説明

階層メニューによるコンテンツの検索装置および検索方法、コンテンツ再生装置

【課題】階層間の項目の繋がりを視覚的に理解しやすくしつつ、簡単に所望のコンテンツを検索することができる「階層メニューによるコンテンツの検索装置および検索方法、コンテンツ再生装置」を提供する。
【解決手段】各階層の検索項目を同一画面に同時に表示させ、各検索項目を独立して切り替えられるようにするとともに、同じ階層内では全ての項目を順番に切り替えられるようにすることにより、例えば楽曲名を切り替えたいときは最下位層の検索項目を直接操作し、アルバム名を切り替えたいときは下から2番目の階層の検索項目を直接操作することができるようにする。また、一の階層について検索項目の切り替え指示を受けたときに、切り替え指示された階層に加え、他の階層についても検索項目の表示を連動して切り替えることにより、階層間の項目の繋がりを常に視覚的に理解しやすい形でユーザに提示できるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、属性情報に基づき分類された複数のコンテンツから所望のコンテンツを階層メニューの操作によって検索するようになされたコンテンツの検索装置および検索方法、並びに当該検索装置を備えたコンテンツ再生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、携帯電話や携帯情報端末、車載機等の電子機器において、内部の記録媒体に楽曲や映像等のコンテンツデータを保存しておき、ユーザが所望のコンテンツを選んで再生できるようにしたものが存在する。所望のコンテンツを検索する方法としては、階層構造のメニューを辿っていくという方法が多く採用されている。階層メニューによる検索を行うために、各コンテンツはタグ情報等に基づき分類されている。また、各分類は階層化されている。例えば、コンテンツが楽曲の場合、各楽曲はジャンル、アーティスト、アルバム等のタグ情報に基づき分類されている。そして、各分類は、最上位層から順にジャンル→アーティスト→アルバム→楽曲のように階層化されている。
【0003】
図10は、所望の楽曲を階層メニューで選択する場合の画面遷移の従来例を示す図である。まず、図10(a)に示すトップメニュー画面を表示する。そして、トップメニューに表示されている複数の検索項目の中から、検索したい項目(ジャンル、アーティスト、アルバム、楽曲の何れか1つ)をユーザが選択する。すると、選択された検索項目の内容を示す一覧画面が表示される。例えば、検索項目としてアーティストを選択すると、図10(b)のように、複数のアーティスト名の一覧画面が表示される。
【0004】
次に、図10(b)のアーティスト名一覧画面において、ユーザが所望のアーティストを選択すると、図10(c)のように、選択されたアーティストの下位層に属する複数のアルバムを示すアルバム名一覧画面が表示される。ここで、ユーザが所望のアルバムを選択すると、図10(d)のように、選択されたアルバムの下位層に属する複数の楽曲を示す楽曲名一覧画面が表示される。そして、ユーザが所望の楽曲を選択すると、選択された楽曲の再生が開始される。なお、所望のアルバムを選択した段階で図示しない再生ボタンをユーザが押すと、選択されたアルバムに収録されている複数の楽曲の順次再生が開始される。
【0005】
ところで、このような階層メニューを用いて楽曲の検索を行う場合、ユーザは所望の楽曲を、どの分類に属しているのかを頭で考えながら上位層から下位層へと順にジャンル、アーティスト、アルバム等の項目を指定しながら探し出す。そのため、ユーザの記憶が曖昧で所望の楽曲がどのアルバムに収録されているのかが分からない場合、とりあえず何かのアルバムを指定して表示させた楽曲名一覧画面の中に所望の楽曲が含まれていないこともある。その場合は、上位層のアルバム名一覧画面に戻って別のアルバムを指定し直し、再指定したアルバムに関する楽曲名一覧画面の中に所望の楽曲があるかどうかを確認する。場合によっては、アーティスト名一覧画面まで戻って別のアーティストを指定し直したり、ジャンル一覧画面まで戻って別のジャンルを指定し直したりしながら、所望の楽曲を試行的に探し出す必要がある。
【0006】
このように、楽曲や映像等のコンテンツがタグ情報等に基づき分類され、当該分類が階層化されている場合、上位の階層と下位の階層との繋がりは理解しやすい。そのため、ユーザは階層間の繋がりを意識しながら階層メニューを操作して、所望のコンテンツを検索することができる。しかしながら、階層メニューの下位の階層で所望の項目やコンテンツが見つからない場合は、一旦上位の階層に遷移して上位層の一覧画面を表示させ、別の項目を指定し直さなければならない。そのため、ユーザによる操作が煩雑になり、面倒であるという問題があった。
【0007】
なお、最上位階層のフォルダ情報の一覧をインジケータ表示すると共に、インジケータ表示されたフォルダ情報の一覧から所望のフォルダ情報が選択される度に、この所望のフォルダ情報が属する階層の次の下位階層に含まれるフォルダ情報の一覧をインジケータ表示するようにした技術が存在する(例えば、特許文献1参照)。これによれば、階層間の繋がりを視覚的に見やすくユーザに提示することができる。
【特許文献1】特開2003−84877号公報
【0008】
また、記録媒体内にある各フォルダについて、異なる階層のフォルダに関する情報も互いに階層によらず相互に同列の形式でリスト表示するようにした技術も提案されている(例えば、特許文献2参照)。なお、同列の形式で表示しても階層間の繋がりが分かるように、各フォルダの情報は最上位層から該当階層までのフルパス名が表示される。この技術では、リスト表示された各フォルダの中からユーザが所望のフォルダを選択することで、選択されたフォルダ内に含まれる複数のファイルを、階層メニューで他のフォルダを選択するといった階層間の遷移を経ずに直接リスト表示することができる。
【特許文献2】特開2004−30116号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、階層間の繋がりは視覚的に理解しやすくなるが、階層メニューを操作して所望のコンテンツに辿りつくまでにユーザの行う操作が煩雑になるという問題は解消できない。すなわち、階層メニューの下位の階層で所望の項目やコンテンツが見つからない場合は、一旦上位の階層に遷移して別の項目を指定し直さなければならないことに変わりはない。また、特許文献1に記載の技術では、単にインジケータ表示をしているだけで、フォルダ名は表示していないので、今どのフォルダ情報を指定しているのかが分かりにくいという問題もある。
【0010】
一方、特許文献2に記載の技術は、ファイル管理システムに適用されるものである。これを階層メニューによるコンテンツの検索技術に応用するとした場合、ファイルに相当するコンテンツは最下位層にしか配置されないため、最上位層から最下位層より1つ上の階層までの項目名をフルパスで繋げた情報の一覧が同列の形式でリスト表示されることになる。例えば、上述した楽曲検索の場合は、ジャンル名、アーティスト名、アルバム名をフルパスで繋げた項目の一覧が同列の形式でリスト表示される。これは、アルバム名一覧をフルパスで表示したものに相当する。そして、所望のアルバムが選択されると、そのアルバムに含まれる楽曲を示す楽曲名一覧画面が表示されることとなる。
【0011】
このように、特許文献2の技術をコンテンツの階層メニュー検索に応用すれば、メニューの階層は2つ(楽曲検索の場合は、フルパスのアルバム名一覧画面と楽曲名一覧画面の2階層)だけになるので、階層遷移が少なくなる。しかしながら、楽曲名一覧画面で所望の楽曲が見つからない場合は、一旦上位階層に遷移してフルパスのアルバム名一覧画面を表示させ、別のアルバムを指定し直さなければならないことに変わりはない。ジャンル一覧画面やアーティスト名一覧画面まで上位層に戻る手間は省けるが、所望の楽曲を探す際に下位層から上位層に戻るケースの多くは、楽曲名一覧画面からアルバム名一覧画面の遷移である。特許文献2の技術を応用しても、この一番多く発生する階層遷移の手間は省略することができない。
【0012】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、階層メニューを操作して所望のコンテンツを検索する際に、階層間の項目の繋がりを視覚的に理解しやすくしつつ、階層間のメニュー遷移を行うユーザ操作の手間をなくして簡単に所望のコンテンツを検索することができることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記した課題を解決するために、本発明では、階層メニューの最下位層に当たるコンテンツ名と、最下位層以外の各階層のうち少なくとも1つの階層の項目名とを、それぞれの階層毎に独立して切り替え可能で、かつ、同じ階層内では所定の切り替え順に従って全てを順番に切り替え可能な検索項目として一画面に表示させる。そして、一の階層について検索項目の切り替え指示を受けたときに、当該切り替え指示された階層の検索項目の表示を切り替えるとともに、切り替え後のコンテンツ名または項目名に関連付けられた各階層のコンテンツ名または項目名に合わせて、切り替え指示されていない他の階層についても検索項目の表示を切り替えるようにしている。
【発明の効果】
【0014】
上記のように構成した本発明によれば、階層メニューを操作して所望のコンテンツを検索する際に、最下位層のコンテンツ名とそれより上位層の項目名とが一画面に同時に表示される。また、一の階層について検索項目の切り替え指示をユーザが行うと、当該切り替え指示された階層の検索項目が切り替えられるのに加えて、切り替え指示されていない他の階層の検索項目についても、必要に応じて連動して切り替えられる。例えば、上位層の検索項目が切り替えられたときは、それより下位に属する階層の検索項目も連動して表示が切り替えられる。また、下位層の検索項目が切り替えられたときに、切り替え前の下位層の検索項目に関連付けられた上位層の項目名と切り替え後の下位層の検索項目に関連付けられた上位層の項目名とが異なる場合には、当該上位層の検索項目も連動して表示が切り替えられる。これにより、階層間の項目の繋がりを常に視覚的に理解しやすい形で階層メニューをユーザに提示することができる。
【0015】
また、検索項目として表示されたコンテンツ名および項目名は、それぞれの階層毎に独立して切り替え可能で、かつ、同じ階層内では所定の切り替え順に従って全てを順番に切り替え可能であるので、コンテンツ名を切り替えたいときは最下位層の検索項目を直接操作する一方、項目名を切り替えたいときはその項目名に該当する階層の検索項目を直接操作することができる。これにより、階層間の項目の繋がりを視覚的に理解しやすくしつつ、階層間のメニュー遷移を行うユーザ操作の手間をなくして簡単に所望のコンテンツを検索することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態の階層メニューによるコンテンツの検索装置の機能構成例を示すブロック図である。図2は、本実施形態の検索装置を備えたコンテンツ再生装置の構成例を示す図である。図2に示すように、本実施形態のコンテンツ再生装置100は、コンテンツ検索装置10、操作部20、表示部30、楽曲データ記憶部40、楽曲データ再生部50およびスピーカ60を備えている。
【0017】
コンテンツ検索装置10は、複数のコンテンツから所望のコンテンツを階層メニューの操作によって検索するためのものである。本実施形態で検索対象とするコンテンツは、楽曲データ記憶部40に記憶されている楽曲データである。すなわち、本実施形態のコンテンツ検索装置10は、楽曲データ記憶部40に記憶されている複数の楽曲データの中から所望の楽曲データを検索して再生するために使用する。
【0018】
操作部20は、ユーザがコンテンツ検索装置10や楽曲データ再生部50に対して各種の指示を行うために使用するものであり、例えばリモコンやタッチパネル、あるいはハードウェアスイッチ等の入力デバイスにより構成される。表示部30は、コンテンツ検索装置10を使用して楽曲の検索を行う際に、メニュー画面などを表示する。
【0019】
楽曲データ再生部50は、楽曲データ記憶部40に記憶されている楽曲データの再生を行い、再生音声をスピーカ60に出力する。楽曲データ再生部50は、コンテンツ検索装置10により検索された楽曲を表す楽曲情報を当該コンテンツ検索装置10から受け取る。そして、操作部20の操作を通じて楽曲再生の指示を受けると、楽曲データ再生部50は、コンテンツ検索装置10から受け取った楽曲情報により示される楽曲データを楽曲データ記憶部40から読み出して再生し、その再生音声をスピーカ60に出力する。
【0020】
次に、コンテンツ検索装置10の機能構成を、図1を参照しながら説明する。図1に示すように、本実施形態のコンテンツ検索装置10は、その機能構成として、構造情報記憶部11、操作受付部12、検索項目表示部13および項目切替制御部14を備えている。
【0021】
構造情報記憶部11は、属性情報に基づき分類された複数のコンテンツに関する階層メニューを構成する各検索項目の階層関係を表す階層構造と、各階層における検索項目の切り替え順を表す順番構造とを構造情報として記憶している。上述のように、本実施形態で検索対象とするコンテンツは楽曲である。楽曲の検索項目は、その属性情報(タグ情報等)に基づいて、最上位層から最下位層まで順にジャンル→アーティスト→アルバム→楽曲のように階層化されている。
【0022】
構造情報記憶部11が有する階層構造は、階層メニューの最下位層に当たる楽曲名と、最下位層以外の各階層に当たる項目(ジャンル、アーティスト、アルバム)を示す項目名との階層構造を示したものである。また、構造情報記憶部11が有する順番構造は、最下位層における全楽曲名の切り替え順と、最下位層以外の各階層における当該各階層毎の全項目名の切り替え順を示したものである。
【0023】
図3は、構造情報記憶部11に記憶される構造情報(階層構造情報および順番構造情報を含む)の例を模式的に示した図である。図3において、横軸は階層構造を示し、縦軸は切り替えの順番構造を示している。図3に示すジャンル名、アーティスト名、アルバム名、楽曲名は全て、階層メニューの検索項目として使われる。
【0024】
まず、横軸の階層構造について説明する。例えば、楽曲名「a−001」〜「a−010」の10曲は、ジャンル「JAZZ」→アーティスト名「AAA」→アルバム名「A−aaa」→楽曲名「a−001」〜「a−010」という階層構造になっていることを示している。また、楽曲名「c−001」〜「c−012」の12曲は、ジャンル「JAZZ」→アーティスト名「AAA」→アルバム名「A−ccc」→楽曲名「c−001」〜「c−012」という階層構造になっていることを示している。他も同様である。
【0025】
次に、縦軸の順番構造について説明する。例えば、最下位層の全ての楽曲名「a−001」〜「a−010」、「c−001」〜「c−012」、「x−001」〜「x−011」、「z−001」〜「z−010」、「m−001」・・・、「n−001」・・・は、この順番(図3の縦軸方向に並んだ順番)で検索項目の表示が切り替えられることを示している。また、その上の階層に属する全てのアルバム名「A−aaa」、「A−ccc」、「F−xxx」、「F−zzz」、「J−mmm」、「J−nnn」・・・は、この順番(図3の縦軸方向に並んだ順番)で検索項目の表示が切り替えられることを示している。他も同様である。なお、縦軸の一番下の検索項目の次は一番上の検索項目に繋がっている。
【0026】
ここで、横軸の階層構造は、各楽曲に付されている属性情報に基づいて特定される。一方、縦軸の順番構造は、所定のルールに従って特定される。所定のルーツとは、アルファベットの昇順(楽曲名は例外的にトラック番号順)であってもよいし、楽曲の録音順であってもよい。図3は前者の例を示している。もちろん、これ以外のルールで検索項目の切り替え順を特定するようにしてもよい。
【0027】
図1に戻って説明する。操作受付部12は、操作部20に対するユーザの操作を受け付ける。具体的には、操作受付部12は、階層メニューによる楽曲の検索開始指示や検索項目の切替指示などに関する操作部20へのユーザ操作を受け付ける。操作部20は、例えばリモコンやタッチパネル等で構成されている。
【0028】
検索項目表示部13は、操作受付部12が階層メニューによる楽曲の検索開始指示を受けたときに、構造情報記憶部11に記憶されている階層構造情報に基づいて、検索対象となる複数の楽曲の一部(本実施形態では、何れか1つの楽曲)を示す楽曲名と、当該1つの楽曲に対して関連付けられた各階層の項目(ジャンル、アーティスト、アルバム)の少なくとも1つを示す項目名とをそれぞれ検索項目として表示部30の一画面(メニュー画面)に表示させる。
【0029】
図4は、検索項目表示部13によって表示部30に表示されるメニュー画面の例を示す図である。本実施形態では図4に示すように、検索項目表示部13は、1つの楽曲を示す最下位層の楽曲名と、当該1つの楽曲に対して関連付けられた各階層の項目を示す項目名(ジャンル名、アーティスト名、アルバム名)との全てを検索項目として一画面に表示させている。本実施形態では、操作受付部12が検索開始指示を受けたときに、ジャンル、アーティスト、アルバム、楽曲の何れの項目で検索するかをユーザに選択させるために検索トップメニューを表示させる従来技術(図10参照)とは異なり、楽曲名と各階層の項目名とを1つずつダイレクトにメニュー画面として表示する。
【0030】
検索開始指示を受けたときに最初に表示させる楽曲名は、例えば、構造情報記憶部11に記憶されている順番構造情報により示される切り替え順の最初の楽曲とする。図3の例では、楽曲「a−001」がこれに該当する。図4のメニュー画面は、この例に従ったものである。なお、最初に表示させる楽曲名は、この例に限定されない。例えば、いわゆるレジューム機能を利用して、前回の検索時に最後に表示していた楽曲名を内部メモリに記憶しておき、当該最後に表示していた楽曲名を今回の検索時の最初に表示させるようにしてもよい。
【0031】
図4のように表示された複数階層の検索項目は、左右のスクロールボタン21,22を押下することによって、それぞれの階層毎に独立して切り替えることが可能である。また、同じ階層内では、構造情報記憶部11に記憶された順番構造情報で示される切り替え順に従って、全ての検索項目を順番に切り替えることが可能である。例えば、最下位層では、全ての楽曲名「a−001」〜「a−010」、「c−001」〜「c−012」、「x−001」〜「x−011」、「z−001」〜「z−010」、「m−001」・・・、「n−001」・・・をこの順番で切り替えることが可能である。
【0032】
項目切替制御部14は、操作受付部12が一の階層について検索項目の切り替え指示を受けたときに、構造情報記憶部11に記憶されている構造情報に基づいて、切り替え指示された階層の検索項目(楽曲名または項目名)の表示を切り替えるように検索項目表示部13を制御する。また、項目切替制御部14は、切り替え後の検索項目に関連付けられた各階層の楽曲名または項目名に合わせて、切り替え指示されていない他の階層についても検索項目の表示を切り替えるように検索項目表示部13を制御する。
【0033】
例えば、操作受付部12が上位層の検索項目の切り替え指示を受け付けたときは、項目切替制御部14は、切り替え指示された階層の検索項目と、それより下位に属する階層の検索項目とを連動して切り替える。図4に示すようにメニュー画面が表示されている状態で、例えばアルバム名の検索項目について右スクロールボタン22が押下された場合、項目切替制御部14は、当該アルバム名の表示を「A−aaa」から次の「A−ccc」に切り替える。これと同時に、それより下位層の楽曲名の表示を「a−001」から「c−001」(アルバム「A−ccc」の先頭曲)に切り替える。
【0034】
また、操作受付部12が下位層の検索項目の切り替え指示を受け付けた場合、項目切替制御部14は、切り替え前の下位層の検索項目に関連付けられた上位層の項目名と、切り替え後の下位層の検索項目に関連付けられた上位層の項目名とが異なるか否かを判定する。そして、異なると判断した場合には、当該下位層の検索項目に加えて、上位層の検索項目も連動して表示を切り替える。例えば、メニュー画面に楽曲名「a−010」が表示されている状態で、楽曲名の検索項目について右スクロールボタン22が押下された場合、項目切替制御部14は、当該楽曲名の表示を「a−010」から次の「c−001」に切り替える。これと同時に、それより上位層のアルバム名の表示を「A−aaa」から次の「A−ccc」に切り替える。なお、このときアーティスト名およびジャンル名については変わりがないので、それぞれの表示は「AAA」および「JAZZ」のままである。
【0035】
図5〜図7は、本実施形態によるメニュー画面の遷移例を示す図である。図5は、アーティスト名をユーザ操作によって切り替えた場合の画面遷移例を示す図である。図5に示すように、メニュー画面にアーティスト名「AAA」が表示されている状態で、アーティスト名の検索項目について右スクロールボタン22が押下された場合、項目切替制御部14は、当該アーティスト名の表示を「AAA」から次の「FFF」に切り替える。これと同時に、それより下層のアルバム名の表示を「A−aaa」から「F−xxx」に切り替えるとともに、楽曲名の表示を「a−001」から「x−001」に切り替える。なお、このときジャンル名については変わりがないので、その表示は「JAZZ」のままである。
【0036】
さらに、メニュー画面にアーティスト名「FFF」が表示されている状態で、アーティスト名の検索項目について右スクロールボタン22が押下された場合、項目切替制御部14は、当該アーティスト名の表示を「FFF」から次の「JJJ」に切り替える。これと同時に、それより下層のアルバム名の表示を「F−xxx」から「J−mmm」に切り替えるとともに、楽曲名の表示を「x−001」から「m−001」に切り替える。また、ジャンル名の表示を「JAZZ」から「JPOP」に切り替える。
【0037】
図6は、アルバム名をユーザ操作によって切り替えた場合の画面遷移例を示す図である。図6に示すように、メニュー画面にアルバム名「A−aaa」が表示されている状態で、アルバム名の検索項目について右スクロールボタン22が押下された場合、項目切替制御部14は、当該アルバム名の表示を「A−aaa」から次の「A−ccc」に切り替える。これと同時に、それより下層の楽曲名の表示を「a−001」から「c−001」に切り替える。なお、このときジャンル名およびアーティスト名については変わりがないので、それぞれの表示は「JAZZ」および「AAA」のままである。
【0038】
さらに、メニュー画面にアルバム名「A−ccc」が表示されている状態で、アルバム名の検索項目について右スクロールボタン22が押下された場合、項目切替制御部14は、当該アルバム名の表示を「A−ccc」から次の「F−xxx」に切り替える。これと同時に、それより下層の楽曲名の表示を「c−001」から「x−001」に切り替える。また、アーティスト名の表示を「AAA」から「FFF」に切り替える。なお、このときジャンル名については変わりがないので、その表示は「JAZZ」のままである。
【0039】
図7は、楽曲名をユーザ操作によって切り替えた場合の画面遷移例を示す図である。図7に示すように、メニュー画面に楽曲名「a−011」が表示されている状態で、楽曲名の検索項目について右スクロールボタン22が押下された場合、項目切替制御部14は、当該楽曲名の表示を「a−011」から次の「a−012」に切り替える。このとき、ジャンル名、アーティスト名およびアルバム名については変わりがないので、それぞれの表示は「JAZZ」、「AAA」および「A−aaa」のままである。
【0040】
さらに、メニュー画面に楽曲名「a−012」が表示されている状態で、楽曲名の検索項目について右スクロールボタン22が押下された場合、項目切替制御部14は、当該楽曲名の表示を「a−012」から次の「c−001」に切り替える。これと同時に、それより上層のアルバム名の表示を「A−aaa」から「A−ccc」に切り替える。なお、このときジャンル名およびアーティスト名については変わりがないので、それぞれの表示は「JAZZ」および「AAA」のままである。
【0041】
次に、上記のようにように構成した本実施形態によるコンテンツ検索装置10の動作(コンテンツ検索方法)を説明する。図8は、本実施形態によるコンテンツ検索装置10の動作例を示すフローチャートである。図8において、まず操作受付部12は、階層メニューによる楽曲の検索開始指示を受け付けたかどうかを判定する(ステップS1)。操作受付部12が楽曲の検索開始指示を受けていないと判断した場合、処理はステップS1に戻る。
【0042】
一方、操作受付部12が楽曲の検索開始指示を受けたと判断した場合、検索項目表示部13は、図4に示すように、楽曲名および各階層の項目名を独立した検索項目として含むメニュー画面を表示部30に表示させる(ステップS2)。続いて、操作受付部12は、図4のように表示されたメニュー画面の各検索項目のうち、何れか一の階層の検索項目に対する切り替え指示を受け付けたかどうかを判定する(ステップS3)。操作受付部12が検索項目の切り替え指示を受けていないと判断した場合、処理はステップS6に進む。
【0043】
一方、操作受付部12が何れか一の階層の検索項目に対する切り替え指示を受けたと判断した場合、項目切替制御部14は、図5〜図7で例示したように、切り替え指示された階層の検索項目(楽曲名または項目名)の表示を切り替えるとともに、切り替え後の楽曲または項目に関連付けられた各階層の楽曲名または項目名に合わせて、切り替え指示されていない他の階層についても検索項目の表示を切り替えるように検索項目表示部13を制御する(ステップS4)。この項目切替制御部14による制御を受けて、検索項目表示部13はメニュー画面の表示を更新する(ステップS5)。
【0044】
その後、操作受付部12は、楽曲の検索終了指示を受け付けたかどうかを判定する(ステップS6)。検索終了指示は、操作部20のキャンセルボタン(図示せず)を押下するか、検索項目の選択状態を決定する決定ボタン(図示せず)を押下することによって行う。なお、例えば楽曲名の検索項目にカーソルを合わせて決定ボタンを押すと、そのカーソルによって選択された楽曲の再生が開始される。また、例えばアルバム名の検索項目にカーソルを合わせて決定ボタンを押すと、そのカーソルによって選択されたアルバムの下位層に属する複数の楽曲の順次再生が開始される。
【0045】
操作受付部12が楽曲の検索終了指示を受けていないと判断した場合、処理はステップS3に戻る。一方、操作受付部12が楽曲の検索終了指示を受けたと判断した場合、本フローチャートの処理を終了する。
【0046】
以上詳しく説明したように、本実施形態では、ジャンル名、アーティスト名、アルバム名、楽曲名といった各階層の検索項目を同一画面に1つずつ表示させている。そして、それぞれの検索項目を独立して切り替えられるようにするとともに、同じ階層内では所定の切り替え順に従って全てを順番に切り替えられるようにしている。これにより、楽曲名を切り替えたいときは最下位層の検索項目を直接操作する一方、アルバム名を切り替えたいときは下から2番目の階層の検索項目を直接操作することができる。同様に、アーティスト名を切り替えたいときは上から2番目の階層の検索項目を直接操作する一方、ジャンル名を切り替えたいときは最上位層の検索項目を直接操作することができる。これにより、階層間のメニュー遷移を行うユーザ操作の手間がなくなり、ユーザは簡単に所望の楽曲を検索することができる。
【0047】
また、本実施形態では、一の階層について検索項目の切り替え指示を受けたときに、当該切り替え指示された階層の検索項目の表示を切り替えるとともに、切り替え指示されていない他の階層についても検索項目の表示を必要に応じて連動して切り替えるようにしている。これにより、階層間の項目の繋がりを常に視覚的に理解しやすい形で階層メニューをユーザに提示することができる。
【0048】
なお、上記実施形態では、検索対象のコンテンツが楽曲である場合を例にとって説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、検索対象のコンテンツは、映像、テキスト、音声、画像、写真などであってもよい。
【0049】
また、上記実施形態では、各階層の検索項目を同一画面に1つずつ表示する例について説明したが、表示部30の表示スペースが許す範囲で、各階層の検索項目を同一画面にn個(nは2以上)ずつ表示するようにしてもよい。
【0050】
また、上記実施形態では、ジャンル名から楽曲名まで、階層化された項目の全てを検索項目として同一画面に表示する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、最下位層の楽曲名は必須として、それより上位層のアルバム名、アーティスト名、ジャンル名については、これらを全て検索項目として表示することは必須ではない。なお、検索項目として楽曲名と共に一画面に表示する項目名を1つとする場合、それは、楽曲名が表示される最下位層よりも1つ上の階層のアルバム名であることが好ましい。図10に示す従来技術において、所望の楽曲を探す際に下位層から上位層に戻るケースの多くは、楽曲名一覧画面からアルバム名一覧画面の遷移だからである。
【0051】
また、上記実施形態では、ジャンル名、アーティスト名、アルバム名および楽曲名を左右のスクロールボタン21,22によって1つずつ順送りしていく例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図9に示すように、左右のスクロールボタン21,22を押下したときに、切替可能な複数の選択項目を順に並べたポップアップメニューを表示させるようにしてもよい。このようにすれば、所望の楽曲をより効率的に探し出すことができる。
【0052】
その他、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその精神、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本実施形態の階層メニューによるコンテンツの検索装置の機能構成例を示すブロック図である。
【図2】本実施形態の検索装置を備えたコンテンツ再生装置の構成例を示すブロック図である。
【図3】本実施形態の構造情報記憶部に記憶される構造情報の例を模式的に示した図である。
【図4】本実施形態の検索項目表示部によって表示部に表示されるメニュー画面の例を示す図である。
【図5】本実施形態によるメニュー画面の遷移例を示す図である。
【図6】本実施形態によるメニュー画面の遷移例を示す図である。
【図7】本実施形態によるメニュー画面の遷移例を示す図である。
【図8】本実施形態によるコンテンツ検索装置の動作例を示すフローチャートである。
【図9】本実施形態によるメニュー画面の他の遷移例を示す図である。
【図10】所望の楽曲を階層メニューで選択する場合の画面遷移の従来例を示す図である。
【符号の説明】
【0054】
10 コンテンツ検索装置
11 構造情報記憶部
12 操作受付部
13 検索項目表示部
14 項目切替制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
属性情報に基づき分類された複数のコンテンツから所望のコンテンツを階層メニューの操作によって検索するようになされた階層メニューによるコンテンツの検索装置であって、
上記階層メニューの最下位層に当たるコンテンツ名および上記最下位層以外の各階層に当たる項目名の階層関係を表す階層構造と、上記最下位層における全コンテンツ名の切り替え順および上記各階層における当該各階層毎の全項目名の切り替え順を表す順番構造とを構造情報として記憶する構造情報記憶部と、
上記構造情報記憶部に記憶されている上記構造情報に基づいて、上記複数のコンテンツのうち一部のコンテンツを示すコンテンツ名および当該一部のコンテンツ名に対して関連付けられた各階層の項目名のうち少なくとも1つの項目名を、それぞれの階層毎に独立して切り替え可能で、かつ、同じ階層内では上記切り替え順に従って全てを順番に切り替え可能な検索項目として一画面に表示させる検索項目表示部と、
一の階層について上記検索項目の切り替え指示を受けたときに、上記構造情報記憶部に記憶されている上記構造情報に基づいて、上記切り替え指示された階層のコンテンツ名または項目名の表示を切り替えるとともに、切り替え後のコンテンツ名または項目名に関連付けられた各階層のコンテンツ名または項目名に合わせて、上記切り替え指示されていない他の階層についてもコンテンツ名または項目名の表示を切り替えるように上記検索項目表示部を制御する項目切替制御部とを備えたことを特徴とする階層メニューによるコンテンツの検索装置。
【請求項2】
上記検索項目表示部によって上記検索項目として一画面に表示される少なくとも1つの階層の項目名は、上記コンテンツ名が表示される最下位層よりも1つ上の階層の項目名であることを特徴とする請求項1に記載の階層メニューによるコンテンツの検索装置。
【請求項3】
上記検索項目表示部は、上記最下位層のコンテンツ名および上記最下位層以外の各階層の項目名の全てを上記検索項目として一画面に表示させることを特徴とする請求項1に記載の階層メニューによるコンテンツの検索装置。
【請求項4】
属性情報に基づき分類された複数のコンテンツから所望のコンテンツを階層メニューの操作によって検索する階層メニューによるコンテンツの検索方法であって、
上記階層メニューによるコンテンツの検索開始指示を受けたときに、上記複数のコンテンツのうち一部のコンテンツを示すコンテンツ名および当該一部のコンテンツ名に対して上記属性情報に基づき関連付けられた各階層の項目名のうち少なくとも1つの項目名を、階層毎に独立して切り替え可能で、かつ、同じ階層内では所定の切り替え順に従って全てを順番に切り替え可能な検索項目として一画面に表示させる第1のステップと、
上記第1のステップで表示された検索項目のうち一の階層の検索項目の切り替え指示を受けたときに、上記切り替え指示された階層のコンテンツ名または項目名の表示を切り替えるとともに、切り替え後のコンテンツ名または項目名に関連付けられた各階層のコンテンツ名または項目名に合わせて、上記切り替え指示されていない他の階層についてもコンテンツ名または項目名の表示を切り替える第2のステップとを有する階層メニューによるコンテンツの検索方法。
【請求項5】
請求項1〜3の何れか1項に記載の階層メニューによるコンテンツの検索装置と、
複数のコンテンツデータを記憶したコンテンツデータ記憶部と、
上記検索装置により検索されたコンテンツのデータを上記コンテンツデータ記憶部から読み出して再生するコンテンツデータ再生部とを備えたことを特徴とするコンテンツ再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−152970(P2010−152970A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−329354(P2008−329354)
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】