電力変換装置
【課題】設計が容易であり高い程度の信頼性及び安定性を備えるマルチレベルパワーコンバータを提供する。
【解決方法】そのパワーコンバータは、上方電圧レベルと下方電圧レベルを含む少なくとも2つの電圧レベルを出力するパワーブロックと、N個のH−ブリッジセルを含むマルチレベルフェーズブロックであって、N個のH−ブリッジセルの各々が少なくとも一つの浮動キャパシタを有しており、前記パワーブロックに接続されるマルチレベルフェーズブロックと、基準信号を出力する基準電圧生成器と、基準信号を入力して前記マルチレベルフェーズブロックの浮動キャパシタに亘る電圧をチェックするメインコントローラとを含む。パワーブロックのステップ電圧は、予め定められた電圧のN倍若しくは(N+1)倍に等しく、パワーブロックのステップ電圧は、2つの隣接するレベルの電位差に等しい。
【解決方法】そのパワーコンバータは、上方電圧レベルと下方電圧レベルを含む少なくとも2つの電圧レベルを出力するパワーブロックと、N個のH−ブリッジセルを含むマルチレベルフェーズブロックであって、N個のH−ブリッジセルの各々が少なくとも一つの浮動キャパシタを有しており、前記パワーブロックに接続されるマルチレベルフェーズブロックと、基準信号を出力する基準電圧生成器と、基準信号を入力して前記マルチレベルフェーズブロックの浮動キャパシタに亘る電圧をチェックするメインコントローラとを含む。パワーブロックのステップ電圧は、予め定められた電圧のN倍若しくは(N+1)倍に等しく、パワーブロックのステップ電圧は、2つの隣接するレベルの電位差に等しい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力変換装置、特に、4以上の電圧出力レベルを有する強制転流電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(米国特許5805437号明細書)では、有効電力出力のマルチレベル生成のための器具が記載されている。しかしながら、該特許文献1に記載の構成は、個々が電力を第2の電力変圧器のひとつに供給するマルチ巻線電源トランスを、必要とする。結果として、開示の構成を実現すると、複雑で且つコスト高となる。更に、主要部に供給する電力が無い。結果として、電力はロード(モータ)にのみ供給され得るが、能動的にモータを壊すことはまずない。
【0003】
特許文献2(米国2003−026111 A1)は、請求項1に係る発明の特徴を有する実際の電力を伝送するためのパワーエレクトロニクス回路構成によって、及び、請求項7に係る発明の特徴を有するパワーエレクトロニクス回路構成を動作する方法によって、その目的を達成する。特に、少なくとも1つの第2の電力変圧器がそれ自身の電力供給手段を有さないことを特徴とする回路と、少なくとも1つの第2の電力変圧器の少なくとも1つの中間回路キャパシティ電圧及び回路構成のAC側の1つのコモンモードの電圧がジョイント規制により調整されるということを含む方法とによって、その目的が達せられる。非常に一般的に、請求項1は、第2の電力変圧器のうちそれ自身の電力供給を有するものはない、ということを記載し、定常状態操作のためにこのことを実現する単一の方法のみが示される。結果として、回路をチャージの無いキャパシティで開始する重要な機能の方法は、少しも開示されていない。テーブル及び段落0039の記載を特に参照すると、冗長でない構成が好ましい。定常状態操作の下で変圧器の動作を実現する単一の方法は、変圧器内で電力フローに影響を与える手段として変圧器のコモンモード出力電圧を利用することで、確立する。ロードへのコモンモード電圧の負荷は、通常受け入れられるよりもかなり大きくなり得る。最大限の結果電圧は、第1の電力変圧器の最大限の出力電圧よりも高く選択される。しかし、少なくとも1つの第2の電力変圧器に連続して供給する手段も方法も、見出されていない。結果として、浮動キャパシタ電圧の変動率は、基本出力周波数の一つ若しくはそれ以上の周期に亘って平均されるものであるが、浮動キャパシタを大きくしてその制御を困難にし、特に低出力周波数における重大な障害に到ることになる。提示される制御方法も、複雑に思われる。そのシミュレーション結果は見出せないが、高度に一般化されて記載されている。よって、一つの疑問が残る。制御が成功裏に為されることが可能ならば、それは安定化のどの領域を示すのであろうか。
【0004】
特許文献3(特開2006−246676号公報)は、静止型無効電力補償のための器具を開示する。有効電力はこのような装置では与えられない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5805437号明細書
【特許文献2】米国2003−026111 A1
【特許文献3】特開2006−246676号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
浮動キャパシタブロックが用いられるマルチレベル電力変換装置を提供することが、本発明の目的である。本発明のマルチレベル電力変換装置は、設計が容易であり、高程度の信頼性及び安定性をもたらすことができ、更に、できるだけ高い出力電圧をもたらすことができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的は、以下のパワーコンバータにより達成される。そのパワーコンバータは、
上方電圧レベルと下方電圧レベルを含む少なくとも2つの電圧レベルを出力するパワーブロックと、
N個のH−ブリッジセルを含むマルチレベルフェーズブロックであって、N個のH−ブリッジセルの各々が少なくとも一つの浮動キャパシタを有しており、パワーブロックに接続されるマルチレベルフェーズブロックと、
コンバータの動作が開始された後に、予め定められた電圧にまで充電されるようにH−ブリッジセルの少なくとも一つと、又は、H−ブリッジセルの少なくとも一つを介する接地への電流経路を形成し得る、少なくとも一つの出力コンタクタと、接続する、少なくとも一つの浮動キャパシタ充電パワーサプライと、
基準信号を出力する基準電圧生成器と、
基準信号を入力してマルチレベルフェーズブロックの浮動キャパシタに亘る電圧をチェックするメインコントローラと
を含み、
パワーブロックのステップ電圧は、予め定められた電圧のN倍若しくは(N+1)倍に等しく、パワーブロックのステップ電圧は、2つの隣接するレベルの電位差に等しく、
メインコントローラは、基準信号と浮動キャパシタに亘る電圧とを基にして、
マルチレベルフェーズブロックの出力が基準信号に基づいて特定される特定のレベルとなり、浮動キャパシタに亘る全ての電圧が予め定められた電圧が含まれる予め定められた範囲内のものになるように、
パワーブロックの出力レベルとマルチレベルフェーズブロックのスイッチング状態を決定する。
【発明の効果】
【0008】
本発明のマルチレベル電力変換装置は、非常に簡易化されたアークテクチャ及び操作順序を有し、高程度の信頼性及び安定性をもたらす。操作の特別な方法を利用して、更に本発明は、所与のハードウエア構成から、可及的に最も高い出力電圧及び電力を信頼性高く供給できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1A】特に、高出力アプリケーション専用の、本発明の第1の実施形態に係るマルチレベル電力変換装置のワンフェーズのブロック図である。
【図1B】特に、低出力アプリケーション専用の、本発明の第1の実施形態に係るマルチレベル電力変換装置の別のブロック図である。
【図1C】マルチレベルフェーズブロックの回路図である。
【図2】マルチレベル電力変換装置の参照電圧及び出力電圧がプロットされたチャートである。
【図3】種々のスイッチ組み合わせ内の電流を示す。
【図4】浮動キャパシタにおける電圧の制御を説明する例示図の一つである。
【図5】浮動キャパシタにおける電圧の制御を説明する例示図の一つである。
【図6】浮動キャパシタにおける電圧の制御を説明する例示図の一つである。
【図7】マルチレベル変換装置の出力電圧、マルチレベル変換装置内の電力ブロックの出力の電圧、及びマルチレベルフェーズブロック内の浮動キャパシタにおける電圧の、チャートである。
【図8】マルチレベル変換装置のワンフェーズの出力と、マルチレベル変換装置のワンフェーズ内の電力ブロックの出力の電圧を示すチャートである。
【図9A】本発明の第2の実施形態に係るマルチレベル電力変換装置のブロック図である。
【図9B】特別のスイッチ組み合わせにおけるマルチレベルフェーズブロック内の電流を示す。
【図10】本発明の第3の実施形態に係るマルチレベル電力変換装置のブロック図である。
【図11】本発明の第4の実施形態に係るマルチレベル電力変換装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
第1の実施形態
図1Aは、本発明の第1の実施形態に係るマルチレベルコンバータのワンフェーズのブロック図であり、図1Bは、本発明の第1の実施形態に係る別のコンバータの回路記載する別のブロック図である。図1Cは、コンバータ101のマルチレベルフェーズブロック5の詳細回路図である。図2は、マルチレベルフェーズブロックにより記録された通常の波形(Vout)である。図3(a)(b)、図4、図5及び図6は、マルチレベルフェーズブロック5を介して流れる電流パスを示し、本実施形態の電圧バランシングストラテジを説明する電圧チャートも示す。図7(a)(b)、図8は、本発明の第1の実施形態に係るマルチレベルコンバータ101のワンフェーズにより得られる結果を示す
【0011】
図1Aを参照して、本発明の第1の実施形態に係るマルチレベルコンバータ101のワンフェーズは、DC蓄電手段1、パワーブロック3、マルチレベルフェーズブロック5、基準電圧生成器9、メインコントローラ7、及び、浮動キャパシタ充電パワーサプライ8を、含む。本実施形態では、パワーブロック3は、3レベルNPCインバータを構成する。出力電圧の領域、即ち、タイトな浮動キャパシタ電圧コントロールの領域と、上昇した出力電圧の領域とが、定義される。
【0012】
タイトな浮動キャパシタ電圧コントロールの領域の、基本的なマルチレベルフェーズブロックオペレーション
図1A及び図1Cを参照して、マルチレベルフェーズ5が、本発明の第1の実施形態に係るブロックマルチレベルコンバータ101のワンフェーズのマルチレベル出力信号を供給するように動作している。パワーブロック3Vmの出力電圧がゼロである(Vm=0)と仮定して、基本的な動作を以下に説明する。
【0013】
図1Cを参照して、夫々浮動キャパシタCC1、CC2、CC3を有する3つの(N=3)浮動キャパシタH−ブリッジセル11が、本発明の第1の実施形態に係るマルチレベルコンバータ101のワンフェーズのマルチレベルフェーズブロック5内部に搭載されている。浮動キャパシタCC1、CC2、CC3の各々は、初期には特定の電圧Vcに設定され得る。“アウト”を介して流れる出力電流Ioutがゼロである(Iout=0)と仮定すると、初期のキャパシタ電圧は変化しない。Iout=0と仮定して、マルチレベルフェーズブロック5の基本的な動作を更に説明する。
【0014】
図1Cによると、マルチレベルフェーズブロック5内部に、12個のスイッチ(SU1−SU6、SL1−SL6)が見られる。N=3のマルチレベルフェーズブロック5は、次のように周知のやり方で、電圧の7レベルを形成できる。
・全ての下方のスイッチSL1〜SL6をオン状態に設定しVout=0を形成する。
・下方のスイッチSL2を開放し、上方のスイッチSU2をオン状態に設定してVout=+Vcを形成する。
・更に、下方のスイッチSL4を開放し、上方のスイッチSU4をオン状態に設定してVout=+2Vcを形成する。
・更に、下方のスイッチSL6を開放し、上方のスイッチSU6をオン状態に設定してVout=+3Vcを形成する。
【0015】
上述のVout=0の状況から、下方のスイッチSL1が開放され、上方のスイッチSU1がオン状態に設定されると、Vout=−Vcが発生する。同様に、スイッチ(SU1〜SU6、SL1〜SL6)の状態を適宜設定することにより、電圧Vout=−2Vc及びVout=−3Vcという、別のレベルが形成され得る。Vm=0の条件下でのマルチレベルコンバータ101のワンフェーズの最大限ピーク出力電圧Voutpは、Voutp=NVc(N:浮動キャパシタH−ブリッジセル11の数)である。
【0016】
結果として、マルチレベルフェーズブロック5は、メインコントローラ7から個々のコマンドを受けると、マルチレベル出力信号を生成する。図2は、生成器9からの基準信号の正の立ち上り部分、及び、5個のH−ブリッジセル11を有するマルチレベルフェーズブロック(図示せず)の対応する11レベル信号を示す(この例示のチャートは、セルの数N=5である場合に関して、示されている)。
【0017】
タイトな浮動キャパシタ電圧コントロールの領域のパワーブロック動作
図1Aのマルチレベルコンバータブロック図では、3レベルNPCインバータ回路が、本発明の第1の実施形態のパワーブロック3の位置に適用される。それは、DC蓄電手段1のターミナルP、Z、Nに周知の方法で接続される。パワーブロック3のブロック出力Mは、本発明の第1の実施形態のマルチレベルフェーズブロック5に供給する。パワーブロック3内のスイッチの設定によって、それは、ターミナルMに対して、周知のやり方で3つの出力電圧レベルVp、Vz、Vnの一つを供給する。結果として、ステップ電圧は、Vstep=Vp−Vz=Vz−Vnと等しくなる。
【0018】
しかしながら、2レベル、3レベルコンバータ、若しくは、より高い数のレベルを与えるコンバータのあらゆる周知の回路は、(本実施形態のパワーブロック3の)位置に適用可能であり、ステップ電圧は然るべく決定される、ということは十分理解される。
【0019】
タイトな浮動キャパシタ電圧コントロールの領域でマルチレベルフェーズブロックに供給すること
図1Aの負荷抵抗Rloadに示すような抵抗負荷の条件下で、浮動キャパシタCC1〜CC3は時間と共に放電する。しばらく後で、キャパシタCC1、CC2、CC3に充電するために、マルチレベルフェーズブロック5にエネルギが注入される必要がある。パワーブロック3とマルチレベルフェーズブロック5の接続は、これを達成すべく為される。
【0020】
図1Aによると、3レベルNPC回路が、本発明の第1の実施形態に係るマルチレベルコンバータ101のワンフェーズ内のパワーブロック3として用いられる。
【0021】
更に、DCバス電圧レベルVpは、値Vp=N×Vc、若しくは、Vp=(N+1)Vcにセットされ得る。上記導出されるように、タイトな浮動キャパシタ電圧コントロールの領域では、本発明の第1の実施形態に係るマルチレベルコンバータ101のワンフェーズの最大限ピーク出力電圧Voutは、Vout=N×Vcとなる。結果として、Voutは、Vp以下である(Vout<=Vp(=N×Vc、又は、(N+1)Vc))。
【0022】
図1Aによると、パワーブロック3により供給される電流は、負荷電流と等しくなる。結果として、Vm=Vpの条件下でのパワーブロック3により供給される電力Pmは、常時、Pm=Vp×Iout>=Vout×Iout=Poutである。パワーの差は、マルチレベルフェーズブロック5の浮動キャパシタCC1、CC2、CC3を充電するのに用いられる。Vm=Vnの条件下では、出力電圧はVout<=0となり、電流の流れは逆である。結果として、Pm>=Poutである。更に、パワーの差(Pm−Pout)は、浮動キャパシタCC1、CC2、CC3を充電するのに取得される。
【0023】
NPCインバータ(パワーブロック3)を利用して、本発明の第1の実施形態に係るマルチレベルコンバータ101のワンフェーズの動作の間の時間のどの瞬間でも、Vmは、Vm=Vp、Vm=Vz、若しくはVm=Vnを自由に選択され、マルチレベルフェーズブロック5の浮動キャパシタCC1、CC2、CC3の少なくとも一つのパワー要求を満足する。
【0024】
コンバータの開始後の全てのH−ブリッジセルにおける予め定められた電圧を達成すること
本発明の第1の実施形態に係るコンバータは、出力パワーの非常に広範囲であってもよい。高パワーコンバータは、通常、負荷、例えば、3フェーズモータに直接接続される。しかしながら、低パワーコンバータは、一般に機械的コントラクタを介して接続されるが、これはそのようなパワー範囲では低コストで供給される。全てのH−ブリッジセルにて予め定められた電圧を達成する方法は、それらに依存する。
【0025】
負荷に直接接続するコンバータのための方法
コンバータのH−ブリッジセル内に組み込まれた浮動キャパシタの少なくとも一つは、浮動キャパシタ充電パワーサプライ8に接続される。そのパワーサプライは、パワーコンバータの定格と比較して、非常に小さい定格を有する。前記少なくとも一つの浮動キャパシタは、浮動キャパシタ充電パワーサプライ8により予め定められた電圧まで直接充電される。浮動キャパシタ充電パワーサプライ8に接続されないそれら浮動キャパシタの各々はその後、以下のように充電され得る。パワーコンバータの全てのフェーズのパワーブロックは、同じ電圧を出力するように設定され(例えば、3レベルコンバータを含む前記パワーブロックの場合、ゼロ)、よって、その個々のマルチレベルフェーズブロックにそれらの各々を接続するラインMの間に、ゼロ電圧を供給する。
【0026】
最初に充電されたセルとして同じマルチレベルブロック内に位置するH−ブリッジセルは、鏡像の極性にセットされ、最初に充電されたH−ブリッジセルのスイッチングを開始する。結果として、十分コントロールされたDC電流の流れは、負荷のターミナルを介して開始し、同じマルチレベルブロック内に位置するが浮動キャパシタ充電パワーサプライ8に接続しない前記H−ブリッジセルの浮動キャパシタを、充電する。
【0027】
別のフェーズのマルチレベルフェーズブロック内に位置するH−ブリッジセルの浮動キャパシタは、同様に充電され得る。あらゆる他のフェーズの一つのH−ブリッジセルは、(例えば、出力側にプラスの電位を与える)同じ極性にスイッチされ得る。その後、浮動キャパシタ充電パワーサプライに接続するH−ブリッジセルのスイッチが、スイッチングして負荷ターミナル内にDC電流を注入するようにセットされ、該電流は負荷に接続した全ての他のフェーズを通過し、個々のそれらフェーズの一つのH−ブリッジセルを充電する。全ての他の非充電セルはその後、然るべく充電される。
【0028】
しかし当然ながら、パワーサプライにより充電されたそれらセルから別のセルへエネルギを移動するための様々な方法が見出され得る。
【0029】
結果として、本発明の第1の実施形態に係る回路は、少なくとも一つの浮動キャパシタ充電パワーサプライによって、コンバータ内の全てのH−ブリッジセルに予め定められた電圧を、安全に供給できる。
【0030】
出力コンタクタを組み込むコンバータのための方法
出力コンタクタが設けられると、(図1Aで符号“8”を付される)浮動キャパシタ充電パワーサプライの必要が無い、充電方法が、図1Bに示すように、見出され得る。図1Bでは、コンタクタCCTR1、CCTR2、CCTR3は、フェーズ出力を充電抵抗RCh1、RCh2、RCh3の夫々に接続し、それらの各々は、接地に接続する。結果として、マルチレベルフェーズブロックの浮動キャパシタは以下のようになる。
【0031】
出力コンタクタは、充電位置にセットされ、フェーズ出力を接地に接続する。マルチレベルフェーズブロックのスイッチは、高くセットされ、マルチレベルフェーズブロック出力電圧N×Vcとなる。しかしながら、この瞬間にはVc=0であるから、N×Vcはなおゼロである。その後パワーブロックのスイッチは、Vm=Vnを達成するようにセットされる。電流は流れ始め、浮動キャパシタは充電される。コンバータ設計が、N×Vc=Vpにより規定されるならば、全てのキャパシタは直接に充電し、結果として「Vc=予め定められた電圧」となる。設計上の規定が、(N+1)×Vc=Vpであるならば、Vcが予め定められた電圧に達すると充電は停止し得る。
【0032】
しかし当然ながら、充電、及び、予め定められた電圧に到達することの制御に係る、プロセスをコントロールする種々の方法が、見出され得る。
【0033】
タイトな浮動キャパシタ電圧コントロールの領域内で連続するマルチレベル出力を達成すること
前述のように、マルチレベルフェーズブロック5には、浮動キャパシタCC1、CC2、CC3のパワーデマンドから決定されるVm=Vp、Vz若しくはVnの電圧値を供給される。同時に、基準電圧生成器9により求められる、Voutの電圧に到達するための作用が、要求される。浮動キャパシタCC1、CC2、CC3のパワー要求を満足しつつ基準電圧生成器9からの求めを達成するために、メインコントローラ7は、以下に説明するように、スイッチSL1〜SL6、SU1〜SU6を再調整する必要がある。
【0034】
基準電圧生成器9に基づいてメインコントローラ7により与えられる一時的なマルチレベルコマンドが、L1及びVm=Vz=0であるとする。マルチレベルフェーズブロック5のスイッチは、図3(a)の点線により示される電流パスを形成するようにセットされる。出力電圧Voutは、Vout=+Vcとなる。エネルギは、抵抗負荷RloadによりキャパシタCC1から引き出される。
【0035】
一時的な出力レベルVoutが正であるので、浮動キャパシタCC1、CC2、CC3の少なくとも一つの充電が必要になると、マルチレベルフェーズブロック5へ供給することは、Vm=Vpとセットすることにより実現される。結果として、マルチレベルフェーズブロック5を亘る電圧(Vout−Vm)は、Vout−Vm=Vc−Vp=−2Vcに変更される必要がある。よって、マルチフェーズブロック5のスイッチSU1〜SU6、SL1〜SL6は、図3(b)内の点線で示す電流パスを形成するようにセットされ得る。結果として、キャパシタCC1を介して流れる電流は逆になり、CC1は充電される。
【0036】
図1Aに示すように、本発明の第1の実施形態に係るマルチレベルコンバータ101のワンフェーズにより、DCバス電圧レベルVp及びVnを、Vp=3Vc及びVn=−Vpの値にセットすることにより、生成器9の基準信号から決定される(N=3及びVp=3Vc=−Vnの場合の)7つのレベルL1、L2、L3、L0、L−1、L−2若しくはL−3を伴う出力電圧値Voutの完全な一致が、パワーブロック3内のスイッチ及びマルチレベルフェーズブロック5内のスイッチの、以下のような、放電のセッティング(D)及び充電のセッティング(C)の下で、取得される。
【0037】
【表1】
スイッチ状態は、タイトな浮動キャパシタ電圧コントロールの領域内で完全に冗長である。
【0038】
中間レベルL1、L2及びL−1、L−2に出力電圧をセットすることは、充電セッティング(C)及び放電セッティング(D)の両方にて、浮動キャパシタCC1、CC2、CC3のいずれかを介して電流が流れることを要求する。しかしながら、レベルL3、L0及びL−3は、浮動キャパシタCC1、CC2、CC3を介する電流の流れ無くして実現可能であり、浮動キャパシタCC1、CC2、CC3に亘る電圧は、そのセッティングの下で維持される。
【0039】
DCバス電圧レベルVp及びVnは、図1Aに示すように、本発明の第1の実施形態に係るマルチレベルコンバータ101の別のワンフェーズにより、Vp=(N+1)Vc=4Vc及びVn=−Vpの値にセットされ得る。出力電圧の完全な一致は、放電のセッティング(D)及び充電のセッティング(C)の下で取得されないが、マルチレベルコンバータの動作はなおうまく取得される。というのは、浮動キャパシタのいくつかを介する電流の流れを要求するスイッチングは、以下のように、タイトな浮動キャパシタ電圧コントロールの領域内で、なお冗長であるからである。
【0040】
【表2】
【0041】
結果として、タイトな浮動キャパシタ電圧コントロールの領域内で、本発明の第1の実施形態に係る回路は、いつ何時でも出力電圧のどのレベルでも供給でき、Vp及びVn(更にVz=0)から出力電圧を適宜選択してマルチレベルフェーズブロック5のスイッチSU1〜SU6及びSL1〜SL6をスイッチングすることにより、自由に、浮動キャパシタCC1、CC2、CC3に充電を供給し充電を引き出す。
【0042】
浮動キャパシタ電圧バランスを達成すること
式(1)〜(3)、(5)〜(7)、(8)〜(10)及び(13)〜(15)の各々は、Vcの乗算に基づくので、Vcが浮動キャパシタCC1、CC2、CC3のいずれによっても達成される限り、式は保持され得る。結果として、本発明の第1の実施形態に係るマルチレベルコンバータ101のワンフェーズの首尾のよい動作のためには、全ての浮動キャパシタCC1、CC2、CC3の電圧の正確な制御が望まれる。しかしながら、浮動キャパシタCC1、CC2、CC3の放電電流及び充電電流は、種々のサブセットを介して流れる。均一の放電及び充電は、以下に詳細に説明する能動平衡により達成される。
【0043】
能動平衡は、追加の回路により確実に達成され得る。該回路は浮動キャパシタCC1、CC2、CC3の間でエネルギを移動できる。しかしながら、追加の回路により、回路にコストと複雑さが加わってしまう。本発明の第1の実施形態に係るマルチレベルコンバータ101のワンフェーズによれば、そのようなエネルギ移動回路無しで、能動平衡が達成される。代わりに、マルチレベルフェーズブロック5内部の電流の流れの再配置が、スイッチSU1〜SU6及びSL1〜SL6を適切にスイッチングすることにより、メインコントローラ7で初期化される。
【0044】
図4乃至図6は、本発明の第1の実施形態に係るマルチレベルコンバータ101のワンフェーズの浮動キャパシタCC1、CC2、CC3の能動平衡のための動作を記載する。図4乃至図6は、出力電圧レベルVoutがL2にセットされ式(2)に従う放電が実行される場合における、能動平衡を示す。
【0045】
図4に示すように、電流は、キャパシタCC1及びCC2を介して、最初流れる。全ての浮動キャパシタCC1、CC2、CC3の電圧は、メインコントローラ7によりモニタされる。その際、メインコントローラ7は、キャパシタCC3に亘る電圧(Vcc3)と、キャパシタCC1及びCC2に亘る電圧(Vcc1及びVcc2)との間の電圧差が、増大していることを、観察する。電圧差がプリセットのリミット差値を超えることを、メインコントローラ7が検出すると、メインコントローラ7は、図5に示すように、スイッチSU1〜SU6及びSL1〜SL6のスイッチセッティングを変更する。続いて電流は、キャパシタCC1及びCC3を介して流れる。その際、キャパシタCC3に亘る電圧(Vcc3)と、キャパシタCC2に亘る電圧(Vcc2)との間の電圧差が、減少する。しかしながら、キャパシタCC1に亘る電圧(Vcc1)と、キャパシタCC2に亘る電圧(Vcc2)との間の電圧差は、増大する。Vcc1とVcc2との間の電圧差がプリセットのリミット差値に達すると、図6に示すように、浮動キャパシタCC1が電圧差に基づいて開放されキャパシタCC2及びCC3を介する電流の流れが最小絶対値となるように、メインコントローラはスイッチSU1〜SU6及びSL1〜SL6のセッティングを変更する。
【0046】
結果として、本発明の第1の実施形態に係るマルチレベルコンバータ101のワンフェーズの動作時間の間に、メインコントローラ7によって、浮動キャパシタCC1、CC2、CC3の間の電圧平衡、及び浮動キャパシタの電圧値セッティングVcc1、Vcc2、Vcc3が、達成される。図7(a)は、そのマルチレベルフェーズブロック5内のN=5のH−ブリッジセルを有する本発明の第1の実施形態に係るマルチレベルコンバータ101のワンフェーズの、パワーブロック3出力電圧Vmと、コンバータ出力電圧Voutを示す。基準生成器の信号の正の上昇部の間のタイムスパンは図に示され、出力周波数は50Hzであり、キャリア周波数は20kHzであり、出力電圧レベルにはL0〜L5が付され、パワーブロック3の変化の時間はT1〜T7が付される。図7(b)は、同じタイムスパンでの5つの浮動キャパシタの電圧値をプロットしており、T1〜T7はパワーブロック3のステータスの変化の時間を示しており、また、LLは浮動キャパシタ電圧に対して設定されたプリセットの下方リミット電圧を示し、ULは浮動キャパシタ電圧に対して設定されたプリセットの上方リミット電圧を示す。図8は、N=5のH−ブリッジセルを含む本発明の第1の実施形態に係るマルチレベルコンバータ101のワンフェーズの、パワーブロック3出力電圧Vmと、コンバータ101出力電圧Voutを示す。このチャートは、50Hz出力電圧波形の1.5周期に対して、プロットされている。
【0047】
上昇したコンバータ出力電圧を達成すること
上述のように、タイトな浮動キャパシタ電圧コントロールの領域内の抵抗負荷の下での動作の間、パワーブロックにより供給され得るパワーは、常時、コンバータ出力パワーと同等若しくはそれより大きい。結果として、浮動キャパシタは充電可能であり、更に、十分なサイズの浮動キャパシタが組み込まれたならば、その領域内に動作の間に過剰エネルギが蓄積され得る。その過剰エネルギは、負荷をVout>Vp又はVout<Vnまでの電圧にドライブするのに用いられ得る。Vout>Vpに対して、Vm=Vpを選択し、マルチレベルフェーズブロックに正電圧を加えるように命じる。その正電圧はVc若しくはその一部と等しければよい。後者は、PWM変調などの周知の方法で得られ得る。
【0048】
しかしながら、十分に充電された浮動キャパシタの条件から、上昇した出力電圧を達成してコントロールするのに、種々の方法が見出され得るということが十分に理解される。
【0049】
マルチレベルコンバータ101のワンフェーズによれば、以下の利点が得られる。小さいサイズの浮動キャパシタが利用され得る。周波数が0Hzであっても、どの出力周波数でもゼロと名目値との間の安定した出力電圧が、非常に簡素なコントロール動作により、容易に達成される。マルチ巻線パワートランスフォーマは要求されず、よって低重、小サイズ、及び低コストが達成される。2線(プラス、マイナス)の直流(DC)が可能である。安全な完全な4象限運転が可能である。簡素で信頼性の高いコントロール方法が利用され得る。及び、簡素且つ安定的な作動停止運転、更に上昇出力電圧及び電力が達成され得る。また、標準PWM方法と同じように、コモンモード電圧が小さくなり、しかも、常時の現実のゼロコモンモード電圧は、周知のゼロコモンモード電圧変調スキームの利用により、現実化され得る。しかしながら、上述の機能は、アナログ若しくはデジタル処理により様々な方法で実現し得るのであり、それらの方法全ては請求項1の記載範囲に含まれ得る。
【0050】
第2の実施形態
図9Aを参照すると、本発明の第2の実施形態に係るマルチレベルコンバータ201が記載されている。図では、出力電流(Iout)をモニタしそれをメインコントローラ7にレポートする電流センサ13が導入されている。メインコントローラ7の動作が強化され、−1≦cosφ≦1の出力負荷条件の範囲が受け入れられ得る。しかしながら、出力電流をモニタするのに種々の方法が適用可能であり、そのような方法全てがこの実施形態に含まれることが、十分に理解される。機能は以下に詳細に記載される。
【0051】
上記の“マルチレベルフェーズブロックに供給すること”という記載に従い、浮動キャパシタCC1〜CC3は、Vm=0である限り、時間と伴に放電する。Vm=Vpでは、条件Pm=Poutが満足され、浮動キャパシタCC1、CC2、CC3が充電されている。コンバータ201から負荷に向かって安定したパワーフローを与え更にcosφ=1を与える、負荷抵抗の下で、浮動キャパシタの充電及び放電が、上述のように達成される。
【0052】
しかしながら、cosφ=−1では、負荷からコンバータ201に向かっての安定したパワーフローとなる。cosφ=1に対しては、電流フローは逆となり、浮動キャパシタCC1、CC2、CC3は、Vm=0のセッティングの下で電流の流れにより充電される(図9B)。cosφ=1とは対照的に、浮動キャパシタの上方電圧リミットは、パワーブロック3のステータス変更をVm=Vpに初期化するために、検出される必要がある。Vm=Vpは、Pm<=Poutとなり、これにより、浮動キャパシタCC1、CC2、CC3の放電が開始する。
【0053】
cosφ=1は、出力電圧と全体として同調する出力電流となる。よって、コンバータ201からのパワーフローとなる。一方、cosφ=−1は、全体として出力電圧と逆位相である出力電流となり、コンバータ201内へのパワーフローとなる。従って、−1<cosφ<1の条件では、パワーフロー方向が周期的に変化する。浮動キャパシタCC1、CC2、CC3は、現実のパワーフローに依存して充電し若しくは放電するので、上方リミット及び下方リミットの検出は夫々交換される必要がある。電流センサ13からの信号は、メインコントローラ7内部のその変化プロセスに直接加えられる。
【0054】
本発明の第2の実施形態に係るマルチレベルコンバータ201は、どのタイプの電気負荷も受け入れられる。
【0055】
第3の実施形態
図10を参照すると、本発明の第3の実施形態に係るマルチレベルコンバータ301が、記載されている。
【0056】
図に示すように、メインコントローラは、複数の機能7a〜7gにかように分割される。機能ユニット7a〜7gは、メインコントロールセクション307を構成する。機能ユニット7a〜7gの各々は、低コスト及び低損失回路により実現され得る。つまり、基準信号に基づいてPWM信号を生成するマルチレベルPWM生成器ユニット7d;PWM信号、及び、モード判別ユニット7bにより判別されるパワーブロック3の出力レベルに基づいて、マルチレベルフェーズブロック5に亘る電圧を判別するモード変換テーブルユニット7e;基準信号、モード変換テーブルユニット7eにより判別される電圧、電流センサ13からの電流信号及び浮動キャパシタに亘る電圧に基づいて、マルチレベルフェーズブロック5のスイッチングをコントロールするキャパシタ電圧バランスコントローラ及びスイッチテーブル7f;浮動キャパシタの電圧が予め定められた範囲から逸脱するか否かを検出するキャパシタリミット検出ユニット7a;基準電圧、キャパシタリミット検出ユニット7aによる検出結果及び電流センサ13からの信号電流に基づいて、パワーブロック3の出力レベルを判別するモード判別ユニット7b;並びに、モード判別ユニット7bにより判別される出力レベルに基づいて、パワーブロック3の出力をコントロールするパワーブロックスイッチテーブルユニット7cからなる、低コスト及び低損失回路である。
【0057】
本発明の第3の実施形態に係るマルチレベルコンバータ301は、経費が掛からない。より少なくコントロールのためのパワーを消費するに過ぎず、従って、特に部分負荷の下で高い全体効率を達成する。
【0058】
第4の実施形態
図11を参照すると、本発明の第4の実施形態に係るマルチレベルコンバータ401が、記載されている。
【0059】
レベル電圧検出ユニット7hがメインコントローラセクション407に導入されており、該レベル電圧検出ユニット7hは、浮動キャパシタCC1、CC2、CC3の実際の電圧レベル、及び、実際のPWM電圧レベルを導出するDC−リンク1を、利用する。実際のPWM電圧レベルは、マルチレベルPWM生成器ユニット7dにレポートされる。結果として、マルチレベルPWM生成器ユニット7dは動的調整パターンを生成して滑らかで、歪み緩和された出力電圧Voutとし得る。
【0060】
よって本発明の第4の実施形態に係るマルチレベルコンバータ401は、歪みのない出力電圧を出力し、該出力電圧は低振動且つ低損失の標準的サインフィルタにより処理され得る。
【0061】
第5の実施形態
本発明の第5の実施形態に係るマルチレベルコンバータでは、そのパワースイッチ機能がユニポーラトランジスタにより実現される。
【0062】
今日、その高い阻止電圧により、バイポーラデバイスは、コンバータアプリケーションで広く用いられる。そこでは、バイポーラデバイスは、高い阻止電圧で低いオン状態を示す。
【0063】
しかしながら、そのようなバイポーラデバイスのオン状態特性は、強い非線形性により特徴付けられるが、該非線形性により、通常のダイオード(ダイオードニー)のようにある順電圧にて非常に小さい電流となる。更に、バイポーラデバイスは、プラズマ抽出プロセスにより生じる上昇したスイッチング損失を示す。
【0064】
本発明の第1から第4の実施形態に係るマルチレベルコンバータにより、N*Vc=Vpの下では、高周波数でのスイッチング動作は、マルチレベルフェーズブロック5内部のデバイスに限定される。処理される電圧はVcであり、それは最大限出力電圧Voutpの一部に過ぎない。よってスイッチング損失はかなり減少される。
【0065】
ユニポーラトランジスタ、若しくはそれらの直列接続は、その上にオン状態損失を十分に減少させることを可能にする。というのは、そのようなユニポーラトランジスタはダイオードニーの非線形性を示さないからである。結果として、低オン状態電圧低下が、夫々の電流レベルで達成される。本発明の第5の実施形態に係るマルチレベルコンバータは、非常に高い効率を示す。
【0066】
第6の実施形態
本発明の第6の実施形態に係るマルチレベルコンバータでは、MOSFET若しくはそれらの直列接続が、スイッチング機能に加えられる。
【0067】
MOSFETはシリコンに基づくユニポーラデバイスであり、この数十年間順調に開発されてきた。結果として、商業的に利用可能なMOSFETのオン状態の特性は、今や所謂シリコン限界に接近しており、デバイスは低コストで入手可能である。しかしながら、シリコン限界は、MOSFETの特定のオン状態が、阻止電圧の約2.7乗に、指数関数的に強く依存する、ということを示す。接続抵抗及びパッケージ接続抵抗などの技術的パラメータを考慮に入れると、MOSFETは、50Vと200Vの間の阻止電圧で最も良く動作するが、最も良い選択は100Vである。
【0068】
本発明の第6の実施形態に係るマルチレベルコンバータは、現実の商業的に利用可能な技術に基づいて、非常に低いコスト及びサイズで非常に高い効率を示す。
【0069】
第1から第6の実施形態に係るコンバータのいずれであっても、以下のような利点が得られる。小さいサイズの浮動キャパシタが利用可能である。周波数が0Hzであっても、どの出力周波数ででも安定した出力電圧が、非常に簡単なコントロール操作により容易に達成される。マルチ巻線パワートランスフォーマは要求されず、よって、低重、小サイズ及び低コストが達成される。2線(プラス、マイナス)DCからの供給が可能である。安全な完全な4象限運転が可能である。簡素で信頼性の高いコントロール方法が利用され得る。小量の充電及び維持パワーを少なくとも一つの浮動キャパシタセルに供給することにより、若しくは、接地への電流パスを確立する出力接触器を用いることにより、簡素且つ安定的な作動停止運転が達成され得る。並びに、特にMOSFETが用いられると、非常に高い効率が実現可能となる。
【0070】
第7の実施形態
上述のように、|Vout|<Vpであるとき、エネルギは常時、浮動キャパシタ内に蓄積され格納され得る。正弦波出力の振幅がVpより大きくても、|Vout|<Vpの状況は繰り返し発生する。上述のように、本発明のコンバータは、浮動キャパシタへの、瞬間のパワーフローをコントロールできる。結果として、浮動キャパシタ電圧は、上昇した出力電圧の領域に入る直前に、できるだけ高くなるように強制され得る。
【0071】
そのようなコントロール方法を利用するコンバータは、従って、上昇した出力電圧の領域に安全に入り、上昇したパワーを負荷に信頼性高く供給できる。
【0072】
第8の実施形態
過剰のエネルギは、浮動キャパシタ内に蓄積され得る。しかしながら、容量値、及び、上昇した出力電圧の領域に入る直前に得られたキャパシタの電圧レベルにより、そのエネルギは制約される。
【0073】
一方で、基準信号が落ちて再び|Vout|<Vpとなるように出力電圧を操作するまでは、そのエネルギが、上昇した出力電圧の領域を介して前に進むのに十分であることが、強く望まれる。出力電圧の1周期のそのような部分の範囲内で、出力電流及び出力電圧が予測可能であるから、上昇した出力電圧の領域を介して進むための期間に求められるエネルギは、先に計算可能であり、結果がメインコンバータコントロールに送信され出力パワーがこれにより調整されることが可能である。
【0074】
よって、本発明の第8の実施形態に係るコンバータは、高い出力及びパワーを安全に且つ信頼性高く供給できる。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、マルチレベルパワーコンバータに利用される。
【符号の説明】
【0076】
1・・・DC蓄電手段、3・・・パワーブロック、5・・・マルチレベルフェーズブロック、7・・・メインコントローラ、8・・・浮動キャパシタ充電パワーサプライ、9・・・基準電圧生成器、11・・・浮動キャパシタH−ブリッジセル、13・・・電流センサ、15p、15n・・・電圧センサ、101、201、301、401・・・マルチレベルコンバータのワンフェーズ、CC1、CC2、CC3・・・浮動キャパシタ、CCTR1、CCTR2、CCTR3・・・コンタクタ、SU1、SU2、SU3、SU4、SU5、SU6・・・スイッチ、SL1、SL2、SL3、SL4、SL5、SL6・・・スイッチ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力変換装置、特に、4以上の電圧出力レベルを有する強制転流電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(米国特許5805437号明細書)では、有効電力出力のマルチレベル生成のための器具が記載されている。しかしながら、該特許文献1に記載の構成は、個々が電力を第2の電力変圧器のひとつに供給するマルチ巻線電源トランスを、必要とする。結果として、開示の構成を実現すると、複雑で且つコスト高となる。更に、主要部に供給する電力が無い。結果として、電力はロード(モータ)にのみ供給され得るが、能動的にモータを壊すことはまずない。
【0003】
特許文献2(米国2003−026111 A1)は、請求項1に係る発明の特徴を有する実際の電力を伝送するためのパワーエレクトロニクス回路構成によって、及び、請求項7に係る発明の特徴を有するパワーエレクトロニクス回路構成を動作する方法によって、その目的を達成する。特に、少なくとも1つの第2の電力変圧器がそれ自身の電力供給手段を有さないことを特徴とする回路と、少なくとも1つの第2の電力変圧器の少なくとも1つの中間回路キャパシティ電圧及び回路構成のAC側の1つのコモンモードの電圧がジョイント規制により調整されるということを含む方法とによって、その目的が達せられる。非常に一般的に、請求項1は、第2の電力変圧器のうちそれ自身の電力供給を有するものはない、ということを記載し、定常状態操作のためにこのことを実現する単一の方法のみが示される。結果として、回路をチャージの無いキャパシティで開始する重要な機能の方法は、少しも開示されていない。テーブル及び段落0039の記載を特に参照すると、冗長でない構成が好ましい。定常状態操作の下で変圧器の動作を実現する単一の方法は、変圧器内で電力フローに影響を与える手段として変圧器のコモンモード出力電圧を利用することで、確立する。ロードへのコモンモード電圧の負荷は、通常受け入れられるよりもかなり大きくなり得る。最大限の結果電圧は、第1の電力変圧器の最大限の出力電圧よりも高く選択される。しかし、少なくとも1つの第2の電力変圧器に連続して供給する手段も方法も、見出されていない。結果として、浮動キャパシタ電圧の変動率は、基本出力周波数の一つ若しくはそれ以上の周期に亘って平均されるものであるが、浮動キャパシタを大きくしてその制御を困難にし、特に低出力周波数における重大な障害に到ることになる。提示される制御方法も、複雑に思われる。そのシミュレーション結果は見出せないが、高度に一般化されて記載されている。よって、一つの疑問が残る。制御が成功裏に為されることが可能ならば、それは安定化のどの領域を示すのであろうか。
【0004】
特許文献3(特開2006−246676号公報)は、静止型無効電力補償のための器具を開示する。有効電力はこのような装置では与えられない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5805437号明細書
【特許文献2】米国2003−026111 A1
【特許文献3】特開2006−246676号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
浮動キャパシタブロックが用いられるマルチレベル電力変換装置を提供することが、本発明の目的である。本発明のマルチレベル電力変換装置は、設計が容易であり、高程度の信頼性及び安定性をもたらすことができ、更に、できるだけ高い出力電圧をもたらすことができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的は、以下のパワーコンバータにより達成される。そのパワーコンバータは、
上方電圧レベルと下方電圧レベルを含む少なくとも2つの電圧レベルを出力するパワーブロックと、
N個のH−ブリッジセルを含むマルチレベルフェーズブロックであって、N個のH−ブリッジセルの各々が少なくとも一つの浮動キャパシタを有しており、パワーブロックに接続されるマルチレベルフェーズブロックと、
コンバータの動作が開始された後に、予め定められた電圧にまで充電されるようにH−ブリッジセルの少なくとも一つと、又は、H−ブリッジセルの少なくとも一つを介する接地への電流経路を形成し得る、少なくとも一つの出力コンタクタと、接続する、少なくとも一つの浮動キャパシタ充電パワーサプライと、
基準信号を出力する基準電圧生成器と、
基準信号を入力してマルチレベルフェーズブロックの浮動キャパシタに亘る電圧をチェックするメインコントローラと
を含み、
パワーブロックのステップ電圧は、予め定められた電圧のN倍若しくは(N+1)倍に等しく、パワーブロックのステップ電圧は、2つの隣接するレベルの電位差に等しく、
メインコントローラは、基準信号と浮動キャパシタに亘る電圧とを基にして、
マルチレベルフェーズブロックの出力が基準信号に基づいて特定される特定のレベルとなり、浮動キャパシタに亘る全ての電圧が予め定められた電圧が含まれる予め定められた範囲内のものになるように、
パワーブロックの出力レベルとマルチレベルフェーズブロックのスイッチング状態を決定する。
【発明の効果】
【0008】
本発明のマルチレベル電力変換装置は、非常に簡易化されたアークテクチャ及び操作順序を有し、高程度の信頼性及び安定性をもたらす。操作の特別な方法を利用して、更に本発明は、所与のハードウエア構成から、可及的に最も高い出力電圧及び電力を信頼性高く供給できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1A】特に、高出力アプリケーション専用の、本発明の第1の実施形態に係るマルチレベル電力変換装置のワンフェーズのブロック図である。
【図1B】特に、低出力アプリケーション専用の、本発明の第1の実施形態に係るマルチレベル電力変換装置の別のブロック図である。
【図1C】マルチレベルフェーズブロックの回路図である。
【図2】マルチレベル電力変換装置の参照電圧及び出力電圧がプロットされたチャートである。
【図3】種々のスイッチ組み合わせ内の電流を示す。
【図4】浮動キャパシタにおける電圧の制御を説明する例示図の一つである。
【図5】浮動キャパシタにおける電圧の制御を説明する例示図の一つである。
【図6】浮動キャパシタにおける電圧の制御を説明する例示図の一つである。
【図7】マルチレベル変換装置の出力電圧、マルチレベル変換装置内の電力ブロックの出力の電圧、及びマルチレベルフェーズブロック内の浮動キャパシタにおける電圧の、チャートである。
【図8】マルチレベル変換装置のワンフェーズの出力と、マルチレベル変換装置のワンフェーズ内の電力ブロックの出力の電圧を示すチャートである。
【図9A】本発明の第2の実施形態に係るマルチレベル電力変換装置のブロック図である。
【図9B】特別のスイッチ組み合わせにおけるマルチレベルフェーズブロック内の電流を示す。
【図10】本発明の第3の実施形態に係るマルチレベル電力変換装置のブロック図である。
【図11】本発明の第4の実施形態に係るマルチレベル電力変換装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
第1の実施形態
図1Aは、本発明の第1の実施形態に係るマルチレベルコンバータのワンフェーズのブロック図であり、図1Bは、本発明の第1の実施形態に係る別のコンバータの回路記載する別のブロック図である。図1Cは、コンバータ101のマルチレベルフェーズブロック5の詳細回路図である。図2は、マルチレベルフェーズブロックにより記録された通常の波形(Vout)である。図3(a)(b)、図4、図5及び図6は、マルチレベルフェーズブロック5を介して流れる電流パスを示し、本実施形態の電圧バランシングストラテジを説明する電圧チャートも示す。図7(a)(b)、図8は、本発明の第1の実施形態に係るマルチレベルコンバータ101のワンフェーズにより得られる結果を示す
【0011】
図1Aを参照して、本発明の第1の実施形態に係るマルチレベルコンバータ101のワンフェーズは、DC蓄電手段1、パワーブロック3、マルチレベルフェーズブロック5、基準電圧生成器9、メインコントローラ7、及び、浮動キャパシタ充電パワーサプライ8を、含む。本実施形態では、パワーブロック3は、3レベルNPCインバータを構成する。出力電圧の領域、即ち、タイトな浮動キャパシタ電圧コントロールの領域と、上昇した出力電圧の領域とが、定義される。
【0012】
タイトな浮動キャパシタ電圧コントロールの領域の、基本的なマルチレベルフェーズブロックオペレーション
図1A及び図1Cを参照して、マルチレベルフェーズ5が、本発明の第1の実施形態に係るブロックマルチレベルコンバータ101のワンフェーズのマルチレベル出力信号を供給するように動作している。パワーブロック3Vmの出力電圧がゼロである(Vm=0)と仮定して、基本的な動作を以下に説明する。
【0013】
図1Cを参照して、夫々浮動キャパシタCC1、CC2、CC3を有する3つの(N=3)浮動キャパシタH−ブリッジセル11が、本発明の第1の実施形態に係るマルチレベルコンバータ101のワンフェーズのマルチレベルフェーズブロック5内部に搭載されている。浮動キャパシタCC1、CC2、CC3の各々は、初期には特定の電圧Vcに設定され得る。“アウト”を介して流れる出力電流Ioutがゼロである(Iout=0)と仮定すると、初期のキャパシタ電圧は変化しない。Iout=0と仮定して、マルチレベルフェーズブロック5の基本的な動作を更に説明する。
【0014】
図1Cによると、マルチレベルフェーズブロック5内部に、12個のスイッチ(SU1−SU6、SL1−SL6)が見られる。N=3のマルチレベルフェーズブロック5は、次のように周知のやり方で、電圧の7レベルを形成できる。
・全ての下方のスイッチSL1〜SL6をオン状態に設定しVout=0を形成する。
・下方のスイッチSL2を開放し、上方のスイッチSU2をオン状態に設定してVout=+Vcを形成する。
・更に、下方のスイッチSL4を開放し、上方のスイッチSU4をオン状態に設定してVout=+2Vcを形成する。
・更に、下方のスイッチSL6を開放し、上方のスイッチSU6をオン状態に設定してVout=+3Vcを形成する。
【0015】
上述のVout=0の状況から、下方のスイッチSL1が開放され、上方のスイッチSU1がオン状態に設定されると、Vout=−Vcが発生する。同様に、スイッチ(SU1〜SU6、SL1〜SL6)の状態を適宜設定することにより、電圧Vout=−2Vc及びVout=−3Vcという、別のレベルが形成され得る。Vm=0の条件下でのマルチレベルコンバータ101のワンフェーズの最大限ピーク出力電圧Voutpは、Voutp=NVc(N:浮動キャパシタH−ブリッジセル11の数)である。
【0016】
結果として、マルチレベルフェーズブロック5は、メインコントローラ7から個々のコマンドを受けると、マルチレベル出力信号を生成する。図2は、生成器9からの基準信号の正の立ち上り部分、及び、5個のH−ブリッジセル11を有するマルチレベルフェーズブロック(図示せず)の対応する11レベル信号を示す(この例示のチャートは、セルの数N=5である場合に関して、示されている)。
【0017】
タイトな浮動キャパシタ電圧コントロールの領域のパワーブロック動作
図1Aのマルチレベルコンバータブロック図では、3レベルNPCインバータ回路が、本発明の第1の実施形態のパワーブロック3の位置に適用される。それは、DC蓄電手段1のターミナルP、Z、Nに周知の方法で接続される。パワーブロック3のブロック出力Mは、本発明の第1の実施形態のマルチレベルフェーズブロック5に供給する。パワーブロック3内のスイッチの設定によって、それは、ターミナルMに対して、周知のやり方で3つの出力電圧レベルVp、Vz、Vnの一つを供給する。結果として、ステップ電圧は、Vstep=Vp−Vz=Vz−Vnと等しくなる。
【0018】
しかしながら、2レベル、3レベルコンバータ、若しくは、より高い数のレベルを与えるコンバータのあらゆる周知の回路は、(本実施形態のパワーブロック3の)位置に適用可能であり、ステップ電圧は然るべく決定される、ということは十分理解される。
【0019】
タイトな浮動キャパシタ電圧コントロールの領域でマルチレベルフェーズブロックに供給すること
図1Aの負荷抵抗Rloadに示すような抵抗負荷の条件下で、浮動キャパシタCC1〜CC3は時間と共に放電する。しばらく後で、キャパシタCC1、CC2、CC3に充電するために、マルチレベルフェーズブロック5にエネルギが注入される必要がある。パワーブロック3とマルチレベルフェーズブロック5の接続は、これを達成すべく為される。
【0020】
図1Aによると、3レベルNPC回路が、本発明の第1の実施形態に係るマルチレベルコンバータ101のワンフェーズ内のパワーブロック3として用いられる。
【0021】
更に、DCバス電圧レベルVpは、値Vp=N×Vc、若しくは、Vp=(N+1)Vcにセットされ得る。上記導出されるように、タイトな浮動キャパシタ電圧コントロールの領域では、本発明の第1の実施形態に係るマルチレベルコンバータ101のワンフェーズの最大限ピーク出力電圧Voutは、Vout=N×Vcとなる。結果として、Voutは、Vp以下である(Vout<=Vp(=N×Vc、又は、(N+1)Vc))。
【0022】
図1Aによると、パワーブロック3により供給される電流は、負荷電流と等しくなる。結果として、Vm=Vpの条件下でのパワーブロック3により供給される電力Pmは、常時、Pm=Vp×Iout>=Vout×Iout=Poutである。パワーの差は、マルチレベルフェーズブロック5の浮動キャパシタCC1、CC2、CC3を充電するのに用いられる。Vm=Vnの条件下では、出力電圧はVout<=0となり、電流の流れは逆である。結果として、Pm>=Poutである。更に、パワーの差(Pm−Pout)は、浮動キャパシタCC1、CC2、CC3を充電するのに取得される。
【0023】
NPCインバータ(パワーブロック3)を利用して、本発明の第1の実施形態に係るマルチレベルコンバータ101のワンフェーズの動作の間の時間のどの瞬間でも、Vmは、Vm=Vp、Vm=Vz、若しくはVm=Vnを自由に選択され、マルチレベルフェーズブロック5の浮動キャパシタCC1、CC2、CC3の少なくとも一つのパワー要求を満足する。
【0024】
コンバータの開始後の全てのH−ブリッジセルにおける予め定められた電圧を達成すること
本発明の第1の実施形態に係るコンバータは、出力パワーの非常に広範囲であってもよい。高パワーコンバータは、通常、負荷、例えば、3フェーズモータに直接接続される。しかしながら、低パワーコンバータは、一般に機械的コントラクタを介して接続されるが、これはそのようなパワー範囲では低コストで供給される。全てのH−ブリッジセルにて予め定められた電圧を達成する方法は、それらに依存する。
【0025】
負荷に直接接続するコンバータのための方法
コンバータのH−ブリッジセル内に組み込まれた浮動キャパシタの少なくとも一つは、浮動キャパシタ充電パワーサプライ8に接続される。そのパワーサプライは、パワーコンバータの定格と比較して、非常に小さい定格を有する。前記少なくとも一つの浮動キャパシタは、浮動キャパシタ充電パワーサプライ8により予め定められた電圧まで直接充電される。浮動キャパシタ充電パワーサプライ8に接続されないそれら浮動キャパシタの各々はその後、以下のように充電され得る。パワーコンバータの全てのフェーズのパワーブロックは、同じ電圧を出力するように設定され(例えば、3レベルコンバータを含む前記パワーブロックの場合、ゼロ)、よって、その個々のマルチレベルフェーズブロックにそれらの各々を接続するラインMの間に、ゼロ電圧を供給する。
【0026】
最初に充電されたセルとして同じマルチレベルブロック内に位置するH−ブリッジセルは、鏡像の極性にセットされ、最初に充電されたH−ブリッジセルのスイッチングを開始する。結果として、十分コントロールされたDC電流の流れは、負荷のターミナルを介して開始し、同じマルチレベルブロック内に位置するが浮動キャパシタ充電パワーサプライ8に接続しない前記H−ブリッジセルの浮動キャパシタを、充電する。
【0027】
別のフェーズのマルチレベルフェーズブロック内に位置するH−ブリッジセルの浮動キャパシタは、同様に充電され得る。あらゆる他のフェーズの一つのH−ブリッジセルは、(例えば、出力側にプラスの電位を与える)同じ極性にスイッチされ得る。その後、浮動キャパシタ充電パワーサプライに接続するH−ブリッジセルのスイッチが、スイッチングして負荷ターミナル内にDC電流を注入するようにセットされ、該電流は負荷に接続した全ての他のフェーズを通過し、個々のそれらフェーズの一つのH−ブリッジセルを充電する。全ての他の非充電セルはその後、然るべく充電される。
【0028】
しかし当然ながら、パワーサプライにより充電されたそれらセルから別のセルへエネルギを移動するための様々な方法が見出され得る。
【0029】
結果として、本発明の第1の実施形態に係る回路は、少なくとも一つの浮動キャパシタ充電パワーサプライによって、コンバータ内の全てのH−ブリッジセルに予め定められた電圧を、安全に供給できる。
【0030】
出力コンタクタを組み込むコンバータのための方法
出力コンタクタが設けられると、(図1Aで符号“8”を付される)浮動キャパシタ充電パワーサプライの必要が無い、充電方法が、図1Bに示すように、見出され得る。図1Bでは、コンタクタCCTR1、CCTR2、CCTR3は、フェーズ出力を充電抵抗RCh1、RCh2、RCh3の夫々に接続し、それらの各々は、接地に接続する。結果として、マルチレベルフェーズブロックの浮動キャパシタは以下のようになる。
【0031】
出力コンタクタは、充電位置にセットされ、フェーズ出力を接地に接続する。マルチレベルフェーズブロックのスイッチは、高くセットされ、マルチレベルフェーズブロック出力電圧N×Vcとなる。しかしながら、この瞬間にはVc=0であるから、N×Vcはなおゼロである。その後パワーブロックのスイッチは、Vm=Vnを達成するようにセットされる。電流は流れ始め、浮動キャパシタは充電される。コンバータ設計が、N×Vc=Vpにより規定されるならば、全てのキャパシタは直接に充電し、結果として「Vc=予め定められた電圧」となる。設計上の規定が、(N+1)×Vc=Vpであるならば、Vcが予め定められた電圧に達すると充電は停止し得る。
【0032】
しかし当然ながら、充電、及び、予め定められた電圧に到達することの制御に係る、プロセスをコントロールする種々の方法が、見出され得る。
【0033】
タイトな浮動キャパシタ電圧コントロールの領域内で連続するマルチレベル出力を達成すること
前述のように、マルチレベルフェーズブロック5には、浮動キャパシタCC1、CC2、CC3のパワーデマンドから決定されるVm=Vp、Vz若しくはVnの電圧値を供給される。同時に、基準電圧生成器9により求められる、Voutの電圧に到達するための作用が、要求される。浮動キャパシタCC1、CC2、CC3のパワー要求を満足しつつ基準電圧生成器9からの求めを達成するために、メインコントローラ7は、以下に説明するように、スイッチSL1〜SL6、SU1〜SU6を再調整する必要がある。
【0034】
基準電圧生成器9に基づいてメインコントローラ7により与えられる一時的なマルチレベルコマンドが、L1及びVm=Vz=0であるとする。マルチレベルフェーズブロック5のスイッチは、図3(a)の点線により示される電流パスを形成するようにセットされる。出力電圧Voutは、Vout=+Vcとなる。エネルギは、抵抗負荷RloadによりキャパシタCC1から引き出される。
【0035】
一時的な出力レベルVoutが正であるので、浮動キャパシタCC1、CC2、CC3の少なくとも一つの充電が必要になると、マルチレベルフェーズブロック5へ供給することは、Vm=Vpとセットすることにより実現される。結果として、マルチレベルフェーズブロック5を亘る電圧(Vout−Vm)は、Vout−Vm=Vc−Vp=−2Vcに変更される必要がある。よって、マルチフェーズブロック5のスイッチSU1〜SU6、SL1〜SL6は、図3(b)内の点線で示す電流パスを形成するようにセットされ得る。結果として、キャパシタCC1を介して流れる電流は逆になり、CC1は充電される。
【0036】
図1Aに示すように、本発明の第1の実施形態に係るマルチレベルコンバータ101のワンフェーズにより、DCバス電圧レベルVp及びVnを、Vp=3Vc及びVn=−Vpの値にセットすることにより、生成器9の基準信号から決定される(N=3及びVp=3Vc=−Vnの場合の)7つのレベルL1、L2、L3、L0、L−1、L−2若しくはL−3を伴う出力電圧値Voutの完全な一致が、パワーブロック3内のスイッチ及びマルチレベルフェーズブロック5内のスイッチの、以下のような、放電のセッティング(D)及び充電のセッティング(C)の下で、取得される。
【0037】
【表1】
スイッチ状態は、タイトな浮動キャパシタ電圧コントロールの領域内で完全に冗長である。
【0038】
中間レベルL1、L2及びL−1、L−2に出力電圧をセットすることは、充電セッティング(C)及び放電セッティング(D)の両方にて、浮動キャパシタCC1、CC2、CC3のいずれかを介して電流が流れることを要求する。しかしながら、レベルL3、L0及びL−3は、浮動キャパシタCC1、CC2、CC3を介する電流の流れ無くして実現可能であり、浮動キャパシタCC1、CC2、CC3に亘る電圧は、そのセッティングの下で維持される。
【0039】
DCバス電圧レベルVp及びVnは、図1Aに示すように、本発明の第1の実施形態に係るマルチレベルコンバータ101の別のワンフェーズにより、Vp=(N+1)Vc=4Vc及びVn=−Vpの値にセットされ得る。出力電圧の完全な一致は、放電のセッティング(D)及び充電のセッティング(C)の下で取得されないが、マルチレベルコンバータの動作はなおうまく取得される。というのは、浮動キャパシタのいくつかを介する電流の流れを要求するスイッチングは、以下のように、タイトな浮動キャパシタ電圧コントロールの領域内で、なお冗長であるからである。
【0040】
【表2】
【0041】
結果として、タイトな浮動キャパシタ電圧コントロールの領域内で、本発明の第1の実施形態に係る回路は、いつ何時でも出力電圧のどのレベルでも供給でき、Vp及びVn(更にVz=0)から出力電圧を適宜選択してマルチレベルフェーズブロック5のスイッチSU1〜SU6及びSL1〜SL6をスイッチングすることにより、自由に、浮動キャパシタCC1、CC2、CC3に充電を供給し充電を引き出す。
【0042】
浮動キャパシタ電圧バランスを達成すること
式(1)〜(3)、(5)〜(7)、(8)〜(10)及び(13)〜(15)の各々は、Vcの乗算に基づくので、Vcが浮動キャパシタCC1、CC2、CC3のいずれによっても達成される限り、式は保持され得る。結果として、本発明の第1の実施形態に係るマルチレベルコンバータ101のワンフェーズの首尾のよい動作のためには、全ての浮動キャパシタCC1、CC2、CC3の電圧の正確な制御が望まれる。しかしながら、浮動キャパシタCC1、CC2、CC3の放電電流及び充電電流は、種々のサブセットを介して流れる。均一の放電及び充電は、以下に詳細に説明する能動平衡により達成される。
【0043】
能動平衡は、追加の回路により確実に達成され得る。該回路は浮動キャパシタCC1、CC2、CC3の間でエネルギを移動できる。しかしながら、追加の回路により、回路にコストと複雑さが加わってしまう。本発明の第1の実施形態に係るマルチレベルコンバータ101のワンフェーズによれば、そのようなエネルギ移動回路無しで、能動平衡が達成される。代わりに、マルチレベルフェーズブロック5内部の電流の流れの再配置が、スイッチSU1〜SU6及びSL1〜SL6を適切にスイッチングすることにより、メインコントローラ7で初期化される。
【0044】
図4乃至図6は、本発明の第1の実施形態に係るマルチレベルコンバータ101のワンフェーズの浮動キャパシタCC1、CC2、CC3の能動平衡のための動作を記載する。図4乃至図6は、出力電圧レベルVoutがL2にセットされ式(2)に従う放電が実行される場合における、能動平衡を示す。
【0045】
図4に示すように、電流は、キャパシタCC1及びCC2を介して、最初流れる。全ての浮動キャパシタCC1、CC2、CC3の電圧は、メインコントローラ7によりモニタされる。その際、メインコントローラ7は、キャパシタCC3に亘る電圧(Vcc3)と、キャパシタCC1及びCC2に亘る電圧(Vcc1及びVcc2)との間の電圧差が、増大していることを、観察する。電圧差がプリセットのリミット差値を超えることを、メインコントローラ7が検出すると、メインコントローラ7は、図5に示すように、スイッチSU1〜SU6及びSL1〜SL6のスイッチセッティングを変更する。続いて電流は、キャパシタCC1及びCC3を介して流れる。その際、キャパシタCC3に亘る電圧(Vcc3)と、キャパシタCC2に亘る電圧(Vcc2)との間の電圧差が、減少する。しかしながら、キャパシタCC1に亘る電圧(Vcc1)と、キャパシタCC2に亘る電圧(Vcc2)との間の電圧差は、増大する。Vcc1とVcc2との間の電圧差がプリセットのリミット差値に達すると、図6に示すように、浮動キャパシタCC1が電圧差に基づいて開放されキャパシタCC2及びCC3を介する電流の流れが最小絶対値となるように、メインコントローラはスイッチSU1〜SU6及びSL1〜SL6のセッティングを変更する。
【0046】
結果として、本発明の第1の実施形態に係るマルチレベルコンバータ101のワンフェーズの動作時間の間に、メインコントローラ7によって、浮動キャパシタCC1、CC2、CC3の間の電圧平衡、及び浮動キャパシタの電圧値セッティングVcc1、Vcc2、Vcc3が、達成される。図7(a)は、そのマルチレベルフェーズブロック5内のN=5のH−ブリッジセルを有する本発明の第1の実施形態に係るマルチレベルコンバータ101のワンフェーズの、パワーブロック3出力電圧Vmと、コンバータ出力電圧Voutを示す。基準生成器の信号の正の上昇部の間のタイムスパンは図に示され、出力周波数は50Hzであり、キャリア周波数は20kHzであり、出力電圧レベルにはL0〜L5が付され、パワーブロック3の変化の時間はT1〜T7が付される。図7(b)は、同じタイムスパンでの5つの浮動キャパシタの電圧値をプロットしており、T1〜T7はパワーブロック3のステータスの変化の時間を示しており、また、LLは浮動キャパシタ電圧に対して設定されたプリセットの下方リミット電圧を示し、ULは浮動キャパシタ電圧に対して設定されたプリセットの上方リミット電圧を示す。図8は、N=5のH−ブリッジセルを含む本発明の第1の実施形態に係るマルチレベルコンバータ101のワンフェーズの、パワーブロック3出力電圧Vmと、コンバータ101出力電圧Voutを示す。このチャートは、50Hz出力電圧波形の1.5周期に対して、プロットされている。
【0047】
上昇したコンバータ出力電圧を達成すること
上述のように、タイトな浮動キャパシタ電圧コントロールの領域内の抵抗負荷の下での動作の間、パワーブロックにより供給され得るパワーは、常時、コンバータ出力パワーと同等若しくはそれより大きい。結果として、浮動キャパシタは充電可能であり、更に、十分なサイズの浮動キャパシタが組み込まれたならば、その領域内に動作の間に過剰エネルギが蓄積され得る。その過剰エネルギは、負荷をVout>Vp又はVout<Vnまでの電圧にドライブするのに用いられ得る。Vout>Vpに対して、Vm=Vpを選択し、マルチレベルフェーズブロックに正電圧を加えるように命じる。その正電圧はVc若しくはその一部と等しければよい。後者は、PWM変調などの周知の方法で得られ得る。
【0048】
しかしながら、十分に充電された浮動キャパシタの条件から、上昇した出力電圧を達成してコントロールするのに、種々の方法が見出され得るということが十分に理解される。
【0049】
マルチレベルコンバータ101のワンフェーズによれば、以下の利点が得られる。小さいサイズの浮動キャパシタが利用され得る。周波数が0Hzであっても、どの出力周波数でもゼロと名目値との間の安定した出力電圧が、非常に簡素なコントロール動作により、容易に達成される。マルチ巻線パワートランスフォーマは要求されず、よって低重、小サイズ、及び低コストが達成される。2線(プラス、マイナス)の直流(DC)が可能である。安全な完全な4象限運転が可能である。簡素で信頼性の高いコントロール方法が利用され得る。及び、簡素且つ安定的な作動停止運転、更に上昇出力電圧及び電力が達成され得る。また、標準PWM方法と同じように、コモンモード電圧が小さくなり、しかも、常時の現実のゼロコモンモード電圧は、周知のゼロコモンモード電圧変調スキームの利用により、現実化され得る。しかしながら、上述の機能は、アナログ若しくはデジタル処理により様々な方法で実現し得るのであり、それらの方法全ては請求項1の記載範囲に含まれ得る。
【0050】
第2の実施形態
図9Aを参照すると、本発明の第2の実施形態に係るマルチレベルコンバータ201が記載されている。図では、出力電流(Iout)をモニタしそれをメインコントローラ7にレポートする電流センサ13が導入されている。メインコントローラ7の動作が強化され、−1≦cosφ≦1の出力負荷条件の範囲が受け入れられ得る。しかしながら、出力電流をモニタするのに種々の方法が適用可能であり、そのような方法全てがこの実施形態に含まれることが、十分に理解される。機能は以下に詳細に記載される。
【0051】
上記の“マルチレベルフェーズブロックに供給すること”という記載に従い、浮動キャパシタCC1〜CC3は、Vm=0である限り、時間と伴に放電する。Vm=Vpでは、条件Pm=Poutが満足され、浮動キャパシタCC1、CC2、CC3が充電されている。コンバータ201から負荷に向かって安定したパワーフローを与え更にcosφ=1を与える、負荷抵抗の下で、浮動キャパシタの充電及び放電が、上述のように達成される。
【0052】
しかしながら、cosφ=−1では、負荷からコンバータ201に向かっての安定したパワーフローとなる。cosφ=1に対しては、電流フローは逆となり、浮動キャパシタCC1、CC2、CC3は、Vm=0のセッティングの下で電流の流れにより充電される(図9B)。cosφ=1とは対照的に、浮動キャパシタの上方電圧リミットは、パワーブロック3のステータス変更をVm=Vpに初期化するために、検出される必要がある。Vm=Vpは、Pm<=Poutとなり、これにより、浮動キャパシタCC1、CC2、CC3の放電が開始する。
【0053】
cosφ=1は、出力電圧と全体として同調する出力電流となる。よって、コンバータ201からのパワーフローとなる。一方、cosφ=−1は、全体として出力電圧と逆位相である出力電流となり、コンバータ201内へのパワーフローとなる。従って、−1<cosφ<1の条件では、パワーフロー方向が周期的に変化する。浮動キャパシタCC1、CC2、CC3は、現実のパワーフローに依存して充電し若しくは放電するので、上方リミット及び下方リミットの検出は夫々交換される必要がある。電流センサ13からの信号は、メインコントローラ7内部のその変化プロセスに直接加えられる。
【0054】
本発明の第2の実施形態に係るマルチレベルコンバータ201は、どのタイプの電気負荷も受け入れられる。
【0055】
第3の実施形態
図10を参照すると、本発明の第3の実施形態に係るマルチレベルコンバータ301が、記載されている。
【0056】
図に示すように、メインコントローラは、複数の機能7a〜7gにかように分割される。機能ユニット7a〜7gは、メインコントロールセクション307を構成する。機能ユニット7a〜7gの各々は、低コスト及び低損失回路により実現され得る。つまり、基準信号に基づいてPWM信号を生成するマルチレベルPWM生成器ユニット7d;PWM信号、及び、モード判別ユニット7bにより判別されるパワーブロック3の出力レベルに基づいて、マルチレベルフェーズブロック5に亘る電圧を判別するモード変換テーブルユニット7e;基準信号、モード変換テーブルユニット7eにより判別される電圧、電流センサ13からの電流信号及び浮動キャパシタに亘る電圧に基づいて、マルチレベルフェーズブロック5のスイッチングをコントロールするキャパシタ電圧バランスコントローラ及びスイッチテーブル7f;浮動キャパシタの電圧が予め定められた範囲から逸脱するか否かを検出するキャパシタリミット検出ユニット7a;基準電圧、キャパシタリミット検出ユニット7aによる検出結果及び電流センサ13からの信号電流に基づいて、パワーブロック3の出力レベルを判別するモード判別ユニット7b;並びに、モード判別ユニット7bにより判別される出力レベルに基づいて、パワーブロック3の出力をコントロールするパワーブロックスイッチテーブルユニット7cからなる、低コスト及び低損失回路である。
【0057】
本発明の第3の実施形態に係るマルチレベルコンバータ301は、経費が掛からない。より少なくコントロールのためのパワーを消費するに過ぎず、従って、特に部分負荷の下で高い全体効率を達成する。
【0058】
第4の実施形態
図11を参照すると、本発明の第4の実施形態に係るマルチレベルコンバータ401が、記載されている。
【0059】
レベル電圧検出ユニット7hがメインコントローラセクション407に導入されており、該レベル電圧検出ユニット7hは、浮動キャパシタCC1、CC2、CC3の実際の電圧レベル、及び、実際のPWM電圧レベルを導出するDC−リンク1を、利用する。実際のPWM電圧レベルは、マルチレベルPWM生成器ユニット7dにレポートされる。結果として、マルチレベルPWM生成器ユニット7dは動的調整パターンを生成して滑らかで、歪み緩和された出力電圧Voutとし得る。
【0060】
よって本発明の第4の実施形態に係るマルチレベルコンバータ401は、歪みのない出力電圧を出力し、該出力電圧は低振動且つ低損失の標準的サインフィルタにより処理され得る。
【0061】
第5の実施形態
本発明の第5の実施形態に係るマルチレベルコンバータでは、そのパワースイッチ機能がユニポーラトランジスタにより実現される。
【0062】
今日、その高い阻止電圧により、バイポーラデバイスは、コンバータアプリケーションで広く用いられる。そこでは、バイポーラデバイスは、高い阻止電圧で低いオン状態を示す。
【0063】
しかしながら、そのようなバイポーラデバイスのオン状態特性は、強い非線形性により特徴付けられるが、該非線形性により、通常のダイオード(ダイオードニー)のようにある順電圧にて非常に小さい電流となる。更に、バイポーラデバイスは、プラズマ抽出プロセスにより生じる上昇したスイッチング損失を示す。
【0064】
本発明の第1から第4の実施形態に係るマルチレベルコンバータにより、N*Vc=Vpの下では、高周波数でのスイッチング動作は、マルチレベルフェーズブロック5内部のデバイスに限定される。処理される電圧はVcであり、それは最大限出力電圧Voutpの一部に過ぎない。よってスイッチング損失はかなり減少される。
【0065】
ユニポーラトランジスタ、若しくはそれらの直列接続は、その上にオン状態損失を十分に減少させることを可能にする。というのは、そのようなユニポーラトランジスタはダイオードニーの非線形性を示さないからである。結果として、低オン状態電圧低下が、夫々の電流レベルで達成される。本発明の第5の実施形態に係るマルチレベルコンバータは、非常に高い効率を示す。
【0066】
第6の実施形態
本発明の第6の実施形態に係るマルチレベルコンバータでは、MOSFET若しくはそれらの直列接続が、スイッチング機能に加えられる。
【0067】
MOSFETはシリコンに基づくユニポーラデバイスであり、この数十年間順調に開発されてきた。結果として、商業的に利用可能なMOSFETのオン状態の特性は、今や所謂シリコン限界に接近しており、デバイスは低コストで入手可能である。しかしながら、シリコン限界は、MOSFETの特定のオン状態が、阻止電圧の約2.7乗に、指数関数的に強く依存する、ということを示す。接続抵抗及びパッケージ接続抵抗などの技術的パラメータを考慮に入れると、MOSFETは、50Vと200Vの間の阻止電圧で最も良く動作するが、最も良い選択は100Vである。
【0068】
本発明の第6の実施形態に係るマルチレベルコンバータは、現実の商業的に利用可能な技術に基づいて、非常に低いコスト及びサイズで非常に高い効率を示す。
【0069】
第1から第6の実施形態に係るコンバータのいずれであっても、以下のような利点が得られる。小さいサイズの浮動キャパシタが利用可能である。周波数が0Hzであっても、どの出力周波数ででも安定した出力電圧が、非常に簡単なコントロール操作により容易に達成される。マルチ巻線パワートランスフォーマは要求されず、よって、低重、小サイズ及び低コストが達成される。2線(プラス、マイナス)DCからの供給が可能である。安全な完全な4象限運転が可能である。簡素で信頼性の高いコントロール方法が利用され得る。小量の充電及び維持パワーを少なくとも一つの浮動キャパシタセルに供給することにより、若しくは、接地への電流パスを確立する出力接触器を用いることにより、簡素且つ安定的な作動停止運転が達成され得る。並びに、特にMOSFETが用いられると、非常に高い効率が実現可能となる。
【0070】
第7の実施形態
上述のように、|Vout|<Vpであるとき、エネルギは常時、浮動キャパシタ内に蓄積され格納され得る。正弦波出力の振幅がVpより大きくても、|Vout|<Vpの状況は繰り返し発生する。上述のように、本発明のコンバータは、浮動キャパシタへの、瞬間のパワーフローをコントロールできる。結果として、浮動キャパシタ電圧は、上昇した出力電圧の領域に入る直前に、できるだけ高くなるように強制され得る。
【0071】
そのようなコントロール方法を利用するコンバータは、従って、上昇した出力電圧の領域に安全に入り、上昇したパワーを負荷に信頼性高く供給できる。
【0072】
第8の実施形態
過剰のエネルギは、浮動キャパシタ内に蓄積され得る。しかしながら、容量値、及び、上昇した出力電圧の領域に入る直前に得られたキャパシタの電圧レベルにより、そのエネルギは制約される。
【0073】
一方で、基準信号が落ちて再び|Vout|<Vpとなるように出力電圧を操作するまでは、そのエネルギが、上昇した出力電圧の領域を介して前に進むのに十分であることが、強く望まれる。出力電圧の1周期のそのような部分の範囲内で、出力電流及び出力電圧が予測可能であるから、上昇した出力電圧の領域を介して進むための期間に求められるエネルギは、先に計算可能であり、結果がメインコンバータコントロールに送信され出力パワーがこれにより調整されることが可能である。
【0074】
よって、本発明の第8の実施形態に係るコンバータは、高い出力及びパワーを安全に且つ信頼性高く供給できる。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、マルチレベルパワーコンバータに利用される。
【符号の説明】
【0076】
1・・・DC蓄電手段、3・・・パワーブロック、5・・・マルチレベルフェーズブロック、7・・・メインコントローラ、8・・・浮動キャパシタ充電パワーサプライ、9・・・基準電圧生成器、11・・・浮動キャパシタH−ブリッジセル、13・・・電流センサ、15p、15n・・・電圧センサ、101、201、301、401・・・マルチレベルコンバータのワンフェーズ、CC1、CC2、CC3・・・浮動キャパシタ、CCTR1、CCTR2、CCTR3・・・コンタクタ、SU1、SU2、SU3、SU4、SU5、SU6・・・スイッチ、SL1、SL2、SL3、SL4、SL5、SL6・・・スイッチ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パワーコンバータであって、
上方電圧レベルと下方電圧レベルを含む少なくとも2つの電圧レベルを出力するパワーブロックと、
N個のH−ブリッジセルを含むマルチレベルフェーズブロックであって、N個のH−ブリッジセルの各々が少なくとも一つの浮動キャパシタを有しており、前記パワーブロックに接続されるマルチレベルフェーズブロックと、
コンバータの動作が開始された後に、予め定められた電圧にまで充電されるように前記H−ブリッジセルの少なくとも一つと、又は、前記H−ブリッジセルの少なくとも一つを介する接地への電流経路を形成し得る、少なくとも一つの出力コンタクタと、接続する、少なくとも一つの浮動キャパシタ充電パワーサプライと、
基準信号を出力する基準電圧生成器と、
前記基準信号を入力して前記マルチレベルフェーズブロックの浮動キャパシタに亘る電圧をチェックするメインコントローラと
を含み、
前記パワーブロックのステップ電圧は、予め定められた電圧のN倍若しくは(N+1)倍に等しく、パワーブロックのステップ電圧は、2つの隣接するレベルの電位差に等しく、
前記メインコントローラは、基準信号と浮動キャパシタに亘る電圧とを基にして、
前記マルチレベルフェーズブロックの出力が基準信号に基づいて特定される特定のレベルとなり、浮動キャパシタに亘る全ての電圧が予め定められた電圧が含まれる予め定められた範囲内のものになるように、
前記パワーブロックの出力レベルと前記マルチレベルフェーズブロックのスイッチング状態を決定する
ことを特徴とするパワーコンバータ。
【請求項2】
その電圧がプリセットの下方リミット以下である浮動キャパシタが放電を行わず、その電圧がプリセットの上方リミット以上である浮動キャパシタが充電を行わないように、前期メインコントロールが前記マルチレベルフェーズブロックのスイッチング状態を決定するパワーコンバータであって、プリセットの下方リミットとプリセットの上方リミットが予め定められた範囲を定義する、請求項1に記載のパワーコンバータ。
【請求項3】
前記マルチレベルフェーズブロックの一つの浮動キャパシタと前記マルチレベルフェーズブロックの別の浮動キャパシタとの間の電位差がプリセットのリミット差異値を超えないように、前期メインコントロールが前記マルチレベルフェーズブロックのスイッチング状態を決定する請求項1に記載のパワーコンバータ。
【請求項4】
前記メインコントローラが、実際の能動PWM電圧レベルを判別する手段を含み、前記メインコントローラが、基準電圧に基づいて特定される特定レベルを、実際の能動PWM電圧レベルに係る電圧に調整する、請求項1から請求項3のうちいずれか一に記載のパワーコンバータ。
【請求項5】
前記マルチレベルフェーズブロックを介する電流を検出し、検出結果を電流信号として出力する電流センサを更に含み、
前記メインコントローラが、電流信号に従って電流の瞬時サインを導出し、基準信号、浮動キャパシタに亘る電圧、及び電流の瞬時サインに基づいて、前記パワーブロックの出力レベルと、前記マルチレベルフェーズブロックのスイッチング状態とを決定する、請求項1から請求項4のうちいずれか一に記載のパワーコンバータ。
【請求項6】
前記メインコンとローラが、
浮動キャパシタの電圧が予め定められた範囲から外れるか否かを検出するキャパシタリミット検出ユニットと、
基準信号、前期キャパシタ検出ユニットによる検出結果、及び信号電流に基づいて、前記パワーブロックの出力レベルを判別するモード判別ユニットと、
基準信号に基づいて、実際の能動PWM電圧レベルを示すPWM信号を生成するマルチレベルPWM生成器ユニットと、
基準信号に基づいて特定される特定信号を、実際の能動PWM電圧レベルに係る電圧に調整し、実際の能動PWM電圧レベル、及び、モード判別ユニットにより判別される前記パワーブロックの出力レベルに基づいて、前記マルチレベルフェーズブロックに亘る電圧を判別するモード変換テーブルユニットと、
基準信号、モード変換テーブルユニットにより判別される電圧、電流信号、及び浮動キャパシタに亘る電圧に基づいて、マルチレベルフェーズブロックのスイッチングをコントロールするキャパシタ電圧バランスコントローラ及びスイッチテーブルユニットと、
前記モード判別ユニットにより判別される前記パワーブロックの出力レベルに基づいて、前記パワーブロックの出力をコントロールするパワーブロックスイッチテーブルユニットと
を含む、請求項5に記載のパワーコンバータ。
【請求項7】
前記マルチレベルフェーズブロックのスイッチ機能が、ユニポーラトランジスタ若しくはそれらの直列接続により実現され、
前記パワーブロックのスイッチ機能が、ユニポーラトランジスタ若しくはそれらの直列接続により実現される、請求項1から請求項6のうちのいずれか一に記載のパワーコンバータ。
【請求項8】
前記マルチレベルフェーズブロックのスイッチ機能が、MOSFET若しくはそれらの直列接続により実現され、
前記パワーブロックのスイッチ機能が、MOSFET若しくはそれらの直列接続により実現される、請求項7に記載のパワーコンバータ。
【請求項9】
パワーコンバータにより実行される電力変換のための方法であって、
パワーコンバータは、
上方電圧レベルと下方電圧レベルを含む少なくとも2つの電圧レベルを出力するパワーブロックと、
N個のH−ブリッジセルを含むマルチレベルフェーズブロックであって、N個のH−ブリッジセルの各々が少なくとも一つの浮動キャパシタを有しており、前記パワーブロックに接続されるマルチレベルフェーズブロックと、
基準信号を出力する基準電圧生成器と、
基準信号を入力して前記マルチレベルフェーズブロックの浮動キャパシタに亘る電圧をチェックするメインコントローラと
を含み、
前記パワーブロックのステップ電圧は、予め定められた電圧のN倍若しくは(N+1)倍に等しく、パワーブロックのステップ電圧は、2つの隣接するレベルの電位差に等しく、予め定められた電圧は浮動キャパシタに亘る初期の電圧に等しく、
前記方法は、
メインコントローラにより基準信号を入力するステップと、
浮動キャパシタに亘る電圧をチェックするステップと、
基準信号と浮動キャパシタに亘る電圧とを基にして、マルチレベルフェーズブロックの出力が基準信号に基づいて特定される特定のレベルとなり、浮動キャパシタに亘る全ての電圧が予め定められた電圧が含まれる予め定められた範囲内のものになるように、パワーブロックの出力レベルとマルチレベルフェーズブロックのスイッチング状態を決定するステップと
を含む、方法。
【請求項10】
コンバータ出力に電力供給する場合には、浮動キャパシタに亘る全ての電圧が予め定められた範囲の若しくはその予め定められた範囲より大きい第2の予め定められた範囲の、上方境界に近接するように、及び、コンバータ出力から電力を受ける場合には、浮動キャパシタに亘る全ての電圧が予め定められた範囲の若しくはその予め定められた範囲より大きい第2の予め定められた範囲の、下方境界に近接するように、出力レベルが、パワーブロックの前記上方レベルに若しくはパワーブロックの下方レベルに近接するとき、時間上の複数の瞬時の間に、パワーブロックの出力レベルとマルチレベルフェーズブロックのスイッチング状態を判別するステップと、
コンバータの出力電圧が、パワーブロックの前記上方レベルより高くなるように、若しくは、パワーブロックの下方レベルより低くなるように、パワーブロックの出力レベルとマルチレベルフェーズブロックのスイッチング状態を判別するステップと
を更に含む請求項9に記載の方法。
【請求項11】
浮動キャパシタの容量値、コンバータ負荷、及び実際の出力周波数に基づいて、コンバータ操作の常時において、出力電圧及び出力電流に関する最大限に支持された値を判別するステップと、
実際のコンバータ出力電力を、前記最大限の支持された出力電圧の範囲内に維持するように、基準信号を決定することをメインコンバータに命じるステップと
を更に含む請求項10に記載の方法。
【請求項1】
パワーコンバータであって、
上方電圧レベルと下方電圧レベルを含む少なくとも2つの電圧レベルを出力するパワーブロックと、
N個のH−ブリッジセルを含むマルチレベルフェーズブロックであって、N個のH−ブリッジセルの各々が少なくとも一つの浮動キャパシタを有しており、前記パワーブロックに接続されるマルチレベルフェーズブロックと、
コンバータの動作が開始された後に、予め定められた電圧にまで充電されるように前記H−ブリッジセルの少なくとも一つと、又は、前記H−ブリッジセルの少なくとも一つを介する接地への電流経路を形成し得る、少なくとも一つの出力コンタクタと、接続する、少なくとも一つの浮動キャパシタ充電パワーサプライと、
基準信号を出力する基準電圧生成器と、
前記基準信号を入力して前記マルチレベルフェーズブロックの浮動キャパシタに亘る電圧をチェックするメインコントローラと
を含み、
前記パワーブロックのステップ電圧は、予め定められた電圧のN倍若しくは(N+1)倍に等しく、パワーブロックのステップ電圧は、2つの隣接するレベルの電位差に等しく、
前記メインコントローラは、基準信号と浮動キャパシタに亘る電圧とを基にして、
前記マルチレベルフェーズブロックの出力が基準信号に基づいて特定される特定のレベルとなり、浮動キャパシタに亘る全ての電圧が予め定められた電圧が含まれる予め定められた範囲内のものになるように、
前記パワーブロックの出力レベルと前記マルチレベルフェーズブロックのスイッチング状態を決定する
ことを特徴とするパワーコンバータ。
【請求項2】
その電圧がプリセットの下方リミット以下である浮動キャパシタが放電を行わず、その電圧がプリセットの上方リミット以上である浮動キャパシタが充電を行わないように、前期メインコントロールが前記マルチレベルフェーズブロックのスイッチング状態を決定するパワーコンバータであって、プリセットの下方リミットとプリセットの上方リミットが予め定められた範囲を定義する、請求項1に記載のパワーコンバータ。
【請求項3】
前記マルチレベルフェーズブロックの一つの浮動キャパシタと前記マルチレベルフェーズブロックの別の浮動キャパシタとの間の電位差がプリセットのリミット差異値を超えないように、前期メインコントロールが前記マルチレベルフェーズブロックのスイッチング状態を決定する請求項1に記載のパワーコンバータ。
【請求項4】
前記メインコントローラが、実際の能動PWM電圧レベルを判別する手段を含み、前記メインコントローラが、基準電圧に基づいて特定される特定レベルを、実際の能動PWM電圧レベルに係る電圧に調整する、請求項1から請求項3のうちいずれか一に記載のパワーコンバータ。
【請求項5】
前記マルチレベルフェーズブロックを介する電流を検出し、検出結果を電流信号として出力する電流センサを更に含み、
前記メインコントローラが、電流信号に従って電流の瞬時サインを導出し、基準信号、浮動キャパシタに亘る電圧、及び電流の瞬時サインに基づいて、前記パワーブロックの出力レベルと、前記マルチレベルフェーズブロックのスイッチング状態とを決定する、請求項1から請求項4のうちいずれか一に記載のパワーコンバータ。
【請求項6】
前記メインコンとローラが、
浮動キャパシタの電圧が予め定められた範囲から外れるか否かを検出するキャパシタリミット検出ユニットと、
基準信号、前期キャパシタ検出ユニットによる検出結果、及び信号電流に基づいて、前記パワーブロックの出力レベルを判別するモード判別ユニットと、
基準信号に基づいて、実際の能動PWM電圧レベルを示すPWM信号を生成するマルチレベルPWM生成器ユニットと、
基準信号に基づいて特定される特定信号を、実際の能動PWM電圧レベルに係る電圧に調整し、実際の能動PWM電圧レベル、及び、モード判別ユニットにより判別される前記パワーブロックの出力レベルに基づいて、前記マルチレベルフェーズブロックに亘る電圧を判別するモード変換テーブルユニットと、
基準信号、モード変換テーブルユニットにより判別される電圧、電流信号、及び浮動キャパシタに亘る電圧に基づいて、マルチレベルフェーズブロックのスイッチングをコントロールするキャパシタ電圧バランスコントローラ及びスイッチテーブルユニットと、
前記モード判別ユニットにより判別される前記パワーブロックの出力レベルに基づいて、前記パワーブロックの出力をコントロールするパワーブロックスイッチテーブルユニットと
を含む、請求項5に記載のパワーコンバータ。
【請求項7】
前記マルチレベルフェーズブロックのスイッチ機能が、ユニポーラトランジスタ若しくはそれらの直列接続により実現され、
前記パワーブロックのスイッチ機能が、ユニポーラトランジスタ若しくはそれらの直列接続により実現される、請求項1から請求項6のうちのいずれか一に記載のパワーコンバータ。
【請求項8】
前記マルチレベルフェーズブロックのスイッチ機能が、MOSFET若しくはそれらの直列接続により実現され、
前記パワーブロックのスイッチ機能が、MOSFET若しくはそれらの直列接続により実現される、請求項7に記載のパワーコンバータ。
【請求項9】
パワーコンバータにより実行される電力変換のための方法であって、
パワーコンバータは、
上方電圧レベルと下方電圧レベルを含む少なくとも2つの電圧レベルを出力するパワーブロックと、
N個のH−ブリッジセルを含むマルチレベルフェーズブロックであって、N個のH−ブリッジセルの各々が少なくとも一つの浮動キャパシタを有しており、前記パワーブロックに接続されるマルチレベルフェーズブロックと、
基準信号を出力する基準電圧生成器と、
基準信号を入力して前記マルチレベルフェーズブロックの浮動キャパシタに亘る電圧をチェックするメインコントローラと
を含み、
前記パワーブロックのステップ電圧は、予め定められた電圧のN倍若しくは(N+1)倍に等しく、パワーブロックのステップ電圧は、2つの隣接するレベルの電位差に等しく、予め定められた電圧は浮動キャパシタに亘る初期の電圧に等しく、
前記方法は、
メインコントローラにより基準信号を入力するステップと、
浮動キャパシタに亘る電圧をチェックするステップと、
基準信号と浮動キャパシタに亘る電圧とを基にして、マルチレベルフェーズブロックの出力が基準信号に基づいて特定される特定のレベルとなり、浮動キャパシタに亘る全ての電圧が予め定められた電圧が含まれる予め定められた範囲内のものになるように、パワーブロックの出力レベルとマルチレベルフェーズブロックのスイッチング状態を決定するステップと
を含む、方法。
【請求項10】
コンバータ出力に電力供給する場合には、浮動キャパシタに亘る全ての電圧が予め定められた範囲の若しくはその予め定められた範囲より大きい第2の予め定められた範囲の、上方境界に近接するように、及び、コンバータ出力から電力を受ける場合には、浮動キャパシタに亘る全ての電圧が予め定められた範囲の若しくはその予め定められた範囲より大きい第2の予め定められた範囲の、下方境界に近接するように、出力レベルが、パワーブロックの前記上方レベルに若しくはパワーブロックの下方レベルに近接するとき、時間上の複数の瞬時の間に、パワーブロックの出力レベルとマルチレベルフェーズブロックのスイッチング状態を判別するステップと、
コンバータの出力電圧が、パワーブロックの前記上方レベルより高くなるように、若しくは、パワーブロックの下方レベルより低くなるように、パワーブロックの出力レベルとマルチレベルフェーズブロックのスイッチング状態を判別するステップと
を更に含む請求項9に記載の方法。
【請求項11】
浮動キャパシタの容量値、コンバータ負荷、及び実際の出力周波数に基づいて、コンバータ操作の常時において、出力電圧及び出力電流に関する最大限に支持された値を判別するステップと、
実際のコンバータ出力電力を、前記最大限の支持された出力電圧の範囲内に維持するように、基準信号を決定することをメインコンバータに命じるステップと
を更に含む請求項10に記載の方法。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【図1B】
【図1C】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−254565(P2011−254565A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−124507(P2010−124507)
【出願日】平成22年5月31日(2010.5.31)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−124507(P2010−124507)
【出願日】平成22年5月31日(2010.5.31)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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