障害物検知装置及びプログラム
【課題】障害物を精度良く検知することができる障害物検知装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】本発明に係る障害物検知装置は、乗り物から測定対象物までの距離を複数の測定点それぞれについて取得する距離取得手段と、前記距離取得手段が取得した各距離のうち、前記乗り物の形状に対応した位置にある1以上の測定点における距離に基づいて、所定の距離内における障害物の有無を検知する検知手段と、を備える。そして、検知手段は、前記1以上の測定点における距離のうち、前記所定の距離よりも近い距離が所定の数以上あった場合に、前記所定の距離内に前記障害物が存在することを検知する。
【解決手段】本発明に係る障害物検知装置は、乗り物から測定対象物までの距離を複数の測定点それぞれについて取得する距離取得手段と、前記距離取得手段が取得した各距離のうち、前記乗り物の形状に対応した位置にある1以上の測定点における距離に基づいて、所定の距離内における障害物の有無を検知する検知手段と、を備える。そして、検知手段は、前記1以上の測定点における距離のうち、前記所定の距離よりも近い距離が所定の数以上あった場合に、前記所定の距離内に前記障害物が存在することを検知する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、障害物を検知する障害物検知装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の技術として、例えば、特許文献1には、車両に設けられた、障害物を検知するためのセンサと、前記車両の駆動力および制動力を制御する車両制御手段と、前記車両の速度を検出する車速検出手段と、前記センサが、予め設定した減速判定範囲で障害物を検知した場合に、前記車両を減速させるための指令を前記車両制御手段に出力するとともに、前記車速検出手段での検出速度が大きいほど前記減速判定範囲を広く設定する障害物検知判断手段と、を備えている車両の障害物検知装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−267729号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1が開示する障害物検知装置では、減速判定範囲を検知速度に応じて変化させるだけなので、障害物を精度良く検知することが出来ない場合があった。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、障害物を精度良く検知することができる障害物検知装置及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の観点に係る障害物検知装置は、
乗り物から測定対象物までの距離を複数の測定点それぞれについて取得する距離取得手段と、
前記距離取得手段が取得した各距離のうち、前記乗り物の形状に対応した位置にある1以上の測定点における距離に基づいて、所定の距離内における障害物の有無を検知する検知手段と、
を備える。
【0007】
本発明の第2の観点に係る障害物検知装置は、
乗り物から測定対象物までの距離を複数の測定点それぞれについて取得する距離取得手段と、
前記距離取得手段が取得した各距離のうち、所定の位置にある1以上の測定点における距離に基づいて、所定の距離内における障害物の有無を検知する検知手段と、
を備え、
前記検知手段は、前記障害物が無いことを検知した場合、かつ、前記複数の測定点のうちの、下方領域内にある1以上の測定点における距離が所定の基準を満たす場合に、進行方向にある障害物を前記乗り物が乗り越えられることを報知する。
【0008】
本発明の第3の観点に係るプログラムは、
コンピュータに、
乗り物から測定対象物までの距離を複数の測定点それぞれについて取得する距離取得ステップと、
前記距離取得ステップで取得した各距離のうち、前記乗り物の形状に対応した位置にある1以上の測定点における距離に基づいて、所定の距離内における障害物の有無を検知する検知ステップと、
を行わせる。
【0009】
本発明の第4の観点に係るプログラムは、
コンピュータに、
乗り物から測定対象物までの距離を複数の測定点それぞれについて取得する距離取得ステップと、
前記距離取得ステップで取得した各距離のうち、所定の位置にある1以上の測定点における距離に基づいて、所定の距離内における障害物の有無を検知する検知ステップと、
を行わせ、
前記検知ステップは、前記障害物が無いことを検知した場合、かつ、前記複数の測定点のうちの、下方領域内にある1以上の測定点における距離が所定の基準を満たす場合に、進行方向にある障害物を前記乗り物が乗り越えられることを報知するステップである。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る障害物検知装置及びプログラムによれば、障害物を精度良く検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係る障害物検知装置の構成を示したブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る障害物検知装置のハードウェア構成を示したブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る障害物検知装置の測定対象物までの距離の測定を説明するための図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る障害物検知装置が搭載された車両がトンネルに進入しようとする様子を車両の横から見た図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る障害物検知装置が搭載された車両がトンネルに進入しようとする様子を車両の後から見た図である。
【図6】図4及び図5における場合の距離情報の内容を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る障害物検知装置が搭載された車両がトンネルに進入しようとする様子を車両の横から見た図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る障害物検知装置が搭載された車両がトンネルに進入しようとする様子を車両の後から見た図である。
【図9】図7及び図8における場合の距離情報の内容を示す図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る障害物検知装置が行う検知処理のフローチャートである。
【図11】図4及び図5等の場合における距離情報の二次元座標上の各測定点における各距離と予め設定されている衝突領域との関係を示す図である。
【図12】図7及び図8等の場合における距離情報の二次元座標上の各測定点における各距離と予め設定されている衝突領域との関係を示す図である。
【図13】距離情報の二次元座標上の各測定点における各距離と予め設定されている衝突領域との関係等を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る実施形態例について図面を参照して説明する。なお、本発明は下記の説明及び図面によって限定されるものではない。下記での説明及び図面によって示される構成等を適宜変更(構成要素の削除も含む)することができるのはもちろんである。また、以下の説明では、本発明の理解を容易にするために、公知の技術的事項の説明を適宜省略する。
【0013】
障害物検知装置100等の構成を図1及び図2を参照して説明する。障害物検知装置100は、車両1の機器140を制御する装置であり、車両1内に搭載される。
【0014】
障害物検知装置100は、情報供給部110と、制御部120と、記憶部130と、機器140と、を備える。障害物検知装置100は、情報供給部110と記憶部130と機器140とのいずれかを備えなくても良い。つまり、情報供給部110と記憶部130と機器140とのいずれかは、障害物検知装置100の外部にあってもよい。
【0015】
機器140は、例えば、ディスプレイ、ブザー、振動発生装置、又は、反力モータである。また、障害物検知装置100は、機器140を複数備えても良い。機器140は、制御部120によって制御され、所定の動作をする。ディスプレイは、LCD(Liquid Crystal Display)等からなり、制御部120の制御のもと、所定の情報を表示する。ブザーは、制御部120の制御のもと、所定の音を吹鳴する。振動発生装置は、ハンドル、運転席シート、アクセルペダル等の被振動部材に取り付けられ、制御部120の制御のもと、被振動部材を振動させる。反力モータは、制御部120の制御のもと、アクセルペダルの踏み込み方向とは逆方向に働く反力をアクセルペダルに発生させる。
【0016】
情報供給部110は、距離センサ111と、回転センサ112と、距離センサ113と、ECU(電子制御ユニット)115とを含む。距離センサ111と、回転センサ112と、距離センサ113と、は、ECU115の制御のもとで動作する。
【0017】
距離センサ111及び113は、それぞれ、例えば、車両1(自車)の前方および後方に取り付けられる。距離センサ111及び113は、測定対象物までの距離を測定するセンサである。距離センサ111及び113は、ECU115の制御のもと、どちらかが動作する。ECU115には、外部から、車両1が前進しているか、後進(バック)しているかを特定できる信号(例えば、車両1のギアを指定する信号)が供給されるので、ECU115は、この信号に基づいて、車両1の進行方向側のセンサを動作させる。例えば、車両1が前進している場合には、車両1の前方のセンサが動作する。
【0018】
距離センサ111又は113は、例えば、ECU115の制御のもと、縦横2次元に測定点を順次変化させ、測定点ごとに測定対象物までの距離を順次測定する。距離センサ111又は113は、前記で測定された距離のデータである距離データを、ECU115に順次供給する。距離センサ111又は113は、最初の測定点(例えば、図6の距離情報6における左上の測定点)から最後の測定点(例えば、図6の距離情報6における右下の測定点)まで測定を行ったら、再び前記の最初の測定点から測定を開始する。このように、距離センサ111又は113は、最初の測定点から最後の測定点までの測定を周期的に行う。距離センサ111又は113は、最初の測定点についての距離データ、及び/又は、最後の測定点についての距離データに、この距離データが最初又は最後の測定点についての距離データであることを示す付加データを適宜付加する。これによって、1周期分の距離データが把握される。なお、測定点の変化は、例えば、測定方向を変更することによって行われる。また、縦とは、鉛直方向であり、横は、水平方向である。
【0019】
距離センサ111及び113は、それぞれ、例えば、レーザ反射型のセンサによって構成される。このセンサは、図3のように、車両1の前方(又は後方)にレーザ光を出射するとともに、出射されたレーザ光のうち、測定対象物3で反射して戻ってくるレーザ光を受光する。このセンサは、レーザ光の出射から受光までの時間を計測することによって、車両1から測定対象物までの距離を測定するものである。そして、このセンサは、レーザ光を縦横2次元に時間経過に合わせて走査することで、縦横2次元に測定点を順次変化させる。
【0020】
回転センサ112は、車両1の走行距離等を計測するのに用いられる。回転センサ112は、ECU115の制御のもと、車両1の車輪の回転周期に応じた周期のパルス電気信号(回転数信号)を生成してECU115に供給する。
【0021】
ECU115は、車両1のエンジン等を制御する。ECU115は、距離センサ111又は113から順次供給される距離データを、ECU115内の記憶部で記憶する。ECU115は、最初の測定点から最後の測定点までの1周期分の距離データを記憶すると(例えば、前記付加データによって把握される。)、この1周期分の距離データを用いて、距離情報を表すデータ(距離情報データ)を生成する。この距離情報は、進行方向に見て、水平、垂直方向の二次元座標上の各所定点を各測定点として、各測定点における測定対象物までの距離を表した情報である。距離情報上の各測定点は、車両1の進行方向に見て、実際の各測定点の位置関係と当然同じになるように配置される。例えば、進行方向に見て、測定点が、左上から右上、一段下に下がって、右から左、また一段下がって左から右・・・・というように、右下まで順次移動する場合、前記の測定点もこの順及び位置関係で配置されることによって、各距離と各測定点の位置関係が同じになる。なお、これらは予め定められた取り決めに従って行われる。ECU115は、距離情報を順次生成していく。
【0022】
図4乃至6のように、車両1がトンネル5に入ろうとしている場合、生成される距離情報は、図6の距離情報6のようになる。なお、図6では、各測定点とトンネル5との位置関係を明瞭にするために、距離情報6とトンネル5とを重ねて表示した。両者は、図6のような位置関係になる。距離情報6は、各測定点を1以上の画素とする画像として扱うことができる。この場合、各測定点における距離は、画素の階調等で表される。また、距離情報6内の数字は、その測定点での、車両1から測定対象物までの距離である(単位は、メータ)。「−」は、トンネル5内部が測定点となっている部分であり、測定対象物が存在していないか、測定対象物が一定の距離以上離れていて遠い場合を示す。なお、測定点の数は、適宜決定される。また、実際の測定点は、ここでは、距離情報6で区分けされている領域(数字が記載されている領域)の中心に対応する。
【0023】
図7乃至9のように、車両1がトンネル7に入ろうとしている場合、生成される距離情報は、図9の距離情報8のようになる。他の説明は、図4乃至6での説明に準じる。
【0024】
また、ECU115は、回転センサ112から供給される回転数信号を取得し、取得した回転数信号におけるパルスの数を所定の期間毎にカウントし、走行距離を特定して走行距離を示す走行距離データを生成する。回転数信号のパルスの周期は、車輪の一回転の周期に応じた(同じ)周期になるので、走行距離は、パルスの数に車輪の円周の長さ(予め設定されているものとする。)を乗じることによって求まる。ECU115は、このような演算を回転数信号に応じて行うことによって、走行距離を算出する。そして、ECU115は、算出した走行距離を前記の所定の期間で割って、車両1の走行速度を算出する(走行速度データを生成する)。ECU115は、この処理を連続的に繰り返し行う。
【0025】
ECU115は、前記で生成した距離情報データ及び走行速度データを、例えば、CAN(Controller Area Network)に基づいて制御部120に供給する。
【0026】
なお、回転数信号、距離データ等は、ECU115を介さずに、又は、ECU115を介して、直接、制御部120に供給されてもよい。この場合、制御部120(距離取得部120a、走行速度取得部120b)が上記と同様の処理で、各データを生成することによって、これらデータを取得する。また、別途ECU115以外の装置を用いて、距離情報データ及び走行速度データを生成し、制御部120に供給してもよい。
【0027】
制御部120は、距離取得部120aと、走行速度取得部120bと、検知部120cと、を備え、例えば、入力ポート121と、CPU(Central Processing Unit)122と、RAM(Random Access Memory)123と、D/A(Digital/Analog)コンバータ124と、から構成される。本実施形態では、距離取得部120aと走行速度取得部120bと検知部120cとは、制御プログラムに従って処理を行うCPU122から構成される。
【0028】
入力ポート121には、ECU115から距離情報データ、及び、走行速度データが入力される。入力ポート121を介して供給されるデータは、RAM123に一時記録される。
【0029】
CPU122は、ROM(Read Only Memory)131が記憶する制御プログラムに従って、障害物検知装置100全体(特に、機器140)を制御する他、制御部120(距離取得部120a、走行速度取得部120b、及び、検知部120c)が行う検知処理を行う。このとき、CPU122は、必要に応じてROM131が記憶する各種データを用いる。また、CPU122は、RAM123に記録されたデータを用いる。
【0030】
RAM123は、CPU122が生成したデータ及びCPU122が使用するデータ等のデータを適宜記憶するメインメモリとして機能する。
【0031】
D/Aコンバータ124は、CPU122からRAM123を介して受け取ったデータ(デジタルデータ)をアナログ信号に変換し、変換した信号を機器140に供給する。機器140は、供給された信号に従って、所定の動作を行う。これによって、機器140は、検知部120c(CPU122)の制御のもとで、所定の動作を行うことになる。
【0032】
記憶部130は、制御部120(距離取得部120a、走行速度取得部120b、及び、検知部120c)が使用するデータ等を記憶する。記憶部130は、ROM131によって構成され、制御プログラム、各種データ等を記憶する。これらは、CPU122に直接読み出されて使用されるか、必要に応じてRAM123に読み出されてからCPU122に使用される。記憶部130は、フラッシュメモリ等の他の記憶装置によって構成されてもよい。
【0033】
次に、障害物検知装置100が行う検知処理について図10等を参照して説明する。なお、この処理は、例えば、車両1のエンジンの始動を契機として開始され、車両1のエンジンの動作が停止したことを契機として終了する。
【0034】
まず、距離情報取得部120aと走行速度取得部120bとは、それぞれ、情報供給部110から供給される距離情報のデータと走行速度のデータとを取得する(ステップS101)。
【0035】
検知部120cは、走行速度取得部120bが取得した走行速度に基づいて閾値Pを取得するとともに、距離情報取得部120aが取得した距離情報に基づいて、各測定点における各距離のうち、閾値P未満の距離があるかどうかを判別する(ステップS102)。
【0036】
検知部120cは、例えば、記憶部130に記録された、走行速度と閾値との対応関係を記録した対応表を参照して、走行速度取得部120bが取得した走行速度に対応する閾値Pを取得するか、記憶部130に記録された、走行速度と閾値との関係式を用いて、閾値Pを算出することによって閾値Pを取得する。閾値Pは、走行速度が大きいほど大きな値になる。閾値Pは、例えば、その走行速度で急ブレーキをかけた場合に停止する距離(制動距離+空走距離)に若干の余裕を持たせた距離にする。走行速度が早ければ、障害物に早く到達してしまうため、閾値Pを大きくして、障害物に到達(衝突)する前に警告等を行うためである。ここでは、閾値Pは、10mであるとする。検知部120cは、取得した閾値Pに基づいて、距離情報に含まれる各距離のうち、閾値P未満の距離があるかどうかを判別する。距離情報が図6に示す距離情報6である場合、距離情報6は、距離が9mの測定点(トンネル5の穴以外の部分)を含むので、検知部120cは、各距離のうち、閾値P未満の距離があると判別する(ステップS102;YES)。この場合、車両1の進行方向に、車両1に近い測定対象物(障害物の候補であり、ここでは、トンネルの縁等の穴以外の部分)が存在することになる。
【0037】
検知部120cは、各距離のうち、閾値P未満の距離が無いと判別した場合(ステップS102;NO)、ステップS101の処理を再び行う。このようにして、検知部120cは、車両1が進行方向の先にある測定対象物に近づくまで、距離情報等の取得及び前記の判別を行う。
【0038】
検知部120cは、ステップS102でYESと判別した場合、距離情報における距離が、予め定められた所定条件を満たすかを判別する(ステップS103)。検知部120cは、例えば、距離情報における2次元座標上に、車両1がそのまま進行方向に進んだ場合に、そこに障害物がある場合にその障害物と衝突する可能性がある領域を衝突領域として定義する(図11及び図12の点線で表現した領域10参照)。この衝突領域は、例えば、自車である車両1を前方又は後方から投影した形状(車両1に対応する形状の一例)であり、この衝突領域の二次元座標上の位置及び形状は、実際の車両の位置と実際の測定点の位置との位置関係を二次元座標上で再現するように、予め定めておくものとする(このデータは、記憶部120に予め記録されている。)。衝突領域は、車両1に対応する形状であればよく、例えば、車両1の幅と高さとに対応する大きさの領域であってもよい。検知部120cは、例えば、距離情報6において、衝突領域と少なくとも一部の領域が重なる測定点のうち、距離が閾値P未満である測定点が所定の数(ノイズを考慮して複数にするとよい。ここでは、例えば3つ)以上ある場合に、前記距離情報の距離が前記の条件を満たしていると判別し(ステップS103;YES)、ステップS104の処理を行う。検知部120cは、例えば、図11及び図12のように、距離情報を画像として扱うことができるので、上記の処理を画像処理として扱うことが出来る。具体的には、距離情報の画像上で衝突領域を重畳することによって、前記衝突領域と少なくとも一部の領域が重なる測定点を特定でき、階調等によって測定点における距離を特定できる。また、検知部120cは、前記の距離が閾値P未満である測定点が前記所定の数未満である場合に、前記距離情報の距離が前記の条件を満たしていないと判別し(ステップS103;NO)、ステップS105の処理を行う。
【0039】
前記の距離情報の距離が前記の条件を満たす場合(ステップS103;YES)、車両1の進行方向に、車両1がそのまま直進すると、この車両1が実際に障害物(測定対象物)と衝突する可能性が高い。例えば、距離情報が図9及び12の距離情報8である場合(つまり、図7等に示すような状況の場合)、領域10と重なる測定点のなかに、距離が9mである(つまり、閾値P(10m)未満の距離である)測定点が所定の数以上で存在する。この場合には、距離情報8の距離は前記の基準を満たすことになる。ここで、図12の距離情報8が得られる場合、実際の車両1は、トンネル7に入ろうとしているが(図7及び8参照)、図7及び8のように、トンネル7の天井は、車両1よりも低い。このため、距離が9mである測定点の測定対象物であるトンネル7の天井側の縁が障害物として車両1に当たってしまう。このため、車両1が障害物と衝突することになる。このように、ステップS103でYESと判別された場合、ステップS102で検知した、車両1に近い位置にある測定対象物(トンネル7の天井側の縁)が、そのまま直進する車両1と衝突する可能が高い。この場合、検知部120cは、衝突する旨を運転者に伝えるために、機器140を制御し、衝突する旨を報知する(ステップS104)。例えば、機器140がディスプレイである場合には、検知部120cは、ディスプレイを制御し、「衝突する可能性が高いです」という表示を行わせる。機器140がブザーである場合には、検知部120cは、ブザーを制御し、「ブー」という効果音を吹鳴させる。機器が振動発生装置である場合には、検知部120cは、振動発生装置を制御し、振動を発生させることで、非振動部材を振動させる。機器140が反力モータである場合には、検知部120cは、反力モータを制御し、回転させることで、アクセルペダルに反力を与える。このように機器140は、衝突する可能性が高い旨を報知する報知部として機能する。
【0040】
前記の距離情報の距離が前記の基準を満たさない場合(ステップS103;NO)、車両1の進行方向に、車両1がそのまま直進しても、車両1が障害物と衝突する可能性は少ない。例えば、距離情報が図6及び11の距離情報6である場合、領域10と重なる測定点のなかに、閾値P(10m)未満の距離の測定点が所定の数未満になっている(ここでは、0個)。この場合には、距離情報8の距離は前記の基準を満たさないことになる。ここで、図11の距離情報6が得られる場合、実際の車両1は、トンネル5に入ろうとしているが(図4及び5参照)、図4及び5のように、トンネル5の天井は、車両1よりも高い。このため、トンネル7の天井側の縁は車両1に当たらない。このため、車両1は障害物と衝突しないことになる。このように、ステップS103でNOと判別された場合、ステップS102で検知した、車両1に近い位置にある測定対象物(トンネル7の天井側の縁)が、そのまま直進する車両1と衝突する可能は低いことになる。この場合、検知部120cは、衝突しない旨を運転者に伝えるために、機器140を制御し、通過可能である旨を報知する(ステップS105)。例えば、機器140がディスプレイである場合には、検知部120cは、ディスプレイを制御し、「通過可能です」という表示を行わせる。機器140がブザーである場合には、検知部120cは、ブザーを制御し、「ピンポーン」という効果音を吹鳴させる。機器140が複数種ある場合、検知部120cは、それらを組み合わせて報知を行わせる。このように機器140は、通過できる可能性が高い旨を報知する報知部としても機能する。
【0041】
以上のように、本実施形態では、上記処理によって、距離取得部120aが、車両1から測定対象物までの距離を複数の測定点それぞれについて取得し、検知部120cが、距離取得部120aが取得した各距離のうち、車両1の形状に対応した位置にある測定点(本実施形態では、衝突領域と重なる測定点であり、1以上の任意の数の測定点であればよい)における距離に基づいて、所定の距離内における障害物の有無を検知する。これによって、車両1の形状が反映されて障害物が検知されるので、検知された障害物は上記のように実際に衝突する可能性が高い。このため、本実施形態では、精度良く障害物を検知できる。また、特に、車両1の高さ方向について、障害物に衝突するかを精度良く特定する事が出来ることなる。そして、運転者における無駄な回避行動を無くすことができ、引いては、運転者に安全且つ快適な走行を提供できる。
【0042】
また、本実施形態では、上記処理によって、検知部130cは、前記の測定点における距離のうち、所定の距離(本実施形態では、閾値P)よりも近い距離が所定の数以上あった場合に、所定の距離内に障害物が存在することを検知する。これによって、実際に衝突する可能性の高い物体である障害物を精度良く検知できる。
【0043】
また、本実施形態では、上記処理によって、走行速度取得部120bは、車両1の走行速度を取得し、検知部120cは、走行速度取得部120bが取得した走行速度に応じて前記の所定の距離(本実施形態では、閾値P)を変化させる。これによって、車両1と障害物との衝突が未然に防がれやすくなる。
【0044】
また、本実施形態では、上記処理によって、検知部120cは、障害物が存在することを検知した場合に、(機器140によって、)その旨を報知する。これによって、車両1の運転手は、障害物との衝突を未然に防ぐことが出来る。
【0045】
なお、検知部120cは、車両1が乗り越えられる障害物を検知し、その旨を運転手に報知してもよい。つまり、検知部120cは、前記で所定の距離内に障害物が存在しないことを検知した場合(本実施形態では、ステップS103;NO)、かつ、前記の複数の測定点のうちの、下方領域内にある1以上の測定点における距離が所定の基準を満たす場合に、進行方向にある障害物を車両1が乗り越えられることを報知してもよい。これによって、車両1が乗り越えられる障害物を検知できるので、障害物を精度良く検知できる。そして、運転者における無駄な回避行動を無くすことができ、引いては、運転者に安全且つ快適な走行を提供できる。
【0046】
例えば、検出部120cは、ステップS103において、図13のように、距離情報について、車両1のタイヤの部分を除いた衝突領域13を定義し、この衝突領域について、ステップS103の処理を行う。そして、前記の距離情報の距離が前記の基準を満たさない場合(ステップS103;NO)、検出部120cは、二次元座標上における最下段から所定の範囲内(この範囲は、車両1が乗り越えられる高さに対応する範囲である。)の段(ここでは最下段)にある測定点(ここでは、図13のように、ドットで塗りつぶした測定点の領域)について、所定の距離(本実施形態では、閾値P)よりも近い距離が一定数以上(例えば、図13の場合では2つ以上)あった場合、背の低い障害物(車両1が乗り越えられる障害物)があることになる。この場合、検知部120cは、機器140を制御して、例えば、表示部に、進行方向にある障害物を車両1が乗り越えられる旨を表示する。なお、車両1が乗り越えられる障害物を検知することを主眼においた場合、衝突領域は下方領域よりも上にあればよく、形状は車両1の形状に対応したものでなくても良い。なお、乗り越えるとは、またぐことを適宜含む。
【0047】
なお、上記では、障害物検知装置100は、自動車である車両1に用いられているが、障害物検知装置は、自動車以外の車両(オートバイ等)、船舶等の他の乗り物に使用する事も可能である。
【0048】
また、上記制御プログラムは、OS(Operation System)と協働してCPU122に検知処理を行わせるものであってもよい。この場合、OSもROM131に記録される。また、制御プログラムは、持ち運び可能な記憶媒体(例えば、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory))に記録され、障害物検知装置100に供給(インストール)されてもよい。また、制御プログラムは、ネットワークを介して障害物検知装置100に供給されてもよい。これらの場合には、記憶部130は、フラッシュメモリ等によって構成され、このフラッシュメモリに制御プログラムが記録される。
【0049】
プログラムが記録された、ROM131、フラッシュメモリ、又は、持ち運び可能な記憶媒体等は、コンピュータが読み取り可能なプログラム製品(プログラムを記憶したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体)になる。プログラムは、機能の少なくとも一部が専用回路によって実現された障害物検知装置100を動作させるものであってもよい。つまり、障害物検知装置100は、全体として、検知処理を行うものであればよく、制御プログラムは、そのような障害物検知装置100を動作させるものであればよい。
【符号の説明】
【0050】
1 車両
3 測定対象物
6、8 距離情報
10、13 衝突領域
100 障害物検知装置
110 情報供給部
120 制御部
120a 距離取得部
120b 走行速度取得部
120c 検知部
130 記憶部
140 計器
【技術分野】
【0001】
本発明は、障害物を検知する障害物検知装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の技術として、例えば、特許文献1には、車両に設けられた、障害物を検知するためのセンサと、前記車両の駆動力および制動力を制御する車両制御手段と、前記車両の速度を検出する車速検出手段と、前記センサが、予め設定した減速判定範囲で障害物を検知した場合に、前記車両を減速させるための指令を前記車両制御手段に出力するとともに、前記車速検出手段での検出速度が大きいほど前記減速判定範囲を広く設定する障害物検知判断手段と、を備えている車両の障害物検知装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−267729号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1が開示する障害物検知装置では、減速判定範囲を検知速度に応じて変化させるだけなので、障害物を精度良く検知することが出来ない場合があった。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、障害物を精度良く検知することができる障害物検知装置及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の観点に係る障害物検知装置は、
乗り物から測定対象物までの距離を複数の測定点それぞれについて取得する距離取得手段と、
前記距離取得手段が取得した各距離のうち、前記乗り物の形状に対応した位置にある1以上の測定点における距離に基づいて、所定の距離内における障害物の有無を検知する検知手段と、
を備える。
【0007】
本発明の第2の観点に係る障害物検知装置は、
乗り物から測定対象物までの距離を複数の測定点それぞれについて取得する距離取得手段と、
前記距離取得手段が取得した各距離のうち、所定の位置にある1以上の測定点における距離に基づいて、所定の距離内における障害物の有無を検知する検知手段と、
を備え、
前記検知手段は、前記障害物が無いことを検知した場合、かつ、前記複数の測定点のうちの、下方領域内にある1以上の測定点における距離が所定の基準を満たす場合に、進行方向にある障害物を前記乗り物が乗り越えられることを報知する。
【0008】
本発明の第3の観点に係るプログラムは、
コンピュータに、
乗り物から測定対象物までの距離を複数の測定点それぞれについて取得する距離取得ステップと、
前記距離取得ステップで取得した各距離のうち、前記乗り物の形状に対応した位置にある1以上の測定点における距離に基づいて、所定の距離内における障害物の有無を検知する検知ステップと、
を行わせる。
【0009】
本発明の第4の観点に係るプログラムは、
コンピュータに、
乗り物から測定対象物までの距離を複数の測定点それぞれについて取得する距離取得ステップと、
前記距離取得ステップで取得した各距離のうち、所定の位置にある1以上の測定点における距離に基づいて、所定の距離内における障害物の有無を検知する検知ステップと、
を行わせ、
前記検知ステップは、前記障害物が無いことを検知した場合、かつ、前記複数の測定点のうちの、下方領域内にある1以上の測定点における距離が所定の基準を満たす場合に、進行方向にある障害物を前記乗り物が乗り越えられることを報知するステップである。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る障害物検知装置及びプログラムによれば、障害物を精度良く検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係る障害物検知装置の構成を示したブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る障害物検知装置のハードウェア構成を示したブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る障害物検知装置の測定対象物までの距離の測定を説明するための図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る障害物検知装置が搭載された車両がトンネルに進入しようとする様子を車両の横から見た図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る障害物検知装置が搭載された車両がトンネルに進入しようとする様子を車両の後から見た図である。
【図6】図4及び図5における場合の距離情報の内容を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る障害物検知装置が搭載された車両がトンネルに進入しようとする様子を車両の横から見た図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る障害物検知装置が搭載された車両がトンネルに進入しようとする様子を車両の後から見た図である。
【図9】図7及び図8における場合の距離情報の内容を示す図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る障害物検知装置が行う検知処理のフローチャートである。
【図11】図4及び図5等の場合における距離情報の二次元座標上の各測定点における各距離と予め設定されている衝突領域との関係を示す図である。
【図12】図7及び図8等の場合における距離情報の二次元座標上の各測定点における各距離と予め設定されている衝突領域との関係を示す図である。
【図13】距離情報の二次元座標上の各測定点における各距離と予め設定されている衝突領域との関係等を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る実施形態例について図面を参照して説明する。なお、本発明は下記の説明及び図面によって限定されるものではない。下記での説明及び図面によって示される構成等を適宜変更(構成要素の削除も含む)することができるのはもちろんである。また、以下の説明では、本発明の理解を容易にするために、公知の技術的事項の説明を適宜省略する。
【0013】
障害物検知装置100等の構成を図1及び図2を参照して説明する。障害物検知装置100は、車両1の機器140を制御する装置であり、車両1内に搭載される。
【0014】
障害物検知装置100は、情報供給部110と、制御部120と、記憶部130と、機器140と、を備える。障害物検知装置100は、情報供給部110と記憶部130と機器140とのいずれかを備えなくても良い。つまり、情報供給部110と記憶部130と機器140とのいずれかは、障害物検知装置100の外部にあってもよい。
【0015】
機器140は、例えば、ディスプレイ、ブザー、振動発生装置、又は、反力モータである。また、障害物検知装置100は、機器140を複数備えても良い。機器140は、制御部120によって制御され、所定の動作をする。ディスプレイは、LCD(Liquid Crystal Display)等からなり、制御部120の制御のもと、所定の情報を表示する。ブザーは、制御部120の制御のもと、所定の音を吹鳴する。振動発生装置は、ハンドル、運転席シート、アクセルペダル等の被振動部材に取り付けられ、制御部120の制御のもと、被振動部材を振動させる。反力モータは、制御部120の制御のもと、アクセルペダルの踏み込み方向とは逆方向に働く反力をアクセルペダルに発生させる。
【0016】
情報供給部110は、距離センサ111と、回転センサ112と、距離センサ113と、ECU(電子制御ユニット)115とを含む。距離センサ111と、回転センサ112と、距離センサ113と、は、ECU115の制御のもとで動作する。
【0017】
距離センサ111及び113は、それぞれ、例えば、車両1(自車)の前方および後方に取り付けられる。距離センサ111及び113は、測定対象物までの距離を測定するセンサである。距離センサ111及び113は、ECU115の制御のもと、どちらかが動作する。ECU115には、外部から、車両1が前進しているか、後進(バック)しているかを特定できる信号(例えば、車両1のギアを指定する信号)が供給されるので、ECU115は、この信号に基づいて、車両1の進行方向側のセンサを動作させる。例えば、車両1が前進している場合には、車両1の前方のセンサが動作する。
【0018】
距離センサ111又は113は、例えば、ECU115の制御のもと、縦横2次元に測定点を順次変化させ、測定点ごとに測定対象物までの距離を順次測定する。距離センサ111又は113は、前記で測定された距離のデータである距離データを、ECU115に順次供給する。距離センサ111又は113は、最初の測定点(例えば、図6の距離情報6における左上の測定点)から最後の測定点(例えば、図6の距離情報6における右下の測定点)まで測定を行ったら、再び前記の最初の測定点から測定を開始する。このように、距離センサ111又は113は、最初の測定点から最後の測定点までの測定を周期的に行う。距離センサ111又は113は、最初の測定点についての距離データ、及び/又は、最後の測定点についての距離データに、この距離データが最初又は最後の測定点についての距離データであることを示す付加データを適宜付加する。これによって、1周期分の距離データが把握される。なお、測定点の変化は、例えば、測定方向を変更することによって行われる。また、縦とは、鉛直方向であり、横は、水平方向である。
【0019】
距離センサ111及び113は、それぞれ、例えば、レーザ反射型のセンサによって構成される。このセンサは、図3のように、車両1の前方(又は後方)にレーザ光を出射するとともに、出射されたレーザ光のうち、測定対象物3で反射して戻ってくるレーザ光を受光する。このセンサは、レーザ光の出射から受光までの時間を計測することによって、車両1から測定対象物までの距離を測定するものである。そして、このセンサは、レーザ光を縦横2次元に時間経過に合わせて走査することで、縦横2次元に測定点を順次変化させる。
【0020】
回転センサ112は、車両1の走行距離等を計測するのに用いられる。回転センサ112は、ECU115の制御のもと、車両1の車輪の回転周期に応じた周期のパルス電気信号(回転数信号)を生成してECU115に供給する。
【0021】
ECU115は、車両1のエンジン等を制御する。ECU115は、距離センサ111又は113から順次供給される距離データを、ECU115内の記憶部で記憶する。ECU115は、最初の測定点から最後の測定点までの1周期分の距離データを記憶すると(例えば、前記付加データによって把握される。)、この1周期分の距離データを用いて、距離情報を表すデータ(距離情報データ)を生成する。この距離情報は、進行方向に見て、水平、垂直方向の二次元座標上の各所定点を各測定点として、各測定点における測定対象物までの距離を表した情報である。距離情報上の各測定点は、車両1の進行方向に見て、実際の各測定点の位置関係と当然同じになるように配置される。例えば、進行方向に見て、測定点が、左上から右上、一段下に下がって、右から左、また一段下がって左から右・・・・というように、右下まで順次移動する場合、前記の測定点もこの順及び位置関係で配置されることによって、各距離と各測定点の位置関係が同じになる。なお、これらは予め定められた取り決めに従って行われる。ECU115は、距離情報を順次生成していく。
【0022】
図4乃至6のように、車両1がトンネル5に入ろうとしている場合、生成される距離情報は、図6の距離情報6のようになる。なお、図6では、各測定点とトンネル5との位置関係を明瞭にするために、距離情報6とトンネル5とを重ねて表示した。両者は、図6のような位置関係になる。距離情報6は、各測定点を1以上の画素とする画像として扱うことができる。この場合、各測定点における距離は、画素の階調等で表される。また、距離情報6内の数字は、その測定点での、車両1から測定対象物までの距離である(単位は、メータ)。「−」は、トンネル5内部が測定点となっている部分であり、測定対象物が存在していないか、測定対象物が一定の距離以上離れていて遠い場合を示す。なお、測定点の数は、適宜決定される。また、実際の測定点は、ここでは、距離情報6で区分けされている領域(数字が記載されている領域)の中心に対応する。
【0023】
図7乃至9のように、車両1がトンネル7に入ろうとしている場合、生成される距離情報は、図9の距離情報8のようになる。他の説明は、図4乃至6での説明に準じる。
【0024】
また、ECU115は、回転センサ112から供給される回転数信号を取得し、取得した回転数信号におけるパルスの数を所定の期間毎にカウントし、走行距離を特定して走行距離を示す走行距離データを生成する。回転数信号のパルスの周期は、車輪の一回転の周期に応じた(同じ)周期になるので、走行距離は、パルスの数に車輪の円周の長さ(予め設定されているものとする。)を乗じることによって求まる。ECU115は、このような演算を回転数信号に応じて行うことによって、走行距離を算出する。そして、ECU115は、算出した走行距離を前記の所定の期間で割って、車両1の走行速度を算出する(走行速度データを生成する)。ECU115は、この処理を連続的に繰り返し行う。
【0025】
ECU115は、前記で生成した距離情報データ及び走行速度データを、例えば、CAN(Controller Area Network)に基づいて制御部120に供給する。
【0026】
なお、回転数信号、距離データ等は、ECU115を介さずに、又は、ECU115を介して、直接、制御部120に供給されてもよい。この場合、制御部120(距離取得部120a、走行速度取得部120b)が上記と同様の処理で、各データを生成することによって、これらデータを取得する。また、別途ECU115以外の装置を用いて、距離情報データ及び走行速度データを生成し、制御部120に供給してもよい。
【0027】
制御部120は、距離取得部120aと、走行速度取得部120bと、検知部120cと、を備え、例えば、入力ポート121と、CPU(Central Processing Unit)122と、RAM(Random Access Memory)123と、D/A(Digital/Analog)コンバータ124と、から構成される。本実施形態では、距離取得部120aと走行速度取得部120bと検知部120cとは、制御プログラムに従って処理を行うCPU122から構成される。
【0028】
入力ポート121には、ECU115から距離情報データ、及び、走行速度データが入力される。入力ポート121を介して供給されるデータは、RAM123に一時記録される。
【0029】
CPU122は、ROM(Read Only Memory)131が記憶する制御プログラムに従って、障害物検知装置100全体(特に、機器140)を制御する他、制御部120(距離取得部120a、走行速度取得部120b、及び、検知部120c)が行う検知処理を行う。このとき、CPU122は、必要に応じてROM131が記憶する各種データを用いる。また、CPU122は、RAM123に記録されたデータを用いる。
【0030】
RAM123は、CPU122が生成したデータ及びCPU122が使用するデータ等のデータを適宜記憶するメインメモリとして機能する。
【0031】
D/Aコンバータ124は、CPU122からRAM123を介して受け取ったデータ(デジタルデータ)をアナログ信号に変換し、変換した信号を機器140に供給する。機器140は、供給された信号に従って、所定の動作を行う。これによって、機器140は、検知部120c(CPU122)の制御のもとで、所定の動作を行うことになる。
【0032】
記憶部130は、制御部120(距離取得部120a、走行速度取得部120b、及び、検知部120c)が使用するデータ等を記憶する。記憶部130は、ROM131によって構成され、制御プログラム、各種データ等を記憶する。これらは、CPU122に直接読み出されて使用されるか、必要に応じてRAM123に読み出されてからCPU122に使用される。記憶部130は、フラッシュメモリ等の他の記憶装置によって構成されてもよい。
【0033】
次に、障害物検知装置100が行う検知処理について図10等を参照して説明する。なお、この処理は、例えば、車両1のエンジンの始動を契機として開始され、車両1のエンジンの動作が停止したことを契機として終了する。
【0034】
まず、距離情報取得部120aと走行速度取得部120bとは、それぞれ、情報供給部110から供給される距離情報のデータと走行速度のデータとを取得する(ステップS101)。
【0035】
検知部120cは、走行速度取得部120bが取得した走行速度に基づいて閾値Pを取得するとともに、距離情報取得部120aが取得した距離情報に基づいて、各測定点における各距離のうち、閾値P未満の距離があるかどうかを判別する(ステップS102)。
【0036】
検知部120cは、例えば、記憶部130に記録された、走行速度と閾値との対応関係を記録した対応表を参照して、走行速度取得部120bが取得した走行速度に対応する閾値Pを取得するか、記憶部130に記録された、走行速度と閾値との関係式を用いて、閾値Pを算出することによって閾値Pを取得する。閾値Pは、走行速度が大きいほど大きな値になる。閾値Pは、例えば、その走行速度で急ブレーキをかけた場合に停止する距離(制動距離+空走距離)に若干の余裕を持たせた距離にする。走行速度が早ければ、障害物に早く到達してしまうため、閾値Pを大きくして、障害物に到達(衝突)する前に警告等を行うためである。ここでは、閾値Pは、10mであるとする。検知部120cは、取得した閾値Pに基づいて、距離情報に含まれる各距離のうち、閾値P未満の距離があるかどうかを判別する。距離情報が図6に示す距離情報6である場合、距離情報6は、距離が9mの測定点(トンネル5の穴以外の部分)を含むので、検知部120cは、各距離のうち、閾値P未満の距離があると判別する(ステップS102;YES)。この場合、車両1の進行方向に、車両1に近い測定対象物(障害物の候補であり、ここでは、トンネルの縁等の穴以外の部分)が存在することになる。
【0037】
検知部120cは、各距離のうち、閾値P未満の距離が無いと判別した場合(ステップS102;NO)、ステップS101の処理を再び行う。このようにして、検知部120cは、車両1が進行方向の先にある測定対象物に近づくまで、距離情報等の取得及び前記の判別を行う。
【0038】
検知部120cは、ステップS102でYESと判別した場合、距離情報における距離が、予め定められた所定条件を満たすかを判別する(ステップS103)。検知部120cは、例えば、距離情報における2次元座標上に、車両1がそのまま進行方向に進んだ場合に、そこに障害物がある場合にその障害物と衝突する可能性がある領域を衝突領域として定義する(図11及び図12の点線で表現した領域10参照)。この衝突領域は、例えば、自車である車両1を前方又は後方から投影した形状(車両1に対応する形状の一例)であり、この衝突領域の二次元座標上の位置及び形状は、実際の車両の位置と実際の測定点の位置との位置関係を二次元座標上で再現するように、予め定めておくものとする(このデータは、記憶部120に予め記録されている。)。衝突領域は、車両1に対応する形状であればよく、例えば、車両1の幅と高さとに対応する大きさの領域であってもよい。検知部120cは、例えば、距離情報6において、衝突領域と少なくとも一部の領域が重なる測定点のうち、距離が閾値P未満である測定点が所定の数(ノイズを考慮して複数にするとよい。ここでは、例えば3つ)以上ある場合に、前記距離情報の距離が前記の条件を満たしていると判別し(ステップS103;YES)、ステップS104の処理を行う。検知部120cは、例えば、図11及び図12のように、距離情報を画像として扱うことができるので、上記の処理を画像処理として扱うことが出来る。具体的には、距離情報の画像上で衝突領域を重畳することによって、前記衝突領域と少なくとも一部の領域が重なる測定点を特定でき、階調等によって測定点における距離を特定できる。また、検知部120cは、前記の距離が閾値P未満である測定点が前記所定の数未満である場合に、前記距離情報の距離が前記の条件を満たしていないと判別し(ステップS103;NO)、ステップS105の処理を行う。
【0039】
前記の距離情報の距離が前記の条件を満たす場合(ステップS103;YES)、車両1の進行方向に、車両1がそのまま直進すると、この車両1が実際に障害物(測定対象物)と衝突する可能性が高い。例えば、距離情報が図9及び12の距離情報8である場合(つまり、図7等に示すような状況の場合)、領域10と重なる測定点のなかに、距離が9mである(つまり、閾値P(10m)未満の距離である)測定点が所定の数以上で存在する。この場合には、距離情報8の距離は前記の基準を満たすことになる。ここで、図12の距離情報8が得られる場合、実際の車両1は、トンネル7に入ろうとしているが(図7及び8参照)、図7及び8のように、トンネル7の天井は、車両1よりも低い。このため、距離が9mである測定点の測定対象物であるトンネル7の天井側の縁が障害物として車両1に当たってしまう。このため、車両1が障害物と衝突することになる。このように、ステップS103でYESと判別された場合、ステップS102で検知した、車両1に近い位置にある測定対象物(トンネル7の天井側の縁)が、そのまま直進する車両1と衝突する可能が高い。この場合、検知部120cは、衝突する旨を運転者に伝えるために、機器140を制御し、衝突する旨を報知する(ステップS104)。例えば、機器140がディスプレイである場合には、検知部120cは、ディスプレイを制御し、「衝突する可能性が高いです」という表示を行わせる。機器140がブザーである場合には、検知部120cは、ブザーを制御し、「ブー」という効果音を吹鳴させる。機器が振動発生装置である場合には、検知部120cは、振動発生装置を制御し、振動を発生させることで、非振動部材を振動させる。機器140が反力モータである場合には、検知部120cは、反力モータを制御し、回転させることで、アクセルペダルに反力を与える。このように機器140は、衝突する可能性が高い旨を報知する報知部として機能する。
【0040】
前記の距離情報の距離が前記の基準を満たさない場合(ステップS103;NO)、車両1の進行方向に、車両1がそのまま直進しても、車両1が障害物と衝突する可能性は少ない。例えば、距離情報が図6及び11の距離情報6である場合、領域10と重なる測定点のなかに、閾値P(10m)未満の距離の測定点が所定の数未満になっている(ここでは、0個)。この場合には、距離情報8の距離は前記の基準を満たさないことになる。ここで、図11の距離情報6が得られる場合、実際の車両1は、トンネル5に入ろうとしているが(図4及び5参照)、図4及び5のように、トンネル5の天井は、車両1よりも高い。このため、トンネル7の天井側の縁は車両1に当たらない。このため、車両1は障害物と衝突しないことになる。このように、ステップS103でNOと判別された場合、ステップS102で検知した、車両1に近い位置にある測定対象物(トンネル7の天井側の縁)が、そのまま直進する車両1と衝突する可能は低いことになる。この場合、検知部120cは、衝突しない旨を運転者に伝えるために、機器140を制御し、通過可能である旨を報知する(ステップS105)。例えば、機器140がディスプレイである場合には、検知部120cは、ディスプレイを制御し、「通過可能です」という表示を行わせる。機器140がブザーである場合には、検知部120cは、ブザーを制御し、「ピンポーン」という効果音を吹鳴させる。機器140が複数種ある場合、検知部120cは、それらを組み合わせて報知を行わせる。このように機器140は、通過できる可能性が高い旨を報知する報知部としても機能する。
【0041】
以上のように、本実施形態では、上記処理によって、距離取得部120aが、車両1から測定対象物までの距離を複数の測定点それぞれについて取得し、検知部120cが、距離取得部120aが取得した各距離のうち、車両1の形状に対応した位置にある測定点(本実施形態では、衝突領域と重なる測定点であり、1以上の任意の数の測定点であればよい)における距離に基づいて、所定の距離内における障害物の有無を検知する。これによって、車両1の形状が反映されて障害物が検知されるので、検知された障害物は上記のように実際に衝突する可能性が高い。このため、本実施形態では、精度良く障害物を検知できる。また、特に、車両1の高さ方向について、障害物に衝突するかを精度良く特定する事が出来ることなる。そして、運転者における無駄な回避行動を無くすことができ、引いては、運転者に安全且つ快適な走行を提供できる。
【0042】
また、本実施形態では、上記処理によって、検知部130cは、前記の測定点における距離のうち、所定の距離(本実施形態では、閾値P)よりも近い距離が所定の数以上あった場合に、所定の距離内に障害物が存在することを検知する。これによって、実際に衝突する可能性の高い物体である障害物を精度良く検知できる。
【0043】
また、本実施形態では、上記処理によって、走行速度取得部120bは、車両1の走行速度を取得し、検知部120cは、走行速度取得部120bが取得した走行速度に応じて前記の所定の距離(本実施形態では、閾値P)を変化させる。これによって、車両1と障害物との衝突が未然に防がれやすくなる。
【0044】
また、本実施形態では、上記処理によって、検知部120cは、障害物が存在することを検知した場合に、(機器140によって、)その旨を報知する。これによって、車両1の運転手は、障害物との衝突を未然に防ぐことが出来る。
【0045】
なお、検知部120cは、車両1が乗り越えられる障害物を検知し、その旨を運転手に報知してもよい。つまり、検知部120cは、前記で所定の距離内に障害物が存在しないことを検知した場合(本実施形態では、ステップS103;NO)、かつ、前記の複数の測定点のうちの、下方領域内にある1以上の測定点における距離が所定の基準を満たす場合に、進行方向にある障害物を車両1が乗り越えられることを報知してもよい。これによって、車両1が乗り越えられる障害物を検知できるので、障害物を精度良く検知できる。そして、運転者における無駄な回避行動を無くすことができ、引いては、運転者に安全且つ快適な走行を提供できる。
【0046】
例えば、検出部120cは、ステップS103において、図13のように、距離情報について、車両1のタイヤの部分を除いた衝突領域13を定義し、この衝突領域について、ステップS103の処理を行う。そして、前記の距離情報の距離が前記の基準を満たさない場合(ステップS103;NO)、検出部120cは、二次元座標上における最下段から所定の範囲内(この範囲は、車両1が乗り越えられる高さに対応する範囲である。)の段(ここでは最下段)にある測定点(ここでは、図13のように、ドットで塗りつぶした測定点の領域)について、所定の距離(本実施形態では、閾値P)よりも近い距離が一定数以上(例えば、図13の場合では2つ以上)あった場合、背の低い障害物(車両1が乗り越えられる障害物)があることになる。この場合、検知部120cは、機器140を制御して、例えば、表示部に、進行方向にある障害物を車両1が乗り越えられる旨を表示する。なお、車両1が乗り越えられる障害物を検知することを主眼においた場合、衝突領域は下方領域よりも上にあればよく、形状は車両1の形状に対応したものでなくても良い。なお、乗り越えるとは、またぐことを適宜含む。
【0047】
なお、上記では、障害物検知装置100は、自動車である車両1に用いられているが、障害物検知装置は、自動車以外の車両(オートバイ等)、船舶等の他の乗り物に使用する事も可能である。
【0048】
また、上記制御プログラムは、OS(Operation System)と協働してCPU122に検知処理を行わせるものであってもよい。この場合、OSもROM131に記録される。また、制御プログラムは、持ち運び可能な記憶媒体(例えば、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory))に記録され、障害物検知装置100に供給(インストール)されてもよい。また、制御プログラムは、ネットワークを介して障害物検知装置100に供給されてもよい。これらの場合には、記憶部130は、フラッシュメモリ等によって構成され、このフラッシュメモリに制御プログラムが記録される。
【0049】
プログラムが記録された、ROM131、フラッシュメモリ、又は、持ち運び可能な記憶媒体等は、コンピュータが読み取り可能なプログラム製品(プログラムを記憶したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体)になる。プログラムは、機能の少なくとも一部が専用回路によって実現された障害物検知装置100を動作させるものであってもよい。つまり、障害物検知装置100は、全体として、検知処理を行うものであればよく、制御プログラムは、そのような障害物検知装置100を動作させるものであればよい。
【符号の説明】
【0050】
1 車両
3 測定対象物
6、8 距離情報
10、13 衝突領域
100 障害物検知装置
110 情報供給部
120 制御部
120a 距離取得部
120b 走行速度取得部
120c 検知部
130 記憶部
140 計器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗り物から測定対象物までの距離を複数の測定点それぞれについて取得する距離取得手段と、
前記距離取得手段が取得した各距離のうち、前記乗り物の形状に対応した位置にある1以上の測定点における距離に基づいて、所定の距離内における障害物の有無を検知する検知手段と、
を備えることを特徴とする障害物検知装置。
【請求項2】
前記検知手段は、前記1以上の測定点における距離のうち、前記所定の距離よりも近い距離が所定の数以上あった場合に、前記所定の距離内に前記障害物が存在することを検知する、
ことを特徴とする請求項1に記載の障害物検知装置。
【請求項3】
前記乗り物の走行速度を取得する走行速度取得手段をさらに備え、
前記検知手段は、前記走行速度取得手段が取得した前記走行速度に応じて前記所定の距離を変化させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の障害物検知装置。
【請求項4】
前記検知手段は、前記所定の距離内に前記障害物が存在しないことを検知した場合、かつ、前記複数の測定点のうちの、下方領域内にある1以上の測定点における距離が所定の基準を満たす場合に、進行方向にある障害物を前記乗り物が乗り越えられることを報知する、
ことを特徴とする請求項1に記載の障害物検知装置。
【請求項5】
前記検知手段は、前記障害物が存在することを検知した場合に、その旨を報知する、
ことを特徴とする請求項1に記載の障害物検知装置。
【請求項6】
乗り物から測定対象物までの距離を複数の測定点それぞれについて取得する距離取得手段と、
前記距離取得手段が取得した各距離のうち、所定の位置にある1以上の測定点における距離に基づいて、所定の距離内における障害物の有無を検知する検知手段と、
を備え、
前記検知手段は、前記障害物が無いことを検知した場合、かつ、前記複数の測定点のうちの、下方領域内にある1以上の測定点における距離が所定の基準を満たす場合に、進行方向にある障害物を前記乗り物が乗り越えられることを報知する、
ことを特徴とする障害物検知装置。
【請求項7】
コンピュータに、
乗り物から測定対象物までの距離を複数の測定点それぞれについて取得する距離取得ステップと、
前記距離取得ステップで取得した各距離のうち、前記乗り物の形状に対応した位置にある1以上の測定点における距離に基づいて、所定の距離内における障害物の有無を検知する検知ステップと、
を行わせることを特徴とするプログラム。
【請求項8】
コンピュータに、
乗り物から測定対象物までの距離を複数の測定点それぞれについて取得する距離取得ステップと、
前記距離取得ステップで取得した各距離のうち、所定の位置にある1以上の測定点における距離に基づいて、所定の距離内における障害物の有無を検知する検知ステップと、
を行わせ、
前記検知ステップは、前記障害物が無いことを検知した場合、かつ、前記複数の測定点のうちの、下方領域内にある1以上の測定点における距離が所定の基準を満たす場合に、進行方向にある障害物を前記乗り物が乗り越えられることを報知するステップである、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項1】
乗り物から測定対象物までの距離を複数の測定点それぞれについて取得する距離取得手段と、
前記距離取得手段が取得した各距離のうち、前記乗り物の形状に対応した位置にある1以上の測定点における距離に基づいて、所定の距離内における障害物の有無を検知する検知手段と、
を備えることを特徴とする障害物検知装置。
【請求項2】
前記検知手段は、前記1以上の測定点における距離のうち、前記所定の距離よりも近い距離が所定の数以上あった場合に、前記所定の距離内に前記障害物が存在することを検知する、
ことを特徴とする請求項1に記載の障害物検知装置。
【請求項3】
前記乗り物の走行速度を取得する走行速度取得手段をさらに備え、
前記検知手段は、前記走行速度取得手段が取得した前記走行速度に応じて前記所定の距離を変化させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の障害物検知装置。
【請求項4】
前記検知手段は、前記所定の距離内に前記障害物が存在しないことを検知した場合、かつ、前記複数の測定点のうちの、下方領域内にある1以上の測定点における距離が所定の基準を満たす場合に、進行方向にある障害物を前記乗り物が乗り越えられることを報知する、
ことを特徴とする請求項1に記載の障害物検知装置。
【請求項5】
前記検知手段は、前記障害物が存在することを検知した場合に、その旨を報知する、
ことを特徴とする請求項1に記載の障害物検知装置。
【請求項6】
乗り物から測定対象物までの距離を複数の測定点それぞれについて取得する距離取得手段と、
前記距離取得手段が取得した各距離のうち、所定の位置にある1以上の測定点における距離に基づいて、所定の距離内における障害物の有無を検知する検知手段と、
を備え、
前記検知手段は、前記障害物が無いことを検知した場合、かつ、前記複数の測定点のうちの、下方領域内にある1以上の測定点における距離が所定の基準を満たす場合に、進行方向にある障害物を前記乗り物が乗り越えられることを報知する、
ことを特徴とする障害物検知装置。
【請求項7】
コンピュータに、
乗り物から測定対象物までの距離を複数の測定点それぞれについて取得する距離取得ステップと、
前記距離取得ステップで取得した各距離のうち、前記乗り物の形状に対応した位置にある1以上の測定点における距離に基づいて、所定の距離内における障害物の有無を検知する検知ステップと、
を行わせることを特徴とするプログラム。
【請求項8】
コンピュータに、
乗り物から測定対象物までの距離を複数の測定点それぞれについて取得する距離取得ステップと、
前記距離取得ステップで取得した各距離のうち、所定の位置にある1以上の測定点における距離に基づいて、所定の距離内における障害物の有無を検知する検知ステップと、
を行わせ、
前記検知ステップは、前記障害物が無いことを検知した場合、かつ、前記複数の測定点のうちの、下方領域内にある1以上の測定点における距離が所定の基準を満たす場合に、進行方向にある障害物を前記乗り物が乗り越えられることを報知するステップである、
ことを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−8658(P2012−8658A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−141915(P2010−141915)
【出願日】平成22年6月22日(2010.6.22)
【出願人】(000231512)日本精機株式会社 (1,561)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月22日(2010.6.22)
【出願人】(000231512)日本精機株式会社 (1,561)
【Fターム(参考)】
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