説明

電圧測定装置における電圧分圧精度を測定する方法、電力機器の電圧測定装置、試験装置、コネクタ装置

【課題】電圧測定装置と分圧精度測定装置間のケーブル静電容量や分圧精度測定装置の入力インピーダンスが不十分であっても、電圧測定装置の出力値や位相角の変化を抑制して、測定誤差を小さくでき、測定精度を高くすることができる電圧測定装置における電圧分圧精度を測定する方法、電力機器の電圧測定装置、試験装置、及びコネクタ装置を提供する。
【解決手段】
雌型接触子52,54と、第2コンデンサ回路12の分圧電圧測定のための端子T1,T2間にボルテージ・フォロワ回路30を接続する。この結果、電圧測定装置10から回路30の入力側迄の回路を短くできるため、回路30の入力側の静電容量を非常に小さくでき、入力インピーダンスを非常に大きくできる。回路30の出力側の出力インピーダンスを非常に小さくできるため、回路30の入出力側回路が与える入出力特性誤差を無視できる検査試験ができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電圧測定装置における電圧分圧精度を測定する方法、電力機器の電圧測定装置、試験装置、コネクタ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電力機器に搭載され、配電線の相電圧を検出する電圧測定装置として、特許文献1が知られている。特許文献1の電圧測定装置は、コンデンサ分圧方式で電圧測定を行うようにされており、具体的には、高電圧側コンデンサと低電圧側コンデンサとを互いに直列に接続したコンデンサ直列回路が用いられている。そして、相電圧はこのコンデンサ直列回路の両端に入力され、高電圧側コンデンサの静電容量と低電圧側コンデンサの静電容量との比に応じて分圧されるが、相電圧の検出は、低電圧側コンデンサに分圧された分圧電圧に基づいて行われる。
【0003】
図10は、コンデンサ分圧方式の電圧測定装置に含まれる一対のコンデンサ回路100,200の直列回路を示している。なお、図10では、説明の便宜上、一相分の電圧測定を行う回路分のみを示している。ここで、以下、コンデンサ回路100は、高電圧側コンデンサ回路といい、コンデンサ回路200を、低電圧側コンデンサ回路という。
【0004】
同図において、該直列回路の両端子のうち、一方の端子は、一相の配電線Lに対して接続される入力端子T100とされ、他方の端子は接地されるとともに、第1出力端子T110とされている。又、高電圧側コンデンサ回路100と、低電圧側コンデンサ回路200の接続点は、第2出力端子T120に接続されている。
【0005】
配電線Lの電圧(相電圧)を、Vinとすると、第1出力端子T110と第2出力端子T120出力端子間の分圧出力Voutは、
Vout = {C1/(C1+C2)}Vin
となる。なお、C1は高電圧側コンデンサ回路100の静電容量であり、C2は低電圧側コンデンサ回路200の静電容量である。
【0006】
又、分圧比は、下記の通りである。
分圧比=C1/(C1+C2)
ところで、従来上記電圧測定装置の電圧分圧精度を測定する場合、前記コンデンサ回路100,200と同じ回路構成・回路定数のコンデンサ型基準器を別途用意し、この基準器と測定対象の電圧測定装置に同一の電圧を印加し、それぞれの出力を比較することにより、測定対象の電圧測定装置の電圧分圧精度と位相角誤差を測定するようにしている。なお、前記基準器は、予め公の校正機関によって校正がされている。又、出力比較により、電圧分圧精度を測定する装置(以下、分圧精度測定装置という)としては、一般的には、計器用変成器誤差試験装置(例えば、総研電気株式会社製 DAC-VTC-6)が用いられている。
【特許文献1】特許第3632920号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、前記電圧測定装置は、一般に、静電容量が非常に小さな(例えば、数十pF〜数百pF程度)コンデンサのみで構成されているため、電圧測定装置内のインピーダンスは非常に高くなる。よって、該電圧測定装置と分圧精度測定装置間のケーブル静電容量や分圧精度測定装置の入力インピーダンスにより、電圧測定装置の出力値や位相角が変化するので正確な測定が困難となっている。この影響をなくすために、コンデンサ型基準器の静電容量を電圧測定装置と同じ静電容量としたり、電圧測定装置・分圧精度測定装置間、及びコンデンサ型基準器・分圧精度測定装置間のそれぞれのケーブルを同一品(例えば型式や、ケーブル長が同じもの)を採用したりしている。又、電圧測定装置及びコンデンサ型基準器にそれぞれに接続する分圧精度測定装置の入力インピーダンスを同一値の高インピーダンス(例えば、1MΩ)にして対応することも考えられる。
【0008】
しかし、ケーブル間の静電容量に僅かな差が生じたり、分圧精度測定装置の入力インピーダンスが不十分であることなどから、高精度な測定をすることは依然として困難であった。
【0009】
本発明の目的は、電圧測定装置と分圧精度測定装置間のケーブル静電容量や分圧精度測定装置の入力インピーダンスが不十分であっても、電圧測定装置の出力値や位相角の変化を抑制して、測定誤差を小さくでき、その結果、測定精度を高くすることができる電圧測定装置における電圧分圧精度を測定する方法を提供することにある。
【0010】
又、本発明の目的は、上記方法を実現するための電力機器の電圧測定装置、試験装置、及びコネクタ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に記載の発明は、第1コンデンサ回路と第2コンデンサ回路を直列接続し、第2コンデンサ回路の分圧電圧を測定可能にした電圧測定装置における電圧分圧精度を測定する方法において、前記第2コンデンサ回路の分圧電圧を、ボルテージ・フォロワ回路を介して測定することを特徴とする電圧測定装置における電圧分圧精度を測定する方法を要旨とするものである。
【0012】
請求項2の発明は、第1コンデンサ回路と第2コンデンサ回路を直列接続し、第2コンデンサ回路の分圧電圧により相電圧を測定可能にした電力機器の電圧測定装置において、外部接続可能なコネクタ出力端子を有し、前記コネクタ出力端子と、前記第2コンデンサ回路の分圧電圧測定のための端子との間に、ボルテージ・フォロワ回路が接続されていることを特徴とする電力機器の電圧測定装置を要旨とするものである。
【0013】
請求項3の発明は、請求項2において、請求項2に記載の電圧測定装置が電力機器に搭載されていることを特徴とする。
請求項4の発明は、試験装置本体と、電圧測定装置のコネクタ出力端子に接続可能なコネクタ装置とを含み、該コネクタ装置がケーブルを介して前記試験装
置本体と接続されている試験装置において、前記コネクタ装置は、本体部と、該本体部に設けられるとともに前記コネクタ出力端子に対して着脱自在に接続されるコネクタ入力端子とを含み、該コネクタ入力端子と前記ケーブルとの間にボルテージ・フォロワ回路が接続されていることを特徴とする試験装置を要旨とするものである。
【0014】
請求項5の発明は、電圧測定装置のコネクタ出力端子に接続可能なコネクタ装置において、本体部と、該本体部に設けられるとともに前記コネクタ出力端子に対して着脱自在に接続されるコネクタ入力端子と、前記本体部に導入されるとともに試験装置に接続されるケーブルを有し、該コネクタ入力端子と前記ケーブルとの間にボルテージ・フォロワ回路が接続されていることを特徴とするコネクタ装置を要旨とするものである。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明によれば、第2コンデンサ回路の分圧電圧をボルテージ・フォロワ回路を介して測定することにより、電圧測定装置と分圧精度測定装置間の出力ケーブルの静電容量があっても、又、分圧精度測定装置の入力インピーダンスが十分に得られなくても、電圧測定装置の出力値や位相角の変化を抑制して、測定誤差を小さくできる。その結果、測定精度を高くすることができる。
【0016】
又、基準器においても電圧測定装置と同一回路定数とするコンデンサ型基準器を使用する必要がなくなり、一般的な計器用変圧器(VT)を使用することが可能となる。これにより、基準器の入手性が高くなり、又、基準器の校正も非常に容易となる。
【0017】
請求項2の発明によれば、外部接続可能なコネクタ出力端子を有し、該コネクタ出力端子と第2コンデンサ回路の分圧電圧測定のための端子との間に、ボルテージ・フォロワ回路を接続するようにしたため、電圧測定装置からボルテージ・フォロワ回路の入力側迄の回路を短くすることができる。
【0018】
この結果、ボルテージ・フォロワ回路の入力側の静電容量は非常に小さく(≒0pF)することができると共に、入力インピーダンスは非常に大きく(≒数GΩ)することができる。又、ボルテージ・フォロワ回路の出力側の出力インピーダンスは非常に小さく(≒数十Ω)することができ、ボルテージ・フォロワ回路の入出力側回路が与える入出力特性誤差を無視することができる。
【0019】
請求項3の発明によれば、電圧測定装置が電力機器に搭載されていることにより、電力機器を搭載した電圧測定装置において、請求項2の効果を実現することができる。
請求項4の発明によれば、コネクタ出力端子に直接接続されるコネクタ入力端子に対してボルテージ・フォロワ回路が接続されているため、電圧測定装置からボルテージ・フォロワ回路までの入力側迄の回路を短くすることができる。その結果、前記電圧測定装置からボルテージ・フォロワ回路の入力側の静電容量は非常に小さく(≒0pF)することができると共に、入力インピーダンスは非常に大きく(≒数GΩ)することができる。又、ボルテージ・フォロワ回路の出力側の出力インピーダンスは非常に小さく(≒数十Ω)することができ、ボルテージ・フォロワ回路30の入出力側回路が与える入出力特性誤差を無視できる。
【0020】
請求項5の発明によれば、コネクタ出力端子に直接接続されるコネクタ入力端子に対してボルテージ・フォロワ回路が接続されているため、電圧測定装置からボルテージ・フォロワ回路までの入力側迄の回路を短くすることができる。その結果、前記電圧測定装置からボルテージ・フォロワ回路の入力側の静電容量は非常に小さく(≒0pF)することができると共に、入力インピーダンスは非常に大きく(≒数GΩ)することができる。又、ボルテージ・フォロワ回路の出力側の出力インピーダンスは非常に小さく(≒数十Ω)することができ、ボルテージ・フォロワ回路30の入出力側回路が与える入出力特性誤差を無視できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
まず、実施形態を説明する前に、従来の方法により、電圧測定装置に対して、分圧精度測定装置としての計器用変成器誤差試験装置(以下、試験装置という)を接続した場合の影響度について説明する。
【0022】
1. 試験装置を接続した場合の影響
(1−1. 基本構成)
図6は電圧測定装置10と試験装置20とを試験治具15を介して接続したときの基本構成を示している。
【0023】
図6に示すように電圧測定装置10は、単体のコンデンサ11aからなる第1コンデンサ回路11と単体のコンデンサ12aからなる第2コンデンサ回路12の直列回路からなる電圧測定回路を備えている。前記直列回路の両端には、第1コンデンサ回路11に接続される入力端子T10と,第2コンデンサ回路12に接続される入力端子T20を有する。
【0024】
第1コンデンサ回路11と第2コンデンサ回路12との接続点と、第2コンデンサ回路12の接地側の端子は、それぞれ端子T1,T2及び出力ケーブルを備えた試験治具15を介して、試験装置20に接続される。試験装置20は、各種試験回路(図示しない)を搭載した試験装置本体20aから構成されている。
【0025】
ここで、電圧測定装置10のみの場合の分圧比と試験装置20まで含めた分圧比を式であらわすと、下記の通りである。なお、各式中、Vinは電圧測定装置10の入力端子T10,T20に印加した印加電圧である。又、Vout10は電圧測定装置10の出力電圧であり、Vout20は試験装置20の出力電圧である。C1は高圧側の第1コンデンサ回路11の静電容量であり、C2は低圧側の第2コンデンサ回路12の静電容量、C3は試験治具15の出力ケーブルの静電容量である。又、R1は、試験装置20の入力インピーダンスである。
【0026】
(電圧測定装置10のみの場合の分圧比)
Vout10/Vin=C1/(C1+C2) ……(1)
(試験装置20まで含めた場合の分圧比)
Vout20=Vin×{ω2・R12・C1・(C1+C2+C3)+jωC1・R1}/{1+ω2・R12・(C1+C2+C3)2} ……(2)
Vout20/Vin=√{(a/c)2+(b/c)2} ……(3)
なお、式(3)中、a,b,cは下記の通りである。
【0027】
a=ω2・R12・C1・(C1+C2+C3)
b=ω・C1・R1
b=1+ω2・R12・(C1+C2+C3)2
又、jは虚数であり、ωは2πf(f=周波数)である。
【0028】
又、電圧測定装置10のみの場合の位相角及び試験装置20まで含めた場合の位相角は下記の式で得られる。
(電圧測定装置10のみの場合の位相角α)
Tan−1{0/(Vout10/Vin)}=α
=0° ……(4)
(試験装置20まで含めた場合の位相角β)
Tan−1{(b/c)/(a/c)}=β ……(5)
(1−2.影響度を示す例1)
上記の式(1)、(3)〜(5)に具体的な数値を入れて試験装置20を電圧測定装置10に接続した場合の影響度を計算してみる。計算条件は、下記の通りである。
【0029】
C1=50pF、C2=65950pF、C3=200pF、R1=1MΩ
すると、下記のようになる。
式(3)より、分圧比Vout20/Vinは、
Vout20/Vin=√{(0.32668/433.53)2+(0.015708/433.53)2}
=1/1325.5
となる。
【0030】
この値に基づいて、測定誤差を求めると、
測定誤差={(1/1325.5)/(1/1320)−1}×100
=−0.41%
となり、従って、出力特性に−0.41%の測定誤差、すなわち分圧比のずれが発生する。
【0031】
又、式(5)より、位相角βは、
Tan−1{(b/c)/(a/c)}=Tan−1(0.015708/433.53)/(0.32668/433.53)
=2.75°
となる。従って、位相特性は2.75°の測定誤差が発生する。
【0032】
(1−2.影響度を示す例2)
次に、式(1)、(3)〜(5)に具体的な数値を入れて試験装置20を電圧測定装置10に接続して、各種数値を算出した。
【0033】
計算条件は、下記の通りである。
C1=50pF、C2=65950pF、
C3=0pF,100pF,225pF,650pF、
R1=1MΩ〜10MΩ
そして、その算出結果を図7〜9の特性図で表した。
【0034】
図7は試験装置入力インピーダンス・静電容量と分圧比のずれの特性図であり、試験装置の入力インピーダンスR1を横軸にとり、分圧比のずれ(出力特性の測定誤差)を縦軸にしている。ここで、C3の値のうち100pF,225pF,650pFの各値は、実際に試験治具15の出力ケーブルがそのケーブル長に応じて取り得る値である。図7では、出力ケーブルの静電容量が100pF,225pF,650pFの場合、分圧比のずれは、静電容量C3が大きいほど、そのずれが大きくなることが分かる。
【0035】
図8は試験装置入力インピーダンス・静電容量と位相角のずれの特性図であり、試験装置の入力インピーダンスR1を横軸にとり、位相角のずれ(β)を縦軸にしている。なお、横軸は対数軸である。なお、図8ではC3が0pF,100pF,225pF,650pFとしたときの値をプロットした各特性線は、相互に重なり合っているため、代表的に0pFのときの特性線を実線で示している。
【0036】
図8では、位相角のずれ(β)は静電容量C3の大きさに関係なく、試験装置の入力インピーダンスR1の影響があることが分かり、入力インピーダンスR1を大きくするとその位相角のずれ(β)が小さくなることが分かる。
【0037】
以上より、静電容量C3が0pFのとき、電圧測定装置10以降のインピーダンス、すなわち試験装置20の入力インピーダンスR1が5MΩ以上あれば、分圧比(出力特性)への影響がなくなることが図7から分かる。又、試験装置20の入力インピーダンスR1が30MΩ以上あれば、位相角のずれを0.1度以内にできることが図8から分かる。なお、入力インピーダンスRを200MΩ以上とすると、位相角のずれが、1分(=0.017度)以内となるため、位相角誤差は無視できるが、一般的にはC3を0pFに、R1を数十MΩ〜数百MΩにとすることは困難である。
【0038】
図9は入力インピーダンスR1を3MΩとしたときの出力ケーブル静電容量と分圧比・位相角のずれの特性図である。同図において、横軸は出力ケーブル静電容量C3をとり、縦軸のうち左軸は分圧比のずれを示し、右軸は位相角のずれを示している。図9では、試験装置20の入力インピーダンスR1が変わらないときは、試験治具15の出力ケーブルのケーブル長の長さが変わると、それに応じて、分圧比のずれが変化することを示し、一方、位相角のずれの変化はないことを示している。
【0039】
以上のことから、電圧測定装置に接続される試験治具15の出力ケーブルの静電容量が、主に分圧比(出力特性)に影響を与え、一方、試験装置20の入力インピーダンスR1が、主に位相特性に影響が有ることが分かる。
【0040】
(第1実施形態)
次に本発明の電力機器の電圧測定装置における電圧分圧精度を測定する方法の実施形態について説明する。なお、図6で説明した構成と同一構成については、同一符号を付して、その説明を省略する。
【0041】
本実施形態の測定方法では、図1に示すように、電圧測定装置10の低圧側の第2コンデンサ回路12の端子T1,T2に対して、ボルテージ・フォロワ回路30が接続されている。ボルテージ・フォロワ回路30には、出力ケーブルを備えた試験治具15を接続し、その試験治具15には試験装置20が接続されている。
【0042】
ボルテージ・フォロワ回路30は、出力端子が反転入力端子に対して直接接続されたオペアンプOPを有している。オペアンプOPの非反転入力端子は端子T1に接続される。なお、図中、Rはボルテージ・フォロワ回路30の入力インピーダンスを想定したものである。又、オペアンプOP出力端子は、接続端子T3に接続されている。端子T2は、ボルテージ・フォロワ回路30の接続端子T4に接続されている。そして、接続端子T3,T4は、試験治具15を介して試験装置20に接続される。なお、R10は、ボルテージ・フォロワ回路30の出力インピーダンスを想定したものである。
【0043】
ボルテージ・フォロワ回路30は、入力インピーダンスRを非常に高くすることが可能であり、入力インピーダンスRは一般に数GΩ以上である。又、ボルテージ・フォロワ回路30は出力インピーダンスR10が低く、入力と出力の位相が反転せず、増幅率は1である。
【0044】
ここで、ボルテージ・フォロワ回路30の入出力特性の確認のため、測定した例(以下、測定例という)を表1に示す。なお、この測定例では試験装置20の入力インピーダンスR1を5MΩにして測定した。
【0045】
【表1】

なお、表1において、ボルテージ・フォロワ回路30出力側へ付加した静電容量は、静電容量C3に相当するものである。又、印加電圧は、ボルテージ・フォロワ回路30に直接印加した電圧Vopinである。又、一次側相当電圧とは、電圧測定装置10に印加される電圧Vinに相当するものであり、第1コンデンサ回路11と第2コンデンサ回路12の分圧比を1/1320として、前記印加電圧に乗算して得た値である。
【0046】
この表1から分かるように、ボルテージ・フォロワ回路30における入出力特性は、入出力値及び位相角ともほとんどずれることがない。
又、ボルテージ・フォロワ回路30と試験装置20間に出力ケーブルの静電容量があっても、変化がないことが分かる。
【0047】
上記のように電圧測定装置10の第2コンデンサ回路12の端子T1,T2に対してボルテージ・フォロワ回路30を接続し、ボルテージ・フォロワ回路30及び出力ケーブルを有した試験治具15を介して試験装置20に接続して、電圧分圧精度の測定を行うと、本実施形態では、下記の効果を奏する。
【0048】
(1) 電圧測定装置10の端子T1,T2にボルテージ・フォロワ回路30を接続したため、電圧測定装置10とボルテージ・フォロワ回路30間の入力側迄の回路(入力側回路)が短くなる。この結果、ボルテージ・フォロワ回路30の入力側の静電容量は非常に小さく(≒0pF)することができると共に、入力インピーダンスは非常に大きく(数GΩ〜数十GΩ)することができる。又、ボルテージ・フォロワ回路30の出力側の出力インピーダンスは非常に小さく(≒数十Ω)することができ、ボルテージ・フォロワ回路30の入出力側回路が与える入出力特性誤差を無視することができる効果がある。
【0049】
(2) ボルテージ・フォロワ回路30による入出力特性は、入出力値及び位相角ともほとんどずれることがない効果がある。又、ボルテージ・フォロワ回路30と試験装置20間に出力ケーブルの静電容量があっても、変化がない効果がある。
【0050】
すなわち、(1)、(2)の効果により第2コンデンサ回路12の分圧電圧をボルテージ・フォロワ回路30を介して測定すると、電圧測定装置10と試験装置20(分圧精度測定装置)間の出力ケーブルの静電容量があっても、又、試験装置20の入力インピーダンスが十分に得られなくても、電圧測定装置10の出力値や位相角の変化を抑制できる。
【0051】
これにより、測定誤差を小さくでき、その結果、測定精度を高くすることができる。
(計算例)
本実施形態の効果を確認するために、具体的な数値を入れて、下記の項目について算出した。
【0052】
(ボルテージ・フォロワ回路30の出力電圧(Vopout)と試験装置20測定電圧(Vout20)との絶対値誤差)
絶対値誤差は、式(6)に基づいて、式(7)で算出される。
【0053】
Vout20=Vopout×{R1・(R10+R1)−jω・C3・R10・R22}/{(R10+R1)2+(ω・C3・R10・R1)2} ……(6)
Vout20/Vopout=√[{A・R1/(A2+B2)}2+{B・R1/(A2+B2)}2] ……(7)
なお、式中、A,Bは下記の通りである。
【0054】
A=R10+R1
B=ω・C3・R10・R1
(ボルテージ・フォロワ回路30の出力電圧(Vopout)と試験装置20測定電圧との位相差)
Tan−1{-B・R1/(A2+B2)}/{A・R1/(A2+B2)}=Tan−1(-B/A)
……(8)
ここで、R10=100Ω、C3=300pF、R1=5MΩとすると、A,Bは、下記の通りとなる。
【0055】
A=5,000,100、B=47.1239
式(7)より、
Vout20/Vopout =√{0.999982+(9.42440×10−6)2}
=0.99998
従って、絶対値誤差は、C3の値に影響することなく、
(Vout20/Vopout −1)×100%=−0.002%
となり、出力特性の測定誤差は−0.002%となる(図2参照)。なお、図2はボルテージ・フォロワ回路30の出力インピーダンスR10が100Ω時において、C3が0pF,300pF,1000pFとしたときの、試験装置20の入力インピーダンスR1と絶対値誤差の関係を示す特性図である。同図において、横軸は試験装置20の入力インピーダンスR1であり、対数軸である。又、縦軸は絶対値誤差である。なお、図2ではC3が0pF,300pF,1000pFとしたときの値をプロットした各特性線は、相互に重なり合っているため、代表的に0pFのときの特性線を実線で示している。
【0056】
又、図2に示すように、R1=2MΩとすると、−0.005%以内の絶対値誤差とすることもできる。
又、式(8)より、
Tan−1(−B/A)=-0.00054°
従って、位相特性の測定誤差は、-0.00054°となる(図3参照)。なお、図3は、ボルテージ・フォロワ回路30の出力インピーダンスR10が100Ω時において、試験装置20の入力インピーダンスR1が1MΩ,5MΩ、10MΩとしたときの出力ケーブルの静電容量C3と位相角のずれの関係を示す特性図である。同図において、横軸は出力ケーブルの出力ケーブル静電容量C3であり、対数軸である。又、縦軸は位相角のずれである。なお、図3では入力インピーダンスR1が1MΩ,5MΩ、10MΩとしたときの値をプロットした各特性線は、相互に重なり合っているため、代表的に1MΩのときの特性線を実線で示している。
【0057】
又、C3=2500pF以下とすることにより、−0.005°以内の位相差とすることができる。従って、上記のように、ボルテージ・フォロワ回路30の出力側の測定回路(出力側回路)が与える誤差は、無視できる範囲となる。
【0058】
(第2実施形態)
次に、上記測定方法が実行できる電力機器の電圧測定装置の実施形態を説明する。図4(a)は、電圧測定装置10を電力機器である開閉器50に搭載した構成の概略図を示している。なお、図1で既に説明した構成と同一構成、又は相当する構成については、同一符号を付して、その重複説明を省略する。
【0059】
開閉器50は、図示しない三相配電線の各相毎に設けられるとともに各相の配電線の電力伝送をオンオフ可能にされた開閉部(図示略)と、開閉器50の本体ケース50a内に配設されて各相配電線の電圧を測定する電圧測定装置10を有する。前記開閉部(図示略)は、前記電圧測定装置10による各相配電線の電圧測定結果に基づき、図示しない制御装置により開閉制御される。
【0060】
図4(b)に示すように、三相の各相配電線の電圧を測定するために設けられた電圧測定装置10の入力端子T10は、前記開閉部(図示略)よりも需要家側、或いは、変電所側のいずれか一方の配電線に接続されている。そして、各相の配電線電圧は、各電圧測定装置10入力端子T10,T20間に入力される。なお、図4(a)、(b)では説明の便宜上、1相分の電圧測定装置10のみ図示されている。
【0061】
図4(a)に示すように開閉器50の本体ケース50aには、雌型接触子52,54を有するコネクタハウジング55が設けられており、該コネクタハウジング55には、ボルテージ・フォロワ回路30が収納されている。ボルテージ・フォロワ回路30、すなわち、オペアンプOPの出力端子は、雌型接触子52に接続されている。又、入力端子T20は、雌型接触子54に接続されている。前記雌型接触子52,54は、それぞれ図1で説明した接続端子T3,T4に相当する。
【0062】
さて、上記のように構成された開閉器50の電圧測定装置10における電圧分圧精度を測定する方法について説明する。
電圧測定装置10の電圧分圧精度を測定する場合、コネクタハウジング55を試験治具15を介して、試験装置20に接続する。なお、試験治具15は、試験装置20に接続された出力ケーブル60と、該出力ケーブル60の先端に設けられた接続プラグ40とを有する。詳しくは、図4(b)に示すように、コネクタハウジング55に対して、試験治具15の接続プラグ40の雄型接触子41,42を、雌型接触子52,54に対して接続する。
【0063】
又、第1コンデンサ回路11,第2コンデンサ回路12と同じ回路構成・回路定数のコンデンサ型基準器を別途用意し、この基準器に対して前記試験治具15と同一構成の試験治具を介して、試験装置20とは同一構成である別の試験装置に接続する。そして、この状態で、測定対象の電圧測定装置10に同一の電圧を印加し、それぞれの出力を比較することにより、測定対象の電圧測定装置の電圧分圧精度と位相角誤差を測定する。なお、前記基準器は、予め公の校正機関によって校正がされている。前記出力比較により、電圧分圧精度を測定する装置(以下、分圧精度測定装置という)としては、一般的には、計器用変成器誤差試験装置(例えば、総研電気株式会社製 DAC-VTC-6)が用いられている。
【0064】
ここで、雌型接触子52,54は、外部接続可能なコネクタ出力端子に相当する。
この場合、第2実施形態では、下記の効果を奏する。
(1) 第2実施形態では、外部接続可能なコネクタ出力端子としての雌型接触子52,54を有し、雌型接触子52,54と、第2コンデンサ回路12の分圧電圧測定のための端子T1,T2との間に、ボルテージ・フォロワ回路30を接続するようにした。すなわち、ボルテージ・フォロワ回路30を開閉器50の本体ケース50aのコネクタハウジング55内に設けた。この結果、電圧測定装置10からボルテージ・フォロワ回路30の入力側迄の回路(入力側回路)を短くすることができるので、ボルテージ・フォロワ回路30の入力側の静電容量は非常に小さく(≒0pF)することができると共に、入力インピーダンスは非常に大きく(数GΩ〜数十GΩ)することができる。又、ボルテージ・フォロワ回路30の出力側の出力インピーダンスは非常に小さく(≒数十Ω)することができるので、ボルテージ・フォロワ回路30の入出力側回路が与える入出力特性誤差を無視することができる検査試験が可能となる。
【0065】
(2) この結果、第1実施形態の(2)の効果を奏することができる。
(3) 第2実施形態では、電圧測定装置10が電力機器としての開閉器50に搭載されていることにより、開閉器50を搭載した電圧測定装置において、請求項2の効果を実現することができる。
【0066】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態を説明する。なお、第3実施形態は第2実施形態の構成中、ボルテージ・フォロワ回路30をコネクタハウジング55内に設ける代わりに、試験治具15の接続プラグ40内に設けたところが異なり、他の構成は同じであるため、第2実施形態と同一構成については、同一符号を付して、その説明を省略する。
【0067】
図5(a)は接続プラグ40の縦断面図である。同図に示すように、接続プラグ40は、断面円形をなす筒状のプラグ本体44と、プラグ本体44の先端に対して嵌合取着された断面円形の嵌合筒部45と、該嵌合筒部45の基端部を閉塞する接触子支持台46を有する。該接触子支持台46には複数の雄型接触子41,42が貫通して支持されている。なお、図5(a)では、説明の便宜上、一相分の雄型接触子41,42のみが図示されているが、三相分の雄型接触子41,42が設けられている。嵌合筒部45内には、コネクタハウジング55が着脱自在に内嵌される。
【0068】
又、プラグ本体44の基端部には出力ケーブル60の先端が挿入されている。出力ケーブル60は、複数のリード線60aが束ねられていることにより、構成されている。プラグ本体44内にはボルテージ・フォロワ回路30を搭載した基板57が収納されている。そして、雄型接触子41,42の基端部は、リード線60bを介して前記基板57のボルテージ・フォロワ回路30に対して電気的に接続されている。又、ボルテージ・フォロワ回路30の出力端子や、雄型接触子42は、ボルテージ・フォロワ回路30を介してリード線60aに接続されている(図5(b)参照)。第3実施形態では雌型接触子52,54は端子T1,T2に相当する。
【0069】
第3実施形態では、開閉器50のコネクタハウジング55に設けられた雌型接触子52,54がコネクタ出力端子に相当する。接続プラグ40はコネクタ装置に相当する。又、接続プラグ40のプラグ本体44は、本体部に相当し、雄型接触子41,42は、コネクタ入力端子に相当する。又、出力ケーブル60は、ケーブルに相当する。
【0070】
さて、上記のように構成された開閉器50の電圧測定装置10における電圧分圧精度を測定する方法について説明する。
電圧測定装置10の電圧分圧精度を測定する場合、コネクタハウジング55に対して試験治具15を介して、試験装置20に接続する。この場合、図5(a)に示すように嵌合筒部45内にコネクタハウジング55が内嵌される。この内嵌時に、接続プラグ40の雄型接触子41,42が雌型接触子52,54に対して接続される。
【0071】
又、第1コンデンサ回路11,第2コンデンサ回路12と同じ回路構成・回路定数のコンデンサ型基準器を別途用意し、この基準器に対して前記試験治具15と同一構成の試験治具を介して、試験装置20とは同一構成である別の試験装置に接続する。そして、この状態で、測定対象の電圧測定装置10に同一の電圧を印加し、それぞれの出力を比較することにより、測定対象の電圧測定装置の電圧分圧精度と位相角誤差を測定する。前記出力比較により、電圧分圧精度を測定する装置(以下、分圧精度測定装置という)としては、一般的には、計器用変成器誤差試験装置(例えば、総研電気株式会社製 DAC-VTC-6)が用いられている。
【0072】
このように接続した状態で、電圧測定装置10の電圧分圧精度を測定する。
この場合、第3実施形態では、下記の効果を奏する。
(1) 第3実施形態の試験装置20は、コネクタ装置としての接続プラグ40が、本体部としてのプラグ本体44と、プラグ本体44に設けられるとともに雌型接触子52,54に対して着脱自在に接続されるコネクタ入力端子としての雄型接触子41,42とを含むようにした。そして、雄型接触子41,42と出力ケーブル60との間にボルテージ・フォロワ回路30が接続されているようにした。すなわち、ボルテージ・フォロワ回路30を試験治具15の接続プラグ40内に設けた。この結果、第3実施形態においても、電圧測定装置10からボルテージ・フォロワ回路30の入力側迄の回路(入力側回路)は、コネクタハウジング55に接続される接続プラグ40内であるため短くすることができる。このため、ボルテージ・フォロワ回路30の入力側の静電容量は非常に小さく(≒0pF)することができると共に、入力インピーダンスは非常に大きく(数GΩ〜数十GΩ)することができる。又、ボルテージ・フォロワ回路30の出力側の出力インピーダンスは非常に小さく(≒数十Ω)することができるので、ボルテージ・フォロワ回路30の入出力側回路が与える入出力特性誤差を無視することができる検査試験が可能となる。
【0073】
(2) この結果、第1実施形態の(2)の効果を奏することができる。
(3) 第3実施形態の接続プラグ40は、プラグ本体44と、プラグ本体44に設けられるとともに雌型接触子52,54に対して着脱自在に接続されるコネクタ入力端子としての雄型接触子41,42とを含むようにした。そして、雄型接触子41,42と出力ケーブル60との間にボルテージ・フォロワ回路30が接続されている。この結果、この接続プラグ40は、電圧測定装置10からボルテージ・フォロワ回路30の入力側迄の回路(入力側回路)は、コネクタハウジング55に接続される接続プラグ40内であるため短くすることができる。このため、ボルテージ・フォロワ回路30の入力側の静電容量は非常に小さく(≒0pF)することができると共に、入力インピーダンスは非常に大きく(数GΩ〜数十GΩ)することができる。又、ボルテージ・フォロワ回路30の出力側の出力インピーダンスは非常に小さく(≒数十Ω)することができるので、ボルテージ・フォロワ回路30の入出力側回路が与える入出力特性誤差を無視することができる検査試験が可能となる。
【0074】
なお、前記実施形態は、次のように変更して実施してもよい。
○ 前記第2実施形態の雌型接触子52,54の代わりに、外部接続可能なコネクタ出力端子として雄型接触子に変更し、試験治具15の接続プラグ40の雄型接触子41,42を該雄型接触子に着脱自在に接続する雌型接触子に変更してもよい。
【0075】
○ 前記実施形態では、電圧測定装置10は、開閉部(図示略)よりも需要家側、或いは、変電所側のいずれか一方の配電線に接続されるようにしたが、両方の配電線に対してそれぞれ接続される電圧測定装置10を各相毎に一対設けるようにしてもよい。
【0076】
○ 又、前記第2実施形態、又は第3実施形態の電圧測定装置10において、電圧測定回路の個数は3つに限定するものではなく、例えば、1つ、或いは2つでもよい。
○ 前記実施形態では、電力機器として開閉器としたが、電圧測定装置を配電線に設けられる電力機器としては変圧器、遮断器、断路器もあり、これらの機器に設けても良い。
【0077】
○ 前記実施形態において、第1コンデンサ回路11は、単体のコンデンサ11aにより構成したが、単体に限定するものではなく、2個以上の複数のコンデンサの直列回路で構成したり、或いは、2個以上の複数のコンデンサの並列回路で構成してもよい。
【0078】
○ 前記各実施形態において、第2コンデンサ回路12は単体のコンデンサ12aにより構成したが、単体に限定するものではなく、2個以上の複数のコンデンサの直列回路で構成したり、或いは、2個以上の複数のコンデンサの並列回路で構成してもよい。
【0079】
○ 前記各実施形態において、第1コンデンサ回路11,第2コンデンサ回路12と同じ回路構成・回路定数のコンデンサ型基準器を別途用意し、この基準器に対して前記試験治具15と同一構成の試験治具を介して、試験装置20とは同一構成である別の試験装置に接続するようにした。このコンデンサ型基準器に換えて計器用変圧器(VT)を使用してもよい。
【0080】
これは、配電線等の電圧測定に用いられる電力機器の電圧測定装置は、一般に、静電容量が非常に小さく(例えば、数十pF〜数百pF程度)、同一回路定数とするコンデンサ型基準器の校正も困難な状況となっている。
【0081】
本発明では、第2コンデンサ回路12の分圧電圧をボルテージ・フォロワ回路30を介して測定することにより、電圧測定装置の出力値や位相角の変化を抑制することができるため、測定誤差を小さくできる。その結果、測定精度を高くすることができるので、同一回路定数とするコンデンサ型基準器を使用する必要がなくなり、一般的な計器用変圧器(VT)を使用することが可能となる。これにより、基準器の入手性が高くなり、又、基準器の校正も非常に容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】一実施形態の電圧測定装置10、ボルテージ・フォロワ回路30、試験治具15、試験装置20の電気回路図。
【図2】試験装置20の入力インピーダンスR1と絶対値誤差の関係を示す特性図。
【図3】出力ケーブルの静電容量C3と位相角のずれの関係を示す特性図。
【図4】(a)は第2実施形態における電圧測定装置10を電力機器に搭載した構成の概略図、(b)は電圧測定装置の電圧測定装置10、ボルテージ・フォロワ回路30、試験治具15、試験装置20の電気回路図。
【図5】(a)は、他の実施形態における試験治具15の接続プラグの縦断面図、(b)は、電圧測定装置の電圧測定装置10、ボルテージ・フォロワ回路30、試験治具15、試験装置20の電気回路図。
【図6】電圧測定装置10と試験装置20とを試験治具15を介して接続したときの基本構成を示す電気回路図。
【図7】試験装置入力インピーダンス・静電容量と分圧比のずれの特性図。
【図8】試験装置入力インピーダンス・静電容量と位相角のずれの特性図。
【図9】入力インピーダンスR1を3MΩとしたときの出力ケーブル静電容量と分圧比・位相角のずれの特性図。
【図10】電圧測定装置のコンデンサ回路の直列回路の説明図。
【符号の説明】
【0083】
10…電圧測定装置、11…第1コンデンサ回路、
12…第2コンデンサ回路、30…ボルテージ・フォロワ回路、
40…接続プラグ(コネクタ装置)、
41,42…雄型接触子(コネクタ入力端子)、
44…プラグ本体(本体部)、52,54…雌型接触子(コネクタ出力端子)、
60…出力ケーブル(ケーブル)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1コンデンサ回路と第2コンデンサ回路を直列接続し、第2コンデンサ回路の分圧電圧を測定可能にした電圧測定装置における電圧分圧精度を測定する方法において、
前記第2コンデンサ回路の分圧電圧を、ボルテージ・フォロワ回路を介して測定することを特徴とする電圧測定装置における電圧分圧精度を測定する方法。
【請求項2】
第1コンデンサ回路と第2コンデンサ回路を直列接続し、第2コンデンサ回路の分圧電圧により相電圧を測定可能にした電力機器の電圧測定装置において、
外部接続可能なコネクタ出力端子を有し、前記コネクタ出力端子と、前記第2コンデンサ回路の分圧電圧測定のための端子との間に、ボルテージ・フォロワ回路が接続されていることを特徴とする電力機器の電圧測定装置。
【請求項3】
請求項2に記載の電圧測定装置が電力機器に搭載されていることを特徴とする電力機器の電圧測定装置。
【請求項4】
試験装置本体と、電圧測定装置のコネクタ出力端子に接続可能なコネクタ装置とを含み、該コネクタ装置がケーブルを介して前記試験装置本体と接続されている試験装置において、
前記コネクタ装置は、本体部と、該本体部に設けられるとともに前記コネクタ出力端子に対して着脱自在に接続されるコネクタ入力端子とを含み、該コネクタ入力端子と前記ケーブルとの間にボルテージ・フォロワ回路が接続されていることを特徴とする試験装置。
【請求項5】
電圧測定装置のコネクタ出力端子に接続可能なコネクタ装置において、
本体部と、該本体部に設けられるとともに前記コネクタ出力端子に対して着脱自在に接続されるコネクタ入力端子と、前記本体部に導入されるとともに試験装置に接続されるケーブルを有し、
該コネクタ入力端子と前記ケーブルとの間にボルテージ・フォロワ回路が接続されていることを特徴とするコネクタ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−212290(P2007−212290A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−32479(P2006−32479)
【出願日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【出願人】(000102636)エナジーサポート株式会社 (51)
【Fターム(参考)】