説明

電力変換装置

【課題】コンバータCVのソフトスイッチングを行うための補助回路の体格が大きくなりやすいこと。
【解決手段】コンバータCVの主回路MCは、メインスイッチM1,M2の直列接続体と、その接続点と高電圧バッテリ12とを接続するインダクタ16と、直列接続体に並列接続されるコンデンサ20とを備える昇降圧チョッパ回路である。ソフトスイッチングを行うための補助回路SCは、スナバコンデンサ18と、スナバコンデンサ18の負極および上記接続点を接続する補助スイッチS1と、スナバコンデンサ18の正極および上記接続点を接続する補助スイッチS2と、スナバコンデンサ18の負極と端子T4とを接続する補助スイッチS4と、スナバコンデンサ18の正極と端子T3とを接続する補助スイッチS3とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電流の流通経路を開閉する機能である開閉機能を有する第1流通規制要素と、電流の流通方向を規制する機能である整流機能および前記開閉機能の少なくとも一方を有する第2流通規制要素とが電圧の印加される一対の端子である高電位側端子および低電位側端子間に直列接続されて且つ、前記第1流通規制要素および前記第2流通規制要素の接続点にインダクタが接続される電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばインダクタを備える電力変換装置にあっては、小型化と高効率化とが要求される反面、これら2つの要求要素は互いにトレードオフの関係にある。すなわち、インダクタを備える電力変換装置を小型化するうえではスイッチング周波数を高周波化することが考えられる反面、スイッチング周波数を高周波化するとスイッチング損失が増加するため、効率が低下する。
【0003】
ここで小型化の要求に反しないようにして高効率化を図るうえで、電力変換装置に少量の部品を追加することでソフトスイッチングを行うことが考えられる。ソフトスイッチングを行うための手法として、電力変換装置のスイッチング素子の一対の端子間に並列にコンデンサを接続することが知られている。これにより、スイッチング素子がオン状態からオフ状態へと切り替わる際の一対の端子間の電圧をコンデンサの充電電圧の上昇速度によって制限することができ、ひいてはゼロ電圧スイッチング(ZVS)が可能となる。ただし、このコンデンサの充電電荷がスイッチング素子のオン状態への切替に際して放電される場合には、オフ状態への切り替え時の損失低減効果がオン状態への切り替えに際して相殺される。
【0004】
そこで従来、例えば下記特許文献1に見られるように、回生用インダクタと回生用コンデンサとを追加することで、オフ状態への切り替えに際して充電されたスナバコンデンサの電荷をオン状態への切り替えに際して放電させることなく電源に回生するものも提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−296090号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に記載の技術では、上述した損失低減効果(高効率化)をもたらすために直接関係する追加受動部品が上記スナバコンデンサのみである。その他の追加受動部品は、ソフトスイッチングを行う過程で上記スナバコンデンサに蓄えられた静電エネルギをコンデンサとインダクタとの共振を利用してお互いにやり取りし、電源側に移動させるためにしか使用されない。その一方で、追加受動部品は、電力変換装置の体格増大の原因になりやすく、小型化の実現にとって阻害要因となる。
【0007】
なぜなら、コンデンサの体格は、それが蓄える静電エネルギに比例するのみならず、一般に、追加受動部品の体格は、それが蓄える電磁エネルギに比例する傾向があるためである。ここで、スナバコンデンサに蓄えられるエネルギは、充電電圧の2乗に比例するため、スナバコンデンサの体格は、電源電圧の2乗に比例する。また、スナバコンデンサが蓄えるエネルギが一時的に他の追加受動部品に移されるため、これら追加受動部品の体格も、電源電圧の2乗に比例する。このため、高電圧用途では受動部品の体格が電力変換装置の全体の体格に占める割合が大きくなる。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、高効率化と小型化との好適な両立を可能とすることのできる電力変換装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下、上記課題を解決するための手段、およびその作用効果について記載する。
【0010】
請求項1記載の発明は、電流の流通経路を開閉する機能である開閉機能を有する第1流通規制要素と、電流の流通方向を規制する機能である整流機能および前記開閉機能の少なくとも一方を有する第2流通規制要素とが電圧の印加される一対の端子である高電位側端子および低電位側端子間に直列接続されて且つ、前記第1流通規制要素および前記第2流通規制要素の接続点にインダクタが接続される電力変換装置において、コンデンサと、前記コンデンサの一方の端子および他方の端子のそれぞれを前記第1流通規制要素の高電位側の端子および低電位側の端子のそれぞれに接続する第1接続状態、および前記一方の端子および前記他方の端子のそれぞれを前記第2流通規制要素の高電位側の端子および低電位側の端子のそれぞれに接続する第2接続状態の切り替えが可能な切替回路とを備えることを特徴とする。
【0011】
第1流通規制要素における電流の流通経路の端部間にコンデンサを接続すると(第1接続状態)、第1流通規制要素を開状態から閉状態に切り替える際に上記端部間の電圧の上昇速度がコンデンサの充電電圧の上昇速度によって制限されるため、ソフトスイッチングを実現することができる。また、充電されたコンデンサを第2流通規制要素における電流の流通経路の端部間に並列接続した状態(第2接続状態)において、第1流通規制要素を閉状態から開状態へと切り替えると、第1流通規制要素の上記端部間の電圧の上昇速度は、コンデンサの放電速度によって制限されるため、ソフトスイッチングを実現することができる。このように、上記発明では、ソフトスイッチングを行うために充電されたコンデンサの充電電荷を、ソフトスイッチングを行うために再利用することができる。
【0012】
さらに、切替回路は、磁気部品等を備えることなく構成することもできるため、高効率化のみならず小型化を実現することもできる。
【0013】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記切替回路は、前記第1接続状態、前記第2接続状態、および前記コンデンサが前記第1流通規制要素および前記第2流通規制要素のいずれとも並列接続されない第3接続状態の3つの接続状態の切り替えが可能な回路であることを特徴とする。
【0014】
切替回路が第1接続状態と第2接続状態との2つの選択肢しか持たない場合、第1接続状態と第2接続状態との切り替えを、第1流通規制要素の閉状態への切替と同期させることが望まれる。この点、上記発明では、第3接続状態を実現可能であるため、同期手段を備える要求が生じないため、切り替えタイミングの厳密な設定を行う必要がない。
【0015】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、前記第1流通規制要素を周期的に開状態および閉状態に操作する開閉操作手段と、前記第1流通規制要素を開状態および閉状態とする操作の2周期を単位として前記切替回路による接続状態を周期的に切り替える切替制御手段とを備え、該切替制御手段は、前記第1流通規制要素が1度目に閉状態とされる期間において前記第1接続状態として且つ、前記第1流通規制要素が2度目に閉状態とされる期間において前記第2接続状態とする切り替え処理を周期的に行うことを特徴とする。
【0016】
上記発明では、第1接続状態において第1流通規制要素を開状態に切り替える際にコンデンサを充電した後、第2接続状態とすることで、この充電エネルギの放電速度によって第1流通規制要素を開状態に切り替える際の第1流通規制要素における電流の流通経路の端部間の電圧の上昇速度を制限することができる。
【0017】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記切替回路は、前記第1接続状態、前記第2接続状態、および前記コンデンサが前記第1流通規制要素および前記第2流通規制要素のいずれとも並列接続されない第3接続状態の3つの接続状態に切り替え可能な回路であり、前記切替制御手段は、前記第1流通規制要素が1度目に閉状態に切り替えられた後、前記第1接続状態に切り替える処理、前記第1流通規制要素が1度目に開状態に切り替えられた後、前記第3接続状態に切り替える処理、前記第1流通規制要素が2度目に閉状態に切り替えられた後、前記第2接続状態に切り替える処理、および前記第2流通規制要素が2度目に開状態に切り替えられた後、前記第3接続状態に切り替える処理の4つの処理を周期的に行うことを特徴とする。
【0018】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明において、前記コンデンサの静電容量を可変とする静電容量可変手段と、前記インダクタに流れる電流が小さい場合、前記静電容量可変手段を操作して前記コンデンサの静電容量を低減する静電容量制御手段とをさらに備ることを特徴とする。
【0019】
第1流通規制要素を開状態に切り替えることで第2流通規制要素に電流を流すためには、第1流通規制要素の正極側の電圧を第2流通規制要素の正極側の電圧に上昇させることが必要である。しかし、第1流通規制要素の正極側の電圧は、コンデンサの充電量または放電量によって制限されている。このため、インダクタを流れる電流が小さい場合、コンデンサの充電電圧の変化速度が低下し、第2流通規制要素に電流を流すまでに要する時間が伸長したり、第1流通規制要素の正極側の電圧を上記正極側の電圧まで上昇させることができなくなったりするおそれがある。そしてこの場合には、切替回路の切り替え操作に際して、切替回路に損失が生じる等の不都合が生じるおそれがある。一方、コンデンサの静電容量を小さくすると、インダクタを流れる電流が大きい場合には、コンデンサの充電電圧の変化速度が過度に大きくなる。このため、第1流通規制要素を開状態に切り替える際の上記端部間の電圧の上昇速度が大きくなり、ひいてはソフトスイッチングを行うことができなくなるおそれがある。
【0020】
上記発明では、この点に鑑み、インダクタを流れる電流が小さい場合に静電容量を小さくすることで、インダクタを流れる電流量にかかわらず、ソフトスイッチングを良好に行うことが可能となる。
【0021】
請求項6記載の発明は、請求項3または4記載の発明において、前記切替制御手段は、前記コンデンサの充電電圧が前記高電位側端子および前記低電位側端子間の電圧の「1/2」以上であることを条件に前記第1接続状態への切り替えを禁止して前記第1流通規制要素が開状態に切り替えられる際に前記第2接続状態とし、前記高電位側端子および前記低電位側端子間の電圧の「1/2」未満であることを条件に前記第2接続状態への切り替えを禁止して前記第1流通規制要素が開状態に切り替えられる際に前記第1接続状態とする禁止手段を備えることを特徴とする。
【0022】
第1流通規制要素を開状態に切り替えることで第2流通規制要素に電流を流すためには、第1流通規制要素の正極側の電圧を第2流通規制要素の正極側の電圧に上昇させることが必要である。しかし、第1流通規制要素の正極側の電圧は、コンデンサの充電量または放電量によって制限されている。このため、インダクタを流れる電流が小さい場合、第1流通規制要素の正極側の電圧を上記正極側の電圧まで上昇させることができなくなるおそれがある。そしてこの場合、周期的に第1接続状態と第2接続状態とを繰り返すと、電力損失を十分に低減することができなくなるおそれがある。
【0023】
ここで、上記発明では、コンデンサの充電電圧が上記高電位側端子および上記低電位側端子間の電圧の「1/2」以上であることを条件に第1接続状態への切り替えを禁止して第1流通規制要素が開状態に切り替えられる際に第2接続状態とすることで、第1接続状態とする場合と比較して、第1流通規制要素を開状態に切り替える際のその端部間の電圧の上昇を低減することができる。また、コンデンサの充電電圧が上記高電位側端子および上記低電位側端子間の電圧の「1/2」未満であることを条件に第2接続状態への切り替えを禁止して第1流通規制要素が開状態に切り替えられる際に第1接続状態とすることで、第2接続状態とする場合と比較して、第1流通規制要素を開状態に切り替える際のその端部間の電圧の上昇を低減することができる。
【0024】
請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の発明において、前記切替回路は、前記第1流通規制要素および前記第2流通規制要素の接続点と前記コンデンサの前記他方の端子との間、前記接続点と前記コンデンサの前記一方の端子との間、前記コンデンサの前記一方の端子と前記高電位側端子との間、および前記コンデンサの前記他方の端子と前記低電位側端子との間のそれぞれに、前記整流機能および前記開閉機能の少なくとも一方を有する第1補助用規制要素、第2補助用規制要素、第3補助用規制要素および第4補助用規制要素のそれぞれを備えることを特徴とする。
【0025】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の発明において、前記電力変換装置は、前記インダクタ側から前記高電位側端子側へと電力を出力するものであり、前記第1補助用規制要素および前記第4補助用規制要素は、前記開閉機能を備え、前記第2補助用規制要素は、前記整流機能として前記接続点側から前記コンデンサ側への電流の流れを許容して且つ逆方向への電流の流れを阻止する機能を有し、前記第3補助用規制要素は、前記整流機能として前記コンデンサの前記一方の端子から前記高電位側端子への電流の流れを許容して且つ逆方向への電流の流れを阻止する機能を有することを特徴とする。
【0026】
請求項9記載の発明は、請求項8記載の発明において、前記電力変換装置は、前記高電位側端子側から前記インダクタ側への電力の出力を行わないものであり、前記第2補助用規制要素および前記第3補助用規制要素のそれぞれは、ダイオードであることを特徴とする。
【0027】
請求項10記載の発明は、請求項7記載の発明において、前記電力変換装置は、前記高電位側端子側から前記インダクタ側へと電力を出力するものであり、前記第2補助用規制要素および前記第3補助用規制要素は、前記開閉機能を備え、前記第1補助用規制要素は、前記整流機能として前記コンデンサ側から前記接続点側への電流の流れを許容して且つ逆方向への電流の流れを阻止する機能を有し、前記第4補助用規制要素は、前記整流機能として前記低電位側端子側から前記コンデンサの前記他方の端子側への電流の流れを許容して且つ逆方向への電流の流れを阻止する機能を有することを特徴とする。
【0028】
請求項11記載の発明は、請求項10記載の発明において、前記電力変換装置は、前記インダクタ側から前記高電位側端子側への電力の出力を行わないものであり、前記第1補助用規制要素および前記第4補助用規制要素のそれぞれは、ダイオードであることを特徴とする。
【0029】
請求項12記載の発明は、請求項7記載の発明において、前記電力変換装置は、前記インダクタ側から前記高電位側端子側への電力の出力と、前記高電位側端子側から前記インダクタ側への電力の出力との双方を行うものであり、前記第1補助用規制要素、前記第2補助用規制要素、前記第3補助用規制要素、および前記第4補助用規制要素のそれぞれは、前記開閉機能を有することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】第1の実施形態にかかるシステム構成図。
【図2】同実施形態にかかるソフトスイッチング制御を示す図。
【図3】同実施形態にかかるソフトスイッチング制御を示す図。
【図4】同実施形態にかかるスイッチング状態を示す図。
【図5】第2の実施形態にかかるコンバータの回路構成を示す回路図。
【図6】同実施形態にかかる静電容量の可変制御の処理手順を示す流れ図。
【図7】第3の実施形態にかかるコンバータの回路構成を示す回路図。
【図8】第4の実施形態にかかるソフトスイッチング処理の手順を示す流れ図。
【図9】第5の実施形態にかかるコンバータの回路構成を示す回路図。
【図10】第6の実施形態にかかるコンバータの回路構成を示す回路図。
【図11】第7の実施形態にかかる電力変換装置の回路構成を示す回路図。
【図12】第8の実施形態にかかるコンバータの回路構成を示す回路図。
【図13】第9の実施形態にかかるコンバータの回路構成を示す回路図。
【図14】第10の実施形態にかかるコンバータの回路構成を示す回路図。
【図15】第11の実施形態にかかるコンバータの回路構成を示す回路図。
【図16】第12の実施形態にかかる電力変換装置の回路構成を示す回路図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
<第1の実施形態>
以下、本発明にかかる電力変換装置を車載主機に接続された電力変換装置に適用した第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0032】
図1に、本実施形態にかかるシステム構成を示す。
【0033】
図示されるモータジェネレータ10は、車載主機であり、その回転軸が駆動輪に機械的に連結されている。モータジェネレータ10は、直流交流変換回路(インバータIV)およびコンバータCVを介して高電圧バッテリ12やコンデンサ14に接続されている。高電圧バッテリ12は、端子電圧が百V以上となる2次電池である。
【0034】
コンバータCVは、主回路MCとして周知の昇降圧チョッパ回路を備えている。すなわち、主回路MCは、主スイッチM1および主スイッチM2の直列接続体と、これらの接続点および高電圧バッテリ12を接続するインダクタ16と、上記直列接続体に並列接続されたコンデンサ20と、主スイッチM1に逆並列接続されるダイオードDm1と、主スイッチM2に逆並列接続されるダイオードDm2とを備えて構成されている。ここで、主スイッチM1,M2は、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)や、パワーMOS型電界効果トランジスタ等である。なお、主スイッチM1や主スイッチM2が電界効果トランジスタである場合、ダイオードDm1やダイオードDm2は、トランジスタの寄生ダイオードであってもよい。
【0035】
上記コンバータCVは、さらに、主スイッチM1,M2のオフ状態への切り替えをゼロ電圧スイッチングとするための補助回路SCを備えている。補助回路SCは、スナバコンデンサ18と、主スイッチM1および主スイッチM2の直列接続体の接続点とスナバコンデンサ18の負極端子との間を開閉する補助スイッチS1と、上記接続点とスナバコンデンサ18の正極端子との間を開閉する補助スイッチS2とを備えている。また、スナバコンデンサ18の正極端子とコンバータCVの高電位側端子との間を開閉する補助スイッチS3と、スナバコンデンサ18の負極端子とコンバータCVの低電位側端子との間を開閉する補助スイッチS4とを備えている。これら補助スイッチS1〜S4は、IGBTやパワーMOS型電界効果トランジスタ等である。なお、ここでスナバコンデンサ18は、必ずしも極性を有するものに限定しているわけではなく、補助スイッチS4によってコンバータCVの低電位側端子に接続される方を負極端子と定義しているに過ぎない。
【0036】
上記補助スイッチS1には、スナバコンデンサ18の負極端子側から上記接続点側へと進む方向を順方向とするダイオードDs1が並列接続されている。また、補助スイッチS2には、上記接続点側から上記スナバコンデンサ18の正極端子側へと進む方向を順方向とするダイオードDs2が並列接続されている。また、補助スイッチS3には、ダイオードDs3が逆並列接続されており、補助スイッチS4には、ダイオードDs4が逆並列接続されている。なお、補助スイッチS1や、補助スイッチS2、補助スイッチS3、補助スイッチS4が電界効果トランジスタである場合、ダイオードDs1や、ダイオードDs2、ダイオードDs3、ダイオードDs4は、トランジスタの寄生ダイオードであってもよい。
【0037】
一方、制御装置30は、端子電圧が例えば数V〜十数V程度の低電圧である低電圧バッテリ32を電源とする制御装置である。制御装置30は、モータジェネレータ10の制御量を制御すべく、インバータIVやコンバータCVを操作する。この際、制御装置30は、コンバータCVの出力電圧を制御すべく、コンバータCVを操作する。詳しくは、主スイッチM1,M2の操作信号gm1,gm2や、補助スイッチS1〜S4の操作信号gs1,gs2,gs3,gs4を生成して出力する。なお、コンバータCVは、車載高電圧システムを構成するものであり、制御装置30を備える車載低電圧システムとは絶縁されている。このため、上記操作信号は、図示しない絶縁手段を介してコンバータCVに取り込まれる。
【0038】
以下では、コンバータCVが高電圧バッテリ12の電圧を昇圧して出力する昇圧チョッパ回路として機能する場合を用いてコンバータCVの操作を説明する。この場合、基本的に、主スイッチM2のオン・オフ操作によって昇圧動作を行うことができるが、本実施形態では、主スイッチM1および主スイッチM2を交互にオン状態とする相補駆動を行う。この場合、主スイッチM1が、電流を双方向に流すことのできる機能を有する場合(電界効果トランジスタ等の場合)には、主スイッチM1がオン状態となることで、基本的には主スイッチM1に電流が流れる。これに対し、主スイッチM1が、電流を一方向にしか流さないものである場合(IGBT等の場合)、主スイッチM1がオン状態となっても、実際にはダイオードDs1に電流が流れる。
【0039】
図2に、昇圧動作を示す。図2の上方に示すように、主スイッチM2がオン状態およびオフ状態となる周期を2回繰り返す期間が、補助回路SC動作の一周期となる(なお、図中、動作状態を示すA〜Dについては、後述する)。ここで、補助スイッチS1〜S4の各状態の組み合わせに分割すると、補助回路SC動作の一周期は、状態1〜状態8に分割することができる。
【0040】
以下では、これら各状態1〜状態8について、図2(a)〜図2(d)および図3(a)〜図3(d)を用いて説明する。
「状態1」
主スイッチM2をオン状態とすることで、インダクタ16から出力された電流がダイオードDm1(主スイッチM1)に流れていた状態から、主スイッチM2に流れる状態に移行した状態である。この際、補助回路SCの動作は、スナバコンデンサ18が、主スイッチM1,M2のいずれにも並列接続されていない状態Aにある。
「状態2」
補助スイッチS2,S4をオン状態とすることで、主スイッチM2に、コンデンサ18を並列接続する状態である。これは、補助回路SCの状態Bに対応する。ここでは、スナバコンデンサ18に電荷が蓄積されていないため、オン状態への切り替えによって、補助スイッチS2,S4に電流が流れない。このため、補助スイッチS2,S4にスイッチング損失は生じない。
「状態3」
主スイッチM2をオフ状態に切り替えた状態である。これにより、インダクタ16から主スイッチM2へと出力されていた電流が、ダイオードDs2(補助スイッチS2)を介してスナバコンデンサ18に流れ込む。そして、スナバコンデンサ18の充電電圧がコンバータCVの出力電圧(コンデンサ20の端子間電圧)となることで、インダクタ16を流れる電流は、ダイオードDm1(主スイッチM1)を介してコンデンサ20側に出力されるようになる。
【0041】
ここで、主スイッチM2をオフ状態に切り替える際の主スイッチM2の入力端子および出力端子間の電圧の上昇速度は、スナバコンデンサ18の充電電圧の上昇速度によって制限される。このため、主スイッチM2のオフ状態への切り替えは、ゼロ電圧スイッチング(ZVS)となる。ちなみに、主スイッチM2がオフ状態となることで電流が流れなくなる経路上では、寄生インダクタに起因したサージが生じる。しかし、主スイッチM2のオフ状態への切り替えがゼロ電圧スイッチングとなる場合、主スイッチM2の入力端子および出力端子間に印加される電圧は、寄生インダクタに起因したサージ程度となり、これにさらにコンバータCVの出力電圧相当が重畳されるハードスイッチングと比較すると、十分に低くなる。
「状態4」
補助スイッチS2をオフ操作することで、スナバコンデンサ18が、主スイッチM1,M2のいずれにも並列接続されていない状態である。これは、補助回路SCの動作状態が、状態Cであることを示す。
「状態5(図3に記載)」
主スイッチM2をオン操作することで、インダクタ16から出力される電流の流通経路は、ダイオードDm1(主スイッチM1)を備える経路から、主スイッチM2を備える経路に切り替わる。主スイッチM2のオン操作は、補助回路SCの動作状態が状態Cのときに行われるため、スナバコンデンサ18は放電しない。
「状態6」
補助スイッチS1,S3をオン状態とすることで、主スイッチM1にスナバコンデンサ18を並列接続した状態である。これは、補助回路SCの動作状態としては、状態Dに対応する。この際、コンデンサ18の端子電圧は、コンバータCVの出力電圧となっているため、上記オン状態への切り替えによって補助スイッチS1,S3に電流は流れない。このため、状態Dへの切り替えに際して補助スイッチS1,S3に損失は生じない。
「状態7」
主スイッチM2をオフ状態に切り替えた状態である。これにより、インダクタ16から出力された電流は、補助スイッチS1、スナバコンデンサ18、ダイオードDs3(補助スイッチS3)を介してコンデンサ20側に出力されるようになる。この際、主スイッチM2の入力端子および出力端子間の電圧の上昇速度は、スナバコンデンサ18の充電電圧の低下速度によって制限される。このため、主スイッチM2のオフ状態への切り替えをゼロ電圧スイッチング(ZVS)とすることができる。
「状態8」
スナバコンデンサ18を、主スイッチM1,M2のいずれとも並列接続しない状態である。この状態は、補助回路SCの動作状態としては、状態Aに対応する。
【0042】
上記状態1〜状態8によれば、主スイッチM2のオフ状態への切り替えをゼロ電圧スイッチングとしつつも、主スイッチM2のオン状態への切り替えに際して補助回路SCの動作状態を状態Aまたは状態Cとすることで、スナバコンデンサ18の充電電荷が主スイッチM2において熱エネルギに変換されることを回避することができる。また、補助スイッチS1〜S4には、スナバコンデンサ18の充電や放電に際してしか電流が流れず、スイッチング損失が発生しないため、補助スイッチS1〜S4の発熱量は主スイッチM1,M2と比較して小さくなる。このため、補助スイッチS1〜S4を小型化することが可能となる。
【0043】
特に、本実施形態にかかる補助回路SCは、磁気部品を備えず、必要となる受動部品としてスナバコンデンサ18のみを備えればよいため、補助回路SC自体を小型化することが容易である。
【0044】
さらに、状態A,Cへの切り替えタイミングは、主スイッチM2のオン状態への切り替えに先立つタイミング(主スイッチM2がオフ状態の期間)である限りで自由度があり、状態B,Dへの切り替えタイミングは、主スイッチM2のオフ状態への切り替えに先立つタイミング(主スイッチM2がオフ状態の期間)である限りで自由度がある。このため、補助スイッチS1〜S4のスイッチング状態の切り替えを高速で行う必要がなく、また切り替えタイミングを厳密に制御する必要もない。
【0045】
なお、補助スイッチS1〜S4のスイッチング状態としては、補助回路SCの状態を、状態A〜状態Dとするものであればよいため、図2(a)〜図2(d)や図3(a)〜図3(d)に例示したものに限定されない。図4に、補助スイッチS1〜S4のスイッチング状態の組み合わせを示す。図4の状態Aにおいて補助スイッチS1,S2をオンして且つ補助スイッチS3,S4をオフするとの条件は、スナバコンデンサ18の充電エネルギが小さく補助スイッチS1,S2の損失が小さいと想定される場合とすることが望ましい。また、図4の状態Cにおいて補助スイッチS1,S2をオフして且つ補助スイッチS3,S4をオンするとの条件は、スナバコンデンサ18の充電エネルギが大きく補助スイッチS3,S4の損失が小さいと想定される場合とすることが望ましい。
【0046】
なお、本実施形態にかかるコンバータCVは、主スイッチM1をオン・オフすることで、コンデンサ20の電圧を降圧して高電圧バッテリ12側に出力する回生運転も可能である。この場合、上記力行運転時における主スイッチM2と主スイッチM1とを入れ替え、補助スイッチS2,S4と、補助スイッチS1,S3とを入れ替えて操作することで、補助回路SCの動作状態を状態A〜状態Dに切り替えることができる。すなわち、補助スイッチS1,S3をオン状態とすることで、状態Bを実現し、また補助スイッチS2,S4をオン状態とすることで状態Dを実現することができる。これにより、主スイッチM1のオフ状態への切り替えをゼロ電圧スイッチングとすることができる。
【0047】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
【0048】
(1)スナバコンデンサ18を、主スイッチM2の一対の端子(ソースおよびドレイン、コレクタおよびエミッタ)に並列接続する状態と、スナバコンデンサ18を、主スイッチM1の一対の端子に並列接続する状態とに切り替え可能とした。これにより、主スイッチM1や主スイッチM2のオフ状態への切り替えに際して、これらの一対の端子間の電圧上昇速度をスナバコンデンサ18の充電速度によって制限した後、次の主スイッチM1や主スイッチM2のオフ状態への切り替えに際して、これらの一対の端子間の電圧上昇速度をスナバコンデンサ18の放電速度によって制限することができる。
【0049】
(2)スナバコンデンサ18を主スイッチM1,M2のいずれにも並列接続しない状態を実現可能とした。これにより、補助回路SCの動作状態の切り替えタイミングを厳密に制御する必要がなくなる。
<第2の実施形態>
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
【0050】
上記第1の実施形態に関し、例えば力行運転時においては、インダクタ16の充填エネルギが、スナバコンデンサ18をコンバータCVの出力電圧Voutまで充電した際の充電エネルギよりも大きくない場合には、状態BにおいてダイオードDm1(主スイッチM1)を介して電流を出力することができない。また、この場合には、スナバコンデンサ18を主スイッチM1に並列接続するように補助スイッチS1,S3のスイッチング状態を切り替える際に損失が生じる。
【0051】
ここで、スナバコンデンサ18の充電エネルギは、静電容量に比例するため、静電容量を小さくすることで、インダクタ16の充填エネルギ未満とすることは可能である。ただし、静電容量を小さく設定する場合、インダクタ16の充填エネルギが大きいと、スナバコンデンサ18の充電電圧の変化速度が大きくなり、ひいては主スイッチM2をオフ状態に切り替える際にその一対の端子間の充電電圧の上昇速度が大きくなる。そしてこの場合、オフ状態への切り替えをソフトスイッチングとすることができない。このため、インダクタ16の充填エネルギ量が大きく変化する場合には、とり得る充填エネルギ量の全領域において、スナバコンデンサ18の静電容量として適切な値を設定することは非常に困難または不可能となる。
【0052】
そこで本実施形態では、スナバコンデンサ18の静電容量を、インダクタ16の電流量に応じて可変設定する。
【0053】
図5に、本実施形態にかかるコンバータCVの回路構成を示す。なお、図5において、先の図1に示した部材に対応する部材については、便宜上同一の符号を付している。
【0054】
図示されるように、本実施形態では、一対のスナバコンデンサ18a、18bを直列接続する。そして、スナバコンデンサ18bに並列に、補助スイッチS5,S6によって、これを迂回する経路を構成する。ここで、補助スイッチS5,S6は、IGBTや、パワーMOS型電界効果トランジスタであるため、これらには、ダイオードDs5,Ds6が並列接続されている。すなわち、IGBTの場合には、ダイオードDs5,Ds6は保護用であり、電界効果トランジスタの場合には、ダイオードDs5,Ds6は、ボディーダイオードである。補助スイッチS5,S6が電界効果トランジスタである場合、スナバコンデンサ18bを迂回する経路を開状態とする上では、補助スイッチS5,S6に並列接続されるダイオードDs5,Ds6を介した電流の経路を遮断する必要がある。また、補助スイッチS5,S6がIGBTである場合、双方向の流れを許容する必要がある。これらが迂回経路を一対の補助スイッチS5,S6によって構成した理由である。なお、図では、ダイオードDs5,Ds6のアノード同士を接続した例を示しているが、カソード同士を接続してもよい。
【0055】
図6に、本実施形態にかかる静電容量の可変制御の処理手順を示す。この処理は、制御装置30によって、例えば所定周期で繰り返し実行される。
【0056】
この一連の処理では、まずステップS10において、インダクタ16を流れる電流が閾値電流Ith以下であるか否かを判断する。ここで、インダクタ16を流れる電流は、電流センサによる検出値であってもよく、また、主スイッチM2(M1)のオン・オフ操作の一周期に対するオン時間の時比率等に基づき理論計算されるものであってもよい。一方、閾値電流Ithは、スナバコンデンサ18aの充電電圧がコンバータCVの出力電圧Voutとなる際のスナバコンデンサ18aの充電電荷量に対して、インダクタ16に閾値電流Ithが流れる際に所定の充電時間Tcでスナバコンデンサ18aが充電される電荷量が所定割合となるように設定される。これは、スナバコンデンサ18aが完全に充電された場合の電荷量Qcと、スナバコンデンサ18aの充電時間Tcと、上記充電率αとを用いて「Ith=α・Qc/Tc」と算出される。ここで、充電時間Tcは、主スイッチM2のオフ状態への切り替えタイミングから状態4に切り替えるタイミングまでの時間である。この充電時間Tcと、閾値電流Ithとの積は、スナバコンデンサ18aの充電電荷量を示す。なお、計算上の上記充電率αは、「0.8」以上とすることが望ましく、「1.0」以上とすることがより望ましい。
【0057】
そして、閾値電流Ith以下であると判断される場合には、スナバコンデンサの静電容量を低下させるべく、補助スイッチS5,S6をオンする。なお、上記ステップS10において否定判断される場合や、ステップS12の処理が完了する場合には、この一連の処理を一旦終了する。
【0058】
以上詳述した本実施形態によれば、上記第1の実施形態の上記各効果に加えて、さらに以下の効果が得られるようになる。
【0059】
(3)インダクタ16に流れる電流が小さい場合、スナバコンデンサの静電容量を低減した。これにより、インダクタ16を流れる電流量にかかわらず、ソフトスイッチングを良好に行うことができる。
<第3の実施形態>
以下、第3の実施形態について、先の第2の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
【0060】
図7に、本実施形態にかかるコンバータCVの回路構成を示す。なお、図7において、先の図1に示した部材と対応する部材については、便宜上同一の符号を付している。
【0061】
本実施形態では、スナバコンデンサ18a,18bを並列接続する。そして、スナバコンデンサ18bを、スナバコンデンサ18aに並列接続するために一対の補助スイッチS5,S6を設ける。ここで、単一のスイッチング素子に代えて、一対の補助スイッチS5,S6を設ける理由は、上記第2の実施形態におけるものと同様である(ただし、補助スイッチS5,S6として、双方向に電流を流すことができる電界効果トランジスタを想定している)。なお、図では、ダイオードDs5,Ds6の双方のアノードがスナバコンデンサ18a側に接続される例を示したが、スナバコンデンサ18b側に接続されるものであってもよい。また、スナバコンデンサ18a,18bの正極端子側または負極端子側に、一対の補助スイッチS5,S5を接続し、ダイオードDs5,Ds6のアノード同士またはカソード同士を接続してもよい。
【0062】
なお、本実施形態では、インダクタ16を流れる電流が閾値電流Ith以上である場合に、補助スイッチS5,S6をオフ状態とする。
<第4の実施形態>
以下、第4の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
【0063】
本実施形態では、インダクタ16を流れる電流が小さい状況下、例外処理を行う。図8は、上記例外処理を含むコンバータCVの力行運転時における補助回路の操作の手順を示すものである。この処理は、制御装置30によって、例えば所定周期で繰り返し実行される。
【0064】
この一連の処理では、まずステップS20において、主スイッチM2のオン操作後、所定時間が経過したか否かを判断する。この処理は、状態Bまたは状態Dへの切り替えタイミングを判断するものである。なお、所定時間は、主スイッチM2のオン操作指令に対して主スイッチM2が実際にオン状態に切り替わるまでの時間以上に設定すればよい。そしてステップS20において肯定判断される場合、ステップS22において、スナバコンデンサ18の充電電圧Vが出力電圧Voutの「1/2」以上であるか否かを判断する。この処理は、主スイッチM2のオフ状態への切り替えに際し、主スイッチM2にスナバコンデンサ18を並列接続した場合の損失低減効果よりも、主スイッチM1にスナバコンデンサ18を並列接続した場合の損失低減効果の方が大きいか否かを判断するものである。すなわち、スナバコンデンサ18の充電電圧Vが「Vout/2」以上である場合、主スイッチM2にスナバコンデンサ18を並列接続すると、主スイッチM2のオフ状態への切り替えに際し、主スイッチM2の入力端子および出力端子間には、少なくとも「Vout/2」以上の電圧が印加される。これに対し、この場合に、主スイッチM1にスナバコンデンサ18を並列接続すると、主スイッチM2のオフ状態への切り替えに際し、主スイッチM2の入力端子および出力端子間に印加される電圧は、「Vout/2」以下となりうる。
【0065】
上記ステップS22において、肯定判断される場合、主スイッチM1にスナバコンデンサ18を並列接続した方が損失を低減できることから、ステップS24に移行し、状態Dを採用する。これに対し、ステップS22において否定判断される場合には、主スイッチM2にスナバコンデンサ18を並列接続した方が損失を低減できることから、ステップS26に移行し、状態Bを採用する。
【0066】
なお、状態Dを採用するに際して、スナバコンデンサ18の充電電圧が出力電圧Voutよりも小さい場合(または所定以上小さい場合)には、主スイッチM1へのスナバコンデンサ18の並列接続タイミングを、主スイッチM2のオフ状態への切り替えタイミングに同期させることが望ましい。また、状態Bを採用するに際して、スナバコンデンサ18の充電電圧が「0」よりも大きい場合(または所定以上大きい場合)には、主スイッチM2へのスナバコンデンサ18の並列接続タイミングを、主スイッチM2のオフ状態への切り替えタイミングに同期させることが望ましい。
【0067】
以上詳述した本実施形態によれば、上記第1の実施形態の上記各効果に加えて、さらに以下の効果が得られるようになる。
【0068】
(4)スナバコンデンサ18の充電電圧に応じて状態Dおよび状態Bのいずれを採用するかを選択することで、インダクタ16を流れる電流が小さい場合であっても、主スイッチM1,M2のオフ状態への切り替え時の電力損失を極力低減することができる。
<第5の実施形態>
以下、第5の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
【0069】
図9に、本実施形態にかかるコンバータCVの構成を示す。なお、図9において、先の図1に示した部材と対応する部材については、便宜上同一の符号を付している。
【0070】
図示されるように、本実施形態にかかるコンバータCVの主回路は、出力電圧を入力電圧以下の値から以上の値まで変化させることのできる昇降圧コンバータである。すなわち、一対の入力端子(コンデンサ14)に並列接続された主スイッチM1a,M2aの直列接続体と、一対の出力端子(コンデンサ20)に並列接続された主スイッチM1b,M2bの直列接続体と、これら各直列接続体の接続点同士を接続するインダクタ16とを備えている。なお、主スイッチM1a,M2a,M1b,M2bには、それぞれダイオードDm1a,Dm2a,Dm1b,Dm2bが逆並列接続されている。
【0071】
この主回路は、力行運転時には、主スイッチM1a、M2bをオン操作することでインダクタ16にエネルギを充填し、これらをオフ操作することで、インダクタ16に充填されたエネルギをコンデンサ20側に出力する。また、回生運転時には、主スイッチM2a、M1bをオン操作することでインダクタ16にエネルギを充填し、これらをオフ操作することで、インダクタ16に充填されたエネルギをコンデンサ14側に出力する。
【0072】
上記主回路が、主スイッチM1a,M2aと主スイッチM1b,M2bの2組のスイッチング素子を備えることに対応して、本実施形態では、補助回路を2組備えている。すなわち、主スイッチM1a,M2aに対応して、スナバコンデンサ18a、補助スイッチS1a〜S4aを備えている。また、主スイッチM1b,M2bに対応して、スナバコンデンサ18b、補助スイッチS1b〜S4bを備えている。これら主スイッチM1a,M2aの操作と補助スイッチS1a〜S4aの操作との関係や主スイッチM1b,M2bの操作と補助スイッチS1b〜S4bの操作との関係は、上記第1の実施形態における主スイッチM1,M2の操作と補助スイッチS1〜S4の操作との関係と同一である。
【0073】
なお、補助スイッチS1a〜S4a,S1b〜S4bには、それぞれダイオードD1a〜D4a,D1b〜D4bが逆並列接続されている。
<第6の実施形態>
以下、第6の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
【0074】
図10に、本実施形態にかかるコンバータCVの構成を示す。なお、図10において、先の図1に示した部材と対応する部材については、便宜上同一の符号を付している。
【0075】
図示されるように、本実施形態にかかるコンバータCVの主回路は、出力電圧(コンデンサ20の電圧)を入力電圧(コンデンサ14の電圧)の符号と逆であって且つその絶対値を入力電圧以下の値から以上の値まで変化させることのできる昇降圧コンバータである。すなわち、主スイッチM1,M2の直列接続体と、これらの接続点に接続されるインダクタ16と、インダクタ16を介して主スイッチM2に並列接続されるコンデンサ20とを備える。なお、コンバータCVの一対の入力端子(コンデンサ14)は、インダクタ16を介して主スイッチM1に並列接続されている。また、主スイッチM1,M2には、ダイオードDm1,Dm2が逆並列接続されている。
【0076】
この主回路は、力行運転時においては、主スイッチM1がオフ操作されることで、インダクタ16にエネルギを充填し、主スイッチM1をオン操作することで、インダクタ16に充填されたエネルギをコンデンサ20に出力する。また、回生運転時においては、主スイッチM2がオフ操作されることでインダクタ16にエネルギを充填し、主スイッチM2がオン操作されることでインダクタ16に充填されたエネルギをコンデンサ14に出力する。
【0077】
これら主スイッチM1,M2のオフ状態への切り替えをソフトスイッチングとすべく、補助スイッチS1〜S4およびスナバコンデンサ18を備えて補助回路を構成する。なお、主スイッチM1,M2の操作と補助スイッチS1〜S4の操作との関係は、第1の実施形態と同一である。
<第7の実施形態>
以下、第7の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
【0078】
図11に、本実施形態にかかる電力変換装置の構成を示す。なお、図11において、先の図1に示した部材と対応する部材については、便宜上同一の符号を付している。
【0079】
本実施形態では、電力変換を行うための主回路を、インバータIVとする。すなわち、主スイッチM1u,M2uの直列接続体と、主スイッチM1v,M2vの直列接続体と、主スイッチM1w,M2wの直列接続体とを備え、これら各直列接続体の接続点をモータジェネレータ10のU相、V相、およびW相のそれぞれに接続する。
【0080】
これら各U相、V相およびW相の主回路には、それぞれ別の補助回路SCが接続されている。補助回路SCは、それぞれ補助スイッチS1〜S4およびスナバコンデンサ18を備えている。なお、主スイッチM1u,M2uの操作と対応する補助スイッチS1〜S4の操作との関係や、主スイッチM1v,M2vの操作と対応する補助スイッチS1〜S4の操作との関係、主スイッチM1w,M2wの操作と対応する補助スイッチS1〜S4の操作との関係は、第1の実施形態における主スイッチM1,M2の操作と補助スイッチS1〜S4の操作との関係と同一である。
<第8の実施形態>
以下、第8の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
【0081】
図12に、本実施形態にかかるコンバータCVの構成を示す。なお、図12において、先の図1に示した部材と対応する部材については、便宜上同一の符号を付している。
【0082】
図示されるように、本実施形態にかかるコンバータCVの主回路MCは、第1の実施形態にかかるコンバータCVの主回路MCにおいて、力行運転を行う部分のみを備えている。すなわち、主スイッチM1を削除することで、昇圧チョッパ回路を構成した。この場合、コンデンサ18の充放電に際しての電流の流通方向が限定されることから、図示されるように、補助スイッチS2,S3を削除し、ダイオードDs2,Ds3のみとすることができる。
<第9の実施形態>
以下、第9の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
【0083】
図13に、本実施形態にかかるコンバータCVの構成を示す。なお、図13において、先の図1に示した部材と対応する部材については、便宜上同一の符号を付している。
【0084】
図示されるように、本実施形態にかかるコンバータCVの主回路MCは、第1の実施形態にかかるコンバータCVの入力および出力を入れ替えたものの主回路MCにおいて、力行運転を行う部分のみを備えている。すなわち、主スイッチM2を削除することで、降圧チョッパ回路を構成した。この場合、コンデンサ18の充放電に際しての電流の流通方向が限定されることから、図示されるように、補助スイッチS1,S4を削除し、ダイオードDs1,Ds4のみとすることができる。
<第10の実施形態>
以下、第10の実施形態について、先の第5の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
【0085】
図14に、本実施形態にかかるコンバータCVの構成を示す。なお、図14において、先の図9に示した部材と対応する部材については、便宜上同一の符号を付している。
【0086】
図示されるように、本実施形態にかかるコンバータCVの主回路MCは、第5の実施形態にかかるコンバータCVの主回路MCにおいて、力行運転を行う部分のみを備えている。すなわち、主スイッチM2a,M1bを削除した。この場合、コンデンサ18の充放電に際しての電流の流通方向が限定されることから、図示されるように、補助スイッチS1a,S4a、S2b,S3bを削除し、ダイオードDs1a,Ds4a、Ds2b,Ds3bのみとすることができる。
<第11の実施形態>
以下、第11の実施形態について、先の第6の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
【0087】
図15に、本実施形態にかかるコンバータCVの構成を示す。なお、図15において、先の図10に示した部材と対応する部材については、便宜上同一の符号を付している。
【0088】
図示されるように、本実施形態にかかるコンバータCVの主回路MCは、第6の実施形態にかかるコンバータCVの主回路MCにおいて、力行運転を行う部分のみを備えている。すなわち、主スイッチM2を削除した。この場合、コンデンサ18の充放電に際しての電流の流通方向が限定されることから、図示されるように、補助スイッチS1,S4を削除し、ダイオードDs1,Ds4のみとすることができる。
<第12の実施形態>
以下、第12の実施形態について、先の第7の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
【0089】
図16に、本実施形態にかかるコンバータCVの構成を示す。なお、図16において、先の図11に示した部材と対応する部材については、便宜上同一の符号を付している。
【0090】
図示されるように、本実施形態では、先の第7の実施形態にかかるインバータIVに、第1の実施形態にかかるコンバータCVを接続したものである。
<その他の実施形態>
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
「第1流通規制要素について」
第1流通規制要素としては、IGBTや電界効果トランジスタに限らない。例えばサイリスタ等であってもよい。また例えばフォトMOSリレー等であってもよい。
【0091】
なお、第1流通規制要素にダイオードが逆並列接続される構成にも限らない。
「第2流通規制要素について」
ダイオードや、IGBT、電界効果トランジスタに限らない。例えばサイリスタ等であってもよい。また例えばフォトMOSリレー等であってもよい。
「切替回路について」
切替回路としては、スナバコンデンサ18を充電するための第1接続状態とスナバコンデンサ18を放電させるための第2接続状態と、スナバコンデンサ18が上記いずれの接続状態でもない第3接続状態との3つの接続状態を実現可能なものに限らない。例えば、第1接続状態と第2接続状態との2つの接続状態のみを実現可能なものとしてもよい。
「補助用規制要素について」
補助用規制要素としては、IGBTや電界効果トランジスタ、ダイオードに限らない。例えばサイリスタ等であってもよい。また例えばフォトMOSリレー等であってもよい。
【0092】
なお、補助用規制要素が電流の流通経路を開閉する機能である開閉機能を有するものである場合において、これにダイオードが逆並列接続される構成にも限らない。
「切替制御手段について」
切替制御手段としては、スナバコンデンサ18を充電するための第1接続状態とスナバコンデンサ18を放電させるための第2接続状態とのそれぞれの間に、スナバコンデンサ18が上記いずれの接続状態でもない状態に切り替えるものに限らない。例えば、第1の実施形態における力行制御時において、主スイッチM2がオフ状態である状態3〜状態4の間、スナバコンデンサ18をこれに並列接続する第1接続状態とし、主スイッチM2のオン状態への切り替えと同時にスナバコンデンサ18を主スイッチM1に並列接続する第2接続状態に切り替えてもよい。同様に、第1の実施形態における力行制御時において、主スイッチM2がオフ状態である状態7〜状態8の間、スナバコンデンサ18を主スイッチM1に並列接続する第1接続状態とし、主スイッチM2のオン状態への切り替えと同時にスナバコンデンサ18を主スイッチM2に並列接続する第1接続状態に切り替えてもよい。
「静電容量可変手段について」
上記第2、第3の実施形態において、寄生ダイオードを備えず且つ逆バイアスに対する耐圧を有する開閉器を用いるなら、一対の開閉器(サブスイッチSs5,Ss6)に代えて、単一の開閉器を用いてもよい。
「低電流時の制御について」
インダクタ16を流れる電流が小さい場合の制御としては、上記第2〜第4の実施形態において例示したものに限らない。例えば、低電流時において主スイッチM1,M2のスイッチング周波数を低下させてもよい。これにより、インダクタ16に蓄えられるエネルギが増大することから、このエネルギをスナバコンデンサ18の充電電圧が出力電圧Vout等の高電圧となる際の充電エネルギよりも大きくすることができる。
【0093】
また例えば、上記第4の実施形態において、スナバコンデンサ18の充電電圧が出力電圧Voutの「1/2」以上であるか否かに応じて状態D、状態Bのいずれかを選択する代わりに、出力電圧Voutの「1/3」以上であるか否かに応じて選択してもよい。
「そのほか」
・上記第1〜4の実施形態において、高電圧バッテリ12側をコンデンサ20側にして降圧コンバータとして利用してもよい。
【0094】
・先の図16に示した回路において、コンバータCVの出力端子に複数のインバータを接続し、これら各インバータに各別のモータジェネレータを接続してもよい。
【0095】
・電力変換装置としては、車載主機と高電圧バッテリ12との間の電力の授受を仲介するものに限らない。例えば、車載パワーステアリングに搭載される電動機とバッテリとの間の電力の授受を仲介するものであってもよい。もっとも、車載機器に限らず、例えば建物に備えられる無停電電源装置(UPS)等であってもよい。
【符号の説明】
【0096】
10…モータジェネレータ、12…高電圧バッテリ、14…コンデンサ、16…インダクタ、18…スナバコンデンサ、20…コンデンサ、30…制御装置、M1,M2…メインスイッチ、S1〜S4…補助スイッチ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電流の流通経路を開閉する機能である開閉機能を有する第1流通規制要素と、電流の流通方向を規制する機能である整流機能および前記開閉機能の少なくとも一方を有する第2流通規制要素とが電圧の印加される一対の端子である高電位側端子および低電位側端子間に直列接続されて且つ、前記第1流通規制要素および前記第2流通規制要素の接続点にインダクタが接続される電力変換装置において、
コンデンサと、
前記コンデンサの一方の端子および他方の端子のそれぞれを前記第1流通規制要素の高電位側の端子および低電位側の端子のそれぞれに接続する第1接続状態、および前記一方の端子および前記他方の端子のそれぞれを前記第2流通規制要素の高電位側の端子および低電位側の端子のそれぞれに接続する第2接続状態の切り替えが可能な切替回路とを備えることを特徴とする電力変換装置。
【請求項2】
前記切替回路は、前記第1接続状態、前記第2接続状態、および前記コンデンサを前記第1流通規制要素および前記第2流通規制要素のいずれとも並列接続されない第3接続状態の3つの接続状態の切り替えが可能な回路であることを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記第1流通規制要素を周期的に開状態および閉状態に操作する開閉操作手段と、
前記第1流通規制要素を開状態および閉状態とする操作の2周期を単位として前記切替回路による接続状態を周期的に切り替える切替制御手段とを備え、
該切替制御手段は、前記第1流通規制要素が1度目に閉状態とされる期間において前記第1接続状態として且つ、前記第1流通規制要素が2度目に閉状態とされる期間において前記第2接続状態とする切り替え処理を周期的に行うことを特徴とする請求項1または2記載の電力変換装置。
【請求項4】
前記切替回路は、前記第1接続状態、前記第2接続状態、および前記コンデンサが前記第1流通規制要素および前記第2流通規制要素のいずれとも並列接続されない第3接続状態の3つの接続状態に切り替え可能な回路であり、
前記切替制御手段は、前記第1流通規制要素が1度目に閉状態に切り替えられた後、前記第1接続状態に切り替える処理、前記第1流通規制要素が1度目に開状態に切り替えられた後、前記第3接続状態に切り替える処理、前記第1流通規制要素が2度目に閉状態に切り替えられた後、前記第2接続状態に切り替える処理、および前記第2流通規制要素が2度目に開状態に切り替えられた後、前記第3接続状態に切り替える処理の4つの処理を周期的に行うことを特徴とする請求項3記載の電力変換装置。
【請求項5】
前記コンデンサの静電容量を可変とする静電容量可変手段と、
前記インダクタに流れる電流が小さい場合、前記静電容量可変手段を操作して前記コンデンサの静電容量を低減する静電容量制御手段とをさらに備ることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項6】
前記切替制御手段は、前記コンデンサの充電電圧が前記高電位側端子および前記低電位側端子間の電圧の「1/2」以上であることを条件に前記第1接続状態への切り替えを禁止して前記第1流通規制要素が開状態に切り替えられる際に前記第2接続状態とし、前記高電位側端子および前記低電位側端子間の電圧の「1/2」未満であることを条件に前記第2接続状態への切り替えを禁止して前記第1流通規制要素が開状態に切り替えられる際に前記第1接続状態とする禁止手段を備えることを特徴とする請求項3または4記載の電力変換装置。
【請求項7】
前記切替回路は、前記第1流通規制要素および前記第2流通規制要素の接続点と前記コンデンサの前記他方の端子との間、前記接続点と前記コンデンサの前記一方の端子との間、前記コンデンサの前記一方の端子と前記高電位側端子との間、および前記コンデンサの前記他方の端子と前記低電位側端子との間のそれぞれに、前記整流機能および前記開閉機能の少なくとも一方を有する第1補助用規制要素、第2補助用規制要素、第3補助用規制要素および第4補助用規制要素のそれぞれを備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項8】
前記電力変換装置は、前記インダクタ側から前記高電位側端子側へと電力を出力するものであり、
前記第1補助用規制要素および前記第4補助用規制要素は、前記開閉機能を備え、
前記第2補助用規制要素は、前記整流機能として前記接続点側から前記コンデンサ側への電流の流れを許容して且つ逆方向への電流の流れを阻止する機能を有し、
前記第3補助用規制要素は、前記整流機能として前記コンデンサの前記一方の端子から前記高電位側端子への電流の流れを許容して且つ逆方向への電流の流れを阻止する機能を有することを特徴とする請求項7記載の電力変換装置。
【請求項9】
前記電力変換装置は、前記高電位側端子側から前記インダクタ側への電力の出力を行わないものであり、
前記第2補助用規制要素および前記第3補助用規制要素のそれぞれは、ダイオードであることを特徴とする請求項8記載の電力変換装置。
【請求項10】
前記電力変換装置は、前記高電位側端子側から前記インダクタ側へと電力を出力するものであり、
前記第2補助用規制要素および前記第3補助用規制要素は、前記開閉機能を備え、
前記第1補助用規制要素は、前記整流機能として前記コンデンサ側から前記接続点側への電流の流れを許容して且つ逆方向への電流の流れを阻止する機能を有し、
前記第4補助用規制要素は、前記整流機能として前記低電位側端子側から前記コンデンサの前記他方の端子側への電流の流れを許容して且つ逆方向への電流の流れを阻止する機能を有することを特徴とする請求項7記載の電力変換装置。
【請求項11】
前記電力変換装置は、前記インダクタ側から前記高電位側端子側への電力の出力を行わないものであり、
前記第1補助用規制要素および前記第4補助用規制要素のそれぞれは、ダイオードであることを特徴とする請求項10記載の電力変換装置。
【請求項12】
前記電力変換装置は、前記インダクタ側から前記高電位側端子側への電力の出力と、前記高電位側端子側から前記インダクタ側への電力の出力との双方を行うものであり、
前記第1補助用規制要素、前記第2補助用規制要素、前記第3補助用規制要素、および前記第4補助用規制要素のそれぞれは、前記開閉機能を有することを特徴とする請求項7記載の電力変換装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−70467(P2012−70467A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−210478(P2010−210478)
【出願日】平成22年9月21日(2010.9.21)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】