説明

電圧信号選択装置および多点記録装置

【課題】電圧信号を選択するスイッチの後段にノイズを除去するフィルタを配置していたので、フィルタの時定数を大きくすることができず、かつ電圧信号をスキャンする速度を速くすることができなかった。本発明は、ノイズ除去性能が高く、かつスキャン速度を速くすることができる電圧信号選択装置を提供することを目的にする。
【解決手段】選択する電圧信号をフィルタに入力してノイズを除去し、ノイズを除去した信号を選択部で選択するようにした。フィルタの入力信号は選択部の切り替えで変化しないので、フィルタの時定数を大きくでき、かつ切り替え速度を速くすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の電圧信号の中から1つを選択して出力する選択装置に関し、ノイズを除去し、かつ選択頻度を高くすることができる電圧信号選択装置およびそれを用いた多点記録装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電圧信号選択装置は複数の電圧信号の中から1つを選択して出力する装置であり、熱電対を用いた温度測定器、電圧測定器、多点スキャナ型波形測定器、多点記録計、あるいはデータロガー等の多点記録装置の入力部に用いられる。
【0003】
図5に、従来の電圧信号選択装置の構成を示す。図5において、10〜12は入力端子であり、それぞれ電圧信号1〜電圧信号3が印加される。入力端子10〜12はH端子、L端子の2つの端子で構成され、H端子には電圧信号の高レベル側信号が、L端子には低レベル側信号が印加される。
【0004】
13はスイッチ部であり、オンオフするスイッチ13a、13bで構成される。スイッチ13a、13bの一端はそれぞれ入力端子10のH端子、L端子に接続される。スイッチ13bの他端は共通電位点に接続される。
【0005】
14、15はスイッチ部であり、スイッチ部13と同様に2つのスイッチで構成される。スイッチ部14、15を構成する2つのスイッチの一端は、それぞれ入力端子11、12のH端子、L端子に接続され、スイッチ13bに相当するスイッチの他端は共通電位点に接続される。
【0006】
16はローパスフィルタであり、抵抗16aとコンデンサ16bで構成される。抵抗16aの一端はスイッチ13a、およびスイッチ部14、15の対応するスイッチに接続される。この抵抗16aの他端と共通電位点との間には、コンデンサ16bが接続される。
【0007】
17は増幅器であり、フィルタ16の出力信号が入力される。多点記録装置の場合、この増幅器17の出力信号は、図示しない減衰器等を用いて規格化された信号に変換され、アナログフィルタでノイズが除去されて、アナログデジタル変換器でデジタル値に変換される。アナログデジタル変換器は、電荷再配分型や積分型、ΔΣ型などの変換器が用いられる。
【0008】
次に、この電圧信号選択装置の動作を説明する。スイッチ部13〜15は、順番に、かつ一度に1つのスイッチ部のみがオンになるように制御される。すなわち、スイッチ部13がオン(スイッチ13aと13bがオン)のときは、スイッチ部14、15はオフにされる。
【0009】
スイッチ部13がオンになると、電圧信号1はフィルタ16に入力されてノイズが除去され、増幅器17で増幅されて出力される。スイッチ部14、15がオンのときは、それぞれ電圧信号2、電圧信号3がフィルタ16に入力される。このように、電圧信号1〜電圧信号3は順番に選択されて、増幅器17から出力される。
【0010】
入力端子とスイッチ部の対で1つのチャンネルが構成される。この電圧信号選択装置は3つのチャンネルを有し、各チャンネルに電圧信号1〜電圧信号3が印加される。なお、チャンネル数は4つ以上であってもよい。
【0011】
特許文献1には、図5と同様の構成の電圧信号選択装置を有する多点記録計が記載されている。特許文献1の図4には、入力切換機構2で複数の電圧信号の1つを選択し、増幅器3で増幅してA/D変換器4でデジタル値に変換する構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平9−210734号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、このような電圧信号選択装置には、次のような課題があった。
図5では、スイッチ部13〜15で電圧信号を選択した後、フィルタ16でノイズを除去する構成になっている。スイッチ部13〜15によって入力信号が切り替わった直後は、フィルタ16に入力される信号の電圧レベルは大きく変動する。
【0014】
入力された電圧信号のノイズ除去性能を高くするためには、フィルタ16の折れ点周波数を低くしなければならないが、折れ点周波数を低くすると、切り替わった直後の変動の影響が長く残り、フィルタ16の出力信号に誤差が発生する。このため、この変動がなくなるまで待たなければならないので、切り替え速度を速くすることができないという課題があった。
【0015】
例えば、商用周波数成分を除去するためには、抵抗16aの抵抗値を10kΩ、コンデンサ16bの容量値を1μFとして、折れ点周波数が16Hz程度のフィルタとしなければならない。折れ点周波数が16Hzのフィルタの時定数は10mSなので、信号の安定性を考えると、スイッチ部13〜15による切り替え時間をその数倍にしなければならない。このため、16チャンネルのサンプリングに数秒かかってしまう。
【0016】
また、切り替え速度を速くしようとすると、フィルタ16の折れ点周波数を高くしなければならず、ノイズを十分に除去することができないという課題もあった。
【0017】
本発明の目的は、ノイズを除去するフィルタの時定数を低くでき、かつ切り替え速度を速くすることができる電圧信号選択装置およびそれを用いた多点記録装置を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
このような課題を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、
複数の電圧信号を選択して出力する電圧信号選択装置において、
前記複数の電圧信号に1対1に対応し、対応する電圧信号が入力され、所定の周波数範囲の信号を通過させる複数のフィルタと、
前記複数のフィルタの出力信号が入力され、これらの信号の1つを選択して出力する選択部と、
を備えたものである。商用周波数成分などのノイズを除去し、かつ選択速度を速くすることができる。
【0019】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記フィルタとして、ローバスフィルタを用いたものである。商用周波数成分等高周波ノイズを除去できる。
【0020】
請求項3記載の発明は、請求項1若しくは請求項2に記載の発明において、
前記電圧信号を、差動電圧信号としたものである。差動信号を扱うことができる。
【0021】
請求項4記載の発明は、
複数の電圧信号が入力される、請求項1乃至請求項3いずれかに記載の電圧信号選択装置と、
前記電圧選択装置の出力信号に関連する値が入力され、この入力された値を記録する記録制御部と、
を具備したものである。ノイズを除去し、かつスキャン速度を高めることができる。
ものである。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば以下のような効果がある。
請求項1、2、および3の発明によれば、電圧信号をフィルタに入力してノイズを除去し、このノイズが除去された信号を選択部で選択するようにした。
【0023】
フィルタを選択部の前段に配置したので、フィルタの入力信号は選択部の動作には影響されない。このため、選択部の切り替え速度を速くし、かつフィルタの時定数を大きくすることができる。従って、商用周波数に起因するノイズ等低周波のノイズを除去することができるという効果がある。
【0024】
また、フィルタの入力信号は選択部の動作に影響されないので、選択部の動作を速くすることができる。特に、複数の電圧信号をスキャンする動作を繰り返す装置では、スキャン速度を速くすることができるという効果もある。
【0025】
さらに、請求項4によれば、この電圧信号選択装置を多点記録装置に適用することにより、ノイズを除去して、かつスキャン速度を速くすることができるので、変化の早い信号を正確に記録することができるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施例を示した構成図である。
【図2】図1の装置の動作を示したフローチャートである。
【図3】本発明の他の実施例を示した構成図である。
【図4】本発明に係る多点記録装置の構成図である。
【図5】従来の電圧信号選択装置の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下本発明を、図面を用いて詳細に説明する。図1は本発明に係る電圧信号選択装置の一実施例を示した構成図である。なお、図5と同じ要素には同一符号を付し、説明を省略する。
【0028】
図1において、入力端子10〜12には、それぞれ電圧信号1〜電圧信号3が印加される。これらの電圧信号の高電圧側信号はそれぞれ入力端子10〜12のH端子に印加され、低電圧側信号はそれぞれ入力端子10〜12のL端子に印加される。
【0029】
20はフィルタであり、抵抗20aおよびコンデンサ20bで構成される。抵抗20aの一端とコンデンサ20bの一端は接続される。抵抗20aとコンデンサ20bで、1次ローパスフィルタを構成している。抵抗20aの他端は入力端子10のH端子に接続され、コンデンサ20bの他端はL端子に接続される。
【0030】
21、22はフィルタであり、フィルタ20と同様の構成を有している。フィルタ21、22内の抵抗の他端は、それぞれ入力端子11、12のH端子に接続され、フィルタ21、22内のコンデンサの他端は、入力端子11、12のL端子に接続される。すなわち、フィルタ20〜22は電圧信号1〜電圧信号3に1対1に対応し、対応する電圧信号が入力される。
【0031】
フィルタ20〜22としてローパスフィルタが用いられる。フィルタ20〜22は、それぞれ入力端子10〜12に印加される電圧信号1〜電圧信号3に含まれる高周波ノイズを除去する。フィルタ20〜22は、信号領域の周波数成分のみ通過させ、ノイズ領域の周波数成分を除去する。
【0032】
23は選択部であり、スイッチ部13〜15で構成される。コンデンサ20bの両端は、それぞれスイッチ部13を構成する2つのスイッチの一方の端子に接続される。同様に、フィルタ21、22内のコンデンサの両端は、それぞれスイッチ部14、15を構成する2つのスイッチの一方の端子に接続される。コンデンサ20b、およびフィルタ21、22内のコンデンサの両端電圧は、それぞれフィルタ20〜22の出力信号である。すなわち、スイッチ部13〜15には、それぞれフィルタ20〜22の出力信号が入力される。
【0033】
スイッチ部13〜15を構成する2つのスイッチのうち、抵抗とコンデンサの接続点に接続されるスイッチの他端は、増幅器17の入力端子に接続される。他方のスイッチの他端は、共通電位点に接続される。増幅器17には、選択部23で選択された電圧信号が入力される。
【0034】
スイッチ部13〜15内の2つのスイッチは、連動して動作する。これら2つのスイッチがオンのときは、対応するスイッチ部がオンであるとし、2つのスイッチがオフのときは、対応するスイッチ部がオフであるとする。
【0035】
24はフィルタであり、抵抗24aおよびコンデンサ24bで構成される。抵抗24aとコンデンサ24bの一端は接続され、抵抗24aの他端は増幅器17の出力端子に接続され、コンデンサ24bの他端は共通電位点に接続される。抵抗24aとコンデンサ24bで1次ローパスフィルタを構成している。フィルタ24は、増幅器17の出力信号に含まれるノイズを除去する。
【0036】
入力端子とそれに接続されるフィルタおよびスイッチ部(例えば入力端子10とフィルタ20、およびスイッチ部13)でチャンネルを構成している。この電圧信号選択装置は3つのチャンネルを具備し、各チャンネルにはそれぞれ電圧信号1〜電圧信号3が印加される。
【0037】
次に、図2フローチャートに基づいてこの実施例の動作を説明する。なお、チャンネルの数は3とし、入力端子10〜12にそれぞれ電圧信号1〜電圧信号3が印加されるものとする。
【0038】
図2において、最初に工程(P2−1)でスイッチ部13〜15を全てオフにする。次に、工程(P2−2)でスイッチ部13をオンにする。電圧信号1はスイッチ部13を経由して増幅器17に入力され、フィルタ24を経由して出力される。工程(P2−3)で、図示しない測定装置で電圧信号1を測定し、測定終了後、工程(P2−4)でスイッチ部13をオフにして、工程(2−5)で所定時間待機する。
【0039】
次に、工程(P2−6)でスイッチ部14をオンにする。電圧信号2はスイッチ部14を経由して増幅器17に入力され、フィルタ24を経由して出力される。工程(P2−7)で、図示しない測定装置で電圧信号2を測定し、測定終了後、工程(P2−8)でスイッチ部14をオフにして、工程(2−9)で所定時間待機する。
【0040】
次に、工程(P2−10)でスイッチ部15をオンにする。電圧信号3はスイッチ部15を経由して増幅器17に入力され、フィルタ24を経由して出力される。工程(P2−11)で、図示しない測定装置で電圧信号3を測定し、測定終了後、工程(P2−12)でスイッチ部15をオフにして、工程(2−13)で所定時間待機する。
【0041】
次に、工程(P2−14)で全測定を終了するかどうかを判断し、全測定を終了しない(NO)と判断すると、工程(P2−2)に戻って同じ工程を繰り返す。なお、工程(P2−5)、(P2−9)、(P2−13)で所定時間待機するのは、前後でオンになるチャンネルとの干渉を避けるためである。
【0042】
図1から明らかなように、フィルタ20〜22は、それぞれスイッチ部13〜15の前段に配置されている。このため、スイッチ部13〜15が切り替わっても、フィルタ20〜22の入力信号は変化しない。
【0043】
従って、フィルタ20〜22の時定数は、スイッチ部13〜15の動作とは無関係に設定することができる。例えば、抵抗20aを10kΩ、抵抗20bを1μFとすると、フィルタ20の折れ点周波数(3dB減衰する周波数)は16Hzになり、商用周波数成分を十分減衰させることができる。
【0044】
前述したように、フィルタ20〜22に入力される電圧信号は、スイッチ部13〜15の動作には影響されない。従って、スイッチ部13〜15のオンオフ周期は、フィルタ20〜22の時定数とは無関係に、スイッチ部自体の動作/復帰時間(例えば1mS)等の特性で設定することができる。例えば、1チャンネル当たりの処理時間を、待機時間を含めて数mSに設定すると、チャンネル数が16であっても、各チャンネルを100mS程度の周期で測定することができる。
【0045】
なお、図1ではチャンネル数を3としたが、2であっても良く、また4以上であっても良い。チャンネル数は、測定する電圧信号の数、および要求される測定周期に基づいて任意に定めることができる。
【0046】
図3に、電圧信号が差動信号である場合の実施例を示す。なお、図1と同じ要素には同一符号を付し、説明を省略する。
【0047】
図3において、30はフィルタであり、抵抗30aおよび30b、コンデンサ30cで構成される。抵抗30aと30bの一端は入力端子10のH端子、L端子に接続され、他端はコンデンサ30cの両端に接続される。
【0048】
31、32はフィルタであり、フィルタ30と同様に2つの抵抗と1つのコンデンサで構成される。フィルタ31、32内の抵抗の一端は、それぞれ入力端子11、12のH端子、L端子に接続される。すなわち、フィルタ30〜32には、それぞれ差動電圧信号1〜差動電圧信号3が入力される。
【0049】
33は選択部、34〜36はスイッチ部である。選択部33はスイッチ部34〜36で構成される。
【0050】
スイッチ部34は、スイッチ部13と同様に2つのスイッチで構成される。この2つのスイッチの一端はコンデンサ30cの両端に接続される。スイッチ部35、36は、スイッチ部34と同様の構成を有している。スイッチ部35、36内のスイッチの一端は、それぞれフィルタ31、32の出力側に接続される。すなわち、スイッチ部34〜36には、それぞれフィルタ30〜32の出力信号が入力される。
【0051】
39は差動増幅器である。スイッチ部34〜36内の一方のスイッチの他端は共通接続され、差動増幅器39の非反転入力端子に接続される。スイッチ部34〜36内の他方のスイッチの他端は共通接続され、差動増幅器39の反転入力端子に接続される。差動増幅器39の出力はフィルタ24に入力される。差動増幅器39には、選択部33で選択された電圧信号が入力される。
【0052】
37、38は直列接続されたダイオードであり、そのカソードは正電源Vccに接続され、アノードは共通電位点に接続される。また、2つのダイオードの接続点は、それぞれ差動増幅器39の非反転、反転入力端子に接続される。ダイオード37、38は、差動増幅器39に過電圧が印加されるのを防止する。
【0053】
入力端子10〜12には、それぞれ電圧信号1〜電圧信号3が印加される。これらの電圧信号は、フィルタ30〜32でノイズが除去され、スイッチ部34〜36で選択されて差動増幅器39に入力される。
【0054】
動作は図2フローチャートとほぼ同じである。スイッチ部34〜36は順番にオンにされ、差動増幅器39には電圧信号1〜電圧信号3が順番に入力される。この実施例でも、フィルタ30〜32はそれぞれスイッチ部34〜36の前段に配置されているので、フィルタ30〜32の時定数をスイッチ部34〜36の動作とは無関係に設定できる。
【0055】
図4に、図1あるいは図3の電圧切り替え装置を用いた多点記録装置の構成を示す。図4において、40は電圧信号選択装置であり、図1あるいは図3の構成を有する。電圧信号選択装置40には入力信号1〜入力信号nのn個の入力信号が入力される。電圧信号選択装置40は、図2フローチャートに示すように、入力信号1〜入力信号nを1つずつ選択して出力する動作を繰り返す。
【0056】
41はA/D変換部であり、電圧信号選択装置40の出力信号が入力され、この入力された信号をデジタル値に変換して出力する。
【0057】
42は演算部であり、A/D変換器41で変換されたデジタル値が入力される。演算部42は入力されたデジタル値を一時記憶部43に格納し、また順番を並び替える等の演算処理を施し、出力する。
【0058】
44は記録制御部であり、演算部42が演算処理した結果が入力される。記録制御部44は、入力されたデジタル値を記録する。例えば、多点記録計では入力信号に対応する色のペンを選択し、このペンを移動させるキャリッジモータを制御してペンを移動させ、打点する。また、データロガーでは、入力されたデジタル値に測定時刻などの情報を付加して記憶し、また外部に送信する。
【0059】
なお、図2フローチャートでは、スイッチ部を操作して複数の電圧信号を順番に選択する構成としたが、必ずしも順番に選択するものでなくてもよい。決められた規則に従って複数の電圧信号を選択するものであればよい。
【0060】
また、選択部23、33を複数のスイッチ部で構成したが、必ずしもこの構成に限定されることはない。要は、複数の電圧信号のうち1つを選択して出力する構成であればよい。
【0061】
また、フィルタ20〜22、30〜32は抵抗とコンデンサで構成された1次ローパスフィルタとしたが、この構成に限定されることはない。信号の周波数成分を通過させ、電圧信号に重畳しているノイズを除去できるものであれば他の構成でも良く、またローバスフィルタでなくてもよい。
【0062】
また、選択部23、33で選択した電圧信号を増幅器17、39、フィルタ24に入力する構成としたが、増幅器17、39とフィルタ24は省略することができる。
【0063】
また、図4のA/D変換器41、演算部42は必須要素ではない。記録制御部44に選択された電圧信号を入力するようにしてもよい。
【0064】
さらに、この電圧信号選択装置は、図4に示した多点記録計あるいはデータロガーだけでなく、複数の電圧信号を選択することが要求される他の装置に適用することもできる。
【符号の説明】
【0065】
10〜12 入力端子
13〜15、34〜36 スイッチ部
17 増幅器
20〜22、24、30〜32 フィルタ
20a、24a、30a、30b 抵抗
20b、24b、30c コンデンサ
23、33 選択部
39 差動増幅器
40 電圧信号選択装置
41 A/D変換器
42 演算部
43 一時記憶部
44 記録制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電圧信号を選択して出力する電圧信号選択装置において、
前記複数の電圧信号に1対1に対応し、対応する電圧信号が入力され、所定の周波数範囲の信号を通過させる複数のフィルタと、
前記複数のフィルタの出力信号が入力され、これらの信号の1つを選択して出力する選択部と、
を備えたことを特徴とする電圧信号選択装置。
【請求項2】
前記フィルタは、ローバスフィルタであることを特徴とする請求項1記載の電圧信号選択装置。
【請求項3】
前記電圧信号は、差動電圧信号であることを特徴とする請求項1若しくは請求項2記載の電圧信号選択装置。
【請求項4】
複数の電圧信号が入力される、請求項1乃至請求項3いずれかに記載の電圧信号選択装置と、
前記電圧選択装置の出力信号に関連する値が入力され、この入力された値を記録する記録制御部と、
を具備したことを特徴とする多点記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−40901(P2013−40901A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−179741(P2011−179741)
【出願日】平成23年8月19日(2011.8.19)
【出願人】(000006507)横河電機株式会社 (4,443)
【出願人】(596157780)横河メータ&インスツルメンツ株式会社 (43)
【上記1名の代理人】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
【Fターム(参考)】