説明

集束荷電粒子ビーム加工方法および加工装置

【課題】 集束荷電粒子ビーム照射位置近傍のサンプルの温度を測定し、高精度な微細加工を行う集束荷電粒子ビーム加工方法及び装置を提供する。
【解決手段】 穴開き構造の走査熱顕微鏡カンチレバー1またはカンチレバーから探針先端が突き出した構造の走査熱顕微鏡探針を使用して、ビーム照射位置近傍のサンプル6の表面温度を測定できるようにする。走査熱顕微鏡で集束荷電粒子ビーム3照射によるサンプル6表面の温度上昇測定し、所定温度を超える場合には加工を中断し、温度が下がるまで待つ。あるいはサンプル6表面の温度をモニターし、サンプル6表面の温度が真空内の温度とほぼ同じになってから集束荷電粒子ビームエッチング加工またはデポジション加工を開始する。あるいはサンプル6の温度を測定し、サンプルがヒーター等の加熱により所定の温度になってから集束荷電粒子ビームエッチング加工またはデポジション加工を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集束荷電粒子ビームを用いてサンプルを微細加工する集束荷電粒子ビーム加工方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
シリコン半導体集積回路の微細化の進展やナノテクノロジーの進展はその解析や機能向上のために狙った位置のみ局所的に加工する技術を必要としている。走査型電子顕微鏡(SEM)や集束イオンビーム(FIB)はその10nm以下の最小ビーム径からこれらを実現するツールとして期待され、一部で実際に産業上重要な微細加工を必要とされる用途でも使われ始めている。
【0003】
集束イオンビーム(FIB)の局所的な物理スパッタ機能やガスアシストエッチング機能や集束イオンビーム誘起化学気相成長(FIB-CVD)を用いた局所的な金属含有導電性膜や絶縁膜や遮光膜堆積機能により透過型電子顕微鏡評価用サンプル作製や集積回路の修正やフォトマスクの欠陥修正など微細高精度加工が行われている(例えば非特許文献1)。また電子ビームでも局所的なガスアシストエッチング機能や局所的な電子ビーム誘起化学気相成長(EB-CVD)機能を用いてフォトマスクの欠陥修正や原子間力顕微鏡探針等の微細高精度加工が行われている(非特許文献2)。
【非特許文献1】Lucille A. Giannuzzi F. A. Stevie, Introduction To Focused Ion Beams: Instrumentation, Theory, Techniques And Practice(Springer, New York, 2005)
【非特許文献2】K. Edinger, H. Becht, J. Bihr, V. Boegli, M. Budach, T. Hofmann, H. P. Coops, P. Kuschnerus, J. Oster, P. Spies, and B. Weyrauch, J. Vac. Sci. Technol. B22 2902-2906(2004)
【非特許文献3】重川秀美、吉村雅満、坂田亮、河津璋 共編、走査プローブ顕微鏡と局所分光、344-351(2005)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
FIB、SEMではイオンビームまたは集束電子ビームなどの集束荷電粒子ビームの照射により局所的な温度上昇が生じていた。この局所的な温度上昇が生じるとビームが熱によりドリフトしビーム照射位置がずれてゆくことが起こっていた。
【0005】
またサンプルを真空チャンバ内に導入直後にはサンプルと真空チャンバ内の温度が異なり、同じ温度になるまでビームが熱ドリフトし続け、ドリフトが収まるまで、ビーム照射位置がずれ続けるので高精度な加工ができないという問題があった。
【0006】
また温度上昇によりビーム照射位置に供給するアシストエッチングガスや堆積原料の表面滞在時間や表面拡散が経時的に変化し、エッチング速度や堆積膜の膜質に影響を及ぼしていて再現性の高い加工ができなかった。
【0007】
以上の問題を解決するには、集束荷電粒子ビーム加工装置において、集束荷電粒子ビームを照射する位置の温度を知る必要があるが、従来の方法では上記のようにビーム照射位置近傍の温度測定や局所的な温度測定はできなかった。例えば、従来の熱電対をサンプルに接着する方法では加工したい領域(ビーム照射領域)の近傍の温度測定は難しく、又熱電対の大きさが大きいため局所的な温度測定もできなかった。放射温度計を用いれば加工したい領域を測定できるが、室温よりもかなり高い温度(250℃以上)しか測定できないし、また測定領域が大きく局所的な温度測定もできなかった。最近において、微小な熱電対を探針にして、表面を走査しての局所温度分布を測定することができる走査熱顕微鏡(Scanning Thermal Microscope: SThM)が実現されている(非特許文献3)。
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、集束荷電粒子ビーム照射位置近傍のサンプルの温度を測定し、高精度な微細加工を行う集束荷電粒子ビーム加工方法及び装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
真空内で動作可能な走査熱顕微鏡と電子ビーム微細加工装置または集束イオンビーム装置を複合し、走査熱顕微鏡をビーム照射位置や基板の温度測定に利用する。
【0010】
すなわち集束電子ビーム、集束イオンビームなどの集束荷電粒子ビームを用いてサンプルを加工するに当たって、集束電子ビームや集束イオンビーム等の集束荷電粒子ビームの照射位置近傍のサンプルの温度を走査熱顕微鏡を用いて測定し、所定温度範囲内にある時に加工を行なう
又、集束荷電粒子ビーム照射位置近傍のサンプルの温度が、サンプルを真空チャンバ内に導入した時、真空チャンバ内の温度とほぼ同じになった時に加工を開始する。
【0011】
カンチレバーの探針取り付け位置近傍に貫通穴が設けられた、穴開き構造の走査熱顕微鏡カンチレバーを使用する。穴開き構造はMEMS技術でカンチレバーを作製するときに予めデザインしておけば作製可能である。あるいはカンチレバーにFIBで穴開け加工することでも実現可能である。この穴開き構造のカンチレバーで集束荷電粒子ビームをカンチレバーの穴から照射し、ビーム照射位置近傍の温度を測定できるようにする。
【0012】
走査熱顕微鏡を用いて集束荷電粒子ビーム照射により上昇する表面の温度を測定し、所定温度を超える場合には加工を中断し、走査熱顕微鏡でモニターを続け温度が照射前の温度に下がるまで待つ。
【0013】
走査熱顕微鏡を用いてサンプル表面の温度をモニターし、サンプル表面の温度が真空内の温度とほぼ同じになってから集束荷電粒子ビームを用いたエッチングまたはデポジション加工を開始する。
【0014】
走査熱顕微鏡を用いてサンプルの温度を測定し、サンプルがヒーターやUV照射やレーザー等の加熱により所定の温度になってから集束荷電粒子ビームを用いたエッチングまたはデポジション加工を行う。定期的に走査熱顕微鏡の温度測定を行い、ヒーターやUV照射やレーザー等の出力にフィードバックをかけて集束荷電粒子ビームによるエッチングまたはデポジション加工中の温度がある一定の範囲内になるようにする。
【0015】
穴開き構造の走査熱顕微鏡カンチレバーの代わりに探針先端がカンチレバー先端から突き出した構造の走査熱顕微鏡カンチレバーを使用する。探針先端が突き出した構造カンチレバーはFIBで除去加工することより作製することができる。
【発明の効果】
【0016】
集束荷電粒子ビーム照射による温度上昇で発生する熱ドリフトの影響を低減することができる。集束荷電粒子ビーム照射による温度上昇によって生ずるエッチング速度や堆積膜の膜質の変化を少なくすることができる。
【0017】
サンプル表面の温度と真空内の温度が同じになるまで待ってから加工することで、サンプルと真空内環境の温度の違いによる熱ドリフトの影響を排除した高精度な加工を行うことができる。
【0018】
サンプル表面の温度を測定することで、供給するアシストエッチングガスやデポジション膜原料の表面滞在時間や表面拡散を制御して一定したエッチング速度や膜厚・組成ともに再現性の良い堆積膜の集束荷電粒子ビームを用いたエッチングまたはデポジション加工を行うことができる。
【0019】
穴開き構造や探針先端が突き出した構造を採用することにより、従来よりもビーム照射位置に近づけて走査熱顕微鏡で温度を測定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に本発明の実施例について図面を用いて詳細に説明する。
【0021】
図1は、穴開き構造のカンチレバーに取り付けられた走査熱顕微鏡探針を用い温度測定をしながら加工する場合を説明するための、集束荷電粒子ビーム装置の概略断面図である。
【0022】
真空内で動作可能な、走査熱顕微鏡と、アシストエッチングガス供給系4やデポジション膜原料供給系5を備えた集束荷電粒子ビーム装置(集束電子ビーム加工装置または集束イオンビーム加工装置)を複合した装置にサンプル6を導入する。
【0023】
探針取り付け位置近傍に貫通穴が設けられた穴開き構造のカンチレバー1を備えた走査熱顕微鏡を用いて、集束電子ビーム鏡筒または集束イオンビーム鏡筒である集束荷電粒子ビーム鏡筒14からの、集束電子ビームまたは集束イオンビームである集束荷電粒子ビーム3をカンチレバーの穴から照射し、ビーム照射位置近傍の探針2が接触する位置の表面温度を測定できるようにする。
図1(a)は除去加工を行う場合である。荷電粒子光学系で絞った集束荷電粒子ビーム3を走査して発生した二次電子信号を同期して二次電子検出器12で取り込みその信号強度を画面にイメージとして表示する。イメージからエッチングする領域を決めたのち、ビーム照射位置近傍にアシストガス供給系4からアシストガスを導入し、除去加工領域7のみ選択走査して除去加工を行う。深さ制御はアシストガス圧一定の条件で集束荷電粒子ビーム3の走査回数またはドーズ量で制御する。
【0024】
図1(b)は金属含有導電性膜や絶縁膜や遮光膜のデポジション膜を堆積する場合で、荷電粒子光学系で絞った集束荷電粒子ビーム3を走査して発生した二次電子信号を同期して二次電子検出器12で取り込みその信号強度を画面にイメージとして表示する。イメージからデポジションする領域を決めたのち、ビーム照射位置近傍に例えばヘキサカルボニルタングステン(導電性膜用)やテトラエトキシシラン(絶縁膜用)やフェナントレン(遮光膜用)といったデポジション膜原料ガス供給系5からデポジション膜原料ガスを導入し、加工領域のみ選択走査してデポジション膜8を形成する。堆積膜厚はデポジション原料ガス圧一定の条件で集束荷電粒子ビーム3の走査回数またはドーズ量で制御する。
【0025】
走査熱顕微鏡は、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope : AFM)のカンチレバー1の探針に温度センサーとしての機能も持たせ、これを走査熱顕微鏡探針2として用いるものである。
【0026】
走査熱顕微鏡探針2をサンプル6に接触させ、サンプル6から伝わる熱量を反映した温度センサー信号を走査に同期して表示して局所温度画像とする。大気の影響を低減するために通常真空環境で使用されている。走査熱顕微鏡探針2のサンプル6へのアプローチは、カンチレバー背面にレーザー反射用のミラーを設け、通常のAFM同様レーザー光源9から出てカンチレバー背面で反射されたレーザー光10を4分割光検出器11で検出することでカンチレバー1の撓みを検出して行うことができる。撓みが一定になるようにスキャナーのXY走査に対してZ方向にフィードバックをかけると通常のコンタクトモードのAFM走査が可能である。もちろん光テコ方式でなくてもカンチレバーの根元にドーパントを打ち込んでピエゾ効果で撓みを抵抗変化としてとらえる自己検知方式でもアプローチ動作やコンタクトモードのAFM走査が可能である。
【0027】
図2に集束荷電粒子ビーム照射による温度上昇に起因するドリフトを低減して加工する場合のフローチャートを示す。図2において、集束電子ビームあるいは集束イオンビームを用いた集束荷電粒子ビームによる加工を行う(101)。加工が終了したか否かを判定し(102)、YESならば加工を終了する(103)。加工継続中は走査熱顕微鏡を用いて定期的に集束荷電粒子ビーム照射3により上昇するサンプル6表面の温度を測定し(104)、サンプル6表面の温度が所定温度を超えているか否かを判定(105)し、超えている場合には加工を中断する(106)。この間にも定期的に走査熱顕微鏡にてサンプル6の表面温度を測定し(107)、所定温度以下になるまで加工を待つ。サンプル6表面の温度が所定温度を超えているか否かを判定(105)し、所定温度以下になったら、加工を開始する。加工中にこのような待ちを入れることで集束イオンビームや集束電子ビーム3照射による温度上昇で発生する熱によるビームのドリフトを低減することができる。又、集束イオンビームや集束電子ビーム3の照射による温度上昇によって生ずるエッチング速度や堆積膜の膜質の変化を少なくすることができる。
【0028】
図3はサンプルと真空チャンバ内環境の温度差に起因するドリフトを低減して加工する場合のフローチャートである。図3において、サンプルを集束荷電粒子ビーム装置の真空チャンバ内(図示されない)に導入後、走査熱顕微鏡を用いてサンプル表面の温度をモニターし(201)、サンプル表面の温度が真空チャンバ内の温度とほぼ同じになるまで待つ(202)。サンプル表面の温度が真空チャンバ内の温度とほぼ同じになったら、集束荷電粒子ビーム3を用いたエッチングまたはデポジション加工を開始する(203)。サンプル6表面の温度と真空チャンバ内の温度が同じになるまで待ってから加工することで、サンプルと真空チャンバ内環境の温度の違いによる熱ドリフトの影響を排除した高精度な加工を行うことができる。
【0029】
図4は、サンプルの温度を制御して加工する場合のフローチャートである。図4において、ヒーターやUV照射やレーザー等の加熱でサンプルを加熱する(301)。ヒーターやUV照射やレーザー等で加熱されたサンプル6の温度を走査熱顕微鏡を用いて測定する(302)。サンプル6の温度がサンプルが所定の温度を超えたか否かを判定し(303)、所定の温度を超えたらアシストエッチングガスやデポジション膜原料を供給して、集束イオンビームまたは集束電子ビーム等の集束荷電粒子ビーム3を用いたエッチングまたはデポジション加工を行う(304)。加工が終了したか否かを判定し(305)、YESならば加工を終了する(306)。加工継続中は定期的に走査熱顕微鏡の温度測定を行い(307)、サンプル6の温度が許容温度範囲内にあるか確認する(308)。許容温度範囲内であればそのまま加工を続ける。許容温度範囲を超えたら加工を中断し、サンプル加熱をOFFとする(309)。許容範囲温度範囲より低くなったら加工を中断し、サンプルを加熱する(310)。サンプル6の温度が許容範囲内になったら再び加工を開始する。
【0030】
このようにして、ヒーターやUV照射やレーザー等の出力にフィードバックをかけてサンプルの加熱をONOFFすることにより、加工中温度がある一定の範囲内になるようにする。サンプル表面温度を制御することでサンプル表面に供給するアシストエッチングガスやデポジション膜原料の表面滞在時間や表面拡散を制御して、一定したエッチング速度や膜厚・組成ともに再現性の良い堆積膜の集束荷電粒子ビーム3を用いたエッチングまたはデポジション加工を行うことができる。
【0031】
図5は、他の実施例として、探針先端が突き出した構造の走査熱顕微鏡探針を用いて温度測定をしながら加工する場合を説明するための、集束荷電粒子ビーム装置の概略断面図である。
【0032】
カンチレバー端部から先端が外に突き出した構造の走査熱顕微鏡探針13を用いてもビーム照射位置近傍の表面温度を測定できるので上記の局所的な温度情報を活かした集束荷電粒子ビーム3を用いた加工を行うことができる。図5(a)は除去加工を行う場合で、集束荷電粒子ビーム3を走査してイメージを取り、イメージからエッチングする領域を決めたのち、ビーム照射位置近傍にアシストガス供給系4からアシストガスを導入し、除去加工領域7のみ選択走査して除去加工を行う。深さ制御はアシストガス圧一定の条件で集束荷電粒子ビーム3の走査回数またはドーズ量で制御する。図5(b)はデポジション膜を堆積する場合で、こちらも集束荷電粒子ビーム3を走査してイメージを取り、イメージからデポジションする領域を決めたのち、ビーム照射位置近傍に金属含有導電性膜や絶縁膜や遮光膜のデポジション膜原料ガス供給系5からデポジション膜原料ガスを導入し、加工領域のみ選択走査してデポジション膜8を形成する。堆積膜厚はデポジション原料ガス圧一定の条件で集束荷電粒子ビーム3の走査回数またはドーズ量で制御する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】穴開き構造のカンチレバーに取り付けられた走査熱顕微鏡探針を用い温度測定をしながら加工する場合を説明するための、集束荷電粒子ビーム装置の概略断面図である。
【図2】荷電粒子線照射による温度上昇に起因するドリフトを低減して加工する場合のフローチャートである。
【図3】サンプルと真空内環境の温度差に起因するドリフトを低減して加工する場合のフローチャートである。
【図4】サンプルの温度を制御して加工する場合のフローチャートである。
【図5】探針先端が突き出した構造の走査熱顕微鏡探針を用いて温度測定をしながら加工する場合を説明するための、集束荷電粒子ビーム装置の概略断面図である。
【符号の説明】
【0034】
1 カンチレバー
2 走査熱顕微鏡探針
3 集束荷電粒子ビーム
4 アシストエッチングガス供給系
5 デポジション膜原料供給系
6 サンプル
7 除去加工領域
8 デポジション膜
9 レーザー光源
10 レーザー光
11 4分割光検出器
12 二次電子検出器
13 カンチレバー端部から先端が外に突き出した構造の走査熱顕微鏡探針
14 集束荷電粒子ビーム鏡筒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
集束荷電粒子ビームを用いたサンプル加工方法であって、集束荷電粒子ビーム照射位置近傍のサンプルの温度を走査熱顕微鏡を用いて測定し、所定温度範囲内にある時に加工を行なう集束荷電粒子ビーム加工方法。
【請求項2】
前記サンプルの温度が所定温度を超える場合には加工を中断し、走査熱顕微鏡でモニターを続け前記サンプルの温度が照射前の温度に下がるまで待つ請求項1記載の集束荷電粒子ビーム加工方法。
【請求項3】
サンプルを集束荷電粒子ビーム装置の真空チャンバ内に導入した後、集束荷電粒子ビーム照射位置近傍のサンプルの温度が、真空チャンバ内の温度とほぼ同じになった時に加工を行なう請求項1記載の集束荷電粒子ビーム加工方法。
【請求項4】
加熱手段によるサンプルの加熱により所定の温度になってから集束荷電粒子ビームを用いた加工を行い、定期的に走査熱顕微鏡による温度測定を行い、加熱手段の出力にフィードバックをかけて集束荷電粒子ビームによる加工中の温度がある一定の範囲内になるようにする請求項1記載の集束荷電粒子ビーム加工方法。
【請求項5】
前記加工が集束荷電粒子ビームを用いたデポジション加工である請求項1から4のいずれか1項に記載の集束荷電粒子ビーム加工方法。
【請求項6】
前記集束荷電粒子ビームが集束イオンビームである請求項1から5のいずれか1項に記載の集束荷電粒子ビーム加工方法。
【請求項7】
前記集束荷電粒子ビームが集束電子ビームである請求項1から5のいずれか1項に記載の集束荷電粒子ビーム加工方法。
【請求項8】
集束荷電粒子ビーム鏡筒と、該集束荷電粒子ビーム鏡筒からの集束荷電粒子ビームの照射位置近傍のサンプルの温度を測定する走査熱顕微鏡とからなる集束荷電粒子ビーム加工装置。
【請求項9】
前記走査熱顕微鏡のカンチレバーに、集束荷電粒子ビームを照射するための貫通穴が設けられている請求項8記載の集束荷電粒子ビーム加工装置。
【請求項10】
前記走査熱顕微鏡の探針の先端が、カンチレバー端部より前方に突き出ている請求項8記載の集束荷電粒子ビーム加工装置
【請求項11】
前記集束荷電粒子ビーム鏡筒が集束イオンビーム鏡筒である請求項8から10のいずれか1項に記載の集束荷電粒子ビーム加工装置。
【請求項12】
前記集束荷電粒子ビームが集束電子ビーム鏡筒である請求項8から10のいずれか1項に記載の集束荷電粒子ビーム加工装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−163983(P2009−163983A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−568(P2008−568)
【出願日】平成20年1月7日(2008.1.7)
【出願人】(503460323)エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社 (330)
【Fターム(参考)】