説明

電子ペーパー

【課題】不正複写防止機能を有し、低消費電力で、簡単な構成で情報漏洩の危険性を低減でき、誤動作が生じない低コストの電子ペーパーの実現。
【解決手段】表示画面10と、画像の表示および消去を行う表示駆動部28,29,30と、第1の動作を検出し、第1の動作を検出した時には表示された画像を消去するように表示駆動部を制御する不正防止部32,33と、表示する画像が公開不可の画像である場合には不正防止部を動作状態にし、表示する画像が公開可の画像である場合には不正防止部を動作停止状態にする制御部32と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示メモリ性を有する電子ペーパーに関し、特に画像が公開不可の画像の不正使用を防止する不正防止機能を有する電子ペーパーに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、各企業および大学などにおいて、電子ペーパーの開発が盛んに進められている。電子ペーパーの利用が期待されている応用分野として、電子書籍を筆頭に、モバイル端末機器のサブディスプレイやICカードの表示部など、多様な応用形態が提案されている。
【0003】
電子ペーパーは、一般に表示メモリ性を有し、電源がなくても一度書き込んだ表示を長時間保持することが可能であり、低消費電力であるという特徴を有する。さらに、電子ペーパーは、反射型表示で見易く、薄くてフレキシブル性があり、持ち運びが容易であるといった特徴を有している。
【0004】
電子ペーパーは上記のような紙と同様の特徴を有するために、紙と同様に複写機やスキャナなどで表示内容を読み取り、容易に複写することが可能である。そのため、電子ペーパーに機密情報を表示している場合、表示された機密情報が不正に複写されて外部に持ち出されるという不正複写の問題がある。紙の場合には、このような不正複写を防止するための各種の防止対策が提案されており、電子ペーパーの不正複写防止も各種提案されている。
【0005】
特許文献1は、液晶や電子ペーパーといったデバイスを用いるデジタルコンテンツ表示装置で、複製不可の画像については、可視領域の波長帯域の光で表示を行うと共に、不可視領域の波長帯域の光で表示を行うことにより、イメージスキャナやデジタルカメラなどの光学的手段を利用して画像を複製する場合にハレーションを発生させて画像複製を防止することを記載している。
【0006】
特許文献2は、一定方向に一定速度で移動する光を検出する検出機構を電子ペーパーに設け、複写機やスキャナなどにおけるスキャン動作を検出した時には表示している画像を消去することにより複写を防止する電子ペーパーを記載している。
【0007】
【特許文献1】特開2007−79062号公報
【特許文献2】特開2004−233657号公報
【特許文献3】国際公開WO2007/110949A1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載されたデジタルコンテンツ表示装置は、可視領域および不可視領域の波長帯域の光を発生する発光手段を必要としており、電源のない電子ペーパーや小さな電源(バッテリィ)を搭載する低消費電力の電子ペーパーには応用できない。
【0009】
特許文献2に記載された電子ペーパーは、スキャン動作を検出するため、多数の光センサを設ける必要があり、検出機構が複雑で、高コストであるという問題がある。また、常に多数の光センサを動作状態にしており、消費電力が大きくなるという問題がある。さらに、光センサをテープなどでマスクすると検出機構はスキャン動作を検出できなくなり、不正複写を容易に行えるという問題があった。
【0010】
また、電子ペーパーは、紙と同様に容易に持ち運び可能であるため、第三者に表示内容を見られたくない機密情報や個人情報(メールなど)を表示したまま社外などに持ち出される危険性があり、セキュリティ上問題がある。しかし、引用文献1および2を含めて従来技術は、このような不正持ち出しに対する対策については何ら行っていない。
【0011】
一方、不正使用でない場合、電子ペーパーには表示した情報を確実に保持することも要求される。言い換えれば、不正使用動作でないのに、表示された画像を消去するような誤動作は許されない。もし誤動作により表示した画像が消去されると、利便性は大きく損なわれる。
【0012】
本発明は、不正複写防止機能を有し、低消費電力で、簡単な構成で情報漏洩の危険性を低減でき、誤動作が生じない低コストの電子ペーパーの実現を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を実現するため、本発明の電子ペーパーは、表示画面に表示された画像の不正使用動作を検出し、不正使用動作を検出した時には表示画面に表示された画像を消去する不正防止部を設け、表示する画像が公開不可の画像である場合には不正防止部を動作状態にし、表示する画像が公開可の画像である場合には不正防止部を動作停止状態にする。
【0014】
本発明によれば、公開可の画像である場合には、不正防止部を動作停止状態にするので、不正使用動作を検出するための光センサなどを動作させる必要がなく、低消費電力化が可能であり、事実上消費電力をゼロにすることも可能である。公開不可の画像を表示する時には不正使用動作を検出するための光センサなどを動作させる必要があるが、電子ペーパーの実際の使用では、公開不可の画像を表示する割合は大きくなく、実効的な消費電力は小さい。また、公開可の画像である場合には、不正防止部を動作停止状態にするので、不正使用動作でないのに誤って不正使用動作と判定して画像を消去する誤動作を防止できる。これにより公開可の画像を表示する場合の信頼性を高めている。
【0015】
一般に、電子ペーパーの不正複写や不正持ち出しなどを完全に防止するのは難しく、防止の信頼性を高めるほど防止機構が複雑になり、コスト増および消費電力増加を招くだけでなく、利便性が低下する。本発明は、簡単な機構で不正動作をある程度防止することを意図している。しかし、簡単な機構の場合、誤って不正使用動作と判定して誤動作しやすくなる。公開不可の画像については、誤動作により消去される可能性があるが、公開不可の画像であることを考慮すれば、ある程度の誤動作は許容される場合が多い。これに対して、公開可の画像である場合、誤動作による画像の消去が許容されない場合が多いが、本発明によれば、公開可の画像の誤動作による消去はほとんど生じることはない。
【0016】
動作状態の不正防止部は、不正使用動作を検出した時には、表示駆動部を制御して表示された画像を消去する。電子ペーパーは、画像表示のための書込みには長時間を要するが、消去は短時間に行えるので、不正使用動作を検出した時に消去動作を行えば不正使用を防止可能である。電子ペーパーへの外部からの電源供給が切断された状態で消去を行うためには、電子ペーパーに小容量の補助バッテリを設けて、画像消去動作のための電源が供給できるようにする。また、消去後に消去メッセージや再表示動作案内を表示するようにしてもよい。
【0017】
不正防止部における不正使用動作を検出するための機構は各種可能である。例えば、電子ペーパーの同一部分に入射する光を検出する感度の異なる複数の光センサよりなる光センサ群を備え、光センサ群の複数の光センサの出力の組合せで不正動作を検出する。例えば、少なくとも1つの第1光センサを、電子ペーパーが表示された画像を判読できないような暗い環境に置かれた状態、および光センサをテープなどでマスクされた状態を検出するように感度設定する。さらにほかの少なくとも1つの第2光センサを、複写機などの強い光を検出するように感度設定する。第1光センサが第1閾値レベルを超えたON状態、第2光センサが第2閾値レベルに達しないOFF状態であれば、通常の環境下にあると考えられるので表示画像を維持する。第1光センサがOFF状態であれば、光センサをテープなどでマスクした状態、および電子ペーパーをカバンなどに入れた状態と考えられるので、不正使用と判定して画像を消去する。第2光センサがON状態であれば、複写機などで複写が行われると考えられるので画像を消去する。このようにして、複写機などで複写するのを防止でき、その場合に光センサをテープなどでマスクして不正防止部の機能を無能化する行為を行っても複写も防止できる。また、電子ペーパーをカバンなどに入れて外部に持ち出すなどした場合にも複写を防止できる。
【0018】
感度の異なる複数の光センサを電子ペーパーの異なる部分に入射する光を検出する場合、一方をマスクするなどされると不正防止部の機能を無能化されるので、感度の異なる複数の光センサを電子ペーパーの同一部分に入射する光を検出するようにすることが望ましい。
【0019】
また、光センサ群を電子ペーパーの一箇所に設けた場合には、複写機などでその箇所が最後にスキャンされるように配置すると、複写が終了した後画像が消去されることになるので、複数の光センサ群を電子ペーパーの複数箇所に設けることが望ましく、例えば電子ペーパーの対角にある2箇所のコーナー近傍に設けることが望ましい。
【0020】
また、不正防止部における不正使用動作を検出するための機構として、表示画面が上方を向いているか下方を向いているかを検出するセンサを備え、表示画面が下方を向いている時に不正使用動作であると判定するようにしてもよい。通常の使用時には、電子ペーパーは、表示画面が上方を向いて配置されるか、表示画面が垂直方向になる。電子ペーパーを複写機で複写する場合、電子ペーパーは表示画面が下方を向いて配置されるので、これを検出して画像を消去する。
【0021】
さらに、ユーザの誤った方法による使用や不正防止部の誤動作により画像が消去された後、ユーザが再度公開不可の画像を表示することを要求する場合がある。このためには消去した画像がどの画像であったかを示す画像のコード番号を画像コード記憶部に記憶しておく必要がある。また、再表示を要求したユーザが公開不可の画像を使用する権利を有する正当権利者であることを確認する必要がある。そのため、正当権利者であることを示す認証情報を記憶する認証データ記憶部を設け、ユーザが正当権利者であることを確認した後、画像コード記憶部に記憶した公開不可の画像のコード番号を読み出す。読み出した画像のコード番号は電子ペーパーの書き込み装置に出力されて、対応する画像が電子ペーパーに書き込まれる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、実効的な利便性に優れた不正複写防止機能を有し、低消費電力で、低コストの電子ペーパーが実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
電子ペーパーの有力な方式の1つに、コレステリック液晶がある。コレステリック液晶は、半永久的な表示保持(メモリ性)や鮮やかなカラー表示、高コントラスト、高解像度といった優れた特徴を有している。以下、コレステリック液晶を使用した電子ペーパーを例とした実施形態を説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0024】
まず、コレステリック液晶による表示原理を説明する。コレステリック液晶は、カライラルネマティック液晶とも称されることがあり、ネマティック液晶にキラル性の添加剤(カイラル材)を比較的多く(数十%)添加することにより、ネマティック液晶の分子がらせん状のコレステリック相を形成する液晶である。
【0025】
図1は、コレステリック液晶の状態を説明する図である。図1の(A)および(B)に示すように、コレステリック液晶を利用した表示素子10は、上側基板11と、コレステリック液晶層12と、下側基板13と、有する。コレステリック液晶には、図1の(A)に示すように入射光を反射するプレーナ状態と、図1の(B)に示すように入射光を透過するフォーカルコニック状態と、があり、これらの状態は、無電界下でも安定してその状態が保持される。
【0026】
プレーナ状態の時には、液晶分子のらせんピッチに応じた波長の光を反射する。反射が最大となる波長λは、液晶の平均屈折率n、らせんピッチpから次の式で表される。
【0027】
λ=n・p
一方、反射帯域Δλは、液晶の屈折率異方性Δnにより大きく異なる。
【0028】
プレーナ状態の時には、入射光が反射するので「明」状態、すなわち白を表示することができる。一方、フォーカルコニック状態の時には、下側基板13の下に光吸収層を設けることにより、液晶層を透過した光が吸収されるので「暗」状態、すなわち黒を表示することができる。
【0029】
次に、コレステリック液晶を利用した表示素子の駆動方法を説明する。
【0030】
図2は、一般的なコレステリック液晶の電圧−反射特性の一例を示している。横軸は、コレステリック液晶を挟む電極間に所定のパルス幅で印加されるパルス電圧の電圧値(V)を表し、縦軸はコレステリック液晶の反射率(%)を表している。図2に示す実線の曲線Pは、初期状態がプレーナ状態のコレステリック液晶の電圧−反射率特性を示し、破線の曲線FCは、初期状態がフォーカルコニック状態のコレステリック液晶の電圧−反射率特性を示す。
【0031】
図2において、電極間に所定の高電圧VP100(例えば±36V)を印加して、コレステリック液晶中に相対的に強い電界を発生させると、液晶分子のらせん構造は完全にほどけて、すべての分子が電界の方向に従うホメオトロピック状態になる。次に、液晶分子がホメオトロピック状態の時に、印加電圧をVP100から所定の低電圧(例えば、VF0=±4V)に急激に低下させて、液晶中の電界を急激にほぼゼロにすると、液晶のらせん軸は電極に垂直になり、らせんピッチに応じた光を選択的に反射するプレーナ状態になる。
【0032】
一方、電極間に所定の低電圧VF100b(例えば、±24V)を印加し、コレステリック液晶中の相対的に弱い電界を発生させると、液晶分子のらせん構造が完全には解けない状態になる。この状態において、印加電圧をVF100bから低電圧VF0に急激に低下させて、液晶中の電界を急激にほぼゼロにするか、あるいは強い電界を印加し緩やかに電界を除去した場合は、液晶分子のらせん軸が電極に平行になり、入射光を透過するフォーカルコニック状態になる。
【0033】
また、中間的な強さの電界を印加し、急激に電界を除去すると、プレーナ状態とフォーカルコニック状態が混在し、中間調の表示が可能となる。
【0034】
ここで、図2に示す曲線Pにおいて、破線枠A内では、印加する電圧パルスの電圧値を高くするに従ってフォーカルコニック状態の割合を増加させてコレステリック液晶の反射率を低下させることができる。また、図2に示す曲線PおよびFCにおいて、破線枠B内では、印加する電圧値を低くするに従ってフォーカルコニック状態の割合を増加させてコレステリック液晶の反射率を低下させることができる。
【0035】
中間調を表示するためには、A領域またはB領域を利用する。A領域を利用する場合には、画素を初期化してプレーナ状態にした後に、VF0とVF100aの間の電圧パルスを印加して一部をフォーカルコニック状態にする。また、B領域を利用する場合には、画素を初期化してフォーカルコニック状態にした後に、VF100bとVP0の間の電圧パルスを印加して一部をプレーナ状態にする。
【0036】
特許文献1はコレステリック液晶表示装置の構成を記載している。本出願において、特許文献1の記載内容は参照され、コレステリック液晶表示装置の階調駆動方法についての説明は省略する。
【0037】
図3は、フルカラー表示可能な実施形態のコレステリック液晶表示素子10の構成を示す図である。図3に示すように、この表示素子10は、見る側から順番に、青(ブルー)用パネル10B、緑(グリーン)用パネル10G、および赤(レッド)用パネル10Rの3枚のパネルが積層されており、レッド用パネル10Rの下側には光吸収層17が設けられている。パネル10B、10Gおよび10Rは、同じ構成を有するが、パネル10Bは反射の中心波長が青色(約480nm)、パネル10Gは反射の中心波長が緑色(約550nm)、パネル10Rは反射の中心波長が赤色(約630nm)になるように、液晶材料およびカイラル材が選択され、カイラル材の含有率が決定されている。
【0038】
図4は、B表示部10B、G表示部10GおよびR表示部10Rのプレーナ状態における反射スペクトルの例を示す。
【0039】
パネル10B、10Gおよび10Rは、青層用制御回路18B、緑層用制御回路18Gおよび赤層用制御回路18Rで、それぞれ駆動される。
【0040】
図5は、図3の表示素子10を構成する3枚のパネル10B、10G、10Rのうちの1枚のパネル10Aの基本構成を示す図である。3枚のパネル10B、10G、10Rは、反射波長以外はほぼ共通の構成を有する。実施形態で使用するパネルについて、図5を参照して説明する。
【0041】
図5に示すように、表示素子10Aは、上側基板11と、上側基板11の表面に設けられた上側電極層14と、下側基板13の表面に設けられた下側電極層15と、シール材16と、を有する。上側基板11と下側基板13は、電極が対向するように配置され、間に液晶材料を封入した後シール材16で封止される。なお、液晶層12内にスペーサが配置されるが図示は省略している。上側電極層14と下側電極層15の電極には、駆動回路18から電圧パルス信号が印加され、それにより液晶層12に電圧が印加される。液晶層12に電圧を印加して、液晶層12の液晶分子をプレーナ状態またはフォーカルコニック状態にして表示を行う。前述のように、この表示素子10Aは、メモリ性を有しており、プレーナ状態およびフォーカルコニック状態は、パルス電圧の印加を停止した後も維持される。
【0042】
上側基板11と下側基板13は、いずれも透光性を有しているが、パネル10Rの下側基板13は不透光性でもよい。透光性を有する基板としては、ガラス基板があるが、ガラス基板以外にも、PET(ポリエチレンテレフタレート)やPC(ポリカーボネート)などのフィルム基板を使用してもよい。
【0043】
上側電極層14と下側電極層15の電極の材料としては、例えば、インジウム錫酸化物(ITO: Indium Tin Oxide)が代表的であるが、その他インジウム亜鉛酸化物(IZO: Indium Zic Oxide)などの透明導電膜を使用することが可能である。
【0044】
上側電極層14の透明電極は、上側基板11上に互いに平行な複数の帯状の上側透明電極として形成され、下側電極層15の透明電極は、下側基板13上に互いに平行な複数の帯状の下側透明電極として形成されている。そして、上側基板11と下側基板13は、基板に垂直な方向から見た時に、上側電極と下側電極が交差するように配置され、交差部分に画素が形成される。電極上には絶縁性のある機能膜が形成される。機能膜は、液晶表示素子の電極間の短絡を防止したり、ガスバリア層として液晶表示素子の信頼性を向上させる機能を有する薄膜である。この薄膜が厚いと駆動電圧を高くする必要があり、汎用STNドライバで駆動回路を構成するのが難しくなる。逆に、薄膜がないとリーク電流が流れるため、消費電力が増大するという問題を生じる。ここでは、薄膜は比誘電率が約5であり、液晶よりもかなり低いため、薄膜の厚さは約0.3μm以下とするのが適している。
【0045】
なお、この絶縁性薄膜は、SiO2の薄膜、あるいは配向安定化膜として知られているポリイミド樹脂、アクリル樹脂などの有機膜で実現できる。
【0046】
上記のように、液晶層12内にスペーサが配置され、上側基板11と下側基板13の間隔、すなわち液晶層12の厚さを一定にする。スペーサは、一般に樹脂製または無機酸化物製の球体であるが、基板表面に熱可塑性の樹脂をコーティングした固着スペーサを使用することも可能である。このスペーサによって形成されるセルギャップは3.5μm〜6μmの範囲が適正である。セルギャップがこの値より小さいと反射率が低下して暗い表示になり、逆のこの値より大きいと駆動電圧が上昇して汎用ドライバICによる駆動が困難になる。
【0047】
液晶層12を形成する液晶組成物は、ネマティック液晶混合物にカイラル材を10〜40重量%(wt%)添加したコレステリック液晶である。ここで、カイラル材の添加量は、ネマティック液晶成分とカイラル材の合計量を100wt%とした時の値である。
【0048】
ネマティック液晶としては、従来から公知の各種のものを使用可能であるが、誘電率異方性(Δε)が15〜50の範囲の液晶材料であることが望ましい。誘電率異方性がこの範囲より低すぎると、駆動電圧が高くなってしまい、逆にこの範囲より高すぎると駆動電圧自体は低下するが比抵抗が小さくなり、特に高温時の消費電力が増大し、素子としての安定性や信頼性が低下し、画像欠陥、画像ノイズが発生しやすくなる。誘電率異方性が15以上であれば、駆動電圧が比較的低くなり、20以上であれば、使用可能なカイラル材の選択範囲が広くなる。
【0049】
また、屈折率異方性(Δn)は、0.18〜0.24であることが望ましい。屈折率異方性が、この範囲より小さいと、プレーナ状態の反射率が低くなり、明るさの不足した暗い表示となり、この範囲より大きいと、フォーカルコニック状態での散乱反射が大きくなるため、色純度とコントラストが不足したぼやけた表示となってしまうのに加えて、粘度も高くなり、応答速度が低下する。粘度は低い方が低温時の電圧上昇やコントラスト低下を抑制できる。
【0050】
図6は、実施形態の電子ペーパーの全体構成を示す図である。表示素子10は、図3から図5で説明したコレステリック液晶表示パネルであり、A4判XGA仕様で、1024×768画素を有する。電源21は、例えば3V〜5Vの電圧を出力する。なお、ここでは、電源21には小容量のバッテリが付属しており、電気的に接続されていなくても、後述する消去動作などが行えるものとする。昇圧部22は、DC−DCコンバータなどのレギュレータにより、電源21からの入力電圧を36V〜40Vに昇圧する。この昇圧レギュレータは、専用ICが広く使用されており、そのICにはフィードバック電圧を設定することにより、昇圧電圧を調整する機能を有している。従って、抵抗による分圧などにより生成した複数の電圧を選択してフィードバック端子に供給するように構成することで、昇圧電圧を変化させることが可能である。
【0051】
電圧切替部23は、抵抗分割などにより各種の電圧を生成する。電圧切替部23におけるリセット電圧と階調書込み電圧のスイッチングには、高耐圧のアナログスイッチを用いてもよいが、トランジスタによる単純なスイッチング回路を使用することも可能である。電圧安定部24は、電圧切替部23から供給される各種の電圧を安定化させるために、オペアンプのボルテージフォロア回路を使用することが望ましい。オペアンプは、容量性負荷に対して強い特性を有するものを使用するのが望ましい。なお、オペアンプに接続する抵抗を切り替えることにより増幅率を切り替える構成が広く知られており、この構成を使用すれば、電圧安定部24から出力する電圧を容易に切り替えることが可能である。
【0052】
原振クロック部25は、動作の基本となる基本クロックを発生する。分周部26は、基本クロックを分周して、後述する動作に必要な各種クロックを生成する。
【0053】
温度センサ27は、表示素子10の温度を検出する。コレステリック液晶表示素子は、温度に応じて電圧の印加に対応した配向変化の速度が変化するので、温度を検出して書込み処理を制御する。
【0054】
制御回路28は、基本クロック、各種クロックおよび画像データDに基づいてコモンドライバ制御信号およびセグメントドライバ制御信号を生成して、画像データDと共にコモンドライバ29およびセグメントドライバ30に供給する。
【0055】
コモンドライバ29は1024本のスキャンラインを駆動し、セグメントドライバ30は768本のデータラインを駆動する。RGBの各画素に与える画像データが異なるため、セグメントドライバ30は各データラインを独立して駆動する。コモンドライバ29は、RGBのラインを共通に駆動する。これにより、コモンドライバを1個にすることができ、部品点数を低減できるという利点が得られるが、RGBの各パネルのスキャンラインを独立に駆動可能なように、RGBの各パネルごとにコモンドライバを設けることも可能である。
【0056】
この実施形態では、ドライバICは、汎用の2値出力のSTNドライバを使用した。利用可能な汎用STNドライバは、様々なものが使用可能である。
【0057】
セグメントドライバ30へ入力する画像データは、フルカラーの原画像を誤差拡散法によりRGB各16階調の4096色のデータに変換した、4ビットのデータD0−D3である。この階調変換は、高い表示品質を得られる方法が好ましく、誤差拡散法のほかにブルーノイズマスク法などが使用できる。
【0058】
電子ペーパー制御部32は、書込み装置からの制御信号が入力される入力インターフェース34と、後述する不正使用検出センサ33と、を備え、制御回路28を制御する。電子ペーパー制御部32は、書込み時には、書込み装置からの制御信号に基づいて生成したパネル制御信号、および入力インターフェース34を介して供給された画像データDを、制御回路28に供給する。画像データDには、画像コード番号および公開可否情報Cが付加されている。電子ペーパー制御部32からアクセス可能なメモリ31を設け、入力インターフェース34を介して供給された画像データDおよび公開可否情報Cを画像コード番号と一緒に記憶するようにしてもよい。なお、ここでは、画像データDを記憶しない場合でも、メモリ31を設け、画像コード番号および公開可否情報Cを記憶するものとする。電子ペーパー制御部32は、不正使用検出センサ33の出力に基づいて不正使用動作が行われたかを検出する。言い換えれば、電子ペーパー制御部32および不正使用検出センサ33が、不正防止部を構成する。
【0059】
制御回路27および電子ペーパー制御部32は、マイクロコンピュータやFPGAなどで、別々に実現されても一体に実現することもできる。
【0060】
画像の書込みおよび消去のための制御回路28による制御処理は、特許文献3などに記載されているので、説明は省略する。
【0061】
図7は、第1実施形態における不正使用検出センサ33の構成例を示す図である。図7に示すように、電子ペーパー1は、表示素子10と、表示素子10や回路部品を保持する筐体50と、を有する。不正使用検出センサ33は、電子ペーパー1の対角のコーナーに近い2箇所にそれぞれ設けられた光センサユニット51、52を有する。なお、ここでは2個の光センサユニットを2箇所に設けたが、3個以上の光センサユニットを3箇所以上に設けることも可能である。
【0062】
光センサユニット52は、図示のように、電子ペーパー1(筐体50または表示素子10)の表面53に設けられた穴54と、電子ペーパー1の内部に設けられた2個の光センサ55−1、55−2と、を有する。穴54は、透明な樹脂で埋められて内部が保護されていることが望ましい。2個の光センサ55−1、55−2は、光軸が異なる方向を向いており、光軸が穴54の部分で交差するように配置されている。このように配置するのは、2個の光センサ55−1、55−2が、1個の穴54を通過した光を検出するためであり、穴54を遮蔽すると、2個の光センサ55−1、55−2に同時に光が入射しない。2個の光センサ55−1、55−2は、ON/OFFする閾値レベルが異なり、例えば、光センサ55−1は50ルクス(lx)以上の光でONし、光センサ55−2は2000lx以上の光でONする。
【0063】
光センサユニット51も、光センサユニット52と同様の構成を有する。ここでは、光センサユニット51の光センサ55−1および55−2をセンサA−1、A−2と称し、光センサユニット52の光センサ55−1および55−2をセンサB−1、B−2と称する。
【0064】
図8、第1実施形態の電子ペーパー1の画像の書換えおよび不正使用を検出した時の消去動作を示すフローチャートである。
【0065】
電子ペーパー1は、書換え装置に電気的に接続して書換え処理を行い、書換え装置から切り離された状態では、不正使用検出動作およびその検出結果に応じた画像の消去が行える。
【0066】
書き換え要求があると、動作を開始する。
【0067】
ステップ101で、センサ回路33をOFFする。
【0068】
ステップ102では、表示の書換えを示すフラグCを初期値0にセットする。
【0069】
ステップ103では、表示する画像の公開可否情報の機密レベル(公開可であるか不可であるか)を確認する。この時、メモリ31に画像コードおよび公開可否情報Cを記憶する。公開可否情報Cは、書込み装置から供給される画像データのインデックスとして含まれている。メモリ31が設けられ、メモリ31に記憶されている画像データを表示する場合も同様である。公開可の画像であれば、ステップ120に進み、従来と同様の方法で画像データを書き込んで表示を行う。この場合、センサ回路33はOFFのままである。なお、この場合、電子ペーパー1の全回路部分を非動作状態にすることも可能であり、消費電力を実質的にゼロにできる。公開不可の画像であれば、ステップ104に進む。
【0070】
ステップ104では、センサ回路33をONする。
【0071】
ステップ105では、フラグCを1にする。
【0072】
ステップ106では、後述するようにセンサ回路33の出力を判定して不正使用動作を検出する。不正使用動作でなければステップ107に進み、不正使用動作であればステップ111に進む。
【0073】
ステップ107ではフラグCを判定し、1であればステップ108に、0であればステップ110に進む。
【0074】
ステップ108ではフラグCを0にセットし、ステップ109で画像データを表示し、ステップ106に戻る。
【0075】
ステップ110では、表示書換えの有無を判定し、書換え無しであればステップ106に戻り、書換え有りであればステップ101に戻る。したがって、ステップ109で画像データを表示した後、不正使用が検出されず、表示の書換えも行われないのであれば、ステップ106、107、110が繰り返される。書き換える場合には再度ステップ101からの動作を行う。
【0076】
ステップ111では、不正使用動作が検出されたので画面に表示している画像を全面消去する。
【0077】
ステップ112では、画面に「公開不可」の画像であることを示す表示を行う。なお、この表示にも電力を要するので、ステップ112は行わなくても良い。
【0078】
ステップ113では、センサ回路33をOFFする。
【0079】
図9は、不正使用検出センサ33の出力から不正使用の有無判定処理を示すフローチャートである。
【0080】
ステップ201では、一定時間センサA−1およびB−1の両方または一方がOFFであるか判定する。OFFである場合は、センサに光が入力しない状態、すなわち周囲光が無い非常に暗い状態である。光センサユニット51,52の穴がテープで遮断されたり、電子ペーパーがカバンに入れられた状態であると考えられるので、不正使用動作であると判定し、ステップ204に進む。センサA−1およびB−1の両方がONである時にはステップ202に進む。
【0081】
ステップ202では、センサA−2およびB−2の両方または一方がONであるか判定する。ONである場合は、非常に強い光が入力する状態、すなわち複写機やスキャナのスキャン光が入射したと考えられるので、スキャン光有りと判定してステップ204に進む。センサA−2およびB−2の両方OFFである時には、表示ステップ203に進む。
【0082】
ステップ203では、画像データの表示を維持してもよいと判定する。
【0083】
ステップ204では、表示している画像の全面消去が必要と判定する。
【0084】
なお、後検出の頻度を低減するため、例えば、センサA−1,B−1の出力判定を、それらの出力の継続時間で判定することも可能である。例えば、
(a)センサA−1、B−1の両方がOFFである時間が1秒以上継続、または
(b)センサA−1、B−1の一方がOFFである時間が10秒以上継続の場合に、周囲光が無い状態と判定する。
【0085】
以上光センサを利用して不正使用動作を判定する第1実施形態を説明したが、次に説明する第2実施形態では、別の方法で不正使用動作を判定する。
【0086】
図10は、第2実施形態の電子ペーパーの構成と動作を説明する図である。不正使用検出センサ33以外の部分は、第1実施形態と同じである。
【0087】
第2実施形態では、不正使用検出センサ33として上下どちら側に向いているかを検出上下位置センサ61を使用する。図10の(A)および(B)に示すように、電子ペーパー1では、筐体50に表示素子10が取り付けられている。筐体50の適当な箇所に上下位置センサ61を設ける。
【0088】
上下位置センサ61は、図10の(B)に示すように、絶縁体67を介して所定の間隔に配置された上部電極64および下部電極65と、一方の端が上部電極64に固定された金属製のバネ63と、金属製のバネ63の他方の端に取り付けられた金属球62と、上部電極64および下部電極65に接続された端子66A,66Bと、を有する。図10の(A)に示すような表示素子10の表示面が上方を向いた状態では、図10の(B)に示すように、金属球62は重力に応じて下部電極65に接触した状態になる。したがって、端子66Aから66Bに至る電気経路は導通状態になる。一方、図10の(C)に示すような表示素子10の表示面が下方を向いた状態では、図10の(D)に示すように、金属球62は重力に応じて金属バネを縮め、下部電極65と離れた状態になる。したがって、端子66Aから66Bに至る電気経路は絶縁状態になる。したがって、端子66Aと66Bの間の抵抗、静電容量などを検出すれば、表示面が上方と下方のどちらを向いているかが検出できる。金属球62の動作は、金属球62の重さや金属バネ63のバネ定数を適宜設定することにより実現される。
【0089】
電子ペーパーの表示面を複写機で複写する場合には、表示面を下側に向けるので、上下位置センサ61で下側を向いていることを検出した時に表示されている画像を消去すれば、不正な複写を防止できる。
【0090】
なお、第1実施形態の光センサユニットと第2実施形態の上下位置センサ61を組み合わせて、その出力の組合せから不正使用動作を判定することも可能である。
【0091】
以上、第1実施形態および第2実施形態を説明したが、公開可の画像を表示している場合には、誤動作により画像が消去されることはほとんど生じないが、公開不可の画像は不正使用検出センサ33が誤った判定を行って画像が消去される場合や、ユーザの誤った方法による使用により、画像が消去される場合が起こり得る。このような場合、消去した画像を再度表示することが求められる。
【0092】
消去された画像を再度表示するためには、消去した画像がどの画像であったかを示す画像のコード番号を記憶しておく必要がある。前述のように、消去前に表示していた画像のコード番号はメモリ31に記憶されているので、これを利用する。しかし、メモリ31に記憶されている公開可否情報Cが、消去前に表示していた画像が公開不可であることを示している場合には、再表示を要求したユーザが、消去した公開不可の画像を使用する権利を有する正当権利者であることを確認する必要がある。
【0093】
そこで、公開不可画像を書き込む時には、その画像を使用する権利を有する正当権利者であることを示すパスワードを、画像データと一緒に受け取りメモリ31に記憶しておく。不正使用動作を検出して画像を消去した時には、図11に示すような、公開不可の画像であるので消去した旨を表示すると共に、再表示の場合には正当権利者であることを確認するためのパスワードの入力を要求する表示を行う。
【0094】
図12は、再表示処理を示すフローチャートであり、(A)は最初に画像データを表示する処理を行う場合に追加する処理を、(B)は再表示が要求された時の処理を示す。
【0095】
ステップ301では、図8のステップ109で画像データ表示を行った後、画像データに付加されている正当権利者であることを示すパスワードをメモリ31に記憶する。
【0096】
ステップ401では、メモリ31に記憶された記憶パスワードを読み出す。
【0097】
ステップ402では、入力インターフェース34を介して入力された入力パスワードを読み込む。
【0098】
ステップ403では、記憶パスワードと入力パスワードが一致するかを判定し、一致すればステップ405に進み、一致しなければステップ404に進む。
【0099】
ステップ404ではパスワードが不一致であることを表示してステップ402に戻る。
【0100】
ステップ405では、メモリ31に記憶された画像のコード番号を読み出す。
【0101】
ステップ406では、コード番号に対応する画像データを表示する処理を行う。ここで、画像データがメモリ31に記憶されている場合には、それを読み出して表示する。画像データが電子ペーパー内部に記憶されていない時には、書込み装置にコード番号を送信して対応する画像データが供給されるようにする。
【0102】
再表示を要求したユーザが、書込み装置の制御部にアクセスしてパスワードを入力し、書込み装置の制御部が電子ペーパー制御部32にパスワードを送り、電子ペーパー制御部32画像がパスワードの一致を確認してコード番号を書込み装置の制御部に送り返すようにすることも可能である。
【0103】
書込み装置の制御部がユーザが正当権利者であることを認識しても、そのユーザに提示することが許された公開不可画像が多数存在する場合、その電子ペーパーに表示されていた画像を探し出すのは煩雑である。これに対して、電子ペーパーに消去した画像を示すコード番号を記憶しておけば、容易に再表示することが可能である。
【0104】
以上本発明の実施形態を説明したが、各種の変形例が可能であるのはいうまでもない。特にコレステリック液晶を使用した電子ペーパーを例として説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】図1は、コレステリック液晶の双安定状態(プレーナ状態とフォーカルコニック状態)を説明する図である。
【図2】図2は、パルス電圧によるコレステリック液晶の状態変化を説明する図である。
【図3】図3は、実施形態のカラー表示装置のコレステリック液晶素子の積層構造を示す図である。
【図4】図4は、カラーコレステリック液晶素子の各層の分光反射特性を示す図である。
【図5】図5は、実施形態のカラー表示装置の1枚のコレステリック液晶素子の構造を示す図である。
【図6】図6は、実施形態のカラー表示装置の概略構成を示す図である。
【図7】図7は、第1実施形態の不正使用検出部の構成を示す図である。
【図8】図8は、第1実施形態における表示書換え処理を示すフローチャートである。
【図9】図9は、第1実施形態における不正使用検出処理を示すフローチャートである。
【図10】図10は、第2実施形態の不正使用検出部の構成を示す図である。
【図11】図11は、画像消去後の表示画像の例を示す図である。
【図12】図12は、再表示処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0106】
1 電子ペーパー
10 表示素子
11 上側基板
12 液晶層
13 下側基板
14 上側電極層
15 下側電極層
17 吸光層
18 制御回路
21 電源
22 昇圧部
23 電圧切替部
24 電圧安定部
28 制御回路
29 コモンドライバ
30 セグメントドライバ
32 電子ペーパー制御部
33 不正使用検出センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面と、
前記表示画面での画像の表示および消去を行う表示駆動部と、
第1の動作を検出し、前記第1の動作を検出した時には前記表示画面に表示された画像を消去するように前記表示駆動部を制御する不正防止部と、
前記表示画面に表示する画像が公開不可の画像である場合には、前記不正防止部を動作状態にし、前記表示画面に表示する画像が公開可の画像である場合には、前記不正防止部を動作停止状態にする制御部と、
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記不正防止部は、当該表示装置の同一部分に入射する光を検出する感度の異なる複数の光センサよりなる光センサ群を備え、前記光センサ群の前記複数の光センサの出力の組合せで前記第1の動作を検出する請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記不正防止部は、当該表示装置の複数箇所にそれぞれ前記光センサ群を備え、前記複数の光センサ群の前記複数の光センサの出力の組合せで前記第1の動作を検出する請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記不正防止部は、前記表示画面が上方を向いているか下方を向いているかを検出するセンサを備え、前記表示画面が下方を向いている時に前記第1の動作であると判定する請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
公開不可の画像の識別子を記憶する画像コード記憶部と、
第1の認証情報を記憶する認証データ記憶部と、を備え、
前記第1の動作を検出して前記表示画面に表示された画像を消去した後、前記制御部は、第2の認証情報の入力を受け付け、当該第2の認証情報が、前記第1の認証情報と一致する時に、前記画像コード記憶部に記憶した公開不可の画像の識別子を読み出し、当該識別子に対応する画像を前記表示画面に表示する請求項1〜4のいずれか1項に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−244345(P2009−244345A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−87982(P2008−87982)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】