説明

電子デバイスのための触覚タッチスクリーン

【課題】優れた触覚性フィードバックを提供するタッチスクリーンディスプレイを提供すること。
【解決手段】タッチスクリーンディスプレイであって、ベースと、ベースに接続され、ベースに対して動くことができるディスプレイデバイスと、ディスプレイデバイスを覆っているタッチ感知入力表面と、ベースと該ディスプレイデバイスとの間に配置された第1および第2のスイッチとを含む、タッチスクリーンディスプレイ。第1および第2のスイッチは、タッチ感知入力表面上に適用された力に応答して、作動される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、概して、携帯型電子デバイスのための入出力デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯型電子デバイスは、幅広い使用を獲得しており、例えば電話メッセージ伝達、電子メッセージ伝達、およびその他の個人用情報管理(PIM)アプリケーションの機能を含む、様々な機能を提供し得る。携帯型電子デバイスは、モバイル局(例えば、単純なセル式電話、スマートフォン、無線PDA、および無線802.11またはBluetooth能力を有するラップトップコンピュータ)を含む、いくつかのタイプのデバイスを含み得る。これらのデバイスは、データ専用ネットワーク(例えば、MobitexおよびDataTAC)から複雑な音声およびデータのネットワーク(例えば、GSM/GPRS、CDMA、EDGE、UMTS、およびCDMA2000のネットワーク)までの、様々なネットワーク上で実行する。
【0003】
一般に、デバイス(例えば、PDAまたはスマートフォン)は、ハンドヘルドの使用が意図されており、携帯が容易であることが意図されている。一般に、小型のデバイスは、携帯のために望ましい。タッチスクリーンの入/出力デバイスは、そのようなハンドヘルドデバイス上で特に有用である。なぜならば、そのようなハンドヘルドデバイスは小型なので、入出力デバイスのために利用可能な空間が限られているからである。さらに、タッチスクリーンの入/出力デバイス上のスクリーン内容は、実行されている機能および動作に応じて、改変され得る。
【0004】
タッチスクリーン入/出力デバイスは、タッチ感知オーバーレイ(touch−sensitive overlay)を有するディスプレイ(例えば、液晶ディスプレイ)から構成されている。しかしながら、これらの入/出力デバイスは、ユーザの相互作用および応答に関連する固有の不利益を受ける。特に、そのようなタッチスクリーン入/出力デバイスは、入力を明確(positive)に示すためのユーザが所望する触覚特性を提供することができず、良くないユーザ経験を提供している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、入/出力デバイスにおける改良が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(概要)
一局面にしたがうと、電子デバイスが提供され得、この電子デバイスは、ベースと、タッチスクリーンディスプレイと、一対のスイッチのと、動作コンポーネントとを含む。タッチスクリーンディスプレイは、ベースに接続され得、ベースに対して動くことができ得、ディスプレイデバイスと、ディスプレイデバイスを覆っているタッチ感知入力表面とを含み得る。スイッチは、ベースとタッチスクリーンディスプレイとの間に配置され得、スイッチのうちの1つが、タッチスクリーンディスプレイのタッチ感知入力表面上の任意の位置における力の適用に応答して作動され、タッチスクリーンディスプレイのタッチ感知入力表面上での2つ以上の力の適用に応答して、両方のスイッチが作動される。動作コンポーネントは、タッチ感知入力表面に接続されたコントローラと、コントローラおよびタッチスクリーンディスプレイに接続されたプロセッサとを含み得る。
【0007】
別の局面にしたがうと、タッチスクリーンディスプレイは、ディスプレイデバイスおよびタッチ感知入力表面に対する機械的支持を提供するディスプレイ支持部を含み得、ディスプレイデバイスおよびタッチ感知入力表面は、ディスプレイ支持部上に配置される。
【0008】
別の局面にしたがうと、アクチュエータは、タッチスクリーンディスプレイとベースとの間に配置され得、一対のスイッチの間に延びており、タッチスクリーンディスプレイのタッチ感知入力表面上の力の適用に応答して、1つのスイッチを作動させ、タッチスクリーンディスプレイのタッチ感知入力表面上の2つ以上の力の適用に応答して、両方のスイッチを作動させる。ディスプレイ支持部は、ベースに向けて延びている少なくとも1つの突起を含み得、アクチュエータに接触し、スイッチを作動させる。また、アクチュエータは、ディスプレイ支持部に向けて延びている突起を含み得、この突起は、タッチスクリーンディスプレイ支持部に接触し、スイッチを作動させる。アクチュエータは、一対のスイッチの間に延びている梁であり得る。
【0009】
別の局面にしたがうと、ベースに向けたディスプレイの移動を制限するために、ベースとタッチスクリーンディスプレイとの間に、ストップが提供され得る。ストップは、タッチスクリーンディスプレイの外縁の近くで、ベースから突出している突起を含み得る。ストップは、ディスプレイの移動距離を制限することによって、単一の力がタッチスクリーンディスプレイに適用されたときに、クリックされる単一のスイッチが作動されることを可能にし、その一方でなお、第1の力が維持されている間に第2の力がタッチスクリーンディスプレイに適用されるときに、第2のスイッチが作動されることを可能にする。
【0010】
別の局面にしたがうと、一対のスイッチは、ベースから延びているアーム上に配置され得る。アームは、可撓性であり得、一対のスイッチのうちの1つは、一対のスイッチのうちの他方よりも、タッチスクリーンディスプレイの近くに配置され得る。
【0011】
さらに別の局面にしたがうと、スイッチは、一対のスイッチのうちの1つが、一対のスイッチのうちの他方とタッチスクリーンディスプレイとの間に配置され得るように、配置される。一対のスイッチのうちの1つを作動させるために必要とされ得る最小の力は、一対のスイッチのうちの他方を作動させるために必要な最小の力よりも小さい。
【0012】
別の局面にしたがうと、スイッチのうちの1つは、スイッチのうちの他方よりも、タッチスクリーンディスプレイの近くに配置され得、スイッチのうちの1つは、作動後のさらなる圧縮を可能にするために、オーバートラベルを含む。
【0013】
なおも別の局面にしたがうと、スイッチは、ドームタイプのスイッチであり得る。
【0014】
一局面にしたがうと、タッチスクリーンディスプレイが提供され得、このタッチスクリーンディスプレイは、ベースと、ベースに接続されたディスプレイデバイス(ベースに対して動くことができる)とを含むタッチスクリーンディスプレイと、ディスプレイデバイスを覆っているタッチ感知入力表面と、ベースとディスプレイデバイスとの間に配置された一対のスイッチとを含み、その結果、スイッチのうちの1つは、タッチ入力感知表面上の任意の位置に力が適用されたことに応答して作動され、両方のスイッチは、タッチ感知入力表面上の2つ以上の位置に力が適用されたことに応答して作動される。
【0015】
本発明は、さらに以下の手段を提供する。
【0016】
(項目1)
タッチスクリーンディスプレイであって、
ベースと、
該ベースに接続され、該ベースに対して動くことができるディスプレイデバイスと、
該ディスプレイデバイスを覆っているタッチ感知入力表面と、
該ベースと該ディスプレイデバイスとの間に配置された第1および第2のスイッチであって、該タッチ感知入力表面上の任意の位置に適用された力に応答して、該第2のスイッチを作動させる前に該第1のスイッチを作動させ、該ディスプレイデバイスの動きを引き起こすように構成されており、該タッチ感知入力表面上の第1の位置における第1の力の適用に応答して、該第1のスイッチを作動させ、第1のピボット運動を引き起こすように構成されており、該第1の力の適用の間に該タッチ感知入力表面上の第2の位置における第2の力の適用に応答して、該第2のスイッチを作動させ、第2のピボット運動を引き起こすように構成されている、第1および第2のスイッチと
を含む、タッチスクリーンディスプレイ。
【0017】
(項目2)
上記ディスプレイデバイスおよび上記タッチ感知入力表面に対する機械的支持を提供するディスプレイ支持部を含み、該ディスプレイデバイスおよび該タッチ感知入力表面は、該ディスプレイ支持部上に配置されている、項目1に記載のタッチスクリーンディスプレイ。
【0018】
(項目3)
上記ディスプレイデバイスと上記ベースとの間に配置され、上記第1のスイッチと上記第2のスイッチとの間に延びているアクチュエータを含み、該アクチュエータは、上記タッチ感知入力表面上の上記第1の位置における上記第1の力の適用に応答して、該第1のスイッチを作動させ、該第1の力の適用の間に、該タッチ感知入力表面上の上記第2の位置における上記第2の力の適用に応答して、該第1および第2のスイッチの両方を作動させる、項目2に記載のタッチスクリーンディスプレイ。
【0019】
(項目4)
上記アクチュエータは、上記第1のスイッチと上記第2のスイッチとの間に延びている梁を含む、項目3に記載のタッチスクリーンディスプレイ。
【0020】
(項目5)
上記第1のスイッチは、上記第2のスイッチよりも、上記ディスプレイデバイスの中心の近くに配置されている、項目3に記載のタッチスクリーンディスプレイ。
【0021】
(項目6)
上記ディスプレイ支持部は、該ディスプレイ支持部の中心の近くに少なくとも1つの突起を含んでおり、該少なくとも1つの突起は、上記ベースに向けて延びており、上記アクチュエータに接触し、上記第1および第2のスイッチを作動させる、項目3に記載のタッチスクリーンディスプレイ。
【0022】
(項目7)
上記アクチュエータは、上記ディスプレイ支持部に向けて延びている突起を含み、該突起は、該ディスプレイ支持部の中心の近くで、該ディスプレイ支持部に接触し、上記第1および第2のスイッチを作動させる、項目3に記載のタッチスクリーンディスプレイ。
【0023】
(項目8)
上記ベースと上記ディスプレイデバイスとの間にディスプレイストップを含み、該ディスプレイストップは、該ベースに向けた該ディスプレイデバイスの移動を制限する、項目1に記載のタッチスクリーンディスプレイ。
【0024】
(項目9)
上記ディスプレイストップは、上記ディスプレイデバイスの外縁の近くで、上記ベースからのステップ突起を含む、項目8に記載のタッチスクリーンディスプレイ。
【0025】
(項目10)
上記第1および第2のスイッチは、上記ベースから延びているアーム上に搭載されている、項目1に記載のタッチスクリーンディスプレイ。
【0026】
(項目11)
上記アームは可撓性である、項目10に記載のタッチスクリーンディスプレイ。
【0027】
(項目12)
上記アームは、上記第1のスイッチが上記第2のスイッチよりも上記ディスプレイデバイスの近くに配置されるように構成されている、項目10に記載のタッチスクリーンディスプレイ。
【0028】
(項目13)
上記第1および第2のスイッチは、該第1および第2のスイッチのうちの1つが、該第1および第2のスイッチのうちの他方と上記ディスプレイデバイスとの間に配置されるように配置されている、項目1に記載のタッチスクリーンディスプレイ。
【0029】
(項目14)
上記第1のスイッチを作動させるために必要な最小の力は、上記第2のスイッチを作動させるために必要な最小の力よりも小さい、項目13に記載のタッチスクリーンディスプレイ。
【0030】
(項目15)
上記第1のスイッチは、上記第2のスイッチよりも上記ディスプレイの近くに配置されている、項目1に記載のタッチスクリーンディスプレイ。
【0031】
(項目16)
上記第1のスイッチは、オーバートラベルを含み、作動後のさらなる圧縮を可能にする、項目15に記載のタッチスクリーンディスプレイ。
【0032】
(項目17)
上記第1および第2のスイッチは、機械スイッチである、項目1に記載のタッチスクリーンディスプレイ。
【0033】
(項目18)
上記第1および第2のスイッチは、ドームタイプのスイッチである、項目17に記載のタッチスクリーンディスプレイ。
【0034】
(項目19)
上記ディスプレイデバイスを上記第1および第2のスイッチから離れるように付勢させる少なくとも1つの付勢要素を含む、項目1に記載のタッチスクリーンディスプレイ。
【0035】
(項目20)
上記第1および第2のスイッチのうちのいずれかの作動に応答して、電気信号が生成され、該電気信号は、上記ディスプレイデバイスからの入力に加え、さらなる入力としてプロセッサにおいて受信される、項目1に記載のタッチスクリーンディスプレイ。
【0036】
(項目21)
側壁と上記ディスプレイデバイスを枠取りするフレームとを含み、該フレームは、該側壁によって上記ベースに接続されている、項目1に記載のタッチスクリーンディスプレイ。
【0037】
(項目22)
上記ベースと上記ディスプレイデバイスとの間に延びている可撓性の側壁を含む、項目1に記載のタッチスクリーンディスプレイ。
【0038】
(項目23)
上記可撓性の側壁は連続的であり、上記ディスプレイデバイスの周囲のまわりに延びている、項目22に記載のタッチスクリーンディスプレイ。
【0039】
(項目24)
項目1〜23のいずれか一項に記載のタッチスクリーンディスプレイを含む電子デバイスであって、動作コンポーネントは、上記タッチ感知入力表面に接続されたコントローラと、該コントローラおよび該ディスプレイデバイスに接続されたプロセッサとを含む、電子デバイス。
【0040】
(摘要)
電子デバイスは、ベースと、タッチスクリーンディスプレイと、一対のスイッチと、動作コンポーネントとを含む。タッチスクリーンディスプレイは、ベースに接続されており、ベースに対して動くことができ、ディスプレイデバイスと、ディスプレイデバイスを覆っているタッチ感知入力表面とを含む。一対のスイッチは、ベースとタッチスクリーンディスプレイとの間に配置され、スイッチのうちの1つが、タッチスクリーンディスプレイのタッチ感知入力表面上の任意の位置における力の適用に応答して作動され、両方のスイッチが、タッチスクリーンディスプレイのタッチ感知入力表面上の2つ以上の力の適用に応答して作動されるように、構成されている。動作コンポーネントは、タッチ感知入力表面に接続されたコントローラと、コントローラおよびディスプレイに接続されたプロセッサとを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
ここで、単なる例示として、添付の図面を参照しながら、本出願の実施形態が記載される。
【0042】
(好適な実施形態の詳細)
説明の単純化および明瞭化のために、適切であると考えられる場合には、複数の図面の間で参照番号が繰り返され得、対応する要素または類似の要素を示し得るということに留意されたい。加えて、本明細書中に記載されている実施形態の完全な理解を提供するために、数多くの具体的な詳細が開示されている。しかしながら、当業者は、本明細書中に記載されている実施形態は、これらの具体的な詳細がなくても実施され得ることを、理解できるであろう。その他、周知の方法、手順、およびコンポーネントについては、本明細書中に記載されている実施形態を不明瞭にしないようにするために、詳細には記載されていない。また、記載は、本明細書中に記載されている実施形態の範囲を限定するものとして考えられるべきではない。例示的な図(特に、図2および図4〜11に示されているもの)は、一定の比率ではなく、説明および理解を目的として提供されていることが理解されるべきである。
【0043】
本明細書中に記載されている実施形態は、概して、ディスプレイを有する携帯型電子デバイスに関する。携帯型電子デバイスの例は、モバイルまたはハンドヘルドの無線通信デバイス(例えば、ページャ、セル式電話、セル式スマートフォン、無線オーガナイザ、パーソナルデジタルアシスタント、無線能力を有するノートブックコンピュータ、等)を含む。
【0044】
携帯型の電子デバイスは、先進的なデータ通信能力(ネットワークまたは送受信局を介することによって、その他の携帯型電子デバイスまたはコンピュータシステムと通信する能力を含む)を有する双方向通信デバイスであり得る。携帯型電子デバイスはまた、音声通信を可能にする能力を有し得る。携帯型電子デバイスは、自らによって提供される機能に応じて、データメッセージ伝達デバイス、双方向ページャ、データメッセージ伝達能力を有するセル式電話、無線インターネット機器、またはデータ通信デバイス(電話能力を有するもの、または有していないもの)と称され得る。携帯型電子デバイスはまた、無線通信能力を有していない携帯型デバイス(例えば、ハンドヘルド電子ゲームデバイス、デジタルフォトアルバム、デジタルカメラ、等)であり得る。
【0045】
図1〜図3を参照すると、電子デバイスが示されており、本実施形態においてこの携帯型電子デバイスは、携帯型電子デバイスであり、全体が20で示されている。携帯型電子デバイス20は、ベース22と、タッチスクリーンディスプレイ24と、一対のスイッチ26、28と、動作コンポーネントとを含んでいる(図3に最も良く示されている)。このタッチスクリーンディスプレイ24は、ベース22に接続されており、ベース22に対して動くことができる。タッチスクリーンディスプレイ24は、ディスプレイデバイス30と、タッチ感知入力表面32とを含んでおり、このタッチ感知入力表面は、ディスプレイデバイス30を覆っている。スイッチ26、28は、ベース22とタッチスクリーンディスプレイ24との間に配置されており、スイッチのうちの1つ26が、タッチスクリーンディスプレイ24のタッチ感知入力表面32上の任意の位置における力の適用に応答して作動され、両方のスイッチ26、28が、タッチスクリーンディスプレイ24のタッチ感知入力表面32上の2つ以上の力の適用に応答して作動されるように、構成されている。動作コンポーネントは、タッチ感知入力表面32に接続されたコントローラ34と、コントローラ34およびタッチスクリーンディスプレイ24に接続されたプロセッサ40とを含む。
【0046】
ここで図3を参照すると、携帯型電子デバイス20の例示的な実施形態のブロック図が示されている。携帯型電子デバイス20は、例えば携帯型電子デバイス20の全体動作を制御するプロセッサ40のような、多数のコンポーネントを含んでいる。データ通信および音声通信を含む通信機能は、通信サブシステム42を介して実行される。携帯型電子デバイス20によって受信されたデータは、デコーダ44によって解凍および復号化され得、デコーダ44は、任意の適切な解凍技術(例えば、YK解凍、およびその他の公知の技術)および暗号化技術(例えば、データ暗号化規格(DES)、トリプルDES、または先進暗号化規格(AES)等の暗号化技術を用いる)にしたがって動作する。通信サブシステム42は、無線ネットワーク1000からメッセージを受信し、無線ネットワーク1000へとメッセージを送信する。携帯型電子デバイス20のこの例示的な実施形態において、通信サブシステム42は、グローバルシステムフォーモバイルコミュニケーション(GSM)および汎用パケット無線サービス(GPRS)の規格にしたがって構成される。GSM/GPRS無線ネットワークは、世界規模で使用されており、これらの規格はそのうちに、エンハンストデータGSM環境(EDGE)およびユニバーサルモバイルテレコミュニケーションサービス(UMTS)によって、取って代わられることが期待されている。今日をもっても新しい規格が定義されているが、それらの新しい規格は、本明細書中に記載されているネットワークの挙動との類似性を有するであろうことが信じられており、そして、本明細書中に記載されている実施形態は、将来開発されるその他の任意の適切な規格を使用することが意図されているということが、当業者によって理解され得る。通信サブシステム42と無線ネットワーク1000とを接続する無線リンクは、GSM/GPRS通信に対して指定された定義されたプロトコルにしたがって動作する、1つ以上の様々な無線周波数(RF)チャネルを表す。これらのチャネルは、より新しいネットワークプロトコルを用いることによって、回線交換の音声通信とパケット交換のデータ通信との両方をサポートすることが可能である。
【0047】
1つの例示的な実装において、携帯型電子デバイス20に関連付けられる無線ネットワーク1000は、GSM/GPRS無線ネットワークであるが、異なる実装においては、その他の無線ネットワークもまた、携帯型電子デバイス20に関連付けられ得る。使用され得る様々なタイプの無線ネットワークは、例えば、データ集約型の無線ネットワーク、音声集約型の無線ネットワーク、および同じ物理的な基地局を介して音声通信とデータ通信との両方をサポートし得るデュアルモードネットワークを含む。組み合わせ型デュアルモードネットワークは、符号分割多重アクセス(CDMA)またはCDMA2000ネットワーク、GSM/GPRSネットワーク(上述の通り)、ならびにEDGEおよびUMTSのような将来の第3世代(3G)ネットワークを含む。データ集約型のネットワークのその他の例の一部は、WiFi 802.11、Mobitex(TM)、およびDataTAC(TM)のネットワーク通信システムを含む。音声集約型のデータネットワークのその他の例は、GSMシステムおよび時分割多重アクセス(TDMA)システムのような個人通信システム(PCS)ネットワークを含む。プロセッサ40はまた、追加的なサブシステムと相互作用し、追加的なサブシステムは、ランダムアクセスメモリ(RAM)46、フラッシュメモリ48、入力表面32を有するディスプレイ30、補助入/出力(I/O)サブシステム50、データポート52、スピーカ54、マイクロフォン56、短距離通信58、およびその他のデバイスサブシステム60、等である。
【0048】
携帯型電子デバイス20のサブシステムの一部は、通信関係の機能を実行するが、その一方で、その他のサブシステムは、「常駐」またはデバイス上の機能を提供し得る。例えば、ディスプレイ30および入力表面は、通信関係の機能(例えば、ネットワーク1000を介する送信のためのテキストメッセージを入力すること)およびデバイス常駐機能(例えば、電卓またはタスクリスト)の両方のために使用され得る。
【0049】
携帯型電子デバイス20は、ネットワーク登録または活性化手順が完了した後に、無線ネットワーク1000を介して通信信号を送受信し得る。ネットワークアクセスは、携帯型電子デバイス20の加入者またはユーザと関連付けられる。本実施形態にしたがう加入者を識別するために、携帯型電子デバイス20は、SIM/RUIMインターフェース64に挿入されるべきSIM/RUIMカード62(すなわち、加入者識別モジュールまたは着脱式のユーザ識別モジュール)を使用することによって、ネットワークと通信する。SIM/RUIMカード62は、特に携帯型電子デバイス20の加入者を識別するために、および携帯型電子デバイス20を個人化するために使用され得る、従来の「スマートカード」の一種である。本実施形態において、携帯型電子デバイス20は、SIMカード62がないと、無線ネットワーク1000との通信のために、完全な動作をすることができない。SIM/RUIMカード62をSIM/RUIMインターフェース64に挿入することによって、加入者は、全ての加入したサービスにアクセスすることができる。サービスは、例えばeメール、音声メール、ショートメッセージサービス(SMS)、およびマルチメディアメッセージ伝達サービス(MMS)のような、ウェブブラウジングおよびメッセージ伝達を含み得る。より先進的なサービスは、販売時点情報管理(point of sale)、フィールドサービス(field service)、およびセールスフォースオートメーション(sales force automation)を含み得る。SIM/RUIMカード62は、プロセッサと情報を格納するためのメモリとを含む。SIM/RUIMカード62がSIM/RUIMインターフェース64に挿入されると、SIM/RUIMカード62は、プロセッサ40に結合される。加入者を識別するために、SIM/RUIMカード62は、例えば国際モバイル加入者識別(IMSI)のような、なんらかのユーザパラメータを含み得る。SIM/RUIMカード62を使用することの利点は、加入者がどのような単一の物理的な携帯型電子デバイスによっても、拘束される必要がなくなるということである。SIM/RUIMカード62は、デートブック(またはカレンダー)情報および最近の通話情報を含む、携帯型電子デバイスのための追加的な加入者情報を、同様に格納し得る。あるいは、ユーザ識別情報はまた、フラッシュメモリ48にプログラムされ得る。
【0050】
携帯型電子デバイス20は、バッテリーによって電力供給されるデバイスであり、1つ以上の再充電可能なバッテリー68を受け入れるためのバッテリーインターフェース66を含む。少なくとも一部の実施形態において、バッテリー68は、組み込み型マイクロプロセッサを有するスマートバッテリーであり得る。バッテリーインターフェース66は、レギュレータ(図示されず)に結合され、レギュレータは、電力V+を携帯型電子デバイス20に提供する際に、バッテリー68をアシストする。現行の技術は、バッテリーを使用するが、将来の技術(例えば、マイクロ燃料電池)が、携帯型電子デバイス20に電力を提供し得る。
【0051】
携帯型電子デバイス20はまた、オペレーティングシステム70およびソフトウェアコンポーネント72〜82をも含んでおり、これらは、以下でより詳細に記載される。プロセッサ40によって実行されるオペレーティングシステム70およびソフトウェアコンポーネント72〜82は、典型的には、永続性記憶装置(例えば、フラッシュメモリ48)に格納される。永続性記憶装置は、その代わりに、リードオンリメモリ(ROM)または同様の格納要素(図示されず)でもあり得る。当業者は、オペレーティングシステム70およびソフトウェアコンポーネント72〜82の一部(例えば、特殊デバイスアプリケーションまたはそのパーツ)は、揮発性記憶装置(例えば、RAM46)に瞬間的にロードされ得ることを理解し得る。当業者には周知であるように、その他のソフトウェアコンポーネントもまた含まれ得る。
【0052】
基本的なデバイス動作を制御するソフトウェアアプリケーション72のサブセット(データ通信アプリケーションおよび音声通信アプリケーションを含む)は、通常、製造中に携帯型電子デバイス20にインストールされ得る。その他のソフトウェアアプリケーションは、メッセージアプリケーション74を含み、メッセージアプリケーション74は、携帯型電子デバイス20のユーザが電子メッセージを送受信することを可能にする任意の適切なソフトウェアプログラムであり得る。当業者には周知であるように、メッセージアプリケーション74の様々な代替物が存在する。ユーザによって送信または受信されるメッセージは、典型的には、携帯型電子デバイス20のフラッシュメモリ48または携帯型電子デバイス20におけるその他のなんらかの適切な格納要素に格納される。少なくとも一部の実施形態においては、送受信されたメッセージの一部は、デバイス20から遠隔的に(例えば、携帯型電子デバイス20と通信する関連付けられたホストシステムのデータ記憶装置に)格納され得る。
【0053】
ソフトウェアアプリケーションはさらに、デバイス状態モジュール76、個人情報管理(PIM)78、およびその他の適切なモジュール(図示されず)を含み得る。デバイス状態モジュール76は、永続性を提供する。すなわち、デバイス状態モジュール76は、重要なデバイスデータが永続性メモリ(例えば、フラッシュメモリ48)に格納されることによって、携帯型電子デバイス20がオフにされたり、または電力を断たれたりしたときに、データが失われないようにすることを保証する。
【0054】
PIM78は、ユーザが関心のあるデータアイテムを編集および管理するための機能を含む。例えば、そのような機能は、eメール、連絡先、カレンダーイベント、音声メール、アポイントメント、およびタスクアイテムを含むが、それらには限定されない。PIMアプリケーションは、無線ネットワーク1000を介してデータアイテムを送受信する能力を有する。PIMデータアイテムは、無線ネットワーク1000を介することにより、携帯型電子デバイスの加入者の対応するデータアイテム(ホストコンピュータシステムに格納されていたり、かつ/または関連付けられていたりする)を用いてシームレスに統合、同期化、および更新され得る。この機能は、そのようなアイテムに関して、携帯型電子デバイス20上にミラーリングされたホストコンピュータを形成する。これは、ホストコンピュータシステムが携帯型電子デバイスの加入者のオフィスコンピュータシステムであるときに、特に有利であり得る。
【0055】
携帯型電子デバイス20はまた、接続モジュール80、および情報技術(IT)ポリシーモジュール82をも含んでいる。接続モジュール80は、携帯型電子デバイス20が無線設備および例えばエンタープライズシステムのような任意のホストシステム(携帯型電子デバイス20は、これらとインターフェースを取る権限が付与されている)と通信するために必要な通信プロトコルを実装している。
【0056】
接続モジュール80は、携帯型電子デバイス20と統合され得る一連のAPIを含んでおり、これらのAPIは、携帯型電子デバイス20が、エンタープライズシステムと関連付けられた任意の個数のサービスを使用することを可能にする。接続モジュール80は、携帯型電子デバイス20が、ホストシステムとの終端間セキュアで認証された通信パイプを確立することを可能にする。接続モジュール80によってアクセスが提供されるアプリケーションのサブセットは、ホストシステムから携帯型電子デバイス20へと、ITポリシーコマンドを受け渡すために使用され得る。これは、無線または有線で実行され得る。その後これらの命令は、デバイス20の構成を改変するために、ITポリシーモジュール82へと受け渡され得る。あるいは、一部の場合においては、ITポリシーの更新もまた、有線接続を介して実行され得る。
【0057】
その他のタイプのソフトウェアアプリケーションもまた、携帯型電子デバイス20上にインストールされ得る。これらのソフトウェアアプリケーションは、携帯型電子デバイス20の製造後に追加されるサードパーティアプリケーションであり得る。サードパーティアプリケーションの例は、ゲーム、電卓、ユーティリティ、等を含む。
【0058】
追加的なアプリケーションは、無線ネットワーク1000、補助I/Oサブシステム50、データポート52、短距離通信サブシステム58、または任意のその他の適切なデバイスサブシステム60のうちの少なくとも1つを介して、携帯型電子デバイス20上にロードされ得る。アプリケーションのインストールにおけるこの柔軟性は、携帯型電子デバイス20の機能を増大させ、増強されたデバイス上の機能、通信関連機能、またはそれらの両方を提供し得る。例えば、セキュア通信アプリケーションは、電子商取引機能およびその他の同様の金融取引機能が、携帯型電子デバイス20を用いて実行されることを可能にし得る。
【0059】
データポート52は、加入者が外部デバイスまたはソフトウェアアプリケーションを介してプリファランス(preference)を設定し、無線通信ネットワーク以外を介して携帯型電子デバイス20に情報またはソフトウェアダウンロードを提供することによって、携帯型電子デバイス20の能力を拡張することを可能にする。代替的なダウンロード経路は、例えば、直接的であってひいては信頼性が高く確実な接続を介することによって、携帯型電子デバイス20へと暗号化キーをロードし、セキュアなデバイス接続を提供するために使用され得る。
【0060】
データポート52は、携帯型電子デバイス20と別のコンピューティングデバイスとの間のデータ通信を可能にする任意の適切なポートであり得る。データポート52は、シリアルまたはパラレルのポートであり得る。一部の実例において、データポート52は、データ転送のためのデータラインと、携帯型電子デバイス20のバッテリー68へと充電電流を提供し得る供給ラインとを含む、USBポートであり得る。
【0061】
短距離通信サブシステム58は、無線ネットワーク1000を用いることなしに、携帯型電子デバイス20と様々なシステムまたはデバイスとの間の通信を提供する。例えば、サブシステム58は、赤外線デバイスおよび短距離通信のための関連する回路およびコンポーネントを含み得る。短距離通信規格の例は、赤外線データ協会(IrDA)によって開発された規格、Bluetooth、およびIEEEによって開発された規格の802.11ファミリーを含む。
【0062】
使用中、例えばテキストメッセージ、eメールメッセージ、またはウェブページダウンロードのような、受信された信号は、通信サブシステム42によって処理され、プロセッサ40に入力される。その後、プロセッサ40は、ディスプレイ30または補助I/Oサブシステム50へと出力するために、受信された信号を処理する。加入者はまた、例えば、タッチ感知入力表面32ならびにディスプレイ30、そしておそらくは補助I/Oサブシステム50を用いることによって、データアイテム(例えば、eメール)を編集し得る。補助I/Oサブシステム50は、例えば、マウス、トラックボール、赤外線指紋検出器、または動的なボタン押下能力を有するローラホイールのような、デバイスを含み得る。キーボード(例えば、英数字キーボードおよび/または電話タイプキーボード)もまた提供され得る。編集されたアイテムは、通信サブシステム42を介して、無線ネットワーク1000上で送信され得る。
【0063】
音声通信に関して、携帯型電子デバイス20の全体動作は、受信された信号がスピーカ54へと出力され、マイクロフォン56によって送信のための信号が生成されるということを除き、実質的に同様である。代替的な音声またはオーディオI/Oサブシステム(例えば、音声メッセージ録音サブシステム)もまた、携帯型電子デバイス20上に実装され得る。音声またはオーディオ信号の出力は、主にスピーカ54を介して遂行され得るが、ディスプレイ28もまた、追加的な情報(例えば、発呼側の識別、音声コールの持続時間、またはその他の音声コール関連情報)を提供するために使用され得る。
【0064】
再び図1および図2を参照すると、ベース22は、ハウジング84(ベース22から間隔を空けられたフレーム86をも含んでいる)の一部分であり、フレーム86は、タッチスクリーンディスプレイ24を枠取りしている。側壁88は、ベース22とフレーム86との間に延びている。ハウジング84は、ディスプレイストップ89を含んでおり、このディスプレイストップ89は、ベース22へ向けたタッチスクリーンディスプレイ24の移動の量を制限するために、ベース22からタッチスクリーンディスプレイ24に向けて、そして側壁88から内側へと延びている。このように、ディスプレイストップ89は、ベース22から突出しているステップによって形成されている。しかしながら、ディスプレイストップ89は、タッチスクリーンディスプレイ24の移動を制限するための任意の適切なステップであり得ることに留意されたい。本実施形態にしたがうと、側壁88は、ベース22およびフレーム86に対してほぼ垂直に延びている。ベース22は、例えば上述のようなバッテリー68およびSIM/RUIMカード62の挿入および取り外しのために解放可能なように取り付けられた、プレート(図示されず)を含んでいる。ベース22、側壁88、フレーム86、およびディスプレイストップ89は、例えば射出成形されたものであり得るということを理解されたい。フレーム86は、ウィンドウを枠取りするようにサイズおよび形状が決められ得る。このウィンドウにおいて、タッチスクリーンディスプレイ24は、タッチスクリーンディスプレイ24の入力表面32とのユーザ接触による入力のために、およびディスプレイデバイス30上への出力の表示のために、露出されている。タッチスクリーンディスプレイ24は、図2に示されているように、フレーム86に向けて付勢され、フレーム86は、タッチスクリーンディスプレイ24をハウジング84内に維持する。このようにして、タッチスクリーンディスプレイ24は、ハウジング84内で動くことができ、ハウジング84によって制約されている。タッチスクリーンディスプレイ24のエッジは、エッジを囲んでいるエッジ支持部によって支持され得、その結果、タッチスクリーンディスプレイ24は、エッジ支持部がハウジング84のフレーム86と接触することが、企図されている。図1に示されている実施形態にしたがうと、フレーム86は、略長方形であるが、その他の形状もまた可能である。例えば、フレーム86のコーナーは、丸みが付いているものであってもよい。
【0065】
タッチスクリーンディスプレイ24は、固いディスプレイ支持部90によって支持されており、ディスプレイ支持部90は、タッチスクリーンディスプレイ24に対する構造的な支持を提供し、タッチスクリーンディスプレイ24の損傷または破壊を引き起こす屈曲を抑制している。ディスプレイ支持部90は、任意の適切な材料から形成され得、さらなる機能コンポーネント(例えば、印刷回路基板)を含み得る。タッチスクリーンディスプレイ24は、LCDディスプレイデバイス30を覆っているタッチ感知入力表面32およびその他のコンポーネント(例えば、バックライト(図示されず)のようなオプションのコンポーネントを含む)を含む、コンポーネントのアセンブリであるということに、留意されたい。タッチスクリーンディスプレイ24は、タッチスクリーンディスプレイ24のエッジがフレーム86の底面と接触するように、付勢要素92によって、ハウジング84のベース22から離れてフレーム86に向かうように付勢される。本実施形態にしたがうと、4つの付勢要素92がベース22とタッチスクリーンディスプレイ24との間に配置されており、各付勢要素92は、タッチスクリーンディスプレイ24のそれぞれのコーナーの近くに配置されている。4つの付勢要素92の各々は、ディスプレイ支持部90に接触する。付勢要素92は、任意の適切な材料(例えば、フォーム材料)から作られ、タッチスクリーンディスプレイ24に適切な力が適用されると、ハウジング84内でタッチスクリーンディスプレイ24が動くことを可能にする。付勢要素92は、フォーム材料に限定されない。なぜならば、任意の適切な付勢要素(例えば、板バネ(単数または複数)、コイルバネ(単数または複数)、ゴム、ゲル、または任意の適切な付勢要素)が、利用され得るからである。付勢要素92のその他の個数が用いられ得ることに留意されたい。実際付勢要素は、例えば、タッチスクリーンディスプレイ24の周囲の近くで、そのまわりに延びた連続的な要素であり得る。付勢要素(単数または複数)は、バネ式の力を提供することによって、ベース22から離れ、フレーム86に向かうように、タッチスクリーンディスプレイ24を付勢する。さらに、タッチスクリーンディスプレイ24は、付勢要素92を利用するのではなく、スイッチ26、28によって付勢され得る。
【0066】
一対のスイッチ26、28もまた、ハウジング84のタッチスクリーンディスプレイ24とベース22との間に配置されている。本実施形態において、スイッチ26、28は、ドームタイプのスイッチであるが、スイッチ26、28は、任意の適切な機械スイッチであり得る。スイッチ26、28は、1つのスイッチ26が他方のスイッチ28よりもタッチスクリーンディスプレイ24の中心における突起100に近くなるように配置され、横方向に離間されている。示されているように、スイッチ26は、タッチスクリーンディスプレイ24の中心の近くに配置されており、その他のスイッチ28は、中心からより大きな距離だけ間隔を空けられている。スイッチ26、28は、スイッチ26、28とタッチスクリーンディスプレイ24との間に配置されたアクチュエータ94によって押下げられる(または作動される)。アクチュエータ94は、梁95と間隔を空けられた一対の突起96、98とを含んでおり、各突起は、梁95のそれぞれの端部において、ベース22に向けて延びており、間隔を空けられたスイッチ26、28のそれぞれと接触する。アクチュエータ94がスイッチ26、28の間に延びており、スイッチ26、28はタッチスクリーンディスプレイ24の中心から等距離ではないこと、そしてその結果、アクチュエータ94がタッチスクリーンディスプレイ24に対して真ん中にないということに、留意されたい。突起100は、タッチスクリーンディスプレイ24のほぼ中心の点から、ディスプレイ支持部90からベース22に向けて延びており、アクチュエータ94と接触する。突起100はタッチスクリーンディスプレイ24の中心から延び、タッチスクリーンディスプレイ24に対して真ん中にはないアクチュエータ94と接触するので、突起100は、梁95の長さの中心から離れた点において、アクチュエータ94と接触する。したがって、ユーザがタッチスクリーンディスプレイ24を押した結果としてのタッチスクリーンディスプレイ24の移動は、スイッチ26、28のうちの少なくとも1つを作動させる(押下げる)アクチュエータ94の移動を引き起こす。ユーザがタッチスクリーンディスプレイ24上の第1の位置において押下げを行うことによって、タッチスクリーンディスプレイ24の移動と、スイッチのうちタッチスクリーンディスプレイ24の中心に最も近いスイッチ26の作動とが引き起こされる。タッチスクリーンディスプレイ24のうちユーザが押下げている側で、タッチスクリーンディスプレイ24のエッジがディスプレイストップ89と接するので、タッチスクリーンディスプレイ24の移動は、ディスプレイストップ89によって制限される。ユーザが、依然としてタッチスクリーンディスプレイ24上の第1の位置において押下げている間に、タッチスクリーンディスプレイ24上の第2の位置において押下げを行うと、タッチスクリーンディスプレイ24のさらなる移動と、その他のスイッチ28の作動とが引き起こされる。ここでもまた、タッチスクリーンディスプレイ24の移動は、ディスプレイストップ89によって制限される。本実施形態において、突起100は、ディスプレイ支持部90から延びている丸みが付いた突起である。しかしながら、突起100は、任意の適切な形状であり得るということ、ならびにディスプレイ支持部90上に形成されるのではなく、アクチュエータ94の一部分として形成され、突起96、98とは反対側で梁95から延び、ディスプレイ支持部90と接触するものでもあり得るということに留意されたい。
【0067】
このように、ユーザがタッチスクリーンディスプレイ24のタッチ感知表面32上の第1の任意の位置に力を適用することによって、スイッチのうちの1つ26の押下げが引き起こされ、その結果、携帯型電子デバイス20のユーザインターフェースとのユーザ相互作用の間に、明確なフィードバックをユーザに提供する。さらに、タッチスクリーンディスプレイの第1の位置に力を適用し続けている間に、タッチスクリーンディスプレイ24の第2の位置にユーザが力を適用することによって、その他のスイッチ28の押下げが引き起こされ、その結果、明確なフィードバックをユーザに提供する。図5に示されているように、このようにして両方のスイッチ26、28が押下げられる。
【0068】
図3に関連して上述されたプロセッサ40を含むコンポーネントおよびその他のコンポーネントは、ハウジング84内に収容され、携帯型電子デバイス22の機能を提供する。
【0069】
上述のように、タッチスクリーンディスプレイ24は、ユーザ入力のためのグラフィカルユーザインターフェースを提供するために、ディスプレイデバイス30と、ディスプレイデバイス30を覆っているタッチ感知入力表面32とを含んでいる。タッチスクリーンディスプレイ24は、ユーザがタッチスクリーンディスプレイ24にタッチしたときに、またはユーザがタッチスクリーンディスプレイ24に沿って指をスライドさせたときに、信号を生成し、その結果、プロセッサ40においてコマンドの起動が引き起こされる。タッチスクリーンディスプレイ24は、ユーザ相互作用のためのグラフィカルユーザインターフェースを提供する。このように、ディスプレイデバイス30は、タッチスクリーンディスプレイ24のタッチ感知入力表面32とのユーザ相互作用によって選択可能または操作可能なグラフィカル表現を提供する。
【0070】
スイッチ26、28は、さらなる入力を提供し得る。なぜならば、十分な力をユーザが適用することによるいずれか1つのスイッチ26の作動、または十分な力をユーザが適用することによる両方のスイッチ26、28の作動は、プロセッサ40に入力されるさらなる信号(単数または複数)を生成し得るからである。機械スイッチ26、28の作動からのさらなる信号は、単独で、あるいは機械スイッチ26、28からの信号(単数または複数)とタッチ感知入力表面32からの信号との組み合わせの結果として、プロセッサ40においてコマンドの起動を引き起こし得る。このように、プロセッサ40において起動されるコマンドは、タッチ感知入力表面32からの信号の結果であるか、あるいはタッチ感知入力表面からの信号とユーザ相互作用によって引き起こされた機械スイッチ26、28の一方または両方からの信号との組み合わせの結果であり得る。ユーザ相互作用は、例えば、ユーザがタッチスクリーンディスプレイ24をタッチすること、またはユーザがタッチスクリーンディスプレイ24に沿って指をスライドさせることであり得る。また、タッチスクリーンディスプレイ24に沿った異なる指のスライディング動作は、プロセッサ40において異なるコマンドの起動を引き起こし得る。
【0071】
携帯型電子デバイス20のユーザが、スイッチ26を作動させることなしに、ひいてはスイッチ28を作動させることなしに、タッチスクリーンディスプレイ24とのユーザ相互作用によって、デバイスのプロセッサ40においてコマンドを起動させ得るということに留意されたい。例えばユーザは、タッチスクリーンディスプレイをタッチするか、またはタッチスクリーンディスプレイに沿って指をスライドさせることによって、スイッチ26の押下げを引き起こす十分な力を適用することなしに、信号の生成およびコマンドの起動を引き起こし得る。
【0072】
ここで、携帯型電子デバイス20のハウジング84内でのタッチスクリーンディスプレイ24の動きを記載している図4〜6を参照する。まず図4を参照すると、1つの例示的な実施形態にしたがう携帯型電子デバイス20の簡略化された断面図が示されており、この断面図においては、例えば、ユーザがタッチスクリーンディスプレイ24のタッチ感知入力表面32上を矢印「A」の方向に指で押すことによって、力が適用されている。示されているように、ユーザがタッチスクリーンディスプレイ24上を押した結果、タッチスクリーンディスプレイ24のピボット運動(pivoting)が起こり、その結果、携帯型電子デバイス20のうちタッチスクリーンディスプレイ24に力が適用されたのと同じ側における付勢要素92Aが、携帯型電子デバイス20の中心に関して反対側における付勢要素92Bよりも多く圧縮される。図面からは、タッチスクリーンディスプレイ24上に力が適用されたときに、タッチスクリーンディスプレイ24が、フレーム86の裏面に逆らって、携帯型電子デバイス20の反対側におけるエッジに沿って、ピボット運動することが分かる。図4の実施例において、携帯型電子デバイスの右側における付勢要素92Aは、携帯型電子デバイス20の左側に示されている付勢要素92Bよりも多く圧縮される。なぜならば、力はタッチスクリーンディスプレイ24の右側に適用されているからである。ベース22に向けたタッチスクリーンディスプレイ24の移動は、ディスプレイストップ89によって制限される。
【0073】
図4に示されているように、タッチスクリーンディスプレイ24に対する十分な力の適用によって引き起こされるタッチスクリーンディスプレイ24の移動によって、ディスプレイ支持部90からの突起100が移動させられ、アクチュエータ94の移動を引き起こし、その結果、アクチュエータ94の移動と、突起96によるスイッチ26の押下げとが起こる。このようにして、スイッチ26が作動される。
【0074】
ここで図5を参照すると、例えば、図4を参照して記載されたように、第1の指が依然としてタッチスクリーンディスプレイ24のタッチ感知入力表面32上を矢印「A」の方向に押している間に、ユーザが第2の指をタッチスクリーンディスプレイ24のタッチ感知入力表面32上を矢印「B」の方向に押すことによって、第2の力が適用される。示されているように、ユーザがタッチスクリーンディスプレイ24上を押した結果、タッチスクリーンディスプレイ24のピボット運動が起こり、その結果、携帯型電子デバイス20のうち反対側における付勢要素92Bが、さらに圧縮される。図面からは、第2の力の適用によって、タッチスクリーンディスプレイ24がエッジに沿って、携帯型電子デバイス20のうち第1の力が適用された側におけるストップ89に逆らってピボット運動することが分かる。図5の実施例において、携帯型電子デバイス20の左側における付勢要素92Bは、さらに圧縮される。なぜならば、タッチスクリーンディスプレイ24は、携帯型電子デバイス20の右側におけるディスプレイストップ89に逆らってピボット運動するからである。ここでもまた、ベース22に向けたタッチスクリーンディスプレイ24の移動は、ディスプレイストップ89によって制限される。
【0075】
図5に示されているように、タッチスクリーンディスプレイ24に対する十分な力の適用によって引き起こされるタッチスクリーンディスプレイ24の移動によって、ディスプレイ支持部90からの突起100が移動させられ、アクチュエータ94の移動を引き起こし、その結果、突起98によるスイッチ28の押下げが起こる。このようにして、スイッチ28もまた作動される。示されているように、両方のスイッチ26、28が圧縮される。スイッチ28を押す第2の力「B」の適用は、必ずしもタッチスクリーンディスプレイ24の中心の反対側におけるものであるとは限らないことに留意されたい。なぜならば、タッチスクリーンディスプレイ24のうち第1の力「A」と同じ側における第2の力もまた、タッチスクリーンディスプレイ24のさらなる移動を引き起こし、その結果、スイッチ28の押下げを引き起こすからである。図4および図6に示されているように、タッチスクリーンディスプレイ24の1つの側が最大距離dだけ移動されたときに、タッチスクリーンディスプレイ24の中心(そして突起100)は距離d/2だけ移動され、その結果、スイッチ26の押下げを引き起こすということに留意されたい。2つの力が適用され、タッチスクリーンディスプレイ24の両側を最大距離dだけ移動させるとき、タッチスクリーンディスプレイ24の中心および突起100は、距離dだけ移動され、その結果、両方のスイッチ26、28の押下げが引き起こされる。
【0076】
図6を参照すると、一実施例にしたがう、携帯型電子デバイス20の簡略化された断面図が示されており、この断面図においては、例えば、ユーザがタッチスクリーンディスプレイ24のタッチ感知入力表面32上を矢印「B」の方向に指で押すことによって、力が適用されている。示されているように、ユーザがタッチスクリーンディスプレイ24上を押した結果、タッチスクリーンディスプレイ24のピボット運動が起こり、その結果、携帯型電子デバイス20のうちタッチスクリーンディスプレイ24に力が適用される側における付勢要素92Bが、携帯型電子デバイス20の反対側における付勢要素92Aよりも多く圧縮される。図面からは、タッチスクリーンディスプレイ24の1つの側に力が適用されたときに、タッチスクリーンディスプレイ24が、エッジに沿って、携帯型電子デバイス20の反対側におけるフレーム86の裏面に向かってピボット運動することが分かる。図6の実施例において、携帯型電子デバイスの左側における付勢要素92Bは、携帯型電子デバイス20の右側に示されている付勢要素92Aよりも多く圧縮される。なぜならば、力はタッチスクリーンディスプレイ24の左側に適用されているからである。ベース22に向けたタッチスクリーンディスプレイ24の移動は、ディスプレイストップ89によって制限される。
【0077】
図6に示されているように、タッチスクリーンディスプレイ24に対する十分な力の適用によって引き起こされるタッチスクリーンディスプレイ24の移動によって、ディスプレイ支持部90からの突起100が移動させられ、アクチュエータ94の移動を引き起こし、その結果、突起96によるスイッチ26の押下げが起こる。このようにして、スイッチ26が作動される。
【0078】
例えば、ユーザが第2の指でタッチスクリーンディスプレイ24を押すことによって第2の力を適用した結果、タッチスクリーンディスプレイ24のピボット運動が引き起こされ、その結果、携帯型電子デバイス20の他方の側における付勢要素92Aが圧縮される。なぜならば、タッチスクリーンディスプレイ24は、エッジに沿って、携帯型電子デバイス20のうちの第1の力が適用された側におけるディスプレイストップ89に逆らってピボット運動するからである。例えば、図5に示されているように、タッチスクリーンディスプレイ24に対する十分な力の適用によって引き起こされたタッチスクリーンディスプレイ24の移動によって、突起100の移動がアクチュエータ94の移動を引き起こし、その結果、突起98がスイッチ28を押す。このようにして、スイッチ28が作動される。ここでもまた、両方のスイッチ26、28が押下げられる。
【0079】
例えば、ユーザがタッチスクリーンディスプレイ24から2つの指のうちの1つを引き上げることによって、適用された力のうちの1つを解放すると、その結果、タッチスクリーンディスプレイ24のうち残りの力が適用されている側がどちらであるかに応じて、図4または図6に示されている位置への、タッチスクリーンディスプレイ24のピボット運動が引き起こされる。また、タッチスクリーンディスプレイ24の中心から最も遠いスイッチ28は、元の位置に戻る。このようにして、タッチスクリーンディスプレイ24上の2つの力のうちの1つの力の解放によって、スイッチ28は元の位置に戻る。例えば、ユーザがタッチスクリーンディスプレイ24から両方の指を引き上げることによって、適用された力の両方を解放すると、その結果、タッチスクリーンディスプレイ24は図2に示されている位置に戻る。この位置において、タッチスクリーンディスプレイ24は、ベース22から離れるように付勢され、フレーム86と接触する。図2に示されているように、両方のスイッチ26、28もまた、元の位置に戻る。
【0080】
したがって、例えば仮想キーボード(virtual keyboard)が、携帯型電子デバイス20のタッチスクリーンディスプレイ24上に表示されたとき、ユーザは、例えば携帯型電子デバイスの機械的キーボードを指でタイピングするのと同様の方法で、指を使ってタッチスクリーンディスプレイ24を押すことによって、文字を選択し得る。スイッチ26、28は、タッチスクリーンディスプレイ24上に表示される仮想キーボード上をタイピングするときに、ユーザに対して所望の触覚性のフィードバックを提供する。複数の文字を選択するとき、文字を選択するための例えば指を使ったタッチスクリーンディスプレイ24の押下げは、タッチスクリーンディスプレイ24上の先の文字の選択から他方の指を引き上げる前に、行われ得る。したがって、タッチスクリーンディスプレイ24に両方の指を接触させ、押下げる間に、時間の重複がある。一対のスイッチ26、28は、タッチスクリーンディスプレイを押下げ、文字を選択するときに(タッチスクリーンディスプレイが先の文字の選択から、依然として押下げられているときでさえも)、触覚性のフィードバックをユーザに提供する。さらに、触覚性のフィードバックは、タッチスクリーンディスプレイ24から一方または両方の指を引き上げるときに提供され得る。
【0081】
ここで、本出願の別の実施形態を記載している図7を参照する。本実施形態にしたがうと、2つの間隔を空けられた、略長方形の突起102が、ディスプレイ支持部90からベース22の方向に延びている。一対のスイッチ106、108は、タッチスクリーンディスプレイ24のコーナーの近くに配置されている。突起102は、タッチスクリーンディスプレイの中心から延びており、スイッチの1つ108と接触している。他方のスイッチ106は、タッチスクリーンディスプレイ24の移動の結果、スイッチ106の作動の前にスイッチ108が作動され、スイッチ106の作動がタッチスクリーンディスプレイ24の中心のより大きな移動を必要とするように、突起102から間隔を空けられている。スイッチ108は、作動の後に、タッチスクリーンディスプレイ24がさらに移動され、スイッチ106の作動を引き起こし得るように、オーバートラベル(over−travel)を可能にする。スイッチ106、108は、任意のタイプの機械スイッチであり得る。このように、本実施形態においては、アクチュエータが存在しない。代わりに、ディスプレイ支持部90から延びている突起102が、スイッチ106、108と接触し、これらのスイッチを作動させる。したがって、例えばユーザがタッチスクリーンディスプレイ24上を押すことによって力が適用されるとき、タッチスクリーンディスプレイ24が移動され、突起102がスイッチ108を押す。さらに、第1の力が依然として適用されている間に、第2の力がタッチスクリーンディスプレイ24に適用されたとき、タッチスクリーンディスプレイ24は、ディスプレイストップ89に逆らってピボット運動し、突起102が他方のスイッチ106を押す。このようにして、両方のスイッチ106、108が圧縮される。
【0082】
ここで図8を参照すると、本出願のさらに別の実施形態が示されている。図7に関連して記載されている実施形態におけるように、ベース22とタッチスクリーンディスプレイ24との間には、アクチュエータが存在しない。本実施形態にしたがうと、2つの間隔を空けられた、略長方形の突起110、112が、ディスプレイ支持部90からベース22の方向に延びている。2つの長方形の突起ではなく、単一の突起が、ディスプレイ支持部90から延びていてもよいことに留意されたい。2つの間隔を空けられたスイッチ114、116は、可撓性のアーム118に沿って配置されており、この可撓性のアーム118は、ベース22に固定されており、タッチスクリーンディスプレイ24に向けて上方に角度を付けられて延びている。2つの間隔を空けられたスイッチ114、116は、それぞれ突起110、112による作動のために、可撓性のアーム118に沿った位置に配置されている。例えばユーザがタッチスクリーンディスプレイ24上を押すことによって力が適用されたとき、タッチスクリーンディスプレイ24が移動され、突起112がスイッチ116を押す。第1の力が依然として適用されている間に、第2の力がタッチスクリーンディスプレイ24に適用されるとき、タッチスクリーンディスプレイ24は、自らがディスプレイストップ89に逆らってピボット運動するようにさらに移動され、アーム118は、他方の突起110が他方のスイッチ114に接触して他方のスイッチ114を押下げるように撓む。このように、両方のスイッチ114、116は、押下げられる。例えばユーザがタッチスクリーンディスプレイ24から指を引き上げることによって適用された力が解放されるとき、タッチスクリーンディスプレイ24は元の位置に戻り、可撓性のアーム118とスイッチ114、116(これらは、本実施形態においては、ドームタイプのスイッチである)とは、図8に示されている位置に戻る。
【0083】
ここで図9を参照すると、本出願のさらに別の実施形態が示されている。図8および9に関連して記載された実施形態におけるように、ベース22とタッチスクリーンディスプレイ24との間にはアクチュエータが存在しない。代わりに、本実施形態においては、2つのスイッチ120、122が存在し、第1のスイッチ120が第2のスイッチ122上に積み重ねられている。第2のスイッチ122は、ベース22上に配置されており、押下げ、ひいては作動させるために、第1のスイッチ120よりも大きな力が適用されることを必要とする。単一の突起124は、ディスプレイ支持部90からベース22の方向に延びており、第1のスイッチ120と接触している。例えばユーザがタッチスクリーンディスプレイ24を押すことによって力が適用されるとき、タッチスクリーンディスプレイ24が移動され、突起124の移動が、第1のスイッチ120の押下げを引き起こす。第2のスイッチ122は押下げのためにより大きな力が適用されることを必要とするので、第2のスイッチ122ではなく、第1のスイッチ120が押下げられる。第1の力が依然として適用されている間に、第2の力がタッチスクリーンディスプレイ24に適用されるとき、タッチスクリーンディスプレイ24は、自身がディスプレイストップ89に逆らってピボット運動し、突起124のさらなる移動が第2のスイッチ122の押下げを引き起こすように、さらに移動される。このように、両方のスイッチ122、124が、押下げられる。例えばユーザがタッチスクリーンディスプレイ24から指を引き上げることによって適用された力が解放されるとき、タッチスクリーンディスプレイ24は元の位置に戻り、この位置において、タッチスクリーンディスプレイ24はベース22から離れてフレーム86に逆らうように付勢される。スイッチ120、122(これらは、本実施形態においては、ドームタイプのスイッチである)もまた、図9に示されている位置に戻る。
【0084】
上述の実施形態は、例示目的で提供された。記載された特徴の多くは変動し得るが、同じ機能を実行し得る。ここで図10および11を参照すると、携帯型電子デバイス20の別の実施形態が示されており、この実施形態において、ベース22は、可撓性の側壁126(ベース22とタッチスクリーンディスプレイ24との間に延び、これらの間に接続されている)によって、タッチスクリーンディスプレイ24に接続されている。
【0085】
ここでもまた、ベース22はプレート(図示されず)を含んでおり、上述のように、このプレートは、例えばバッテリー68およびSIMカード62の挿入および取り出しのために解放可能なように取り付けられる。可撓性の側壁126は、任意の適切な可撓性の材料(例えば、任意の適切なエラストマ)から作られ得る。ここでもまた、タッチスクリーンディスプレイ24は、LCDディスプレイデバイス30を覆っているタッチ感知入力表面32およびその他のコンポーネント(例えば、エッジ支持部によって支持されたり、固いディスプレイ支持部90によって支持されたりする、バックライトのような光学コンポーネントを含む)を含む、コンポーネントのアセンブリを含むことに、留意されたい。ここでもまた、タッチスクリーンディスプレイ24は、固いディスプレイ支持部90によって支持され、タッチスクリーンディスプレイ24の構造的な支持を提供し、タッチスクリーンディスプレイ24の損傷または破壊を引き起こす屈曲を抑制している。可撓性の側壁126は、例えば、ディスプレイ支持部90との機械的インターロックおよびベース22との機械的インターロックによって、タッチスクリーンディスプレイ24とベース22との間に接続されている。そのような機械的インターロックは、例えば、タッチスクリーンディスプレイ24の組み立ての間に、ディスプレイ支持部90を用いて可撓性の側壁126を機械的に捕らえることによって、形成され得るか、外側被覆(overmold)され得る。上述の実施形態におけるように、タッチスクリーンディスプレイ24は、ベース22に対して動くことができる。示された例示的な実施形態において、機械的なディスプレイ支持部90は、図2において示された実施形態に関連して上述された突起と同様の突起100を含む。さらに、この突起は、タッチスクリーンディスプレイ24に力(例えば、図11に示されている矢印「C」の方向の例示的な力)が適用されたときに、それぞれのスイッチ26、28を押下げるために、突起96、98を有するアクチュエータ94と接触する。
【0086】
本実施形態において、可撓性の側壁126は連続的であり、ベース22とタッチスクリーンディスプレイ24との間に収容されたコンポーネントに対する防塵シールドを提供するために、タッチスクリーンディスプレイ24の周囲の近くで、そのまわりに延びている。側壁126は、スクリーンに力が加えられたときに撓み、アクチュエータ94による機械スイッチ26、28の押下げを可能にし、さらには、タッチスクリーンディスプレイ24を、スイッチ26、28が作動されない位置に付勢するように動作する。ディスプレイストップ128は、ベース22上に配置され、ベース22の方向へのタッチスクリーンディスプレイ24の移動量を制限する。ディスプレイストップ128は、多くの異なる形状を取り得るが、それでもなお、同じ機能を提供するということに留意されたい。
【0087】
機械スイッチ26、28、アクチュエータ94、突起96、98および突起100の機能は、図2〜62関連して既に上述されたものと同様である。
【0088】
機械スイッチ26、28およびタッチスクリーンディスプレイ24(これは、ベース22に対して動くことができる)は、ユーザに所望の触覚性のフィードバックを提供する。上述のように、タッチスクリーンディスプレイ24上の複数の一連の仮想ボタンを選択するときに、例えば1つのボタンを選択するための、指を使ったタッチスクリーンディスプレイ24の押下げは、タッチスクリーンディスプレイ24上の先のボタンの選択から他方の指を引き上げる前に行われ得る。したがって、タッチスクリーンディスプレイ24に両方の指を接触させ、押下げる間に、時間の重複がある。一対のスイッチ26、28は、タッチスクリーンディスプレイを押下げ、ボタンを選択するときに(タッチスクリーンディスプレイ24が先のボタンの選択から、依然として押し下げられているときでさえも)、触覚性のフィードバックをユーザに提供する。さらに、触覚性のフィードバックは、タッチスクリーンディスプレイ24から一方または両方の指を引き上げるときに提供され得る。
【0089】
本明細書中に記載された実施形態は、携帯型電子デバイスの特定の実装に関するが、これらの実施形態に対する改変は本出願の範囲および領域内にあるということが、理解されるべきである。例えば、携帯型電子デバイスの特徴の多くのサイズおよび形状は異なり得るが、それでもなお、同じ機能を提供し得る。さらに、図8に記載されているような可撓性のアームではなく、可撓性のアクチュエータが利用され得るか、可撓性の突起(単数または複数)が利用され得る。多くのその他の改変およびバリエーションは、当業者に想到され得る。そのような改変およびバリエーションの全ては、本出願の範囲および領域内にあると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】図1は、一実施形態にしたがう携帯型電子デバイスの平面図であり、特定の隠された特徴は、図示を目的として、想像線で示されている。
【図2】図2は、図1の携帯型電子デバイスの簡略化した断面図である(一定の比率ではない)。
【図3】図3は、図1の携帯型電子デバイスの特定の内部コンポーネントを含む、特定のコンポーネントのブロック図である。
【図4】図4は、図1の携帯型電子デバイスの簡略化した断面図であり(一定の比率ではない)、タッチスクリーンディスプレイ上の一点に適用された力を示している。
【図5】図5は、図1の携帯型電子デバイスの簡略化した断面図であり(一定の比率ではない)、タッチスクリーンディスプレイ上の位置に適用された力を示している。
【図6】図6は、図1の携帯型電子デバイスの簡略化した断面図であり(一定の比率ではない)、タッチスクリーンディスプレイ上の別の位置に適用された力を示している。
【図7】図7は、別の実施形態にしたがう、携帯型電子デバイスの簡略化した断面図である(一定の比率ではない)。
【図8】図8は、別の実施形態にしたがう、携帯型電子デバイスの簡略化した断面図である(一定の比率ではない)。
【図9】図9は、さらに別の実施形態にしたがう、携帯型電子デバイスの簡略化した断面図である(一定の比率ではない)。
【図10】図10は、なおも別の実施形態にしたがう、携帯型電子デバイスの簡略化した断面図である(一定の比率ではない)。
【図11】図11は、図10の携帯型電子デバイスの簡略化した断面図であり(一定の比率ではない)、タッチスクリーンディスプレイ上の位置に適用された力を示している。
【符号の説明】
【0091】
20 携帯型電子デバイス
22 ベース
24 タッチスクリーンディスプレイ
26、28 スイッチ
30 ディスプレイデバイス
32 タッチ感知入力表面
84 ハウジング
86 フレーム
88 側壁
89 ディスプレイストップ
90 ディスプレイ支持部
92 付勢要素
94 アクチュエータ
95 梁
96、98 突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチスクリーンディスプレイであって、
ベースと、
該ベースに接続され、該ベースに対して動くことができるディスプレイデバイスと、
該ディスプレイデバイスを覆っているタッチ感知入力表面と、
該ベースと該ディスプレイデバイスとの間に配置された第1および第2のスイッチであって、該タッチ感知入力表面上の任意の位置に適用された力に応答して、該第2のスイッチを作動させる前に該第1のスイッチを作動させ、該ディスプレイデバイスの動きを引き起こすように構成されており、該タッチ感知入力表面上の第1の位置における第1の力の適用に応答して、該第1のスイッチを作動させ、第1のピボット運動を引き起こすように構成されており、該第1の力の適用の間に該タッチ感知入力表面上の第2の位置における第2の力の適用に応答して、該第2のスイッチを作動させ、第2のピボット運動を引き起こすように構成されている、第1および第2のスイッチと
を含む、タッチスクリーンディスプレイ。
【請求項2】
前記ディスプレイデバイスおよび前記タッチ感知入力表面に対する機械的支持を提供するディスプレイ支持部を含み、該ディスプレイデバイスおよび該タッチ感知入力表面は、該ディスプレイ支持部上に配置されている、請求項1に記載のタッチスクリーンディスプレイ。
【請求項3】
前記ディスプレイデバイスと前記ベースとの間に配置され、前記第1のスイッチと前記第2のスイッチとの間に延びているアクチュエータを含み、該アクチュエータは、前記タッチ感知入力表面上の前記第1の位置における前記第1の力の適用に応答して、該第1のスイッチを作動させ、該第1の力の適用の間に、該タッチ感知入力表面上の前記第2の位置における前記第2の力の適用に応答して、該第1および第2のスイッチの両方を作動させる、請求項2に記載のタッチスクリーンディスプレイ。
【請求項4】
前記アクチュエータは、前記第1のスイッチと前記第2のスイッチとの間に延びている梁を含む、請求項3に記載のタッチスクリーンディスプレイ。
【請求項5】
前記第1のスイッチは、前記第2のスイッチよりも、前記ディスプレイデバイスの中心の近くに配置されている、請求項3に記載のタッチスクリーンディスプレイ。
【請求項6】
前記ディスプレイ支持部は、該ディスプレイ支持部の中心の近くに少なくとも1つの突起を含んでおり、該少なくとも1つの突起は、前記ベースに向けて延びており、前記アクチュエータに接触し、前記第1および第2のスイッチを作動させる、請求項3に記載のタッチスクリーンディスプレイ。
【請求項7】
前記アクチュエータは、前記ディスプレイ支持部に向けて延びている突起を含み、該突起は、該ディスプレイ支持部の中心の近くで、該ディスプレイ支持部に接触し、前記第1および第2のスイッチを作動させる、請求項3に記載のタッチスクリーンディスプレイ。
【請求項8】
前記ベースと前記ディスプレイデバイスとの間にディスプレイストップを含み、該ディスプレイストップは、該ベースに向けた該ディスプレイデバイスの移動を制限する、請求項1に記載のタッチスクリーンディスプレイ。
【請求項9】
前記ディスプレイストップは、前記ディスプレイデバイスの外縁の近くで、前記ベースからのステップ突起を含む、請求項8に記載のタッチスクリーンディスプレイ。
【請求項10】
前記第1および第2のスイッチは、前記ベースから延びているアーム上に搭載されている、請求項1に記載のタッチスクリーンディスプレイ。
【請求項11】
前記アームは可撓性である、請求項10に記載のタッチスクリーンディスプレイ。
【請求項12】
前記アームは、前記第1のスイッチが前記第2のスイッチよりも前記ディスプレイデバイスの近くに配置されるように構成されている、請求項10に記載のタッチスクリーンディスプレイ。
【請求項13】
前記第1および第2のスイッチは、該第1および第2のスイッチのうちの1つが、該第1および第2のスイッチのうちの他方と前記ディスプレイデバイスとの間に配置されるように配置されている、請求項1に記載のタッチスクリーンディスプレイ。
【請求項14】
前記第1のスイッチを作動させるために必要な最小の力は、前記第2のスイッチを作動させるために必要な最小の力よりも小さい、請求項13に記載のタッチスクリーンディスプレイ。
【請求項15】
前記第1のスイッチは、前記第2のスイッチよりも前記ディスプレイの近くに配置されている、請求項1に記載のタッチスクリーンディスプレイ。
【請求項16】
前記第1のスイッチは、オーバートラベルを含み、作動後のさらなる圧縮を可能にする、請求項15に記載のタッチスクリーンディスプレイ。
【請求項17】
前記第1および第2のスイッチは、機械スイッチである、請求項1に記載のタッチスクリーンディスプレイ。
【請求項18】
前記第1および第2のスイッチは、ドームタイプのスイッチである、請求項17に記載のタッチスクリーンディスプレイ。
【請求項19】
前記ディスプレイデバイスを前記第1および第2のスイッチから離れるように付勢させる少なくとも1つの付勢要素を含む、請求項1に記載のタッチスクリーンディスプレイ。
【請求項20】
前記第1および第2のスイッチのうちのいずれかの作動に応答して、電気信号が生成され、該電気信号は、前記ディスプレイデバイスからの入力に加え、さらなる入力としてプロセッサにおいて受信される、請求項1に記載のタッチスクリーンディスプレイ。
【請求項21】
側壁と前記ディスプレイデバイスを枠取りするフレームとを含み、該フレームは、該側壁によって前記ベースに接続されている、請求項1に記載のタッチスクリーンディスプレイ。
【請求項22】
前記ベースと前記ディスプレイデバイスとの間に延びている可撓性の側壁を含む、請求項1に記載のタッチスクリーンディスプレイ。
【請求項23】
前記可撓性の側壁は連続的であり、前記ディスプレイデバイスの周囲のまわりに延びている、請求項22に記載のタッチスクリーンディスプレイ。
【請求項24】
請求項1〜23のいずれか一項に記載のタッチスクリーンディスプレイを含む電子デバイスであって、動作コンポーネントは、前記タッチ感知入力表面に接続されたコントローラと、該コントローラおよび該ディスプレイデバイスに接続されたプロセッサとを含む、電子デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−123205(P2009−123205A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−282187(P2008−282187)
【出願日】平成20年10月31日(2008.10.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(500043574)リサーチ イン モーション リミテッド (531)
【氏名又は名称原語表記】Research In Motion Limited
【住所又は居所原語表記】295 Phillip Street, Waterloo, Ontario N2L 3W8 Canada
【Fターム(参考)】