説明

電力変換装置

【課題】ケースの剛性及び組立後の寸法精度を高めつつ、構成部品へ加わる外力を低減することができ、かつ、メンテナンス性、搭載性に優れた低コストの電力変換装置を提供すること。
【解決手段】電子部品と、冷却手段とを、ケース4に収容してなる電力変換装置1。電子部品と冷却手段とは、フレーム5と共に内部ユニット10を構成する。内部ユニット10は、ケース4内に固定されている。フレーム5は、内部ユニット10を構成する電子部品を囲むように形成してある。冷却手段は、冷媒導入管331と、冷媒排出管332とを有する。冷媒導入管331及び冷媒排出管332は、ケース4の外方へ突出している。ケース4は、パイプ挿通部44とクランプ固定部45とを有する。冷媒導入管331及び冷媒排出管332は、クランプ部材34によってケース4に留め付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力変換回路を構成する複数の電子部品と、少なくとも一部の上記電子部品を冷却する冷却器とを、ケース内に収容してなる電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、電気自動車やハイブリッド自動車等には、電源電力から駆動用モータを駆動するための駆動用電力に変換するためのインバータやコンバータ等の電力変換装置が搭載されている。図15に示すごとく、かかる電力変換装置9は、スイッチング素子を内蔵した半導体モジュール921やコンデンサ922を始めとして、電力変換回路を構成する各種電子部品を備えている(特許文献1参照)。また、半導体モジュール921の温度上昇を抑制するために、これらを冷却する冷却器93が半導体モジュール921に接触配置されている。
【0003】
さらには、電力変換装置9は、半導体モジュール921を制御する制御回路が形成された制御回路基板96をも備えている。
そして、これらの半導体モジュール921等の電子部品、冷却器93、制御回路基板96は、ケース94に固定され、ケース94内に密封されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−159767号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ケース94の剛性が充分に高くないと、ケース94に固定されたコンデンサ922等の電子部品が発する振動や車体から伝わる振動によって、電子部品の故障や断線等の不具合が発生しやすい。また、ケース94に直接コンデンサ922等を固定すると、その振動がケース94を通じて車体等に伝わり、不快な振動音が車内に伝わるなどの不具合も生じやすい。
【0006】
また、特許文献1に記載の電力変換装置9は、ケース94を、ケース本体940とその両側に設けた下蓋941と上蓋942とによって構成してある。そのため、ケース94には、二か所の大きなシール面が形成され、これら2つのシール面の水密性を確保する必要がある。それゆえ、シール材を多く形成する必要があり、コスト面においても、製造面においても、不利となりやすい。
また、メンテナンスの際には、下蓋941と上蓋942とを取り外す必要があるため、メンテナンスの作業性も高いとは言い難い。
【0007】
また、冷却器93は、該冷却器93へ冷却媒体を導入する冷媒導入管と冷却媒体を排出する冷媒排出管とを有する(図示略)。これらの冷媒導入管及び冷媒排出管は、電力変換装置9から突出し、被搭載部である車両のエンジンルーム等に配設された冷媒配管と接続する必要がある。そのためにも、被搭載部における電力変換装置9の搭載時における位置決めは精度よく行う必要がある。しかし、ケース94を基準とした冷媒導入管及び冷媒排出管の位置や突出方向がずれてしまうと、被搭載部に電力変換装置9を精度よく位置決めして搭載しても、結局、エンジンルーム内における冷媒配管との接続が困難となる。
【0008】
また、上記冷媒導入管及び上記冷媒排出管と、上記冷媒配管との接続を行う際、接続部において、軸線方向と直交する方向に外力が加わる。このとき、上記冷媒導入管又は上記冷媒排出管に大きな応力が作用することがあり、場合によっては、上記冷媒導入管又は上記冷媒排出管の変形を招くおそれがある。
【0009】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、冷媒導入管及び冷媒排出管の位置ずれや変形を確実に防ぎ、ケースの剛性を高めつつ、メンテナンス性及び搭載性に優れた低コストの電力変換装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、電力変換回路を構成する複数の電子部品と、少なくとも一部の上記電子部品を冷却する冷却手段とを、ケース内に収容してなる電力変換装置であって、
上記電子部品の少なくとも一部と上記冷却手段とは、これらが固定されるフレームと共に一体化されて一つの内部ユニットを構成し、
該内部ユニットは、上記フレームにおいて上記ケース内に固定され、
上記フレームは、上記内部ユニットを構成する上記電子部品の少なくとも一部を囲むように形成され、
上記冷却手段は、該冷却手段内に冷却媒体を導入する冷媒導入管と、上記冷却手段から上記冷却媒体を排出する冷媒排出管とを有し、上記冷媒導入管及び上記冷媒排出管は、上記フレーム及び上記ケースの外方へ突出しており、
上記ケースは、上記冷媒導入管及び上記冷媒排出管をそれぞれ挿通させる一対のパイプ挿通部と、該パイプ挿通部に対して挿通方向に隣接する位置に設けた一対のクランプ固定部とを有し、
上記冷媒導入管及び上記冷媒排出管は、上記クランプ固定部に固定されるクランプ部材によって上記ケースに留め付けられていることを特徴とする電力変換装置にある(請求項1)。
【発明の効果】
【0011】
上記電力変換装置においては、上記電子部品の少なくとも一部と上記冷却手段とを上記フレームに固定し、これらの電子部品と冷却手段とフレームとを一体化した一つの内部ユニットを構成している。そして、該内部ユニットをケース内に固定している。そのため、内部ユニットがケースの内部において梁の役割を果たし、ケースの剛性を高めることができる。これにより、内部ユニットに含まれる一つ一つの電子部品及び冷却手段に対して、ケースを通じて外力が加わることを抑制することができる。すなわち、外部からの振動などの影響を、内部ユニットに含まれる電子部品及び冷却手段が受けることを抑制することができる。
【0012】
また、上記内部ユニットを構成することによって、ケースに直接電子部品をはじめとする各種部品を組み付けるのではなく、フレームに対して電子部品等を組み付けて内部ユニットを組み立てた後、内部ユニットをケースに組み付けることで、電力変換装置を得ることができる。そのため、電力変換装置の組み立て作業を容易に行うことができる。
また、メンテナンス時においても、内部ユニットごとケースから取り出して、ケースの外でメンテナンスを行うことができるため、その作業性を向上させることができる。
【0013】
また、このようにケースと内部ユニットとを分離した状態で電子部品の組み付けやメンテナンスを行うことができるため、ケースに複数の作業用の開口部と、該開口部を覆う蓋を設ける必要がない。そのため、ケース本体の開口部と蓋との間のシール面を一箇所とすることができる。それゆえ、ケースの水密性を高めやすくすると共に、シール材を少なくすることができ、シール材の塗布等の工数の低減、材料費の低減を図ることができる。
【0014】
しかし、上記冷却手段を固定したフレームを、ケースに組み付けた構造の場合、ケースに対する冷媒導入管及び冷媒排出管の位置精度が低下するおそれがある。すなわち、ケースに対する冷媒導入管及び冷媒排出管の位置ずれ量は、フレームに対する冷却手段の位置ずれとケースに対するフレームの位置ずれとが重なって大きくなる場合がある。
【0015】
そこで、上記電力変換装置においては、上記冷媒導入管及び上記冷媒排出管を、上記クランプ固定部に固定されるクランプ部材によって上記ケースに留め付けられている。これにより、ケースに対する上記冷媒導入管及び上記冷媒排出管の位置決め精度を高めて、電力変換装置の被搭載部への搭載性を効果的に向上させることができる。すなわち、上記冷媒導入管及び上記冷媒排出管を、上記ケースに対して直接留め付けるよう構成することで、上記冷媒導入管及び上記冷媒排出管と上記ケースとの間に介在する部品数を低減することができる。これにより、ケースに対する寸法公差の積み重ねによる影響を低減し、上記ケースに対する上記冷媒導入管及び上記冷媒排出管の位置精度を向上することができる。
【0016】
また、上記クランプ固定部を上記ケースの上記パイプ挿通部と隣接した位置に設けることで、上記冷媒導入管及び上記冷媒排出管の先端部に対してより近い位置で上記冷媒導入管及び上記冷媒排出管を留め付けることができる。これにより、組付け作業時等において、上記冷媒導入管及び上記冷媒排出管の先端部に外力が加わった場合においても、変形を防ぐことができる。すなわち、上記冷媒導入管及び上記冷媒排出管において、その先端部と上記クランプ固定部との間の距離が大きくなるほど、上記冷媒導入管及び上記冷媒排出管にかかるモーメントが大きくなり、上記冷媒導入管及び上記冷媒排出管に大きな応力が作用しやすい。また、上記クランプ固定部を支点として、上記冷媒導入管及び上記冷媒排出管と上記冷却管との接合部に大きな応力が作用することも考えられる。したがって、上記冷媒導入管及び上記冷媒排出管の先端部と上記クランプ固定部との間の距離を小さくし、上記冷媒導入管及び上記冷媒排出管にかかるモーメントを低減することで、上記冷媒導入管及び上記冷媒排出管に作用する応力を低減することができる。
【0017】
このように、本発明によれば、冷媒導入管及び冷媒排出管の位置ずれや変形を確実に防ぎ、ケースの剛性を高めつつ、メンテナンス性及び搭載性に優れた低コストの電力変換装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施例1における、電力変換装置の要部説明図。
【図2】実施例1における、フレームの上面図。
【図3】図2のA矢視図。
【図4】実施例1における、内部ユニットを示す説明図。
【図5】図4のB矢視図。
【図6】実施例1における、ケース本体の上面図。
【図7】図6のC矢視図。
【図8】実施例1における、電力変換装置の断面図。
【図9】図8における、D−D線矢視部分断面図。
【図10】比較例1における、電力変換装置の断面図。
【図11】実施例2における、電力変換装置の要部説明図。
【図12】(a)実施例2における、前方壁部の斜視断面図、(b)実施例1における前方壁部の斜視断面図。
【図13】実施例3における、電力変換装置の要部説明図。
【図14】実施例4における、電力変換装置の要部説明図。
【図15】背景技術における、電力変換装置の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明にかかる上記電力変換装置は、例えば、電気自動車やハイブリッド自動車等に搭載され、電源電力から駆動用モータを駆動するための駆動用電力に変換するのに用いられるものである。
【0020】
また、上記冷媒導入管及び上記冷媒排出管の外周面と上記パイプ挿通部の内周縁との間は、シール部材によって水密的に封止されており、上記クランプ固定部は、上記シール部材の内側に配設されていることが好ましい(請求項2)。この場合には、上記冷媒導入管及び上記冷媒排出管を上記ケースの外側に突出させつつ、上記シール部材によって上記ケースを密閉することができる。また、上記クランプ固定部を上記シール部材の内側に配設することによって、上記クランプ固定部が被水することを防止することができる。これにより、クランプ固定部における錆や腐食の発生を防止することができる。
【0021】
また、上記フレームは、上記クランプ固定部に対向する位置に、内側に後退した逃げ凹部を設けてなることが好ましい(請求項3)。この場合には、上記逃げ凹部の内側に上記クランプ固定部を配することができるため、フレームの外形を小さくすることができる。その結果、上記電力変換装置の小型化を容易にすることができる。
【0022】
また、上記冷媒導入管及び上記冷媒排出管の外周面と上記パイプ挿通部の内周縁との間は、シール部材によって水密的に封止されており、上記クランプ固定部は、上記シール部材の外側に配設されていてもよい(請求項4)。この場合には、上記冷媒導入管及び上記冷媒排出管を上記ケースの外側に突出させつつ、上記シール部材によって上記ケースを密閉することができる。また、上記クランプ固定部をより上記接続部に近い位置に配置することができるため、上記冷媒導入管及び上記冷媒排出管の位置精度をより高めることができると共に、先端部に加わる外力によって上記冷媒導入管及び上記冷媒排出管に作用する応力をより低減することができる。
【0023】
また、上記冷媒導入管及び上記冷媒排出管は、上記フレームには留め付けられていないことが好ましい(請求項5)。この場合には、ケースへの内部ユニットの組付けを容易にすることができると共に、部品点数を低減することができる。すなわち、上記冷媒導入管及び上記冷媒排出管が上記フレームに留め付けられていなければ、上記内部ユニットを上記ケースに組み付ける際、上記フレームと上記ケースとの間に多少のずれがあっても、上記冷媒導入管及び上記冷媒排出管を上記クランプ部材によってケースのクランプ固定部に留め付けることができる。また、上記フレームに対して、上記冷媒導入管及び上記冷媒排出管を留め付ける部材が不要となり、部品点数を低減することができる。
【実施例】
【0024】
(実施例1)
本発明の実施例にかかる電力変換装置1につき、図1〜図9を用いて説明する。
電力変換装置1は、電力変換回路を構成する複数の電子部品(半導体モジュール21、コンデンサ22等)と、少なくとも一部の電子部品(半導体モジュール21)を冷却する冷却手段とを、ケース4内に収容してなる。半導体モジュール21と冷却手段とは、これらが固定されるフレーム5と共に一体化されて一つの内部ユニット10を構成し、該内部ユニット10は、フレーム5においてケース4内に固定されている。
【0025】
フレーム5は、内部ユニット10を構成する半導体モジュール21を囲むように形成されている。本例の冷却手段は、複数の冷却管31を備えた冷却器3からなり、該冷却器3内に冷却媒体を導入する冷媒導入管331と、冷却手段から冷却媒体を排出する冷媒排出管332とを有する。冷媒導入管331及び冷媒排出管332は、フレーム5及びケース4の外方へ突出している。
【0026】
ケース4は、冷媒導入管331及び冷媒排出管332をそれぞれ挿通させる一対のパイプ挿通部44と、該パイプ挿通部44に対して挿通方向に隣接する位置に設けた一対のクランプ固定部45とを有している。冷媒導入管331及び冷媒排出管332は、クランプ固定部45に固定されるクランプ部材34によってケース4に留め付けられている。
【0027】
本例の電力変換装置1について、より詳細に説明する。
半導体モジュール21と冷却管31とが積層された方向を積層方向X、冷却管31の長手方向を横方向Y、また、積層方向X及び横方向Yの両方に対して直交する方向を高さ方向Zとして、以下説明する。
また、積層方向Xにおいて、冷媒導入管331及び冷媒排出管332がケース4から突出した先端部側を前方とし、反対側を後方とする。また、高さ方向Zにおいて、後述する蓋体400(図8参照)が配される側を上方とし、反対側を下方とする。
【0028】
電力変換装置1は、図8及び図9に示すごとく、電力変換回路を備えた内部ユニット10と、該内部ユニット10を内包するケース4とを有している。
内部ユニット10は、図4及び図5に示すごとく、構成部品を固定するフレーム5と、上記電力変換回路を構成する複数の半導体モジュール21と、該複数の半導体モジュール21を冷却する冷却器3と、を有している。
【0029】
フレーム5は、図1に示すごとく、内部ユニット10を構成する積層体11を四方から囲むように形成されている。フレーム5は、例えば、アルミニウム、鉄等の金属又は合金の成形体によって構成することができる。
また、フレーム5の外周面には、横方向Y側に位置する面における積層方向Xの両端部に、内部ユニット10をケース4に固定するユニット固定部51をそれぞれ設けてある。該ユニット固定部51は、フレーム5から外方へ突出形成されている。
【0030】
また、フレーム5は、図2及び図3に示すごとく、積層体11における積層方向Xの両側に配された前方壁部52及び後方壁部53と、前方壁部52と後方壁部53とをその両端において連結する一対の側方壁部54とを有する。前方壁部52には、冷媒導入管331及び冷媒排出管332を挿通するための配管用凹面522を形成してある。図2に示すごとく、高さ方向Zからの面視において略長方形状を有すると共に、高さ方向Zに開放された貫通部を有してなる。
【0031】
フレーム5の内側には、図1に示すごとく、半導体モジュール21と冷却器3とが配されている。
冷却器3は、半導体モジュール21の両面に配された冷媒流路と、該冷媒流路へ冷却媒体を循環させるための冷媒導入管331及び冷媒排出管332を有している。本例において、上記冷媒流路は、アルミニウム等の金属によって構成された冷却管31によって形成され、複数の冷却管31が半導体モジュール21を両面から挟持するように配されている。隣り合う冷却管31は、横方向Yの両端部付近において連結管32によって、互いに連結されている。そして、冷却管31と半導体モジュール21とが交互に積層されることによって、積層体11が形成されている。
【0032】
冷媒導入管331及び冷媒排出管332は、積層体11の前端部に配された冷却管31の前面から、前方に向かって突出するよう設けてある。冷媒導入管331から導入された冷却媒体は、適宜連結管32を通り、各冷却管31に分配されると共にその長手方向(横方向Y)に流通する。そして、各冷却管31を流れる間に、冷却媒体は半導体モジュール21との間で熱交換を行う。熱交換により温度上昇した冷却媒体は、下流側の連結管32を通り、冷媒排出管332に導かれ排出される。冷却媒体としては、例えば、水やアンモニア等の自然冷媒、エチレングリコール系の不凍液を混入した水、フロリナート等のフッ化炭素系冷媒、HCFC123、HFC134a等のフロン系冷媒、メタノール、アルコール等のアルコール系冷媒、アセトン等のケトン系冷媒等の冷媒を用いることができる。
【0033】
半導体モジュール21は、例えばIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)、MOSFET(MOS型電界効果トランジスタ)等のスイッチング素子を内蔵してなる。図4及び図5に示すごとく、半導体モジュール21は、スイッチング素子を樹脂モールドしてなる平板状の本体部211と、該本体部211から互いに反対方向に突出した主電極端子212及び制御端子213とからなる。本例において、主電極端子212は、高さ方向Zの下方に突出させてあり、制御端子213は、高さ方向Zの上方に突出させてある。主電極端子212からは被制御電力が半導体モジュール21に入出力され、制御端子213には、スイッチング素子を制御する制御電流が入力される。また、一対の冷却管31の間には、2個の半導体モジュール21が、並列配置されている。
【0034】
フレーム5の内側に配置された積層体11は、図1に示すごとく、加圧部材12の不勢力によって押圧保持されている。加圧部材12は、積層体11側に向かって凸となるよう湾曲した板ばねによって構成されており、積層体11の後端部とフレーム5の後方壁部53との間に配してある。また、加圧部材12と後方壁部53の間には、支承ピン14を配してある。
積層体11の前端部は、フレーム5の前方壁部52に圧接されている。これにより、冷却管31と半導体モジュール21とが、互いに圧接した状態でフレーム5内に保持されている。積層体11の前端部に設けた冷媒導入管331及び冷媒排出管332は、フレーム5の前方壁部52に形成された配管用凹面522に配されている。冷媒導入管331及び冷媒排出管332の先端部は、フレーム5の外周面から前方に突出して配されている。突出した部位に環状パッキン333(防水シール)を配してある。
【0035】
また、内部ユニット10は、図5に示すごとく、コンデンサ22と、半導体モジュール21を制御する制御回路が形成された制御回路基板6をも備える。
コンデンサ22は、フレーム5の下面から下方に向かって形成されたコンデンサ固定部57に、ボルト571によって固定されている。
また、制御回路基板6は、フレーム5の上面から上方に向かって形成された制御回路基板固定部56に、ボルト561によって固定されている。
【0036】
上記のように構成された内部ユニット10が、図1、図8及び図9に示すごとく、ケース4の内部に収容されている。
ケース4は、図8及び図9に示すごとく、上方が開口したケース本体40と、該ケース本体40の開口部を閉塞する蓋体400とからなる。
ケース本体40は、図6及び図7に示すごとく、矩形形状の底部404と該底部の各辺から上方に起立した4つの壁部を有すると共に開口部の外周にフランジ部42を設けてなる。ケース本体40の4つの壁部において、後述のパイプ挿通部44を設ける壁部を前面壁部401として、該前面壁部401と対向する壁部を後面壁部402とする。また、前面壁部401と後面壁部402とを繋ぐ壁部を側面壁部403とする。
【0037】
また、ケース本体40は、前面壁部401に冷媒導入管331及び冷媒排出管332をそれぞれ挿通させる凹部からなる一対のパイプ挿通部44を形成してあり、該パイプ挿通部44に対して挿通方向における内側に隣接する位置に設けた一対のクランプ固定部45を設けてある。該クランプ固定部45の上面には、クランプ部材34(図1及び図9参照)を固定するためのタップ穴をそれぞれ形成してある。
【0038】
また、ケース本体40の内側において、側面壁部403とクランプ固定部45の側面とがなす角部と、後面壁部402と側面壁部403とがなす角部には、ユニット支承部41をそれぞれ設けてある。該ユニット支承部41の上面には、内部ユニット10を固定するためのタップ穴をそれぞれ形成してある。
【0039】
内部ユニット10は、図8及び図9に示すごとく、フレーム5に設けたユニット固定部51の貫通孔にボルト511を挿通すると共に、該ボルト511をユニット支承部41におけるタップ穴に締結することにより、ケース本体40に固定されている。
このとき、冷媒導入管331及び冷媒排出管332は、ケース本体40のパイプ挿通部44に環状パッキン333を嵌合すると共に、クランプ部材34を介して固定部45に留め付けられている。
クランプ部材34は、図1及び図9に示すごとく、ボルト挿通穴を有する平板状の固定部341と、冷媒導入管331及び冷媒排出管332を押圧保持する略U字状の保持部342とからなる。クランプ部材34は、固定部341が冷媒導入管331及び冷媒排出管332のY方向外側に位置するように配されている。
【0040】
蓋体400は、図8及び図9に示すごとく、ケース本体40の底部と略同一形状を有する上面部と、該上面部の各辺から下方に垂下した4つの壁部を有すると共に、4つの壁部により形成される開口部の外周にフランジ部42が設けてある。
ケース本体40と蓋体400とは、互いの開口端にシール材(図示略)を介在させた状態で両者のフランジ部42を互いに重ね合わせ、ボルト431とナット432とによって締結されている。
【0041】
また、図1及び図8に示すごとく、冷媒導入管331及び冷媒排出管332は、その一部をケース4の外に突出させてある。冷媒導入管331及び冷媒排出管332は、環状パッキン333をケース4のパイプ挿通部44に嵌合した状態で、環状パッキン333をケース本体40と蓋体400とで挟持し水密性を確保している。
【0042】
本例においては、加圧部材12を積層体11の後方側に配したが、これに限るものではなく、冷媒導入管331及び冷媒排出管332を設けた側に配してもよい。例えば、冷媒導入管331と冷媒排出管332との間に加圧部材12を配し、フレーム5の前方壁部52と後方壁部53との間で押圧力を生じさせてもよい。
【0043】
また、冷媒導入管331と冷媒排出管332とは、本例のごとく両方を一方向に突出するように配設してもよいし、それぞれ異なる方向へ突出するように配設していてもよい。例えば、冷媒導入管331と冷媒排出管332とのいずれか一方を、積層体11における前方に配された冷却管31から前方に向かって突出するように配し、他方を積層体11における後方に配された冷却管31から後方に向かって突出するように配してもよい。
【0044】
また、冷却手段は、本例に示す冷却器3のように複数の冷却管31を積層配置したものでなくてもよい。例えば、半導体モジュール21の本体部211を積層方向Xに直交する方向から囲むと共に積層方向Xに貫通するように配設された壁部を、半導体モジュール21と一体化したものを積層して、積層体11を構成することもできる。この場合、隣り合う半導体モジュール21(本体部211)の間に冷媒流路が形成されることとなる。
【0045】
次に、本例の作用効果について説明する。
電力変換装置1においては、半導体モジュール21,コンデンサ22等の電子部品と冷却器3(冷却手段)とをフレーム5に固定し、半導体モジュール21と冷却器3とフレーム5とを一体化した一つの内部ユニット10を構成している。そして、該内部ユニット10をケース4内に固定している。そのため、内部ユニット10がケース4の内部において梁の役割を果たし、ケース4の剛性を高めることができる。
【0046】
また、内部ユニット10をケース4に固定することによって、内部ユニット10に含まれる一つ一つの電子部品及び冷却器3に対して、ケース4を通じて外力が加わることを抑制することができる。すなわち、外部からの振動などの影響を、内部ユニット10に含まれる電子部品及び冷却器3が受けることを抑制することができる。
【0047】
また、内部ユニット10を構成することによって、ケース4に直接電子部品をはじめとする各種部品を組み付けるのではなく、フレーム5に対して電子部品等を組み付けて内部ユニット10を組み立てた後、内部ユニット10をケース4に組み付けることで、電力変換装置1を得ることができる。そのため、電力変換装置1の組み立て作業を容易に行うことができる。
また、メンテナンス時においても、内部ユニット10ごとケース4から取り出して、ケース4の外でメンテナンスを行うことができるため、その作業性を向上させることができる。
【0048】
また、このようにケース4の外部において電子部品の組み付けやメンテナンスを行うことができるため、ケース4には複数の蓋を設ける必要がない。そのため、ケース4本体40と蓋との間のシール面を一箇所とすることができる。それゆえ、ケース4の水密性が必要な場合にも、ケース4の水密性を高めやすくなると共に、シール材を少なくすることができ、材料費の低減、シール材の塗布等の工数の低減を図ることができる。
【0049】
しかし、冷却器3を固定したフレーム5を、ケース4に組み付けた構造の場合、ケース4に対する冷媒導入管331及び冷媒排出管332の位置精度が低下するおそれがある。すなわち、ケース4に対する冷媒導入管331及び冷媒排出管332の位置ずれ量は、フレーム5に対する冷却器3の位置ずれとケース4に対するフレーム5の位置ずれとが重なって大きくなる場合がある。
【0050】
そこで、本例の電力変換装置1においては、冷媒導入管331及び冷媒排出管332を、クランプ固定部45に固定されるクランプ部材34によってケース4に留め付けられている。これにより、ケース4に対する冷媒導入管331及び冷媒排出管332の位置決め精度を高めて、電力変換装置1の被搭載部への搭載性を効果的に向上させることができる。すなわち、冷媒導入管331及び冷媒排出管332を、ケース4に対して直接留め付けるよう構成することで、冷媒導入管331及び冷媒排出管332とケース4との間に介在する部品数を低減することができる。これにより、ケース4に対する寸法公差の積み重ねによる影響を低減し、ケース4に対する冷媒導入管331及び冷媒排出管332の位置精度を向上することができる。
【0051】
また、クランプ固定部45をケース4のパイプ挿通部44と隣接した位置に設けることで、冷媒導入管331及び冷媒排出管332の先端部に対してより近い位置で冷媒導入管331及び冷媒排出管332を留め付けることができる。これにより、組付け作業時等において、冷媒導入管331及び冷媒排出管332の先端部に外力が加わった場合においても、変形を防ぐことができる。すなわち、冷媒導入管331及び冷媒排出管332において、その先端部とクランプ固定部45との間の距離が大きくなるほど、クランプ固定部45にかかるモーメントが大きくなり、冷媒導入管331及び冷媒排出管332に大きな応力が作用しやすい。また、クランプ固定部45を支点として、冷媒導入管331及び冷媒排出管332と冷却管31との接合部に大きな応力が作用することも考えられる。したがって、冷媒導入管331及び冷媒排出管332の先端部とクランプ固定部45との間の距離を小さくし、クランプ固定部45にかかるモーメントを低減することで、冷媒導入管331及び冷媒排出管332に作用する応力を低減することができる。
【0052】
また、冷媒導入管331及び冷媒排出管332の外周面とパイプ挿通部44の内周縁との間は、シール部材(環状パッキン333)によって水密的に封止されており、クランプ固定部45は、シール部材の内側に配設してある。そのため、冷媒導入管331及び冷媒排出管332をケース4の外側に突出させつつ、シール部材によってケース4を密閉することができる。また、クランプ固定部45をシール部材の内側に配設することによって、クランプ固定部45が被水することを防止することができる。これにより、クランプ固定部45における錆や腐食の発生を防止することができる。
【0053】
また、冷媒導入管331及び冷媒排出管332は、フレーム5には留め付けられていない。そのため、ケース4への内部ユニット10の組付けを容易にすることができると共に、部品点数を低減することができる。すなわち、冷媒導入管331及び冷媒排出管332がフレーム5に留め付けられていなければ、内部ユニット10をケース4に組み付ける際、フレーム5とケース4との間に多少のずれがあっても、冷媒導入管331及び冷媒排出管332をクランプ部材34によってケース4のクランプ固定部45に留め付けることができる。また、フレーム5に対して、冷媒導入管331及び冷媒排出管332を留め付ける部材が不要となり、部品数を低減することができる。
【0054】
このように、本例によれば、ケース4の剛性及び組立後の寸法精度を高めつつ、構成部品へ加わる外力を低減することができ、かつ、メンテナンス性、搭載性に優れた低コストの電力変換装置1を提供することができる。
【0055】
(比較例1)
比較例の電力変換装置90は、図10に示すごとく、ケース本体40にはクランプ固定部45を設けておらず、フレーム5にクランプ固定部59を形成してある。冷媒導入管331及び冷媒排出間332は、クランプ部材34によって、クランプ固定部59に留め付けてある。その他の構成は実施例1と同様である。
【0056】
比較例1においては、上記のごとく、ケース4の内側に配されるフレーム5に設けたクランプ固定部59に冷媒導入管331及び冷媒排出管332を留めつけている。したがって、クランプ固定部59の位置は、実施例1のクランプ固定部45の位置よりも積層体11に近い側に配されている。そのため、比較例1における、冷媒導入管331及び冷媒排出管332の先端部からクランプ部材34の前方に配される端面までの距離L2は、実施例1における冷媒導入管331及び冷媒排出管332の先端部からクランプ部材34の前方に配される端面までの距離L1(図1)よりも大きくなる。したがって、冷媒導入管331及び冷媒排出管332の先端に外力が作用したときに、実施例1に示すクランプ固定部45で固定された冷媒導入管331及び冷媒排出管332にかかるモーメントは、比較例1に示すクランプ固定部59で固定された冷媒導入管331及び冷媒排出管332にかかるモーメントよりも小さくなる。それゆえ、冷媒導入管331及び冷媒排出管332にかかる応力は、比較例1よりも実施例1の方が小さくなる。
【0057】
また、比較例1においては、冷媒導入管331及び冷媒排出管332をフレーム5に留め付け、内部ユニット10をケース4に組み付けている。そのため、ケース4に対する冷媒導入管331及び冷媒排出管332の位置は、各部品の寸法公差及び各部品間の組付け公差が積み重なって影響するため、厳しい寸法管理が必要となる場合がある。
それに対して、実施例1においては、ケース4に対して冷媒導入管331及び冷媒排出管332を直接留め付ける構成としているため、各部品の寸法公差及び各部品間の組付け公差の影響を低減し、ケース4に対する冷媒導入管331及び冷媒排出管332の位置精度を向上することができる。
【0058】
(実施例2)
本例は、図11及び図12に示すごとく、フレーム5の前方壁部52の形状を変更した例である。
本例において、ケース4の前方壁部52は、図12に示すごとく、積層方向Xに垂直な一対の縦板部551と該一対の縦板部551の上下方向における中央部において、これらを連結する連結部552と、縦板部551に対して傾斜した複数のリブ部553とを有する。隣り合うリブ部553は、傾斜方向が互いに逆であり、これらのリブ部553と一対の縦板部551とによってトラスを形成している。
その他の構成は実施例1と同様である。
【0059】
上記のごとく、前方壁部52にトラスを形成することにより、必要な強度を保ちながら、前方壁部52の厚さを低減し、ケース4の大きさを小さくすることができる。それゆえ、電力変換装置1の小型化を容易とすることができる。また、本例においても、実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
【0060】
(実施例3)
本例は、図13に示すごとく、実施例2に示す電力変換装置1において、フレーム5の前方壁部52に逃げ凹部523を設けた例である。
フレーム5の前方壁部52には、ケース4に設けたクランプ固定部45に対向する位置に、内側に後退した逃げ凹部523を設けてあり、前方壁部52の中央部が前方に突出した形状をなしている。該逃げ凹部523には、クランプ固定部45が配されており、横方向Yにおいて前方壁部52の中央部とクランプ固定部45とは隣接して配される。
その他の構成は実施例1と同様である。
【0061】
本例の場合には、逃げ凹部523の内側にクランプ固定部45を配することができるため、フレーム5の外形を小さくすることができる。その結果、電力変換装置1の小型化を容易にすることができる。また、逃げ凹部523は、冷却管31と半導体モジュール21とが積層される位置からオフセットした位置にあり、前方壁部52における冷却管31と半導体モジュール21とが積層される部分は十分な厚みを有すると共にトラスを構成してなる。それゆえ、加圧部材12によって加圧された積層体11を、加圧部材12と反対側から十分に支承することができる。つまり、加圧部材12による加圧力に対するフレーム5の剛性を十分確保しつつ、電力変換装置1の小型化を図ることができる。
その他、実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
【0062】
(実施例4)
本例の電力変換装置1は、図14に示すごとく、実施例2に対して、クランプ固定部45の位置を変更した例である。
本例においては、ケース本体40のクランプ固定部45を、パイプ挿通部44の貫通方向において、シール部材(環状パッキン333)の外側に配設してある。
その他の構成は実施例2と同様である。
【0063】
本例の場合には、クランプ固定部45をより冷媒導入管331及び冷媒排出管332の先端部に近い位置に配置することができる。したがって、冷媒導入管331及び冷媒排出管332にかかるモーメントをより低減すると共に、冷媒導入管331及び冷媒排出管332に作用する応力をより確実に低減することができる。
その他、実施例2と同様の作用効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0064】
1 電力変換装置
10 内部ユニット
3 冷却器
331 冷媒導入管
332 冷媒排出管
34 クランプ部材
4 ケース
44 パイプ挿通部
45 クランプ固定部
5 フレーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力変換回路を構成する複数の電子部品と、少なくとも一部の上記電子部品を冷却する冷却手段とを、ケース内に収容してなる電力変換装置であって、
上記電子部品の少なくとも一部と上記冷却手段とは、これらが固定されるフレームと共に一体化されて一つの内部ユニットを構成し、
該内部ユニットは、上記フレームにおいて上記ケース内に固定され、
上記フレームは、上記内部ユニットを構成する上記電子部品の少なくとも一部を囲むように形成され、
上記冷却手段は、該冷却手段内に冷却媒体を導入する冷媒導入管と、上記冷却手段から上記冷却媒体を排出する冷媒排出管とを有し、上記冷媒導入管及び上記冷媒排出管は、上記フレーム及び上記ケースの外方へ突出しており、
上記ケースは、上記冷媒導入管及び上記冷媒排出管をそれぞれ挿通させる一対のパイプ挿通部と、該パイプ挿通部に対して挿通方向に隣接する位置に設けた一対のクランプ固定部とを有し、
上記冷媒導入管及び上記冷媒排出管は、上記クランプ固定部に固定されるクランプ部材によって上記ケースに留め付けられていることを特徴とする電力変換装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電力変換装置において、上記冷媒導入管及び上記冷媒排出管の外周面と上記パイプ挿通部の内周縁との間は、シール部材によって水密的に封止されており、上記クランプ固定部は、上記シール部材の内側に配設されていることを特徴とする電力変換装置。
【請求項3】
請求項2に記載の電力変換装置において、上記フレームは、上記クランプ固定部に対向する位置に、内側に後退した逃げ凹部を設けてなることを特徴とする電力変換装置。
【請求項4】
請求項1に記載の電力変換装置において、上記冷媒導入管及び上記冷媒排出管の外周面と上記パイプ挿通部の内周縁との間は、シール部材によって水密的に封止されており、上記クランプ固定部は、上記シール部材の外側に配設されていることを特徴とする電力変換装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の電力変換装置において、上記冷媒導入管及び上記冷媒排出管は、上記フレームには留め付けられていないことを特徴とする電力変換装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−186923(P2012−186923A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−48537(P2011−48537)
【出願日】平成23年3月7日(2011.3.7)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】