説明

電子カレンダー

【課題】暦に関連した画像を自動で表示させることができる電子カレンダーを提供する。
【解決手段】電子カレンダー1は、本体の片側一面に、少なくとも暦情報3と画像情報4とを表示できる液晶表示パネル2を備える。電子カレンダー1は、日時を計時する計時手段と、計時手段によって計時された日時に基づく暦情報3と、暦情報3のうち将来の日時に対応させた画像情報4とを記録する情報データベースを、本体に内蔵する。画像情報4は、暦情報3のうち現在の日時よりも過去の日時に生じた出来事に関する。電子カレンダー1は、画像情報4を、暦情報3が将来の日時になったとき(本日)に液晶表示パネル2に表示させる画像表示制御手段を、本体に内蔵する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子カレンダーに関する。詳しくは、動画再生が可能な電子カレンダーに係るものである。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイが用いられ、デジタル写真の表示に特化した電子写真立てが発売されている。電子写真立てに、メモリーカードなどの記録媒体を挿入し、メモリーカード内に保存された静止画や動画が表示される。
【0003】
例えば特許文献1には、図5に示すような電子写真立てが記載されている。すなわち、特許文献1には、フレーム101の前面に、表示部107と、リモートコントローラ受光部113と、スピーカ127とが設けられた電子写真立てが記載されている。また、フレーム101の裏面には、メニューボタン、回転ボタンなどが設けられている。接続端子(118、119)は、フレーム101の側面に設けられている。表示部107は、観賞用画像、情報画像、メニュー画像を表示する液晶表示装置である。情報画像には、カレンダー等が含まれる。回転ボタンは、観賞用画像を90度ずつ回転させるために操作されるボタンである。このような構成により、観賞用画像と情報画像とを同時に表示した場合に、設置する写真立ての姿勢により情報画像の文字が90度あるいは180度回転してしまい見づらいといった不都合が生じない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−67004号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の電子写真立ては、観賞用画像と、カレンダーなどの情報画像とを表示するものの、観賞用画像は、情報画像に関連する画像ではなかった。例えば、結婚式の画像を、毎年、挙式日に相当する月日に表示するようにすれば、記念日を風化させることがなく、このような便利なカレンダーが望まれていた。
【0006】
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであり、暦に関連した画像を自動で表示させることができる電子カレンダーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明の電子カレンダーは、日時を計時する計時手段と、該計時手段によって計時された日時に基づく暦情報と、該暦情報のうち将来の日時に対応させた画像情報とを記録する情報記録手段と、少なくとも前記情報記録手段に記録された前記暦情報と前記画像情報とを表示可能な情報表示手段と、前記画像情報を、前記暦情報が前記将来の日時になったときに前記情報表示手段に表示させる画像表示制御手段とを備える。
【0008】
ここで、暦情報のうち将来の日時に対応させた画像情報を、暦情報が将来の日時になったときに情報表示手段に表示させる画像表示制御手段によって、予め設定しておいた日時が訪れると、対応した静止画や動画が自動的に表示される。
【0009】
また、本発明の電子カレンダーは、照度を感知する照度感知手段と、照度感知手段によって感知された照度が所定の値よりも小さい場合に情報表示手段の光源を切るよう構成されると共に照度感知手段によって感知された照度が所定の値よりも大きい場合に情報表示手段の光源を入れるよう構成された光源制御手段とを備える場合、室内の照度に応じて情報表示手段の光源をオン/オフできるので、省エネルギー化を図ることができる。
ここで、「所定の値」とは、人間が起きて生活する上で支障がない程度の値を意味する。
【0010】
さらに、本発明の電子カレンダーにおいて、情報表示手段は、タッチパネル形式で暦情報の表示切替え可能に構成された場合、物理的なボタン等を設ける必要がないので画面領域を広くすることができる。
【0011】
また、本発明の電子カレンダーにおいて、画像情報は動画である場合、静止画の場合よりも思い出に浸りやすくなる。
【0012】
また、本発明の電子カレンダーにおいて、画像情報は、暦情報のうち現在の日時よりも過去の日時に生じた出来事に関する場合、過去の出来事の風化を抑制することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る電子カレンダーは、暦に関連した画像を自動で表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の電子カレンダーの表面の一例を示す概略図である。
【図2】本発明の電子カレンダーの裏面の一例を示す概略図である。
【図3】本発明の電子カレンダーの側面の一例を示す概略図である。
【図4】本発明の電子カレンダーの表面の他の例を示す概略図である。
【図5】従来のカレンダー情報を表示する電子写真立ての概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。
図1は、本発明の電子カレンダーの表面の一例を示す概略図である。本発明の電子カレンダー1は、本体の片側一面に、少なくとも暦情報3と画像情報4とを表示できる液晶表示パネル(情報表示手段の一例である。)2を備える。
【0016】
また、本発明の電子カレンダー1は、日時を計時する計時手段(図示せず。)と、計時手段(図示せず)によって計時された日時に基づく暦情報3と、暦情報3のうち将来の日時に対応させた画像情報4とを記録する情報データベース(図示せず。)(情報記録手段の一例である。)を、本体に内蔵する。また、画像情報4は、暦情報3のうち現在の日時よりも過去の日時に生じた出来事に関する。
【0017】
また、本発明の電子カレンダー1は、画像情報4を、暦情報3が将来の日時になったとき(本日)に液晶表示パネル2に表示させる画像表示制御手段(図示せず。)を、本体に内蔵する。
また、本発明の電子カレンダー1は、照度を感知する照度センサー(照度感知手段の一例である。)5を備える。
【0018】
また、本発明の電子カレンダー1は、照度センサー5によって感知された照度が所定の値よりも小さい場合に液晶表示パネル2の光源を切るよう構成されると共に照度センサー5によって感知された照度が所定の値よりも大きい場合に液晶表示パネル2の光源を入れるよう構成された光源制御手段(図示せず。)とを備える。
【0019】
また、液晶表示パネル2はタッチパネル形式で操作可能に構成されており、指などでタッチされることで暦情報3を次月に切替える次月ボタン6と、指などでタッチされることで暦情報3を先月に切替える先月ボタン7とを表示する。
【0020】
また、液晶表示パネル2は、指などでタッチされることで、暦情報3や画像情報4などを拡大表示させる表示拡大ボタン8を表示する。なお、表示拡大ボタン8を一度押すことで拡大表示させ、さらに押すことで元の大きさに戻す。
【0021】
また、液晶表示パネル2は、指などでタッチされることで、液晶表示パネル2の表示を設定画面に切替えるメニューボタン9を表示する。設定画面において、暦情報3のうち将来の日時、例えば、2011年1月1日に、タイトル「初詣」という動画を対応させて設定したり、暦情報の表示形式を当月のみの表示に設定したり、上段に当月を表示すると共に下段に次月を表示するよう設定したりする。また、設定画面に表示される確認ボタンを押して、設定した動画や静止画を確認することができる。また、設定画面において、すでに設定した内容を解除できることは勿論である。
【0022】
また、暦情報3のうち、動画も静止画も対応していない日時があるが、暦情報3がそのような日時になったときに画像情報を表示させず液晶表示パネル全面に暦情報を表示させるよう設定することもできる。
【0023】
また、液晶表示パネル2は、指などでタッチされることで、液晶表示パネル2の電源をオンにする電源オンボタン10と、液晶表示パネル2の電源をオフにする電源オフボタン11を表示する。
【0024】
また、暦情報3の表示において、本日表示12と、画像設定日表示13とは表示が異なる。なお、本日が画像設定日である場合は、画像設定日表示13が優先される。
【0025】
また、液晶表示パネル2は、指などでタッチされることで、動画再生時の音量を調整できる動画音量調整部14を表示する。
【0026】
また、液晶表示パネル2は、指などでタッチされることで、動画の一部を静止画として表示させる静止画表示ボタン15を表示する。動画の一部を静止画として表示させた場合、静止画表示ボタン15の色が通常とは異なった色となり、利用者に動画の一部を静止画にしていることを知らせる。
【0027】
また、液晶表示パネル2は、指などでタッチされることで、再生中の動画を戻す動画再生戻るボタン16や、再生中の動画を進める動画再生進むボタン17を表示する。
【0028】
また、液晶表示パネル2は、指などでタッチされることで、動画を再生させる動画再生ボタン18を表示する。動画を再生させた場合、動画再生ボタン18の色が、通常の色や静止画表示ボタン15の色とは異なった色となり、利用者に動画が再生中であることを知らせる。
【0029】
また、液晶表示パネル2は、指などでタッチされることで、動画を一時停止させたり停止させたりする停止ボタン19を表示する。
【0030】
暦情報が将来の日時になったとき(本日)、画像表示制御手段によって自動的に、将来の日時に対応させて記録された動画や静止画が表示されるが、将来の日時に対応させて動画や静止画を記録しているので、暦情報を指で押しても、対応した動画や静止画が表示される。
【0031】
ここで、情報データベースに、暦情報と、将来の日時に対応させた画像情報とを記録しているが、暦情報と、将来の日時に対応させた画像情報を記録するのであれば、必ずしも1つのデータベースに両情報を記録しなくてもよい。例えば、電子カレンダーの本体に、暦情報を記録する暦情報データベースと、画像情報を記録する画像情報データベースとを内蔵させていてもよく、この場合、暦情報のうち将来の日時に画像情報を対応させる設定情報を記録する設定情報データベースも内蔵させる。
【0032】
また、情報データベースは、電子カレンダーの本体に内蔵されているが、暦情報や、将来の日時に対応させた画像情報を記録する手段であれば、必ずしも本体に内蔵されていなくてもよく、例えば暦情報を記録する暦情報データベースや設定情報データベースは本体に内蔵させ、将来の日時に対応させた画像情報を記録する手段は、メモリーカードのような着脱可能な記録媒体であってもよい。
【0033】
また、本発明の電子カレンダーは、日時を計時する計時手段と、計時手段によって計時された日時に基づく暦情報と暦情報のうち将来の日時に対応させた画像情報とを記録する情報記録手段と、少なくとも情報記録手段に記録された暦情報と画像情報とを表示可能な情報表示手段と、画像情報を、暦情報が将来の日時になったときに情報表示手段に表示させる画像表示制御手段とを備えるのであれば、必ずしも照度センサーと、光源制御手段(図示せず。)とを備えなくてもよい。しかし、本発明の電子カレンダーが、照度センサーと光源制御手段とを備えていれば、室内の照度に応じて情報表示手段の光源をオン/オフできるので、省エネルギー化を図ることができ、好ましい。
【0034】
また、本発明の電子カレンダーは、日時を計時する計時手段と、計時手段によって計時された日時に基づく暦情報と暦情報のうち将来の日時に対応させた画像情報とを記録する情報記録手段と、少なくとも情報記録手段に記録された暦情報と画像情報とを表示可能な情報表示手段と、画像情報を、暦情報が将来の日時になったときに情報表示手段に表示させる画像表示制御手段とを備えるのであれば、必ずしも液晶表示パネルはタッチパネル形式で操作可能に構成されていなくてもよい。しかし、液晶表示パネルがタッチパネル形式で操作可能に構成されていれば、物理的なボタン等を設ける必要がないので画面領域を広くすることができ、好ましい。
【0035】
図2は、本発明の電子カレンダーの裏面の一例を示す概略図である。本発明の電子カレンダー1は、本体1Aの、液晶表示パネル2とは反対側の面(裏面)に、四隅に配置された背当て部20を備える。
【0036】
また、本発明の電子カレンダー1は、本体1Aの裏面に支持部21を備える。この支持部21によって、電子カレンダー1を壁に掛けることができる。
【0037】
また、本発明の電子カレンダー1は、本体1Aの裏面に、バッテリーが収納されたバッテリー部22を備える。
【0038】
また、本発明の電子カレンダー1は、本体1Aの裏面に、本体1Aの内部の熱が排出される熱排出口23を備える。
【0039】
図3は、本発明の電子カレンダーの側面の一例を示す概略図である。本発明の電子カレンダー1は、本体1Aの側面に、メモリーカードスロット24を備える。動画や静止画が記録されたメモリーカードをメモリーカードスロット24に差し込み、メモリーカードに記録された動画や静止画を、本発明の電子カレンダー1の情報データベースに、将来の日時に対応させて記録し、液晶表示パネル2に表示させるよう設定する。
【0040】
また、本発明の電子カレンダー1は、本体1Aの側面に、ACアダプタ端子25を備える。
また、本発明の電子カレンダー1は、本体1Aの裏面もしくは本体1Aの側面にUSB端子を備えていてもよい。
【0041】
図4は、本発明の電子カレンダーの表面の他の例を示す概略図である。図4に示すように、何年か前の6月1日に挙げた結婚式の動画が、6月1日に対応して記録されており、6月1日が本日になったとき、自動的に動画再生が行なわれる。
【0042】
以上のように、本発明の電子カレンダーは、暦情報のうち将来の日時に対応させた画像情報を、暦情報が将来の日時になったときに情報表示手段に表示させるので、予め設定しておいた日時が訪れると、対応した静止画や動画が自動的に表示される。従って、本発明の電子カレンダーは、暦に関連した画像を自動で表示させることができる。例えば、6月1日に挙げた結婚式の動画が、6月1日に対応して記録されており、6月1日が本日になったとき、自動的に動画再生が行なわれるので、毎年訪れる記念日などの風化を抑制することができる。
特に、動画が再生されることで、静止画よりも思い出に浸りやすくなる。
【0043】
また、個人の記念日に限らず、季節や祝日に関連した画像を、暦情報の将来の日時に対応させて記録させることもできる。
【0044】
また、本発明の電子カレンダーは、照度センサーによって感知された照度が所定の値よりも小さい場合に液晶表示パネルの光源を切るよう構成されると共に照度センサーによって感知された照度が所定の値よりも大きい場合に液晶表示パネルの光源を入れるよう構成された光源制御手段を備えるので、電子カレンダーの周りに人間がいないか若しくは人間がいても寝ているなど、電子カレンダーを誰も見ていない(利用していない)可能性が高い、所定の値より小さい照度において、液晶表示パネルの光源を切って、省エネルギー化を図ることができる。
【符号の説明】
【0045】
1 電子カレンダー
1A 本体
2 液晶表示パネル
3 暦情報
4 画像情報
5 照度センサー
6 次月ボタン
7 先月ボタン
8 表示拡大ボタン
9 メニューボタン
10 電源オンボタン
11 電源オフボタン
12 本日表示
13 画像設定日表示
14 動画音量調整部
15 静止画表示ボタン
16 動画再生戻るボタン
17 動画再生進むボタン
18 動画再生ボタン
19 停止ボタン
20 背当て部
21 支持部
22 バッテリー部
23 熱排出口
24 メモリーカードスロット
25 ACアダプタ端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
日時を計時する計時手段と、
該計時手段によって計時された日時に基づく暦情報と、該暦情報のうち将来の日時に対応させた画像情報とを記録する情報記録手段と、
少なくとも前記情報記録手段に記録された前記暦情報と前記画像情報とを表示可能な情報表示手段と、
前記画像情報を、前記暦情報が前記将来の日時になったときに前記情報表示手段に表示させる画像表示制御手段とを備える
電子カレンダー。
【請求項2】
照度を感知する照度感知手段と、
該照度感知手段によって感知された照度が所定の値よりも小さい場合に前記情報表示手段の光源を切るよう構成されると共に前記照度感知手段によって感知された照度が所定の値よりも大きい場合に前記情報表示手段の光源を入れるよう構成された光源制御手段とを備える
請求項1に記載の電子カレンダー。
【請求項3】
前記情報表示手段は、タッチパネル形式で前記暦情報の表示切替え可能に構成された
請求項1または請求項2に記載の電子カレンダー。
【請求項4】
前記画像情報は動画である
請求項1〜3のいずれか1つに記載の電子カレンダー。
【請求項5】
前記画像情報は、前記暦情報のうち現在の日時よりも過去の日時に生じた出来事に関する
請求項1〜4のいずれか1つに記載の電子カレンダー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−197463(P2011−197463A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−64971(P2010−64971)
【出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【出願人】(509049964)
【Fターム(参考)】