陳列システム、陳列装置、および容器
【課題】容器を陳列装置に縦置きに陳列する際に容器の標記をランダムな方向に向けて容器を置いても、標記を所定の方向に向けて陳列することが可能な陳列システム等を提供する。
【解決手段】容器20は、円筒状に形成され、また(A)に示すように、底部21に、外方に向かった環状に突出した環状突出部211を備えている。この環状突出部211は、容器が回転手段により回転する場合の回転を誘導する回転誘導部となり、容器が正しい回転軌道を描くよう誘導する。また、環状突出部211の内側の側面に、容器20の変形により形成された対峙部の一例としての第1凹部212a、第2凹部212bを備えている。
【解決手段】容器20は、円筒状に形成され、また(A)に示すように、底部21に、外方に向かった環状に突出した環状突出部211を備えている。この環状突出部211は、容器が回転手段により回転する場合の回転を誘導する回転誘導部となり、容器が正しい回転軌道を描くよう誘導する。また、環状突出部211の内側の側面に、容器20の変形により形成された対峙部の一例としての第1凹部212a、第2凹部212bを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器の陳列を行う陳列システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばコンビニエンスストアなどにおいては、飲料缶やペットボトルなど飲料が充填された容器が、例えば陳列ケースに収容された陳列装置に縦置きに載せられて販売される。そしてこのような陳列装置は、例えば、容器自身の自重により陳列ケースの前方に容器が移動するように傾斜した状態で配置される。そして、手前側(最前列)の1つの容器を抜き取ると、後続の容器が自重で手前側に移動する。
ここで陳列装置の容器が載せられる箇所には、容器の滑りの良さから例えばプラスチックの平板が設けられる。また、近年では回転可能なローラを多数配置した陳列装置が出回っている(例えば、特許文献1参照)。また、容器の補充は陳列装置の後方側から行うのが一般的であるが、手前側からの容器の投入を可能とするとともに、奥側に移動した容器が、再度手前側に移動し陳列される陳列装置も提案されている(例えば、特許文献2参照)。即ち、前方側から投入された容器がUターンして戻ってくる陳列装置が提案されている。さらに、容器に関するものとして、缶底に形成された環状凸部の内周壁に、内側凹部と縦リブとが円周方向に交互に形成された缶が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0003】
ところで、容器の外面には、商品名や商標名など他の商品と識別するための標記が設けられるが、この標記が購入者の取り出し方向に向いていないと、商品の識別がしにくくなるとともに、商品の陳列時の見栄えが悪くなる。このため、陳列される容器は、例えば前方側など、標記が所定の方向に向いていることが好ましい。
【0004】
公報記載の従来技術として、容器が載せられる傾斜棚板の上面に、棚板傾斜方向に向けて棒状のガイド凸条を設け、容器の底部に、標記の直下と標記が付された面とは反対側の面の直下とを結ぶ凹状嵌合部を設け、このガイド凸条と凹状嵌合部とを用いて容器を陳列する陳列方法が提案されている(例えば、特許文献4参照)。この陳列方法では、標記が前方側を向く姿勢で凹状嵌合部をガイド凸条に嵌合させ、複数の容器を前後に並べる。この結果、標記が前方を向いた状態で容器の陳列が行われる。
【0005】
【特許文献1】特開平11−155701号公報
【特許文献2】米国特許第6502408号
【特許文献3】特開2000−211624号公報
【特許文献4】特開2006−288676号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献4では、凹状嵌合部をガイド凸条に嵌合させ容器の陳列を行うことで、標記を確実に前方に向けることが可能となる。しかしながら、かかる発明では、容器の投入者は、容器を陳列装置に設置する度に凹状嵌合部をガイド凸条に嵌合させる必要があり、容器の陳列作業が繁雑となる。また、標記が容器の一箇所にのみ形成されている場合には、標記が後方側に向いた状態で陳列される陳列ミスの発生も懸念される。また、このコンビニエンスストアなどの多量の飲料を販売する店舗等では、向きを揃えて投入する作業が非常に大掛かりとなる。
【0007】
本発明は、容器を陳列装置に縦置きに陳列する際に容器の標記をランダムな方向に向けて容器を置いても、標記を所定の方向に向けて陳列することが可能な陳列システム等を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的のもと、本発明が適用される容器は、特定箇所に標記が付された容器本体と、前記容器本体部を陳列する陳列装置に設けられた回転手段を補助し回転を誘導する回転誘導部と、回転した当該容器本体部の回転を停止させる回転停止部と対峙する対峙部を備え、前記対峙部は、前記特定箇所が所定の方向を向く位置にて前記容器本体部の回転が停止するように前記回転停止部と対峙することを特徴とする容器であり、更に特定箇所に標記が付された容器本体部と、前記容器本体部を陳列する陳列装置に設けられ回転した当該容器本体部の回転を停止させる回転停止部と対峙する対峙部を容器側面に備え、前記対峙部は、前記特定箇所が所定の方向を向く位置にて前記容器本体部の回転が停止するように前記回転停止部と対峙することを特徴とする容器である。
【0009】
かかる目的のもと、本発明が適用される陳列システムは、外面の特定箇所にて標記を行なう前記いずれかの容器と、容器を陳列する陳列装置と、を有し、陳列装置は、容器を一方向に移動させる移動手段と、移動手段による一方向への容器の移動に伴って容器を回転させる回転手段と、回転手段により回転された容器の回転を停止させる回転停止部と、を備え、容器は、特定箇所が所定の方向を向く位置にて回転が停止するように回転停止部と対峙する対峙部を備えたことを特徴とする。
【0010】
ここで、移動手段は、容器を載せる載置部を有し、回転手段は、移動手段の載置部へ載せられた容器が一方向へ移動するのに伴って容器を回転させることを特徴とすることができる。また、回転手段は、一方向へ容器が移動しようとする移動力に抗する抵抗力を容器の部位に応じて異ならせることにより容器に回転力を付与することを特徴とすることができる。さらに、一方向は、陳列システムの後方から前方へ向かう方向であり、抵抗力は、容器の重心を境にして左右で異なることを特徴とすることができる。また、移動手段は、容器を載せる載置部を有し、抵抗力は、載置部と容器の載置部と接触する端部との間に生じる摩擦力であることを特徴とすることができる。
【0011】
また、載置部は、前後方向に伸びる板状の底面を複数有して載置面を形成し、摩擦力は、複数の底面の内の一の底面の摩擦係数が他の底面の摩擦係数と異なることで容器の重心を境にして左右で異なることを特徴とすることができる。また、移動手段は、容器を載せる載置部を有し、回転停止部は、載置部と容器の載置部と接触する端部との接触位置よりも容器側に突出する凸部であり、容器の対峙部は、載置部と対向する容器の部位に設けられ凸部との間で位置決めを行なう凹部又は凸部であることを特徴とすることができる。さらに、回転停止部の凸部は、載置部に載せられた複数の容器が互いに接触しないような間隔で一方向に複数配置されていることを特徴とすることができる。
【0012】
また、本発明を陳列装置として捉えた場合、本発明が適用される陳列装置は、外面の特定箇所にて標記を行なう前記容器を陳列する陳列装置であって、容器を一方向に移動させる移動手段と、移動手段による一方向への容器の移動に伴って容器を回転させる回転手段と、回転手段により回転された容器の回転を停止させる回転停止部と、を備え、回転停止部は、容器に設けられ回転停止部に対峙する対峙部と接触し、容器の特定箇所が所定の方向を向く位置にて容器の回転を停止させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
容器を陳列装置に縦置きに陳列する際に容器の標記をランダムな方向に向けて容器を置いても、標記を所定の方向に向けて陳列することが可能な陳列システム等を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る陳列装置の概略構成を示した図である。
同図(A)に示すように本実施形態における陳列装置30は、飲料が内部に充填された容器20が載せられる載置部31と、容器20の移動経路(搬送経路)を形成するとともに容器20の移動を案内するガイド32とを備えている。また、透明に形成されるとともに載置部31の一側辺に沿って配置され、容器20の移動を停止させる規制板34を備えている。ここでガイド32は、例えば、その両端部が載置部31に形成された開口33に差し込まれることにより載置部31に固定される。また、容器20には、円筒状の缶を例示しているが所謂ペットボトルなどの樹脂製の容器やキャップを有した所謂ボトル缶なども用いることができる。
【0015】
陳列装置30は、同図(B)に示すように、コンビニエンスストア、スーパーマーケットなどに設置される陳列ケース10の内部に収納される。この陳列ケース10は、直方体状に形成されたケース本体部10Aと、このケース本体部10Aに対して開閉可能に設けられたドア10Bとにより主要部が構成されている。
ここで陳列装置30は、陳列ケース10に設けられた棚(不図示)の上に載せられる。この際、陳列装置30は、規制板34が設けられた側がドア10B側に位置するように設置される。また、規制板34が設けられた側が、規制板34が設けられた側とは反対側よりも下方に位置するように配置される。即ち、陳列装置30は、陳列ケース10の後方側から容器20が取り出される前方側(取り出し部側)に向かって下り傾斜した状態で配置される。
【0016】
ここで本実施形態における陳列ケース10は、後方側にもドアが設けられ(不図示)、後方側も開放可能となっている。そしてこの後方側より陳列装置30に容器20が投入される。即ち、陳列ケース10の後方側および陳列装置30の後方側に容器20の投入部が設けられた構成となっている。そして、投入された容器20は載置部31上をドア10B側に向かって移動する。即ち、容器20を購入する購入者側に向かって移動する。なお、本明細書では、ドア10B側を前方側(前方)と称しドア10Bとは反対側を後方側(後方)と称する場合がある。また、陳列ケース10の幅方向(容器20が移動する方向に直交する方向)を横方向、幅方向と称する場合がある。
【0017】
陳列装置30についてより詳細に説明する。
図2は、陳列装置30の載置部31を説明する図である。ここで同図(A)は、載置部31の上面図であり、同図(B)は、載置部31の側面図である。
同図(A)に示すように、載置部31は、ガイド32(本図では不図示)により形成される移動経路上に、容器20を前方に向けて移動させる移動手段として機能する第1ローラ部311と、容器20の底部(端部)に接触し容器20に摺動抵抗(摩擦抵抗)を付与する抵抗付与部312とを備えている。ここで本形態では、抵抗付与部312からの摺動抵抗により容器20が回転する。このため、抵抗付与部312は、容器20を回転させる回転手段として捉えることができる。また、載置部31は、第1ローラ部311と抵抗付与部312との間に配置され容器20の回転(詳細は後述)を停止させる回転停止機構313とを備えている。
ここで第1ローラ部311、抵抗付与部312、および回転停止機構313は、横方向に並列配置されている。また、載置部31は、第1ローラ部311、抵抗付与部312、回転停止機構313よりも前方に、容器20を更に前方に移動させる第2ローラ部314を備えている。
【0018】
第1ローラ部311は、容器20の移動方向に沿った回転が可能に設けられたロール状部材311aを複数有している。なお、これらのロール状部材311aは、容器20の移動方向(前後方向)に沿って並べられている。
抵抗付与部312は、例えばゴム部材により構成することができる。なおゴム部材には、例えばEPDM(エチレン−プロピレンゴム)を用いることができる。
第2ローラ部314は、容器20の移動方向に沿って回転可能に設けられたロール状部材314aを複数有している。ここでこのロール状部材314aは、容器20の移動方向に沿って並べられている。また、ロール状部材314aは、幅方向に2列並んで配置されている。さらに、各々のロール状部材314aは、第1ローラ部311におけるロール状部材311aよりも幅広に形成されている。
【0019】
回転停止機構313は、同図(B)に示すように、無端状に形成され循環移動が可能なベルト部材313aを備えている。また、回転停止機構313は、回転可能に設けられ、ベルト部材313aを内側から張架する第1張架ロール313bおよび第2張架ロール313cを備えている。また、ベルト部材313aの表面に固定され且つベルト部材313aの移動方向に沿って並べて設けられ、ベルト部材313aの移動に伴い循環移動する複数の移動部材313dを備えている。さらに、ベルト部材313aの移動方向において所定の間隔をおいて設けられ、且つ移動部材313dの表面から突出した複数の突起313e(回転停止部、凸部の一例)を備えている。ここで突起313eは、載置される容器20の最下端部と移動部材313d(載置部31)との接触位置よりも容器20側に突出するように設けられている。
【0020】
なお、回転停止機構313は、移動部材313dにより形成される平坦面313fが、抵抗付与部312等の表面312fに対して角度α(同図(B)参照)を有するように、傾斜して配置されている。付言すれば、回転停止機構313は、その傾斜角度が、抵抗付与部312等の傾斜角度よりも大きくなるように配置されている。このため本実施形態では、突起313eの表面312f等からの突出高さが、突起313eが前方へ移動するに従い減少する。この結果、本実施形態では、突起313eと容器20とを非接触状態とする際(詳細は後述)、この非接触状態の形成をよりスムースに行うことができる。なお、上記角度αは必須ではない。角度αが存在せずとも、突起313eは、載置部31の下方へ移動し容器20と非接触状態となるからである。
【0021】
次いで容器20について説明する。
図3は、容器20を底部側から眺めた場合の図である。
本実施形態における容器20は、円筒状に形成され、また同図(A)に示すように、底部21に、外方に向かった環状に突出した環状突出部211を備えている。この環状突出部211は、容器が後述の回転手段により回転する場合の回転を誘導する回転誘導部となり、容器が正しい回転軌道を描くよう誘導する。また、環状突出部211の内側の側面に、容器20の変形により形成された対峙部の一例としての第1凹部212a、第2凹部212bを備えている(なお本明細書においては、容器20に形成されるこのような凹部を単に、凹部212と称する場合がある。)。ここで第1凹部212aおよび第2凹部212bは互いに対向する関係で配置されている。付言すれば、第1凹部212aおよび第2凹部212bは、容器20の周方向において、位相が180°ずれた状態で配置されている。
【0022】
さらに容器20は、外面の一部である側部22の特定箇所に、商品名、商標名など他の商品と識別するための第1識別標記23a、第2識別標記23bを有している(なお本明細書においては、以下単に「識別標記23」と称する場合がある。)。ここで、第1識別標記23aおよび第2識別標記23bは、同一の形態でもいいし異なる形態とすることもできる。なお第1識別標記23aおよび第2識別標記23bは、容器20の周方向において、位相が180°ずれた状態で配置されている。
【0023】
なお、凹部212と識別標記23との関係を説明すると、容器20の周方向において、第1識別標記23aと第1凹部212aは、位相が180°ずれた状態で配置されている。また、第2識別標記23bと第2凹部212bも、位相が180°ずれた状態で配置されている。付言すれば、第1識別標記23aと第1凹部212aは所定の位置関係を有して形成され、第2識別標記23bと第2凹部212bも所定の位置関係を有して形成されている。さらに説明すれば、第1識別標記23aと第1凹部212aは互いに異なる位置に配置され、第2識別標記23bと第2凹部212bも互いに異なる位置に配置されている。
【0024】
さらに説明すると、第1凹部212aは、第1識別標記23aが設けられている側とは反対側に形成され、第2凹部212bは、第2識別標記23bが設けられている側とは反対側に形成されている。また、本形態では、第1識別標記23aおよび第2識別標記23bのように識別標記23が複数設けられるとともに、これらの識別標記の各々に対応して凹部(第1凹部212a、第2凹部212b)が設けられている。
【0025】
なお、本形態における識別標記23および凹部212は、これらのうち一方が形成された後に、この一方が形成された位置を基準として他方が形成される。
ここで、同図(A)では、缶として形成された容器20を例示したが、凹部212を形成する態様は、ペットボトルなどの樹脂製の容器により適している。このような樹脂製の容器では、金型に凹部212に対応した凸部を形成しておき、例えばブロア成形の過程で凹部212を形成する。その後、識別標記23を有したフィルム(シール)を容器20に巻く工程において位置合わせを行い、凹部212の形成位置を基準に識別標記23を有したフィルムを容器20に巻き付ける。
【0026】
他方、容器20がアルミニウム缶などである場合、凹部212の形成は次のように行われる。例えば2ピースのアルミニウム缶の場合、カップ成形−DI(Draw&Iron)成形−洗浄−外面印刷−乾燥−内面塗装−乾燥−口部縮径加工−検査、の順に加工等が実施されるが、これらが実施される過程において凹部212を形成することができる。例えば上記環状突出部211および凹部212は、例えばDI成形の工程にて形成することができる。また、識別標記23は、外面印刷の工程にて位置合わせを行ったうえ、凹部212の形成位置を基準に、例えば多色オフセット印刷により形成することができる。
【0027】
なお、多色オフセット印刷などを用いた外面印刷は、通常2000缶/分に迫る速度で行われる。このため、凹部212を基準とした位置合わせが困難となる事態も想定される。このため、例えば口部縮径加工よりも前の工程にて、容器20の回転を行うとともにセンサ等を用いて例えば識別標記23の位置検出を行う。そして、この位置検出の結果を用いて容器20を停止させた後に、金型等を用いて容器20に凹部212を形成することができる。なお、金型による凹部212の形成は、例えば特開2000−211624号公報に開示された既存の技術を用いて行うことができる。また例えば、容器20の内部および外部に金型を配し容器20の内外から圧力を加える成形機により形成することができる。
【0028】
ここで、容器20における凹部212は、同図(B)に示すように、環状突出部211の外側の側面に設けることもできる。
また、凹部212以外に、例えば同図(C)に示すように、環状突出部211の内側の側面に、容器20の変形により形成された突出部(凸部)213を設けることもできる。なおこのような形態は、ペットボトルなど成形加工の自由度の大きいものにより適している。
また、図示は省略するが、環状突出部211の外側の側面に突出部213を設けることもできる。なお、突出部213や凹部212は、環状突出部211の側面に限られず、環状突出部211により囲まれている領域や、環状突出部211と容器20の側部22(同図(A)参照)との間における領域に形成してもよい。
【0029】
また、上記では環状突出部211が設けられた容器20について説明したが、同図(D)に示すように環状突出部211が設けられずほぼ平坦に形成された底部21に突出部213や凹部(不図示)を設けることもできる。なお本図は、いわゆる3ピース缶を例示しており、側部22とは別部材として構成された底部21が巻締めされた容器20を示している。この場合は、巻締め部231が底部21より外側に凸となり、前記環状突出部211と同様に回転を誘導する回転誘導部として働く。ここで突出部213や凹部(不図示)は、底部21に形成され、この底部21が側部22に巻締めされることで容器20に付与される。
さらに突出部213は、例えば容器20の成形加工が難しい場合、容器20の変形によらず、同図(E)、(F)に示すように、樹脂片、金属片、接着剤、シート、シールなど他の部材を取り付けることにより形成することもできる。なお、同図(E)は、突出部213を環状突出部211の内側に形成した例を示し、同図(F)は、突出部213を環状突出部211の外側に形成した例を示している。
【0030】
ここで例えば樹脂による突出部213の形成は、例えば、エポキシ系樹脂等に代表される熱可塑性の樹脂を溶融するとともに吐出する装置(例えば熱射ガン)を用い、容器20に溶着することで行うことができる。また例えば、容器20の回転を行うとともにセンサ等を用いて例えば識別標記23の位置検出を行う。そして、この位置検出の結果を用いて容器20を停止させた後に、上記装置を用い所定位置に樹脂を付着(溶着)させる。これらの態様では、突出部213を速やかに形成でき、また工程が簡易なものとなる。なお、容器20は販売時に加温等される場合がある。このため、突出部213に用いられる樹脂は、加温販売時の温度では溶融しないものを選定することが好ましい。
【0031】
さらに、同図(G)、(H)に示すように、底部21に、例えば接着剤を塗布したり、シールなど他の部材を貼付したりし、底部21から盛り上がる盛り上がり部214を設ける。そして、この盛り上がり部214により相対的に凹んだ箇所を凹部212とすることもできる。
【0032】
なお、容器20の材質は、ビールなどのアルコール類、ジュースなどのソフトドリンク類に使用可能なものであれば特に制限されない。例えば、アルミニウム、スチールなどの金属、PET(ポリエチレンテレフタレート)などの樹脂、ガラスなどを用いることができる。
また、容器20の形状や種類も特に限定されない。容器20には、例えば、いわゆるツーピース缶(DI缶)、スリーピース缶、ペットボトル、ガラス瓶、ネジ付缶(いわゆるボトル缶)を挙げることができる。
【0033】
ここで容器20にPET樹脂などの樹脂材料を用いる場合、ブロー成形などにより容器20を形成する過程において、凹部212や突出部213を同時に形成することが好ましい。このような場合、凹部212等の形成工程を別途設ける必要がないため、容器20の製造工程を減らすことができる。またこの場合、例えば容器20からの突出部213の剥離を防止することができる。なお容器20を形成した後に、突出部213を取り付けることも当然できる。
また容器20がいわゆるツーピース缶である場合、底部21を成形する工程で、同時に凹部212や突出部213を形成することができる。付言すれば、ツーピース缶を形成する既知の工程のうち、底部21を形成する段階で併せて凹部212や突出部213を形成することができる。なお、印刷工程が終了した後に、凹部212や突出部213を形成することも当然可能である。
【0034】
次に、陳列装置30の載置部31に容器20が置かれた際の、陳列装置30および容器20の動作について説明する。
ここで図4は、陳列装置30および容器20の動作を示した図である。
同図の実線4Aに示すように陳列装置30の後方側に容器20が置かれると、環状突出部211(図3(A)参照)が突起313eと接触する。これにより容器20から回転停止機構313に荷重が作用し、回転停止機構313における移動部材313dが前方に向かって移動する。このとき、容器20の図中右方側は第1ローラ部311により円滑に前方に向かって移動しようとするものの、図中左方側は抵抗付与部312から抵抗が付与されるため前方への移動が規制される。
【0035】
この結果破線4Bに示すように、容器20は、前方へ移動しつつも時計回り(周方向)の回転を行う。即ち、容器20が前方に移動しようとする移動力に抗する抵抗力が容器20の部位に応じて異なるようになり、容器20は回転する。詳細には、容器20の重心を境にして左右の抵抗力が異なるようになり、容器20は回転する。
その後、容器20の第1凹部212a又は第2凹部212b(図3(A)参照)に、回転停止機構313の突起313eが入り込む。付言すれば、第1凹部212a又は第2凹部212bと突起313eとが対峙する。これにより容器20の回転が停止(規制)される(破線4C参照)。その後、容器20が第2ローラ部314の所定位置まで達すると、容器20と突起313eとが非接触状態となる。これにより、容器20は、第2ローラ部314によって更に前方まで移動する(破線4D参照)。なお、本図では第1凹部212aおよび第2凹部212bが設けられた容器20を用いた例を説明したが、例えば突出部213が設けられた容器20(例えば図3(E)参照)を用いた場合には、突起313eと突出部213とが突き当たり、容器20の回転が停止される。
【0036】
本実施形態では、実線4Aに示すように、例えば第1識別標記23aが後方側を向いた状態で容器20が載置部31に置かれたとしても、前方に達する段階において、第1識別標記23aが前方に向くようになる。このため、第1識別標記23aが前方に向いていない状態で容器20の載置(投入)を行ったとしても、陳列ケース10(図1(B)参照)の前方側に容器20が達した際に第1識別標記23aを前方に向いた状態となる。即ち容器20を陳列装置30に投入する投入者が特別な操作をしないでも、第1識別標記23aを前方に向けることが可能となる。
【0037】
ここで回転停止機構313の前後方向の長さは、抵抗付与部312の長さに対応した長さとなっている。即ち、抵抗付与部312と同じ長さとなっている。ここで回転停止機構313の前後方向の長さを、抵抗付与部312の長さよりも大きくすることもできる。なお、抵抗付与部312の長さを回転停止機構313の長さよりも大きくしてしまうと、回転停止機構313により回転が停止され識別標記23が前方を向いた状態の容器20が再度回転を行い、識別標記23が前方以外の方向を向いてしまうおそれがある。
また回転停止機構313は、識別標記23が表裏に2箇所ある容器20を用いる場合(例えば図3(A)参照)、容器20が少なくとも半回転するだけの余裕をもった長さ(距離)が必要となる。より詳細には、回転停止機構313は、最低でも容器20の外周長の半分の長さが必要となる。
【0038】
なお、複数の容器20が順次投入された場合、隣接する容器20が互いに接触し容器20の回転が阻害されるおそれがある。このため、回転停止機構313における突起313eは、隣接する容器20が互いに接触しない間隔で設けられている。また、上記突起313eを例えば、磁石(特にNd−Fe−B系磁石が小さく且つ強力であるので好適である)により形成し、容器20の底部21にもこの磁石(突起313e)により吸引される磁石を設け、これらの磁石を用いて容器20の回転を停止させることができる。なお、回転停止機構313および容器20のいずれか一方に磁石を設ければよく、他方にはこの磁石より吸引される金属片(例えば市販のSUS430の薄板片(例えば0.1mm厚))を貼り付けてもよい。また、金属片に限られず、例えばFe系の磁性粉末が入れられた塗料などを塗布してもよい。この場合は、塗料の中の磁性粉末含有量をなるべく増やすとともに、磁性粉末の絶対量が必要であるので塗料膜厚を大きくすることが好ましい。なお、塗布が難しい場合は、磁性粉末を含有し且つフィルム状にした樹脂を貼り付けてもよい。即ち、磁力による容器20の停止が可能であればその構成は問わない。
【0039】
ここで回転停止機構313の形態は上記形態に限られない。
図5は、回転停止機構313の他の一例の側面図である。
上記にて示した突起313eは、移動部材313dに対し可動しない構成であった。その一方、図5に示すように移動部材313dに対して可動する構成とすることもできる。
同図に示す突起313eは、支点313gを中心として回転(揺動)可能に設けられている。また、突起313eは、略L字状に設けられるとともに、一方の端部T1が移動部材313dの表面から突出した際に他方の端部T2が移動部材313dの表面から突出しない構成となっている。
さらに本形態における回転停止機構313は、第2張架ロール313cの上部に、突起313eを駆動し、移動部材313dの表面から突出した端部T2を非突出状態とするとともに端部T1を突出させる駆動部313hを備えている。
【0040】
図6は、図5に示した回転停止機構313の動作を説明する図である。
移動部材313d上に置かれた容器20(同図(A)参照)は、移動部材313d上を前方にスライドする。これにより環状突出部211と端部T1側とが接触する。そして端部T1が移動部材313dの表面から非突出状態となるとともに、容器20は更に前方に向かって移動する。一方、端部T1が非突出状態となるのに応じて端部T2が移動部材313dの表面から突出する。
この結果、同図(B)に示すように、環状突出部211と端部T2とが接触する。その後、容器20は、回転しながら前方へ更に移動する。また、容器20は、端部T2が第1凹部212a(図3(A)参照)等に入り込むことで、その回転が停止される。その後、容器20は第2ローラ部314上を更に前方まで移動する(同図(C)参照)。なお、この際、第1識別標記23a(図3(A)参照)等が前方を向いた状態となっている。
【0041】
ここで環状突出部211との接触が解除された端部T2は、同図(C)に示すように、駆動部313hにより押圧される。これに伴い端部T2が非突出状態となるとともに、端部T1が突出状態となる。この結果、突起313eは、容器20が載せられる際、同図(A)に示したように端部T1が突出状態となり端部T2が非突出状態となる。
図2に示した例では、環状突出部211の内側に突起313eが入るように容器20を投入(載置)する必要があるが、本形態では、環状突出部211の内側に、自動的に突起313e(突起313eの端部T2)が入り込むようになる。このため、陳列装置30に容器20を投入する投入者の手間を低減可能となる。
【0042】
ここで図7〜図10は、抵抗付与部312の他の態様について説明する図である。なお、図8においては、回転停止機構313を簡略化して表示している。
抵抗付与部312は、例えば図7に示すように、三角形状とし、後方側よりも前方側の幅が狭くなるように形成することができる。付言すれば、後方側の幅と前方側の幅とが異なるように形成することができる。
【0043】
また、図8に示すように、容器20の移動経路の右側に、通常の樹脂板で出来た底部板312aを設けることができる。即ち、ロール状部材を設けない構成とすることができる。また、容器20の移動経路の左側に、上記底部板312aを設けるとともに、この底部板312aに例えばゴムなどの抵抗付与部312bを部分的に設けることができる。これにより、容器20が移動する際、底部21の右方側に働く摩擦抵抗と左方側に働く摩擦抵抗とに差を付けることができる。即ち、摩擦抵抗差を生じさせることができる。なお本例では、抵抗付与部312bをゴムにより構成した例を説明したが、例えば表面粗さを異なせることによっても上記摩擦抵抗差を生じさせることができる。
【0044】
さらに本形態では、同図に示すように、第2ローラ部314(図2参照)を設けず、第2ローラ部314に相当する箇所に、底部板312aと同材質の部材を設けている。本形態のように抵抗力の差は、抵抗体の面積によっても変えることができる。なお、抵抗力の差により生じる容器20の回転力は、容器20の内容物を含めた重量、陳列装置30(載置部31)の傾斜角度、抵抗体の材質、面積、表面状況により適宜選ぶことができるとともに、設備のコストを考慮して選定する。
【0045】
本形態でも、容器20の左方側に抵抗力がより大きく作用し、容器20に対し回転力が付与される。付言すれば、本形態では、容器20の一方側(右方側)に作用する摩擦力と容器20の他方側(左方側)に作用する摩擦力とを異ならせることで容器20に回転力を付与している。さらに付言すれば、本形態では、前後方向に伸びる板状の底面を幅方向に複数設けるとともに、一の底面(回転停止機構313の左方側に配置された底面)の摩擦係数と他の底面(回転停止機構313の右方側に配置された底面)の摩擦係数とを異ならせることで容器20に回転力を付与している。
【0046】
さらに抵抗付与部312は、図9に示すように、前後方向に並べられた配置された複数のロール状部材312cの間に、例えばEPDMなどのゴム部材312dを設けることにより形成することもできる。なお、本図では、ロール状部材312cとゴム部材312dとを交互に設けた例を図示したが、必ずしも交互である必要はない。抵抗力をさらに大きくしたい場合にはゴム部材312dの割合をさらに大きくすることができる。
また抵抗付与部312は、図10に示すように、前後方向に並べられた複数のロール状部材312eと、複数のロール状部材312eの各々を容器20の移動方向とは逆方向に回転させるモータMとにより構成することもできる。
【0047】
陳列装置30の他の形態についてさらに説明する。
図11は、陳列装置30の他の一形態を示した図である。
上述した形態では、容器20の底部21に抵抗力を付与することで容器20の回転を行った。本実施形態では、ガイド32により容器20の前方への移動を案内しつつこのガイド32により容器20を回転させる。即ち、本形態では、ガイド32が回転手段として機能する。なお、上述と同様の機能については、同様の符号を用いここではその説明を省略する。
【0048】
本形態において、載置部31の後方側(上部側)は、幅方向における一端部側(一側辺側)が他端部側(他側辺側)よりも下方に位置するように傾斜した状態で配置されている。詳細に説明すると、載置部31の後方側は、ガイド32側の側辺が、ガイド32側とは反対側の側辺よりも下方に位置するように傾斜して状態で配置されている。その一方、載置部31の前方側(詳細には、ガイド32よりも前方側)は、幅方向における傾斜が付与されていない。なお、同図(A)中、符号11A,11Bに示す三角形、矩形は、載置部31の後方側および前方側における傾斜の状態を示している。なお、以下に説明する図においても、この三角形や矩形は、各部材・各部の傾斜を示している。
【0049】
載置部31の後方側に容器20が置かれた場合(同図(B)の実線11C参照)、載置部31に傾斜が付与されているため、容器20の側部22がガイド32に接触する。その後、容器20は、ガイド32により案内されつつ前方へ移動し、またガイド32により抵抗力が付与され反時計回りに回転する(破線11D参照)。なお、本形態ではこのようにガイド32により容器20の回転が行われる。このため、本形態では図2等で示した抵抗付与部312は設けられていない。ここで載置部31には、回転可能なロール状部材を複数設けることもできるし、表面が平滑な板状部材を設けることもできる。
【0050】
そして、容器20は、回転停止機構313により回転が停止され、識別標記23が前方を向いた状態となる(破線11E参照)。その後、容器20は載置部31を更に前方まで移動し所定位置にて停止する(破線11F参照)。なお、ガイド32よりも下方側の載置部31は、上記のように傾斜が付与されていない。このため、ガイド32による案内が終了した容器20は、矢印11Gに示すように、前方に向かって略直線状に移動する。
【0051】
なお本形態では、図2等で示した態様(底部21に作用する摩擦力を異ならせる態様)に比較して、載置部31の前後方向における傾斜角度を小さいものとすることができる。付言すれば、図2等で示した態様よりも小さい傾斜角度で容器20の回転を行うことができる。このため、本形態は、図2等で示した態様に比して、陳列装置30の高さを小さいものとすることができる。言い換えると、陳列装置30の高さ方向における占有空間をより小さいものとすることができる。
【0052】
なお、ガイド32の形状等は特に問わないが、例えばEPDMなどのゴム部材により形成することができる。また、ガイド32は、例えば金属などの基材の表面にゴム部材などを貼付したものを用いることができる。さらに、ガイド32は、各種基材の表面に凹凸などを付与したものを用いることができる。なお、本図では、ガイド32の対向側に、ガイドが設けられていないが、適宜ガイドを設けることができる。さらにガイド32の前方側にも適宜ガイドを設けることができる。
【0053】
ここでガイド32の前方にガイドをさらに設ける場合、このガイドは、表面が滑らかで摩擦抵抗が極めて小さいものが好ましい。あるいはガイド幅(ガイドの高さ方向における幅)を小さめにすることが好ましい。ガイド32の前方にさらにガイドが存在し、容器20にこのガイドから摩擦力が作用すると、回転停止機構313が無い箇所で容器20の再回転が起こり、識別標記23が前方以外を向いてしまうおそれがあるためである。
また、ガイド32の前方にガイドをさらに設ける場合、このガイドへの容器20の接触を防止するため、回転停止機構313よりも前方側の載置部31は、上記のように幅方向の傾斜を付与しない状態とすることが好ましい。さらに、図11(C)に示すように、載置部31は、載置部31の幅方向における中央部分(容器20の移動経路の中央部分)が幅方向における端部よりも下方に位置するように構成することも好ましい。なお、載置部31の幅方向にロール列を2列設ける場合は、移動経路の中央部分付近が低くなるように各ロールを傾斜して配置することが好ましい。
【0054】
ここで本発明者は、容器20の前方への移動や容器20の回転が開始される載置部31の傾斜角度等について調査した。ここで図12〜図15は、載置部31の傾斜角度等について説明する図である。
【0055】
まず本発明者は、図12(A)に示すように、ロール状部材311a(幅30mm)が前後方向に複数並んだロール列が2列に並列配置された載置部31を形成した。そして、載置部31の幅方向における傾斜角度θ1=0°とするとともに、前後方向における傾斜角度θ2を1°、2°、3°、4°と振り、容器20の移動が開始される傾斜角度θ2について調査した。なお、一方の列におけるロール状部材311aの幅方向における中心と他方の列におけるロール状部材311aの幅方向における中心との距離は、35mmとした。また、容器20には、48mm〜49mmの直径を有する環状突出部211(図3(A)参照)が形成されたものを用いた。
【0056】
また、容器20の底部21には、図3(E)に示したように、環状突出部211の内側に突出部213を形成した。ここで、突出部213は、熱射ガンを用い、約50℃で溶融する酢酸ビニル系の熱可塑性接着樹脂を加熱するとともに容器20に凸形状で付着させることで形成した。なお、突出部213の直径は5mmとした。さらに容器20には、飲料が内部に充填された外径66mmのアルミニウム缶(容量:350ml)を用いた。
この結果、図13の「○」に示すように、載置部31に、3°以上の傾斜角度θ2を付与すれば、容器20の前方への移動がなされることが判明した。
【0057】
次いで本発明者は、図12(A)に示した載置部31を再度用い、傾斜角度θ2を3°および4°に設定するとともに、傾斜角度θ1を、1°、2°、3°、4°と振って、容器20が回転するか否かを調査した。また回転した場合には、半回転(180°の回転)を行うまでの距離について調査した。なお、ガイド32には、アルミニウムを用いたもの、アルミニウムの基材にビニールテープを貼付したもの、アルミニウムの基材にEPDMを貼付したものを用意した。また、ガイド32の幅(高さ方向における幅)は、いずれも20mmとした。
【0058】
この結果、図14に示すように、ガイド32に、ビニールテープを貼付したものやEPDMを貼付したものについては、容器20の回転を適切に行うことが可能となった。特に、ビニールテープを貼付した場合、傾斜角度θ1を3°以上とすると、半回転を行うまでの距離を200mm以下とすることができた。また、EPDMを貼付した場合、傾斜角度θ2=3°の条件下では、傾斜角度θ1を2°以上とすれば、半回転を行うまでの距離を150mm以下とすることができ、前後進行に伴う回転ロスをかなり少なくすることができた。また、EPDMを貼付した場合、傾斜角度θ2=4°の条件下では、傾斜角度θ1を2°以上とすれば、半回転を行うまでの距離を200mm以下とすることができた。なお、図14における「×」は、容器20の回転がなされなかったことを示している。
【0059】
ここで本発明者は、上記の実験結果を踏まえ、図11に示した陳列装置30を用いて容器20の回転/回転停止性能を更に調査した。この結果、半回転を行うまでの距離が200mm以内であった上記条件では、調査を行った全ての容器20の回転を回転停止機構313にて停止することができた。なお、本調査では、回転停止機構313の幅を20mmとするとともに、前後方向における長さを200mmとした。また、回転停止機構313の左右両側(幅方向における両側)には、ロール状部材311a(図12(A)参照)が前後方向に複数並べられたローラ列を一列設けた。また、回転停止機構313よりも前方には、ロール状部材311aが前後方向に複数並べられたローラ列を幅方向に3列を設けた。
なお、摩擦力を異なせることで容器20を回転させる態様(図2等で示した態様)についても調査を行った。そして、傾斜角度θ1、傾斜角度θ2、容器20の材質、重量を適宜選定することにより、容器20の回転が行われ、また回転停止機構313により容器20の回転が停止されることが確認された。
【0060】
また、本発明者は、図9で説明した載置部31における容器20の移動性能、回転性能等を調査した。より詳細には、図12(B)に示した載置部31を用いた。なお、本図における載置部31の寸法関係は、ガイド32の位置を除き同図(A)における載置部31と同様となっている。また、ガイド32の材質はアルミニウムとした(ビニールテープ等は非貼付)。
結果について説明すると、図15に示すように、傾斜角度θ2≧6°、傾斜角度θ1≧3°にて、容器20が半回転を行うまでの距離を190mm以下とすることができた。なお、同図における側壁距離Lは、図12(B)における、2列のローラ列の中心とガイド32との距離を示している。
【0061】
ここで図16は、回転停止機構313の他の形態を示した図である。また、図17は、回転停止機構313および容器20の動作を示した図である。
図16(A)に示すように本形態では、回転停止機構313を、容器20の移動経路の直下ではなく、移動経路の側方に配置している。なお、同図(A)は、陳列装置30の上面図を示し、同図(B)は、回転停止機構313の側面図を示し、同図(C)は、陳列装置30を前方側から眺めた場合の状態を示している。
【0062】
本図に示す回転停止機構313は、突起313eが上方に突出せず、突起313eが回転停止機構313の幅方向に突出する構成となっている。言い換えると、突起313eが、容器20の移動方向と直交する方向(交差する方向)に突出する構成となっている。付言すれば、容器20の移動経路の側方から移動経路上に突出する構成となっている。
また、回転停止機構313は、容器20の移動経路上に突出するとともに容器20の間に入り込み、各容器20が互いに接触することを防止する棒状部材313jを複数備えている。なお、本陳列装置30に用いられる容器20の識別標記23および突出部213は、図17の符号17Aに示すように、容器20の周方向において、位相が90°ずれた状態で配置されている。
【0063】
図17を用いて回転停止機構313および容器20の動作について説明する。
陳列装置30の後方側に置かれた容器20(符号17A参照)は、ガイド32により案内されつつ前方に向かって移動する。なおこの際、容器20は、ガイド32から回転力を受け、反時計回りに回転しながら前方へ移動する(符号17B参照)。そして、容器20が回転しながら更に前方に移動すると、突出部213と突起313eとが突き当たる状態となり、容器20の回転が停止される(符号17C参照)。なおこの際、容器20は、識別標記23が前方に向いた状態となる。そして、容器20は、回転停止機構313を通過すると、更に前方に向かって移動し、識別標記23が前方を向いた状態で所定位置に停止される(符号17D参照)。
【0064】
ここで容器20同士が互いに接触してしまうと、容器20の回転が他の容器20により阻害され、識別標記23が前方側を向かないおそれがある。本実施形態では、棒状部材313jが設けられているために、容器20同士の接触を避けることができる。なお、前方まで移動した突起313eおよび棒状部材313jは、載置部31に形成された切り欠き315を通じ、下方側へ移動し、その後、後方側へと移動していく。
【0065】
陳列装置30の他の態様について図18および図19を用いて説明する。
図18は、陳列装置30の他の一形態を示した図であり、図19は、容器20を説明するための図である。
図19に示すように、本形態における容器20では、側部22に、板状の磁石24(対峙部の他の一例)が貼付されている。なお、磁石24と識別標記23は、位相が90°ずれた状態で配置されている。
一方で陳列装置30では、図18に示すように、ガイド32よりも前方側に、回転停止機構313が設けられている。そして回転停止機構313のベルト部材313aには、ベルト部材313aの移動方向に沿って複数の磁石313k(回転停止部の他の一例)が取り付けられている。なお、磁石24、磁石313kには、磁力が強力な点で、Nd−Fe−B系磁石を用いることが好適である。
【0066】
本実施形態においても、まずガイド32により容器20に回転力が付与され、容器20は、時計回り方向(周方向)に回転しながら前方に向かって移動し(符号18A参照)、回転停止機構313の対向位置まで達する(符号18B参照)。その後、容器20は、回転停止機構313の表面に接触するとともに回転しながら前方に向けて更に移動する。そして、磁石24は回転誘導部として働き、容器20の磁石24と回転停止機構313の磁石313kとが互いに引き合うことで、容器20の回転が停止される(符号18C参照)。付言すれば、容器20の磁石24は、同時に対峙部として働き、と回転停止機構313の磁石313kとが対峙することで、容器20の回転が停止される。
【0067】
その後、容器20は、ベルト部材313aの循環移動に応じて前方に向かってスライドする。そして所定位置まで達すると、容器20は、回転停止機構313から離れ、前方における所定位置までさらに移動する。この結果、識別標記23が前方に向いた状態で容器20が所定位置に配置される(符号18D参照)。
なお、回転停止機構313は、上記のように容器20の移動経路の途中に設けることができるが、これに限られない。例えば図20(回転停止機構313の配置位置を説明する図)に示すように、容器20の載置位置(投入部)に設けることもできる。
【0068】
陳列装置30の他の形態について更に説明する。
図21は、陳列装置30の他の一形態を示した図である。
本形態における陳列装置30では、同図(A)に示すように、載置部31から容器20の移動経路上に向かって突出するとともにこの移動経路から退避可能に設けられた突出部材316が設けられている。また、突出部材316の突出/退避を行う不図示の駆動機構と、この駆動機構を制御する不図示の制御部とが設けられている。ここで、突出部材316は、移動経路上に突出することで容器20の前方への移動を規制するとともに、移動経路上から退避することで容器20の前方への供給を行う。
【0069】
また、本形態における陳列装置30では、円弧状に形成された規制板34の内周面側に、回転可能に設けられ、容器20に接触可能な球状のベアリング341が設けられている。なお、本形態では球状のベアリング341を例示したが、回転可能なローラ状の部材を設けることもできる。さらに、規制板34の内周面側には、容器20に貼付された磁石24(同図(C)参照)を引き寄せる磁石342(回転停止部の他の一例)が設けられている。さらに、載置部31上には、ロール状部材ではなく球状のローラ318が設けられている。このように載置部31には、ロール状部材のみならず球状のローラ318を採用することもできる。
【0070】
ここで本形態では、突出部材316が例えば所定時間だけ上記移動経路から退避し、同図(B)に示すように、一つの容器20のみが前方へ供給される。そして、この容器20は、ガイド32により回転力が付与された状態で、規制板34に達するとともに、この規制板34の内側にて回転を継続する。そして、規制板34に設けられた磁石342と容器20に設けられた磁石24とが互いに引き合うことで、容器20の回転が停止される。これにより識別標記23が前方を向くようになる。なお、本態様に用いられる容器20では、同図(C)に示すように、磁石24の上方に識別標記23が設けられている。また、磁石24と識別標記23は、位相のずれがない状態で設けられている。
【0071】
なお、図18〜21に示した形態では、容器20および陳列装置30の両者に磁石を設けた例を説明したが、一方のみを磁石とし他方については前述したように磁石により吸引される例えばFe系の金属を用いることができる。また、磁石の設置に限らず、例えば磁性を有する塗料を塗布してもよい。また磁性粉末を含有した樹脂フィルムを貼付してもよい。
【0072】
さらに陳列装置30等の他の一形態について説明する。
図22は、陳列装置30および容器20の他の一形態を示した図である。
なお、図22(A)は、陳列装置30の上面図を示している。また図22(B)は、陳列装置30を前方側から眺めた場合の状態を容器20と共に示している。さらに、図22(C)は、容器20の動作を示している。
【0073】
同図(B)に示すように、本形態における容器20は、側部22の一部に、容器20の周方向に沿って形成された溝状の凹部221(対峙部の他の一例)を有している。ここで、凹部221と識別標記23は、位相が90°ずれた状態となっている。なお、このように部分的に大きな凹部221の形成は、金属缶では難しいことが多い。その一方で、樹脂性の容器20では、加工の自由度が大きいため金属缶に比して形成し易い。また、陳列装置30におけるガイド32は、同図(A)、(B)に示すように、棒状に形成されている。
【0074】
ここで同図(C)を参照して容器20の動作について説明する。陳列装置30の後方側に置かれた容器20は、上記と同様に、ガイド32によって案内されながら前方に向かって移動する。そしてこの際、容器20に対してガイド32から回転力が付与される。そして容器20が回転すると、容器20の凹部221(同図(B)参照)に対してガイド32が入り込み(凹部221とガイド32とが対峙し)、容器20の回転が停止される(符号22A参照)。そして容器20は、ガイド32により案内されながら前方に向かって移動(スライド)する。これにより、陳列装置30の取り出し部に達した容器20は、識別標記23が前方を向いた状態となる。なお、本形態では、ガイド32が回転手段として機能するとともに、回転停止部としても機能している。ここで、本図では図示を省略しているが、載置部31には例えば移動手段として機能するロール状部材を複数設けることができる。また、移動手段には、球状のローラを用いてもよい。さらに移動手段には、表面が平滑な例えば板状部材を用いることもできる。
【0075】
さらに陳列装置30等の他の一形態について説明する。
図23は、陳列装置30および容器20の他の一形態を示した図である。
本形態においても同様に、ブロー成形が可能であり加工の自由度が大きいため、容器20には樹脂製の容器の方が採用しやすい。ここで図23では、ペットボトルを例示している。
【0076】
本容器20は、同図(A)に示すように、容器20の軸心を境にした一方側の側部22および他方側の側部22の両者に、容器20の周方向に沿った凹部221を有している。付言すれば、容器20は、位相が180°ずれた位置に凹部221を有している。なお本形態の容器20における識別標記23と凹部221は、位相が90°ずれた状態となっている。
一方、陳列装置30は、容器20の移動経路の両側にガイド32を2つ有している。但し、これらのガイド32は、前後方向に沿った直線状ではなく、前方に向かうに従い容器20の移動経路が狭まるように湾曲して形成されている。なお、本形態における載置部31は、幅方向における傾斜が付与されておらず前後方向にのみ傾斜が付与されている。
【0077】
ここで本形態にて容器20が載置部31に置かれると、容器20は載置部31を前方に向かって移動し、同図(B)に示すように両ガイド32のうちの一方に接触する。そして容器20は、ガイド32により前方への移動が案内され且つガイド32から回転力が付与される。そして、容器20の凹部221にガイド32が入り込むことで容器20の回転が停止される。その後、容器20は、識別標記23が前方を向いた状態で前方に向かって更に移動していく。
【0078】
なお、識別標記23の容器20への付与方法であるが、容器20が缶である場合、例えば塗装、印刷により付与することができる。また、容器20がペットボトル等である場合には、識別標記23を有するフィルムを容器20に巻き付けた後、このフィルムを熱収縮させることにより付与することができる。即ち、識別標記23は、塗装などのみならずフィルム等を別途装着等することによっても付与することができる。
ここで熱収縮させるフィルムの組成については、熱収縮フィルムとして通常使用される組成とすることができる。例えば特開2006−341568号公報に記載されている組成とすることができる。また、熱収縮させるフィルムの製造方法も特に限定されず、既存の製造方法を採用することができる。例えば特開2006−341568号公報に記載されている製造方法を採用することができる。また、フィルムを熱収縮させる条件も既存の条件とすることができ、例えば90°のスチーム処理により熱収縮させることができる。
【0079】
ここで図24および図25は、ガイド32により容器20に回転力を付与する際の他の形態を示したものである。
図24に示すように、ガイド32は、容器20の側部22ではなく容器20に設けられたキャップ25に接触可能な位置に設けることができる。なお、同図(A)は、陳列装置30を前方から眺めた場合を示し、同図(B)は、陳列装置30を上方から眺めた場合を示している。キャップ25の周面には通常、滑り止めのための凹凸が付与されている場合が多い。このため、本形態のようにガイド32をキャップ25に接触させることで、容器20に対し回転力をより確実に付与することが可能となる。
【0080】
また図25(A)に示すように、平板状の2本のガイド32を陳列装置30の前後方向に沿って且つ平行に設けるとともに、一方のガイド32の上面に容器20へ摺動抵抗を付与する抵抗付与部321(同図(B)参照)を設ける。なお、この抵抗付与部321は、例えばゴム部材の貼付により形成することができる。
一方、本形態における容器20では、同図(A)に示すように、容器20の外周面から周方向に且つ環状に突出した環状突出部26が設けられている。そして、容器20は、ガイド32上に環状突出部26が載せられた状態にて陳列装置30に設置される。本形態にて容器20が前方に向けてスライドする際、容器20に作用する力(摩擦力)は、左方側(抵抗付与部321側)の方が大きくなる。このため、容器20は、同図(B)に示すように、時計回りに回転する。
【0081】
さらに陳列装置30および容器20の他の一形態について説明する。
図26は、陳列装置30および容器20の他の一形態を示した上面図である。
同図(A)に示すように、本形態における陳列装置30の載置部31は、回転可能なロール状部材311aを前後方向に亘って複数有している。また、陳列装置30は、ロール状部材311aの下方に且つ陳列装置30の後方側に、回転手段および回転停止部として機能する磁石35を有している。
【0082】
ここで、磁石35は、台形状に形成され、後方から前方に向かうに従いその幅が狭くなる形状となっている。詳細には、磁石35は、後方側に下辺部351、前方側且つ移動経路の幅方向における略中央部に上辺部352を備えている。また、容器20の移動方向に対して傾斜して設けられ、下辺部351と上辺部352とを結ぶ第1側辺部353を備えている。さらに、同じく傾斜して設けられ、下辺部351と上辺部352とを結ぶ第2側辺部354を備えている。
【0083】
なお、磁石35は、単一ではなく、直角三角形状に形成された第1磁石35a、第2磁石35b、長方形状に形成された第3磁石35cが組み合わされることで台形状に形成されている。ところで本形態では、3つの磁石(第1磁石35a、第2磁石35b、第3磁石35c)の組み合わせで磁石35を台形状に形成したが、矩形状の断面や円形の断面を有した磁石を、台形の枠内に複数配置する構成としてもよい。この場合、例えば磁石がより入手しやすくなりより実用的となる。
一方で容器20は、同図(B)に示すように、底部21に、回転誘導部となるとともに対峙部として機能する磁石24を有している。なお本形態における磁石24と識別標記23は、位相が180°ずれた状態で配置されている。
【0084】
同図(B)に示すように、容器20は、載置部31の後方側に置かれると前方への移動を開始する。なおこの場合、磁石24と磁石35とが互いに引き合うため、磁石24が設けられた側の方が移動しにくくなる。このため、容器20は、識別標記23が設けられた側が前方側に移動するように回転する。そして、さらに前方に移動する際、容器20は、磁石24が第1側辺部353に沿うように移動する。そして最終的には、磁石24が上辺部352上を通過するようになる(符号22A参照)。付言すれば、磁石24と上辺部352とが対峙するようになる。この結果、識別標記23が前方を向いた状態となる。その後、容器20は、識別標記23が前方を向いた状態でさらに前方に移動していく。
【0085】
ここで上述した陳列装置30では、後方側から容器20を投入するとともに前方側に向けて容器20を移動させた。そしてこの前方への移動の過程において、容器20を回転させるとともに容器20の回転を停止させた。ところで陳列装置30を以下のように構成し、容器20が後方へ移動する過程や幅方向(前後方向に直交する方向)に移動する過程において、容器20の回転、回転停止を行うこともできる。付言すれば、以下の構成でも、回転力付与機能と回転停止機能を発揮する機能部(後述の付与/停止機能部36)が設けられている。そしてこの機能部により新しい陳列装置30が考案されている。
【0086】
ここで図27は、陳列装置30の他の一形態を示した図である。なお、同図(A)は上面図であり、同図(B)は陳列装置30を模式的に示した斜視図である。なお以下の説明では、容器20に回転力を付与し且つ容器20の回転を停止させる機能が設けられた箇所を付与/停止機能部36と称して説明する。
【0087】
本形態における陳列装置30は、陳列ケース10(図1(B)参照)の前方側(ドア10B側)から容器20が投入され、同じく陳列ケース10の前方側から容器20の取り出しが行われる陳列装置30を示している。
詳細に説明すると、本陳列装置30は、前方側にて投入された容器20を後方側に移動させる第1移動経路37aと、第1移動経路37aからの容器20を陳列装置30の幅方向に移動させる第2移動経路37bと、第2移動経路37bからの容器20を前方側に移動させる(前方側に戻す)第3移動経路37cとを備えている。
【0088】
そして本形態では、付与/停止機能部36が第1移動経路37a上に設けられている。容器20の識別標記23は、容器20が第1移動経路37aを移動する過程において前方側(移動方向とは逆側)を向くようになる。そして、容器20は、識別標記23が前方側を向いた状態で、第2移動経路37b、第3移動経路37cを移動し、陳列ケース10の前方側まで到達する。なお、本図では、各移動経路のローラ列が一列となっているが、一列に限られず二列や三列とすることも当然可能である。
【0089】
なお、載置部31は通常、ロール状部材等を複数備えたユニットを複数連結することで構成される。例えば図28(載置部31を構成するユニットを説明する図)の(A)に示すように第1ユニット317aおよび第2ユニット317bを連結することで構成される。ここで、第1ユニット317aおよび第2ユニット317bの各々は、同図(B)に示すように、外縁部に、側壁317cを有している。また、この側壁317cに切り欠き317dを有している。
【0090】
また本形態では、同図(B)、(C)に示すように、第1ユニット317aおよび第2ユニット317bとは別部品で構成され、第1ユニット317aおよび第2ユニット317bを連結する連結部材319が設けられている。
この連結部材319は、同図(C)に示すように、略H字状に形成され、互いに対向する対向部319a,319b、およびこれらの対向部319a,319bを接続する接続部319cを有している。
【0091】
連結部材319は、接続部319cが、第1ユニット317aおよび第2ユニット317bにおける切り欠き317dに挿入されることで、第1ユニット317aおよび第2ユニット317bを連結する。そしてこの状態では、対向部319a,319bにより、第1ユニット317aおよび第2ユニット317bの離間が阻止される。
なお、同図(D)は、従来における第1ユニット317aを示したものである。従来の形態では、一方のユニットから鍵状のフックを突出させていた。しかしながら、この形態ではデッドスペースが生じ、陳列ケース10に収容可能な容器20の数が減少してしまう。
【0092】
図29は、陳列装置30の他の一形態を示した図である。
本陳列装置30では、陳列ケース10(図1(B)参照)のケース本体部10Aとドア10Bとを接続するヒンジ部10Cの後方側に、陳列ケース10の後方側から投入された容器20を前方に向けて移動させる第1移動経路38aが設けられている。また、第1移動経路38aからの容器20を横方向に移動させる第2移動経路38bと、第2移動経路38bからの容器20を再び後方側へ移動させる第3移動経路38cと、第3移動経路38cからの容器20はさらに横方向に移動させる第4移動経路38dが設けられている。
【0093】
さらに、第4移動経路38dからの容器20を前方に向けて移動させ容器20の取り出し部まで案内する第5移動経路38eが設けられている。さらに、第5移動経路38eに隣接して設けられ、前方側から投入された容器20を後方側に向けて移動させる第6移動経路38f、第6移動経路38fからの容器20を第5移動経路38eに移動させる第7移動経路38gが設けられている。ここで本形態では、付与/停止機能部36は、第1移動経路38a上および第6移動経路38f上に設けられている。
【0094】
陳列ケース10の後方側から第1移動経路38aに投入された容器20は、前方側に移動する過程において、付与/停止機能部36により識別標記23が前方側を向くように回転される。そして識別標記23が前方を向いた状態にて、第2移動経路38b、第3移動経路38c、第4移動経路38d、第5移動経路38eを経て、取り出し部まで到達する。また、陳列ケース10の前方側から第6移動経路38fに投入された容器20は、後方側に移動する過程において、付与/停止機能部36により識別標記23が前方側を向くように回転される。そして識別標記23が前方を向いた状態で、第7移動経路38g、第5移動経路38eを経て取り出し部まで到達する。
【0095】
通常、ヒンジ部10Cが設けられた箇所は容器20の投入や取り出しができないため、陳列装置30を設置することができず、デッドスペースとなってしまうことが多い。そこで、本実施形態では、ヒンジ部10Cの後方側に、第3移動経路38cと接続される第1移動経路38aを設けることで、ヒンジ部10Cの後方側への容器20の充填を可能としている。
ここで、一旦取り出された容器20を前方側から再度陳列装置30に戻す際、第5移動経路38e上に容器20が密に充填されていると容器20を戻すことができないおそれがある。このため、本形態では、容器20を陳列装置30に戻すための第6移動経路38fを設けている。
また、本形態における第2移動経路38b上では、識別標記23が前方を向いた2つの容器20が並んで配置されることになる。これにより、容器20を購入する購入者に対して容器20(商品)の存在をよりアピールすることが可能となる。
【0096】
上記のように、ヒンジ部10Cの後方側には容器20の投入部や取り出し部を設けることができず、ヒンジ部10Cの後方側はデッドスペースになりやすい。以下に示す図30、図31では、ヒンジ部10Cの後方側を容器20の格納用スペースとした陳列装置30の他の形態をさらに説明する。また、図32では、陳列装置30の他の一形態について説明する。
【0097】
図30は、陳列装置30の他の形態を示した図である。
同図に示すように本形態における陳列装置30には、ヒンジ部10Cの後方側に、容器20を前方側から後方側に向けて移動させる第1移動経路39aが設けられている。また、ヒンジ部10Cを外した位置に設けられた投入部により投入された容器20を横方向に移動させ第1移動経路39aに供給する第2移動経路39bが設けられている。さらに、第1移動経路39aからの容器20を横方向に移動させる第3移動経路39c、第3移動経路39cからの容器20を前方に向けて移動させる第4移動経路39d、第4移動経路39dからの容器20を横方向に移動させる第5移動経路39eが設けられている。また、第5移動経路39eからの容器20を更に後方に移動させる第6移動経路39f、第6移動経路39fからの容器20を横方向に移動させる第7移動経路39g、第7移動経路39gからの容器20を前方に移動させ取り出し部まで案内する第8移動経路39hが設けられている。
【0098】
一方、本形態では、第1移動経路39a上に、付与/停止機能部36が設けられている。
陳列ケース10の前方側から第2移動経路39bに投入された容器20は、第1移動経路39aを後方側に移動する過程において、付与/停止機能部36により識別標記23が前方側を向くように回転される。そして容器20は、識別標記23が前方を向いた状態にて、第3移動経路39c、第4移動経路39d、第5移動経路39e、第6移動経路39f、第7移動経路39g、第8移動経路39hを経由し、取り出し部まで到達する。
【0099】
図31は、陳列装置30の他の形態を示した図である。
同図に示すように、本形態における陳列装置30は、ヒンジ部10Cの後方側に、容器20を前方側から後方側に向けて移動させる第1移動経路40aが設けられている。また、ヒンジ部10Cを外した位置に設けられた投入部により投入された容器20を横方向に移動させ、この容器20を第1移動経路40aに供給する第2移動経路40bが設けられている。さらに、第1移動経路40aからの容器20を横方向に移動させる第3移動経路40cが設けられている。
【0100】
また、第3移動経路40cからの容器20を前方側へ移動させ且つ取り出し部まで案内する第4移動経路40dが設けられている。また、第1移動経路40aと第4移動経路40dとの間に設けられ、第3移動経路40cからの容器20を第4移動経路40dに移動させる第5移動経路40eが設けられている。即ち、本形態では、第3移動経路40cから取り出し部へ、移動経路が2つ設けられている。
【0101】
ここで本形態では、第1移動経路40a上に付与/停止機能部36が設けられている。
陳列ケース10の前方側から第2移動経路40bに投入された容器20は、第1移動経路40aを後方側に移動する過程において、付与/停止機能部36により識別標記23が前方側を向くように回転される。そして容器20は、識別標記23が前方を向いた状態にて、第3移動経路40c、第4移動経路40dを経由して取り出し部まで到達する。また容器20は、例えば第4移動経路40dに容器20が密に充填されている場合、第3移動経路40cから第5移動経路40eを経て取り出し部まで到達する。
【0102】
図32は、陳列装置30の他の形態を示した図である。
同図に示すように、本形態における陳列装置30は、前方側から投入された容器20を後方側に向けて移動させる第1移動経路41aが設けられている。また、第1移動経路41aからの容器20を横方向(図中右方向)に移動させる第2移動経路41bが設けられている。さらに、第2移動経路41bよりも前方側に設けられ、第2移動経路41bからの容器20を再び横方向(図中左方向)に移動させる第3移動経路41cが設けられている。さらに、第3移動経路41cから前方に向かって設けられ、第3移動経路41cからの容器20を前方に向けて移動させる第4移動経路41d〜第8移動経路41hが設けられている。これら第4移動経路41d〜第8移動経路41hは、並列配置され、容器20の取り出し部を各々有している。
【0103】
本形態では第2移動経路41bに、付与/停止機能部36が設けられている。
陳列ケース10の前方側から第1移動経路41aに投入された容器20は、第2移動経路41bを横方向に移動する過程において、付与/停止機能部36により、識別標記23が前方側を向くように回転される。そして容器20は、識別標記23が前方を向いた状態にて、第3移動経路41c、第8移動経路41hを経由して、取り出し部まで到達する。なお、第8移動経路41hに容器20が充填されている場合、容器20は、第3移動経路41cを横方向に移動する。そして、空いている移動経路に進入し取り出し部まで到達する。
【0104】
ここで図27〜図32のいずれの形態でも、前方から容器20を投入可能である。このため、陳列ケース10(図1(B)参照)の裏側(後方側)にスペースがないような場合であっても、陳列装置30に対する容器20の投入が可能となる。また、購入者が、陳列装置30から取り出した容器20を陳列装置30に戻す際、容器20が取り出された取り出し部から容器20が戻されることが抑制され、識別標記23が例えば後方を向いた状態で容器20が陳列されることが防止される。本形態にて容器20が戻される場合、容器20は前方側に設けられた投入部側から戻される。そして、取り出し部に達する過程において識別標記23が前方を向くようになる。このため、容器20の戻しが行われる場合であっても識別標記23が前方を向いた状態で容器20の陳列が行われる。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】本発明の実施形態に係る陳列装置の概略構成を示した図である。
【図2】陳列装置の載置部を説明する図である。
【図3】容器を底部側から眺めた場合の図である。
【図4】陳列装置および容器の動作を示した図である。
【図5】回転停止機構の他の一例の側面図である。
【図6】図5に示した回転停止機構の動作を説明する図である。
【図7】抵抗付与部の他の態様について説明する図である。
【図8】抵抗付与部の他の態様について説明する図である。
【図9】抵抗付与部の他の態様について説明する図である。
【図10】抵抗付与部の他の態様について説明する図である。
【図11】陳列装置の他の一形態を示した図である。
【図12】載置部の傾斜角度等について説明する図である。
【図13】載置部の傾斜角度等について説明する図である。
【図14】載置部の傾斜角度等について説明する図である。
【図15】載置部の傾斜角度等について説明する図である。
【図16】回転停止機構の他の形態を示した図である。
【図17】回転停止機構および容器の動作を示した図である。
【図18】陳列装置の他の一形態を示した図である。
【図19】容器を説明するための図である。
【図20】回転停止機構の配置位置を説明する図である。
【図21】陳列装置の他の一形態を示した図である。
【図22】陳列装置および容器の他の一形態を示した図である。
【図23】陳列装置および容器の他の一形態を示した図である。
【図24】ガイドにより容器に回転力を付与する際の他の形態を示した図である。
【図25】ガイドにより容器に回転力を付与する際の他の形態を示した図である。
【図26】陳列装置および容器の他の一形態を示した上面図である。
【図27】陳列装置の他の一形態を示した図である。
【図28】載置部を構成するユニットを説明する図である。
【図29】陳列装置の他の一形態を示した図である。
【図30】陳列装置の他の形態を示した図である。
【図31】陳列装置の他の形態を示した図である。
【図32】陳列装置の他の形態を示した図である。
【符号の説明】
【0106】
20…容器、23…識別標記、24…磁石、30…陳列装置、31…載置部、32…ガイド、35…磁石、212a…第1凹部、212b…第2凹部、221…凹部、311…第1ローラ部、312…抵抗付与部、313e…突起、313k…磁石、342…磁石
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器の陳列を行う陳列システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばコンビニエンスストアなどにおいては、飲料缶やペットボトルなど飲料が充填された容器が、例えば陳列ケースに収容された陳列装置に縦置きに載せられて販売される。そしてこのような陳列装置は、例えば、容器自身の自重により陳列ケースの前方に容器が移動するように傾斜した状態で配置される。そして、手前側(最前列)の1つの容器を抜き取ると、後続の容器が自重で手前側に移動する。
ここで陳列装置の容器が載せられる箇所には、容器の滑りの良さから例えばプラスチックの平板が設けられる。また、近年では回転可能なローラを多数配置した陳列装置が出回っている(例えば、特許文献1参照)。また、容器の補充は陳列装置の後方側から行うのが一般的であるが、手前側からの容器の投入を可能とするとともに、奥側に移動した容器が、再度手前側に移動し陳列される陳列装置も提案されている(例えば、特許文献2参照)。即ち、前方側から投入された容器がUターンして戻ってくる陳列装置が提案されている。さらに、容器に関するものとして、缶底に形成された環状凸部の内周壁に、内側凹部と縦リブとが円周方向に交互に形成された缶が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0003】
ところで、容器の外面には、商品名や商標名など他の商品と識別するための標記が設けられるが、この標記が購入者の取り出し方向に向いていないと、商品の識別がしにくくなるとともに、商品の陳列時の見栄えが悪くなる。このため、陳列される容器は、例えば前方側など、標記が所定の方向に向いていることが好ましい。
【0004】
公報記載の従来技術として、容器が載せられる傾斜棚板の上面に、棚板傾斜方向に向けて棒状のガイド凸条を設け、容器の底部に、標記の直下と標記が付された面とは反対側の面の直下とを結ぶ凹状嵌合部を設け、このガイド凸条と凹状嵌合部とを用いて容器を陳列する陳列方法が提案されている(例えば、特許文献4参照)。この陳列方法では、標記が前方側を向く姿勢で凹状嵌合部をガイド凸条に嵌合させ、複数の容器を前後に並べる。この結果、標記が前方を向いた状態で容器の陳列が行われる。
【0005】
【特許文献1】特開平11−155701号公報
【特許文献2】米国特許第6502408号
【特許文献3】特開2000−211624号公報
【特許文献4】特開2006−288676号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献4では、凹状嵌合部をガイド凸条に嵌合させ容器の陳列を行うことで、標記を確実に前方に向けることが可能となる。しかしながら、かかる発明では、容器の投入者は、容器を陳列装置に設置する度に凹状嵌合部をガイド凸条に嵌合させる必要があり、容器の陳列作業が繁雑となる。また、標記が容器の一箇所にのみ形成されている場合には、標記が後方側に向いた状態で陳列される陳列ミスの発生も懸念される。また、このコンビニエンスストアなどの多量の飲料を販売する店舗等では、向きを揃えて投入する作業が非常に大掛かりとなる。
【0007】
本発明は、容器を陳列装置に縦置きに陳列する際に容器の標記をランダムな方向に向けて容器を置いても、標記を所定の方向に向けて陳列することが可能な陳列システム等を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的のもと、本発明が適用される容器は、特定箇所に標記が付された容器本体と、前記容器本体部を陳列する陳列装置に設けられた回転手段を補助し回転を誘導する回転誘導部と、回転した当該容器本体部の回転を停止させる回転停止部と対峙する対峙部を備え、前記対峙部は、前記特定箇所が所定の方向を向く位置にて前記容器本体部の回転が停止するように前記回転停止部と対峙することを特徴とする容器であり、更に特定箇所に標記が付された容器本体部と、前記容器本体部を陳列する陳列装置に設けられ回転した当該容器本体部の回転を停止させる回転停止部と対峙する対峙部を容器側面に備え、前記対峙部は、前記特定箇所が所定の方向を向く位置にて前記容器本体部の回転が停止するように前記回転停止部と対峙することを特徴とする容器である。
【0009】
かかる目的のもと、本発明が適用される陳列システムは、外面の特定箇所にて標記を行なう前記いずれかの容器と、容器を陳列する陳列装置と、を有し、陳列装置は、容器を一方向に移動させる移動手段と、移動手段による一方向への容器の移動に伴って容器を回転させる回転手段と、回転手段により回転された容器の回転を停止させる回転停止部と、を備え、容器は、特定箇所が所定の方向を向く位置にて回転が停止するように回転停止部と対峙する対峙部を備えたことを特徴とする。
【0010】
ここで、移動手段は、容器を載せる載置部を有し、回転手段は、移動手段の載置部へ載せられた容器が一方向へ移動するのに伴って容器を回転させることを特徴とすることができる。また、回転手段は、一方向へ容器が移動しようとする移動力に抗する抵抗力を容器の部位に応じて異ならせることにより容器に回転力を付与することを特徴とすることができる。さらに、一方向は、陳列システムの後方から前方へ向かう方向であり、抵抗力は、容器の重心を境にして左右で異なることを特徴とすることができる。また、移動手段は、容器を載せる載置部を有し、抵抗力は、載置部と容器の載置部と接触する端部との間に生じる摩擦力であることを特徴とすることができる。
【0011】
また、載置部は、前後方向に伸びる板状の底面を複数有して載置面を形成し、摩擦力は、複数の底面の内の一の底面の摩擦係数が他の底面の摩擦係数と異なることで容器の重心を境にして左右で異なることを特徴とすることができる。また、移動手段は、容器を載せる載置部を有し、回転停止部は、載置部と容器の載置部と接触する端部との接触位置よりも容器側に突出する凸部であり、容器の対峙部は、載置部と対向する容器の部位に設けられ凸部との間で位置決めを行なう凹部又は凸部であることを特徴とすることができる。さらに、回転停止部の凸部は、載置部に載せられた複数の容器が互いに接触しないような間隔で一方向に複数配置されていることを特徴とすることができる。
【0012】
また、本発明を陳列装置として捉えた場合、本発明が適用される陳列装置は、外面の特定箇所にて標記を行なう前記容器を陳列する陳列装置であって、容器を一方向に移動させる移動手段と、移動手段による一方向への容器の移動に伴って容器を回転させる回転手段と、回転手段により回転された容器の回転を停止させる回転停止部と、を備え、回転停止部は、容器に設けられ回転停止部に対峙する対峙部と接触し、容器の特定箇所が所定の方向を向く位置にて容器の回転を停止させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
容器を陳列装置に縦置きに陳列する際に容器の標記をランダムな方向に向けて容器を置いても、標記を所定の方向に向けて陳列することが可能な陳列システム等を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る陳列装置の概略構成を示した図である。
同図(A)に示すように本実施形態における陳列装置30は、飲料が内部に充填された容器20が載せられる載置部31と、容器20の移動経路(搬送経路)を形成するとともに容器20の移動を案内するガイド32とを備えている。また、透明に形成されるとともに載置部31の一側辺に沿って配置され、容器20の移動を停止させる規制板34を備えている。ここでガイド32は、例えば、その両端部が載置部31に形成された開口33に差し込まれることにより載置部31に固定される。また、容器20には、円筒状の缶を例示しているが所謂ペットボトルなどの樹脂製の容器やキャップを有した所謂ボトル缶なども用いることができる。
【0015】
陳列装置30は、同図(B)に示すように、コンビニエンスストア、スーパーマーケットなどに設置される陳列ケース10の内部に収納される。この陳列ケース10は、直方体状に形成されたケース本体部10Aと、このケース本体部10Aに対して開閉可能に設けられたドア10Bとにより主要部が構成されている。
ここで陳列装置30は、陳列ケース10に設けられた棚(不図示)の上に載せられる。この際、陳列装置30は、規制板34が設けられた側がドア10B側に位置するように設置される。また、規制板34が設けられた側が、規制板34が設けられた側とは反対側よりも下方に位置するように配置される。即ち、陳列装置30は、陳列ケース10の後方側から容器20が取り出される前方側(取り出し部側)に向かって下り傾斜した状態で配置される。
【0016】
ここで本実施形態における陳列ケース10は、後方側にもドアが設けられ(不図示)、後方側も開放可能となっている。そしてこの後方側より陳列装置30に容器20が投入される。即ち、陳列ケース10の後方側および陳列装置30の後方側に容器20の投入部が設けられた構成となっている。そして、投入された容器20は載置部31上をドア10B側に向かって移動する。即ち、容器20を購入する購入者側に向かって移動する。なお、本明細書では、ドア10B側を前方側(前方)と称しドア10Bとは反対側を後方側(後方)と称する場合がある。また、陳列ケース10の幅方向(容器20が移動する方向に直交する方向)を横方向、幅方向と称する場合がある。
【0017】
陳列装置30についてより詳細に説明する。
図2は、陳列装置30の載置部31を説明する図である。ここで同図(A)は、載置部31の上面図であり、同図(B)は、載置部31の側面図である。
同図(A)に示すように、載置部31は、ガイド32(本図では不図示)により形成される移動経路上に、容器20を前方に向けて移動させる移動手段として機能する第1ローラ部311と、容器20の底部(端部)に接触し容器20に摺動抵抗(摩擦抵抗)を付与する抵抗付与部312とを備えている。ここで本形態では、抵抗付与部312からの摺動抵抗により容器20が回転する。このため、抵抗付与部312は、容器20を回転させる回転手段として捉えることができる。また、載置部31は、第1ローラ部311と抵抗付与部312との間に配置され容器20の回転(詳細は後述)を停止させる回転停止機構313とを備えている。
ここで第1ローラ部311、抵抗付与部312、および回転停止機構313は、横方向に並列配置されている。また、載置部31は、第1ローラ部311、抵抗付与部312、回転停止機構313よりも前方に、容器20を更に前方に移動させる第2ローラ部314を備えている。
【0018】
第1ローラ部311は、容器20の移動方向に沿った回転が可能に設けられたロール状部材311aを複数有している。なお、これらのロール状部材311aは、容器20の移動方向(前後方向)に沿って並べられている。
抵抗付与部312は、例えばゴム部材により構成することができる。なおゴム部材には、例えばEPDM(エチレン−プロピレンゴム)を用いることができる。
第2ローラ部314は、容器20の移動方向に沿って回転可能に設けられたロール状部材314aを複数有している。ここでこのロール状部材314aは、容器20の移動方向に沿って並べられている。また、ロール状部材314aは、幅方向に2列並んで配置されている。さらに、各々のロール状部材314aは、第1ローラ部311におけるロール状部材311aよりも幅広に形成されている。
【0019】
回転停止機構313は、同図(B)に示すように、無端状に形成され循環移動が可能なベルト部材313aを備えている。また、回転停止機構313は、回転可能に設けられ、ベルト部材313aを内側から張架する第1張架ロール313bおよび第2張架ロール313cを備えている。また、ベルト部材313aの表面に固定され且つベルト部材313aの移動方向に沿って並べて設けられ、ベルト部材313aの移動に伴い循環移動する複数の移動部材313dを備えている。さらに、ベルト部材313aの移動方向において所定の間隔をおいて設けられ、且つ移動部材313dの表面から突出した複数の突起313e(回転停止部、凸部の一例)を備えている。ここで突起313eは、載置される容器20の最下端部と移動部材313d(載置部31)との接触位置よりも容器20側に突出するように設けられている。
【0020】
なお、回転停止機構313は、移動部材313dにより形成される平坦面313fが、抵抗付与部312等の表面312fに対して角度α(同図(B)参照)を有するように、傾斜して配置されている。付言すれば、回転停止機構313は、その傾斜角度が、抵抗付与部312等の傾斜角度よりも大きくなるように配置されている。このため本実施形態では、突起313eの表面312f等からの突出高さが、突起313eが前方へ移動するに従い減少する。この結果、本実施形態では、突起313eと容器20とを非接触状態とする際(詳細は後述)、この非接触状態の形成をよりスムースに行うことができる。なお、上記角度αは必須ではない。角度αが存在せずとも、突起313eは、載置部31の下方へ移動し容器20と非接触状態となるからである。
【0021】
次いで容器20について説明する。
図3は、容器20を底部側から眺めた場合の図である。
本実施形態における容器20は、円筒状に形成され、また同図(A)に示すように、底部21に、外方に向かった環状に突出した環状突出部211を備えている。この環状突出部211は、容器が後述の回転手段により回転する場合の回転を誘導する回転誘導部となり、容器が正しい回転軌道を描くよう誘導する。また、環状突出部211の内側の側面に、容器20の変形により形成された対峙部の一例としての第1凹部212a、第2凹部212bを備えている(なお本明細書においては、容器20に形成されるこのような凹部を単に、凹部212と称する場合がある。)。ここで第1凹部212aおよび第2凹部212bは互いに対向する関係で配置されている。付言すれば、第1凹部212aおよび第2凹部212bは、容器20の周方向において、位相が180°ずれた状態で配置されている。
【0022】
さらに容器20は、外面の一部である側部22の特定箇所に、商品名、商標名など他の商品と識別するための第1識別標記23a、第2識別標記23bを有している(なお本明細書においては、以下単に「識別標記23」と称する場合がある。)。ここで、第1識別標記23aおよび第2識別標記23bは、同一の形態でもいいし異なる形態とすることもできる。なお第1識別標記23aおよび第2識別標記23bは、容器20の周方向において、位相が180°ずれた状態で配置されている。
【0023】
なお、凹部212と識別標記23との関係を説明すると、容器20の周方向において、第1識別標記23aと第1凹部212aは、位相が180°ずれた状態で配置されている。また、第2識別標記23bと第2凹部212bも、位相が180°ずれた状態で配置されている。付言すれば、第1識別標記23aと第1凹部212aは所定の位置関係を有して形成され、第2識別標記23bと第2凹部212bも所定の位置関係を有して形成されている。さらに説明すれば、第1識別標記23aと第1凹部212aは互いに異なる位置に配置され、第2識別標記23bと第2凹部212bも互いに異なる位置に配置されている。
【0024】
さらに説明すると、第1凹部212aは、第1識別標記23aが設けられている側とは反対側に形成され、第2凹部212bは、第2識別標記23bが設けられている側とは反対側に形成されている。また、本形態では、第1識別標記23aおよび第2識別標記23bのように識別標記23が複数設けられるとともに、これらの識別標記の各々に対応して凹部(第1凹部212a、第2凹部212b)が設けられている。
【0025】
なお、本形態における識別標記23および凹部212は、これらのうち一方が形成された後に、この一方が形成された位置を基準として他方が形成される。
ここで、同図(A)では、缶として形成された容器20を例示したが、凹部212を形成する態様は、ペットボトルなどの樹脂製の容器により適している。このような樹脂製の容器では、金型に凹部212に対応した凸部を形成しておき、例えばブロア成形の過程で凹部212を形成する。その後、識別標記23を有したフィルム(シール)を容器20に巻く工程において位置合わせを行い、凹部212の形成位置を基準に識別標記23を有したフィルムを容器20に巻き付ける。
【0026】
他方、容器20がアルミニウム缶などである場合、凹部212の形成は次のように行われる。例えば2ピースのアルミニウム缶の場合、カップ成形−DI(Draw&Iron)成形−洗浄−外面印刷−乾燥−内面塗装−乾燥−口部縮径加工−検査、の順に加工等が実施されるが、これらが実施される過程において凹部212を形成することができる。例えば上記環状突出部211および凹部212は、例えばDI成形の工程にて形成することができる。また、識別標記23は、外面印刷の工程にて位置合わせを行ったうえ、凹部212の形成位置を基準に、例えば多色オフセット印刷により形成することができる。
【0027】
なお、多色オフセット印刷などを用いた外面印刷は、通常2000缶/分に迫る速度で行われる。このため、凹部212を基準とした位置合わせが困難となる事態も想定される。このため、例えば口部縮径加工よりも前の工程にて、容器20の回転を行うとともにセンサ等を用いて例えば識別標記23の位置検出を行う。そして、この位置検出の結果を用いて容器20を停止させた後に、金型等を用いて容器20に凹部212を形成することができる。なお、金型による凹部212の形成は、例えば特開2000−211624号公報に開示された既存の技術を用いて行うことができる。また例えば、容器20の内部および外部に金型を配し容器20の内外から圧力を加える成形機により形成することができる。
【0028】
ここで、容器20における凹部212は、同図(B)に示すように、環状突出部211の外側の側面に設けることもできる。
また、凹部212以外に、例えば同図(C)に示すように、環状突出部211の内側の側面に、容器20の変形により形成された突出部(凸部)213を設けることもできる。なおこのような形態は、ペットボトルなど成形加工の自由度の大きいものにより適している。
また、図示は省略するが、環状突出部211の外側の側面に突出部213を設けることもできる。なお、突出部213や凹部212は、環状突出部211の側面に限られず、環状突出部211により囲まれている領域や、環状突出部211と容器20の側部22(同図(A)参照)との間における領域に形成してもよい。
【0029】
また、上記では環状突出部211が設けられた容器20について説明したが、同図(D)に示すように環状突出部211が設けられずほぼ平坦に形成された底部21に突出部213や凹部(不図示)を設けることもできる。なお本図は、いわゆる3ピース缶を例示しており、側部22とは別部材として構成された底部21が巻締めされた容器20を示している。この場合は、巻締め部231が底部21より外側に凸となり、前記環状突出部211と同様に回転を誘導する回転誘導部として働く。ここで突出部213や凹部(不図示)は、底部21に形成され、この底部21が側部22に巻締めされることで容器20に付与される。
さらに突出部213は、例えば容器20の成形加工が難しい場合、容器20の変形によらず、同図(E)、(F)に示すように、樹脂片、金属片、接着剤、シート、シールなど他の部材を取り付けることにより形成することもできる。なお、同図(E)は、突出部213を環状突出部211の内側に形成した例を示し、同図(F)は、突出部213を環状突出部211の外側に形成した例を示している。
【0030】
ここで例えば樹脂による突出部213の形成は、例えば、エポキシ系樹脂等に代表される熱可塑性の樹脂を溶融するとともに吐出する装置(例えば熱射ガン)を用い、容器20に溶着することで行うことができる。また例えば、容器20の回転を行うとともにセンサ等を用いて例えば識別標記23の位置検出を行う。そして、この位置検出の結果を用いて容器20を停止させた後に、上記装置を用い所定位置に樹脂を付着(溶着)させる。これらの態様では、突出部213を速やかに形成でき、また工程が簡易なものとなる。なお、容器20は販売時に加温等される場合がある。このため、突出部213に用いられる樹脂は、加温販売時の温度では溶融しないものを選定することが好ましい。
【0031】
さらに、同図(G)、(H)に示すように、底部21に、例えば接着剤を塗布したり、シールなど他の部材を貼付したりし、底部21から盛り上がる盛り上がり部214を設ける。そして、この盛り上がり部214により相対的に凹んだ箇所を凹部212とすることもできる。
【0032】
なお、容器20の材質は、ビールなどのアルコール類、ジュースなどのソフトドリンク類に使用可能なものであれば特に制限されない。例えば、アルミニウム、スチールなどの金属、PET(ポリエチレンテレフタレート)などの樹脂、ガラスなどを用いることができる。
また、容器20の形状や種類も特に限定されない。容器20には、例えば、いわゆるツーピース缶(DI缶)、スリーピース缶、ペットボトル、ガラス瓶、ネジ付缶(いわゆるボトル缶)を挙げることができる。
【0033】
ここで容器20にPET樹脂などの樹脂材料を用いる場合、ブロー成形などにより容器20を形成する過程において、凹部212や突出部213を同時に形成することが好ましい。このような場合、凹部212等の形成工程を別途設ける必要がないため、容器20の製造工程を減らすことができる。またこの場合、例えば容器20からの突出部213の剥離を防止することができる。なお容器20を形成した後に、突出部213を取り付けることも当然できる。
また容器20がいわゆるツーピース缶である場合、底部21を成形する工程で、同時に凹部212や突出部213を形成することができる。付言すれば、ツーピース缶を形成する既知の工程のうち、底部21を形成する段階で併せて凹部212や突出部213を形成することができる。なお、印刷工程が終了した後に、凹部212や突出部213を形成することも当然可能である。
【0034】
次に、陳列装置30の載置部31に容器20が置かれた際の、陳列装置30および容器20の動作について説明する。
ここで図4は、陳列装置30および容器20の動作を示した図である。
同図の実線4Aに示すように陳列装置30の後方側に容器20が置かれると、環状突出部211(図3(A)参照)が突起313eと接触する。これにより容器20から回転停止機構313に荷重が作用し、回転停止機構313における移動部材313dが前方に向かって移動する。このとき、容器20の図中右方側は第1ローラ部311により円滑に前方に向かって移動しようとするものの、図中左方側は抵抗付与部312から抵抗が付与されるため前方への移動が規制される。
【0035】
この結果破線4Bに示すように、容器20は、前方へ移動しつつも時計回り(周方向)の回転を行う。即ち、容器20が前方に移動しようとする移動力に抗する抵抗力が容器20の部位に応じて異なるようになり、容器20は回転する。詳細には、容器20の重心を境にして左右の抵抗力が異なるようになり、容器20は回転する。
その後、容器20の第1凹部212a又は第2凹部212b(図3(A)参照)に、回転停止機構313の突起313eが入り込む。付言すれば、第1凹部212a又は第2凹部212bと突起313eとが対峙する。これにより容器20の回転が停止(規制)される(破線4C参照)。その後、容器20が第2ローラ部314の所定位置まで達すると、容器20と突起313eとが非接触状態となる。これにより、容器20は、第2ローラ部314によって更に前方まで移動する(破線4D参照)。なお、本図では第1凹部212aおよび第2凹部212bが設けられた容器20を用いた例を説明したが、例えば突出部213が設けられた容器20(例えば図3(E)参照)を用いた場合には、突起313eと突出部213とが突き当たり、容器20の回転が停止される。
【0036】
本実施形態では、実線4Aに示すように、例えば第1識別標記23aが後方側を向いた状態で容器20が載置部31に置かれたとしても、前方に達する段階において、第1識別標記23aが前方に向くようになる。このため、第1識別標記23aが前方に向いていない状態で容器20の載置(投入)を行ったとしても、陳列ケース10(図1(B)参照)の前方側に容器20が達した際に第1識別標記23aを前方に向いた状態となる。即ち容器20を陳列装置30に投入する投入者が特別な操作をしないでも、第1識別標記23aを前方に向けることが可能となる。
【0037】
ここで回転停止機構313の前後方向の長さは、抵抗付与部312の長さに対応した長さとなっている。即ち、抵抗付与部312と同じ長さとなっている。ここで回転停止機構313の前後方向の長さを、抵抗付与部312の長さよりも大きくすることもできる。なお、抵抗付与部312の長さを回転停止機構313の長さよりも大きくしてしまうと、回転停止機構313により回転が停止され識別標記23が前方を向いた状態の容器20が再度回転を行い、識別標記23が前方以外の方向を向いてしまうおそれがある。
また回転停止機構313は、識別標記23が表裏に2箇所ある容器20を用いる場合(例えば図3(A)参照)、容器20が少なくとも半回転するだけの余裕をもった長さ(距離)が必要となる。より詳細には、回転停止機構313は、最低でも容器20の外周長の半分の長さが必要となる。
【0038】
なお、複数の容器20が順次投入された場合、隣接する容器20が互いに接触し容器20の回転が阻害されるおそれがある。このため、回転停止機構313における突起313eは、隣接する容器20が互いに接触しない間隔で設けられている。また、上記突起313eを例えば、磁石(特にNd−Fe−B系磁石が小さく且つ強力であるので好適である)により形成し、容器20の底部21にもこの磁石(突起313e)により吸引される磁石を設け、これらの磁石を用いて容器20の回転を停止させることができる。なお、回転停止機構313および容器20のいずれか一方に磁石を設ければよく、他方にはこの磁石より吸引される金属片(例えば市販のSUS430の薄板片(例えば0.1mm厚))を貼り付けてもよい。また、金属片に限られず、例えばFe系の磁性粉末が入れられた塗料などを塗布してもよい。この場合は、塗料の中の磁性粉末含有量をなるべく増やすとともに、磁性粉末の絶対量が必要であるので塗料膜厚を大きくすることが好ましい。なお、塗布が難しい場合は、磁性粉末を含有し且つフィルム状にした樹脂を貼り付けてもよい。即ち、磁力による容器20の停止が可能であればその構成は問わない。
【0039】
ここで回転停止機構313の形態は上記形態に限られない。
図5は、回転停止機構313の他の一例の側面図である。
上記にて示した突起313eは、移動部材313dに対し可動しない構成であった。その一方、図5に示すように移動部材313dに対して可動する構成とすることもできる。
同図に示す突起313eは、支点313gを中心として回転(揺動)可能に設けられている。また、突起313eは、略L字状に設けられるとともに、一方の端部T1が移動部材313dの表面から突出した際に他方の端部T2が移動部材313dの表面から突出しない構成となっている。
さらに本形態における回転停止機構313は、第2張架ロール313cの上部に、突起313eを駆動し、移動部材313dの表面から突出した端部T2を非突出状態とするとともに端部T1を突出させる駆動部313hを備えている。
【0040】
図6は、図5に示した回転停止機構313の動作を説明する図である。
移動部材313d上に置かれた容器20(同図(A)参照)は、移動部材313d上を前方にスライドする。これにより環状突出部211と端部T1側とが接触する。そして端部T1が移動部材313dの表面から非突出状態となるとともに、容器20は更に前方に向かって移動する。一方、端部T1が非突出状態となるのに応じて端部T2が移動部材313dの表面から突出する。
この結果、同図(B)に示すように、環状突出部211と端部T2とが接触する。その後、容器20は、回転しながら前方へ更に移動する。また、容器20は、端部T2が第1凹部212a(図3(A)参照)等に入り込むことで、その回転が停止される。その後、容器20は第2ローラ部314上を更に前方まで移動する(同図(C)参照)。なお、この際、第1識別標記23a(図3(A)参照)等が前方を向いた状態となっている。
【0041】
ここで環状突出部211との接触が解除された端部T2は、同図(C)に示すように、駆動部313hにより押圧される。これに伴い端部T2が非突出状態となるとともに、端部T1が突出状態となる。この結果、突起313eは、容器20が載せられる際、同図(A)に示したように端部T1が突出状態となり端部T2が非突出状態となる。
図2に示した例では、環状突出部211の内側に突起313eが入るように容器20を投入(載置)する必要があるが、本形態では、環状突出部211の内側に、自動的に突起313e(突起313eの端部T2)が入り込むようになる。このため、陳列装置30に容器20を投入する投入者の手間を低減可能となる。
【0042】
ここで図7〜図10は、抵抗付与部312の他の態様について説明する図である。なお、図8においては、回転停止機構313を簡略化して表示している。
抵抗付与部312は、例えば図7に示すように、三角形状とし、後方側よりも前方側の幅が狭くなるように形成することができる。付言すれば、後方側の幅と前方側の幅とが異なるように形成することができる。
【0043】
また、図8に示すように、容器20の移動経路の右側に、通常の樹脂板で出来た底部板312aを設けることができる。即ち、ロール状部材を設けない構成とすることができる。また、容器20の移動経路の左側に、上記底部板312aを設けるとともに、この底部板312aに例えばゴムなどの抵抗付与部312bを部分的に設けることができる。これにより、容器20が移動する際、底部21の右方側に働く摩擦抵抗と左方側に働く摩擦抵抗とに差を付けることができる。即ち、摩擦抵抗差を生じさせることができる。なお本例では、抵抗付与部312bをゴムにより構成した例を説明したが、例えば表面粗さを異なせることによっても上記摩擦抵抗差を生じさせることができる。
【0044】
さらに本形態では、同図に示すように、第2ローラ部314(図2参照)を設けず、第2ローラ部314に相当する箇所に、底部板312aと同材質の部材を設けている。本形態のように抵抗力の差は、抵抗体の面積によっても変えることができる。なお、抵抗力の差により生じる容器20の回転力は、容器20の内容物を含めた重量、陳列装置30(載置部31)の傾斜角度、抵抗体の材質、面積、表面状況により適宜選ぶことができるとともに、設備のコストを考慮して選定する。
【0045】
本形態でも、容器20の左方側に抵抗力がより大きく作用し、容器20に対し回転力が付与される。付言すれば、本形態では、容器20の一方側(右方側)に作用する摩擦力と容器20の他方側(左方側)に作用する摩擦力とを異ならせることで容器20に回転力を付与している。さらに付言すれば、本形態では、前後方向に伸びる板状の底面を幅方向に複数設けるとともに、一の底面(回転停止機構313の左方側に配置された底面)の摩擦係数と他の底面(回転停止機構313の右方側に配置された底面)の摩擦係数とを異ならせることで容器20に回転力を付与している。
【0046】
さらに抵抗付与部312は、図9に示すように、前後方向に並べられた配置された複数のロール状部材312cの間に、例えばEPDMなどのゴム部材312dを設けることにより形成することもできる。なお、本図では、ロール状部材312cとゴム部材312dとを交互に設けた例を図示したが、必ずしも交互である必要はない。抵抗力をさらに大きくしたい場合にはゴム部材312dの割合をさらに大きくすることができる。
また抵抗付与部312は、図10に示すように、前後方向に並べられた複数のロール状部材312eと、複数のロール状部材312eの各々を容器20の移動方向とは逆方向に回転させるモータMとにより構成することもできる。
【0047】
陳列装置30の他の形態についてさらに説明する。
図11は、陳列装置30の他の一形態を示した図である。
上述した形態では、容器20の底部21に抵抗力を付与することで容器20の回転を行った。本実施形態では、ガイド32により容器20の前方への移動を案内しつつこのガイド32により容器20を回転させる。即ち、本形態では、ガイド32が回転手段として機能する。なお、上述と同様の機能については、同様の符号を用いここではその説明を省略する。
【0048】
本形態において、載置部31の後方側(上部側)は、幅方向における一端部側(一側辺側)が他端部側(他側辺側)よりも下方に位置するように傾斜した状態で配置されている。詳細に説明すると、載置部31の後方側は、ガイド32側の側辺が、ガイド32側とは反対側の側辺よりも下方に位置するように傾斜して状態で配置されている。その一方、載置部31の前方側(詳細には、ガイド32よりも前方側)は、幅方向における傾斜が付与されていない。なお、同図(A)中、符号11A,11Bに示す三角形、矩形は、載置部31の後方側および前方側における傾斜の状態を示している。なお、以下に説明する図においても、この三角形や矩形は、各部材・各部の傾斜を示している。
【0049】
載置部31の後方側に容器20が置かれた場合(同図(B)の実線11C参照)、載置部31に傾斜が付与されているため、容器20の側部22がガイド32に接触する。その後、容器20は、ガイド32により案内されつつ前方へ移動し、またガイド32により抵抗力が付与され反時計回りに回転する(破線11D参照)。なお、本形態ではこのようにガイド32により容器20の回転が行われる。このため、本形態では図2等で示した抵抗付与部312は設けられていない。ここで載置部31には、回転可能なロール状部材を複数設けることもできるし、表面が平滑な板状部材を設けることもできる。
【0050】
そして、容器20は、回転停止機構313により回転が停止され、識別標記23が前方を向いた状態となる(破線11E参照)。その後、容器20は載置部31を更に前方まで移動し所定位置にて停止する(破線11F参照)。なお、ガイド32よりも下方側の載置部31は、上記のように傾斜が付与されていない。このため、ガイド32による案内が終了した容器20は、矢印11Gに示すように、前方に向かって略直線状に移動する。
【0051】
なお本形態では、図2等で示した態様(底部21に作用する摩擦力を異ならせる態様)に比較して、載置部31の前後方向における傾斜角度を小さいものとすることができる。付言すれば、図2等で示した態様よりも小さい傾斜角度で容器20の回転を行うことができる。このため、本形態は、図2等で示した態様に比して、陳列装置30の高さを小さいものとすることができる。言い換えると、陳列装置30の高さ方向における占有空間をより小さいものとすることができる。
【0052】
なお、ガイド32の形状等は特に問わないが、例えばEPDMなどのゴム部材により形成することができる。また、ガイド32は、例えば金属などの基材の表面にゴム部材などを貼付したものを用いることができる。さらに、ガイド32は、各種基材の表面に凹凸などを付与したものを用いることができる。なお、本図では、ガイド32の対向側に、ガイドが設けられていないが、適宜ガイドを設けることができる。さらにガイド32の前方側にも適宜ガイドを設けることができる。
【0053】
ここでガイド32の前方にガイドをさらに設ける場合、このガイドは、表面が滑らかで摩擦抵抗が極めて小さいものが好ましい。あるいはガイド幅(ガイドの高さ方向における幅)を小さめにすることが好ましい。ガイド32の前方にさらにガイドが存在し、容器20にこのガイドから摩擦力が作用すると、回転停止機構313が無い箇所で容器20の再回転が起こり、識別標記23が前方以外を向いてしまうおそれがあるためである。
また、ガイド32の前方にガイドをさらに設ける場合、このガイドへの容器20の接触を防止するため、回転停止機構313よりも前方側の載置部31は、上記のように幅方向の傾斜を付与しない状態とすることが好ましい。さらに、図11(C)に示すように、載置部31は、載置部31の幅方向における中央部分(容器20の移動経路の中央部分)が幅方向における端部よりも下方に位置するように構成することも好ましい。なお、載置部31の幅方向にロール列を2列設ける場合は、移動経路の中央部分付近が低くなるように各ロールを傾斜して配置することが好ましい。
【0054】
ここで本発明者は、容器20の前方への移動や容器20の回転が開始される載置部31の傾斜角度等について調査した。ここで図12〜図15は、載置部31の傾斜角度等について説明する図である。
【0055】
まず本発明者は、図12(A)に示すように、ロール状部材311a(幅30mm)が前後方向に複数並んだロール列が2列に並列配置された載置部31を形成した。そして、載置部31の幅方向における傾斜角度θ1=0°とするとともに、前後方向における傾斜角度θ2を1°、2°、3°、4°と振り、容器20の移動が開始される傾斜角度θ2について調査した。なお、一方の列におけるロール状部材311aの幅方向における中心と他方の列におけるロール状部材311aの幅方向における中心との距離は、35mmとした。また、容器20には、48mm〜49mmの直径を有する環状突出部211(図3(A)参照)が形成されたものを用いた。
【0056】
また、容器20の底部21には、図3(E)に示したように、環状突出部211の内側に突出部213を形成した。ここで、突出部213は、熱射ガンを用い、約50℃で溶融する酢酸ビニル系の熱可塑性接着樹脂を加熱するとともに容器20に凸形状で付着させることで形成した。なお、突出部213の直径は5mmとした。さらに容器20には、飲料が内部に充填された外径66mmのアルミニウム缶(容量:350ml)を用いた。
この結果、図13の「○」に示すように、載置部31に、3°以上の傾斜角度θ2を付与すれば、容器20の前方への移動がなされることが判明した。
【0057】
次いで本発明者は、図12(A)に示した載置部31を再度用い、傾斜角度θ2を3°および4°に設定するとともに、傾斜角度θ1を、1°、2°、3°、4°と振って、容器20が回転するか否かを調査した。また回転した場合には、半回転(180°の回転)を行うまでの距離について調査した。なお、ガイド32には、アルミニウムを用いたもの、アルミニウムの基材にビニールテープを貼付したもの、アルミニウムの基材にEPDMを貼付したものを用意した。また、ガイド32の幅(高さ方向における幅)は、いずれも20mmとした。
【0058】
この結果、図14に示すように、ガイド32に、ビニールテープを貼付したものやEPDMを貼付したものについては、容器20の回転を適切に行うことが可能となった。特に、ビニールテープを貼付した場合、傾斜角度θ1を3°以上とすると、半回転を行うまでの距離を200mm以下とすることができた。また、EPDMを貼付した場合、傾斜角度θ2=3°の条件下では、傾斜角度θ1を2°以上とすれば、半回転を行うまでの距離を150mm以下とすることができ、前後進行に伴う回転ロスをかなり少なくすることができた。また、EPDMを貼付した場合、傾斜角度θ2=4°の条件下では、傾斜角度θ1を2°以上とすれば、半回転を行うまでの距離を200mm以下とすることができた。なお、図14における「×」は、容器20の回転がなされなかったことを示している。
【0059】
ここで本発明者は、上記の実験結果を踏まえ、図11に示した陳列装置30を用いて容器20の回転/回転停止性能を更に調査した。この結果、半回転を行うまでの距離が200mm以内であった上記条件では、調査を行った全ての容器20の回転を回転停止機構313にて停止することができた。なお、本調査では、回転停止機構313の幅を20mmとするとともに、前後方向における長さを200mmとした。また、回転停止機構313の左右両側(幅方向における両側)には、ロール状部材311a(図12(A)参照)が前後方向に複数並べられたローラ列を一列設けた。また、回転停止機構313よりも前方には、ロール状部材311aが前後方向に複数並べられたローラ列を幅方向に3列を設けた。
なお、摩擦力を異なせることで容器20を回転させる態様(図2等で示した態様)についても調査を行った。そして、傾斜角度θ1、傾斜角度θ2、容器20の材質、重量を適宜選定することにより、容器20の回転が行われ、また回転停止機構313により容器20の回転が停止されることが確認された。
【0060】
また、本発明者は、図9で説明した載置部31における容器20の移動性能、回転性能等を調査した。より詳細には、図12(B)に示した載置部31を用いた。なお、本図における載置部31の寸法関係は、ガイド32の位置を除き同図(A)における載置部31と同様となっている。また、ガイド32の材質はアルミニウムとした(ビニールテープ等は非貼付)。
結果について説明すると、図15に示すように、傾斜角度θ2≧6°、傾斜角度θ1≧3°にて、容器20が半回転を行うまでの距離を190mm以下とすることができた。なお、同図における側壁距離Lは、図12(B)における、2列のローラ列の中心とガイド32との距離を示している。
【0061】
ここで図16は、回転停止機構313の他の形態を示した図である。また、図17は、回転停止機構313および容器20の動作を示した図である。
図16(A)に示すように本形態では、回転停止機構313を、容器20の移動経路の直下ではなく、移動経路の側方に配置している。なお、同図(A)は、陳列装置30の上面図を示し、同図(B)は、回転停止機構313の側面図を示し、同図(C)は、陳列装置30を前方側から眺めた場合の状態を示している。
【0062】
本図に示す回転停止機構313は、突起313eが上方に突出せず、突起313eが回転停止機構313の幅方向に突出する構成となっている。言い換えると、突起313eが、容器20の移動方向と直交する方向(交差する方向)に突出する構成となっている。付言すれば、容器20の移動経路の側方から移動経路上に突出する構成となっている。
また、回転停止機構313は、容器20の移動経路上に突出するとともに容器20の間に入り込み、各容器20が互いに接触することを防止する棒状部材313jを複数備えている。なお、本陳列装置30に用いられる容器20の識別標記23および突出部213は、図17の符号17Aに示すように、容器20の周方向において、位相が90°ずれた状態で配置されている。
【0063】
図17を用いて回転停止機構313および容器20の動作について説明する。
陳列装置30の後方側に置かれた容器20(符号17A参照)は、ガイド32により案内されつつ前方に向かって移動する。なおこの際、容器20は、ガイド32から回転力を受け、反時計回りに回転しながら前方へ移動する(符号17B参照)。そして、容器20が回転しながら更に前方に移動すると、突出部213と突起313eとが突き当たる状態となり、容器20の回転が停止される(符号17C参照)。なおこの際、容器20は、識別標記23が前方に向いた状態となる。そして、容器20は、回転停止機構313を通過すると、更に前方に向かって移動し、識別標記23が前方を向いた状態で所定位置に停止される(符号17D参照)。
【0064】
ここで容器20同士が互いに接触してしまうと、容器20の回転が他の容器20により阻害され、識別標記23が前方側を向かないおそれがある。本実施形態では、棒状部材313jが設けられているために、容器20同士の接触を避けることができる。なお、前方まで移動した突起313eおよび棒状部材313jは、載置部31に形成された切り欠き315を通じ、下方側へ移動し、その後、後方側へと移動していく。
【0065】
陳列装置30の他の態様について図18および図19を用いて説明する。
図18は、陳列装置30の他の一形態を示した図であり、図19は、容器20を説明するための図である。
図19に示すように、本形態における容器20では、側部22に、板状の磁石24(対峙部の他の一例)が貼付されている。なお、磁石24と識別標記23は、位相が90°ずれた状態で配置されている。
一方で陳列装置30では、図18に示すように、ガイド32よりも前方側に、回転停止機構313が設けられている。そして回転停止機構313のベルト部材313aには、ベルト部材313aの移動方向に沿って複数の磁石313k(回転停止部の他の一例)が取り付けられている。なお、磁石24、磁石313kには、磁力が強力な点で、Nd−Fe−B系磁石を用いることが好適である。
【0066】
本実施形態においても、まずガイド32により容器20に回転力が付与され、容器20は、時計回り方向(周方向)に回転しながら前方に向かって移動し(符号18A参照)、回転停止機構313の対向位置まで達する(符号18B参照)。その後、容器20は、回転停止機構313の表面に接触するとともに回転しながら前方に向けて更に移動する。そして、磁石24は回転誘導部として働き、容器20の磁石24と回転停止機構313の磁石313kとが互いに引き合うことで、容器20の回転が停止される(符号18C参照)。付言すれば、容器20の磁石24は、同時に対峙部として働き、と回転停止機構313の磁石313kとが対峙することで、容器20の回転が停止される。
【0067】
その後、容器20は、ベルト部材313aの循環移動に応じて前方に向かってスライドする。そして所定位置まで達すると、容器20は、回転停止機構313から離れ、前方における所定位置までさらに移動する。この結果、識別標記23が前方に向いた状態で容器20が所定位置に配置される(符号18D参照)。
なお、回転停止機構313は、上記のように容器20の移動経路の途中に設けることができるが、これに限られない。例えば図20(回転停止機構313の配置位置を説明する図)に示すように、容器20の載置位置(投入部)に設けることもできる。
【0068】
陳列装置30の他の形態について更に説明する。
図21は、陳列装置30の他の一形態を示した図である。
本形態における陳列装置30では、同図(A)に示すように、載置部31から容器20の移動経路上に向かって突出するとともにこの移動経路から退避可能に設けられた突出部材316が設けられている。また、突出部材316の突出/退避を行う不図示の駆動機構と、この駆動機構を制御する不図示の制御部とが設けられている。ここで、突出部材316は、移動経路上に突出することで容器20の前方への移動を規制するとともに、移動経路上から退避することで容器20の前方への供給を行う。
【0069】
また、本形態における陳列装置30では、円弧状に形成された規制板34の内周面側に、回転可能に設けられ、容器20に接触可能な球状のベアリング341が設けられている。なお、本形態では球状のベアリング341を例示したが、回転可能なローラ状の部材を設けることもできる。さらに、規制板34の内周面側には、容器20に貼付された磁石24(同図(C)参照)を引き寄せる磁石342(回転停止部の他の一例)が設けられている。さらに、載置部31上には、ロール状部材ではなく球状のローラ318が設けられている。このように載置部31には、ロール状部材のみならず球状のローラ318を採用することもできる。
【0070】
ここで本形態では、突出部材316が例えば所定時間だけ上記移動経路から退避し、同図(B)に示すように、一つの容器20のみが前方へ供給される。そして、この容器20は、ガイド32により回転力が付与された状態で、規制板34に達するとともに、この規制板34の内側にて回転を継続する。そして、規制板34に設けられた磁石342と容器20に設けられた磁石24とが互いに引き合うことで、容器20の回転が停止される。これにより識別標記23が前方を向くようになる。なお、本態様に用いられる容器20では、同図(C)に示すように、磁石24の上方に識別標記23が設けられている。また、磁石24と識別標記23は、位相のずれがない状態で設けられている。
【0071】
なお、図18〜21に示した形態では、容器20および陳列装置30の両者に磁石を設けた例を説明したが、一方のみを磁石とし他方については前述したように磁石により吸引される例えばFe系の金属を用いることができる。また、磁石の設置に限らず、例えば磁性を有する塗料を塗布してもよい。また磁性粉末を含有した樹脂フィルムを貼付してもよい。
【0072】
さらに陳列装置30等の他の一形態について説明する。
図22は、陳列装置30および容器20の他の一形態を示した図である。
なお、図22(A)は、陳列装置30の上面図を示している。また図22(B)は、陳列装置30を前方側から眺めた場合の状態を容器20と共に示している。さらに、図22(C)は、容器20の動作を示している。
【0073】
同図(B)に示すように、本形態における容器20は、側部22の一部に、容器20の周方向に沿って形成された溝状の凹部221(対峙部の他の一例)を有している。ここで、凹部221と識別標記23は、位相が90°ずれた状態となっている。なお、このように部分的に大きな凹部221の形成は、金属缶では難しいことが多い。その一方で、樹脂性の容器20では、加工の自由度が大きいため金属缶に比して形成し易い。また、陳列装置30におけるガイド32は、同図(A)、(B)に示すように、棒状に形成されている。
【0074】
ここで同図(C)を参照して容器20の動作について説明する。陳列装置30の後方側に置かれた容器20は、上記と同様に、ガイド32によって案内されながら前方に向かって移動する。そしてこの際、容器20に対してガイド32から回転力が付与される。そして容器20が回転すると、容器20の凹部221(同図(B)参照)に対してガイド32が入り込み(凹部221とガイド32とが対峙し)、容器20の回転が停止される(符号22A参照)。そして容器20は、ガイド32により案内されながら前方に向かって移動(スライド)する。これにより、陳列装置30の取り出し部に達した容器20は、識別標記23が前方を向いた状態となる。なお、本形態では、ガイド32が回転手段として機能するとともに、回転停止部としても機能している。ここで、本図では図示を省略しているが、載置部31には例えば移動手段として機能するロール状部材を複数設けることができる。また、移動手段には、球状のローラを用いてもよい。さらに移動手段には、表面が平滑な例えば板状部材を用いることもできる。
【0075】
さらに陳列装置30等の他の一形態について説明する。
図23は、陳列装置30および容器20の他の一形態を示した図である。
本形態においても同様に、ブロー成形が可能であり加工の自由度が大きいため、容器20には樹脂製の容器の方が採用しやすい。ここで図23では、ペットボトルを例示している。
【0076】
本容器20は、同図(A)に示すように、容器20の軸心を境にした一方側の側部22および他方側の側部22の両者に、容器20の周方向に沿った凹部221を有している。付言すれば、容器20は、位相が180°ずれた位置に凹部221を有している。なお本形態の容器20における識別標記23と凹部221は、位相が90°ずれた状態となっている。
一方、陳列装置30は、容器20の移動経路の両側にガイド32を2つ有している。但し、これらのガイド32は、前後方向に沿った直線状ではなく、前方に向かうに従い容器20の移動経路が狭まるように湾曲して形成されている。なお、本形態における載置部31は、幅方向における傾斜が付与されておらず前後方向にのみ傾斜が付与されている。
【0077】
ここで本形態にて容器20が載置部31に置かれると、容器20は載置部31を前方に向かって移動し、同図(B)に示すように両ガイド32のうちの一方に接触する。そして容器20は、ガイド32により前方への移動が案内され且つガイド32から回転力が付与される。そして、容器20の凹部221にガイド32が入り込むことで容器20の回転が停止される。その後、容器20は、識別標記23が前方を向いた状態で前方に向かって更に移動していく。
【0078】
なお、識別標記23の容器20への付与方法であるが、容器20が缶である場合、例えば塗装、印刷により付与することができる。また、容器20がペットボトル等である場合には、識別標記23を有するフィルムを容器20に巻き付けた後、このフィルムを熱収縮させることにより付与することができる。即ち、識別標記23は、塗装などのみならずフィルム等を別途装着等することによっても付与することができる。
ここで熱収縮させるフィルムの組成については、熱収縮フィルムとして通常使用される組成とすることができる。例えば特開2006−341568号公報に記載されている組成とすることができる。また、熱収縮させるフィルムの製造方法も特に限定されず、既存の製造方法を採用することができる。例えば特開2006−341568号公報に記載されている製造方法を採用することができる。また、フィルムを熱収縮させる条件も既存の条件とすることができ、例えば90°のスチーム処理により熱収縮させることができる。
【0079】
ここで図24および図25は、ガイド32により容器20に回転力を付与する際の他の形態を示したものである。
図24に示すように、ガイド32は、容器20の側部22ではなく容器20に設けられたキャップ25に接触可能な位置に設けることができる。なお、同図(A)は、陳列装置30を前方から眺めた場合を示し、同図(B)は、陳列装置30を上方から眺めた場合を示している。キャップ25の周面には通常、滑り止めのための凹凸が付与されている場合が多い。このため、本形態のようにガイド32をキャップ25に接触させることで、容器20に対し回転力をより確実に付与することが可能となる。
【0080】
また図25(A)に示すように、平板状の2本のガイド32を陳列装置30の前後方向に沿って且つ平行に設けるとともに、一方のガイド32の上面に容器20へ摺動抵抗を付与する抵抗付与部321(同図(B)参照)を設ける。なお、この抵抗付与部321は、例えばゴム部材の貼付により形成することができる。
一方、本形態における容器20では、同図(A)に示すように、容器20の外周面から周方向に且つ環状に突出した環状突出部26が設けられている。そして、容器20は、ガイド32上に環状突出部26が載せられた状態にて陳列装置30に設置される。本形態にて容器20が前方に向けてスライドする際、容器20に作用する力(摩擦力)は、左方側(抵抗付与部321側)の方が大きくなる。このため、容器20は、同図(B)に示すように、時計回りに回転する。
【0081】
さらに陳列装置30および容器20の他の一形態について説明する。
図26は、陳列装置30および容器20の他の一形態を示した上面図である。
同図(A)に示すように、本形態における陳列装置30の載置部31は、回転可能なロール状部材311aを前後方向に亘って複数有している。また、陳列装置30は、ロール状部材311aの下方に且つ陳列装置30の後方側に、回転手段および回転停止部として機能する磁石35を有している。
【0082】
ここで、磁石35は、台形状に形成され、後方から前方に向かうに従いその幅が狭くなる形状となっている。詳細には、磁石35は、後方側に下辺部351、前方側且つ移動経路の幅方向における略中央部に上辺部352を備えている。また、容器20の移動方向に対して傾斜して設けられ、下辺部351と上辺部352とを結ぶ第1側辺部353を備えている。さらに、同じく傾斜して設けられ、下辺部351と上辺部352とを結ぶ第2側辺部354を備えている。
【0083】
なお、磁石35は、単一ではなく、直角三角形状に形成された第1磁石35a、第2磁石35b、長方形状に形成された第3磁石35cが組み合わされることで台形状に形成されている。ところで本形態では、3つの磁石(第1磁石35a、第2磁石35b、第3磁石35c)の組み合わせで磁石35を台形状に形成したが、矩形状の断面や円形の断面を有した磁石を、台形の枠内に複数配置する構成としてもよい。この場合、例えば磁石がより入手しやすくなりより実用的となる。
一方で容器20は、同図(B)に示すように、底部21に、回転誘導部となるとともに対峙部として機能する磁石24を有している。なお本形態における磁石24と識別標記23は、位相が180°ずれた状態で配置されている。
【0084】
同図(B)に示すように、容器20は、載置部31の後方側に置かれると前方への移動を開始する。なおこの場合、磁石24と磁石35とが互いに引き合うため、磁石24が設けられた側の方が移動しにくくなる。このため、容器20は、識別標記23が設けられた側が前方側に移動するように回転する。そして、さらに前方に移動する際、容器20は、磁石24が第1側辺部353に沿うように移動する。そして最終的には、磁石24が上辺部352上を通過するようになる(符号22A参照)。付言すれば、磁石24と上辺部352とが対峙するようになる。この結果、識別標記23が前方を向いた状態となる。その後、容器20は、識別標記23が前方を向いた状態でさらに前方に移動していく。
【0085】
ここで上述した陳列装置30では、後方側から容器20を投入するとともに前方側に向けて容器20を移動させた。そしてこの前方への移動の過程において、容器20を回転させるとともに容器20の回転を停止させた。ところで陳列装置30を以下のように構成し、容器20が後方へ移動する過程や幅方向(前後方向に直交する方向)に移動する過程において、容器20の回転、回転停止を行うこともできる。付言すれば、以下の構成でも、回転力付与機能と回転停止機能を発揮する機能部(後述の付与/停止機能部36)が設けられている。そしてこの機能部により新しい陳列装置30が考案されている。
【0086】
ここで図27は、陳列装置30の他の一形態を示した図である。なお、同図(A)は上面図であり、同図(B)は陳列装置30を模式的に示した斜視図である。なお以下の説明では、容器20に回転力を付与し且つ容器20の回転を停止させる機能が設けられた箇所を付与/停止機能部36と称して説明する。
【0087】
本形態における陳列装置30は、陳列ケース10(図1(B)参照)の前方側(ドア10B側)から容器20が投入され、同じく陳列ケース10の前方側から容器20の取り出しが行われる陳列装置30を示している。
詳細に説明すると、本陳列装置30は、前方側にて投入された容器20を後方側に移動させる第1移動経路37aと、第1移動経路37aからの容器20を陳列装置30の幅方向に移動させる第2移動経路37bと、第2移動経路37bからの容器20を前方側に移動させる(前方側に戻す)第3移動経路37cとを備えている。
【0088】
そして本形態では、付与/停止機能部36が第1移動経路37a上に設けられている。容器20の識別標記23は、容器20が第1移動経路37aを移動する過程において前方側(移動方向とは逆側)を向くようになる。そして、容器20は、識別標記23が前方側を向いた状態で、第2移動経路37b、第3移動経路37cを移動し、陳列ケース10の前方側まで到達する。なお、本図では、各移動経路のローラ列が一列となっているが、一列に限られず二列や三列とすることも当然可能である。
【0089】
なお、載置部31は通常、ロール状部材等を複数備えたユニットを複数連結することで構成される。例えば図28(載置部31を構成するユニットを説明する図)の(A)に示すように第1ユニット317aおよび第2ユニット317bを連結することで構成される。ここで、第1ユニット317aおよび第2ユニット317bの各々は、同図(B)に示すように、外縁部に、側壁317cを有している。また、この側壁317cに切り欠き317dを有している。
【0090】
また本形態では、同図(B)、(C)に示すように、第1ユニット317aおよび第2ユニット317bとは別部品で構成され、第1ユニット317aおよび第2ユニット317bを連結する連結部材319が設けられている。
この連結部材319は、同図(C)に示すように、略H字状に形成され、互いに対向する対向部319a,319b、およびこれらの対向部319a,319bを接続する接続部319cを有している。
【0091】
連結部材319は、接続部319cが、第1ユニット317aおよび第2ユニット317bにおける切り欠き317dに挿入されることで、第1ユニット317aおよび第2ユニット317bを連結する。そしてこの状態では、対向部319a,319bにより、第1ユニット317aおよび第2ユニット317bの離間が阻止される。
なお、同図(D)は、従来における第1ユニット317aを示したものである。従来の形態では、一方のユニットから鍵状のフックを突出させていた。しかしながら、この形態ではデッドスペースが生じ、陳列ケース10に収容可能な容器20の数が減少してしまう。
【0092】
図29は、陳列装置30の他の一形態を示した図である。
本陳列装置30では、陳列ケース10(図1(B)参照)のケース本体部10Aとドア10Bとを接続するヒンジ部10Cの後方側に、陳列ケース10の後方側から投入された容器20を前方に向けて移動させる第1移動経路38aが設けられている。また、第1移動経路38aからの容器20を横方向に移動させる第2移動経路38bと、第2移動経路38bからの容器20を再び後方側へ移動させる第3移動経路38cと、第3移動経路38cからの容器20はさらに横方向に移動させる第4移動経路38dが設けられている。
【0093】
さらに、第4移動経路38dからの容器20を前方に向けて移動させ容器20の取り出し部まで案内する第5移動経路38eが設けられている。さらに、第5移動経路38eに隣接して設けられ、前方側から投入された容器20を後方側に向けて移動させる第6移動経路38f、第6移動経路38fからの容器20を第5移動経路38eに移動させる第7移動経路38gが設けられている。ここで本形態では、付与/停止機能部36は、第1移動経路38a上および第6移動経路38f上に設けられている。
【0094】
陳列ケース10の後方側から第1移動経路38aに投入された容器20は、前方側に移動する過程において、付与/停止機能部36により識別標記23が前方側を向くように回転される。そして識別標記23が前方を向いた状態にて、第2移動経路38b、第3移動経路38c、第4移動経路38d、第5移動経路38eを経て、取り出し部まで到達する。また、陳列ケース10の前方側から第6移動経路38fに投入された容器20は、後方側に移動する過程において、付与/停止機能部36により識別標記23が前方側を向くように回転される。そして識別標記23が前方を向いた状態で、第7移動経路38g、第5移動経路38eを経て取り出し部まで到達する。
【0095】
通常、ヒンジ部10Cが設けられた箇所は容器20の投入や取り出しができないため、陳列装置30を設置することができず、デッドスペースとなってしまうことが多い。そこで、本実施形態では、ヒンジ部10Cの後方側に、第3移動経路38cと接続される第1移動経路38aを設けることで、ヒンジ部10Cの後方側への容器20の充填を可能としている。
ここで、一旦取り出された容器20を前方側から再度陳列装置30に戻す際、第5移動経路38e上に容器20が密に充填されていると容器20を戻すことができないおそれがある。このため、本形態では、容器20を陳列装置30に戻すための第6移動経路38fを設けている。
また、本形態における第2移動経路38b上では、識別標記23が前方を向いた2つの容器20が並んで配置されることになる。これにより、容器20を購入する購入者に対して容器20(商品)の存在をよりアピールすることが可能となる。
【0096】
上記のように、ヒンジ部10Cの後方側には容器20の投入部や取り出し部を設けることができず、ヒンジ部10Cの後方側はデッドスペースになりやすい。以下に示す図30、図31では、ヒンジ部10Cの後方側を容器20の格納用スペースとした陳列装置30の他の形態をさらに説明する。また、図32では、陳列装置30の他の一形態について説明する。
【0097】
図30は、陳列装置30の他の形態を示した図である。
同図に示すように本形態における陳列装置30には、ヒンジ部10Cの後方側に、容器20を前方側から後方側に向けて移動させる第1移動経路39aが設けられている。また、ヒンジ部10Cを外した位置に設けられた投入部により投入された容器20を横方向に移動させ第1移動経路39aに供給する第2移動経路39bが設けられている。さらに、第1移動経路39aからの容器20を横方向に移動させる第3移動経路39c、第3移動経路39cからの容器20を前方に向けて移動させる第4移動経路39d、第4移動経路39dからの容器20を横方向に移動させる第5移動経路39eが設けられている。また、第5移動経路39eからの容器20を更に後方に移動させる第6移動経路39f、第6移動経路39fからの容器20を横方向に移動させる第7移動経路39g、第7移動経路39gからの容器20を前方に移動させ取り出し部まで案内する第8移動経路39hが設けられている。
【0098】
一方、本形態では、第1移動経路39a上に、付与/停止機能部36が設けられている。
陳列ケース10の前方側から第2移動経路39bに投入された容器20は、第1移動経路39aを後方側に移動する過程において、付与/停止機能部36により識別標記23が前方側を向くように回転される。そして容器20は、識別標記23が前方を向いた状態にて、第3移動経路39c、第4移動経路39d、第5移動経路39e、第6移動経路39f、第7移動経路39g、第8移動経路39hを経由し、取り出し部まで到達する。
【0099】
図31は、陳列装置30の他の形態を示した図である。
同図に示すように、本形態における陳列装置30は、ヒンジ部10Cの後方側に、容器20を前方側から後方側に向けて移動させる第1移動経路40aが設けられている。また、ヒンジ部10Cを外した位置に設けられた投入部により投入された容器20を横方向に移動させ、この容器20を第1移動経路40aに供給する第2移動経路40bが設けられている。さらに、第1移動経路40aからの容器20を横方向に移動させる第3移動経路40cが設けられている。
【0100】
また、第3移動経路40cからの容器20を前方側へ移動させ且つ取り出し部まで案内する第4移動経路40dが設けられている。また、第1移動経路40aと第4移動経路40dとの間に設けられ、第3移動経路40cからの容器20を第4移動経路40dに移動させる第5移動経路40eが設けられている。即ち、本形態では、第3移動経路40cから取り出し部へ、移動経路が2つ設けられている。
【0101】
ここで本形態では、第1移動経路40a上に付与/停止機能部36が設けられている。
陳列ケース10の前方側から第2移動経路40bに投入された容器20は、第1移動経路40aを後方側に移動する過程において、付与/停止機能部36により識別標記23が前方側を向くように回転される。そして容器20は、識別標記23が前方を向いた状態にて、第3移動経路40c、第4移動経路40dを経由して取り出し部まで到達する。また容器20は、例えば第4移動経路40dに容器20が密に充填されている場合、第3移動経路40cから第5移動経路40eを経て取り出し部まで到達する。
【0102】
図32は、陳列装置30の他の形態を示した図である。
同図に示すように、本形態における陳列装置30は、前方側から投入された容器20を後方側に向けて移動させる第1移動経路41aが設けられている。また、第1移動経路41aからの容器20を横方向(図中右方向)に移動させる第2移動経路41bが設けられている。さらに、第2移動経路41bよりも前方側に設けられ、第2移動経路41bからの容器20を再び横方向(図中左方向)に移動させる第3移動経路41cが設けられている。さらに、第3移動経路41cから前方に向かって設けられ、第3移動経路41cからの容器20を前方に向けて移動させる第4移動経路41d〜第8移動経路41hが設けられている。これら第4移動経路41d〜第8移動経路41hは、並列配置され、容器20の取り出し部を各々有している。
【0103】
本形態では第2移動経路41bに、付与/停止機能部36が設けられている。
陳列ケース10の前方側から第1移動経路41aに投入された容器20は、第2移動経路41bを横方向に移動する過程において、付与/停止機能部36により、識別標記23が前方側を向くように回転される。そして容器20は、識別標記23が前方を向いた状態にて、第3移動経路41c、第8移動経路41hを経由して、取り出し部まで到達する。なお、第8移動経路41hに容器20が充填されている場合、容器20は、第3移動経路41cを横方向に移動する。そして、空いている移動経路に進入し取り出し部まで到達する。
【0104】
ここで図27〜図32のいずれの形態でも、前方から容器20を投入可能である。このため、陳列ケース10(図1(B)参照)の裏側(後方側)にスペースがないような場合であっても、陳列装置30に対する容器20の投入が可能となる。また、購入者が、陳列装置30から取り出した容器20を陳列装置30に戻す際、容器20が取り出された取り出し部から容器20が戻されることが抑制され、識別標記23が例えば後方を向いた状態で容器20が陳列されることが防止される。本形態にて容器20が戻される場合、容器20は前方側に設けられた投入部側から戻される。そして、取り出し部に達する過程において識別標記23が前方を向くようになる。このため、容器20の戻しが行われる場合であっても識別標記23が前方を向いた状態で容器20の陳列が行われる。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】本発明の実施形態に係る陳列装置の概略構成を示した図である。
【図2】陳列装置の載置部を説明する図である。
【図3】容器を底部側から眺めた場合の図である。
【図4】陳列装置および容器の動作を示した図である。
【図5】回転停止機構の他の一例の側面図である。
【図6】図5に示した回転停止機構の動作を説明する図である。
【図7】抵抗付与部の他の態様について説明する図である。
【図8】抵抗付与部の他の態様について説明する図である。
【図9】抵抗付与部の他の態様について説明する図である。
【図10】抵抗付与部の他の態様について説明する図である。
【図11】陳列装置の他の一形態を示した図である。
【図12】載置部の傾斜角度等について説明する図である。
【図13】載置部の傾斜角度等について説明する図である。
【図14】載置部の傾斜角度等について説明する図である。
【図15】載置部の傾斜角度等について説明する図である。
【図16】回転停止機構の他の形態を示した図である。
【図17】回転停止機構および容器の動作を示した図である。
【図18】陳列装置の他の一形態を示した図である。
【図19】容器を説明するための図である。
【図20】回転停止機構の配置位置を説明する図である。
【図21】陳列装置の他の一形態を示した図である。
【図22】陳列装置および容器の他の一形態を示した図である。
【図23】陳列装置および容器の他の一形態を示した図である。
【図24】ガイドにより容器に回転力を付与する際の他の形態を示した図である。
【図25】ガイドにより容器に回転力を付与する際の他の形態を示した図である。
【図26】陳列装置および容器の他の一形態を示した上面図である。
【図27】陳列装置の他の一形態を示した図である。
【図28】載置部を構成するユニットを説明する図である。
【図29】陳列装置の他の一形態を示した図である。
【図30】陳列装置の他の形態を示した図である。
【図31】陳列装置の他の形態を示した図である。
【図32】陳列装置の他の形態を示した図である。
【符号の説明】
【0106】
20…容器、23…識別標記、24…磁石、30…陳列装置、31…載置部、32…ガイド、35…磁石、212a…第1凹部、212b…第2凹部、221…凹部、311…第1ローラ部、312…抵抗付与部、313e…突起、313k…磁石、342…磁石
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定箇所に標記が付された容器本体と、
前記容器本体部を陳列する陳列装置に設けられた回転手段を補助し回転を誘導する回転誘導部と、
回転した当該容器本体部の回転を停止させる回転停止部と対峙する対峙部を備え、
前記対峙部は、前記特定箇所が所定の方向を向く位置にて前記容器本体部の回転が停止するように前記回転停止部と対峙することを特徴とする容器。
【請求項2】
特定箇所に標記が付された容器本体部と、
前記容器本体部を陳列する陳列装置に設けられ回転した当該容器本体部の回転を停止させる回転停止部と対峙する対峙部を容器側面に備え、
前記対峙部は、前記特定箇所が所定の方向を向く位置にて前記容器本体部の回転が停止するように前記回転停止部と対峙することを特徴とする容器。
【請求項3】
外面の特定箇所にて標記を行なう請求項1、2いずれか記載の容器と、
前記容器を陳列する陳列装置と、
を有し、
前記陳列装置は、
前記容器を一方向に移動させる移動手段と、
前記移動手段による前記一方向への前記容器の移動に伴って当該容器を回転させる回転手段と、
前記回転手段により回転された前記容器の回転を停止させる回転停止部と、を備え、
前記容器は、
前記特定箇所が所定の方向を向く位置にて回転が停止するように前記回転停止部と対峙する対峙部を備えたことを特徴とする陳列システム。
【請求項4】
前記移動手段は、前記容器を載せる載置部を有し、
前記回転手段は、前記移動手段の前記載置部へ載せられた前記容器が前記一方向へ移動するのに伴って当該容器を回転させることを特徴とする請求項3記載の陳列システム。
【請求項5】
前記回転手段は、前記一方向へ前記容器が移動しようとする移動力に抗する抵抗力を当該容器の部位に応じて異ならせることにより当該容器に回転力を付与することを特徴とする請求項3記載の陳列システム。
【請求項6】
前記一方向は、前記陳列システムの後方から前方へ向かう方向であり、
前記抵抗力は、前記容器の重心を境にして左右で異なることを特徴とする請求項5記載の陳列システム。
【請求項7】
前記移動手段は、前記容器を載せる載置部を有し、
前記抵抗力は、前記載置部と前記容器の当該載置部と接触する端部との間に生じる摩擦力であることを特徴とする請求項5または6に記載の陳列システム。
【請求項8】
前記載置部は、前後方向に伸びる板状の底面を複数有して載置面を形成し、
前記摩擦力は、前記複数の底面の内の一の底面の摩擦係数が他の底面の摩擦係数と異なることで前記容器の重心を境にして左右で異なることを特徴とする請求項7記載の陳列システム。
【請求項9】
前記移動手段は、前記容器を載せる載置部を有し、
前記回転停止部は、前記載置部と前記容器の当該載置部と接触する端部との接触位置よりも当該容器側に突出する凸部であり、
前記容器の前記対峙部は、前記載置部と対向する当該容器の部位に設けられ前記凸部との間で位置決めを行なう凹部又は凸部であることを特徴とする請求項3記載の陳列システム。
【請求項10】
前記回転停止部の前記凸部は、前記載置部に載せられた複数の前記容器が互いに接触しないような間隔で前記一方向に複数配置されていることを特徴とする請求項9記載の陳列システム。
【請求項11】
外面の特定箇所にて標記を行なう請求項1、2いずれか記載の容器を陳列する陳列装置であって、
前記容器を一方向に移動させる移動手段と、
前記移動手段による前記一方向への前記容器の移動に伴って当該容器を回転させる回転手段と、
前記回転手段により回転された前記容器の回転を停止させる回転停止部と、を備え、
前記回転停止部は、前記容器に設けられ当該回転停止部に対峙する対峙部と接触し、当該容器の前記特定箇所が所定の方向を向く位置にて当該容器の回転を停止させることを特徴とする陳列装置。
【請求項1】
特定箇所に標記が付された容器本体と、
前記容器本体部を陳列する陳列装置に設けられた回転手段を補助し回転を誘導する回転誘導部と、
回転した当該容器本体部の回転を停止させる回転停止部と対峙する対峙部を備え、
前記対峙部は、前記特定箇所が所定の方向を向く位置にて前記容器本体部の回転が停止するように前記回転停止部と対峙することを特徴とする容器。
【請求項2】
特定箇所に標記が付された容器本体部と、
前記容器本体部を陳列する陳列装置に設けられ回転した当該容器本体部の回転を停止させる回転停止部と対峙する対峙部を容器側面に備え、
前記対峙部は、前記特定箇所が所定の方向を向く位置にて前記容器本体部の回転が停止するように前記回転停止部と対峙することを特徴とする容器。
【請求項3】
外面の特定箇所にて標記を行なう請求項1、2いずれか記載の容器と、
前記容器を陳列する陳列装置と、
を有し、
前記陳列装置は、
前記容器を一方向に移動させる移動手段と、
前記移動手段による前記一方向への前記容器の移動に伴って当該容器を回転させる回転手段と、
前記回転手段により回転された前記容器の回転を停止させる回転停止部と、を備え、
前記容器は、
前記特定箇所が所定の方向を向く位置にて回転が停止するように前記回転停止部と対峙する対峙部を備えたことを特徴とする陳列システム。
【請求項4】
前記移動手段は、前記容器を載せる載置部を有し、
前記回転手段は、前記移動手段の前記載置部へ載せられた前記容器が前記一方向へ移動するのに伴って当該容器を回転させることを特徴とする請求項3記載の陳列システム。
【請求項5】
前記回転手段は、前記一方向へ前記容器が移動しようとする移動力に抗する抵抗力を当該容器の部位に応じて異ならせることにより当該容器に回転力を付与することを特徴とする請求項3記載の陳列システム。
【請求項6】
前記一方向は、前記陳列システムの後方から前方へ向かう方向であり、
前記抵抗力は、前記容器の重心を境にして左右で異なることを特徴とする請求項5記載の陳列システム。
【請求項7】
前記移動手段は、前記容器を載せる載置部を有し、
前記抵抗力は、前記載置部と前記容器の当該載置部と接触する端部との間に生じる摩擦力であることを特徴とする請求項5または6に記載の陳列システム。
【請求項8】
前記載置部は、前後方向に伸びる板状の底面を複数有して載置面を形成し、
前記摩擦力は、前記複数の底面の内の一の底面の摩擦係数が他の底面の摩擦係数と異なることで前記容器の重心を境にして左右で異なることを特徴とする請求項7記載の陳列システム。
【請求項9】
前記移動手段は、前記容器を載せる載置部を有し、
前記回転停止部は、前記載置部と前記容器の当該載置部と接触する端部との接触位置よりも当該容器側に突出する凸部であり、
前記容器の前記対峙部は、前記載置部と対向する当該容器の部位に設けられ前記凸部との間で位置決めを行なう凹部又は凸部であることを特徴とする請求項3記載の陳列システム。
【請求項10】
前記回転停止部の前記凸部は、前記載置部に載せられた複数の前記容器が互いに接触しないような間隔で前記一方向に複数配置されていることを特徴とする請求項9記載の陳列システム。
【請求項11】
外面の特定箇所にて標記を行なう請求項1、2いずれか記載の容器を陳列する陳列装置であって、
前記容器を一方向に移動させる移動手段と、
前記移動手段による前記一方向への前記容器の移動に伴って当該容器を回転させる回転手段と、
前記回転手段により回転された前記容器の回転を停止させる回転停止部と、を備え、
前記回転停止部は、前記容器に設けられ当該回転停止部に対峙する対峙部と接触し、当該容器の前記特定箇所が所定の方向を向く位置にて当該容器の回転を停止させることを特徴とする陳列装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【公開番号】特開2010−167269(P2010−167269A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−289794(P2009−289794)
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【出願人】(000002004)昭和電工株式会社 (3,251)
【出願人】(000186854)昭和アルミニウム缶株式会社 (155)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【出願人】(000002004)昭和電工株式会社 (3,251)
【出願人】(000186854)昭和アルミニウム缶株式会社 (155)
【Fターム(参考)】
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