説明

陳列兼用カートン

【課題】商品を並列状態に集積収納し、簡便な操作で開封でき、商品の縦長及び横長のそれぞれ並列状態での陳列形式が選択可能なカートンを提供する。
【解決手段】シート状部材で形成される、矩形状の底面板10,12と該底面板各辺から垂直に立設されたそれぞれ矩形状の正面板3、背面板1、左右側面板2,4からなる四角筒状の胴部と、該胴部上端の天面を閉塞する矩形状の天面板8からなる陳列兼用カートンであって、正面板、天面板、背面板にはそれぞれの両側端辺間の中央部を正面板の下端辺から発し背面板の下端辺に到る平行な破断線L19,L20,L21,L22がその両端を閉じて刻設形成される縦断ジッパー19,20を備え、底面板には正面板及び背面板のそれぞれの下端辺の中間点を結び縦断ジッパーの両端間に亘って刻設された底面区画縦折線L25,L26を備えていることを特徴とする陳列兼用カートン。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縦横寸法の異なる矩形状の商品を集積収納するカートンで、封入時点では横長の並列状態で保管・搬送することができ、販売時点では商品を縦長、横長いずれの方向の並列状態でも展示できる陳列方式を選択可能な陳列兼用カートンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
個装された商品は、カートンに10個等の単位で集積・収納され、保管、搬送されて、市場での販売に供される。保管や搬送においては、集積・収納された商品の保護に加え、収容スペースを抑えて、保管や輸送にかかるコストを低減する必要がある。また、スーパーやコンビニエンスストア等の店頭では、同種の商品群が同一領域に並べられ販売されるため、競合する商品群の中で、消費者の購買意欲を刺激することが、商品を小分けして収納されたカートンにも求められているが、商品を陳列するスペースは限られており、保護性、収納性に加え、開封作業性や陳列性に優れたカートンが併せて求められている。
【0003】
近年、矩形状など縦横寸法の異なる商品サイズを有する商品の個装に、一方の面を縦長のデザイン、他方の面を横長のデザインとして、両面のそれぞれを正面としたデザインを施し、幅方向のスペースが確保できる売場では、横長のデザイン面を正面として利用し、幅方向のスペースが少ない場合には、縦長のデザインを正面とする展示を可能としており、このような両面デザインを施した商品を収納し、陳列展示スペースの大きさに合わせた展示が可能な集合包装のカートンが要望されている。前記要望に対し、胴部と底部とを有する容器において、容器の胴部を一周するように形成した横方向のジッパと、横方向のジッパに交差する状態で、容器の底部および胴部に跨って縦ジッパを形成し、かつ交差部には各ジッパの切れ線の延長上に位置して2本の平行なミシン目を互い違いに刻設したことを特徴とする縦、横開封可能の陳列箱で、縦、横何れの方向に対しても容器を開封して展示することができるものが提案されている(たとえば、特許文献1)。
【0004】
上記特許文献に記載の陳列箱は、実施例に直方体の板紙製容器が示され、正面板、背面板、相対向する側板から形成される無端状の胴部に対し、連続した帯状の開封用ジッパが横方向に刻設され、他方、前記開封用ジッパと交差する方向すなわち前記相対向する両側板と該両側板に連なる係止片それぞれに対して、前記両側板の長手方向に沿った帯状の開封用ジッパが縦方向に刻設された紙箱が示されている。
無端状の胴部に対し横方向に刻設された帯状の開封用ジッパを開封すれば、胴部を天地方向に分割でき天方向部分を除去すれば商品を縦向きに露出させて陳列でき、陳列箱の胴部を横向きに寝かせ両側板の長手方向に沿って刻設した帯状の開封用ジッパを開封すれば、陳列箱の正面板及び背面板方向に分割できるので正面板及び背面板のいずれかの方向部分を除去すれば商品を横向きとして陳列できる。
【0005】
上記特許文献の実施例に示された陳列箱は、特許文献の図3(b)、図4(b)に表わされるように、縦向きも横向きもそれぞれ商品を奥行方向に一列で集積収納して陳列されるものであり、図3(b)に示されるような、縦向きで一列とした陳列箱は、商品の取り出しにあたって陳列箱が転倒し易いという問題点を有していた。
また、幅方向の狭い商品を収納する場合、一列の陳列では商品フェイスが狭すぎ、購買者の視認性が低いので、商品を幅方向二列に配置することで正面からの視認性を高めた陳列方式が用いられるが、特許文献の実施例の陳列箱では、幅方向の狭い商品を図3(a)において上下二段に収納する状態とし、横ジッパを開封して陳列箱を上下方向に分割し、分割したそれぞれの陳列箱の側面を突合せて陳列する必要があり、陳列作業が煩雑となってしまったり、図3(a)の状態で横ジッパを開封し分割する際に、誤って上段の商品がこぼれ落ちてしまうという惧れがある。
【0006】
【特許文献1】特開平10−86936号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで本発明は、矩形状商品が並列状態で集積収納され、搬送及び展示に供されるカートンにおいて、商品を煩雑な操作を要することなく収納でき、簡便な操作で開封でき、商品の縦長或いは横長の並列状態での陳列方式が選択可能なカートンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、シート状部材で形成される、矩形状の底面板と該底面板各辺から垂直に立設されたそれぞれ矩形状の正面板、背面板、左右側面板からなる四角筒状の胴部と、該胴部上端の天面を閉塞する矩形状の天面板からなる陳列兼用カートンであって、前記正面板、前記天面板、前記背面板にはそれぞれの両側端辺間の中央部を前記正面板の下端辺から発し前記背面板の下端辺に到る平行な破断線がその両端を閉じて刻設形成される縦断ジッパーを備え、前記底面板には前記正面板及び前記背面板のそれぞれの下端辺の中間点を結び前記縦断ジッパーの両端間に亘って刻設された底面区画縦折線を備えていることを特徴とする陳列兼用カートンである。このように構成することにより、縦断ジッパーの開封によって、カートンの背面板、天面板、正面板の3面に亘って分断し、残されたカートンの底面板の底面区画縦折線を折り曲げることにより、振り分け荷物状にカートンが開封され、振り分けられたそれぞれの上部開放トレー状部に矩形状の収納物が縦長に収納された並列状態での陳列形式とすることができる。
【0009】
請求項2の発明は、前記正面板、前記背面板、前記左右側面板にはそれぞれの上下両端辺間の中央部を前記四角筒状の胴部に亘って平行な破断線がその両端を閉じて刻設形成される横断ジッパーを備えていることを特徴とする請求項1に記載の陳列兼用カートンである。このように構成することにより、横断ジッパーの開封によってカートンの胴部を全周にわたって切り取り、残されたカートン下部によるトレー状態とすることができるので、矩形状収納物の横長の並列状態での陳列形式とすることができる。
【0010】
請求項3の発明は、前記正面板の前記縦断ジッパーで区分されるそれぞれの面には破断線が刻設され、前記縦断ジッパーと前記破断線により囲まれた切除予定部を有することを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の陳列兼用カートンで、このように構成することにより、縦断ジッパーによる開封後、振り分け荷物型に形成されたそれぞれのカートンの正面板部分に、上端辺から下向きコ字状の展示用切欠部が形成できるので、二列の収納物のそれぞれ正面部分を露出して、より購買者の注目を喚起することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、横長の矩形状商品を並列状態に集積収納し、保管、搬送される陳列兼用カートンであって、煩雑な操作を要することなく集積、収納でき、カートンを水平方向に横断する横断ジッパーによる開封を行えば、カートン下部に形成されるトレー状部分に収納物を横長の並列状態として陳列展示でき、カートンの縦断ジッパーによる開封と振り分け荷物状の折り曲げにより、振り分けられたそれぞれの上部開放トレー状部に収納物を縦長の並列状態として陳列展示することが選択できるので、上記横長の並列状態では載置できない狭いスペースでの展示が可能となり、販売スペースの有効利用が可能となる。
前記振り分けられた上部開放トレー状部はそれぞれ折り曲げられた底面板で連続しているので分離されることがなく、正面板方向から見た商品の並列状態の幅を有した展示面が維持されることにより、前記特許文献の、商品の一列の陳列で商品フェイスが狭すぎ、購買者の視認性が低く、カートンの幅が狭くなりすぎることによるカートンの転倒が発生するという問題を解消できる。また、縦長、横長に陳列方式を換えることで、購買者の印象が変化して注目を得ることができ、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の限られた展示スペースにおいて、競合する商品群の中に置かれても自社の商品をアピールし、売上の増加を図ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係るカートンの実施形態の展開平面図。
【図2】(a)実施形態の起函状態と収納物の収納状態を示す斜視図。(b)実施形態の包装完了状態を示す斜視図。
【図3】実施形態の横断ジッパーによる開封後の横長並列の陳列展示状態を示す斜視図。
【図4】実施形態の縦断ジッパーによる開封後の縦長並列の陳列展示状態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明につき、図面等を用いて以下に詳述する。尚、図1は本発明に係る陳列兼用カートンの実施形態の展開平面図。図2(a)は実施形態の起函状態と収納物の収納状態を示す斜視図。図2(b)は実施形態の包装完了状態を示す斜視図。図3は実施形態の横断ジッパーによる開封後の横長並列の陳列展示状態を示す斜視図。図4は実施形態の縦断ジッパーによる開封後の縦長並列の陳列展示状態を示す斜視図である。
【0014】
図1は、本発明に係る陳列兼用カートンの実施形態の展開平面図で、図1において、左から順に縦折線L1、L2、L3、L4を介して順次連設される貼着板5、背面板1、左側面板2、正面板3、右側面板4からカートンの胴部が構成される。背面板3の上部延長上には横折線L5を介して重合天面板6が連設され、左側面板2及び右側面板4のそれぞれの上部延長上には横折線L6及びL8を介してそれぞれ天面支持板7及び9が連設され、正面板3の上部延長上には横折線L7を介して天面板8が連設されている。背面板1及び正面板3のそれぞれの下部延長上には横折線L9及びL11を介してそれぞれ底面板10及び12が連設され、左側面板2及び右側面板4のそれぞれの下部延長上には横折線L10及びL12を介してそれぞれ重合底面板11及び13が連設され、前記底面板10及び12の一側端(図1においては右側端)には45度傾斜の斜め折線L13及びL14を介してそれぞれ貼着底面板14及び15が延設されており、底部構成を一般にオートボトムカートン或いは底貼り型カートンと呼ばれる形式としたものである。
【0015】
前記背面板1、前記左側面板2、前記正面板3、前記右側面板4の上下両端辺間すなわち上辺を構成する横折線L5、L6、L7、L8と下辺を構成する横折線L9、L10、L11、L12との間の略中央部、及び前記貼着板5の上下端略中央部を横断する横断ジッパー18が所定幅を有して上下両端辺と平行にそれぞれ刻設された鉤状破断線L17、L18間に前記縦折線L1近傍の逆コ字状切目を始点として形成され、前記重合天面板6の左右両側端辺及び前記背面板1の左右両側端辺すなわち縦折線L1、L2とのそれぞれの間の中央部を縦断する縦断ジッパー19が所定幅を有して縦折線と平行に刻設されたY字状破断線L19、L20間に前記重合天面板6の上端辺に突出する逆U字状凸部を始点として形成されると共に、前記天面板8の左右両側端辺及び前記正面板3の左右両側端辺すなわち縦折線L3、L4とのそれぞれの間の中央部を縦断する縦断ジッパー20が所定幅を有して縦折線と平行に刻設されたY字状破断線L21、L22間に前記天面板8の上端辺の横向きコ字状の切目を始点として形成され、前記底面板10を二分する底面区画縦折線L25が前記横折線L9の中間点から刻設され、同じく前記底面板12を二分する底面区画縦折線L26が前記横折線L11の中間点から刻設されている。
【0016】
前記正面板3の前記縦断ジッパー20で区分されたそれぞれの面には前記縦断ジッパー20のY字状破断線L21のそれぞれ横折線L7、L11に近傍する位置から縦折線L3方向に略逆コ字状をなして横断ジッパー18を跨ぐ破断線L23が刻設され、該破断線L23と前記Y字状破断線L21とで切除予定部(23)を区画形成し、一方、Y字状破断線L22のそれぞれ横折線L7、L11に近傍する位置から縦折線L4方向に略コ字状をなして横断ジッパー18を跨ぐ破断線L24が刻設され、該破断線L24と前記Y字状破断線L22とで切除予定部(24)を区画形成している。
【0017】
前記背面板1の前記縦断ジッパー19で区分された上端辺には、区分された横折線L5のそれぞれ略中央部に係止差込溝21、22がそれぞれ穿設され、一方、前記天面板8の前記縦断ジッパー20で区分された上端辺には、区分された上端辺のそれぞれ略中央部に横折線L15、L16を介して延長上に係止差込片16、17が連設されている。
【0018】
実施形態の折り畳み及び貼着を行う工程は、図示は省略するが、背面板1、左側面板2、正面板3、右側面板4のそれぞれの下端辺の横折線L9、L10、L11、L12を用いてそれぞれ底面板10、重合底面板11、底面板12、重合底面板13を折り曲げると共に、斜め折線L13及びL14を用いてそれぞれ貼着底面板14及び15が逆折りした後に、縦折線L2及びL4を用いて前記背面板1及び前記右側面板4を折り畳み、前記重合底面板11と前記貼着底面板14、前記重合底面板13と前記貼着底面板15をそれぞれ糊着すると共に、重合する前記右側面板4の内面と貼着板5の外面とを糊着して、扁平に折り畳まれ貼着されたカートンが形成される。
【0019】
図2(a)は実施形態の起函状態と収納物の収納状態を示す背面板1側から見た斜視図であって、前述のように扁平に折り畳まれ貼着されたカートンは、縦折線L1、L2、L3、L4をそれぞれ用いた起函操作により、折り畳まれていた底面板10、12と、折り畳まれ貼着底面板14、15とそれぞれ重合貼着されていた重合底面板11、13とが自動的に引き起こされ、それぞれの略中央部で係止されて底面部を形成すると共に、重合天面板6、天面支持板7、天面板8、天面支持板9がそれぞれ起立して、天面部が開口された状態でカートンA’が起函する。尚、実施形態は、前述のように、底部構成を一般にオートボトムカートン或いは底貼り型カートンと呼ばれる形式としたので、扁平な折り畳み状態からカートンの起函がし易く、また、起函により天面部の広い開口面を形成する。
【0020】
図2(a)において、起函により開口されたカートンA’の天面部から、矩形状の収納物Mを横長状態で、正面板1側から背面板3方向に並列状態で収納した後、横折線L6、L8を用いて天面支持板7及び9を、横折線L5を用いて重合天面板6の順に折り畳み、横折線L7を用いて天面板8を折り畳みつつ、横折線L15、L16を用いて折り曲げた係止差込片16及び17をそれぞれ横折線L5上の係止差込溝22及び21に差し込んで、図2(b)の正面板1側から見た斜視図に示すような実施形態の包装完了状態となる。
【0021】
実施形態の展示にあたっては、前述した図2(b)の実施形態の包装完了状態から、図に表われないが、背面板1の上下両端辺間略中央部で一側端の縦折線L1近傍に刻設された逆コ字状切目を始点として、平行な鉤状破断線L17及びL18間に形成された帯状の横断ジッパー18を切り破ることにより、包装完了状態のカートンA’を上下に分断し、カートンA’の上部を取り去るとカートンA’の下部は浅いトレー状となって、図3に示す、実施形態の横断ジッパーによる開封後における収納物Mが横長に並列した陳列展示状態となる。
【0022】
一方、前述した図2(b)の実施形態の包装完了状態から、先ず天面板8の上端辺の横向きコ字状切目を始点として形成され平行なY字状破断線L21とL22とで天面板8と正面板3との中央部を縦断する縦断ジッパー20を切り破り、次いで露出した重合天面板6の上端辺に突出する逆U字状凸部を始点として形成され平行なY字状破断線L19とL20とで重合天面板6と背面板1との中央部を縦断する縦断ジッパー19を切り破った後、底面板10及び12のそれぞれに刻設された底面区画縦折線L25及びL26を用いて外向きに折り曲げて、振り分け荷物状となった、一方が底面区画縦折線L25及びL26で区画され折り曲げられた底面板10及び12と、縦断ジッパー20及び19でそれぞれ切り破られ分割された天面板8と正面板3と背面板1と、右側面板4とで形成され、他方が底面区画縦折線L25及びL26で区画され折り曲げられた底面板10及び12と、縦断ジッパー20及び19でそれぞれ切り破られ分割された天面板8と正面板3と背面板1と、右側面板4とで形成された、それぞれ上端開放トレー状部の、それぞれ正面板3に刻設されたコ字状の破断線L23及びL24を用いて上端辺から下向きコ字状の切除予定部(23)及び(24)を切り破って切欠部を形成することにより、図4に示す、実施形態の縦断ジッパーによる開封後に収納物Mが縦長に並列した陳列展示状態となる。尚、左右両側面板2及び4に連設された重合底面板11及び13の長さは、カートンA’左右幅の半分の長さとされているので、上記した縦断ジッパー19による開封後、底面板10及び12のそれぞれに刻設された底面区画縦折線L25及びL26による折り曲げ操作によっても、底面板10及び12が折り曲げられた部分から突出することがなく、展示性を損なうことがない。また、振り分けられた左右のトレー状部分は、所定幅を有する縦断ジッパーの開封により、図4のように、それぞれの開口上端辺から収納物Mの一部が突出することになるので、収納物Mの取り出しが容易となる。
【0023】
本発明に係る陳列兼用カートンの実施形態において、横断ジッパー18はそれぞれ直線状に配され、カートンの横折線に平行な鉤状破断線L17及びL18で刻設形成され、縦断ジッパー19及び20は、それぞれ直線状に配され、カートンの縦折線に平行なY字状破断線L19及びL20、同じく平行なY字状破断線L21及びL22で刻設形成されている。また、正面板3に縦断ジッパー20を形成するY字状破断線L21及びL22の外向きにそれぞれ正逆に横向きコ字状をなす断続する切目線からなる破断線が刻設形成されているが、それぞれの破断線の形式や形状はこれに限定されるものではない。また、それぞれの破断線の断続するピッチや鉤状、Y字状の大きさも限定されるものではなく、カートンサイズや収納物の重量、刻設される位置、ジッパーの幅寸法等により、適宜選択して使用されるものである。
【0024】
上記の実施形態では、収納物Mをカートン等の「矩形状」の収納物とし、並列状態での集積収納において、収納物の上端部が突き合わされた状態での収納としたが、これに限定されるものではなく、図示は省略するが、例えば自立性袋のように、正面視略矩形状で、上部が略扁平で底部が膨出した側断面が逆V字形状をなす収納物の場合、積層収納する際に、積層される自立性袋が天地方向を交互に違えた正面向きの横置き状態で、且つ自立性袋のそれぞれの上端部が所定の幅で相互に重なり合うように収納されることによりコンパクトに収納され、搬送状態においては、陳列兼用カートン内での無用な揺動が抑制されて、収納物の破損や内容物の漏出が防止でき、陳列展示状態においては、前述した縦断ジッパーの開封と底面板の底面区画縦折線の折り曲げにより、振り分け荷物型にカートンが開封され、振り分けられたそれぞれのトレー状部分に自立性袋が縦置き状態となり、隣り合うトレー状部分で自立性袋が並列となった陳列状態とすることができる。
【符号の説明】
【0025】
A ブランク
A’ カートン
1 背面板
2 左側面板
3 正面板
4 右側面板
5 貼着板
6 重合天面板
7 天面支持板
8 天面板
9 天面支持板
10 底面板
11 重合底面板
12 底面板
13 重合底面板
14、15 貼着底面板
16、17 係止差込片
18 横断ジッパー
19、20 縦断ジッパー
21、22 係止差込溝
(23)、(24) 切除予定部
L1〜L4 縦折線
L5〜L12 横折線
L13、L14 斜め折線
L15、L16 横折線
L17、L18 鉤状破断線
L19〜L22 Y字状破断線
L23、L24 破断線
L25、L26 底面区画縦折線
M 収納物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状部材で形成される、矩形状の底面板と該底面板各辺から垂直に立設されたそれぞれ矩形状の正面板、背面板、左右側面板からなる四角筒状の胴部と、該胴部上端の天面を閉塞する矩形状の天面板からなる陳列兼用カートンであって、前記正面板、前記天面板、前記背面板にはそれぞれの両側端辺間の中央部を前記正面板の下端辺から発し前記背面板の下端辺に到る平行な破断線がその両端を閉じて刻設形成される縦断ジッパーを備え、前記底面板には前記正面板及び前記背面板のそれぞれの下端辺の中間点を結び前記縦断ジッパーの両端間に亘って刻設された底面区画縦折線を備えていることを特徴とする陳列兼用カートン。
【請求項2】
前記正面板、前記背面板、前記左右側面板にはそれぞれの上下両端辺間の中央部を前記四角筒状の胴部に亘って平行な破断線がその両端を閉じて刻設形成される横断ジッパーを備えていることを特徴とする請求項1に記載の陳列兼用カートン。
【請求項3】
前記正面板の前記縦断ジッパーで区分されるそれぞれの面には破断線が刻設され、前記縦断ジッパーと前記破断線により囲まれた切除予定部を有することを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の陳列兼用カートン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−246187(P2011−246187A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−123893(P2010−123893)
【出願日】平成22年5月31日(2010.5.31)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】