵埃除去手段DEである粘着ローラ32,33、ブラシローラ30,31を回動駆動する駆動手段であるモータM1とが備えられている。上側のブラシローラ30と下側のブラシローラ31とは同一形状であり、共に略円柱状の外形形状をしており、その略円柱状の外形の周面がPVC等により導電性を有するブラシ状に形成されて、除塵作用面RSを構成している。又、上側の粘着ローラ32と下側の粘着ローラ33とは同一形状であり、共に、主にウレタン地からなる略円柱状の外形形状を有する粘着面支持部材SPの周面すなわちウレタン地の表面に粘着材が塗布され、粘着面NSとなっている。
【0030】ブラシローラ30,31及び粘着ローラ32,33は、図6の断面図に示すように、ベアリング機構を介して固定の支持枠34に回動自在に支持され、上下共に、ブラシローラ30,31のブラシの先端が粘着ローラ32,33の粘着面NSに接触している。モータM1の駆動力は、図5及び図6に示すように、モータM1の回転軸に取り付けられた駆動ギヤ35と上側のブラシローラ30の回転軸に取り付けられた受動ギヤ30aとが噛合し、更に、その受動ギヤ30aと下側のブラシローラ31の回転軸に取り付けられた受動ギヤ31aとが噛合して、各ブラシローラ30,31に伝達される。ブラシローラ30,31の回転方向は、図7に示すように、矢印Aで示す写真用フィルム2に搬送方向に対して、上側のブラシローラ30は図7において反時計方向に、下側のブラシローラ31は図7において時計方向に回転する。
【0031】粘着ローラ32,33は、モータM1によって直接的には回転駆動されないが、ブラシローラ30,31と接触していることによって、上側の粘着ローラ32は図7において時計方向に、下側の粘着ローラ33は図7において反時計方向に回転する。上記の如くブラシローラ30,31及び粘着ローラ32,33が回転することによって、すなわち、除塵作用面RSの一部を写真用フィルム2との接触位置である除塵作用位置に順次繰り返し移動させて、矢印Aの方向に搬送される写真用フィルム2の表裏両面の除塵対象面2aに付いた塵埃を写真用フィルム2の搬送方向上流側に飛散させてしまうことなく取り込み、ブラシローラ30,31の除塵作用面RSが吸着した塵埃は、写真用フィルム2との接触位置と反対側の非除塵作用位置で粘着ローラ32,33の粘着面NSの粘着作用により除去される。粘着ローラ32,33の粘着面NSに付着した塵埃は、定期的に清掃除去すれば良い。
【0032】この第3実施例の除塵装置DRも、図示しないセンサによって写真用フィルム2の接近を検知すると、モータM1が作動してブラシローラ30,31の回動駆動を開始し、ブラシローラ30,31の設置箇所を通過する写真用フィルム2はブラシローラ30,31にて除塵され、ブラシローラ30,31に付着した塵埃は粘着ローラ32,33にて除去される。
【0033】〔第4実施例〕第4実施例は、上記第3実施例では、写真用フィルム2に付いた塵埃は、ブラシローラ30,31のブラシ状に形成された面のみで付着させて除去される構成としてあるのに対し、図8に示すように、除塵部材REであるブラシローラ30,31の特定箇所としての左右両端部に粘着性を有する補助粘着面30b及び31bを備えさせ、ブラシ状に形成された面よりも強力に写真用フィルム2の塵埃を除去するように構成しても良い。つまり、特に清浄にしたい箇所のみを補助粘着面30b,31bにて除塵するのである。但し、補助粘着面30b,31bの粘着力は、粘着材の素材の混合割合を調整することにより、粘着ローラ32,33の粘着面NSの粘着力よりも弱くしてあり、補助粘着面30b,31bに付着された塵埃が粘着ローラ32,33に確実に除去されるようにしてある。
【0034】図8の例示では、補助粘着面30b,31bの位置は写真用フィルム2のパーフォレーションの付近の位置に対応しており、パーフォレーション付近を、より清浄にすることで、光学式センサによるパーフォレーション自体の読み取りや、パーフォレーションの付近に記録されているDXコードの読み取り等を的確に行うことができる。尚、図8の例示では、補助粘着面30b,31bは、ブラシローラ30,31と一体に回動する構成としているが、補助粘着面30b,31bの形成箇所、及び、粘着ローラ32,33における補助粘着面30b,31bとの接触箇所を遊転可能な構成として、写真用フィルム2の除塵と搬送とを円滑に行えるようにしても良い。
【0035】〔第5実施例〕第5実施例は、上記第3実施例では、写真用フィルム2に付いた塵埃は、ブラシローラ30,31のブラシ状に形成された除塵作用面RSで付着させて除去される構成としているのに対し、図9乃至図11に示すように、写真用フィルム2の搬送位置の上下両側夫々に、前後に2個の分割型粘着ローラ50,51を、搬送される写真用フィルム2に接触する状態で除塵部材REとして備えさせて、除塵対象面2aを除塵する構成としてある。2個の分割型粘着ローラ50,51は、図12に示すようにその回動軸芯が横並びとなる状態で配置され、2個の分割型粘着ローラ50,51のうち、写真用フィルム2搬送経路上流側の分割型粘着ローラ50には、除塵作用面RSである粘着面50a,50bが2箇所に不連続に設けられ、写真用フィルム2搬送経路下流側の分割型粘着ローラ51には、除塵作用面RSである粘着面51a,51b,51cが3箇所に不連続に設けられており、分割型粘着ローラ50の粘着面50a,50bと分割型粘着ローラ51の粘着面51a,51b,51cとは、写真用フィルム2の横幅方向に交互に位置し、先端部が互いに僅かに没入するように取り付けてある。
【0036】このように粘着面50a,50b及び粘着面51a,51b,51cを配置することで、写真用フィルム2の長手方向視において、すなわち、除塵部材REの並び方向視において、写真用フィルム2の横幅方向のほぼ全幅を設定範囲として、その設定範囲の何れの箇所においても粘着面50a,50b及び粘着面51a,51b,51cの何れかが存在するようにしてあり、切れ目無く写真用フィルム2の除塵をすることができる。粘着面50a,50b及び粘着面51a,51b,51cは、上記実施例と同様に、写真用フィルム2との接触位置とほぼ反対側の非除塵作用位置において粘着ローラ32,33に接触しており、しかも、粘着面50a,50b及び粘着面51a,51b,51cの粘着力を、粘着材の素材の混合割合を調整することによって粘着ローラ32,33の粘着面NSの粘着力よりも弱くしておくことで、粘着面50a,50b及び粘着面51a,51b,51c上の写真用フィルム2から付着した塵埃が粘着ローラ32,33によって確実に除去される。
【0037】上記の如き構成の分割型粘着ローラ50,51は、写真用フィルム2の搬送位置を挟んで両側に対称に配置され、写真用フィルム2の表裏両面の除塵対象面2aに対して除塵作用する。尚、分割型粘着ローラ50,51は、搬送される写真用フィルム2に接触することで回動駆動され、除塵作用面RSの一部が写真用フィルム2との接触位置である除塵作用位置に順次繰り返し移動されるので、分割型粘着ローラ50,51を回動駆動する専用のモータは不要であるが、写真用フィルム2を搬送するモータM3の負荷を軽減するために、専用のモータを設けても良い。又、分割型粘着ローラ50,51の配置構成としては、上記の如く粘着面50a,50bと粘着面51a,51b,51cとの先端部が互いに僅かに没入するようにする以外に、分割型粘着ローラ50,51を写真用フィルム2の長手方向視で前後方向に離間させて、粘着面50a,50b及び粘着面51a,51b,51cの横幅を夫々広くし、写真用フィルム2の長手方向視で、粘着面50a,50b及び粘着面51a,51b,51cの横幅方向端部が互いに重なるように構成しても良いし、分割型粘着ローラ50,51を3個以上設けても良く、除塵作用面RSの数も適宜変更可能である。更に、分割型粘着ローラ50,51の代わりに、粘着ローラ32,33と同様の形状の略円柱状の粘着ローラを用いても良い。
【0038】〔第6実施例〕第6実施例の除塵装置DRは、図1に示す第1実施例の除塵装置DRと同様の箇所に配置され、図13及び図14に示すように、写真用フィルム2を挟んで上下両側に設けられた無端帯状に形成された除塵部材REとしての上側クリーニングベルト60及び下側クリーニングベルト61と、外形形状が略円柱状で且つ略円柱状の周面をブラシ状に形成され、上下のクリーニングベルト60,61の屈曲部Bに接触して除塵作用する塵埃除去部材であるブラシローラ64と、ブラシローラ64に付着した塵埃を吸引する補助吸引手段SDと、上下のクリーニングベルト60、61を回動駆動する駆動手段BDとが備えられている。クリーニングベルト60,61は、夫々偏平形状に巻回され、且つ、写真用フィルム2の表裏両面の除塵対象面2aを交差状態で挟んで、その偏平形状の長手方向に沿う状態で配置されている。
【0039】駆動手段BDは以下の構成からなる。即ち、上側クリーニングベルト60を巻回するための駆動ローラ62及び従動ローラ67、下側クリーニングベルト61を駆動するための駆動ローラ63及び従動ローラ68、駆動ローラ62と連結シャフト62bを介して一体化された受動ギヤ62a、駆動ローラ63と連結シャフト63bを介して一体化された受動ギヤ63a、クリーニングベルト60、61を回動駆動するためのモータM5,モータM5の先端に設けられた駆動ギヤ66、及び、駆動ローラ62、63の回転方向を合致させるためのアイドルギヤ65からなる。ブラシローラ64を駆動する駆動手段RDは、クリーニングベルト60,61の駆動手段BDのモータM5を兼用して構成され、ブラシローラ64と連結シャフト64bを介して一体化されたブラシギヤ64aとモータM5の駆動ギヤ66とが連結され、ブラシローラ64は、その略円形断面の中央部を通る軸芯周りに回動駆動される。このブラシローラ64と駆動手段RDとによってクリーニングベルト60,61塵埃を除去する塵埃除去手段DEとして機能する。補助吸引手段SDは、ブラシローラ64の外周付近に開口69aを有するエアダクト69b及び、エアダクト69bに連結されたファン69cとからなる。ブラシローラ64の詳細な構成は、図15に示される。即ち、ステンレス製の軸64bの周部にブラシ64aが設けられている。
【0040】上下のクリーニングベルト60、61に付着した塵埃は、ブラシローラ64によって除塵され、さらにこのブラシローラ64に付着した塵埃は補助吸引手段SDにより吸引除去される。図16は、クリーニングベルト60、61の端面部を拡大したものである。このクリーニングベルト60、61の写真用フィルム2と接触する側の除塵作用面RSは布地に具体的にはベルベット地にウレタン被覆層を形成したウレタンクロス60aで構成され、その反対側はタイミングベルト部60bを構成している。駆動ローラ62、63及び受動ローラ66、67の外周部は、このタイミングベルト部60bと係合できるような形状となっている。第1実施例におけるブラシベルト40、41に比べ、このウレタンクロス60aを使用したものは自己発塵がないために効率のよい除塵作業を行うことが出来る。
【0041】モータM5は、駆動ギヤ66を図13の反時計方向に回転させる。これにより、駆動ローラ62は時計方向に回転される。モータ用ギヤ66の回転は受動ギヤ62a、アイドルギヤ65を介して受動ギヤ63aに伝達され、駆動ローラ63を時計方向に回転させる。従って、上側クリーニングベルト60と下側クリーニングベルト61とは、何れも、写真用フィルム2の搬送方向視にて時計回り方向に回動しているので、クリーニングベルト60,61における写真用フィルム2の表裏両面の除塵対象面2a夫々に対する一対の接触部分は、写真用フィルム2の搬送方向同一箇所において互いに逆方向に回動駆動されて、除塵作用面RSが写真用フィルム2と接触する位置である除塵作用位置に順次繰り返し移動することになる。
【0042】駆動ローラ62、63及び従動ローラ67、68は、写真用フィルム2の左右側に離れた箇所に設置されており、駆動ローラ62、63及び従動ローラ67、68により形成されるクリーニングベルト60,61の屈曲部Bも写真用フィルム2から離れた箇所に位置する。このように、写真用フィルム2の除塵対象面2aが存在する場所から離れた箇所で、塵埃を除去する構成としており、塵埃の飛散により写真用フィルム2へ再び塵埃が付着するのを防止している。又、ブラシローラ64は、図13において時計方向に回転する。そして、この回転による遠心力を利用することが出来るので、ブラシローラ64に付着した塵埃を効率よくファン69cの吸引により除去することができる。さらに、ブラシローラ64の材質をPVC等の導電性のものにすることによって帯電を防止し、塵埃の離脱を容易にしている。図1414の側面図からも分かるように、駆動ローラ62及び駆動ローラ63は写真フィルム2の搬送方向視で左右に位置をずらせて配置している。かかる配置構成により、ブラシローラ64の外周部を効率よく上下のクリーニングベルト60、61の屈曲部Bに接触させることができる。
【0043】〔第7実施例〕第7実施例は、上記第6実施例が補助吸引手段SDによってブラシローラ64の塵埃を吸引作用により除去しているのに対し、図17に示すように、補助吸引手段DSに換えて、外形形状が略円柱状の粘着ローラ70を設けている。この粘着ローラ70は連結シャフト70bを介して受動ギヤ70aと一体的に構成されている。つまり、ブラシローラ64に付着した塵埃は粘着ローラ70により除去されることになる。従って、粘着ローラ70は、ブラシローラ64に付着した塵埃を粘着作用により除去する補助塵埃除去部材として機能する。この粘着ローラ70は主にウレタン地からなり、外形の周面すなわちウレタン地の表面は粘着材が塗布されている。粘着ローラ70の駆動は、モータM6によるモーター用ギヤ66に回転が受動ギヤ64aを介して受動ギヤ70aに伝達されることにより行われる。エアダクト69bとファン69cを使用する場合に比べ、粘着ローラ70を使用するものの方が、装置全体の小型化に寄与することができる。
【0044】〔第8実施例〕第8実施例は、上記第6実施例及び第7実施例が塵埃除去手段DEとしてブラシローラ64等を備えているのに対し、図18に示すように、第7実施例における粘着ローラ70と同様の構成の粘着ローラ80の外周面を上下のクリーニングベルト60、61に作用させるように構成している。この粘着ローラ80も、主にウレタン地からなる略円柱状の外形形状を有する粘着面支持部材SPの周面すなわちウレタン地の表面に粘着材が塗布され、粘着面NSとなっている。この構成によれば、ブラシローラを介さずに直接粘着ローラ80により除去できるので、第7実施例の装置に比べ、更に装置全体の小型化に寄与することができる。
【0045】〔その他の実施例〕以下、その他の実施例を列記する。
■ 無端帯状に形成された除塵部材REを採用している上記第1実施例、第2実施例、第6実施例、第7実施例及び第8実施例では、除塵部材REが偏平形状に巻回されて、表裏両面の除塵対象面2aの夫々に対して設けられ、写真用フィルム2の搬送径路と90度の角度で交差する姿勢で配置されているが、1つの無端帯状の除塵部材REを写真用フィルム2の表裏両面を挟む略コの字状に巻回して、その巻回方向に回動駆動することにより、1つの無端帯状の除塵部材REにて写真用フィルム2の表裏両面の除塵対象面2aに対して除塵作用する構成としても良い。又、偏平形状に巻回された除塵部材REの長手方向が写真用フィルム2の搬送径路と平行となる場合も含め、その交差角度は適宜変更可能である。
■ 無端帯状に形成された除塵部材REを採用している上記第1実施例、第2実施例、第6実施例、第7実施例及び第8実施例では、無端帯状に形成された除塵部材REが写真用フィルム2を挟む状態で配置されているが、写真用フィルム2の表裏両面の除塵対象面2aの夫々が、写真用フィルム2の搬送方向の異なる箇所において、写真用フィルム2と接触して除塵作用する構成としても良い。
【0046】■ 上記第3実施例、第4実施例、第5実施例及び第8実施例では、何れも、塵埃除去手段DEはローラの周面に粘着面NSを形成して構成しているが、粘着シートを順次供給し、非除塵作用位置にある除塵作用面RSに接触させる構成としても良い。
■ 上記各実施例では、本発明の除塵装置DRを画像プリンタに適用し、写真用フィルム2の除塵に用いているが、VTRテープ、オーディオテープ等の各種の長尺の帯状部材の除塵に用いることができる。
■ 上記各実施例では、除塵対象面が長尺の帯状部材の表裏両面に存在する場合を例示しているが、片面のみを除塵対象面としても良い。
【0047】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構造に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の除塵装置を適用した実施例にかかる概略構成図
【図2】本発明の第1実施例にかかる要部斜視図
【図3】本発明の第1実施例にかかる要部拡大図
【図4】本発明の第2実施例にかかる要部斜視図
【図5】本発明の第3実施例にかかる要部斜視図
【図6】本発明の第3実施例にかかる要部断面図
【図7】本発明の第3実施例にかかる要部側面図
【図8】本発明の第4実施例にかかる要部斜視図
【図9】本発明の第5実施例にかかる要部斜視図
【図10】本発明の第5実施例にかかる要部断面図
【図11】本発明の第5実施例にかかる要部側面図
【図12】本発明の第5実施例にかかる要部平面図
【図13】本発明の第6実施例にかかる要部斜視図
【図14】本発明の第6実施例にかかる要部側面図
【図15】本発明の第6実施例にかかる要部拡大図
【図16】本発明の第6実施例にかかる要部拡大図
【図17】本発明の第7実施例にかかる要部斜視図
【図18】本発明の第8実施例にかかる要部斜視図
【符号の説明】
2 帯状部材
2a 除塵対象面
64 塵埃除去部材
70 補助塵埃除去手段
B 屈曲部
BD 駆動手段
DE 塵埃除去手段
M1 駆動手段
NS 粘着面
PL 写真感光材料
RD 駆動手段
RE 除塵部材
RS 除塵作用面
SD 補助吸引手段
SP 粘着面支持部材
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、除塵作用面の一部を除塵作用位置に順次繰り返し移動させて、除塵対象面の塵埃を取り込んで除塵作用を行う除塵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】除塵対象面の塵埃を取り込む構成としては、従来、ブラシ状に形成した除塵作用面を、例えば写真用フィルムのフィルム面等の除塵対象面に対して順次繰り返し移動させる構成が考えられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来構成では、除塵作用面が除塵対象面に対して繰り返して除塵作用するので、一旦除塵作用面で取り込んだ塵埃が再度除塵対象面に付着したり、取り込んだ塵埃が除塵対象面を傷つけてしまう虞れがあり、改善が望まれていた。本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、その第1の目的は、一旦除塵作用面で取り込んだ塵埃が再度除塵対象面に付着したり、取り込んだ塵埃が除塵対象面を傷つけてしまうのを防止し、的確に除塵対象面の除塵を行えるようにする点にある。第2の目的は、簡素な構成で上記第1の目的を達成する点にある。第3の目的は、効率良く除塵対象面の除塵を行えるようにしながら、上記第1の目的を達成する点にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の除塵装置の第1特徴構成は、除塵作用面の一部を除塵作用位置に順次繰り返し移動させて、除塵対象面の塵埃を取り込んで除塵作用を行う除塵部材と、前記除塵作用面における非除塵作用位置に位置する部分に対して除塵作用を行う塵埃除去手段とが設けられた点にある。第2特徴構成は、上記第1特徴構成において、前記除塵対象面が、搬送径路に沿って搬送される長尺の帯状部材の表裏両面に存在し、前記除塵部材が、前記表裏両面の除塵対象面に対して除塵作用するように構成されている点にある。第3特徴構成は、上記第1又は第2特徴構成において、前記除塵部材が、略円柱状の外形形状に形成され、前記除塵作用面が、前記略円柱状の除塵部材の周面をブラシ状に形成されて、前記除塵対象面に接触して除塵作用するように構成され、前記除塵作用面が前記除塵対象面に接触する状態で、前記除塵部材の略円形断面の中央部を通る軸芯周りに前記除塵部材を回動駆動する駆動手段が設けられている点にある。
【0005】第4特徴構成は、上記第3特徴構成において、前記ブラシ状に形成された除塵作用面が導電性を有するように構成されている点にある。第5特徴構成は、上記第3又は第4特徴構成において、前記除塵作用面における特定箇所が、粘着性を有するように構成されている点にある。第6特徴構成は、上記第1又は第2特徴構成にておいて、前記除塵部材が、外形形状が略円柱状で且つ前記除塵部材の略円形断面の中央部を通る軸芯周りに回動自在に構成され、前記除塵作用面が、前記略円柱状の除塵部材の周面を粘着力を有するように形成されて、前記除塵対象面に接触して除塵作用するように構成されている点にある。第7特徴構成は、上記第6特徴構成において、前記除塵部材が、その回動軸芯が横並びとなる状態に複数個備えられ、前記除塵部材夫々の除塵作用面が前記除塵部材の回動軸芯方向に不連続で、且つ、前記除塵部材の並び方向視において、前記回動軸芯方向の設定範囲内の何れの箇所においても前記複数の除塵部材の除塵作用面が存在するように構成されている点にある。
【0006】第8特徴構成は、上記第1又は第2特徴構成において、前記除塵部材が、無端帯状に形成され、前記除塵作用面が、前記無端帯状の除塵部材の外周面を前記除塵対象面に接触して除塵作用するように構成され、前記除塵作用面が前記除塵対象面に接触する状態で、前記除塵部材を巻回方向に回動駆動する駆動手段が設けられている点にある。第9特徴構成は、上記第8特徴構成において、前記除塵対象面が、搬送径路に沿って搬送される長尺の帯状部材の表裏両面に存在し、その表裏両面の夫々に対して除塵作用する一対の除塵部材が、夫々偏平形状に巻回され、且つ、前記除塵対象面を交差状態で挟んで、その偏平形状の長手方向に沿う状態で配置され、前記塵埃除去手段は、前記長手方向の一端部に位置する前記一対の除塵部材の除塵作用面の両方に対して除塵作用するように構成されている点にある。第10特徴構成は、上記第8又は第9特徴構成において、前記除塵部材が屈曲部を有するように巻回され、前記塵埃除去手段が、前記屈曲部に位置する前記除塵作用面に対して除塵作用するように構成されている点にある。
【0007】第11特徴構成は、上記第8、第9又は第10特徴構成において、前記除塵部材の除塵作用面が、ブラシ状に形成されている点にある。第12特徴構成は、上記第8、第9又は第10特徴構成において、前記除塵部材の除塵作用面が、ウレタン被覆層が形成された布地にて構成されている点にある。第13特徴構成は、上記第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11又は第12特徴構成において、前記塵埃除去手段が、前記除塵作用面に付着されている塵埃を粘着作用により除去する粘着面が備えられて構成されている点にある。第14特徴構成は、上記第13特徴構成において、前記塵埃除去手段は、前記粘着面が、外形形状が略円柱状の粘着面支持部材の周面に形成されて構成されている点にある。第15特徴構成は、上記第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11又は第12特徴構成において、前記塵埃除去手段は、外形形状が略円柱状で、且つ、略円柱状の周面をブラシ状に形成されて、前記除塵作用面に接触して除塵作用する塵埃除去部材と、前記塵埃除去部材の略円形断面の中央部を通る軸芯周りに前記塵埃除去部材を回動駆動する駆動手段とが備えられて構成されている点にある。第16特徴構成は、上記第15特徴構成において、前記塵埃除去部材に付着した塵埃を粘着作用により除去する補助塵埃除去部材が備えられた点にある。
【0008】第17特徴構成は、上記第15特徴構成において、前記塵埃除去部材に付着した塵埃を吸引作用により除去する補助吸引手段が備えられた点にある。第18特徴構成は、上記第15、第16又は第17特徴構成において、前記塵埃除去部材の前記ブラシ状に形成された周面が導電性を有するように構成されている点にある。第19特徴構成は、上記第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11又は第12特徴構成において、前記塵埃除去手段が、前記除塵作用面に付着されている塵埃を吸引作用により除去する吸引手段が備えられて構成されている点にある。第20特徴構成は、上記第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、第16、第17、第18又は第19特徴構成において、前記除塵対象面が、写真感光材料の表面である点にある。
【0009】
【作用】本発明の第1特徴構成によれば、除塵部材の除塵作用面が除塵対象面から取り込んだ塵埃は、塵埃除去手段によって除去される。従って、除塵作用面は、取り込んだ塵埃が除去された状態で、再び除塵対象面に対して除塵作用することになる。本発明の第2特徴構成によれば、除塵部材が、搬送径路に沿って搬送される長尺の帯状部材の表裏両面に対して除塵作用する。従って、除塵対象面自体が移動するので、除塵部材を長尺の帯状部材に対して相対移動させるための手段を必ずしも必要のないものとしながら、長尺の帯状部材の表裏両面及び搬送される全長に亘って的確に塵埃を除去できる。本発明の第3特徴構成によれば、外形形状が略円柱状の除塵部材の周面がブラシ状に形成されて除塵作用面としてあり、駆動手段が、除塵部材の略円形断面の中央部を通る軸芯周りに除塵部材を回動駆動する。この回動駆動によって、除塵作用面が除塵対象面と接触する除塵作用位置に順次繰り返し移動し、除塵対象面に付いた塵埃をブラシ状に形成された除塵作用面にて取り込む。つまり、ブラシ状に形成された除塵作用面を有する除塵部材を回動駆動するだけの簡素な構成で、設置スペースをとらず、除塵対象面の除塵を行うことができる。
【0010】本発明の第4特徴構成によれば、ブラシ状に形成された除塵作用面が導電性を有するので、静電気で除塵対象面に付いている塵埃を除電して、効果的に除塵対象面から塵埃を取り込むことができる。本発明の第5特徴構成によれば、除塵作用面の特定箇所が粘着性を有しており、特定箇所においてはその粘着力で除塵対象面に付いた塵埃を取り込める。つまり、除塵作用面として、ブラシ状に形成された部分と粘着性を有する部分とを併有しているのである。一般に、粘着性を有する部分はブラシ状の部分よりも塵埃を取り込む力が強いので、除塵部材の除塵作用面と除塵対象面との相対移動に対する抵抗が大きくなるものの除塵対象面に付いた塵埃をより確実に取り込める。従って、除塵対象面のうち特に確実に塵埃を除去したい部分に対応する除塵対象面に粘着作用させるようにして、除塵作用面と除塵対象面との相対移動に対する抵抗が過大とならないようにしながら、部分的に、より効果的に塵埃を除去することができる。本発明の第6特徴構成によれば、除塵部材の外形形状が略円柱状に形成されて、その除塵部材の粘着力を有する周面が除塵作用面として除塵対象面に接触して除塵対象面に付いた塵埃を除去する。つまり、粘着力を有する除塵作用面で除塵対象面の塵埃をより確実に取り込むのである。
【0011】本発明の第7特徴構成によれば、粘着力を有する除塵部材の除塵作用面は回動軸芯方向に不連続になっているので、連続する状態で備えられる場合に較べて、一つの除塵部材が除塵対象面である長尺の帯状部材の平面部に対して作用する粘着力は小さくなる。一つの除塵部材から除塵対象面に作用する粘着力が過大であると、例えば、除塵対象面が薄板状のもののような場合、除塵対象面を巻き込む等して、円滑に除塵作用面を除塵作用位置に順次繰り返し移動させることが困難となるが、上記のように一つの除塵部材が長尺の帯状部材に対して作用する粘着力を小さくできることで、そのような事態を防止できる。又、複数の除塵部材全体としては、除塵部材の並び方向視において、回動軸芯方向の設定範囲内の何れの箇所においても、除塵作用面が存在するように配置されているので、除塵対象面に除塵されない箇所が生じてしまうこともない。本発明の第8特徴構成によれば、無端帯状の除塵部材を、その巻回方向に回動させて、除塵作用するので、除塵対象面に付着した塵埃を、幅広く、むらなくしかも効果的に拭い去りながら取り込むのである。
【0012】本発明の第9特徴構成によれば、無端帯状に形成された一対の除塵部材は、搬送経路に沿って搬送される長尺の帯状部材の表裏両面に対して除塵作用を行う。除塵部材は偏平状に巻回され、除塵対象面である長尺の帯状部材の表裏両面を交差状態で挟んでいるので、除塵部材が除塵対象面の塵埃を帯状部材の搬送径路外に掃き出す状態となり、除塵部材が塵埃を取り込むことができなかった場合でも、その塵埃を搬送経路外へ排除できる。本発明の第10特徴構成によれば、除塵部材の屈曲部においては、除塵部材における除塵対象面に接触する側の面である外周面が引き延ばされることになり、付着した塵埃が清掃体から離脱し易い状態となると同時に、屈曲部での遠心力によってもその離脱が助長されることになり、塵埃除去手段は、除塵部材が取り込んだ塵埃を効果的に取り除くことができる。本発明の第11特徴構成によれば、無端帯状に形成された除塵部材の除塵作用面がブラシ状に形成され、そのブラシ状の除塵作用面が除塵対象面に接触し、駆動手段にて回動駆動されて除塵作用する。つまり、除塵対象面の塵埃をブラシで掃き取る状態で取り込む。
【0013】本発明の第12特徴構成によれば、無端帯状に形成された除塵部材の除塵作用面がウレタン被覆層が形成された布地にて構成され、その除塵作用面が除塵対象面に接触し、駆動手段にて回動駆動されて除塵作用する。このようにウレタン被覆層を形成することで、除塵作用面が除塵対象面と接触することにより生じる発塵を可及的に防止できるのである。本発明の第13特徴構成によれば、塵埃除去手段は、非除塵作用位置にある除塵作用面に接触して、除塵対象面から除塵作用面へ取り込まれた塵埃を粘着面の粘着作用により除去する。従って、粘着面を有する塵埃除去手段を備えるだけの簡素な構成で、除塵作用面の塵埃を除去できる。本発明の第14特徴構成によれば、塵埃除去手段を構成する粘着面は、外形形状が略円柱状の粘着面支持部材の周面に備えられている。従って、シート状の粘着面が順次供給されるような構成に較べて、簡素な構成で、しかも設置スペースをとることもない。
【0014】本発明の第15特徴構成によれば、外形形状が略円柱状で、その周面がブラシ状に形成された塵埃除去部材が、駆動手段にて、略円形断面の中央部を通る軸芯周りに除塵部材を回動駆動される状態で、除塵対象面の塵埃を取り込んだ除塵作用面に対して除塵作用する。従って、ブラシ状に形成された塵埃除去部材を回動駆動するだけの簡素な構成で、設置スペースをとらず、除塵部材が取り込んだ塵埃の除塵を行うことができる。本発明の第16特徴構成によれば、ブラシ状に形成された塵埃除去部材が除塵部材の除塵作用面から取り込んだ塵埃を、更に、補助塵埃除去部材が粘着作用により除去する。本発明の第17特徴構成によれば、ブラシ状に形成された塵埃除去部材が除塵部材の除塵作用面から取り込んだ塵埃を、更に、補助吸引手段が吸引作用により除去する。
【0015】本発明の第18特徴構成によれば、塵埃除去部材のブラシ状に形成された周面が導電性を有するので、塵埃除去部材と除塵部材との摩擦による帯電を防止できる。これにより、塵埃の離脱を容易にして、効果的に除塵作用面から塵埃を除去することができる。本発明の第19特徴構成によれば、塵埃除去手段は、除塵部材の除塵作用面が除塵対象面から取り込んだ塵埃を吸引手段が吸引して取り除く。本発明の第20特徴構成によれば、写真感光材料の表面を除塵対象面とする。写真感光材料は、良質の写真画像を得るために特に塵埃を嫌うので、かかる除塵対象面に上記の除塵作用を行うのは特に有効である。
【0016】
【発明の効果】上記第1特徴構成によれば、除塵作用面は、取り込んだ塵埃が除去された状態で、再び除塵対象面に対して除塵作用することになるので、一旦除塵作用面で取り込んだ塵埃が再度除塵対象面に付着したり、取り込んだ塵埃が除塵対象面を傷つけてしまうのを防止し、的確に除塵対象面の除塵を行うことができる。上記第2特徴構成によれば、除塵部材を長尺の帯状部材に対して相対移動させるための手段を必ずしも必要のないものとしながら、長尺の帯状部材の表裏両面及び搬送される全長に亘って的確に塵埃を除去できるので、構成の簡素化を図りながら、的確に除塵対象面の除塵を行うことができる。上記第3特徴構成によれば、ブラシ状に形成された除塵作用面を有する除塵部材を回動駆動するだけの簡素な構成で、設置スペースをとらず、除塵対象面の除塵を行うことができ、簡素な構成としながら、上記第1又は第2特徴構成による効果を奏することができる。
【0017】上記第4特徴構成によれば、効果的に除塵対象面から塵埃を取り込むことができるので、効率良く除塵対象面の除塵を行いながら、上記第3特徴構成による効果を奏することができる。上記第5特徴構成によれば、除塵作用面と除塵対象面との相対移動に対する抵抗が過大とならないようにしながら、部分的に、より効果的に塵埃を除去することができるので、除塵対象面に応じた的確な除塵が可能となり、除塵装置を一層便利なものとすることができる。上記第6特徴構成によれば、粘着力を有する除塵作用面で除塵対象面の塵埃をより確実に取り込むので、構成の簡素化を図りながら、的確に除塵対象面の除塵を行うことができる。上記第7特徴構成によれば、一つの除塵部材が長尺の帯状部材に対して作用する粘着力を小さくできるので、円滑且つ的確に除塵を行える。上記第8特徴構成によれば、除塵対象面に付着した塵埃を、幅広く、むらなくしかも効果的に拭い去りながら取り込むので、的確に除塵対象面の除塵を行うことができる。
【0018】上記第9特徴構成によれば、除塵部材が塵埃を取り込むことができなかった場合でも、その塵埃を搬送経路外へ排除できるので、的確に除塵対象面の除塵を行うことができる。上記第10特徴構成によれば、塵埃除去手段は、除塵部材が取り込んだ塵埃を効果的に取り除くことができるので、塵埃を取り込んだままの除塵作用面が除塵対象面に除塵作用するのを効果的に防止でき、的確に除塵対象面の除塵を行うことができる。上記第11特徴構成によれば、除塵対象面の塵埃をブラシで掃き取る状態で取り込むので、的確に除塵対象面の除塵を行うことができる。上記第12特徴構成によれば、発塵を可及的に防止できるので、更に、的確に除塵対象面の除塵を行うことができる。上記第13特徴構成によれば、粘着面を有する塵埃除去手段を備えるだけの簡素な構成で、粘着作用によって除塵作用面の塵埃を除去できるので、構成の簡素化をはかりながら、塵埃を取り込んだままの除塵作用面が除塵対象面に除塵作用するのを効果的に防止でき、的確に除塵対象面の除塵を行うことができる。
【0019】上記第14特徴構成によれば、簡素な構成で、しかも設置スペースをとることもないので、更に構成の簡素化をはかりながら、上記第13特徴構成による効果を奏することができる。上記第15特徴構成によれば、ブラシ状に形成された塵埃除去部材を回動駆動するだけの簡素な構成で、設置スペースをとらず、塵埃除去部材が取り込んだ塵埃の除塵を行うことができ、構成の簡素化を図りながら、的確に除塵対象面の除塵を行うことができる。上記第16特徴構成によれば、ブラシ状に形成された塵埃除去部材が除塵部材の除塵作用面から取り込んだ塵埃を補助塵埃除去部材が粘着作用により除去するので、塵埃除去部材は更に効果的に除塵部材の除塵作用面の除塵を行うことができ、もって、的確に除塵対象面の除塵を行うことができる。上記第17特徴構成によれば、ブラシ状に形成された塵埃除去部材が除塵部材の除塵作用面から取り込んだ塵埃を補助吸引手段が吸引作用により除去するので、塵埃除去部材は更に効果的に除塵部材の除塵作用面の除塵を行うことができ、もって、的確に除塵対象面の除塵を行うことができる。
【0020】上記第18特徴構成によれば、効果的に除塵作用面から塵埃を除去することができるので、塵埃を取り込んだままの除塵作用面が除塵対象面に除塵作用するのを効果的に防止でき、的確に除塵対象面の除塵を行うことができる。上記第19特徴構成によれば、除塵部材の除塵作用面が除塵対象面から取り込んだ塵埃を吸引手段が吸引して取り除くので、塵埃を取り込んだままの除塵作用面が除塵対象面に除塵作用するのを防止でき、的確に除塵対象面の除塵を行うことができる。上記第20特徴構成によれば、写真感光材料の表面を除塵対象面とすることで、除塵装置の機能を有効に発揮させることができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の除塵装置を画像プリンタに備えた実施例を図面に基づいて説明する。
〔第1実施例〕図1に示すように、画像プリンタ1には、写真感光材料PLの一例であり長尺の帯状部材であるネガフィルム等の写真用フィルム2の画像を印画紙3に投影露光する投影露光部5、及び、露光された印画紙3を現像する現像処理部Dが設けられている。印画紙3をロール状に収納している印画紙マガジン4から引き出された印画紙3は、投影露光部5で露光された後、現像処理部Dにて現像され、1枚分の画像情報を含む大きさに切断されて排出される。
【0022】以下、各構成部分について説明する。投影露光部5には、投影露光用光源10、写真用フィルム2に照射する光の色バランスを調整する調光フィルタ11、調光フィルタ11を通過した光を均一に混色するミラートンネル12、写真用フィルム2の画像情報を印画紙3上に結像させる焼き付けレンズ13及びシャッタ14が同一光軸上に設けられている。投影露光部5の写真用フィルム2搬送経路上流側には、写真用フィルム2の画像情報を多数の領域に分割して読み取る画像センサ15が設けられている。この画像センサ15は、写真用フィルム2に対して白色光を照射し、その反射光あるいは透過光の強度を赤色,緑色,青色の3原色に分解して例えばCCDラインセンサ又はCCDイメージセンサ等で測定するものであり、画像センサ15にて読み取った画像情報は、コントローラ7に送られて、投影露光部5における露光条件を求めるのに利用されると共に、その求めた露光条件にて印画紙3を露光した場合に得られる画像をシミュレートしてモニタMに表示される。
【0023】画像センサ15の写真用フィルム2搬送経路上流側には、写真用フィルム2を投影露光部5に供給するローラ16及びローラ18とローラ16,18を回転駆動するモータM3とが設けられている。ローラ16とローラ18との間の写真用フィルム2搬送経路には、写真用フィルム2用の除塵装置DRが設けられている。この写真用フィルム2の表裏両面が除塵対象面2aとなる。除塵装置DRには、図2に示すように、写真用フィルム2搬送経路を挟んで上下両側に、除塵部材REとしての上側ブラシベルト40及び下側ブラシベルト41と、上下のブラシベルト40,41に付着した塵埃を吸引作用により除去する塵埃除去手段DEである吸引手段DSと、上下のブラシベルト40,41を回動駆動する駆動手段BDとが備えられている。上下のブラシベルト40,41は、図2に示すように、無端帯状に形成され、夫々の外周面が除塵作用面RSとして、駆動手段BDの駆動により、写真用フィルム2の搬送径路と交差する位置である除塵作用位置に順次繰り返し移動して、写真用フィルム2の除塵対象面2aに接触して除塵作用する。
【0024】駆動手段BDは、ブラシベルト40,41を巻回するための駆動ローラ42及び従動ローラ43、駆動ローラ42に連結される連結シャフト44、ブラシベルト40,41を回動駆動するためのモータM4、モータM4の回転軸の先端に備えられたモータ用ローラ45、及び、モータ用ローラ45と二本の連結シャフト44の端部とに亘って巻回されてモータM4の駆動力を伝達する伝達ベルト46からなり、ブラシベルト40,41を写真用フィルム2の搬送方向視において反時計回り方向に回動駆動する。吸引手段DSは、上側ブラシベルト40を巻回する従動ローラ43付近及び下側ブラシベルト41を巻回する駆動ローラ42付近に夫々開口47a,47bを有するエアダクト47及びエアダクト47に連結されたファン48とからなり、ファン48は、開口47a,47bからブラシベルト40,41の塵埃を吸引する方向に回転する。図3に示すように、ブラシベルト40,41は、ベルト地40a,41aの写真用フィルム2に接する側の面にブラシ40b,41bが形成され、上側ブラシベルト40と下側ブラシベルト41とが向かい合った箇所では、ブラシ40bとブラシ41bとが先端部が互いに重なり合う状態としてある。
【0025】写真用フィルム2はこのブラシ40b,41bが重なり合った部分を押し分けて通過し、ブラシベルト40,41が写真用フィルム2の表裏両面夫々に対して接する状態となるのである。又、ブラシベルト40,41は、駆動ローラ42と従動ローラ43との間に亘って偏平形状に巻回され、図2中矢印Aで示す写真用フィルム2の搬送方向と90°の角度をなす交差状態で写真用フィルム2を表裏両面を挟んで配置されており、ブラシベルト40,41が偏平形状の長手方向に沿う状態となっている。上側ブラシベルト40と下側ブラシベルト41とは、何れも、写真用フィルム2の搬送方向視にて反時計回り方向に回動しているので、ブラシベルト40,41における写真用フィルム2の表裏両面夫々に対する一対の接触部分は、写真用フィルム2の搬送方向同一箇所において互いに逆方向に回動駆動されることになる。駆動ローラ42及び従動ローラ43は、写真用フィルム2の左右側に離れた箇所に設置されており、駆動ローラ42及び従動ローラ43により形成されるブラシベルト40,41の屈曲部Bも写真用フィルム2から離れた非除塵作用位置に位置する。
【0026】上記吸引手段DSのエアダクト47の開口47a,47bは、このブラシベルト40,41の屈曲部Bのうち、写真用フィルム2に接触後の最初の屈曲部Bに向けて設置されている。すなわち、上側ブラシベルト40及び下側ブラシベルト41の何れも写真用フィルム2の搬送方向視にて反時計方向に回動するので、上側ブラシベルト40のための開口47aは、ファン48に近い側の屈曲部Bに向けて位置し、下側ブラシベルト41のための開口47bは、ファン48に遠い側の屈曲部Bに向けて位置し、夫々の屈曲部Bに位置するブラシベルト40,41に付着した塵埃を吸引作用により除去するのである。このように、写真用フィルム2に接触後の最初の屈曲部Bにおいて、ブラシベルト40,41に付着した塵埃を吸引することで、ブラシベルト40,41に付着した塵埃をいたずらに飛散させることなく的確に除去できるのである。
【0027】投影露光部5では、ローラ16,18及びモータM3による写真用フィルム2の供給作動に伴って画像センサ15にて読み取った写真用フィルム2の画像情報に基づいて、コントローラ7が調光フィルタ11を制御して投影露光用光源10の照射光を写真用フィルム2の画像の色濃度に応じた色バランスに調整し、その調整後の光で写真用フィルム2を照射し、写真用フィルム2の画像情報を印画紙3に焼き付けるのである。投影露光部5の印画紙搬送経路下流側には、印画紙3を搬送するローラ22とそのローラ22を駆動するモータM2とが設けられている。現像処理部Dには、図示を省略するが、露光後の印画紙3を現像するための処理液を充填した複数のタンクが備えられ、印画紙3はその複数のタンクを順次通過して行き現像処理される。
【0028】以下、画像プリンタ1の印画紙3に対する露光作動を概略説明する。画像プリンタ1の起動後、写真用フィルム2が、投影露光部5に装填されると、モータM3が作動して写真用フィルム2の搬送を開始する。図示しないセンサによって写真用フィルム2の接近を検知すると、除塵装置DRのモータM4が作動してブラシベルト40,41の回動駆動を開始する。ブラシベルト40,41の設置箇所を通過する写真用フィルム2はブラシベルト40,41にて除塵され、ブラシベルト40,41に付着した塵埃は吸引手段DSにて吸引除去される。除塵装置DRを通過した写真用フィルム2は、画像センサ15にて駒の画像情報が読み取られ、その画像情報を読み取った駒が露光用位置まで搬送される。コントローラ7は、画像センサ15の読取情報に基づいて露光条件を求めると、その露光条件にて印画紙3に露光した場合に得られる写真プリントとしての画像をシミュレートして、モニタMに表示する。操作者はモニタMの表示を見て、修正の必要があれば操作卓Oから修正指示を入力し、修正の必要がなければそのまま露光指示を操作卓Oから入力する。露光指示が入力されると、求めた露光条件に基づいて投影露光部5にて、写真用フィルム2の画像を印画紙3に露光する。
〔第2実施例〕次に、第2実施例を図4に基づいて説明する。第2実施例は、上記第1実施例では、除塵装置DRのブラシベルト40,41における写真用フィルム2の表裏両面夫々に対する一対の接触部分が、写真用フィルム2の搬送方向同一箇所において互いに逆方向に回動駆動されているのに対し、同一方向に回動駆動されるように構成したものである。すなわち、図4に示すように、二本の連結シャフト44の夫々の端部に歯数の等しいギア44a,44bを両者が噛み合った状態で取り付け、そのうち一方のギヤ44aをモータM4の回転軸に取り付けた駆動ギヤ49に噛み合うように配置するのである。この構成により、モータM4の回転により、上側ブラシベルト40は、写真用フィルム2の搬送方向視で反時計回り方向に、下側ブラシベルト41は、写真用フィルム2の搬送方向視で時計回り方向に夫々回動駆動される。尚、上記第1実施例においても、又、本第2実施例においても、モータM4の駆動力の伝達機構の構成は種々変更可能である。
【0029】〔第3実施例〕次に、第3実施例を図面に基づいて説明する。第3実施例の除塵装置DRは、図1に示す第1実施例の除塵装置DRと同様の箇所に配置され、図5乃至図7に示すように、写真用フィルム2搬送経路を挟んで上下両側に、写真用フィルム2と接触して除塵作用する除塵部材REであるブラシローラ30,31、ブラシローラ30,31の上下両側に、ブラシローラ30,31に付着された塵埃を除去するための塵埃除去手段DEである粘着ローラ32,33、ブラシローラ30,31を回動駆動する駆動手段であるモータM1とが備えられている。上側のブラシローラ30と下側のブラシローラ31とは同一形状であり、共に略円柱状の外形形状をしており、その略円柱状の外形の周面がPVC等により導電性を有するブラシ状に形成されて、除塵作用面RSを構成している。又、上側の粘着ローラ32と下側の粘着ローラ33とは同一形状であり、共に、主にウレタン地からなる略円柱状の外形形状を有する粘着面支持部材SPの周面すなわちウレタン地の表面に粘着材が塗布され、粘着面NSとなっている。
【0030】ブラシローラ30,31及び粘着ローラ32,33は、図6の断面図に示すように、ベアリング機構を介して固定の支持枠34に回動自在に支持され、上下共に、ブラシローラ30,31のブラシの先端が粘着ローラ32,33の粘着面NSに接触している。モータM1の駆動力は、図5及び図6に示すように、モータM1の回転軸に取り付けられた駆動ギヤ35と上側のブラシローラ30の回転軸に取り付けられた受動ギヤ30aとが噛合し、更に、その受動ギヤ30aと下側のブラシローラ31の回転軸に取り付けられた受動ギヤ31aとが噛合して、各ブラシローラ30,31に伝達される。ブラシローラ30,31の回転方向は、図7に示すように、矢印Aで示す写真用フィルム2に搬送方向に対して、上側のブラシローラ30は図7において反時計方向に、下側のブラシローラ31は図7において時計方向に回転する。
【0031】粘着ローラ32,33は、モータM1によって直接的には回転駆動されないが、ブラシローラ30,31と接触していることによって、上側の粘着ローラ32は図7において時計方向に、下側の粘着ローラ33は図7において反時計方向に回転する。上記の如くブラシローラ30,31及び粘着ローラ32,33が回転することによって、すなわち、除塵作用面RSの一部を写真用フィルム2との接触位置である除塵作用位置に順次繰り返し移動させて、矢印Aの方向に搬送される写真用フィルム2の表裏両面の除塵対象面2aに付いた塵埃を写真用フィルム2の搬送方向上流側に飛散させてしまうことなく取り込み、ブラシローラ30,31の除塵作用面RSが吸着した塵埃は、写真用フィルム2との接触位置と反対側の非除塵作用位置で粘着ローラ32,33の粘着面NSの粘着作用により除去される。粘着ローラ32,33の粘着面NSに付着した塵埃は、定期的に清掃除去すれば良い。
【0032】この第3実施例の除塵装置DRも、図示しないセンサによって写真用フィルム2の接近を検知すると、モータM1が作動してブラシローラ30,31の回動駆動を開始し、ブラシローラ30,31の設置箇所を通過する写真用フィルム2はブラシローラ30,31にて除塵され、ブラシローラ30,31に付着した塵埃は粘着ローラ32,33にて除去される。
【0033】〔第4実施例〕第4実施例は、上記第3実施例では、写真用フィルム2に付いた塵埃は、ブラシローラ30,31のブラシ状に形成された面のみで付着させて除去される構成としてあるのに対し、図8に示すように、除塵部材REであるブラシローラ30,31の特定箇所としての左右両端部に粘着性を有する補助粘着面30b及び31bを備えさせ、ブラシ状に形成された面よりも強力に写真用フィルム2の塵埃を除去するように構成しても良い。つまり、特に清浄にしたい箇所のみを補助粘着面30b,31bにて除塵するのである。但し、補助粘着面30b,31bの粘着力は、粘着材の素材の混合割合を調整することにより、粘着ローラ32,33の粘着面NSの粘着力よりも弱くしてあり、補助粘着面30b,31bに付着された塵埃が粘着ローラ32,33に確実に除去されるようにしてある。
【0034】図8の例示では、補助粘着面30b,31bの位置は写真用フィルム2のパーフォレーションの付近の位置に対応しており、パーフォレーション付近を、より清浄にすることで、光学式センサによるパーフォレーション自体の読み取りや、パーフォレーションの付近に記録されているDXコードの読み取り等を的確に行うことができる。尚、図8の例示では、補助粘着面30b,31bは、ブラシローラ30,31と一体に回動する構成としているが、補助粘着面30b,31bの形成箇所、及び、粘着ローラ32,33における補助粘着面30b,31bとの接触箇所を遊転可能な構成として、写真用フィルム2の除塵と搬送とを円滑に行えるようにしても良い。
【0035】〔第5実施例〕第5実施例は、上記第3実施例では、写真用フィルム2に付いた塵埃は、ブラシローラ30,31のブラシ状に形成された除塵作用面RSで付着させて除去される構成としているのに対し、図9乃至図11に示すように、写真用フィルム2の搬送位置の上下両側夫々に、前後に2個の分割型粘着ローラ50,51を、搬送される写真用フィルム2に接触する状態で除塵部材REとして備えさせて、除塵対象面2aを除塵する構成としてある。2個の分割型粘着ローラ50,51は、図12に示すようにその回動軸芯が横並びとなる状態で配置され、2個の分割型粘着ローラ50,51のうち、写真用フィルム2搬送経路上流側の分割型粘着ローラ50には、除塵作用面RSである粘着面50a,50bが2箇所に不連続に設けられ、写真用フィルム2搬送経路下流側の分割型粘着ローラ51には、除塵作用面RSである粘着面51a,51b,51cが3箇所に不連続に設けられており、分割型粘着ローラ50の粘着面50a,50bと分割型粘着ローラ51の粘着面51a,51b,51cとは、写真用フィルム2の横幅方向に交互に位置し、先端部が互いに僅かに没入するように取り付けてある。
【0036】このように粘着面50a,50b及び粘着面51a,51b,51cを配置することで、写真用フィルム2の長手方向視において、すなわち、除塵部材REの並び方向視において、写真用フィルム2の横幅方向のほぼ全幅を設定範囲として、その設定範囲の何れの箇所においても粘着面50a,50b及び粘着面51a,51b,51cの何れかが存在するようにしてあり、切れ目無く写真用フィルム2の除塵をすることができる。粘着面50a,50b及び粘着面51a,51b,51cは、上記実施例と同様に、写真用フィルム2との接触位置とほぼ反対側の非除塵作用位置において粘着ローラ32,33に接触しており、しかも、粘着面50a,50b及び粘着面51a,51b,51cの粘着力を、粘着材の素材の混合割合を調整することによって粘着ローラ32,33の粘着面NSの粘着力よりも弱くしておくことで、粘着面50a,50b及び粘着面51a,51b,51c上の写真用フィルム2から付着した塵埃が粘着ローラ32,33によって確実に除去される。
【0037】上記の如き構成の分割型粘着ローラ50,51は、写真用フィルム2の搬送位置を挟んで両側に対称に配置され、写真用フィルム2の表裏両面の除塵対象面2aに対して除塵作用する。尚、分割型粘着ローラ50,51は、搬送される写真用フィルム2に接触することで回動駆動され、除塵作用面RSの一部が写真用フィルム2との接触位置である除塵作用位置に順次繰り返し移動されるので、分割型粘着ローラ50,51を回動駆動する専用のモータは不要であるが、写真用フィルム2を搬送するモータM3の負荷を軽減するために、専用のモータを設けても良い。又、分割型粘着ローラ50,51の配置構成としては、上記の如く粘着面50a,50bと粘着面51a,51b,51cとの先端部が互いに僅かに没入するようにする以外に、分割型粘着ローラ50,51を写真用フィルム2の長手方向視で前後方向に離間させて、粘着面50a,50b及び粘着面51a,51b,51cの横幅を夫々広くし、写真用フィルム2の長手方向視で、粘着面50a,50b及び粘着面51a,51b,51cの横幅方向端部が互いに重なるように構成しても良いし、分割型粘着ローラ50,51を3個以上設けても良く、除塵作用面RSの数も適宜変更可能である。更に、分割型粘着ローラ50,51の代わりに、粘着ローラ32,33と同様の形状の略円柱状の粘着ローラを用いても良い。
【0038】〔第6実施例〕第6実施例の除塵装置DRは、図1に示す第1実施例の除塵装置DRと同様の箇所に配置され、図13及び図14に示すように、写真用フィルム2を挟んで上下両側に設けられた無端帯状に形成された除塵部材REとしての上側クリーニングベルト60及び下側クリーニングベルト61と、外形形状が略円柱状で且つ略円柱状の周面をブラシ状に形成され、上下のクリーニングベルト60,61の屈曲部Bに接触して除塵作用する塵埃除去部材であるブラシローラ64と、ブラシローラ64に付着した塵埃を吸引する補助吸引手段SDと、上下のクリーニングベルト60、61を回動駆動する駆動手段BDとが備えられている。クリーニングベルト60,61は、夫々偏平形状に巻回され、且つ、写真用フィルム2の表裏両面の除塵対象面2aを交差状態で挟んで、その偏平形状の長手方向に沿う状態で配置されている。
【0039】駆動手段BDは以下の構成からなる。即ち、上側クリーニングベルト60を巻回するための駆動ローラ62及び従動ローラ67、下側クリーニングベルト61を駆動するための駆動ローラ63及び従動ローラ68、駆動ローラ62と連結シャフト62bを介して一体化された受動ギヤ62a、駆動ローラ63と連結シャフト63bを介して一体化された受動ギヤ63a、クリーニングベルト60、61を回動駆動するためのモータM5,モータM5の先端に設けられた駆動ギヤ66、及び、駆動ローラ62、63の回転方向を合致させるためのアイドルギヤ65からなる。ブラシローラ64を駆動する駆動手段RDは、クリーニングベルト60,61の駆動手段BDのモータM5を兼用して構成され、ブラシローラ64と連結シャフト64bを介して一体化されたブラシギヤ64aとモータM5の駆動ギヤ66とが連結され、ブラシローラ64は、その略円形断面の中央部を通る軸芯周りに回動駆動される。このブラシローラ64と駆動手段RDとによってクリーニングベルト60,61塵埃を除去する塵埃除去手段DEとして機能する。補助吸引手段SDは、ブラシローラ64の外周付近に開口69aを有するエアダクト69b及び、エアダクト69bに連結されたファン69cとからなる。ブラシローラ64の詳細な構成は、図15に示される。即ち、ステンレス製の軸64bの周部にブラシ64aが設けられている。
【0040】上下のクリーニングベルト60、61に付着した塵埃は、ブラシローラ64によって除塵され、さらにこのブラシローラ64に付着した塵埃は補助吸引手段SDにより吸引除去される。図16は、クリーニングベルト60、61の端面部を拡大したものである。このクリーニングベルト60、61の写真用フィルム2と接触する側の除塵作用面RSは布地に具体的にはベルベット地にウレタン被覆層を形成したウレタンクロス60aで構成され、その反対側はタイミングベルト部60bを構成している。駆動ローラ62、63及び受動ローラ66、67の外周部は、このタイミングベルト部60bと係合できるような形状となっている。第1実施例におけるブラシベルト40、41に比べ、このウレタンクロス60aを使用したものは自己発塵がないために効率のよい除塵作業を行うことが出来る。
【0041】モータM5は、駆動ギヤ66を図13の反時計方向に回転させる。これにより、駆動ローラ62は時計方向に回転される。モータ用ギヤ66の回転は受動ギヤ62a、アイドルギヤ65を介して受動ギヤ63aに伝達され、駆動ローラ63を時計方向に回転させる。従って、上側クリーニングベルト60と下側クリーニングベルト61とは、何れも、写真用フィルム2の搬送方向視にて時計回り方向に回動しているので、クリーニングベルト60,61における写真用フィルム2の表裏両面の除塵対象面2a夫々に対する一対の接触部分は、写真用フィルム2の搬送方向同一箇所において互いに逆方向に回動駆動されて、除塵作用面RSが写真用フィルム2と接触する位置である除塵作用位置に順次繰り返し移動することになる。
【0042】駆動ローラ62、63及び従動ローラ67、68は、写真用フィルム2の左右側に離れた箇所に設置されており、駆動ローラ62、63及び従動ローラ67、68により形成されるクリーニングベルト60,61の屈曲部Bも写真用フィルム2から離れた箇所に位置する。このように、写真用フィルム2の除塵対象面2aが存在する場所から離れた箇所で、塵埃を除去する構成としており、塵埃の飛散により写真用フィルム2へ再び塵埃が付着するのを防止している。又、ブラシローラ64は、図13において時計方向に回転する。そして、この回転による遠心力を利用することが出来るので、ブラシローラ64に付着した塵埃を効率よくファン69cの吸引により除去することができる。さらに、ブラシローラ64の材質をPVC等の導電性のものにすることによって帯電を防止し、塵埃の離脱を容易にしている。図1414の側面図からも分かるように、駆動ローラ62及び駆動ローラ63は写真フィルム2の搬送方向視で左右に位置をずらせて配置している。かかる配置構成により、ブラシローラ64の外周部を効率よく上下のクリーニングベルト60、61の屈曲部Bに接触させることができる。
【0043】〔第7実施例〕第7実施例は、上記第6実施例が補助吸引手段SDによってブラシローラ64の塵埃を吸引作用により除去しているのに対し、図17に示すように、補助吸引手段DSに換えて、外形形状が略円柱状の粘着ローラ70を設けている。この粘着ローラ70は連結シャフト70bを介して受動ギヤ70aと一体的に構成されている。つまり、ブラシローラ64に付着した塵埃は粘着ローラ70により除去されることになる。従って、粘着ローラ70は、ブラシローラ64に付着した塵埃を粘着作用により除去する補助塵埃除去部材として機能する。この粘着ローラ70は主にウレタン地からなり、外形の周面すなわちウレタン地の表面は粘着材が塗布されている。粘着ローラ70の駆動は、モータM6によるモーター用ギヤ66に回転が受動ギヤ64aを介して受動ギヤ70aに伝達されることにより行われる。エアダクト69bとファン69cを使用する場合に比べ、粘着ローラ70を使用するものの方が、装置全体の小型化に寄与することができる。
【0044】〔第8実施例〕第8実施例は、上記第6実施例及び第7実施例が塵埃除去手段DEとしてブラシローラ64等を備えているのに対し、図18に示すように、第7実施例における粘着ローラ70と同様の構成の粘着ローラ80の外周面を上下のクリーニングベルト60、61に作用させるように構成している。この粘着ローラ80も、主にウレタン地からなる略円柱状の外形形状を有する粘着面支持部材SPの周面すなわちウレタン地の表面に粘着材が塗布され、粘着面NSとなっている。この構成によれば、ブラシローラを介さずに直接粘着ローラ80により除去できるので、第7実施例の装置に比べ、更に装置全体の小型化に寄与することができる。
【0045】〔その他の実施例〕以下、その他の実施例を列記する。
【0046】
【0047】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構造に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の除塵装置を適用した実施例にかかる概略構成図
【図2】本発明の第1実施例にかかる要部斜視図
【図3】本発明の第1実施例にかかる要部拡大図
【図4】本発明の第2実施例にかかる要部斜視図
【図5】本発明の第3実施例にかかる要部斜視図
【図6】本発明の第3実施例にかかる要部断面図
【図7】本発明の第3実施例にかかる要部側面図
【図8】本発明の第4実施例にかかる要部斜視図
【図9】本発明の第5実施例にかかる要部斜視図
【図10】本発明の第5実施例にかかる要部断面図
【図11】本発明の第5実施例にかかる要部側面図
【図12】本発明の第5実施例にかかる要部平面図
【図13】本発明の第6実施例にかかる要部斜視図
【図14】本発明の第6実施例にかかる要部側面図
【図15】本発明の第6実施例にかかる要部拡大図
【図16】本発明の第6実施例にかかる要部拡大図
【図17】本発明の第7実施例にかかる要部斜視図
【図18】本発明の第8実施例にかかる要部斜視図
【符号の説明】
2 帯状部材
2a 除塵対象面
64 塵埃除去部材
70 補助塵埃除去手段
B 屈曲部
BD 駆動手段
DE 塵埃除去手段
M1 駆動手段
NS 粘着面
PL 写真感光材料
RD 駆動手段
RE 除塵部材
RS 除塵作用面
SD 補助吸引手段
SP 粘着面支持部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】 除塵作用面(RS)の一部を除塵作用位置に順次繰り返し移動させて、除塵対象面(2a)の塵埃を取り込んで除塵作用を行う除塵部材(RE)と、前記除塵作用面(RS)における非除塵作用位置に位置する部分に対して除塵作用を行う塵埃除去手段(DE)とが設けられた除塵装置。
【請求項2】 前記除塵対象面(2a)が、搬送径路に沿って搬送される長尺の帯状部材(2)の表裏両面に存在し、前記除塵部材(RE)が、前記表裏両面の除塵対象面(2a)に対して除塵作用するように構成されている請求項1記載の除塵装置。
【請求項3】 前記除塵部材(RE)が、略円柱状の外形形状に形成され、前記除塵作用面(RS)が、前記略円柱状の除塵部材(RE)の周面をブラシ状に形成されて、前記除塵対象面(2a)に接触して除塵作用するように構成され、前記除塵作用面(RS)が前記除塵対象面(2a)に接触する状態で、前記除塵部材(RE)の略円形断面の中央部を通る軸芯周りに前記除塵部材(RE)を回動駆動する駆動手段(M1)が設けられている請求項1又は2記載の除塵装置。
【請求項4】 前記ブラシ状に形成された除塵作用面(RS)が導電性を有するように構成されている請求項3記載の除塵装置。
【請求項5】 前記除塵作用面(RS)における特定箇所が、粘着性を有するように構成されている請求項3又は4記載の除塵装置。
【請求項6】 前記除塵部材(RE)が、外形形状が略円柱状で且つ前記除塵部材(RE)の略円形断面の中央部を通る軸芯周りに回動自在に構成され、前記除塵作用面(RS)が、前記略円柱状の除塵部材(RE)の周面を粘着力を有するように形成されて、前記除塵対象面(2a)に接触して除塵作用するように構成されている請求項1又は2記載の除塵装置。
【請求項7】 前記除塵部材(RE)が、その回動軸芯が横並びとなる状態に複数個備えられ、前記除塵部材(RE)夫々の除塵作用面(RS)が前記除塵部材(RE)の回動軸芯方向に不連続で、且つ、前記除塵部材(RE)の並び方向視において、前記回動軸芯方向の設定範囲内の何れの箇所においても前記複数の除塵部材(RE)の除塵作用面(RS)が存在するように構成されている請求項6記載の除塵装置。
【請求項8】 前記除塵部材(RE)が、無端帯状に形成され、前記除塵作用面(RS)が、前記無端帯状の除塵部材(RE)の外周面を前記除塵対象面(2a)に接触して除塵作用するように構成され、前記除塵作用面(RS)が前記除塵対象面(2a)に接触する状態で、前記除塵部材(RE)を巻回方向に回動駆動する駆動手段(BD)が設けられている請求項1又は2記載の除塵装置。
【請求項9】 前記除塵対象面(2a)が、搬送径路に沿って搬送される長尺の帯状部材(2)の表裏両面に存在し、その表裏両面の夫々に対して除塵作用する一対の除塵部材(RE)が、夫々偏平形状に巻回され、且つ、前記除塵対象面(2a)を交差状態で挟んで、その偏平形状の長手方向に沿う状態で配置され、前記塵埃除去手段(DE)は、前記長手方向の一端部に位置する前記一対の除塵部材(RE)の除塵作用面(RS)の両方に対して除塵作用するように構成されている請求項8記載の除塵装置。
【請求項10】 前記除塵部材(RE)が屈曲部(B)を有するように巻回され、前記塵埃除去手段(DE)が、前記屈曲部(B)に位置する前記除塵作用面(RS)に対して除塵作用するように構成されている請求項8又は9記載の除塵装置。
【請求項11】 前記除塵部材(RE)の除塵作用面(RS)が、ブラシ状に形成されている請求項8、9又は10記載の除塵装置。
【請求項12】 前記除塵部材(RE)の除塵作用面(RS)が、ウレタン被覆層が形成された布地にて構成されている請求項8、9又は10記載の除塵装置。
【請求項13】 前記塵埃除去手段(DE)が、前記除塵作用面(RS)に付着されている塵埃を粘着作用により除去する粘着面(NS)が備えられて構成されている請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12記載の除塵装置。
【請求項14】 前記塵埃除去手段(DE)は、前記粘着面(NS)が、外形形状が略円柱状の粘着面支持部材(SP)の周面に形成されて構成されている請求項13記載の除塵装置。
【請求項15】 前記塵埃除去手段(DE)は、外形形状が略円柱状で、且つ、略円柱状の周面をブラシ状に形成されて、前記除塵作用面(RS)に接触して除塵作用する塵埃除去部材(64)と、前記塵埃除去部材(64)の略円形断面の中央部を通る軸芯周りに前記塵埃除去部材(64)を回動駆動する駆動手段(RD)が備えられて構成されている請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12記載の除塵装置。
【請求項16】 前記塵埃除去部材(64)に付着した塵埃を粘着作用により除去する補助塵埃除去部材(70)が備えられた請求項15記載の除塵装置。
【請求項17】 前記塵埃除去部材(64)に付着した塵埃を吸引作用により除去する補助吸引手段(SD)が備えられた請求項15記載の除塵装置。
【請求項18】 前記塵埃除去部材(64)の前記ブラシ状に形成された周面が導電性を有するように構成されている請求項15、16又は17記載の除塵装置。
【請求項19】 前記塵埃除去手段(DE)が、前記除塵作用面(RS)に付着されている塵埃を吸引作用により除去する吸引手段(DS)が備えられて構成されている請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12記載の除塵装置。
【請求項20】 前記除塵対象面(2a)が、写真感光材料(PL)の表面である請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18又は19記載の除塵装置。
【請求項1】 除塵作用面(RS)の一部を除塵作用位置に順次繰り返し移動させて、除塵対象面(2a)の塵埃を取り込んで除塵作用を行う除塵部材(RE)と、前記除塵作用面(RS)における非除塵作用位置に位置する部分に対して除塵作用を行う塵埃除去手段(DE)とが設けられた除塵装置。
【請求項2】 前記除塵対象面(2a)が、搬送径路に沿って搬送される長尺の帯状部材(2)の表裏両面に存在し、前記除塵部材(RE)が、前記表裏両面の除塵対象面(2a)に対して除塵作用するように構成されている請求項1記載の除塵装置。
【請求項3】 前記除塵部材(RE)が、略円柱状の外形形状に形成され、前記除塵作用面(RS)が、前記略円柱状の除塵部材(RE)の周面をブラシ状に形成されて、前記除塵対象面(2a)に接触して除塵作用するように構成され、前記除塵作用面(RS)が前記除塵対象面(2a)に接触する状態で、前記除塵部材(RE)の略円形断面の中央部を通る軸芯周りに前記除塵部材(RE)を回動駆動する駆動手段(M1)が設けられている請求項1又は2記載の除塵装置。
【請求項4】 前記ブラシ状に形成された除塵作用面(RS)が導電性を有するように構成されている請求項3記載の除塵装置。
【請求項5】 前記除塵作用面(RS)における特定箇所が、粘着性を有するように構成されている請求項3又は4記載の除塵装置。
【請求項6】 前記除塵部材(RE)が、外形形状が略円柱状で且つ前記除塵部材(RE)の略円形断面の中央部を通る軸芯周りに回動自在に構成され、前記除塵作用面(RS)が、前記略円柱状の除塵部材(RE)の周面を粘着力を有するように形成されて、前記除塵対象面(2a)に接触して除塵作用するように構成されている請求項1又は2記載の除塵装置。
【請求項7】 前記除塵部材(RE)が、その回動軸芯が横並びとなる状態に複数個備えられ、前記除塵部材(RE)夫々の除塵作用面(RS)が前記除塵部材(RE)の回動軸芯方向に不連続で、且つ、前記除塵部材(RE)の並び方向視において、前記回動軸芯方向の設定範囲内の何れの箇所においても前記複数の除塵部材(RE)の除塵作用面(RS)が存在するように構成されている請求項6記載の除塵装置。
【請求項8】 前記除塵部材(RE)が、無端帯状に形成され、前記除塵作用面(RS)が、前記無端帯状の除塵部材(RE)の外周面を前記除塵対象面(2a)に接触して除塵作用するように構成され、前記除塵作用面(RS)が前記除塵対象面(2a)に接触する状態で、前記除塵部材(RE)を巻回方向に回動駆動する駆動手段(BD)が設けられている請求項1又は2記載の除塵装置。
【請求項9】 前記除塵対象面(2a)が、搬送径路に沿って搬送される長尺の帯状部材(2)の表裏両面に存在し、その表裏両面の夫々に対して除塵作用する一対の除塵部材(RE)が、夫々偏平形状に巻回され、且つ、前記除塵対象面(2a)を交差状態で挟んで、その偏平形状の長手方向に沿う状態で配置され、前記塵埃除去手段(DE)は、前記長手方向の一端部に位置する前記一対の除塵部材(RE)の除塵作用面(RS)の両方に対して除塵作用するように構成されている請求項8記載の除塵装置。
【請求項10】 前記除塵部材(RE)が屈曲部(B)を有するように巻回され、前記塵埃除去手段(DE)が、前記屈曲部(B)に位置する前記除塵作用面(RS)に対して除塵作用するように構成されている請求項8又は9記載の除塵装置。
【請求項11】 前記除塵部材(RE)の除塵作用面(RS)が、ブラシ状に形成されている請求項8、9又は10記載の除塵装置。
【請求項12】 前記除塵部材(RE)の除塵作用面(RS)が、ウレタン被覆層が形成された布地にて構成されている請求項8、9又は10記載の除塵装置。
【請求項13】 前記塵埃除去手段(DE)が、前記除塵作用面(RS)に付着されている塵埃を粘着作用により除去する粘着面(NS)が備えられて構成されている請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12記載の除塵装置。
【請求項14】 前記塵埃除去手段(DE)は、前記粘着面(NS)が、外形形状が略円柱状の粘着面支持部材(SP)の周面に形成されて構成されている請求項13記載の除塵装置。
【請求項15】 前記塵埃除去手段(DE)は、外形形状が略円柱状で、且つ、略円柱状の周面をブラシ状に形成されて、前記除塵作用面(RS)に接触して除塵作用する塵埃除去部材(64)と、前記塵埃除去部材(64)の略円形断面の中央部を通る軸芯周りに前記塵埃除去部材(64)を回動駆動する駆動手段(RD)が備えられて構成されている請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12記載の除塵装置。
【請求項16】 前記塵埃除去部材(64)に付着した塵埃を粘着作用により除去する補助塵埃除去部材(70)が備えられた請求項15記載の除塵装置。
【請求項17】 前記塵埃除去部材(64)に付着した塵埃を吸引作用により除去する補助吸引手段(SD)が備えられた請求項15記載の除塵装置。
【請求項18】 前記塵埃除去部材(64)の前記ブラシ状に形成された周面が導電性を有するように構成されている請求項15、16又は17記載の除塵装置。
【請求項19】 前記塵埃除去手段(DE)が、前記除塵作用面(RS)に付着されている塵埃を吸引作用により除去する吸引手段(DS)が備えられて構成されている請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12記載の除塵装置。
【請求項20】 前記除塵対象面(2a)が、写真感光材料(PL)の表面である請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18又は19記載の除塵装置。
【図2】
【図3】
【図7】
【図1】
【図4】
【図11】
【図15】
【図5】
【図6】
【図8】
【図9】
【図10】
【図12】
【図14】
【図13】
【図16】
【図17】
【図18】
【図3】
【図7】
【図1】
【図4】
【図11】
【図15】
【図5】
【図6】
【図8】
【図9】
【図10】
【図12】
【図14】
【図13】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開平8−152690
【公開日】平成8年(1996)6月11日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平7−140185
【出願日】平成7年(1995)6月7日
【出願人】(000135313)ノーリツ鋼機株式会社 (1,824)
【公開日】平成8年(1996)6月11日
【国際特許分類】
【出願日】平成7年(1995)6月7日
【出願人】(000135313)ノーリツ鋼機株式会社 (1,824)
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