説明

集中巻コイル及び回転電機固定子

【課題】回転電機固定子に用いられる集中巻コイルにおいて、ティースに対する絶縁性と、同じスロットの中で隣接するコイル間の絶縁性を確保することである。
【解決手段】集中巻コイル10は、絶縁皮膜16の厚さd2が他の辺の絶縁皮膜の厚さd1よりも厚く設定される厚膜辺Aを有する絶縁皮膜付平角線であるコイル素線12を用い、巻回の内周側に厚膜辺Aが来るように巻回される内周コイル20と、内周コイル20と連続的に巻回され、巻回の外周側に厚膜辺Aが来るように巻回される外周コイル22と、内周コイル20と外周コイル22との間の接続部であって、絶縁被覆付平角線を延伸方向周りに180度ねじって、厚膜辺Aが内周側と外周側との間で入れ替わる接続部21を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集中巻コイル及び回転電機固定子に係り、特に、絶縁皮膜付平角線を巻回する集中巻コイル及びそれを用いる回転電機固定子に関する。
【背景技術】
【0002】
回転電機の固定子にはコイルが巻回される。具体的には、固定子に複数のスロットが設けられ、隣接するスロットの間のティースと呼ばれる突出部に導線が巻回される。限られたスロットの間に多くの導線を巻回することで、コイルの占積率が向上し、小型の回転電機となる。
【0003】
例えば、特許文献1には、集中巻き型ステータを有する車両用回転電機において、ティースの根元側から先端側に向かって平角線を一層巻き、先端側のところで折り返して、その一層の上にティースの先端側から根元側に向かってもう一層巻く二層巻の集中巻きコイルが述べられている。ここでは、先端側の折り返しのところで、コイルエンドが突き出さないように、二層目の巻線をティースの根元側に対し押し下げ、押し上げることが開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、コイル用の平角線において、ティース側の側面にのみ自己融着層を設けるので、絶縁性を確保しながら、占積率を向上させることが述べられている。
【0005】
本発明に関連する技術として、特許文献3には、電気機器巻線において、基導体を6縦列して第1の導体群を形成し、同様に、基導体を6縦列して第2の導体群を形成し、各基導体において、他の導体群と向かい合う対向面の絶縁層を他の部位よりも厚くすることが述べられている。このようにするには、静電流動法で導体の全部位に付着させた粉体樹脂を、導体の撚回によって特定部位に集散させて焼付処理することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−20490号公報
【特許文献2】特開2009−225507号公報
【特許文献3】特開昭60−234439号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献2においては、平角線の自己融着層の厚さをできるだけ薄くして占積率を上げる際に、ティース側の側面にのみ自己融着層を厚くし、ティースとの間の絶縁性を確保している。ところで、ティースの両側はスロットであるが、1つのスロットは隣接する2つのティースによって区画されるので、1つのスロットには2つのコイルが収納される。特許文献2の方法では、1つのコイルのティース側と反対側の側面が、他のコイルのティース側と反対側の側面と向かい合うことになるが、その向かい合う側面の自己融着層の厚さは薄い。したがって、1つのスロットの中の隣接するコイル間の絶縁性の確保が困難になる。
【0008】
本発明の目的は、ティースに対する絶縁性と、同じスロットの中で隣接するコイル間の絶縁性を確保できる集中巻コイル及びこれを用いる回転電機固定子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る集中巻コイルは、絶縁皮膜の厚さが他の辺の絶縁皮膜の厚さよりも厚く設定される厚膜辺を有する絶縁皮膜付平角線を用い、巻回の内周側に厚膜辺が来るように巻回される内周厚膜コイル部と、内周厚膜コイル部と連続的に巻回され、巻回の外周側に厚膜辺が来るように巻回される外周厚膜コイル部と、内周厚膜コイル部と外周厚膜コイル部との間の接続部であって、絶縁被覆付平角線を延伸方向周りに180度ねじって、厚膜辺が内周側と外周側との間で入れ替わる接続部と、を含むことを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る集中巻コイルにおいて、1つの巻回の外周側に重ねて次の巻回をして複数層の重ね巻きとする複数層巻コイルであって、最も内周側に内周厚膜コイル部を巻回し、最も外周側に外周厚膜コイル部を巻回することが好ましい。
【0011】
本発明に係る回転電機固定子は、1つのティースに複数層の平角線を巻回する集中巻コイルを備える回転電機固定子であって、集中巻コイルは、絶縁皮膜の厚さが他の辺の絶縁皮膜の厚さよりも厚く設定される厚膜辺を有する絶縁皮膜付平角線を用い、巻回の内周側に厚膜辺が来るように巻回される内周厚膜コイル部と、内周厚膜コイル部と連続的に巻回され、巻回の外周側に厚膜辺が来るように巻回される外周厚膜コイル部と、内周厚膜コイル部と外周厚膜コイル部との間の接続部であって、絶縁被覆付平角線を延伸方向周りに180度ねじって、厚膜辺が内周側と外周側との間で入れ替わる接続部と、を含むことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る回転電機固定子において、1つの巻回の外周側に重ねて次の巻回をして複数層の重ね巻きとする複数層巻コイルを用い、複数層巻コイルは、ティースの壁面に向かい合う最も内周側に内周厚膜コイル部を巻回し、隣接するティースに巻回される隣接集中巻コイルに向かい合う最も外周側に外周厚膜コイル部を巻回することが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
上記構成により、集中巻コイルは、巻回の内周側に厚膜辺が来るように巻回される内周厚膜コイル部と、内周厚膜コイル部と連続的に巻回され、巻回の外周側に厚膜辺が来るように巻回される外周厚膜コイル部とを含み、内周厚膜コイル部と外周厚膜コイル部との間の接続部において、平角線を延伸方向周りに180度ねじって、厚膜辺が内周側と外周側との間で入れ替わる。
【0014】
このように、1つの集中巻コイルで、内周厚膜コイル部と外周厚膜コイル部とを形成できる。この集中巻コイルを回転電機固定子に用いることで、ティース側に内周厚膜コイル部を配置し、同じスロットの中で隣接する他の集中巻コイルに向かい合う側に外周厚巻コイル部を配置することができる。これによって、ティースに対する絶縁性と、同じスロットの中で隣接するコイル間の絶縁性を確保できる。
【0015】
また、集中巻コイルにおいて、1つの巻回の外周側に重ねて次の巻回をして複数層の重ね巻きとする複数層巻コイルであって、最も内周側に内周厚膜コイル部を巻回し、最も外周側に外周厚膜コイル部を巻回する。このような複数層巻コイルを回転電機固定子に用いることで、ティース側に内周厚膜コイル部を配置し、同じスロットの中で隣接する他の集中巻コイルに向かい合う側に外周厚巻コイル部を配置することができる。これによって、ティースに対する絶縁性と、同じスロットの中で隣接するコイル間の絶縁性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る実施の形態の集中巻コイルの斜視図である。
【図2】図1の集中巻コイルをコイルエンド部から見た図である。
【図3】本発明に係る実施の形態の集中巻コイルにおいて、内周側に厚膜辺が来て、外周側に厚膜辺がくるように、コイルエンドで平角線を180度ねじる様子を示す図である。
【図4】本発明に係る実施の形態の集中巻コイルに用いられる平角線の断面図である。
【図5】本発明に係る実施の形態の回転電機固定子において、集中巻コイルの配置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき、詳細に説明する。以下では、集中巻コイルとして、内周側コイルの外側に外周側コイルを重ねて巻く2層巻コイルについて説明するが、2層以上の複数層に重ね巻きするコイルであってもよい。
【0018】
また、以下では、コイル素線として断面が矩形形状の平角線を述べるが、断面形状は厳密な矩形でなくても、適当な丸みを有するものであってもよい。絶縁皮膜は、加熱によって軟化しない樹脂であってもよく、自己融着性樹脂であってもよい。平角線の絶縁皮膜の厚さとして、1つの辺の絶縁皮膜の厚さが同じで、残りの1つの辺の絶縁皮膜の厚さが異なるものとして説明するが、1つの辺の絶縁皮膜の厚さが他の辺の絶縁皮膜の厚さより厚ければよく、他の辺の絶縁皮膜の厚さがそれぞれ異なっていてもよい。
【0019】
以下では、他の辺の絶縁皮膜の厚さよりも厚い絶縁皮膜を有する辺を厚膜辺Aとし、矩形断面で厚膜辺Aと向かい合う辺を薄膜辺Bとして、1つのコイル素線を巻回する途中で厚膜辺Aが向く方向と薄膜辺Bの向く方向を入れ替えることを説明する。その入れ替えのために、コイル素線をねじるが、そのねじる位置を、2つあるコイルエンドの一方側として述べるが、場合によっては、ねじる位置を、2つあるコイルエンドのいずれでも構わない。
【0020】
以下で示す形状、巻数、膜厚等は、説明のための例示であり、集中巻コイルの仕様、回転電機固定子の仕様に応じ適宜変更が可能である。
【0021】
以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本文中の説明においては、必要に応じそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
【0022】
図1は、集中巻コイル10の斜視図である。この集中巻コイル10に用いられるコイル素線12として、断面形状が矩形形状で、導線14の外周に絶縁皮膜16が設けられた構造を有する平角線である。導線14は、電気銅等を材料とする金属線である。絶縁皮膜16は、加熱によって軟化しない樹脂層である。絶縁皮膜16の厚さは各辺で同じではない。すなわち、コイル素線12である平角線の矩形形状の断面における4辺のうち、1つの辺の絶縁皮膜の厚さd2が、他の辺の絶縁皮膜の厚さd1よりも厚く設定される。
【0023】
ここで、この厚い絶縁皮膜を有する辺を厚膜辺Aと呼ぶことにし、矩形形状断面で、厚膜辺Aの向かい側で、厚膜辺の厚さよりも薄い絶縁皮膜を有する辺を薄膜辺Bと呼ぶことにする。厚膜辺Aと薄膜辺Bは、矩形断面形状の短辺であり、辺の長さが、他の2辺における辺の長さよりも短い。図1では、厚膜辺Aに斜線を付した。
【0024】
集中巻コイル10は、コイル素線12を曲げながら複数回巻回して形成されるが、曲げる辺は、矩形断面の短辺側である。つまり、集中巻コイル10の巻きの内周側は、厚膜辺Aまたは薄膜辺Bであり、巻きの外周側も厚膜辺Aまたは薄膜辺Bである。集中巻コイルは、内周側コイル20の外側に外周側コイル22を重ねて巻く2層巻コイルである。内周側コイル20と外周側コイル22とは、連続して重ね巻きされる巻線について、内周側の層となる巻線と、外周側の層となる巻線とを区別するための名称にすぎず、2つの独立したコイルがあるわけではない。1つの集中巻コイル10の部分を示す名称である。
【0025】
ここで、図1の集中巻コイル10は、内周側コイル20の巻回の内周側が厚膜辺Aで、巻回の外周側が薄膜辺Bである。一方、外周側コイル22の巻回の外周側が厚膜辺Aで、巻回の内周側が薄膜辺Bである。このように、集中巻コイル10は、巻回の内周側の絶縁皮膜16の厚さが厚い内周厚膜コイル部と、巻回の外周側の絶縁皮膜16の厚さが厚い外周厚膜コイル部を含んで構成される。
【0026】
内周厚膜コイル部も外周厚膜コイル部も、1本のコイル素線12を巻回したものであるので、巻回のどこかで、厚膜辺Aの向く方向と薄膜辺Bの向く方向を入れ替えることになる。その入れ替えのために、コイル素線12がその延伸方向周りに180度ねじられる。ねじられる部分は、内周厚膜コイル部と外周厚膜コイル部との間で入れ替わりが行われる部分で、内周厚膜コイル部と外周厚膜コイル部との接続部21である。この接続部21は、集中巻コイル10のコイルエンドのところに設けられる。
【0027】
コイルエンドとは、集中巻コイル10が回転電機の固定子コアに装着されたとき、固定子コアからコイル巻線がはみ出した部分である。図1の集中巻コイル10の例では、コイルの巻回が紙面の上下方向に細長い形状となっているので、この巻回の紙面の上下端がコイルエンドである。接続部21は、巻回の紙面の上端のコイルエンドのところに設けられる。図1では、接続部21が設けられるコイルエンドをCEとして示されている。
【0028】
図2は、図1のコイルエンドCEを紙面の上方から見た平面図に相当する図である。集中巻コイル10は、2層巻でそれぞれが7巻半の巻回である。図2には、コイルエンドCEにおける接続部21の様子が示されている。ここで、図1と同様に、厚膜辺Aに斜線を付した。薄膜辺Bには斜線が付されていない。コイルエンドCEにおいて、コイル素線12が巻回されてゆく途中で、厚膜辺Aを外周側とする状態から薄膜辺Bを外周側とする状態に入れ替わる、あるいは逆に、薄膜辺Bを外周側とする状態から厚膜辺Aを外周側とする状態に入れ替わることが示されているが、この入れ替わりのところが接続部21である。この入れ替わりによって、集中巻コイル10の巻き始めと巻き終わりで、厚膜辺Aの向く方向がコイル素線12の延伸する方向周りに180度変化する。
【0029】
図3は、接続部21において、コイル素線12がその延伸方向周りに180度ねじられて、厚膜辺Aが内周側と外周側との間で入れ替わることを説明する図である。ここでは、図2において紙面の最も上方に位置する2層巻きのそれぞれの1巻きが例として示されている。図3の下方に示す図は、集中巻コイル10の正面図に対応する模式図で、上方に示す図は、そのコイルエンドCEにおける接続部21の拡大模式図である。ここで、厚膜辺Aが接続部で入れ代わることが分かりやすいように、巻回されるコイル素線12の厚膜辺Aに相当する側に斜線を付した。
【0030】
図3に示されるように、集中巻コイル10の外周側の巻き始めからコイル素線12が外周側の層として1巻きし、コイルエンドCEの接続部21で180度ねじられ、厚膜辺Aが巻回の外周側であったのが内周側に入れ代わる。そして、そこから、コイル素線12は、集中巻コイル10の内周側の層として1巻きする。このように、接続部21において、コイル素線12がその延伸方向周り、すなわち軸周りに、180度ねじられることで、集中巻コイル10の内周側の層は、内周側の絶縁皮膜が厚い内周厚膜コイル部となり、外周側の層は、外周側の絶縁皮膜が厚い外周厚膜コイル部となる。
【0031】
図4は、図1において拡大図で示したコイル素線12のさらに詳細な断面図である。ここに示されるように、コイル素線12は、断面形状が矩形形状の導線14の外周に絶縁皮膜16が被覆された平角線である。絶縁皮膜16の厚さは、矩形形状の4辺の中の短辺の1つについて厚さd2、他の3辺について厚さd1である。厚さd2は、平角線であるコイル素線12が接触あるいは向かい合う対象物との間の電気的絶縁が十分確保できる観点から設定される。厚さd1は平角線であるコイル素線12の表面保護のために必要な最小限の厚さに設定される。d1を小さく設定することで、集中巻コイル10が回転電機の固定子に配置されるときの占積率を向上させることができる。
【0032】
コイル素線12が接触あるいは向かい合う対象物としては、回転電機の固定子において、集中巻コイル10が配置されるときにコイル素線12が巻回されるティースがある。また、回転電機の固定子において、集中巻コイル10が配置されるスロットには、当該集中巻コイル10の他に、隣接するティースに巻回される集中巻コイルが配置される。したがって、この隣接する集中巻コイルも、当該集中巻コイル10のコイル素線12が接触あるいは向かい合う対象物である。
【0033】
これらの対象物に対する絶縁性を確保するため、コイル素線12は、厚膜辺Aが向かい合うように配置する必要がある。そのために、集中巻コイル10において、ティースに向かいあう内周側の巻回の層については、内周側に厚膜辺Aが来るように、隣接する集中巻コイルに向かい合う外周側の巻回の層については、外周側に厚膜辺Aが来るようにする。
【0034】
図5は、集中巻コイル10を適用した回転電機30の固定子コア32を示す図である。ここでは、固定子コア32のティース34と、スロット36が示されている。集中巻コイル10は、内周側コイル20と外周側コイル22の2層巻きでそれぞれ7巻きとして、各層各巻きについてその配置がコイル素線12の断面図で示されている。コイル素線12の断面図は、図4を模式化し、絶縁皮膜16の厚い部分に斜線を付した。つまり、黒く着色されているところに対応する辺が厚膜辺Aである。
【0035】
なお、1つのスロット36の部分拡大図として、ティース34に向かい合う内周側コイル20と、この外側に巻回される外周側コイル22と、隣接する集中巻コイル11の外周側コイル22を示した。この拡大図では、図4のコイル素線12の断面図を用いて、これらの配置状態が示されている。
【0036】
図5に示されるように、ティース34に向かい合う内周側コイル20は、厚膜辺Aがティース34側である。また、隣接する集中巻コイル11に向かい合う外周側コイル22は、厚膜辺Aが隣接する集中巻コイル11側である。このように、図3で説明したように、厚膜辺Aの向く方向を内周側コイル20と外周側コイル22とで入れ替えることで、集中巻コイル10は、ティース34に対する絶縁性の確保とともに、同じスロット36に配置される隣接する集中巻コイル11に対する絶縁性を確保できる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明に係る集中巻コイル及びそれを用いる回転電機固定子は、車両搭載用の回転電機等に利用できる。
【符号の説明】
【0038】
10,11 集中巻コイル、12 コイル素線、14 導線、16 絶縁皮膜、20 内周側コイル(内周厚膜コイル部)、21 接続部、22 外周側コイル(外周厚膜コイル部)、30 回転電機、32 固定子コア、34 ティース、36 スロット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁皮膜の厚さが他の辺の絶縁皮膜の厚さよりも厚く設定される厚膜辺を有する絶縁皮膜付平角線を用い、巻回の内周側に厚膜辺が来るように巻回される内周厚膜コイル部と、
内周厚膜コイル部と連続的に巻回され、巻回の外周側に厚膜辺が来るように巻回される外周厚膜コイル部と、
内周厚膜コイル部と外周厚膜コイル部との間の接続部であって、絶縁被覆付平角線を延伸方向周りに180度ねじって、厚膜辺が内周側と外周側との間で入れ替わる接続部と、
を含むことを特徴とする集中巻コイル。
【請求項2】
請求項1に記載の集中巻コイルにおいて、
1つの巻回の外周側に重ねて次の巻回をして複数層の重ね巻きとする複数層巻コイルであって、
最も内周側に内周厚膜コイル部を巻回し、
最も外周側に外周厚膜コイル部を巻回することを特徴とする集中巻コイル。
【請求項3】
1つのティースに複数層の平角線を巻回する集中巻コイルを備える回転電機固定子であって、
集中巻コイルは、
絶縁皮膜の厚さが他の辺の絶縁皮膜の厚さよりも厚く設定される厚膜辺を有する絶縁皮膜付平角線を用い、巻回の内周側に厚膜辺が来るように巻回される内周厚膜コイル部と、
内周厚膜コイル部と連続的に巻回され、巻回の外周側に厚膜辺が来るように巻回される外周厚膜コイル部と、
内周厚膜コイル部と外周厚膜コイル部との間の接続部であって、絶縁被覆付平角線を延伸方向周りに180度ねじって、厚膜辺が内周側と外周側との間で入れ替わる接続部と、
を含むことを特徴とする回転電機固定子。
【請求項4】
請求項3に記載の回転電機固定子において、
1つの巻回の外周側に重ねて次の巻回をして複数層の重ね巻きとする複数層巻コイルを用い、
複数層巻コイルは、
ティースの壁面に向かい合う最も内周側に内周厚膜コイル部を巻回し、
隣接するティースに巻回される隣接集中巻コイルに向かい合う最も外周側に外周厚膜コイル部を巻回することを特徴とする回転電機固定子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−5481(P2013−5481A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−130971(P2011−130971)
【出願日】平成23年6月13日(2011.6.13)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】