説明

除湿装置

【課題】高い除湿能力を備えながらも、デシカントロータ駆動部や、吸着部と脱着部との境界部分のシール構造を不要として装置を簡素にでき、コンパクト化、低コスト化を図ることが可能な除湿装置を実現する。
【解決手段】第1熱交換器4、デシカントブロック7及び第2熱交換器6を直列に配置する。そして、除湿運転では、第1熱交換器4が凝縮器又は放熱器として動作すると共に、第2熱交換器6が蒸発器として動作する第1運転モードと、第1熱交換器が蒸発器として動作すると共に、第2熱交換器6が凝縮器又は放熱器として動作する第2運転モードとを交互に繰り返す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、除湿装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、水分の吸着及び脱着を行うデシカント材による吸脱着を利用して除湿対象空間内を除湿する除湿装置として、特許文献1の例がある。特許文献1は、冷凍サイクルの熱交換器による冷却及び加熱と、デシカントロータによる吸脱着とを組み合わせて除湿を行う技術であり、除湿対象空間の空気を、冷凍サイクルの放熱器、デシカントロータの脱着部、冷凍サイクルの蒸発器、デシカントロータの吸着部の順に通過させる風路を有している。
【0003】
この風路内に取り入れた除湿対象空間の空気を、放熱器で加熱し、加熱した空気をデシカントロータの脱着部で加湿し、加湿した空気を蒸発器で露点温度以下まで冷却して冷却除湿し、冷却除湿した空気を、デシカントロータの吸着部で更に除湿した後、除湿対象空間に戻すようにしている。そして、デシカントロータを回転させることで、連続的に除湿運転を行う構成としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−150305号公報(要約、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の装置では、デシカント材の吸脱着作用と冷凍サイクルの冷却及び加熱作用とを組み合わせることで、冷凍サイクルのみ又はデシカント材のみを用いた除湿に比べて、より多くの除湿量を実現でき、高性能な除湿装置となっている。しかしながら、一方で、以下のような課題があった。
【0006】
デシカントロータを用いているため、ロータの駆動部が必要となる。また、デシカントの吸着部と脱着部との間で空気漏れが生じないように、吸着部と脱着部との境界部分を気密に分離するシール構造が必要となり、装置が大型化し、また高コストになるという課題があった。また、デシカントロータを通過後の空気を、再びデシカントロータに戻す風路構成となるため、曲がり部の多い風路構成となり、空気を搬送する際の圧力損失が増加し、送風機動力が増加して装置の消費電力が増加するという課題があった。
【0007】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、高い除湿能力を備えながらも、デシカントロータ駆動部や、吸着部と脱着部との境界部分のシール構造を不要として装置を簡素にでき、コンパクト化、低コスト化を図ることが可能な除湿装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る除湿装置は、圧縮機、流路切換装置、第1熱交換器、減圧装置及び第2熱交換器を順次、冷媒配管で接続した冷媒回路と、第1熱交換器、水分の吸脱着が可能なデシカント材及び第2熱交換器を直列に配置した風路と、風路内に設けられ、除湿対象空間内の空気を風路内に流す送風装置とを備え、第1熱交換器が凝縮器又は放熱器として動作すると共に、第2熱交換器が蒸発器として動作し、デシカント材に保持されている水分を脱着する第1運転モードと、第1熱交換器が蒸発器として動作すると共に第2熱交換器が凝縮器又は放熱器として動作し、デシカント材が風路を通過する空気から水分を吸着する第2運転モードとを、流路切換装置の流路切換により交互に切り換える除湿運転を行うものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、デシカント材の吸脱着作用と冷媒回路の冷凍サイクル動作による冷却及び加熱作用とを組み合わせることで、高除湿量の除湿を行うことができる。これに加え、第1熱交換器、デシカント材及び第2熱交換器を直列に配置した風路構成とし、そして、第1熱交換器が凝縮器又は放熱器として動作すると共に、第2熱交換器が蒸発器として動作し、デシカント材に保持されている水分を脱着する第1運転モードと、第1熱交換器が蒸発器として動作すると共に、第2熱交換器が凝縮器又は放熱器として動作し、デシカント材が風路を通過する空気から水分を吸着する第2運転モードとを、流路切換装置の流路切換により交互に切り換えて除湿を行うようにしたので、装置構造の簡素化が可能であり、よりコンパクトで低コストの装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態1に係る除湿装置の構成を示す図である。
【図2】第1運転モード時の空気の状態変化を示す空気湿り線図である。
【図3】第2運転モード時の空気の状態変化を示す空気湿り線図である。
【図4】本発明の実施の形態2に係る除湿装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る除湿装置の構成を示す図である。図1及び後述の各図において、同一の符号を付したものは、同一の又はこれに相当するものであり、これは明細書の全文において共通している。また、明細書全文に表れている構成要素の形態は、あくまで例示であってこれらの記載に限定されるものではない。
除湿装置1は、筐体10内に、圧縮機2、流路切換装置である四方弁3、第1熱交換器4、減圧装置である膨張弁5及び第2熱交換器6を有し、これらが冷媒配管で環状に接続されて冷媒回路Aを構成している。筐体10内は、風路室20と機械室30とに区画されており、機械室30には圧縮機2及び四方弁3が配置され、その他が風路室20に配置されている。なお、機械室30と風路室20との間を区画する壁面11には貫通穴(図示せず)が形成されており、貫通穴(図示せず)に冷媒配管が貫通されて各要素同士を接続している。また、貫通穴と接続配管との間の隙間を介して機械室30と風路室20との間で気流が生じないように、隙間部分を気密に保つように構成するとよい。
【0012】
四方弁3は、図1の実線方向又は点線方向に冷媒が流れるように流路を切り換えられるものであり、図1の実線の流路に切り換えられた場合、圧縮機2から吐出された冷媒が、四方弁3、第1熱交換器4、膨張弁5、第2熱交換器6及び四方弁3の順に流れて圧縮機2に戻る冷凍サイクルを構成する。この構成では、第1熱交換器4は凝縮器(放熱器)として動作し、第2熱交換器6は蒸発器として動作する。
【0013】
一方、四方弁3の流路が図1の点線の流路に切り換えられた場合、圧縮機2から吐出された冷媒が、圧縮機2、四方弁3、第2熱交換器6、膨張弁5、第1熱交換器4及び四方弁3の順に流れて圧縮機2に戻る冷凍サイクルを構成する。この構成では、第2熱交換器6が凝縮器(放熱器)として動作し、第1熱交換器4は蒸発器として動作する。この除湿装置1の冷媒としては例えばR410Aが用いられる。なお、冷媒はR410Aに限るものではなく、他のHFC系冷媒や、HC冷媒、CO2、NH3などの自然冷媒に適用することができる。CO2冷媒を適用する場合で、高圧が臨界圧力以上の運転の場合は、凝縮器は放熱器として動作する。
【0014】
第1熱交換器4及び第2熱交換器6はプレートフィンチューブ熱交換器であり、伝熱管内を流れる冷媒とフィン周囲を流れる空気とを熱交換する構成となっている。膨張弁5は開度が固定されている弁であり、通過する冷媒を減圧膨張する。
【0015】
風路室20は、除湿対象空気を内部に導入する吸込口20aと、除湿された空気を外部に排出する吹出口20bとを有し、図1の白抜き矢印の方向に、送風装置としての送風機8により搬送される空気が流れるようになっている。風路室20は矩形状に構成されており、風路室20内には、第1熱交換器4、デシカント材であるデシカントブロック7、第2熱交換器6及び送風機8が直列に配置された風路Bが形成されている。よって、吸込口20aから風路B内に吸入された空気は、風路B内を、第1熱交換器4、デシカント材であるデシカントブロック7、第2熱交換器6、送風機8の順に直線状に流れた後、吹出口20bから除湿装置1外部に排気される。
【0016】
デシカントブロック7はデシカント材を固形で矩形に成型したものであり、水分を吸脱着する材料で構成され、例えばゼオライトやシリカゲル、高分子系吸着材などが適用される。
【0017】
また、風路室20において、第1熱交換器4及び第2熱交換器6のそれぞれの下方にはドレンパン40が配置され、運転時に発生したドレン水が各熱交換器から滴下したものを受けている。ドレンパン40で受けたドレン水は図1の波線で示す水路41を経由して除湿装置1の最下部にあるドレンタンク42に流入し、貯留される。
【0018】
風路室20には更に、除湿装置1の吸込空気の温湿度(除湿装置1周囲の温湿度)を計測する温湿度センサ50を備えている。
【0019】
また、除湿装置1内には更に、機械室30側に除湿装置1全体を制御する制御装置60が設けられている。制御装置60はマイクロコンピュータで構成され、CPU、RAM及びROM等を備えており、ROMには制御プログラムが記憶されている。制御装置60は、後述の除湿運転の制御(温湿度センサ50の検出信号に応じた四方弁3の切り換え等)、送風機8の回転数制御、圧縮機2の回転数制御、膨張弁5の開度制御等の各種制御を行う。
【0020】
次に、除湿装置1の除湿運転動作について説明する。除湿装置1では四方弁3の流路切り換えにより2つの運転モードが実現される。以下、順に説明する。
【0021】
(第1運転モード:冷凍サイクルの動作)
まず、四方弁3の流路が図1の実線に切り換えられた場合である第1運転モードの動作について説明する。第1運転モードにおける冷凍サイクルの動作は以下のようになる。圧縮機2により低圧のガスが吸入された後、圧縮され、高温且つ高圧のガスとなる。圧縮機2より吐出された冷媒は、四方弁3を経て、第1熱交換器4に流入する。第1熱交換器4に流入した冷媒は、風路Bを流れる空気に放熱し、空気を加熱しながら冷媒そのものは冷却されて凝縮し、高圧の液冷媒となって第1熱交換器4から流出する。第1熱交換器4から流出した液冷媒は、膨張弁5で減圧され、低圧の二相冷媒となる。その後、冷媒は第2熱交換器6に流入し、風路Bを流れる空気より吸熱し、空気を冷却しながら冷媒そのものは加熱されて蒸発し、低圧のガスとなる。その後、冷媒は、四方弁3を経て、圧縮機2に吸入される。
【0022】
(第1運転モード:空気の動作)
次に第1運転モードにおける空気の動作について、図2に基づいて説明する。図2は、第1運転モード時の空気の状態変化を示す空気湿り線図で、縦軸は空気の絶対湿度、横軸は空気の乾球温度である。また、図2の曲線は飽和空気を示すもので、飽和空気における相対湿度は100%である。
【0023】
除湿装置1周囲の空気(図2、A点)は、除湿装置1に流入後、第1熱交換器4にて加熱され、温度が上昇すると共に、相対湿度が低下する(図2、B点)。その後、空気はデシカントブロック7に流入するが、空気の相対湿度が低いため、デシカントブロック7に保持されている水分は脱着(放出)され、空気に含まれる水分量が増加する。一方でデシカントブロック7に流入した空気から、脱着に伴う脱着熱が奪われ、空気の温度は低下し、低温且つ高湿度の状態となる(図2、C点)。その後、空気は第2熱交換器6に流入し、冷却される。なお、冷媒回路Aは、第2熱交換器6内の冷媒温度が空気の露点温度よりも低くなるように運転されており、空気は第2熱交換器6により冷却されると共に除湿され、低温で絶対湿度の低い状態となる(図2、D点)。その後、空気は送風機8に流入し、吹出口20bから除湿装置1外部に排気される。
【0024】
(第2運転モード:冷凍サイクルの動作)
次に、四方弁3の流路が図1の点線に切り換えられた場合である第2運転モードの動作について説明する。第2運転モードにおける冷凍サイクルの動作は以下のようになる。圧縮機2により低圧のガスが吸入された後、圧縮され、高温且つ高圧のガスとなる。圧縮機2より吐出された冷媒は、四方弁3を経て、第2熱交換器6に流入する。第2熱交換器6に流入した冷媒は、風路Bを流れる空気に放熱し、空気を加熱しながら、冷媒そのものは冷却されて凝縮し、高圧の液冷媒となって第2熱交換器6から流出する。第2熱交換器6から流出した液冷媒は、膨張弁5で減圧され、低圧の二相冷媒となる。その後、冷媒は第1熱交換器4に流入し、風路Bを流れる空気より吸熱し、空気を冷却しながら冷媒そのものは加熱され蒸発し、低圧のガスとなる。その後、冷媒は、四方弁3を経て、圧縮機2に吸入される。
【0025】
(第2運転モード:空気の動作)
次に第2運転モードにおける空気の動作について、図3に基づいて説明する。図3は、第2運転モード時の空気の状態変化を示す空気湿り線図で、縦軸は空気の絶対湿度、横軸は空気の乾球温度である。また、図3の曲線は飽和空気を示すもので、飽和空気における相対湿度は100%である。
【0026】
除湿装置1周囲の空気(図3、A点)は、除湿装置1に流入後、第1熱交換器4にて冷却される。なお、冷媒回路Aは、第1熱交換器4内の冷媒温度が空気の露点温度よりも低くなるように運転されており、空気は第1熱交換器4により冷却されると共に除湿され、低温で高相対湿度の状態となる(図3、E点)。その後、空気はデシカントブロック7に流入するが、空気の相対湿度が高いため、デシカントブロック7に水分が吸着され、空気に含まれる水分量が減少し、更に除湿される。一方でデシカントブロック7に流入した空気は、吸着に伴い発生する吸着熱により加熱され、空気の温度は上昇し、高温且つ低湿度の状態となる(図3、F点)。その後、空気は第2熱交換器6に流入し、加熱され、高温となる(図3、G点)。その後、空気は送風機8に流入し、吹出口20bから除湿装置1外部に排気される。
【0027】
このように、第2運転モードでは、第1熱交換器4における冷媒での冷却による除湿に加えて、デシカントブロック7の吸着による除湿も実施される。よって、図2と図3を比較しても明らかなように、第2運転モードは第1運転モードに比べてより多くの除湿量を確保でき、本除湿装置1での主たる除湿は、第2運転モードで実施されることになる。
【0028】
本実施の形態1の除湿装置1では、第1、第2運転モードを交互に繰り返す。例えば第2運転モードを継続して実施した場合、デシカントブロック7に含まれる水分量には上限があるため、一定以上の時間運転すると、デシカントブロック7に水分が吸着されなくなり、除湿量が低下する。そこで、デシカントブロック7の保持水分量が上限近くになった段階で、第1運転モードに切り換え、デシカントブロック7から水分を放出する運転を実施する。第1運転モードをしばらく実施し、デシカントブロック7の保持水分量が適度に減少した時点で再び第2運転モードに切り換える。このように、第1、第2運転モードを交互に実施することで、デシカントブロック7の吸脱着作用を順次行い、デシカントの吸脱着作用による除湿量増加効果を維持する。
【0029】
以上説明したように、本実施の形態1では、デシカント材の吸脱着作用と冷凍サイクルの加熱・冷却作用を組み合わせた高性能な除湿装置1を構成するにあたり、風路Bを直線的に構成している。従来装置では、デシカントロータを用いる構成であるため、デシカントロータの吸着部と脱着部に空気を通風させる必要があり、曲がり部のある風路を構成せざるを得ず、その分、空気を搬送する際の圧力損失が大きくなっていた。これに対し、本実施の形態1では風路Bを直線的に構成したことにより、空気を搬送する際の圧力損失を小さくできる。よって、その分、空気を搬送する送風機8の消費電力を少なくでき、より高効率の装置とすることができる。
【0030】
また、従来のデシカントロータを用いた構成では、デシカントロータを回転駆動するためのモーターやその固定構造等が必要となり、装置構成が複雑化する。これに対し、本実施の形態1では静置型であるため、デシカント材を回転駆動するモーターが不要あり、また、風路構成がシンプルである。よって、コンパクト化が可能で、装置構成を簡素にでき、低コストの装置とすることができる。
【0031】
また、本実施の形態1では、風路Bを矩形に構成している。このため、風路Bに実装される第1熱交換器4、第2熱交換器6及びデシカントブロック7のそれぞれを、風路Bの形状に合わせて矩形の外形構造とした場合、矩形風路B内に、より高密度に実装できる。
【0032】
すなわち、従来装置ではデシカントロータを用いることから、矩形状の風路Bの中に円形のロータを配置することになる。よって、ロータ配置部分では四隅にデッドスペースができてしまい、風路をコンパクトに構成できなかった。これに対し、本実施の形態1では、矩形のデシカントブロック7を用いることにより、デッドスペース無く配置することができるため、高密度実装が可能となる。その結果、風路Bをコンパクト(風路室20をコンパクト)に構成することができる。
【0033】
また、従来装置では、吸着部と脱着部とで風路を分ける必要があり、吸着部と脱着部の境界部分を気密に分離するシール構造が必要となる。これに対し、本実施の形態1では、風路Bは一つであり、四方弁3の切り換えにより、デシカントブロック7の吸着と脱着を切り換えることができるため、従来のシール構造は不要であり、装置構成を簡略化でき、低コスト化を図ることができる。
【0034】
なお、風路Bに実装される第1熱交換器4、第2熱交換器6及びデシカントブロック7のそれぞれを、上述したように風路Bの形状に合わせて外形が矩形の構造とした場合、上述したようにコンパクト化の効果が得られるため好ましいが、必ずしも矩形に限定するものではない。
【0035】
また、本実施の形態の第2運転モードでは、搬送される空気に対し、第1熱交換器4による除湿、デシカントブロック7による除湿に次いで、第2熱交換器6による加熱が実施される。そのため、除湿装置1の吹出空気は、高温で水分量の少ない状態となり(図3、G点)、相対湿度を例えば20%以下の低相対湿度にできる。このような低相対湿度の空気は、乾燥用途に好適な空気であり、この空気を、洗濯物などの被乾燥物に直接当てるようにすれば、被乾燥物の乾燥を促進することができ、より高性能な乾燥機能を実現することができる。
【0036】
なお、第1運転モードでの吹出空気は、第2運転モードでの吹出空気に比べて低温・高湿度であるため、本除湿装置1を被乾燥物の乾燥に用いる場合は、第2運転モードのときのみ、吹出空気を被乾燥物に当てることが望ましい。よって、このような用途に対応するため、除湿装置1の吹出口20bに、吹出風向を変更可能なベーンを設け、第1運転モードでの吹出方向と第2運転モードでの吹出方向とを別の方向に調整できる構成としてもよい。そして、第2運転モードのときのみ、吹出口20bからの吹出空気が被乾燥物にあたるようにベーンを調整すればよく、これにより、被乾燥物の乾燥をより促進でき、高性能な乾燥機能を実現できる。
【0037】
なお、本発明の除湿装置は、上記の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で例えば以下のように種々変形実施可能である。
【0038】
(変形例1:除湿装置1の構成要素)
図1では、冷媒回路Aの切り換えに四方弁3を用いた構成を示したが、冷媒回路Aの流路を切り換えられる構成であれば、特に四方弁に限定されるものではなく、他の弁を用いてもよい。例えば、二方弁である電磁弁を4個用い、圧縮機2の吐出側及び吸入側のそれぞれと第1熱交換器4とを接続する部分、また、圧縮機2の吐出側及び吸入側のそれぞれと第1熱交換器4とを接続する部分に電磁弁を配置した構成としてもよい。そして、各電磁弁の開閉により、本実施の形態と同様の冷媒回路A、冷凍サイクルを実現すればよい。また、膨張弁5については他の減圧手段を用いてもよい。例えば、開度が可変である電子膨張弁や、キャピラリーチューブなどを用いてもよい。
【0039】
(変形例2:各運転モードの運転時間)
第1運転モードと第2運転モードのそれぞれの運転時間は、予め定められた時間としてもよいが、各運転モードのそれぞれの運転時間には、空気条件や除湿装置1の運転状態に応じた適正値がある。よって、その適正値で運転できるように、空気条件や除湿装置1の運転状態に基づいて各運転モードの運転時間を決定するようにしてもよい。
【0040】
第1運転モードでは、デシカントブロック7から水分が放出されるので、デシカントブロック7から適度な量の水分が放出され、デシカントブロック7に残存する水分量が適量となるまでに要する時間が、適正値となる。デシカントブロック7に水分量が適量より多く残った状態で、第1運転モードを終了し、第2運転モードに切り換えると、第2運転モードでデシカントブロック7が吸着できる水分量が抑制されてしまい、第2運転モードでの除湿量が低減する。逆に、第1運転モードを長くしすぎると、第1運転モードの後半でデシカントブロック7から水分をほとんど脱着できない状態が続くことになり、第1運転モードよりも高除湿量を実現する第2運転モードへの切り換えが遅くなる。よって、この場合も、トータルでの除湿量が低減する。
【0041】
第2運転モードでは、デシカントブロック7に水分が吸着されるので、デシカントブロック7への吸着水分量が適量となる時間が適正値となる。まだデシカントブロック7で吸着できる余地があるにもかかわらず、運転を第1運転モードに切り換えた場合、第1運転モードに比べて高除湿量の第2運転モードの運転時間が短くなり、トータルでみたときに除湿量が低減する。逆に第2運転モードを長くしすぎると、第2運転モードの後半では、デシカントブロック7が吸着できない状態が続くことになり、こちらの場合も除湿量が低減する。
【0042】
デシカントブロック7の保持水分量の変化はデシカントブロック7に流入する空気の相対湿度によって決定され、高相対湿度の空気が流入すると、デシカントブロック7内の水分が放出されにくく、逆に水分吸着量は多くなる。また低相対湿度の空気がデシカントブロック7に流入すると、デシカントブロック7内の水分が放出されやすく、逆に水分吸着量は少なくなる。
【0043】
以上の点を踏まえ、各運転モードの運転時間を、以下の決定方法1又は決定方法2の方法で決定してもよい。ところで、除湿運転中は、第1運転モード及び第2運転モードを一周期としてこの周期を繰り返し行うが、一周期の時間(つまり、第1運転モードの運転時間と第2運転モードの運転時間の合計時間)は常に同じである。よって、以下に説明する決定方法では、いわば一周期内における第1運転モードと第2運転モードのそれぞれの時間配分を決定することになる。なお、各運転時間の決定は、除湿運転開始時に行われる。以下、各決定パターンについて順に説明する。
【0044】
(決定方法1)
温湿度センサ50で得られる吸込空気の状態より、吸込空気の相対湿度を求め、その相対湿度に応じて各運転モードのそれぞれの運転時間を決定する。以下、具体的に説明する。
【0045】
吸込空気の基準となる相対湿度(以下、基準相対湿度という)を予め定めると共に、その基準相対湿度の吸込空気が風路Bを通過した場合に高除湿量とできる、各運転モードそれぞれの基準運転時間を、予め実験やシミュレーション等により求めておく。そして、実際の吸込空気の相対湿度と基準相対湿度との大小関係に応じて、以下に説明するように、各運転モードそれぞれの基準運転時間から適宜増減して各運転モードそれぞれの運転時間を決定する。
【0046】
除湿運転開始時に温湿度センサ50で得られる吸込空気の状態より、実際の吸込空気の相対湿度を求め、その相対湿度が、予め設定した相対湿度よりも高い場合、第1運転モードでのデシカントブロック7からの水分放出量は、相対湿度が基準相対湿度の場合の水分放出量より少なくなり、また、第2運転モードでのデシカントブロック7の水分吸着量は、相対湿度が基準相対湿度の場合の水分吸着量より多くなる。よって、実際の吸込空気の相対湿度が基準相対湿度よりも高い場合は、第1運転モードの運転時間を第1運転モード対応の基準運転時間より長くし、逆に第2運転モードの運転時間を第2運転モード対応の基準運転時間より短くする。
【0047】
一方、実際の吸込空気の相対湿度が基準相対湿度よりも低い場合は、第1運転モードでのデシカントブロック7からの水分放出量が、相対湿度が基準相対湿度の場合の水分放出量より多くなり、また、第2運転モードでのデシカントブロック7の水分吸着量が、相対湿度が基準相対湿度の場合の水分吸着量より少なくなる。よって、実際の吸込空気の相対湿度が基準相対湿度よりも低い場合は、第1運転モードの運転時間を第1運転モード対応の基準運転時間より短くし、逆に第2運転モードの運転時間を第2運転モード対応の基準運転時間より長くする。
【0048】
このようにして各運転モードの運転時間を調整することにより、デシカントブロック7の水分保持量を適切に調節することが可能となり、吸込空気の状態がどのような状態であっても、常に高除湿量を実現することができる。なお、実際の吸込空気の相対湿度が基準相対湿度と同じ場合には、当然のことながら、それぞれの運転モード対応の基準運転時間で運転すればよい。
【0049】
(決定方法2)
除湿運転開始時の冷媒回路Aの運転状態に応じて各運転モードのそれぞれの運転時間を決定する。以下、具体的に説明する。
【0050】
冷媒回路Aの運転状態は吸込空気の状態により変動する。具体的には、吸込空気の相対湿度が高い場合には、各運転モードで蒸発器となる熱交換器を通過前後の空気の湿度差が、吸込空気の相対湿度が低い場合に比べて拡大する。すなわち、蒸発器での冷媒と空気との熱交換が促進されるので、それに応じて冷凍サイクルの低圧圧力が上昇する運転となる。逆に、吸込空気の相対湿度が低い場合には、蒸発器での冷媒と空気との熱交換が抑制されるので、冷凍サイクルの低圧圧力が低下する運転となる。
【0051】
冷凍サイクルの低圧圧力と吸込空気の相対湿度とには以上のような関係があることから、この関係を上記決定方法1に適用することで、冷凍サイクルの低圧圧力に応じて第1、第2運転モードそれぞれの運転時間を決定できる。なお、冷凍サイクルの低圧の上昇に応じて高圧圧力も上昇するため、結局のところ、冷凍サイクルの低圧圧力又は高圧圧力に応じて、第1運転モードと第2運転モードのそれぞれの運転時間を決定できる。
【0052】
すなわち、除湿運転開始時に冷凍サイクルの低圧圧力(又は高圧圧力)を計測し、計測して得られた計測低圧値(又は計測高圧値)と、予め定められた低圧基準値(又は高圧基準値)とを比較し、計測低圧値(又は計測高圧値)が低圧基準値(又は高圧基準値)よりも高い場合は、吸込空気の相対湿度が高いと判定し、上記決定方法1と同様、第1運転モードの運転時間を基準運転時間より長くし、逆に第2運転モードの運転時間を基準運転時間より短くする。
【0053】
一方、計測低圧値(又は計測高圧値)が低圧基準値(又は高圧基準値)よりも低い場合は、吸込空気の相対湿度が低いと判定し、上記決定方法1と同様、第1運転モードの運転時間を基準運転時間より短くし、逆に第2運転モードの運転時間を基準運転時間より長くする。
【0054】
なお、低圧圧力や高圧圧力の計測には、冷凍サイクルの低圧部や高圧部に圧力センサを設けて計測してもよいし、冷凍サイクルで気液二相部となる各熱交換器の冷媒温度を計測し、その温度より低圧を推算するようにしてもよい。
【0055】
このように、冷凍サイクルの低圧圧力や高圧圧力によっても、上記決定方法1(吸込空気の情報に基づく手法)と同様に、デシカントブロック7の水分保持量を適切に調節することが可能である。そして、吸込空気の状態がどのような状態であっても、常に高除湿量を実現できる。
【0056】
(着霜時の運転切換)
ところで、吸込空気が低温の場合、第2運転モードを実施すると、第1熱交換器4では低温空気を冷却することとなる。よって、第1熱交換器4のフィン表面の温度が0℃以下となると、フィン表面に着霜を生じる。そのままの状態で運転を継続すると、着霜が成長し、フィン間の空気流路を塞いでしまい、その結果、送風量が低下し、除湿装置1の運転が適切に実施できない状態となる。
【0057】
そこで、第2運転モード中に、冷媒回路Aの運転状態により第1熱交換器4に着霜が生じていると推測される場合には、予め設定された運転時間終了前(又は上記決定方法1や決定方法2により決定された運転時間終了前)であっても、第2運転モードを終了し、第1運転モードに切り換えるようにしてもよい。なお、第1運転モードでは、第1熱交換器4が凝縮器として動作するので、冷媒が高圧且つ高温であるため、着霜を加熱融解することができる。
【0058】
着霜状態は、冷凍サイクルの低圧圧力によって判定でき、例えば、第2運転モードで運転中に、低圧圧力が所定値よりも低い時間が一定時間以上継続した場合、第1熱交換器4のフィン表面温度が0℃以下の状態が長時間継続し、着霜が進行したと判定する。この場合は、上述したように第2運転モードを終了し、第1運転モードに切り換える。なお、低圧圧力の計測方法は前述した手段と同様に、冷凍サイクルの低圧部に圧力センサを設ける、もしくは低圧で気液二相部となる第1熱交換器4の冷媒温度を計測すればよい。
【0059】
なお、着霜状態の判定は、上記の方法に限られず、第1熱交換器4のフィン表面温度そのものを計測し、この温度が0℃以下で一定時間以上運転継続した場合、着霜状態と判定してもよい。
【0060】
このように、第2運転モードで着霜状態と判別された場合には第1運転モードに切り換えるようにすれば、着霜状態が進行したまま運転することが無くなり、送風量低下による除湿量低下を回避し、より信頼性の高い除湿装置1を実現できる。
【0061】
実施の形態2.
図4は、本発明の実施の形態2に係る除湿装置の構成を示す図である。以下、実施の形態2が実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。なお、実施の形態1と同様の構成部分について適用される変形例は、本実施の形態2についても同様に適用される。
実施の形態2の除湿装置100は、図1に示した実施の形態1の除湿装置1から四方弁3が取り除かれ、冷媒回路A内の冷媒の流れ方向が、図4の実線矢印方向に限定された構成を有する。また吸込口20aと第1熱交換器4との間に送風機8bが設けられている。なお、実施の形態2では、吸込口20aは吸込だけでなく吹出も行う吸込吹出口20aとなり、吹出口20bは吹出だけでなく吸込も行う吸込吹出口20bとなる。除湿装置100は更に、吸込吹出口20bから流入する空気の温湿度(除湿装置100周囲の温湿度)を計測する温湿度センサ50bを備えているが、温湿度センサ50と温湿度センサ50bのどちらか一方の構成としてもよい。要は、除湿装置100の吸込空気の温湿度を検出できればよい。
【0062】
送風機8及び送風機8bは、両方同時に運転することはなく、片方ずつ運転される。送風機8が運転される場合は、図1と同様に図4の左から右への白抜き矢印方向(第1方向)に空気が流れ、送風機8bが運転される場合は、図4の右から左への灰色矢印方向(第2方向)に空気が流れる。なお、ここでは白抜き矢印方向又は灰色矢印方向に空気を流す送風装置として2台の送風機を示したが、正逆回転可能で白抜き矢印方向、及び灰色矢印方向の両方向に送風可能な1台の送風機としてもよい。
【0063】
本実施の形態2では、第1熱交換器4は常に凝縮器として動作し、流入する空気を加熱する。また第2熱交換器6は常に蒸発器として動作し、流入する空気を冷却、除湿する。
【0064】
次に本実施の形態2の運転動作について説明する。本実施の形態2では、送風機8を運転して白抜き矢印方向に空気を流す第3運転モードと、送風機8bを運転して灰色矢印方向に空気を流す第4運転モードとを有し、各運転モードを切り換えて除湿を行う。第3運転モードは、実施の形態1における第1運転モードと同じ運転であり、吸込吹出口20aから風路B内に流入した空気が、第1熱交換器4で加熱されて低相対湿度となった後、デシカントブロック7の保持水分を脱着し、その後、第2熱交換器6に流入して冷却除湿された後、吸入吹出口20bから除湿装置100外へ吹き出される運転となる。
【0065】
一方、第4運転モードでは、吸入吹出口20bから風路B内に流入した空気が、第2熱交換器6で冷却除湿され高相対湿度となった後、デシカントブロック7に水分を吸着されて更に除湿され、その後、第1熱交換器4で加熱されて吸込吹出口20aから除湿装置100外へ吹き出される運転となる。このように第4運転モードは、冷媒回路Aの冷凍サイクル動作は実施の形態1と異なるが、風路B内の空気の状態変化は実施の形態1の第2運転モードと同じとなる。
【0066】
本実施の形態2の除湿装置100では、第3、第4運転モードを交互に繰り返す。これにより、デシカントブロック7内及び除湿装置100内の空気の状態変化は、実施の形態1にて第1、第2運転モードを交互に実施する場合と同様になる。
【0067】
なお、第3、第4運転モードのそれぞれの運転時間の決定方法は、実施の形態1と同様である。すなわち、第3運転モードの運転時間は、実施の形態1の第1運転モードの運転時間と同様に決定し、第4運転モードの運転時間は、実施の形態1の第2運転モードの運転時間と同様に決定する。なお、除湿開始時の吸込空気の相対湿度は、温湿度センサ50又は温湿度センサ50bにより得られる吸込空気の状態により求めればよい。
【0068】
以上説明したように、実施の形態2によれば、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。すなわち、デシカント材の吸脱着作用と冷凍サイクルの冷却作用を組み合わせた高性能の除湿装置100を構成できることに加え、風路構成を高密度実装、且つ簡素にでき、装置をコンパクト化でき、且つ低コストで製造できる。
【0069】
なお、上記各実施の形態において、吸込空気の相対湿度を、温湿度センサ50、温湿度センサ50bで得られる吸込空気の状態により求めるとしたが、相対湿度を推算できる装置であれば、他のセンシング手段を用いてもよい。例えば、相対湿度を直接計測するセンサや、露点温度を計測するセンサより相対湿度を推算する、などの手段をとってもよい。温湿度センサ50及び温湿度センサ50bは、本発明の状態検出装置として機能するものである。また、低圧圧力や高圧圧力の計測に用いる検出センサも、上述したように本発明の状態検出装置に相当する。
【符号の説明】
【0070】
1 除湿装置、2 圧縮機、3 四方弁、4 第1熱交換器、5 膨張弁、6 第2熱交換器、7 デシカントブロック、8 送風機、8b 送風機、10 筐体、11 壁面、20 風路室、20a 吸込口(吸込吹出口)、20b 吹出口(吸入吹出口)、30 機械室、40 ドレンパン、41 水路、42 ドレンタンク、50 温湿度センサ、50b 温湿度センサ、60 制御装置、100 除湿装置、A 冷媒回路、B 風路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機、流路切換装置、第1熱交換器、減圧装置及び第2熱交換器を順次、冷媒配管で接続した冷媒回路と、
前記第1熱交換器、水分の吸脱着が可能なデシカント材及び前記第2熱交換器を直列に配置した風路と、
前記風路内に設けられ、除湿対象空間内の空気を前記風路内に流す送風装置とを備え、
前記第1熱交換器が凝縮器又は放熱器として動作すると共に、前記第2熱交換器が蒸発器として動作し、前記デシカント材に保持されている水分を脱着する第1運転モードと、第1熱交換器が蒸発器として動作すると共に前記第2熱交換器が凝縮器又は放熱器として動作し、前記デシカント材が前記風路を通過する空気から水分を吸着する第2運転モードとを、前記流路切換装置の流路切換により交互に切り換える除湿運転を行うことを特徴とする除湿装置。
【請求項2】
圧縮機、第1熱交換器、減圧装置及び第2熱交換器を順次、冷媒配管で接続した冷媒回路と、
前記第1熱交換器、水分の吸脱着が可能なデシカント材及び前記第2熱交換器を直列に配置した風路と、
前記風路内に設けられ、前記第1熱交換器、前記デシカント材及び前記第2熱交換器の順に除湿対象空間内の空気を流す第1方向と、前記第2熱交換器、前記デシカント材及び前記第1熱交換器の順に除湿対象空間内の空気を流す第2方向とに送風可能な送風装置と備え、
前記送風装置により前記第1方向に空気を流し、前記デシカント材に保持されている水分を脱着する第1運転モードと、前記送風装置により前記第2方向に空気を流し、前記デシカント材が前記風路を通過する空気から水分を吸着する第2運転モードとを交互に切り換える除湿運転を行うことを特徴とする除湿装置。
【請求項3】
前記除湿対象空間から前記風路内に吸入された吸込空気の状態を検出する状態検出装置を備え、
前記第1運転モードと前記第2運転モードのそれぞれの運転時間を、前記状態検出装置により検出された状態に基づいて決定することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の除湿装置。
【請求項4】
前記状態検出装置は相対湿度を検出する装置であり、
前記吸込空気の相対湿度が、予め設定した基準相対湿度のときの前記各運転モードそれぞれの基準運転時間を予め設定しておき、
除湿運転開始時に前記状態検出装置により検出した前記吸込空気の相対湿度が、前記基準相対湿度よりも高い場合、前記第1運転モードの運転時間を、前記第1運転モード対応の基準運転時間より長く設定すると共に、前記第2運転モードの運転時間を、前記第2運転モード対応の基準運転時間より短く設定し、
除湿運転開始時に前記状態検出装置により検出された前記吸込空気相対湿度が、前記基準相対湿度よりも低い場合、前記第1運転モードの運転時間を、前記第1運転モード対応の基準運転時間より短く設定すると共に、前記第2運転モードの運転時間を、前記第2運転モード対応の基準運転時間より長く設定することを特徴とする請求項3記載の除湿装置。
【請求項5】
前記冷媒回路の運転状態を検出する状態検出装置を備え、
前記第1運転モードと前記第2運転モードのそれぞれの運転時間を、前記状態検出装置により検出された状態に基づいて決定することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の除湿装置。
【請求項6】
前記状態検出装置は前記冷媒回路の低圧圧力又は高圧圧力を検出する装置であり、
除湿運転開始時に前記状態検出装置により検出された低圧圧力又は高圧圧力が、予め決定された低圧基準値又は高圧基準値よりも高い場合、前記第1運転モードの運転時間を、前記第1運転モード対応の基準運転時間より長く設定すると共に、前記第2運転モードの運転時間を、前記第2運転モード対応の基準運転時間より短く設定し、
除湿運転開始時に前記状態検出装置により検出された低圧圧力又は高圧圧力が、予め決定された低圧基準値又は高圧基準値よりも低い場合、前記第1運転モードの運転時間を、前記第1運転モード対応の基準運転時間より短く設定すると共に、前記第2運転モードの運転時間を、前記第2運転モード対応の基準運転時間より長く設定することを特徴とする請求項5記載の除湿装置。
【請求項7】
前記第1運転モードと前記第2運転モードを、予め設定された時間毎に切り換えることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の除湿装置。
【請求項8】
前記第1熱交換器における着霜を検出する着霜検出装置を備え、
前記第2運転モード中に前記着霜検出装置により着霜が検出された場合、第2運転モードの運転時間終了前であっても、前記第1運転モードに切り換えることを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載の除湿装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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