説明

集積回路を相互接続するための技術

処理コア(20,48)及びオンボードメモリ(30,32,60,62)をそれぞれ有する2つの集積回路ダイ(12,14)は、相互接続されて一体にパッケージ化されて、多チップモジュール(10)を形成する。第1のダイ(12)はプライマリであると考えられ、第2のダイ(14)はセカンダリであると考えられ、インターポーザー(16)を介して接続されている。第1及び第2のダイは同じ設計であってよいため、周辺装置(28,56)及びメモリなど同じリソースを有してよく、好適には共通のシステム相互接続プロトコルを有する。第2のダイのコアは使用不能とされるか、少なくとも低電力モードとされる。第1のダイは、第2のダイに対し相互接続を行うための最小の回路(34,26)を備える。第2のダイはいくつかの必要なインタフェース回路(52)と、1つのアドレス変換器(50)とを有する。その結果、第1のダイのコアは、第2の集積回路のメモリ及び他のリソースを用いるトランザクションを、そのメモリ及びリソースが第1のダイ上に存在する場合のように、実行することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は集積回路、より詳細には、集積回路を相互接続することに関する。
【背景技術】
【0002】
2つ以上の集積回路ダイを相互接続して単一のパッケージデバイスを形成することには、多くの理由が存在する。1つの使途は、所与のパッケージにおけるメモリを増加することである。別の使途は、通常共に使用されるが、いずれにも有効な1つの製法を用いて製造することは困難である2つのダイを結合することである。一例は、携帯電話機に用いられる論理回路及びRF回路である。対処の必要な相互接続問題及び干渉問題が存在することがある。いずれの場合にも、特定のダイの組み合わせが実装されるために対処される問題が存在することがある。複数のダイを結合する理由に拘わらず、複数のダイを有する必要が存在するという事実を克服するために生じる問題が存在する。単一ダイにおいて様々な機能を組み合わせる性能は限られたままであり、よって複数のダイに関連した問題は依然として存在する。
【0003】
従って、複数のダイを相互接続するための改善された技術の必要が存在する。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【図1】一実施形態によるマルチダイデバイスのブロック図。
【図2】図1のデバイスの一部をより詳細に示すブロック図。
【図3】マルチダイデバイスの動作に関連したアドレスマッピングを示す図。
【図4】第1のパッケージ化実施形態によるデバイスの断面図。
【図5】図4のデバイスの製造に有用な2つのダイの平面図。
【図6】第2のパッケージ化実施形態によるデバイスの断面図。
【図7】第3のパッケージ化実施形態によるデバイスの断面図。
【図8】第4のパッケージ化実施形態によるデバイスの断面図。
【図9】第5のパッケージ化実施形態によるデバイスの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0005】
一態様では、処理コア及びオンボード型メモリをそれぞれ有する2つの集積回路ダイは、多チップモジュールを形成するために、相互接続され、一体にパッケージ化される。第1のダイはプライマリと考えられ、第2のダイはセカンダリと考えられる。それらのダイは中間基板を介して一体に接続される。第1のダイ及び第2のダイは同じ設計であってよいため、周辺装置及びメモリなど同じリソースを有してよく、好適には共通のシステム相互接続プロトコルを有する。第2のダイのコアは、ほとんどの動作のあいだ、使用不能とされるか、又は必要に応じて少なくとも低電力モードとされる。第1のダイは、第2のダイに相互接続するための最小の回路を備える。第2のダイは少なくとも幾つかの必要なインタフェース回路と、1つのアドレス変換器とを備える。その結果、第1のダイのコアは、第2の集積回路のメモリ及び他のリソースを用いるトランザクションを、そのメモリ及びリソースが第1のダイ上に存在する場合のように、実行することができる。これは特にプロトタイプとしての使用に有益である。プロトタイプを用いる実験から最終的に望ましいと考えられる様々な機構は、大量生産において用いられる単一のダイに容易に含められることが可能である。したがって、生産のための機構の最適化を、製品装置の設計を完了させる前にプロトタイプを用いる実験が実行されるまで遅らせられることによって、より適切で、より時期に適ったものとなる。これは、早期のソフトウェア開発及び商品のプロトタイピングに有益である。図面及び以下の記載を参照して、このことがより理解される。
【0006】
図1に示すのは、集積回路ダイ12と、集積回路ダイ14と、中間基板16とを備えるパッケージデバイス10である。集積回路12は、システム相互接続部18、コア20、DMA22、マスター回路24、構成レジスタ26、周辺装置28、不揮発性メモリ(NVM)30、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)32、スレーブ回路34、デコーダ36、外部端子38、外部端子40、外部端子42、及び外部端子44を備える。集積回路14は、システム相互接続部46、コア48、DMA50、マスター回路52、デコーダ54、構成レジスタ56、周辺装置58、NVM60、SRAM62、スレーブ回路64、外部端子66、外部端子68、外部端子70、及び外部端子72を備える。この例において、集積回路ダイ12,14は同じ設計である。集積回路ダイ12,14が同じ設計であることは必須ではないが、システム相互接続部18,46が同じプロトコルのシステム相互接続部であることが望ましい。そのようなシステム相互接続部の一例は、クロスバー型システム相互接続部である。クロスバー型システムにリソースを追加することは比較的容易に行えるので、そうしたシステムは良い例である。コア20,48は処理ユニットとして機能し、それぞれシステム相互接続部18,46に接続されている。この例において、ダイ12はマスターとして機能するプライマリダイであり、ダイ14はスレーブとして機能するセカンダリダイである。周辺装置28,58は様々な機能回路であってよい。一例は、アナログ−デジタル変換器である。外部端子は、それらの端子がその一部をなすダイに外部的に直接接続するためのものである。
【0007】
ダイ12について、システム相互接続部18は、システム相互接続部18のマスターポート21においてコア20に接続され、システム相互接続部18のマスターポート23においてDMA22に接続され、システム相互接続部18のマスターポート25においてマスター回路24に接続され、システム相互接続部18のマスターポート27において構成レジスタ26に接続され、システム相互接続部18のスレーブポート29において周辺装置28に接続され、システム相互接続部18のスレーブポート31においてNVM30に接続され、システム相互接続部18のスレーブポート33においてSRAM32に接続され、システム相互接続部18のスレーブポート35においてスレーブ回路34に接続されている。マスター回路52は外部端子66,68に接続されている。外部端子66,68は、この例ではダイ12に外部的に接続されてはいない。機能を明確に示すため、構成レジスタ26がデコーダ36に直接接続されているように示すが、実際には構成レジスタ26はシステム相互接続部18を介してデコーダ36に接続されている。外部端子42はスレーブ回路34及び中間基板16に接続されている。外部端子44は構成レジスタ26及び中間基板16に接続されている。スレーブ回路34はセカンダリダイに接続するためのものである。マスター回路24はコア20に接続されている。中間基板16は、ダイ12,14を電気的且つ構造的に一体に接続するためのものである。システム相互接続部18の上部に示すものに接続されているリソースはマスターポートに接続され、システム相互接続部18の下部のリソースはスレーブポートに接続されている。したがって、コア20、DMA22、及びマスター回路24は、マスターポートにおいてシステム相互接続部18に通信可能に接続されている。周辺装置28、NVM30、SRAM32、スレーブ回路34、及び構成レジスタ26は、スレーブポートにおいてシステム相互接続部18に通信可能に接続されている。システム相互接続部を有するマイクロコントローラをスレーブポート及びマスターポートを有するように分割することは本技術分野において周知である。
【0008】
ダイ14について、システム相互接続部46は、コア48、DMA50、マスター回路52、デコーダ54、構成レジスタ56、周辺装置58、NVM60、SRAM62、及びスレーブ回路64に接続されている。マスター回路52は、外部端子66,68に接続されている。外部端子66,68は中間基板16に接続されている。機能を明確に示すために、デコーダ54が構成レジスタ56に直接接続されているように示すが、実際にはデコーダ54はシステム相互接続部46を介して構成レジスタ56に接続されている。構成レジスタ56は、外部端子70に接続されている。スレーブ回路64は、外部端子72に接続されている。外部端子70,72は、ダイ14の外部の回路に接続されていない。スレーブ回路34及び構成レジスタ26は、中間基板16を介してマスター回路52に接続されており、ダイ12をプライマリとして、またダイ14をセカンダリとして確立させる。コア48、DMA50、及びマスター回路52はマスターポートにおいてシステム相互接続部18に通信可能に接続されている。周辺装置58、NVM60、SRAM62、スレーブ回路64、及び構成レジスタ56は、スレーブポートにおいてシステム相互接続部18に通信可能に接続されている。
【0009】
動作時には、コア20は、システム相互接続部18に接続されているリソースや、システム相互接続部46に接続されている周辺装置58、NVM60、及びSRAM62にアクセスを行うことが可能である。デコーダ36は、ダイ12がプライマリであるという情報を外部端子44が供給するという制御情報を用いて構成レジスタのロードを行うようにシステム相互接続部のデコードを行う。これは中間基板16を介して外部端子68によって、ひいてはマスター回路52によって、構成信号Cとして受信される。マスター回路52は、マスターとして機能するプライマリダイからのトランザクション要求を受信するためのものである。スレーブ回路34は、中間基板16及び外部端子66を介してマスター回路52とのトランザクションTを制御する。例えば、コア20がSRAM62にアクセスを行うことを選択する場合、このことがシステム相互接続部18を介してスレーブ回路34へ通信される。スレーブ回路はトランザクションTをマスター回路52へ通信する。マスター回路52は、次いで、システム相互接続部46を介してSRAM62に関するトランザクションを実行する。そのトランザクションはマスター回路52からスレーブ回路34へ、またシステム相互接続部18を用いてスレーブ回路34からコア20に通信によって戻される。これについて図2を参照してさらに説明する。
【0010】
図2にはデバイス10の一部をより詳細に示す。図2に示し、また図1にも示したのは、システム相互接続部18、スレーブ回路34、構成レジスタ26、中間基板16、マスター回路52、システム相互接続部46、コア48、及び外部端子42,44,66,68である。スレーブ回路34はスレーブ論理部74及び通信ハンドシェーク回路76を備える。スレーブ論理部74は、第1のインタフェースを介してシステム相互接続部18に接続されており、第2のインタフェースを介して通信ハンドシェーク回路76に接続されている。マスター回路52は、通信ハンドシェーク回路78、アドレス変換回路80、及びマスター論理部82を備える。通信ハンドシェーク回路78は、第1のインタフェースを介して外部端子66に接続されており、第2のインタフェースを介してアドレス変換回路80に接続されている。マスター論理部82は、第1のインタフェースを介してアドレス変換回路80に接続されており、第2のインタフェースを介してシステム相互接続部に接続されている。アドレス変換回路及びコア48は、外部端子68,44を介して構成レジスタ26に接続されている。スレーブ論理部74は、ダイ14を用いて実行されるトランザクションを知るために、システム相互接続部18とのインタフェースを行い、トランザクションが実行される時、アドレス及びデータなど必要な情報に接続する。通信ハンドシェーク回路76は、通信ハンドシェーク回路76,78間の信号が適時的に同期されるように、通信ハンドシェーク回路78と通信する。
【0011】
コア20は、システム相互接続部46に接続したリソースに対するアクセスを有するので、使用可能なリソースは倍増する。NVM60及びSRAM62などのメモリを追加する場合、集積回路12は、システム相互接続部18に接続したメモリのみを用いるだけに必要なアドレス空間と比較して、相当するアドレス空間を追加することも可能である必要がある。マイクロコントローラのオンボードのシステムメモリの量はコアのアドレッシング性能より相当少ないので、このことはほとんど問題でない。コア20は少なくとも32ビット、おそらくは64ビット、場合によっては128ビットのアドレッシング性能を有することが期待される。32ビットの低いアドレッシング性能しか有しない場合であっても、アドレッシング可能なメモリロケーションの数は、40億を超える。各ロケーションに1バイトが存在した場合、4ギガバイト超のメモリのアドレッシング性能である。しかし同時に、集積回路14におけるメモリのアドレス空間は、集積回路12に対するアドレス空間と同じである。したがって、集積回路14のメモリを追加のメモリとして処理するには、コア20が集積回路14内メモリのアドレッシングを行うとき、アドレス変換が存在する必要がある。これについて図3に示す。すなわち、プライマリメモリ(この例では集積回路12であるプライマリマイクロコントローラにおけるメモリ)は、アドレスマップ内の第1のアドレス範囲を占有し、セカンダリメモリ(この例では集積回路14であるセカンダリマイクロコントローラにおけるメモリ)は、アドレスマップ内の第2のアドレス範囲を占有する。図3に示すように、この同じ技術が周辺装置の使用にも適用される。集積回路14のリソースが集積回路12のリソースに対する複製リソースとして処理される場合、変換は不要である。
【0012】
セカンダリダイのリソース(SRAM62など)は、複製リソースとして処理されるとき、プライマリダイ上の同一リソースSRAM32を置き換える。動作時には、コア20がシステム相互接続部18を介してSRAM32に関連するアドレス空間にアクセスを行い、そのアクセスがさらにスレーブ1回路34、中間基板16、マスター2回路52、及びシステム相互接続部46を介してSRAM62まで迂回される。この動作において、アドレス変換は不要であるが、しかしながら、SRAM32に関連するアドレスデコード論理は使用不能とされる。
【0013】
一動作例では、書込のためのアドレスが最終的にSRAM62に通信されることになる場合、通信ハンドシェーク回路78は、そのアドレスを受信する用意をする必要がある。アドレス変換器80は、構成レジスタ26の制御の下で、必要な変換を実行する。ダイ12,14が同じ設計であるこの例では、デコーダ36によってダイ14のメモリ(NVM60又はSRAM62など)に割り当てられるメモリ空間は、ダイ14によって認識されるものとは異なる。そのため、変換が必要である。構成レジスタ26は、したがって、変換が必要とされるものを通信する。アドレス変換回路80は、したがって、構成レジスタ26によって命令された変換を実行する。マスター論理部82は、変換されたアドレスをアドレス変換回路80から受信し、命令されたトランザクションを実行するようにシステム相互接続部46と交渉を行う。コア48は、構成レジスタ26の命令の下、低電力モードとされる。コア48はスタートアップ中に作動していてもよいが、スタートアップの完了後、コア48は電力を節約するために電源が切られる。この例では、変換はセカンダリダイによって実行されるが、この変換が代わりにプライマリダイによって実行されてもよい。図2に示すように、アドレス変換回路80は、スレーブ論理部74と通信ハンドシェーク76との間に移動されてもよい。
【0014】
ダイ14がダイ12に情報を返す場合、マスター論理部82はシステム相互接続部46から情報を受信し、その情報をアドレス変換回路80に接続する。アドレス変換回路80は、構成レジスタ26の命令の下、必要な変換を実行する。通信ハンドシェーク回路は、この情報を論理部74に適切に通信するように、ハンドシェーク回路76と協調して動作する。論理部74は、次いで、システム相互接続部を介してコア20に情報を送るようにシステム相互接続部と交渉を行う。
【0015】
この動作によって、コア20がシステム相互接続部46に接続されているダイ14のリソースを使用することが可能となる。したがって、次世代の集積回路の最適なリソースの組み合わせを決定するために、様々な実験を行うことができる。係る実験は、既にあり、おそらくは改良されつつある製造能力による既存の集積回路を用いて行われるので、そうしたリソースの新たな組み合わせを有する集積回路を市場に提供するまでの時間は短くなると期待される。
【0016】
図4に示すのは、完成したデバイス10の断面図であり、ダイ12及びダイ14は中間基板16を介して互いに接続されており、成型化合物(例えば、エポキシノボラック)などの封止材によって封止されている。簡単且つ理解を容易にするために、代表的な接点(端子とも呼ばれる)を示すが、実際のデバイスには、より多くの接点が存在する。ダイ端子は、例えば、はんだ、金、又は銀充填エポキシ若しくは導体で被覆されたエポキシ球体などの導電性有機材料である。また、ダイ12からパッケージ基板84に熱を接続するための熱分散器86も示す。中間基板16は、ダイ12,14の端子を互いに接続するとともに、パッケージ基板84の上面にも接続している。ダイ間接続の一例は、ビア98を介してダイ14の端子102に接続されたダイ12の端子104である。別の例は、ビア100を介してダイ12の端子108に接続されたダイ14の端子106である。ビア98,100は中間基板16を通じためっきされた孔である。ダイ14と中間基板16との間の接続の一例は、導体線120を通じて中間基板16のパッド118に接続された端子110である。ダイ14は、同様に、中間基板16の中間基板パッドに接続された端子114を有する。同じようにして、ダイ12は、中間基板16のパッドに接続された接続部112,116を有する。この例では、ダイ12又はダイ14のパッドに接続された中間基板16上のパッドは、中間基板16のパッド118をはんだボール90に接続するワイヤボンド111によってなど、ワイヤボンドによってパッケージ基板84に接続されている。ワイヤボンドのランディング部分は、パッケージ基板84の底部のはんだボールに接続されている。図4に示したパッケージ基板84の底部の他の代表的なはんだボールは、はんだボール92,94,96である。中間基板16は、シリコンから製造されてもよく、窒化アルミニウムなどのセラミックなど、他の材料から製造されてもよい。熱分散器86は、銅などの金属から製造されてもよく、熱移動の良好な別の種類の材料から製造されてもよい。熱移動が良好であることと、熱膨張係数が一致していることとが、熱分散器86に所望される目標である。
【0017】
図5に示すのは、ウエハ140上に示したダイ12,14と、ダイ136,138との平面図である。ダイ12,14は、所望の通りに中間基板16に取り付ける際に便利であるように配置された接点を有するように示す。この例では、ダイ12,14は同じであるが、いくらか異なる機能を有する。ダイ12はプライマリ又はマスターとして機能し、ダイ14はセカンダリ又はスレーブとして機能する。一部の接点は、特定のダイがプライマリであるときに用いられ、他のダイはスレーブとして機能するときに用いられる。ダイ14上には、接点102,106,110,114,120,122,124,126,154,156を示す。ダイ12上には、接点104,108,112,116,128,130,132,134,158,160を示す。ダイ14がセカンダリである場合、セカンダリであるダイ14に関連する接点には、接点102,106,154が含まれる。未使用のマスター接点は、122,124,156である。マスター接点122,124,156は、中心線142に対し、それぞれスレーブ接点106,102,154と対称である。例えば、中心線142から接点124までの距離146は、中心線142から接点102までの距離148と同じである。ダイ12についても同様に、マスターであるダイ12に関連する接点は、接点108,104,160である。マスターであるダイ12に関連する未使用のスレーブ接点は、接点130,132,158である。スレーブ接点130,132,158は、中心線144に対し、それぞれマスター接点108,104,160と対称である。例えば、中心線144から接点104までの距離150は、中心線144から接点132までの距離152と同じである。この対称性によって、ダイ12,14が同じであるとともに、スレーブ接点をマスター接点に整合させ、マスター接点をスレーブ接点に整合させることが可能となる。これによって、ダイ12,14の能動領域を互いに対面させるとともに、一方のダイのスレーブ接点が他方のダイのマスター接点に電気的に接続されるように、接触する中間基板を整合させることが可能となる。ダイが同じであり、いずれがスレーブであってもマスターであってもよいので、各他の接点も対応する対称な接点を有する。
【0018】
ダイが異なることの可能な他の用途では、対称性は重要でなく、図4に示す手法は対称性を必要することなく使用され得る。
【0019】
図6に示すのは、図4の完成したデバイス10の一代替としての完成したデバイス168である。デバイス168は、図4において中間基板16に接触したのと同様にして中間基板170に接触しているダイ12,14を有する。1つの代表的端子としての端子114は、導体182を通じて中間基板170の接点に接続されている。デバイス168は、中間基板170がはんだボール174などのはんだボールを用いてパッケージ基板172に接触していることと、ダイ12(プライマリ)がダイ14の上方にあることとによって、デバイス10と異なる。ダイ12は、露出した能動領域に対向する背面を有するので、その背面に熱分散器が適用されてもよい。プライマリ集積回路における熱分散器の必要性は、セカンダリ集積回路におけるよりも大きい。このことはまた、外部接続としてのはんだボール176などのはんだボールや、そのはんだボールがダイの下にあってもよいことを示している。代表的な一導体180は、パッケージ基板172を介してはんだボール174をはんだボール176に接続している。封止材178は、ダイ12,14の背面及び中間基板170以外の全てを封止する。はんだボールのアレイを用いるこの型のパッケージは、ボールグリッドアレイ(BGA)パッケージと呼ばれることがある。ダイ12,14の能動面は中間基板に面しており、ワイヤボンドは不要である。
【0020】
図7に示すのは、別の代替としての完成したデバイス190である。ダイ12,14は、先にデバイス10,168について説明したように、中間基板に面する能動面を有する中間基板に取り付けられている。この場合、パッケージ基板191は、ダイ14の存在する開口部を有する。パッケージ基板は、パッケージ外に電気接点を提供するための導体部分194,196など、選択される部分を有する。導体部分194,196は、パッケージ基板191の構造の統合部分であり、例えば、銅、42アロイとして一般に知られる導体、又はQFN(quad flat no−lead)パッケージとして知られるリードフレームに有用な別のリードフレーム材料からなるリードフレームの一部であってよい。中間基板から導体部分までの電気接点は、上述の端子と同様の端子195などの端子を通じる。代表的な一導体193は、中間基板を介してダイ12を端子195に接続している。封止材192は、この例では、ダイ12の上面にのみ広がっているので、ダイ12の背面は露出されており、熱分散器が適用され得る。
【0021】
図8に示すのは、完成したデバイス200である。完成したデバイス200は、ダイ14が上部にあり、ダイ12が底部にあること、また封止材202がダイ14を覆っていることを除き、完成したデバイス190と同じである。この場合、ダイ12の背面が露出されているのは底面なので、熱分散器は完成したデバイス200の底面に適用されることが必要な場合がある。
【0022】
図9に示すのは、デバイス10,168,190,200について先に説明したように、その能動面が中間基板に面している中間基板にダイ12,14が取り付けられた、さらに別の代替と同様の完成したデバイス210である。この場合、はんだボール212などのはんだボールは、デバイス210に電気接続を提供するために用いられる。ダイ12は底部に示されており、熱分散器の適用のために、その背面が露出されている。ダイ14は、頂部においてその背面を露出している。ダイ12,14は、ダイ112がデバイス210の頂部においてその背面を露出するように、交換されてもよい。はんだボール214などのはんだボールはデバイス210に取り付けられるように示されており、BGAがこのようにしても製造可能であることを示している。
【0023】
以上、図4〜9に示すように、ダイ12,14のパッケージ化を行うための様々な変形形態が利用可能である。ダイが同じであるがこの状況ではパッケージ化に特に有益であるが、これらのパッケージはこのパッケージの意味合い以外でも適用可能である。2つのダイは、RF性能について最適化されたダイ及び論理部用に設計されたダイなど、相当異なることも可能である。さらに、2つのダイが異なるサイズを有することも可能である。
【0024】
以上によって、第1の集積回路ダイ及び第2の集積回路ダイを備える情報処理システムが提供されることが認められる。第1の集積回路ダイは、第1の複数のマスターポート及び第1の複数のスレーブポートを有し、第1のシステム相互接続プロトコルにしたがって動作する、第1のシステム相互接続部と、第1の複数のマスターポートのうちの第1のマスターポートに通信可能に接続された第1の処理コアと、第1の複数のスレーブポートのうちの第1のスレーブポートに通信可能に接続されたメモリと、第1の複数のスレーブポートのうちの第2のスレーブポートに通信可能に接続された第1のスレーブ回路と、を有する。第2の集積回路ダイは、第2の複数のマスターポート及び第2の複数のスレーブポートを有し、第1のシステム相互接続プロトコルにしたがって動作する、第2のシステム相互接続部と、第2の複数のマスターポートのうちの第1のマスターポートに通信可能に接続された第2の処理コアと、第2の複数のスレーブポートのうちの第1のスレーブポートに通信可能に接続されており、アドレッシング可能なアドレス範囲を有するアドレッシング可能なスレーブ回路であって、アドレッシング可能なアドレス範囲は第1の集積回路ダイのアドレスマップ内の第1のアドレス範囲に相当し、且つアドレッシング可能なアドレス範囲は第2の集積回路ダイのアドレスマップ内の第2のアドレス範囲に相当する、アドレッシング可能なスレーブ回路と、第2の複数のマスターポートのうちの第2のマスターポートに通信可能に接続された第1のマスター回路と、を有する第2の集積回路ダイと、を備える。第1のスレーブ回路は、第1のシステム相互接続部及び第2のシステム相互接続部を介した第1の集積回路ダイのシステム相互接続部マスターによるアドレッシング可能なスレーブ回路に対するデータアクセス中にデータを供給するために、第1のマスター回路に通信可能に接続されている。このシステムはさらに、第1のスレーブ回路及び第1のマスター回路のうちの少なくとも一方が、アドレッシング可能なスレーブ回路のアドレスを第1のアドレス範囲から第2のアドレス範囲に変換するためのアドレス変換回路を備えることを特徴としてもよい。このシステムはさらに、第1のマスター回路が変換回路を備えることを特徴としてもよい。このシステムはさらに、構成情報を記憶するように構成されたメモリをさらに備えてもよく、構成情報は、システムを複数のモードのうちの1つにより動作するように制御するために利用され、複数のモードのうちの第1のモードでは、アドレッシング可能なスレーブ回路に対するデータアクセスは、第1のアドレス範囲のアドレッシングを行う第1のシステム相互接続部のシステム相互接続部マスターによって行われ、第2の動作モードでは、アドレッシング可能なスレーブ回路に対するデータアクセスは、第1の集積回路ダイのアドレスマップの第3のアドレス範囲のアドレッシングを行う第1のシステム相互接続部のシステム相互接続部マスターによって行われる。このシステムはさらに、アドレッシング可能なスレーブ回路がメモリ回路であることを特徴としてもよい。このシステムはさらに、第1の集積回路ダイと第2の集積回路ダイとの間の構成通信路をさらに備えてもよく、構成通信路は、第1の集積回路ダイと第2の集積回路ダイとの間において動作モード情報を供給する。このシステムはさらに、アドレッシング可能なスレーブ回路がメモリ回路であることを特徴としてもよい。このシステムはさらに、アドレッシング可能なスレーブ回路が周辺回路であることを特徴としてもよい。このシステムはさらに、少なくとも1つの動作モードにおいて、アドレッシング可能なスレーブ回路へのデータアクセス中、第2のコアが低電力モードにあることを特徴としてもよい。このシステムはさらに、第1の集積回路ダイがマイクロコントローラであり、第2の集積回路ダイがマイクロコントローラであることを特徴としてもよい。このシステムはさらに、第1の集積回路ダイが第2のマスター回路及び第2のスレーブ回路をさらに備えることを特徴としてもよく、第2のマスター回路は、第1の複数のマスターポートのうちの第2のマスターポートに通信可能に接続されており、第2のマスター回路は第1の集積回路ダイの外部端子に接続されており、該外部端子は非使用可能状態に設定されており、第2のスレーブ回路は、第2の複数のスレーブポートのうちの第2のスレーブポートに通信可能に接続されており、第2のスレーブ回路は第2の集積回路ダイの外部端子に接続されており、第2の集積回路ダイの外部端子は非使用状態に設定されており、第2のスレーブ回路及び第2のマスター回路のうちの少なくとも一方はアドレスを変換するためのアドレス変換回路を備える。このシステムはさらに、構成情報を記憶するように構成されたメモリをさらに備えてもよく、構成情報は、システムを複数のモードのうちの1つにより動作するように制御するために利用され、複数のモードのうちの第1のモードでは、第1の集積回路ダイはプライマリ集積回路ダイとして動作し、第2の集積回路ダイはセカンダリ集積回路ダイとして動作し、複数のモードのうちの第2のモードでは、第2の集積回路はプライマリ集積回路ダイとして動作し、第1の集積回路ダイはセカンダリ集積回路ダイとして動作する。このシステムはさらに、第1の集積回路ダイ及び第2の集積回路ダイが1つの集積回路パッケージに組み込まれることを特徴としてもよい。
【0025】
情報処理システムを動作させる方法も記載されている。この方法は、第1の集積回路ダイに電力を供給する工程であって、第1の集積回路ダイは、第1の複数のマスターポート及び第1の複数のスレーブポートを有し、第1のシステム相互接続プロトコルにしたがって動作する、第1のシステム相互接続部と、第1の複数のマスターポートのうちの第1のマスターポートに通信可能に接続された第1の処理コアと、第1の複数のスレーブポートのうちの第1のスレーブポートに通信可能に接続された第1のスレーブ回路とを備える、工程を備える。この方法はさらに、第2の集積回路ダイに電力を供給する工程を備えてもよく、第2の集積回路ダイは、第2の複数のマスターポート及び第2の複数のスレーブポートを有し、第1のシステム相互接続プロトコルにしたがって動作する第2のシステム相互接続部と、第2の複数のマスターポートのうちの第1のマスターポートに通信可能に接続された第2の処理コアと、第2の複数のスレーブポートのうちの第1のスレーブポートに通信可能に接続されており、アドレッシング可能なアドレス範囲を有するアドレッシング可能なスレーブ回路であって、アドレッシング可能なアドレス範囲は第1の集積回路ダイのアドレスマップ内の第1のアドレス範囲に相当し、且つアドレッシング可能なアドレス範囲は第2の集積回路ダイのアドレスマップ内の第2のアドレス範囲に相当する、アドレッシング可能なスレーブ回路と、第2の複数のマスターポートのうちの第2のマスターポートに通信可能に接続された第1のマスター回路と、を備える。この方法はさらに、第1の集積回路ダイの第1のシステム相互接続部のシステム相互接続部マスター回路によって、アドレッシング可能なスレーブ回路に対するデータアクセスを実行する工程を備えてもよく、データアクセスは、第1のシステム相互接続部、第1のスレーブ回路、第1のマスター回路、及び第2のシステム相互接続部を介して実行される。この方法はさらに、第1のシステム相互接続部にシステム相互接続部マスター回路によって第1のアドレス範囲内のデータアクセスの第1のアドレスを供給する工程と、第1のスレーブ回路によって第1のシステム相互接続部から第1のアドレスを受信する工程と、第1のアドレスを第1のアドレス範囲から第2のアドレス範囲に変換し、変換されたアドレスを生成する工程と、第1のマスター回路によって第2のシステム相互接続部に、変換されたアドレスを供給する工程と、第2のシステム相互接続部からアドレッシング可能なスレーブ回路によって、変換されたアドレスを受信する工程と、をさらに備えてもよい。この方法はさらに、変換する工程が第1のマスター回路によって実行されることを特徴としてもよい。この方法はさらに、変換する工程が第1のスレーブ回路によって実行されることを特徴としてもよい。この方法はさらに、第1の集積回路ダイの第1のシステム相互接続部のシステム相互接続部マスター回路によって、アドレッシング可能なスレーブ回路に対するデータアクセスを実行する工程を備えてもよく、データアクセスは、第1のシステム相互接続部、第1のスレーブ回路、第1のマスター回路、及び第2のシステム相互接続部を介して実行され、データアクセスを実行する工程は、第1のシステム相互接続部にシステム相互接続部マスター回路によって第1のアドレスを供給する工程であって、第1のアドレスは、第1のシステム相互接続部の第1の複数のスレーブポートのうちの第2のスレーブポートに通信可能に接続された第2のスレーブ回路のアドレス範囲内のアドレスである、工程と、第1のスレーブ回路によって第1のシステム相互接続部からデータアクセスを受信する工程であって、第2のスレーブ回路はデータアクセスを受信しない、工程と、第1のスレーブ回路から第1のマスター回路に対するデータアクセスを供給する工程と、第1のマスター回路によって第2の相互接続部に対するデータアクセスを供給する工程と、第2のシステム相互接続部から、アドレッシング可能なスレーブ回路によってデータアクセスを受信する工程と、をさらに備える。この方法はさらに、第1の集積回路ダイの第1のシステム相互接続部のシステム相互接続部マスター回路によって、アドレッシング可能なスレーブ回路に対するデータアクセスを実行する工程をさらに備えてもよく、データアクセスは、第1のシステム相互接続部、第1のスレーブ回路、第1のマスター回路、及び第2のシステム相互接続部を介して実行され、データアクセスを実行する工程は、第1のシステム相互接続部にシステム相互接続部マスター回路によって第1のアドレスを供給する工程であって、第1のアドレスは、第1のシステム相互接続部の第1の複数のスレーブポートのうちの第2のスレーブポートに通信可能に接続された第2のスレーブ回路のアドレス範囲内のアドレスである、工程と、第1のスレーブ回路によって第1のシステム相互接続部からデータアクセスを受信する工程であって、第2のスレーブ回路はデータアクセスを受信しない、工程と、第1のスレーブ回路から第1のマスター回路に対するデータアクセスを供給する工程と、第1のマスター回路によって第2の相互接続部に対するデータアクセスを供給する工程と、第2のシステム相互接続部から、アドレッシング可能なスレーブ回路によってデータアクセスを受信する工程と、をさらに備える。この方法は、データアクセスを実行する工程中、第2の処理コアの動作を制限する工程をさらに備えてもよい。
【0026】
本明細書では、本発明を特定の実施形態に基づいて記載したが、添付の特許請求の範囲に述べた本発明から逸脱することなく様々な修正及び変更が可能である。例えば、相互接続部の一例としてクロスバーを示したが、別の種類の相互接続部も使用できる。また、セカンダリダイのコアの電源が切られると記載した。電源が切られるというのは必ずしも全ての電力が除かれるのではなく、コアのクロックを単に停止してもよく、コアの一部から電力を選択的に除くいてもよい。コアの電力消費を低減する他の実施例も用いられてよい。したがって、明細書および図面は限定的な意味ではなく例示として捉えられるものであり、そのような修正は全て、本発明の範囲の内に含まれることが意図される。特定の実施形態に関して本明細書に記載した、いかなる利益、利点、または課題の解決手段も、請求項の一部又は全部に必須の、必要な、又は不可欠な事項または要素であると解釈されることを意図したものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムにおいて、
第1の集積回路ダイであって、
第1の複数のマスターポート及び第1の複数のスレーブポートを有し、第1のシステム相互接続プロトコルにしたがって動作する、第1のシステム相互接続部と、
第1の複数のマスターポートのうちの第1のマスターポートに通信可能に接続された第1の処理コアと、
第1の複数のスレーブポートのうちの第1のスレーブポートに通信可能に接続されたメモリと、
第1の複数のスレーブポートのうちの第2のスレーブポートに通信可能に接続された第1のスレーブ回路と、を有する第1の集積回路ダイと、
第2の集積回路ダイであって、
第2の複数のマスターポート及び第2の複数のスレーブポートを有し、第1のシステム相互接続プロトコルにしたがって動作する、第2のシステム相互接続部と、
第2の複数のマスターポートのうちの第1のマスターポートに通信可能に接続された第2の処理コアと、
第2の複数のスレーブポートのうちの第1のスレーブポートに通信可能に接続されており、アドレッシング可能なアドレス範囲を有するアドレッシング可能なスレーブ回路であって、アドレッシング可能なアドレス範囲は第1の集積回路ダイのアドレスマップ内の第1のアドレス範囲に相当し、且つアドレッシング可能なアドレス範囲は第2の集積回路ダイのアドレスマップ内の第2のアドレス範囲に相当する、アドレッシング可能なスレーブ回路と、
第2の複数のマスターポートのうちの第2のマスターポートに通信可能に接続された第1のマスター回路と、を有する第2の集積回路ダイと、を備え、
第1のシステム相互接続部及び第2のシステム相互接続部を介した第1の集積回路ダイのシステム相互接続部マスターによる前記アドレッシング可能なスレーブ回路に対するデータアクセス中にデータを供給するために、第1のスレーブ回路が第1のマスター回路に通信可能に接続されている、システム。
【請求項2】
第1のスレーブ回路及び第1のマスター回路のうちの少なくとも一方は、アドレッシング可能なスレーブ回路のアドレスを第1のアドレス範囲から第2のアドレス範囲に変換するためのアドレス変換回路を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
第1のマスター回路は変換回路を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
構成情報を記憶するように構成されたメモリをさらに備え、
前記構成情報は、前記システムを複数のモードのうちの1つにより動作するように制御するために利用され、
前記複数のモードのうちの第1のモードでは、アドレッシング可能なスレーブ回路に対するデータアクセスは、第1のアドレス範囲のアドレッシングを行う第1のシステム相互接続部のシステム相互接続部マスターによって行われ、
第2の動作モードでは、アドレッシング可能なスレーブ回路に対するデータアクセスは、第1の集積回路ダイのアドレスマップの第3のアドレス範囲のアドレッシングを行う第1のシステム相互接続部のシステム相互接続部マスターによって行われる、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
アドレッシング可能なスレーブ回路はメモリ回路である、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
第1の集積回路ダイと第2の集積回路ダイとの間の構成通信路をさらに備え、前記構成通信路は、第1の集積回路ダイと第2の集積回路ダイとの間において動作モード情報を供給する、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
アドレッシング可能なスレーブ回路はメモリ回路である、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
アドレッシング可能なスレーブ回路は周辺回路である、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
少なくとも1つの動作モードにおいて、アドレッシング可能なスレーブ回路へのデータアクセス中、第2のコアは低電力モードにある、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
第1の集積回路ダイはマイクロコントローラであり、第2の集積回路ダイはマイクロコントローラである、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
第1の集積回路ダイは第2のマスター回路をさらに備え、第2のマスター回路は、第1の複数のマスターポートのうちの第2のマスターポートに通信可能に接続されており、第2のマスター回路は第1の集積回路ダイの外部端子に接続されており、該外部端子は非使用可能状態に設定されており、
第2の集積回路ダイは第2のスレーブ回路をさらに備え、第2のスレーブ回路は、第2の複数のスレーブポートのうちの第2のスレーブポートに通信可能に接続されており、第2のスレーブ回路は第2の集積回路ダイの外部端子に接続されており、第2の集積回路ダイの外部端子は非使用状態に設定されており、
第2のスレーブ回路及び第2のマスター回路のうちの少なくとも一方はアドレスを変換するためのアドレス変換回路を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
構成情報を記憶するように構成されたメモリをさらに備え、前記構成情報は、前記システムを複数のモードのうちの1つにより動作するように制御するために利用され、
前記複数のモードのうちの第1のモードでは、第1の集積回路ダイはプライマリ集積回路ダイとして動作し、第2の集積回路ダイはセカンダリ集積回路ダイとして動作し、
前記複数のモードのうちの第2のモードでは、第2の集積回路はプライマリ集積回路ダイとして動作し、第1の集積回路ダイはセカンダリ集積回路ダイとして動作する、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
第1の集積回路ダイ及び第2の集積回路ダイは1つの集積回路パッケージに組み込まれる、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
情報処理システムを動作させる方法において、
第1の集積回路ダイに電力を供給する工程であって、第1の集積回路ダイは、
第1の複数のマスターポート及び第1の複数のスレーブポートを有し、第1のシステム相互接続プロトコルにしたがって動作する、第1のシステム相互接続部と、
第1の複数のマスターポートのうちの第1のマスターポートに通信可能に接続された第1の処理コアと、
第1の複数のスレーブポートのうちの第1のスレーブポートに通信可能に接続された第1のスレーブ回路と、を備える、工程と、
第2の集積回路ダイに電力を供給する工程であって、第2の集積回路ダイは、
第2の複数のマスターポート及び第2の複数のスレーブポートを有し、第1のシステム相互接続プロトコルにしたがって動作する第2のシステム相互接続部と、
第2の複数のマスターポートのうちの第1のマスターポートに通信可能に接続された第2の処理コアと、
第2の複数のスレーブポートのうちの第1のスレーブポートに通信可能に接続されており、アドレッシング可能なアドレス範囲を有するアドレッシング可能なスレーブ回路であって、アドレッシング可能なアドレス範囲は第1の集積回路ダイのアドレスマップ内の第1のアドレス範囲に相当し、且つアドレッシング可能なアドレス範囲は第2の集積回路ダイのアドレスマップ内の第2のアドレス範囲に相当する、アドレッシング可能なスレーブ回路と、
第2の複数のマスターポートのうちの第2のマスターポートに通信可能に接続された第1のマスター回路と、を備える、工程と、
第1の集積回路ダイの第1のシステム相互接続部のシステム相互接続部マスター回路によって、アドレッシング可能なスレーブ回路に対するデータアクセスを実行する工程であって、前記データアクセスは、第1のシステム相互接続部、第1のスレーブ回路、第1のマスター回路、及び第2のシステム相互接続部を介して実行される、工程と、を備える方法。
【請求項15】
データアクセスを実行する工程は、
第1のシステム相互接続部にシステム相互接続部マスター回路によって第1のアドレス範囲内のデータアクセスの第1のアドレスを供給する工程と、
第1のスレーブ回路によって第1のシステム相互接続部から第1のアドレスを受信する工程と、
第1のアドレスを第1のアドレス範囲から第2のアドレス範囲に変換し、変換されたアドレスを生成する工程と、
第1のマスター回路によって第2のシステム相互接続部に、変換されたアドレスを供給する工程と、
第2のシステム相互接続部からアドレッシング可能なスレーブ回路によって、変換されたアドレスを受信する工程と、をさらに備える、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
変換する工程は第1のマスター回路によって実行される請求項15に記載の方法。
【請求項17】
変換する工程は第1のスレーブ回路によって実行される請求項15に記載の方法。
【請求項18】
第1の集積回路ダイの第1のシステム相互接続部のシステム相互接続部マスター回路によって、アドレッシング可能なスレーブ回路に対するデータアクセスを実行する工程であって、前記データアクセスは、第1のシステム相互接続部、第1のスレーブ回路、第1のマスター回路、及び第2のシステム相互接続部を介して実行される、工程をさらに備え、前記データアクセスを実行する工程は、
第1のシステム相互接続部にシステム相互接続部マスター回路によって第1のアドレスを供給する工程であって、第1のアドレスは、第1のシステム相互接続部の第1の複数のスレーブポートのうちの第2のスレーブポートに通信可能に接続された第2のスレーブ回路のアドレス範囲内のアドレスである、工程と、
第1のスレーブ回路によって第1のシステム相互接続部からデータアクセスを受信する工程であって、第2のスレーブ回路はデータアクセスを受信しない、工程と、
第1のスレーブ回路から第1のマスター回路に対するデータアクセスを供給する工程と、
第1のマスター回路によって第2の相互接続部に対するデータアクセスを供給する工程と、
第2のシステム相互接続部から、アドレッシング可能なスレーブ回路によってデータアクセスを受信する工程と、をさらに備える、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
第1の集積回路ダイの第1のシステム相互接続部のシステム相互接続部マスター回路によって、アドレッシング可能なスレーブ回路に対するデータアクセスを実行する工程であって、前記データアクセスは、第1のシステム相互接続部、第1のスレーブ回路、第1のマスター回路、及び第2のシステム相互接続部を介して実行される、工程をさらに備え、前記データアクセスを実行する工程は、
第1のシステム相互接続部にシステム相互接続部マスター回路によって第1のアドレスを供給する工程であって、第1のアドレスは、第1のシステム相互接続部の第1の複数のスレーブポートのうちの第2のスレーブポートに通信可能に接続された第2のスレーブ回路のアドレス範囲内のアドレスである、工程と、
第1のスレーブ回路によって第1のシステム相互接続部からデータアクセスを受信する工程であって、第2のスレーブ回路はデータアクセスを受信しない、工程と、
第1のスレーブ回路から第1のマスター回路に対するデータアクセスを供給する工程と、
第1のマスター回路によって第2の相互接続部に対するデータアクセスを供給する工程と、
第2のシステム相互接続部から、アドレッシング可能なスレーブ回路によってデータアクセスを受信する工程と、をさらに備える、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
データアクセスを実行する工程中、第2の処理コアの動作を制限する工程をさらに備える、請求項14に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2012−508418(P2012−508418A)
【公表日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−535601(P2011−535601)
【出願日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際出願番号】PCT/US2009/062469
【国際公開番号】WO2010/053821
【国際公開日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(504199127)フリースケール セミコンダクター インコーポレイテッド (806)
【Fターム(参考)】