説明

電動ステアリングロック装置

【課題】良好な動作状態を維持することができる電動ステアリングロック装置を提供する。
【解決手段】車両の操舵系機構を構成するステアリングシャフトのロックとアンロックとを切り替えるロック機構を作動させるモータ33への電力の供給の有無、及び電力の供給方向を、第1及び第2のリレー44a,44bの接点状態の切り替え制御を通じて切り替えるステロク用マイコン41を有する電動ステアリングロック装置において、モータ33の駆動回路への電力の供給の有無を切り替える駆動制限部43を設け、同駆動制限部43が駆動回路への電力の供給を遮断している状態で、第1及び第2のリレー44a,44bの接点状態を切り替える電動ステアリングロック装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子制御によりステアリングの回転操作を規制する電動ステアリングロック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両には、車両の盗難を防止するために、ステアリングの回転操作を規制するステアリングロック装置が設けられている。この種のステアリングロック装置には、例えば、特許文献1に示されるように、電子制御によるものがある。この電動ステアリングロック装置は、ステアリングシャフトに係脱可能とされたロックバーと、同ロックバーを移動させるモータと、同モータの駆動を制御する電子制御ユニットとを有する。この電子制御ユニットは、モータに接続された給電回路を切り替えることにより、モータへ供給される電流の向きを切り替えるリレーが設けられている。電子制御ユニットは、リレーを切り替えることによってモータの回転方向を制御することにより、同モータの回転に応じて移動するロックバーのステアリングシャフトへの係脱を制御する。ロックバーがステアリングシャフトと係合している場合には、ステアリングシャフトの回転が規制されるため、ステアリングの回転操作が規制される。
【0003】
また、給電回路と電源(+B)との間には、FET(Field effect transistor)が設けられている。このFETは、給電回路自体への電力の供給の有無を切り替えるものである。FETは、給電回路を切り替える制御ユニットとは別の制御ユニットによって制御される。車両が運転されている状態(走行用駆動源の作動中)においては、FETがオフとされて給電回路への電力の供給が遮断されている。この構成により、車両が運転されている状態において、誤ってロックバーがステアリングシャフトと係合することを防いでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−335321号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の電動ステアリングロック装置では、図7のタイミングチャートに示されるように、モータへの電力供給を行っていた。すなわち、ロックバーをステアリングシャフトに係合させる場合は、ロック側のリレーをオンしてモータへの給電回路を閉じさせた後、FETをオンさせてモータへの電力供給を行う。
【0006】
ところで、リレーは機械部品であるため、埃等のゴミがリレーの接点部に堆積するおそれがある。堆積量が多くなれば、ゴミによってリレーの導通が遮断された状態となるため、モータへ電流を供給することができなくなるおそれがある。例えば、図7において、モータへの電力供給を終了すべくロック側のリレーをオフとした場合(タイミングT21)に、リレーが堆積物を挟み込むおそれがある。この場合、リレーにおける導通が阻害されることによりロックバーはステアリングシャフトに係合した状態である。
【0007】
通常であれば、次は、ロックバーとステアリングシャフトとの係合を解除すべくアンロック側のリレーをオンすることにより(タイミングT22)、モータへの給電回路が閉じ、その後、FETをオンさせてモータへの電力供給を行う。しかし、ロック側のリレーには、堆積物が挟まって導通が阻害されているため、モータへの電力供給がなされず、その結果、ロックバーとステアリングシャフトとの係合が解除されないおそれがある。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、良好な動作状態を維持することができる電動ステアリングロック装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、車両の操舵系機構を構成する可動部材のロックとアンロックとを切り替えるロック機構を作動させるモータへの電力の供給の有無、及び電力の供給方向を、第1及び第2のリレーの接点状態の切り替え制御を通じて切り替える制御手段を有する電動ステアリングロック装置において、前記モータの駆動回路への電力の供給の有無を切り替える駆動制限部を設け、前記駆動制限部が前記駆動回路への電力の供給を遮断している状態で、第1及び第2のリレーの接点状態を切り替えることを要旨とする。
【0010】
同構成によれば、リレーの接点状態を切り替える、すなわちリレーを動かすことで、機械部品であるリレーにおける堆積物を排除できる可能性が高くなる。このため、堆積物によってモータの駆動回路が遮断される可能性を抑制することができる。従って、動作不良が発生しにくい電動ステアリングロック装置を提供することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電動ステアリングロック装置において、前記駆動制限部が前記駆動回路への電力の供給を遮断している状態で、前記第1及び第2のリレーを高電圧側に接続させた後、前記駆動制限部は前記駆動回路へ電力を供給し、その後、前記モータを回転させる方向に応じて前記第1及び第2のリレーの何れか一方の接点状態を切り替えることでモータの駆動回路が閉じることを要旨とする。
【0012】
同構成によれば、モータの駆動回路が閉じるとき、第1及び第2のリレーのうち作動した側のリレーにおいて、急激な電位差の変化からアークが発生する。リレーを構成する各接点においては、経年的に徐々に酸化被膜が形成される。この酸化被膜は、電通不良の原因となる場合がある。しかし、この酸化被膜は、アークが発生した場合に飛ばされる。従って、酸化被膜による電通不良の発生は抑制される。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の電動ステアリングロック装置において、上流側に設けられる前記第1及び第2のリレーと下流側に設けられる前記駆動制限部との間に導通判定回路を設け、前記制御手段は、前記駆動制限部をオフとした状態において、前記モータを回転させる方向に応じて、前記第1及び第2のリレーの何れかの接点状態を切り替えて、前記導通判定回路を介して電圧レベルを測定し、その結果に基づき前記駆動回路の導通状態を把握し、導通状態が不良と判断される場合には、前記第1及び第2のリレーの何れかにおいて導通不良が発生していると判断して、前記第1及び第2のリレーの何れかの接点状態を切り替えた後、前記駆動制限部は前記駆動回路へ電力を供給し、その後、前記モータを回転させる方向に応じて前記第1及び第2のリレーの何れか一方の接点状態を切り替えることでモータの駆動回路が閉じるようにし、導通状態が正常である場合には、前記駆動制限部が前記駆動回路へ電力を供給することを要旨とする。
【0014】
同構成によれば、導通状態が不良のときのみリレーにアークを発生させる。従って、導通状態が良好な場合は、リレーを切り替えずにモータへの電力の供給を開始する。従って、リレーを切り替える分だけ、モータの駆動回路が閉じるタイミング、すなわち、モータへの電力供給が開始されるタイミングが早くなるので、電動ステアリングロック装置のロックアンロックの切り替えを早く行うことができる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の電動ステアリングロック装置において、前記制御手段は、前記導通状態を把握した後、回路が開くように前記第1又は第2のリレーの接点状態を切り替えた後、前記導通状態が正常である場合には、前記駆動制限部をオンに切り替えてから前記第1又は第2のリレーの接点状態を切り替えて前記モータの駆動回路を閉じ、前記導通状態が不良である場合には、前記第1及び第2のリレーの接点状態を切り替えた後、前記駆動制限部をオンに切り替えてから前記第1又は第2のリレーの接点状態を切り替えて前記モータの駆動回路を閉じることを要旨とする。
【0016】
リレーに形成される酸化被膜は、電通不良の原因となるが、酸化被膜の形成具合によっては、電通が可能な場合がある。同構成によれば、モータの駆動回路が正常である場合にもリレーにアークを発生させる。これにより、酸化被膜が多量に形成されることを抑制する。また、モータの駆動回路が正常でない場合には、第1及び第2のリレーの接点状態を切り替えて、両リレーにおける堆積物の排除の可能性を高めた後、駆動制限部をオンに切り替える。その後、一方のリレーの接点状態を切り替えることで、そのリレーにおいてアークを発生させて、酸化被膜を除去することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明では、良好な動作状態を維持することができる電動ステアリングロック装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施形態の車両の盗難防止システムの概略構成を示すブロック図。
【図2】本実施形態の電動ステアリングロック装置の概略構成を示すブロック図。
【図3】(a)はステアリングシャフトが回転不能とされた状態、(b)はステアリングシャフトが回転可能とされた状態のロック機構を示す概略構成図。
【図4】本実施形態の第1及び第2のリレー及び駆動制限部の作動を示すタイムチャート。
【図5】他の実施形態において、回路が正常である場合における第1及び第2のリレー及び駆動制限部の作動を示すタイムチャート。
【図6】他の実施形態において、回路が正常でない場合における第1及び第2のリレー及び駆動制限部の作動を示すタイムチャート。
【図7】従来形態における第1及び第2のリレー及びFETの作動を示すタイムチャート。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を電子式のステアリングロックシステムに具体化した一実施形態について図1〜図6を参照して説明する。
図1に示されるように、電子式ステアリングロックシステム1は、ユーザ(運転者)によって所持される電子キー11と、同電子キー11との間で相互無線通信を行う車載機12とを備える。車載機12は要求信号を、電子キー11は応答信号を送信することが可能とされている。電子キー11は、車載機12から出力された要求信号を受信すると、これに対応して自身に記憶されたIDコードを含む応答信号を車載機12へ送信する。
【0020】
<車載機の構成>
図1に示すように、車載機12は、送受信部13、照合制御部14、電源制御部15、ロック制御部16、エンジン制御部17、メータ制御部18、及びスタートスイッチ19を備える。各制御部14〜18は、例えばCPU、ROM、RAMからなるCPUユニットを含んで構成されている。これら各制御部14〜18は、バス型ネットワーク通信線であるバス20によって電気的に接続されて、該バス20を介しての相互通信が可能とされている。なお、これら制御部のうち、照合制御部14、電源制御部15、及びロック制御部16は電源と接続され、常時、同電源から電力が供給されている。エンジン制御部17、及びメータ制御部18は、電源制御部15によりオンオフが切り替えられるイグニッションリレー22に接続されている。これらエンジン制御部17、及びメータ制御部18は、電源制御部15により、電力の供給の有無が切り替えられる。
【0021】
照合制御部14は、パルス調の要求信号の生成と、電子キー11から送信される応答信号に含まれるIDコード等の各種情報の照合とを行う。照合制御部14に接続される送受信部13は、照合制御部14から出力された要求信号を所定周波数の電波に変調し、その電波を所定の通信エリアに向けて送信する。ここでは、要求信号は、車外通信エリアと、車内通信エリアとに向けて送信される。また、送受信部13は、電子キー11から送信された応答信号を受信すると、その応答信号をパルス信号に復調して照合制御部14へ出力する。照合制御部14は、送受信部13から応答信号が入力されると、この応答信号に含まれるIDコードと、自身に予め設定されたIDコードとの照合をはじめとする各種照合を行う。照合制御部14は、照合が成立すれば、その旨示す信号をバス20に出力する。
【0022】
電源制御部15には、アクセサリリレー(ACCリレー)21、イグニッションリレー(IGリレー)22、及びスタータリレー(STリレー)23が接続されている。詳述すると、各リレー21〜23は、一端が電源に、他端が電源の供給先である各種車載機器に接続されているスイッチSW1〜SW3と、このスイッチSW1〜SW3のオンオフを切り替えるコイル部L1〜L3とを備える。コイル部L1〜L3は、図示しないFETなどのスイッチング素子を介して、その一端が電源制御部15に、他端がグランドに接続されている。各コイル部L1〜L3には、電源制御部15を介して電源が供給される。なお、電源制御部15には、ユーザによって操作されるスタートスイッチ19が接続されている。このスタートスイッチ19は、車両の運転席に設けられる。
【0023】
電源制御部15は、スタートスイッチ19の操作に応じて、各コイル部L1〜L3へ作動信号を出力する。各コイル部L1〜L3は、作動信号の入力の有無に応じてスイッチSW1〜SW3のオンオフを切り替える。これら各スイッチSW1〜SW3がオンとされれば、各種車載機器への電力が供給される。例えば、スイッチSW2がオンとされれば、エンジン制御部17、及びメータ制御部18に電力が供給される。なお、電源制御部15は、各リレー21〜23のオンオフの状態を示す情報信号をバス20に出力する。
【0024】
エンジン制御部17は、図示しない車両の駆動源であるエンジン(内燃機関)を制御する。すなわち、エンジン制御部17は、エンジンの始動や、ユーザのアクセル操作量に応じて回転数を制御する。エンジン制御部17は、エンジンを始動させると、その旨示す完爆信号をバス20に出力する。
【0025】
メータ制御部18は、車両の車速、及びエンジンの回転数、並びにエンジンに供給されるガソリンの残量等の車両情報を表示する計器板の制御を行う。計器板は、例えば車両のインストルメントパネルに設けられる。メータ制御部18は、電源が供給される作動時において、車両情報を示す車両情報信号をバス20に出力する。
【0026】
ロック制御部16は、車両を旋回させる際に操作されるステアリングにおいて、操作の許容と規制とを切り替えるステアリングロック装置31を構成する。ステアリングロック装置31は、ロック制御部16によって回転を制御されるモータ33と、同モータ33のモータ軸に連結されて、ステアリングの回転の許容と規制とを切り替えるロック機構31aとを備える。
【0027】
電源制御部15は、照合制御部14から車内照合が成立した旨示す信号、及びロック制御部16からロック解除完了信号の両方が入力されると、エンジン始動許可状態となる。そして、このエンジン始動許可状態においてスタートスイッチ19が操作されると、電源制御部15は、IGリレー22及びSTリレー23に対して作動信号を出力する。このため、IGリレー22及びSTリレー23が作動し、各リレー22,23のスイッチSW2,SW3がON状態となる。従って、エンジン制御部17及びメータ制御部18への給電が行われる。そして、STリレー23が作動すると、エンジンスタータが作動する。また、スタートスイッチ19が押されたことに伴い、電源制御部15は、バス20に始動信号を出力する。
【0028】
エンジン制御部17は、照合制御部14からの車内照合が一致する旨示す信号、及び電源制御部15からの始動信号の両方が入力されると、燃料噴射制御や点火制御などを行う。そして、エンジン制御部17は、イグニッションパルスやオルタネータ出力などに基づいてエンジンの駆動状態を検出し、エンジンが駆動していると判断したとき、バス20に完爆信号を出力する。
【0029】
電源制御部15は、エンジン制御部17から完爆信号が入力されると、STリレー23への作動信号の出力を停止して同STリレー23を非作動状態にするとともに、ACCリレー21に対して作動信号を出力する。すなわち、電源制御部15は、完爆信号の入力有無に基づいて各リレー21,23の作動を制御するようになっている。また、電源制御部15は、エンジン制御部17から完爆信号が入力されると、モータ33の駆動を禁止するモータ駆動禁止信号をバス20に出力する。
【0030】
また、電源制御部15は、完爆信号が入力されている状態において、少なくとも車速が「0」であるときにスタートスイッチ19が操作されると、IGリレー22に対する作動信号の出力を停止してエンジンを停止させる。このとき、エンジン制御部17へは、電源の供給が停止される。それに伴いエンジンの稼働、及びバス20に出力されていた完爆信号の出力も停止される。電源制御部15は、完爆信号の入力が停止されると、モータ33の駆動の禁止を解除するモータ駆動解除信号をバス20に出力する。
【0031】
<ロック制御部の構成>
図2に示されるように、ロック制御部16は、バス20に接続された制御手段としてのステアリングロック用マイクロコンピュータ(以下、ステロク用マイコン)41を備える。このステロク用マイコン41は、CPU、ROM、RAM等からなるワンチップマイコンとされている。ステロク用マイコン41には、モータ33への電力の供給の有無を切り替えるドライバ部42と、同ドライバ部42への電力の供給の有無を切り替える駆動制限部43とが接続されている。
【0032】
ドライバ部42は、第1のトランジスタTr1及び第2のトランジスタTr2、並びに第1のリレー44a及び第2のリレー44bを備えている。各トランジスタTr1,Tr2はNPNトランジスタによって構成されている。第1のトランジスタTr1及び第2のトランジスタTr2のベース端子はそれぞれステロク用マイコン41に接続されている。第1のトランジスタTr1のコレクタ端子は第1のリレー44aのコイル部Laにおける第1の端部に、第2のトランジスタTr2のコレクタ端子は第2のリレー44bのコイル部Lbにおける第1の端部に接続されている。また、両トランジスタTr1,Tr2のエミッタ端子は接地されている。両コイル部La,Lbの第2の端部はそれぞれ電源に接続されている。
【0033】
ステロク用マイコン41は、各トランジスタTr1,Tr2の制御を通じて各コイル部La,Lbに供給される電力の流れる方向を制御する。第1のリレー44aは第1のトランジスタTr1がオンされた際に作動し、第2のリレー44bは第2のトランジスタTr2がオンされた際に作動する。
【0034】
第1のリレー44aは、1つの可動接点CP1aと2つの固定接点CP1b,CP1cとを備えている。可動接点CP1aはモータ33の第1の端子に、一方の固定接点CP1bは駆動制限部43に、他方の固定接点CP1cは電源に、それぞれ接続されている。可動接点CP1aは、コイル部Laに供給される電力を通じて各固定接点CP1b,CP1cとの接触状態が切り替えられる。
【0035】
同様に、第2のリレー44bは、1つの可動接点CP2aと2つの固定接点CP2b,CP2cとを備えている。可動接点CP2aはモータ33の第2の端子に、一方の固定接点CP2bは駆動制限部43に、他方の固定接点CP2cは電源に、それぞれ接続されている。可動接点CP2aは、コイル部Lbに供給される電力を通じて各固定接点CP2b,CP2cとの接触状態が切り替えられる。
【0036】
通常、可動接点CP1a,CP2aは、固定接点CP1b,CP2bと接触する状態(Nomal Close:以下、状態NC)とされて、モータ33に電力が供給されない状態とされている。可動接点CP1a,CP2aのうち、いずれかが、固定接点CP1c又は固定接点CP2cと接触する状態(Nomal Open:以下、状態NO)とされたとき、電源からモータ33を介して駆動制限部43までの回路が閉じる。
【0037】
駆動制限部43は、第1のスイッチング素子45、第2のスイッチング素子46、インバータ47、及びAND回路48を備えている。両スイッチング素子45,46は、例えばnチャネルパワーMOSFETによって構成されている。第2のスイッチング素子46のドレイン端子は、第1のリレー44a及び第2のリレー44bの固定接点CP1b,CP2bに接続されている。第2のスイッチング素子46のソース端子、第1のスイッチング素子45のドレイン端子は、相互に接続されている。そして、第1のスイッチング素子45のソース端子は、接地されている。すなわち、両スイッチング素子46,45は、各固定接点CP1b,CP2bとグランドとの間に直列に接続されている。なお、ドライバ部42と駆動制限部43との間と、ステロク用マイコン41との間には、導通判定回路50が接続されている。ステロク用マイコン41は、導通判定回路50に設けられる抵抗の両端電圧に基づき、同導通判定回路50の上流側における回路状態を把握する。そして、ステロク用マイコン41は、回路状態が正常であれば駆動制限部43をオフからオンに切り替える旨示す信号を入力する。
【0038】
第1のスイッチング素子45のゲート端子は、インバータ47を介してIGリレー22に接続されている。インバータ47の入力端子には、IGリレー22がオフとされている場合には、駆動禁止信号(Loレベルの信号)が、IGリレー22がオンとされている場合には駆動許可信号(Hiレベルの信号)が入力される。従って、インバータ47にLoレベルの信号が入力された場合には、第1のスイッチング素子45にHiレベルの電圧が印加される。このため、第1のスイッチング素子45が作動状態となる。一方、インバータ47にHiレベルの信号が入力された場合には、第1のスイッチング素子45にLoレベルの電圧が印加される。このため、第1のスイッチング素子45が非作動状態となる。
【0039】
第2のスイッチング素子46のゲート端子には、AND回路48の出力端子が接続されている。AND回路48は2入力1出力型とされている。なお、AND回路48の出力端子と第2のスイッチング素子46との間には、図示しない昇圧回路が介在されている。
【0040】
AND回路48における第1の入力端子にはバス20が、第2の入力端子にはステロク用マイコン41が接続されている。AND回路48は、バス20及びステロク用マイコン41から出力される駆動許可信号(Hiレベルの信号)及び駆動禁止信号(Loレベルの信号)が択一的に入力されるようになっている。ここでは、バス20には、エンジン制御部17から駆動許可信号及び駆動禁止信号が入力される。AND回路48は、バス20及びステロク用マイコン41の両方からHiレベルの信号が入力された場合にのみHiレベルの信号を出力し、バス20及びステロク用マイコン41の少なくとも一方からLoレベルの信号が入力された場合にはLoレベルの信号を出力する。従って、第2のスイッチング素子46は、AND回路48にバス20及びステロク用マイコン41から共にHiレベルの信号が入力された場合にのみ作動状態となり、それ以外の場合には非作動状態となる。
【0041】
これら両スイッチング素子45,46が作動状態となるとき、電源からグランドまでの回路が閉じる。すなわち、駆動制限部43の作動状態に基づき、モータ33に対する給電の可否が決定される。
【0042】
例えば、ステロク用マイコン41が第1のトランジスタTr1に対して作動信号を出力すると、第1のリレー44aが作動して可動接点CP1aと固定接点CP1cとが接続した状態NOとなる。このとき、電源から導通判定回路50までの回路が閉じる。この状態で、ステロク用マイコン41が駆動制限部43をオンに切り替えると、電源からグランドまでの回路が閉じる。すなわち、電源→第1のリレー44a→モータ33→第2のリレー44b→駆動制限部43の順に電流が流れる。このときモータ33は、正回転方向に駆動する。反対に、ステロク用マイコン41が、第2のトランジスタTr2に対して作動信号を出力すると、第2のリレー44bが作動して可動接点CP2aと固定接点CP2cとが接続した状態NOとなる。このとき、電源から導通判定回路50までの回路が閉じる。この状態で、ステロク用マイコン41が駆動制限部43をオンに切り替えると、電源からグランドまでの回路が閉じる。すなわち、電源→第2のリレー44b→モータ33→第1のリレー44a→駆動制限部43の順に電流が流れる。このときモータ33は、逆回転方向に駆動する。
【0043】
<ロック機構の構成>
こうしたモータ33の回転は、図3に示す操舵系機構としてのロック機構31aに伝達される。図3に示されるように、ロック機構31aは、可動部材としてのステアリングシャフト3と係合して、同ステアリングシャフト3の回転を規制するロックバー34と、モータ33のモータ軸に固定されて、同モータ軸と一体回転するウォーム35と、同ウォーム35の回転運動を直線運動に変換してロックバー34に伝達するウォームホイール36とを備えている。ロックバー34の外周面には、ロックバー34の軸方向に沿って平歯からなるギア部34aが形成されている。ウォームホイール36は、ギア部34aと噛合して自身の回転をロックバー34に伝達する。
【0044】
このため、ロックバー34は、モータ33の駆動により、同図に矢印F1,F2で示すように、ステアリングシャフト3の軸方向と直交する方向に移動可能とされている。ここでは、ロックバー34は、モータ33が正回転方向に駆動した場合には矢印F1で示す方向(ステアリングシャフト3に対して離間する方向)に、モータ33が逆回転方向に駆動した場合には矢印F2で示す方向(ステアリングシャフト3に対して近接する方向)に移動する。
【0045】
また、ステアリングシャフト3の外周面には凹部3aが形成されている。この凹部3aは、ロックバー34の軸線上に位置する。ロックバー34における図示下側の先端部は、この凹部3aに対して係脱可能に設けられている。図3(a)に示されるように、ロックバー34の先端部が凹部3aと係合するときは、ステアリングシャフト3の回転は規制され、図3(b)に示されるように、両者が係合しないときは、ステアリングシャフト3の回転は可能とされる。
【0046】
<リレー動作>
次に、図4に示すタイムチャートに従って、ステロク用マイコン41における各リレー44a,44b及び駆動制限部43の制御について説明する。ここでは、ロックバー34とステアリングシャフト3とが係合して、同ステアリングシャフト3の回転が規制された状態とし、両者の係合を解除するべく、モータ33を逆回転駆動させるときの各リレー44a,44bにおける動作について説明する。なお、各リレー44a,44bは状態NC、駆動制限部43はオフとする。この駆動制限部43においては、IGリレー22がオン且つバス20からHiレベルの信号が入力されているものとする。
【0047】
図4に示されるように、ステロク用マイコン41は、まず、第2のリレー44bを状態NOに切り替える(タイミングT1)。このとき、駆動制限部43はオフとされているため、回路は閉じていない。すなわち、モータ33に電力は供給されない。この状態で、第1のリレー44a又は第2のリレー44bにおいて堆積物がない場合、電源から導通判定回路50までの回路が閉じるので、導通判定回路50にかかる電圧がHiレベルになる。両者のうち少なくとも一方において堆積物が挟み込まれる等して、電源から導通判定回路50までの回路が閉じない場合は、信号線にかかる電圧はLoレベルのままである。ステロク用マイコン41は、導通判定回路50にかかる電圧を検出することにより、第1のリレー44a又は第2のリレー44bに堆積物があるか否かを判定することができる。
【0048】
次に、第1のリレー44aを状態NOに切り替える(タイミングT2)。この動作により、第1のリレー44aに堆積物がある場合には、これを排除できる可能性が高まる。この状態で、ステロク用マイコン41は駆動制限部43をオンにする(タイミングT3)。このとき、各リレー44a,44bは状態NOであるため、回路は閉じていない。
【0049】
次に、ステロク用マイコン41は、第1のリレー44aを状態NCに切り替える(タイミングT4)。このとき、モータ33の駆動回路が閉じるため、同モータ33への電力供給が開始される。モータ33に電力が供給されている間、同モータ33は逆回転駆動して、ロックバー34とステアリングシャフト3との係合を解除させる。
【0050】
なお、この回路が閉じる瞬間には、上流側と下流側とにおける電位差によって第1のリレー44a、詳しくは、可動接点CP1aと固定接点CP1bとの間においてアークが発生する。各接点には、経年的に徐々に酸化被膜が形成される。この酸化被膜は、電通不良の原因となるが、アークによって、各接点に形成された酸化被膜等の異物がとばされる。従って、電通不良が発生しにくくなる。
【0051】
ロックバー34とステアリングシャフト3との係合を解除させた後、ステロク用マイコン41は、第2のリレー44bを状態NCに切り替える(タイミングT5)。このとき、回路は開くので、モータ33への電力の供給が停止される。そして、ステロク用マイコン41は、駆動制限部43をオフにする(タイミングT6)。
【0052】
なお、ここでは、モータ33を逆回転駆動させるときの各リレー44a,44bにおける動作について説明したが、モータ33を正回転駆動させるときは、各リレー44a,44bにおける動作順序を逆にすればよい。このようにすれば、モータ33を正回転駆動させるときにおいても、モータ33を逆回転駆動させるときと同様の効果を得ることができる。
【0053】
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られる。
(1)駆動制限部43がオフとされているときに、本来動作させる必要のない第1又は第2のリレー44a,44bのオンオフを切り替える。これにより、第1及び第2のリレー44a,44bの堆積物を排除できる可能性が高くなる。すなわち、堆積物によってモータ33の駆動回路が遮断される可能性を抑制することができる。
【0054】
(2)モータ33の駆動回路が閉じてない状態で駆動制限部43をオフからオンに切り替えた後に、モータ33の回転駆動方向に応じて、第1のリレー44a又は第2のリレー44bのオンオフを切り替えてモータ33の駆動回路を閉じるようにした。これにより、駆動回路が閉じた瞬間に、オンオフが切り替えられた側のリレーには、電位差によってアークが発生する。このアークの発生によりリレーに付着した酸化被膜等の異物を除去することができる。従って、モータ33の駆動回路における電通不良の発生を抑制することができる。
【0055】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、モータ33へ電力を供給するとき、第1及び第2のリレー44a,44bのうち本来動作させる必要のないリレーにおいてアークを発生させて異物を除去していたが、ステロク用マイコン41が、導通判定回路50を通じて駆動回路の回路状態が正常であると判断した場合には、このアークを発生させずにモータ33への電力供給を開始してもよい。
【0056】
例えば、ステアリングシャフト3のロックの解除時、具体的には、各リレー44a,44bは状態NCから、第2のリレー44bを状態NOに切り替えたときにステロク用マイコン41は回路状態を判定する。回路状態が正常である場合、第1及び第2のリレー44a,44bには異物が挟み込まれていないので、駆動制限部43をオンに切り替えると、モータ33への電流供給は好適に行われる。このようにすれば、第1のリレー44aのオンオフ(状態NCと状態NOとの)切り替えをせずにモータ33への電力供給が開始される。すなわち、この切り替えの分だけモータ33への電力供給するタイミングを早くすることができる。これは、ステアリングシャフトのロック時においても同様である。その結果、ステアリングシャフト3のロック及びアンロックの切り替えが上記実施形態よりも早く実行される。
【0057】
・上記実施形態において、モータ33の駆動回路が正常か否かの判断と、同回路への電力の供給とを別々に行ってもよい。例えば、ロックバー34をロック動作させる場合について説明すると、図5に示されるように、まず、駆動制限部43がオフとされている状態で、状態NCの第1のリレー44aをタイミングT7で一旦状態NOに切り替えた後、タイミングT8で状態NCに戻す。
【0058】
ステロク用マイコン41は、第1のリレー44aが状態NOとされたときに、モータ33の駆動回路が正常か否かを判定する。ステロク用マイコン41は、モータ33の駆動回路が正常である場合、駆動制限部43をタイミングT9でオンに切り替えた後、タイミングT10で第1のリレー44aを状態NOに再度切り替える。このとき、モータ33への電力供給が開始される。また、第1のリレー44aを状態NOに切り替えたときには、アークが発生する。これにより、第1のリレー44aに酸化被膜が形成されることが抑制される。
【0059】
ステロク用マイコン41は、モータ33の駆動回路が正常でない場合、図6に示されるように、第1及び第2のリレーを状態NOに切り替えて(タイミングT11,T12)、両リレーにおける堆積物の排除の可能性を高めた後、駆動制限部43をオンに切り替える(タイミングT13)。その後、一方のリレー(ここでは第2のリレー44b)を状態NCに切り替える(タイミングT14)。このようにすることで、第2のリレー44b側においてアークを発生させて異物を除去することができる。
【0060】
・上記実施形態におけるモータ33を逆回転駆動させる場合において、第1のリレー44aを状態NCに切り替えるタイミングT1と第2のリレー44bを状態NCに切り替えるタイミングT2とが逆になっていてもよい。また、第2のリレー44bを状態NCから状態NOに切り替えるタイミングT5と駆動制限部43をオフに切り替えるタイミングT6とが逆になっていてもよい。さらに、これらは同時に行われてもよい。このようにしても、上記実施形態の(1)に記載の効果と同様の効果を得ることができる。
【0061】
・上記実施形態において、駆動制限部43を設けなくてもよい。この場合、モータ33を逆回転駆動させる場合において、第1のリレー44aを状態NCに切り替えるタイミングT1と第2のリレー44bを状態NCに切り替えるタイミングT2とを同時に行う。このようにすれば、上記実施形態の(1)に記載の効果と同様の効果を得ることができる。
【0062】
・上記実施形態では、モータ33の駆動を禁止する手段として電源制御部15が用いられているが、これに限らず、他の制御部(照合制御部14、エンジン制御部17、メータ制御部18)でモータ33の駆動を制限してもよい。例えばエンジン制御部17においてモータ33の駆動を制限する場合、エンジン制御部17は、エンジンが駆動したことを示す完爆信号を出力した後に、モータ駆動禁止信号をバス20に出力するようになっていればよい。このように構成しても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0063】
・上記実施形態では、「車両が運転されている状態」としてエンジンが駆動している状態が適用され、この条件を満たしているときに電源制御部15からモータ駆動禁止信号が出力されるように設定されている。しかし、これに限らず、例えばエンジンが駆動し、且つシフトポジションが走行ポジション(「D」レンジや「R」レンジなど)に位置している状態となっていることを「車両が運転されている状態」として適用されてもよい。また、エンジンの駆動状態に限らず、例えば、電気系の機能ポジションが「ON」の状態、車速が「0」でない状態、のうちの少なくとも一つの条件を満たしている状態を「車両が運転されている状態」として適用されてもよい。以上のように変更した場合、電源制御部15は、上記条件を満たした際にモータ駆動禁止信号を出力することとなる。
【0064】
・上記実施形態における駆動制限部43において、第1のスイッチング素子45及びインバータ47を省略してもよい。すなわち、駆動制限部43は、IGリレー22の作動状態に基づくモータ33への給電可否を行わないようになっていてもよい。
【0065】
・上記実施形態において、スイッチング素子45,46は、FETに限らず、例えばバイポーラトランジスタなどによって構成されていてもよい。
・駆動制限部43は、AND回路48を備えた構成に限らず、ステロク用マイコン41及び電源制御部15のうちの少なくとも一方から、モータ33の駆動を禁止する旨の信号が出力されている際に、モータ33への給電を不能とする構成となっていれば、その回路構成はどのように構成されていてもよい。例えば、第1及び第2のリレー44a,44bのようなリレーで構成されていてもよい。このように構成しても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0066】
・上記実施形態において、駆動制限部43は、ドライバ部42の下流側に限らず、ドライバ部42の上流側に設けてもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
【0067】
(イ)請求項1〜4のうち何れか一項に記載の電動ステアリングロック装置を備えた車両の盗難防止システム。
同構成によれば、電動ステアリングロック装置において、モータの駆動回路における導通不良となる事象の発生が抑制された車両の盗難防止システムを提供することができる。
【符号の説明】
【0068】
L1,L2,L3,La,Lb…コイル部、SW1,SW2,SW3…スイッチ、Tr1,Tr2…トランジスタ、CP1a,CP2a…可動接点、CP1b,CP1c,CP2b,CP2c…固定接点、1…電子式ステアリングロックシステム、3…ステアリングシャフト、3a…凹部、11…電子キー、12…車載機、13…送受信部、14…照合制御部、15…電源制御部、16…ロック制御部、17…エンジン制御部、18…メータ制御部、19…スタートスイッチ、20…バス、21…アクセサリリレー(ACCリレー)、22…イグニッションリレー(IGリレー)、23…スタータリレー(STリレー)、31…ステアリングロック装置、31a…ロック機構、33…モータ、34…ロックバー、34a…ギア部、35…ウォーム、36…ウォームホイール、41…ステアリングロック用マイクロコンピュータ(ステロク用マイコン)、42…ドライバ部、43…駆動制限部、44a…第1のリレー、44b…第2のリレー、45,46…スイッチング素子、47…インバータ、48…AND回路、50…導通判定回路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の操舵系機構を構成する可動部材のロックとアンロックとを切り替えるロック機構を作動させるモータへの電力の供給の有無、及び電力の供給方向を、第1及び第2のリレーの接点状態の切り替え制御を通じて切り替える制御手段を有する電動ステアリングロック装置において、
前記モータの駆動回路への電力の供給の有無を切り替える駆動制限部を設け、
前記駆動制限部が前記駆動回路への電力の供給を遮断している状態で、第1及び第2のリレーの接点状態を切り替える電動ステアリングロック装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電動ステアリングロック装置において、
前記駆動制限部が前記駆動回路への電力の供給を遮断している状態で、前記第1及び第2のリレーを高電圧側に接続させた後、前記駆動制限部は前記駆動回路へ電力を供給し、その後、前記モータを回転させる方向に応じて前記第1及び第2のリレーの何れか一方の接点状態を切り替えることでモータの駆動回路が閉じる電動ステアリングロック装置。
【請求項3】
請求項2に記載の電動ステアリングロック装置において、
上流側に設けられる前記第1及び第2のリレーと下流側に設けられる前記駆動制限部との間に導通判定回路を設け、
前記制御手段は、前記駆動制限部をオフとした状態において、前記モータを回転させる方向に応じて、前記第1及び第2のリレーの何れかの接点状態を切り替えて、前記導通判定回路を介して電圧レベルを測定し、その結果に基づき前記駆動回路の導通状態を把握し、導通状態が不良と判断される場合には、前記第1及び第2のリレーの何れかにおいて導通不良が発生していると判断して、前記第1及び第2のリレーの何れかの接点状態を切り替えた後、前記駆動制限部は前記駆動回路へ電力を供給し、その後、前記モータを回転させる方向に応じて前記第1及び第2のリレーの何れか一方の接点状態を切り替えることでモータの駆動回路が閉じるようにし、導通状態が正常である場合には、前記駆動制限部が前記駆動回路へ電力を供給する電動ステアリングロック装置。
【請求項4】
請求項3に記載の電動ステアリングロック装置において、
前記制御手段は、前記導通状態を把握した後、回路が開くように前記第1又は第2のリレーの接点状態を切り替えた後、前記導通状態が正常である場合には、前記駆動制限部をオンに切り替えてから前記第1又は第2のリレーの接点状態を切り替えて前記モータの駆動回路を閉じ、前記導通状態が不良である場合には、前記第1及び第2のリレーの接点状態を切り替えた後、前記駆動制限部をオンに切り替えてから前記第1又は第2のリレーの接点状態を切り替えて前記モータの駆動回路を閉じる電動ステアリングロック装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate