説明

電動機のステータの製造方法及び電動機のステータ

【課題】 分割方式でありながらコイルの分布巻きに対応でき、それによって自動化及び生産性を高めることができる電動機のステータの製造方法及び電動機のステータを提供する。
【解決手段】 放射状で且つ円環状に配設された複数のティース10の外側からコイル12を装着した後、ティースの外側からヨーク11を結合させて構成された電動機のステータ1は、円形状の外周面を有する冶具の外周面に複数のティース10を仮止めし、仮止めされた複数のティース10の相互間に形成されるスロット内にティース10の外側からコイル12を装着し、コイル12の全てをスロットに装着した後、ティース10の外端部にそれぞれヨーク11を外部から取り付けることによって製造される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のティースと、このティースに結合される複数のヨークを円環状に組み付けて構成される電動機のステータ(固定子)の製造方法及び電動機のステータに関し、特に、ティースの外側からコイルを装着できるようにした電動機のステータの製造方法及び電動機のステータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、誘導電動機のステータにおけるコイルの装着方法は、例えば、図9に示すような手順によって行われていた。まず、作業者は、予め被覆銅線などの巻線を所定の形状及び巻き数に巻回したコイルを所定数用意し、図9(a)に示すように、コイル101を治具102によってリング状に形成されたコア103に設けられたスロット104へ挿入する。そして、各コイル101の銅線の先端の結線処理を行うことによって、図9(b)に示すようなステータ200が完成する。この作業は、一般にインサータと呼ばれる機械によって行われるが、作業者が手作業でコイル101を一つずつコア103のスロット104に順次挿入することによっても行うことができる。そして、ステータ200の組み立てが完成したら、図9(c)に示すように、ステータ200はシャフト106が一体化されたロータ(回転子)107と共に電動機の筐体となるハウジング105に取り付けられ、最後にハウジング105と組み合わされる図示しないもう一方のハウジングをハウジング105に取り付けてステータ200及びロータ107を被覆することにより電動機が完成する。
【0003】
上述した製造方法に対し、近年盛んになってきた製造方法として、リング状のコアを円周方向に複数分割して略T字型に形成された分割コアとし、この分割コアにコイルを取り付けた後に複数の分割コアを円環状に組み立てる方法が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。具体的には、図10(a)(b)に示すように、略T字型をした分割コア113の上部側をそれぞれ別の分割コア113と連結する一方、下部側に設けられた鍔部114は隣接する分割コアの鍔部114とは接触しない状態としておく。互いに隣接する分割コア113との隙間部がいわゆるスロットとなる。そして、鍔部114側に形成されたスロットに分割コア113の内側、すなわち、鍔部114側方向から図示しないコイルを取り付け、その後、分割コア113をそれぞれ矢印方向に折り曲げることで鍔部114同士を密着させることによって分割コア113を円環状に組み立てるというものである。尚、図10(a)に示すのは、分割コア113の連結構造が、分割コア113に設けられた嵌合凹部116に隣り合う分割コア113の嵌合凸部115を可動可能に嵌合して形成したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−235217号公報
【特許文献2】特開2000−152528号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述した分割コアによる方法は、同期電動機には適用可能であるが誘導電動機には適用することができない。その理由は、同期電動機の巻線形式が集中巻き、すなわち、各相のコイルを1つのスロットに巻き付ける巻き方、であるのに対し、誘導電動機の巻線形式は分布巻き、すなわち、各相のコイルを複数のスロットを跨ぐようにして巻く巻き方、であるためである。同期電動機は、回転子の永久磁石の回転と各コイルを次々と流れる電流の動きが同期していれば原理的に回転するので、同期電動機ではコイルが巻き易く、しかも機械化が容易なことから分割コアを用いた集中巻きが主流となっている。
【0006】
これに対して、誘導電動機の場合は、電磁誘導を利用するために空間的な正弦波状の電流分布が必要であることから、コイルはその巻き数の分布が正弦波の形状になるように設けられる。そのため、誘導電動機では上述したような分割コア方式は採用できず、予め所定の巻数を巻いたコイルをリング状の固定子コアの内径側から挿入するという図9に示すような従来の方法で組み立てを行わざるを得なかった。従って、誘導電動機の生産性を向上できないという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、かかる問題点に鑑みなされたもので、誘導電動機について用いられる分布巻きにも対応することが可能な新たな分割コア方式によるコイルの巻回方法を提供することにより誘導電動機製造の自動化及び生産性を高めることが可能な電動機及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために請求項1に記載の発明は、電動機のステータを構成するコアを、コイルが取付けられる複数のティースと、ティースの外側に結合されて円環状のコアを形成する複数のヨークとに分割し、分割された複数のティースを円形状の外周面を有する冶具の当該外周面に沿って放射状に仮止めする工程と、複数のティースの相互間に形成された複数のスロットに予め巻線を所定の形状に巻回することによって形成したコイルをティースの外側から装着する工程と、スロットにコイルの全てを装着した後、ティースの外側にヨークを取り付けてコアを形成する工程とを含み構成されてなることを特徴とする電動機のステータの製造方法を提供する。
【0009】
上記課題を解決するために請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の電動機のステータの製造方法において、治具の円形状の外周面へのティースの仮止めは、接着によって行うことを行うことを特徴とする。
【0010】
上記課題を解決するために請求項3に記載の本発明は、請求項1又は2に記載の電動機のステータの製造方法において、コイルは、分布巻きに形成されていることを特徴とする。
【0011】
上記課題を解決するために請求項4に記載の本発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の電動機のステータの製造方法において、ヨークの分割数は、複数のティースの相互間に形成されるスロットの数に等しいことを特徴とする。
【0012】
上記課題を解決するために請求項5に記載の本発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の電動機のステータの製造方法において、ステータは、誘導電動機又は同期電動機のステータであることを特徴とする。
【0013】
上記課題を解決するために請求項6に記載の本発明は、複数のティースと複数のヨークを組み合わせることによって形成されるコアを備えた電動機のステータであって、ロータが配設される空間を形成するようにして放射状に配設された複数のティースと、互いに隣接して配置されたティースとの間に形成された空間部であるスロットにティースの外側から装着されたコイルと、ティースの外側に結合されて円環状のコアを形成する複数のヨークとを備えてなることを特徴とする電動機のステータを提供する。
【0014】
上記課題を解決するために請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の電動機のステータにおいて、コイルの巻き線仕様は、分布巻きであることを特徴とする。
【0015】
上記課題を解決するために請求項8に記載の本発明は、請求項6又は7に記載の電動機のステータにおいて、ティースとヨークによって形成されるコアは、鉄粉を加熱圧縮成型した磁性体によって形成されていることを特徴とする。
【0016】
上記課題を解決するために請求項9に記載の本発明は、請求項6又は7に記載の電動機のステータにおいて、ティースとヨークによって形成されるコアは、電磁鋼板によって形成されていることを特徴とする。
【0017】
上記課題を解決するために請求項10に記載の本発明は、請求項9に記載の電動機のステータにおいて、ティースとヨークによって構成されるコアは、その相互間が圧着又は接着によって連結されていることを特徴とする。
【0018】
上記課題を解決するために請求項11に記載の本発明は、請求項6から10のいずれか1項に記載の電動機のステータにおいて、複数のヨークによって円環状に形成されたコアの形状を保持するための保持部材が取り付けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る電動機のステータの製造方法によれば、コアをティースとヨークに分割することでコイルをティースの外側から装着することが可能となり、分割方式でありながら集中巻きのみならず、従来の分割コアでは対応できなかった分布巻が可能となるという効果がある。また、ティースの外側からコイルを装着できることから電動機、特に誘導電動機の自動化及び生産性を高めることができるという効果がある。
【0020】
同様に、本発明に係る電動機のステータによれば、コイルをティースの外側から装着し、さらにティースの外側からヨークを結合させる構成としたことにより、電動機、特に誘導電動機の製造の自動化が容易になるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る電動機のステータの好ましい一実施形態を示す斜視図である。
【図2】ステータのコアを形成するティース、ヨーク及び保持部材を示す正面図である。
【図3】ティースの構成の詳細を示す図であり、(a)は正面図、(b)は底面図である。
【図4】ヨークの構成の詳細を示す図であり(a)は斜視図、(b)は底面図、(c)は平面図である。
【図5】コイルの詳細を示す図であり(a)はティース及びヨークに装着するために曲げ加工された後の斜視図、(b)は加工前の状態を示す平面図である。
【図6】コイルの装着例を示す図である。
【図7】ティースの装着例を説明する図である。
【図8】本発明に係る電動機のステータの製造方法の好ましい一実施形態を示すフローチャートである。
【図9】従来の電動機のステータの製造方法を説明する図である。
【図10】(a)(b)はそれぞれ従来の分割コアの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係る電動機のステータの製造方法及び電動機のステータについて、好ましい一実施形態に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明に係る電動機のステータの好ましい一実施形態を示す斜視図である。
【0023】
[ステータの構成]
図1に示されたステータ1は、誘導電動機に用いられるものであり、概略として、鍔14A,14Bが設けられた複数のティース10、10と、ティース10の外側(鍔部114側)端と結合されるヨーク11と、放射状に配置された複数のティース10、10の相互間に形成されたスロットに装着されたコイル12と、ヨーク11の外周に取り付けられた保持部材13を備えて構成されている。
【0024】
図示されているように、ティース10は、一方側の端部側に左右方向にそれぞれ突出した鍔14a、14bが設けられて形成されており、この鍔14a、14bが設けられた側の端面が内側となるようにして多数放射状に配置されて全体として円環状となっている。そして、この円環状に配置されたティース10の内側は図示しないロータが配置される空間部となる。各ティース10の反対側の端面(鍔14a、14bが設けられた側とは反対側)には巻き山が正弦波の形状になるようにして所定の位置に隔たった2つのティース10、10間に外側から嵌入された複数のコイル12が配置されている。そして、各ティース10の反対側の端面(鍔14a、14bが設けられた側とは反対側)には複数のヨーク11が結合され、ヨーク11の外周面が円環状となるように連続配置されている。さらに、複数のヨーク11によって形成された円環状の形状が型崩れを起こさないように複数のヨーク11を外側から締めつける保持部材13が配置されて形成されている。ここで、ティース10とヨーク11とで、いわゆる分割コア20を形成している。分割コア20、すなわち、ティース10及びヨーク11は、磁性体、例えば、電磁鋼板により、または鉄粉をそれぞれ所定の形状をした型枠内に充填し、これを溶融温度以下の温度に加熱してプレス加工する加熱圧縮成型して成型した圧粉磁心等によって形成されている。さらに、分割コア20の表面には、渦電流を生じ難くするためのコーティングが施されている。
【0025】
図2は、ステータのコアを形成しているティース及びヨークの配置を示す正面図である。図2に示すように、内側に複数のティース10、10が円環状となるように放射状に配設され、ティース10にコイル12(図2では省略)を装着した後、ティース10の外側にヨーク11が取り付けられる。そして、ヨーク11の外周にさらに保持部材13が取り付けられることによってステータ1が形成されている。保持部材13はヨーク11の外周面によって形成される円の直径と略同じ直径を有するリング状部材であり、金属性材料によって形成されている。なお、保持部材13は金属性材料以外でも例えば合成樹脂などの弾性を利用してヨーク11の外周面を押圧するように構成することもできる。
【0026】
図3は、ティース10の詳細構成を示し、(a)は正面図、(b)は底面図である。ティース10は、全体が略角柱状をなし、ロータが配置される空間部を形成する側(図3(a)に示す下側)の一端の両側にはロータの回転方向に沿って突出するようにして鍔14A,14Bが設けられている。なお、鍔14A,14Bが設けられている側のティース10端面は曲面(凹面)16とされている。
【0027】
図4は、ヨーク11の詳細構成を示し、(a)は斜視図、(b)は底面図、(c)は平面図である。ヨーク11は、リングを円周方向に沿って分割したような断面形状を有し、ティース10が取り付けられる面(内側面)にティース10の外側端(鍔14A,14Bが設けられている側とは反対側)を嵌入するための凹部15が設けられている。図示された凹部15は矩形状に凹んだ形をしているがこれに限らず、凹部15は入口側を狭く奥側を広くした形状やいわゆる蟻溝形状とすることも可能である。もちろんこの場合には嵌入する側であるティース10の端部の形状もそれに合わせて形成することが必要である。
【0028】
また、ヨーク11は、外周面となる面は曲面(凸面)18とされ、全てのヨーク11、11を連結すると、図2に示すように、円環状となり、曲面18の全体(図2の例では24面)が1つの真円となる。さらに、ヨーク11の両側面は、ロータの回転中心の延長線上に合致する角度を有して形成され、図2に示すように、全てのヨーク11、11を円環状に付き合わせたとき、隣接するヨーク11同士が全面接触するように形成されている。また、ヨーク11の分割数は、ティース10の相互間に形成されるスロットの数と等しい数にすることでティース10への取り付けを容易にすることができる。ここで、ティース10とヨーク11との結合は、ティース10の端部に挿入されて全体として輪環状とされた状態のヨーク11の外側から輪環を押し縮めるような力を加えることによってティース10とヨーク11を圧着するか、又は、接着剤を用いてティース10とヨーク11を接着することによって結合することができる。
【0029】
図5は、コイル12の詳細を示し、(a)はティース及びヨークに装着するために曲げ加工された後の斜視図、(b)は加工前の状態を示す平面図である。また、図6は、コイルの装着例を示す図である。コイル12の製造工程としては、まず、図5(b)に示すように、ホルマール、ポリウレタン等によって被覆された銅線を所定の巻き数によってその全体形状がいわゆる台形形状とされたコイル12を形成する。ついで、ティース10及びヨーク11によって形成されるスロットの形状に合わせて図5(a)のようにコイル12に所定この曲げ加工を施す。こうして得られたコイル12は、図6に示すように、複数のティース10、10を跨ぐようにして隔てられた2つのティース10間に装着される。なお、図6に示すコイルの装着作業は、図示しない後述する冶具にティース10の全数を仮止めしてから行われる。
【0030】
[ステータの製造方法]
次に、電動機のステータの製造方法について各図を参照して説明する。図8は本発明に係る電動機のステータの製造方法の好ましい一実施形態を示すフローチャートである。
まず、図7(a)に示すように、予めステータ1の内径に相当する外径を有する円筒状又は円柱状の冶具17を製作する。冶具17の材質等は特に限定されないが形状変化の少ない金属などの材料を用いて形成することが好ましい。
【0031】
次に、冶具17の外側に両面粘着テープ等を用いてティース10、10を接着により仮止めする(図7(a))。この作業を必要な数のティース10について実施し、図7(b)に示すようにティース10、10を放射状に配置して円環状とする(ステップS1)。なお、冶具17を磁性体によって形成すれば粘着テープや接着剤などを使用することなく磁力によってティース10を冶具17に仮止めすることが可能となる。
【0032】
次に、図5(a)に示すように分布巻きに対応して形成されたコイル12を、図6に示すように、複数のティース10、10を跨ぐようにして隔てられた2つのティース10、10間に装着する(ステップS2)。そして、全てのティース10、10に全てのコイル12を取り付けた後、図2に示すようにティース10の外側にヨーク11の凹部15を嵌入させるようにしてヨーク11をティース10に順次嵌め込んでティース10とヨーク11とを一体化する(ステップS3)。全てのヨーク11を全てのティース10に取り付けたら、図1及び図2に示すように、ヨーク11の外周面を取り巻くように保持部材13を取り付ける(ステップS4)。そして、円環状に形成されたティース10、10の内側から図7に示した冶具17を取り外すことにより図1に示すステータ1が完成する。このステータ1を、図示しないロータと共に図示しない電動機のハウジングに組み付けることにより、誘導電動機が完成する。
【0033】
[実施の形態の効果]
本実施の形態に係る電動機のステータの製造方法及び電動機のステータによれば、円形状の外周面を有する冶具17の外周面に必要な数のティース10、10を円環状に仮止めし、予め所定の数だけ巻回されて所定の形状に形成されたコイル12をティース10の外側から取り付け、その後にヨーク11をティース10に組み付けてステータ1を製造及び構成することにより、分布巻きの誘導電動機においても分割コア方式を採用できるという効果がある。
【0034】
また、本実施の形態に係る電動機のステータの製造方法によれば、複数の分割コアを組み合わせて形成されたコアの内部の空間からコイルを装着する従来の製造方法とは逆に、円環状に形成したティースの外側からコイルを装着しさらにその外側からヨークを取り付けるようにしたので外側から組み立てが行なわれるため、製造しやすく、また自動化になじみやすいという効果がある。
【0035】
また、本実施の形態に係る電動機のステータの製造方法及び電動機のステータによれば、複数のティース10及び複数のヨーク11を組み合わせることによってコアを形成することとしたのでコア製造のために大型のプレス等が不要になり、これにより小型設備によってコアを容易に製造できるという効果がある。
【0036】
さらに、本実施の形態に係る電動機のステータの製造方法及び電動機のステータによれば、コイルをティースの外側から装着するようにしたのでコイル形状を変えるだけで分布まきのみならず、集中巻きにも適用可能することができる。従って、誘導電動機だけでなく、同期電動機にも適用できるという効果がある。
【0037】
以上のように、本発明に係る電動機のステータの製造方法及び電動機のステータの好ましい一実施形態について説明したが、本発明は上記した特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能であることはいうまでもない。本発明に係る電動機のステータの製造方法及び電動機のステータは、ティースとヨークによって形成されたコアを備えたステータの全般に採用可能である。
【符号の説明】
【0038】
1 ステータ
10 ティース
11 ヨーク
12 コイル
13 保持部材
14A 鍔
14B 鍔
15 凹部
16 曲面
17 冶具
18 曲面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動機のステータを構成するコアを、コイルが取付けられる複数のティースと、前記ティースの外側に結合されて円環状のコアを形成する複数のヨークとに分割し、分割された複数の前記ティースを円形状の外周面を有する冶具の当該外周面に沿って放射状に仮止めする工程と、
前記複数のティースの相互間に形成された複数のスロットに予め巻線を所定の形状に巻回することによって形成したコイルを前記ティースの外側から装着する工程と、
前記スロットに前記コイルの全てを装着した後、前記ティースの外側に前記ヨークを取り付けて前記コアを形成する工程と、
を含み構成されてなることを特徴とする電動機のステータの製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の電動機のステータの製造方法において、
前記治具の円形状の外周面への前記ティースの仮止めは、接着によって行うことを行うことを特徴とする電動機のステータの製造方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電動機のステータの製造方法において、
前記コイルは、分布巻きに形成されていることを特徴とする電動機のステータの製造方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の電動機のステータの製造方法において、
前記ヨークの分割数は、前記複数のティースの相互間に形成されるスロットの数に等しいことを特徴とする電動機のステータの製造方法。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の電動機のステータの製造方法において、
前記ステータは、誘導電動機又は同期電動機のステータであることを特徴とする電動機のステータの製造方法。
【請求項6】
複数のティースと複数のヨークを組み合わせることによって形成されるコアを備えた電動機のステータであって、
ロータが配設される空間を形成するようにして放射状に配設された複数のティースと、
互いに隣接して配置された前記ティースとの間に形成された空間部であるスロットに前記ティースの外側から装着されたコイルと、
前記ティースの外側に結合されて円環状のコアを形成する複数のヨークと、
を備えてなることを特徴とする電動機のステータ。
【請求項7】
請求項6に記載の電動機のステータにおいて、
前記コイルの巻き線仕様は、分布巻きであることを特徴とする電動機のステータ。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の電動機のステータにおいて、
前記ティースと前記ヨークによって形成されるコアは、鉄粉を加熱圧縮成型した磁性体によって形成されていることを特徴とする電動機のステータ。
【請求項9】
請求項6又は7に記載の電動機のステータにおいて、
前記ティースと前記ヨークによって形成されるコアは、電磁鋼板によって形成されていることを特徴とする電動機のステータ。
【請求項10】
請求項9に記載の電動機のステータにおいて、
前記ティースと前記ヨークによって構成されるコアは、その相互間が圧着又は接着によって連結されていることを特徴とする電動機のステータ。
【請求項11】
請求項6から10のいずれか1項に記載の電動機のステータにおいて、
前記複数のヨークによって円環状に形成された前記コアの形状を保持するための保持部材が取り付けられていることを特徴とする電動機のステータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−172402(P2011−172402A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−34604(P2010−34604)
【出願日】平成22年2月19日(2010.2.19)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成20年度独立行政法人新エネルギー・産業技術総合研究機構「次世代自動車用高性能蓄電システム技術開発/要素技術開発/脱レアアースを目指す自動車モータの研究開発」委託研究、産業技術力強化法19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000125369)学校法人東海大学 (352)
【Fターム(参考)】