説明

電圧検出装置

【課題】 高い感度で電位差を測定できる電圧検出装置を提供する。
【解決手段】 この電圧検出装置1のセンサヘッド11では、人体などの検出点にセンサ信号用電極111を接触させ、センサグランド用電極112を基準点に接触またはフローティングにすると、センサグランド用電極112に対するセンサ信号用電極111の電圧がレーザダイオードLDに印加され、レーザダイオードLDがその電圧に応じた強度の光を出射する。この電圧検出装置1によれば、レーザダイオードLDを検出点に電気的に接続したことで、EO結晶を用いたときのように低感度になってしまうことがなく、よって、高い感度で電圧を検出することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高い感度で電圧を検出できる電圧検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば、人体上の検出点の電圧を検出することで、その電圧が様々な用途に利用される。
【0003】
図9は、人体上の検出点の電圧を検出するシステムの構成図である。
【0004】
図9に示すように、人体上の検出点に接触させたセンサ信号用電極111のセンサグランド用電極112に対する電圧をセンサヘッド11Eで光に変換し、この光を信号処理装置13で電気信号に変換する。センサヘッド11Eや信号処理装置13は外部から電力供給を受ける場合には大地グランドに接地されることが多い。
【0005】
図10(a)は、人体を伝搬した電気信号を検出するシステムの中でも人体の2点に電極を接触させるシステムの構成図であり、図10(b)は、同様のシステムだが人体の1点に電極を接触させるシステムの構成図である。
【0006】
なお、図10(a)や図10(b)のシステムでは、センサヘッド11Eと信号処理装置13が可搬可能であり、よって、これらは大地グランドに接地されていないことが多い。
【0007】
図10(a)のシステムでは、人体に接触させた信号印加用電極14に信号源15から電気信号を印加すると、人体上のセンサ信号用電極111にはセンサグランド用電極112に対する電圧が生じるので、図9のシステムと同様にこの電圧を検出する。
【0008】
図10(b)のシステムでは、同様に、信号印加用電極14に電気信号を印加すると、人体上のセンサ信号用電極111には大地グランドに対する電圧が生じ、これにより、センサ信号用電極111には、どこにも接触させていないセンサグランド用電極112に対しても少なからず電圧を生じるので、図9のシステムと同様にこの電圧を検出する。
【0009】
図11は、図9や図10(a)や図10(b)のシステムにおけるセンサヘッド11Eと信号処理装置13の構成図である。
【0010】
センサヘッド11Eでは、電圧源VS5から電流を供給されたレーザダイオードLDからの光が電気光学(Electro-Optic、以下、EOと略す)結晶113を通過し、そしてその一部が偏光ビームスプリッタPBSを通過して出射する。その光を信号処理装置13の光検出器PDが受光して電流に変換すると抵抗R2の両端に電圧が生じる。さらに、センサ信号用電極111にセンサグランド用電極112に対する電圧が生じると、これら電極に接続され且つEO結晶113を挟んでいる電極114,115よりEO結晶113に電界が結合されてその偏光状態が変化し、つまりEO効果が生じ、これにより、抵抗R2の両端の電圧が変化する。
【0011】
図11のシステムでは、被測定電圧を印加する電極対である、センサ信号用電極およびセンサグランド用電極が、いずれも回路グランドから絶縁されている。一般に回路グランドの電位は不安定であるが、それらの電極が回路グランドから絶縁されているので、図11のシステムには、電位が不安定な回路グランドの影響を受けずに被測定電圧を正確に検出できるという利点がある。
【特許文献1】特許3507007号公報
【特許文献2】特許3507008号公報
【特許文献3】特開2003−98205号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、図11のシステムでは、EO結晶におけるEO効果を利用して電圧を検出しているため、高い感度で電圧を検出することが難しい。また、EO結晶や偏光ビームスプリッタなどの光学素子によりセンサヘッドがコスト高になってしまうことがある。
【0013】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、信号処理装置の回路グランドの影響を避けつつ、高い感度で電圧を検出できる電圧検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために、請求項1の本発明は、電圧の検出点に電気的に接続されて当該検出点の電圧に応じた強度の光を出射する光源と、この光源からの光を受光し当該光を該光の強度に応じた大きさの電気信号に変換する光検出器とを備えたことを特徴とする電圧検出装置をもって解決手段とする。
【0015】
請求項1の本発明によれば、光源を電圧の検出点に電気的に接続したことで、EO結晶を用いたときのように低感度になってしまうことがなく、よって、高い感度で電圧を検出することができる。
【0016】
請求項2の本発明は、電圧の検出点と前記光源との間に、入力インピーダンスが高く出力インピーダンスが低いインピーダンス変換器を備えたことを特徴とする請求項1記載の電圧検出装置をもって解決手段とする。
【0017】
請求項2の本発明によれば、電圧の検出点と光源との間に、入力インピーダンスが高く出力インピーダンスが低いインピーダンス変換器を備えたことで、光源の入力インピーダンスが低い場合でも、被測定電圧に応じて光源を駆動できる。
【0018】
請求項3の本発明は、電圧源と、この電圧源の電圧を、電圧の検出点の電圧に加算する加算器とを備えたことを特徴とする請求項1または2記載の電圧検出装置をもって解決手段とする。
【0019】
請求項3の本発明によれば、電圧源と、この電圧源の電圧を、電圧の検出点の電圧に加算する加算器とを備えたことで、電圧のしきい値をもつ光源から光を出射させることができ、よって、電圧のしきい値をもつ光源を用いて、検出点の電圧を検出できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の電圧検出装置によれば、光源を電圧の検出点に電気的に接続したことで、EO結晶を用いたときのように低感度になってしまうことがなく、よって、高い感度で電圧を検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0022】
[第1の実施の形態]
図1は、本実施の第1の実施の形態に係る電圧検出装置1の構成図である。
【0023】
電圧検出装置1は、センサヘッド11と信号処理装置12とから構成される。
【0024】
センサヘッド11は、人体などの電圧の検出点に接触させられるセンサ信号用電極111と、電圧検出の基準点に接触またはフローティングにされるセンサグランド用電極112とを備え、また、センサ信号用電極111にアノードを、センサグランド用電極112にカソードをそれぞれ接続されたレーザダイオードLDを光源として備える。R1は、レーザダイオードLDの内部抵抗を明示したものである。
【0025】
信号処理装置12は、レーザダイオードLDからの光を受光し当該光を該光の強度に応じた大きさの電流に変換する光検出器PDを備える。光検出器PDのカソードは電圧源VS1の正電圧端子に接続され、電圧源VS1の負電圧端子は、信号処理装置12の回路グランドに接続される。光検出器PDのアノードと信号処理装置12の回路グランドとの間には抵抗R2が接続される。
【0026】
この電圧検出装置1のセンサヘッド11では、人体などの電圧の検出点にセンサ信号用電極111を接触させ、センサグランド用電極112を電圧検出の基準点に接触またはフローティングにすると、センサグランド用電極112に対するセンサ信号用電極111の電圧がレーザダイオードLDに印加され、レーザダイオードLDがその電圧に応じた強度の光を出射する。
【0027】
電圧検出装置1の信号処理装置12では、光検出器PDがレーザダイオードLDからの光を受光し当該光を該光の強度に応じた大きさの電流に変換する。これにより、抵抗R2の両端には検出点の電圧に応じた大きさの電圧が現れる。
【0028】
以上のように、電圧検出装置1によれば、レーザダイオードLDを電圧の検出点に電気的に接続したことで、EO結晶を用いたときのように低感度になってしまうことがなく、よって、高い感度で電圧を検出することができる。
【0029】
また、センサ信号用電極およびセンサグランド用電極が、いずれも信号処理装置の回路グランドから絶縁されているので、回路グランドの不安定な電位の影響を受けずに検出を行うことができる。
【0030】
[第2の実施の形態]
図2は、本実施の第2の実施の形態に係る電圧検出装置2の構成図である。ここからは、電圧検出装置の構成要素の中で同一のものには同一符号を付すことにする。
【0031】
電圧検出装置2は、センサヘッド11Aと信号処理装置12とから構成される。
【0032】
センサヘッド11Aでは、電圧源VS2から電力を供給され、グランド端子をセンサヘッド11Aの回路グランドに接続したインピーダンス変換器ICVの一方の入力端子に、センサ信号用電極111が接続され、他方の入力端子にセンサグランド用電極112が接続される。インピーダンス変換器ICVの出力端子はレーザダイオードLDのアノードに接続され、レーザダイオードLDのカソードはセンサヘッド11Aの回路グランドに接続されている。
【0033】
なお、電圧検出装置2の信号処理装置12は、電圧検出装置1のものと同じであるので構成の説明を省略する。
【0034】
図3は、電圧検出装置2の具体例の構成図である。
【0035】
電圧検出装置2の具体例では、インピーダンス変換器ICVの具体例であるオペアンプOP1に電圧源VS2から電力が供給され、このオペアンプOP1のグランド端子はセンサヘッド11Aの回路グランドに接続される。
【0036】
オペアンプOP1の正入力端子にはセンサ信号用電極111が接続され、オペアンプOPの出力端子はレーザダイオードLDのアノード並びにオペアンプOP1の負入力端子に接続される。レーザダイオードLDのカソードはセンサヘッド11Aの回路グランドに接続される。
【0037】
つまり、電圧検出装置2の具体例では、オペアンプOP1を電圧フォロワとして用いている。
【0038】
図3の電圧検出装置2のセンサヘッド11Aでは、人体などの電圧の検出点にセンサ信号用電極111を接触させ、センサグランド用電極112を基準点に接触またはフローティングにすると、センサグランド用電極112に対するセンサ信号用電極111の電圧がオペアンプOPの出力端子に現れる。これにより、レーザダイオードLDがその電圧に応じた強度の光を出射する。以下、信号処理装置12での動作は電圧検出装置1のときと同様である。
【0039】
以上のように、電圧検出装置2によれば、レーザダイオードLDを電圧の検出点に電気的に接続したことで、EO結晶を用いたときのように低感度になってしまうことがなく、よって、高い感度で電圧を検出することができる。
【0040】
さらに、電圧検出装置2のセンサヘッド11Aを構成するオペアンプOP1の入力端子はインピーダンスが高く出力端子はインピーダンスが低いので、低い内部抵抗をもつ、つまり低入力インピーダンスのレーザダイオードLDから高強度の光を出射させることができる。したがって、検出点の電圧を高い感度で検出することができる。
【0041】
なお、電圧検出装置2の具体例では、オペアンプOP1を電圧フォロワとして用いたが、オペアンプOP1を反転増幅器または非反転増幅器として用いることで、検出点の電圧を利得倍した電圧によってレーザダイオードLDから光を出射させることができるので、電圧検出装置2の感度をより向上させることができる。
【0042】
[第3の実施の形態]
図4は、本実施の第3の実施の形態に係る電圧検出装置3の構成図である。
【0043】
電圧検出装置3は、センサヘッド11Bと信号処理装置12とから構成される。
【0044】
センサヘッド11Bでは、電圧源VS3に電力を供給され、グランド端子をセンサヘッド11Bの回路グランドに接続した能動加算器ADAの一方の入力端子がセンサ信号用電極111に接続され、他方の入力端子が電圧源VS4を介してセンサグランド用電極112に接続される。センサグランド用電極112はセンサヘッド11Bの回路グランドに接続される。
【0045】
能動加算器ADAの出力端子はレーザダイオードLDのアノードに接続され、レーザダイオードLDのカソードはセンサヘッド11Bの回路グランドに接続されている。
【0046】
なお、電圧検出装置3の信号処理装置12は、電圧検出装置1などのものと同じであるので構成の説明を省略する。
【0047】
図5は、電圧検出装置3の具体例の構成図である。
【0048】
電圧検出装置3の具体例では、能動加算器ADAの具体例であるオペアンプOP2に電圧源VS3から電力が供給され、オペアンプOP2のグランド端子がセンサヘッド11Bの回路グランドに接続される。
【0049】
オペアンプOP2の負入力端子には、抵抗R3を介してセンサ信号用電極111が接続される。また、センサグランド用電極112はセンサヘッド11Bの回路グランドに接続され、この回路グランドに負電圧端子を接続した電圧源VS4の正電圧端子が抵抗R4を介してオペアンプOP2の負入力端子に接続される。
【0050】
オペアンプOP2の正入力端子は抵抗R5を介してセンサヘッド11Bの回路グランドに接続されている。
【0051】
オペアンプOP2の出力端子はレーザダイオードLDのアノードに接続され、また、抵抗R6を介して、オペアンプOP2の負入力端子に接続されている。レーザダイオードLDのカソードはセンサヘッド11Bの回路グランドに接続されている。
【0052】
図5の電圧検出装置3のセンサヘッド11Bでは、人体などの電圧の検出点にセンサ信号用電極111を接触させ、センサグランド用電極112を基準点に接触またはフローティングにすると、センサグランド用電極112に対するセンサ信号用電極111の電圧に、電圧源VS4の正電圧端子と負電圧端子との間の電圧を加算したときの、加算後の電圧がオペアンプOP2で利得倍され、オペアンプOPの出力端子に現れる。これにより、レーザダイオードLDがその利得倍した電圧に応じた強度の光を出射する。以下、信号処理装置12での動作は電圧検出装置1などのときと同様である。
【0053】
以上のように、電圧検出装置3によれば、レーザダイオードLDを電圧の検出点に電気的に接続したことで、EO結晶を用いたときのように低感度になってしまうことがなく、よって、高い感度で電圧を検出することができる。
【0054】
さらに、電圧源VS4と、この電圧源VS4の電圧を、検出点の電圧に加算する能動加算器ADAを設けたことで、電圧のしきい値をもつレーザダイオードLD(電圧のしきい値を越えないと光を出射しないレーザダイオード)から光を出射させることができ、よって、電圧のしきい値をもつレーザダイオードLDを用いて、検出点の電圧を検出することができる。
【0055】
[第4の実施の形態]
図6は、本実施の第4の実施の形態に係る電圧検出装置4の構成図である。
【0056】
電圧検出装置4は、センサヘッド11Cと信号処理装置12とから構成される。
【0057】
センサヘッド11Cでは、グランド端子をセンサヘッド11Cの回路グランドに接続した受動加算器ADPの一方の入力端子がセンサ信号用電極111に接続され、他方の入力端子が電圧源VS5を介してセンサグランド用電極112に接続される。センサグランド用電極112はセンサヘッド11Cの回路グランドに接続される。
【0058】
受動加算器ADPの出力端子はレーザダイオードLDのアノードに接続され、レーザダイオードLDのカソードはセンサヘッド11Cの回路グランドに接続されている。
【0059】
なお、電圧検出装置4の信号処理装置12は、電圧検出装置1などのものと同じであるので構成の説明を省略する。
【0060】
図7は、電圧検出装置4の具体例の構成図である。
【0061】
電圧検出装置4の具体例では、センサ信号用電極111にキャパシタCの一方の電極が接続され、キャパシタCの他方の電極は、インダクタLの一方の端子、並びにレーザダイオードLDのアノードに接続される。
【0062】
インダクタLの他方の端子は、電圧源VS3の正電圧端子に接続され、電圧源VS3の負電圧端子とセンサグランド用電極112とが、センサヘッド11Cの回路グランドに接続される。
【0063】
図7の電圧検出装置4のセンサヘッド11Cでは、人体などの電圧の検出点にセンサ信号用電極111を接触させ、センサグランド用電極112を基準点に接触またはフローティングにすると、センサグランド用電極112に対するセンサ信号用電極111の電圧の交流成分と、電圧源VS5の正電圧端子と負電圧端子との間の電圧とを加算した信号が、キャパシタCとインダクタLとの接続点に現れる。これにより、レーザダイオードLDがその信号に応じた強度の光を出射する。以下、信号処理装置12での動作は電圧検出装置1などのときと同様である。
【0064】
以上のように、電圧検出装置4によれば、レーザダイオードLDを電圧の検出点に電気的に接続したことで、EO結晶を用いたときのように低感度になってしまうことがなく、よって、高い感度で電圧を検出することができる。
【0065】
さらに、電圧源VS5と、この電圧源VS5の電圧を、検出点の電圧に加算する受動加算器ADPを設けたことで、電圧のしきい値をもつレーザダイオードLDから光を出射させることができ、よって、電圧のしきい値をもつレーザダイオードLDを用いて検出点の電圧の交流成分を検出することができる。
【0066】
[第5の実施の形態]
図8は、本実施の第5の実施の形態に係る電圧検出装置5の構成図である。
【0067】
電圧検出装置5は、センサヘッド11Dと信号処理装置12とから構成される。
【0068】
センサヘッド11Dでは、電圧源VS2から電力を供給され、グランド端子をセンサヘッド11Dの回路グランドに接続したインピーダンス変換器ICVの一方の入力端子に、センサ信号用電極111が接続され、他方の入力端子にセンサグランド用電極112が接続される。
【0069】
また、センサヘッド11Dでは、電圧源VS3に電力を供給され、グランド端子をセンサヘッド11Dの回路グランドに接続した能動加算器ADAの一方の入力端子が、インピーダンス変換器ICVの出力端子に接続され、他方の入力端子が電圧源VS4を介してセンサヘッド11Dの回路グランドに接続される。センサグランド用電極112はセンサヘッド11Dの回路グランドに接続される。
【0070】
また、センサヘッド11Dでは、能動加算器ADAの出力端子はレーザダイオードLDのアノードに接続され、レーザダイオードLDのカソードはセンサヘッド11Dの回路グランドに接続されている。
【0071】
なお、電圧検出装置5の信号処理装置12は、電圧検出装置1などのものと同じであるので構成の説明を省略する。
【0072】
また、インピーダンス変換器ICVは前述のようにオペアンプOP1で構成され、能動加算器ADAは前述のようにオペアンプOP2で構成されたこととする。
【0073】
図8の電圧検出装置5のセンサヘッド11Dでは、人体などの電圧の検出点にセンサ信号用電極111を接触させ、センサグランド用電極112を基準点に接触またはフローティングにすると、センサグランド用電極112に対するセンサ信号用電極111の電圧がインピーダンス変換器ICVの出力端子に現れる。
【0074】
また、センサグランド用電極112に対するセンサ信号用電極111の電圧の交流成分と、電圧源VS4の正電圧端子と負電圧端子との間の電圧とを加算したときの、加算後の電圧に応じた電圧が能動加算器ADAの出力端子に現れる。これにより、レーザダイオードLDがその電圧に応じた強度の光を出射する。以下、信号処理装置12での動作は電圧検出装置1などのときと同様である。
【0075】
以上のように、電圧検出装置5によれば、レーザダイオードLDを電圧の検出点に電気的に接続したことで、EO結晶を用いたときのように低感度になってしまうことがなく、よって、高い感度で電圧を検出することができる。
【0076】
さらに、各オペアンプOPの入力端子はインピーダンスが高く出力端子はインピーダンスが低いので、低入力インピーダンスのレーザダイオードLDから高強度の光を出射させることができる。
【0077】
さらに、電圧源VS4と、この電圧源VS4の電圧を、検出点の電圧に加算する受動加算器ADPを設けたことで、電圧のしきい値をもつレーザダイオードLDから光を出射させることができ、よって、電圧のしきい値をもつレーザダイオードLDを用いて、検出点の電圧を検出することができる。
【0078】
なお、以上の説明では、光源としてレーザダイオードLDを用いたが、光源には発光ダイオードなどを用いても勿論よい。
【0079】
また、以上の説明では、人体など検出点の電圧を検出することを例としたが、本実施の形態の電圧検出装置は、人体以外、例えば電子機器などの検出点の電圧を検出することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本実施の第1の実施の形態に係る電圧検出装置1の構成図である。
【図2】本実施の第2の実施の形態に係る電圧検出装置2の構成図である。
【図3】電圧検出装置2の具体例の構成図である。
【図4】本実施の第3の実施の形態に係る電圧検出装置3の構成図である。
【図5】電圧検出装置3の具体例の構成図である。
【図6】本実施の第4の実施の形態に係る電圧検出装置4の構成図である。
【図7】電圧検出装置4の具体例の構成図である。
【図8】本実施の第5の実施の形態に係る電圧検出装置5の構成図である。
【図9】人体上の検出点の電圧を測定するシステムの構成図である。
【図10】図10(a)は、人体の2点に電極を接触させるシステムの構成図であり、図10(b)は、人体の1点に電極を接触させるシステムの構成図である。
【図11】図11は、図9や図10(a)や図10(b)のシステムにおけるセンサヘッド11Eと信号処理装置13の構成図である。
【符号の説明】
【0081】
1,2,3,4,5 電圧検出装置
11,11A,11B,11C,11D センサヘッド
12 信号処理装置
111 センサ信号用電極
112 センサグランド用電極
ADA 能動加算器
ADP 受動加算器
ICV インピーダンス変換器
LD レーザダイオード
PD 光検出器
VS1,VS2,VS3,VS4,VS5 電圧源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電圧の検出点に電気的に接続されて当該検出点の電圧に応じた強度の光を出射する光源と、
この光源からの光を受光し当該光を該光の強度に応じた大きさの電気信号に変換する光検出器とを備えたことを特徴とする電圧検出装置。
【請求項2】
電圧の検出点と前記光源との間に、入力インピーダンスが高く出力インピーダンスが低いインピーダンス変換器を備えたことを特徴とする請求項1記載の電圧検出装置。
【請求項3】
電圧源と、この電圧源の電圧を、電圧の検出点の電圧に加算する加算器とを備えたことを特徴とする請求項1または2記載の電圧検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−47202(P2006−47202A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−231286(P2004−231286)
【出願日】平成16年8月6日(2004.8.6)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】