説明

電力機器用ホットメルト接着剤

【課題】タックの消失が早く、かつ、耐熱性に優れ、電力機器の生産性の向上及び安全性の向上に貢献できるホットメルト接着剤を提供する。更に、そのようなホットメルト接着剤を用いて製造された電力機器を提供する。
【解決手段】(A)エチレンと、エチレン性二重結合を有するカルボン酸誘導体との共重合体、(B)ポリプロピレンワックス、(C)ポリエチレンワックス及び(D)フィッシャートロプシュワックスを含む電力機器用ホットメルト接着剤である。(A)共重合体として、エチレン−酢酸ビニル共重合体が好ましい。上述のホットメルト接着剤を用いて、電力機器を好適に製造することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力機器に使用されるホットメルト接着剤に関する。本明細書で「電力機器」とは、他のエネルギーから電気エネルギー(電力)への変換を行う機器、電気エネルギーから他のエネルギーへの変換を行う機器、電気エネルギーの他のエネルギーでの蓄積を行う機器を意味する。そのような電力機器として、具体的には、例えば、アルカリ乾電池、リチウムイオン電池等の化学電池、太陽電池及びコンデンサ(キャパシタ)等の物理電池を例示できる。
【背景技術】
【0002】
電力機器は、例えば、一次電池、二次電池、キャパシタ等の様々な形態でエレクトロニクス分野や自動車用途に使用されている。特に、非水電解質電池の一種であるリチウムイオン電池は、エネルギー密度が高いという特徴から、携帯電話やノート型パーソナルコンピューターなどの携帯機器の電源として広く用いられている。また、環境問題への配慮から繰り返し充電できる二次電池の重要性が増大しており、携帯機器以外にも、例えば、自動車、電気椅子や家庭用、業務用の電力貯蔵システムへの適用が検討されている。
【0003】
近年、環境問題等により電池とガソリンを併用したハイブリッド自動車(HEV)、動力を電池で補助するアシスト自転車、全ての動力を電池で賄う電気自動車や電気バイクが普及しつつある。携帯電話などの小型携帯電子機器の電源と比較して、これらは中型又は大型の電源が必要であり、そのために容量が大きい高出力二次電池が必要とされている。
【0004】
電池は、セパレータを介して正極と負極とが積層されて構成されている。電池の容量は、正極と負極の積層枚数を増やすことによって増加する。ハイブリッド自動車(HEV)等に搭載されるリチウムイオン電池は、特に高い電池容量が要求され、積層枚数も多くなるので、小型携帯機器用の電池と比較すると、電気短絡が発生する割合も高くなる。
【0005】
電気短絡を防止する手段の一つとして、リチウムイオン電池を製造する際、電極に絶縁樹脂を塗工する方法がある。特許文献1〜3は、エチレン系重合体を絶縁樹脂として用いることを開示する(参照:特許文献1〜3の特許請求の範囲)。しかし、これらの一般的な絶縁樹脂(即ち、エチレン系重合体)では、電気短絡をある程度防止することはできるが、リチウムイオン電池の生産性を高いレベルで維持することは困難であった。
【0006】
特許文献1〜3の絶縁樹脂は、それらの実施例に記載されているように、N−メチルピロリドンやテトロヒドロフラン等の有機溶剤と混合されて使用される。このような有機溶剤を含む絶縁樹脂を用いてリチウムイオン電池等の電力機器を製造すると、有機溶剤の乾燥工程が必要であり、電力機器の生産性が低下する。
【0007】
更に、特許文献1〜3の絶縁性樹脂は、タックの消失が遅く、固化も遅く、耐熱性も不十分であった。リチウムイオン電池を製造する際には、正極と負極とセパレータを円筒状、あるいは扁平状に捲回する工程があるので、タックの消失と固化に時間がかかる絶縁樹脂は、捲回に支障が出ることもある。また、耐熱性が不十分な絶縁樹脂で電力機器を製造すると、電力機器の発熱によって発火することも考えられる。
【0008】
このように、電力機器の生産効率を高め、かつ、発火の防止等の安全性に優れたホットメルト接着剤の開発が急務である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−172777号公報
【特許文献2】特開2007−257848号公報
【特許文献3】特開2007−258050号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、前記目的を達成するためになされたものであり、本発明の目的は、タックの消失が早く、かつ、耐熱性に優れるホットメルト接着剤であって、電力機器の生産性の向上及び安全性の向上に貢献できるホットメルト接着剤を提供することである。更に、そのようなホットメルト接着剤を用いて製造された電力機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、特定のエチレン系共重合体と、特定のワックスとを配合すると、驚くべきことに上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至ったものである。
【0012】
即ち、本発明は、一の要旨において、
(A)エチレンと、エチレン性二重結合を有するカルボン酸誘導体との共重合体、(B)ポリプロピレンワックス、(C)ポリエチレンワックス及び(D)フィッシャートロプシュワックスを含む電力機器用ホットメルト接着剤を提供する。
【0013】
本発明の一の態様において、
(A)エチレンと、エチレン性二重結合を有するカルボン酸誘導体との共重合体は、エチレン−酢酸ビニル共重合体である上述の電力機器用ホットメルト接着剤を提供する。
本発明の別の態様において、
(A)〜(D)の合計100重量部当たり、(B)ポリプロピレンワックスを5〜30重量部含む上述の電力機器用ホットメルト接着剤を提供する。
無溶剤型である上述の電力機器用ホットメルト接着剤を提供する。
【0014】
本発明は、別の要旨において、上述のホットメルト接着剤を用いて得られた電力機器を提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る電力機器用ホットメルト接着剤は、
(A)エチレンと、エチレン性二重結合を有するカルボン酸誘導体との共重合体、(B)ポリプロピレンワックス、(C)ポリエチレンワックス及び(D)フィッシャートロプシュワックスを含むことで、
タックが短時間で消失し、耐熱性にも優れる。
タックが消失する時間が短い本発明にかかるホットメルト接着剤を用いることで、電力機器の生産性が著しく向上する。更に、本発明にかかるホットメルト接着剤は、耐熱性が高いので、製造した電力機器の発火防止にも有効である。
【0016】
本発明の電力機器用ホットメルト接着剤は、(A)エチレンと、エチレン性二重結合を有するカルボン酸誘導体との共重合体がエチレン−酢酸ビニル共重合体であることによって、
さらに、タックが消失する時間がより短くなり、耐熱性にもより優れる。
エチレン−酢酸ビニル共重合体は、酢酸ビニルの含有量が高くなると、電気絶縁性が向上するので、電力機器の電気短絡を防止するために有効である。
【0017】
本発明の電力機器用ホットメルト接着剤は、(A)〜(D)の合計100重量部当たり、(B)ポリプロピレンワックスを5〜30重量部含む場合、
よりいっそう耐熱性が向上し、電力機器の電気短絡を防止するために非常に有用である。
【0018】
本発明に係る電力機器用ホットメルト接着剤は無溶剤型である場合、
電力機器の製造工程から有機溶剤の乾燥工程を省くことが可能であり、電力機器の生産効率を大幅に向上させることが可能である。
【0019】
本発明の電力機器は、上記電力機器用ホットメルト接着剤を用いて製造されるので、効率良く生産され、電気短絡が発生しにくく安全性に優れる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明に係る電力機器用ホットメルト接着剤は、ベース樹脂として(A)エチレンと、エチレン性二重結合を有するカルボン酸誘導体との共重合体を含み、ワックスとして(B)ポリプロピレンワックス、(C)ポリエチレンワックス及び(D)フィッシャートロプシュワックスを含む。
本明細書において、「ホットメルト接着剤」とは、常温で固形であるが、加熱して融解することで流動性を付与し、例えば、基材、被着体等の対象物に塗布することができ、冷却することで硬化し接着する接着剤をいう。
【0021】
本発明において、「(A)エチレンと、エチレン性二重結合を有するカルボン酸誘導体との共重合体」(以下「(A)共重合体」又は「(A)成分」ともいう)とは、エチレンと、エチレン性二重結合を有するカルボン酸誘導体との共重合体であって、本発明に係るホットメルト接着剤を得ることができる限り、特に制限されるものではない。
本明細書における、「エチレン性二重結合を有するカルボン酸誘導体」とは、エチレンと付加重合することができる炭素原子間二重結合を有するカルボン酸誘導体をいい、具体的には、本明細書では「エチレン性二重結合を有するカルボン酸」、「エチレン性二重結合を有するカルボン酸無水物」及び「エチレン性二重結合を有するカルボン酸エステル」をいう。
【0022】
「エチレン性二重結合を有するカルボン酸」とは、エチレン性二重結合とカルボキシル基を有する化合物であって、本発明のホットメルト接着剤を得ることができれば限定されることはない。具体的には、オレイン酸、リノール酸、マレイン酸、アクリル酸及びメタクリル酸等を例示することができる。
「エチレン性二重結合を有するカルボン酸無水物」としては、2分子のカルボン酸を脱水縮合させた化合物であり、本発明のホットメルト接着剤を得ることができれば特に限定されない。具体的には、無水フマル酸及び無水マレイン酸等を例示することができる。
【0023】
「エチレン性二重結合を有するカルボン酸エステル」として、例えば、不飽和脂肪酸アルキルエステルとカルボン酸不飽和アルキルエステルを例示することができる。
「不飽和脂肪酸アルキルエステル」として、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルへキシル、メタクリル酸メチル等の(メタ)アクリル酸エステルを例示することができ、「カルボン酸不飽和アルキルエステル」として、例えば、酢酸ビニル、酢酸アリル等を例示することができる。
【0024】
エチレン性二重結合を有するカルボン酸誘導体は、単独又は組み合わせて使用することができる。
エチレン性二重結合を有するカルボン酸誘導体として、酢酸ビニル、メタクリル酸メチル及びアクリル酸ブチルが好ましく、“酢酸ビニル”が特に好ましい。
従って、本発明では、(A)エチレンと、エチレン性二重結合を有するカルボン酸誘導体との共重合体として、「エチレン−酢酸ビニル共重合体」が最も好適である。
【0025】
本発明において、(A)共重合体は、メルトフローレートが100〜1000であることが好ましく、300〜800であることがより好ましく、400〜700であることが特に好ましい。メルトフローレートが100未満の場合、得られるホットメルト接着剤の溶融粘度が高くなり、塗工性が低下し得、電極密着性が不良となり得る。メルトフローレートが1000を超える場合、耐熱性低下の要因となり得る。
【0026】
「メルトフローレート」とは、溶液状態にあるポリマーの流動性を示す最も普及している尺度の一つであり、溶液指数ともいう。「メルトフローレート」は、押出式プラストメーターで、一定の圧力、一定の温度の下で、規定の寸法をもつノズル(オリフィス)から流出するポリマーの量を測定し、それを、g/10minの単位の数値で表したものである。一般的に、メルトフローレートの数値が大きいほど溶融時の流動性及び加工性は良好となるが、引張り強さ、耐ストレスクラッキング性が低下する傾向にある。
尚、本明細書におけるメルトフローレートとは、JIS K7210に従い、190℃、荷重2.16kgにおいて、10分間で流出したポリマーのグラム数をいう。
【0027】
本発明において、エチレン−酢酸ビニル共重合体は酢酸ビニル含有量が20〜50重量%であることが好ましく、20〜40重量%であることがより好ましく、25〜35重量%であることが特に好ましい。尚、酢酸ビニル含有量は、通常用いられているJIS K6924−1、JIS K6924−2付属書に記載の方法で測定される。
【0028】
本発明の電力機器用ホットメルト接着剤は、ワックス成分として、(B)ポリプロピレンワックス、(C)ポリエチレンワックス及び(D)フィッシャートロプシュワックスを含む。(B)〜(D)の3成分が(A)成分と配合されることで、本発明の目的が達成される。
【0029】
本発明において、(B)ポリプロピレンワックス(以下「(B)ワックス」又は「(B)成分」ともいう)とは、一般的にポリプロピレンワックスとされているものであり、本願発明に係るホットメルト接着剤を得ることができる限り制限されるものではない。
本発明では、(B)ポリプロピレンワックスは、(A)〜(D)の合計100重量部当たり、5〜30重量部含まれることが好ましく、20〜30重量部含まれることがより好ましく、20〜25重量部含まれることが特に好ましい。(B)の添加量が5重量部未満の場合、本発明の電力機器用ホットメルト接着剤の耐熱性が低下し得る。(B)の添加量が30重量部を超える場合、電力機器の電極との接着性が低下し得る。
【0030】
本発明において、(C)ポリエチレンワックス(以下「(C)ワックス」又は「(C)成分」ともいう)とは、一般的にポリエチレンワックスとされているものであり、本願発明に係るホットメルト接着剤を得ることができる限り制限されるものではない。
本発明において、(C)ポリエチレンワックスは、(A)〜(D)の合計100重量部当たり、5〜20重量部含まれることが好ましく、5〜15重量部含まれることがより好ましく、5〜10重量部含まれることが特に好ましい。(C)の添加量が5重量部未満の場合、本発明の電力機器用ホットメルト接着剤の耐熱性が低下し得る。(C)の添加量が20重量部を超える場合、耐熱性が低下し得る。
【0031】
本発明において、(D)フィッシャートロプシュワックス(以下「(D)ワックス」又は「(D)成分」ともいう)とは、フィッシャートロプシュ法によって合成されたワックスであって、一般的にフィッシャートロプシュワックスとされているものであり、好ましくは成分分子が比較的幅広い炭素数分布を持つワックスから成分分子が狭い炭素数分布を持つようにワックスを分取したものをいい、本願発明に係るホットメルト接着剤を得ることができる限り制限されるものではない。
本発明において、(D)フィッシャートロプッシュワックスは、(A)〜(D)の合計100重量部当たり、2〜10重量部含まれることが好ましく、2〜6重量部含まれることがより好ましく、3〜5重量部含まれることが特に好ましい。(D)の添加量が2重量部未満の場合、本発明の電力機器用ホットメルト接着剤の相溶性が低下し得る。(D)の添加量が10重量部を超える場合、耐熱性が低下し得る。
【0032】
ポリオレフィンワックスである(B)ポリプロピレンワックスおよび(C)ポリエチレンワックスは、数平均分子量が1000〜10000、軟化点が100〜200℃、融点が100〜150℃であるものが好ましく、特に数平均分子量が2000〜5000、軟化点が130〜160℃、融点が120〜150℃のものが好ましい。
本発明において、フィッシャートロプシュワックスは、軟化点が100〜130℃、針入度が1〜10が好ましく、特に軟化点が100〜120℃、針入度が1〜5が好ましい。
【0033】
本明細書において、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した。測定条件は下記の通りである。硬質球状多孔性ポリスチレン−ジビニルベンゼン系ゲルを充填したカラム(例えば、昭和電工(株)製Shodex(登録商標)LF−804(商品名))を使用し、移動相にはTHFを用いた。検出器としてRIを使用し、標準物質として単分散分子量のポリスチレンを用いた検量線による分子量換算で、数平均分子量を求めた。
【0034】
本明細書における軟化点とは、リング&ボール法(日本接着剤工業会規格 JAI−7−1999に記載された方法)で測定された値をいう。
本明細書における融点とは、示差走査熱分析装置(DSC)を用いて、2℃/分の昇温速度で昇温して、得られる吸熱ピークのピークトップの値をいう。
針入度とは、ワックスの硬さを示すもので、JIS K2235に規定された条件で測定された値である。標準条件(温度25℃、荷重100g、貫入時間5秒)で規定の針がワックスに垂直に針入したときの深さを1/10mmを1単位として表したものである。
【0035】
本発明に係る電力機器用ホットメルト接着剤は、必要に応じて、更に各種添加剤を含んでも良い。そのような各種添加剤として、例えば、粘着付与樹脂、安定化剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤)、ワックス、及び微粒子充填剤等を例示することができる。
【0036】
(E)粘着付与樹脂として、例えば、天然ロジン、変性ロジン、水添ロジン、天然ロジンのグリセロールエステル、変性ロジンのグリセロールエステル、天然ロジンのペンタエリスリトールエステル、変性ロジンのペンタエリスリトールエステル、水添ロジンのペンタエリスリトールエステル、天然テルペンのコポリマー、天然テルペンの3次元ポリマー、水添テルペンのコポリマーの水素化誘導体、ポリテルペン樹脂、フェノール系変性テルペン樹脂の水素化誘導体、脂肪族石油炭化水素樹脂、脂肪族石油炭化水素樹脂の水素化誘導体、芳香族石油炭化水素樹脂、芳香族石油炭化水素樹脂の水素化誘導体、環状脂肪族石油炭化水素樹脂、環状脂肪族石油炭化水素樹脂の水素化誘導体を例示することができる。これらの粘着付与樹脂は、単独で、又は組み合わせて使用することができる。これら粘着付与樹脂の中でも、特に環状脂肪族石油炭化水素樹脂、芳香族石油炭化水素樹脂の水素化誘導体が好ましい。
【0037】
電力機器用ホットメルト接着剤に配合される粘着付与樹脂がロジン系である場合、ロジンのエステル部分が電力機器の電解液(カーボネイト系水溶液)で加水分解する可能性がある。環状脂肪族石油炭化水素樹脂、芳香族石油炭化水素樹脂の水素化誘導体は、エステル部分を有さないので、電力機器用ホットメルト接着剤に配合されても、加水分解を考慮する必要がない。
【0038】
(E)粘着付与樹脂は、市販品を使用してよい。市販品として、例えば、ヤスハラケミカル社製のYSポリスターT115(商品名)、エクソンモービル社製のECR5400、ECR179EX(商品名)、ECR231C(商品名)、丸善石油化学社製のマルカクリヤーH(商品名)、ヤスハラケミカル社製のクリアロンK100(商品名)、荒川化学社製のアルコンM100(商品名)、出光石油化学社製のアイマーブY135(商品名)、ヤスハラケミカル社製のクリアロンK4090(商品名)及びクリアロンK4100(商品名)、イーストマンケミカル社製のイーストタックH-100W(商品名)、リガライトR7100(商品名)を例示することができる。これらの市販の粘着付与樹脂は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
【0039】
「安定化剤」とは、ホットメルト接着剤の熱による分子量低下、ゲル化、着色、臭気の発生等を防止して、ホットメルト接着剤の安定性を向上するために配合されるものであり、本発明が目的とするホットメルト接着剤を得ることができるものであれば、特に制限されるものではない。安定化剤として、例えば、酸化防止剤及び紫外線吸収剤を例示することができる。
【0040】
紫外線吸収剤は、ホットメルト接着剤の耐光性を改善するために使用される。酸化防止剤は、ホットメルト接着剤の酸化劣化を防止するために使用される。酸化防止剤及び紫外線吸収剤は、一般的に使用されるものであって、後述する目的とする電力機器を得ることができるものであれば使用することができ、特に制限されるものではない。
【0041】
「酸化防止剤」として、例えば、フェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、リン系酸化防止剤を例示できる。紫外線吸収剤として、例えばベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤を例示できる。更に、ラクトン系安定剤を添加することもできる。これらは単独又は組み合わせて使用することができる。市販品として、以下の製品を使用することができる。具体的には、住友化学工業(株)製のスミライザーGM(商品名)、スミライザーTPD(商品名)及びスミライザーTPS(商品名)、チバスペシャリティーケミカルズ社製のイルガノックス1010(商品名)、イルガノックスHP2225FF(商品名)、イルガフォス168(商品名)及びイルガノックス1520(商品名)、チヌビンP、城北化学社製のJF77(商品名)、ADEKA社製のアデカスタブAO−60(商品名)を例示することができる。これら安定化剤は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
【0042】
本発明の電力機器用ホットメルト接着剤は、更に、微粒子充填剤及び可塑剤等を含むことができる。微粒子充填剤は、一般に使用されているものであれば良く、本発明が目的とするホットメルト接着剤を得ることができる限り特に限定されることはない。
【0043】
「微粒子充填剤」として、例えば雲母、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、酸化チタン、ケイソウ土、尿素系樹脂、スチレンビーズ、焼成クレー、澱粉等を例示できる。これらの形状は、好ましくは球状であり、その寸法(球状の場合は直径)については特に限定されるものではない。
【0044】
「可塑剤」は、ホットメルト接着剤の溶融粘度低下、柔軟性の付与、被着体への濡れ向上を目的として配合され、ブロック共重合体に相溶し、本発明が目的とするホットメルト接着剤を得ることができるものであれば、特に限定されるものではない。可塑剤として、例えば、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル及び芳香族系オイルを挙げることができる。特にパラフィン系オイル及び/又はナフテン系オイルが好ましく、無色、無臭であるパラフィン系オイルが最も好ましい。
【0045】
可塑剤の市販品の一例として、例えば、Kukdong Oil&Chem社製のWhite Oil Broom350(商品名)、出光興産社製のダイアナフレシアS32(商品名)、ダイアナプロセスオイルPW−90(商品名)、ダフニ−オイルKP−68(商品名)、BPケミカルズ社製のEnerperM1930(商品名)、Crompton社製のKaydol(商品名)、エクソンモービル社製のPrimol352(商品名)、出光興産社製のプロセスオイルNS−100(商品名)を例示することができる。これらは、単独で又は組み合わせて使用することができる。
【0046】
本発明に係る電力機器用ホットメルト接着剤は、特別な製法をとる必要がなく、一般的にホットメルト接着剤を製造することができる方法で製造することができる。成分(A)、(B)、(C)及び(D)、必要に応じて各種添加剤を配合すること、例えば、上述の成分を所定量配合し、加熱溶融して製造することができる。目的とするホットメルト接着剤を得ることができる限り、各成分を加える順序、加熱方法等は、特に制限されるものではない。
【0047】
本発明の電力機器用ホットメルト粘接着剤は、種々の形状を取りえるが、常温で、一般的にブロック状またはフィルム(シート)状である。ブロック状の場合、上記の製造法によって得られた生成物をそのまま冷却固化することで得られ、フィルム(シート)状の場合は上記の製造法によって得られた生成物をさらにフィルム状に成形することにより得られる。成形の方法として、例えば、ドラムクーラー、T−ダイ型二軸押出機等を使用する方法等を例示することができる。
【0048】
本発明の電力機器用ホットメルト接着剤は、電力機器の部材、例えば、電極やセパレータに塗工される。電力機器の部材へ塗工する際、有機溶剤を電力機器用ホットメルト接着剤に配合する必要がないので、環境的にも好ましい。塗工方法については、特に制限されるものではなく、一般的によく知られたホットメルト接着剤の塗布(又は塗工)方法を用いることができる。そのような塗布方法は、接触塗布、非接触塗布に大別される。「接触塗布」とは、ホットメルト接着剤を塗布する際、噴出機を電極やセパレータに接触させる塗布方法をいい、「非接触塗布」とは、ホットメルト接着剤を塗布する際、噴出機を基材やシート(フィルム)に接触させない塗布方法をいう。「接触塗布方法」として、例えば、スロットコーター塗工及びロールコーター塗工等を例示でき、「非接触塗布方法」として、例えば、螺旋状に塗布できるスパイラル塗工、波状に塗布できるオメガ塗工やコントロールシーム塗工、面状に塗布できるスロットスプレー塗工やカーテンスプレー塗工、点状に塗工できるドット塗工などを例示できる。
【0049】
上述の本発明に係る電力機器用ホットメルト接着剤の塗工性を考慮すると、その軟化点は、100〜150℃であることが好ましく、100〜130℃であることがより好ましく、120〜130℃であることが特に好ましく、125〜130℃であることが最も好ましい。また、180℃での溶融温度は、500〜4000mPa・sであることが好ましく、1500〜2500mPa・sであることがより好ましく、1700〜2200mPa・sであることが特に好ましく、1700〜2000mPa・sであることが最も好ましい。
軟化点及び180℃での溶融温度の測定方法は、実施例に記載した。
【0050】
本発明において「電力機器」とは、他のエネルギーから電気エネルギー(電力)への変換を行う機器、電気エネルギーから他のエネルギーへの変換を行う機器、電気エネルギーの他のエネルギーでの蓄積を行う機器を意味する。電力機器は、本発明に係るホットメルト接着剤を用いて製造されたものであれば特に限定されることはない。
【0051】
このような「他のエネルギーから電気エネルギー(電力)への変換を行う機器」には、例えば、発電機(力学的エナルギーを電気エネルギーに変換する)、太陽電池(光エネルギーを電気エネルギーに変換する)、並びに燃料電池及び一次電池(化学エネルギーを電気エネルギーに変換する)等が含まれる。
「電気エネルギーから他のエネルギーへの変換を行う機器」には、例えば、電動機(モーター)(電気エネルギーを力学的エネルギーに変換する)、電熱器(電気エネルギーを熱エネルギーに変換する)及び光源(電気エネルギーを光エネルギーに変換する)等が含まれる。
「電気エネルギーの他のエネルギーでの蓄積を行う機器」には、例えば、二次電池(蓄電池)及びコンデンサ(電界コンデンサ、電気二重層コンデンサ)、キャパシタ(電気二重層キャパシタ)等が含まれる。
【0052】
本発明に係る電力機器として、「他のエネルギーから電気エネルギー(電力)への変換を行う機器」及び「電気エネルギーの他のエネルギーでの蓄積を行う機器」が好ましく、一次電池、二次電池、燃料電池、太陽電池、コンデンサ、キャパシタがより好ましい。これらのより好ましい電力機器は、化学電池及び物理電池として分類することもできる。
【0053】
そのような化学電池として、例えば、
(1)マンガン電池、アルカリマンガン電池、酸化銀電池、水銀電池等の一次電池;
(2)リチウム電池、鉛蓄電池、ニッケル−カドミウム蓄電池、ニッケル−水素蓄電池、ニッケル−亜鉛蓄電池、酸化銀−亜鉛蓄電池、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、亜鉛−空気蓄電池、鉄−空気蓄電池、アルミニウム−空気蓄電池等の二次電池;
(3)燃料電池
等を例示することができる。
【0054】
物理電池として、例えば、太陽電池、電解コンデンサ、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ等を例示することができる。
【0055】
本発明に係る電力機器、より具体的には、例えば、化学電池及び物理電池等は、本発明の電力機器用ホットメルト接着剤を電極やセパレータに塗工して得ることができる。今後の環境問題を考慮すると、電気エネルギーの他のエネルギーでの蓄積を行う機器、具体的には、例えば、二次電池、電解コンデンサ、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタが好ましい。自動車分野に限ると、特にリチウムイオン電池、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタが本発明の電力機器として有望である。
【0056】
本発明では、本発明のホットメルト接着剤が塗工された電極やセパレータを積層し、その積層体を構成品として組み入れることで電力機器を製造する。既に説明したように、電力機器用ホットメルト接着剤は耐熱性が高く、固化速度、タック消失が早く(又はタックが消失する時間が短い)、有機溶剤を含まないので、本発明の電力機器は、発火し難く安全面に優れ、なおかつ、生産性にも優れる。
【0057】
本発明の主な態様を以下に記載する。
1.
(A)エチレンと、エチレン性二重結合を有するカルボン酸誘導体との共重合体、(B)ポリプロピレンワックス、(C)ポリエチレンワックス及び(D)フィッシャートロプシュワックスを含む電力機器用ホットメルト接着剤。
2.
(A)エチレンと、エチレン性二重結合を有するカルボン酸誘導体との共重合体は、エチレン−酢酸ビニル共重合体である上記1に記載の電力機器用ホットメルト接着剤。
3.
(A)〜(D)の合計100重量部当たり、(B)ポリプロピレンワックスを5〜30重量部含む上記1又は2に記載の電力機器用ホットメルト接着剤。
4.
無溶剤型である上記1〜3のいずれかに記載の電力機器用ホットメルト接着剤。
5.
上記1〜4のいずれかに記載のホットメルト接着剤を用いて得られた電力機器。
【実施例】
【0058】
以下、本発明を実施例及び比較例を用いて詳細に説明するが、実施例は単なる例示にすぎず、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0059】
電力機器用ホットメルト接着剤の成分を記載する。
(A)エチレンと、エチレン性二重結合を有するカルボン酸誘導体との共重合体
(A1)エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含量:28重量%、メルトフローレート:400、東ソー社製のウルトラセンOB54F(商品名))
(A2)エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含量:28重量%、メルトフローレート:400、東ソー社製のウルトラセン722(商品名))
(A3)エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含量:33重量%、メルトフローレート:700、東ソー社製のウルトラセン726−2(商品名))
(A4)エチレン−アクリル酸ブチル共重合体(n−ブチルアクリレート含量:33重量%、メルトフローレート:700、エクソンモービル社製のENABLE EN33330(商品名))
(A5)エチレン−メタクリル酸メチル重合体(メタクリル酸メチル含量:28重量%、メルトフローレート:400、住友化学社製のアクリフトCM5021(商品名))
【0060】
(A’)非晶性ポリオレフィン
(A’1)プロピレン、エチレンと1−ブテンとの共重合体(ガラス転移温度:−28℃、軟化点:124℃、190℃での溶融粘度:2700mPa・s、エボニックデグサジャパン社製のVESTPLAST703(商品名))
(A’2)プロピレンと1−ブテンとの共重合体(ガラス転移温度:−14℃、軟化点:138℃、190℃での溶融粘度:400mPas、ハンツマン(Huntsman)社製のRextac RT2304A(商品名))
(A’3)プロピレンと1−ブテンとの共重合体(ガラス転移温度:−26℃、軟化点:110℃、190℃での溶融粘度:8000mPa・s、ハンツマン(Huntsman)社製のRextac RT2780A(商品名))
【0061】
(B)ポリプロピレンワックス
(B1)結晶性ポリプロピレンワックス(数平均分子量:4000、軟化点:150℃、針入度:1以下、180℃での溶融粘度:150mPa・s、融点:140℃、三井化学社製のハイワックスNP105(商品名))
【0062】
(C)ポリエチレンワックス
(C1)結晶性ポリエチレンワックス(数平均分子量:2200、軟化点:136℃、針入度:1以下、140℃での溶融粘度:650mPa・s、融点:126℃、三井化学社製のハイワックス400P(商品名))
【0063】
(D)フィッシャートロプシュワックス
(D1)フィッシャートロプシュワックス(軟化点:108℃、針入度:2以下、サゾール社製のサゾールワックス H1(商品名))
【0064】
(E)粘着付与樹脂
(E1)芳香族系石油樹脂の水素化誘導体
(軟化点:135℃、出光石油化学社製のアイマーブY135(商品名))
(E2)環状脂肪族系石油樹脂
(イーストマンケミカル社製のイーストタックH−100(商品名))
【0065】
これらの成分を表1〜4に示す割合で加え、万能攪拌機を用いてかき混ぜながら、約170℃で約1時間かけて溶融混合し、実施例1〜8、及び比較例1〜8のホットメルト接着剤を製造した。
【0066】
上述のホットメルト接着剤について、軟化点及び180℃での溶融温度を測定した。
<軟化点>
ホットメルト接着剤の軟化点はリング&ボール法(日本接着剤工業会規格JAI−7−1999に記載された方法)で測定した。結果は、表1〜4に記載した。
<180℃での溶融粘度>
ホットメルト接着剤を180℃に加熱して溶融した。約10.5〜11.0gの試料を摂取して、ブルックフィールド型粘度計の粘度缶に入れた。温度を180℃に30分間保った後、No.27スピンドルを用いて粘度を測定した。
することによって測定した。結果は、表1〜4に示した。
【0067】
更に、表面タックの大きさ、固化速度の速さ、耐熱性の高さ及びアルミニウムへの接着性の大きさを評価した。
尚、表面タックについては、ポリエチレンテレフタレートフィルムにホットメルト接着剤を塗布したものを試料とし、固化速度、耐熱性、アルミニウムへの接着性については、ホットメルト接着剤をアルミニウム箔に塗布したものを試料とした。以下に各評価の概要について記載する。
【0068】
<表面タック>
(試料作製)
PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムに、ホットメルト接着剤を180℃で、20μmの厚さで塗布し、25mm×125mmの大きさを有する矩形にフィルムを切断して試料とした。
(試験方法)
作製したサンプルを23℃、55%Rh環境下で24時間養生した後、ループタック測定機を用いて表面タックを測定した。被着体として、SUS板を用いた。
◎:表面タックが10g/25mm未満のもの
○:表面タックが11g/25mm〜100g/25mmのもの
×:表面タックが100g/25mmを超えるもの
【0069】
<固化速度>
(試料作製)
20℃〜25℃の雰囲気下でアルミニウム箔に、180℃で溶融させたホットメルト接着剤を、180℃で100μmの厚さで塗布した。
(評価方法)
上述の180℃のホットメルト接着剤の表面タックが消失するまでの時間を、指で触れることによって測定した。
◎:表面タックが消失するまでの時間が10秒未満もの
×:表面タックが消失するまでの時間が11〜25秒もの
××:表面タックが消失するまでの時間が25秒を超えるもの
【0070】
<耐熱性>
(試料作製)
20℃〜25℃の雰囲気下で100cmの大きさ(10cm×10cm)のアルミニウム箔に、ホットメルト接着剤を180℃で100μmの厚さで塗布した。
(評価方法)
作製した試料にアルミニウム箔を重ね合わせ、1Kgの荷重を加えた。その試料を120℃環境下で48時間養生し、その後、23℃、55%Rhの環境下で24時間養生した。試料から重ね合わせたアルムニウム箔を剥がし、剥離状態を目視で確認した。
【0071】
◎:重ね合わせたアルミニウム箔へホットメルトの糊残りがなく、ホットメルト接着剤の表面に変化がないもの
○:重ね合わせたアルミニウム箔へホットメルトの糊残りはないが、ホットメルト接着剤の表面が荒れた状態であるもの
×:重ね合わせたアルミニウム箔へホットメルトの糊残りがあるもの
××:重ね合わせたアルミニウム箔へのホットメルトの糊残りが著しいもの
【0072】
<アルミニウムへの接着性>
(試料作製)
20℃〜25℃の雰囲気下でアルミニウム箔に、180℃で溶融させたホットメルト接着剤を180℃で100μmの厚さで塗布した。
(評価方法)
作製した試料を23℃55%Rh環境下で24時間養生した後、手でアルミニウム箔から固化したホットメルト接着剤を離剥することで接着状態を確認した。
◎:ホットメルト接着剤がアルミニウム箔とよく密着しており、剥離しないもの
○:ホットメルト接着剤がアルミニウム箔とよく密着しているもの
×:ホットメルト接着剤がアルミニウムへ箔から剥離するもの
【0073】
【表1】

【0074】
【表2】

【0075】
【表3】

【0076】
【表4】

【0077】
表1〜4に示されるとおり、実施例1〜8のホットメルト接着剤は、(A)、(B)、(C)及び(D)成分の全てを含有するので、表面タック、固化速度、耐熱性及びアルミニウムへの接着性の全てに優れる。特に、実施例7及び8のホットメルト接着剤は、(E)石油系の粘着付与樹脂が添加されているので、アルミニウムへの接着性も◎である。
このように、実施例1〜8のホットメルト接着剤は、表面タック、固化速度に優れるので電力機器の効率良い生産に貢献でき、さらに、耐熱性及びアルミニウムへの接着性にも優れるので電力機器の発火を防止する作用を有することが実証された。
【0078】
これに対し、比較例1〜8のホットメルト接着剤は、(A)、(B)、(C)及び(D)成分のいずれかを含まないので、耐熱性又は固化速度のいずれかの性能に劣る。比較例1のホットメルト接着剤は、(A)の代わりに(A‘)を含むので、耐熱性が低い。比較例2〜5のホットメルト接着剤は、(A)を含むが、(B)、(C)及び(D)のいずれかを含まないので、耐熱性が低下する。比較例6〜8のホットメルト接着剤は、(A)を含まず、さらに(B)、(C)及び(D)のいずれかを含まないので、性能がさらに低下する。比較例8のホットメルト接着剤は、(E)石油系の粘着付与樹脂を含むが、固化速度は改善されていない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)エチレンと、エチレン性二重結合を有するカルボン酸誘導体との共重合体、(B)ポリプロピレンワックス、(C)ポリエチレンワックス及び(D)フィッシャートロプシュワックスを含む電力機器用ホットメルト接着剤。
【請求項2】
(A)エチレンと、エチレン性二重結合を有するカルボン酸誘導体との共重合体は、エチレン−酢酸ビニル共重合体である請求項1に記載の電力機器用ホットメルト接着剤。
【請求項3】
(A)〜(D)の合計100重量部当たり、(B)ポリプロピレンワックスを5〜30重量部含む請求項1又は2に記載の電力機器用ホットメルト接着剤。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のホットメルト接着剤を用いて得られた電力機器。

【公開番号】特開2011−52049(P2011−52049A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−199659(P2009−199659)
【出願日】平成21年8月31日(2009.8.31)
【出願人】(391047558)ヘンケルジャパン株式会社 (43)
【Fターム(参考)】