説明

集合住宅インターホンシステム

【課題】 呼び出しを受けた管理室親機が断線や故障等で動作しなかった場合でも呼出履歴を記録し、管理室親機が正常な状態に復帰した際に、特別な操作をすること無く記録された呼出履歴を確認できる集合住宅インターホンシステムを提供する。
【解決手段】 居室親機2から管理室親機3を呼び出した場合に、応答がなかった呼び出しの履歴を記憶する呼出履歴記憶部41と、呼出履歴記憶部41の履歴情報を定期的に管理室親機3に送信する特徴情報送信部42とを制御機4に設け、管理室親機3に制御機4から送信された履歴情報を表示する管理室親機表示部33と、居室親機2からの呼び出しに対して応答しなかった履歴を記憶する着信履歴記憶部34と、履歴情報を照合する履歴情報照合部35とを設けた。特徴情報送信部42は、呼出履歴のチェックサムデータを管理室親機3に定期的に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は集合住宅インターホンシステムに関し、特に管理室親機に呼び出しがあったにも関わらず応答しなかった場合に、その履歴を記憶する履歴記憶部を備えた集合住宅インターホンシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
居住者が管理人を呼び出す場合、居室親機から管理室親機が呼び出し操作される。このとき、管理室親機から応答がなかったらその着信履歴を記憶する履歴記憶機能を備えた集合住宅インターホンシステムがある。例えば特許文献1では制御機にサーバが接続され、居室親機から管理室親機を呼び出した際に応答がなかったら、制御機がそのサーバに不在着信履歴として記憶させた。そして、管理室親機からこの履歴を参照することで、管理人は応答しなかった呼び出しに対して対応することができた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−96716号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の集合住宅インターホンシステムは、管理室親機から履歴を参照する操作を行わなければ着信履歴を参照することが出来なかったし、インターホンシステムにサーバを接続するため、コスト高であった。また、管理室親機が故障していたり、電源が未投入などの原因により呼び出しできない場合は、対応することが出来なかった。
【0005】
そこで、本発明はこのような問題点に鑑み、呼び出しを受けた管理室親機が断線や故障等で動作しなかった場合でも別途機器を設けることなく呼出履歴を記録し、管理室親機が正常な状態に復帰した際に、特別な操作をすること無く記録された呼出履歴を確認できる集合住宅インターホンシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する為に、請求項1の発明は、集合住宅のエントランスに設置されて居住者を呼び出すための集合玄関機と、各住戸に設置されて前記集合玄関機から呼び出しに応答するための居室親機と、管理室に設置されて前記集合玄関機及び前記居室親機からの呼び出しに応答するための管理室親機と、前記集合玄関機及び前記居室親機及び前記管理室親機の間の通信を制御する制御機とを有し、前記制御機と前記管理室親機、前記制御機と前記居室親機、前記制御機と前記集合玄関機は夫々伝送線によって接続された集合住宅インターホンシステムにおいて、
前記制御機に、前記居室親機或いは前記集合玄関機から前記管理室親機が呼び出された場合に、応答がなかった呼出履歴を記憶する呼出履歴記憶部と、前記呼出履歴記憶部の履歴情報を定期的に管理室親機に送信する履歴情報送信部とを設け、
前記管理室親機に、前記制御機から送信された呼出履歴を表示する表示部を設けたことを特徴とする。
この構成によれば、管理室親機を呼び出した際に応答の無かった呼び出しの履歴が制御機に保存され、それが定期的に管理室親機に伝送されるので、管理室親機に着信履歴情報を保存できない場合が発生しても着信履歴を随時補填することができる。よって、管理人は、不在であったり管理室親機の故障等で応答出来なかった呼び出しがあっても、別途機器を設けることなく、また制御機に対して確認操作をすることなく容易にその呼び出しの履歴を認識できる。
また、制御機が応答の無かった管理室への呼び出しの履歴を記憶するため、管理室親機の持つ記憶部は直近の特定の期間の履歴だけでも良く、小さな記憶容量で済む。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の構成において、管理室親機は、居室親機或いは集合玄関機から呼び出しに対して応答しなかった場合の履歴を記憶する着信履歴記憶部と、履歴情報を照合する履歴情報照合部とを有し、履歴情報照合部は、受信した呼出履歴記憶部の履歴情報と着信履歴記憶部に記憶されている着信履歴情報とを照合し、前者にあり後者にない履歴情報がある場合は、その履歴情報を着信履歴記憶部に追加記憶させることを特徴とする。
この構成によれば、管理室親機が故障や断線等により、居室親機や集合玄関機からの呼び出しに対して着信履歴を記録出来なかったとしても、制御機で記録された呼出履歴情報から未記録の着信の履歴を追加記録する。よって、呼出音が鳴らずに応答出来なかった呼び出しに対しても履歴を確認でき、漏れなく対処することが可能となる。また、管理室親機も自身の着信履歴を記憶するので、スムーズな閲覧ができる。
【0008】
請求項3の発明は、請求項2に記載の構成において、履歴情報送信部が管理室親機に定期的に送信する履歴情報は、データ量を削減した履歴の特徴情報であり、履歴情報照合部は、呼出履歴情報と着信履歴情報との照合を特徴情報で実施し、着信履歴記憶部に記録されていない履歴情報があると判断した場合は、該当する履歴情報の全情報を呼出履歴記憶部から入手することを特徴とする。
この構成によれば、定期的に制御機から管理室親機へ伝送される履歴情報は特徴情報が送信されるので少ないデータ量で済み、制御機の負担を軽減できるし伝送路の占有時間も短くできる。そして、管理室親機に登録されていない履歴情報に関しては全データが送信されるので、管理室親機において補填された履歴情報は他の履歴情報と同様に良好に参照することができる。
尚、ここで言う「特徴情報」とは、チェックサム等の誤り検出符号をいい、管理室親機は制御機から送信された履歴の誤り検出符号と自身が記憶している履歴の誤り検出符号を比較する。
【0009】
請求項4の発明は、請求項2又は3に記載の構成において、管理室親機は、電源の投入操作を受けて制御機から呼出履歴情報を入手する起動時履歴入手制御部を有し、履歴情報照合部は、起動時履歴入手制御部が入手した呼出履歴情報と着信履歴記憶部に記憶されている着信履歴情報とを照合し、前者にあり後者にない履歴情報がある場合は、その履歴情報を着信履歴記憶部に追加記憶させることを特徴とする。
この構成によれば、管理室親機が起動したら、制御機から着信履歴情報を取得するので、電源が投入されていなかった時間帯の管理室親機の着信履歴情報を速やかに補填することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、管理室親機を呼び出した際に応答の無かった呼び出しの履歴が制御機に保存され、それが定期的に管理室親機に伝送されるので、管理室親機に着信履歴情報を保存できない場合が発生しても、着信履歴を随時補填することができる。よって、管理人は、不在であったり管理室親機の故障等で応答出来なかった呼び出しがあっても、制御機に対して確認操作をすることなく容易にその呼び出しの履歴を認識できる。
また、制御機が応答の無かった管理室への呼び出しの履歴を記憶するため、管理室親機の持つ記憶部は直近の特定の期間の履歴だけでも良く、小さな記憶容量で済む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る集合住宅インターホンシステムの一例を示す構成図である。
【図2】集合玄関機の要部ブロック図である。
【図3】居室親機の要部ブロック図である。
【図4】管理室親機の要部ブロック図である。
【図5】制御機の要部ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を具体化した実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発に係る集合住宅インターホンシステムの一例を示す構成図であり、1は集合住宅のエントランスに設置されて居住者を呼び出すための集合玄関機、2は各住戸に設置されて集合玄関機1からの呼び出しに応答するための居室親機、3は管理室に設置されて集合玄関機1及び居室親機2からの呼び出しに管理人が応答するための管理室親機、4は集合玄関機1及び居室親機2及び管理室親機3の間の通信を制御する制御機である。
集合玄関機1、居室親機2、管理室親機3は夫々伝送線L1,L2,L3により制御機4に接続されている。
【0013】
図2は集合玄関機1の回路ブロック図であり要部を示している。図2に示すように、集合玄関機1は、住戸を選択して呼び出すための玄関機操作部11、操作内容等を表示する玄関機表示部12、居住者と通話するための図示しないマイク及びスピーカを備えた通話部13、集合玄関機1を制御する玄関機CPU14、制御機4と通信するための玄関機IF15等を備えている。
【0014】
図3は居室親機2の回路ブロック図であり要部を示している。図3に示すように、居室親機2は、呼び出しに対する応答や管理人を呼び出す等各種操作を行う親機操作部21、通話するための図示しないマイク及びスピーカを備えた通話部22、図示しない共用部カメラの撮像映像や各種操作内容を表示する親機表示部23、居室親機2を制御する親機CPU24、制御機4と通信するための親機IF25等を備えている。
【0015】
図4は管理室親機3の回路ブロック図であり要部を示している。図4に示すように、管理室親機3は、呼び出しに対する応答や居室親機2を呼び出す等各種操作を行う管理室親機操作部31、通話するための図示しないマイク及びスピーカを備えた通話部32、図示しない共用部カメラの撮像映像や各種操作内容を表示する管理室親機表示部33、居室親機2や集合玄関機1から呼び出しを受けた場合に応答しなかった着信履歴を記憶する着信履歴記憶部34、制御機4から送信された履歴と着信履歴記憶部34に記憶している履歴とを照合する履歴情報照合部35、管理室親機3を制御する管理室親機CPU36、制御機4と通信するための管理室居室親機IF37等を備えている。
【0016】
図5は制御機4の回路ブロック図を示している。図5に示すように制御機4は、居室親機2や集合玄関機1から管理室親機3へ呼び出しを行った場合に、応答されなかった呼び出しの履歴を記憶する呼出履歴記憶部41、呼出履歴記憶部41に記憶された履歴情報を定期的に管理室親機3に送信する特徴情報送信部42、制御機4を制御する制御機CPU43、集合玄関機1と通信する制御機第1IF44、居室親機2と通信する制御機第2IF45、管理室親機3と通信する制御機第3IF46等を備えている。
【0017】
このように構成された集合住宅インターホンシステムは次のように動作する。但し、集合玄関機1から住戸を選択して居住者を呼び出す動作、呼び出しを受けて居住者が居室親機2から応答する動作等は従来の集合住宅インターホンシステムと同様であるため説明を省略し、ここでは居住者が管理人を呼び出した場合の動作を説明する。
居室親機2から管理室親機3の呼び出しは、親機操作部21の所定の操作により実施でき、呼出操作を受けて親機CPU24が管理室親機3を呼び出す呼出信号を生成して制御機4へ送信する。この呼出信号を受信した制御機4は、制御機CPU43が管理室親機3への呼出信号であることを認識し、管理室親機3へ呼出信号を送信する。呼出信号を受信した管理室親機3では、管理室親機CPU36の制御で通話部32のスピーカから呼出音が鳴動する。
呼び出しを受けた管理人が管理室親機3の管理室親機操作部31を応答操作すると、応答信号が制御機4に送信される。応答信号を受信した制御機4では、制御機CPU43が居室親機2と管理室親機3との間の通話路を形成する。こうして、居住者は管理人と通話をすることができる。
【0018】
しかし、管理人の不在等により呼び出しを受けた管理室親機3が応答操作されずに呼び出しが終了した場合は、制御機CPU43が管理室親機3に終話信号を送ると共に、応答しなかった呼び出しであるため、呼出履歴情報として呼出履歴記憶部41に保存する。
また、終話信号を受けた管理室親機3は、管理室親機CPU36が着信履歴情報として着信履歴記憶部34に保存する。この双方に記憶される履歴情報は、具体的に呼出元の住戸情報(居室親機情報)、及び呼び出しが成された日時情報を有している。
【0019】
着信履歴記憶部34に記憶された履歴は、管理室親機表示部33に表示することができる。管理人等の操作者が管理室親機操作部31を表示操作すると、管理室親機CPU36が着信履歴記憶部34に保存された着信履歴情報を読み出して管理室親機表示部33に表示する。こうして表示された住戸情報及び日時情報を確認することで、管理人は不在時等の呼び出しに対して、通話操作等の必要な処置を講ずることができる。
【0020】
一方で制御機4では、特徴情報送信部42が呼出履歴記憶部41に記憶された呼出履歴の特徴情報を生成し、例えば1時間の間隔で定期的に管理室親機3に対して送信している。そして管理室親機3は、送信された特徴情報を履歴情報照合部35が受信し、着信履歴記憶部34に記憶されている履歴情報の特徴情報と照合している。
管理室親機3が正常に動作している間は、制御機4から送信される履歴情報と着信履歴記憶部34が記憶している履歴情報とは同一の情報であるため、双方の特徴情報に相違点はなく、その後受信した履歴情報が管理室親機3において活用されることはない。
【0021】
次に、この集合住宅インターホンシステムにおいて、管理室親機3が正常に動作しない状態で呼び出しが成された場合を説明する。このような状態は、管理室親機3と制御機4の間で断線が発生した場合、管理人が長時間不在となる等の理由で管理室親機3の電源がオフ操作された場合、管理室親機3が故障して呼出音の鳴動等が行われない場合であり、呼び出しを受けて以下のように動作する。最初に断線或いは故障の場合を説明する。
【0022】
断線或いは故障の場合、居室親機2から管理室親機3を呼び出しても呼出信号は管理室親機3に送信できない。従って、応答することなく終話することになる。終話操作を受けて、制御機CPU43は呼出履歴記憶部41に履歴を保存すると共に、管理室親機3に終話信号を送信するが、断線等により終話信号が届かないため、管理室親機3で着信履歴情報は保存されない。
【0023】
その後、断線等が復旧して管理室親機3が正常な状態になると、制御機4の特徴情報送信部42から定期的に送信されている呼出履歴特徴情報の受信が再開される。
呼出履歴の特徴情報を受信した管理室親機3は、履歴情報照合部35がこの情報を読み取り、着信履歴記憶部34が記憶している着信履歴の特徴情報と照合する。差異があると判断したら、即ち、断線等で呼出信号が受信できない期間に呼び出しを受けた履歴情報がある場合は、その呼出履歴の全情報を制御機4に要求し、制御機4は要求に応じて該当する日時の呼出履歴情報を管理室親機3に送信する。
この情報を受信した管理室親機3は、管理室親機CPU36が、呼出履歴情報を不在時の着信履歴と同様に処理し着信履歴記憶部34に保存する。また、新たに保存した履歴を管理室親機表示部33に表示させる。こうして、管理人は断線時や故障時の着信履歴情報を確認することができる。
【0024】
ここで、制御機4が管理室親機3に送信する特徴情報について説明する。特徴情報とは、チェックサム等の誤り検出符号で形成され、記憶している呼出履歴情報や着信履歴情報のデータサイズを、例えば1履歴あたり住戸情報を3バイト、日時情報を5バイトとして全8バイトとすると、5住戸からの呼出履歴情報を送信する場合は40バイトのデータ量を送信することになる。しかし、特徴情報をチェックサムとすると、5住戸分の情報であってもデータ量は2バイト程度で済む。このように、データ量が20分の1に削減され、当然送信時間もデータ量に比例して短くなる。
【0025】
また、電源未投入状態にあった管理室親機3の電源が投入された場合は次のように動作する。電源投入を受けて、管理室親機3が起動すると、管理室親機CPU36は管理室親機3の初期化を行う。この初期化の過程で、制御機4に対して呼出履歴特徴情報を参照する動作を実施し、管理室親機3が保持している着信履歴情報と呼出履歴記憶部41の情報の照合が行われる。
照合は特徴情報で実施され、差異があると判断したら差異が生じた日時の呼出履歴の全情報を制御機4に要求する。制御機4は、要求に応じて該当する日時の呼出履歴情報を管理室親機3に送信する。この情報を受信した管理室親機CPU36は、呼出履歴情報を着信履歴記憶部34に保存し、管理室親機表示部33にその情報を表示する。こうして、電源未投入時の着信履歴情報を参照することが可能となる。
【0026】
このように、管理室親機3を呼び出した際に応答の無かった呼び出しの履歴が制御機4に保存され、それが定期的に管理室親機3に伝送されるので、管理室親機3が着信履歴情報を保存できない場合が発生しても、着信履歴を随時補填することができる。よって、管理人は、不在であったり管理室親機3の故障等で応答出来なかった呼び出しがあっても、制御機4に対して確認操作をすることなく容易にその呼び出しの履歴を認識できる。
また、応答の無かった管理室への呼び出しの履歴を制御機4が記憶するため、管理室親機3の持つ着信履歴記憶部34は直近の特定の期間の履歴だけでも良く、小さな記憶容量で済む。
更に、管理室親機3が故障や断線等により、居室親機2からの呼び出しに対して着信履歴を記録出来なかったとしても、制御機4で記録された呼出履歴情報から未記録の着信の履歴を追加記録する。そのため、呼出音が鳴らずに応答出来なかった呼び出しに対しても履歴を確認でき、漏れなく対処することが可能となるし、管理室親機3が自身の着信履歴を記憶するので、スムーズな閲覧ができる。
また、定期的に制御機4から管理室親機3へ伝送される履歴情報は特徴情報が送信されるので少ないデータ量で済み、制御機4の負担を軽減できるし伝送路の占有時間も短くできる。そして、管理室親機3に登録されていない履歴情報は全データが送信されるので、管理室親機3において補填された履歴情報は他の履歴情報と同様に良好に参照することができる。
また、管理室親機3の電源が投入されたら、制御機4から着信履歴情報を取得するので、電源が投入されていなかった時間帯の管理室親機3への着信履歴情報を速やかに補填することができる。
【0027】
尚、居室親機2から呼び出しがあった場合を説明したが、集合玄関機1から管理室親機3が呼び出された場合も同様であり、応答が無かった呼び出しの履歴は制御機4の呼出履歴記憶部41、及び管理室親機3の着信履歴記憶部34に記憶される。そして、呼出履歴記憶部41に記憶された呼出履歴の特徴情報は、特徴情報送信部42により定期的に管理室親機3へ送信される。
また、上記実施形態では、制御機4と管理室親機3の双方に応答のなかった呼出履歴(着信履歴)を記憶させているが、制御機4に記憶させるだけでも良い。この場合、管理室親機3に着信履歴記憶部34を設けない代わりに、制御機4に記憶された履歴情報を入手するための操作部を設けると良く、必要な時に履歴情報を入手することができ未応答の呼び出しに対して対処することができる。
更に、管理室親機3を1台としたシステムを例に説明しているが、管理室親機3は複数であっても良く、管理室親機3に設定されたIDにより管理室親機3への呼び出しを容易に管理できる。
また、呼出履歴記憶部41及び着信履歴記憶部34には、応答の無かった呼出履歴のみ記憶させているが、応答のあった呼出履歴も含めて全ての履歴を記憶させても良い。応答した呼び出し、応答しなかった呼び出しの識別は、識別子を履歴に付けることで容易に分別できる。
また、履歴情報参照部35を管理室親機CPU36と別回路としているが、管理室親機CPU36にその機能を持たせても良いし、特徴情報送信部42も制御機CPU43と別回路としているが、制御機CPU43にその機能を持たせても良い。
【符号の説明】
【0028】
1・・集合玄関機、2・・居室親機、3・・管理室親機、4・・制御機、21・・親機操作部、31・・管理室親機操作部、33・・管理室親機表示部、34・・着信履歴記憶部、35・・履歴情報照合部、36・・管理室親機CPU(起動時履歴入手制御部)、41・・呼出履歴記憶部、42・・特徴情報送信部(履歴情報送信部)、43・・制御機CPU(履歴情報送信部)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
集合住宅のエントランスに設置されて居住者を呼び出すための集合玄関機と、各住戸に設置されて前記集合玄関機から呼び出しに応答するための居室親機と、管理室に設置されて前記集合玄関機及び前記居室親機からの呼び出しに応答するための管理室親機と、前記集合玄関機及び前記居室親機及び前記管理室親機の間の通信を制御する制御機とを有し、前記制御機と前記管理室親機、前記制御機と前記居室親機、前記制御機と前記集合玄関機は夫々伝送線によって接続された集合住宅インターホンシステムにおいて、
前記制御機に、前記居室親機或いは前記集合玄関機から前記管理室親機が呼び出された場合に、応答がなかった呼出履歴を記憶する呼出履歴記憶部と、前記呼出履歴記憶部の履歴情報を定期的に管理室親機に送信する履歴情報送信部とを設け、
前記管理室親機に、前記制御機から送信された呼出履歴を表示する表示部を設けたことを特徴とする集合住宅インターホンシステム。
【請求項2】
前記管理室親機は、前記居室親機或いは前記集合玄関機から呼び出しに対して応答しなかった場合の履歴を記憶する着信履歴記憶部と、履歴情報を照合する履歴情報照合部とを有し、
前記履歴情報照合部は、受信した前記呼出履歴記憶部の履歴情報と前記着信履歴記憶部に記憶されている着信履歴情報とを照合し、前者にあり後者にない履歴情報がある場合は、その履歴情報を前記着信履歴記憶部に追加記憶させることを特徴とする請求項1記載の集合住宅インターホンシステム。
【請求項3】
前記履歴情報送信部が前記管理室親機に定期的に送信する履歴情報は、データ量を削減した履歴の特徴情報であり、
前記履歴情報照合部は、前記呼出履歴情報と着信履歴情報との照合を前記特徴情報で実施し、前記着信履歴記憶部に記録されていない履歴情報があると判断した場合は、該当する履歴情報の全情報を前記呼出履歴記憶部から入手することを特徴とする請求項2記載の集合住宅インターホンシステム。
【請求項4】
前記管理室親機は、電源の投入操作を受けて前記制御機から呼出履歴情報を入手する起動時履歴入手制御部を有し、
前記履歴情報照合部は、前記起動時履歴入手制御部が入手した呼出履歴情報と前記着信履歴記憶部に記憶されている着信履歴情報とを照合し、
前者にあり後者にない履歴情報がある場合は、その履歴情報を前記着信履歴記憶部に追加記憶させることを特徴とする請求項2又は3記載の集合住宅インターホンシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−95054(P2012−95054A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−240032(P2010−240032)
【出願日】平成22年10月26日(2010.10.26)
【出願人】(000100908)アイホン株式会社 (777)
【Fターム(参考)】