説明

電圧モニタ用半導体装置、バッテリパック及び電子機器

【課題】容易にテストモードに遷移でき、またテスト用端子や復帰のための回路が必要ない電圧モニタ用半導体装置を提供する。
【解決手段】複数の蓄電デバイスの電圧をモニタして上記過充電、過放電、又は過電流状態の検出結果信号を出力する電圧モニタ用半導体装置において、各蓄電デバイスの電圧をモニタする電圧入力端子の各モニタ電圧のうち、少なくとも一つのモニタ電圧が通常使用しない第1のしきい値電圧以下に低下したときに、第1のテスト信号を生成するテスト信号生成回路を備える。上記テスト信号生成回路はさらに、少なくとも一つの上記モニタ電圧が上記第1のしきい値電圧よりも低い第2のしきい値電圧以下に低下したときに、第2のテスト信号を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電デバイスの電圧モニタ用半導体装置に関し、特に、携帯電子機器などに用いる二次電池のバッテリパックに内蔵されているリチウムイオン電池や電気二重層キャパシタなどを、過充電、過放電、又は過電流などの異常状態から保護する半導体装置及び上記半導体装置を内蔵したバッテリパック、並びに上記バッテリパックを内蔵した電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1において「テスト用端子を用いて、テスト時間を短くすることを可能にするとともに長い遅延時間も保証し、かつ検出状態と非検出状態との繰り返しが必要な場合(被テスト回路を含む場合)、遅延時間無しで検出状態と非検出状態に状態を変化することが可能な半導体装置、Liイオン二次電池などの充放電保護回路、該充放電保護回路を組み込んだバッテリパック、該バッテリパックを用いた携帯電話などの電子機器を提供するために、テスト用端子TESTの入力として3つの電圧レベル「L」、「H」、「M」のいずれかを選択することによって、スレッシュ電圧が異なるインバータ,インバータと、1個のNORゲート、3個のNANDゲートを用い、コンパレータCの出力の遅延時間を、通常の遅延時間モード、遅延時間短縮モード、遅延時間無しモードのいずれかに切換え可能とした」装置が開示されている。ここで、特に、テスト端子に電圧を印加して、遅延時間を短縮する方法が開示されている。
【0003】
また、例えば、特許文献2において「従来はテスト用に用いられていた、放電過電流状態及び充電過電流状態のそれぞれの検出信号の遅延時間の短縮技術を、通常の放電時及び充電時の保護機能に利用するために、従来の充電過電流検出回路、放電過電流検出回路、遅延手段、放電経路遮断手段(放電制御用FETを含む)、充電経路遮断手段(充電制御用FETを含む)と共に、遅延手段における遅延時間を短縮する短縮回路と、充電器マイナス端子の電位(V−)が、放電時に予め異常放電状態検出用に定められたしきい値Vt(Vt≫Vh)よりも高くなること、あるいは、充電時に予め異常充電状態検出用に定められたしきい値Ve(Ve≪Vj)よりも低くなることを検出する異常検出回路を設け、この異常検出回路で異常放電状態及び異常充電状態を検出すると短縮回路を起動して放電電流経路及び充電電流経路の遮断を早める」ことが開示されている。ここで、特に、過電流検出端子を利用して、過充電又は過放電の検出から二次電池の充電又は放電の停止までの間の遅延時間を短縮する方法が開示されている。
【0004】
さらに、例えば、特許文献3において「テスト用外部端子無しで、通常状態及びテスト状態を切り替えることが可能な充放電制御回路を提供するために、二次電池の充放電制御回路の制御信号出力端子に外部から印加される電圧の有無によって、通常状態と上記充放電制御回路を評価するテスト状態のいずれかに切り替えが可能にする。さらに、ヒューズを用いて、上記テスト状態において、二つのテスト用遅延時間短縮モードを実現する」ことが開示されている。ここで、特に、出力端子に通常状態とは異なる電圧を印加することで、通常状態からテスト状態に切り替える方法が開示されている。
【0005】
またさらに、特許文献4において、「過放電検出回路や過充電検出回路などに遅延回路を内蔵した充放電制御回路において、制御用の端子を追加することなく、検出回路の遅延時間を外部から変更でき、検出回路の試験を短縮するとこが可能な充放電制御回路及び充電式電源装置を提供するために、充放電制御回路の電源端子と電源検出端子間に規定以上の電圧がかかったことを検出する電圧検出回路を設け、電圧検出回路の検出信号によって内部制御回路の遅延時間を短くするような構成とした」ことが開示されている。ここで、特に、電源端子の電圧と電圧検出端子の電圧の差が、規定値以上となった場合に、通常状態からテスト状態に切り替える方法が開示されている。
【0006】
またさらに、特許文献5において、「テスト状態になった後で、テスト状態を解除して確実に通常状態に戻れるようにするために、テスト回路5が通常状態からテスト状態になってから所定時間が経過した場合、又は、テスト状態で過充電検出手段10が検出信号を出力してから所定時間が経過した場合、遅延回路8が遅延時間をテスト状態のときのものから通常状態のときのものに戻す」ことが開示されている。ここで、特に、外部ノイズ等で誤ってテスト状態に入ってしまった場合に、所定時間経過後、通常状態に戻すための方法が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
電圧モニタ用半導体装置において、過充電、過放電、又は過電流などの異常状態(以下、異常状態という。)である危険な状態からの保護回路では、検出遅延時間が長いため、ICやICを実装した基板のテストでは遅延時間を短縮させてテストするのが一般的であり、例えば、テスト用端子を設けて、その端子に電圧を印加することで通常状態からテスト状態に切り替える方法が用いられている。
【0008】
しかし、テスト用端子を設ける必要があるため、チップサイズが大きくなり、コストアップにつながる。また、回路端子数に制限がある場合、テスト用端子を設けることができないという問題点があった。
【0009】
そこで、電源端子、電圧検出端子、出力端子のみで構成されている保護ICの場合、電圧検出端子よりも電源端子の電圧を規定値以上に上げる、あるいは電源端子にパルス電圧を入力して、通常状態からテスト状態にラッチさせる方法が既に知られている。
【0010】
しかし、IC外部からのノイズ等により誤ってテスト状態にラッチされてしまった場合に、テスト状態から復帰させるための対策が必要となってくるという問題点があった。
【0011】
本発明の目的は以上の問題点を解決し、容易にテストモードに遷移でき、またテスト用端子や復帰のための回路が必要ない電圧モニタ用半導体装置、上記電圧モニタ用半導体装置を内蔵したバッテリパック、及び上記バッテリパックを内蔵した電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
第1の発明に係る電圧モニタ用半導体装置は、複数の蓄電デバイスの電圧をモニタして上記異常状態の検出結果信号を出力する電圧モニタ用半導体装置において、各蓄電デバイスの電圧をモニタする電圧入力端子の各モニタ電圧のうち、少なくとも一つのモニタ電圧が通常使用しない第1のしきい値電圧以下に低下したときに、第1のテスト信号を生成するテスト信号生成回路を備えたことを特徴とする。
【0013】
第2の発明に係る電圧モニタ用半導体装置は、複数の蓄電デバイスの電圧をモニタして異常状態の検出結果信号を出力する電圧モニタ用半導体装置において、
各蓄電デバイスの電圧をモニタする電圧入力検出端子の各モニタ電圧のうち、少なくとも一つのモニタ電圧が通常使用しない第3のしきい値電圧以上に上昇したときに、第1のテスト信号を生成するテスト信号生成回路を備えたことを特徴とする。
【0014】
第3の発明に係るバッテリパックは、複数の蓄電デバイスと、上記電圧モニタ用半導体装置とを備えたことを特徴とする。
【0015】
第4の発明に係る電子機器は、上記バッテリパックを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
従って、本発明によれば、例えば、電池セルなどの蓄電デバイス電圧が通常使用しない所定のしきい値電圧以下に下がったときに、もしくは、所定のしきい値電圧以上に上昇したときにテストモードに遷移することで、テスト端子無しで容易に遅延時間を短縮でき、テストモードに遷移させるために設定されたパルス電圧等を作成する必要がない。また、テストモードにラッチさせる必要もないため、外部ノイズ等でラッチした場合に復帰させるための対策も必要ない。さらに、上記しきい値電圧を複数生成することで、2段階以上のテストモードを容易につくることができる。これらのことから、回路の削減及びチップ面積の縮小によるコスト削減を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る電圧モニタ用半導体装置の構成を示す回路図である。
【図2】図1の第1の電圧検出回路31の構成を示す回路図である。
【図3】図1の発振回路41の構成を示す回路図である。
【図4】図1のカウンタ回路42の構成を示す回路図である。
【図5】図3の発振回路41の変形例41Aの構成を示す回路図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る電圧モニタ用半導体装置の構成を示す回路図である。
【図7】本発明の第3の実施形態に係る電圧モニタ用半導体装置の構成を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の各実施形態において、同様の構成要素については同一の符号を付している。
【0019】
第1の実施形態.
図1は本発明の第1の実施形態に係る電圧モニタ用半導体装置の構成を示す回路図である。電圧モニタ半導体装置1と、3つの充電池11,12,13と、抵抗R1,R2、R3,R4とは電池パック500に備えられている。本実施形態に係る電圧モニタ半導体装置1は、二次電池の保護回路及び充電−放電制御回路として機能する。
【0020】
図1において、電圧モニタ用半導体装置1は、コンパレータ21〜23からなる過充電検出回路2と、第1の電圧検出回路31と第2の電圧検出回路32からなるテスト信号生成回路3と、発振回路41とカウンタ回路42からなる遅延回路4、論理回路5などを備えて構成される。電圧モニタ半導体装置1は検知結果信号Sdetを出力端子OUTを介して出力する。電圧入力端子IN1,IN2、IN3は3つの充電池11、12、13の電圧をモニタする。本実施形態では、3個の充電池11,12,13が、図1に示すように、縦続接続され、最大電圧を提供する充電池11の正極端子は抵抗R4を介して電源電圧VDDとして供給されるとともに、抵抗R1を介してモニタ電圧VC1として過充電検出回路2に入力される。また、充電池12の正極端子は抵抗R2を介してモニタ電圧VC2として過充電検出回路2に入力される。さらに、充電池13の正極端子は抵抗R3を介してモニタ電圧VC3として過充電検出回路2に入力される。なお、充電池13の負極端子は接地されている。
【0021】
過充電検出回路2において、モニタ電圧VC1は第1の電圧検出回路31及び第2の電圧検出回路32に入力されるとともに、分圧抵抗R11により分圧低下されてコンパレータ21に入力され、コンパレータ21は所定の基準電圧源16の基準電圧と比較して、その比較結果信号Sc1をノアゲート19を介して論理回路5及び遅延回路4に出力する。また、モニタ電圧VC2は第1の電圧検出回路31及び第2の電圧検出回路32に入力されるとともに、分圧抵抗R12により分圧低下されてコンパレータ22に入力され、コンパレータ22は所定の基準電圧源17の基準電圧と比較して、その比較結果信号Sc2をノアゲート19を介して論理回路5及び遅延回路4に出力する。さらに、モニタ電圧VC3は第1の電圧検出回路31及び第2の電圧検出回路32に入力されるとともに、分圧抵抗R13により分圧低下されてコンパレータ23に入力され、コンパレータ23は所定の基準電圧源18の基準電圧と比較して、その比較結果信号Sc3をノアゲート19を介して論理回路5及び遅延回路4に出力する。
【0022】
例えば、3個の充電池11,12,13のうち少なくとも1つのセル電圧が予め設定された過充電検出電圧を超えると、つまり、比較結果信号Sc1,Sc2,Sc3のうち少なくとも一つがハイだと、過充電検出回路2がノアゲート19の出力Scomを反転させ(ハイレベルからローレベルになり)当該出力信号Scomは論理回路5及び発振回路41に出力される。このとき、遅延回路4内の発振回路41が動作しはじめ、カウンタ回路42の計数が開始する。そして、予め設定された遅延時間をカウントした後、論理回路5を通してOUT端子からの検出結果信号レベルを例えばローレベルからハイレベルに変化させる。
【0023】
本実施形態において、3個の充電池11,12,13のうち少なくとも1個の充電池が、充電池がとりえない、すなわち通常使用しない第1のしきい値電圧(例えば、0Vである。−0.1Vでもよい。)以下となったときを第1のテスト状態とする。
【0024】
また、3個の充電池11,12,13のうち少なくとも1個の充電池が、上記第1のしきい値電圧よりも低い第2のしきい値電圧(例えば、−0.1〜−0.2Vなどの負電圧である。−0.2〜−0.3Vであってもよい。)以下となったときを第2のテスト状態として以下に説明する。
【0025】
ここで、上記第1及び第2のしきい値電圧は、例えば、下限放電電圧(例えば、非特許文献1において、安全性の見地から各単電池が許容可能な下限の単電池電圧として定義されている。)以下の電圧として設定してもよい。
【0026】
ここで、第1の電圧検出回路31は、3個の充電池11,12,13のうち少なくとも1個の充電池が、充電池がとりえない、すなわち通常使用しない第1のしきい値電圧以下となったときを第1のテスト状態として第1のテスト信号TEST1を発振回路41に出力する。また、第2の電圧検出回路32は、3個の充電池11,12,13のうち少なくとも1個の充電池が、充電池がとりえない、すなわち通常使用しない第2のしきい値電圧以下となったときを第2のテスト状態として第2のテスト信号TEST2をカウンタ回路42に出力する。
【0027】
本実施形態において、第1テスト信号とは、第1の電圧検出回路31から出力される、通常状態とは反転した信号をいう。(第1の電圧検出回路31が発振器に対して通常状態とは反転した電圧を出力していると、過充電を検出してから検出結果信号OUTを反転させるまでのディレイタイムを通常状態時から例えば1/50倍に短縮させることができる。例えば、第1の電圧検出回路31から発振器に対する信号がハイレベルの場合(通常の状態)、過充電遅延時間を1秒とすると、ローレベルの場合(第1のテスト状態)、過充電検出遅延時間が1/50秒となる。
【0028】
また、第2テスト信号とは、第1の電圧検出回路32から出力される、通常状態とは反転した信号をいう。第2の電圧検出回路32がカウンタに対して通常状態とは反転した電圧(テスト信号TEST2)を出力していると、過充電を検出してから検出結果信号OUTを反転させるまでの時間が数ミリ秒であり、これは、上記1/50倍された遅延時間よりもさらに短い時間である。
【0029】
また、具体的には、充電池11が、外部制御等により、充電池がとりえない、すなわち通常使用しない第1のしきい値電圧以下となり、電圧モニタ用半導体装置1が第1のテスト状態にあるときで、充電池11以外の、充電池12、13の過充電を検出した際、充電池12、13の過充電を検出してから検出結果信号Sdetを反転させるまでのディレイタイムを通常状態時から短縮させることができる。
【0030】
また、充電池11が、外部制御等により、充電池がとりえない、すなわち通常使用しない第2のしきい値電圧以下となり、電圧モニタ用半導体装置1が第2のテスト状態にあるときで、充電池11以外の、充電池12、13の過充電を検出した際、充電池12、13の過充電を検出してから検出結果信号Sdetを反転させるまでのディレイタイムを通常状態時から短縮させることができる。
【0031】
なお、テスト信号生成回路3及び遅延回路4の構成及び動作については詳細後述する。
【0032】
図2は図1の第1の電圧検出回路31の構成を示す回路図である。図2において、第1の電圧検出回路31はNMOSデプレッショントランジスタM1〜M8及び論理回路40を備えて構成される。第1のしきい値電圧Vth1はPMOSデプレッショントランジスタの各対(M1,M2)(M3,M4)及びNMOSデプレッショントランジスタの各対(M5,M6)(M7,M8)のゲート幅とゲート長の比により決定される。(VC1−VC2)≦Vth1であるとき、トランジスタ対(M1,M2)はハイレベルの検出信号S41を論理回路40に出力する。また、(VC2−VC3)≦Vth1であるとき、トランジスタ対(M3,M4)はハイレベルの検出信号S42を論理回路40に出力する。さらに、(VC2−VC3)≦Vth1であるとき、トランジスタ対(M5,M6)はローレベルの検出信号S43を論理回路40に出力する。またさらに、(VC3−VSS)≦Vth1であるとき、トランジスタ対(M7,M8)はローレベルの検出信号S44を論理回路40に出力する。なお、同様の動作を行う検出信号S42,S43の回路を備えているのは、2個の充電池を短絡したときにテストモードに移行する場合、充電池13が短絡したときに、検出信号S42の回路が動作しなくなり、充電池11が短絡したときに、検出信号S43の回路が動作しなくなるためである。論理回路40は、S41又はS42がハイレベル、又は、S43又はS44がローレベルであるとき、テストモードへの移行として検出してテスト信号TEST1としてローレベル信号を発生して出力する。
【0033】
ここで、第1の電圧検出回路31の別の例として、NMOSデプレッショントランジスタM5とM6、及びM7とM8の後段にインバータをそれぞれ配置してもよい。ここで、(VC2−VC3)≦Vth1であるとき、トランジスタ対(M5,M6)はローレベル信号を出力した後、インバータによってハイレベルの検出信号S43を論理回路40に出力する。(VC3−VSS)≦Vth1であるとき、トランジスタ対(M7,M8)はローレベル信号を出力した後、インバータによってハイレベルの検出信号S44を論理回路40に出力する。この場合、論理回路40は、4つの検出信号S41〜S44のうち少なくとも1つの検出信号がハイレベルであるとき、テストモードへの移行として検出してテスト信号TEST1としてローレベルの信号を発生して出力する。
【0034】
また、第1の電圧検出回路31のさらに別の例として、PMOSデプレッショントランジスタM1とM2、及びM3とM4の後段にインバータをそれぞれ配置してもよい。ここで、(VC1−VC2)≦Vth1であるとき、トランジスタ対(M1,M2)はハイレベル信号を出力した後、インバータによってローレベルの検出信号S41を論理回路40に出力する。また、(VC2−VC3)≦Vth1であるとき、トランジスタ対(M3,M4)はハイレベル信号を出力した後、インバータによってローレベルの検出信号S42を論理回路40に出力する。この場合、論理回路40は、4つの検出信号S41〜S44のうち少なくとも1つの検出信号がローレベルであるとき、テストモードへの移行として検出してテスト信号TEST1としてローレベルの信号を発生して出力する。
【0035】
また、第2の電圧検出回路32についても第1の電圧検出回路31と同様の回路構成で実現でき、上記デプレッショントランジスタ対のゲート幅とゲート長の比を変えることで第1のしきい値電圧よりさらに低い第2のしきい値電圧を作り出すことができる。本実施形態では、PMOSデプレッショントランジスタの各対(M1,M2)(M3,M4)及びNMOSデプレッショントランジスタの各対(M5,M6)(M7,M8)を用いた回路を例示したが、それぞれNMOSデプレッショントランジスタの各対及びPMOSデプレッショントランジスタの各対を用いて同様に構成してもよい。
【0036】
さらに、コンパレータにより、第1及び第2のしきい値を生成してもよい。
【0037】
なお、VC1−VC2、VC2−VC3、VC3−VSSのうちいずれか1つが第1のしきい値電圧以下あるいは第2のしきい値電圧以下となっただけでは、テストモードに移行せずに、VC1−VC2、VC2−VC3、VC3−VSSのうち2つ以上が第1のしきい値電圧以下あるいは第2のしきい値電圧以下となったときに初めて出力信号を反転させ、テスト信号(TEST1、TEST2)を出力するように論理回路40を構成してもよい。このように、複数の充電池がしきい値電圧以下となって初めてテストテストモード移行するようにしてもよい。
【0038】
図3は図1の発振回路41の構成を示す回路図である。図3において、発振回路41は、テスト信号TEST1に応答してクロック信号CLKを発生する回路であり、4個の電流源51〜54と、スイッチ素子であるMOSトランジスタM11,M12と、5個のインバータ61〜65及び2個のキャパシタC1,C2にてなる公知のリングオシレータ60とを備えて構成される。ここで、電流源51と53と、スイッチ素子であるMOSトランジスタM11,M12は、短縮手段として機能する。発振回路41は内部レギュレータ電圧VRで動作しており、通常動作時(第1のテスト信号TEST1がハイレベル時)はMOSトランジスタM11,M12がオフで2つの電流源52,54のみで駆動して発振周波数f0で発振し、一方、第1のテスト状態時はMOSトランジスタM11〜M12がオンで4つの電流源51〜54で駆動してより高い発振周波数f1(>f0)で発振する。すなわち、第1のテスト状態では、高い周波数f1のクロック信号を用いてテストを実行することができる。このように、発振周波数を大きくすることで、ディレイタイムを通常状態時から「第一短縮遅延時間」へ短縮させることができる。
【0039】
図4は図1のカウンタ回路42の構成を示す回路図である。図4において、カウンタ回路42は、複数N個の遅延型フリップフロップFF1〜FFNが縦続接続され、さらに2個のナンドゲート71,72を備えて構成される。ここで2個のナンドゲート71,72は短縮手段として機能する。カウンタ回路42において、クロック信号CLKを入力して遅延信号Delayを生成する。通常動作時(第2のテスト信号TEST2がハイレベル時)は、最終段のフリップフロップFFNの出力信号かつ所定段数のフリップフロップFFn(1<n≪N)の出力信号が反転するまでの時間を遅延時間信号として利用しているが、第2のテスト状態時は途中段のフリップフロップFFn(1<n≪N)の出力信号が反転するまでの時間が遅延時間信号となり、遅延時間を大幅に短縮することできる。すなわち、ローレベルの第2のテスト信号TEST2が入力されたときに、途中段のフリップフロップFFn(1<n≪N)の出力信号がパススルーしてナンドゲート72から出力される。
【0040】
カウンタ回路42の段数を飛ばすことで、遅延時間を通常状態時から「第二短縮遅延時間」へ短縮させることができる。なお、「第二短縮遅延時間」は「第一短縮遅延時間」とは異なる時間であって、通常「第二短縮遅延時間」は「第一短縮遅延時間」より、さらに短く設定する。
【0041】
従って、本実施形態によれば、充電池のセル電圧の状態によって複数のテスト信号を生成するようにしたので、テスト用端子無しで容易に異なる遅延時間に短縮できるようになる。
【0042】
なお、図1全体の回路を例えば携帯電話機又はパーソナルコンピュータなどの電子機器のためのバッテリパック500として用いることができ、当該バッテリパックは例えば携帯電話機又はパーソナルコンピュータなどの電子機器に内蔵できる。
【0043】
以上詳述したように、本実施形態によれば、例えば、電池セルなどの蓄電デバイス電圧が通常使用しない所定のしきい値電圧以下に下がったときに、もしくは、所定のしきい値電圧以上に上昇したときにテストモードに遷移することで、テスト端子無しで容易に遅延時間を短縮でき、テストモードに遷移させるために設定されたパルス電圧等を作成する必要がない。また、テストモードにラッチさせる必要もないため、外部ノイズ等でラッチした場合に復帰させるための対策も必要ない。さらに、上記しきい値電圧を複数生成することで、2段階以上のテストモードを容易につくることができる。これらのことから、回路の削減及びチップ面積の縮小によるコスト削減を実現できる。
【0044】
以上のように、本発明に係る実施形態の電圧モニタ用半導体装置は、電池セル電圧が通常使用しない領域となった場合のみテスト状態に切り替わることで、容易にテストモードに遷移でき、またテスト用端子や復帰のための回路が必要なく、回路の削減及びチップ面積の縮小によるコスト削減を実現することを特徴としている。
【0045】
本実施形態では、第1のテスト状態で発振周波数を大きくすることにより遅延時間を短縮し、第2のテスト状態でカウンタの段数を飛ばすことにより遅延時間を短縮したが、第1のテスト状態でカウンタの段数を飛ばすことにより遅延時間を短縮してもよいし、第2のテスト状態で発振周波数を大きくすることにより遅延時間を短縮してもよい。
【0046】
第1の実施形態の変形例.
上記の構成では、第1のテスト状態で発振周波数を大きくすることにより遅延時間を短縮し、第2のテスト状態でカウンタの段数を飛ばすことにより遅延時間を短縮したが、この変形例では、第1のテスト状態、第2のテスト状態でそれぞれ異なる発振周波数に調整することにより、それぞれ異なる遅延時間に短縮する。
【0047】
図5は図3の発振回路41の変形例41Aの構成を示す回路図である。図5において、変形例41Aは、図3の発振回路41に比較して、ローレベルの第2のテスト信号TEST2でオンとなるPMOSトランジスタM21とそれに接続された電流源55と、ローレベルの第2のテスト信号TEST2でオンとなるPMOSトランジスタM22とそれに接続された電流源56とをさらに備えたことを特徴としている。当該変形例41Aでは、第2のテスト信号TEST2が入力されたときに、リングオシレータ60への駆動電流を大きくすることで、より高い発振周波数f2(>f1)で発振するように構成できる。すなわち、第2のテストモードでのクロック信号を第1のテストモードのクロック信号に比較して周波数を高くすることができ、遅延時間をさらに短縮することができ、テスト時間を短縮できる。また、これと同様に、カウンタースルー回路を用いて2つの短縮遅延時間を作成してもよい。
【0048】
第2の実施形態.
以上の第1の実施形態において、保護機能は過充電に限定をして電池システム電圧検出機能を付加して記載しているが、本発明はこれに限らず、特に、過放電保護又は過電流保護などの他の保護機能と組み合わせてもよい。
【0049】
特に、第1の実施形態として、3個の充電池11,12,13のうち少なくとも1個の充電池が、充電池がとりえない、すなわち通常使用しないしきい値電圧以下となったときをテスト状態としたが、第2の実施形態では反対の動作をとる。
【0050】
図6は本発明の第2の実施形態に係る電圧モニタ用半導体装置1Aの構成を示す回路図である。図6に示されるように、電圧モニタ用半導体装置1Aは、過充電検出回路2の代わりに過放電検出回路2Aを備え、過放電の遅延時間を短縮することを特徴としている。過放電検出回路2Aは、分圧抵抗R81、R82、R83と、基準電圧源86、87、88と、コンパレータ91、92、93と、NOR回路89とを備えて構成される。電圧モニタ用半導体装置1Aと電池11、12、13はバッテリパック500Aに内蔵されてもよい。図1の過充電検出回路2では、分圧電圧が各コンパレータの非反転端子、基準電圧が反転端子に入力されているが、過放電検出回路2Aでは、分圧電圧が各コンパレータの反転端子、基準電圧が非反転端子に入力されている。また、基準電圧源66、67、68で発生する基準電圧の値は、基準電圧源16、17、18で発生する基準電圧値と同じでもよいし、異なってもよい。
【0051】
ここで、第1の電圧検出回路31Aは、3個の充電池11,12,13のうち少なくとも1個の充電池が、充電池がとりえない、すなわち通常使用しない第3のしきい値電圧以上なったときを第1のテスト状態として第1のテスト信号TEST1を発振回路41に出力する。また、第2の電圧検出回路32Aは、3個の充電池11,12,13のうち少なくとも1個の充電池が、充電池がとりえない、すなわち通常使用しない第4のしきい値電圧以上となったときを第2のテスト状態として第2のテスト信号TEST2をカウンタ回路42に出力する。
【0052】
電圧モニタ用半導体装置1Aは、3個の充電池11,12,13のうち少なくとも1個の充電池が、充電池が成り得ず通常使用しない第3のしきい値電圧(例えば、4.25Vである。7V又は8Vでもよい。)以上となったときを第1のテスト状態とし、3個の充電池11,12,13のうち少なくとも1個の充電池が、上記第3のしきい値電圧よりも高い第4のしきい値電圧(例えば、4.5〜5.0Vである。8V又は10Vでもよい。)以上となったときを第2のテスト状態とする。ここで、上記第3及び第4のしきい値電圧は、例えば、上限充電電圧(例えば、非特許文献1において、安全性の見地から各単電池が許容可能な上限の充電時の単電池電圧として定義されている。)以上の電圧として設定してもよい。
【0053】
第2の実施形態の変形例.
電圧モニタ用半導体装置1では、過充電検出回路2を有し、電圧モニタ用半導体装置1Aでは過放電検出回路2Aを有していたが、本発明はこれに限らず、電圧モニタ用半導体装置は、過充電検出回路2過放電検出回路2Aの両方を有し、同一回路内で、過充電と過放電の両方を検知できるようにしてもよい。
【0054】
なお、ここで、第1及び第2のしきい値電圧は過放電電圧よりも低い電圧のため、例えば、蓄電池11を外側から制御により第1のしきい値電圧以下にした場合、蓄電池11を過放電状態として誤検出しかねないが、充電池12、13の過充電、過放電、過電流テストをするために、蓄電池11を第1あるいは第2のしきい値電圧以下にして第1テスト状態あるいは第2テスト状態となっているときは、蓄電池11の過放電状態を検出しないようにする必要がある。
【0055】
同様に、第3及び第4のしきい値電圧は過充電電圧よりも高い電圧のため、例えば、蓄電池11を外側から制御により第3のしきい値電圧以上にした場合、蓄電池11を過充電状態として誤検出しかねないが、充電池12、13の過充電、過放電、過電流テストをするために、蓄電池11を第3あるいは第4のしきい値電圧以上にして第1テスト状態あるいは第2テスト状態となっているときは、蓄電池11の過充電状態を検出しないようにする必要がある。
【0056】
そこで、このように、電圧モニタ用半導体装置に、過充電検出回路2過放電検出回路2Aの両方を含む構成では、少なくとも一つの充電池(例えば充電池11)を外側から制御することにより、第1のしきい値電圧、又は第2のしきい値電圧以下になることにより第1テスト状態又は第2テスト状態となっているときは、第1のしきい値電圧以下又は第2のしきい値電圧以下としている蓄電デバイス(例えば充電池11)の過放電を検出してしまわないよう論理回路を作成し、それ以外の蓄電デバイス(例えば充電池12、13)の異常状態を検出したときの遅延時間を短縮する。
【0057】
また、この論理回路は、少なくとも一つの充電池(例えば充電池11)を外側から制御することにより、第3のしきい値電圧、又は第4のしきい値電圧以上になることにより第1テスト状態又は第2テスト状態となっているときは、第3のしきい値電圧以上又は第4のしきい値電圧以上としている蓄電デバイス(充電池11)の過充電を検出してしまわないように制御し、それ以外の蓄電デバイス(充電池12、13)の異常状態を検出した時の遅延時間を短縮する。
【0058】
第3の実施形態.
図7は本発明の第3の実施形態に係る電圧モニタ用半導体装置1Bの構成を示す回路図である。電圧モニタ用半導体装置1Bは、図1で示される過充電検出回路2や図7で示される過放電検出回路2Aの代わりに過電流検出回路8を有した回路により、過電流検出の遅延時間を短縮することを特徴としている。
【0059】
図7において、充電池11の正極端子は、充電器又は負荷100の正極に接続されており、充電器13の負極端子は、抵抗R5を介して充放電制御トランジスタ200に接続されている。充電池13の負極端子は端子VSSを介して過電流検出回路8に接続されるとともに、抵抗R5、端子RSを介して過電流検出回路8に接続されている。過電流検出回路8の出力は論理回路5に接続されている。電圧モニタ用半導体装置1B、電池11、12、13、抵抗R5、充放電制御トランジスタ200はバッテリパック500Bに内蔵されてもよい。
【0060】
過電流検出回路8は、図示しない異常充電器検出回路やプルアップトランジスタ等を有し、例えば充電器又は負荷100が定格出力電流以上又は出力短絡等の過電流を検出したときに、出力を反転させ(ハイレベルからローレベルになり)、当該出力信号は、論理回路5及び発振回路41に出力される。なお、R5が充放電制御トランジスタのオン抵抗を用いても構わない。
【0061】
第3の実施形態の変形例.
電圧モニタ用半導体装置1Bでは、過電流検出回路8を有していたが、本発明はこれに限らず、電圧モニタ用半導体装置は、過電流検出回路8と過充電検出回路2、過電流検出回路8と過放電検出回路2A、又は、過電流検出回路8と過充電検出回路2と過放電検出回路2Aすべてを有す等どのシステムを組み合わせてもよい。このとき、同一回路内で、過電流と過充電の検出、過電流と過放電の検出、又は、過電流と過充電と過放電すべての検出を行い、それぞれについて遅延時間を短縮できる。
【0062】
別の変形例.
上記に説明した実施形態において、また、第1のしきい値電圧以下、第2のしきい値電圧以下、第3ののしきい値電圧以上、第4ののしきい値電圧以上のうち、どの2つを第1のテスト状態、第2のテスト状態に割り当てても良い。
【0063】
さらに、本実施形態では、第1のテスト状態、第2のテスト状態の2段階としているが、本発明はこれに限らず第1〜第4ののしきい値電圧から3段階以上のテスト状態を作成しても良い。
【0064】
以上の実施形態において3個の充電池11,12,13の場合について説明しているが、本発明はこれに限らず、2個又は3個以上の充電池を接続してもよい。さらに、蓄電デバイス(二次電池)として充電池を用いているが、本発明はこれに限らず、電気2重層キャパシタ等の他の蓄電デバイスを用いてもよい。
【0065】
また、各実施形態において、MOSトランジスタの代わりにバイポーラトランジスタを使用するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0066】
以上詳述したように、本発明によれば、例えば、電池セルなどの蓄電デバイス電圧が通常使用しない所定のしきい値電圧以下に下がったときに、もしくは、所定のしきい値電圧以上に上昇したときにテストモードに遷移することで、テスト端子無しで容易に遅延時間を短縮でき、テストモードに遷移させるために設定されたパルス電圧等を作成する必要がない。また、テストモードにラッチさせる必要もないため、外部ノイズ等でラッチした場合に復帰させるための対策も必要ない。さらに、上記しきい値電圧を複数生成することで、2段階以上のテストモードを容易につくることができる。これらのことから、回路の削減及びチップ面積の縮小によるコスト削減を実現できる。
【符号の説明】
【0067】
1,1A,1B…電圧モニタ用半導体装置、
2,2A…過充電検出回路、
8…過電流検出回路、
3…テスト信号生成回路、
4…遅延回路、
5…論理回路、
11,12,13…充電池、
16,17,18,86,87,88…基準電圧源、
19,89…ノアゲート、
21,22,23,91,92,93…コンパレータ、
31,31A,31B…第1の電圧検出回路、
32,32A,32−B…第2の電圧検出回路、
40…論理回路、
41…発振回路、
42…カウンタ回路、
51〜56…電流源、
60…リングオシレータ、
61〜65〜インバータ、
71,72…ナンドゲート、
100…充電器又は負荷、
200…充放電制御トランジスタ、
500A,500B…バッテリパック、
C1,C2…キャパシタ、
FF1〜FFN…遅延形フリップフロップ、
M1〜M22…トランジスタ、
R1,R2,R3,R4,R11,R12,R13,R81,R82,R83…抵抗。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0068】
【特許文献1】特許第3794547号公報
【特許文献2】特許第4535910号公報
【特許文献3】特許第4252910号公報
【特許文献4】特許第4398432号公報
【特許文献5】特開2008−061306号公報
【非特許文献】
【0069】
【非特許文献1】社団法人電子情報技術産業協会、社団法人電池工業会発行,「ノード型PCにおけるリチウム二次電池の安全利用に関する手引書」,pp.8−12,平成19年4月20日発行

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の蓄電デバイスの電圧をモニタして上記異常状態の検出結果信号を出力する電圧モニタ用半導体装置において、
各蓄電デバイスの電圧をモニタする電圧入力端子の各モニタ電圧のうち、少なくとも一つのモニタ電圧が通常使用しない第1のしきい値電圧以下に低下したときに、第1のテスト信号を生成するテスト信号生成回路を備えたことを特徴とする電圧モニタ用半導体装置。
【請求項2】
遅延回路検知信号を予め定められた遅延時間に遅延させ、遅延回路における、遅延時間を短くする短縮手段を有する遅延回路を備え、
上記遅延回路は、少なくとも一つの蓄電デバイスのモニタ電圧が第1のしきい値電圧以下である場合、当該蓄電デバイス以外の蓄電デバイスの異常状態を検出した際の遅延時間を第一短縮遅延時間へと短縮することを特徴とする請求項1記載の電圧モニタ用半導体装置。
【請求項3】
上記第1のしきい値電圧は、0V又は下限放電電圧以下に設定されたことを特徴とする請求項1又は2記載の電圧モニタ用半導体装置。
【請求項4】
上記テスト信号生成回路はさらに、少なくとも一つの上記モニタ電圧が上記第1のしきい値電圧よりも低い第2のしきい値電圧以下に低下したときに、第2のテスト信号を生成することを特徴とする請求項1記載の電圧モニタ用半導体装置。
【請求項5】
遅延回路検知信号を予め定められた遅延時間に遅延させ、遅延回路における、遅延時間を短くする短縮回路を有する遅延回路を備え、
上記遅延回路は、
少なくとも一つの蓄電デバイスのモニタ電圧が第1のしきい値電圧以下である場合、当該蓄電デバイス以外の蓄電デバイスの異常状態を検出する際の遅延時間を第一短縮遅延時間へと短縮し、
少なくとも一つの蓄電デバイスのモニタ電圧が第2のしきい値電圧以下である場合、当該蓄電デバイス以外の蓄電デバイスの異常状態を検出する際の遅延時間を第二短縮遅延時間へと短縮し、
第二短縮遅延時間は、第一短縮遅延時間とは異なるように設定されたことを特徴とする請求項1記載の電圧モニタ用半導体装置。
【請求項6】
上記第2のしきい値電圧は、上記第1のしきい値電圧よりも低い所定の負電圧、又は上記第1のしきい値電圧よりも低い下限放電電圧未満の電圧に設定されたことを特徴とする請求項4又は5記載の電圧モニタ用半導体装置。
【請求項7】
当該蓄電デバイス以外の蓄電デバイスの異常状態とは、過充電であることを特徴とする請求項1乃至6のうちのいずれか1つに記載の電圧モニタ用半導体装置。
【請求項8】
当該蓄電デバイス以外の蓄電デバイスの異常状態とは、過放電であることを特徴とする請求項1乃至7のうちのいずれか1つに記載の電圧モニタ用半導体装置。
【請求項9】
当該蓄電デバイス以外の蓄電デバイスの異常状態とは、過電流であることを特徴とする請求項1乃至8のうちのいずれか1つに記載の電圧モニタ用半導体装置。
【請求項10】
複数の蓄電デバイスの電圧をモニタして上記異常状態の検出結果信号を出力する電圧モニタ用半導体装置において、
各蓄電デバイスの電圧をモニタする電圧入力端子の各モニタ電圧のうち、少なくとも一つのモニタ電圧が通常使用しない第3のしきい値電圧以上に上昇したときに、第1のテスト信号を生成するテスト信号生成回路を備えたことを特徴とする電圧モニタ用半導体装置。
【請求項11】
遅延回路検知信号を予め定められた遅延時間に遅延させ、遅延回路における、遅延時間を短くする短縮手段を有する遅延回路を備え、
上記遅延回路は、少なくとも一つの蓄電デバイスのモニタ電圧が第3のしきい値電圧以上である場合、当該蓄電デバイス以外の蓄電デバイスの異常状態を検出した際の遅延時間を第一短縮遅延時間へと短縮することを特徴とする請求項10記載の電圧モニタ用半導体装置。
【請求項12】
上記第3のしきい値電圧は、所定の正電圧又は上限充電電圧以上に設定されたことを特徴とする請求項10乃至12のうちのいずれか1つに記載の電圧モニタ用半導体装置。
【請求項13】
上記テスト信号生成回路はさらに、少なくとも一つの上記モニタ電圧が上記第3のしきい値電圧よりも高い第4のしきい値電圧以上に上昇したときに、第2のテスト信号を生成することを特徴とする請求項10記載の電圧モニタ用半導体装置。
【請求項14】
上記電圧モニタ用半導体装置はさらに、遅延回路検知信号を予め定められた遅延時間に遅延させ、遅延回路における、遅延時間を短くする短縮手段を有する遅延回路を備え、
上記遅延回路は、
少なくとも一つの蓄電デバイスのモニタ電圧が第3のしきい値電圧以上である場合、当該蓄電デバイス以外の蓄電デバイスの異常状態を検出する際の遅延時間を第一短縮遅延時間へと短縮し、
少なくとも一つの蓄電デバイスのモニタ電圧が第4のしきい値電圧以上である場合、当該蓄電デバイス以外の蓄電デバイスの異常状態を検出する際の遅延時間を第二短縮遅延時間へと短縮し、
第二短縮遅延時間は第一短縮遅延時間とは異なるように設定されたことを特徴とする請求項13記載の電圧モニタ用半導体装置。
【請求項15】
上記第4のしきい値電圧は上記第3のしきい値電圧よりも高い所定の正電圧、又は上記第3のしきい値電圧よりも高い上限充電電圧以上の電圧に設定したことを特徴とする請求項13又は14記載の電圧モニタ用半導体装置。
【請求項16】
当該蓄電デバイス以外の蓄電デバイスの異常状態とは、過充電であることを特徴とする請求項10乃至15記載のうちのいずれか1つに記載の電圧モニタ用半導体装置。
【請求項17】
当該蓄電デバイス以外の蓄電デバイスの異常状態とは、過放電であることを特徴とする請求項10乃至16記載のうちのいずれか1つに記載の電圧モニタ用半導体装置。
【請求項18】
当該蓄電デバイス以外の蓄電デバイスの異常状態とは、過電流であることを特徴とする請求項10乃至17のうちのいずれか1つに記載の電圧モニタ用半導体装置。
【請求項19】
複数の蓄電デバイスと、
請求項1乃至18のうちのいずれか1つに記載の電圧モニタ用半導体装置とを備えたことを特徴とするバッテリパック。
【請求項20】
請求項19記載のバッテリパックを備えたことを特徴とする電子機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−210139(P2012−210139A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−49451(P2012−49451)
【出願日】平成24年3月6日(2012.3.6)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】