説明

集積型サイトメトリーセンサシステム及び方法

本発明は、光源に対して軸方向に配置された第1のセンサと、試料ターゲットを受け入れる手段を備えると共に第1のセンサと光源の間に置かれるチャンネルと、側方散乱成分及び/又は蛍光成分を感知するように構成される第1のセンサに対してある角度に置かれる第2のセンサとを具備し、第1のセンサが、チャンネル中の試料ターゲットを照明する光に応じて前方散乱成分を感知するように構成される、フローサイトメトリーシステムを提供する。別の実施形態では、本発明は、複数のフォトダイオード画素を具備し、フォトダイオード画素のうちの少なくとも1つ又は複数が、幅広いダイナミックセンサレンジ動作のために、以下のモード、すなわち、光子計数モード、ノーマルモード、リニアアバランシェモード又はガイガーモードのうちの1つ又は複数で電圧バイアスされる、広ダイナミックレンジセンサを提供する。逆バイアス電圧を変えること、したがって各フォトダイオードをノーマルモード、アバランシェモード又はガイガーモードのうちの1つに移すことによって、フィルタセルアレイの感度が良い入射散乱及び蛍光出力のダイナミックレンジは、大きく増大させられ、したがってサイトメトリー機器の動作感度及び特異性を増大させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、集積型サイトメトリーセンサシステム及び方法に関する。特に、本発明は、試料中に分布した顕微鏡サイズの細胞、粒子、又は分子を計数するための高集積及び低コストの電子工学センサデバイス、方法、及びアルゴリズムに関する。本発明は、フローサイトメータに使用する広ダイナミックレンジ光学センサにも関する。
【背景技術】
【0002】
フローサイトメトリーは、様々なタイプの試料の細胞/生物学的内容、特に生細胞を含む試料を決定するための強力な分析方法である。臨床応用では、フローサイトメータは、白血病及びリンパ腫の免疫学的特性評価のための並びに移植のために組織の適合試験をするためのリンパ球の計数及び分類を含む無数の用途に使用される。
【0003】
大部分のフローサイトメトリー技法では、流体溶液中の細胞は、レーザ光源又は単色フィルタ処理されたLED源によって通常生成される光線を通って個々に流される。光が各細胞に達するときに、光は散乱され、結果として生じる散乱光を分析して細胞の種類を決定する。細胞は、蛍光分子に関連があるマーカーで適宜ラベル表示することもでき、この蛍光分子は、光が細胞に達しそれによって細胞にあるマーカーの存在を現わすときに、蛍光を放つ。この方法で、細胞の表面成分についての情報を得ることができる。そのような蛍光分子の例には、FITC(フルオレセインイソチオシアネート)、TRITC(イソチオシアン酸テトラメチルローダミン)、テキサスレッド(Texas Red)(スルホローダミン101)、及びPE(フィコエリトリン)が含まれる。核酸などの細胞の細胞内の成分は、染色され、その後に蛍光によって検出されてもよい。そのような化合物の例には、臭化エチジウム、ヨウ化プロピジウム、YOYO−1、YOYO−3、TOTO−1、TOTO−3、BO−PRO−1、YO−PRO−1、及びTO−PRO−1が含まれる。加えて、プラズマ中のより小さい分子又はたんぱく質が、染色したミクロビース又は量子ドットを用いて検出されてもよい。
【0004】
光散乱測定は、細胞の大きさを測定するため及びいくつかの異なるタイプの細胞の間で区別するために、フローサイトメトリーに幅広く使用されている。入射光は、細胞を調べる入射光の軸から小さい角度(約0.5〜20度)で細胞によって散乱され、散乱光の強度が細胞容積に比例することが知られている。小さい角度で散乱される光は、前方散乱光と呼ばれる。前方散乱光は、細胞のサイズを決定するのに役立ち、したがってどの細胞のタイプが検出されているのか区別するのに役立つ。
【0005】
セルの大きさを測定する能力は、用いられる波長及び光が集められる正確な角度範囲によって影響を受ける。例えば、照明している波長で強い吸収のある細胞内の材料は、この材料を含有する細胞が、この材料を含有していない場合に期待されるものよりも小さい前方散乱信号を発生するので、サイズの決定を妨げる可能性があり、細胞の大きさの過小評価をもたらす。加えて、細胞と取り囲んでいる媒体の間の屈折率の違いも、小さい角度の散乱測定に影響を及ぼし得る。
【0006】
異なる細胞のタイプは、細胞がもたらす直交光散乱(又は直角側方散乱)の量に基づいてさらに区別されてもよい。血顆粒球など高程度の粒度を有する細胞は、リンパ球などの低い粒度を有する細胞よりもずっと大きい角度で入射光を散乱する。結果として、前方散乱測定及び側方散乱測定は、赤血球、リンパ球、単球、及び顆粒球などの異なるタイプの血球の間で区別するために一般に使用されている。
【0007】
光源の改良を含むサイトメータの機器に関してより多くの従来技術が存在しており、例えば、Beckman Coulter Inc.に譲渡された国際公開第2006104699号パンフレット、及びBeckton Dickinsonに譲渡された国際公開第0129538号パンフレットを参照されたい。機器のコストを削減する方法は、Coumansらの米国特許出願公開第2007117158号に開示されている。マルチパラメトリック検出(multi−parametric detection)の増加をもたらす方法は、欧州特許第0737855号、Beckton Dickinsonによって開示され、可搬サイトメータ機器を可能にする方法は、Honeywell International Inc.に譲渡された米国特許出願公開第2003/0142291号、並びにAccuri Instruments Inc.に譲渡された国際公開第2007103969号パンフレット及び米国特許出願公開第2007127863号によって開示されている。
【0008】
試料中の細胞の個数及びタイプ、又は細胞表面にあるマーカーの濃度についての有意義な情報を得るために、試料は、細胞の標準化された個体数に関連した光散乱又は蛍光の量に対して較正されなければならない。典型的には、機器の構成は、標準的な粒子を機器に通過させ、典型的には合成の標準的な材料(例えば、ポリスチレンマイクロビーズ)を用いて、結果として得られる散乱又は蛍光を測定することによって達成される。これらのマイクロビーズは、蛍光プローブの検出に使用される光検出器を構成するのに役立つように、大きさが非常に均一に作製されると共に、正確な量の光分子を含有する。Caribbean Microparticles Inc.に譲渡された米国特許第5380663(A)号は、フローサイトメータを較正するそのような1つの方法を開示しており、このフローサイトメータは、蛍光マイクロビーズの合わせた個体数(combined populations)、及びマイクロビーズの合わせた個体数それぞれに適合させたソフトウェアプログラムを用いる。
【0009】
これらの機器を適切に使用する方法を学習するためにかなりの量の訓練が必要とされ、これらの機器システムは、1年に数回点検を必要とし得る。その結果、これらのハイエンド機器の購入、使用及び保守に関連した高コストが、これらの機器システムを小さい医院及び診療所には財政的に手が届かないものにさせる。内科医は、医院又は診療所から血液試料を集め、典型的にはフローサイトメータ技法に基づくハイエンド血液学システムで分析するために試料を試験所に運び戻す民間試験所を利用することによってこれらの機器を利用することができる。次いで結果が医師に送られる。このプロセスは、非常に時間がかかり、大抵の場合、少なくとも次の日、又は典型的には1週間まで医師は結果を有さない。
【0010】
現在、多くの血液分析装置は、フローサイトメトリー技法及び進歩している他のものを組み込み、これによって半導体マイクロエレクトロニクスを組み込むことにより機器を比較的コンパクトでより効率の良いものにさせており、ただし、適用できるが、結局は、これらのシステムは、1970年代末及び1980年代前半の臨床検査室によって使用されたコールター(Coulter)機器に機能的に基づいている。ローエンドのサイトメータによる血液分析装置は価格が$30,000〜$50,000まで減少したが、それでもやはりこの血液分析装置は、多くの中小規模の病院検査室及び診療所の予算を超えており、よりハイエンドのサイトメータが所有する柔軟性及び幅広い応用サポートを欠いており、それでもなお高いメンテナンス及びサポートコストを伴っている。
【0011】
光電子増倍管(PMT)は、高ダイナミックレンジ及び感度のためにフローサイトメータのうち最適な現在の光検出器である。しかし、いくつかの問題が、これらのPMTが高価であり(チャンネルごとに約$1,000)、非常に高い電圧動作(>1,000V)を必要としているという点に存在し、この非常に高い電圧動作は、大きく高価な電力管理電子機器回路をもたらし、手間を必要とする。
【0012】
半導体フォトダイオード検出器の最近の進歩によって、前方散乱PMTの置き換えが始まっている。Idexx Lab Inc.に譲渡された国際公開第0194938号パンフレットは、レンズのないサイトメータを説明しており、それによってフォトダイオードを使用して前方散乱を集める。光学フィルタは、フローシスステムとフォトダイオードの間の光路にない。したがって、全波長での光が、蛍光でさえも、光検出器によって検出される。米国特許出願公開第200709736号及び米国特許出願公開第2007207536号は、フォトダイオードアレイを用いるサイトメータ及び蛍光バイオセンサをそれぞれ説明している。
【0013】
加えて、アバランシェ及びガイガーモードフォトダイオード検出器(シリコン光電子増倍管(Silicon Photomultipliers)、又は略してSiPM検出器と呼ばれる)の最近の進歩は、前方散乱PMTよりずっとより多くの感度及びダイナミックレンジ、したがって特異性を必要とする側方散乱及び蛍光PMTを置き換えることにずっと将来性を示している。主要な利点は、ずっと低いコスト(<$50)及びサイズ、低電圧動作(<50V)、及びより高い光子検出効率である。しかし、SiPM検出器は、低い感度、及びPMTと比較して特異性をもたらす低いダイナミックレンジにまだ悩まされており、大きい2色性フィルタ及びビーム成形光学が依然として必要とされる。米国特許出願公開第2006250604(A1)号は、アバランシェフォトダイオードを使用するそのようなサイトメータによる血液分析装置の1つを説明する。
【0014】
紫外スペクトル、可視スペクトル、及び赤外スペクトルにわたって光を区別する方法として2色性フィルタリングを使用することは、よく知られている。特開58044406号公報及び米国特許第5341238号は、ガラス表面及び酸化物半導体表面での2色性フィルタリング技法をそれぞれ説明する。PMTのようにSiPMは、光の異なる波長を区別することができない。したがって、大きい及びコストのかかる2色性フィルタ(それぞれ$300〜500)のままである。
【0015】
Kieselらの米国特許出願公開第2007145236号は、光センサアレイを備える集積回路(IC)を開示しており、光センサアレイの一部のセルは、アプリケーションのエネルギー範囲全体にわたって光感知する参照セルであり、一方、光センサアレイの他のセルは、それぞれのサブレンジ内で光感知するサブレンジセルである。サブレンジセルは、変化する光学的厚さなどにより横方向に変化する特性を有する伝達構造から、それぞれのサブレンジにおいて光子を受け取ることができる。参照セルは、コーティングされていなくてもよく、又はグレーフィルタなどの伝達構造を通じて光子を受け取ってもよい。サブレンジセル及び参照セルは、行などのアレイにわたって隣接する線においてペアにされてもよい。光子の放射が、経路に沿って変わる場合、経路に沿ってサブレンジセルによって光感知される入射光子の量は、正規化などを用いてペアの参照セルによって光感知する量に基づいて調整することができる。しかし、このセンサの問題は、放出された放射の感知が、経路に沿って行われるのに対して、サイトメータは、ターゲット点から放出された放射を検出するので、このセンサが、サイトメトリーシステムに適していないことである。
【0016】
Myrickの米国特許出願公開第2002/154315号は、光学フィルタシステム及び光の透過システムを開示しており、光学フィルタは、データを光信号に圧縮し、及び/又はデータを光信号から引き出す。このフィルタは、フィルタが光信号と関数の内積を行うように、所定の関数に従って所定の波長範囲にわたって波長によって入射光信号を重み付けすることができる。Myrickによるこの手法の概要は、多くの画素を有するCCDカメラに似ている。しかし、このフィルタは、サイトメトリーシステムでの使用に適していない。
【0017】
Coatesの米国特許出願公開第2007/084990号は、エネルギー源を特徴とする集積型スペクトル感知エンジン、及び試料インターフェース光学(sample interfacing optics)並びに取得及び処理電子機器回路を備える単一のパッケージ内の検出器を開示する。小型センサは、ハンドヘルド形式に集積化することによって特定の実験室及び現場ベースの測定に最適化されている。設計及び製造のコンポーネントは、高容積製造を支持する。スペクトル選択性は、連続的に変化する光学フィルタ又はフィルタマトリックスデバイス(filter matrix device)によって与えられる。Coatesは、サイトメータ応用に適していない流体又は溶液の測定に特化している分光測光器又はスペクトロメータに関する。
【0018】
つまり、本発明の目的は、集積された光学フィルタリング及び高ダイナミックレンジを有する、非常に感度が良い、低コストの光学センサを提供して、低コストで、可搬性の、及び簡単に保守可能なフローサイトメータが、上記の課題を克服することを可能にすることである。
【発明の概要】
【0019】
本発明によれば、添付の特許請求の範囲に記載されたように、光源に対して軸方向に配置された第1のセンサと、試料ターゲットを受け入れる手段を備えると共に第1のセンサと光源の間に置かれるチャンネルと、側方散乱成分及び/又は蛍光成分を感知するように構成される第1のセンサに対してある角度に置かれる第2のセンサとを具備し、第1のセンサが、チャンネル中の試料ターゲットを照明する光に応じて前方散乱成分を感知するように構成される、フローサイトメトリーシステムが提供される。
【0020】
本発明の集積型サイトメトリーシステムは、集積された光学フィルタリング及び高ダイナミックレンジを提供して、低コストで、光学的に効率の良い、小型で、可搬性の簡単に保守可能なフローサイトメータを可能にする。現在のPMT装置は、別個のPMTによって検出のために求められている波長を分けるために、多数の2色性ミラー及びフィルタを必要とし、その結果、光学信号経路が長く、非効率になる。そのようなシステムの多数の光学部品は、それぞれが光学的ノイズを生成し、光の透過を減少させ、機械的運動による位置合わせ不良が全て、準最適な光学的キャプチャ(sub−optimal optical capture)に寄与する。集積型サイトメトリーセンサ装置は、検出ゾーンに隣接した配置を可能にし、単一のフィルタをそれぞれ必要とする集積型サイトメトリーセンサ装置の平行な光学検出経路は、より効率的な光学キャプチャ構成(optical capture arrangement)を実現する。
【0021】
運搬又は動作による機械的運動に起因する現在のPMT光学の任意の位置合わせ不良は、光学的キャプチャ効率をさらに減少させる。集積型サイトメトリーセンサは、フィルタと検出器アレイが共に単一のパッケージに集積され、それぞれ平行な光学経路が、1つのフィルタだけを必要とし、したがって光の透過を最大にし、光学的ノイズを最小にし、機械的運動による位置合わせ不良誤差を取り除くので、アライメントフリー光学を提供する。
【0022】
小サイズの場合、追加の集積型サイトメトリーセンサが、検出ゾーンの付近に置くことができて、より多くの散乱光及び蛍光光を取り込むことによって光学ゲインも増大させる。集積型サイトメトリーセンサは、高電圧PMTによるシステム(約1,000v)に比べて低い電圧動作(約30v)を必要とするので、結果として得られた診断機器の電子設計及び電力消費は、ずっと改善される。
【0023】
一実施形態では、第1のセンサ又は第2のセンサが、複数のフォトダイオード画素と、
フォトダイオード画素の上部に配置される複数の光学フィルタとを備え、
各光学フィルタが、設定されたフィルタ特性を備え、フィルタセルを定めるように複数のフォトダイオード画素のうちの1つ又は複数と協働し、
フィルタセルが、光がセンサに入射するときに光の異なる波長を検出するように構成され、異なる検出波長が、特定の生物学的ターゲットを表す。
【0024】
一実施形態では、第2のセンサが、第1のセンサに直交して配置される。
【0025】
一実施形態では、第3のセンサが、第1のセンサ又は第2のセンサに対してある角度に置かれてもよい。第2のセンサに入射する散乱成分及び蛍光成分に対して180度で側方散乱成分及び蛍光成分を感知するように、第3のセンサは、第1のセンサに直交して置かれると共に第2のセンサの正反対に置かれてもよく、それによってさらなる情報を提供する。
【0026】
一実施形態では、フォトダイオード画素の少なくとも1つ又は複数が、幅広いダイナミックセンサレンジ動作のために、以下のモード、すなわち、ノーマルモード、アバランシェモード又はガイガーモードのうちの1つ又は複数で電圧バイアスされる。逆バイアス電圧を変えること、したがって各フォトダイオードをノーマルモード、アバランシェモード又はガイガーモードのうちの1つに移すことによって、フィルタセルアレイの感度が良い入射散乱及び蛍光出力のダイナミックレンジは、大きく増大させられ、したがって結果として得られる機器の感度及び特異性をかなり増大させる。
【0027】
本発明は、各SiPN要素が、ノーマルモード、アバランシェモード及びガイガーモードで別個に構成されるモノリシックに集積された光学フィルタを有するSiPMのアレイを用いてそのような高集積型サイトメトリーセンサを開発するように技術をかなり前進させて、低いダイナミックレンジ、感度、及び特異性の問題を克服する。
【0028】
一実施形態では、少なくとも1つのフィルタセルが、金属誘電体による構成を備える。金属誘電体フィルタが、絶縁誘電体によって分離された、集積された金属線を備え、ファブリーペロ共振器(Fabry−Perot cavities)を形成するように金属グリッド状に配置される。
【0029】
一実施形態では、少なくとも1つのフィルタセルが、薄膜による構成を備える。薄膜層が、センサ全体にわたって異なる定められたフィルタ特性を有する複数のフィルタセルを可能にする異なる誘電率のエリアを含んでもよい。
【0030】
一実施形態では、定められたフィルタ特性が、異なる誘電率の分布を有する異なる2色性フィルタ材料のアレイによって与えられる。
【0031】
本発明は、複数の2色性フィルタ及び光検出器(フォトダイオード)を高光子感度及び高ダイナミックレンジを有する1つのモノリシック固体センサに集積し、それによって分析機器の小型化を促進し、動作を改善し及びコスト削減を推進する一実施形態において、フォトダイオード画素アレイに堆積した複数のパターン化薄膜フィルタ、又は金属誘電体フィルタ、或いは両方を組み込み、各画素が、光子計数モード、ノーマルモード、リニアアバランシェモード又はガイガーモードでバイアスされる。
【0032】
一実施形態では、本発明は、センサにモノリシックに堆積したフィルタ特性を補完する(compliment)追加の薄膜フィルタを備える透明窓キャップを提供する。
【0033】
一実施形態では、フィルタセルが、光がセンサに入射するときに光の異なる波長を検出するように構成され、異なる波長が、特定の生物学的ターゲットを表す散乱信号成分及び蛍光信号成分に依存する。
【0034】
一実施形態では、設定されたフィルタ特性が、以下のフィルタ、すなわち、バンドパスフィルタ、ハイパス(ロングパス)フィルタ、ローパス(ショートパス)フィルタ、帯域外フィルタ及び/又はバンドストップフィルタのうちの1つ又は複数を含む。
【0035】
一実施形態では、第1のセンサが、前方散乱成分を感知するようにレーザビーム又は単色フィルタ処理されたLEDから発生する入射光源に対して軸方向に配置される。第2のセンサが、側方散乱成分及び蛍光成分を感知するように第1のセンサに直交して置かれてもよく、それによって生物学的ターゲットのさらなる情報を提供する。
【0036】
一実施形態では、第2のセンサが、側方散乱成分及び蛍光成分を感知するように第1のセンサに対してある角度に置かれ、それによってさらなる情報を提供する。
【0037】
一実施形態では、ビームストップ(beam stop)が、前方散乱センサと光源の間に位置して、センサに直接入射する光学的高出力レーザからのセンサ内の飽和効果を最小にする。
【0038】
本発明のこのセンサが、フォトダイオードのアレイにモノリシックに集積された可視スペクトル及び近赤外スペクトルにわたって異なるパス/ストップバンド特性を有する複数の光学フィルタを組み込む。
【0039】
本発明は、複数の光学フィルタ及びフォトダイオード(現在、分析機器において別個の構成要素)を高集積型固体サイトメトリーセンサに集積化すること、及びフローサイトメータ、走査型サイトメータ、又は蛍光計などの分析機器への実施形態に関するものであり、本発明により、動作をかなり単純化し、コストを最小化及び削減する。
【0040】
本発明は、典型的なサイトメータ機器、及びセンサ出力部から機器表示部までのデータ信号経路におけるこれらのサイトメトリーセンサの使用を可能にもする。
【0041】
一実施形態では、少なくとも1つのフィルタセル出力が、他のバイオマーカープロフィールから蛍光干渉を補償するように所定の割合でフィルタ出力を調整することによって蛍光バイオマーカーの補償アルゴリズムを用いて後処理される。
【0042】
一実施形態では、ユーザが読める表示をするための後処理及び後の解釈のために、フィルタセル出力は、増幅され、デジタル領域にオーバーサンプリングされる。そのような後処理アルゴリズムは、較正アルゴリズム、ゲイン最適化アルゴリズム、又は信号処理アルゴリズムを含み得る。これらの後処理アルゴリズムは、デジタルシグナルプロセッサに実装されてもよく、ASICに組み込まれてもよく、又はCMOS集積化技法を用いてフィルタセルASICに集積されてもよい。
【0043】
さらなる実施形態では、
複数のフォトダイオード画素と、
フォトダイオード画素の上部に配置される複数の光学フィルタとを備え、各光学フィルタが、設定されたフィルタ特性を備え、フィルタセルを定めるように複数のフォトダイオード画素のうちの1つ又は複数と協働し、
フィルタセルが、光がセンサに入射するときに光の異なる波長を検出するように構成される、集積されたセンサが提供される。
【0044】
別の実施形態では、フローサイトメトリーシステムにおける特定の生物学的ターゲットを表す異なる波長を検出する方法であって、
複数のフォトダイオード画素を用意するステップと、
フォトダイオード画素の上部に配置される複数の光学フィルタを配置するステップであって、各光学フィルタが、設定されたフィルタ特性を備え、フィルタセルを定めるように複数のフォトダイオード画素のうちの1つ又は複数と協働する、複数の光学フィルタを配置するステップと、
光がフィルタセルに入射するときに、光の異なる波長を検出するステップと、
を含み、検出波長が、特定の生物学的ターゲットを表す、方法が提供される。
【0045】
別の実施形態では、光源に対して軸方向に配置された第1のセンサと、試料ターゲットを受け入れる手段を備えると共に第1のセンサと光源の間に置かれるチャンネルと、側方散乱成分及び/又は蛍光成分を感知するように構成される第1のセンサに対してある角度に置かれる第2のセンサとを具備し、第1のセンサが、チャンネル中の試料ターゲットを照明する光に応じて前方散乱成分を感知するように構成される、サイトメトリーシステムが提供される。
【0046】
さらなる実施形態では、フローサイトメトリーシステムに用いる広ダイナミックレンジ光学センサであって、
複数のフォトダイオード画素を具備し、
フォトダイオード画素のうちの少なくとも1つ又は複数が、幅広いダイナミックセンサレンジ動作のために、以下のモード、すなわち、光子計数モード、ノーマルモード、リニアアバランシェモード又はガイガーモードのうちの1つ又は複数で電圧バイアスされる、広ダイナミックレンジ光学センサが提供される。
【0047】
一実施形態では、広ダイナミックレンジセンサが、フォトダイオード画素の上部に配置される複数の光学フィルタを備える。
【0048】
一実施形態では、各光学フィルタが、設定されたフィルタ特性を備え、フィルタセルを定めるように複数のフォトダイオード画素のうちの1つ又は複数と協働する。
【0049】
一実施形態では、広ダイナミックレンジセンサが、追加の薄膜フィルタを含む透明窓キャップを備える。
【0050】
本発明の別の実施形態では、フローサイトメトリーシステムにおける試料ターゲットを分析する方法であって、
光源に対して軸方向に第1のセンサを配置するステップと、
第1のセンサと光源の間に置かれるチャンネルに試料ターゲットを受け入れるステップと、
側方散乱成分及び/又は蛍光成分を感知するように構成される第1のセンサに対してある角度で第2のセンサを配置するステップと、
を含み、第1のセンサが、チャンネル中の試料ターゲットを照明する光に応じて前方散乱成分を感知するように構成される、方法が提供される。
【0051】
一実施形態では、軸方向及び直交するように配置した複数のセンサが、1本のレーザビームが複数の光源に分けられることによって発生する入射光源ごとに試料経路沿って置かれてもよい。
【0052】
一実施形態では、軸方向及び直交するように配置した複数のセンサが、複数のレーザによって発生する入射光源ごとに試料経路に沿って置かれてもよい。
【0053】
記録媒体、搬送波信号、又はリードオンリメモリに具体化することができる、コンピュータプログラムに上記の方法を実行させ、本発明によるセンサを制御させるプログラム命令を含むコンピュータプログラムも提供される。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明による、個々のフォトダイオード画素及びバイアス構成を示すためにフィルタセルのうちの1つが拡大された、フィルタセルのアレイを示すサイトメトリーセンサの平面図である。
【図2】本発明による、パッケージされたセンサの図1のセンサ設計の断面図である。
【図3】薄膜によるフィルタリング手法の詳細斜視図である。
【図4】金属誘電体によるフィルタリング手法の詳細斜視図である。
【図5】蛍光マーカー放出ピークの中心にあるフィルタセルのスペクトル特性を示す図である。
【図6】窓キャップにおける帯域外ブロッキングフィルタを用いてフィルタセルのスペクトル特性を示す図である。
【図7】サイトメトリーセンサの段の出力からデジタルシグナルプロセッサまでのデータ信号経路の説明図である。
【図8】典型的なバイオマーカー蛍光プロフィール、及び蛍光補償の必要性を示す図である。
【図9】本発明の集積型サイトメトリーセンサを用いた小型フローサイトメータの一実施形態である。
【図10】2つの蛍光及び側方散乱センサを有する本発明の集積型サイトメトリーセンサを用いた小型フローサイトメータの一実施形態を示す図である。
【図11】2つの光源を有し、集積型サイトメトリーセンサをそれぞれ有し、単一のフローチャンネル上に異なる検出ゾーンのある、本発明の集積型サイトメトリーセンサを用いた小型フローサイトメータの一実施形態を示す図である。
【図12】フローサイトメータのダイナミックレンジのオペレーションを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0055】
本発明は、図面を参照して例に過ぎないものによって与えられる本発明の一実施形態の以下の詳細からより明らかに理解されよう。
【0056】
図1は、IOパッド2がコアエリア3を囲んでいる半導体ダイ1のセンサ設計を示す。このコアは、Fによってそれぞれ示されるN個のフィルタセルからなるX×Yアレイ4を含み、ただし、i=1・・・N≦X×Yである。各フィルタセルは、定められたフィルタ特性と、複数のフォトダイオード画素5、並びに相互接続に必要な他の非感光性の回路6及びサンプリング回路のためのエリアを備える光検出器設計とを有する。一実施形態では、フォトダイオードは、光子計数モード、ノーマルモード、アバランシェモード又はガイガーモードの動作でバイアスされ得る。この配置では、各フィルタセル列は、バイアス電圧レール7、8をアレイ列中の各フィルタセルに接続することによって、これらの3つのモードのうちの1つにバイアスされる。例えば、フォトダイオードの逆方向降伏より大きい電圧、例えば、−30Vを降伏とすれば−35Vをマークした(marked)バイアスレール8に接続することによって、例示の中央にあるフィルタセル、及びその上下にあるフィルタセルは、ガイガーモードにバイアスされる。同様に、降伏未満のバイアス電圧、例えば−10Vをマークしたレール7に接続することによって、最も左の列中のフィルタセルをアバランシェモードに設定する。他の実施形態は、最大のバイアスフレキシビリティ(biasing flexibility)を可能にするために別個のバイアスレールを有してもよい。フォトダイオードは、図示するようにアレイで配置されてもよく、又は異なるパターンで配置されてもよく、又はランダムな配置であってさえもよい。各フィルタセルのフィルタリング構成要素は、図2に後で説明するように、金属誘電体による構成、又は薄膜による構成、或いは両方を含む。
【0057】
フォトダイオードが逆バイアスされているとき、フォトダイオードのpn(又はPiN)接合領域に入射する光子は、衝突イオン化すると電子正孔対を生成する。逆バイアスは、バイアス電圧が比較的低い限り、この電子をアノードへ動かし、フォトダイオード内でさらに増幅せず、したがって入射光子の個数に比例するアノードで集められる電流を生成する。この動作は、ノーマル逆バイアスモードと呼ばれる。フォトダイオードの逆バイアスが、逆方向降伏電圧に向かって増加するが逆方向降伏電圧より低いままであると、入射光子によって生成される電子正孔対は、さらなる電子正孔対のカスケードを引き起こし、したがって、入射光子によって発生する第1の電子正孔対の効果を増幅する。これは、アバランシェモードの動作を説明する。このカスケードの効果は、持続的でないが、それでもなお典型的には電流ゲインを10〜10の範囲とする中程度の増幅になる。このゲインが高くなるほど、逆バイアス電圧は、逆方向降伏電圧により近く接近する。ガイガーモードでは、フォトダイオードは、フォトダイオードの逆方向降伏電圧を越えてバイアスされ、それによって入射光子は、衝撃イオン化によって電子正孔対の急速なカスケードを引き起こす。高逆バイアス電圧は、カスケードを持続させると共に増幅する。このモードでは、フォトダイオードは、非常に高いゲイン(典型的には>10)を示し、ただ1個の光子に非常に感度が良いが、高ゲインは電圧レールに対して素早く飽和するので、低い入射光子の個数を定量化することができるに過ぎない。ガイガーモードにあるとき、SPMは、光子カウンタ(光子計数モード)として構成することもできる。非常に低いレベルの光については、センサに達する光子の周波数がとても低くて入射光子によって引き起こされる電流パルスが次の入射光子が到着する前に消滅するとき、SPMは、個々の光子を検出できることが分かる。これらのパルスを、信号取得電子機器回路(デジタル計数回路に接続された比較器など)を用いて計数して光子カウンタを作り出す。
【0058】
出力電流パルスが発生すると、クエンチング回路を用いてフォトダイオードをこれらのモード、特にアバランシェモード及びガイガーモードから素早く抜け出させ、入射光子によるカスケード効果が始まる前の逆バイアス状態に戻すことができる。カスケードをより素早く「クエンチ(quench)」できるほど、より多く入射光子のイベントを感知又は計数することができる。典型的には、受動クエンチ回路は、コンデンサ及び抵抗器を使用してアバランシェモード及びガイガーモードでフォトダイオードを通じて流れる電流を制限し、それによってカスケード効果を終了させる。典型的には、能動クエンチング回路は、電流の増加を感知し、フォトダイオードの両端間のバイアス電圧を減少させ、フォトダイオードをカスケードから抜け出させる。
【0059】
逆バイアス電圧を変えること、したがって各フィルタセルをノーマルモード、アバランシェモード又はガイガーモードに移すことによって、フィルタセルアレイの感度が良い入射散乱及び蛍光出力のダイナミックレンジは、大きく増大させられる。例えば、2つのフィルタセルが同じフィルタ特性を有するが、一方はアバランシェモードにあり、他方はガイガーモードにある場合、前者は、飽和することなく大量の入射蛍光/散乱光子を定量化することができるのに対し、後者は、ただ1個の光子の検出に至るまでさえもある少数の入射蛍光/散乱粒子に感度が良い。
【0060】
以下のセンサの説明は、1つの半導体ダイに全てが集積されたフィルタセルを示すことが理解されよう。同様に、後述するサイトメータ装置は、1つ又は複数のフィルタセルを有する別個のダイを1つのパッケージに取り付けたサイトメトリーセンサを使用することができる。
【0061】
図2は、図1のAA’に沿って切断されたサイトメトリーセンサの立面断面図を示す。図2は、複数のフォトダイオード画素12を備える、基板キャリア11に取り付けた半導体ダイ10を示す。2つの独立したフィルタリング構成要素の第1のものは、標準的な半導体プロセスの典型であるモノリシック金属相互接続層13を用いて構築されており、それによって、集積電子回路の相互接続に典型的に使用される誘電体を絶縁することによって分離された金属線14が、金属グリッドの層で配置されて、それらに入射する光をフィルタ処理するファブリーペロ共振器を形成する。この金属誘電体フィルタ構成要素は、図4において後でより詳しく説明する。
【0062】
第2の独立したフィルタリング構成要素は、ダイ及び金属相互接続層の上部にモノリシックに構築された複数の薄膜層15を備え、各薄膜層は、異なる誘電率を有する。1枚の薄膜層それぞれは、異なる誘電率のエリア16を含むことができ、センサダイ全体にわたって異なるフィルタ特性を有するフィルタセルを可能にする。この薄膜によるフィルタ構成要素を、図3により詳細に説明する。各フィルタセルのフィルタ特性は、薄膜による手法、金属誘電体の手法、又は両方を用いて提供することができる。
【0063】
センサ設計は、結線18を介して基板キャリアに接続されたIOパッド17を通じて接続する。フォトダイオードを隠さないダイを取り付ける他の方法が、用いられてもよい。センサダイは、透明窓キャップ20を有するパッケージ19で保護することができる。この窓キャップは、透明であってもよく、又はセンサダイにモノリシックに堆積したフィルタ特性を補完する堆積した薄膜フィルタリング層21を有してもよい。このように、パッケージに入射する光22は、フォトダイオード画素による検出前に窓キャップとモノリシックフィルタ(薄膜及び/又は金属誘電体)の組み合わせによってフィルタ処理することができる。
【0064】
図3は、半導体ウェハにあるダイの断面が示されている薄膜によるフィルタ構成要素をより詳細に説明する。モノリシックパターンダイクロイックフィルタアレイは、マイクロエレクトロニック技法とマイクロリソグラフィ技法を組み合わせることによって、下に設けられた半導体ダイに構築される。下に設けられたフォトダイオード30及び金属相互接続線31(この場合、これらの金属線は、ファブリーペロ共振器の部分の形成とは対照的に、通常の電子回路相互接続に使用される)が構築されると、半導体ウェハは、フォトレジストで塗布される。アセンブリがマスクされ、紫外線に曝露された後、マスクされていないフォトレジストが現像されて所定の部分32を露出する。次いで、ウェハのその部分がオーバーデベロップされて(over developed)、下に設けられたウェハを露出する。次いで、2色性フィルタ材料が、ウェハに堆積され、次いでフォトレジスト層が除去され、その部分をその後に現像される他の部分からきれいに分離するように縁部がよく画定された状態でウェハに2色性フィルタ材料だけを残す。分離したフィルタ部分は、散乱波長及び蛍光波長を同時に測定するためのパターンで製造することができる。これらにフィルタ部分は、したがってフィルタセルを画定するフォトダイオードを覆うパターンで成形される。このプロセスを繰り返して複数の誘電率の分布を有する異なる2色性フィルタ材料のアレイを作り出す。図3中のこれらの部分の異なる濃淡パターンは、異なる誘電率したがって異なるフィルタ特性をそれぞれ有する異なる2色性フィルタ材料を備えるフィルタセルを示す。
【0065】
図4は、金属誘電体フィルタ構成要素を説明する。図3にあるように、フィルタ構成要素は、下に設けられたフォトダイオードアレイ40及び低レベル金属相互接続線41に構築される。現代の半導体プロセスでは、金属相互接続線は、可視光の波長(400〜700nm)と同等又はそれより小さい。これらのスケールで、金属相互接続層42、43は、バルク金属ほど可視光に不透明ではなく、パターン及び層間絶縁膜44の厚さの変動は、特定の波長の入射光が、下に設けられたフォトダイオードまで通って入ってくる45確率をコントロールし、集積された金属誘電体フィルタの設計をもたらす。フォトダイオードまで入ってくる入射光の可能性は、金属線及び誘電体層の光学特性、それぞれの層の厚さ、並びに実装されるパターンの形状によって支配される。このいわゆる表面プラズモンによって引き起こされる共鳴現象は、ピーク透過率をもたらし、これは金属の種類、囲んでいる誘電体、及びパターンの形状に応じて所与の波長について生じる。この表面プラズモン現象に関する例示の教示は、「Extraordinary optical transmission through sub−wavelength hole arrays」、Ebbesenら、Nature(London)、1998年2月 vol.391、667〜669頁に見出すことができ、オン金属誘電体フィルタは、米国特許出願公開第2003103150(A1)号に見出すことができる。感色性(colour sensitive)光検出器、又はいわゆる集積された色画素を製造するためのフォトダイオードを備えたそのようなモノリシックに集積された金属誘電体フィルタの使用は、当技術分野で知られている。
【0066】
図5は、サイトメトリー応用に必要なフィルタセルの典型的なスペクトル特性を示す。この例示では、図2のセンサに入射する光は、セルをレーザビームが調べることから発生する前方散乱又は側方散乱による最低波長50での光散乱、及び最大波長52までのより長い波長51での放出ピークをそれぞれ有する複数の蛍光光信号を含む。フィルタセルのフィルタ特性は、入射光散乱成分53及び複数の蛍光成分54の差を示し、フォトダイオード画素が、フォトダイオード画素に入射するこれらの波長で区別される信号を検出することを可能にする。センサの本実施形態は、それぞれのバイオマーカーのピーク蛍光放出と通常一致する異なる波長で中心にあるバンドパス特性を有するフィルタセルを使用する。他の実施形態は、限定するものではないが、診断されている生物学的ターゲットに応じて、ハイパス、ローパス、及びバンドストップなどの異なるフィルタ特性を有するフィルタセルを使用してもよい。
【0067】
図6は、スペクトル特性を示しており、それによればフィルタ特性が、帯域外ブロッキングフィルタ特性60と複数の帯域内フィルタ特性61、62、63の組み合わせによって定められる。帯域外ブロッキングフィルタは、図2に以前に説明したように、窓キャップにある堆積した誘電体薄膜によって実現され得るのに対して、帯域内フィルタ特性は、モノリシックフィルタがフィルタセルに集積された結果として実現される。本実施形態では、入射光の光散乱成分は、ショートパスフィルタセル61によってフィルタ処理される。最長の波長を有する蛍光成分は、ロングパスフィルタセル62によってフィルタ処理される。中間波長蛍光成分は、複数のバンドパスフィルタセル63を用いてフィルタ処理される。帯域外ブロッキングフィルタの別の実施形態は、すでに説明したように、窓キャップへの金属誘電体フィルタの堆積である。
【0068】
図7は、電子データ信号経路を説明しており、それによって集積型サイトメトリーセンサ71からの複数のフィルタセル出力70が、増幅され72、アナログデジタル変換器73によってデジタル化される。カスタムASIC74及びデジタルシグナルプロセッサ75(DSP)は、集積型サイトメトリーセンサを構成及び制御し、信号処理アルゴリズム及び他の後処理アルゴリズムを実施し、後者は、データ出力を機器表示部76に送信する。これらのアルゴリズムは、グリッチ及びダークカウントフィルタリング(glitch and dark count filtering)アルゴリズム、(後述の図8に説明されている)蛍光バイオマーカーの補償アルゴリズム、並びに最適性能のためのフォトダイオードバイアス電圧用の制御/較正アルゴリズムを含むが、これらに限定されない。典型的には、これらのアルゴリズムは、ASIC及び/又はDSPによって分割される(partitioned across)。センサ71は、単一の集積されたチップにある電子回路と組み合わせて、より微細なフィードバックループを与えることによって効率を改善することができ、これによって性能全体を改善することが理解されよう。
【0069】
フィルタセルのフォトダイオード検出器が、高ゲインアバランシェモード及びガイガーモードでバイアスされるとき、熱雑音又はショット雑音が、暗電流パルスとして知られる誤った出力パルスを生成する。これらの暗電流妨害パルス(dark current interferer pulse)は、決定駆動ゲーティング法(decision−driven gating method)を用いてフィルタ処理することができる。例えば、散乱光又は蛍光光によるフィルタセル出力は、生物学的ターゲットがレーザビームを横切らない限り発生しない。典型的には、蛍光信号は、光散乱が引き起こされない限り生成されない。したがって、任意の暗電流パルスは、光散乱が検出されないとき、フィルタ処理して除去することができる。
【0070】
蛍光バイオマーカーの補償の必要性を図8に示す。この図では、3つのフィルタセルの特性は、F80、F81、及びF82で示される。すでに説明したように、これらのフィルタ特性は、フォトダイオードへの入射散乱及び蛍光を区別する。典型的には、これらは、83、84、85に蛍光標識されたバイオマーカーのピーク蛍光の波長に中心があり、プロフィールは86、87、88でそれぞれ示されている。ここで、ピーク蛍光83を有する蛍光プロフィール86は、フィルタ特性Fに干渉する。同様に、ピーク蛍光85を有する蛍光プロフィール88は、フィルタ特性Fに干渉する。これらのバイオマーカーの放出プロフィールは事前に定められているので、この干渉は、蛍光妨害(fluorescent interfere)の所定の割合でFフィルタセル出力を減少させることによって最小にすることができる。同様に、バイオマーカーのよく定められた蛍光プロフィールを使用して較正アルゴリズムを実行することができる。
【0071】
図9は、2つの集積型サイトメトリーセンサ59及び65を用いた小型フローサイトメータの一実施形態を示しており、本発明の動作を示す。ここで、レーザ源50は、矢印によって図示する方向に流体チャンネル53中を流れている生物学的ターゲット(例えば、細胞、分子、たんぱく質)52に入射する光線51を発生させる。フローチャンネルは、静止試料を受け入れるための溝であり得ることが理解されよう。同様に、単色フィルタ処理されたLED源が、レーザ源の代わりに用いられてもよい。レーザビームが生物学的ターゲットに入射する領域は、入射角φ、55、通常90°である検出ゾーン54として定められるものとする。生物学的ターゲットが、レーザビームを横切って流れるとき、光散乱及び蛍光成分は、全ての方向56に放出される(基本的に4Πステラジアン)。光散乱成分は、入射レーザビームに相当する波長で放出される。
【0072】
蛍光光成分は、生物学的ターゲットと混ぜられてもよい蛍光マーカーの特性によって定められた複数の波長で放出される。前方散乱成分として示される入射レーザビーム57に対して軸方向の放出された光成分は、前方レンズ58によって前方サイトメトリーセンサ59に焦点を合わされる。他の実施形態は、この前方レンズを使用しないかもしれない。ビームストップ60は、使用する場合、前方レンズの前方に、検出ゾーンとサイトメトリーセンサの間に軸方向に置くことができ、それによって生物学的ターゲットが間に置かれていないときに、レーザビームが前方散乱センサに損傷を与えるのを防ぐ。追加の診断情報は、軸方向に対して角度φ、62及び流体チャンネルに対して角度Ψ、63で側方散乱成分及び蛍光成分61を調べることによって集められる。φ及びΨはそれぞれ、通常90°である。
【0073】
この放出成分は、側方レンズ64によって側方サイトメトリーセンサ65に焦点を合わされる。他の実施形態は、この側方レンズを使用しないかもしれない。前方サイトメトリーセンサと側方サイトメトリーセンサは共に、図7を参照して動作が前もって説明されているASIC66及びDSP67に接続する。出力情報は、ユーザが読むことができる形態、例えばグラフィカルユーザインターフェースで表示装置68に表示することができる。さらなるサイトメトリーセンサは、検出ゾーンに対して様々な角度{φ,Φ,Ψ}で、検出ゾーンから距離を置いて置かれてもよい。
【0074】
図10は、3つの集積型サイトメトリーセンサ59、65及び69を用いた小型フローサイトメータの一実施形態を示しており、本発明の動作を示す。この実施形態は、図9に示される実施形態に類似し、センサ65と同様にフローチャンネルに直交したサイトメトリーセンサ69が追加されているが、センサ65に対して180度で置かれ、フローチャンネル53は、センサ65、69の間に置かれる。放出される散乱成分及び蛍光光成分は、サイトメトリーセンサ65と69の両方に焦点を合わされる。
【0075】
図11は、複数の小型フローサイトメータを用いる小型フローサイトメータシステムの一実施形態を示しており、本発明の動作を示す。この実施形態は、図9に示される実施形態に類似し、同じフローチャンネル53を調べる第2の完成した小型サイトメータが追加されているが、これは、第1の小型フローサイトメータのために検出ゾーン54を試料が通過した後に試料が流れる第2の検出ゾーン92に焦点を合わされる。本実施形態では、各小型フローサイトメータが、専用のレーザ源50及び93を有する。しかし、一方が、ただ1つの光源を使用し、プリズム、ミラー、又は他の光学装置を用いてこの光源を各小型フローサイトメータに分配することもできる。複数のそのような小型フローサイトメータが、組み立てられてもよいことが明らかである。
【0076】
ASIC又はマイクロエレクトロニック回路アセンブリ66、並びにDSP67は、測定ごとに各SiPMから出力信号、及び全てのSiPMからバイアス情報を取り、出力信号とバイアス情報を組み合わせて単一の広ダイナミックレンジ測定値を生成する。組み合わせた測定値のダイナミックレンジは、単一のバイアス条件で動作するSiPMの個々のダイナミックレンジよりかなり大きい。
【0077】
図12は、そのような合成作用の一実施形態を示す。ここで、高ダイナミックレンジが示されており、x軸100は、対数尺度として示される検出ゾーンで取り込まれた光学入力パワーであり、及びy軸101は、結果として得られた測定出力電圧である。この図は、2つのSiPMトレース(trace)を示しており、第1のもの102は、ガイガーモードSiPMからの伝達関数であり、第2のもの103は、リニアモードSiPMからの伝達関数である。別々に、図示するように、ガイガーモードSiPMのダイナミックレンジは、両方の末端が飽和する場所104及び105の間の差によって計算された約4ディケード(decade)であり、図示するように、リニアモードSiPMは、両方の末端が飽和する場所106及び107の間の差によって計算された約4ディケードのダイナミックレンジを有する。一実施形態では、別個のSiPM出力は、デジタル化され、組み合わせのためにFPGAに送信される。高ダイナミックレンジアルゴリズムは、x軸及びy軸の両方に沿って出力を移動して組み合わされた伝達関数の不連続を除去する。X軸に沿ってdx108だけ移動することは、低い組み合わされたダイナミックレンジを犠牲にするが、この移動は、組み合わされた伝達関数の滑らかな移行を確かなものにする。y軸に沿った移動距離dyは、それぞれのバイアス電圧及び別個のSiPM伝達関数の関数である。これは、x軸上で光学入力パワーをスイープし、dxだけ移動されると、両方のSiPM出力に重なるdyを計算することによって較正時に予め決定される。
【0078】
本発明は、SiPMバイアスモードの任意の組み合わせが、適切な光子計数モード、ノーマルモード、アバランシェモード、又はガイガーモードであることを本発明は予期していることが理解されよう。加えて、これのモードのうちのいずれか1つでバイアスされるがその動作モード内で異なるバイアス電圧を有する1つ又は複数のセンサを利用することもできる。
【0079】
図9、図10及び図11を参照して説明した本実施形態は、例えば典型的には携帯情報端末の大きさのハンドヘルド装置に組み込まれてもよいと考えられる。以上説明した集積されたセンサの使用は、試料中の生物学的ターゲットの(リアルタイムの)速い検出を可能にする。
【0080】
本発明は、他の同様の分析機器に組み込まれてもよいことが理解されよう。本発明は、本明細書に示したそうした機器の様々な実施形態を可能にする。そのような機器は、例えば、限定するものではないが、免疫測定分析器、臨床血液分析装置、フローサイトメータ及び走査型サイトメータ、蛍光計、並びに化学分析装置が挙げられる。試料が光源にかけることができ、異なる波長の検出が実現できる限り、特定の生物学的ターゲットは、流体試料であっても、又は非流体試料であってもよい。
【0081】
本発明は、図9、図10及び図11中の単一のレーザ源を例示するが、幅広い範囲の生物学的適合性を与え、さらに改良された補償方法も与えるために、第2のレーザ(それ以上)の使用が実現されてもよいことが理解されよう。
【0082】
図面を参照して説明された本発明の実施形態は、コンピュータ装置及び/又はコンピュータ装置で実行されるプロセスを含む。しかし、本発明は、コンピュータプログラム、特に、本発明を実施させ、サイトメトリーセンサの動作を制御するように構成されるキャリア上又はキャリア中に記憶されたコンピュータプログラムにも及ぶ。プログラムは、ソースコード、オブジェクトコード、又はソースとオブジェクトコードの中間のコード(code intermediate source and object code)の形態、例えば、部分的にコンパイルされた形態、若しくは本発明による方法の実施に用いるのに適切な他の任意の形態などであってもよい。キャリアは、ROM、例えばCD ROM、又は磁気記録媒体、例えばフロッピーディスク若しくはハードディスクなどの記憶媒体を含み得る。このキャリアは、電気ケーブル若しくは光ケーブルを介して、又は無線若しくは他の手段によって伝送できる電気信号又は光学信号であってもよい。
【0083】
本発明は、以下に記載した実施形態に限定されないが、構成と細部の両方において変更されてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源に対して軸方向に配置された第1のセンサと、
試料ターゲットを受け入れる手段を備えると共に前記第1のセンサと光源の間に置かれるチャンネルと、
側方散乱成分及び/又は蛍光成分を感知するように構成される前記第1のセンサに対してある角度に置かれる第2のセンサと、
を具備し、
前記第1のセンサが、前記チャンネル中の前記試料ターゲットを照明する光に応じて前方散乱成分を感知するように構成される、フローサイトメトリーシステム。
【請求項2】
前記第1のセンサ又は前記第2のセンサが、
複数のフォトダイオード画素と、
前記フォトダイオード画素の上部に配置される複数の光学フィルタと、
を備え、
各光学フィルタが、設定されたフィルタ特性を備え、フィルタセルを定めるように前記複数のフォトダイオード画素のうちの1つ又は複数と協働し、
前記フィルタセルが、光が前記センサに入射するときに光の異なる波長を検出するように構成され、異なる検出波長が、特定の生物学的ターゲットを表す、
請求項1に記載のフローサイトメトリーシステム。
【請求項3】
前記第2のセンサが、前記第1のセンサに直交して配置される、請求項1又は2に記載のフローサイトメトリーシステム。
【請求項4】
前記第1のセンサ又は前記第2のセンサに対してある角度に置かれる第3のセンサを備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載のフローサイトメトリーシステム。
【請求項5】
前記フォトダイオード画素の少なくとも1つ又は複数が、幅広いダイナミックセンサレンジ動作のために、以下のモード、すなわち、ノーマルモード、アバランシェモード又はガイガーモードのうちの1つ又は複数で電圧バイアスされる、請求項2、3及び4のいずれか一項に記載のフローサイトメトリーシステム。
【請求項6】
少なくとも1つのフィルタセルが、金属誘電体による構成を備える、請求項2〜5のいずれか一項に記載のフローサイトメトリーシステム。
【請求項7】
前記金属誘電体フィルタが、絶縁誘電体によって分離された、集積された金属線を備え、ファブリーペロ共振器を形成するように絶縁誘電体によって分離された金属グリッド状に配置される、請求項6に記載のフローサイトメトリーシステム。
【請求項8】
少なくとも1つのフィルタセルが、薄膜による構成を備える、請求項1〜7のいずれか一項に記載のフローサイトメトリーシステム。
【請求項9】
前記薄膜層が、前記センサ全体にわたって異なる定められたフィルタ特性を有する複数のフィルタセルを可能にする異なる誘電率のエリアを含む、請求項8に記載のフローサイトメトリーシステム。
【請求項10】
前記定められたフィルタ特性が、異なる誘電率の分布を有する異なる2色性フィルタ材料のアレイによって与えられる、請求項9に記載のフローサイトメトリーシステム。
【請求項11】
前記光学センサのフィルタ特性を補完する追加の薄膜フィルタを含む透明窓キャップを備える、請求項1〜10のいずれか一項に記載のフローサイトメトリーシステム。
【請求項12】
前記フィルタセルが、光が前記センサに入射するときに光の異なる波長を検出するように構成され、前記異なる波長が、前記ターゲット試料中の特定の生物学的ターゲットを表す散乱信号成分及び蛍光信号成分に依存する、請求項2〜11のいずれか一項に記載のフローサイトメトリーシステム。
【請求項13】
前記設定されたフィルタ特性が、以下のフィルタ、すなわち、バンドパスフィルタ、ハイパスフィルタ、ローパスフィルタ、ロングパスフィルタ、ショートパスフィルタ、帯域外フィルタ及び/又はバンドストップフィルタのうちの1つ又は複数を含む、請求項2〜12のいずれか一項に記載のフローサイトメトリーシステム。
【請求項14】
少なくとも1つのフィルタセル出力が、蛍光干渉を補償するように所定の割合で前記フィルタ出力を調整することによって蛍光バイオマーカーの補償のために後処理される、請求項2〜13のいずれか一項に記載のフローサイトメトリーシステム。
【請求項15】
前記光源が、レーザビーム又は単色フィルタ処理されたLEDを備える、請求項1〜14のいずれか一項に記載のフローサイトメトリーシステム。
【請求項16】
前記センサと光源の間に位置するビームストップを備える、前記請求項のいずれか一項に記載のフローサイトメトリーシステム。
【請求項17】
フローサイトメトリーシステムにおける広ダイナミックレンジ光学センサであって、
複数のフォトダイオード画素を具備し、
前記フォトダイオード画素のうちの少なくとも1つ又は複数が、幅広いダイナミックセンサレンジ動作のために、以下のモード、すなわち、光子計数モード、ノーマルモード、リニアアバランシェモード又はガイガーモードのうちの1つ又は複数で電圧バイアスされる、広ダイナミックレンジ光学センサ。
【請求項18】
前記フォトダイオード画素の上部に配置される複数の光学フィルタを備える、請求項17に記載の広ダイナミックレンジ光学センサ。
【請求項19】
各光学フィルタが、設定されたフィルタ特性を備え、フィルタセルを定めるように前記複数のフォトダイオード画素のうちの1つ又は複数と協働する、請求項18に記載の広ダイナミックレンジ光学センサ。
【請求項20】
追加の薄膜フィルタを含む透明窓キャップを備える、請求項18又は19に記載の広ダイナミックレンジ光学センサ。
【請求項21】
複数のフォトダイオード画素、及び
前記フォトダイオード画素の上部に配置される複数の光学フィルタを備える、
フローサイトメトリーシステム中の集積型サイトメトリーセンサにおいて、
各光学フィルタが、設定されたフィルタ特性を備え、フィルタセルを定めるように前記複数のフォトダイオード画素のうちの1つ又は複数と協働し、
前記フィルタセルが、光が前記センサに入射するときに光の異なる波長を検出するように構成され、異なる検出波長が、特定の生物学的ターゲットを表す
ことを特徴とする集積型サイトメトリーセンサ。
【請求項22】
フローサイトメトリーシステムにおける試料ターゲットを分析する方法であって、
光源に対して軸方向に第1のセンサを配置するステップと、
前記第1のセンサと光源の間に置かれるチャンネルに試料ターゲットを受け入れるステップと、
側方散乱成分及び/又は蛍光成分を感知するように構成される前記第1のセンサに対してある角度で第2のセンサを配置するステップと、
を含み、
前記第1のセンサが、前記チャンネル中の前記試料ターゲットを照明する光に応じて前方散乱成分を感知するように構成される、方法。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公表番号】特表2013−504051(P2013−504051A)
【公表日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−527339(P2012−527339)
【出願日】平成22年9月3日(2010.9.3)
【国際出願番号】PCT/EP2010/062963
【国際公開番号】WO2011/026942
【国際公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(512056083)ラディセンズ ダイアグノスティクス リミテッド (1)
【Fターム(参考)】