説明

電動絞り装置

【課題】低コストと小型化を図る。
【解決手段】光路を形成する開口部1aを有した地板1と、地板の板面に沿って回動し光路の絞り開度を大か小に切り替える絞り羽根10と、絞り羽根を絞り開度大の位置または小の位置に選択的に切り替える駆動機構50と、を備える。駆動機構は、回動式の可動片12と、可動片を第1位置へ付勢するバネ14と、可動片の側面に対向するように配置され、バネに抗して可動片12を第2位置へ吸引する電磁石20とよりなる。可動片と絞り羽根は直結され、可動片が第1位置に変位したとき絞り羽根が地板の開口部を開放し、可動片が第2位置に変位したとき絞り羽根が地板の開口部を覆う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノートパソコンや携帯電話等に搭載される小型カメラ用の電動絞り装置に係り、特に固定絞り式の電動絞り装置に関する。本発明の電動絞り装置には、光路を閉と開の2位置に切り替えるシャッタ装置も含まれる。
【背景技術】
【0002】
従来の電動絞り装置においては、絞り羽根を駆動するアクチュエータ(駆動機構)として、所定の角度範囲を回動するロータ形式のものが用いられていることが多い。このタイプのアクチュエータは、円柱状の永久磁石を有し且つ回転中心から偏倚した位置に駆動ピンを有するロータと、ロータを回動自在に支持する枠部材と、枠部材の外側に巻回された励磁用のコイルと、枠部材の外周に外嵌されたヨーク等によって構成されているのが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このタイプの駆動機構を備えた電動絞り装置では、ロータを包囲するようにコイルを巻回しているため、コイルが大型化しやすく、その結果、絞り装置の全体が大きくなりがちであった。
【0004】
最近では、パソコンや携帯電話等へ搭載するカメラが小型化され、それに使用されるレンズも小さくなってきたため、搭載する絞り装置も小型化の要望が強くなってきた。また、コスト面でも低価格化が強く要望されるようになってきた。
【0005】
【特許文献1】特開2002−165432号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の構造でいくら各部品を小さくしていっても、小型化に限界があり、部品製作や組立等を考えた場合、コストが高くなり、市場から要望されている価格で提供するのは無理であった。
【0007】
本発明は、上記事情を考慮し、低コストで小型化を図れる電動絞り装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明の電動絞り装置は、光路を形成する開口部を有した地板と、該地板の板面に沿って移動させられることで前記光路の絞り開度を大か小に切り替える絞り羽根と、前記絞り羽根を絞り開度大の位置または小の位置に選択的に移動させる駆動機構と、を備える電動絞り装置であって、前記駆動機構が、回動支点を中心に2位置間で回動自在に支持された可動片と、該可動片を前記2位置のうちの一方側へ付勢する付勢手段と、前記可動片の側面に対向するように配置され、コイルに通電することで前記可動片に吸引力を及ぼして、該可動片を前記付勢手段の付勢力に抗して前記2位置のうちの他方側へ変位させる電磁石と、を備えており、前記可動片と前記絞り羽根とが、前記可動片を前記2位置のうちのいずれか一方へ変位させたとき前記絞り羽根が絞り開度大または小のいずれか一方の位置に移動し、且つ、前記可動片を前記2位置のうちのいずれか他方へ変位させたとき前記絞り羽根が絞り開度大または小のいずれか他方の位置に移動するように連結されていることを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1に記載の電動絞り装置であって、前記可動片の基端が前記回動支点としてのピンによって回動自在に支持され、前記可動片に、該可動片の先端側に延ばして前記絞り羽根が1枚直結されていることを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明は、請求項2に記載の電動絞り装置であって、前記電磁石が、柱状の鉄心と、該鉄心の外周に巻回され通電により鉄心の前端と後端に異なる磁極を生成するコイルと、前記鉄心の後端に磁気的に結合され自身の先端が前記コイルの側部に沿って前記鉄心の前端に近接する位置まで延ばされたヨークと、を有し、前記鉄心の前端とヨークの先端が前記可動片の側面に対向しており、前記ピンが、前記鉄心の中心軸線から最大に離れ且つ電磁石の横幅寸法範囲にほぼ入る位置に配置されていることを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明は、請求項3に記載の電動絞り装置であって、前記ヨークに、前記ピンの少なくとも一端を支持するブラケットが一体に形成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項5の発明は、請求項4に記載の電動絞り装置であって、前記ピンを支持するブラケットと、ピンによりブラケットに回動自在に取り付けられた前記可動片との対向面間に、前記絞り羽根の基端部が滑り材として挟まれていることを特徴とする。
【0013】
請求項6の発明は、請求項5に記載の電動絞り装置であって、前記絞り羽根の基端部に形成された第1取付孔に前記ピンを通し、且つ、絞り羽根の前記第1取付孔から離れた位置に形成された第2取付孔に、前記可動片の端面上に突設した突起を嵌めることで、前記絞り羽根と可動片とが一体に回動するように連結されていることを特徴とする。
【0014】
請求項7の発明は、請求項2〜6のいずれかに記載の電動絞り装置であって、前記地板の開口部の中心と前記ピンの中心を結んだ直線と、前記電磁石の中心軸線とが互いに直交する関係に設定され、前記可動片が前記電磁石によって吸着されたとき、可動片に直結された前記絞り羽根が前記地板の開口部を覆い、また、前記吸着が解除されて前記付勢手段の力で可動片が変位したとき、前記絞り羽根が前記地板の開口部を開放するように構成されていることを特徴とする。
【0015】
請求項8の発明は、請求項7に記載の電動絞り装置であって、前記電磁石による吸着が解除されることで前記付勢手段の力で可動片が変位して前記絞り羽根が前記地板の開口部を開放したとき、その開放位置を前記開口部の中心に近い側に制限するべく、前記可動片の回動限を規定するストッパが設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の発明によれば、絞り羽根を駆動する駆動機構を、絞り羽根と連結された回動式の可動片と、可動片を一方側へ付勢する付勢手段と、可動片を付勢力に抗して他方側へ回動させる電磁石とで構成し、電磁石を可動片の側面に対向する位置に配置して可動部分を電磁石の外側に配置したから、ロータ形式と違って電磁石のコイルを極力小さく形成することができ、可動片や付勢手段を含めた駆動機構全体の小型化を図ることができる。また、構造が簡単であり、部品数や組立工数を減らせるから、低コスト化を図ることができる。従って、携帯電話等の小型機器への固定絞り装置あるいはシャッタとして使用することが可能である。また、電磁石とそれに吸引される可動片の組み合わせにより、可動片の作動領域(振れ角)を小さくすることができるため、可動片に絞り羽根を直接取り付けて使用することもでき、そうすることで、構造の一層のシンプル化を図ることができる。なお、絞り羽根の振れ角を大きくしたい場合は、可動片の変位量を大きくして絞り羽根に伝える変位拡大機構を両者間に設ければよい。
【0017】
請求項2の発明によれば、可動片の基端をピンで回動自在に支持し、可動片の先端側に延ばして1枚の絞り羽根を可動片12に直結したので、シンプルな構造でありながら、可動片の小さな変位により、絞り羽根に大きめの変位を与えることができる。
【0018】
請求項3の発明によれば、電磁石の鉄心の前端とそれに近接するヨークの先端とにより、可動片を強い力で吸引することができるので、その分だけコイルの小型化が可能となる。また、可動片の基端を支持するピンを、鉄心の中心軸線から最大に離れ且つ電磁石の横幅寸法範囲にほぼ入る位置に配置してあるので、コンパクト化を図りながら、電磁石の吸引力を最大限に可動片に伝えることができる。
【0019】
請求項4の発明によれば、ヨークにピンを支持するブラケットを一体に設けたので、部品点数が少なく組み立ての容易なシンプルな構造を実現することができる。
【0020】
請求項5の発明によれば、両方が金属であるため摩擦を起こしやすい可動片とブラケットの対向面間に、滑り材として絞り羽根の基端部を挟んだので、摩擦防止を図ることができ、可動片および絞り羽根の作動の円滑化が図れる。
【0021】
請求項6の発明によれば、絞り羽根に設けた2つの取付孔をピンと突起に嵌めるだけで、可動片に絞り羽根を連結することができるので、精度の良い組付を簡単に行うことができる。
【0022】
請求項7の発明によれば、地板の開口部の中心とピンの中心を結んだ直線と、電磁石の中心軸線とを互いに直交する関係に設定し、可動片が電磁石によって吸着されたとき絞り羽根が地板の開口部を覆い、吸着が解除されたとき絞り羽根が地板の開口部を開放するように構成したので、絞り装置のコンパクト化に寄与することができる。
【0023】
請求項8の発明によれば、絞り羽根が地板の開口部を開放するときの開放位置を、地板の開口部の中心にできるだけ近い側に制限するべく、可動片の回動限を規定するストッパを設けたので、絞り羽根を他の部品との干渉から守りながら、絞り装置のコンパクト化に寄与することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は実施形態の電動絞り装置の駆動機構の原理構成を示す平面図で、(a)は絞り開放(絞り開度大)時の状態を示す図、(b)は固定絞り設定(絞り開度小)時の状態を示す図である。また、図2は駆動機構の具体的な構成を示す斜視図、図3は電動絞り装置の全体構成を示す平面図、図4は図3のIV−IV矢視断面図、図5は一部を断面で示す図3のV−V矢視図である。
【0025】
この電動絞り装置は、図3〜図5に示すように、光路を形成する開口部1aを有した地板1と、地板1の板面に沿って回動させられることで光路の絞り開度を大か小に切り替える1枚の樹脂フィルム製の絞り羽根10と、絞り羽根10を絞り開度大の位置または小の位置に選択的に切り替える駆動機構50と、を備えている。
【0026】
絞り羽根10は、図4に示すように、地板1の上面の凹所1b内に収容されており、凹所1bの底面に円弧状の経路に沿って突設した突部5の上でスライドできるように備わっている。そして、絞り羽根10をセットした上で、地板1の上に、地板1の開口部1aに対応した開口部9aを有する絞り羽根保護カバー9が装着されている。
【0027】
図1、図2にわかりやすく示すように、絞り羽根10の駆動機構50は、磁性金属よりなる可動片12と、付勢手段としてのバネ14(図1のみに図示)と、電磁石20とで構成されている。可動片12は、回動支点であるピン13を中心に図1(a)に示す第1の位置と、(b)に示す第2の位置との間で回動自在に支持されている。ピン13は可動片12の基端に配置され、絞り羽根10は、可動片12の先端方向へ延びるように、その基端側が可動片12の上端面に直結されている。
【0028】
可動片12に対する絞り羽根10の固定は、図2に示すように、絞り羽根10の基端部に形成した第1取付孔10bに可動片12の支持用のピン13を通し、且つ、絞り羽根10の第1取付孔10bから先端方向に離れた位置に形成した第2取付孔10cに、可動片12の上端面に突設した突起15を嵌めることで行われている。
【0029】
そして、このように可動片12と絞り羽根10とを直結することにより、可動片12を図1(a)に示す第1の位置へ変位させたとき、絞り羽根10が地板1の開口部1aを開放し、可動片12を図1(b)に示す第2の位置へ変位させたとき、絞り羽根10が地板1の開口部1aを覆うようになっている。この絞り羽根10は、固定絞り用のものであり、可動片12および絞り羽根10を図1(b)に示す第2の位置に移動したときに、地板1の開口部1aの中心に位置するように、小円孔よりなる絞り孔10aを有している。従って、絞り羽根10が(a)の第1の位置にあるとき絞り開度が大(全開放)となり、絞り羽根10が(b)の第2の位置にあるとき絞り開度が小(固定絞り)となる。
【0030】
また、図1に便宜的に示したバネ14は、例えばピン13の外周に装着されることで、可動片12を第1の位置へ向かう矢印A方向に付勢している。一方の電磁石20は、可動片12の側面に対向するように配置され、コイル21に通電することで、可動片12に吸引力を及ぼして、可動片12をバネの付勢力に抗して矢印B方向に回動させ、図1(b)に示す第2の位置(固定絞り位置)に変位させるように設けられている。
【0031】
電磁石20は、柱状の鉄心22と、鉄心22の外周に巻回され通電により鉄心の前端22aと後端22bに異なる磁極を生成するコイル21と、鉄心22の後端に磁気的に結合され自身の先端23aがコイル21の側部に沿って鉄心22の前端22aに近接する位置まで延ばされたヨーク23と、からなり、鉄心22の前端22aとヨーク23の先端23aが、可動片12の側面に対向している。
【0032】
また、可動片12を支持するピン13は、図1に示すように、鉄心22の中心軸線L1から最大に離れ(地板1の開口部から離れる方向に)且つ電磁石20の横幅寸法Dの範囲にほぼ入る位置に配置されている。また、図2〜図5に示すように、コイル21の外側に配置されたヨーク23には、ピン13の少なくとも一端を支持するブラケット23fが一体に形成され、そのブラケット23fに形成したピン孔にピン13の端部が嵌まっている。そして、同じくピン13に第1取付孔10bが嵌められた絞り羽根10の基端部は、ブラケット23fと可動片12との対向面間に滑り材として挟まれている。なお、ピン13の他端は、地板1側の凹部1h(図5参照)に嵌まっている。
【0033】
また、この絞り装置では、図1に示すように、地板1の開口部1aの中心1cとピン13の中心を結んだ直線L2と、電磁石20の中心軸線L1とが互いに直交する関係に設定されており、可動片12が電磁石20によって吸着されて、図1(b)に示すように第2の位置に変位したとき、可動片12に直結された絞り羽根10が地板1の開口部1aを覆い、吸着が解除されて図1(a)に示すようにバネ14の力で可動片12が第1の位置に変位したとき、絞り羽根10が地板1の開口部1aを全開放するようになっている。
【0034】
また、図3に示すように、地板1には、可動片12の矢印A方向の回動限を規定するストッパ17が設けられている。このストッパ17は、電磁石20による吸着が解除されることでバネ14の力で可動片12が矢印A方向に変位して、絞り羽根10が地板1の開口部1aを開放したとき、その開放位置を開口部1aの中心1cにできるだけ近い側に制限する役目を果たしている。
【0035】
次に作用を説明する。
この電動絞り装置では、絞り羽根10を駆動する駆動機構50を、絞り羽根10と連結された回動式の可動片12と、可動片12を第1の位置(絞り開放位置)へ付勢するバネ14と、可動片12をバネ14の付勢力に抗して第2の位置(固定絞り設定位置)へ回動させる電磁石20とで構成し、電磁石20を可動片12の側面に対向する位置に配置して、可動部分を電磁石20の外側に配置しているので、従来のロータ形式と違って、電磁石20のコイル21を極力小さく形成することができ、可動片12やバネ14を含めた駆動機構50全体の小型化を図ることができる。
【0036】
また、ロータ形式よりも構造を簡略化できるので、部品数や組立工数を減らして低コスト化を図ることができる。従って、携帯電話等の小型機器への固定絞り装置として適用するのに好適である。また、絞り孔10aをなくせば、シャッタ装置として使用することも可能である。
【0037】
また、電磁石20とそれに吸引される可動片12の組み合わせであるから、可動片12の作動領域(振れ角)を小さくすることができる。このため、本実施形態のように、可動片12に絞り羽根10を直接取り付けることができ、構造の一層のシンプル化を図ることができる。なお、絞り羽根10の振れ角を大きくしたい場合は、可動片12の変位量を大きくして絞り羽根10に伝える変位拡大機構を両者の間に設ければよい。
【0038】
また、可動片12の基端をピン13で回動自在に支持しており、可動片12の先端側に延ばして1枚の絞り羽根10を可動片12に直結しているので、シンプルな構造でありながら、可動片12の小さな変位により絞り羽根10に大きめの変位を与えることができる。
【0039】
また、電磁石20の鉄心22の前端22aとそれに近接するヨーク23の先端23aとにより、可動片12を強い力で吸引することができるので、その分だけコイル21の小型化が可能となる。さらに、可動片12の基端を支持するピン13を、鉄心22の中心軸線L1から最大に離れ且つ電磁石20の横幅寸法Dの範囲にほぼ入る位置に配置してあるので、絞り装置のコンパクト化を図りながら、電磁石20の吸引力を最大限に可動片12に伝えることができる。
【0040】
また、ヨーク23にピン13を支持するブラケット23fを一体に設けているので、部品点数が少なく組み立ての容易なシンプルな構造を実現することができる。
【0041】
また、両方が金属であるため摩擦を起こしやすい可動片12とブラケット23fの対向面間に、滑り材として絞り羽根10の基端部を挟んているので、摩擦防止を図ることができ、可動片12および絞り羽根10の作動の円滑化が図れる。
【0042】
また、絞り羽根10に設けた2つの取付孔10b、10cをピン13と突起15に嵌めるだけで、可動片12に絞り羽根10を直結することができるので、精度の良い組付を簡単に行うことができる。
【0043】
さらに、地板1の開口部1aの中心1cとピン13の中心を結んだ直線L2と、電磁石20の鉄心22の中心軸線L1とを互いに直交する関係に設定し、可動片12が電磁石20によって吸着されたとき絞り羽根10が地板1の開口部1aを覆い、吸着が解除されたとき絞り羽根10が地板1の開口部1aを開放するように構成してあるので、絞り装置のコンパクト化に寄与するところ大である。
【0044】
また、絞り羽根10が地板1の開口部1aを開放するときの開放位置を、地板1の開口部1aの中心1cにできるだけ近い側に制限するべく、可動片12の回動限を規定するストッパ17を設けているので、絞り羽根10を他の部品との干渉から守りながら、絞り装置のコンパクト化に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施形態の電動絞り装置の駆動機構の原理構成を示す平面図で、(a)は絞り開放(絞り開度大)時の状態を示す図、(b)は固定絞り設定(絞り開度小)時の状態を示す図である。
【図2】同絞り羽根の駆動機構の具体的な構成を示す斜視図である。
【図3】実施形態の電動絞り装置の平面図である。
【図4】図3のIV−IV矢視断面図である。
【図5】一部を断面で示す図3のV−V矢視図である。
【符号の説明】
【0046】
1 地板
1a 開口部
1c 開口部の中心
10 絞り羽根
10b 第1取付孔
10c 第2取付孔
12 可動片
13 ピン(回動支点)
14 バネ(付勢手段)
17 ストッパ
20 電磁石
21 コイル
22 鉄心
22a 前端
22b 後端
23 ヨーク
23a 先端
23f ブラケット
50 駆動機構
L1 電磁石の中心軸線(鉄心の中心軸線)
L2 地板の開口部の中心とピンの中心を結んだ直線
D 電磁石の横幅寸法

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光路を形成する開口部を有した地板と、
該地板の板面に沿って移動させられることで前記光路の絞り開度を大か小に切り替える絞り羽根と、
前記絞り羽根を絞り開度大の位置または小の位置に選択的に移動させる駆動機構と、を備える電動絞り装置であって、
前記駆動機構が、
回動支点を中心に2位置間で回動自在に支持された可動片と、
該可動片を前記2位置のうちの一方側へ付勢する付勢手段と、
前記可動片の側面に対向するように配置され、コイルに通電することで前記可動片に吸引力を及ぼして、該可動片を前記付勢手段の付勢力に抗して前記2位置のうちの他方側へ変位させる電磁石と、
を備えており、
前記可動片と前記絞り羽根とが、前記可動片を前記2位置のうちのいずれか一方へ変位させたとき前記絞り羽根が絞り開度大または小のいずれか一方の位置に移動し、且つ、前記可動片を前記2位置のうちのいずれか他方へ変位させたとき前記絞り羽根が絞り開度大または小のいずれか他方の位置に移動するように連結されていることを特徴とする電動絞り装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電動絞り装置であって、
前記可動片の基端が前記回動支点としてのピンによって回動自在に支持され、前記可動片に、該可動片の先端側に延ばして前記絞り羽根が1枚直結されていることを特徴とする電動絞り装置。
【請求項3】
請求項2に記載の電動絞り装置であって、
前記電磁石が、柱状の鉄心と、該鉄心の外周に巻回され通電により鉄心の前端と後端に異なる磁極を生成するコイルと、前記鉄心の後端に磁気的に結合され自身の先端が前記コイルの側部に沿って前記鉄心の前端に近接する位置まで延ばされたヨークと、を有し、
前記鉄心の前端とヨークの先端が前記可動片の側面に対向しており、
前記ピンが、前記鉄心の中心軸線から最大に離れ且つ電磁石の横幅寸法範囲にほぼ入る位置に配置されていることを特徴とする電動絞り装置。
【請求項4】
請求項3に記載の電動絞り装置であって、
前記ヨークに、前記ピンの少なくとも一端を支持するブラケットが一体に形成されていることを特徴とする電動絞り装置。
【請求項5】
請求項4に記載の電動絞り装置であって、
前記ピンを支持するブラケットと、ピンによりブラケットに回動自在に取り付けられた前記可動片との対向面間に、前記絞り羽根の基端部が滑り材として挟まれていることを特徴とする電動絞り装置。
【請求項6】
請求項5に記載の電動絞り装置であって、
前記絞り羽根の基端部に形成された第1取付孔に前記ピンを通し、且つ、絞り羽根の前記第1取付孔から離れた位置に形成された第2取付孔に、前記可動片の端面上に突設した突起を嵌めることで、前記絞り羽根と可動片とが一体に回動するように連結されていることを特徴とする電動絞り装置。
【請求項7】
請求項2〜6のいずれかに記載の電動絞り装置であって、
前記地板の開口部の中心と前記ピンの中心を結んだ直線と、前記電磁石の中心軸線とが互いに直交する関係に設定され、前記可動片が前記電磁石によって吸着されたとき、可動片に直結された前記絞り羽根が前記地板の開口部を覆い、また、前記吸着が解除されて前記付勢手段の力で可動片が変位したとき、前記絞り羽根が前記地板の開口部を開放するように構成されていることを特徴とする電動絞り装置。
【請求項8】
請求項7に記載の電動絞り装置であって、
前記電磁石による吸着が解除されることで前記付勢手段の力で可動片が変位して前記絞り羽根が前記地板の開口部を開放したとき、その開放位置を前記開口部の中心に近い側に制限するべく、前記可動片の回動限を規定するストッパが設けられていることを特徴とする電動絞り装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−184459(P2006−184459A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−376775(P2004−376775)
【出願日】平成16年12月27日(2004.12.27)
【出願人】(000231590)日本精密測器株式会社 (64)
【Fターム(参考)】