説明

障子閉鎖装置及び窓

【目的】 下端が竪枠下部に枢着され上端が竪框に枢着されたアームをリンク装置で移動して障子を閉めると、リンク装置には部分的に大きな力が発生する。これを解消する。
【構成】 窓枠1に障子2が四節連鎖機構で支持され、自然風力の風力により開度が変更され、無風時は多く換気され、風力に応じて換気量が減少する。強風時等に障子を閉める際にはアーム4に一端が枢着されたワイヤー8が障子引寄せ装置6に設けた滑車36,37に巻掛けて垂下している。ワイヤー8の下端側は連動桿5に連結されている。図外のハンドル装置で連動桿5を下降させると障子2は締る。ワイヤー8には大きな力が加わらない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はすべり出し窓、突き上げ窓、自然風力換気窓等の開窓時窓枠から外部へ突き出したアームで支持される窓の障子閉鎖装置及び窓に関する。ここで自然風力換気窓とは内気の状態と外気により生ずる障子に加わる風力の状態によって自然に障子が開閉して換気が行われる窓のことをいう。
【背景技術】
【0002】
突き上げ窓は窓枠の竪枠にピンで障子の上部が枢着されて、外へ突き出される。障子の竪框にピンで上端が枢着されたアームの下端はアームに設けた長穴が竪枠に設けたピン又はローラに嵌合している。
【0003】
この障子を開閉するために一端が下框にボールジョイントで枢着されたロッド、一端が垂直方向の軸で開閉駆動装置に連結されたアームの夫々の他端をボールジョイントで連結したくの字アームが設けられている。
【0004】
このようにくの字アームにより障子を室内側へ引き寄せながら、ロック機構にて閉鎖する。また、障子開放はロック機構を解除してからくの字アームを延ばすことによる。障子開閉装置は開閉駆動装置を窓枠の下枠に室内側に出張るように設けている。
【0005】
従って、くの字アームが常時露出しているため意匠性に欠ける。かつくの字アームは汚れやすく清掃し難い。開閉駆動装置は下枠から室内側へ出張るので、部屋に突出物が突出してしまう形となる。従って、窓にくの字アームと開閉駆動装置を用いると、連設される窓から突出物が室内側に並列するので室内全体の意匠を損ねる。また、自然風力換気窓では障子開閉装置は障子開放時は障子の開閉を邪げてはならないのでくの字アームを解除するか開閉駆動装置をくの字アームと切り離し不作動とする必要がある。
【0006】
窓枠内にくの字アームがあるのでルーバ、ブラインドを設けたとしても下枠までルーバ、ブラインドを下せない。カーテンを設けると、裾が開閉駆動装置によりふくらんでしまい、カーテンの意匠を害する。
【0007】
上記のようなくの字アームを用いた障子開閉装置は回転すべり子機構を用いたすべり出し窓においても同様に用いられている。
【0008】
自然風力換気窓では無風で開窓し、正圧(外部側から窓に向って吹く風により障子に加えられる圧力)の風で閉窓する。しかし、強風で風力の消長が激しくなると障子は正圧の風で急速に閉る。また、負圧の風で障子は急速に開く。特に障子が急速に閉るときの発生音が大きい。そこで、通常は自然風力換気窓として機能可能とすると共に上記強風時には障子を閉鎖しておく障子閉鎖装置が設けてある。
【特許文献1】特開2004−68460号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、突き上げ窓、すべり出し窓、自然風力換気窓等のアームを用いて障子を支持する窓において、意匠上すぐれると共に室内側へ出張ることがなく、障子閉鎖状態において機構部が見えず窓枠と障子のみが見える障子閉鎖装置を提供することを目的として本発明者は更に開発をして更なる障子閉鎖装置を開発した(特願2006−175173号明細書)。
【0010】
この未公開の先行発明は竪枠に対して竪枠に沿って移動可能に設けられたスライドと、スライドに取り付けられてアームと係合しスライドが上昇するにつれてアームを引き寄せるアーム引寄せ装置と、を有し、
アーム引寄せ装置を竪框と竪枠間に設けた障子閉鎖装置である。
【0011】
そして、アーム引寄せ装置はスライドに水平軸で回転自在に支持され、端部にアームの外側に係合する引っ掛け部材を有するリンクと、竪枠に固定されリンクに接触し、スライドが移動する際にリンクの運動を引っ掛け部材が内外部方向に移動するように規制する規制ブロックと、を有する。
【0012】
ところが、アームに加わる力、アームと規制ブロック間に生ずる接触圧を低くすることに設計上の制約がある。
【0013】
本発明は各部に小さな力しか生じない障子閉鎖装置及び障子閉鎖装置を有する窓を提供することを目的とする。
【0014】
この未公開の先行発明は前記スライドに固定され竪枠に沿って移動自在に竪枠に案内される竪枠側ガイドバーと、下枠に沿って移動自在に下枠に沿って下枠に案内される下枠側ガイドバーと、竪枠と下枠のコーナーに沿って移動自在に設けられ一端が竪枠側ガイドバーに連結され他端が下枠側ガイドバーに連結された可撓性部材を有するコーナードライブと、を有する。このコーナードライブは周知のものである。可撓性部材を採用している。この可撓性部材はコーナーにおいて端部が直角方向を向いており、中間部がほぼ円弧形である。
【0015】
このような可撓性部材はガイド部材で案内されないと不定に彎曲して、可撓性部材両端の変位が不動に異なる。また、可撓性部材をガイド部材で案内すると、可撓性部材とガイド部材との間で大きな摩擦力発生し、大きな抵抗となる場合がある。
【0016】
本発明はコーナー両側における竪枠側のスライドバーと横枠側ガイドバーの変位が常に同一であると共に摩擦抵抗の小さな且つ組立性がよいコーナードライブを有する障子閉鎖装置及び障子閉鎖装置を有する窓を提供することを目的とする。
【0017】
従来、窓を閉めた際に窓をロックするのに締りハンドルが用いられている。締りハンドルは室内側へ突出しているので意匠上好ましくない。
【0018】
本発明は操作性にすぐれると共に意匠上すぐれたハンドル装置及びハンドル装置を有する窓を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本出願に係る第1の発明は部屋又は建屋の外部に面して取り付けられる窓枠と、窓枠に納まり窓を閉めた状態と窓枠から外部へ向って開く障子を有し、
一端が竪枠に壁面に平行し水平な軸心で取り付けられ、他端が前記軸心よりも上方で竪框の中間部に前記軸心と平行な軸心で枢着されたアームを有する窓の障子閉鎖装置において、
アームの中間に一端が結合されて障子開放状態で見込方向の室内側に延びる巻掛伝動媒体と、
巻掛伝動媒体を室内側へ向って解除可能に引張る障子引寄装置と、
を有することを特徴とする障子閉鎖装置である。
【0020】
本出願に係る第2の発明は部屋又は建屋の外部に面して取り付けられる窓枠と、窓枠に納まり窓を閉めた状態と窓枠から外部へ向って開く障子を有し、
一端が竪枠に壁面に平行し水平な軸心で取り付けられ、他端が前記軸心よりも上方で竪框の中間部に前記軸心と平行な軸心で枢着されたアームを有する窓の障子閉鎖装置において、
竪枠に沿って移動自在に設けられた第1の連動桿と、
窓枠の横枠に沿って移動自在に設けられた第2の連動桿と、
竪枠と横枠のコーナーに設けられ各連動桿に結合されて各連動桿を連動するコーナードライブと、
第2の連動桿と連結され障子の下框に設けたラッチと係合可能な位置と、ラッチと係合しない位置とをとるラッチ受けと、
第1の連動桿と連結され第1の連動桿を下方に移動して解除可能にロックするハンドル装置と、
第1の連動桿又は第1の連動桿と共に移動する部材に設けられ第1の連動桿を上方に向って付勢する付勢部材と、
アームの中間に一端が結合されて室内側に向って延び窓枠に設けた滑車に巻掛けて、滑車から下方に向けて退出して他端が第1の連動桿に結合された巻掛伝動媒体と、
を有することを特徴とする障子閉鎖装置である。
【0021】
本出願に係る第3の発明は巻掛伝動媒体はワイヤーであることを特徴とする第2の発明に記載の障子閉鎖装置である。
【0022】
本出願に係る第4の発明はコーナードライブは竪枠と横枠との交叉部分に見込方向の軸を中心に回転可能に設けられた滑車と、
第1の連動桿に一端が結合されて垂下して滑車に巻掛けられ横枠に沿って延びて他端が第2の連動桿に結合された巻掛伝動媒体と、
巻掛伝動媒体に張力を加える方向に付勢する付勢部材と、
を有することを特徴とする第2又は3の発明に記載の障子閉鎖装置である。
【0023】
本出願に係る第5の発明は窓枠の竪枠と横枠に夫々移動自在に設けられた各連動桿を竪枠と横枠の仕口においてコーナードライブで連結した窓において、
コーナードライブは
竪枠に沿って移動自在に設けられた第1の連動桿と、横枠に沿って移動自在に設けられた第2の連動桿とに夫々両端が結合された巻掛伝動媒体と、
竪枠と横枠の仕口に配設された回動自在な滑車であって巻掛伝動媒体が巻き掛けられた滑車と、
巻掛伝動媒体に張力を与える付勢部材と、
を有することを特徴とする窓である。
【0024】
本出願に係る第6の発明は巻掛伝動媒体がワイヤーである第5の発明に記載の窓である。
【0025】
本出願に係る第7の発明は竪枠に移動可能に設けた連動桿を有する窓において、
連動桿と連動可能に設けた、穴又は凹部及び長穴を有する連動アームと、
連動アームの一方向の行程端において穴又は凹部に抜くことを可能に嵌合して連動アームをロックするピンを有するロック装置と、
長穴に嵌合して前記一方向と同方向に向う際に長穴端に接して連動桿を移動する駒を出力端とする直動部材と、
一端が竪枠側に回動自在な回動軸でもって支持され、竪枠側に沿って収納される収納位置と、収納位置から回動して連動桿を前記一方向に移動する回動方向に回動力を加える位置と、をとるハンドルと、
回動軸の回転を駒の直線運動に変換する運動変換部材と、
連動桿を他方向に付勢する付勢部材と、
を有し、
ハンドルを収納位置から回動すると、運動変換部材を介し駒が移動して連動桿を移動し、移動した連動桿の穴にピンが嵌合する、ハンドルを戻すと駒は長穴の一端側から遠のく、ピンを穴から抜くと連動桿は付勢部材に付勢されて復元することを特徴とする窓である。
【0026】
本出願に係る第8の発明は収納状態のハンドル先端と係脱可能なノッチを有するノッチ装置を連動アームに備え、ロック装置の解除と共にノッチがハンドルより離れることを特徴とする第7の発明に記載の窓である。
【0027】
本出願に係る第9の発明はノッチがハンドル先端を係止している際、ハンドル背部をばね力で加圧し、ノッチがハンドルより離脱するとハンドルを押し出すプッシャーを備えたプッシュ装置を有することを特徴とする第8の発明に記載の窓である。
【0028】
本出願に係る第10の発明は竪枠表面に設けたハンドルを収納するハンドル収納部であって、収納状態のハンドルの後端側につづいてハンドル先端よりも反対方向に開口部を有するハンドル収納部を有し、前記開口部を閉止するふさぎであって付勢部材により竪枠内より竪枠外側に向って付勢されていてハンドルがハンドル収納部に収納されている際前記開口部を閉塞し、ハンドルが回動する際にハンドルに押されて竪枠内に移動するふさぎを有する第7から第9の発明の何れか1つに記載の窓である。
【発明の効果】
【0029】
請求項1に係る発明によれば巻掛伝動媒体のアームとの結合位置を広い範囲に選択できるので、障子開閉のための巻掛伝動媒体の移動する長さ及び巻掛伝動媒体に加わる張力を適当に選択できる。巻掛伝動媒体は見込方向に引くだけでアームを引けるのでリンク装置によりアームを引くのに比べて部分的に大きな力が加わる物がない。巻掛伝動媒体の移動量を小さく選べるので設計の自由度が大きい。
【0030】
請求項2に係る発明によれば巻掛伝動媒体がアームを引く力を第1の連動桿に加えればよいので、第1の連動桿を作動させるハンドル装置、コーナードライブ、ラッチ受けを移動させる部材を小さく設計できる。
【0031】
請求項3に係る発明によれば、巻掛伝動媒体がワイヤーであることにより、細く強くできる。また、耐久力がある。
【0032】
請求項4に係る発明によれば第1、第2の連動桿の間の運動方向変換が効率よく行われる。
【0033】
請求項5に係る発明によれば第1、第2の連動桿の間の運動方向変換が効率よく行われ、巻掛伝動媒体に張力を与えられる窓を提供できる。
請求項6に係る発明によれば巻掛伝動媒体がワイヤーであることにより、細く強くできる。従って、滑車を小さくできる。そこで仕口のように空間のせまい処に滑車を設置できる。
【0034】
請求項7に係る発明によればハンドルを収納位置から作動して連動桿を一方向に引いてロックした後に、ハンドルを収納位置に戻すことができる。ロック装置を解除すると、連動桿は付勢部材で他方向に向って移動するがハンドルはほぼ収納状態(人の指を掛け得る程度外側に出ている)のままである。そして、その後にハンドルを収納位置近くから引いて同様に連動桿を一方向に引けるので操作性にすぐれる。
請求項8に係る発明によればハンドルを収納状態としたときに、ハンドルを操作できず、ロックを解除して初めてハンドルを操作できる。
【0035】
請求項9に係る発明によればロック解除と共にハンドルが押し出されるので操作性がよい。
【0036】
請求項10に係る発明によれば開口部は常に閉塞されているので、異物を誤って開口部内へ入ったりすることがない。
【実施例】
【0037】
以下、図面を用いて本発明の適用される実施例を説明する。
【0038】
先ず、本発明の適用される自然風力換気窓について説明する。
【0039】
この実施例は左右対称の2連窓に適用した列を示している。図4では右側の窓は図略してある。実施例の説明は主として図4の左側の窓についてのべる。竪枠、方立、方立に取り付けるガイド部材、カバーは何れも竪方向の枠材である。この竪方向の枠材は竪枠と共通の名称でくくることができる。方立は左右の窓に共用される竪枠である。
(全体構成)
図4、図5は窓枠を内部側より見る正面図である。この自然風力換気窓(以下、窓という)Xは建屋の外部に面して取り付けられる窓枠1と、窓枠1に納まり窓を閉めた状態と窓枠1から外部へ向って開く障子2を有する。これらはアルミ押出型材を主たる材料として構成されている。窓枠1の両側の竪枠11又は方立11A(以下、特に区分を必要としない限り、方立11Aも竪枠11と称す)夫々と障子2の竪框21間にはメインアーム3とサブアーム4が配設されている(図1、図2参照)。メインアーム3は竪框21上部の側面に一端が枢着され、他端が前記一端よりも低い位置において竪枠11、方立11Aに枢着されている。メインアーム3は短い。サブアーム4は竪框21の中間部の側面に一端が枢着され、他端は竪枠11、方立11Aの下端に枢着されている。サブアーム4はメインアーム3よりも長い。
【0040】
上記窓枠1、障子2、メインアーム3、サブアーム4でもって夫々をリンクとする四節連鎖機構を構成している。
【0041】
サブアーム4と方立11Aの背部間にはサブアーム引寄せ装置6が配設されている。障子2の下框23と下枠13の間との間には障子2を締切るためのラッチ装置20Rが設けてある。
【0042】
この窓は操作部材であるハンドル装置25のプッシュボタン140を押すと障子2が開くことが出来る。これによって障子2は力学的なバランスにより後述するように外方に開く。そして、風により生ずる障子2の内外面に加わる風圧差によって障子2は開度を自動的に変える。ハンドル装置25の詳細は後述する。
(窓枠の構成)
図4、図5に示すように窓枠1は左右の竪枠11、方立11A、上枠12、下枠13を四方組みしたものであって建屋の外部に面して躯体に取り付けられる。また、障子2は左右の竪框21、上框22、下框23を四方組みした四方框にガラスGを固定してある。障子2はメインアーム3、サブアーム4を介して竪枠11、方立11Aに取り付けられている。
【0043】
アルミ押出し型材の方立11Aと竪框21は図6に断面が示されている。図6は窓の方立部分の水平断面図である。方立11Aは内周材11aの外部側先端にパッキン46を保持する断面溝形の条溝11bを有する。内周材11aの内部側は壁面に平行な板材11cを有する。内周材11aと板材11cの角は欠角とされアタッチ材となったカバー11nが係合する欠角条溝11gとなっている。板材11cの中央から外部側へ突出する高さの大きい突条11dの先端にはパッキン49を嵌合する条溝11eが設けてある。パッキン49は障子2を閉めた際に障子2の竪框21のパッキン当り部21fにパッキン49の弾力でもって接する。板材11c、板材11cに平行する板材11p及び板材11c,11pを結合する板材11fでもって中空部11hを設けてある。板材11fは内周材11aよりも方立11A内側に設けられ、条溝11jを構成している。板材11pに突条11iが室内側に向って立上っている。
【0044】
アルミ押出し型材のカバー11nは欠角条溝11g及び板材11pの縁11qに係止されている。カバー11nは断面コ字形であって方立11Aと同幅である。方立11A、カバー11nは図5に示すように窓Xよりも下方の床FLに達しており、併せて竪枠の一種をなしている。
【0045】
竪框21は内周材21a、外周材21b、室内側の内面材21c、室外側の外側内面材21dを方形にして中空部21eを形成している。なおここで内面材とはガラスGよりも内面にある材を意味している。外側内面材21dは外周へ向ってのびパッキン当り部21fを有する。パッキン当り部21fは障子2が閉った際にパッキン49と接して方立の場合の水密を計る。
【0046】
図7は窓Xを見込方向の垂直面で切った断面図である。パッキン46を取り付けるための方立11Aの条溝11bは窓枠1の上枠12、下枠13に設けた同様の条溝12c,13cと併せて外部側より見て方形に囲繞されている。そして各条溝11b,12c,13cを通じてパッキン46が嵌合している。そこで障子2を閉めると障子2の竪框21、上框22、下框23の室内に面する内面材21c,22a,23aがパッキン46に当接する。これによって障子2と窓枠1間の気密が計られる。内面材21c,22a,23aは障子2を閉めた際に壁面に平行な一平面上にある。
【0047】
障子2は内面材21c,22a,23aよりも外部側で内部側を向いた外側内面材21d,22bを有する。これらは障子2を閉めた際に壁面に平行な一平面上にある。
【0048】
障子2を閉めた際に上框22の外側内面材22bに当接するパッキン49が上枠12の戸当り材12bに設けた条構12dに嵌合している。条構11e,12dは見込方向から見て門形であり、パッキン49も同様に配設されている。
【0049】
障子2を閉めた際はパッキン49に障子2の竪框21、上框22の外側内面材21d,22bが当接することにより障子2を閉めた際の水密を計っている。上記のように門形に密封することにより窓枠1と障子2間の雨水等の浸入防止を計っている。
【0050】
障子2を閉めると障子2の竪框21の外周材21b、外側内面材21dのパッキン当り部21fと方立11Aの内周材11a、板材11c、突条11dで囲まれた上下方向に長い空間Sが出来る。この空間Sにメインアーム3、サブアーム4が収容される。空間Sは下框23と下枠13間の空間S2を介して外部側に通じている。
【0051】
図7に示すように下枠13は下枠本体13Aにアタッチ材となった付加下枠13Bを有する。これらは何れも竪枠11、方立11Aに衝接固定される。即ち、下枠13と竪枠11、方立11Aは竪方向部材勝に仕口が構成されている。方立11Aは窓Xよりも下方へ延在する。方立11Aの下方へ延在する部分の内部側より見る正面は壁面WA(図5参照)である。尚、窓Xの下に他の窓を連結し、段窓にすることもできる。
【0052】
図6に示すようにカバー11nはコ字形断面である。カバー11nを方立11Aに取り付けるにはカバー11nをわずかに斜めにはほぼ垂直にして室内側より外方へ向って板材11pの縁11qに押し込むと、縁11qは丸められているので嵌合縁11k,11k間が縁11q,11qにより拡大され、嵌合縁11kに設けた突条11k1が縁11qを乗り越えるので縁11qは嵌合縁11kの傾斜部11k2に当る。そこでそのままカバー11nを外方へ押すと傾斜部11k2の終端が縁11qの外部側に嵌合すると共に嵌合縁11kの先端は方立の欠角条溝11gに嵌合する。
【0053】
そのままカバー11nが垂直になるように押し込むとカバー11nは方立11Aに係止される。
【0054】
図7に示す付加下枠13Bは下枠本体13Aに嵌合部13aで嵌合している。付加下枠13Bには上方に向って開口する条溝13bが設けてある。この条溝13bには後述する連動桿が条溝13bに沿って移動自在に嵌合する。
【0055】
サブアーム4は障子2を閉めた状態で空間Sに納められている。サブアーム引寄せ装置6はカバー11n内に収容されている。
(ガラスの取付構成)
図7に示すようにガラスGは障子2の上框22、下框23の外側の外側材22d,23bの内部側の上下に対向したガラス溝40に嵌まり込んで、ガラス台41上に置かれ、ガラスGの内外面と上框22、下框23に圧入されたシール材42により上框22、下框23に固定されると共に密封されている。なお、竪框21と方立11A、図示されない竪枠11との間はガラスGの縁と外側内面材21d(21f)の間に配設され、ガラスG及び外側内面材21d(21f)に接着固定されたシール材42によりガラスGの縁が竪框21と竪枠側の竪框に固定されている。
(メインアームの取付構成)
メインアーム3は空間S内に設けられる。
【0056】
図1、図2に示すように障子2の竪框21の端部上にはメインアーム取付具14が固定してある。その取付具14は竪框21の外周材21bに当接する。
【0057】
メインアーム取付具14の上下方向の部材には壁面に平行な水平方向の中心線上にピン17が固定されている。ピン17にはメインアーム3の上端部の穴が回転自在に嵌合している。
【0058】
ここで、メインアーム取付具14はステンレス鋼製でできている。
【0059】
メインアーム3の下部はメインアーム枠側取付具18を介して竪枠11、方立11Aに枢着されている。この取付具18は方立11Aでは突条11dに当接して方立11Aに固定されている。竪枠11では突条11dと相当位置にある竪枠11の内周材(図示されない)に固定されている。
メインアーム枠側取付具18に固定された壁面に平行で水平方向の軸心を持つピン26にメインアーム3の下部の穴が回転可能に嵌合している。
【0060】
上記においてメインアーム枠側取付具18、ピン26はステンレス鋼製である。
【0061】
(緩衝ストッパー)
本例では障子2が閉っている際に、障子2の開きを容易にし、強風で閉ろうとする障子2の衝撃を緩和する緩衝ストッパーが設けてある。図1、図2に示すようにメインアーム3の下方すぐ下にはメインアーム3に平行するアーム15eを有する緩衝ストッパー15が縦枠11及び方立11Aに取り付けてある。
【0062】
図8、図9、図10は緩衝ストッパー15を示し、図8は側面図、図9は正面図、図10は平面図である。
方立11Aの突条11dに小ねじ15aで固定された枠側ブラケット15bには軸15cが回転可能に設けてある。軸15cは壁面に平行且つ水平方向を向いている。軸15cに外挿されたねじりコイルばね15dは一端が軸15cに係止され他端は枠側ブラケット15bに固定されている。ねじりコイルばね15dは枠側ブラケット15bの壁面に平行で水平方向の円穴15b1に嵌入している。軸15cに根本が固定されたアーム15eの先端には戸当りローラ15fが回転自在に設けてある。アーム15eは図8において反時計回りにばね15dにより付勢されている。
【0063】
図8においてアーム15e、戸当りローラ15fが2点鎖線の状態においてはねじりコイルばね15dは自由状態である。障子2が閉ってくると戸当りローラ15fに障子2の竪框のパッキン当り材21fが当接し、障子2が閉るにつれてアーム15eは図8において室内側(右方)へ移動し、障子2が完全に閉ると実線の位置となる。このとき、この緩衝ストッパー15は空間S内に納まっている。
【0064】
後述するように、サブアーム引寄せ装置6が解除されると障子2は自由に開けるが、このとき緩衝ストッパーがあるので障子2の開き始めに作用して仮に障子2の窓枠1への固着等があっても、開き始めのきっかけを与える。また、強風時に障子2が急速に閉じようとすると戸当りローラ15fが障子2のパッキン当り材21fに当り、ねじりコイルばね15dを次第に締め込むので強風時にバタンという障子の閉止音は緩和される。
【0065】
(サブアーム取付構成)
図1、図2に示すように障子2の竪框21の中間部分にはほぼたんざく状のサブアーム障子側取付具28が取り付けてある。この取付具28は竪框21の外周材21bに当接し、取付具28の穴を挿通する小ねじ28aを竪框21を挿通して外周材21bの裏側に設けた不図示の当板にねじ込み固定されている。当板はステンレス鋼製である。
【0066】
取付具28にサブアーム4の上端部が当接している。サブアーム4の上端部の穴を挿通してピン31がサブアーム障子側取付具28にねじ込まれている。ピン31にはサブアーム4の上端が回転自在に嵌合している。
【0067】
竪枠11、方立11Aの下部においてサブアーム枠側取付具32が内周材(方立の突条11d)、に当接している。この取付具32の穴を挿通する小ねじ32aは竪枠側では内周材を貫通して内周材の背面に設けた不図示の当板にねじ込まれている。方立11A側では突条11dの両側に夫々サブアーム取付具32を当接して、一方のサブアーム取付具32、突条11dを貫通する小ねじを他方のサブアーム取付具32にねじ込み固定してある(何れも図示されない)。
【0068】
サブアーム枠側取付具32は壁面に平行な水平方向の中心線でもってピン32bを一体に有する。ピン32bにはサブアーム4の下端の穴が回転自在に嵌合している。
【0069】
サブアーム4が外部側へ回動した際の回動限度を定めるために、サブアーム4が当接してそれ以上回転しないようにストッパー34が設けてある。このストッパー34はサブアーム枠側取付具32に一体又は溶着されており、サブアーム4の回動軌跡上へ突出している。
【0070】
(メインアーム、サブアームの取付位置)
本実施例のメインアーム3、サブアーム4の取付位置について説明する。
【0071】
図52、図53は摸式的に示す自然風力換気窓の見込方向縦断面図であり、図52は障子2が閉じた状態、図53は障子2が開いた状態を示す。
【0072】
力学的に説明するため、既述したピン17はメインアーム障子側支点3a、ピン26はメインアーム枠側支点3b、ピン31はサブアーム障子側支点4a、ピン32bはサブアーム枠側支点4bと表現する。
【0073】
図52に示すように障子2が閉じられている際は、障子2は直立している。そのときの障子2の重心CGは障子の上下方向のほぼ中心、ガラス面の室内側寄りにあり、この重心をとおり、壁面に平行な垂直平面PL上にメインアーム障子側支点3a、サブアーム障子側支点4aが位置する。そして、前記平面よりも室内側にメインアーム枠側支点3b、サブアーム枠側支点4bが位置する。ここで、メインアーム3が前記平面PLとなす角をθ1、サブアーム4が前記平面PLとなす角はθ2である。障子側支点3a,4aを中心として平面PLから反時計回りの夫々のアーム3,4のなす角を正角とすると、角θ1,θ2を正角とする。障子側支点3a,4aが障子重心をとおる平面PLよりも外部側にあっても差支えはないが、枠側支点3b,4bは室内側になければならない。上述において、角度θ1,θ2は何れも小さくθ1>θ2である。
【0074】
本例では障子2の重心CGはメインアーム障子側支点3a、サブアーム障子側支点4aよりも下方にある。このため、障子2が開いた状態におけるサブアーム4とサブアーム障子側支点4aをとおる垂線のなす角α2を小さくとれる。
【0075】
ここで、障子2が閉まった状態において障子2を開こうとする力についてみると、平面PL上に障子側支点3a,4aがある条件では障子2の重量Wは支点3a,4aには夫々W/2が加わる。そこで、支点3aに加わる荷重W/2をメインアーム3に沿う力とメインアーム3に直交する力に分解すると、メインアーム3に直交するする力はW/2・sinθ1となる。メインアーム3の長さ(支点3a,3b間の距離のこと)をL1とすると、障子2の荷重によりメインアーム3を枠側支点3bを中心にして外部側へ回転しようとするモーメントM1=L1・W/2・sinθ1となる。また、支点4aに加わる荷重W/2をサブアーム4に沿う力とサブアーム4に直交する力に分解すると、サブアーム4に直交する力はW/2・sinθ2となる。サブアーム4の長さ(支点4a,4b間の距離のこと)をL2とすると、障子2の荷重によりサブアーム4を枠側支点4bを中心にして外部側へ回転しようとするモーメントM2=L2・W/2・sinθ2となる。
【0076】
障子2が開くと、メインアーム3、サブアーム4は枠側支点3b,4bを中心にして反時計回りに回動して夫々ストッパー18a,34に当接して停止し、図2、図53(図53ではストッパーは図略)の位置となる。この無風状態では換気が行われる。
【0077】
障子2が開いてストッパー18a,34にメインアーム3、サブアーム4が当接した状態での力の均衡は次のとおりである。メインアーム障子側支点3aとサブアーム障子側支点4aとの水平距離をA、障子重心CGとメインアーム障子側支点3aとの水平距離をBとすると、サブアーム4の障子側支点4aに加わる垂直荷重をP2として、P2−P1=W、P2・A=BWであるから、P2=(B/A)・Wとなる。また、メインアーム障子側支点3aには障子2の重量に基づいて上向きの力が加わる。上向きの垂直荷重P1=W・(B−A)/Aである。そこで、この荷重P1のメインアーム3に直交する成分はメインアーム障子側支点3aを頂点とするメインアーム3と垂線のなす角をα1とすると、P1・sinα1=(W・(B−A)/A)・sinα1
そこで、障子2の上側はメインアーム枠側支点3bを中心としてM3=(W・(B−A)/A)・sinα1・L1なるモーメントが働き障子2の上側を閉めようとする力が生じている。
【0078】
ここでサブアーム障子側支点4aには障子2の重量に基づいて生ずる荷重は下向きであるのでサブアーム4には反時計回りのモーメントM4が生じ障子2が開く方向に働く。
【0079】
障子2を開こうとするモーメントM4は力P2の方向とサブアーム4のなす角をα2とすると、M4=P2・sinα2・L2ここで、L2はサブアーム4の支点4a,4b間の距離である。そして、M3<M4となるように設定されており、且つこれらの差を小さなものとしてある。それ故、無風時は、障子2が開いた状態で障子2が閉まる方向へ移動しないようになっている。
【0080】
上述のような点を勘案してメインアーム3、サブアーム4の長さ、支点3a,3b,4a,4b位置を設定する。
【0081】
このような設定により、無風時に障子2は閉めた位置から自然に緩やかに開く。そして、例えば、障子2の外部側から障子2面に交叉方向から風が吹き付けると風圧によって障子2は閉まる。その閉まり方は、図53においてメインアーム3が枠側支点3bを中心にして時計回りに回動し、サブアーム4は枠側支点4bを中心に時計回りに回動するものである。そこで、強い風であると障子2は閉ってしまう。然し乍ら微風の際は障子2は少し開いた状態であって外気は室内側へ吹き込む。この微風によっても障子2が閉まるのは、支点4aが障子重心CGよりも上にあって前記角α2が小さく、且つ、障子2の全面に加わる風力が室内側へ向う力となるためである。なお、且つメインアーム3が室内側へ向って回動しようとする釣合状態であるためである。
【0082】
障子2は開閉装置を付さないでも、窓の風力等で自然に開閉換気するものである。
【0083】
このような自然風力換気窓では暴風時は突風が吹き、外部側より室内側に向って障子2に急激な正圧が働いたり、風向きが変わって急に障子2に上記と逆に負圧が加わり閉まっている障子が急激に開いてしまうことが起る。そこで、暴風時とか強風時に備えて自然換気動作を邪げない障子閉鎖装置を設ける必要がある。
【0084】
上述したサブアームを引き寄せることは障子閉鎖装置として有効である。サブアーム引き寄せ装置は
・ サブアームを引き寄せるだけで障子2を閉めることができる。
・ サブアームを引き寄せる際に引き寄せ力を加える位置を選択できるので引き寄せ力と引き寄せ行程を選択でき設計の融通性がある。従来例のように障子の下框を引き寄せると大きな行程が必要となる。
・ 障子の竪框と窓枠の竪枠間に納めることができるので窓の美観を障子閉鎖装置によって損なわれない。
・ 一棟の建物に対して多数の自然風力換気窓を設ける場合を考慮すると、障子を付された窓枠に対して障子閉鎖装置を総て工場で取り付けられるので生産性が高い。
(サブアーム引寄せ装置)
サブアーム引寄せ装置は図11から図14に主要部が示されている。
【0085】
本例のサブアーム引寄せ装置6は方立11Aに設けられ方立11Aの両側の障子2,2を同時に閉めることができる。
【0086】
方立11Aに配した竪方向に長い第1の連動桿5は後述の下方に設けるハンドル装置と連結されている。連動桿5を上下動自在に案内するガイド溝35aを備えたアルミ押出型材のガイド部材35が方立11Aの板材11p、突条11iに当接して方立11Aに固定されている。ガイド溝35aはガイド部材35と一体の突条35bと、ガイド部材35に設けた条溝35cに嵌着固定した案内ガイド条材35d(固定方法は図示されない)でもって広幅のT溝として構成されている。
【0087】
連動桿5はガイド溝35aに滑合するガイド部5aと条溝35cの開口部からわずかに外方へ出た平板状の他部材を取り付けるための取付部5bを有する。
【0088】
図11に示すようにサブアーム4の長手方向のほぼ中間部には方形板状のワイヤー連結金具7が小ねじ7aにより固定されている。
【0089】
図16、図17にワイヤー固定金具を示す。ワイヤー固定金具7にはワイヤー固定軸7bが固定されている。ワイヤー固定軸7bはワイヤー8を巻き付ける円筒形軸部7b1の一端につば7b2を有し、他端にワイヤー連結金具7にねじ込まれたおねじ部7b3を有する。図16に示すように、ワイヤー固定軸7bに一端側が巻き付けられたワイヤー8の先端をワイヤー8に重ねて、重ねた部分を固定用スリーブ8aをかしめてワイヤー8はワイヤー固定金具7に係止固定されている。
【0090】
図11から図14に示すようにワイヤー8はほぼ見込方向の室内側へ向い、第1の滑車36に時計回りに巻掛け第1の滑車36から退出した次に第2の滑車37に反時計回りに巻掛け、第2の滑車37から退出した後は連動桿5に係止されている。なお、ここで時計回りに巻掛けるとは図11において図示矢印イの方向にワイヤー8が移動する際に滑車36が時計回りに回転するように巻掛けることを指している。
【0091】
本実施例はワイヤー8としては撚線の極細ワイヤーを用いているが、単線のワイヤーでもよく、ナイロン(商品名)糸、細いロープ、チエン、ベルト等巻掛伝動媒体ならば採用できるものである。
【0092】
図11から図14に示すように第1の滑車36、第2の滑車37は外部側に向って開口している中空の滑車ケース38に収容され回転自在に支持されている。
【0093】
図18から図20に滑車ケース38アセンブリを示す。滑車ケースは一側に有するフランジ38aをガイド部材35の取付枠部35eに当接し、フランジ38aの穴を挿通して小ねじ39をねじ込みガイド部材35に固定されている。滑車ケース38はフランジ38aと1体の平板の側板38b、側板38bに対向する側板38cを有する。固定軸51,52は側板38bの穴に丁度嵌合する大径軸部51a,52aを一端に有する。大径軸部51a,52aから縮径した摺動軸部51b,52bの端部は側板38cに丁度嵌合している。
【0094】
摺動軸部51b,52bは夫々左右一対の第1の滑車36、第2の滑車37、左右一対の滑車間隔を保つカラー53,54、側板38cと第1の滑車36、第2の滑車37間の間隔を保つカラー55,56が設けてある。第1の滑車36とカラー55及び固定軸51の大径軸部51aとの間にはワイヤーガイド57が支持されている。ワイヤーガイド57は摺動軸部51bに嵌合している。ワイヤーガイド57は滑車ケース38に沿って設けてある。
【0095】
滑車ケース38は第1の滑車36の上部を蔽う天板38e、滑車36の周面側側部を蔽う背板38f、第1の滑車36、第2の滑車37の間のワイヤー8の張設部8bに沿って張設部8bを蔽う斜板部38gを有する。
【0096】
ワイヤーガイド57はその側板57aの穴57dが摺動軸部51bに嵌合している。側板57aは第1の滑車36の側面に近接している。そこで、後述の作用で示すようにワイヤー8の張力が緩んだ場合でも、ワイヤー8はワイヤーガイド57の側板57a、天板57b、背板57c、滑車ケース38の斜板38gが第1の滑車36回りでワイヤー8に近い位置にあるのでワイヤー8が第1の滑車36から外れ難くなっている。
【0097】
第2の滑車37を支持する摺動軸部52bにはワイヤーガイド58の側板58aの穴が嵌合している。ワイヤーガイド58の他方の側板58dはカラー56と他の第2の滑車37の間に挿入されている。側板58a,58d間は背板58bで結ばれている。
【0098】
背板58bは第2の滑車37の外周に接近しているため、第2の滑車37からワイヤー8は外れ難くなっている。
【0099】
図19に示すように固定軸51,52の端部にねじ込んだ小ねじ59は第1の滑車36、第2の滑車37、固定軸51,52、カラー53〜56、ワイヤーガイド57,58、滑車ケース38が仕組品として取扱う際に分解してしまうことを防止している。
【0100】
滑車ケース38は背板38fに前板38dが板面を接して水平断面コ字形であり、図20に示すように外方に向って開口している。この開口下方では滑車ケース38の側板38b,38cに両端が溶接で固定された基部61cを有するばね掛け61が設けてある。ばね掛け61は側板38b,38cをほぼ二等分する位置にばね掛けピン61aが設けてある。ばね掛けピン61aは軸線が見込方向を向いた円筒形で、周方向のばね掛け溝61bを有する。
【0101】
図11から図14に示すように上端がばね掛けピン61aのばね掛け溝61bに係止された引張コイルばね62の下端は円筒形のばね掛けピン63の周方向に設けたばね掛け溝63aに係止されて張設されている。
【0102】
図21から図23はばね掛けピン63及びワイヤー8の他端の他部材との連結状態を示している。
【0103】
ワイヤー固定金具本体64には見込方向を向いた上述のばね掛けピン63が設けてある。ワイヤー固定金具本体64には上下方向の貫通穴64aが設けてある。貫通穴64aには調整軸65がワイヤー固定金具本体64に対して上下方向に位置を調整可能に挿入されている。調整軸65は軸心に貫通穴65aを有する。ワイヤー8は貫通穴65aをゆるく挿通している。ワイヤー8の他端はワイヤー止め66の中心穴を挿通されワイヤー止め66をかしめてワイヤー8と一体的としてある。
【0104】
ワイヤー固定金具本体64にねじ込まれた小ねじ67でもって調整軸65を圧して調整軸65はワイヤー固定金具本体64に固定されている。
【0105】
後述のハンドル装置25に付設したロック装置132で連動桿5を下降限度位置に保持し障子2を閉めた状態で調整軸65を引いてワイヤー8に緩みがない状態として、ワイヤー止め66に調整軸65の下端を接した状態で小ねじ67をねじ込むことにより調整軸65はワイヤー固定金具本体64と一体的となり、ワイヤー8の位置はワイヤー8が張設された状態で容易に定まる。
【0106】
障子2を開いた状態でロック装置132を解除して連動桿5の上昇限度位置において、同様にワイヤー8のワイヤー固定金具本体64に対する位置を定めることができる。
【0107】
図23に示すようにワイヤー固定金具本体64は連動桿5に当接固定されている。即ち、ワイヤー固定金具本体64及び連動桿5を挿通する小ねじ68は連動桿5の背部に嵌合しているステンレス鋼製の裏板69にねじ込まれている。
【0108】
(連動桿中間部とコーナードライブの連結具)
図24から図26は連動桿5とコーナードライブ70との連結部を示す。図24に示すように連動桿5とコーナードライブ70との間には平面で見てコ字形のジョイント材71が設けてある。ジョイント材71のウエブは連動桿5に当接している。該ウエブを挿通する小ねじ72は連動桿5の裏に嵌め込まれた裏板73にねじ込まれている。ジョイント材71のフランジ部は方立11Aの板材11p、11cに設けた縦方向に長い長穴11p1,11c1を挿通して外部側へ突出している。長穴11p1,11c1の長さは連動桿5の上下動に伴って上下動するジョイント材71の移動範囲分だけ設けてある。ジョイント材71にはワイヤー固定ブロック74が溶着されている。上記において、ジョイント材71はステンレス鋼製、ワイヤー固定ブロック74は砲金製である。
【0109】
ワイヤー固定ブロック74には上下方向の貫通穴74aが設けてある。貫通穴74aには調整軸75がワイヤー固定ブロック74に対して上下方向に位置を調整可能に挿入されている。調整軸75は軸心に貫通穴75aを有する。ワイヤー80は貫通穴75aをゆるく挿通している。ワイヤー80の上端(一端)はワイヤー止め76の中心穴を挿通されワイヤー止め76をかしめてワイヤー80と一体的としてある。
【0110】
ワイヤー固定ブロック74にねじ込まれた小ねじ77でもって調整軸75を圧して調整軸75はワイヤー固定ブロック本体74に固定されている。
【0111】
障子2を閉めた状態で連動桿5が下降限度位置にあるとき、ジョイント材71、ワイヤー固定ブロック74は下降限度位置にある。この状態で、且つ後述のラッチが障子2をロックしている状態においてワイヤー80に緩みがない状態としてワイヤー止め76に調整軸75の上端を接した状態で小ねじ77をねじ込むことにより調整軸75はワイヤー固定ブロック74と一体となり、ワイヤー80の位置はワイヤー80が張設された状態で容易に定まる。
【0112】
上述したようにワイヤー8は方立11Aの室内側をとおり、ワイヤー80は方立11Aの見込方向の中間部をとおるようにこれらを結合するオフセット部材としてジョイント材71が設けてある。
【0113】
(コーナードライブ)
図27から図29はコーナードライブを示す。前述した垂下するワイヤー80は滑車81に90度巻き掛けられて下枠13に沿って延びている。
【0114】
滑車81を回転自在に支持する丸軸の固定軸82は見込方向を向いている。固定軸82は溝形のワイヤーガイド83aのフランジに両端が嵌合し支持されている。ワイヤーガイド83aのウエブに溶接して固定された取付ケース83bは方立の突条11dに当接している。取付ケース83b部分は小ねじ84により方立11Aに固定されている。ワイヤーガイド83aと、取付ケース83bで取付ブラケット83を構成している。取付ケース83bは図27に示すようにL形をしており、水平方向のフランジは下枠13に小ねじ85により固定されている。
【0115】
ワイヤーガイド83aはそのフランジが滑車81の端面に接し、そのウエブがワイヤー80の滑車81への巻掛け部分の一部に接近している。また、取付ケース83bの下枠13への取付側はワイヤ80の滑車81への巻掛け部分に接近している。これらによってワイヤー80が滑車81から外れないようになっている。
【0116】
ワイヤー80の他端は小ねじ86に巻き付けてある。小ねじ86はジョイント板87、第2の連動桿95(後述)を挿通して裏板88にねじ込まれている。ジョイント板87と裏板88でもって下枠13に沿って移動自在に設けた連動桿95を挟持して小ねじ89をジョイント板87、連動桿95を挿通して裏板88に固定してある。なお、連動桿95の形状は連動桿5と同様な断面をしている。
【0117】
(ラッチ装置)
図4に示すラッチ20回りにはラッチ装置20Rが設けてある。ラッチ20は下框23に設けられ、下框23の中央に位置する。
【0118】
図30から図33にラッチ装置20Rを示す。図33に示すように下枠13の付加下枠13Bの条溝13cには直動案内13dが嵌合している。直動案内13dの底板13d1は条溝13cの底板13eに接している。直動案内13dの底板13d1に当接するばね固定座92及び底板13d1を挿通して小ねじ93が下枠13の底板13eにねじ込まれている。
【0119】
図31に示すようにばね固定座92には、ばね掛け92aが設けてある。ばね掛け92aに一端が係止され、他端がばね掛け94aに係止されて引張コイルばね96が張設してある。ばね掛け94aを有するばね固定具94の座部94bは連動桿95に当接し、座部94bを挿通して小ねじ97が連動桿95を挿通して連動桿95の下面に接する裏板91にねじ込まれている。
【0120】
連動桿95は直動案内13dの上部の広幅T溝13d2に移動自在に嵌合している。連動桿95の幅方向の中間の平板部95aは該T溝13d2の上方へ向っての開口部13d3に丁度嵌合している。開口部13d3から平板部95aは外部へ直動案内13dの上面よりも少しく上に出ている。
【0121】
図32に示すように、連動桿95の平板部95aにラッチ受け101が当接し、ラッチ受け101の見込方向に長い長穴101a及び連動桿の平板部95aを挿通して連動桿95の背部に嵌合当接している裏板98に小ねじ99がねじ込まれている。従って、ラッチ受け101は見込方向に位置を調節可能に連動桿95に固定できる。
【0122】
図30、図31、図32は障子2が閉じられている状態におけるラッチ装置を示すものである。図30、図31ではラッチ受け101、連動桿95は左行端にある。
【0123】
ラッチ20はラッチケース20a、ラッチ爪20b、圧縮コイルばね20cを有する。ラッチケース20aの背板20a1にはラッチ爪20bの軸部20b1が移動自在に嵌合している。軸部20b1の下端は拡径されてばね座20b2となっており、ラッチケース20a内で上下方向に移動自在である。ばね座20b2よりも縮径した爪部20b3がばね座20b2に対して連設されている。ラッチケース20aの下端板は爪部20b3が上下動自在に案内される穴20a2を有する。
【0124】
ラッチケース20a内において軸部20b1には圧縮コイルばね20cが縮設してある。これによってラッチ爪20bは下方に付勢されており、上方へ向う推力により上方へ向う。
【0125】
図31に示すようにラッチケース20aは障子2の下框23の外周材23cの一部を削除した取付穴23dに入っている。取付穴23dの縁において外周材23cに取付板102が当接する。取付板102にはラッチケース20aの胴部の嵌入する穴102aが設けてある。外周材23cを挿通して皿小ねじ103が取付板102にねじ込まれる。また、ラッチケース20aの胴部下端に設けた取付フランジ20a3を挿通して皿小ねじ104が取付板102にねじ込まれている。
【0126】
図32に示すようにラッチ受け101に障子2が閉められた位置でラッチ爪20bを係止する係止面101bが設けてある。ラッチ爪20bは図32に示すように逆止可能に先端の背部20b4が斜設されている。障子2が開いて下框23が外部側にある状態から障子2が閉るとラッチ爪20bの背部20b4が接してばね20cのばね力に抗してラッチ爪20bが押し上げられるようにラッチ受け101にはカム面101cが設けてある。カム面101cの終端はカムトップ101dである。カムトップ101d続いて室内側へ向ってゆるく下る導入面101eが設けてある。
【0127】
図30に示すように係止面101b、カム面101c、カムトップ101d、導入面101eはラッチ受け101の先端側の左端に設けてある。従って、障子2が自然風力換気窓として作動している際は、作用の説明で明らかに示されるがラッチ受け101は図30の位置から右行しており、仮に強風で障子2が閉っても、ラッチ受け101とラッチ20のラッチ爪20bは係合し得ないので、自然風力換気窓としての機能はそのまま維持される。
【0128】
(ばね力)
サブアーム引寄せ装置6の引張りコイルばね(以下、単にばねという)62とラッチ装置20Rに設けた引張コイルばね(以下、単にばねという)96のばね力についてのべる。図11に示すように障子2が全開している際にはばね62のばね力は連動桿5を介して加わる抵抗に抗して縮んでいる。ばね62が縮むと、第1の滑車36とサブアーム4間のワイヤー8は張力なくほぼ直線状、またはわずかにたるんでいる状態である。このとき、連動桿5、ワイヤー80、連動桿95及びこれらの連結部材を介してばね固定具94は図31において右行端まで引かれ、ばね96は伸長している。このとき、下枠13に平行な方向において、ラッチ20とラッチ受け101は係合できない位置に離れる必要があり、ばね62と96のばね力はこの必要を満たす大きさである。もちろん連動桿5には後述のハンドル装置の抵抗を加えた抵抗が加わるものであり、ばね62のばね力はばね96のばね力よりもはるかに大きい。
【0129】
ばね96のばね力はワイヤー8に張力が加えられていない状態(後述のハンドル装置により連動桿5が引き下げられた下降限度位置に位置しているとき)で連動桿95を引いてワイヤー80に張力を与えることができるだけで足りる。
【0130】
(ハンドル装置)
図34から図40にハンドル装置を示す。方立11A、ガイド部材35、カバー11nは窓Xよりも下方へ延び床FLに達している。床上に立つ人が操作し易い高さにハンドル装置25が設けてある。ガイド部材35は図15に示したようにカバー11nの内側に沿う取付枠部35eを有する。取付枠部35eには台座109が当接し、台座109の取付フランジ109dを挿通して小ねじ112を取付枠部35eにねじ込み、台座109は取付枠部35eに固定されている。
【0131】
図39に示すように、台座109には見込方向の回動軸113が回動自在に設けてある。回動軸113の台座109から突出した一端113a側には図38に示すボス111aが嵌入固定されている(固定方法は図示されない)。ボス111aはハンドル111と一体又は一体的にハンドル111の根本に設けたブラケット111bに一体に設けてある。回動軸113の他端113bは拡径されて台座109の穴109aに嵌合している。回動軸113には平歯車114が固定してある。回動軸113と平行する台座109に設けた固定軸(図示されない)には平歯車114と噛合う平歯車115が回転自在に嵌合している。
【0132】
台座109には図38において右方の取付枠部35eに向って開口している凹部109bを有している。前述した歯車114,115は凹部109b内に納まっている。歯車115はラック116と噛み合っている。ラック116の歯は上下方向に並列している。ラック116が台座109内で所定の行程を移動できるように凹部109bの開口部に設けた上下方向に長い案内109cに嵌合している。
【0133】
図40に示すように、ラック116に一端117aが固定されたジョイント材117の他端117bは連動桿5に対して近接又は摺動可能な面117cを有する。ジョイント材117の面117cに直立して設けたピン118は連動桿5の長手方向に沿って設けた長穴5dに対して上下方向に移動可能に嵌入している。
【0134】
ピン118は上下に2本ある。ピン118が上下に2本(符号118a,118b)あることによってジョイント材117が上下に移動する際に長穴5dに拘束され、仮にピン118が1本だった場合にジョイント材117に加わり得る傾動する力が加わらない。
【0135】
図34、図37の状態(障子閉)では下側のピン118aは連動桿5に設けた長穴5dの下端5d1に接するかもしくは近接している。長穴5dの上端5d2は図34、図37の状態では上側のピン118bから上方へラック116の行程以上離れている。
【0136】
ハンドル111は障子2をハンドル111を用いて閉めた後は、元に戻してカバー11nの1側に設けた上下方向に長いハンドル収納穴11rに、この穴11rの下方を除いて、丁度納まる。この収納穴11rの縁とハンドル111の上縁と側縁とは微小隙間(例えば1ミリメートル)を有する。ハンドル111が収納穴11rに収納されている状態ではハンドル111の外部に面する面はカバー11nの側面からわずかに外部へ出ている。
図34に示すように障子2がハンドル装置により閉じられている状態ではハンドル111の先端に設けた受け金111cは上方に向って開口した凹部111dを有する。凹部111dは人の指が挿入できる大きさを有する。この凹部111dの縁にはノッチ119が係合している。これによってハンドル111は収納状態が保たれている。ノッチ119が上方へ向って後退するとハンドル111は手で回し得るが手掛りがない。なお、ノッチ119側の構成は後述する。
【0137】
(ハンドル)
図41に示すように主たる材料がステンレス鋼のハンドル111は先にのべたように根本側にブラケット111bを有し、ブラケット111bにボス111aを有する。ブラケット111bに一体に溶着されたハンドル柄111eは断面が中空の方形である。ハンドル柄111eは根本側でボス111aを越えて下方に向って延長部111fを設けてある。
【0138】
ハンドル柄111eの先端に固着されている受け金111cとハンドル柄111eに合成樹脂製の手掛け111gが固定されている。手掛け111gはハンドル柄111eに平行な板材111hからハンドル柄111eに向って斜設され表面に突条111iを有する斜板となった手掛り部111jを有する。突条111iは図41の紙面に直交している。受け金111cの凹部111dの底面を構成する底板111kの背面と、ハンドル柄111eの背面に接してアングル形状の補強材111nが溶着されている。図41の紙面に平行な板材が凹部111dの両側で板材111hに固定され凹部111dは図41において上方に向ってのみ開口している。
【0139】
(ハンドル背部のカバー部材)
図34から図35に示すようにカバー11nに設けたハンドル111を収納するハンドル収納穴11rの縁にはハンドル111を図36のように下方に回動した際にカバー11n内が見えないように且つカバー11n内に異物が入らないようにふさぎ材141が設けてある。ふさぎ材141はハンドル収納穴11rの縁に沿って開口縁のある箱状である。その底板141aは上側板141cよりも上方へのび延長部141bとなっている。この延長部141b上にはカバー11nの外部より見える表面に開の字が表示してある。底板141aはプッシュ装置121に沿って折曲して下方へ延び下端141dはボス111aの外周に接している。プッシャー122のとおる部分には底板141aに穴141eが設けてある。ふさぎ材141は底板141aに固定された脚部141fがガイド部材35の取付枠部35eに接して小ねじ142により取り付けられている。
【0140】
(プッシュ装置)
図41、図42はプッシュ装置121を示す。障子2がハンドル装置25で閉められた状態でノッチ119がハンドル先端の受金111cの縁111c1と係合している状態でハンドル111はプッシャー122に加圧されている。
【0141】
プッシャー122はガイド部材35の取付枠部35eに小ねじ123により固定されたハウジング124の円筒形の穴124a,124bにハンドル111の移動面内に沿ってハンドル111に向って進退可能に設けてある。プッシャー122は穴124aに滑合するピストン部122aと穴124bに滑合して外部へ突出するプランジ部122bと、後部にばね座122cを有する。ばね座122cとハウジング124の底板124d間には圧縮コイルばね125が縮設してある。
【0142】
図34においてノッチ119がハンドル111先端の受け金111cの凹部111dから上昇して受け金111cの縁111c1から離れると、プッシャー122は圧縮コイルばね125のばね力でハンドル111の背部を加圧してハンドル111を回動軸113を中心にして回動して押し出す。プッシャー122のピストン部122aがハウジング124の穴124a,124b間の段部124cに当接してプッシャー122は停止する。プッシャー122の停止位置においてハンドル111の先端の受け金111cの凹部111dはカバー11nの外側面よりも人の指を掛け得る程度外側に出ている。
【0143】
図34から図35に示すようにハンドル111がプッシャー122で開かれる際は、後述の作用で示すようにハンドル111が図34のようにケース11n内に収納されている状態における平歯車114,115間、平歯車115とラック116間の歯のバックラッシがなくなる範囲であり、ハンドルの回転角は小さい。
【0144】
(ロック装置)
図43から図46にロック装置が示されている。
【0145】
図45に示すように連動桿5にジョイント材126が当接し、ジョイント材126及び連動桿5を挿通して小ねじ127が連動桿5の背部に当接して設けた裏板128にねじ込まれ、ジョイント材126と連動桿5は固定されている。ジョイント材126は図45において逆L形の連動桿5に固定される第1材126aと連動アーム131に固定される第2材126bを小ねじ126cにて一体的としたものである。ジョイント材126には連動アーム131の上端が当接し溶接にて固定されている。連動アーム131はジョイント材126との固定部分から垂下している。
【0146】
図46に示すように連動アーム131はロック装置132のケース133を貫通している。ケース133は上下方向に長く水平断面が中空方形で端板133eを有する。両端板133eに連動アーム131を移動自在に案内する案内穴133aを有する。
【0147】
ケース133を貫通した後の連動アーム131は図47に示すようにノッチ119を保持するノッチケース134に取り付けたジョイント材135にライナー136を介して小ねじ137により固定されている。
【0148】
ハンドル装置はロック装置を有し、ロック装置にはノッチ装置が付設されている。ここでノッチ装置についてのべておく。
【0149】
(ノッチ装置)
図47から図49にノッチ装置が示されている。
【0150】
ノッチ119はノッチケース134に上下方向に出入り自在に嵌合しており、図示されないばねで下方へ向って付勢されている。ノッチ119の先端はハンドル111の受け金111cが図示矢印ロの方向に移動するとき受け金111cの縁111c1によってノッチ119がノッチケース134に押し込まれるように斜面119aを有する。受け金111cの縁111c1が斜面119aを通りすぎると、ノッチ119はノッチケース134から図示されないばねのばね力で受け金111cの凹部111dに突入しハンドル111を保持する。このときのハンドル111の外面とカバー11nの側面はハンドル111の外面をやや外側にしてほぼ同一平面上にある。
【0151】
図34、図35に示すようにハンドル収納穴11rの上縁側には透明アクリル板143が設けてある。図35のようにノッチケース134が下降してノッチ119がハンドル111の凹部111dに嵌入した状態で、ノッチケース134には透明アクリル板143を通じて見える「閉」の字が設けてある(図48参照)。透明アクリル板143は図49に示すようにブラケット144でもって取付枠部35eに支持されている。カバー11nには透明アクリル板143に一致する位置に透明アクリル板を有する開口11n2が設けてある。
【0152】
(続ロック装置)
図46に示すように中空のケース133はZ形鋼形の取付座138の一方のフランジに小ねじ139により固定されている。この固定はケース133の側板133cを挿通してケース133内で側板133cに接する裏板145に小ねじ139をねじ込んでなる。取付座138の他方のフランジはガイド部材35の取付枠部35eに当接して小ねじ137により固定されている。
【0153】
プッシュボタン140は略正方形の押圧面140a、押圧面140aを有する部分が固定され押圧面140aよりも小さい正方形のステム140c、ケース133に壁面に水平方向に移動可能に嵌合し上下方向に中空部が貫通している中空方形のスライド140d、スライド140dの内部に固定されたピン部140bを有する。ステム140cはケース133の穴133aに滑合している。スライド140dはケース133内にあってケース133の対向する前板133b、後板133dに接している。ピン部140bはスライド140dの側板140eの内側面に固定されている。ピン部140bは側板140eの穴140fに嵌入して、側板140eから突出した側板140eに対してかしめられた固定部140b1を有する。
【0154】
裏板145に設けた穴145aに大端が挿入されケース133の側板133cに着座した円錐形コイルばね146の小端はピン部140bの固定部140b1に挿入され、スライド140dの側板140eに接して縮設されている。
【0155】
プッシュボタン140は指でタッチする押圧面140aがカバー11nの外面からわずかに突出して略同一面となっている。このとき円筒形の長さの短いピン部140bが連動アーム131に設けた上下方向にやや長い長円形の凹部131aに嵌合している。なお、凹部に代えて同形の貫通穴でもよい。障子2が開いているとき、連動アーム131は引き延ばされて伸張状態とされた引張コイルばね62(図13、図14参照)のばね力で上方に向って付勢されている連動桿5により引き上げられていて、凹部131aの下側の側面にピン部140bが丁度接している。
【0156】
図43、図44の状態ではプッシュボタン140はばね146に押されて、ピン部140bが連動アーム131の凹部131aに嵌入していて、連動アーム131は下降限近くに有り、連動桿5のばね62による上方への付勢に抗して連動桿5を不動としている。
【0157】
プッシュボタン140をカバー11n内に向う方向にばね146のばね力に抗して押すと、プッシュボタン140は移動してそのピン部140bは連動アーム131の凹部131aから外れる。連動アーム131は連動桿5を上方へ付勢しているばね62(図13、図14参照)のばね力によって連動桿5と共に引き上げられる。このとき、連動アーム131に固定したノッチケース134も連動アーム131と共に上昇しノッチ119はハンドル111から離れる。そして、透明アクリル板143を通じて見えていたノッチケース134上に設けた文字「閉」はケース11n内に移動して、ふさぎ材141の延長部141bに設けた開の字は透明アクリル板143を通じて見える。これによって、障子2が閉の状態と開の状態を知ることができる。
【0158】
(ハンドル装置下方のふさぎ装置)
図50、図51にふさぎ装置を示す。本例ではハンドル111は垂直方向の位置から、カバー11nから先端が室内側に向って離れる方向に回動する。ハンドル111は回動軸113に対してカバー11nの内側にオフセットした位置にある。そこで、ハンドル111を先端が下方へ向って回動する際にハンドル柄111eはハンドル111がカバー11nの開口部であるハンドル収納穴11r(図34から図36参照)内に納まった状態におけるハンドル後端よりも、ハンドル収納穴11rは少なくともハンドル柄111eがカバー11n内に入り込むだけハンドル収納穴11rの下縁11r1を設ける必要がある。このハンドル収納穴11rの下縁11r1付近はハンドル111をハンドル収納穴11r内に収納した状態では開放状態である。そこで、ふさぎ装置が設けてある。
【0159】
図50、図51に示すようにガイド部材35の取付枠部35eにはアングル鋼形のブラケット148のフランジが当接し小ねじ147により固定されている。ブラケット148にピン150によりふさぎ151がブラケット148に揺動可能に取り付けてある。ピン150はカバー11nの裏面に接近して設けてある。ふさぎ151に植設されたばね取付軸152にはねじりコイルばね153が挿入されている。ばね153の一端はブラケット148に植設したばね受けピン154に接し、ばね153の他端はふさぎ151の背部に接している。ふさぎ151の表面151aはふさぎ151がハンドル収納穴11rの下部を覆った状態では、ハンドル111の外面とほぼ同一面にある。この同一面にふさぎ151を保つためにふさぎ151には当り面151bが設けてある。あたり面151bはハンドル収納穴の下縁11r1の内部側の面11n1に接する。
【0160】
上記においてハンドル柄111eと同様にふさぎ151はステンレス鋼製である。
ハンドル111がハンドル収納穴11r内に収容されている際にはハンドル111、ふさぎ151の外面は一平面上に有りケース11nからわずかに突出している。従って、体育館その他、人が多数出入りする際に壁面側に人がぶつかるおそれのある締りハンドルのような突出物がない。また、意匠上もすぐれた外観を呈する。また、ケース11nはハンドルの開閉にかかわらず各ふさぎ材でふさがれているのでケース内の装置は汚れ難く、また、ケース内に誤って物を落とすことがないので保守にすぐれる。
【0161】
図34においてハンドル111がハンドル収納穴11rに収納され垂直状態にあるとき、ふさぎ151はばね153のばね力で回動してハンドル収納穴11rの下方を塞いでいる。尚、この状態でふさぎ151をハンドル収納穴11r内に向けて押しても、ハンドル111下端の突起111pがふさぎ151の上端に当たり、ふさぎ151がハンドル収納穴11r内に回動することはない。
ロック装置132を解除して図35のようにハンドル111上部の受金111cが外部に出た後ハンドル111をカバー11nから外方へ図50において時計回りに回動すると本例では垂直位置から角θ=112.5度回動した位置でふさぎ151の上縁にハンドル柄111eが接する。
【0162】
更にハンドル111を回動するとハンドル柄111eはばね153のばね力に抗してふさぎ151をピン150を中心にしてカバー11n内へ向って図50において反時計回りに回動する。このときふさぎ151の上縁はハンドル柄111eに圧接して滑る。
【0163】
ここから、ハンドル111を反時計回りに回動するとふさぎ151の上縁はハンドル柄111e上を滑り乍、ふさぎ151はばね153のばね力でピン150を中心に時計回りに回動し、当り面151bがカバー11nの内部側の面11n1に当って停止する。
【0164】
上記動作中ふさぎ151はハンドル111の下方に生じているハンドル収納穴11r下方の開口部を終始閉止している。
【0165】
(全体作用のまとめ)
図1のようにハンドル装置25による障子2が閉った状態ではワイヤー8はサブアーム4を室内側に引寄せばね62は伸長している。連動桿5は下降限度位置にある。図30、図32に示すようにラッチ20はばね96(図4参照)のばね力で左行したラッチ受け101と係合しており、障子2は外方への移動を阻止されている。
【0166】
図44、図47に示すように連動桿5と共に下降した連動アーム131の穴131aにはロック装置のプッシュボタン140のピン部140bが嵌合しており、ばね62のばね力で上昇しようとする連動アーム131をロックしている。ノッチ119はハンドル111の先端と係合しハンドル111はカバー11nに沿ってカバー11n内に納められている。
【0167】
障子2を開くにはプッシュボタン140をばね146のばね力に抗して押すと、ケース133(図46参照)に案内されたプッシュボタン140、のピン部140bは連動アーム131の穴131aから抜ける。すると、ばね62はラッチ受け101を付勢しているばね96のばね力、及び連動桿5,95、連動アーム131とこれらの案内部材との摺動抵抗及びコーナードライブ70の滑車の回転抵抗等に抗して縮み、連動桿5、連動アーム131を引き上げる。このとき、連動桿5はその長穴5dがラック116に固定したジョイント材117に設けたピン118対(駒)に対して作用することなく上昇し、その長穴5dの下端は下側のピン118aに近接する。ノッチ119はハンドル111から外れる連動桿95、ラッチ受け101を図4の連窓の左側の窓において右行させる。ハンドル111はプッシュ装置121のプッシャー122に押され図35のように先端側がカバー11nからとび出す。このとき、平歯車114,115、ラック116の歯の噛み合いのバックラッシは歯の両側で入れ替る。
上記によって、ラッチ20とラッチ受け101は外れる。自然風力換気窓となっている窓の障子2はメインアーム3、サブアーム4に支持されて障子2の自重で外部側へ開く。竪枠11、方立11Aにピン32bでもって下端が枢着されているサブアーム4はピン32bを中心にして外方へ回動し、サブアーム4に結合してあるワイヤー8を引く。ワイヤー8は滑車36,37のガイドにより円滑に滑車36から見込方向へ移動する。このとき、障子2が仮に窓枠1側に固着していたとしても、緩衝ストッパー15が閉っている障子2を開く方向に付勢するので障子2は容易に開く。
【0168】
障子2が開いた状態では自然風力換気窓として障子2に加わる風力の消長に従って障子2は開度を変える。障子2の開度が小さくなるときは滑車36とワイヤー連結金具7間のワイヤー8は押されて、矢印イの方向に進み、滑車36を時計方向、滑車37を反時計方向に回転させて、滑車37から下方に垂下している部分は下方に向う。そして、ワイヤー8は調整軸65の貫通穴65aを緩く挿通しているため、抵抗少く下方へ向いワイヤー止め66は調整軸65の下端から下方へ離れる。
図2のように障子2が開いた状態から障子2を閉めるには図35のようにカバー11nから先端が外へ出ているハンドル111を回動する。ハンドル111を図35において反時計方向に回動すると、平歯車114はハンドル111と共に回転して平歯車115を回動する。平歯車115はラック116を下方へ向って移動させる。ラック116と共に連動アーム131、連動桿5はばね62のばね力に抗して下降し、連動桿5の上端に結合したワイヤー8の一端を引き下げる。ワイヤー8の他端は室内側へ向って移動し、サブアーム4を引き障子2は閉まる。このとき緩衝ストッパー15は障子2の竪框21に押されて室内側へ回動する。
連動桿5が下降するとき連動桿5に結合されているワイヤー80はばね96のばね力で引かれて張力を保っている。そしてラッチ受け101は図4においてばね96のばね力で左行してラッチ20と係合可能な位置に来る。そこで障子2が閉るとラッチ20とラッチ受け101は係合する。
【0169】
障子2が閉った後に、ハンドル111を元に戻すと平歯車114,115を介してラック116は上昇する。このとき、平歯車114,115、ラック116間のバックラッシはハンドル111を元に戻す方向のときに歯が移動する方向の背部側に生じている。そして、ラック116と共に上昇するピン118は連動桿5の長穴5d中を上昇して、下側のピン118aから長穴5dの下端は遠のく。ハンドル111は連動桿5、連動アーム131と共に降下したノッチ119に係止されハンドル111はカバー11nのハンドル収納穴11rに納まる。
【0170】
実施例はばね62を第1の連動桿5の上端位置に設けたが、ばね62は連動アーム131と第1の連動桿5の何れの個所に設けてもよい。
【0171】
ワイヤー80への張力を加えるばね96は、横枠に沿って設けられればよく、例えばワイヤー80の端部を止めている小ねじ86をばね96で引張ってもよい。
【0172】
実施例は自然風力換気窓についてのべたが一端が障子の竪框に枢着され他端が窓枠の竪枠に直接、又は竪枠に設けたすべり子に枢着されたアームを有する各種の突出し窓に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0173】
【図1】窓を見込方向の垂直面で切った縦断面図である(障子閉)。
【図2】窓を見込方向の垂直面で切った縦断面図である(障子開)。
【図3】窓の水平断面図である。
【図4】窓を内部側より見る正面図である。
【図5】壁面を室内側より見る正面図である。
【図6】障子を閉めた状態における方立の水平断面図である。
【図7】障子を閉めた状態における窓を見込方向の垂直角で切る縦断面図である。
【図8】緩衝ストッパーの側面図である。
【図9】緩衝ストッパーの正面図である。
【図10】緩衝ストッパーの平面図である。
【図11】サブアーム引寄せ装置の側面図である(障子開)。
【図12】サブアーム引寄せ装置の正面図である(障子開)。
【図13】サブアーム引寄せ装置の側面図である(障子閉)。
【図14】サブアーム引寄せ装置の正面図である(障子閉)。
【図15】方立位置における水平断面図である。
【図16】ワイヤー連結金具を示す側面図である。
【図17】図11の一部の平面図である。
【図18】滑車ケースの側面図である。
【図19】図18の正面図である。
【図20】図19の平面図である。
【図21】連動桿上部と滑車装置の下部の連結部を示す側面図である。
【図22】図21の正面図である。
【図23】図21の平面図である。
【図24】連動桿下部とコーナードライブの連結部の平面図である。
【図25】図24の側面図である。
【図26】図24の正面図である。
【図27】コーナードライブの正面図である。
【図28】図7の平面図である。
【図29】図7の側面図である。
【図30】ラッチ装置の平面図である。
【図31】ラッチ装置の室内側より見る正面図である。
【図32】図30のA−A断面図である。
【図33】図31のB−B断面図である。
【図34】ハンドル装置の正面図である(障子閉鎖状態)。
【図35】ハンドル装置の正面図である(障子閉→開)。
【図36】ハンドル装置の正面図である(障子開→閉)。
【図37】ハンドル装置の側面図である(障子閉鎖状態)。
【図38】ハンドル装置のハンドル操作部を示す正面図である。
【図39】図38の側面図である。
【図40】図38の平面図である。
【図41】プッシュ装置の一部断面で示す側面図である。
【図42】プッシュ装置の平面図である。
【図43】ロック装置の側面図である。
【図44】ロック装置の正面図である。
【図45】図44のC−C断面図である。
【図46】図44のD−D拡大断面図である。
【図47】ノッチ部を示す正面図である。
【図48】図47の側面図である。
【図49】図48の平面図である。
【図50】ふさぎ装置の正面図である。
【図51】ふさぎ装置の平面図である。
【図52】模式的に示す自然風力換気窓の見込方向縦断面図である。
【図53】模式的に示す自然風力換気窓の見込方向縦断面図である。
【符号の説明】
【0174】
A,B…水平距離
CG…障子の重心
G…ガラス
FL…床
PL…垂直平面 P1,P2…荷重
L1,L2…サブアームの長さ
M1,M2,M3,M4…モーメント
S,S2…空間
W…重量 WA…壁面
X…窓
α1,α2,θ1,θ2…角
1…窓枠
2…障子
3…メインアーム 3a…メインアーム障子側支点 3b…メインアーム枠側支点
4…サブアーム 4a…サブアーム障子側支点 4b…サブアーム枠側支点
5…連動桿 5a…ガイド部 5b…取付部 5d…長穴 5d1…下端 5d2…上端
6…サブアーム引寄せ装置
7…ワイヤー連結金具 7a…小ねじ 7b…ワイヤー固定軸 7b1…円筒形軸部 7b2…つば 7b3…おねじ部
8…ワイヤー 8a…固定用スリーブ 8b…張設部
11…竪枠 11A…方立 11a…内周材 11b…条溝 11c…板材 11c1…長穴 11d…突条 11e…条溝 11f…板材 11g…欠角条溝 11h…中空部 11i…突条 11j…条溝 11k…嵌合縁 11k1…突条 11k2…傾斜部 11n…カバー 11n1…内部側の面 11n2…開口 11p板材 11p1…長穴 11q…縁 11r…ハンドル収納穴 11r1…下縁
12…上枠 12b…戸当り材 12c,12d…条溝 12e…外側材 12f…条溝
13…下枠 13A…下枠本体 13a…嵌合部 13B…付加下枠 13b…条溝 13c…条溝 13d…直動案内 13d1…底板 13d2…広幅T溝 13d3…開口部 13e…底板
14…メインアーム取付具
15…緩ストッパー 15a…小ねじ 15b…枠側ブラケット 15b1…穴 15c…軸 15d…ねじりコイルばね 15e…アーム 15f…戸当りローラ
17…ピン
18…メインアーム枠側取付具 18a…ストッパー
20…ラッチ 20a…ラッチケース 20a1…背板 20a2…穴 20a3…取付フランジ 20b…ラッチ爪 20b1…軸部 20b2…ばね座 20b3…爪部 20b4…背部 20c…圧縮コイルばね 20R…ラッチ装置
21…竪框 21a…内周材 21b…外周材 21c…内面材 21d…外側内面材 21e…中空部 21f…パッキン当り部
22…上框 22a…内面材 22b…外側内面材 22d…外側材
23…下框 23a…内面材 23b…外側材 23c…外周材 23d…取付穴
25…ハンドル装置
26…ピン
28…サブアーム障子側取付具 28a…小ねじ
31…ピン
32…サブアーム枠側取付具 32a…小ねじ 32b…ピン
34…ストッパー
35…ガイド部材 35a…ガイド溝 35b…突条 35c…条溝 35d…ガイド条材 35e…取付枠部
36…第1の滑車
37…第2の滑車
38…滑車ケース 38a…フランジ 38b…側板 38c…側板 38d…前板 38e…天板 38f…背板 38g…斜板部
39…小ねじ
40…ガラス溝
41…ガラス台
42…シール材
46…パッキン
47…パッキン
49…パッキン
51…固定軸 51a…大径軸部 51b…摺動軸部
52…固定軸 52a…大径軸部 52b…摺動軸部
53…カラー
54…カラー
55…カラー
56…カラー
57…ワイヤーガイド 57a…側板 57b…天板 57c…背板部 57d…穴
58…ワイヤーガイド 58a…側板 58b…背板 58c…下板 58d…側板
59…小ねじ
61…ばね掛け 61a…ばね掛けピン 61b…ばね掛け溝 61c…基部
62…引張コイルばね
63…ばね掛けピン 63a…ばね掛け溝
64…ワイヤー固定金具本体 64a…貫通穴
65…調整軸 65a…貫通穴
66…ワイヤー止め
67…小ねじ
68…小ねじ
69…裏板
70…コーナードライブ
71…ジョイント材
72…小ねじ
73…裏板
74…ワイヤー固定ブロック 74a…貫通穴 74a1…大径部
75…調整軸 75a…貫通穴
76…ワイヤー止め
77…小ねじ
78…シール材
79…小ねじ
80…ワイヤー
81…滑車
82…固定軸
83…取付ブラケット 83a…ワイヤーガイド 83b…取付ケース
84…小ねじ
85…小ねじ
86…小ねじ
87…ジョイント板
88…裏板
89…小ねじ
91…裏板
92…ばね固定座 92a…ばね掛け 92b…座部
93…小ねじ
94…ばね固定具 94a…ばね掛け 94b…座部
95…連動桿 95a…平板部
96…引張コイルばね
97…小ねじ
98…裏板
99…小ねじ
101…ラッチ受け 101a…長穴 101b…係止面 101c…カム面 101d…カムトップ 101e…導入部
102…取付板 102a…穴
103…皿小ねじ
104…皿小ねじ
109…台座 109a…穴 109b…凹部 109c…案内 109d…取付フランジ 110a…ボス
111…ハンドル 111a…ボス 111b…ブラケット 111c…受金 111c1…縁 111d…凹部 111e…ハンドル柄 111f…延長部 111g…手掛け 111h…板材 111i…突条 111j…手掛り部 111k…底板 111n…補強材 111p…突起
112…小ねじ
113…回動軸 113a…一端 113b…他端
114…平歯車
115…平歯車
116…ラック
117…ジョイント材(直動部材) 117a…一端 117b…他端 117c…面 117d…ガイドブロック
118…ピン 118a,118b…ピン
119…ノッチ 119a…斜面
121…プッシュ装置
122…プッシャー 122a…ピストン部 122b…プランジ部 122c…ばね座
123…小ねじ
124…ハウジング 124a,124b…穴 124c…段部 124d…底板
125…圧縮コイルばね
126…ジョイント材 126a…第1材 126b…第2材 126c…小ねじ
127…小ねじ
128…裏板
131…連動アーム 131a…凹部
132…ロック装置
133…ケース 133a…案内穴 133b…前板 133c…側板 133d…後板 133e…端版
134…ノッチケース
135…ジョイント材
136…ライナー
137…小ねじ
138…取付座
139…小ねじ
140…プッシュボタン 140a…押圧面 140b…ピン部 140b1…固定部 140c…ステム 140d…スライド
140e…側板 140f…穴
141…ふさぎ材 141a…底板 141b…延長部 141b1…文字開 141c…上側板 141d…下端 141e…穴 141f…脚部
142…小ねじ
143…透明アクリル板
144…ブラケット
145…裏板 145a…穴
146…円錐形コイルばね
147…小ねじ
148…ブラケット
149…小ねじ
150…ピン
151…ふさぎ 151a…表面 151b…当り面
152…ばね取付軸
153…ねじりコイルばね
154…ばね受けピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
部屋又は建屋の外部に面して取り付けられる窓枠と、窓枠に納まり窓を閉めた状態と窓枠から外部へ向って開く障子を有し、
一端が竪枠に壁面に平行し水平な軸心で取り付けられ、他端が前記軸心よりも上方で竪框の中間部に前記軸心と平行な軸心で枢着されたアームを有する窓の障子閉鎖装置において、
アームの中間に一端が結合されて障子開放状態で見込方向の室内側に延びる巻掛伝動媒体と、
巻掛伝動媒体を室内側へ向って解除可能に引張る障子引寄装置と、
を有することを特徴とする障子閉鎖装置。
【請求項2】
部屋又は建屋の外部に面して取り付けられる窓枠と、窓枠に納まり窓を閉めた状態と窓枠から外部へ向って開く障子を有し、
一端が竪枠に壁面に平行し水平な軸心で取り付けられ、他端が前記軸心よりも上方で竪框の中間部に前記軸心と平行な軸心で枢着されたアームを有する窓の障子閉鎖装置において、
竪枠に沿って移動自在に設けられた第1の連動桿と、
窓枠の横枠に沿って移動自在に設けられた第2の連動桿と、
竪枠と横枠のコーナーに設けられ各連動桿に結合されて各連動桿を連動するコーナードライブと、
第2の連動桿と連結され障子の下框に設けたラッチと係合可能な位置と、ラッチと係合しない位置とをとるラッチ受けと、
第1の連動桿と連結され第1の連動桿を下方に移動して解除可能にロックするハンドル装置と、
第1の連動桿又は第1の連動桿と共に移動する部材に設けられ第1の連動桿を上方に向って付勢する付勢部材と、
アームの中間に一端が結合されて室内側に向って延び窓枠に設けた滑車に巻掛けて、滑車から下方に向けて退出して他端が第1の連動桿に結合された巻掛伝動媒体と、
を有することを特徴とする障子閉鎖装置。
【請求項3】
巻掛伝動媒体はワイヤーであることを特徴とする請求項2に記載の障子閉鎖装置。
【請求項4】
コーナードライブは竪枠と横枠との交叉部分に見込方向の軸を中心に回転可能に設けられた滑車と、
第1の連動桿に一端が結合されて垂下して滑車に巻掛けられ横枠に沿って延びて他端が第2の連動桿に結合された巻掛伝動媒体と、
巻掛伝動媒体に張力を加える方向に付勢する付勢部材と、
を有することを特徴とする請求項2又は3に記載の障子閉鎖装置。
【請求項5】
窓枠の竪枠と横枠に夫々移動自在に設けられた各連動桿を竪枠と横枠の仕口においてコーナードライブで連結した窓において、
コーナードライブは
竪枠に沿って移動自在に設けられた第1の連動桿と、横枠に沿って移動自在に設けられた第2の連動桿とに夫々両端が結合された巻掛伝動媒体と、
竪枠と横枠の仕口に配設された回動自在な滑車であって巻掛伝動媒体が巻き掛けられた滑車と、
巻掛伝動媒体に張力を与える付勢部材と、
を有することを特徴とする窓。
【請求項6】
巻掛伝動媒体がワイヤーである請求項5に記載の窓。
【請求項7】
竪枠に移動可能に設けた連動桿を有する窓において、
連動桿と連動可能に設けた、穴又は凹部及び長穴を有する連動アームと、
連動アームの一方向の行程端において穴又は凹部に抜くことを可能に嵌合して連動アームをロックするピンを有するロック装置と、
長穴に嵌合して前記一方向と同方向に向う際に長穴端に接して連動桿を移動する駒を出力端とする直動部材と、
一端が竪枠側に回動自在な回動軸でもって支持され、竪枠側に沿って収納される収納位置と、収納位置から回動して連動桿を前記一方向に移動する回動方向に回動力を加える位置と、をとるハンドルと、
回動軸の回転を駒の直線運動に変換する運動変換部材と、
連動桿を他方向に付勢する付勢部材と、
を有し、
ハンドルを収納位置から回動すると、運動変換部材を介し駒が移動して連動桿を移動し、移動した連動桿の穴にピンが嵌合する、ハンドルを戻すと駒は長穴の一端側から遠のく、ピンを穴から抜くと連動桿は付勢部材に付勢されて復元することを特徴とする窓。
【請求項8】
収納状態のハンドル先端と係脱可能なノッチを有するノッチ装置を連動アームに備え、ロック装置の解除と共にノッチがハンドルより離れることを特徴とする請求項7に記載の窓。
【請求項9】
ノッチがハンドル先端を係止している際、ハンドル背部をばね力で加圧し、ノッチがハンドルより離脱するとハンドルを押し出すプッシャーを備えたプッシュ装置を有することを特徴とする請求項8に記載の窓。
【請求項10】
竪枠表面に設けたハンドルを収納するハンドル収納部であって、収納状態のハンドルの後端側につづいてハンドル先端よりも反対方向に開口部を有するハンドル収納部を有し、前記開口部を閉止するふさぎであって付勢部材により竪枠内より竪枠外側に向って付勢されていてハンドルがハンドル収納部に収納されている際前記開口部を閉塞し、ハンドルが回動する際にハンドルに押されて竪枠内に移動するふさぎを有する請求項7から9の何れか1つに記載の窓。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【公開番号】特開2009−57789(P2009−57789A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−227614(P2007−227614)
【出願日】平成19年9月3日(2007.9.3)
【出願人】(000005005)不二サッシ株式会社 (118)
【Fターム(参考)】