説明

電圧調整システム

【課題】直列接続された複数の電池セル間の電圧値の差を効率よく調整する。
【解決手段】電圧調整システム1は、スイッチSW1〜SW4,SW11〜SW15と制御ユニット6とを有する。制御ユニット6の検出部8は、直列接続されたセルCa〜Cdの電圧値を検出する。判定部9は、電圧値が最大である最大電圧セルと最小である最小電圧セルとを抽出する。制御部10は、最大電圧セルと最小電圧セルに対する調整処理を、スイッチSW1〜SW4,SW11〜SW15を制御することによって実行する。この調整処理では、最大電圧セルと最小電圧セルとが並列状態に接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直列接続された複数の電池セル間における電圧値の差を調整する電圧調整システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2007−311335号公報には、複数のセルを具備する燃料電池において、各セルの電圧を周期的に測定して、測定された電圧が所定の電圧より低い性能低下セルが検出された場合、性能低下セルに近接する近接セルを性能低下セルと並列連結させることによって、燃料電池の性能を改善する回路連結制御システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−311335号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、複数の電池セルを直列接続して所望の出力を得ている組電池では、充放電を繰り返すうちに複数の電池セルの容量にばらつきが生じ、組電池一体で充放電させると、容量の小さい電池セルは過充電や過放電を引き起こして性能が劣化し、組電池全体の充放電可能容量の低下や寿命の低下等を招く。このため、複数の電池セル間の電圧値の差が低減するように調整することが望ましい。
【0005】
しかし、上記特開2007−311335号公報に記載された制御システムでは、例えば、性能低下セルの電圧値を回復させるために並列連結させる近接セルの電圧値も低下している場合は、性能低下セルの電圧値が十分に増大しないので、燃料電池を構成する複数のセル間の電圧値の差を低減させることはできない。
【0006】
そこで、本発明は、直列接続された複数の電池セル間の電圧値の差を効率よく調整することが可能な電圧調整システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成すべく、本発明の第1の態様は、直列接続された複数の電池セル間における電圧値の差を調整する電圧調整システムであって、複数の調整回路と複数スイッチと検出手段と判定手段と制御手段とを備える。
【0008】
複数の調整回路は、複数の電池セルから抽出される2つの電池セルの全ての組み合わせに対応してそれぞれ設けられ、上記抽出される2つの電池セルを同極同士が通電する並列状態で接続する。複数のスイッチは、上記抽出される2つの電池セルの組み合わせに対応してそれぞれ設けられ、調整位置と非調整位置とに選択的に設定される。調整位置のスイッチは、対応する調整回路を機能させ、非調整位置のスイッチは、対応する調整回路を機能させない。
【0009】
検出手段は、複数の電池セルの各電圧値を検出する。判定手段は、検出手段が検出した電圧値が最大である最大電圧セルと最小である最小電圧セルとの電圧値の差が所定電圧値を超えているか否かを判定する。上記最大電圧セルと上記最小電圧セルとの電圧値の差が所定電圧値を超えていると判定手段が判定したとき、制御手段は、複数のスイッチのうち上記最大電圧セルと上記最小電圧セルとの組み合わせに対応するスイッチのみを上記調整位置に設定する。
【0010】
上記構成では、判定手段は、複数の電池セルの中から、電圧値が最大である最大電圧セルと最小である最小電圧セルとを抽出し、最大電圧セルと最小電圧セルとの電圧値の差が所定電圧値を超えているか否かを判定する。この電圧値の差が所定電圧値を超えると、制御手段は、これら最大電圧セルと最小電圧セルの組み合わせに対応するスイッチのみを調整位置に設定する。これにより、最大電圧セルと最小電圧セルとが並列に接続する調整回路が機能し、最大電圧セルから最小電圧セルへの放電が行われ、最大電圧セルの電圧値が低下し、最小電圧セルの電圧値が上昇して、両セルの電圧値は平均化される。従って、複数の電池セル間の電圧値の差を効率よく調整することができる。
【0011】
本発明の第2の態様は、直列接続された4つ以上の複数の電池セル間における電圧値の差を調整する電圧調整システムであって、複数の調整回路と複数のスイッチと検出手段と判定手段と制御手段とを備える。
【0012】
複数の調整回路は、複数の電池セルからそれぞれ抽出される所定数の電池セルが構成する2つのセル群の全ての組み合わせに対応してそれぞれ設けられ、各セル群を構成する複数の電池セルを、1つの電池セルの正極と他の1つの電池セルの負極とを開放した状態で直列接続するとともに、当該2つのセル群を、上記開放された4つの電極の同極同士が通電する並列状態で接続する。複数のスイッチは、上記2つのセル群の組み合わせに対応してそれぞれ設けられ、調整位置と非調整位置とに選択的に設定される。調整位置のスイッチは、対応する調整回路を機能させ、非調整位置のスイッチは、対応する調整回路を機能させない。
【0013】
検出手段は、複数の電池セルの各電圧値を検出する。判定手段は、複数の電池セルの中から、検出手段が検出した電圧値が大きい方から順に上記所定数の電池セルを最大電圧セル群として、小さい方から順に上記所定数の電池セルを最小電圧セル群としてそれぞれ抽出し、上記最大電圧セル群に含まれる電池セルのうち電圧値が最小の電池セルと上記最小電圧セル群に含まれる電池セルのうち電圧値が最大の電池セルとの電圧値の差が所定電圧値を超えているか否かを判定する。上記2つの電池セルの電圧値の差が所定電圧値を超えていると判定手段が判定したとき、制御手段は、複数のスイッチのうち上記最大電圧セル群と上記最小電圧セル群の組み合わせに対応するスイッチのみを上記調整位置に設定する。
【0014】
上記構成では、判定手段は、複数の電池セルの中から、電圧値が大きい方から順に所定数の電池セルを最大電圧セル群として、小さいほうから順に所定数の電池セルを最小電圧セル群として抽出し、最大電圧セル群に含まれる電池セルのうち電圧値が最小の電池セルと最小電圧セル群に含まれる電池セルのうち電圧値が最大の電池セルとの電圧値の差が所定電圧値を超えているか否かを判定する。これら2つの電池セルの電圧値の差が所定電圧値を超えると、制御手段は、これら最大電圧セル群と最小電圧セル群の組み合わせに対応するスイッチのみを調整位置に設定する。これにより、最大電圧セル群を構成する所定数の電池セルと最小電圧セル群を構成する所定数の電池セルとはそれぞれ、1つの電池セルの正極と他の1つの電池セルの負極とを開放した状態で直列接続されるとともに、これら最大電圧セル群と最小電圧セル群とが並列に接続する調整回路が機能する。その結果、最大電圧セル群から最小電圧セル群への放電が行われ、最大電圧セル群の合計電圧値が低下し、最小電圧セル群の合計電圧値が上昇して、両セル群の合計電圧値が平均化される。すなわち、最大電圧セル群を構成する電池セルから最小電圧セル群を構成する電池セルへの放電が行われ、最大電圧セル群を構成する電池セルの各電圧値が低下し、最小電圧セル群を構成する電池セルの各電圧値が上昇して、両セル群を構成する電池セルの各電圧値は平均化される。このように、所定数の電池セルが包括して処理されるため、複数の電池セル間の電圧値の差を効率よく調整することができ、また調整に要する時間の短縮化を図ることができる。
【0015】
本発明の第3の態様は、直列接続された4つ以上の複数の電池セル間における電圧値の差を調整する電圧調整システムであって、複数の第1の調整回路と複数の第1のスイッチと複数の第2の調整回路と複数の第2のスイッチと検出手段と第1の判定手段と第2の判定手段と制御手段とを備える。
【0016】
複数の第1の調整回路は、複数の電池セルから抽出される2つの電池セルの全ての組み合わせに対応してそれぞれ設けられ、前記抽出される2つの電池セルを同極同士が通電する並列状態で接続する。複数の第1のスイッチは、上記抽出される2つの電池セルの組み合わせに対応してそれぞれ設けられ、第1の調整位置と非調整位置とに選択的に設定される。第1の調整位置のスイッチは、対応する第1の調整回路を機能させ、非調整位置のスイッチは、対応する第1の調整回路を機能させない。複数の第2の調整回路は、複数の電池セルからそれぞれ抽出される所定数の電池セルが構成する2つのセル群の全ての組み合わせに対応してそれぞれ設けられ、各セル群を構成する複数の電池セルを、1つの電池セルの正極と他の1つの電池セルの負極とを開放した状態で直列接続するとともに、当該2つのセル群を、上記開放された4つの電極の同極同士が通電する並列状態で接続する。複数の第2のスイッチは、上記2つのセル群の組み合わせに対応してそれぞれ設けられ、第2の調整位置と非調整位置とに選択的に設定される。第2の調整位置は、対応する第2の調整回路を機能させ、非調整位置のスイッチは、対応する第2の調整回路を機能させない。
【0017】
検出手段は、上記複数の電池セルの各電圧値を検出する。第1の判定手段は、検出手段が検出した電圧値が最大である最大電圧セルと最小である最小電圧セルとの電圧値の差が所定電圧値を超えているか否かを判定する。第2の判定手段は、複数の電池セルの中から、検出手段が検出した電圧値が大きい方から順に上記所定数の電池セルを最大電圧セル群として、小さい方から順に上記所定数の電池セルを最小電圧セル群としてそれぞれ抽出し、上記最大電圧セル群に含まれる電池セルのうち電圧値が最小の電池セルと上記最小電圧セル群に含まれる電池セルのうち電圧値が最大の電池セルとの電圧値の差が上記所定電圧値を超えているか否かを判定する。制御手段は、上記最大電圧セルと上記最小電圧セルとの電圧値の差が所定電圧値を超えていると第1の判定手段が判定し、且つ上記2つの電池セルの電圧値の差が所定電圧値以下であると第2の判定手段が判定したとき、複数のスイッチのうち上記最大電圧セルと上記最小電圧セルの組み合わせに対応するスイッチのみを上記第1の調整位置に設定し、上記2つの電池セルの電圧値の差が所定電圧値を超えていると第2の判定手段が判定したとき、複数のスイッチのうち上記最大電圧セル群と上記最小電圧セル群の組み合わせに対応するスイッチのみを上記第2の調整位置に設定する。
【0018】
上記構成では、第1の判定手段が、複数の電池セルの中から、電圧値が最大である最大電圧セルと最小である最小電圧セルとを抽出し、最大電圧セルと最小電圧セルとの電圧値の差(第1の電圧値の差)が所定電圧値を超えているか否かを判定するとともに、第2の判定手段が、複数の電池セルの中から、電圧値が大きい方から順に所定数の電池セルを最大電圧セル群として、小さいほうから順に所定数の電池セルを最小電圧セル群として抽出し、最大電圧セル群に含まれる電池セルのうち電圧値が最小の電池セルと最小電圧セル群に含まれる電池セルのうち電圧値が最大の電池セルとの電圧値の差(第2の電圧値の差)が所定電圧値を超えているか否かを判定する。第1の電圧値の差が所定電圧値を超えていると第1の判定手段が判定し、且つ第2の電圧値の差が所定電圧値以下であると第2の判定手段が判定したときは、制御手段は、これら最大電圧セルと最小電圧セルの組み合わせに対応するスイッチのみを第1の調整位置に設定する。これにより、これら最大電圧セルと最小電圧セルとが並列に接続する調整回路が機能し、最大電圧セルから最小電圧セルへの放電が行われ、最大電圧セルの電圧値が低下し、最小電圧セルの電圧値が上昇して、両セルの電圧値は平均化される。一方、第1の電圧値の差が所定電圧値を超えていると第1の判定手段が判定し、且つ第2の電圧値の差が所定電圧値を超えていると第2の判定手段が判定したときは、制御手段は、これら最大電圧セル群と最小電圧セル群の組み合わせに対応するスイッチのみを第2の調整位置に設定する。これにより、最大電圧セル群を構成する所定数の電池セルと最小電圧セル群を構成する所定数の電池セルとはそれぞれ、1つの電池セルの正極と他の1つの電池セルの負極とを開放した状態で直列接続されるとともに、これら最大電圧セル群と最小電圧セル群とが並列に接続する調整回路が機能する。その結果、最大電圧セル群から最小電圧セル群への放電が行われ、最大電圧セル群の合計電圧値が低下し、最小電圧セル群の合計電圧値が上昇して、両セル群の合計電圧値が平均化される。すなわち、最大電圧セル群を構成する電池セルから最小電圧セル群を構成する電池セルへの放電が行われ、最大電圧セル群を構成する電池セルの各電圧値が低下し、最小電圧セル群を構成する電池セルの各電圧値が上昇して、両セル群を構成する電池セルの各電圧値は平均化される。このように、2つの電池セル間で処理を行うか、2つの所定数のセル群間で処理を行うかが選択されて処理されるため、複数の電池セル間の電圧値の差を効率よく調整することができる。
【0019】
本発明の第4の態様は、上記第1又は第3の態様に記載の電圧調整システムであって、制御手段は、上記最大電圧セルと上記最小電圧セルの組み合わせに対応するスイッチを上記調整位置に設定した後、上記最大電圧セルの電圧値と上記最小電圧セルの電圧値とが平均化されたか否かを判断し、当該2つの電圧値が平均化されたと判断したときに上記調整位置に設定したスイッチを上記非調整位置に戻す。
【0020】
上記構成では、制御手段は、最大電圧セルと最小電圧セルの組み合わせに対応するスイッチを調整位置又は第1の調整位置に設定した後、これら2つの電池セルの電圧値が平均化されたか否かを判断し、平均化されたと判断したときに、対応するスイッチを調整位置又は第1の調整位置から非調整位置に戻す。従って、それぞれのスイッチが設定され接続される2つの電池セルの電圧値を確実に平均化することができ、また、平均化に要する時間の短縮化を図ることができる。
【0021】
本発明の第5の態様は、上記第2又は第3の態様に記載の電圧調整システムであって、
制御手段は、上記最大電圧セル群と上記最小電圧セル群の組み合わせに対応するスイッチを上記調整位置に設定した後、上記最大電圧セル群の合計電圧値と上記最小電圧セル群の合計電圧値とが平均化されたか否かを判断し、当該2つの合計電圧値が平均化されたと判断したときに上記調整位置に設定したスイッチを上記非調整位置に戻す。
【0022】
上記構成では、制御手段は、最大電圧セル群と最小電圧セル群の組み合わせに対応するスイッチを調整位置又は第2の調整位置に設定した後、これら2つの電池セル群の合計電圧値が平均化されたか否かを判断し、平均化されたと判断したときに、対応するスイッチを調整位置又は第2の調整位置から非調整位置に戻す。従って、それぞれのスイッチが設定され接続される2つのセル群の合計電圧値を確実に平均化することができ、また、平均化に要する時間の短縮化を図ることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、直列接続された複数の電池セル間の電圧値の差を効率よく調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】第1実施形態の電圧調整システムの構成図である。
【図2】第1実施形態の電圧調整処理を示すフローチャートである。
【図3】セルCaとセルCbとの間の調整処理を実行した後に、セルCcとセルCdとの間の調整処理を実行した場合のセルCa〜Cdの電圧値Va〜Vdの変遷を示す図である。
【図4】第2実施形態の電圧調整システムの構成図であり、セルCa及びセルCdで構成される最大電圧セル群とセルCb及びセルCcで構成される最小電圧セル群との間の調整処理を実行している状態を示す。
【図5】第2実施形態の電圧調整処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の第1実施形態の電圧調整システムについて図面を参照して説明する。
【0026】
図1に示すように、電圧調整システム1は、複数の電池セル(二次電池セル)Ca〜Cd間の電圧値の差を調整するものであり、電池セルCa〜Cdとともに車両に搭載される。電池セルCa〜Cdは、直列接続され、二次電池として車両の駆動用のモータや車載電装品などの負荷回路2に電力を供給する。なお、電池セルCa〜Cdは、発電機などの充電回路3に接続されてもよく、また、モータは、発電機能を併有するモータジェネレータであってもよい。
【0027】
図1に示すように、本実施形態では4つの電池セルCa〜Cdが車両に搭載され、電圧調整システムは、電池側スイッチ群4と、調整側スイッチ群5と、制御ユニット6とを有する。電池側スイッチ群4は、4つのスイッチSW1〜SW4を有し、調整側スイッチ群5は5つのスイッチSW11〜SW15を有する。なお、以下において、電池セルを単にセルと略称して説明する。
【0028】
セルCa〜Cdと調整側スイッチ群5(スイッチSW11〜SW15)とは、5本の接続線12(第1接続線13〜第5接続線17)を介して接続される。第1接続線13は、セルCaの正極に接続されるとともに、スイッチSW2〜SW4を介してセルCb〜Cdの正極にそれぞれ接続される。第2接続線14は、スイッチSW1を介してセルCaの負極に接続されるとともに、スイッチSW2を介してセルCbの正極に接続される。第3接続線15は、セルCbの負極に接続されるとともに、スイッチSW3を介してセルCcの正極に接続される。第4接続線16は、セルCcの負極に接続されるとともに、スイッチSW4を介してセルCdの正極に接続される。第5接続線17はセルCdの正極に接続される。
【0029】
電池側スイッチ群4のスイッチSW1は、2つの接点を有し、2つの接点同士を接続する接続位置(第1接続位置)と、2つの接点間を遮断する中立位置との何れかの位置に設定可能な2路スイッチである。スイッチSW2〜SW4は、基本接点と第1接点と第2接点とを有し、基本接点を第1接点に接続する第1接続位置と、基本接点を第2接点に接続する第2接続位置と、基本接点を第1接点及び第2接点の何れにも接続しない中立位置との何れかの位置に設定可能な3路スイッチである。
【0030】
スイッチSW1の一方の接点1aは、スイッチSW2の第2接点2bと第2接続線14とに接続され、他方の接点1bは、セルCaの負極に接続される。スイッチSW2の基本接点2aは、セルCbの正極に接続され、第1接点2bは、スイッチSW1の接点1aと第2接続線14とに接続され、第2接点2cは、第1接続線13に接続される。スイッチSW3の基本接点3aは、セルCcの正極に接続され、第1接点3bは、セルCbの負極と第3接続線15とに接続され、第2接点3cは、第1接続線13に接続される。スイッチSW4の基本接点4aは、セルCdの正極に接続され、第1接点4bは、セルCcの負極と第4接続線16とに接続される。
【0031】
スイッチSW1〜SW4が全て第1接続位置に設定される(接点1a〜4aと接点1b〜4bとがそれぞれ接続される)と、セルCa〜Cd間は直列接続される。一方、スイッチSW1〜SW4の何れかが第1接続位置以外の位置に設定されると、セルCa〜Cd間の直列接続は遮断される。従って、モータや発電機等との間でセルCa〜Cdに対する放充電が行われており、且つ後述する電圧調整処理が実行されていない通常状態のスイッチSW1〜SW4は、制御ユニット6によって、第1接続位置に設定され維持される。また、電圧調整処理の実行中において、スイッチSW1〜SW4のうち調整処理対象となる2つのセルの組み合わせに対応しないスイッチは、制御ユニット6によって、中立位置に設定される。
【0032】
調整側スイッチ群5のスイッチSW11〜SW15は、基本接点と第1接点と第2接点とを有し、基本接点を第1接点に接続する第1接続位置と、基本接点を第2接点に接続する第2接続位置と、基本接点を第1接点及び第2接点の何れにも接続しない中立位置との何れかの位置に設定可能な3路スイッチである。
【0033】
スイッチSW11〜SW15の基本接点11a〜15aは、第1接続線13〜第5接続線17にそれぞれ接続され、第1接点11b〜15bは、第6接続線18にそれぞれ接続され、第2接点11c〜15cは、第7接続線19にそれぞれ接続される。後述する電圧調整処理が実行されていない通常状態のスイッチSW11〜SW15は、制御ユニット6によって、中立位置(非調整位置)に設定され維持される。
【0034】
スイッチSW1が第1接続位置に設定され(接点1aと接点1bとが接続され)、スイッチSW2が第2接続位置に設定され(基本接点2aと第2接点2cとが接続され)、スイッチSW12が第2接続位置に設定され(基本接点12aと第2接点12cとが接続され)、スイッチSW13が第2接続位置に設定される(基本接点13aと第2接点13cとが接続される)と、セルCaとセルCbとは両セルの同極同士が通電する並列状態で接続される。並列状態に接続されたセルCaとセルCbとの電圧値に差がある場合、電圧値が大きいセルは放電し小さいセルは充電されて、セルCaとセルCbとの電圧値は、両セルの平均電圧値に近づくように調整される。すなわち、スイッチSW1が第1接続位置に、スイッチSW2が第2接続位置に、スイッチSW12が第2接続位置に、スイッチSW13が第2接続位置にそれぞれ設定されることによって形成される回路は、セルCaとセルCbの組み合わせに対応する調整回路として機能し、スイッチSW1、スイッチSW2、スイッチSW12、及びスイッチSW13は、セルCaとセルCbの組み合わせに対応する調整用スイッチとして機能する。この場合、スイッチSW1の第1接続位置、スイッチSW2の第2接続位置、スイッチSW12の第2接続位置、及びスイッチSW13の第2接続位置が、セルCaとセルCbの組み合わせに対応する調整回路を機能させる調整位置である。また、上記以外の他の2つのセルの全ての組み合わせについても、その詳細な説明は省略するが、セルCaとセルCbの組み合わせと同様に対応する調整回路が形成可能であり、調整用スイッチとして機能するスイッチ及びその調整位置が決定する。
【0035】
なお、2つのセルの組み合わせに対応する調整回路は、1つの経路に限定されず、複数の異なる経路で形成可能である。例えば、セルCaとセルCbの組み合わせに対応する上記調整用スイッチのうち、スイッチSW12及びスイッチSW13の調整位置を第2接続位置から第1接続位置に切り替えた(基本接点12a,13aと第1接点12b、13bとがそれぞれ接続された)場合も、セルCaとセルCbとは並列状態に接続される。すなわち、スイッチSW1が第1接続位置、スイッチSW2が第2接続位置、スイッチSW12及びスイッチSW13が第1接続位置にそれぞれ設定されることによって形成される回路も、セルCaとセルCbの組み合わせに対応する調整回路として機能する。
【0036】
制御ユニット6は、CPU(Central Processing Unit)7と記憶部11とを有する。記憶部11は、例えばROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの記録媒体によって構成される。
【0037】
記憶部11には、電圧調整処理実行プログラムが記憶されている。CPU7は、電圧調整処理実行プログラムに従って電圧調整処理を実行することにより、検出部8、判定部9及び制御部10として機能する。また、記憶部11には、各セルCa〜Cdの電圧値が逐次更新して記憶される電圧値記憶テーブルと、2つのセルの組み合わせに対応する調整用スイッチ及び調整位置が予め設定された調整スイッチ設定テーブルとが記憶されている。
上述のように、2つのセルの組み合わせに対応する調整回路は複数の異なる経路で形成可能であるため、調整スイッチ設定テーブルには、これら複数の経路のうち、任意の1つの経路が予め選択され、当該経路で形成される調整回路を機能させる調整用スイッチ及び調整位置が設定される。本実施形態では、セルCaとセルCbの組み合わせに対応する調整用スイッチ及び調整位置として、スイッチSW1(調整位置:第1接続位置)、スイッチSW2(調整位置:第2接続位置)、スイッチSW12(調整位置:第2接続位置)、及びスイッチSW13(調整位置:第2接続位置)が設定されている。
【0038】
検出部8は、各セルCa〜Cdの電圧値Va〜Vdを検出し、検出した電圧値Va〜Vdを記憶部11の電圧値記憶テーブルに逐次更新して記憶する。
【0039】
判定部9は、制御部10が後述する調整処理を実行しているか否かを判定する。調整処理を実行していないと判定した場合、判定部9は、全てのセルCa〜Cdの中から電圧値Va〜Vdが最大である最大電圧セルと最小である最小電圧セルとを抽出し、これら2つのセルの電圧値の差ΔVが所定電圧値Vsを超えているか否かを判定する。具体的には、記憶部11から各電圧値Va〜Vdを読み出し、全ての電圧値Va〜Vdの中から最大電圧値と最小電圧値とを特定する。そして、判定部9は、最大電圧値と最小電圧値との差(最大電圧セルと最小電圧セルとの電圧値との差ΔV)を算出し、算出した電圧値の差ΔVが所定電圧値Vsを超えているか否かを判定する。
【0040】
制御部10は、算出した電圧値の差ΔVが所定電圧値Vsを超えていると判定部9が判定したとき、最大電圧セルと最小電圧セルとを調整処理対象として調整処理を実行する。制御部10は、調整スイッチ設定テーブルを参照して最大電圧セルと最小電圧セルの組み合わせに対応する調整用スイッチを決定し、そのスイッチを調整位置に設定して最大電圧セルと最小電圧セルとを並列に接続する調整回路を機能させ、最大電圧セルの電圧値と最小電圧セルの電圧値とが平均化されたか否かを判断し、平均化されたと判断したときに、調整位置に設定した最大電圧セルと最小電圧セルの組み合わせに対応する調整用スイッチを調整位置から非調整位置に戻す。
【0041】
最大電圧セルの電圧値と最小電圧セルの電圧値とが平均化されたか否かを判断する方法は、特に限定されるものではなく、例えば、最大電圧セルの電圧値と最小電圧セルの電圧値とを逐次検出し、2つの電圧値の差が所定電圧値Vs以下のときに平均化されたと判定する方法や、接続された調整回路の電流値を計測し、計測した電流値が所定の基準電流値以下のときに平均化されたと判定する方法や、電圧値の平均化に要する時間を基準時間として求めて設定し、調整処理の経過時間を計時し、計時した経過時間が基準時間に達したときに平均化されたと判定する方法など、様々な方法が適用可能である。
【0042】
以下、図2のフローチャートを用いて、CPU7が実行する電圧調整処理について説明する。本処理は、車両の停止時などセルCa〜Cdに対する放充電が行われていないことを条件に開始され、所定時間毎に実行される。なお、以下では、全てのセルCa〜Cdの中で、セルCaの電圧値が最大であり、セルCbの電圧値が最小である場合を想定して説明する。
【0043】
本処理が開始されると、判定部9は、制御部10が調整処理を実行しているか否かを判定する(ステップS1)。
【0044】
制御部10が調整処理を実行していないと判定された場合(ステップS1:NO)、検出部8は、セルCa〜Cdの各電圧値Va〜Vdを検出し、検出した各セルの電圧値Va〜Vdを記憶部11に記憶する(ステップS2)。
【0045】
次に、判定部9は、記憶部11から各電圧値Va〜Vdを読み出し、全ての電圧値Va〜Vdの中から最大電圧値Vaと最小電圧値Vbとを抽出し(最大電圧セルCaと最小電圧セルCbとを抽出し)、最大電圧値Vaと最小電圧値Vbとの差(最大電圧セルCaと最小電圧セルCbとの電圧値の差ΔV=Va−Vb)を算出する(ステップS3)。
【0046】
次に、判定部9は、算出した電圧値の差ΔVが所定電圧値Vsを超えているか否かを判定する(ステップS4)。
【0047】
電圧値の差ΔVが所定電圧値Vsを超えている(ΔV>Vs)と判定された場合(ステップS4:YES)、制御部10は、最大電圧セルCaと最小電圧セルCbとを調整処理対象として調整処理を実行する(ステップS5)。制御部10は、調整スイッチ設定テーブルを参照して、セルCaとセルCbの組み合わせに対応するスイッチを決定し、決定したスイッチをそれぞれ調整位置に設定する。具体的には、スイッチSW1を第1接続位置に設定(維持)し、スイッチSW2を第2接続位置に設定し、スイッチSW12とスイッチSW13とを第2接続位置に設定する。また、これらのスイッチを設定するとともに、スイッチSW3及びスイッチSW4(スイッチSW1〜SW4のうちセルCaとセルCbの組み合わせに対応しないスイッチ)を中立位置に設定する。これにより、最大電圧セルCaと最小電圧セルCbとは並列状態で接続される。最大電圧セルCaと最小電圧セルCbとを並列状態で接続した制御部10は、これら2つのセルの電圧値が平均化されたか否かを判断し、平均化されたと判断したときに、セルCaとセルCbの組み合わせに対応するスイッチSW1、スイッチSW2、スイッチSW12、及びスイッチSW13を調整位置から非調整位置に戻すとともに、スイッチSW3及びスイッチSW4を中立位置から非調整位置に戻して、本処理を終了する。
【0048】
また、制御部10が調整処理を実行していると判定された場合(ステップS1:YES)、及び最大電圧セルCaと最小電圧セルCbとの電圧値の差ΔVが所定電圧値Vs以下である(ΔV≦Vs)と判定された場合(ステップS4:NO)は、CPU7は本処理を終了する。
【0049】
次に、調整処理を実行するセルCa〜Cdの電圧値Va〜Vdの状態について、図3を参照して説明する。図3は、セルCaとセルCbとの間の調整処理(1回目の調整処理)と、セルCcとセルCdとの間の調整処理(2回目の調整処理)とを実行した場合のセルCa〜Cdの電圧値Va〜Vdの変遷を示す図である。なお、1回目の調整処理実行前のセルCa〜Cdの電圧値Va〜Vdは、Va>Vd>Vc>Vbであり、且つVa−Vb>Vs(所定電圧値)である。また、各調整処理は、2つのセルの電圧値が完全に平均化されて等しくなるまで継続して実行される。
【0050】
1回目の調整処理を実行すると、最大電圧セルCaと最小電圧セルCbとが並列状態に接続され、最大電圧セルCaは最小電圧セルCbへ放電し、最小電圧セルCbは充電される。すなわち、セルCaの電圧値は低下し、セルCbの電圧値は上昇して、これら2つのセルCa,Cbの電圧値は平均化される。1回目の調整処理が終了したときのセルCa,Cbの電圧値Va,Vbは、Va=Vb=(Va+Vb)/2となる。
【0051】
続いて、2回目の調整処理を実行する。このとき、セルCa〜Cdの電圧値Va,Vb,Vc,Vdは、Vd>Va=Vb>Vcであり、且つVd−Vc>Vs(所定電圧値)である。2回目の調整処理が実行されて、最大電圧セルCdと最小電圧セルCcとが並列状態に接続されると、セルCdはセルCcへ放電し、セルCcは充電され、セルCcとセルCdの電圧値は平均化される。2回目の調整処理が終了したときのセルCc,Cdの電圧値Vc,Vdは、Vc=Vd=(Vc+Vd)/2となる。
【0052】
このように、本実施形態の電圧調整システムによれば、最大電圧セルと最小電圧セルとを並列に接続して両セルの電圧値を平均化させるので、複数の電池セルの電圧値を効率よく調整することができる。
【0053】
なお、直列接続される電池セルは、4つに限定されるものではなく、2つ又は3つであってもよく、5つ以上であってもよい。
【0054】
また、各セルCa〜Cdのそれぞれ2つを並列接続する回路やスイッチの形態及び配置は、上記に限定されるものではない。
【0055】
さらに、調整スイッチ設定テーブルは、上記に限定されるものではない。例えば、形成可能な経路のうち、複数又は全ての経路を機能させる調整用スイッチ及び調整位置が設定されていてもよい。この場合、本処理を開始するまでに、ユーザーが記憶された複数の経路から1つの経路を予め選択する。
【0056】
次に、本発明の第2実施形態の電圧調整システムについて図面を参照して説明する。本実施形態は、最大電圧セルを含む最大電圧セル群と最小電圧セルを含む最小電圧セル群とに対して包括した調整処理が実行可能である点において、上記第1実施形態と相違する。なお、上記第1実施形態と同様の構成には、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。以下の説明において、2つのセルに対応する調整回路を第1の調整回路と称し、2つのセル群に対応する調整回路を第2の調整回路と称し、第1の調整回路を機能させるスイッチを第1の調整用スイッチと称し、第2の調整回路を機能させるスイッチを第2の調整用スイッチと称する。また、直列接続される電池セルは上記第1実施形態と同様に4つであり、各セル群を構成するセルの所定数は2である。
【0057】
図4に示すように、本実施形態の電圧調整システム1は、電池側スイッチ群4と調整側スイッチ群5と電池側第2スイッチ群20とを有する。電池側スイッチ群4は、3つのスイッチSW2〜SW4を有し、電池側第2スイッチ群20は、5つのスイッチSW21〜SW25を有する。
【0058】
電池側第2スイッチ群20のスイッチSW21〜SW25は、2つの接点を有し、2つの接点同士を接続する接続位置(第1接続位置)と、2つの接点間を遮断する中立位置との何れかに設定可能な2路スイッチである。
【0059】
スイッチSW21〜SW24は第1接続線13の途中に設けられ、スイッチSW25は第4接続線16の途中に設けられる。スイッチSW21は、セルCaの正極と、スイッチSW2の第2接点2c及びスイッチSW22の接点22aとの間を断接し、スイッチSW22は、スイッチSW2の第2接点2c及びスイッチSW21の接点21bと、スイッチSW3の第2接点3c及びスイッチSW23の接点23aとの間を断接する。スイッチSW23は、スイッチSW3の第2接点3c及びスイッチSW22の接点22bと、スイッチSW4の第2接点4c及びスイッチSW24の接点24aとの間を断接し、スイッチSW24は、スイッチSW4の第2接点4c及びスイッチSW23の接点23bと、スイッチSW11の基本接点11aとの間を断接する。また、スイッチSW25は、セルCaの正極及びスイッチSW21の接点21aと、セルCcの負極及びスイッチSW4の第1接点4b及びスイッチSW14の基本接点14aとの間を断接する。後述する電圧調整処理が実行されていない通常状態のスイッチSW21〜SW25は、制御ユニット6によって第1接続位置に設定され維持される。また、電圧調整処理の実行中において、スイッチSW21〜SW25のうち調整処理対象となる2つのセル又は2つのセル群の組み合わせに対応しないスイッチは、制御ユニット6によって、中立位置に設定される。
【0060】
スイッチSW2が第2接続位置に、スイッチSW12が第2接続位置に、スイッチSW13が第2接続位置にそれぞれ設定されると、セルCaとセルCbとは並列状態で接続される。すなわち、スイッチSW2が第2接続位置に、スイッチSW12が第2接続位置に、スイッチSW13が第2接続位置にそれぞれ設定されて形成される回路は、セルCaとセルCbの組み合わせに対応する第1の調整回路として機能し、スイッチSW2とスイッチSW12とスイッチSW13とは、セルCaとセルCbの組み合わせに対応する第1の調整用スイッチとして機能する。また、この場合、スイッチSW2の第2接続位置と、スイッチSW12の第2接続位置と、スイッチSW13の第2接続位置とが、セルCaとセルCbの組み合わせに対応する第1の調整回路を機能させる調整位置である。
【0061】
また、上記以外の他の2つのセルの全ての組み合わせについても、その詳細な説明は省略するが、セルCaとセルCbの組み合わせと同様に対応する第1の調整回路が形成可能であり、第1の調整用スイッチとして機能するスイッチ及びその調整位置が決定する。さらに、2つのセルの組み合わせに対応する第1の調整回路は、第1の実施形態における調整回路と同様に複数の異なる経路が形成可能である。
【0062】
次に、2つのセル群の組み合わせに対応する第2の調整回路について説明する。各セル群は、所定数のセル(2つのセル)から構成される。セル群を構成する2つのセルは、一方のセルの正極と他方のセルの負極とが開放した状態で異極同士が接続(直列接続)される。2つのセル群のそれぞれ開放した状態の正極同士が接続され、負極同士も接続されると、2つのセル群は並列状態に接続される。例えば、セル群1がセルCaとセルCbとで構成され、セル群2がセルCcとセルCdとで構成され、セル群1とセル群2とが並列状態に接続される場合を説明する。セルCaの負極とセルCbの正極とが接続され(セルCaの正極とセルCbの負極とは開放した状態)、セルCcの負極とセルCdの正極とが接続される(セルCcの正極とセルCdの負極とは開放した状態)とともに、開放した状態のセルCaとセルCcとの正極が接続され、開放した状態のセルCbとセルCdとの負極が接続されると、セル群1とセル群2とが並列状態に接続される。セル群1の合計電圧値とセル群2の合計電圧値に差がある場合、電圧値の差がある2つのセルを並列状態に接続した場合と同様に、電圧値が大きいセル群を構成する各セルは放電し、電圧値が小さいセル群を構成する各セルは充電され、2つのセル群それぞれの合計電圧値は両セル群の合計電圧値の平均値に調整される。すなわち、セル群1とセル群2とが並列状態に接続される上記回路は、2つのセル群の組み合わせに対応する第2の調整回路として機能する。
【0063】
スイッチSW2が第1接続位置に、スイッチSW3が第2接続位置に、スイッチSW4が第1接続位置に、スイッチSW13が第2接続位置に、スイッチSW15が第2接続位置に、スイッチSW21が第1接続位置に、スイッチSW22が第1接続位置に、スイッチSW25が中立位置にそれぞれ設定されると、セル群1とセル群2の組み合わせに対応する第2の調整回路が形成される。この場合、スイッチSW2、スイッチSW3、スイッチSW4、スイッチSW13、スイッチSW15、スイッチSW21、及びスイッチSW22は、セル群1とセル群2の組み合わせに対応する第2の調整用スイッチとして機能し、スイッチSW2の第1接続位置、スイッチSW3の第2接続位置、スイッチSW4の第1接続位置、スイッチSW13の第2接続位置、スイッチSW15の第2接続位置、スイッチSW21の第1接続位置、及びスイッチSW22の第1接続位置が、セル群1とセル群2の組み合わせに対応する第2の調整回路を機能させる調整位置である。
【0064】
また、上記以外の他の2つのセル群の全ての組み合わせについても、その詳細な説明は省略するが、セル群1とセル群2の組み合わせと同様に対応する第2の調整回路が形成可能であり、第1の調整用スイッチとして機能するスイッチ及び調整位置が決定する。
【0065】
なお、2つのセル群の組み合わせに対応する第2の調整回路も、第1の調整回路と同様に複数の異なる経路で形成可能である。例えば、スイッチSW2が第1接続位置に、スイッチSW3及びスイッチSW4が第2接続位置に、スイッチSW11及びスイッチSW12が第1接続位置に、スイッチSW14及びスイッチSW15が第2接続位置に、スイッチSW21及びスイッチSW24が第1接続位置に、スイッチSW22及びスイッチSW25が中立位置にそれぞれ設定されることによって形成される回路と、これら調整用スイッチのうち、スイッチSW11及びスイッチSW12の調整位置を第1接続位置から第2接続位置に、スイッチSW14及びスイッチSW15の調整位置を第2接続位置から第1接続位置に切り替えた場合に形成される回路とは、何れもセルCa及びセルCd(セル群3)とセルCb及びセルCc(セル群4)の組み合わせに対応する第2の調整回路である。
【0066】
記憶部11に記憶されている調整スイッチ設定テーブルは、2つのセルに対する調整処理を実行する場合に使用する単独調整処理用のテーブル(単独用テーブル)と、2つのセル群に対する調整処理を実行する場合に使用する包括調整処理用のテーブル(包括用テーブル)とを含む。上述のように、2つのセルの組み合わせに対応する第1の調整回路は複数の異なる経路で形成可能であるため、単独用テーブルには、これら複数の経路のうち、任意の1つの経路が予め選択され、当該経路で形成される第1の調整回路を機能させる第1の調整用スイッチ及び調整位置が設定される。また、2つのセル群の組み合わせに対応する第2の調整回路も同様に複数の異なる経路で形成可能であるため、包括用テーブルには、これら複数の経路のうち、任意の1つの経路が予め選択され、当該経路で形成される第2の調整回路を機能させる第2の調整用スイッチ及び調整位置が設定される。本実施形態では、セルCa及びセルCdから構成されるセル群とセルCb及びセルCcから構成されるセル群との組み合わせに対応する第2の調整用スイッチ及び調整位置として、スイッチSW2(調整位置:第1接続位置)、スイッチSW3(調整位置:第2接続位置)、スイッチSW4(調整位置:第2接続位置)、スイッチSW11(調整位置:第1接続位置)、スイッチSW12(調整位置:第1接続位置)、スイッチSW14(調整位置:第2接続位置)、スイッチSW15(調整位置:第2接続位置)、スイッチSW21(調整位置:第1接続位置)、及びスイッチSW24(調整位置:第1接続位置)が設定されている。
【0067】
判定部9には、全てのセルCa〜Cdの中から電圧値Va〜Vdが最大である最大電圧セルと最小である最小電圧セルとを抽出し、これら2つのセルの電圧値の差ΔV1が所定電圧値Vsを超えているか否かを判定する第1判定部と、全てのセルCa〜Cdの中から電圧値Va〜Vdが大きい方から順に所定数のセル(最大電圧セル群)と小さいほうから順に所定数のセル(最小電圧セル群)とを抽出し、最大電圧セル群に含まれるセルのうち電圧値が最小であるセルと最小電圧セル群に含まれるセルのうち電圧値が最大であるセルとの電圧値の差(最大電圧セル群と最小電圧セル群との電圧値の差)ΔV2が所定電圧値Vsを超えているか否かを判定する第2判定部とが含まれる。
【0068】
制御部10は、判定部9の第1判定部が最大電圧セルと最小電圧セルとの電圧値の差ΔV1が所定電圧値Vsを超えていると判定し、且つ第2判定部が最大電圧セル群と最小電圧セル群との電圧値の差ΔV2が所定電圧値Vs以下であると判定したとき、最大電圧セルと最小電圧セルとを調整処理対象として調整処理を実行する。制御部10は、単独用テーブルを参照して、最大電圧セルと最小電圧セルの組み合わせに対応する第1の調整用スイッチを決定し、そのスイッチを調整位置に設定して最大電圧セルと最小電圧セルとを並列に接続する第1の調整回路を機能させ、最大電圧セルの電圧値と最小電圧セルの電圧値とが平均化されたか否かを判断し、平均化されたと判断したときに、調整位置に設定した最大電圧セルと最小電圧セルの組み合わせに対応する第1の調整用スイッチを調整位置から非調整位置に戻す。
【0069】
一方、判定部9の第1判定部が最大電圧セルと最小電圧セルとの電圧値の差ΔV1が所定電圧値Vsを超えていると判定し、且つ第2判定部が最大電圧セル群と最小電圧セル群との電圧値の差ΔV2が所定電圧値Vsを超えていると判定したときは、制御部10は、最大電圧セル群と最小電圧セル群とを調整処理対象として調整処理を実行する。制御部10は、包括用テーブルを参照して、最大電圧セル群と最小電圧セル群の組み合わせに対応する第2の調整用スイッチを決定し、そのスイッチを調整位置に設定して最大電圧セル群と最小電圧セル群とを並列接続する第2の調整回路を機能させ、最大電圧セル群の合計電圧値と最小電圧セル群の合計電圧値とが平均化されたか否かを判断し、平均化されたと判断したときに、調整位置に設定した最大電圧セル群と最小電圧セル群の組み合わせに対応する第2の調整用スイッチを調整位置から非調整位置に戻す。
【0070】
以下、図5のフローチャートを用いて、CPU7が実行する電圧調整処理について説明する。なお、セルCa〜Cdの電圧値Va〜Vdは、Va>Vd>Vc>Vbである場合を想定して説明する。
【0071】
第1実施形態と同様に、本処理が開始されると、判定部9は、制御部10が調整処理を実行しているか否かを判定する(ステップS11)。
【0072】
制御部10が調整処理を実行していないと判定された場合(ステップS11:NO)、検出部9は、セルCa〜Cdの各電圧値V1〜V4を検出し、検出した各セルの電圧値Va〜Vdを記憶部11に記憶する(ステップS12)。
【0073】
次に、判定部9の第1判定部は、記憶部11から各電圧値Va〜Vdを読み出し、全ての電圧値Va〜Vdの中から電圧値が最大である最大電圧セルCaと最小である最小電圧セルCbとを抽出し、最大電圧セルCaと最小電圧セルCbとの電圧値の差ΔV1=Va−Vbを算出する(ステップS13)。
【0074】
続いて、判定部9の第2判定部は、記憶部11から各電圧値Va〜Vdを読み出し、各電圧値Va〜Vdが大きい方から順に所定数(2つ)のセル(セルCa,Cd)を最大電圧セル群として、小さいほうから順に所定数(2つ)のセル(セルCb,Cc)を最小電圧セル群として抽出し、最大電圧セル群と最小電圧セル群との電圧値の差(最大電圧セル群(セルCa,Cd)のうち電圧値が最小であるセルCdと最小電圧セル群(セルCb,Cc)のうち電圧値が最大であるセルCcとの電圧値の差)ΔV2=Vd−Vcを算出する(ステップS14)。
【0075】
次に、判定部9は、最大電圧セルCaと最小電圧セルCbとの電圧値の差ΔV1が所定電圧値Vsを超えているか否かを判定する(ステップS15)。
【0076】
最大電圧セルCaと最小電圧セルCbとの電圧値の差ΔV1が所定電圧値Vsを超えている(ΔV1>Vs)と判定された場合(ステップS15:YES)、判定部9は、最大電圧セル群と最小電圧セル群との電圧値の差ΔV2が所定電圧値Vsを超えているか否かを判定する(ステップS16)。
【0077】
最大電圧セル群と最小電圧セル群との電圧値の差ΔV2が所定電圧値Vs以下である(ΔV2≦Vs)と判定された場合(ステップS16:NO)、最大電圧セルCaと最小電圧セルCbとを調整処理対象として調整処理を実行する(ステップS17)。制御部64は、単独用テーブルを参照して決定したセルCaとセルCbの組み合わせに対応する第1の調整用スイッチをそれぞれ調整位置に設定して、最大電圧セルCaと最小電圧セルCbの組み合わせに対応する第1の調整回路を接続させ、両セルの電圧値が平均化されたか否かを判断し、平均化されたと判断したときに、調整位置に設定したセルCaとセルCbの組み合わせに対応する第1の調整用スイッチを非調整位置に戻して、本処理を終了する。
【0078】
一方、最大電圧セル群と最小電圧セル群との電圧値の差ΔV2が所定電圧値Vsを超えている(ΔV2>Vs)と判定された場合(ステップ16:YES)、最大電圧セル群と最小電圧セル群とを調整処理対象として調整処理を実行する(ステップS18)。制御部10は、包括用テーブルを参照して決定した最大電圧セル群と最小電圧セル群の組み合わせに対応する第2の調整用スイッチをそれぞれ調整位置に設定する。これにより、最大電圧セル群(セルCa,Cd)と最小電圧セル群(セルCb,Cc)の組み合わせに対応する第2の調整回路が機能する。制御部10は、これら2つのセル群それぞれの合計電圧値が平均化されたか否かを判断し、平均化されたと判断したときに、最大電圧セル群と最小電圧セル群の組み合わせに対応する第2の調整用スイッチを調整位置から非調整位置に戻して、本処理を終了する。
【0079】
また、制御部10が調整処理を実行していると判定された場合(ステップS11:YES)、及び最大電圧セルと最小電圧セルとの電圧値の差ΔV1が所定電圧値Vs以下である(ΔV1≦Vs)と判定された場合(ステップS15:NO)は、CPU7は本処理を終了する。
【0080】
このように、本実施形態の電圧調整システムによれば、各セルの電圧値の状態によって、最大電圧セルと最小電圧セルとに対して調整処理を実行するか、所定数のセルで構成される最大電圧セル群と最小電圧セル群とに対して調整処理を実行するかを決定するため、効率のよい電圧調整処理を行うことができ、且つ複数の電池セル全体を調整するための時間の短縮化を図ることができる。
【0081】
なお、所定数は2に限定されるものではなく、直列接続された電池セルの半数以下となる2以上の値であればいくらでもよい。本実施形態では、直列接続された電池セルが4つであるため、所定数は2となり、全てのセルが調整処理対象となるが、例えば、直列接続された電池セルが6つであるとき、所定数は2又は3に設定可能であり、所定数が2に設定された場合は、直列接続されたセルのうち2つのセルは調整処理対象外となる。
【0082】
上述した実施形態は本発明の一例であり、本発明を逸脱しない範囲において変更可能である。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明は、ハイブリッド車や電気自動車等に搭載される電源のように、多数の電池セルが直列接続されている場合の電池セル間の電圧調整に広く適用可能である。
【符号の説明】
【0084】
1:電圧調整システム
2:負荷回路
3:充電回路
4:電池側スイッチ群
5:調整側スイッチ群
6:制御ユニット
7:CPU(Central Processing Unit)
8:検出部(検出手段)
9:判定部(判定手段)
10:制御部(制御手段)
11:記憶部
12〜19:接続線
20:電池側第2スイッチ群
Ca〜Cd:電池セル
SW1〜SW4,SW11〜SW15,SW21〜SW25:スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直列接続された複数の電池セル間における電圧値の差を調整する電圧調整システムであって、
前記複数の電池セルから抽出される2つの電池セルの全ての組み合わせに対応してそれぞれ設けられ、前記抽出される2つの電池セルを同極同士が通電する並列状態で接続する複数の調整回路と、
前記抽出される2つの電池セルの組み合わせに対応してそれぞれ設けられ、前記複数の調整回路のそれぞれを機能させる調整位置と機能させない非調整位置とに選択的に設定される複数のスイッチと、
前記複数の電池セルの各電圧値を検出する検出手段と、
前記検出手段が検出した電圧値が最大である最大電圧セルと最小である最小電圧セルとの電圧値の差が所定電圧値を超えているか否かを判定する判定手段と、
前記最大電圧セルと前記最小電圧セルとの電圧値の差が所定電圧値を超えていると前記判定手段が判定したとき、前記複数のスイッチのうち前記最大電圧セルと前記最小電圧セルの組み合わせに対応するスイッチのみを前記調整位置に設定する制御手段と、を備えた
ことを特徴とする電圧調整システム。
【請求項2】
直列接続された4つ以上の複数の電池セル間における電圧値の差を調整する電圧調整システムであって、
前記複数の電池セルからそれぞれ抽出される所定数の電池セルが構成する2つのセル群の全ての組み合わせに対応してそれぞれ設けられ、各セル群を構成する複数の電池セルを、1つの電池セルの正極と他の1つの電池セルの負極とを開放した状態で直列接続するとともに、当該2つのセル群を、前記開放された4つの電極の同極同士が通電する並列状態で接続する複数の調整回路と、
前記2つのセル群の組み合わせに対応してそれぞれ設けられ、前記複数の調整回路のそれぞれを機能させる調整位置と機能させない非調整位置とに選択的に設定される複数のスイッチと、
前記複数の電池セルの各電圧値を検出する検出手段と、
前記複数の電池セルの中から、前記検出手段が検出した電圧値が大きい方から順に前記所定数の電池セルを最大電圧セル群として、小さい方から順に前記所定数の電池セルを最小電圧セル群としてそれぞれ抽出し、前記最大電圧セル群に含まれる電池セルのうち電圧値が最小の電池セルと前記最小電圧セル群に含まれる電池セルのうち電圧値が最大の電池セルとの電圧値の差が所定電圧値を超えているか否かを判定する判定手段と、
前記2つの電池セルの電圧値の差が所定電圧値を超えていると前記判定手段が判定したとき、前記複数のスイッチのうち前記最大電圧セル群と前記最小電圧セル群の組み合わせに対応するスイッチのみを前記調整位置に設定する制御手段と、を備えた
ことを特徴とする電圧調整システム。
【請求項3】
直列接続された4つ以上の複数の電池セル間における電圧値の差を調整する電圧調整システムであって、
前記複数の電池セルから抽出される2つの電池セルの全ての組み合わせに対応してそれぞれ設けられ、前記抽出される2つの電池セルを同極同士が通電する並列状態で接続する複数の第1の調整回路と、
前記抽出される2つの電池セルの組み合わせに対応してそれぞれ設けられ、前記複数の第1の調整回路のそれぞれを機能させる第1の調整位置と機能させない非調整位置とに選択的に設定される複数の第1のスイッチと、
前記複数の電池セルからそれぞれ抽出される所定数の電池セルが構成する2つのセル群の全ての組み合わせに対応してそれぞれ設けられ、各セル群を構成する複数の電池セルを、1つの電池セルの正極と他の1つの電池セルの負極とを開放した状態で直列接続するとともに、当該2つのセル群を、前記開放された4つの電極の同極同士が通電する並列状態で接続する複数の第2の調整回路と、
前記2つのセル群の組み合わせに対応してそれぞれ設けられ、前記複数の第2の調整回路のそれぞれを機能させる第2の調整位置と機能させない非調整位置とに選択的に設定される複数の第2のスイッチと、
前記複数の電池セルの各電圧値を検出する検出手段と、
前記検出手段が検出した電圧値が最大である最大電圧セルと最小である最小電圧セルとの電圧値の差が所定電圧値を超えているか否かを判定する第1の判定手段と、
前記複数の電池セルの中から、前記検出手段が検出した電圧値が大きい方から順に前記所定数の電池セルを最大電圧セル群として、小さい方から順に前記所定数の電池セルを最小電圧セル群としてそれぞれ抽出し、前記最大電圧セル群に含まれる電池セルのうち電圧値が最小の電池セルと前記最小電圧セル群に含まれる電池セルのうち電圧値が最大の電池セルとの電圧値の差が前記所定電圧値を超えているか否かを判定する第2の判定手段と、
前記最大電圧セルと前記最小電圧セルとの電圧値の差が所定電圧値を超えていると前記第1の判定手段が判定し、且つ前記2つの電池セルの電圧値の差が所定電圧値以下であると前記第2の判定手段が判定したとき、前記複数のスイッチのうち前記最大電圧セルと前記最小電圧セルの組み合わせに対応するスイッチのみを前記第1の調整位置に設定し、前記2つの電池セルの電圧値の差が所定電圧値を超えていると前記第2の判定手段が判定したとき、前記複数のスイッチのうち前記最大電圧セル群と前記最小電圧セル群の組み合わせに対応するスイッチのみを前記第2の調整位置に設定する制御手段と、を備えた
ことを特徴とする電圧調整システム。
【請求項4】
請求項1又は請求項3に記載の電圧調整システムであって、
前記制御手段は、前記最大電圧セルと前記最小電圧セルの組み合わせに対応するスイッチを前記調整位置に設定した後、前記最大電圧セルの電圧値と前記最小電圧セルの電圧値とが平均化されたか否かを判断し、当該2つの電圧値が平均化されたと判断したときに前記調整位置に設定したスイッチを前記非調整位置に戻す
ことを特徴とする電圧調整システム。
【請求項5】
請求項2又は請求項3に記載の電圧調整システムであって、
前記制御手段は、前記最大電圧セル群と前記最小電圧セル群の組み合わせに対応するスイッチを前記調整位置に設定した後、前記最大電圧セル群の合計電圧値と前記最小電圧セル群の合計電圧値とが平均化されたか否かを判断し、当該2つの合計電圧値が平均化されたと判断したときに前記調整位置に設定したスイッチを前記非調整位置に戻す
ことを特徴とする電圧調整システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−200008(P2011−200008A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−63396(P2010−63396)
【出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【出願人】(000000170)いすゞ自動車株式会社 (1,721)
【Fターム(参考)】