説明

電動調節可能な支持装置

腰掛け家具および/または横になるための家具のクッションのための電動調節可能な支持装置2は、第1支持部分4と、揺動軸10回りに揺動可能な第2支持部分6とを具備し、この両支持部分の間に第3支持部分8が配置されている。支持装置2はさらに電動式駆動装置を具備し、この駆動装置は調節要素を備え、この調節要素は第2支持部分6を揺動させるために操作要素26を介して第2支持部分に力を伝達するように連結されている。本発明に従い、操作要素26が棒状に形成され、かつ調節要素によって直線的に移動可能にガイド28内を案内され、このガイドが第3支持部分8内にまたは上に形成され、操作要素26が第2支持部分6を揺動させるために揺動軸10に対して偏心して第2支持部分6に作用する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腰掛け家具および/または横になるための家具のクッションのための、請求項1の前提部分に記載した種類の電動調節可能な支持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このような支持装置は、例えば電動調節可能なベッドのすのこの形をしており、例えば特許文献1と特許文献2によって一般的に知られている。
【0003】
特許文献3により、腰掛け家具および/または横になるための家具のクッションのための当該種類の電動調節可能な支持装置が知られている。この公知の支持装置は第1支持部分と、揺動軸回りに揺動可能な第2支持部分とを備え、この両支持部分の間に第3支持部分が配置されている。公知の支持装置の場合、第1支持部分は定置された支持部分である一方、第2支持部分は頭部支持部分であり、第1支持部分と第2支持部分との間に配置された第3支持部分は上半身支持部分である。公知の支持装置は電動式駆動装置を備え、この駆動装置は調節要素を備え、この調節要素は第2支持部分を揺動させるために操作要素を介して第2支持部分に力を伝達するように連結されている。公知の支持装置の場合、第2支持部分は回転可能に支承された軸に相対回転しないように連結され、この軸には枢着レバーが相対回転しないように連結されている。公知の支持装置の場合、調節要素はスピンドル装置のスピンドルナットに連結されたスライダである。この公知の支持装置の運転時に、スライダが枢着レバーを押圧するので、第2支持部分を連結した軸が回転させられる。これにより、第2支持部分が揺動させられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許第0372032B1号明細書
【特許文献2】独国特許第19962541C3号明細書
【特許文献3】独国特許第3842078C2号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の根底をなす課題は、構造が簡単化され、それに伴い低コストで形成され、そして構造高さが低い、請求項1の前提部分に記載した種類の電動調節可能な支持装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は請求項1に記載した本発明によって解決される。
【0007】
本発明では、操作要素が棒状に形成され、かつ調節要素によって直線的に移動可能にガイド内を案内され、このガイドが特に第3支持部分内にまたは上に形成されている。本発明では、操作要素が第2支持部分を揺動させるために揺動軸に対して偏心して第2支持部分に作用する。本発明では、第2支持部分は例えばおよび特に、例えば突棒のように形成可能である操作要素が揺動軸に対して偏心して第2支持部分を押圧することによって揺動させることが可能である。これにより、先ず最初に揺動軸に連結すべき枢着レバーが不要であるので、本発明に係る支持装置の構造が既に簡単化され、低コストで形成される。さらに、本発明に係る支持装置の場合には、揺動すべき支持部分を揺動軸に相対回転しないように連結することはもはや不要である。
【0008】
棒状操作要素は例えばおよび特に、第3支持部分に形成されたガイド内に支承可能であるので、調節力を第2支持部分に加えるために必要な構造部材が支持装置の構造高さを大きくすることがない。それによって、公知の支持装置と比べて、構造高さがはるかに低くなる。
【0009】
従って全体として、簡単で、低コストでそして頑丈な構造が、少ない構成要素で、同時に低い構造高さで生じる。
【0010】
本発明に係る支持装置は例えば、ベッドのマットレスを支持する働きをするすのこである。しかしながら、本発明に係る支持装置は、寝いす、特に庭用寝いすあるいは任意の他の腰掛け家具および/または横になるための家具であってもよい。
【0011】
きわめて有利な本発明の発展形態では、揺動軸回りに揺動可能な少なくとも1個の他の支持部分が設けられ、この他の支持部分に他の操作要素が付設され、この他の操作要素がガイド内を直線的に摺動可能に案内され、このガイドが他の支持部分に隣接する支持部分内にまたは上に形成され、他の操作要素が他の支持部分を揺動させるためにこの他の支持部分の揺動軸に対して偏心してこの他の支持部分に作用する。この実施形態の場合、複数の支持部分を同時にまたは時間的に連続して揺動させるための本発明に係る基本原理が用いられる。
【0012】
きわめて有利な本発明の発展形態では、少なくとも1個の支持部分が、この支持部分上を案内される操作要素のガイドから離して、接触面を備え、第1運動段階において調節要素または隣接する支持部分に設けられた操作要素の作用面が操作要素に接触して、この操作要素を直線的に移動し、第2運動段階において調節要素または隣接する支持部分に設けられた操作要素の作用面が、支持部分の揺動軸に対して偏心してこの支持部分の接触面に接触し、支持部分が揺動軸の回りに揺動する。この実施形態の場合、きわめて簡単な構造によって、例えば頭部支持部分と上半身支持部分を、定置された支持部分と相対的に調節することができる。第1運動段階において、調節要素、例えば定置された支持部分に配置されたスピンドル装置のスライダが、上半身支持部分上を案内される操作要素を直線的に移動させる。操作要素が付設の揺動軸に対して偏心して頭部支持部分に作用するので、操作要素が直線的に移動する際にこの頭部支持部分は揺動させられる。スライダが上半身支持部分の接触面に接触するや否や、操作要素はそれ以上直線的に移動しないので、上半身支持部分はそれ以上揺動しない。その代わりに、スライダは第2運動段階において付設の回転軸に対して偏心して上半身支持部分を押圧するので、この上半身支持部分は既に揺動した頭部支持部分と一緒に揺動させられる。それによって、支持部分の同じ運動が少ない部品によって実現される。
【0013】
本発明のきわめて有利な他の発展形態では、調節要素が少なくとも1個の操作要素を、および/または少なくとも1個の操作要素が隣接する操作要素を、および/または少なくとも1個の操作要素が付設の支持部分を拘束しないで付勢する。この実施形態は特に、支持装置の駆動トレーン内の力を伝達する部品が、1個の支持部分または複数の支持部分の揺動中に押圧力を加えられるときに有利である。力を伝達する部品またはこの部品の少なくとも1つが支持部分の揺動中に引張り力を加えられる場合には、調節要素は操作要素に、あるいは操作要素は隣接する操作要素に、あるいは操作要素は付設の支持部分に固定連結可能である。
【0014】
本発明の他の有利な発展形態では、少なくとも1個の操作要素が付設の支持部分の揺動中押圧力を加えられている。これにより、きわめて簡単な構造となる。というのは、特に操作要素が付設の支持部分を拘束しないで付勢することができるからである。
【0015】
他の有利な発展形態では、少なくとも1個の操作要素が突棒のように形成されている。
【0016】
調節要素は任意の適切な態様で、好ましくは直線駆動装置の出力機構によって形成可能である。本発明の有利な発展形態では、調節要素がスピンドルナットであるかまたはスピンドルナットに連結され、このスピンドルナットが回転駆動可能なねじスピンドル上に回転しないようにおよび軸方向に移動可能に配置されている。このようなスピンドル装置は簡単かつ頑丈な標準部品として供され、大きな力を伝達するために適している。
【0017】
特に、少なくとも1個の操作要素が所属の支持部分の揺動中に押圧力を加えられる実施形態の発展形態では、調節要素がスライダとして形成されている。上記の実施形態と組み合わせて、スライダはスピンドルナットによって形成可能であるかあるいはスピンドルナットに連結可能である。
【0018】
本発明のきわめて有利な他の発展形態では、操作要素の長さと、操作要素の作用面と付設の支持部分の接触面との間のそれぞれの間隔が、支持部分の非調節位置で、支持部分が時間的に続けて揺動するように採寸されている。これにより、きわめて人間工学的な調節が実現可能であり、この場合、例えば先ず最初にすのこの頭部支持部分が揺動し、続いて上半身支持部分が揺動する。本発明に係る支持装置のすべての実施形態の場合、支持部分の数は広い限度内で選択可能である。
【0019】
本発明の他の発展形態では、操作要素の長さと、操作要素の作用面と付設の支持部分の接触面との間のそれぞれの間隔は、支持部分の非調節位置で、支持部分が同時にまたはほぼ同時に揺動するように採寸されている。
【0020】
他の有利な発展形態では、できるだけ少ない異なる部品を使用して簡単かつ低コストの構造となるように、操作要素がほぼ同じ長さを有する。
【0021】
本発明の他の発展形態では、操作要素の作用面と付設の支持部分の接触面との間の間隔が、調節要素に最も近い操作要素から、調節要素から最も遠い操作要素へ向けて小さくなっている。この実施形態の場合、操作要素がほぼ同じ長さであると、次のような運動が生じる。すなわち、調節要素、ひいては駆動装置から最も離れたところにある支持部分が最初に揺動し、それに続いて駆動装置に近いところにある支持部分が順々に揺動する。
【0022】
本発明の他の有利な発展形態では、支持装置がすのことして形成され、支持部分がベッドのマットレスを支えるための弾性的な細長い板を備えている。
【0023】
本発明の他の発展形態では、支持装置が寝いすとして、特に庭用寝いすとして形成されている。
【0024】
支持部分の数はその都度の要求に応じて広い限度内で選択可能である。その都度の要求に応じて、例えば調節可能な1個の支持部分を有する支持装置あるいは相対的に調節可能な多数の支持部分を有する支持装置を実現することができる。
【0025】
次に、本発明に係る支持装置の実施形態を示した添付の図に基づいて、本発明を詳しく説明する。説明し、図に示しそして特許請求の範囲において請求したすべての特徴は、特許請求の範囲におけるその要約や従属関係に関係なく、並びにその説明や図における図示に関係なく、単独でも任意の相互組み合わせでも本発明の対象を形成する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】第1調節位置にある、すのこの形をした本発明に係る支持装置の第1の実施形態を部分的に切断して示す側面図である。
【図2A】本発明の基本原理を明らかにするための原理図である。
【図2B】本発明の基本原理を明らかにするための原理図である。
【図2C】本発明の基本原理を明らかにするための原理図である。
【図3】第2調節位置にある図1の支持装置を、図1と同じように示す図である。
【図4】第3調節位置にある図1の支持装置を、図1と同じように示す図である。
【図5】本発明に係る支持装置の第2の実施形態の斜視図である。
【図6A】ある調節位置にある図5の支持装置を部分的に切断して示す側面図である。
【図6B】ある調節位置にある図5の支持装置を部分的に切断して示す側面図である。
【図6C】ある調節位置にある図5の支持装置を部分的に切断して示す側面図である。
【図6D】ある調節位置にある図5の支持装置を部分的に切断して示す側面図である。
【図6E】ある調節位置にある図5の支持装置を部分的に切断して示す側面図である。
【図6F】ある調節位置にある図5の支持装置を部分的に切断して示す側面図である。
【図6G】ある調節位置にある図5の支持装置を部分的に切断して示す側面図である。
【図7A】ある調節位置にある本発明に係る支持装置の第3の実施形態を、図1と同じように示す図である。
【図7B】ある調節位置にある本発明に係る支持装置の第3の実施形態を、図1と同じように示す図である。
【図7C】ある調節位置にある本発明に係る支持装置の第3の実施形態を、図1と同じように示す図である。
【図7D】ある調節位置にある本発明に係る支持装置の第3の実施形態を、図1と同じように示す図である。
【図7E】ある調節位置にある本発明に係る支持装置の第3の実施形態を、図1と同じように示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図において同じ部品または対応する部品には、同じ参照符号が付けてある。
【0028】
図に示した本発明に係る支持装置の実施形態は、すのことして形成されている。この場合、見やすくするために、細長い板を省略したすのこの本体だけが示してある。
【0029】
図1は、すのこの形をした本発明に係る支持装置2を部分的に切断して示す側面図である。この支持装置は、本実施形態では定置された支持部分によって形成された第1支持部分4を備えている。支持装置4はさらに、本実施形態では頭部支持部分によって形成された第2支持部分6を備えている。支持装置2の縦方向において第1支持部分4と第2支持部分6との間には、第3支持部分8が配置されている。この第3支持部分は本実施形態では上半身支持部分によって形成されている。図には、上半身支持部分8または頭部支持部分6を支えるために設けられた支持装置2の部分だけが示してある。ふくらはぎ領域または脚領域を支えるために設けられた支持装置2の部分は同様に形成されているので、詳細に説明しない。
【0030】
第2支持部分6は図1の図の平面内へ延在している水平な揺動軸10回りに揺動可能に第3支持部分8に枢着連結されている。この第3支持部分自体は図1の図の平面内へ延在している水平な揺動軸12回りに揺動可能に第1支持部分4に枢着連結されている。第2支持部分6と第3支持部分8を互いに相対的におよび第1支持部分4と相対的に揺動させるために、電動式駆動装置14が設けられている。次に、この駆動装置について詳しく説明する。
【0031】
電動式駆動装置14は本実施形態ではスライダ16として形成された調節要素を備えている。このスライダは両方向矢印18の方向に往復運動可能である。スライダ16は本実施形態でスピンドルナット20に相対的に摺動しないように連結され、このスピンドルナットはねじスピンドル22上に回転しないようにかつ軸方向に移動可能に配置されている。このねじスピンドルはウォーム歯車装置24を介して、図1に示していない電動機に回転駆動するよう連結されている。電動機の出力軸、ひいてはねじスピンドル22の回転方向に応じて、スピンドルナット20、ひいてはスライダ16が図1において右側または左側へ移動する。
【0032】
スライダ16は第2支持部分6を揺動させるために操作要素26を介して第2支持部分に力を伝達するよう連結されている。本発明では、操作要素26は棒状に形成され、かつスライダ16によって直線的に摺動可能にガイド内を案内されている。このガイドは第3支持部分8内に形成されている。図示した実施形態の場合、スライダ16は第2支持部分6とは反対側の棒状操作要素の端部を拘束せずに付勢する。この場合、本実施形態では、操作要素は突棒のように形成されている。第2支持部分6の揺動時の押圧付勢状態での操作要素26の側方への折れ曲がりを避けるために、操作要素26がガイド内でその全長にわたってぴったり案内されているかまたは操作要素26の縦方向において短い間隔をおいて複数の案内要素が設けられている。この案内要素の間隔は操作要素26の折れ曲がりが回避されるように短く選定されている。案内要素は例えばウェブ状またはリブ状に形成可能である。
【0033】
図1から分かるように、棒状操作要素26は第2支持部分6を揺動させるために、揺動軸10に対して偏心して第2支持部分6に作用する。
【0034】
次に、図2A〜図2Cに基づいて、基礎となる本発明に係る調節原理を詳しく説明する。図2A〜図2Cは、基礎となる調節原理を明瞭にするためにのみ役立つ。従って、支持部分4、6、8は非常に略示されており、縮尺とおりに示されていない。
【0035】
図2Aに示した支持部分4、6、8の調節位置では、支持部分4、6、8が共にほぼ水平な支持平面をぴんと張って形成している。この調節位置は支持装置2の調節されていない位置に相当する。
【0036】
図2Aに示すように、操作要素26は、貫通する通路状の凹部によって形成された第3支持部分8のガイド28内を、その縦方向に摺動可能に第3支持部分8に沿って案内されている。この実施形態の場合、第3支持部分8はガイド28から離れて、スライダ16寄りのその端面に、接触面30を備えている。第3支持部分8寄りのスライダ16の作用面32が、図2B、図2Cに基づいて後述するように、この接触面と協働する。
【0037】
スライダ16が第1運動段階において操作要素26を押圧するので、操作要素は図2Aにおいて右側へ摺動させられる。その際、スライダ32とは反対側の操作要素28の端部が揺動軸10に対して偏心して第2支持部分6に作用するので、第2支持部分6は反時計回りに揺動させられる。
【0038】
図2Bは、第2支持部分6が第3支持部分3と相対的に反時計回りに最も大きく揺動している第1運動段階の終わりを示している。
【0039】
第2運動段階では、スライダ16の作用面32が第3支持部分8の接触面30に接触する。そのために、図示した実施形態では、スライダ16の自由端の横断面、すなわち作用面32の領域の横断面の少なくとも1つの寸法がガイド28の内法幅よりも大きくなっている。この形状に基づいて、第2運動段階では、操作要素26はもはや第3支持部分8と相対的に摺動しない。第2運動段階では、スライダ16が第2揺動軸12に対して偏心して第3支持部分8を押圧するので、第3支持部分は図2Cに示すように反時計回りに揺動する。
【0040】
これにより、操作要素によって、第1運動段階において第2支持部分6が揺動し、かつ第2運動段階において第3支持部分8が揺動する。
【0041】
図2A〜図2Cから分かるように、スライダ16は操作要素26を拘束せずに付勢し、操作要素26は第2支持部分6を拘束せずに付勢する。
【0042】
支持装置2の非調節位置に相当する図2Aに示した出発位置への支持部分6、8のリセットは、支持部分6、8の重力の作用で行われ、その際、駆動装置はスイッチが入っており、スピンドルナット20とスライダ16は図1において左側へ移動する。
【0043】
図3は図1の支持装置2の、図2Bに一致する固定保持位置を示している。
【0044】
図4は図1の支持装置2の、図2Cに一致する調節位置を示している。この調節位置は支持装置2を最も大きく調節した位置に相当する。
【0045】
図1〜図4から分かるように、本発明に係る支持装置2は比較的に簡単な構造によって支持部分6、8の調節を可能にする。本発明に係る支持装置2はさらに、構造高さが低い。
【0046】
図5には、本発明に係る支持装置2の第2の実施形態が斜視図で示してある。この第2の実施形態は、第1支持部分4、第2支持部分6および第3支持部分8に加えて、第4支持部分34、第5支持部分36、第6支持部分38および第7支持部分40が設けられている点が、図1の実施形態と異なっている。それぞれ隣接する支持部分4〜8および34〜40はそれぞれ水平揺動軸12または10または42または44または46または48回りに揺動可能に互いに枢着連結されている。
【0047】
図6Aは図5に係る支持装置2を部分的に切断して示す側面図である。明らかなように、それぞれ突棒のように形成された操作要素50または52または54または56が他の支持部分34、36、38、40に付設されている。図示した実施形態の場合、支持部分6、34、36、38はその構造および付設の操作要素との協働作用に関して、第3支持部分8に基づいて上述したように構成されている。同様に、操作要素50、52、54、56は、操作要素26に基づいて上述したように構成されている。
【0048】
図6Aからさらに分かるように、図6Aに示した調節位置では、操作要素26、50、52、54、56の端面は拘束されずに互いに接触しているかあるいはスライダ16または支持部分40に接触している。この調節位置では、支持部分8、6、34、36、38、40はほぼ水平な支持面をぴんと張って形成し、この調節位置は支持装置2の調節されていない位置に相当する。
【0049】
図6B〜図6Gは支持装置2の調節中のいろいろな運動段階を示している。見やすくするために、図6B〜図6Fには、参照する部品の参照符号だけが記入されている。支持装置2の支持部分を調節するために、スピンドルナット20、ひいてはスライダ16が図6Aにおいて右側へ移動するように、ねじスピンドル22が回転駆動される。この場合、スライダ16が操作要素26を図6Aにおいて右側へ移動させるので、この操作要素は操作要素50、52、54、56を同様に図6Aにおいて右側へ移動させる。この場合、先ず最初は、操作要素26、50、52、54とスライダ16の作用面がそれぞれ付設の支持部分8、6、34、36、38の接触面からまだ離れているので(図2A参照)、支持部分8、6、34、36、38は先ず最初は相互に揺動しないままである一方、支持部分40は、図6Bに示す揺動位置に達するまで、図において反時計回りに揺動させられる。
【0050】
図6Bに示した操作要素の位置において、操作要素54の作用面が揺動軸46に対して偏心して付設の第6支持部分48の接触面に接触するので、第6支持部分48は揺動軸46の回りに第5支持部分36と相対的に図6Bにおいて反時計回りに揺動させられる。この場合、スライダ16と操作要素26、50、52の作用面が先ず最初は付設の支持部分の接触面からまだ離れている。
【0051】
図6Cに示した調節位置では、操作要素52の作用面が揺動軸44に対して偏心して第5支持部分36の接触面に接触するので、スライダを図6Cにおいて右側へさらに移動させると、第5支持部分36は図6Cにおいて反時計回りに揺動させられる。
【0052】
スライダ16を図6Cにおいて右側へさらに移動させると、操作要素50の作用面が揺動軸42に対して偏心して付設の第4支持部分34の接触面に接触するので、第4支持部分34は図6Dにおいて反時計回りに揺動軸42を中心に揺動させられる。
【0053】
図6においてスライダ16をさらに移動させると、図6Eに示す位置において、操作要素26の作用面が揺動軸10に対して偏心して付設の第2支持部分6の接触面に接触するので、第2支持部分6は第3支持部分8と相対的に図6Eにおいて反時計回りに揺動させられる。
【0054】
スライダ16を図6Eにおいて右側へさらに移動させると、図6Fに示す位置において、スライダ16の作用面が揺動軸12に対して偏心して付設の第3支持部分8の接触面に接触するので、第3支持部分8は第1支持部分4と相対的に図6Fにおいて反時計回りに揺動させられる。
【0055】
図6Gは調節運動の終端位置を示し、この終端位置は支持装置2の支持部分の最大調節位置に相当する。
【0056】
図6A〜図6Gの上記説明から分かるように、支持部分40、38、36、34、6、8は支持部分40から始まって順々に揺動させられる。この場合、操作要素、例えば操作要素54は先ず最初は隣接する操作要素、例えば操作要素56を直線的に移動させる。この移動は、その作用面が付設の支持部分、例えば第6支持部分38の接触面に接触するまで行われる。操作要素54がさらに移動すると、第6支持部分38が揺動させられる。これは上記のように、他の操作要素56、52、50、26またはスライダ16にも当てはまる。
【0057】
図6Aから分かるように、図示した実施形態の場合には、操作要素26、50、52、54、56はほぼ同じ長さに形成されている。図6Aからさらに分かるように、支持装置2の調節されていない位置において、操作要素の作用面と付設の支持部分の接触面との間の間隔、例えば操作要素56の作用面と付設の支持部分40の接触面との間の間隔は、スライダ16に最も近いところにある操作要素、すなわち操作要素26から、スライダ16から最も離れたところにある操作要素、すなわち操作要素56へ向けて小さくなっている。その都度所望される運動学は、操作要素の長さを適切に選択することによって生じることができる。
【0058】
図6の実施形態の変形では例えば、第6支持部分36の接触面に対する操作要素54の作用面の接触と、付設の第5支持部分36の接触面に対する操作要素52の作用面の接触が同時に行われるように、操作要素52の長さを大きくし、操作要素54の長さを同時に短くすることができる。この場合、第7支持部分40は第6支持部分38と相対的に揺動する一方、支持部分36、38は相対的に揺動しない。これにより、支持部分の運動学をその都度の要求に合わせることができる。
【0059】
図7Aには本発明に係る支持装置2の第3の実施形態が示してある。この第3の実施形態は支持装置2上で休息している人を支えるために、人の上半身と頭部の領域に4つの支持部分8、6、34、36を備えている。この支持部分は図6に示した第2の実施形態に類似して、水平で互いに平行な揺動軸12、10、42、44回りに相互連結されているかまたは定置された支持部分4に連結されている。図7Aの実施形態は特に、支持部分8、6、34、36に付設された棒状操作要素が引張り力と押圧力を伝達するように相互連結されている点が、図6の実施形態と異なっている。図7Aに示した実施形態の場合には、第2支持部分6に付設された操作要素は2個の棒状操作要素26′、26″によって形成されている。この操作要素は偏心した揺動軸10に対して平行な揺動軸58回りに相対的に揺動可能に相互枢着連結されている。支持部分6とは反対側の操作要素26′の端部は、偏心した揺動軸10に対して平行な揺動軸60回りに他の操作要素62に枢着連結されている。操作要素26′とは反対側の操作要素62の端部は揺動軸10に対して平行な揺動軸64回りにスライダ16に枢着連結されている。
【0060】
スライダ16とは反対側の操作要素26′の端部は、揺動軸10に対して平行な揺動軸66回りに操作要素50′に枢着連結されている。これに対応して、操作要素50″は揺動軸42に対して平行な揺動軸68回りに操作要素52′に枢着連結されている。操作要素52′とは反対側の操作要素52′の端部は揺動軸44に対して平行な揺動軸70回りに支持部分36に枢着連結されている。
【0061】
図7Aから分かるように、例えば揺動軸60が揺動軸12に対して偏心して配置されているので、支持部分8を揺動させるために、操作要素62は揺動軸12に対して偏心して支持部分8に作用する。これに対応して、揺動軸66は揺動軸10に対して偏心して配置され、揺動軸68は揺動軸42に対して偏心して配置され、そして揺動軸70は揺動軸44に対して偏心して配置されている。
【0062】
図7Aに示した調節位置から支持部分8、6、34、36を調節するために、スライダ16が図7Aにおいて右側に移動して、操作要素62、26′、26″、50′、50″、52′、52″に押圧力を加えるように、電動機はねじスピンドル22を駆動する。この場合、揺動軸12、10、42、44に対して偏心して揺動軸60、66、68、70を配置したことに基づいて、図7Eに示した揺動運動の終端位置に達するまで、支持部分8、6、34、36は図7B〜図7Eに示すように揺動させられる。
【0063】
支持装置2上で休息している人のふくらはぎ/脚領域を支える働きをする支持区間72の調節は同様に行われるので、詳しく説明しない。支持区間72に付設されたねじスピンドル22′がねじスピンドル22から独立して回転駆動可能であるので、支持区間72の支持部分は支持部分8、6、34、36から独立して調節可能である。しかしながら、ねじスピンドル22と22′を相対回転しないように相互連結することができ、それによって支持区間72の支持部分の調節と、支持部分8、6、34、36の調節は互いに関連づけられる。例えばおよび特に、ねじスピンドル22、22′の一方が左ねじを有し、他方が右ねじを有していてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1支持部分と、揺動軸回りに揺動可能な第2支持部分とを具備し、この両支持部分の間に第3支持部分が配置され、
電動式駆動装置を具備し、この駆動装置が調節要素を備え、この調節要素が前記第2支持部分を揺動させるために操作要素を介して前記第2支持部分に力を伝達するように連結されている、
腰掛け家具および/または横になるための家具のクッションのための電動調節可能な支持装置において、
前記操作要素(26)が棒状に形成され、かつ前記調節要素によって直線的に移動可能にガイド(28)内を案内され、このガイドが前記支持部分(4、6、8、34〜40)の一つ、特に第3支持部分(8)内にまたは上に形成され、
前記操作要素(26)が前記第2支持部分(6)を揺動させるために前記揺動軸(10)に対して偏心して前記第2支持部分(6)に作用することを特徴とする支持装置。
【請求項2】
揺動軸(42)回りに揺動可能な少なくとも1個の他の支持部分(34)が設けられていることと、この他の支持部分(34)に他の操作要素(50)が付設されていることと、この他の操作要素がガイド内を直線的に摺動可能に案内され、このガイドが前記他の支持部分(34)に隣接する前記支持部分(6)内にまたは上に形成され、前記他の操作要素(50)が前記他の支持部分(34)を揺動させるためにこの他の支持部分の揺動軸(42)に対して偏心してこの他の支持部分に作用することを特徴とする請求項1に記載の支持装置。
【請求項3】
少なくとも1個の前記支持部分(8)が、この支持部分(8)上を案内される前記操作要素(26)の前記ガイド(28)から離して、接触面(30)を備え、第1運動段階において前記調節要素(10)または隣接する支持部分に設けられた前記操作要素(26)の作用面が前記操作要素(26)に接触して、この操作要素を直線的に移動し、第2運動段階において前記調節要素(16)または隣接する前記支持部分(4)に設けられた前記操作要素の作用面(32)が、前記支持部分(8)の揺動軸(12)に対して偏心してこの支持部分の接触面(30)に接触し、前記支持部分(8)が前記揺動軸(12)の回りに揺動することを特徴とする請求項1または2に記載の支持装置。
【請求項4】
前記調節要素(16)が少なくとも1個の操作要素(26)を、および/または少なくとも1個の操作要素(26)が隣接する操作要素(50)を、および/または少なくとも1個の操作要素(56)が付設の支持部分(40)を拘束しないで付勢することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の支持装置。
【請求項5】
少なくとも1個の操作要素(26)が付設の支持部分(8)の揺動中押圧力を加えられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の支持装置。
【請求項6】
少なくとも1個の操作要素(26)が突棒のように形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の支持装置。
【請求項7】
前記調節要素がスピンドルナットであるかまたはスピンドルナット(20)に連結され、このスピンドルナットが回転駆動可能なねじスピンドル上に回転しないようにおよび軸方向に移動可能に配置されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の支持装置。
【請求項8】
前記調節要素がスライダ(16)として形成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の支持装置。
【請求項9】
前記操作要素(26、50〜56)の長さと、前記操作要素(26)の前記作用面(32)と付設の前記支持部分(8)の前記接触面(30)との間のそれぞれの間隔は、前記支持部分(4〜8、34〜40)の非調節位置で、前記支持部分(6、8、34〜40)が時間的に続けて揺動するように採寸されていることを特徴とする請求項2〜8のいずれか一項に記載の支持装置。
【請求項10】
前記操作要素(26、50〜56)の長さと、前記操作要素(26)の前記作用面(32)と付設の前記支持部分(8)の前記接触面(30)との間のそれぞれの間隔は、前記支持部分(4〜8、34〜40)の非調節位置で、前記支持部分(6、8、34〜40)が同時にまたはほぼ同時に揺動するように採寸されていることを特徴とする請求項2〜8のいずれか一項に記載の支持装置。
【請求項11】
前記操作要素(26、50〜56)がほぼ同じ長さを有することを特徴とする請求項2〜10のいずれか一項に記載の支持装置。
【請求項12】
操作要素(26)の前記作用面と付設の前記支持部分(8)の前記接触面(30)との間の間隔が、前記調節要素に最も近い操作要素(26)から、前記調節要素から最も遠い操作要素へ向けて小さくなっていることを特徴とする請求項2〜11のいずれか一項に記載の支持装置。
【請求項13】
前記支持装置(2)がすのことして形成され、前記支持部分がベッドのマットレスを支えるための弾性的な細長い板を備えていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の支持装置。
【請求項14】
前記支持装置(2)が寝いすとして、特に庭用寝いすとして形成されていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の支持装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図6F】
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【図6G】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【公表番号】特表2012−523865(P2012−523865A)
【公表日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−505073(P2012−505073)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【国際出願番号】PCT/EP2010/002062
【国際公開番号】WO2010/118828
【国際公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(511248571)ビオニカル・システムズ・アクチエンゲゼルシャフト (4)
【Fターム(参考)】