電力値解析方法、電力値解析プログラム及び電力値解析装置、並びに省電力評価方法、省電力評価プログラム及び省電力評価装置
【課題】自動で、省電力を判断するための電力値範囲を解析する。
【解決手段】電力クラス生成部13が、各コンセントにおいて定期的に取得された消費電力値の一定期間内における出現頻度に基づいて、消費電力値を範囲分けし、当該範囲分けされた範囲を電力クラスとして生成し、電力クラス判定部13が、生成された各電力値範囲に含まれる消費電力値に基づいて、電源断クラスと通常クラスを特定するとともに、電源断クラスと通常クラスとの間の電力クラスを省電力クラスとして、各クラスを電力クラスDB18に登録する。これにより、コンセントに接続されている機器によらず、省電力を判断するための電力クラス(省電力クラス)を自動で解析し、電力クラスDBに登録することができる。
【解決手段】電力クラス生成部13が、各コンセントにおいて定期的に取得された消費電力値の一定期間内における出現頻度に基づいて、消費電力値を範囲分けし、当該範囲分けされた範囲を電力クラスとして生成し、電力クラス判定部13が、生成された各電力値範囲に含まれる消費電力値に基づいて、電源断クラスと通常クラスを特定するとともに、電源断クラスと通常クラスとの間の電力クラスを省電力クラスとして、各クラスを電力クラスDB18に登録する。これにより、コンセントに接続されている機器によらず、省電力を判断するための電力クラス(省電力クラス)を自動で解析し、電力クラスDBに登録することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件は、電力値解析方法、電力値解析プログラム及び電力値解析装置。並びに省電力評価方法、省電力評価プログラム及び省電力評価装置に関する。
【背景技術】
【0002】
東日本大震災による発電所の停止などにより、電力の供給力が低下し、需要に対して供給が不足する事態が危惧されている。そのため、最近では、電気を使用する者の節電に対する意識は非常に高くなってきている。従来は、使用している電力を分電盤単位で測定し、当該測定した電力を表示するなどして、電気を使用する者に現在使用している電力を周知させるようにしていた。しかしながら、この方法では、機器毎の省電力状態を把握することはできなかった。
【0003】
これに対し、最近では、簡易型電力測定器で各機器の消費電力を測定するシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
このようなシステムを用いて各機器の消費電力を管理する場合、各機器が接続されたコンセント毎に消費電力を管理することが考えられる。また、コンセントに接続された機器が省電力状態であるか否かを判別するためには、コンセント毎に接続されている機器の種別(PCやディスプレイなど)を登録しておく必要がある。また、省電力状態であるか否かを判別するためには、機器の種別ごとに電力パターン(省電力の電力値範囲等)を予め設定しておくことが必要になると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−257896号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、同一の機器種別であったとしても、同一の電力パターンを有していないことが多々ある。例えば、デスクトップPCとノートPCとでは電力パターンが異なるし、ハイパワーPCと小型PCとでも電力パターンは異なる。このため、同一の機器種別であっても、省電力状態か否かを判断するための電力値範囲を一律に設定することはできない。また、省電力状態の判断を精度良く行うためには、省電力の範囲を細分化して設定する必要が生じるが、このような場合、膨大な量の機器の登録、電力値範囲の設定が必要となってしまう。
【0007】
更に、機器種別の設定・登録を人手で行うこととすると、入力が面倒であることから入力頻度が低下してしまったり、設定し忘れ等が発生したりするおそれがある。
【0008】
そこで本件は上記の課題に鑑みてなされたものであり、自動で、省電力を判断するための電力値範囲を解析することが可能な電力値解析方法、電力値解析プログラム及び電力値解析装置を提供することを目的とする。また、本件は、省電力しているか否かの評価を適切に行うことが可能な省電力評価方法、省電力評価プログラム及び省電力評価装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本明細書に記載の電力値解析方法は、機器が接続されるコンセントにおいて定期的に取得された消費電力値の一定期間内における出現頻度に基づいて、消費電力値を範囲分けし、当該範囲分けされた範囲を電力値範囲として生成する生成工程と、前記生成工程で生成された各電力値範囲に含まれる消費電力値に基づいて、前記機器が未使用の電力値範囲である第1の電力値範囲と、前記機器が通常使用されている電力値範囲である第2の電力値範囲と、を特定する特定工程と、前記生成工程で生成された電力値範囲の中から、前記第1の電力値範囲と前記第2の電力値範囲との間の電力値範囲を抽出し、省電力範囲として決定する決定工程と、をコンピュータが実行する電力値解析方法である。
【0010】
本明細書に記載の省電力評価方法は、本明細書に記載の電力値解析方法を用いて、前記省電力範囲を決定する電力値解析工程と、前記電力値解析工程で決定された前記省電力範囲に基づいて、前記コンセントに接続された機器を利用するユーザの省電力行動を評価する評価工程と、をコンピュータが実行する省電力評価方法である。
【0011】
本明細書に記載の電力値解析プログラムは、機器が接続されるコンセントにおいて定期的に取得された消費電力値の一定期間内における出現頻度に基づいて、消費電力値を範囲分けし、当該範囲分けされた範囲を電力値範囲として生成し、前記生成工程で生成された各電力値範囲に含まれる消費電力値に基づいて、前記機器が未使用の電力値範囲である第1の電力値範囲と、前記機器が通常使用されている電力値範囲である第2の電力値範囲と、を特定し、前記生成工程で生成された電力値範囲の中から、前記第1の電力値範囲と前記第2の電力値範囲との間の電力値範囲を抽出し、省電力範囲として決定する決定する処理、をコンピュータに実行させる電力値解析プログラムである。
【0012】
本明細書に記載の省電力評価プログラムは、本明細書に記載の電力値解析プログラムをコンピュータに実行させることにより決定される省電力範囲に基づいて、前記コンセントに接続された機器を利用するユーザの省電力行動を評価する処理をコンピュータに実行させる省電力評価プログラムである。
【0013】
本明細書に記載の電力値解析装置は、機器が接続されるコンセントにおいて定期的に取得された消費電力値を格納する格納部と、前記格納部に格納されている前記消費電力値の一定期間内における出現頻度に基づいて、消費電力値を範囲分けし、当該範囲分けされた範囲を電力値範囲として生成する生成部と、前記生成部が生成した各電力値範囲に含まれる消費電力値に基づいて、前記機器が未使用の電力値範囲である第1の電力値範囲と、前記機器が通常使用されている電力値範囲である第2の電力値範囲と、を特定する特定部と、前記生成部で生成された電力値範囲の中から、前記第1の電力値範囲と前記第2の電力値範囲との間の電力値範囲を抽出し、省電力範囲として決定する決定部と、を備えている。
【0014】
本明細書に記載の省電力評価装置は、本明細書に記載の電力値解析装置と、前記電力値解析装置で決定された前記省電力範囲に基づいて、前記コンセントに接続された機器を利用するユーザの省電力行動を評価する評価部と、を備えている。
【発明の効果】
【0015】
本明細書に記載の電力値解析方法、電力値解析プログラム及び電力値解析装置は、自動で、省電力を判断するための電力値範囲を解析することができるという効果を奏する。また、本明細書に記載の省電力評価方法、省電力評価プログラム及び省電力評価装置は、省電力しているか否かの評価を適切に行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1の実施形態に係る省電力判定システムの構成を概略的に示す図である。
【図2】図2(a)は、省電力判定装置のハードウェア構成を示す図であり、図2(b)は、電源タップ管理装置のハードウェア構成を示す図である。
【図3】図1の省電力判定システムの機能ブロック図である。
【図4】電力DBを示す図である。
【図5】判定ポリシを示す図である。
【図6】電力クラスDBを示す図である。
【図7】電力クラス生成部の処理を示すフローチャートである。
【図8】ステップS14で電力DBから取得されるデータを示す図である。
【図9】ステップS16で取得されるヒストグラムである。
【図10】図7のステップS30、S32の処理を説明するための図である。
【図11】図7の処理により生成される電力クラスC(1)〜C(5)を示す図である。
【図12】時系列ノイズ除去部の処理を示す図である。
【図13】時系列ノイズ除去部の処理を説明するための図である。
【図14】電力クラス判定部の処理を説明するための図である。
【図15】第2の実施形態に係る省電力判定システムの機能ブロック図である。
【図16】図16(a)は、第2の実施形態で用いるユーザDBを示す図であり、図16(b)は、第2の実施形態で用いる省電力DBを示す図であり、図16(c)は、第2の実施形態で用いる電力クラスDBを示す図である。
【図17】回答部による回答(画面形式)の一例を示す図である。
【図18】図18(a)、図18(b)は、第2の実施形態の変形例を示す図である。
【図19】電力クラスの生成方法に関する変形例(その1)を示す図である。
【図20】電力クラスの生成方法に関する変形例(その2)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
《第1の実施形態》
以下、第1の実施形態について、図1〜図14に基づいて詳細に説明する。図1には、第1の実施形態にかかる省電力判定システム100の構成が概略的に示されている。図1に示すように、省電力判定システム100は、省電力評価装置としての省電力判定装置10と、電源タップ管理装置20と、機器としてのユーザ端末30と、を備える。各装置は、LAN(Local Area Network)などのネットワーク60に接続されている。
【0018】
省電力判定装置10は、ユーザ端末30において使用された電力を解析して、省電力化が図られているか否かを判定したり、省電力を評価したりする。
【0019】
図2(a)には、省電力判定装置10のハードウェア構成が示されている。図2(a)に示すように、省電力判定装置10は、コンピュータとしてのCPU90、ROM92、RAM94、記憶部(ここではHDD(Hard Disk Drive))96、可搬型記憶媒体用ドライブ99、ネットワークインタフェース97等を備えており、構成各部は、バス98に接続されている。省電力判定装置10では、ROM92あるいはHDD96に格納されているプログラム(電力値解析プログラム及び省電力評価プログラム)又は可搬型記憶媒体用ドライブ99が可搬型記憶媒体91から読み出したプログラムをCPU90が実行することにより、図3に示す各部の機能が実現される。また、省電力判定装置10は、ネットワークインタフェース97を介して、ネットワーク60に接続されている。
【0020】
図1に戻り、電源タップ管理装置20は、電源タップ50が有する各コンセントにおける消費電力をモニタし、省電力判定装置10に対して出力する。なお、電源タップ50は、コンセント毎の消費電力値を検出する電力センサ52(図3参照)を1又は複数(図3では2つ)有する電源タップであるものとする。電源タップ50のコンセントには、ユーザ端末30等が接続される。
【0021】
図2(b)には、電源タップ管理装置20のハードウェア構成が示されている。図2(b)に示すように、電源タップ管理装置20は、CPU190、ROM192、RAM194、記憶部(HDD)196、ネットワークインタフェース197等を備えており、電源タップ管理装置20の構成各部は、バス198に接続されている。電源タップ管理装置20では、ROM192あるいはHDD196に格納されているプログラムをCPU190が実行することにより、図3に示すセンサ情報収集部22としての機能が実現される。また、電源タップ管理装置20は、ネットワークインタフェース197を介して、ネットワーク60に接続されている。
【0022】
図3には、図1の省電力判定システム100の機能ブロック図が示されている。図3に示すように、省電力判定装置10では、CPU90が電力値解析プログラムを実行することにより、電力値解析装置としての電力値解析部70、受付部14、及び評価部としての回答部15、としての機能が実現されている。ここで、電力値解析部70は、生成部としての電力クラス生成部11と、判断部及び除去部としての時系列ノイズ除去部12と、特定部及び決定部としての電力クラス判定部13と、を有している。なお、図3では、ROM92やHDD96などに格納されている格納部としての電力DB16、判定ポリシ17、電力クラスDB18も図示されている。
【0023】
電力クラス生成部11は、判定ポリシ17に従って、電力DB16に格納されている一定期間内のデータ(電力値)に基づいて、電力値のヒストグラムを作成し、電力値の出現頻度が高い電力値範囲を抽出する。なお、この電力値範囲の抽出を「クラス分け」とも呼ぶ。そして、電力クラス生成部11は、クラス分けされた電力値範囲を電力クラスとして生成する。ここで、電力クラスは、区間[W1,W2]で表される電力値範囲であるものとする。
【0024】
なお、電力DB16には、図4に示すように、「センサID」、「Time」、「電力」の各フィールドが設けられている。「センサID」のフィールドには、コンセントのIDが記録され、「Time」のフィールドには、電力値の取得日時が記録される。また、「電力」のフィールドには、5分単位の消費電力値が記録される。
【0025】
判定ポリシ17は、図5に示すように、「生成ポリシID」、「集計期間(ms)」、「時区間(ms)」、「電力単位(W)」、「クラス融合範囲」、「適用コンセント」の各フィールドを有する。なお、判定ポリシ17の各フィールドの具体的内容については、後述する。
【0026】
時系列ノイズ除去部12は、電力クラス生成部11で生成された電力クラスの中に、電力クラスに含まれる消費電力値が時系列的に見て連続的に取得できていない電力クラスがあるか否かを判断する。また、時系列ノイズ除去部12は、連続的に取得できていない電力クラスがあった場合に、当該電力クラスを電力クラス生成部11で生成された電力クラスから除外し、その他の電力クラスを正式登録する。
【0027】
電力クラス判定部13は、時系列ノイズ除去部12で正式登録された電力クラスの中から、ユーザ端末30の電源がOFF(ユーザ端末30が未使用)の電力クラス(電源断クラス)を特定する。また、電力クラス判定部13は、時系列ノイズ除去部12で正式登録された電力クラスの中から、ユーザ端末30が通常使用されている電力クラス(通常クラス)を特定する。更に、電力クラス判定部13は、時系列ノイズ除去部12で正式登録された電力クラスのうち、電源断クラスと通常クラスとの間の電力クラスを、省電力クラスとして決定する。これら電源断クラス、通常クラス、及び省電力クラスの各クラスは、電力クラスDB18に格納される。
【0028】
ここで、電力クラスDB18は、図6に示すように、「センサID」、「日付」、「電力クラス(電源断)」、「電力クラス(通常)」、「電力クラス(その他)」の各フィールドを有している。「センサID」のフィールドには、コンセントのIDが記録され、「日付」のフィールドには、電力クラスを取得した日付が記録される。また、「電力クラス(電源断)」のフィールドには、電力クラス判定部13で特定された電源断クラスの電力値範囲が格納され、「電力クラス(通常)」のフィールドには、電力クラス判定部13で特定された通常クラスの電力値範囲が格納される。更に、「電力クラス(その他)」のフィールドには、電力クラス判定部13で決定された省電力クラスの電力値範囲が格納される。
【0029】
受付部14は、ユーザ端末30から入力される、「省電力情報の送信依頼」を受け付ける。回答部15は、受付部14において受け付けた省電力情報の送信依頼に基づいて、ユーザ端末30に対して、省電力の実績を回答する。ユーザ端末30では、回答部15から回答された省電力の実績を表示部上に表示する。
【0030】
電源タップ管理装置20のセンサ情報収集部22は、電源タップ50の各電力センサ52から定期的に(例えば5分毎に)、消費電力値を取得し、当該取得した消費電力値を電力DB16に格納する。なお、電力DB16は、電源タップ管理装置20が保持していてもよい。
【0031】
次に、本第1の実施形態の省電力判定装置10の処理について、図7、図12、図14のフローチャートに沿って、その他図面を適宜参照しつつ詳細に説明する。なお、図7、図12、図14の処理は、例えば、1日の終わり(午前0:00以降)において、各コンセントの1日分の消費電力値(データ)を用いて行われる処理である。なお、図7の処理が終了した後に図12の処理が実行され、図12の処理が終了した後に図14の処理が実行されるものとする。
【0032】
<電力クラス生成部11の処理(図7)>
図7の処理は、図5の判定ポリシ17の生成ポリシID=ポリシ1に従った処理である。ポリシ1では、集計期間は86400000ms=24時間とし、時区間(消費電力値の取得単位)は300000ms=5分としている。また、後述するヒストグラムを取得する電力単位は0.1Wであり、後述するクラス融合範囲は、5%となっている。
【0033】
図7の処理では、まず、ステップS10において、電力クラス生成部11が、全コンセントを抽出したか否かを判断する。ここでの判断が否定されると、次のステップS12において、電力クラス生成部11が、コンセントを1つ抽出する。
【0034】
次いで、ステップS14では、電力クラス生成部11が、抽出したコンセントの1日分の電力を電力DB16から取得する。この場合、電力クラス生成部11は、図8にグラフで示すようなデータ(時刻と、電力値(W)とが関連付けられたデータ)を取得することになる。
【0035】
次いで、ステップS16では、電力クラス生成部11が、図8のデータを用いて、0.1W単位でヒストグラムHをとる。なお、ヒストグラムHをとる単位は、図5の判定ポリシ17の電力単位〔W〕を意味している。ここで、頻度hは、h=H(p){p:電力値,p≧0.0,最大値pmax})と表すことができる。ステップS16では、図9に示すようなグラフ(横軸が電力(W)で縦軸が頻度(回)のグラフ)を得ることができる。
【0036】
次いで、ステップS18では、電力クラス生成部11が、電力pを0に設定するとともに、電力クラスのクラス番号を示すパラメータnを1に設定する。次いで、ステップS22では、電力クラス生成部11が、pは最大値pmax以上か否かを判断する。ここでの判断が肯定された場合には、ステップS10に戻るが、ステップS22の判断が否定された場合には、ステップS24に移行する。
【0037】
次いで、ステップS24では、電力クラス生成部11が、頻度が1以上か否かを判断する。ここでの判断が否定された場合には、ステップS27において、電力クラス生成部11が、電力pを0.1Wだけ大きくした後、ステップS22に戻るが、肯定された場合には、ステップS26に移行する。
【0038】
ステップS24の判断が肯定されてステップS26に移行すると、電力クラス生成部11は、近傍(電力がp〜0.1+1.05pの区間(探索範囲))の頻度の合計が3以上であるか否かを判断する。ここでの判断が否定された場合には、ステップS27において、電力クラス生成部11が、電力pを0.1Wだけ大きくした後、ステップS22に戻る。なお、上記区間を規定する1.05は、図5の判定ポリシ17のポリシ1で定義されているクラス融合範囲(5%)を意味する。
【0039】
一方、ステップS26の判断が肯定され、ステップS28に移行すると、電力クラス生成部11は、新しい電力クラスC(n)(ここではC(1))=[p,q]を生成する。ただしq={p≦x≦0.1+(1.05)pかつH(x)>0を満たす最大のx}とする。すなわち、qは、p〜0.1+1.05pの間で電力値が検出される最大値を意味し、pは、p〜0.1+1.05pの間で電力値が検出される最小値を意味する。例えば、図10に模式的に示すように、p=70の場合には、0.1+1.05pは、73.6となる。この場合、電力値が70〜73.6の間で電力値が検出されている最大の電力値がqとなる。
【0040】
図7に戻り、次のステップS30では、電力クラス生成部11が、p≦r≦qを満たすrのいずれかについて近傍の頻度の合計が3以上であるか否かを判断する。すなわち、次式(1)を満たしているか否かを判断する。
ΣH(x){r≦x≦0.1+(1.05)r}≧3 …(1)
【0041】
ここで、図10に示すようにrを設定すると、r〜0.1+1.05rの間の頻度は4であり、3以上であるので、ステップS30の判断は肯定されて、ステップS32に移行する。
【0042】
ステップS32では、電力クラス生成部11が、C(n)(=C(1))の最大値qをq={r≦x≦0.1+(1.05)rかつH(x)>0を満たす最大のx}に設定する。図10では、「q’」と表記している電力値がC(1)の最大値qに設定される。その後は、ステップS30に戻る。
【0043】
ステップS30に戻ると、電力クラス生成部11は、rを図10のr’とする。この場合、r’〜0.1+1.05r’の間の頻度は合計が2であるので、ステップS30の判断は否定されることになる。ステップS30の判断が否定されると、ステップS34に移行する。図10の場合、p〜q’の範囲(〔p,q’〕)が最終的な電力クラスC(1)となる。
【0044】
なお、ステップS30及びS32の処理は、ステップS28で定めた電力クラス〔p,q〕の範囲に対して新たに含めるべき電力値範囲を新たに特定し、当該特定した範囲を電力クラスに併合する処理であるといえる。また、本処理により、電力クラスの範囲は、適切な範囲で可能な限り広げられているといえる。
【0045】
ステップS34に移行すると、電力クラス生成部11は、pをqに設定するとともに、nを1インクリメント(n←n+1)して、ステップS22に戻る。その後は、電力クラス生成部11は、上記と同様の処理を繰り返し行うことで、n=2以降の電力クラス(C(2)、C(3)…)を生成する。なお、上記処理を繰り返し、pが最大値pmax以上となった段階で、ステップS22の判断が肯定され、ステップS10に戻る。その後は、上記と同様の処理を繰り返し、全てのコンセントに対する処理が終了した段階で、ステップS10の判断が肯定され、図7の全処理が終了する。
【0046】
なお、上記処理を行うことで、あるコンセントについて、図11に示すような電力クラス(C(1)〜C(5))が生成されたものとする。ここで、取得された電力クラスは、C(1)[0.0,0.2]、C(2)[2.3,2.5],C(3)[38.4,39.3]、C(4)[51.4,59.8]、C(5)[71.7,77.5]である。
【0047】
<時系列ノイズ除去部12の処理(図12)>
次に、図7の処理の後に行われる図12の処理(時系列ノイズ除去処理)について説明する。
【0048】
図12の処理では、まず、ステップS40において、時系列ノイズ除去部12が、全コンセントを抽出したか否かを判断する。ここでの判断が否定されると、ステップS42に移行し、時系列ノイズ除去部12は、コンセントを1つ抽出する。なお、ここでは、図11に示す電力クラス(C(1)〜C(5))を有するコンセントが抽出されたものとする。なお、以下の処理では、図11の電力クラスの中からノイズである電力クラスを特定し、除去する(すなわち、ノイズ以外の電力クラスを正式登録する)処理が行われる。
【0049】
次いで、ステップS44では、時系列ノイズ除去部12が、ステップS42で抽出されたコンセントに属する全電力クラス(図11のC(1)〜C(5))を読み出す。次いで、ステップS46では、時系列ノイズ除去部12が、時刻tを00:00に設定する。次いで、ステップS48では、時系列ノイズ除去部12が、時刻tを5分進める(00:05)。次いで、ステップS50では、時系列ノイズ除去部12が、tは24:00を超えたか否かを判断する。ここでの判断が否定された場合には、ステップS52に移行する。
【0050】
次いで、ステップS52では、時系列ノイズ除去部12が、図13の時刻と電力値との関係を示すグラフを参照して、時刻t(=00:05)の時の電力ep(t)がいずれかの電力クラスC(i)に属するか否かを判断する。ここでの判断が否定された場合には、ステップS48に戻るが、判断が肯定された場合には、ステップS54に移行する。ステップS54では、時系列ノイズ除去部12は、ep(t+00:05)に属する電力クラスC(j)を取得する。
【0051】
次いで、ステップS56では、時系列ノイズ除去部12が、C(j)が存在し,かつC(i)とC(j)は同じクラスか否かを判断する。ここでの判断が否定された場合には、ステップS48に戻るが、ここでの判断が肯定された場合には、ステップS58に移行する。
【0052】
そして、ステップS58では、時系列ノイズ除去部12が、C(i)を電力クラスとして正式に登録する(RAM94等に一時格納する)。
【0053】
なお、上記ステップS48〜S58の処理を繰返し実行することにより、ある電力クラスに属する電力値が連続して取得されている場合に、その電力クラスを正式に登録することができるようになっている。例えば、図13に示す電力クラスC(5)では、当該電力クラスの電力値が連続的に取得されている。このため、電力クラスC(5)は、電力クラスとして正式に登録される(RAM94等に一時格納される)ことになる。一方、図13に示す電力クラスC(4)では、当該電力クラスの電力値が丸印で示すようにバラバラに取得されている(連続的に取得できていない)ので、電力クラスC(4)は、電力クラスとして正式に登録されない。すなわち、電力クラスC(4)は、最終的には、ノイズであるとして電力クラスから除去されることになる。
【0054】
以上の処理を経て、ステップS50の判断が肯定されるとステップS40に戻る。そして、ステップS40の判断が肯定された段階(全コンセントの電力クラスのノイズ除去が完了した段階)で、図12の全処理が終了する。
【0055】
以上の図12の処理により、電源をONにしてから定常状態になるまでの途中の電力や、使用中から省電力中に移行する間の電力、省電力中から使用中に移行する電力によって、電力クラスが生成され、当該電力クラスが正式登録されるのを回避することができる。これにより、電力クラスの生成をより適切に行うことが可能となる。なお、図11の場合、C(1)[0.0,0.2]、C(2)[2.3,2.5],C(3)[38.4,39.3],C(5)[71.7,77.5]がコンセントの電力クラスとして正式に登録された(RAM94等に一時格納された)ものとする
【0056】
<電力クラス判定部13の処理(図14)>
次に、図12の処理の後に行われる図14の処理について説明する。図14の処理では、まず、ステップS66において、電力クラス判定部13が、全コンセントを抽出したか否かを判断する。ここでの判断が否定されると、ステップS68に移行し、電力クラス判定部13は、コンセントを1つ抽出する。次いで、ステップS70では、電力クラス判定部13が、抽出したコンセントの電力クラス(正式に登録された電力クラス)のうち電力値が最小のクラスCminを選ぶ。例えば、図11の電力クラス(C(1),C(2),C(3),C(5))からは、電力クラスC(1)が選ばれることになる。
【0057】
次いで、ステップS72では、電力クラス判定部13が、Cmin=C(1)は電力値0.0を含むか否かを判断する。ここでは、C(1)の範囲が、[0.0,0.2]であるので、判断は肯定される。ここでの判断が肯定された場合には、ステップS74に移行し、電力クラス判定部13は、Cmin=C(1)を「電源断クラス」と判定する。なお、ステップS72の判断が否定された場合、すなわち、Cminが電力値0.0を含まなかった場合には、ステップS76において、電力クラス判定部13が、「電源断クラス」がなかったと判定する。
【0058】
次いで、ステップS78では、電力クラス判定部13が、正式に登録された電力クラスのうち電力値が最大のクラスCmaxを選ぶ。ここでは、電力クラスC(5)が選ばれることになる。
【0059】
次いで、ステップS80では、電力クラス判定部13が、Cmax=C(5)に属するデータ数が全体の所定割合(例えば、5%)以上であるか否かを判断する。電力値は5分単位で、1日288個のデータが得られるので、その5%以上(15個以上)のデータが電力クラスC(5)に含まれているか否かを判断する。ここでの判断が肯定された場合には、ステップS82に移行し、電力クラス判定部13は、Cmax=C(5)を「通常クラス」と判定する。一方、ステップS80における判断が否定された場合には、ステップS84に移行し、電力クラス判定部13は、次に大きなクラスCmaxを選ぶ。そして、ステップS86では、選べたか否かを判断する。ここでの判断が否定された場合には、ステップS94に移行するが、肯定された場合には、ステップS80に戻る。その後は、上記と同様の処理を実行する。
【0060】
ステップS82において通常クラスの判定が行われた後は、ステップS88において、電力クラス判定部13が、正式に登録された電力クラスのうち電源断クラスを越え、かつ通常クラスを越えない電力値範囲の電力クラスを選ぶ。図11では、電力クラスC(2)、C(3)が選ばれるものとする。
【0061】
次いで、ステップS90では、電力クラス判定部13が、ステップS88において電力クラスを選べたか否かを判断する。ここでの判断が否定された場合には、ステップS94に移行する。一方、ステップS90の判断が肯定された場合には、ステップS92に移行し、電力クラス判定部13は、選んだそれぞれの電力クラス(C(2)、C(3))を「省電力クラス」と判定する。なお、前述したステップS72の判断が否定され、電源断クラスなしと判定されていた場合には、ステップS88において電力クラスを選ぶことはできないものとする。
【0062】
ステップS94に移行した場合、電力クラス判定部13は、これまでに判定された各クラスを電力クラスDB18(図6)に登録する。その後は、ステップS66に戻る。以降、全てのコンセントに対する上記のような電力クラスの判定処理が行われ、電力クラスDB18への登録が行われた段階で、ステップS66の判断が肯定され、図14の全処理が終了する。
【0063】
<回答部15の処理>
次に、ユーザ端末30から入力された省電力情報の送信依頼を、受付部14が受け付けた場合の回答部15の処理について、説明する。
【0064】
回答部15は、ユーザ端末30が接続されているコンセントに関し、前日のデータを用いた上記処理の結果を参照する。そして、回答部15は、「省電力クラス」が電力クラスDB18の「電力クラス(その他)」のフィールドに登録されていた場合に、省電力が実施されている旨をユーザ端末30に回答する。この場合、ユーザ端末30では、ユーザ端末30が有する表示部に回答部15からの回答結果を表示する。これにより、ユーザ端末30を利用するユーザは、前日に省電力ができていたか否かを認識することができる。
【0065】
なお、省電力判定装置10では、電力クラスDB18において、省電力クラスの範囲を記憶している。したがって、回答部15は、ユーザが省電力情報の送信依頼を入力したタイミングで、ユーザ端末30の接続されているコンセントの最新の消費電力値を電力DB16から取得し、これに基づいて、以下の回答を行うこととしてもよい。
a) 最新の消費電力値が省電力クラスに属している場合は、「省電力である」と判定し、回答する。
b) 最新の消費電力値がその他のクラスに属している場合は、「省電力ではない」と判定し、回答する。
c) 最新の消費電力値がどのクラスにも属さない場合は、「その他(不明)」と判定し、回答する。
【0066】
なお、回答部15は、上記よりも詳細に、例えば、「電源断状態である」や「通常使用状態である」、あるいは「高負荷状態(通常使用よりも電力が高い)である」などと回答してもよい。
【0067】
以上、詳細に説明したように、本第1の実施形態によると、電力クラス生成部13が、各コンセントにおいて定期的に取得された消費電力値の一定期間内における出現頻度に基づいて、消費電力値を範囲分けし、当該範囲分けされた範囲を電力クラスとして生成する。また、生成された各電力値範囲に含まれる消費電力値に基づいて、電源断クラスと通常クラスを特定するとともに、電源断クラスと通常クラスとの間の電力クラスを省電力クラスとして電力クラスDB18に登録する。このように、本第1の実施形態では、コンセントに接続されている機器によらず、省電力を判断するための電力クラス(省電力クラス)を自動で解析し、電力クラスDB18に登録することができる。これにより、省電力の判断をする際には、コンセント別の機器の登録や、電力パターン(例えば省電力クラス)の登録を事前に行う必要がなくなる。
【0068】
また、本第1の実施形態によると、上記のようにして省電力クラスを自動で電力クラスDB18に登録することができるので、当該省電力クラスを用いて、ユーザの省電力行動を適切に評価することが可能となる。
【0069】
また、本第1の実施形態では、図7の処理で生成された電力クラスに含まれる消費電力値が、一定期間(例えば1日)の間に連続的に取得できていれば、その電力クラスを正式に登録し、連続的に取得できていなければ電力クラスから除外することとしている。これにより、電源をONにしてから定常状態になるまでの途中の電力などによって、電力クラスが誤って生成され、正式登録されるのを回避することができる。
【0070】
また、本第1の実施形態では、図7の処理において、基準となる消費電力値pの大きさに基づいて探索範囲(p〜0.1+1.05p)を特定し、当該探索範囲内における消費電力値の出現頻度に基づいて範囲分けを行うか否かを判断する処理をpを変更しながら繰返し行う。これにより、電力値の大きさに応じた適切な電力クラスの生成が可能となる。例えば、本第1の実施形態では、電力値0付近に関しては、細かい範囲を探索範囲として消費電力値の出現頻度に基づいて電力クラスの生成処理を行うことができる。これにより、電源断クラス及び当該電源断クラスに近い省電力クラス(PCであればスタンバイモード)を別々の電力クラスとして生成することが可能となる。
【0071】
《第2の実施形態》
次に、第2の実施形態について、図15〜図17に基づいて説明する。本第2の実施形態では、電力値解析部として、第1の実施形態の電力値解析部70の機能及びDBに加えて、省電力統計部19、ユーザDB31、省電力DB32が設けられた電力値解析部70’が採用されている。
【0072】
省電力統計部19は、電力クラスDB18(図16(c)参照)に登録されている電力クラスの情報と、電力DB16の電力値とを用いて、コンセント毎に、各電力クラスに属した時間を計算し、省電力DB32に登録するものである。ここで、省電力DB32は、図16(b)に示すように、「ユーザ」、「コンセント」、「日付」、「電源断時間(分)」、「通常時間(分)」、「省電力時間(分)」のフィールドを有している。「ユーザ」及び「コンセント」のフィールドには、ユーザとコンセントとを関連付けて格納するユーザDB31(図16(a))から取得される情報が入力される。また、「日付」のフィールドには、省電力統計部19が計算をしたデータの日付が入力される。更に、「電源断時間(分)」、「通常時間(分)」及び「省電力時間(分)」のフィールドには、コンセントの消費電力が各電力クラスに属した時間が入力される。なお、各電力クラスに属した時間としては、各電力クラスの頻度(回)に、時区間(5分)を積算した値を採用することができる。
【0073】
本第2の実施形態では、ユーザ端末30から入力された省電力情報の送信依頼を、受付部14が受け付けると、回答部15は、そのユーザが利用しているコンセントをユーザDB31から取得する。そして、回答部15は、取得したコンセントにおける省電力時間(分)の合計を取得する。また、回答部15は、次式(2)に基づいて、省電力することで節約できた電力を算出する。
(省電力することで節約できた電力)=
省電力時間×(通常クラスの中央値−省電力クラスの中央値) …(2)
【0074】
そして、回答部15は、省電力時間の合計と、省電力することで節約できた電力とを、例えば、図17に示す画面形式(表示領域41に省電力時間の合計と、節約できた電力が記載されている)でユーザ端末30に送信する。ユーザ端末30では、図17の画面を表示部上に表示する。
【0075】
このように、本第2の実施形態では、ユーザが省電力した時間を算出し、表示することで、省電力の努力を数値に表してユーザに示すことができるようになる。また、省電力による節約電力量を算出することで、省電力の実績を数値で評価することができるようになる。これにより、ユーザは、自己の節電努力を確認することができる。
【0076】
なお、省電力統計部19は、節電できた時間や量、ピーク削減量などに基づいて、省電力判定装置10’が管理しているユーザ内におけるランキングを作成し、図17に符号43で示すように表示することとしてもよい。これにより、継続的に節電努力を行っている人を適切に評価することが可能となる。
【0077】
なお、図18(a)に示すように、図等を用いてランキングを表示することとしてもよい。この場合、他のユーザを選択した場合に、選択したユーザと本人との節電量の差(あるいは、選択したユーザの節電量そのものでもよい)を表示することとしてもよい。
【0078】
また、図18(b)に示すように、ランキングの推移を表示するようにしても良い。また、図18(a)において選択したユーザのランキングの推移を表示できるようにしてもよい。
【0079】
なお、上記各実施形態では、電力クラス生成部11による電力クラスの生成方法として、図10のような方法を採用した場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、電力クラス生成部11は、図19に示すように、頻度が0になる点を基準として電力値をクラス分けし、当該クラス分けした各範囲のうち、所定の閾値以上の頻度がある範囲を電力クラスとするようにしてもよい。
【0080】
また、例えば、図20に示すように、電力クラス生成部11は、電力値を等間隔に取った枠内の頻度が所定の閾値以上の頻度となる場合に、その枠を電力クラスとするようにしてもよい。また、上記に限らず、電力値の頻度に基づいて電力クラスを生成する方法であれば、その他種々の方法を採用することもできる。
【0081】
なお、上記各実施形態では、電力値解析部70、70’に時系列ノイズ除去部12を設け、ノイズの可能性が高い電力クラスを正式登録しない(除去する)場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、ノイズの発生する可能性が低い機器がコンセントに接続されるような場合には、電力値解析部70、70’に時系列ノイズ除去部12を設けないこととしてもよい。
【0082】
なお、上記各実施形態では、ユーザ端末30における省電力行動を評価する場合を例にとり説明したが、これに限らず、その他の機器における省電力行動を評価することとしてもよい。
【0083】
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、処理装置が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。
【0084】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD(Digital Versatile Disc)、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)などの可搬型記録媒体の形態で販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0085】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0086】
上述した実施形態は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
【0087】
なお、以上の説明に関して更に以下の付記を開示する。
(付記1) 機器が接続されるコンセントにおいて定期的に取得された消費電力値の一定期間内における出現頻度に基づいて、消費電力値を範囲分けし、当該範囲分けされた範囲を電力値範囲として生成する生成工程と、
前記生成工程で生成された各電力値範囲に含まれる消費電力値に基づいて、前記機器が未使用の電力値範囲である第1の電力値範囲と、前記機器が通常使用されている電力値範囲である第2の電力値範囲と、を特定する特定工程と、
前記生成工程で生成された電力値範囲の中から、前記第1の電力値範囲と前記第2の電力値範囲との間の電力値範囲を抽出し、省電力範囲として決定する決定工程と、をコンピュータが実行することを特徴とする電力値解析方法。
(付記2) 前記生成工程で生成された電力値範囲それぞれに含まれる消費電力値が、前記一定期間の間に連続的に取得できているか否かを判断する判断工程と、
前記判断工程の結果、前記消費電力値が連続的に取得できていない電力値範囲があった場合に、当該電力値範囲を前記生成工程で生成された電力値範囲から除去する除去工程と、を前記コンピュータが更に実行することを特徴とする付記1に記載の電力値解析方法。
(付記3) 前記生成工程では、基準となる消費電力値の大きさに基づいて探索範囲を特定し、当該探索範囲内における出現頻度に基づいて範囲分けを行うか否かを判断する処理を、前記基準となる消費電力を変更しながら繰り返し実行することを特徴とする付記1又は2に記載の電力値解析方法。
(付記4) 付記1〜3のいずれかに記載の電力値解析方法を用いて、前記省電力範囲を決定する電力値解析工程と、
前記電力値解析工程で決定された前記省電力範囲に基づいて、前記コンセントに接続された機器を利用するユーザの省電力行動を評価する評価工程と、をコンピュータが実行することを特徴とする省電力評価方法。
(付記5) 機器が接続されるコンセントにおいて定期的に取得された消費電力値の一定期間内における出現頻度に基づいて、消費電力値を範囲分けし、当該範囲分けされた範囲を電力値範囲として生成し、
前記生成工程で生成された各電力値範囲に含まれる消費電力値に基づいて、前記機器が未使用の電力値範囲である第1の電力値範囲と、前記機器が通常使用されている電力値範囲である第2の電力値範囲と、を特定し、
前記生成工程で生成された電力値範囲の中から、前記第1の電力値範囲と前記第2の電力値範囲との間の電力値範囲を抽出し、省電力範囲として決定する決定する処理、をコンピュータに実行させることを特徴とする電力値解析プログラム。
(付記6) 前記生成する処理で生成された電力値範囲それぞれに含まれる消費電力値が、前記一定期間の間に連続的に取得できているか否かを判断し、
前記判断する処理の結果、前記消費電力値が連続的に取得できていない電力値範囲があった場合に、当該電力値範囲を前記生成工程で生成された電力値範囲から除去する処理、を前記コンピュータが更に実行することを特徴とする付記5に記載の電力値解析プログラム。
(付記7) 前記生成する処理では、基準となる消費電力値の大きさに基づいて探索範囲を特定し、当該探索範囲内における出現頻度に基づいて範囲分けを行うか否かを判断する処理を、前記基準となる消費電力を変更しながら繰り返し実行することを特徴とする付記5又は6に記載の電力値解析プログラム。
(付記8) 付記5〜7のいずれかに記載の電力値解析プログラムをコンピュータに実行させることにより決定される省電力範囲に基づいて、前記コンセントに接続された機器を利用するユーザの省電力行動を評価する処理をコンピュータに実行させることを特徴とする省電力評価プログラム。
(付記9) 機器が接続されるコンセントにおいて定期的に取得された消費電力値を格納する格納部と、
前記格納部に格納されている前記消費電力値の一定期間内における出現頻度に基づいて、消費電力値を範囲分けし、当該範囲分けされた範囲を電力値範囲として生成する生成部と、
前記生成部が生成した各電力値範囲に含まれる消費電力値に基づいて、前記機器が未使用の電力値範囲である第1の電力値範囲と、前記機器が通常使用されている電力値範囲である第2の電力値範囲と、を特定する特定部と、
前記生成部で生成された電力値範囲の中から、前記第1の電力値範囲と前記第2の電力値範囲との間の電力値範囲を抽出し、省電力範囲として決定する決定部と、を備える電力値解析装置。
(付記10) 前記生成部が生成した電力値範囲それぞれに含まれる消費電力値が、前記一定期間の間に連続的に取得できているか否かを判断する判断部と、
前記判断部の判断の結果、前記消費電力値が連続的に取得できていない電力値範囲があった場合に、当該電力値範囲を前記生成工程で生成された電力値範囲から除去する除去部と、を更に備える付記9に記載の電力値解析装置。
(付記11) 前記生成部は、基準となる消費電力値の大きさに基づいて探索範囲を特定し、当該探索範囲内における出現頻度に基づいて範囲分けを行うか否かを判断する処理を、前記基準となる消費電力を変更しながら繰り返し実行することを特徴とする付記9又は10に記載の電力値解析装置。
(付記12) 付記7に記載の電力値解析装置と、
前記電力値解析装置で決定された前記省電力範囲に基づいて、前記コンセントに接続された機器を利用するユーザの省電力行動を評価する評価部と、を備える省電力評価装置。
【符号の説明】
【0088】
10 省電力判定装置(省電力評価装置)
11 電力クラス生成部(生成部)
12 時系列ノイズ除去部(判断部、除去部)
13 電力クラス判定部(特定部、決定部)
15 回答部(評価部)
16 電力DB(格納部)
30 ユーザ端末(機器)
70 電力値解析装置
【技術分野】
【0001】
本件は、電力値解析方法、電力値解析プログラム及び電力値解析装置。並びに省電力評価方法、省電力評価プログラム及び省電力評価装置に関する。
【背景技術】
【0002】
東日本大震災による発電所の停止などにより、電力の供給力が低下し、需要に対して供給が不足する事態が危惧されている。そのため、最近では、電気を使用する者の節電に対する意識は非常に高くなってきている。従来は、使用している電力を分電盤単位で測定し、当該測定した電力を表示するなどして、電気を使用する者に現在使用している電力を周知させるようにしていた。しかしながら、この方法では、機器毎の省電力状態を把握することはできなかった。
【0003】
これに対し、最近では、簡易型電力測定器で各機器の消費電力を測定するシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
このようなシステムを用いて各機器の消費電力を管理する場合、各機器が接続されたコンセント毎に消費電力を管理することが考えられる。また、コンセントに接続された機器が省電力状態であるか否かを判別するためには、コンセント毎に接続されている機器の種別(PCやディスプレイなど)を登録しておく必要がある。また、省電力状態であるか否かを判別するためには、機器の種別ごとに電力パターン(省電力の電力値範囲等)を予め設定しておくことが必要になると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−257896号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、同一の機器種別であったとしても、同一の電力パターンを有していないことが多々ある。例えば、デスクトップPCとノートPCとでは電力パターンが異なるし、ハイパワーPCと小型PCとでも電力パターンは異なる。このため、同一の機器種別であっても、省電力状態か否かを判断するための電力値範囲を一律に設定することはできない。また、省電力状態の判断を精度良く行うためには、省電力の範囲を細分化して設定する必要が生じるが、このような場合、膨大な量の機器の登録、電力値範囲の設定が必要となってしまう。
【0007】
更に、機器種別の設定・登録を人手で行うこととすると、入力が面倒であることから入力頻度が低下してしまったり、設定し忘れ等が発生したりするおそれがある。
【0008】
そこで本件は上記の課題に鑑みてなされたものであり、自動で、省電力を判断するための電力値範囲を解析することが可能な電力値解析方法、電力値解析プログラム及び電力値解析装置を提供することを目的とする。また、本件は、省電力しているか否かの評価を適切に行うことが可能な省電力評価方法、省電力評価プログラム及び省電力評価装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本明細書に記載の電力値解析方法は、機器が接続されるコンセントにおいて定期的に取得された消費電力値の一定期間内における出現頻度に基づいて、消費電力値を範囲分けし、当該範囲分けされた範囲を電力値範囲として生成する生成工程と、前記生成工程で生成された各電力値範囲に含まれる消費電力値に基づいて、前記機器が未使用の電力値範囲である第1の電力値範囲と、前記機器が通常使用されている電力値範囲である第2の電力値範囲と、を特定する特定工程と、前記生成工程で生成された電力値範囲の中から、前記第1の電力値範囲と前記第2の電力値範囲との間の電力値範囲を抽出し、省電力範囲として決定する決定工程と、をコンピュータが実行する電力値解析方法である。
【0010】
本明細書に記載の省電力評価方法は、本明細書に記載の電力値解析方法を用いて、前記省電力範囲を決定する電力値解析工程と、前記電力値解析工程で決定された前記省電力範囲に基づいて、前記コンセントに接続された機器を利用するユーザの省電力行動を評価する評価工程と、をコンピュータが実行する省電力評価方法である。
【0011】
本明細書に記載の電力値解析プログラムは、機器が接続されるコンセントにおいて定期的に取得された消費電力値の一定期間内における出現頻度に基づいて、消費電力値を範囲分けし、当該範囲分けされた範囲を電力値範囲として生成し、前記生成工程で生成された各電力値範囲に含まれる消費電力値に基づいて、前記機器が未使用の電力値範囲である第1の電力値範囲と、前記機器が通常使用されている電力値範囲である第2の電力値範囲と、を特定し、前記生成工程で生成された電力値範囲の中から、前記第1の電力値範囲と前記第2の電力値範囲との間の電力値範囲を抽出し、省電力範囲として決定する決定する処理、をコンピュータに実行させる電力値解析プログラムである。
【0012】
本明細書に記載の省電力評価プログラムは、本明細書に記載の電力値解析プログラムをコンピュータに実行させることにより決定される省電力範囲に基づいて、前記コンセントに接続された機器を利用するユーザの省電力行動を評価する処理をコンピュータに実行させる省電力評価プログラムである。
【0013】
本明細書に記載の電力値解析装置は、機器が接続されるコンセントにおいて定期的に取得された消費電力値を格納する格納部と、前記格納部に格納されている前記消費電力値の一定期間内における出現頻度に基づいて、消費電力値を範囲分けし、当該範囲分けされた範囲を電力値範囲として生成する生成部と、前記生成部が生成した各電力値範囲に含まれる消費電力値に基づいて、前記機器が未使用の電力値範囲である第1の電力値範囲と、前記機器が通常使用されている電力値範囲である第2の電力値範囲と、を特定する特定部と、前記生成部で生成された電力値範囲の中から、前記第1の電力値範囲と前記第2の電力値範囲との間の電力値範囲を抽出し、省電力範囲として決定する決定部と、を備えている。
【0014】
本明細書に記載の省電力評価装置は、本明細書に記載の電力値解析装置と、前記電力値解析装置で決定された前記省電力範囲に基づいて、前記コンセントに接続された機器を利用するユーザの省電力行動を評価する評価部と、を備えている。
【発明の効果】
【0015】
本明細書に記載の電力値解析方法、電力値解析プログラム及び電力値解析装置は、自動で、省電力を判断するための電力値範囲を解析することができるという効果を奏する。また、本明細書に記載の省電力評価方法、省電力評価プログラム及び省電力評価装置は、省電力しているか否かの評価を適切に行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1の実施形態に係る省電力判定システムの構成を概略的に示す図である。
【図2】図2(a)は、省電力判定装置のハードウェア構成を示す図であり、図2(b)は、電源タップ管理装置のハードウェア構成を示す図である。
【図3】図1の省電力判定システムの機能ブロック図である。
【図4】電力DBを示す図である。
【図5】判定ポリシを示す図である。
【図6】電力クラスDBを示す図である。
【図7】電力クラス生成部の処理を示すフローチャートである。
【図8】ステップS14で電力DBから取得されるデータを示す図である。
【図9】ステップS16で取得されるヒストグラムである。
【図10】図7のステップS30、S32の処理を説明するための図である。
【図11】図7の処理により生成される電力クラスC(1)〜C(5)を示す図である。
【図12】時系列ノイズ除去部の処理を示す図である。
【図13】時系列ノイズ除去部の処理を説明するための図である。
【図14】電力クラス判定部の処理を説明するための図である。
【図15】第2の実施形態に係る省電力判定システムの機能ブロック図である。
【図16】図16(a)は、第2の実施形態で用いるユーザDBを示す図であり、図16(b)は、第2の実施形態で用いる省電力DBを示す図であり、図16(c)は、第2の実施形態で用いる電力クラスDBを示す図である。
【図17】回答部による回答(画面形式)の一例を示す図である。
【図18】図18(a)、図18(b)は、第2の実施形態の変形例を示す図である。
【図19】電力クラスの生成方法に関する変形例(その1)を示す図である。
【図20】電力クラスの生成方法に関する変形例(その2)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
《第1の実施形態》
以下、第1の実施形態について、図1〜図14に基づいて詳細に説明する。図1には、第1の実施形態にかかる省電力判定システム100の構成が概略的に示されている。図1に示すように、省電力判定システム100は、省電力評価装置としての省電力判定装置10と、電源タップ管理装置20と、機器としてのユーザ端末30と、を備える。各装置は、LAN(Local Area Network)などのネットワーク60に接続されている。
【0018】
省電力判定装置10は、ユーザ端末30において使用された電力を解析して、省電力化が図られているか否かを判定したり、省電力を評価したりする。
【0019】
図2(a)には、省電力判定装置10のハードウェア構成が示されている。図2(a)に示すように、省電力判定装置10は、コンピュータとしてのCPU90、ROM92、RAM94、記憶部(ここではHDD(Hard Disk Drive))96、可搬型記憶媒体用ドライブ99、ネットワークインタフェース97等を備えており、構成各部は、バス98に接続されている。省電力判定装置10では、ROM92あるいはHDD96に格納されているプログラム(電力値解析プログラム及び省電力評価プログラム)又は可搬型記憶媒体用ドライブ99が可搬型記憶媒体91から読み出したプログラムをCPU90が実行することにより、図3に示す各部の機能が実現される。また、省電力判定装置10は、ネットワークインタフェース97を介して、ネットワーク60に接続されている。
【0020】
図1に戻り、電源タップ管理装置20は、電源タップ50が有する各コンセントにおける消費電力をモニタし、省電力判定装置10に対して出力する。なお、電源タップ50は、コンセント毎の消費電力値を検出する電力センサ52(図3参照)を1又は複数(図3では2つ)有する電源タップであるものとする。電源タップ50のコンセントには、ユーザ端末30等が接続される。
【0021】
図2(b)には、電源タップ管理装置20のハードウェア構成が示されている。図2(b)に示すように、電源タップ管理装置20は、CPU190、ROM192、RAM194、記憶部(HDD)196、ネットワークインタフェース197等を備えており、電源タップ管理装置20の構成各部は、バス198に接続されている。電源タップ管理装置20では、ROM192あるいはHDD196に格納されているプログラムをCPU190が実行することにより、図3に示すセンサ情報収集部22としての機能が実現される。また、電源タップ管理装置20は、ネットワークインタフェース197を介して、ネットワーク60に接続されている。
【0022】
図3には、図1の省電力判定システム100の機能ブロック図が示されている。図3に示すように、省電力判定装置10では、CPU90が電力値解析プログラムを実行することにより、電力値解析装置としての電力値解析部70、受付部14、及び評価部としての回答部15、としての機能が実現されている。ここで、電力値解析部70は、生成部としての電力クラス生成部11と、判断部及び除去部としての時系列ノイズ除去部12と、特定部及び決定部としての電力クラス判定部13と、を有している。なお、図3では、ROM92やHDD96などに格納されている格納部としての電力DB16、判定ポリシ17、電力クラスDB18も図示されている。
【0023】
電力クラス生成部11は、判定ポリシ17に従って、電力DB16に格納されている一定期間内のデータ(電力値)に基づいて、電力値のヒストグラムを作成し、電力値の出現頻度が高い電力値範囲を抽出する。なお、この電力値範囲の抽出を「クラス分け」とも呼ぶ。そして、電力クラス生成部11は、クラス分けされた電力値範囲を電力クラスとして生成する。ここで、電力クラスは、区間[W1,W2]で表される電力値範囲であるものとする。
【0024】
なお、電力DB16には、図4に示すように、「センサID」、「Time」、「電力」の各フィールドが設けられている。「センサID」のフィールドには、コンセントのIDが記録され、「Time」のフィールドには、電力値の取得日時が記録される。また、「電力」のフィールドには、5分単位の消費電力値が記録される。
【0025】
判定ポリシ17は、図5に示すように、「生成ポリシID」、「集計期間(ms)」、「時区間(ms)」、「電力単位(W)」、「クラス融合範囲」、「適用コンセント」の各フィールドを有する。なお、判定ポリシ17の各フィールドの具体的内容については、後述する。
【0026】
時系列ノイズ除去部12は、電力クラス生成部11で生成された電力クラスの中に、電力クラスに含まれる消費電力値が時系列的に見て連続的に取得できていない電力クラスがあるか否かを判断する。また、時系列ノイズ除去部12は、連続的に取得できていない電力クラスがあった場合に、当該電力クラスを電力クラス生成部11で生成された電力クラスから除外し、その他の電力クラスを正式登録する。
【0027】
電力クラス判定部13は、時系列ノイズ除去部12で正式登録された電力クラスの中から、ユーザ端末30の電源がOFF(ユーザ端末30が未使用)の電力クラス(電源断クラス)を特定する。また、電力クラス判定部13は、時系列ノイズ除去部12で正式登録された電力クラスの中から、ユーザ端末30が通常使用されている電力クラス(通常クラス)を特定する。更に、電力クラス判定部13は、時系列ノイズ除去部12で正式登録された電力クラスのうち、電源断クラスと通常クラスとの間の電力クラスを、省電力クラスとして決定する。これら電源断クラス、通常クラス、及び省電力クラスの各クラスは、電力クラスDB18に格納される。
【0028】
ここで、電力クラスDB18は、図6に示すように、「センサID」、「日付」、「電力クラス(電源断)」、「電力クラス(通常)」、「電力クラス(その他)」の各フィールドを有している。「センサID」のフィールドには、コンセントのIDが記録され、「日付」のフィールドには、電力クラスを取得した日付が記録される。また、「電力クラス(電源断)」のフィールドには、電力クラス判定部13で特定された電源断クラスの電力値範囲が格納され、「電力クラス(通常)」のフィールドには、電力クラス判定部13で特定された通常クラスの電力値範囲が格納される。更に、「電力クラス(その他)」のフィールドには、電力クラス判定部13で決定された省電力クラスの電力値範囲が格納される。
【0029】
受付部14は、ユーザ端末30から入力される、「省電力情報の送信依頼」を受け付ける。回答部15は、受付部14において受け付けた省電力情報の送信依頼に基づいて、ユーザ端末30に対して、省電力の実績を回答する。ユーザ端末30では、回答部15から回答された省電力の実績を表示部上に表示する。
【0030】
電源タップ管理装置20のセンサ情報収集部22は、電源タップ50の各電力センサ52から定期的に(例えば5分毎に)、消費電力値を取得し、当該取得した消費電力値を電力DB16に格納する。なお、電力DB16は、電源タップ管理装置20が保持していてもよい。
【0031】
次に、本第1の実施形態の省電力判定装置10の処理について、図7、図12、図14のフローチャートに沿って、その他図面を適宜参照しつつ詳細に説明する。なお、図7、図12、図14の処理は、例えば、1日の終わり(午前0:00以降)において、各コンセントの1日分の消費電力値(データ)を用いて行われる処理である。なお、図7の処理が終了した後に図12の処理が実行され、図12の処理が終了した後に図14の処理が実行されるものとする。
【0032】
<電力クラス生成部11の処理(図7)>
図7の処理は、図5の判定ポリシ17の生成ポリシID=ポリシ1に従った処理である。ポリシ1では、集計期間は86400000ms=24時間とし、時区間(消費電力値の取得単位)は300000ms=5分としている。また、後述するヒストグラムを取得する電力単位は0.1Wであり、後述するクラス融合範囲は、5%となっている。
【0033】
図7の処理では、まず、ステップS10において、電力クラス生成部11が、全コンセントを抽出したか否かを判断する。ここでの判断が否定されると、次のステップS12において、電力クラス生成部11が、コンセントを1つ抽出する。
【0034】
次いで、ステップS14では、電力クラス生成部11が、抽出したコンセントの1日分の電力を電力DB16から取得する。この場合、電力クラス生成部11は、図8にグラフで示すようなデータ(時刻と、電力値(W)とが関連付けられたデータ)を取得することになる。
【0035】
次いで、ステップS16では、電力クラス生成部11が、図8のデータを用いて、0.1W単位でヒストグラムHをとる。なお、ヒストグラムHをとる単位は、図5の判定ポリシ17の電力単位〔W〕を意味している。ここで、頻度hは、h=H(p){p:電力値,p≧0.0,最大値pmax})と表すことができる。ステップS16では、図9に示すようなグラフ(横軸が電力(W)で縦軸が頻度(回)のグラフ)を得ることができる。
【0036】
次いで、ステップS18では、電力クラス生成部11が、電力pを0に設定するとともに、電力クラスのクラス番号を示すパラメータnを1に設定する。次いで、ステップS22では、電力クラス生成部11が、pは最大値pmax以上か否かを判断する。ここでの判断が肯定された場合には、ステップS10に戻るが、ステップS22の判断が否定された場合には、ステップS24に移行する。
【0037】
次いで、ステップS24では、電力クラス生成部11が、頻度が1以上か否かを判断する。ここでの判断が否定された場合には、ステップS27において、電力クラス生成部11が、電力pを0.1Wだけ大きくした後、ステップS22に戻るが、肯定された場合には、ステップS26に移行する。
【0038】
ステップS24の判断が肯定されてステップS26に移行すると、電力クラス生成部11は、近傍(電力がp〜0.1+1.05pの区間(探索範囲))の頻度の合計が3以上であるか否かを判断する。ここでの判断が否定された場合には、ステップS27において、電力クラス生成部11が、電力pを0.1Wだけ大きくした後、ステップS22に戻る。なお、上記区間を規定する1.05は、図5の判定ポリシ17のポリシ1で定義されているクラス融合範囲(5%)を意味する。
【0039】
一方、ステップS26の判断が肯定され、ステップS28に移行すると、電力クラス生成部11は、新しい電力クラスC(n)(ここではC(1))=[p,q]を生成する。ただしq={p≦x≦0.1+(1.05)pかつH(x)>0を満たす最大のx}とする。すなわち、qは、p〜0.1+1.05pの間で電力値が検出される最大値を意味し、pは、p〜0.1+1.05pの間で電力値が検出される最小値を意味する。例えば、図10に模式的に示すように、p=70の場合には、0.1+1.05pは、73.6となる。この場合、電力値が70〜73.6の間で電力値が検出されている最大の電力値がqとなる。
【0040】
図7に戻り、次のステップS30では、電力クラス生成部11が、p≦r≦qを満たすrのいずれかについて近傍の頻度の合計が3以上であるか否かを判断する。すなわち、次式(1)を満たしているか否かを判断する。
ΣH(x){r≦x≦0.1+(1.05)r}≧3 …(1)
【0041】
ここで、図10に示すようにrを設定すると、r〜0.1+1.05rの間の頻度は4であり、3以上であるので、ステップS30の判断は肯定されて、ステップS32に移行する。
【0042】
ステップS32では、電力クラス生成部11が、C(n)(=C(1))の最大値qをq={r≦x≦0.1+(1.05)rかつH(x)>0を満たす最大のx}に設定する。図10では、「q’」と表記している電力値がC(1)の最大値qに設定される。その後は、ステップS30に戻る。
【0043】
ステップS30に戻ると、電力クラス生成部11は、rを図10のr’とする。この場合、r’〜0.1+1.05r’の間の頻度は合計が2であるので、ステップS30の判断は否定されることになる。ステップS30の判断が否定されると、ステップS34に移行する。図10の場合、p〜q’の範囲(〔p,q’〕)が最終的な電力クラスC(1)となる。
【0044】
なお、ステップS30及びS32の処理は、ステップS28で定めた電力クラス〔p,q〕の範囲に対して新たに含めるべき電力値範囲を新たに特定し、当該特定した範囲を電力クラスに併合する処理であるといえる。また、本処理により、電力クラスの範囲は、適切な範囲で可能な限り広げられているといえる。
【0045】
ステップS34に移行すると、電力クラス生成部11は、pをqに設定するとともに、nを1インクリメント(n←n+1)して、ステップS22に戻る。その後は、電力クラス生成部11は、上記と同様の処理を繰り返し行うことで、n=2以降の電力クラス(C(2)、C(3)…)を生成する。なお、上記処理を繰り返し、pが最大値pmax以上となった段階で、ステップS22の判断が肯定され、ステップS10に戻る。その後は、上記と同様の処理を繰り返し、全てのコンセントに対する処理が終了した段階で、ステップS10の判断が肯定され、図7の全処理が終了する。
【0046】
なお、上記処理を行うことで、あるコンセントについて、図11に示すような電力クラス(C(1)〜C(5))が生成されたものとする。ここで、取得された電力クラスは、C(1)[0.0,0.2]、C(2)[2.3,2.5],C(3)[38.4,39.3]、C(4)[51.4,59.8]、C(5)[71.7,77.5]である。
【0047】
<時系列ノイズ除去部12の処理(図12)>
次に、図7の処理の後に行われる図12の処理(時系列ノイズ除去処理)について説明する。
【0048】
図12の処理では、まず、ステップS40において、時系列ノイズ除去部12が、全コンセントを抽出したか否かを判断する。ここでの判断が否定されると、ステップS42に移行し、時系列ノイズ除去部12は、コンセントを1つ抽出する。なお、ここでは、図11に示す電力クラス(C(1)〜C(5))を有するコンセントが抽出されたものとする。なお、以下の処理では、図11の電力クラスの中からノイズである電力クラスを特定し、除去する(すなわち、ノイズ以外の電力クラスを正式登録する)処理が行われる。
【0049】
次いで、ステップS44では、時系列ノイズ除去部12が、ステップS42で抽出されたコンセントに属する全電力クラス(図11のC(1)〜C(5))を読み出す。次いで、ステップS46では、時系列ノイズ除去部12が、時刻tを00:00に設定する。次いで、ステップS48では、時系列ノイズ除去部12が、時刻tを5分進める(00:05)。次いで、ステップS50では、時系列ノイズ除去部12が、tは24:00を超えたか否かを判断する。ここでの判断が否定された場合には、ステップS52に移行する。
【0050】
次いで、ステップS52では、時系列ノイズ除去部12が、図13の時刻と電力値との関係を示すグラフを参照して、時刻t(=00:05)の時の電力ep(t)がいずれかの電力クラスC(i)に属するか否かを判断する。ここでの判断が否定された場合には、ステップS48に戻るが、判断が肯定された場合には、ステップS54に移行する。ステップS54では、時系列ノイズ除去部12は、ep(t+00:05)に属する電力クラスC(j)を取得する。
【0051】
次いで、ステップS56では、時系列ノイズ除去部12が、C(j)が存在し,かつC(i)とC(j)は同じクラスか否かを判断する。ここでの判断が否定された場合には、ステップS48に戻るが、ここでの判断が肯定された場合には、ステップS58に移行する。
【0052】
そして、ステップS58では、時系列ノイズ除去部12が、C(i)を電力クラスとして正式に登録する(RAM94等に一時格納する)。
【0053】
なお、上記ステップS48〜S58の処理を繰返し実行することにより、ある電力クラスに属する電力値が連続して取得されている場合に、その電力クラスを正式に登録することができるようになっている。例えば、図13に示す電力クラスC(5)では、当該電力クラスの電力値が連続的に取得されている。このため、電力クラスC(5)は、電力クラスとして正式に登録される(RAM94等に一時格納される)ことになる。一方、図13に示す電力クラスC(4)では、当該電力クラスの電力値が丸印で示すようにバラバラに取得されている(連続的に取得できていない)ので、電力クラスC(4)は、電力クラスとして正式に登録されない。すなわち、電力クラスC(4)は、最終的には、ノイズであるとして電力クラスから除去されることになる。
【0054】
以上の処理を経て、ステップS50の判断が肯定されるとステップS40に戻る。そして、ステップS40の判断が肯定された段階(全コンセントの電力クラスのノイズ除去が完了した段階)で、図12の全処理が終了する。
【0055】
以上の図12の処理により、電源をONにしてから定常状態になるまでの途中の電力や、使用中から省電力中に移行する間の電力、省電力中から使用中に移行する電力によって、電力クラスが生成され、当該電力クラスが正式登録されるのを回避することができる。これにより、電力クラスの生成をより適切に行うことが可能となる。なお、図11の場合、C(1)[0.0,0.2]、C(2)[2.3,2.5],C(3)[38.4,39.3],C(5)[71.7,77.5]がコンセントの電力クラスとして正式に登録された(RAM94等に一時格納された)ものとする
【0056】
<電力クラス判定部13の処理(図14)>
次に、図12の処理の後に行われる図14の処理について説明する。図14の処理では、まず、ステップS66において、電力クラス判定部13が、全コンセントを抽出したか否かを判断する。ここでの判断が否定されると、ステップS68に移行し、電力クラス判定部13は、コンセントを1つ抽出する。次いで、ステップS70では、電力クラス判定部13が、抽出したコンセントの電力クラス(正式に登録された電力クラス)のうち電力値が最小のクラスCminを選ぶ。例えば、図11の電力クラス(C(1),C(2),C(3),C(5))からは、電力クラスC(1)が選ばれることになる。
【0057】
次いで、ステップS72では、電力クラス判定部13が、Cmin=C(1)は電力値0.0を含むか否かを判断する。ここでは、C(1)の範囲が、[0.0,0.2]であるので、判断は肯定される。ここでの判断が肯定された場合には、ステップS74に移行し、電力クラス判定部13は、Cmin=C(1)を「電源断クラス」と判定する。なお、ステップS72の判断が否定された場合、すなわち、Cminが電力値0.0を含まなかった場合には、ステップS76において、電力クラス判定部13が、「電源断クラス」がなかったと判定する。
【0058】
次いで、ステップS78では、電力クラス判定部13が、正式に登録された電力クラスのうち電力値が最大のクラスCmaxを選ぶ。ここでは、電力クラスC(5)が選ばれることになる。
【0059】
次いで、ステップS80では、電力クラス判定部13が、Cmax=C(5)に属するデータ数が全体の所定割合(例えば、5%)以上であるか否かを判断する。電力値は5分単位で、1日288個のデータが得られるので、その5%以上(15個以上)のデータが電力クラスC(5)に含まれているか否かを判断する。ここでの判断が肯定された場合には、ステップS82に移行し、電力クラス判定部13は、Cmax=C(5)を「通常クラス」と判定する。一方、ステップS80における判断が否定された場合には、ステップS84に移行し、電力クラス判定部13は、次に大きなクラスCmaxを選ぶ。そして、ステップS86では、選べたか否かを判断する。ここでの判断が否定された場合には、ステップS94に移行するが、肯定された場合には、ステップS80に戻る。その後は、上記と同様の処理を実行する。
【0060】
ステップS82において通常クラスの判定が行われた後は、ステップS88において、電力クラス判定部13が、正式に登録された電力クラスのうち電源断クラスを越え、かつ通常クラスを越えない電力値範囲の電力クラスを選ぶ。図11では、電力クラスC(2)、C(3)が選ばれるものとする。
【0061】
次いで、ステップS90では、電力クラス判定部13が、ステップS88において電力クラスを選べたか否かを判断する。ここでの判断が否定された場合には、ステップS94に移行する。一方、ステップS90の判断が肯定された場合には、ステップS92に移行し、電力クラス判定部13は、選んだそれぞれの電力クラス(C(2)、C(3))を「省電力クラス」と判定する。なお、前述したステップS72の判断が否定され、電源断クラスなしと判定されていた場合には、ステップS88において電力クラスを選ぶことはできないものとする。
【0062】
ステップS94に移行した場合、電力クラス判定部13は、これまでに判定された各クラスを電力クラスDB18(図6)に登録する。その後は、ステップS66に戻る。以降、全てのコンセントに対する上記のような電力クラスの判定処理が行われ、電力クラスDB18への登録が行われた段階で、ステップS66の判断が肯定され、図14の全処理が終了する。
【0063】
<回答部15の処理>
次に、ユーザ端末30から入力された省電力情報の送信依頼を、受付部14が受け付けた場合の回答部15の処理について、説明する。
【0064】
回答部15は、ユーザ端末30が接続されているコンセントに関し、前日のデータを用いた上記処理の結果を参照する。そして、回答部15は、「省電力クラス」が電力クラスDB18の「電力クラス(その他)」のフィールドに登録されていた場合に、省電力が実施されている旨をユーザ端末30に回答する。この場合、ユーザ端末30では、ユーザ端末30が有する表示部に回答部15からの回答結果を表示する。これにより、ユーザ端末30を利用するユーザは、前日に省電力ができていたか否かを認識することができる。
【0065】
なお、省電力判定装置10では、電力クラスDB18において、省電力クラスの範囲を記憶している。したがって、回答部15は、ユーザが省電力情報の送信依頼を入力したタイミングで、ユーザ端末30の接続されているコンセントの最新の消費電力値を電力DB16から取得し、これに基づいて、以下の回答を行うこととしてもよい。
a) 最新の消費電力値が省電力クラスに属している場合は、「省電力である」と判定し、回答する。
b) 最新の消費電力値がその他のクラスに属している場合は、「省電力ではない」と判定し、回答する。
c) 最新の消費電力値がどのクラスにも属さない場合は、「その他(不明)」と判定し、回答する。
【0066】
なお、回答部15は、上記よりも詳細に、例えば、「電源断状態である」や「通常使用状態である」、あるいは「高負荷状態(通常使用よりも電力が高い)である」などと回答してもよい。
【0067】
以上、詳細に説明したように、本第1の実施形態によると、電力クラス生成部13が、各コンセントにおいて定期的に取得された消費電力値の一定期間内における出現頻度に基づいて、消費電力値を範囲分けし、当該範囲分けされた範囲を電力クラスとして生成する。また、生成された各電力値範囲に含まれる消費電力値に基づいて、電源断クラスと通常クラスを特定するとともに、電源断クラスと通常クラスとの間の電力クラスを省電力クラスとして電力クラスDB18に登録する。このように、本第1の実施形態では、コンセントに接続されている機器によらず、省電力を判断するための電力クラス(省電力クラス)を自動で解析し、電力クラスDB18に登録することができる。これにより、省電力の判断をする際には、コンセント別の機器の登録や、電力パターン(例えば省電力クラス)の登録を事前に行う必要がなくなる。
【0068】
また、本第1の実施形態によると、上記のようにして省電力クラスを自動で電力クラスDB18に登録することができるので、当該省電力クラスを用いて、ユーザの省電力行動を適切に評価することが可能となる。
【0069】
また、本第1の実施形態では、図7の処理で生成された電力クラスに含まれる消費電力値が、一定期間(例えば1日)の間に連続的に取得できていれば、その電力クラスを正式に登録し、連続的に取得できていなければ電力クラスから除外することとしている。これにより、電源をONにしてから定常状態になるまでの途中の電力などによって、電力クラスが誤って生成され、正式登録されるのを回避することができる。
【0070】
また、本第1の実施形態では、図7の処理において、基準となる消費電力値pの大きさに基づいて探索範囲(p〜0.1+1.05p)を特定し、当該探索範囲内における消費電力値の出現頻度に基づいて範囲分けを行うか否かを判断する処理をpを変更しながら繰返し行う。これにより、電力値の大きさに応じた適切な電力クラスの生成が可能となる。例えば、本第1の実施形態では、電力値0付近に関しては、細かい範囲を探索範囲として消費電力値の出現頻度に基づいて電力クラスの生成処理を行うことができる。これにより、電源断クラス及び当該電源断クラスに近い省電力クラス(PCであればスタンバイモード)を別々の電力クラスとして生成することが可能となる。
【0071】
《第2の実施形態》
次に、第2の実施形態について、図15〜図17に基づいて説明する。本第2の実施形態では、電力値解析部として、第1の実施形態の電力値解析部70の機能及びDBに加えて、省電力統計部19、ユーザDB31、省電力DB32が設けられた電力値解析部70’が採用されている。
【0072】
省電力統計部19は、電力クラスDB18(図16(c)参照)に登録されている電力クラスの情報と、電力DB16の電力値とを用いて、コンセント毎に、各電力クラスに属した時間を計算し、省電力DB32に登録するものである。ここで、省電力DB32は、図16(b)に示すように、「ユーザ」、「コンセント」、「日付」、「電源断時間(分)」、「通常時間(分)」、「省電力時間(分)」のフィールドを有している。「ユーザ」及び「コンセント」のフィールドには、ユーザとコンセントとを関連付けて格納するユーザDB31(図16(a))から取得される情報が入力される。また、「日付」のフィールドには、省電力統計部19が計算をしたデータの日付が入力される。更に、「電源断時間(分)」、「通常時間(分)」及び「省電力時間(分)」のフィールドには、コンセントの消費電力が各電力クラスに属した時間が入力される。なお、各電力クラスに属した時間としては、各電力クラスの頻度(回)に、時区間(5分)を積算した値を採用することができる。
【0073】
本第2の実施形態では、ユーザ端末30から入力された省電力情報の送信依頼を、受付部14が受け付けると、回答部15は、そのユーザが利用しているコンセントをユーザDB31から取得する。そして、回答部15は、取得したコンセントにおける省電力時間(分)の合計を取得する。また、回答部15は、次式(2)に基づいて、省電力することで節約できた電力を算出する。
(省電力することで節約できた電力)=
省電力時間×(通常クラスの中央値−省電力クラスの中央値) …(2)
【0074】
そして、回答部15は、省電力時間の合計と、省電力することで節約できた電力とを、例えば、図17に示す画面形式(表示領域41に省電力時間の合計と、節約できた電力が記載されている)でユーザ端末30に送信する。ユーザ端末30では、図17の画面を表示部上に表示する。
【0075】
このように、本第2の実施形態では、ユーザが省電力した時間を算出し、表示することで、省電力の努力を数値に表してユーザに示すことができるようになる。また、省電力による節約電力量を算出することで、省電力の実績を数値で評価することができるようになる。これにより、ユーザは、自己の節電努力を確認することができる。
【0076】
なお、省電力統計部19は、節電できた時間や量、ピーク削減量などに基づいて、省電力判定装置10’が管理しているユーザ内におけるランキングを作成し、図17に符号43で示すように表示することとしてもよい。これにより、継続的に節電努力を行っている人を適切に評価することが可能となる。
【0077】
なお、図18(a)に示すように、図等を用いてランキングを表示することとしてもよい。この場合、他のユーザを選択した場合に、選択したユーザと本人との節電量の差(あるいは、選択したユーザの節電量そのものでもよい)を表示することとしてもよい。
【0078】
また、図18(b)に示すように、ランキングの推移を表示するようにしても良い。また、図18(a)において選択したユーザのランキングの推移を表示できるようにしてもよい。
【0079】
なお、上記各実施形態では、電力クラス生成部11による電力クラスの生成方法として、図10のような方法を採用した場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、電力クラス生成部11は、図19に示すように、頻度が0になる点を基準として電力値をクラス分けし、当該クラス分けした各範囲のうち、所定の閾値以上の頻度がある範囲を電力クラスとするようにしてもよい。
【0080】
また、例えば、図20に示すように、電力クラス生成部11は、電力値を等間隔に取った枠内の頻度が所定の閾値以上の頻度となる場合に、その枠を電力クラスとするようにしてもよい。また、上記に限らず、電力値の頻度に基づいて電力クラスを生成する方法であれば、その他種々の方法を採用することもできる。
【0081】
なお、上記各実施形態では、電力値解析部70、70’に時系列ノイズ除去部12を設け、ノイズの可能性が高い電力クラスを正式登録しない(除去する)場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、ノイズの発生する可能性が低い機器がコンセントに接続されるような場合には、電力値解析部70、70’に時系列ノイズ除去部12を設けないこととしてもよい。
【0082】
なお、上記各実施形態では、ユーザ端末30における省電力行動を評価する場合を例にとり説明したが、これに限らず、その他の機器における省電力行動を評価することとしてもよい。
【0083】
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、処理装置が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。
【0084】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD(Digital Versatile Disc)、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)などの可搬型記録媒体の形態で販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0085】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0086】
上述した実施形態は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
【0087】
なお、以上の説明に関して更に以下の付記を開示する。
(付記1) 機器が接続されるコンセントにおいて定期的に取得された消費電力値の一定期間内における出現頻度に基づいて、消費電力値を範囲分けし、当該範囲分けされた範囲を電力値範囲として生成する生成工程と、
前記生成工程で生成された各電力値範囲に含まれる消費電力値に基づいて、前記機器が未使用の電力値範囲である第1の電力値範囲と、前記機器が通常使用されている電力値範囲である第2の電力値範囲と、を特定する特定工程と、
前記生成工程で生成された電力値範囲の中から、前記第1の電力値範囲と前記第2の電力値範囲との間の電力値範囲を抽出し、省電力範囲として決定する決定工程と、をコンピュータが実行することを特徴とする電力値解析方法。
(付記2) 前記生成工程で生成された電力値範囲それぞれに含まれる消費電力値が、前記一定期間の間に連続的に取得できているか否かを判断する判断工程と、
前記判断工程の結果、前記消費電力値が連続的に取得できていない電力値範囲があった場合に、当該電力値範囲を前記生成工程で生成された電力値範囲から除去する除去工程と、を前記コンピュータが更に実行することを特徴とする付記1に記載の電力値解析方法。
(付記3) 前記生成工程では、基準となる消費電力値の大きさに基づいて探索範囲を特定し、当該探索範囲内における出現頻度に基づいて範囲分けを行うか否かを判断する処理を、前記基準となる消費電力を変更しながら繰り返し実行することを特徴とする付記1又は2に記載の電力値解析方法。
(付記4) 付記1〜3のいずれかに記載の電力値解析方法を用いて、前記省電力範囲を決定する電力値解析工程と、
前記電力値解析工程で決定された前記省電力範囲に基づいて、前記コンセントに接続された機器を利用するユーザの省電力行動を評価する評価工程と、をコンピュータが実行することを特徴とする省電力評価方法。
(付記5) 機器が接続されるコンセントにおいて定期的に取得された消費電力値の一定期間内における出現頻度に基づいて、消費電力値を範囲分けし、当該範囲分けされた範囲を電力値範囲として生成し、
前記生成工程で生成された各電力値範囲に含まれる消費電力値に基づいて、前記機器が未使用の電力値範囲である第1の電力値範囲と、前記機器が通常使用されている電力値範囲である第2の電力値範囲と、を特定し、
前記生成工程で生成された電力値範囲の中から、前記第1の電力値範囲と前記第2の電力値範囲との間の電力値範囲を抽出し、省電力範囲として決定する決定する処理、をコンピュータに実行させることを特徴とする電力値解析プログラム。
(付記6) 前記生成する処理で生成された電力値範囲それぞれに含まれる消費電力値が、前記一定期間の間に連続的に取得できているか否かを判断し、
前記判断する処理の結果、前記消費電力値が連続的に取得できていない電力値範囲があった場合に、当該電力値範囲を前記生成工程で生成された電力値範囲から除去する処理、を前記コンピュータが更に実行することを特徴とする付記5に記載の電力値解析プログラム。
(付記7) 前記生成する処理では、基準となる消費電力値の大きさに基づいて探索範囲を特定し、当該探索範囲内における出現頻度に基づいて範囲分けを行うか否かを判断する処理を、前記基準となる消費電力を変更しながら繰り返し実行することを特徴とする付記5又は6に記載の電力値解析プログラム。
(付記8) 付記5〜7のいずれかに記載の電力値解析プログラムをコンピュータに実行させることにより決定される省電力範囲に基づいて、前記コンセントに接続された機器を利用するユーザの省電力行動を評価する処理をコンピュータに実行させることを特徴とする省電力評価プログラム。
(付記9) 機器が接続されるコンセントにおいて定期的に取得された消費電力値を格納する格納部と、
前記格納部に格納されている前記消費電力値の一定期間内における出現頻度に基づいて、消費電力値を範囲分けし、当該範囲分けされた範囲を電力値範囲として生成する生成部と、
前記生成部が生成した各電力値範囲に含まれる消費電力値に基づいて、前記機器が未使用の電力値範囲である第1の電力値範囲と、前記機器が通常使用されている電力値範囲である第2の電力値範囲と、を特定する特定部と、
前記生成部で生成された電力値範囲の中から、前記第1の電力値範囲と前記第2の電力値範囲との間の電力値範囲を抽出し、省電力範囲として決定する決定部と、を備える電力値解析装置。
(付記10) 前記生成部が生成した電力値範囲それぞれに含まれる消費電力値が、前記一定期間の間に連続的に取得できているか否かを判断する判断部と、
前記判断部の判断の結果、前記消費電力値が連続的に取得できていない電力値範囲があった場合に、当該電力値範囲を前記生成工程で生成された電力値範囲から除去する除去部と、を更に備える付記9に記載の電力値解析装置。
(付記11) 前記生成部は、基準となる消費電力値の大きさに基づいて探索範囲を特定し、当該探索範囲内における出現頻度に基づいて範囲分けを行うか否かを判断する処理を、前記基準となる消費電力を変更しながら繰り返し実行することを特徴とする付記9又は10に記載の電力値解析装置。
(付記12) 付記7に記載の電力値解析装置と、
前記電力値解析装置で決定された前記省電力範囲に基づいて、前記コンセントに接続された機器を利用するユーザの省電力行動を評価する評価部と、を備える省電力評価装置。
【符号の説明】
【0088】
10 省電力判定装置(省電力評価装置)
11 電力クラス生成部(生成部)
12 時系列ノイズ除去部(判断部、除去部)
13 電力クラス判定部(特定部、決定部)
15 回答部(評価部)
16 電力DB(格納部)
30 ユーザ端末(機器)
70 電力値解析装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器が接続されるコンセントにおいて定期的に取得された消費電力値の一定期間内における出現頻度に基づいて、消費電力値を範囲分けし、当該範囲分けされた範囲を電力値範囲として生成する生成工程と、
前記生成工程で生成された各電力値範囲に含まれる消費電力値に基づいて、前記機器が未使用の電力値範囲である第1の電力値範囲と、前記機器が通常使用されている電力値範囲である第2の電力値範囲と、を特定する特定工程と、
前記生成工程で生成された電力値範囲の中から、前記第1の電力値範囲と前記第2の電力値範囲との間の電力値範囲を抽出し、省電力範囲として決定する決定工程と、をコンピュータが実行することを特徴とする電力値解析方法。
【請求項2】
前記生成工程で生成された電力値範囲それぞれに含まれる消費電力値が、前記一定期間の間に連続的に取得できているか否かを判断する判断工程と、
前記判断工程の結果、前記消費電力値が連続的に取得できていない電力値範囲があった場合に、当該電力値範囲を前記生成工程で生成された電力値範囲から除去する除去工程と、を前記コンピュータが更に実行することを特徴とする請求項1に記載の電力値解析方法。
【請求項3】
前記生成工程では、
基準となる消費電力値の大きさに基づいて探索範囲を特定し、当該探索範囲内における消費電力値の出現頻度に基づいて範囲分けを行うか否かを判断する処理を、前記基準となる消費電力値を変更しながら繰り返し実行することを特徴とする請求項1又は2に記載の電力値解析方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の電力値解析方法を用いて、前記省電力範囲を決定する電力値解析工程と、
前記電力値解析工程で決定された前記省電力範囲に基づいて、前記コンセントに接続された機器を利用するユーザの省電力行動を評価する評価工程と、をコンピュータが実行することを特徴とする省電力評価方法。
【請求項5】
機器が接続されるコンセントにおいて定期的に取得された消費電力値の一定期間内における出現頻度に基づいて、消費電力値を範囲分けし、当該範囲分けされた範囲を電力値範囲として生成し、
前記生成工程で生成された各電力値範囲に含まれる消費電力値に基づいて、前記機器が未使用の電力値範囲である第1の電力値範囲と、前記機器が通常使用されている電力値範囲である第2の電力値範囲と、を特定し、
前記生成工程で生成された電力値範囲の中から、前記第1の電力値範囲と前記第2の電力値範囲との間の電力値範囲を抽出し、省電力範囲として決定する決定する処理、をコンピュータに実行させることを特徴とする電力値解析プログラム。
【請求項6】
請求項5に記載の電力値解析プログラムをコンピュータに実行させることにより決定される省電力範囲に基づいて、前記コンセントに接続された機器を利用するユーザの省電力行動を評価する処理をコンピュータに実行させることを特徴とする省電力評価プログラム。
【請求項7】
機器が接続されるコンセントにおいて定期的に取得された消費電力値を格納する格納部と、
前記格納部に格納されている前記消費電力値の一定期間内における出現頻度に基づいて、消費電力値を範囲分けし、当該範囲分けされた範囲を電力値範囲として生成する生成部と、
前記生成部が生成した各電力値範囲に含まれる消費電力値に基づいて、前記機器が未使用の電力値範囲である第1の電力値範囲と、前記機器が通常使用されている電力値範囲である第2の電力値範囲と、を特定する特定部と、
前記生成部で生成された電力値範囲の中から、前記第1の電力値範囲と前記第2の電力値範囲との間の電力値範囲を抽出し、省電力範囲として決定する決定部と、を備える電力値解析装置。
【請求項8】
請求項7に記載の電力値解析装置と、
前記電力値解析装置で決定された前記省電力範囲に基づいて、前記コンセントに接続された機器を利用するユーザの省電力行動を評価する評価部と、を備える省電力評価装置。
【請求項1】
機器が接続されるコンセントにおいて定期的に取得された消費電力値の一定期間内における出現頻度に基づいて、消費電力値を範囲分けし、当該範囲分けされた範囲を電力値範囲として生成する生成工程と、
前記生成工程で生成された各電力値範囲に含まれる消費電力値に基づいて、前記機器が未使用の電力値範囲である第1の電力値範囲と、前記機器が通常使用されている電力値範囲である第2の電力値範囲と、を特定する特定工程と、
前記生成工程で生成された電力値範囲の中から、前記第1の電力値範囲と前記第2の電力値範囲との間の電力値範囲を抽出し、省電力範囲として決定する決定工程と、をコンピュータが実行することを特徴とする電力値解析方法。
【請求項2】
前記生成工程で生成された電力値範囲それぞれに含まれる消費電力値が、前記一定期間の間に連続的に取得できているか否かを判断する判断工程と、
前記判断工程の結果、前記消費電力値が連続的に取得できていない電力値範囲があった場合に、当該電力値範囲を前記生成工程で生成された電力値範囲から除去する除去工程と、を前記コンピュータが更に実行することを特徴とする請求項1に記載の電力値解析方法。
【請求項3】
前記生成工程では、
基準となる消費電力値の大きさに基づいて探索範囲を特定し、当該探索範囲内における消費電力値の出現頻度に基づいて範囲分けを行うか否かを判断する処理を、前記基準となる消費電力値を変更しながら繰り返し実行することを特徴とする請求項1又は2に記載の電力値解析方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の電力値解析方法を用いて、前記省電力範囲を決定する電力値解析工程と、
前記電力値解析工程で決定された前記省電力範囲に基づいて、前記コンセントに接続された機器を利用するユーザの省電力行動を評価する評価工程と、をコンピュータが実行することを特徴とする省電力評価方法。
【請求項5】
機器が接続されるコンセントにおいて定期的に取得された消費電力値の一定期間内における出現頻度に基づいて、消費電力値を範囲分けし、当該範囲分けされた範囲を電力値範囲として生成し、
前記生成工程で生成された各電力値範囲に含まれる消費電力値に基づいて、前記機器が未使用の電力値範囲である第1の電力値範囲と、前記機器が通常使用されている電力値範囲である第2の電力値範囲と、を特定し、
前記生成工程で生成された電力値範囲の中から、前記第1の電力値範囲と前記第2の電力値範囲との間の電力値範囲を抽出し、省電力範囲として決定する決定する処理、をコンピュータに実行させることを特徴とする電力値解析プログラム。
【請求項6】
請求項5に記載の電力値解析プログラムをコンピュータに実行させることにより決定される省電力範囲に基づいて、前記コンセントに接続された機器を利用するユーザの省電力行動を評価する処理をコンピュータに実行させることを特徴とする省電力評価プログラム。
【請求項7】
機器が接続されるコンセントにおいて定期的に取得された消費電力値を格納する格納部と、
前記格納部に格納されている前記消費電力値の一定期間内における出現頻度に基づいて、消費電力値を範囲分けし、当該範囲分けされた範囲を電力値範囲として生成する生成部と、
前記生成部が生成した各電力値範囲に含まれる消費電力値に基づいて、前記機器が未使用の電力値範囲である第1の電力値範囲と、前記機器が通常使用されている電力値範囲である第2の電力値範囲と、を特定する特定部と、
前記生成部で生成された電力値範囲の中から、前記第1の電力値範囲と前記第2の電力値範囲との間の電力値範囲を抽出し、省電力範囲として決定する決定部と、を備える電力値解析装置。
【請求項8】
請求項7に記載の電力値解析装置と、
前記電力値解析装置で決定された前記省電力範囲に基づいて、前記コンセントに接続された機器を利用するユーザの省電力行動を評価する評価部と、を備える省電力評価装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2013−29885(P2013−29885A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−163553(P2011−163553)
【出願日】平成23年7月26日(2011.7.26)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月26日(2011.7.26)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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