説明

障害監視制御システム

【課題】伝送装置と伝送路との状態情報を収集する障害監視制御システムに関し、リンク断障害発生個所の検出の迅速化を図る。
【解決手段】複数の伝送装置3〜8を伝送路により順次接続してデータ伝送を行う伝送システムの接点情報を、監視装置により収集する障害監視制御システムであって、伝送装置は、前段の伝送装置との間のリンク断発生の検出時に、次段の伝送装置に対してリモートリンク断情報を送出し、前段の伝送装置からリモートリンク断情報の受信時に、次段の伝送装置に対してリンクのシャットダウン処理を行い、前段の伝送装置との間のリンク断発生検出時に、監視装置に対してリンク断検出接点情報を送出し、前段の伝送装置からのリモートリンク断情報受信時、監視装置に対してリモートリンク断接点情報を送出し、監視装置は、各伝送装置からの接点情報を収集し、リモートリンク断接点情報送出伝送装置間に、リンク断検出接点情報送出伝送装置が2台存在する時に、該2台の伝送装置間に於いてリンク断発生と判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の伝送装置を伝送路により順次接続して、データを多段中継伝送する伝送システムに於けるリンク断等の障害情報を収集し、障害発生個所の特定を可能とする障害監視制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の伝送装置を伝送路により接続してデータ等を伝送する伝送システムに於いて、伝送装置間のリンク断障害が発生した場合、このリンク断障害発生個所を介して受信する予定の伝送装置は、クライアントロス検出等によりリンク断発生を検出すると、送信側の伝送装置に対してリンク断とすることにより、リンク断障害発生を通知するリンクパススルー機能を適用した制御構成が知られている。又複数の伝送装置を順次接続した伝送システムに於いても、リンクパススルー機能を適用して、リンク断障害発生を順次通知することができる。又複数の伝送装置のそれぞれの状態情報を監視装置により収集して、障害発生か否かを監視する監視システムが知られている。例えば、図4に示すように、ルータ100,101間を、複数の伝送装置(WDM−A,WDM−B)103〜108を配置して、順次伝送路により接続した伝送システムに於いて、A局をルータ101と伝送装置(WDM−A)103、B局を伝送装置(WDM−B)104,(WDM−A)105、C局を伝送装置(WDM−B)106,(WDM−A)107、D局を伝送装置(WDM−B)108とルータ102とによりそれぞれ構成し、監視装置200により、各伝送装置103〜108のリンク断検出情報を含む各種の状態監視情報を直接的又は各種の図示を省略したネットワークを介して収集し、各部の状態監視を行う障害監視制御システムが知られている。この場合の各伝送装置103〜108は、WDM(Wavelength Division Multiplexing)を適用してデータ伝送し、局間では単一光伝送路により双方向の光波長多重化伝送を行い、局内では2本の光伝送路によりそれぞれ一方向の光波長多重伝送を行う構成の場合を示す。
【0003】
例えば、B局の伝送装置104から伝送装置105方向への伝送径路に、「断」として示すリンク断が発生すると、伝送装置105は、このリンク対応のクライアントロス検出等によりリンク断を検出し、伝送装置106方向への伝送径路の対応リンクを切断して、前段の伝送装置104はリンク断発生を検出し、且つ次段の伝送装置106に対してリンク断を通知する。この場合、B局の伝送装置105は、リンク断により、伝送装置104側からのクライアントロス(C−LOS)検出の状態となり、伝送装置106は、リンクパススルーによりリンク断(Linkdown)検出の状態となる。他の伝送装置に於いても、リンクパススルーにより、同様の状態となり、ルータ101,102はリンク断発生を認識することができる。又このようなリンク断障害の発生により、状態情報としての接点情報は、「接点:CLNT−ALM」として、監視装置200へ伝送する。従って、監視装置200に於いては、<監視情報>として示すように、A局〜D局対応の「CLNT−ALM発生」の同一の接点情報を収集することになる。
【0004】
しかし、収集した接点情報では、伝送装置104,105間の実際のリンク断障害発生を認識することはできない。なお、監視装置200へ各伝送装置103〜108から送信する接点情報は、複数ビット構成とし、各ビットは、“0”又は“1”により監視点が正常か異常かを示し、又先頭からのビット配列位置と伝送装置内の監視点とを対応させる場合が一般的である。従って、リンク断か否かを示す接点情報は、先頭から所定のビット位置のビットを、例えば、正常時は“0”とし、リンク断検出により“1”とする。それにより、監視装置200は、前回収集した接点情報と、今回収集した接点情報とを、先頭からのビット位置対応に照合することにより、各伝送装置対応の多数の監視点について、異常発生か否かを直ちに認識することができる。
【0005】
又LAN等の非同期伝送システムと、SONET/SDH等の同期伝送システムとの間で、伝送フォーマット変換を行って伝送するシステムに於いて、伝送装置間のリンク正常性確認プロトコルによるレスポンス受信の可否判定を相互に行い、レスポンス受信不可の場合にリンク断と判断し、リンク断検出情報を、例えば、SDHフレームのペイロードのパスオーバヘッドPOH等の所定位置のリンク断制御バイトによって通知する手段が提案されている(例えば、特許文献1参照)。又前述の場合と同様に、パケット伝送等の非同期伝送システムとSONET/SDH等の同期伝送システムとの間で、伝送フォーマット変換を行って伝送し、非同期伝送システムの終端処理の10ビット/8ビット変換時に、フロー情報ビットのリンク断検出信号が破棄され、従って、同期フレームには付加されない問題と、この問題により対向装置との間のフロー制御ができない問題と、同期フレームのペイロードにリンク断検出信号を付加した場合、他のチャネルの信号領域が狭くなる問題とがあることから、非同期フレームのフロー情報ビットからリンク断検出信号を抽出して、同期フレームのセクションオーバヘッドSOHへ付加して伝送し、又同期フレームに付加されたリンク断検出信号を抽出して、非同期フレームのフロー情報ビットに付加して伝送する手段が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】WO2005/018167号公報
【特許文献2】特開2006−5506号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
対向接続された伝送装置の一方の伝送装置がリンク断検出を行った場合、他方の伝送装置に対してリンク断とすることにより、この他方の伝送装置はリンク断が発生したと判断して、一方の伝送装置に対する送信を停止する。このようなリンクパススルー機能については、既に知られている。しかし、図4に示すように、複数の伝送装置103〜108を伝送路により順次接続した伝送システムに於いて、リンクパススルー機能により、順次リンク断発生を通知し、各伝送装置対応の接点情報の「CLNT−ALM」を監視装置200が収集することになり、総て同一の接点情報であるから、監視装置200に於いては、伝送装置104,105間のリンク断発生を判定することは不可能である。その為に、リンク断障害個所の修復が遅れて、データ伝送に於ける大きな障害となる。又前述の特許文献1,2に於いては、リンクパススルー方式に関する技術を示すとしても、監視装置に於いて収集した監視情報を基に、リンク断発生個所を特定する点に関する技術内容は示されていない。
【0008】
本発明は、前述の従来の問題点を解決することを目的とし、監視装置に於いて収集するリンク断検出情報と、このリンク断検出情報を基に順次転送するリンク断検出情報とを識別可能の構成として、障害発生個所を特定可能とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の障害監視制御システムは、複数の伝送装置を伝送路により順次接続してデータ伝送を行う伝送システムの前記各伝送装置の状態情報を接点情報として、監視装置により収集し、前記伝送システムの状態監視を行う障害監視制御システムであって、伝送装置は、前段の伝送装置との間のリンク断発生を検出した時に、次段の伝送装置に対してリモートリンク断情報を送出し、前段の伝送装置からリモートリンク断情報を受信した時に次段の伝送装置に対してリンクのシャットダウン処理を行う制御処理手段と、前段の伝送装置との間のリンク断発生を検出した時に、監視装置に対してリンク断検出接点情報を送出し、前段の伝送装置からのリモートリンク断情報を受信した時に、監視装置に対してリモートリンク断接点情報を送出する接点情報送出処理手段とを備え、監視装置は、各伝送装置からの接点情報を収集し、リモートリンク断接点情報を送出した伝送装置間に、リンク断検出接点情報を送出した2台の伝送装置が存在する時に、該2台の伝送装置間に於いてリンク断発生と判断する制御処理手段を備えている。
【0010】
又前記伝送装置は、前段の伝送装置との間のリンク断発生を検出するリンク断検出機能部と、このリンク断検出機能部によるリンク断検出によりリモートリンク断情報を生成するリンク断情報生成部と、このリンク断情報生成部により生成したリモートリンク断情報を次段の伝送装置に送出するリンク断情報転送機能部と、前段の伝送装置からのリモートリンク断情報を受信処理するリンク断情報受信機能部と、このリンク断情報受信機能部によりリモートリンク断情報を受信して該当リンクをシャットダウンするシャットダウン制御機能部と、監視装置へ接点情報を送出する接点出力部と、リンク断検出機能部によるリンク断検出によりリンク断検出接点情報を、接点出力部から監視装置へ送出させ、又リンク断情報受信機能部によりリモートリンク断情報を受信した時に、接点出力部から監視装置へリモートリンク断接点情報を送出させる制御処理部とを備えている。
【0011】
又前記伝送装置は、監視装置へリンク断検出によるリンク断検出情報を接点情報として送出し、前段の伝送装置からのリモートリンク断情報を受信した時に、監視装置に対してリンク断検出情報をマスクして、リモートリンク断情報のみを接点情報として送出する制御を行う制御処理部を備えている。
【発明の効果】
【0012】
複数の伝送装置を順次接続してデータ伝送を行い、各伝送装置の状態情報を接点情報として監視装置により収集し、伝送システムの状態を監視する障害監視制御システムに於いて、監視装置により収集するリンク断検出情報と、このリンク断検出に伴うリモートリンク断情報とを利用することにより、監視装置に於いて、実際のリンク断発生の伝送装置を識別することが容易であるから、障害復旧の迅速化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施例1の要部説明図である。
【図2】本発明の実施例1の障害監視制御の処理説明図である。
【図3】本発明の実施例2の障害監視制御の処理説明図である。
【図4】従来例の障害監視制御システムの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の障害監視制御システムは、図1を参照して説明すると、複数の伝送装置を伝送路により順次接続してデータ伝送を行う伝送システムの各伝送装置の状態情報を接点情報として、監視装置により収集し、複数の伝送装置を含む伝送システムの状態監視を行う障害監視制御システムであって、各伝送装置は、前段の伝送装置との間のクライアントロス等によりリンク断発生を検出した時に、次段の伝送装置に対してリモートリンク断情報を送出するリンク断情報転送機能部13を含み、前段の伝送装置からリモートリンク断情報を受信した時に次段の伝送装置に対して該当リンクに対するシャットダウン処理を行うシャットダウン制御機能部16,26を含む制御処理手段と、前段の伝送装置との間のリンク断発生をリンク断検出機能部16により検出した時に、監視装置に対してリンク断検出接点情報を送出し、前段の伝送装置からのリモートリンク断情報を受信した時に、監視装置に対してリモートリンク断接点情報を送出する接点出力部15,25及び制御処理部14,24を含む接点情報送出処理手段とを備え、監視装置は、各伝送装置からの収集した接点情報を基に、リモートリンク断接点情報を送出した伝送装置間に、リンク断検出接点情報を送出した2台の伝送装置が存在する時に、これら2台の伝送装置間に於いてリンク断発生と判断する制御処理手段を備えている。
【実施例1】
【0015】
図1は、本発明の実施例1の要部説明図であり、A局の伝送装置WDM−AとB局の伝送装置WDM−Bとの間のリンク断情報(リモートリンク断情報RMT−LNK)の送受信機能と監視装置に対する接点情報送出機能との要部のみを示す。同図に於いて、11は送受信部、12はリンク断情報生成機能部、13はリンク断情報転送機能部、14は制御処理部、15は接点出力部、16はリンク断検出機能部、21は送受信部、22はリンク断情報受信機能部、23はリンク断情報出力機能部、24は制御処理部、25は接点出力部、26はシャットダウン制御機能部を示す。又接点出力部15,25は、伝送装置内の各部の状態情報を接点情報として監視装置へ送出する機能を有するものであり、例えば、前述の図4に示す監視装置200に対して各種の状態情報を接点情報として送出する。この接点情報の転送径路は図示を省略している。又リンク断情報転送機能部13は、伝送装置WDM−Bとの間で送受信処理する送受信部(図示を省略)に設け、同様に、リンク断情報受信機能部22は、伝送装置WDM−Bの伝送装置WDM−Aとの間で送受信処理する送受信部(図示を省略)に設け、それぞれの送受信部間は、1本の伝送路による双方向の光波長多重伝送を行う構成を有するものであり、伝送装置WDM−Aと伝送装置WDM−Bとは、例えば、図4に於けるB局の伝送装置105(WDM−A)と、C局の伝送装置106(WDM−B)とに対応する構成を有するものである。
【0016】
又伝送装置WDM−Aの前段の伝送装置(図示を省略)との間は、2本の伝送路により接続し、同様に、伝送装置WDM−Bの後段の伝送装置(図示を省略)との間は、2本の伝送路により接続した構成とし、光波長多重化信号の受信及び送信の制御処理を行う送受信部11は、リンク断検出機能部16を含み、このリンク断検出部16により、前段の伝送装置(図示を省略)からのクライアント断(単一又は複数のリンク対応波長の光信号断)検出等によってリンク断を検出すると、リンク断情報生成機能部12及び制御処理部14へリンク断発生を通知する。制御処理部14は、リンク断検出機能部16からのリンク断発生通知により、リンク断発生のリンク情報を基に、前段の伝送装置(図示を省略)に対するリンクのシャットダウン処理を行うように送受信部11に対する制御を行う。又リンク断情報生成機能部12は、リンク断検出機能部16からのリンク断の検出通知により、リモートリンク断情報を生成し、リンク断情報転送機能部13へ転送する。このリンク断情報転送機能部13は、制御処理部14からの制御によって、リンク情報を含むリンク断情報(リモートリンク断情報)を伝送装置WDM−Bへ転送する。又制御処理部14は、接点出力部15を制御して、図示を省略した監視装置に対してリンク断発生の接点情報を送出させる。
【0017】
伝送装置WDM−Bは、前段の伝送装置WDM−Aからのリンク断情報(リモートリンク断情報)を、リンク断情報受信機能部22により受信し、リンク断情報出力機能部23と、送受信部21のシャットダウン制御機能部26とに対してリンク断情報を転送する。リンク断情報出力機能部23は、制御処理部24に、受信したリンク断情報(リモートリンク断情報)を転送し、制御処理部24は、接点出力部25を制御して、図示を省略した監視装置に対してリンク断発生の接点情報を送出させる。又送受信部21のシャットダウン制御機能部26は、リンク断情報受信機能部22からのリンク情報を含むリンク断情報と、制御処理部24からの制御情報とに従って、対応リンクのシャットダウンの制御を行う。それによって、伝送装置WDM−Bの図示を省略した次の伝送装置に対して、リンクパススルー方式に従ったリンク断情報を転送することになる。
【0018】
図2は、本発明の実施例1の障害監視制御の処理説明図であり、ルータ1,2間に複数の伝送装置(WDM−A,WDM−B)3〜8を接続した伝送システムを示し、図4に示す伝送システムと同様に、ルータ1と伝送装置3とによりA局を構成し、伝送装置4,5によりB局を構成し、伝送装置6,7によりC局を構成し、伝送装置8とルータ2とによりD局を構成し、各局A,B,C,D間は、単一の送受信共通の光伝送路により接続し、各局内は送信用と受信用との2本の光伝送路により接続して、光波長多重伝送を行うシステムを示す。なお、監視装置は図示を省略している。又ルータ1,2及び伝送装置3〜8のそれぞれ下方に示すLinkdown、C−LOS、RMT−LNKと、それらの右側又は左側に付加した黒丸印とは、リンク断検出、クライアントロス検出、リモートリンク断検出を示すと共に、情報受信方向と情報送信方向と原因発生方向とを示す。又各伝送装置3〜8対応接点情報を示す。
【0019】
例えば、伝送装置5のC−LOSの左側の黒丸は、伝送装置5の左側の伝送装置4との間で発生したリンク断によるクライアントロス検出を示し、又伝送装置4のLinkdownの右側の黒丸印は、伝送装置5のリンク断検出による対応リンクをシャットダウンしたことによるリンク断検出を示す。又伝送装置3のRMT−LNKの右側の黒丸は、伝送装置4のリンク断情報生成機能部12(図1参照)からのリモートリンク断情報を示す。従って、この場合の伝送装置3からの接点情報は、「接点:CLNT−ALM RMT−LNK」となる。又伝送装置4からの接点情報は、「接点:CNT−ALM」、又最初にリンク断検出を行った伝送装置5からの接点情報は、「接点:CLNT−ALM」、伝送装置6からの接点情報は、「接点:CLNT−ALM RMT−LNK」、伝送装置7からの接点情報は、「接点:CLNT−ALM」、伝送装置8からの接点情報は、「接点:CLNT−ALM RMT−LNK」となる。このような接点情報を監視装置に於いて収集することにより、リモートリンク断を示す接点情報RMT−LNKを送出した伝送装置3,6間に位置する二つの伝送装置4,5間に於いてリンク断が発生したと判断し、リモートリンク断を示す接点情報RMT−LNKを送出した伝送装置6,8間は、一つの伝送装置7が存在することから正常と判断する。即ち、監視装置は、各伝送装置3〜8からの接点情報を収集し、それらの接点情報の中のリモートリンク断の接点情報RMT−LNKを送出しない伝送装置が隣り合っている場合に、その伝送装置間でリンク断発生と判断する。
【実施例2】
【0020】
図3は、本発明の実施例2の障害監視制御の説明図であり、図2と同一符号は同一部分を示す。前述の場合と同様に伝送装置4,5間でリンク断発生の場合の各伝送装置3〜8からの接点情報は同一内容となるが、例えば、伝送装置3,6,8からの接点情報は、リモートリンク断の情報RMT−LNKを含むので、この場合、リンク断情報CLNT−ALMをマスクし、接点情報は、「接点:RMT−LNK」として監視装置へ送出する。従って、監視装置では、収集した接点情報の「接点:RMT−LNK」によりリンク断障害発生と判断し、そのリンク断発生個所は、接点情報の「接点:RMT−LNK」を送出した伝送装置間に於いて、接点情報の「接点:CLNT−ALM」を送出した伝送装置が隣り合っている場合に、その隣り合っている伝送装置間でリンク断発生と判断する。この場合、リモートリンク断情報RMT−LNKを送出した伝送装置3,6,8に対して、リンク断情報CLNT−ALMを送出した伝送装置4,5,7が存在し、リモートリンク断情報RMT−LNKを送出した伝送装置3,6間に、リンク断情報CLNT−ALMを送出した2台の伝送装置4,5が存在するから、この伝送装置4,5間にリンク断が発生したことを判断することができる。従って、伝送装置4,5間のリンク断発生個所に対して、迅速に回復処理を行うことが可能となる。
【符号の説明】
【0021】
1,2 ルータ
3〜8 伝送装置(WDM−A,WDM−B)
11 送受信部
12 リンク断情報生成機能部
13 リンク断情報転送機能部
14 制御処理部
15 接点出力部
21 送受信部
22 リンク断情報受信機能部
23 リンク断情報接点出力機能部
24 制御処理部
25 接点出力部
WDM−A,WDM−B 伝送装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の伝送装置を伝送路により順次接続してデータ伝送を行う伝送システムの前記各伝送装置の状態情報を接点情報として、監視装置により収集し、前記伝送システムの状態監視を行う障害監視制御システムに於いて、
前記伝送装置は、前段の伝送装置との間のリンク断発生を検出した時に、次段の伝送装置に対してリモートリンク断情報を送出し、前段の伝送装置からリモートリンク断情報を受信した時に次段の伝送装置に対してリンクのシャットダウン処理を行う制御処理手段と、前記リンク断発生を検出した時に、前記監視装置にリンク断検出接点情報を送出し、前段の伝送装置から前記リモートリンク断情報を受信した時に、前記監視装置にリモートリンク断接点情報を送出する接点情報送出処理手段とを備え、
前記監視装置は、前記伝送装置からの接点情報を収集し、前記リモートリンク断接点情報を送出した伝送装置間に、前記リンク断検出接点情報を送出した2台の伝送装置が存在する時に、該2台の伝送装置間に於いてリンク断発生と判断する制御処理手段を備えている
ことを特徴とする障害監視制御システム。
【請求項2】
前記伝送装置は、前段の伝送装置との間のリンク断発生を検出するリンク断検出機能部と、該リンク断検出機能部によるリンク断検出によりリモートリンク断情報を生成するリンク断情報生成部と、該リンク断情報生成部により生成したリモートリンク断情報を次段の伝送装置に送出するリンク断情報転送機能部と、前段の伝送装置からのリモートリンク断情報を受信処理するリンク断情報受信機能部と、該リンク断情報受信機能部によりリモートリンク断情報を受信して該当リンクをシャットダウンするシャットダウン制御機能部と、前記監視装置へ接点情報を送出する接点出力部と、前記リンク断検出機能部によるリンク断検出によりリンク断検出接点情報を前記接点出力部から前記監視装置へ送出させ、前記リンク断情報受信機能部により前記リモートリンク断情報を受信した時に、前記接点出力部から前記監視装置へリモートリンク断接点情報を送出させる制御処理部とを備えたことを特徴とする請求項1記載の障害監視制御システム。
【請求項3】
前記伝送装置は、前記監視装置へリンク断検出によるリンク断検出情報を接点情報として送出し、前段の伝送装置からのリモートリンク断情報を受信した時に、前記監視装置に対してリンク断検出情報をマスクして、リモートリンク断情報のみを接点情報として送出する制御を行う制御処理部を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の障害監視制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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