説明

雑音除去装置および雑音除去方法

【課題】正確なノイズ信号に基づいて予測信号を生成し、外部からのノイズを適切に打ち消す。
【解決手段】本発明の雑音除去装置は、筐体の内部の音を収音して収音信号を生成するマイクロホン110と、再生信号を出力するスピーカ132と、再生信号に伝送路の伝達特性と等しい伝達特性で補正を施す補正部116と、収音信号から、補正が施された再生信号を除去する再生除去部118と、再生信号が除去された収音信号から所定周波数以上の高周波数成分を除去する、タップ数の異なる複数のフィルタとして機能するフィルタ部124と、高周波数成分が除去された収音信号に基づいて予測信号を生成する予測信号生成部122と、予測信号を反転する予測信号反転部126と、外部から入力された原音信号に、反転された予測信号を加算し再生信号を生成する加算部128と、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部からのノイズによって所望する再生音の音質が損なわれるのを防止することが可能な雑音除去装置および雑音除去方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ヘッドホンから出力された音(再生音)は、空間等の伝送路を通じてそのヘッドホンを装着している人の耳に伝達される。従って、再生音以外の所謂ノイズも同伝送路を通じて人の耳に伝達されてしまい、再生音の音質が損なわれる。
【0003】
そこで、ヘッドホンの内側や外側にモニタ用マイクロホンを設置し、そのマイクロホンの出力を反転した信号をノイズキャンセル信号とし、原音信号に加算してスピーカから出力することで、外部からのノイズを打ち消すヘッドホンが知られている。かかるノイズキャンセル信号は、アナログ回路のみならずデジタル回路を用いて生成することもできる。
【0004】
しかし、デジタル回路を用いてノイズキャンセル信号を生成すると、実際のノイズと計算されたノイズキャンセル信号との間にデジタル信号処理に伴う遅延による位相差が生じ、十分にノイズを打ち消すことができなかった。そこで、ノイズ信号の過去から現在までの所定数のサンプリングデータから所定数先のサンプリングデータを予測し、位相を合わせてその予測した信号を加算する技術が開示されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−189530号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
デジタル回路を用いてノイズキャンセル信号を生成する場合、デジタルに変換された収音信号には、予測誤差の要因となる高周波数成分が含まれているため、ローパスフィルタによって除去する必要がある。このようなローパスフィルタには、IIR(Infinite Impulse Response : 無限インパルス応答)フィルタや、FIR(Finite Impulse Response : 有限インパルス応答)フィルタが用いられる。
【0007】
しかし、ローパスフィルタとしてIIRフィルタを用いると位相回転が生じ、かつ位相差が周波数毎に異なってしまう。位相差が周波数毎に異なると、ある帯域のノイズ信号を打ち消そうと試みたとき、逆位相成分によってそのノイズ成分を低減することはできるが、他の帯域では、位相が重なり合ってしまい却ってノイズ成分が増加することとなる。
【0008】
また、FIRフィルタを用いて十分な減衰特性を得ようとすると、フィルタを構成するタップ長を長くしなければならず、タップ長を一律に長くしてしまうと、サンプル時点が新しい収音信号を生成するフィルタによって遅延を招き、位相差を補償する予測距離が増加してしまう。予測距離が増加すると、予測誤差が拡大して、ノイズの除去精度が落ちることとなる。
【0009】
本発明は、このような課題に鑑み、正確なノイズ信号に基づいて予測信号を生成し、外部からのノイズを適切に打ち消すことが可能な雑音除去装置および雑音除去方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の雑音除去装置は、筐体の内部の音を収音して収音信号を生成するマイクロホンと、再生信号を出力するスピーカと、再生信号に伝送路の伝達特性と略等しい伝達特性のフィルタで補正を施す補正部と、収音信号から、補正が施された再生信号を除去する再生除去部と、再生信号が除去された収音信号から所定周波数以上の高周波数成分を除去する、タップ数の異なる複数のフィルタとして機能するフィルタ部と、高周波数成分が除去された収音信号に基づいて予測信号を生成する予測信号生成部と、予測信号を反転する予測信号反転部と、外部から入力された原音信号に、反転された予測信号を加算し再生信号を生成する加算部と、を備えることを特徴とする。
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の他の雑音除去装置は、筐体の外部の音を収音して収音信号を生成するマイクロホンと、収音信号から所定周波数以上の高周波数成分を除去する、タップ数の異なる複数のフィルタとして機能するフィルタ部と、高周波数成分が除去された収音信号に基づいて予測信号を生成する予測信号生成部と、予測信号を反転する予測信号反転部と、外部から入力された原音信号に、反転された予測信号を加算し再生信号を生成する加算部と、再生信号を出力するスピーカと、を備えることを特徴とする。
【0012】
上記フィルタ部における複数のフィルタは、過去の複数のサンプル時点における高周波数成分が除去された収音信号をそれぞれ生成し、高周波数成分が除去された収音信号に対応するサンプル時点が古い程、サンプル時点よりも新しいサンプル値を多く参照してもよい。
【0013】
上記フィルタ部は、位相回転のないフィルタで構成されていてもよい。
【0014】
上記課題を解決するために、本発明の雑音除去方法は、筐体の内部の音を収音して収音信号を生成し、収音信号から再生信号を除去し、タップ数の異なる複数のフィルタとして機能し、再生信号が除去された収音信号から所定周波数以上の高周波数成分を除去し、高周波数成分が除去された収音信号に基づいて予測信号を生成し、予測信号を反転し、外部から入力された原音信号に、反転した予測信号を加算して再生信号を生成し、再生信号を出力することを特徴とする。
【0015】
上記課題を解決するために、本発明の他の雑音除去方法は、筐体の外部の音を収音して収音信号を生成し、タップ数の異なる複数のフィルタとして機能し、収音信号から所定周波数以上の高周波数成分を除去し、高周波数成分が除去された収音信号に基づいて予測信号を生成し、予測信号を反転し、外部から入力された原音信号に、反転した予測信号を加算して再生信号を生成し、再生信号を出力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の雑音除去装置は、正確なノイズ信号に基づいて予測信号を生成し、外部からのノイズを適切に打ち消すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1の実施形態にかかるヘッドホンの電気的な構成を示した機能ブロック図である。
【図2】予測信号生成部の処理を説明するための説明図である。
【図3】フィルタ部の電気的な構成を示した機能ブロック図である。
【図4】フィルタ部と予測信号生成部それぞれの処理を関連付けて説明するための説明図である。
【図5】フィルタ部と予測信号生成部それぞれの処理を関連付けて説明するための説明図である。
【図6】第1の実施形態にかかるヘッドホンを用いた雑音除去方法の全体の処理の流れを説明したフローチャートである。
【図7】第2の実施形態にかかるヘッドホンの電気的な構成を示した機能ブロック図である。
【図8】第2の実施形態にかかるヘッドホンを用いた雑音除去方法の全体の処理の流れを説明したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0019】
以下の実施形態では、雑音除去装置として、ヘッドホン(ノイズキャンセルヘッドホン)を例に挙げているが、かかる場合に限られず、例えば、イヤホン、携帯電話、PHS(Personal Handyphone System)、トランシーバ等、ユーザが耳に装着したり押しあてたりすることで、ユーザに音声(音)を聞き取らせることができる電気機器を用いることが可能である。
【0020】
ノイズキャンセルヘッドホンは、例えば、ヘッドホンの外側(外部)にマイクロホンを設置し、そのマイクロホンが収音した収音信号を反転し、ノイズキャンセル信号として原音信号に加えヘッドホンの内側に設けたスピーカから出力する。スピーカから出力されたノイズキャンセル音は外部からのノイズと打ち消し合い(相殺し)、ユーザは外部からのノイズが排除された原音のみを聞くことが可能となる。本実施形態において、原音信号は、CD(Compact Disc)プレーヤ、DVD(Digital Versatile Disk)プレーヤ、携帯電話等の外部機器から入力された音声信号である。
【0021】
かかるノイズキャンセル信号を、デジタル回路を用いて生成する場合、実際のノイズ信号と計算されたノイズキャンセル信号との間にデジタル信号処理に伴う遅延による位相差が生じ、そのままでは十分に外部からのノイズを打ち消すことができない。
【0022】
そこで、デジタル回路を用いたヘッドホンは、マイクロホンが収音した音信号から将来の音信号を予測し予測信号を生成する。かかる予測信号を用いることで、ノイズをノイズキャンセル音で相殺する際、ノイズとの位相を合わせることができる。
【0023】
しかし、予測信号を生成する際、元となる収音信号から予測誤差の要因となる高周波数成分を十分に除外できていないと、ノイズを相殺しきれず音質が損なわれるおそれがある。以下の実施形態では、高周波数成分の除去性能に優れ、正確なノイズ信号に基づいて予測信号を生成できるデジタル方式のヘッドホンについて詳述する。第1の実施形態では、ヘッドホンの筐体(ハウジング)の内側にマイクロホン(収音部)を持つフィードバック方式の構造を、第2の実施形態では、ヘッドホンの筐体の外側にマイクロホンを持つフィードフォワード方式の構造を例に挙げる。
【0024】
(第1の実施形態:ヘッドホン100)
図1は、第1の実施形態にかかるヘッドホン100の電気的な構成を示した機能ブロック図である。ヘッドホン100は、マイクロホン110と、マイクアンプ112と、AD(Analog Digital)変換部114と、補正部116と、再生除去部118と、バッファ部120と、予測信号生成部122と、フィルタ部124と、予測信号反転部126と、加算部128と、DA(Digital Analog)変換部130と、スピーカ132と、を含んで構成される。
【0025】
マイクロホン110は、物理振動を電気信号に変換する機器であり、筐体の内部の音、すなわち、ヘッドホン100周囲のノイズ源150から発せられたノイズのうち筐体で遮られなかった略2kHz以下の周波数成分で表わされるノイズと、スピーカ132から放音する再生音とを収音して収音信号を生成する。また、本実施形態に適用可能なマイクロホン110は、任意の伝達媒体の振動を音信号に変換できれば足り、例えば、コンデンサマイク、ダイナミックマイク、リボンマイク、圧電マイク、カーボンマイク等を用いることができる。
【0026】
マイクアンプ112は、マイクロホン110が変換した収音信号の振幅をAD変換器114で取得可能となるように増幅する。
【0027】
AD変換部114は、マイクアンプ112が増幅した収音信号から、折り返し歪を抑制するためにナイキスト周波数以上の周波数成分を除去した後(ローパスフィルタ)、所定のサンプリング周波数でアナログからデジタルに変換する。AD変換部114は、外部からのノイズをキャンセル(相殺)するために必要な周波数帯域である略2kHz以下の信号を取得することができれば十分であるが、AD変換部114として、より高いサンプリング周波数を実現可能な回路を用いることでローパスフィルタの構成を簡略化し遅延を抑制することが可能となる。例えばサンプリング周波数を96kHzにすると、予測距離に大きく影響する、AD変換処理に伴う遅延を20サンプルから5サンプル程度に短縮できる。
【0028】
補正部116は、再生信号に、DA変換部130からAD変換部114までの電気回路および伝送空間を加味した伝送路の伝達特性と略等しい伝達特性のフィルタで補正を施し、再生除去部118は、収音信号から、補正が施された再生信号を除去してノイズ信号を取得する。本実施形態において、再生信号は、スピーカ132から出力される再生音を生成する基となる音声信号である。
【0029】
上述したように、収音信号にはノイズ信号の他に再生信号も含まれており、ノイズキャンセル信号を生成するためには、収音信号から再生信号を除去しなければならない。再生音はスピーカ132を通じ、ヘッドホン100自体を振動させたりヘッドホン100の内部の空気を振動させたりするため、マイクロホン110の位置に到達した際には、ヘッドホン100の筐体、ユーザの顔の輪郭、耳の形、ヘッドホン100の装着態様等に基づく所定の伝達特性の影響を受けている。このうち、少なくとも形状および性質が分かっているヘッドホン100の筐体の影響は測定でき、平均的な顔の輪郭や耳の形を想定することで、その伝達特性を予め算出することが可能である。補正部116は、再生信号にこの予め算出された伝達特性のフィルタを通じて補正を施すことで、収音信号中の再生信号と略等しい再生信号を生成している。
【0030】
バッファ部120は、RAM(Random Access Memory)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、不揮発性RAM、フラッシュメモリ等で構成され、サンプリング周期に応じて再生信号が除去された収音信号を保持しつつ新たな収音信号によってそのサンプル値をシフトする。したがって、バッファ部120では、収音信号の過去のサンプル値を参照することができる。
【0031】
予測信号生成部122は、バッファ部120に保持され、後述するフィルタ部124を通じて高周波数成分が除去された収音信号に基づいて、当該系における遅延を補償する予測信号を生成する。図1に示した系における遅延は、AD変換部114およびDA変換部130の変換に費やす時間や他のデジタル信号処理に費やす時間、さらにスピーカ132からマイクロホン110までの空間遅延が主要因である。
【0032】
かかる予測信号生成部122の予測信号の生成法は、自己相関を利用した適応フィルタを用いて、実時間のノイズ信号との位相を合わせる手法と、過去から現在までのノイズ信号を用いて将来のノイズ信号を予測し位相を合わせる手法とに大別される。具体的に、例えば高次関数を組み合わせた前方線形予測法、統計的手法であるバーグ法、自体の相関性を基に将来の信号を算出するLMS(Least Mean Square)法等、既存の様々な方法を用いることができる。
【0033】
本実施形態のヘッドホン100は上述したいずれの手法も適用することが可能であるが、ここでは、前方線形予測法を適用した場合を例に挙げて説明する。予測信号生成部122は、例えば、有限長のタップ数を持つFIRフィルタ構造を用い、現在および過去の1または複数のサンプル値とフィルタ係数(予測係数)に基づいて導出した値の積和を取ることで、将来のサンプル時点の収音信号を予測し、予測信号を生成する。
【0034】
図2は、予測信号生成部122の処理を説明するための説明図である。ここでは4次の線形予測を行う場合を例に挙げて説明する。図2に示すように、予測信号生成部122は、予測信号のサンプル時点が最新の収音信号のサンプル時点から4つのサンプル数分将来である場合、最新の収音信号のサンプル値Xと、最新の収音信号のサンプル時点から4つのサンプル時点置きに、過去の3つのサンプル値X〜Xを取得する。
【0035】
そして、予測信号生成部122は、取得したサンプル値X〜Xに、それぞれ対応する予測係数(A、B、C、D)を乗じ、その積を加算して4つ先のサンプル時点の予測信号を予測した予測信号Yを生成する。
Y = A×X+B×X+C×X+D×X …(式1)
【0036】
しかし、補正部116は、上述したように、平均的な顔の輪郭や耳の形を想定しているため、ユーザによってばらつきのある、顔の輪郭、耳の形、ヘッドホン100の装着態様等に基づく、スピーカ132からマイクロホン110までの伝送路の伝達特性を完全には再現できない。そのため、再生除去部118から出力される収音信号は、再生信号が完全に除去されておらず、再生信号のうち高周波数成分が残留してしまう。以下、残留した高周波数成分を残留成分と呼ぶ。
【0037】
本実施形態のように、フィードバック方式のヘッドホン100において、外部からのノイズのうちの略2kHz以上の高周波数成分は、筐体によって大部分遮断されるため、視聴時にノイズの影響は抑制され、ノイズキャンセル信号で相殺する必要がない。したがって外部からのノイズは筐体の中に設けられたマイクロホン110に到達しないため、ノイズ信号は収音信号に含まれないと考えることができる。そのため、収音信号の高周波数成分は残留成分が主要因である。この残留成分は、予測誤差の要因となる上、そのままでは本来不要な周波数帯域についてまで予測処理を行うこととなり処理負荷が増加してしまう。そこで、ローパスフィルタを用いて残留成分を除去する必要がある。
【0038】
しかし、再生信号において、2kHz付近の信号成分は、音圧レベルが高いため、残留成分を完全に除去するためにはローパスフィルタの減衰特性を急峻にしなければならない。このようなローパスフィルタとしてFIRフィルタが用いられる。
【0039】
FIRフィルタで急峻な減衰特性を得ようとすると、フィルタを構成するタップ長を長くしなければならず、タップ長を一律に長くしてしまうと、サンプル時点が新しい収音信号を生成するフィルタによって遅延を招き、位相差を補償する予測距離が増加してしまう。予測距離が増加すると、予測誤差が拡大して、ノイズの除去精度が落ちてしまう。
【0040】
そこで、本実施形態のヘッドホン100では、フィルタ部124の構成を工夫することでノイズの除去精度の低下を回避する。
【0041】
図3は、フィルタ部124の電気的な構成を示した機能ブロック図であり、図4、図5は、フィルタ部124と予測信号生成部122それぞれの処理を関連付けて説明するための説明図である。
【0042】
フィルタ部124は、再生信号が除去された収音信号から、さらに所定周波数以上の高周波数成分を除去する、タップ数の異なる複数のローパスフィルタとして機能する。フィルタ部124は、図3に示すように、実際に複数のローパスフィルタ(フィルタ124a〜124c)を備えてもよいし、可変タップ長に対応した1つのローパスフィルタを順次処理することによって複数のローパスフィルタとして機能させてもよい。
【0043】
上述したように、予測信号生成部122は、予測信号を生成するために、最新のサンプル値(収音信号のサンプル値)の値Xと共に、最新のサンプル値のサンプル時点から4のサンプル時点置きに、過去の3のサンプル値X〜Xを取得して用いる。ここでは、過去の3のサンプル値X〜Xに対応したタップ数の異なる3のフィルタ124a〜124cを準備し、3のサンプル値X〜Xの代わりに3のフィルタ124a〜124cから出力された、高周波数成分が除去された収音信号である3のフィルタ信号X’〜X’を予測信号生成部122に入力する。
【0044】
ここで、フィルタ信号X’〜X’は、それぞれ対応するバッファ部120のサンプル時点が異なり、そのサンプル時点と最新のサンプル値のサンプル時点間のサンプル数も異なる。したがって、フィルタ信号X’〜X’をそれぞれ生成するフィルタ124a〜124cでは、フィルタ信号X’〜X’に対応するサンプル時点に応じて、取得可能なサンプル数、特に、フィルタ信号X’〜X’に対応するサンプル時点と最新のサンプル値のサンプル時点間のサンプル数が異なる。
【0045】
例えば、図4を用いてフィルタ124aについて説明すると、フィルタ124aが出力するフィルタ信号X’に対応するサンプル時点のサンプル値は、バッファ部120に入力されてから許容遅延量W分だけ時間が経過しており、フィルタ信号X’に対応するサンプル時点より後に新たなサンプル値が4つ取得されていることとなる。フィルタ124aは、この新たなサンプル値4個と、サンプル値Xに対応するサンプル時点のサンプル値1個と、過去におけるサンプル値複数個(図4中、括弧160で示す範囲のサンプル値のうち、例えば、サンプル値Xに対応するサンプル時点のサンプル値から連続する所定数のサンプル値)とを用いて(図4中、中括弧162で示すサンプル値を用いて)、ローパスフィルタとしての演算を行い、高周波数成分を除去したフィルタ信号X’を導出する。
【0046】
また、フィルタ124bが出力するフィルタ信号X’に対応するサンプル時点のサンプル値は、バッファ部120に入力されてから許容遅延量W分だけ時間が経過しており、フィルタ信号X’に対応するサンプル時点より新しいサンプル値がすでに8個取得されている。同様に、フィルタ124cでは、フィルタ信号X’に対応するサンプル時点のサンプルが取得されてから許容遅延量W分だけ時間が経過しており、新しいサンプル値が12個取得されている。したがって、フィルタ124b、124cは、新しいサンプル値が多い分、さらに多くのサンプル値を用いてローパスフィルタとしての演算を行うことができる。このようにタップ長を増やすことで、周波数遮断性能が向上し、より信頼性の高い信号を得ることが可能となる。ここで、フィルタ124a〜124cは、それぞれフィルタ信号X’〜X’に対応するサンプル点の残留高周波数成分を削減する働きを持ち、時間的な経過から利用可能な最新信号までのサンプル数が異なっている。
【0047】
このように、フィルタ部124における複数のローパスフィルタ(フィルタ124a〜124c)は、自体が生成する、高周波数成分が除去されたフィルタ処理後の信号に対応するサンプル時点が古い程、そのサンプル時点よりも新しいサンプル値を多く参照し、タップ数を多くとることができる。
【0048】
上述したフィルタ124a〜124cは、そのフィルタ信号X’〜X’を生成するために、少なくとも、フィルタ信号X’に対応する最も古いサンプル時点のサンプル値が必要となる。したがって、バッファ部120は、フィルタ信号X’を求めるに当たり所定のタップ長に対応するサンプル数だけのバッファを準備しなければならない。フィルタ部124はこの最新のサンプル値からフィルタ信号X’に対応するサンプル時点のサンプル値間のタップを有効利用してフィルタ信号X’〜X’を出力する。すなわち、生成するフィルタ信号に対応するサンプル時点が古い程、取得する、新しいサンプル時点のサンプル値のタップ数を増やすことができる。かかる構成により、バッファ部120に備える過去のサンプルを有効利用して、高周波数成分の除去の精度を向上することができる。
【0049】
さらに、フィルタ124a〜124cは、図5に示すように、生成するフィルタ信号に対応するサンプル時点を中心に、生成するフィルタ信号に対応するサンプル時点より新しいサンプル値を生成するタップ数と、古いサンプル値を生成するタップ数とが等しくなるように形成され、フィルタ124a〜124cそれぞれにおけるフィルタ係数が、新しいサンプル時点と古いサンプル時点とで偶対称となるように配されてもよい。
【0050】
例えば、図5において、フィルタ124aは、新たなサンプル値4つと、同数の過去におけるサンプル値4つと、サンプル値Xに対応するサンプル時点のサンプル値1つの合計9のサンプル値(図5中、中括弧164aで示す)を用いて、ローパスフィルタとしての演算を行い、高周波数成分を除去したフィルタ信号X’を導出する。同様に、フィルタ124b、124cはそれぞれ、17個のサンプル(図5中、中括弧164bで示す)、25個のサンプル値(図5中、中括弧164cで示す)を用いて、ローパスフィルタとしての演算を行う。
【0051】
このように生成するフィルタ信号に対応するサンプル時点を中心に参照するサンプル数を新古等しく形成した場合、フィルタ124a〜124cは、周波数帯域毎の遅延がそれぞれ等しい、線形位相の特性を持ったフィルタとなる。周波数帯域毎の遅延が等しいと、予測信号による遅延補償が容易となる。
【0052】
本実施形態のヘッドホン100のフィルタ部124では、予測信号生成部122が用いる、フィルタ信号に対応する複数のサンプル時点に合わせてそれぞれ適切なタップ数に調整した、タップ数の異なる複数のフィルタ124a〜124cによって、予測距離を増加させることなく高周波数成分を除去できるので、高周波数成分を精度良く除去することが可能となる。そのため、予測信号生成部122は、正確なノイズ信号に基づいて予測信号を生成でき、加算部128において外部からのノイズを適切に打ち消すことが可能となる。また、予測信号の周波数帯域も絞ることができるようになるため、予測信号生成部122は、計算負荷を軽減でき予測信号の精度を向上することが可能となる。
【0053】
また、本実施形態のフィルタ部124は、位相回転のないフィルタで構成される。こうして、予測信号生成部122は、位相回転の補償をする必要が無くなり、予測信号の予測精度を向上することができる。
【0054】
このとき、フィルタ部124は、最新の収音信号のサンプル値Xを用いるとしてもよいし、敢えて利用しないとすることもできる。最新の収音信号を用いると、最新の収音信号がサンプルされるまで待たなくてはならないが、高周波数成分の除去処理の精度が向上する。最新の収音信号を利用せず、他のサンプル時点のサンプル値のみでフィルタを構成すると、精度は劣ることとなるが、予測信号を迅速に得ることができる。いずれの構成を採用するかは回路特性に応じて適宜選択することができる。
【0055】
本実施形態においては、最新の収音信号のサンプル値はフィルタ部124を介さず、直接予測信号生成部122に出力されることとしたが、かかる場合に限定されず、フィルタ部124を通じて、最新の収音信号に関しても高周波数成分の除去を行うこともできる。
【0056】
また、予測信号の生成に前方線形予測法ではなくLMS法を用いる場合、LMSのタップ数であるLから最新のサンプル値のタップを除いたL−1個のフィルタで構成したり、処理負荷を軽減するため共通のローパスフィルタを用いて必要なローパスフィルタの数を減らしたりしてもよい。LMS法を用いる場合であっても、複数のフィルタ124a〜124cを用いた並列処理によって一度に補正後のノイズ信号を取得したり、タップ数が可変である1つのフィルタを用いて順次処理したりしてもよい。
【0057】
予測信号反転部126は、予測信号を反転してノイズキャンセル信号を生成し、加算部128は、外部から入力された原音信号に、反転された予測信号(ノイズキャンセル信号)を加算し再生信号を生成する。そして、DA変換部130は、その再生信号をデジタルからアナログに変換し、スピーカ132は、変換された再生信号を再生音として出力する。
【0058】
また、本実施形態では、原音信号はデジタルである場合を例に挙げたが、原音信号がアナログである場合、加算部128としての加算器は、DA変換部130の後段に配され、DA変換部130がアナログに変換したノイズキャンセル信号と原音信号とを加算し再生信号を生成してもよい。
【0059】
上述したように、本実施形態の予測信号生成部122は、正確なノイズ信号に基づいて予測信号を生成でき、加算部128において外部からのノイズを適切に打ち消すことができ、例えば、飛行機内のジェット音、列車内の走行音、および室内の空調音においても、外部からのノイズに邪魔されずに音楽等を楽しむことが可能となる。
【0060】
(雑音除去方法)
続いて上述したヘッドホン100を用いた雑音除去方法について、フローチャートを用いて説明する。
【0061】
図6は、第1の実施形態にかかるヘッドホン100を用いた雑音除去方法の全体の処理の流れを説明したフローチャートである。
【0062】
サンプリング周期が到来すると(S200のYES)、マイクロホン110は、筐体の内部の音を収音して収音信号を生成する(S202)。AD変換部114は、収音信号から折り返し歪を抑制するためにナイキスト周波数以上の周波数成分を除去した後、所定のサンプリング周波数で収音信号をアナログからデジタルに変換する(S204)。
【0063】
そして、補正部116は、ヘッドホン100内部で生成される再生信号に、DA変換部130からAD変換部114までの伝送路の伝達特性と略等しい伝達特性のフィルタで補正を施し(S206)、再生除去部118は、収音信号から、補正が施された再生信号を除去してノイズ信号を取得する(S208)。
【0064】
フィルタ部124は、タップ数の異なる複数のフィルタ124a〜124cとして機能し、再生信号が除去された収音信号から所定周波数以上の高周波数成分を除去し(S210)、予測信号生成部122は、フィルタ部124を通じて高周波数成分が除去された収音信号であるノイズ信号に基づいて、当該系における遅延(AD変換部114およびDA変換部130にかかる遅延やデジタル信号処理における遅延)分、および空間遅延分を補償する予測信号を生成する(S212)。
【0065】
予測信号反転部126は、予測信号を反転してノイズキャンセル信号を生成し(S214)、加算部128は、外部から入力された原音信号に、ノイズキャンセル信号を加算し再生信号を生成する(S216)。そして、DA変換部130は、再生信号をデジタルからアナログに変換し(S218)、スピーカ132は、再生信号を再生音として出力する(S220)。
【0066】
かかる処理は、ヘッドホン100が起動している間、例えば、所定のサンプリング周期毎に繰り返し実行される。
【0067】
上述したように、本実施形態の雑音除去方法によれば、正確なノイズ信号に基づいて予測信号を生成でき、外部からのノイズを適切に打ち消すことが可能となる。
【0068】
(第2の実施形態:ヘッドホン300)
第1の実施形態では、筐体の内部の音を収音するフィードバック方式のヘッドホン100について説明した。続いて、第2の実施形態では、筐体の外部の音を収音して雑音除去処理を行うフィードフォワード方式のヘッドホン300について説明する。
【0069】
図7は、第2の実施形態にかかるヘッドホン300の電気的な構成を示した機能ブロック図である。ヘッドホン300は、マイクロホン310と、マイクアンプ112と、AD変換部114と、補正部316と、バッファ部120と、予測信号生成部122と、フィルタ部124と、予測信号反転部126と、加算部128と、DA変換部130と、スピーカ132と、を含んで構成される。なお、上述した第1の実施形態と実質的に等しい構成要素については、同一の符号を付して説明を省略し、ここでは、構成が相違するマイクロホン310と補正部316を主に説明する。
【0070】
マイクロホン310は、筐体の外部の音を収音して収音信号を生成する。マイクロホン310は、第1の実施形態におけるマイクロホン110と異なり筐体の外部のノイズを直接収音するため、再生信号の影響は極めて少なく、無視してもよい。そのため、ヘッドホン300は、ヘッドホン100と異なり、再生信号に補正を施す補正部116および補正が施された再生信号を除去する再生除去部118を備える必要がない。
【0071】
しかし、実際にユーザの耳に届くノイズは、マイクロホン310が収音する筐体の外部の音に比べて、筐体の遮音効果により、略2kHz以上の信号成分が除去され、さらに、2kHz以下の成分も減衰している。したがって、直接収音したノイズ信号に耳に届くまでの伝達特性に相当する補正を施す必要がある。そこで、ヘッドホン300では新たに補正部316を備える。
【0072】
補正部316は、マイクロホン310からユーザの耳の位置までの筐体を通じた伝送路の伝達特性に略等しい伝達特性のフィルタで、マイクロホン310が収音した収音信号に補正を施す。
【0073】
上述したようにこの筐体を通じた伝送路では、略2kHz以上の信号成分が除去される。しかし、補正部316を所望の特性を持ったフィルタとして機能させると、上述したように、フィルタの構成によっては位相回転が生じたり(IIR)、遅延に伴って予測信号生成部122が生成する予測信号の予測距離が無用に増加したりする(FIR)。そこで、補正部316は、略2kHz以上の信号成分を除去する筐体の伝達特性を完全には再現せず、フィルタ部124において、略2kHz以上の高周波数成分を除去する。
【0074】
そして、本実施形態のヘッドホン300のフィルタ部124も、第1の実施形態と同様に、予測信号生成部122が用いるフィルタ信号に対応する複数のサンプル時点に合わせた、タップ数の異なる複数のフィルタ124a〜124cで高周波数成分を除去する。そのため、外部からのノイズを適切に打ち消すことが可能となる。
【0075】
(雑音除去方法)
続いて上述したヘッドホン300を用いた雑音除去方法について、フローチャートを用いて説明する。図8は、第2の実施形態にかかるヘッドホン300を用いた雑音除去方法の全体の処理の流れを説明したフローチャートである。
【0076】
サンプリング周期が到来すると(S200のYES)、マイクロホン110は、筐体の外部の音を収音して収音信号を生成する(S402)。AD変換部114は、収音信号から折り返し歪を抑制するためにナイキスト周波数以上の周波数成分を除去した後、所定のサンプリング周波数で収音信号をアナログからデジタルに変換する(S204)。
【0077】
そして、補正部316は、マイクロホンが生成した収音信号に筐体の伝送路の伝達特性に略等しい伝達特性のフィルタで補正を施し(S406)、フィルタ部124は、タップ数の異なる複数のフィルタ124a〜124cとして機能し、再生信号が除去された収音信号から所定周波数(略2kHz)以上の高周波数成分を除去してフィルタ信号を生成する(S210)。
【0078】
以下、予測信号生成ステップ(S212)から出力ステップ(S220)までの処理は、図6において説明した処理と実質的に等しいため説明は省略する。
【0079】
上述したように、本実施形態の雑音除去方法によれば、デジタル化された収音信号の複数のサンプル時点に合わせた、タップ数の異なる複数のフィルタ124a〜124cで、筐体で遮音しきれなかった高周波数成分を収音信号から除去する。そのため、予測性能向上効果があり外部からのノイズを適切に打ち消すことが可能となる。
【0080】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0081】
例えば、上述したヘッドホン100、300を構成する、フィルタ部124から予測信号反転部126までの各構成部は、その機能を有する半導体チップ等のハードウェアであってもよいし、その機能をプログラムされたソフトウェアであってもよい。また、AD変換部114に代わってマイクロホン110から直接デジタルの収音信号を取得する構成を採用してもよいし、DA変換部130に代わってデジタルのノイズキャンセル信号や再生信号を直接スピーカ132に出力する構成を採用することもできる。
【0082】
なお、本明細書の雑音除去方法における各工程は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいはサブルーチンによる処理を含んでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明は、外部からのノイズによって所望する再生音の音質が損なわれるのを防止することが可能な雑音除去装置および雑音除去方法に利用することができる。
【符号の説明】
【0084】
100、300 …ヘッドホン(雑音除去装置)
110、310 …マイクロホン
116、316 …補正部
118 …再生除去部
122 …予測信号生成部
124 …フィルタ部
126 …予測信号反転部
128 …加算部
132 …スピーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体の内部の音を収音して収音信号を生成するマイクロホンと、
再生信号を出力するスピーカと、
前記再生信号に伝送路の伝達特性と略等しい伝達特性のフィルタで補正を施す補正部と、
前記収音信号から、補正が施された前記再生信号を除去する再生除去部と、
前記再生信号が除去された収音信号から所定周波数以上の高周波数成分を除去する、タップ数の異なる複数のフィルタとして機能するフィルタ部と、
前記高周波数成分が除去された収音信号に基づいて予測信号を生成する予測信号生成部と、
前記予測信号を反転する予測信号反転部と、
外部から入力された原音信号に、反転された前記予測信号を加算し前記再生信号を生成する加算部と、
を備えることを特徴とする雑音除去装置。
【請求項2】
筐体の外部の音を収音して収音信号を生成するマイクロホンと、
前記収音信号から所定周波数以上の高周波数成分を除去する、タップ数の異なる複数のフィルタとして機能するフィルタ部と、
前記高周波数成分が除去された収音信号に基づいて予測信号を生成する予測信号生成部と、
前記予測信号を反転する予測信号反転部と、
外部から入力された原音信号に、反転された前記予測信号を加算し再生信号を生成する加算部と、
前記再生信号を出力するスピーカと、
を備えることを特徴とする雑音除去装置。
【請求項3】
前記フィルタ部における複数のフィルタは、過去の複数のサンプル時点における前記高周波数成分が除去された収音信号をそれぞれ生成し、前記高周波数成分が除去された収音信号に対応するサンプル時点が古い程、前記サンプル時点よりも新しいサンプル値を多く参照することを特徴とする請求項1または2に記載の雑音除去装置。
【請求項4】
前記フィルタ部は、位相回転のないフィルタで構成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の雑音除去装置。
【請求項5】
筐体の内部の音を収音して収音信号を生成し、
前記収音信号から再生信号を除去し、
タップ数の異なる複数のフィルタとして機能し、前記再生信号が除去された収音信号から所定周波数以上の高周波数成分を除去し、
前記高周波数成分が除去された収音信号に基づいて予測信号を生成し、
前記予測信号を反転し、
外部から入力された原音信号に、反転された前記予測信号を加算し前記再生信号を生成し、
前記再生信号を出力することを特徴とする雑音除去方法。
【請求項6】
筐体の外部の音を収音して収音信号を生成し、
タップ数の異なる複数のフィルタとして機能し、前記収音信号から所定周波数以上の高周波数成分を除去し、
前記高周波数成分が除去された収音信号に基づいて予測信号を生成し、
前記予測信号を反転し、
外部から入力された原音信号に、反転された前記予測信号を加算し再生信号を生成し、
前記再生信号を出力することを特徴とする雑音除去方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−171968(P2011−171968A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−33374(P2010−33374)
【出願日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【出願人】(308036402)JVC・ケンウッド・ホールディングス株式会社 (1,152)
【Fターム(参考)】