雄形バーに義歯を固着する装置
【課題】本発明は雄型バー上に雌受枠を留置するための保持力を簡単に調節可能な、雄型バーに義歯を固定する装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明による雄型バーに義歯を固定する装置は、義歯に接合可能の雌受枠(10)と、雌受枠に挿入可能で、雌受枠を雄型バーに装着した際に雄型バー上に延在する少なくとも二つのインサート(20)とを有する。
【解決手段】本発明による雄型バーに義歯を固定する装置は、義歯に接合可能の雌受枠(10)と、雌受枠に挿入可能で、雌受枠を雄型バーに装着した際に雄型バー上に延在する少なくとも二つのインサート(20)とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特許請求の範囲の請求項1の前段に記載の雄形バーに義歯を固着するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記の装置は、DE29 45 489A1に開示されている。雌受枠を雄形バーへ圧力嵌めによって結合するために、ゴム弾性材料が雌受枠の二本の長手方向溝に埋め込むようにして設けられる。ゴム弾性材料の形状およびサイズは、予め決定しておく。義歯に固着するべく、雌受枠を幾何学的な理由で短くしなければならないならば、雄形部分に雌受枠を保持するための保持力を変更することとなる。上記開示の装置では、この保持力を変更することができない。
【0003】
EP473 933A1に弾性バネが取り付けられた雄形バーへの結合が開示されている。この装置においても、バネ部材の形状およびサイズは予め決められており、後で保持力を調節することができない。
【0004】
さらには、模型成型のための装置が市販されているが、各摩擦力をバーに作用する種々のプラスティックインサートの選択を要する。義歯の骨格を成型する際に、成型後の義歯の骨格に挿入しようとするプラスティックインサートのための凹所が設けられる。この装置においては、各成型を個別に行なう必要があり、製造に労力を要し、コストがかかるので不利である。さらに、挿入されたプラスティックインサートが保持力を確定することになる。もし保持力を変更しようとすれば、プラスティックインサートを別のものと変更する必要がある。後の保持力の調節は、限定的な範囲でしか行うことができない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
この先行技術の技術背景に鑑みて、本発明の一目的は、上述した種類の装置を提供することであり、この装置により、雌受枠を雄形バーに維持させる保持力が簡単に調節可能となる。
【0006】
以上の装置は、請求項1に記載の装置で達成される。下記の請求項は、好適実施例に関する。
【0007】
請求項1によれば、雌受枠に挿入可能の少なくとも二つのインサートが設けられる。これにより雌受枠に適宜の数のインサートを挿入することにより保持力が簡単に調節可能である。
【0008】
本発明を以下に例示的実施例の形で添付図を参照して詳細に説明する。
【実施例】
【0009】
(第1の例示的実施例)
図1から5は、例えば重合剤により義歯に固定されたバー状の雄部に装着可能の雌受枠10を異なる方向から示している。
【0010】
雌受枠10は、10mm以下あるいは5mm以下、すなわち例えば、3.5mmに等しい所定長さLの基礎受枠素子で構成される。雌受枠10は、複数の近接した基礎受枠素子を含み、真っ直ぐの一体のバー状の受台を構成している。雌受枠10の全長は、カットオフホィールで一部を切断することにより調節可能である。
【0011】
雌受枠10の各基礎受枠素子は、二つの側壁12を設けたカバープレート11を有する。二つの側壁12は、ほぼ鏡面対称の形状である。
【0012】
カバープレート11は、その長手方向縁部に設けた切込み13の形状のマークを定間隔で設けられている。切込み13は、雌受枠10を短くすることができる位置を示すものであり、また雌受枠10の切断時カットホィールのガイドとなるものである。各切込み13の幅bは、雌受枠10を短くする切断を考慮して選定される。例えば、幅bは、カットホイールの厚さに相当するものであっても良い。このため雌受枠10の長さは、N*L+(N−1)*bに等しく、ここでNは、基礎受枠素子の数である(図3参照)。図1および3に図示のように、切込み13は、カバープレート11の上側から下側までにわたりテーパとなった縁部により限定されている。
切込み13の代わりにあるいはこれと共に各基礎受枠素子に溝の形状のマークを付しても良い。
【0013】
雌受枠10には、一定の間隔で凹刻14をカバープレート11の外面側および/もしくは内面側に随意で設けることもできる。図1および図3に図示のように、凹刻14は、単なる記号として矩形で示されている。しかしながら、例えば、シンボルとしてのロゴや刻印などの所望の形状として良く、ミリングやレーザなどで凹刻するなどの従来の方法で加工できる。凹刻14は、所与の情報を、すなわち例えば、商品の製造元および/もしくはその名称などを記入した銘版とすることができる。
【0014】
各側壁12がカバープレート11に接続されている領域には、保持溝15が設けられている。これにより、カバープレート11の長手方向縁部は、側壁12から少し突出している。よって、雌受枠10は、義歯に埋め込まれる際にしっかり保持されることができる。
【0015】
各側壁12の内側は、長手方向溝16が設けられている。各基礎受枠素子は、カバープレート11の内側に凹所17を有する。
【0016】
雌受枠10の各基礎受枠素子は、インサート20を受け入れる場所となる。図6から9は、このようなインサート20を異なる図式で図示している。
【0017】
図6に図示するように、インサート20は、U字状の横断面形状を有するものである。インサート20の外側は、基礎受枠素子の内側と実質的に相補形状となっている。詳細には、インサート20の各外側は、段状となっていて、これにより長手方向翼部26が形成される。インサート20のかみ合い側には、突起27が設けられている。インサート20を各基礎受枠素子へ挿入時、長手方向翼部26は、雌受枠10の長手方向溝16に係合し、突起27は、凹所17に係合することになる。
【0018】
長手方向溝16と長手方向翼部26の形状は、各義歯の雌受枠を雄形バーから撤去方向に引き抜く際に、雌受枠10内にインサート20がしっかりと保持されるように選定する。
【0019】
雌受枠10を拡大して正面から図示する図10を参照して、撤去方向は、矢印29で図示されている。各長手方向溝16は、その横断面において、撤去方向29にほぼ垂直の第1部分16aおよび隣接する第2部分16bを有する。第2部分16bは、カバープレート11に近接し、すなわち、第1部分16aよりも雌受枠10の噛み合い側に近くなっている。第2部分16bは、撤去方向29にほぼ平行であり、またこれには、第3部分16cが隣接する。第2部分16bと第3部分16cとの間の角度αは、90度より大きく180度より小さい。角度αは、125度から170度の範囲が好適である。第3部分16cは、第4部分18に続き、第4部分は、雌受枠10のU字状の内面と隣接する。部分16a,16b,16cは、ほぼ真っ直ぐに並べられている。
【0020】
側壁12は、第2部分16bの領域で最も薄い部分を有している。この部分16bと雌受枠10の基底端との間の距離は、可能な限り短くして、雌受枠10に負荷がかかる際に最も薄い部分に作用するレバーアームを最小にする必要がある。さらに、長手方向溝16の選定形状は、側壁12の最も薄い部分を徐々に第4部分18の厚い壁に接合させて雌受枠10の残余の部分に剛体的に接合するようになっている。テストの結果、雌受枠10が破壊を生ずることなく高負荷に耐えうることが証明されている。長手方向溝が矩形あるいは半円の横断面を有する雌受枠10は、抵抗力が低く側壁が破損し易いことが判明している。
【0021】
図11に、インサート20を設けた雌受枠10を取付け可能な雄形バー30を図示する。図14にも図示のように、雄形バー30は、U字状の横断面を有し、その両側面は、互いに平行である。このような雄形バーは、ドルダーバー(Dolder bar)として知られている。雌受枠10およびインサート20は、また既存の雄形バーと適合可能に設計されている。
【0022】
図12および図13は、4つのインサート20を挿入した雌受枠10を図示している。各インサート20の突起27は、各基礎受枠要素の凹所17に係合されている。突起27および凹所17は、各インサート20の雌受枠10における位置を決定するように設計されている。雌受枠10に挿入後、位置決め手段17、27は、インサート30が雌受枠10に沿って動くのを防止している。
【0023】
図14に示すように、インサート20は、雌受枠10と雄形バー30との間に配置される。インサート20は、かみ合わせ側で閉止され、雄形バー30上に延在する。
【0024】
インサート20の長さは、基礎受枠要素の長さLにほぼ一致する。従って、雌受枠10に挿入した互いに隣接するインサート20の間に間隙sが生じ、この間隙sは、幅bとほぼ一致する。
【0025】
以下で、雌受枠10を雄形バー30に保持する力を「保持力」と称する。また、バー30から雌受枠10を引き抜くために要する力を、「撤去力」と称する。撤去力と保持力とは等しい大きさであり、反対方向に働く。
ここに示す例では、雄形バー30に装着した雌受枠10は、インサート20と雄形バー30との間に作用する摩擦により主に保持される。摩擦すなわち保持力と撤去力は、挿入するインサート20の数およびインサート20が挿入される位置を選定することにより簡単に調節可能である。図15に図示の例では、唯一のインサート20が最外部の基礎受枠要素に挿入されている。図16に図示する各インサート20が、二つの外側基礎受枠要素にそれぞれ挿入されている。
【0026】
随意に、厚さなどが異なる異種のインサート20を設けて、保持力と撤去力をさらに調節する可能性を与えるようにしても良い。
【0027】
雌受枠10およびインサート20は、予め製造しておくことができ、口腔抵抗性材料製、例えば、チタニウム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)やポリオキシメチレン(POM)などの剛性材料製とする。
【0028】
インサート20は、弾性材料製であるので雌受枠10に挿入可能である。インサート20は、プラスティック製である必要はなく、プラスティックで被覆された金属材料製であっても良い。
【0029】
雌受枠10を、長いバー材として製造し、これを切断して所望の長さの雌受枠10を得るようにしても良い。この目的のため、図17に示すような通常使用されるカットオフホイール35を使用することができる。切断作業時、カットオフホイール35は、切込み13によりガイドされる。切断前に各インサート20を切断しようとする線(分離線)に隣接させて二つの基礎受枠要素に挿入可能である。これにより、インサート20の二つの前面がカットオフホイール用のさらなるガイド面となる。二つの基礎受枠素子に挿入される二つの別個の補助部分を設けるようにしても良い。補助部分は、インサート20と同じ外面を有するが、より硬い材料など、別の材料から成る。
【0030】
インサート20と同じ外形の長いバーを製造し、これからユーザが各インサート20を切り取るようにしても良い。
【0031】
長い雌受枠10に加えて、各基礎受枠要素として製造された雌受枠をさらに設けるようにすることができる(図18および図19を参照)。この基礎受け枠要素をさらに分離する必要はなく、義歯に直接嵌め込むようにしても良い。
(第2の例示的実施例)
【0032】
図20から図24は、雌受枠10’の第2の例示的実施例を図示し、図25から図28は、この雌受枠10’に用いるインサート20’を図示する。第1の例示的実施例に相当する部分は、同一の参照番号が付されている。
【0033】
第2の例示的実施例は、第1の例示的実施例と比較して、雌受枠10’およびインサート20’がよりコンパクトな形状となり、それらの各横断面形状は、図29に図示のように、丸棒30’の形状の雄形部に装着できるように選定されている。
【0034】
第1実施例のように、雌受枠10’は、一連の基礎受枠を含み、各基礎受枠はそれぞれ長さLで弾性インサート20’が挿入可能である。
【0035】
特に図25で明らかなように、インサート20’には、各側面に段が付けられていて長手方向の翼26’を形成し、またそのかみ合わせ側に突起27が設けられている。インサート20’内面は、実質的に円状の横断面形であり、そのアーク長さは円の円周の半分の長さより長くなっている。
【0036】
図30に拡大して明瞭に示すように、二つの側壁12’は、第1実施例の雌受枠10の側壁12より短くなっている。側壁12’には、長手方向溝16’がそれぞれ設けられている。長手方向溝16’の横断面形状は、3つの部分16’a、16’b、16’cから構成され、第1部分16’aは、撤去方向29にほぼ垂直であり、第2部分16’bは、撤去方向29にほぼ平行であり、第3部分16’cは、第2部分16’bに対して角度α’をもって配置されている。この角度α’は、90度より大きく180度より小さい、好ましくは、125度から170度の範囲の角度である。部分16’a、16’b、16’cは、ほぼ真っ直ぐである。第1実施例と同様に、長手方向溝16’は、雌受枠10’が高負荷に耐えられるような形状となっている。
【0037】
図31から図33を参照して、インサート20’の長手方向翼26’は、それぞれ対応の長手方向溝16’に係合すると共に、突起27は、凹所17に係合する。
【0038】
雌受枠10’へのインサート20’の挿入は、部分16’aと雌受枠10’の曲面部との間の距離がインサート20’の相応の寸法より少し大きくすることにより容易となる。この結果、雌受枠10’とインサート20’との間に隙間が生ずるが、この隙間は、雌受枠を雄形バー30’に装着した際のインサート20’の張力を考慮すると隙間はゼロとなる。
【0039】
図32に図示のように、インサート20’は、バー30’上に延在し、雌受枠10’の基底縁部を超えて延びている。雌受枠10’は、摩擦および保持力の双方を有する。すなわち、バー30’上に摩擦力と選定された形状による相乗効果により留置されている。
【0040】
雌受枠10’およびインサート20’の製造、材料の選定および適用可能性は、第1の例示的実施例と同様である。
【0041】
また図34および図35に図示するように、個々の雌受枠10’を、インサート20’を該雌受枠10’内へ挿入可能なように、且つ基礎受枠要素に対応するように設けても良い。
(第3の例示的実施例)
【0042】
図36から図38は、雌受枠10”の第3実施例を図示し、図39から図42は、相当するインサート20”を図示する。第1の例示的実施例に相当する部分は、同じ参照番号を付する。
【0043】
第3の例示的実施例は、第1の例示的実施例と同様であるが、位置決め手段17’、27’の設計が相違している。
【0044】
図36から図38を参照して、雌受枠10” は、両側壁に定間隔でほぼ撤去方向29に延在して設けた凹所17’を有している。凹所17’は、雌受枠10”の基底端からカバープレート11方向に延在する溝により形成される。本実施例では、凹所17’は、長手方向溝16を横切っている。
【0045】
図39から図42を参照して、インサート20”は、その両長手方向外側に、撤去方向に延在する突起27’がそれぞれ設けられている。本実施例では、突起27’は、長手方向翼26を横切っている。
【0046】
雌受枠10”にインサート20”を挿入する際に、各突起27’は、雌受枠10”の凹所17’にそれぞれ係合する(図43および図44を参照)。
【0047】
雌受枠10”の側壁12”に凹所17’を配置しているので、ユーザは、凹所17’を良く確認でき、雌受枠10”の所望の位置にインサート20”を簡単に挿入可能である。さらに、インサート20”は、位置決め手段17’、27’により雌受枠10”内の定位置に安全に保持される。
【0048】
特に図44を参照して、突起27’は、雌受枠10”の基底端まで延びていない。よって、外部からアクセス可能なスペースが雌受枠10”とインサート20”との間に維持される。適当な工具をこのスペースに係合させてインサート20”を簡単に雌受枠10”から除去することができる。
(第4の例示的実施例)
【0049】
図45は、雌受枠10”’の第4の例示的実施例を示し、図46から図50に、この雌受枠10”’に対応するインサート20”’を図示する。第1の例示的実施例の部分と同じ部分には同じ参照番号を付する。
【0050】
第4の例示的実施例は、第2の例示的実施例とほぼ同様であり、長手方向溝16”、長手方向翼26”ならびに位置決め手段17’、27’の設計が異なっている。
【0051】
図45を参照して、長手方向溝16”の横断面は、3つの部分16”a、16’b,16’cで構成される。第2の例示的実施例と比較するに、第1部分16”aは、撤去方向29に垂直でなく、むしろ垂直から僅かに傾いている。部分16”a、16’bは、90度より大きく180度より小さい角度βとなるように配置されており、好ましくは、110度から160度の範囲の角度となっている。
【0052】
図46に図示のように、インサート20”’の長手方向翼26”は、それぞれ面取りされた下側を有する。インサート20”’が雌受枠10”’に挿入された際に(図52参照)、この面取りされた下側は、部分16”a上に安置される。部分16”aと長手方向翼26”が傾斜して配置されているので、雌受枠10”’にインサート20”’を挿入することが簡単となる。
【0053】
図46から図50を参照して、インサート20”’は、その両長手方向外面に第3の例示的実施例で説明したと同様の突起27’がそれぞれ設けられている。
【0054】
インサート20”’は、内部に凹所28が設けられている。もし補助工具を雌受枠10”’にインサート20”’を挿入する際に使用するのであれば、凹所28は、補助工具でインサート20”’を確実に把持することを可能とする。
【0055】
雌受枠10”’の所望の位置にインサート20”’を挿入して維持するために、雌受枠10”’の両側壁12”’に第3の実施例で説明したと同じ凹所17’がそれぞれ設けられている。図51および図54は、4つのインサート20”’を挿入した雌受枠10”’の例を図示している。これらの図から明らかなように、各突起27’と長手方向翼26”は、凹所17’と長手方向溝16’にそれぞれ係合する。
【0056】
上述した例示的実施例は、とりわけ以下の作用効果を呈する。
【0057】
−保持力および撤去力は、インサート付の基礎受枠素子を適宜に設けるかあるいは取り除いた状態にすることなどによる様々な方法で調節可能である。
【0058】
−同じインサートを雌受枠の各基礎受枠要素に挿入可能であり、かつ次いで除去することも必要に応じて可能である。雌受枠を短くしたければ、同じインサートを修正することなく使用可能である。
【0059】
−雌受枠は、予め機械加工により製造可能であり、義歯を比較的簡単で廉価な方法で雄形バーに取り付ける手段を義歯に設けることができる。雌受枠は、短くすることにより、所与の幾何学的状況に合わせることが可能である。
【0060】
−雌受枠に切込みを設けることにより、該切込みが、カットオフホイールにより雌受枠を短くするための部分を構成すると共に、切断作業時カットオフホイールをガイドする機能を簡単に提供することができる。
【0061】
雌受枠10、10’,10”,10”’の内部に定置して長手方向の変位を防止するための少なくとも一つの突起27、27’を有するインサート20、20’、20”、20”’を設けることにより、別の雌受枠例えば義歯技工師が製作した受枠にも適用可能となる。この目的でインサート20、20’、20”、20”’は、複製を作成するためにバー30、30’に直接取付けられる。この複製作成作業の際、模型成形のための蝋型成型が行われる。模型成形あるいは雌受枠にはそれぞれ、インサート20、20’、20”、20”’の突起27、27’が挿入されて係合する凹所17、17’が設けられ、これにより、インサート20、20’、20”、20”’をどの位置にも確実に配置固定可能とし、後者のずれを防止できる。
【0062】
雌受枠10、10’,10”,10”’ とインサート20、20’、20”、20”’の横断面形状は、従来の全ての雄形バーに適合可能である。すなわち、平行な壁を有する断面、玉子形断面などを有する雄形バーに適合可能である。従って、雌受枠およびバーは、双方でバーの軸の回りに雌受枠が回転可能なバー結合を構成するか、あるいは、雌受枠が剛的にバーに結合されるバー結合を構成することができる。
【0063】
もちろん、長手方向溝16、16’と長手方向翼26、26’、26”の手段による保持機構は、雌受枠10、10’,10”,10”’に長手方向翼26、26’、26”を設け、インサート20、20’、20”、20”’に長手方向溝16、16’を設けることによっても実現可能である。
同様に、位置決め手段17、17’と位置決め手段27、27’を相補的な関係の構成として、雌受枠10、10’,10”,10”’に、インサート20、20’、20”、20”’の凹所にそれぞれ係合可能な突起を、ほぼ一定の間隔で設けるようにすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明による装置の雌受枠の第1の例示的実施例を図示する鳥瞰斜視図。
【図2】図1の雌受枠を図示する上仰斜視図。
【図3】図1の雌受枠を図示する上面図。
【図4】図1の雌受枠を図示する図5のIV−IV線に沿う側方断面図。
【図5】図1の雌受枠を図示する底面図。
【図6】本発明による装置のインサートの第1の例示的実施例を図示する正面図。
【図7】図6のインサートを図示する側面図。
【図8】図6のインサートを図示する上面図。
【図9】図6のインサートを図示する斜視図。
【図10】図1の雌受枠を図示する正面図
【図11】図6に図示のインサートを設けた図1に図示の雌受枠を受けるための雄形バーを図示する斜視図。
【図12】6に図示のインサートを4つ挿入した図1の雌受枠を図示する上仰斜視図。
【図13】雄形バーは不図示の、図12の装置を示す図14に図示のXIII-XIII線に沿う断面図。
【図14】図11に図示の雄形バーに装着された図12の装置を図示する正面図。
【図15】図6に図示のインサートが挿入された図1の雌受枠を図示する上仰斜視図。
【図16】図6に図示のインサートを二つ挿入した図1の雌受枠を図示する上仰斜視図。
【図17】図1の雌受枠をカットオフホィールと共に示す斜視図。
【図18】図1の雌受枠の基礎受枠素子を図示する鳥瞰斜視図。
【図19】図18の基礎受枠素子を図示する上仰斜視図。
【図20】本発明による装置の雌受枠の第2例示的実施例を図示する鳥瞰斜視図。
【図21】図20の雌受枠を図示する上仰斜視図。
【図22】図20の雌受枠を図示する上面図。
【図23】図20の雌受枠の図24に図示のXXIII−XXIII線に沿う断面図。
【図24】図20の雌受枠を図示する底面図。
【図25】本発明による装置のインサートの第2例示的実施例を図示する正面図。
【図26】図25のインサートを図示する側面図。
【図27】図25のインサートを図示する上面図。
【図28】図25のインサートを図示する斜視図。
【図29】図25のインサートを設けた図20の雌受枠を受けるための雄形バーを図示する斜視図。
【図30】図20の雌受枠を図示する正面図。
【図31】図25のインサートを挿入した図20の雌受枠を図示する斜視図。
【図32】図29の雄形バーに装着した図31の装置を図示する正面図。
【図33】雄形バーが不図示の、図31の装置を図示する図32のXXXIII−XXXIII線に沿う側断面図。
【図34】図20の雌受枠の基礎受枠素子を図示する上仰斜視図。
【図35】図34の基礎受枠素子を図示する鳥瞰斜視図。
【図36】本発明による装置の雌受枠の第3の例示的実施例を図示する図37のXXXVI−XXXVI線に沿う断面図。
【図37】図36の雌受枠を図示する底面図。
【図38】図36の雌受枠を図示する上仰斜視図。
【図39】本発明による装置のインサートの第3の例示的実施例を図示する正面図。
【図40】図39のインサートを図示する側面図。
【図41】図39のインサートを図示する上面図。
【図42】図39のインサートを図示する斜視図。
【図43】図39のインサートを二つ挿入した図36の雌受枠を図示する上仰斜視図。
【図44】図43の装置を図示する正面断面図。
【図45】本発明による装置の雌受枠の第4例示的実施例を図示する正面図。
【図46】本発明による装置のインサートの第4の例示的実施例を図示する正面図。
【図47】図46のインサートを図示する側面図。
【図48】図46のインサートを図示する底面図。
【図49】図46のインサートを図示する上仰斜視図。
【図50】図46に図示のインサートを図示する鳥瞰斜視図。
【図51】図46の4つのインサートを挿入した図45の雌受枠を図示する上仰斜視図。
【図52】図51の装置を図示する正面図。
【図53】図51の装置を図示する図52のLIII−LIII線に沿う側方断面図。
【図54】図51の装置を図示する上仰斜視図
【技術分野】
【0001】
本発明は、特許請求の範囲の請求項1の前段に記載の雄形バーに義歯を固着するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記の装置は、DE29 45 489A1に開示されている。雌受枠を雄形バーへ圧力嵌めによって結合するために、ゴム弾性材料が雌受枠の二本の長手方向溝に埋め込むようにして設けられる。ゴム弾性材料の形状およびサイズは、予め決定しておく。義歯に固着するべく、雌受枠を幾何学的な理由で短くしなければならないならば、雄形部分に雌受枠を保持するための保持力を変更することとなる。上記開示の装置では、この保持力を変更することができない。
【0003】
EP473 933A1に弾性バネが取り付けられた雄形バーへの結合が開示されている。この装置においても、バネ部材の形状およびサイズは予め決められており、後で保持力を調節することができない。
【0004】
さらには、模型成型のための装置が市販されているが、各摩擦力をバーに作用する種々のプラスティックインサートの選択を要する。義歯の骨格を成型する際に、成型後の義歯の骨格に挿入しようとするプラスティックインサートのための凹所が設けられる。この装置においては、各成型を個別に行なう必要があり、製造に労力を要し、コストがかかるので不利である。さらに、挿入されたプラスティックインサートが保持力を確定することになる。もし保持力を変更しようとすれば、プラスティックインサートを別のものと変更する必要がある。後の保持力の調節は、限定的な範囲でしか行うことができない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
この先行技術の技術背景に鑑みて、本発明の一目的は、上述した種類の装置を提供することであり、この装置により、雌受枠を雄形バーに維持させる保持力が簡単に調節可能となる。
【0006】
以上の装置は、請求項1に記載の装置で達成される。下記の請求項は、好適実施例に関する。
【0007】
請求項1によれば、雌受枠に挿入可能の少なくとも二つのインサートが設けられる。これにより雌受枠に適宜の数のインサートを挿入することにより保持力が簡単に調節可能である。
【0008】
本発明を以下に例示的実施例の形で添付図を参照して詳細に説明する。
【実施例】
【0009】
(第1の例示的実施例)
図1から5は、例えば重合剤により義歯に固定されたバー状の雄部に装着可能の雌受枠10を異なる方向から示している。
【0010】
雌受枠10は、10mm以下あるいは5mm以下、すなわち例えば、3.5mmに等しい所定長さLの基礎受枠素子で構成される。雌受枠10は、複数の近接した基礎受枠素子を含み、真っ直ぐの一体のバー状の受台を構成している。雌受枠10の全長は、カットオフホィールで一部を切断することにより調節可能である。
【0011】
雌受枠10の各基礎受枠素子は、二つの側壁12を設けたカバープレート11を有する。二つの側壁12は、ほぼ鏡面対称の形状である。
【0012】
カバープレート11は、その長手方向縁部に設けた切込み13の形状のマークを定間隔で設けられている。切込み13は、雌受枠10を短くすることができる位置を示すものであり、また雌受枠10の切断時カットホィールのガイドとなるものである。各切込み13の幅bは、雌受枠10を短くする切断を考慮して選定される。例えば、幅bは、カットホイールの厚さに相当するものであっても良い。このため雌受枠10の長さは、N*L+(N−1)*bに等しく、ここでNは、基礎受枠素子の数である(図3参照)。図1および3に図示のように、切込み13は、カバープレート11の上側から下側までにわたりテーパとなった縁部により限定されている。
切込み13の代わりにあるいはこれと共に各基礎受枠素子に溝の形状のマークを付しても良い。
【0013】
雌受枠10には、一定の間隔で凹刻14をカバープレート11の外面側および/もしくは内面側に随意で設けることもできる。図1および図3に図示のように、凹刻14は、単なる記号として矩形で示されている。しかしながら、例えば、シンボルとしてのロゴや刻印などの所望の形状として良く、ミリングやレーザなどで凹刻するなどの従来の方法で加工できる。凹刻14は、所与の情報を、すなわち例えば、商品の製造元および/もしくはその名称などを記入した銘版とすることができる。
【0014】
各側壁12がカバープレート11に接続されている領域には、保持溝15が設けられている。これにより、カバープレート11の長手方向縁部は、側壁12から少し突出している。よって、雌受枠10は、義歯に埋め込まれる際にしっかり保持されることができる。
【0015】
各側壁12の内側は、長手方向溝16が設けられている。各基礎受枠素子は、カバープレート11の内側に凹所17を有する。
【0016】
雌受枠10の各基礎受枠素子は、インサート20を受け入れる場所となる。図6から9は、このようなインサート20を異なる図式で図示している。
【0017】
図6に図示するように、インサート20は、U字状の横断面形状を有するものである。インサート20の外側は、基礎受枠素子の内側と実質的に相補形状となっている。詳細には、インサート20の各外側は、段状となっていて、これにより長手方向翼部26が形成される。インサート20のかみ合い側には、突起27が設けられている。インサート20を各基礎受枠素子へ挿入時、長手方向翼部26は、雌受枠10の長手方向溝16に係合し、突起27は、凹所17に係合することになる。
【0018】
長手方向溝16と長手方向翼部26の形状は、各義歯の雌受枠を雄形バーから撤去方向に引き抜く際に、雌受枠10内にインサート20がしっかりと保持されるように選定する。
【0019】
雌受枠10を拡大して正面から図示する図10を参照して、撤去方向は、矢印29で図示されている。各長手方向溝16は、その横断面において、撤去方向29にほぼ垂直の第1部分16aおよび隣接する第2部分16bを有する。第2部分16bは、カバープレート11に近接し、すなわち、第1部分16aよりも雌受枠10の噛み合い側に近くなっている。第2部分16bは、撤去方向29にほぼ平行であり、またこれには、第3部分16cが隣接する。第2部分16bと第3部分16cとの間の角度αは、90度より大きく180度より小さい。角度αは、125度から170度の範囲が好適である。第3部分16cは、第4部分18に続き、第4部分は、雌受枠10のU字状の内面と隣接する。部分16a,16b,16cは、ほぼ真っ直ぐに並べられている。
【0020】
側壁12は、第2部分16bの領域で最も薄い部分を有している。この部分16bと雌受枠10の基底端との間の距離は、可能な限り短くして、雌受枠10に負荷がかかる際に最も薄い部分に作用するレバーアームを最小にする必要がある。さらに、長手方向溝16の選定形状は、側壁12の最も薄い部分を徐々に第4部分18の厚い壁に接合させて雌受枠10の残余の部分に剛体的に接合するようになっている。テストの結果、雌受枠10が破壊を生ずることなく高負荷に耐えうることが証明されている。長手方向溝が矩形あるいは半円の横断面を有する雌受枠10は、抵抗力が低く側壁が破損し易いことが判明している。
【0021】
図11に、インサート20を設けた雌受枠10を取付け可能な雄形バー30を図示する。図14にも図示のように、雄形バー30は、U字状の横断面を有し、その両側面は、互いに平行である。このような雄形バーは、ドルダーバー(Dolder bar)として知られている。雌受枠10およびインサート20は、また既存の雄形バーと適合可能に設計されている。
【0022】
図12および図13は、4つのインサート20を挿入した雌受枠10を図示している。各インサート20の突起27は、各基礎受枠要素の凹所17に係合されている。突起27および凹所17は、各インサート20の雌受枠10における位置を決定するように設計されている。雌受枠10に挿入後、位置決め手段17、27は、インサート30が雌受枠10に沿って動くのを防止している。
【0023】
図14に示すように、インサート20は、雌受枠10と雄形バー30との間に配置される。インサート20は、かみ合わせ側で閉止され、雄形バー30上に延在する。
【0024】
インサート20の長さは、基礎受枠要素の長さLにほぼ一致する。従って、雌受枠10に挿入した互いに隣接するインサート20の間に間隙sが生じ、この間隙sは、幅bとほぼ一致する。
【0025】
以下で、雌受枠10を雄形バー30に保持する力を「保持力」と称する。また、バー30から雌受枠10を引き抜くために要する力を、「撤去力」と称する。撤去力と保持力とは等しい大きさであり、反対方向に働く。
ここに示す例では、雄形バー30に装着した雌受枠10は、インサート20と雄形バー30との間に作用する摩擦により主に保持される。摩擦すなわち保持力と撤去力は、挿入するインサート20の数およびインサート20が挿入される位置を選定することにより簡単に調節可能である。図15に図示の例では、唯一のインサート20が最外部の基礎受枠要素に挿入されている。図16に図示する各インサート20が、二つの外側基礎受枠要素にそれぞれ挿入されている。
【0026】
随意に、厚さなどが異なる異種のインサート20を設けて、保持力と撤去力をさらに調節する可能性を与えるようにしても良い。
【0027】
雌受枠10およびインサート20は、予め製造しておくことができ、口腔抵抗性材料製、例えば、チタニウム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)やポリオキシメチレン(POM)などの剛性材料製とする。
【0028】
インサート20は、弾性材料製であるので雌受枠10に挿入可能である。インサート20は、プラスティック製である必要はなく、プラスティックで被覆された金属材料製であっても良い。
【0029】
雌受枠10を、長いバー材として製造し、これを切断して所望の長さの雌受枠10を得るようにしても良い。この目的のため、図17に示すような通常使用されるカットオフホイール35を使用することができる。切断作業時、カットオフホイール35は、切込み13によりガイドされる。切断前に各インサート20を切断しようとする線(分離線)に隣接させて二つの基礎受枠要素に挿入可能である。これにより、インサート20の二つの前面がカットオフホイール用のさらなるガイド面となる。二つの基礎受枠素子に挿入される二つの別個の補助部分を設けるようにしても良い。補助部分は、インサート20と同じ外面を有するが、より硬い材料など、別の材料から成る。
【0030】
インサート20と同じ外形の長いバーを製造し、これからユーザが各インサート20を切り取るようにしても良い。
【0031】
長い雌受枠10に加えて、各基礎受枠要素として製造された雌受枠をさらに設けるようにすることができる(図18および図19を参照)。この基礎受け枠要素をさらに分離する必要はなく、義歯に直接嵌め込むようにしても良い。
(第2の例示的実施例)
【0032】
図20から図24は、雌受枠10’の第2の例示的実施例を図示し、図25から図28は、この雌受枠10’に用いるインサート20’を図示する。第1の例示的実施例に相当する部分は、同一の参照番号が付されている。
【0033】
第2の例示的実施例は、第1の例示的実施例と比較して、雌受枠10’およびインサート20’がよりコンパクトな形状となり、それらの各横断面形状は、図29に図示のように、丸棒30’の形状の雄形部に装着できるように選定されている。
【0034】
第1実施例のように、雌受枠10’は、一連の基礎受枠を含み、各基礎受枠はそれぞれ長さLで弾性インサート20’が挿入可能である。
【0035】
特に図25で明らかなように、インサート20’には、各側面に段が付けられていて長手方向の翼26’を形成し、またそのかみ合わせ側に突起27が設けられている。インサート20’内面は、実質的に円状の横断面形であり、そのアーク長さは円の円周の半分の長さより長くなっている。
【0036】
図30に拡大して明瞭に示すように、二つの側壁12’は、第1実施例の雌受枠10の側壁12より短くなっている。側壁12’には、長手方向溝16’がそれぞれ設けられている。長手方向溝16’の横断面形状は、3つの部分16’a、16’b、16’cから構成され、第1部分16’aは、撤去方向29にほぼ垂直であり、第2部分16’bは、撤去方向29にほぼ平行であり、第3部分16’cは、第2部分16’bに対して角度α’をもって配置されている。この角度α’は、90度より大きく180度より小さい、好ましくは、125度から170度の範囲の角度である。部分16’a、16’b、16’cは、ほぼ真っ直ぐである。第1実施例と同様に、長手方向溝16’は、雌受枠10’が高負荷に耐えられるような形状となっている。
【0037】
図31から図33を参照して、インサート20’の長手方向翼26’は、それぞれ対応の長手方向溝16’に係合すると共に、突起27は、凹所17に係合する。
【0038】
雌受枠10’へのインサート20’の挿入は、部分16’aと雌受枠10’の曲面部との間の距離がインサート20’の相応の寸法より少し大きくすることにより容易となる。この結果、雌受枠10’とインサート20’との間に隙間が生ずるが、この隙間は、雌受枠を雄形バー30’に装着した際のインサート20’の張力を考慮すると隙間はゼロとなる。
【0039】
図32に図示のように、インサート20’は、バー30’上に延在し、雌受枠10’の基底縁部を超えて延びている。雌受枠10’は、摩擦および保持力の双方を有する。すなわち、バー30’上に摩擦力と選定された形状による相乗効果により留置されている。
【0040】
雌受枠10’およびインサート20’の製造、材料の選定および適用可能性は、第1の例示的実施例と同様である。
【0041】
また図34および図35に図示するように、個々の雌受枠10’を、インサート20’を該雌受枠10’内へ挿入可能なように、且つ基礎受枠要素に対応するように設けても良い。
(第3の例示的実施例)
【0042】
図36から図38は、雌受枠10”の第3実施例を図示し、図39から図42は、相当するインサート20”を図示する。第1の例示的実施例に相当する部分は、同じ参照番号を付する。
【0043】
第3の例示的実施例は、第1の例示的実施例と同様であるが、位置決め手段17’、27’の設計が相違している。
【0044】
図36から図38を参照して、雌受枠10” は、両側壁に定間隔でほぼ撤去方向29に延在して設けた凹所17’を有している。凹所17’は、雌受枠10”の基底端からカバープレート11方向に延在する溝により形成される。本実施例では、凹所17’は、長手方向溝16を横切っている。
【0045】
図39から図42を参照して、インサート20”は、その両長手方向外側に、撤去方向に延在する突起27’がそれぞれ設けられている。本実施例では、突起27’は、長手方向翼26を横切っている。
【0046】
雌受枠10”にインサート20”を挿入する際に、各突起27’は、雌受枠10”の凹所17’にそれぞれ係合する(図43および図44を参照)。
【0047】
雌受枠10”の側壁12”に凹所17’を配置しているので、ユーザは、凹所17’を良く確認でき、雌受枠10”の所望の位置にインサート20”を簡単に挿入可能である。さらに、インサート20”は、位置決め手段17’、27’により雌受枠10”内の定位置に安全に保持される。
【0048】
特に図44を参照して、突起27’は、雌受枠10”の基底端まで延びていない。よって、外部からアクセス可能なスペースが雌受枠10”とインサート20”との間に維持される。適当な工具をこのスペースに係合させてインサート20”を簡単に雌受枠10”から除去することができる。
(第4の例示的実施例)
【0049】
図45は、雌受枠10”’の第4の例示的実施例を示し、図46から図50に、この雌受枠10”’に対応するインサート20”’を図示する。第1の例示的実施例の部分と同じ部分には同じ参照番号を付する。
【0050】
第4の例示的実施例は、第2の例示的実施例とほぼ同様であり、長手方向溝16”、長手方向翼26”ならびに位置決め手段17’、27’の設計が異なっている。
【0051】
図45を参照して、長手方向溝16”の横断面は、3つの部分16”a、16’b,16’cで構成される。第2の例示的実施例と比較するに、第1部分16”aは、撤去方向29に垂直でなく、むしろ垂直から僅かに傾いている。部分16”a、16’bは、90度より大きく180度より小さい角度βとなるように配置されており、好ましくは、110度から160度の範囲の角度となっている。
【0052】
図46に図示のように、インサート20”’の長手方向翼26”は、それぞれ面取りされた下側を有する。インサート20”’が雌受枠10”’に挿入された際に(図52参照)、この面取りされた下側は、部分16”a上に安置される。部分16”aと長手方向翼26”が傾斜して配置されているので、雌受枠10”’にインサート20”’を挿入することが簡単となる。
【0053】
図46から図50を参照して、インサート20”’は、その両長手方向外面に第3の例示的実施例で説明したと同様の突起27’がそれぞれ設けられている。
【0054】
インサート20”’は、内部に凹所28が設けられている。もし補助工具を雌受枠10”’にインサート20”’を挿入する際に使用するのであれば、凹所28は、補助工具でインサート20”’を確実に把持することを可能とする。
【0055】
雌受枠10”’の所望の位置にインサート20”’を挿入して維持するために、雌受枠10”’の両側壁12”’に第3の実施例で説明したと同じ凹所17’がそれぞれ設けられている。図51および図54は、4つのインサート20”’を挿入した雌受枠10”’の例を図示している。これらの図から明らかなように、各突起27’と長手方向翼26”は、凹所17’と長手方向溝16’にそれぞれ係合する。
【0056】
上述した例示的実施例は、とりわけ以下の作用効果を呈する。
【0057】
−保持力および撤去力は、インサート付の基礎受枠素子を適宜に設けるかあるいは取り除いた状態にすることなどによる様々な方法で調節可能である。
【0058】
−同じインサートを雌受枠の各基礎受枠要素に挿入可能であり、かつ次いで除去することも必要に応じて可能である。雌受枠を短くしたければ、同じインサートを修正することなく使用可能である。
【0059】
−雌受枠は、予め機械加工により製造可能であり、義歯を比較的簡単で廉価な方法で雄形バーに取り付ける手段を義歯に設けることができる。雌受枠は、短くすることにより、所与の幾何学的状況に合わせることが可能である。
【0060】
−雌受枠に切込みを設けることにより、該切込みが、カットオフホイールにより雌受枠を短くするための部分を構成すると共に、切断作業時カットオフホイールをガイドする機能を簡単に提供することができる。
【0061】
雌受枠10、10’,10”,10”’の内部に定置して長手方向の変位を防止するための少なくとも一つの突起27、27’を有するインサート20、20’、20”、20”’を設けることにより、別の雌受枠例えば義歯技工師が製作した受枠にも適用可能となる。この目的でインサート20、20’、20”、20”’は、複製を作成するためにバー30、30’に直接取付けられる。この複製作成作業の際、模型成形のための蝋型成型が行われる。模型成形あるいは雌受枠にはそれぞれ、インサート20、20’、20”、20”’の突起27、27’が挿入されて係合する凹所17、17’が設けられ、これにより、インサート20、20’、20”、20”’をどの位置にも確実に配置固定可能とし、後者のずれを防止できる。
【0062】
雌受枠10、10’,10”,10”’ とインサート20、20’、20”、20”’の横断面形状は、従来の全ての雄形バーに適合可能である。すなわち、平行な壁を有する断面、玉子形断面などを有する雄形バーに適合可能である。従って、雌受枠およびバーは、双方でバーの軸の回りに雌受枠が回転可能なバー結合を構成するか、あるいは、雌受枠が剛的にバーに結合されるバー結合を構成することができる。
【0063】
もちろん、長手方向溝16、16’と長手方向翼26、26’、26”の手段による保持機構は、雌受枠10、10’,10”,10”’に長手方向翼26、26’、26”を設け、インサート20、20’、20”、20”’に長手方向溝16、16’を設けることによっても実現可能である。
同様に、位置決め手段17、17’と位置決め手段27、27’を相補的な関係の構成として、雌受枠10、10’,10”,10”’に、インサート20、20’、20”、20”’の凹所にそれぞれ係合可能な突起を、ほぼ一定の間隔で設けるようにすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明による装置の雌受枠の第1の例示的実施例を図示する鳥瞰斜視図。
【図2】図1の雌受枠を図示する上仰斜視図。
【図3】図1の雌受枠を図示する上面図。
【図4】図1の雌受枠を図示する図5のIV−IV線に沿う側方断面図。
【図5】図1の雌受枠を図示する底面図。
【図6】本発明による装置のインサートの第1の例示的実施例を図示する正面図。
【図7】図6のインサートを図示する側面図。
【図8】図6のインサートを図示する上面図。
【図9】図6のインサートを図示する斜視図。
【図10】図1の雌受枠を図示する正面図
【図11】図6に図示のインサートを設けた図1に図示の雌受枠を受けるための雄形バーを図示する斜視図。
【図12】6に図示のインサートを4つ挿入した図1の雌受枠を図示する上仰斜視図。
【図13】雄形バーは不図示の、図12の装置を示す図14に図示のXIII-XIII線に沿う断面図。
【図14】図11に図示の雄形バーに装着された図12の装置を図示する正面図。
【図15】図6に図示のインサートが挿入された図1の雌受枠を図示する上仰斜視図。
【図16】図6に図示のインサートを二つ挿入した図1の雌受枠を図示する上仰斜視図。
【図17】図1の雌受枠をカットオフホィールと共に示す斜視図。
【図18】図1の雌受枠の基礎受枠素子を図示する鳥瞰斜視図。
【図19】図18の基礎受枠素子を図示する上仰斜視図。
【図20】本発明による装置の雌受枠の第2例示的実施例を図示する鳥瞰斜視図。
【図21】図20の雌受枠を図示する上仰斜視図。
【図22】図20の雌受枠を図示する上面図。
【図23】図20の雌受枠の図24に図示のXXIII−XXIII線に沿う断面図。
【図24】図20の雌受枠を図示する底面図。
【図25】本発明による装置のインサートの第2例示的実施例を図示する正面図。
【図26】図25のインサートを図示する側面図。
【図27】図25のインサートを図示する上面図。
【図28】図25のインサートを図示する斜視図。
【図29】図25のインサートを設けた図20の雌受枠を受けるための雄形バーを図示する斜視図。
【図30】図20の雌受枠を図示する正面図。
【図31】図25のインサートを挿入した図20の雌受枠を図示する斜視図。
【図32】図29の雄形バーに装着した図31の装置を図示する正面図。
【図33】雄形バーが不図示の、図31の装置を図示する図32のXXXIII−XXXIII線に沿う側断面図。
【図34】図20の雌受枠の基礎受枠素子を図示する上仰斜視図。
【図35】図34の基礎受枠素子を図示する鳥瞰斜視図。
【図36】本発明による装置の雌受枠の第3の例示的実施例を図示する図37のXXXVI−XXXVI線に沿う断面図。
【図37】図36の雌受枠を図示する底面図。
【図38】図36の雌受枠を図示する上仰斜視図。
【図39】本発明による装置のインサートの第3の例示的実施例を図示する正面図。
【図40】図39のインサートを図示する側面図。
【図41】図39のインサートを図示する上面図。
【図42】図39のインサートを図示する斜視図。
【図43】図39のインサートを二つ挿入した図36の雌受枠を図示する上仰斜視図。
【図44】図43の装置を図示する正面断面図。
【図45】本発明による装置の雌受枠の第4例示的実施例を図示する正面図。
【図46】本発明による装置のインサートの第4の例示的実施例を図示する正面図。
【図47】図46のインサートを図示する側面図。
【図48】図46のインサートを図示する底面図。
【図49】図46のインサートを図示する上仰斜視図。
【図50】図46に図示のインサートを図示する鳥瞰斜視図。
【図51】図46の4つのインサートを挿入した図45の雌受枠を図示する上仰斜視図。
【図52】図51の装置を図示する正面図。
【図53】図51の装置を図示する図52のLIII−LIII線に沿う側方断面図。
【図54】図51の装置を図示する上仰斜視図
【特許請求の範囲】
【請求項1】
義歯に接合可能な雌受枠を有する雄型バーに義歯を固定する装置において、
前記雄型バーに雌受枠を保持する保持力を調節するために、前記装置は、前記雌受枠(10,10’、10”,10”’)に挿入可能で、該雌受枠(10,10’、10”,10”’)が雄型バー(30,30’)へ取付けられた際に該雄型バーの上に延在する少なくとも二つのインサート(20,20’,20”,20”’)を有することを特徴とする装置。
【請求項2】
前記雌受枠(10,10’、10”,10”’)は、一体形であり、複数の隣接する略同一の基礎受枠要素を含み、インサート(20,20’,20”,20”’)が該基礎受枠要素のいずれにも挿入可能である請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記雌受枠(10,10’、10”,10”’)および前記インサート(20,20’,20”,20”’)が、雌受枠内での該インサートの位置を決める位置決め手段(17,27,17’,27’)を有し、該雌受枠の位置決め手段(17,17’)は、好ましくは略一定の間隔で該雌受枠上に配置されている請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記位置決め手段が、凹所(17,17’)および突起(27,27’)とを有し、前記各インサート(20,20’,20”,20”’)が前記雌受枠(10,10’、10”,10”’)に挿入された際に前記少なくとも一つの突起(27,27’)は、前記凹所(17,17’)と係合する請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記インサート(20,20’,20”,20”’)の長さは、これらインサートが前記雌受枠(10,10’、10”,10”’)の二箇所の隣接位置に挿入された際にスペース(s)が形成されるように選定されている請求項3又は4に記載の装置。
【請求項6】
前記雌受枠(10,10’、10”,10”’)には、略一定の間隔でマーク(13,14)が設けられている請求項1から5の何れか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記マークは、切込み(13)、溝および/または刻印である請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記雌受枠(10,10’、10”,10”’)は、カットオフホイール(35)により短く切断される際の位置決めとなり、且つ、切断作業時該カットオフホイールのためのガイドの作用を果たす切込み(13)を有する請求項1から7の何れか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記インサート(20,20’,20”,20”’)および/または前記雌受枠(10,10’、10”,10”’)は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)あるいはポリオキシメチレン(POM)を含むかあるいはポリエーテルエーテルケトン(PEEK)あるいはポリオキシメチレン(POM)製である請求項1から8の何れか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記雌受枠(10,10’、10”,10”’)は、少なくとも二つの長手方向溝(16,16’,16”)を有し、各インサート(20,20’,20”,20”’)は、該長手方向溝に係合するための長手方向翼(26,26’,26”)を有する請求項1から9の何れか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記雄型バー(30,30’)に装着された前記雌受枠(10,10’、10”,10”’)は、撤去方向(33)に除去可能であり、各長手方向溝(16,16’,16”)の断面は、
第1部分(16a,16’a,16”a)、
該第1部分(16a,16’a,16”a)に隣接し、該第1部分(16a,16’a,16”a)よりも前記雌受枠のかみ合い側(11)により近く、前記撤去方向と平行な第2部分(16b,16’b)ならびに
該第2部分に隣接する第3部分(16c,16’c)
を有し、
該第2部分と第3部分との間の角度(α,α’)は、90度と180度の間の範囲、好ましくは、125度から170度の範囲にある請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記雌受枠(10,10’、10”,10”’)を成型するためおよび/または該雌受枠を短くするために、前記インサート(20,20’,20”,20”’)と略同じ形状で、かつ略同じサイズかこれより大きい寸法の補助部分をさらに含む請求項1から11の何れか一項に記載の装置。
【請求項1】
義歯に接合可能な雌受枠を有する雄型バーに義歯を固定する装置において、
前記雄型バーに雌受枠を保持する保持力を調節するために、前記装置は、前記雌受枠(10,10’、10”,10”’)に挿入可能で、該雌受枠(10,10’、10”,10”’)が雄型バー(30,30’)へ取付けられた際に該雄型バーの上に延在する少なくとも二つのインサート(20,20’,20”,20”’)を有することを特徴とする装置。
【請求項2】
前記雌受枠(10,10’、10”,10”’)は、一体形であり、複数の隣接する略同一の基礎受枠要素を含み、インサート(20,20’,20”,20”’)が該基礎受枠要素のいずれにも挿入可能である請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記雌受枠(10,10’、10”,10”’)および前記インサート(20,20’,20”,20”’)が、雌受枠内での該インサートの位置を決める位置決め手段(17,27,17’,27’)を有し、該雌受枠の位置決め手段(17,17’)は、好ましくは略一定の間隔で該雌受枠上に配置されている請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記位置決め手段が、凹所(17,17’)および突起(27,27’)とを有し、前記各インサート(20,20’,20”,20”’)が前記雌受枠(10,10’、10”,10”’)に挿入された際に前記少なくとも一つの突起(27,27’)は、前記凹所(17,17’)と係合する請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記インサート(20,20’,20”,20”’)の長さは、これらインサートが前記雌受枠(10,10’、10”,10”’)の二箇所の隣接位置に挿入された際にスペース(s)が形成されるように選定されている請求項3又は4に記載の装置。
【請求項6】
前記雌受枠(10,10’、10”,10”’)には、略一定の間隔でマーク(13,14)が設けられている請求項1から5の何れか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記マークは、切込み(13)、溝および/または刻印である請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記雌受枠(10,10’、10”,10”’)は、カットオフホイール(35)により短く切断される際の位置決めとなり、且つ、切断作業時該カットオフホイールのためのガイドの作用を果たす切込み(13)を有する請求項1から7の何れか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記インサート(20,20’,20”,20”’)および/または前記雌受枠(10,10’、10”,10”’)は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)あるいはポリオキシメチレン(POM)を含むかあるいはポリエーテルエーテルケトン(PEEK)あるいはポリオキシメチレン(POM)製である請求項1から8の何れか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記雌受枠(10,10’、10”,10”’)は、少なくとも二つの長手方向溝(16,16’,16”)を有し、各インサート(20,20’,20”,20”’)は、該長手方向溝に係合するための長手方向翼(26,26’,26”)を有する請求項1から9の何れか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記雄型バー(30,30’)に装着された前記雌受枠(10,10’、10”,10”’)は、撤去方向(33)に除去可能であり、各長手方向溝(16,16’,16”)の断面は、
第1部分(16a,16’a,16”a)、
該第1部分(16a,16’a,16”a)に隣接し、該第1部分(16a,16’a,16”a)よりも前記雌受枠のかみ合い側(11)により近く、前記撤去方向と平行な第2部分(16b,16’b)ならびに
該第2部分に隣接する第3部分(16c,16’c)
を有し、
該第2部分と第3部分との間の角度(α,α’)は、90度と180度の間の範囲、好ましくは、125度から170度の範囲にある請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記雌受枠(10,10’、10”,10”’)を成型するためおよび/または該雌受枠を短くするために、前記インサート(20,20’,20”,20”’)と略同じ形状で、かつ略同じサイズかこれより大きい寸法の補助部分をさらに含む請求項1から11の何れか一項に記載の装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【公開番号】特開2008−606(P2008−606A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−161995(P2007−161995)
【出願日】平成19年6月20日(2007.6.20)
【出願人】(507205704)サンドル エ メトー ソシエテ アノニム (5)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月20日(2007.6.20)
【出願人】(507205704)サンドル エ メトー ソシエテ アノニム (5)
【Fターム(参考)】
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