説明

集塵装置及び放射性物質の集塵装置

【課題】安定的に、かつ簡易に移動することができ、しかも配置場所が制限されない集塵装置とする。
【解決手段】前面及び背面が開口するケーシング11、このケーシング11内に収納された集塵フィルタ材12A,12B、ケーシング11の移動手段14を構成要素とするフィルタユニット10と、吸気口32及び排気口33が備わる送風機31、この送風機31の移動手段34を構成要素とする送風ユニット30とが備えられた集塵装置1であって、排気筒口15Cが備わり、かつケーシング11の背面開口を覆う背面部材15が、フィルタユニット10の構成要素として備えられ、送風機31の吸気口32と連通する吸気筒口36が送風ユニット30の構成要素として備えられ、一端がフィルタユニット10の排気筒口15Cに連結され、他端が送風ユニット30の吸気筒口36に連結される可撓性のダクト60が備えられた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射性物質の飛散が問題となる原子力施設や、アスベスト等の飛散が問題となる建物の解体現場、ダイオキシン類の飛散が問題となる焼却炉の撤去現場等の各種作業場所に移動して使用することができる集塵装置に関するものである。また、特に放射性物質の集塵に適する放射性物質の集塵装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
放射性物質、アスベスト、ダイオキシン類等の各種物質を集塵する集塵装置としては、作業場所に造り付ける形態の装置も存在するが、集塵の必要が急に生じた場合や、集塵の必要が一時的なものである場合等は、集塵作業を行う際に作業場所に移動して使用する形態の装置が有用である。
【0003】
この種の移動可能な集塵装置としては、例えば、集塵フィルタや送風機等が上下に積み重なり、これら全体がキャスターによって移動可能とされたものが存在する(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、この従来の集塵装置は、作業場所へ移動して使用することができるものの、集塵フィルタや送風機等を上下に積み重ねたものであるため、移動の際の安定性に欠けるとの問題を有する。したがって、移動の際の安定性という観点からは、集塵フィルタや送風機等を水平方向に並べた方が好ましい。
【0004】
この点、課題は同一ではないが、この集塵フィルタや送風機等を水平方向に並べた集塵装置の提案は、既になされている(例えば、特許文献2,3参照。)。もっとも、これらの集塵装置には、以下の問題が存在する。
すなわち、特許文献3の集塵装置は、1つのケーシング内に集塵フィルタや送風機等が収納された装置であり、平面的に大きな装置となるため、移動し難くなるとの問題を有する。この問題は、特許文献1が課題とするところでもある。
【0005】
一方、特許文献2の集塵装置は、集塵フィルタや送風機等をそれぞれユニット化するものであり、各別に移動することができるため、移動し難くなるとの問題は解決される。しかしながら、この特許文献2は、各ユニットの接続手段として「一方のユニット側に取り付けられたリング状部材を、他方のユニット側に取り付けられたフックに引っ掛けて係止する既知の構造、いわゆる「ターンオーバー式」の構造を採用することができる」とするのみである(段落[0038]等参照。)。この構造によると、同文献の図2等から明らかなように、各ユニットの接続によって平面的に長尺な装置が出来上がり、作業場所によっては配置することができないとの問題が生じる。この問題は、単に作業場所が狭い等の構造上の問題を原因として生るものではない。例えば、緊急時等は、作業場所に設置された他の装置が倒れている、あるいは作業場所の天井が落ちている等することがあり、このような場合は、作業場所に到着してからどの程度の配置スペースが存在するかが明らかになる。しかるに、例えば、原子力施設等で放射性物質の飛散が問題となる場所では、危険と隣り合わせでの作業となるため、他の装置を移動する等の配置スペースを確保するための作業を行っている余裕はなく、集塵装置の配置が事実上不可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実公平6−16383号公報
【特許文献2】特開2007−289797号公報
【特許文献3】特開2011−7549号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする主たる課題は、安定的に、かつ簡易に移動することができ、しかも配置場所が制限されない集塵装置及び放射性物質の集塵装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題を解決した本発明は、次の通りである。
[請求項1記載の発明]
前面及び背面が開口するケーシング、このケーシング内に備わる集塵フィルタ材、前記ケーシングの移動手段、を構成要素とするフィルタユニットと、
吸気口及び排気口が備わる送風機、この送風機の移動手段、を構成要素とする送風ユニットと、
が備えられた集塵装置であって、
排気筒口が備わり、かつ前記ケーシングの背面開口を覆う背面部材が、前記フィルタユニットの構成要素として備えられ、
前記送風機の吸気口と連通する吸気筒口が、前記送風ユニットの構成要素として備えられ、
一端が前記フィルタユニットの排気筒口に連結され、他端が前記送風ユニットの吸気筒口に連結される可撓性のダクトが備えられた、
ことを特徴とする集塵装置。
【0009】
[請求項2記載の発明]
前記フィルタユニットと前記送風ユニットとの間に、前面及び背面が開口する後段ケーシング、この後段ケーシング内に備わる後段集塵フィルタ材、前記後段ケーシングの移動手段、を構成要素とする1又は2以上の後段フィルタユニットが備えられ、
吸気筒口が備わり、かつ前記後段ケーシングの前面開口を覆う前面部材、及び排気筒口が備わり、かつ前記後段ケーシングの背面開口を覆う背面部材が、前記後段フィルタユニットの構成要素として備えられ、
一端が前段に位置するユニットの排気筒口に連結され、かつ他端が後段に位置するユニットの吸気筒口に連結される可撓性のダクトが備えられた、
請求項1記載の集塵装置。
【0010】
[請求項3記載の発明]
前面及び背面が開口する前段ケーシング、この前段ケーシング内に備わる前段集塵フィルタ材、前記前段ケーシングの移動手段、を構成要素とする前段フィルタユニットと、
前面及び背面が開口する後段ケーシング、この後段ケーシング内に備わる後段集塵フィルタ材、前記後段ケーシングの移動手段、を構成要素とする後段フィルタユニットと、
吸気口及び排気口が備わる送風機、この送風機の移動手段、を構成要素とする送風ユニットと、
が備えられた放射性物質の集塵装置であって、
前記前段集塵フィルタ材として高性能フィルタ材が備えられ、前記後段集塵フィルタ材として活性炭フィルタ材が備えられ、
排気筒口が備わり、かつ前記前段ケーシングの背面開口を覆う背面部材が、前記前段フィルタユニットの構成要素として備えられ、
吸気筒口が備わり、かつ前記後段ケーシングの前面開口を覆う前面部材、及び排気筒口が備わり、かつ前記後段ケーシングの背面開口を覆う背面部材が、前記後段フィルタユニットの構成要素として備えられ、
前記送風機の吸気口と連通する吸気筒口が、前記送風ユニットの構成要素として備えられ、
一端が前記前段フィルタユニットの排気筒口に連結され、かつ他端が前記後段フィルタユニットの吸気筒口に連結される可撓性の前段ダクト、及び一端が前記後段フィルタユニットの排気筒口に連結され、かつ他端が前記送風ユニットの吸気筒口に連結される可撓性の後段ダクトが備えられた、
ことを特徴とする放射性物質の集塵装置。
【0011】
[請求項4記載の発明]
前面及び背面が開口する中段ケーシング、この中段ケーシング内に設置された加温手段、前記中段ケーシングの移動手段、吸気筒口が備わり、かつ前記中段ケーシングの前面開口を覆う前面部材、及び排気筒口が備わり、かつ前記中段ケーシングの背面開口を覆う背面部材、を構成要素とするヒートユニットが備えられた、
請求項3記載の放射性物質の集塵装置。
【0012】
(主な作用効果)
排気筒口が備わり、かつケーシングの背面開口を覆う背面部材がフィルタユニットの構成要素として備えられ、かつ送風機の吸気口と連通する吸気筒口が送風ユニットの構成要素として備えられていると、一端がフィルタユニットの排気筒口に連結され、他端が送風ユニットの吸気筒口に連結されるダクトによってフィルタユニット及び送風ユニットを接続することができる。そして、当該ダクトが可撓性であると、各ユニットの配置方向を異なるものとすることができ、従来の集塵装置では配置することができなかったような場所にも配置することができる。なお、当該ダクトは、放射性物質等を含む空気の流路としての機能も兼ねる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によると、安定的に、かつ簡易に移動することができ、しかも配置場所が制限されない集塵装置及び放射性物質の集塵装置となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】集塵装置の斜視図である。
【図2】前段フィルタユニットの正面図である。
【図3】前段フィルタユニットの側面図である。
【図4】前段フィルタユニットの平面図である。
【図5】後段フィルタユニットの正面図である。
【図6】後段フィルタユニットの側面図である。
【図7】後段フィルタユニットの平面図である。
【図8】送風ユニットの正面図である。
【図9】送風ユニットの側面図である。
【図10】送風ユニットの平面図である。
【図11】制御盤ユニットの正面図である。
【図12】制御盤ユニットの側面図である。
【図13】制御盤ユニットの平面図である。
【図14】ヒートユニットの正面図である。
【図15】ヒートユニットの側面図である。
【図16】ヒートユニットの平面図である。
【図17】集塵装置のユニット構成の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明の実施の形態を説明する。
図1に、本形態の集塵装置1を示した。本形態の集塵装置1は、放射性物質の集塵に好適な装置構成とされており、放射性粒子(粒子状の放射性物質)を集塵する前段フィルタユニット10、放射性ガス(ガス状の放射性物質)を集塵する後段フィルタユニット20、放射性物質を含む作業場所の空気を流通させる送風ユニット30、及び制御盤等が備わる制御盤ユニット40が、この順に配置されている。
【0016】
前段フィルタユニット10は、図2〜4に示すように、前面及び背面(後面)が開口する筒状の前段ケーシング11を有する。この前段ケーシング11の内空部には、前段集塵フィルタ材としてプレフィルタ材12A及び高性能フィルタ材12Bがこの順に備わる。
【0017】
前段ケーシング11は、前段集塵フィルタ材12A,12Bの保持部材としての機能のほか、放射性物質を含む空気の流路としての機能も兼ねている。したがって、前段フィルタユニット10が全体として軽くなり、当該前段フィルタユニット10の移動が容易となる。
【0018】
ここで、本明細書において、「フィルタ材」とは、空気中から放射性物質等を除去する機能(ろ過機能)を有する部材(ろ過部材)のみをいい、当該フィルタ材(ろ過部材)の形状を保持するための枠材等(保持部材)は含まない。この点、本発明の技術分野においては、ろ過部材及び保持部材を合わせて「フィルタ」ということがあり、現に、ろ過部材及び保持部材を有する製品が「フィルタ」として、数多く市販化されている。そこで、本明細書においては、保持部材を含むのか否かを明確にする趣旨でフィルタ「材」との文言を使用している。
【0019】
もっとも、このことは、前段フィルタユニット10を製造するにあたって市販のフィルタ(製品)を使用することができないことを意味するのではない。むしろ、製造容易性やコスト削減、フィルタ材交換の容易性等の観点からは、市販のフィルタ(製品)の使用が好まれる。すなわち、図3中に示すように、前段フィルタユニット10は、市販化されているフィルタ、例えば、ろ過部材12A及び保持部材11Aで構成されるプレフィルタM及びろ過部材12B及び保持部材11Bで構成される高性能フィルタNを前後方向に接続することによって製造することができる。この場合、プレフィルタMの構成要素であるろ過部材12Aがプレフィルタ材となり、高性能フィルタNの構成要素であるろ過部材12Bが高性能フィルタ材となる。また、プレフィルタMの構成要素である保持部材11Aと高性能フィルタNの構成要素である保持部材11Bとが接続されて前段ケーシング11が構成される。この点、保持部材11A及び保持部材11Bが接続される場合、当該接続部分から空気が漏出するおそれがあるが、本形態では、後述するファスナー16を使用することによって当該漏出を防止している。このファスナー16に係る点は、後述する。
【0020】
なお、市販化されているフィルタ(M,N)を使用しないのであれば、例えば、筒体を前段ケーシング11として用意し、この筒体(前段ケーシング11)の内空部に前段集塵フィルタ材12A,12Bを収納することによって、前段フィルタユニット10を製造することもできる。
【0021】
前段ケーシング11は、例えば、金属製とすることもできるが、前段フィルタユニット10全体を軽量化するという観点からは、その一部又は全部を木製とするのが好ましい。また、本形態の前段ケーシング11は角筒状とされているが、適宜の形状、例えば、円筒状とすることもできる。
【0022】
高性能フィルタ材12Bとしては、例えば、HEPAフィルタ材やULPAフィルタ材を使用することができる。高性能フィルタ材12Bにおいては、空気中に飛散するセシウム137等の放射性粒子が集塵(捕捉)される。この高性能フィルタ材12Bは、厚さ(前後方向長)を変えることによって、集塵性能を変えることができる。なお、HEPA(Hight Efficiency Particulate Air)フィルタ材は、JIS Z 8122に規定されたエアフィルタ材であり、定格風量で粒径が0.3μmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕集率を有し、かつ初期圧力損失が245Pa以下の性能を有する。また、ULPA(Ultra Low Particulate Air)フィルタ材は、JIS Z 8122に規定されたエアフィルタ材であり、定格風量で粒径が0.15μmの粒子に対して99.9995%以上の粒子捕集率を有し、かつ初期圧力損失が245Pa以下の性能を有する。
【0023】
高性能フィルタ材12Bの前段(上流)に設けられるプレフィルタ材12Aは、高性能フィルタ材12Bの長寿命化、集塵性能の維持等を目的として設けられている。プレフィルタ材12Aにおいては、高性能フィルタ材12Bにおいて集塵される放射性粒子よりも相対的に大きな粒径の粒子が集塵される。放射性物質が集塵の対象となる場合は、プレフィルタ材12として焼却減容型のプレフィルタ材を使用すると好適である。
【0024】
本形態においては、前段フィルタユニット10の前段集塵フィルタ材が、プレフィルタ材12A及び高性能フィルタ材12Bからなる2段構成とされているが、プレフィルタ材12Aを省略した1段構成とすることや、3段以上の多段構成とすることもできる。また、放射性粒子以外を集塵の対象とする場合は、高性能フィルタ材に換えて、又は高性能フィルタ材と伴に中性能フィルタ材等の他のエアフィルタ材を使用することができる。ただし、前段集塵フィルタ材の段数を多くし過ぎると、前段フィルタユニット10が大型化するので、段数を多くするよりも、フィルタユニットの台数を増やして対応する方が好ましい。
【0025】
前段ケーシング11の前面開口は、前面部材13によって覆われている。この前面部材13は、前段ケーシング11の前端部を外方から囲う環状の枠材13Aと、この枠材13A内に張られた金網(例えばクリンプ金網)等からなる網材13Bと、から主になる。網材13Bによって集塵の対象とならない大きな物質が前段ケーシング11内に入り込むのが防止され、プレフィルタ12Aの損傷等が防止される。枠材13Aは、適宜後述する移動手段14に固定される。
【0026】
一方、前段ケーシング11の背面開口は、背面部材15によって覆われている。この背面部材15は、後段ケーシング11の後端部を外方から囲う環状の枠材15Aと、この枠材15Aの背面を閉じる背板15Bと、この背板15Bのほぼ中央部から後方に延出する排気筒口15Cと、から主になる。枠材15Aは、枠材13Aと同様、適宜後述する移動手段14に固定される。
【0027】
本形態においては、背面部材15の枠材15A及び背板15B、並びに高性能フィルタ材12Bの背面によって空気室15Dが形成されている。したがって、高性能フィルタ材12Bを通り抜けた空気は、当該空気室15Dにおいて中央部に集まり、排気筒口15Cから円滑に排気される。つまり、空気室15Dが存在するため、高性能フィルタ材12Bの全面が有効利用される。
【0028】
本形態においては、背板15Bの外面上端部に差圧計18が設けられている。この差圧計18は、ビニール管等からなるチューブ18Aを通してプレフィルタ材12A上流の圧力を検知することができ、また、ビニール管等からなるチューブ18Bを通して高性能フィルタ材12B下流の圧力を検知することができる。したがって、前段集塵フィルタ材12A,12Bがどの程度の粒子を集塵しているか等の使用状態を把握することができる。
【0029】
前面部材13及び背面部材15は、前段ケーシング11の前面開口及び背面開口を覆った状態で当該前段ケーシング11にも固定されている。この固定は、一端が前面部材13に取り付けられ、他端が背面部材15に取り付けられた留め具たるファスナー16によって行われている。この形態においては、ファスナー16を締めると、前面部材13及び背面部材15が相互に前段ケーシング11側に引き寄せられ、前段ケーシング11が前面部材13及び背面部材15によって挟み込まれた状態となり、前面部材13及び背面部材15が前段ケーシング11に固定される。この形態によると、前面部材13及び背面部材15が固定されるのと同時に、プレフィルタ材12Aを収納するケーシング(11A)と高性能フィルタ材12Bを収納するケーシング(11B)との接続部分から空気が漏れるおそれがなくなる。また、前段集塵フィルタ(M,N)の取り付けや取り外しも容易となる。本形態においては、ファスナー16が前段ケーシング11の両側面に沿ってそれぞれ2つずつ設けられているが、それぞれ1つとすることや3つ以上の複数とすることもできる。なお、前面部材13及び背面部材15の固定は、例えば、枠材13A,15Aを、それぞれ前段ケーシング11にボルト留めすることによって行うこともできるが、本形態のように、ファスナー16を使用する方が好ましい。
【0030】
前段ケーシング11は、ストッパーが備わるキャスター(方向が自在に変わる車輪)14Aを複数、図示例では4つ有する移動手段14の上に載せられている。この移動手段14によって前段フィルタユニット10を配置場所まで容易に移動することができ、また、配置場所において容易にずらすことができる。移動手段14の前端部及び後端部には、それぞれ複数の、図示例ではそれぞれ2つの引手材14Bが取り付けられている。この引手材14Bを直接又は紐等を掛けて間接的に引くことで、前段フィルタユニット10の移動等を行うことができる。
【0031】
前段フィルタユニット10の後段(下流)に配置された後段フィルタユニット20は、図5〜7に示すように、前面及び背面(後面)が開口する筒状の後段ケーシング21を有する。この後段ケーシング21の内空部には、後段集塵フィルタ材として活性炭(チャコール)フィルタ材22A及びエンドフィルタ材22Bがこの順に備わる。
【0032】
後段ケーシング21は、後段集塵フィルタ材22A,22Bの保持部材としての機能のほか、放射性物質を含む空気の流路としての機能も兼ねている。したがって、後段フィルタユニット20が全体として軽くなり、当該後段フィルタユニット20の移動が容易となる。
【0033】
ここで、「フィルタ材」の概念は前述した通りであるが、後段フィルタユニット20を製造するにあたっても市販のフィルタ(製品)を使用することができ、製造容易性やコスト削減、フィルタ材交換の容易性等の観点からは、市販のフィルタ(製品)の使用が好まれる。図示はしないが、後段フィルタユニット20は、市販化されているフィルタ、例えば、ろ過部材及び保持部材で構成される活性炭フィルタ及びろ過部材及び保持部材で構成されるエンドフィルタを前後方向に接続することによって製造することができる。この場合、活性炭フィルタの構成要素であるろ過部材が活性炭フィルタ材となり、エンドフィルタの構成要素であるろ過部材がエンドフィルタ材となる。また、活性炭フィルタの構成要素である保持部材とエンドフィルタの構成要素である保持部材とが接続されて後段ケーシング21が構成される。接続部分から空気が漏出するおそれは、後述するファスナー26の使用によって解決しており、この点については、後述する。
【0034】
なお、市販化されているフィルタを使用しないのであれば、例えば、筒体を後段ケーシング21として用意し、この筒体(後段ケーシング21)の内空部に後段集塵フィルタ材22A,22Bを収納することによって、後段フィルタユニット20を製造することもできる。
【0035】
後段ケーシング21は、例えば、金属製とすることもできるが、後段フィルタユニット20全体を軽量化するという観点からは、その一部又は全部を木製とするのが好ましい。通常、後段ケーシング21は、前段ケーシング11と大きさ、形状及び素材が同一とされる。なお、本形態の後段ケーシング21も角筒状とされているが、適宜の形状、例えば、円筒状とすることもできる。
【0036】
活性炭フィルタ材22Aにおいては、例えば、空気中に飛散する放射性ガスが集塵(吸着)される。この活性炭フィルタ材22Aも、厚さ(前後方向長)を変えることによって、集塵性能を変えることができる。ただし、放射性ヨウ素(1312,CH3131I)を集塵の対象とする場合は、ヨウ化物を添着した活性炭フィルタ材を使用するのが好ましい。ヨウ化物添着活性炭フィルタ材を使用すると、同位元素置換作用等によって放射性ヨウ素の吸着(集塵)能力が高まる。ヨウ化物添着活性炭としては、例えば、粒径8〜16メッシュの椰子殻活性炭に非放射性のI2、KIを数パーセント添着させた活性炭等が好適である。
【0037】
エンドフィルタ材22Bは、活性炭フィルタ材22Aにおいて空気中に飛散した活性炭の粉塵を集塵するために設けられている。エンドフィルタ材22Bとしては、例えば、プレフィルタ材12Aと同様のエアフィルタ材や中性能フィルタ材を使用することができる。
【0038】
本形態においては、後段フィルタユニット20の後段集塵フィルタ材が、活性炭フィルタ材22A及びエンドフィルタ材22Bからなる2段構成とされているが、エンドフィルタ材22Bを省略した1段構成とすることや、3段以上の多段構成とすることもできる。また、放射性ヨウ素以外の放射性ガスを集塵するためにヨウ化物が添着されていない通常の活性炭フィルタ材を使用することや、放射性ガス以外を集塵の対象とするために活性炭フィルタ材以外のエアフィルタ材を使用することもできる。なお、後段集塵フィルタ材の段数を多くし過ぎると、後段フィルタユニット20が大型化するので、フィルタユニットの台数を増やして対応する方が好ましいのは、前段フィルタユニット10の場合と同様である。
【0039】
後段ケーシング21の前面開口は、前面部材23によって覆われている。この前面部材23は、後段ケーシング21の前端部を外方から囲う環状の枠材23Aと、この枠材23Aの前面を閉じる前板23Bと、この前板23Bのほぼ中央部から前方に延出する吸気筒口23Cと、から主になる。枠材23Aは、適宜後述する移動手段24に固定される。前段フィルタユニット10において放射性粒子が集塵された空気は、排気筒口15Cから排気された後、吸気筒口23Cから後段ケーシング21内に吸気され、放射性ガスが集塵される。なお、排気筒口15C及び吸気筒口23Cの接続方法については、後述する。
【0040】
一方、後段ケーシング21の背面開口は、背面部材25によって覆われている。この背面部材25は、後段ケーシング21の後端部を外方から囲う環状の枠材25Aと、この枠材25Aの背面を閉じる背板25Bと、この背板25Bのほぼ中央部から後方に延出する排気筒口25Cと、から主になる。枠材25Aは、適宜後述する移動手段24に固定される。
【0041】
本形態においては、背面部材25の枠材25A及び背板25B、並びにエンドフィルタ22Bの背面によって空気室25Dが形成されている。したがって、エンドフィルタ22Bを通り抜けた空気は、当該空気室25Dにおいて中央部に集まり、排気筒口25Cから円滑に排気される。空気室25Dの存在により、エンドフィルタ22Bの全面が有効利用される。
【0042】
後段フィルタユニット20においては、前面部材23を構成する前板23Bの外面上端部に差圧計28が設けられている。この差圧計28は、ビニール管等からなるチューブ28Aを通して活性炭フィルタ材22A上流の圧力を検知することができ、また、ビニール管等からなるチューブ28Bを通してエンドフィルタ材22B下流の圧力を検知することができる。したがって、後段集塵フィルタ材22A,22Bがどの程度の粒子を集塵しているか等の使用状態を把握することができる。また、本形態のように、前段フィルタユニット10の差圧計18はユニットの後側に設け、かつ後段フィルタユニット20の差圧計28はユニットの前側に設けることによって、両差圧計18,28の同時確認が可能となる。
【0043】
前面部材23及び背面部材25は、後段ケーシング21の前面開口及び背面開口を覆った状態で固定されており、この固定は、前段フィルタユニット10の場合において説明したのと同様に、ボルト留め等によることも不可能ではない。しかしながら、本形態においては、前段フィルタユニット10におけるのと同様、一端が前面部材23に取り付けられ、他端が背面部材25に取り付けられた留め具たるファスナー26を使用して固定している。この形態によると、前面部材23及び背面部材25が固定されるのと同時に、活性炭フィルタ材22Aを収納するケーシングとエンドフィルタ材22Bを収納するケーシングとの接続部分から空気が漏れるおそれがなくなる。また、後段集塵フィルタ材22A,22Bの取り付けや取り外しも容易となる。本形態においては、ファスナー26が後段ケーシング21の両側面に沿ってそれぞれ2つずつ設けられている。
【0044】
後段ケーシング21は、ストッパーが備わるキャスター24Aを複数、図示例では4つ有する移動手段24の上に載せられている。この移動手段24によって後段フィルタユニット20を配置場所まで容易に移動することができ、また、配置場所において容易にずらすことができる。移動手段24の前端部及び後端部には、それぞれ複数の、図示例ではそれぞれ2つの引手材24Bが取り付けられている。この引手材24Bを直接又は紐等を掛けて間接的に引くことで、後段フィルタユニット20の移動等を行うことができる。
【0045】
送風ユニット30は、図8〜10に示すように、吸気口32及び排気口33が備わり、モータ35によって駆動される図示しない送風ファンが備わる送風機31を有する。この送風機31によってフィルタユニット10,20における空気の流通が図られる。本形態においては、排気口33が上方を向いているが、側方を向いていても、後方を向いていてもよい。
【0046】
この送風機31の前面には、軸方向が前後方向に沿う円筒状の吸気筒口36が取り付けられている。フィルタユニット10,20において放射性物質が集塵された空気(清浄空気)は、後段フィルタユニット20の排気筒口25Cから排気された後、吸気筒口36を介してこの吸気筒口36と連通する吸気口32から吸気され、排気口33から排気される。なお、排気筒口25C及び吸気筒口36の接続方法については、後述する。
【0047】
送風機31は、ストッパーが備わるキャスター34Aを複数、図示例では4つ有する移動手段34の上に載せられている。この移動手段34によって送風ユニット30を配置場所まで容易に移動することができ、また、配置場所において容易にずらすことができる。移動手段34の前端部及び後端部には、それぞれ複数の、図示例ではそれぞれ2つの引手材34Bが取り付けられている。この引手材34Bを直接又は紐等を掛けて間接的に引くことで、送風ユニット30の移動等を行うことができる。
【0048】
制御盤ユニット40は、図11〜13に示すように、送風機31等の制御、操作等を行うための制御ボックス41を有する。この制御ボックス41は、キャスター44Aを複数、図示例では4つ有する移動手段44の上に載せられている。この移動手段44によって制御盤ユニット40を配置場所まで容易に移動することができ、また、配置場所において容易にずらすことができる。移動手段44の前端部及び後端部には、それぞれ複数の、図示例ではそれぞれ2つの引手材44Bが取り付けられている。この引手材44Bを直接又は紐等を掛けて間接的に引くことで、制御盤ユニット40の移動等を行うことができる。
【0049】
次に、各ユニット相互の関係や接続形態等について説明する。
本形態においては、図17の(1)に示すように、前段フィルタユニット10の移動手段14、後段フィルタユニット20の移動手段24、送風ユニット30の移動手段34、及び制御盤ユニット40の移動手段44(なお、図17の(1)〜(4)では制御盤ユニット40を図示していない。)の幅Lが全て同一とされている。また、これら移動手段14,24,34,44の幅方向一方に備わるキャスター14A,24A,34A,44A、及び幅方向他方に備わるキャスター14A,24A,34A,44Aが、それぞれ同一直線上に位置するように構成されている。したがって、一対のレール等を並行に敷設し、このレール上にキャスター14A,24A,34A,44Aを載せ、車輪を転がすことによって、各ユニット10,20,30,40を容易に移動することができる。このレール等を敷設して移動する形態によると、例えば、移動経路に段差等が存在する場合や、平坦でない場所が存在する場合等においても集塵装置1を容易に移動することができ、極めて有用である。なお、一対のレールは各別に敷設することもできるが、一対のレールとこれらを並行に繋ぐ連結材とからなるレール具をあらかじめ用意しておき、作業場所においてこのレール具を敷設することよって設置作業の迅速化を図ることもできる。また、集塵装置1の設置が完了した段階では、キャスター14A,24A,34A,44Aが同一直線上に位置する必要はない。例えば、図1に示す例では、制御盤ユニット40の配置方向が90°回転させられており、キャスター44Aは同一直線上に位置しない。あくまで、キャスター14A,24A,34A,44Aを同一直線上に位置させることができるようにされていれば足りる。
【0050】
本形態においては、各ユニット10,20,30の接続に塩ビ管等からなる可撓性の、好ましくは蛇腹状のダクト60が利用される。具体的には、ダクト(前段ダクト)60の一端が前段フィルタユニット10の排気筒口15Cに連結され、当該ダクト60の他端が後段フィルタユニット20の吸気筒口23Cに連結され、もって前段フィルタユニット10と後段フィルタユニット20とが接続される。また、同様に、ダクト(後段ダクト)60の一端が後段フィルタユニット20の排気筒口25Cに連結され、当該ダクト60の他端が送風ユニット30の吸気筒口36に連結され、もって後段フィルタユニット20及び送風ユニット30が接続される。これらダクト60による接続によって、前段ケーシング11の内空部及び後段ケーシング21の内空部が連通状態となり、送風機31の吸引作用によって当該内空部内に空気が流れる。また、ダクト60が可撓性を有するため、図7の(2)に示すように、各ユニット10,20,30の配置方向を変化させることができ、例えば、作業場所によっては配置することができないとの問題が解決される。
【0051】
ダクト60による各ユニット10,20,30の接続は、集塵装置1を作業現場へ移動するに先立って行うことも、作業現場へ移動した後に行うこともできる。
【0052】
本形態においては、排出筒口15C,25C及び吸気筒口23C,36の大きさ(径)や、断面方向(高さ方向及び幅方向)に関する位置を、全て同一にしている。各ユニット10,20,30の配置方向を変化させるという観点からは、ダクト60が可撓性を有すれば足りるが、排出筒口15C,25C及び吸気筒口23C,36の大きさや位置を揃えておくことで、各ユニット10,20,30を、例えば、図1に示すように、極めて近位に配置することができるようになる。
【0053】
ダクト60と排出筒口15C,25C及び吸気筒口23C,36との連結方法としては、例えば、排出筒口15C,25C及び吸気筒口23C,36に外接する径のダクトを用意し、このダクトの端部内に排出筒口15C,25Cや吸気筒口23C,36を嵌め込んだ上で、ダクト60の外周上からホースバンド等によって締め付け、固定する方法を採用することができる。
【0054】
ダクト60を使用する方法は、ユニット数の増減にも容易に対応することができる。ユニット数が増減された形態としては、例えば、図17の(3)に示すように、フィルタユニットが前段フィルタユニット10のみとされた形態や、図示はしないが、後段フィルタユニット20が2台以上の複数台(フィルタユニット全体としてみれば3台以上の複数台)とされた形態、図17の(4)に示すように、前段フィルタユニット10と後段フィルタユニット20との間に、機能性ユニットたるヒートユニット80が備えられた形態等を例示することができる。
【0055】
ここで、本形態のヒートユニット80は、図14〜16に示すように、前面及び背面が開口する中段ケーシングの内空部に図示しない加温手段たるヒーターが設置されたヒート装置87を有する。このヒート装置87において空気が加温されると、相対湿度が低下するため、後段フィルタユニット20における活性炭フィルタ材22Aでの集塵(吸着)効率が向上する。
【0056】
本形態のヒートユニット80においては、ヒート装置87の前段(上流)に入口ダンパ装置86Aが、ヒート装置87の後段(下流)に出口ダンパ装置86Bが、それぞれ設けられている。入口ダンパ装置86Aは、中段ケーシングと連続する入口ダンパケーシングと、この入口ダンパケーシング内に配置された流路開閉板とから主になる。入口ダンパ装置86Aによって、中段ケーシング内において発火した際に上流へ延焼するのが防止され、安全性が向上する。他方、出口ダンパ装置86Bも、中段ケーシングと連続する出口ダンパケーシングと、この出口ダンパケーシング内に配置された流路開閉板とから主になる。出口ダンパ装置86Bによって、中段ケーシング内において発火した際に、下流へ延焼するのが防止され、安全性が向上する。
【0057】
入口ダンパ装置86Aの前段(上流)には、湿度計測装置88が備えられている。この湿度計測装置88は、入口ダンパ装置86Aの入口ダンパケーシングと連続する計測ケーシングと、この計測ケーシング内に配置された湿度計とから主になる。この湿度計測装置88によって空気の湿度を計測し、ヒート装置87における加温の程度を調節することができる。
【0058】
湿度計測装置88の計測ケーシングは前面及び背面が開口しており、前面開口は吸気筒口83が備わる前面部材によって覆われている。したがって、ヒート装置87の中段ケーシング前面開口は、入口ダンパ装置86A及び湿度計測装置88を介して間接的に吸気筒口83が備わる前面部材によって覆われた状態とされている。他方、出口ダンパ装置86Bの出口ダンパケーシングは前面及び背面が開口しており、背面開口は排気筒口85が備わる背面部材によって覆われている。したがって、ヒート装置87の中段ケーシング背面開口は、出口ダンパ装置86Bを介して間接的に排気筒口85が備わる背面部材によって覆われた状態とされている。
【0059】
以上のヒート装置87等は、ストッパーが備わるキャスター84Aを複数、図示例では4つ有する移動手段84の上に載せられている。この移動手段84によってヒートユニット80を配置場所まで容易に移動することができ、また、配置場所において容易にずらすことができる。移動手段84の前端部及び後端部には、それぞれ複数の、図示例ではそれぞれ2つの引手材84Bが取り付けられている。この引手材84Bを直接又は紐等を掛けて間接的に引くことで、ヒートユニット80の移動等を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明は、放射性物質の飛散が問題となる原子力施設や、アスベスト等の飛散が問題となる建物の解体現場、ダイオキシン類の飛散が問題となる焼却炉の撤去現場等の各種作業場所に移動して使用することができる集塵装置として適用可能である。
【符号の説明】
【0061】
1…集塵装置、10…前段フィルタユニット、11…前段ケーシング、12A,12B,22A,22B…集塵フィルタ材、13,23…前面部材、14,24,34,44,84…移動手段、14A,24A,34A,44A,84A…キャスター、15,25…背面部材、15C,25C,85…排気筒口、18,28…差圧計、20…後段フィルタユニット、23C,36,83…吸気筒口、30…送風ユニット、31…送風機、32…吸気口、33…排気口、40…制御盤ユニット、41…制御ボックス、60…ダクト、80…ヒートユニット、88…湿度計測装置、86A,86B…ダンパ装置、87…ヒート装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面及び背面が開口するケーシング、このケーシング内に備わる集塵フィルタ材、前記ケーシングの移動手段、を構成要素とするフィルタユニットと、
吸気口及び排気口が備わる送風機、この送風機の移動手段、を構成要素とする送風ユニットと、
が備えられた集塵装置であって、
排気筒口が備わり、かつ前記ケーシングの背面開口を覆う背面部材が、前記フィルタユニットの構成要素として備えられ、
前記送風機の吸気口と連通する吸気筒口が、前記送風ユニットの構成要素として備えられ、
一端が前記フィルタユニットの排気筒口に連結され、他端が前記送風ユニットの吸気筒口に連結される可撓性のダクトが備えられた、
ことを特徴とする集塵装置。
【請求項2】
前記フィルタユニットと前記送風ユニットとの間に、前面及び背面が開口する後段ケーシング、この後段ケーシング内に備わる後段集塵フィルタ材、前記後段ケーシングの移動手段、を構成要素とする1又は2以上の後段フィルタユニットが備えられ、
吸気筒口が備わり、かつ前記後段ケーシングの前面開口を覆う前面部材、及び排気筒口が備わり、かつ前記後段ケーシングの背面開口を覆う背面部材が、前記後段フィルタユニットの構成要素として備えられ、
一端が前段に位置するユニットの排気筒口に連結され、かつ他端が後段に位置するユニットの吸気筒口に連結される可撓性のダクトが備えられた、
請求項1記載の集塵装置。
【請求項3】
前面及び背面が開口する前段ケーシング、この前段ケーシング内に備わる前段集塵フィルタ材、前記前段ケーシングの移動手段、を構成要素とする前段フィルタユニットと、
前面及び背面が開口する後段ケーシング、この後段ケーシング内に備わる後段集塵フィルタ材、前記後段ケーシングの移動手段、を構成要素とする後段フィルタユニットと、
吸気口及び排気口が備わる送風機、この送風機の移動手段、を構成要素とする送風ユニットと、
が備えられた放射性物質の集塵装置であって、
前記前段集塵フィルタ材として高性能フィルタ材が備えられ、前記後段集塵フィルタ材として活性炭フィルタ材が備えられ、
排気筒口が備わり、かつ前記前段ケーシングの背面開口を覆う背面部材が、前記前段フィルタユニットの構成要素として備えられ、
吸気筒口が備わり、かつ前記後段ケーシングの前面開口を覆う前面部材、及び排気筒口が備わり、かつ前記後段ケーシングの背面開口を覆う背面部材が、前記後段フィルタユニットの構成要素として備えられ、
前記送風機の吸気口と連通する吸気筒口が、前記送風ユニットの構成要素として備えられ、
一端が前記前段フィルタユニットの排気筒口に連結され、かつ他端が前記後段フィルタユニットの吸気筒口に連結される可撓性の前段ダクト、及び一端が前記後段フィルタユニットの排気筒口に連結され、かつ他端が前記送風ユニットの吸気筒口に連結される可撓性の後段ダクトが備えられた、
ことを特徴とする放射性物質の集塵装置。
【請求項4】
前面及び背面が開口する中段ケーシング、この中段ケーシング内に設置された加温手段、前記中段ケーシングの移動手段、吸気筒口が備わり、かつ前記中段ケーシングの前面開口を覆う前面部材、及び排気筒口が備わり、かつ前記中段ケーシングの背面開口を覆う背面部材、を構成要素とするヒートユニットが備えられた、
請求項3記載の放射性物質の集塵装置。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図1】
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【公開番号】特開2012−245498(P2012−245498A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−121399(P2011−121399)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(390018474)新日本空調株式会社 (88)
【Fターム(参考)】