説明

電子カード接続装置に装着するための装着部品

【課題】幅の大きい開口部を有する電子カード接続装置に関し、幅の小さい電子カードを接続した際の、電子カードのぐらつきを抑制させる装着部品を提供することを第1の目的とする。また、電子カードを接続した際に生じる電子カード接続装置の開口部からの埃の侵入を防止する装着部品を提供することを第2の目的とする。
【解決手段】装着部品6は第1の部材62と第2の部材64とを有する。第1の部材62は、幅の小さい電子カード44を電子カード接続装置1のコネクタに接続した場合に形成される電子カード接続装置1内の空間部に収納される。また、空間部に収納された際の第1の部材62の幅は、空間部の幅と略同一である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子カード接続装置に装着するための装着部品に関する。
【背景技術】
【0002】
電子カードをコネクタに接続する装置として、PCMCIA(Personal Computer Memory Card International Association)規格に準拠したユニバーサルスロットが知られている。ユニバーサルスロットに接続する電子カードは、PCMCIA規格で開示されたExpress Card/34(以下、「第1のカード」という。)と、Express Card/54(以下、「第2のカード」という。)がある。第1のカードは、幅34mm、長さ75mm、厚さが5mmの略直方体のカードである。第2のカードは、幅54mm、長さ53mm、厚さ5mmの略直方体の幅広部と、幅34mm、長さ22mm、厚さ5mmの略直方体の幅同一部とを有し、全体の形状が略L字形状をしている。なお、第1のカード、第2のカードを総じて「カード」という。
【0003】
図13は、ユニバーサルスロットのコネクタに各カードを接続した際の斜視図である。図13(A)は、第1のカード44cをユニバーサルスロット1cのコネクタに接続した際の斜視図であり、図13(B)は、第2のカード54cをユニバーサルスロット1cのコネクタに接続した際の斜視図である。また、図13の各カード44c,54cには、I/Oコネクタやアンテナ等の拡張用の部品42c,52cが実装されている。なお、図13には方向を特定するためにXYZ軸が図示されている。図13では、各カード44c,54cの形状が分かるように、ユニバーサルスロット1c内に収納されている各カードの部分は破線で示している。
【0004】
ユニバーサルスロット1cは、筐体20cと底面部材30cとを有する。筐体20cの一端(X軸正方向側の端)は開口部208cであり、他端側の面(X軸負方向側の面)にはコネクタ(図示せず)を有する。開口部208cの幅の寸法は、第1のカード44cと第2のカード54cの双方をユニバーサルスロット1に挿入可能とするために、第2のカード54cの幅広部の幅の寸法54mmに対応させた略54mmである。また、ユニバーサルスロット1cは第2のカード54cを収納可能とするために、開口部208cからX軸負方向に向かって、第2のカード54cの幅広部の幅に対応した幅を有する第1の部分220cを有する。さらに、ユニバーサルスロット1cは、第1の部分からX軸負方向側へ向かって形成された、第1のカード44cの幅に対応した幅を有する第2の部分230cを有する。
【0005】
ユニバーサルスロット1cのコネクタに第1のカード44cを接続した場合、第1の部分220cに空間部221cが生じる。このため、第1のカード44cががたつき、コネクタとの接続不良が生じる場合があった。また、開口部208cから埃が第1の部分の空間部221cに侵入する場合があった。
【0006】
上記の問題を解決するために、従来、ユニバーサルスロット1cの開口部208cに第1と第2の扉を設ける技術が知られている(例えば、特許文献1)。この技術は、第1のカード44cの挿入時には第1の扉は開状態となり、第2の扉は閉状態となる。第2の扉の側面が第1のカード44cと当接することで第1のカード44cのがたつきを抑制する。また、第2の扉により開口部208cから埃がユニバーサルスロット1c内に侵入することを防止する。
【0007】
しかしながら、第1のカード44cのがたつきを抑制する「がたつき抑制機構」又は開口部208cからの埃の侵入を防止する「防塵機構」を備えていないユニバーサルスロットが多く市場に流通しているのが実情である。「がたつき抑制機構」又は「防塵機構」を備えていないユニバーサルスロットにおいては、第1のカード44のぐらつきの抑制や、ユニバーサルスロットへの埃の侵入の防止を行うことが困難であった。このような問題は、PCMCIA規格に準拠したユニバーサルスロットのコネクタに第1のカードを接続する場合に限らず、一定の幅を有する第1種の電子カードと、第1種の電子カードよりも大きい幅を有する第2種の電子カードをコネクタに接続できる電子カード接続装置において、第1種の電子カードをコネクタに接続する場合に共通する問題であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−241416号公報
【特許文献2】特開2006−79843号公報
【特許文献3】特開2006−120476号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って本発明は、一定の幅を有する第1種の電子カードと、第1種の電子カードよりも大きい一定の幅を有する幅広部を有する第2種の電子カードとをそれぞれコネクタに接続できる電子カード接続装置に関し、第1種の電子カードを電子カード接続装置のコネクタに接続した際の、第1種の電子カードのぐらつきを抑制させる技術を提供することを第1の目的とする。また、第1種の電子カードを電子カード接続装置のコネクタに接続した際に生じる電子カード接続装置の開口部からの埃の侵入を防止する技術を提供することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することができる。
【0011】
[適用例1]一端に開口部を有し他端にコネクタを有する筐体と、前記筐体の底面を形成する底面部材とを備え、前記開口部の長手方向を幅方向とした場合に、一定の幅を有する第1種の電子カードと前記第1種の電子カードよりも大きい一定の幅を有する第2種の電子カードを前記開口部から挿入して前記コネクタに接続できる電子カード接続装置に装着するための装着部品であって、前記コネクタに前記第1種の電子カードを接続した際に、前記底面部材と前記筐体と前記第1種の電子カードにより形成される略直方体形状の空間部に収納される第1の部材と、前記第1の部材に接続され、前記第1の部材を前記電子カード接続装置に収納した際に前記開口部から前記筐体の外側に露出する第2の部材と、を備え、前記空間部に収納された際の前記第1の部材の幅は、前記空間部の幅と略同一である、装着部品。
適用例1の装着部品によれば、空間部に収納された際の第1の部材の幅が、空間部の幅と略同一であることから、電子カード接続装置のコネクタに第1種の電子カードを接続した際の第1種の電子カードのぐらつきを抑制させることができる。これにより、第1種の電子カードのコネクタへの接続を良好に保つことができる。また、第1の部材を電子カード接続装置に収納した際に、第2の部材が筐体の外側に露出していることから、第2の部材を利用者が摘むことで容易に装着部品を電子カード接続装置から引き抜くことができる。なお、「略同一」とは、空間部に第1の部材を収納した際に、幅方向に若干の隙間が生じても、第1種の電子カードのぐらつきを抑制できる範囲であれば良いことを意味する。
【0012】
[適用例2]適用例1に記載の装着部品であって、前記第2種の電子カードは、前記第1種の電子カードよりも大きい一定の幅を有する幅広部と、前記第1種の電子カードと同一の幅を有する幅同一部とを有し、前記筐体は、前記開口部から他端側へ向かって形成され、前記幅広部の幅に対応する一定の幅を有する第1の部分と、前記第1の部分から他端側へ向かって形成され、前記第1種の電子カードの幅に対応する一定の幅を有する第2の部分と、を有し、前記第1種の電子カードが前記第1と第2の部分に収納されることで、前記第1の部分の一部に前記空間部が形成される、装着部品。
適用例2の装着部品によれば、空間部に収納された際の第1の部材の幅が、空間部の幅と略同一であることから、電子カード接続装置のコネクタに第1種の電子カードを接続した際の第1種の電子カードのぐらつきを抑制させることができる。これにより、第1種の電子カードのコネクタへの接続を良好に保つことができる。また、第1の部材を電子カード接続装置に収納した際に、第2の部材が筐体の外側に露出していることから、第2の部材を利用者が摘むことで容易に装着部品を電子カード接続装置から引き抜くことができる。なお、「略同一」とは、空間部に第1の部材を収納した際に、幅方向に若干の隙間が生じても、第1種の電子カードのぐらつきを抑制できる範囲であれば良いことを意味する。
【0013】
[適用例3]適用例1又は適用例2に記載の装着部品であって、前記第1の部材は、前記第1種の電子カードを前記コネクタに接続した際に、前記第1種の電子カードと接する電子カード側部材と、前記筐体の側面と接する側面側部材とを有し、少なくとも前記電子カード側部材の長さは、前記空間部の長さと略同一である、装着部品。
適用例3の装着部品によれば、さらに、少なくとも電子カード側部材の長さが空間部の長さと略同一であるため、電子カード側部材が空間部を形成する筐体の面の内、開口部を形成する面とは反対側の面と接するため、装着部品のぐらつきを抑制することができる。よって、第1の電子カードのぐらつきをさらに抑制させることができ、第1の電子カードのコネクタへの接続をさらに良好に保つことができる。
【0014】
[適用例4]適用例1乃至適用例3のいずれか一つに記載の装着部品であって、前記第2の部材は直方体形状であり、前記第2の部材の厚さは、前記空間部の高さ以上であり、前記第2の部材の幅は、前記空間部の幅以上であり、前記空間部に前記第1の部材を収納した際に、前記第2の部材は前記開口部を塞ぐ位置にある、装着部品。
適用例4の装着部品によれば、開口部から電子カード接続装置内に埃が侵入することを防止することができる。
【0015】
[適用例5]適用例1乃至適用例4のいずれか一つに記載の装着部品であって、前記第1の部材は、さらに、少なくとも一部に弾性を有する弾性部材を有し、前記空間部に前記第1の部材を収納した際に、前記第1の部材は前記弾性部材の弾性力により、前記第1種の電子カードを当該装着部品が位置する側とは反対の側に押す、装着部品。
適用例5に記載の装着部品によれば、さらに、第1の部材は、第1種の電子カードを装着部品が位置する側とは反対の側に押すために、装着部品を安定して電子カード接続装置内に保持させることができる。言い換えれば、第1の部材は第1種の電子カードと筐体側面により挟持されることになり装着部品を安定して電子カード接続装置内に保持させることができる。
【0016】
[適用例6]適用例1乃至適用例5のいずれか一つに記載の装着部品であって、さらに、前記第1種の電子カードの一部と嵌合させることができる嵌合部材を有する、装着部品。
適用例6の装着部品によれば、さらに、嵌合部材を有することで第1種の電子カードと装着部品を一体として電子カード接続装置に挿脱可能とすることができる。
【0017】
[適用例7]適用例6に記載の装着部品であって、前記嵌合部材は、前記第1種の電子カードに形成された切欠部と嵌合する部材である、装着部品。
適用例7の装着部品によれば、さらに、第1種の電子カードに形成された切欠部と嵌合する部材を有することで、第1種の電子カードと装着部品を一体として電子カード接続装置に挿脱可能とすることができる。
【0018】
[適用例8]適用例1乃至適用例7のいずれか一つに記載の装着部品であって、さらに、前記第2の部材に接続され、前記第2の部材よりも厚さの小さい薄肉部材を有し、前記薄肉部材は、前記第2の部材を挟んで前記第1の部材とは反対側に位置しており、前記第1種の電子カードが、前記第1種の電子カードを前記コネクタに接続した際に前記筐体の外側に位置する延長部を有する場合に、前記薄肉部材は、前記第1種の電子カードが前記コネクタに接続され、かつ、前記第1の部材が前記空間部に収納された際に、前記延長部の底面と当接することができるような構造を有する、装着部品。
適用例8の装着部品によれば、装着部品の薄肉部材が第1種の電子カードに備えられた延長部の底面と当接することで、装着部品が第1種の電子カードを安定して保持することができ、第1種の電子カードのぐらつきをさらに抑制することができる。
【0019】
[適用例9]適用例1乃至適用例8のいずれか一つに記載の装着部品であって、前記第1種の電子カードは、ExpressCard/34であり、前記電子カード接続装置は、PCMCIA(Personal Computer Memory Card International Association)規格に準拠したユニバーサルスロットであり、前記第1の部材の厚さは、3.00mm以上5.60mm未満であり、前記第2の部材の厚さは、5.40mm以上5.70mm以下であり、前記第1の部材の長さは、36.95mm以上37.35mm以下であり、前記空間部に前記第1の部材が収納された際に、前記第1の部材の一方の側面は前記ExpressCard/34に接し、前記第1の部材の他方の側面は前記筐体の側面に接する、装着部品。
適用例9の装着部品によれば、ユニバーサルスロットが備えるコネクタにExpressCard/34を接続した際の、ExpressCard/34のぐらつきを抑制させることができる。これにより、ExpressCard/34のコネクタへの接続を良好に保つことができる。また、ExpressCard/34をユニバーサルスロットのコネクタに接続した際に形成される空間部を、装着部品の第2の部材により筐体の外部から遮蔽するため、埃の侵入を防止することができる。
【0020】
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、装着部品、装着部品の製造方法。装着部品の電子カード接続装置への挿脱方法等の態様で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】第1実施例としての装着部品を装着するための電子カード接続装置を説明するための図である。
【図2】第1実施例の電子カード接続装置を説明するための第2の図である。
【図3】ユニバーサルスロットのコネクタに接続する電子カードを備えたモジュールの斜視図である。
【図4】ユニバーサルスロットのコネクタに第1のモジュールを接続した際の斜視図である。
【図5】第1実施例としての装着部品の斜視図である。
【図6】装着部品の形状を説明するための図である。
【図7】装着部品の使用方法について説明するための図である。
【図8】第2実施例の電子カード接続装置を説明するための図である。
【図9】本発明の第2実施例としての装着部品について説明するための図である。
【図10】第3変形例及び第6変形例の装着部品の斜視図である。
【図11】第7変形例及び第8変形例を説明するための図である。
【図12】第9変形例を説明するための図である。
【図13】ユニバーサルスロットのコネクタに各カードを接続した際の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、本発明の実施の形態を以下の順序で説明する。
A.第1実施例:
B.第2実施例:
C.変形例:
【0023】
A.第1実施例:
図1は、本発明の第1実施例としての装着部品を装着するための電子カード接続装置を説明するための図である。なお、図1には方向を特定するためにXYZ軸が図示されている。電子カード接続装置1は、筐体20と底面部材30とを有する。筐体20の前面(X軸正方向側に位置する面)には開口部208が形成され、開口部208から後述する形状の異なる2枚の電子カードがそれぞれ挿入される。本実施例の電子カード接続装置1は、PCMCIA(Personal Computer Memory Card International Association)規格に準拠したユニバーサルスロットである。以下、電子カード接続装置1を「ユニバーサルスロット1」ともいう。
【0024】
図2は、第1実施例の電子カード接続装置1を説明するための第2の図である。図2では、説明の便宜上、底面部材30(図1)は図示していない。筐体20は、X軸正方向側の正面208と、X軸負方向側の第1の後面206と第2の後面212と、Y軸正方向側の第1の右側面204と第2の右側面210と、Y軸負方向側の左側面202と、Z軸正方向側の上面214と、Z軸負方向側の底面(開口)とを備える。正面は開口しており、開口部208を形成している。底面の開口を底面部材30(図1)が塞ぐことで、ユニバーサルスロット1は前面のみが開口した構成となる。第1の後面206には、コネクタ216が備え付けられている。このようなユニバーサルスロット1はノートパソコンやデスクトップパソコン等の電子機器に装備されている。
【0025】
筐体20の開口部208の幅はW1であり、第1の後面206の幅はW2であり、第2の後面212の幅はW3である。また、左側面202の長さはW4であり、第1の右側面204の長さはW5であり、第2の右側面210の長さはW6である。さらに、筐体20の厚さはW7である。また、筐体20は、X軸方向において、開口部208から第2の後面212まで一定の幅W1を有する第1の部分220と、第1の部分220から第1の後面206まで一定の幅W2を有する第2の部分230を有する構造をしている。なお、W1〜W7は筐体20の内径を示す。
【0026】
図3は、ユニバーサルスロット1のコネクタ216に接続する電子カードを備えたモジュールの斜視図である。図3(A)は第1のモジュール40の斜視図であり、図3(B)は第2のモジュール50の斜視図である。なお、図3には方向を特定するためにXYZ軸が図示されている。ここでは、Y軸方向(ユニバーサルスロット1の開口部208の長手方向)を幅方向としている。
【0027】
第1のモジュール40は、Express Card/34(符号44、以下「第1のカード44」という。)と拡張用部品42とを備える。第1のカード44は略直方体の形状であり、第1のカード44のX軸正方向側には2つの切欠部441,442を有する。第1のカード44の幅はA2であり、第1のカード44の厚さはA7である。PCMCIA規格では、幅A2は34.00mm、厚さA7は5.00mmである。第1のモジュール40は、X軸負方向側からユニバーサルスロット1の開口部208に挿入され、コネクタ216(図2)に接続される。なお、第1のモジュール40は、破線の位置までユニバーサルスロット1に差し込まれることでコネクタ216(図2)に接続される。ここで、第1のモジュール40又は第1の電子カード44が「課題を解決するための手段」に記載の「第1種の電子カード」に相当する。
【0028】
第2のモジュール50は、Express Card/54(符号54、以下「第2のカード54」という。)と拡張用部品52とを備える。第2のカード54はZ軸正方向側から見てL字形状であり、第1のカード44と同様、X軸正方向側には2つの切欠部541,542を有する。また、第2のカード54は、X軸正方向側に幅B1を有する幅広部550と、X軸負方向側に幅B1より小さい幅B2を有する幅同一部552とを有する。また、第2のカード54は厚さB7を有する。幅B2は幅A2と同一の値であり、厚さB7は厚さA7と同一の値である。PCMCIA規格では、幅B2は34.00m、幅B1は54.00mm、厚さB7は5.00mmである。第2のモジュール50は、X軸負方向側からユニバーサルスロット1の開口部208に挿入され、破線の位置までユニバーサルスロット1に差し込まれることでコネクタ216(図2)に接続される。
【0029】
次に、図2と図3を用いて、ユニバーサルスロット1の形状と、各モジュール40,50の形状の関係について説明する。ユニバーサルスロット1の開口部208及び第1の部分220は、第2のモジュール50の幅広部550を収納可能とするべく、幅B1に対応する幅W1を有する。また、第2の部分230は、第1のモジュール40及び第2のモジュール50の幅同一部552を収納可能とするべく、幅A2及び幅B2に対応する幅W2を有する。またユニバーサルスロット1は、第1のモジュール40及び第2のモジュール50を収納可能とするべく、第1のモジュール40の厚さA7及び第2のモジュール50の厚さB7に対応する厚さW7を有する。長さW4及びW5は各モジュール40,50を収納した際に、第1のカード44又は第2のカード54の一部が筐体20の外側へ出るような長さを有する。幅W3は、第2のカード54の幅広部550のX軸負方向側の面全面が当接する値を有する。ここで、図2及び図3に記載の「W1〜W7」、「A2,A7」、「B1,B2,B7」は寸法を意味する。PCMCIA規格では、幅W1は54.40mm、幅W2は34.40mm、厚さW7は5.50mm、長さW4は62.15mmである。更に幅W3はPCMCIA規格に開示の寸法から算出すると、20.00mm(幅W1−幅W2)であり、長さW5は37.15mmであり、長さW6は25.00mm(長さW4−長さW5)である。なお、「対応する幅」とは、ユニバーサルスロット1が各モジュール40,50を収納できる程度の幅を有することを意味する。例えば「対応する幅」とは、各モジュール40,50のうちの収納される部分(第1のカード44及び第2のカード54)の幅よりも0.01mm〜1.00mmの範囲で大きいことが好ましい。
【0030】
図4は、ユニバーサルスロット1のコネクタ216に第1のモジュール40を接続した際の斜視図である。なお、図4は図示の便宜上、底面部材30(図1)は省略している。図4に示すように、第1のモジュール40をユニバーサルスロット1に挿入し、コネクタ216と接続した場合、ユニバーサルスロット1には、底面部材30と筐体20と第1のモジュール40とにより囲まれて形成される略直方体形状の空間部221が生じる。空間部221の幅はW3aであり、長さはW5であり、高さはW7である。PCMCIA規格に開示されたユニバーサルスロットと第1のカード44の寸法を元に空間部221の幅W3aを算出すると、幅W3aは20.40mm(ユニバーサルスロット1の幅W1(54.40mm)−第1のカード44の幅A2(34.00mm))となる。なお、空間部221の長さW5と高さW7は、図2に示したユニバーサルスロット1の長さW5(37.15mm)と厚さW7(5.50mm)と同一であるため、同一符号を付した。
【0031】
次に図5及び図6を用いて、本発明の第1実施例としての装着部品6について説明する。図5は第1実施例としての装着部品6の斜視図であり、図6は装着部品6の形状を説明するための図である。なお、図5及び図6には方向を特定するためにXYZ軸が図示されている。図5(A)は装着部品6を説明するための第1の図であり、図5(B)は装着部品6を説明するための第2の図である。また、図6(A)は図5の装着部品6をZ軸正方向側から見た図であり、図6(B)は装着部品6をY軸正方向側から見た図であり、図6(C)は装着部品6をY軸負方向側から見た図である。なお、図6(C)には、部材622と部材64の境界には破線を付している。
【0032】
図5(A)に示すように装着部品6は、X軸負方向側の第1の部材62と、X軸正方向側の第2の部材64と、第2の部材64のY軸負方向側の側面に接続された突出部材65と、第2の部材64と接続された薄肉部材66とを有する。第1の部材62は、第2の部材64からX軸負方向側へと伸びる略直方体形状の棒状部材622と、棒状部材622の一端からY軸正方向側へ所定の長さ伸びた後、X軸正方向側へと屈曲しX軸正方向側に向かって所定の長さ伸びる屈曲部材624とを有する。この、屈曲部材624は弾性を有し、外力によりY軸方向に若干変位することができる。第2の部材64及び突出部材65はいずれも略直方体形状である。薄肉部材66は、第2の部材64の底面(Z軸負方向側の面)からX軸正方向側へと伸び、一定の長さを有する。さらに、薄肉部材66の幅は第1の部材62及び第2の部材64の幅よりも大きい。図5(A)に示すように、薄肉部材66は、Y軸負方向側に突出した形状をしている。なお、棒状部材622が「発明が解決するための手段」に記載の「電子カード側部材」に相当し、屈曲部材624が「発明が解決するための手段」に記載の「側面側部材」及び「弾性部材」に相当し、突出部材65が「発明が解決するための手段」に記載の「嵌合部材」に相当する。
【0033】
図5(B)に示すように第1の部材62にはシングルハッチングを施しており、その他の部材64,65,66にはクロスハッチングを施している。装着部品6をユニバーサルスロット1に挿入した場合、シングルハッチングを施した第1の部材62が、ユニバーサルスロット1の空間部221に収納され、クロスハッチングしたその他の部材64,65,66は開口部208から外側に位置することになる。第1の部材62が空間部221に収納された際には、棒状部材622(詳細には棒状部材622のY軸負方向側の面)が第1のカードと接し、屈曲部材624(詳細には屈曲部材624のY軸正方向側の面)が筺体20の第1の右側面204と接することになる。
【0034】
装着部品6には、ユニバーサルスロット1に挿入した際に、ショートを回避するために絶縁材料を用いることが好ましい。このような材料としては、例えば天然樹脂や合成樹脂がある。また、装着部品6は、天然樹脂や合成樹脂を用いて射出成型することで作製することが好ましい。なお、各部62,64,65,66を別々に作製した後に、接合することで装着部品6を作製しても良い。
【0035】
次に図6を用いて、装着部品6の詳細な形状について説明する。第1の部材62は、幅C3a、長さC5、厚さC6を有する。幅C3aは空間部221の幅W3a(図4、20.40mm)よりも大きいことが好ましい。具体的には、幅C3aは20.45mm以上21.00mm以下が好ましく、20.50mmがさらに好ましい。幅C3aを空間部221の幅W3aよりも大きくすることで、ユニバーサルスロット1に第1の部材62を収納した際に、屈曲部材624が元の形状(幅C3aの形状)に戻ろうとする(元の形状に戻ろうとする力を「弾性力」ともいう。)。このため、屈曲部材624が筐体20の第1の右側面204(図2)を付勢する。言い換えれば、装着部品6が第1のモジュール40(詳細には第1のカード44)とユニバーサルスロット1の筐体20(詳細には第1の右側面204)により挟持される。さらに別の言い方をすれば、屈曲部材624の弾性力により、第1のカード44を装着部品6が位置する側とは反対の側(左側面202側)に押す。よって、第1の部材62が空間部221に安定して保持されることから、装着部品6を安定して電子カード接続装置1内に保持させることができる。
【0036】
第1の部材62の長さC5は、特に限定されないが、第1の部材62をユニバーサルスロット1に収納した場合に、空間部221を形成する第2の後面212(図4)に棒状部材622の先端(X軸負方向側の棒状部材)が接する長さを有することが好ましい。より具体的には、ユニバーサルスロット1や第1のモジュール40の寸法及び公差を考慮し、長さC5は、36.95mm以上37.35mm以下とすることが好ましい。さらに、長さC5は37.00mmとすることがより好ましい。棒状部材622が第2の後面212に接することで、装着部品6のぐらつきを抑制することができるからである。
【0037】
第1の部材62の厚さC6は、空間部221に棒状部材622が収納でき、かつ、第1のカード44との接触面積をある程度有する厚さ(例えば、3.00mm以上5.60mm未満)であれば良いが、第1の部材の上面(Z軸正方向側の面)と底面(Z軸負方向側の面)が空間部221を形成する筐体20の上面214と底面部材30にそれぞれ接するような厚さであればより好ましい。第1の部材62の上面と底面が空間部221を形成する筐体20の上面214と底面部材30にそれぞれ接することで、装着部品6のぐらつきをより抑制よることができるからである。具体的には、例えば、第1の部材62の厚さC6は4.90mm以上5.60mm未満が好ましく、5.00mmがより好ましい。
【0038】
屈曲部材624は幅C9を有する。この幅C9は屈曲部材624がY軸方向に変位可能とするために、ある程度薄いことが好ましい。具体的には、例えば幅C9は、1.00mm〜3.00mmが好ましく、2.00mmがより好ましい。
【0039】
また、屈曲部材624はX軸方向の長さC12を有する。この長さC12は、空間部221の第1の右側面204(図4)に屈曲部材624が接することで安定して装着部品6を空間部221内に保持できる程度の長さであることが好ましい。具体的には、例えば長さC12は30.00mm以上37.00mm以下であることが好ましく、35.00mmであることがさらに好ましい。こうすることで、屈曲部材624と第1の右側面204との接触面積を十分に確保することできるため、安定して装着部品6を空間部221内で保持できるからである。
【0040】
第2の部材64は、幅C3、厚さC18を有する。幅C3及び厚さC18は、ユニバーサルスロット1のコネクタ216に第1のモジュール40が接続された場合において、第1の部材62を空間部221に収納した際に、開口部208(図2)から空間部221に埃が侵入することを防止できる程度の大きさ及び形状を有することが好ましい。言い換えれば、開口部208を筐体20の外部から遮蔽するような大きさ及び形状を有することが好ましい。具体的には、空間部221の開口部208の寸法(図4、幅W3aが20.40mm、厚さW6が5.50mm)及び公差を考慮し、幅C3は19.90mm以上21.00mm以下、厚さC18は5.40mm以上5.70mm以下が好ましい。幅C3が19.90mmよりも小さく、また厚さC18が5.40mmよりも小さいと、埃の空間部221への侵入を効果的に防止できない可能性があるからである。また、幅C3が21.00mmよりも大きく、厚さC18が5.70mmよりも大きいと、ユニバーサルスロット1の開口部208に前面カバー(Front Bezel)が装備されている場合、前面カバーに第2の部材64が収納できない可能性があるからである。なお、幅C3は20.00mmがより好ましく、厚さC18は5.50mmがより好ましい。
【0041】
第1のモジュール40と嵌合させるための突出部材65は、幅C8、長さC11、厚さC10を有する。突出部材65の寸法は、第1のモジュール40の切欠部442(図3(A))に嵌合させることができる大きさであれば良い。具体的には、PCMCIA規格に規定された切欠部442(「セキュリティノッチ」ともいう。)の寸法及び公差を考慮し、幅C8は1.40mm以上1.50mm以下が好ましく、長さC11は6.90mm以上7.00mm以下が好ましく、厚さC10は1.40mm以上1.60mm以下が好ましい。また、幅C8は1.50mm、長さC11は7.00mm、厚さC10は1.50mmがさらに好ましい。なお、拡張用部品42が装備されていない第1のカード44の場合、PCMCIA規格に規定された切欠部の寸法が上記の切欠部442の寸法とは異なるため、寸法の違いに対応させて突出部材65の寸法を定めることが好ましい。
【0042】
また、棒状部材622のX軸負方向側端部から突出部材65のX軸負方向側端部までは、長さC14(図6(C))を有する。この長さC14は、突出部材65を切欠部442に嵌合させた後に第1のモジュール40と共に装着部品6をユニバーサルスロット1に挿入した場合に、棒状部材622のX軸負方向側端部が空間部221の第2の後面212(図2)に接することができるような長さとすることが好ましい。具体的には、例えば長さC14は、49.90mm以上51.10mm以下が好ましく、51.00mmがより好ましい。
【0043】
薄肉部材66は、幅C1、厚さC7、長さC15を有する。また、第2の部材64のY軸負方向側から薄肉部材66のY軸負方向側までは幅C2である。幅C2及び長さC15は、第1のモジュール40の拡張用部品42(図3(A))の底面と当接することで、第1のモジュール40を安定して保持することができる程度の大きさを有することが好ましい。具体的には、例えば幅C2は17.00mm以上が好ましく、34.00mmがさらに好ましい。PCMCIA規格では拡張用部品42の幅は34.00mmであり、この半分の大きさ(17.00mm)より幅C2が小さいと拡張用部品42を安定して保持することができないからである。また、拡張用部品42の幅と同一幅(34.00mm)とすることで、より安定して拡張用部品42を薄肉部材66により保持することができるからである。また、長さC15は10.00mm以上が好ましく、17.00mmがさらに好ましい。長さC15を10.00mm以上とすることで拡張用部品42を安定して保持することができるからである。
【0044】
薄肉部材66の厚さC7は、薄肉部材66に拡張用部品42を載せた際に、薄肉部材66が破損せず、かつ、装着部品6をユニバーサルスロット1から引き抜く際に、利用者が薄肉部材66を掴んで引き抜きやすいような大きさにすることが好ましい。具体的には、例えば厚さC7は、0.80mm以上1.50mm以下が好ましく、1.00mmがより好ましい。また、長さC17は、第1の部材62をユニバーサルスロット1に収納した際に、ユニバーサルスロット1が内部に装備されたコンピュータから薄肉部材66が露出するような長さを有することが好ましい。
【0045】
また、第1の部材62と第2の部材64のトータルの長さC13及び装着部品6の長さC4は、第1のモジュール40と装着部品6を一体としてユニバーサルスロット1に挿入する際の第1のモジュール40と装着部品6の安定性を考慮し、適宜決定することができる。具体的には、例えば長さC13は、60.00mm以上66.00mm以下が好ましく、63.00mmがより好ましい。また、長さC4は、76.00mm以上81.00mm以下が好ましく、80.00mmがより好ましい。
【0046】
図7は、装着部品6の使用方法について説明するための図である。図7(A)は、装着部品6をユニバーサルスロット1に収納する前の図であり、図7(B)は、装着部品6をユニバーサルスロット1に収納した後の図である。図7(A)に示すように、第1のモジュール40をユニバーサルスロット1に挿入する際には、装着部品6の突出部材65を第1のカード44の切欠部442(図3(A))に嵌合させる。また、薄肉部材66の一部が拡張用部品42の底面と接するように装着部品6を第1のモジュール40に取り付ける。こうすることで、突出部材65と薄肉部材66により第1のモジュールを挟持することができる。
【0047】
図7(B)に示すように、図7(A)のごとく装着部品6を第1のモジュール40に取り付けた後に、第1のモジュール40と装着部品6を共にユニバーサルスロット1に挿入する。また、第1のモジュール40と装着部品6をユニバーサルスロット1から引き抜く際には、薄肉部材66を掴んで引き抜くことで第1のモジュール40と装着部品6を一体に容易に引き抜くことができる。
【0048】
このように、ユニバーサルスロット1のコネクタ216に第1のモジュール40を接続した際に形成されるユニバーサルスロット1内の空間部221(図4)に、装着部品6の第1の部材62が収納されるため、第1のモジュール40のぐらつきを抑制することができる。このため、第1のモジュール40のコネクタ216(図2)への接続を良好に保つことができる。また、第2の部材64によって空間部221の開口部208(図4)を外部から遮蔽することができるため、開口部208からユニバーサルスロット1内に埃が侵入することを防止することができる。また、突出部材65と薄肉部材66により、第1のモジュール40と装着部品6とを一体としてユニバーサルスロット1に対して着脱することができる。さらに、突出部材65と薄肉部材66により第1のモジュール40を挟持するため、第1のモジュールのぐらつきをより一層抑制することができる。ユニバーサルスロット1自体に「ぐらつき抑制機構」や「防塵機構」が備え付けられていない場合に、装着部品6を空間部221に挿入することで、第1のモジュールのぐらつきの抑制と空間部への埃の侵入の防止を達成することができる。
【0049】
B.第2実施例:
図8は、第2実施例の電子カード接続装置を説明するための図である。図8(A)は斜視図であり、図8(B)は電子カード接続装置1aをX軸正方向側から見た図である。なお、図8には方向を特定するためにXYZ軸が図示されている。第1実施例の電子カード接続装置1との違いは、本実施例の電子カード接続装置1aは、新たに左側面202及び第1の右側面204にコノ字状(凹部状)のガイドレール260,262を備えている点である。その他の構成については、第1実施例と同様の構成であるため、第1実施例と同様の構成については同一符号を付すと共に説明を省略する。また、本実施例の電子カード接続装置1aは、PCMCIA規格に準拠したユニバーサルスロットである。以下、電子カード接続装置1aを「ユニバーサルスロット1a」とも呼ぶ。ガイドレール260,262は、第1のモジュール40又は第2のモジュール50のユニバーサルスロット1aへの挿入を誘導するための機能を有する。
【0050】
図8(B)に示すように、ガイドレール260,262によって形成される凹部260a,262aは、長さW8、厚さW9を有する。PCMCIA規格では、長さW8は1.40mm、厚さW9は3.40mmである。なお、ユニバーサルスロット1aの開口部208の幅W1、第2の部分230の幅W2は、第1実施例の幅と同一である。なお、本実施例で「幅」とはユニバーサルスロット1aの内径を指す。ここで、ユニバーサルスロット1aに第1のモジュール40を収納した場合、第1実施例と同様、幅W3a、長さW5、高さW7の空間部221が形成される(図4)。
【0051】
図9は、本発明の第2実施例としての装着部品6aについて説明するための図である。図9(A)は装着部品6aの斜視図であり、図9(B)は図9(A)のB−B断面を示す図である。第1実施例との違いは、屈曲部材624の一部に凸状部位624aを設けた点であり、その他の構成については第1実施例と同様の構成であるため、同様の構成については同一符号を付すと共に説明を省略する。
【0052】
図9(B)に示すように、凸状部位624aの突起部624bは、幅C20、厚さC21を有する。この幅C20及び厚さC21は、PCMCIA規格に規定のガイドレール262の寸法及び公差を考慮し、ガイドレール262に嵌合できるような大きさとすることが好ましい。具体的には、例えば幅C20は1.20mm以上1.60mm以下、長さC21は3.30mm以上3.50mm以下とすることが好ましい。
【0053】
このように、ユニバーサルスロット1aがガイドレール262を有する場合は、第1の部材62のうちガイドレール262に当接する部位に凸状部位624aを設けることで、装着部品6aをスムーズにユニバーサルスロット1aに挿入することができる。さらに、ユニバーサルスロット1aのコネクタに第1のモジュール40を接続した場合に形成される空間部に装着部品6aの第1の部材62を収納することで、第1実施例と同様、第1のモジュール40のぐらつきを抑制するができる。また、第1実施例と同様、開口部208からユニバーサルスロット1a内に埃が侵入することを防止することができる。
【0054】
C.変形例:
なお、上記実施例における構成要素の中の、特許請求の範囲の独立項に記載した要素以外の要素は、付加的な要素であり、適宜省略可能である。また、本発明の上記実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0055】
C−1.第1変形例:
上記実施例では、装着部品6,6aは突出部材65、薄肉部材66を有していたが、このような構成を設けなくても良い。このような構成を設けなくても、第1のモジュール40のぐらつきを抑制できると共に、開口部208からユニバーサルスロット1,1a内に埃が侵入することを防止できるからである。
【0056】
C−2.第2変形例:
上記実施例では、装着部品6,6aの屈曲部材624は弾性を有したが、弾性を有していなくても良い。この場合、第1の部材62の幅C3aは空間部221の幅W3aと略同一とすることが好ましい。ここで「略同一」としたのは、幅W3aの公差を考慮したためである。このようにしても、第1のモジュール40のぐらつきを抑制できると共に、開口部208からユニバーサルスロット1,1a内に埃が侵入することを防止できるからである。
【0057】
C−3.第3変形例:
図10(A)は、第3変形例を説明するための図である。上記実施例では、第1の部材62に弾性を有させるために屈曲部材624を設けたが、他の構成により第1の部材62に弾性を有させても良い。例えば、図10(A)に示すように、装着部品6bはZ軸正方向から見た形状が台形の第1の部材62bを有する。第1の部材62bは上記実施例と同様、幅C3aを有する。また、第1の部材62bは天然ゴムや合成ゴムにより作製され弾性を有する。このようにしても、装着部品6bの第1の部材62bを空間部221に収納した場合、第1の部材62bは筐体20の第1の右側面204(図2)を付勢するため、第1の部材62bを空間部221に安定して収納させることができる。なお、図10(A)には第1の部材62bと第2の部材64の境界には破線を付している。
【0058】
C−4.第4変形例:
上記実施例では、第1のカード44は拡張用部品42を実装していたが、拡張用部品42は実装していなくても良い。
【0059】
C−5.第5変形例:
上記実施例では、ユニバーサルスロット1,1aのコネクタ216にExpress Card/34を接続した際に形成される空間部221に装着部品を挿入したが、本発明の装着部品の用途はこれに限定されるものではない。例えば、一定の幅を有する直方体形状の第1種の電子カードと、第1種の電子カードより大きい一定の幅を有する直方体形状の第2種の電子カードを収納可能なコネクタを備えた直方体形状の電子カード接続装置(電子カード収納装置)に本発明の装着部品を用いることもできる。すなわち、直方体形状の電子カード接続装置に一定の幅を有する直方体形状の第1種の電子カードを接続した際に形成される電子カード接続装置内の空間部に、本発明の装着部品の第1の部材を収納することもできる。これにより、第1種の電子カードのぐらつきを抑制するとともに、空間部から埃が侵入することを防止できる。
【0060】
C−6.第6変形例:
図10(B)は第6変形例を説明するための図である。上記実施例では、第1の部材62のうち、筺体20の右側面204と接する側面側部材に弾性を有させることで弾性部材として機能させたが、これに代えて第1のカード44と接する電子カード側部材としての棒状部材622に弾性を有させても良い。例えば、図10(B)に示すように、第2の部材64のX軸負方向側の面のY軸正方向側からX軸負方向側へと伸びる棒状部材624cを形成させ、棒状部材624cの一端からY軸負方向側へと所定の長さ伸びた後、X軸正方向側へと屈曲する屈曲部材622cを形成させても良い。また、棒状部材622と屈曲部材624の間にY軸方向に伸縮するばねを設けても良い。この場合、ばねが弾性部材として機能する。
また、第6変形例の屈曲部材622cのY軸負方向側の側面(ユニバーサルスロット1,1aに収納した際に第1のカード44と接する面)や上記実施例や変形例の第1の部材62のY軸負方向側の側面(例えば、棒状部材622のY軸負方向側の側面。言い換えれば、ユニバーサルスロット1,1aに収納した際に第1のカード44と接する面)は、第1のカード44の側面(凸状形状の側面)と接触しやすいように凹状形状とすることが好ましい。
【0061】
C−7.第7変形例及び第8変形例:
図11は、第7変形例及び第8変形例を説明するための図である。図11(A)は第7変形例の装着部品6dのうち、屈曲部材624のX軸正方向側付近の部分拡大図であり、図11(B)は第8変形例の装着部品6eの一部を示す図である。第7変形例において、屈曲部材624の先端部624dにはアールが設けられている。詳細には、このアールは先端部624dのY軸正方向側に設けられている。このようにアールを設けることで、装着部品6dのユニバーサルスロット1,1aへの挿脱時に先端部624dが筐体20に引っ掛かることをより防止することができる。また、第8変形例において、屈曲部材624の先端部624eは、第2の部材64の右側面64aよりもY軸負方向側に位置している。これにより第7変形例と同様、先端部624eが筐体20に引っ掛かることをより防止することができる。なお、第7,第8変形例において、その他の構成については、第1実施例と同様の構成であるため、同様の構成については同一符号を付すと共に説明を省略する。
【0062】
C−8.第9変形例:
図12は第9変形例を説明するための図である。第1実施例との違いは、第1の部材62fが新たにブロック状部材625を備える点である。その他の構成については第1実施例と同様の構成であるため、同様の構成については同一符号を付すと共に説明を省略する。なお、図12では、第2の部材64とブロック状部材625の境界線、棒状部材622とブロック状部材625の境界線には、破線を付している。ブロック状部材625は第2の部材64からX軸負方向側へと伸びる略直方体形状の部材である。また、ブロック状部材625を備えることにより、第1実施例と異なり棒状部材622はブロック状部材625からX軸負方向側へと伸びている。図12(A)に示すように、ブロック状部材625は幅C30、厚さC31を有する。また、図12(B)に示すように、上記実施例と同様、シングルハッチングを施した第1の部材62fがユニバーサルスロット1の空間部221に収納され、クロスハッチングを施したその他の部材64,65,66が開口部208から外側に位置することになる。ブロック状部材625は空間部221に収納された際に空間部221の開口部208を塞ぐような形状であることが好ましい。例えば、空間部221の幅及び厚さ(図4、幅W3aが20.40mm、厚さW6が5.50mm)それに公差を考慮し、例えば、幅C30は、19.90mm以上20.60mm未満が好ましく、厚さC31は、3.00mm以上5.60mm未満が好ましい。さらに厚さC31は、4.90mm以上5.60mm未満がさらに好ましい。ブロック状部材625の幅及び厚さを空間部221の幅及び厚さに対応させることで、開口部208からの埃の侵入をより一層防止することができる。ここで、第1の部材62fは上記実施例と同様、長さC5(長さC5は、36.95mm以上37.35mm以下が好ましい)を有する。
【符号の説明】
【0063】
1,1a,1c…ユニバーサルスロット(電子カード接続装置)
6,6a,6b,6c,6d,6e,6f…装着部品
20,20c…筐体
30,30c…底面部材
40…第1のモジュール
42,42c,52,52c…拡張用部品
44,44c…第1のカード
50…第2のモジュール
54,54c…第2のカード
62,62b,62c,62f…第1の部材
64…第2の部材
64a…右側面
65…突出部材
66…薄肉部材
202…左側面
204…第1の右側面
206…第1の後面
208,208c…開口部
210…第2の右側面
212…第2の後面
214…上面
216…コネクタ
220,220c…第1の部分
221…空間部
230…第2の部分
260,262…ガイドレール
260a…凹部
441,442,541,542…切欠部
550…幅広部
552…幅同一部
622,624c…棒状部材
624,622c…屈曲部材
624a…凸状部位
624b…突起部
624d,e…先端部
625…ブロック状部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端に開口部を有し他端にコネクタを有する筐体と、前記筐体の底面を形成する底面部材とを備え、前記開口部の長手方向を幅方向とした場合に、一定の幅を有する第1種の電子カードと前記第1種の電子カードよりも大きい一定の幅を有する第2種の電子カードを前記開口部から挿入して前記コネクタに接続できる電子カード接続装置に装着するための装着部品であって、
前記コネクタに前記第1種の電子カードを接続した際に、前記底面部材と前記筐体と前記第1種の電子カードにより形成される略直方体形状の空間部に収納される第1の部材と、
前記第1の部材に接続され、前記第1の部材を前記電子カード接続装置に収納した際に前記開口部から前記筐体の外側に露出する第2の部材と、を備え、
前記空間部に収納された際の前記第1の部材の幅は、前記空間部の幅と略同一である、装着部品。
【請求項2】
請求項1に記載の装着部品であって、
前記第2種の電子カードは、前記第1種の電子カードよりも大きい一定の幅を有する幅広部と、前記第1種の電子カードと同一の幅を有する幅同一部とを有し、
前記筐体は、
前記開口部から他端側へ向かって形成され、前記幅広部の幅に対応する一定の幅を有する第1の部分と、
前記第1の部分から他端側へ向かって形成され、前記第1種の電子カードの幅に対応する一定の幅を有する第2の部分と、を有し、
前記第1種の電子カードが前記第1と第2の部分に収納されることで、前記第1の部分の一部に前記空間部が形成される、装着部品。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の装着部品であって、
前記第1の部材は、前記第1種の電子カードを前記コネクタに接続した際に、前記第1種の電子カードと接する電子カード側部材と、前記筐体の側面と接する側面側部材とを有し、
少なくとも前記電子カード側部材の長さは、前記空間部の長さと略同一である、装着部品。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の装着部品であって、
前記第2の部材は直方体形状であり、
前記第2の部材の厚さは、前記空間部の高さ以上であり、
前記第2の部材の幅は、前記空間部の幅以上であり、
前記空間部に前記第1の部材を収納した際に、前記第2の部材は前記開口部を塞ぐ位置にある、装着部品。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の装着部品であって、
前記第1の部材は、さらに、少なくとも一部に弾性を有する弾性部材を有し、
前記空間部に前記第1の部材を収納した際に、前記第1の部材は前記弾性部材の弾性力により、前記第1種の電子カードを当該装着部品が位置する側とは反対の側に押す、装着部品。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の装着部品であって、さらに、
前記第1種の電子カードの一部と嵌合させることができる嵌合部材を有する、装着部品。
【請求項7】
請求項6に記載の装着部品であって、
前記嵌合部材は、前記第1種の電子カードに形成された切欠部と嵌合する部材である、装着部品。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の装着部品であって、さらに、
前記第2の部材に接続され、前記第2の部材よりも厚さの小さい薄肉部材を有し、
前記薄肉部材は、前記第2の部材を挟んで前記第1の部材とは反対側に位置しており、
前記第1種の電子カードが、前記第1種の電子カードを前記コネクタに接続した際に前記筐体の外側に位置する延長部を有する場合に、
前記薄肉部材は、前記第1種の電子カードが前記コネクタに接続され、かつ、前記第1の部材が前記空間部に収納された際に、前記延長部の底面と当接することができるような構造を有する、装着部品。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の装着部品であって、
前記第1種の電子カードは、ExpressCard/34であり、
前記電子カード接続装置は、PCMCIA(Personal Computer Memory Card International Association)規格に準拠したユニバーサルスロットであり、
前記第1の部材の厚さは、3.00mm以上5.60mm未満であり、
前記第2の部材の厚さは、5.40mm以上5.70mm以下であり、
前記第1の部材の長さは、36.95mm以上37.35mm以下であり、
前記空間部に前記第1の部材が収納された際に、前記第1の部材の一方の側面は前記ExpressCard/34に接し、前記第1の部材の他方の側面は前記筐体の側面に接する、装着部品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−267202(P2010−267202A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−119917(P2009−119917)
【出願日】平成21年5月18日(2009.5.18)
【出願人】(390040187)株式会社バッファロー (378)
【Fターム(参考)】