説明

電子ラベリング・システムにおけるハンド・ヘルド装置

【課題】ESLシステムの電子ラベル(11)との通信に使用する個人使用ハンド・ヘルド装置の提供である。
【解決手段】ハンド・ヘルド装置は、制御手段(55)、メモリ手段(61)、電子ラベルにコマンドを送信する送信手段(57)およびユーザ入力の1つ以上のボタン(53,53’)の他に、システムの中央装置(1)から情報を受信する受信機(63)を含む。情報は、新しいコマンドまたはハンド・ヘルド装置の認可のためにラベルに送られるコマンドに含めることができる認可コードを含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(技術領域)
本発明は、請求項1の序文に明記されている電子棚ラベル・システムで使用するハンド・ヘルド装置に関する。本発明は、それぞれ、請求項15,9および17の序文に従って、電子棚ラベル・システムで使用する電子棚ラベル、電子棚ラベル・システムおよび電子棚ラベル・システムで使用する方法にも関連している。
【背景技術】
【0002】
(背景および従来技術)
たとえば、食料雑貨店内で電子ラベルを棚上に配置して値札として使える電子ラベル・システムが知られている。ラベル上に表示された情報は、赤外(IR)接続やRF通信を介してラベルと通信する中央装置から更新することができる。このようなシステムは、しばしば電子棚ラベリング・システム(ESL)と呼ばれるが、ラベルは、必ずしも棚上に配置する必要はない。替わりに、ラベルは、天井から吊下げたり他の方法で表示することができる。本明細書では、電子ラベルおよび電子棚ラベルという語句は交換可能に使用され、棚に取り付けられるラベルに限定してはならない。
【0003】
各ラベルにいくつかのレジスタ、すなわち、ページを含ませ、その1つを任意の定められた時間に表示できるようにすることが知られている。表示する情報は、中央装置から、または、たとえば、スタッフにより使用されるハンド・ヘルド装置から制御することができる。
【0004】
価格情報の他にラベルは、特価提供、在庫のある特定製品の品目数、予想棚上商品数、スペース管理情報等の他のタイプの情報を保持することができる。しかしながら、通常は価格情報が表示される。
【0005】
一般的に、このようなシステムでは店員が棚において直接ラベルと通信できるようにするハンド・ヘルド装置を利用することができる。最も一般的な用途は、たとえば、より多くの品目を注文する必要があるかを調べるためにラベル上に表示される情報のタイプを選択することである。ハンド・ヘルド装置に格納された認可コードがコマンドと共にラベルに送られる。認可コードは、ラベルにより検証されて、たとえば、あるタイプの情報を表示するコマンドの実行を認可する。
【0006】
認可コードは、システムのユーザにより選択されて製作中にハンド・ヘルド装置に与えられ、ハンド・ヘルド装置のメモリのコントロール・ユニット(装置)でコード化することができる。認可コードの変更には先進的装置が必要であり、通常は、ハンド・ヘルド装置をメーカへ戻すことを伴う。認可コードの任意の変更は、ハンド・ヘルド・ユニットとラベルの両方に行わなければならない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
(発明の目的)
より融通性のあるハンド・ヘルド装置を提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(発明の概要)
この目的は、本発明に従って、電子ラベリング・システムにおいて使用される少なくとも1つのラベルと通信する電子ラベリング・システムで使用するハンド・ヘルド装置により達成され、ハンド・ヘルド装置は、電子ラベリング・システムの少なくとも1つの棚ラベルにコマンドを送信する送信手段と、メモリ手段およびハンド・ヘルド装置の機能を制御する制御(コントロール)手段と、ユーザ入力を提供する少なくとも1つのボタンとを含み、制御手段により制御可能でESLシステムの中央装置から情報を受信する受信機を含むことを特徴とする。
【0009】
これは、従来技術で得られるものよりも一層柔軟なハンド・ヘルド装置を提供する。とりわけ、新しいコマンドを中央装置からハンド・ヘルド装置に送信して新しい機能を可能とすることができる。これは、ボタンが1つしかない単純化された形のハンド・ヘルド装置において特に有用であり、中央装置から受信した情報に応じて、このボタンを異なる時間に異なるコマンドに対して使用できるためである。
【0010】
好ましい実施例では、送信手段は、コマンドを送信する認可を検証するためにラベルに認可コードを送信し、受信機は、新しい認可コードに関する情報を受信して古い認可コードを置換し、制御手段は、新しい認可コードをメモリ手段に格納する。
【0011】
このようにして、認可コードは、各店舗に対して個別に望みどおりに設定することができる。店舗は、ハンド・ヘルド装置に対して異なるタイプの機能を指定してどのハンド・ヘルド装置をどのタイプの機能に対して使用するかを決定することができる。たとえば、いくつかのハンド・ヘルド装置を職員が使用し、いくつかを通常の顧客が使用し、いくつかを会員が使用することができる。認可コードは、特定のハンド・ヘルド装置が何をするのを認可されるかを決定するのに使用することができる。
【0012】
好ましくは、ハンド・ヘルド装置は、一意的アイデンティティ情報および一意的アイデンティティ情報をシステムに通信する送信手段を含んでいる。
【0013】
このようにして、システムは、送信された情報、たとえば、新しいコマンドまたは新しい認可コードをハンド・ヘルド装置に対して指定された機能に適合させることができる。好ましくは、ハンド・ヘルド装置および中央装置およびシステムのトランシーバは、同じ方法およびプロトコルを使用して通信する。
【0014】
ハンド・ヘルド装置およびESLシステムは、IR通信やRF通信等のワイヤレス通信用に構成される。
【0015】
好ましくは、ハンド・ヘルド装置は、ESLシステで使用される棚ラベルと本質的に同じタイプの制御(コントロール)回路を含んでいる。それによりハンド・ヘルド装置の設計およびハンド・ヘルド装置とラベル間の通信が単純化される。
【0016】
一実施例では、ハンド・ヘルド装置は、ラベルのレジスタに含まれた情報片を表示するコマンドをラベルに送信する。
【0017】
それにより、本質的には1つのボタンしか無く1つのコマンドの送信に限定される特に単純なハンド・ヘルド装置が可能となる。このようなハンド・ヘルド装置は、比較的低廉であるため、ハンド・ヘルド装置を顧客に提供するコストが低減される。この機能は、ESLシステムの中央装置から情報を受信するようにされたものだけでなく、任意のタイプのハンド・ヘルド装置に実現することができる。
【0018】
ハンド・ヘルド装置は、ラベルのレジスタに含まれた情報を変更するコマンドをラベルに送信するようにすることができる。
【0019】
好ましくは、ハンド・ヘルド装置は、ハンド・ヘルド・ディスプレイのホールダに情報を表示するディスプレイを含んでいる。ディスプレイは、コマーシャル・メッセージやハンド・ヘルド装置のユーザ向け情報のために使用することができる。
【0020】
また、本発明の目的は、中央装置と通信し、かつ、ワイヤレス接続を介していくつかの電子棚ラベルと通信してラベルに表示される少なくとも第1の情報片を決定するする少なくとも第1の基地局を含む電子棚ラベル・システムにより達成され、このシステムは、棚ラベルと通信するハンド・ヘルド装置も含んでおり、電子棚ラベル・システムは、中央装置およびこれに接続された通信手段を含み、通信手段は、少なくとも1つのハンド・ヘルド装置にメッセージを送信するようにされていることを特徴としている。
【0021】
好ましくは、中央装置は、新しい認可コードをハンド・ヘルド装置に送信するようにされており、このコードは、ハンド・ヘルド装置に格納してハンド・ヘルド装置の認証のためにハンド・ヘルド装置から少なくとも1つの棚ラベルへ送信することができる。
【0022】
好ましくは、電子棚ラベル・システムの通信手段は、少なくとも1つのハンド・ヘルド装置から情報、特に、ハンド・ヘルド装置の一意的アイデンティティに関する情報を受信して中央装置へ通信し、一意的アイデンティティに依存してハンド・ヘルド装置に通信する情報を選択できるようにされている。好ましくは、これは、ハンド・ヘルド装置のアイデンティティをユーザと関連づけ、特定ユーザ・オファーまたは他のメッセージをハンド・ヘルド装置のディスプレイに表示できるようにするために、ロイアルティ顧客カード等を読み出すことによりシステムがハンド・ヘルド装置のユーザのアイデンティティを既に知っている時に行われる。
【0023】
好ましくは、ハンド・ヘルド装置およびESLシステムは、IR通信やRF通信等のワイヤレス通信用に構成さる。
【0024】
好ましくは、ハンド・ヘルド装置および電子ラベルは、本質的に同じタイプの受信機および/またはコントロール・ユニットを含んでいる。
【0025】
好ましくは、電子棚ラベル・システムは、システムで電子棚ラベルに含まれる全情報へアクセスできるようにするマスタ認可コードを含んでいる。
【0026】
また、本発明の目的は、電子棚ラベル・システムで使用する少なくとも第1のハンド・ヘルド装置のプログラミング方法により達成され、このシステムは、中央装置およびシステムの少なくとも1つの電子ラベルと通信する通信手段および少なくとも1つの電子ラベルと通信するようにされた少なくとも1つのハンド・ヘルド装置を含んでおり、この方法は、下記のステップを含んでいる。
− 中央装置から第1のメッセージを少なくとも1つのハンド・ヘルド装置に送信する、
− 第1のメッセージをハンド・ヘルド装置で受信する。
【0027】
好ましくは、この方法は、下記のステップを含んでいる。
− 少なくとも1つの電子棚ラベルと通信する時にハンド・ヘルド装置により使用される新しい認可コードに関する情報を少なくとも第1のハンド・ヘルド装置に送信し、
− 少なくとも1つの電子ラベルに送信されるコマンドに含めるためにメモリ手段の新しい認可コードをハンド・ヘルド装置に格納し、
− 新しい認可コードに関する情報を中央装置から電子棚ラベル・システムで使用される少なくとも1つの電子棚ラベルに送信し、および、
− ハンド・ヘルド装置から受信したコマンドに含まれる認可コードと比較するためにメモリ手段の新しい認可コードを電子棚ラベル内に格納する。
【0028】
ハンド・ヘルド装置およびESLシステムは、IR通信やRF通信等のワイヤレス通信により通信する。
【0029】
また、本発明の目的は、複数の異なる情報片を保持する複数のレジスタ、およびハンド・ヘルド装置から入力されるコマンドに依存してレジスタからの情報の表示を制御するコントロール・ユニットを含む電子棚ラベルにより達成され、ラベルは、各レジスタに関連付けられた少なくとも1つの格納された認可コードを含み、コントロール・ユニットは、特定レジスタの情報を表示するコマンドがコントロール・ユニットで受信される時に、ハンド・ヘルド装置からのコマンドに含まれる認可コードを特定レジスタに関連付けられた格納された認可コードと比較し、受信した認可コードが格納された認可コードと一致すればレジスタに含まれた情報を表示することを特徴としている。
【0030】
好ましくは、電子棚ラベルは、格納されたマスタ認可コードも含んでおり、コントロール・ユニットは、受信した認可コードが格納されたマスタ認可コードと一致すれば、レジスタに含まれた情報を表示するようにされている。
【実施例】
【0031】
(実施例の詳細な説明)
次に、添付図面を参照して本発明をより詳細に説明する。図1は、赤外(IR)通信に基づく従来の電子ラベリング・システムを示す。このシステムは、従来技術で既知の任意他のワイヤレス通信方法に基づくこともできる。パーソナル・コンピュータ(PC)に基づくことができる中央装置1は、サーバ・ソフトウェアを含みシステムでサーバのように働く。中央装置1は、プロセッサ2およびメモリ3を含んでいる。あるいは、メモリまたはその一部は、中央装置1に接続された外部ユニットとすることができる。1つ以上の基地局4は、たとえば、イーサネット(登録商標)接続またはシリアル通信により中央装置1に接続されている。各基地局4にいくつかのトランシーバ5が接続されている。基地局4は、キャリヤに対する変調および周波数発生を処理する。変調は、パルス位置変調とすることができる。トランシーバ5は、基地局から受信した電気信号をIR信号に変換し、これらのIR信号をIR接続9を介していくつかの電子ラベル11に送信する。また、トランシーバ5は、電子ラベル11から送信されたIR信号を受信し、それらを各基地局4が読み取れる電気信号に変換する。電子ラベル11は、バッテリ給電スタンドアロン値札である。
【0032】
図2Aは、電子ラベル11の一実施例の正面図である。電子ラベル11は、製品の品目当たり価格を表示する第1の価格フィールド23、製品の単位当たり、たとえば、キロ当たり価格を表示する第2の価格フィールド25、たとえば、特価提供に関する他の情報を表示する第3の価格フィールド27を含んでいる。各フィールド23,25,27は、数桁からなり、各桁は、一組の7セグメントとして書くことができる。たとえば、1セグメントしか含まないインジケータ・フィールド29は、たとえば、ディスカウントを示す赤線を表示するのに使用することができる。インジケータ・フィールドは、たとえば、赤色発光ダイオード(LED)または類似のアイ・キャッチャにより置換することもできる。もちろん、フィールド23,25,27,29は、異なる方法で配置することができ、かつ/または所望により他のタイプの情報を表示するのに使用することができる。また、ディスプレイは、ドット・マトリクス・ディスプレイとすることができる。
【0033】
図2Bは、図2Aの電子ラベル11の一般的な論理図である。各電子ラベルは、それ自体の個別のアドレスを有している。システムのトランシーバ5またはハンド・ヘルド・ユニットからのコマンドおよび情報更新を受信するために、ラベルは、その中のコントロール・ユニット33に接続された受信機、ここでは、IR受信機31を含んでいる。コントロール・ユニット33は、当業者ならば既知の方法で、コマンドおよび情報を受信し、それに従って作動する。また、ラベル11は、受信機31の他に二方向通信を可能とする送信機またはトランシーバ・ユニットを含むことができる。コントロール・ユニット33は、図2Aのフィールド23,25,27,29に対応する1つ以上のディスプレイ35を制御する。ラベル11は、コントロール・ユニット33に接続されたいくつかのレジスタ37を含み、その各々が特定の情報片、典型的には1ページの情報を含んでいる。コントロール・ユニット33は、レジスタ37に含まれる情報のディスプレイ35への表示を制御する。また、コントロール・ユニット33は、受信機31を介して受信した情報を使用して各レジスタ37の更新を制御する。コントロール・ユニット33は、ラベルに必要な全メモリおよび処理機能を含む特定用途集積回路(ASIC)の一部とすることができる。あるいは、コントロール・ユニット3は、マイクロ・プロセッサとすることができ、それは比較的単純なものとすることができる。
【0034】
随意、ラベルは、その中で、たとえば、エラー状態が検出されているために音を発生して注意を引くための音発生手段38を含んでいる。これについては後述する。また、ラベルは、さまざまなタイミング機能に対するタイミング手段39を含むことができる。
【0035】
図3は、それぞれ、システムと電子ラベル間およびハンド・ヘルド・ユニットと電子ラベル間の通信で使用される情報のフレーム40を示す。フレームの第1のフィールドは、通信に使用されるプロトコルを指定するプロトコル・フィールド41である。同じプロトコルがシステムの全ラベルに対して使用される。したがって、プロトコル・フィールド41は、主として各ラベルに対する「ウェークアップ」フィールドとして働く。次はアドレス・フィールド43であり、フレーム向けラベルのアドレスを含んでいる。次のフィールドは、コード・フィールド45であり、認可コードを含み、それはアクセス・コードまたはキーコードとすることができる。アクセス・コードは、たとえば、情報を更新するコマンドに対して必要である。たとえば、ある情報を見るための他のコマンドに対しては、キーコードで十分である。他のコマンドは、コードを全く必要としないことがある。コマンドは、コマンド・フィールド46に含まれる。次に、データ・フィールド47は、データ、たとえば、ラベルの1つ以上のレジスタ37に対する更新を含んでいる。最後のフィールドは、チェック・サム・フィールド49である。もちろん、他のフィールドをフレームに含めることができ、あるいはフィールドの順序を変えることができる。
【0036】
ブロード・キャスト・コマンドを使用することができ、それは2つ以上のラベルへ向けたコマンドである。この場合、アドレス・フィールドのコンテンツは、チェックされない。このようなハンド・ヘルド装置は、米国特許第6,105,004号に開示されている。
【0037】
図4は、特定のラベルと通信する時に使用するハンド・ヘルド装置51を示す。ハンド・ヘルド装置51は、ハンド・ヘルド装置からラベルまでの距離に応じて、互いに近くに配置されたいくつかのラベルと同時に通信するのにも使用することができる。
【0038】
ハンド・ヘルド装置は、各々がページ、すなわち、ラベルのメモリのレジスタを表すいくつかの押し釦53を含んでいる。これは、たとえば、ディスプレイ・セグメントに対するASICの制御出力のいくつかが替わりにデジタル入力として使用されるASICとしてコントロール・ユニットを設計することにより実現される。当業者ならばASICの入力および出力をどのように再構成するかを良く知っている。たとえば、32の釦53を制御するのに、12のディスプレイ出力を使用することができる。4つの出力が波形用出力として使用され、残りの8つは、入力に変換される。8つの異なる入力上の4つの波形の組合せを解釈することにより合計32の異なる組合せが達成され、それは32の異なるレジスタをアドレス指定するのに使用することができる。当業者ならば、これをどのように実現するか承知している。釦が押されると、ハンド・ヘルド装置の論理コントロール・ユニット55がこの釦から信号を受信し、その信号を復号しそれに基づいてどんなアクションをとるべきか決定する。とられるアクションは、通常、ラベルへコマンドを送って所望のページ上に情報を表示することである。そのために、コントロール・ユニット55は、送信機、ここでは、IR送信機56に接続されている。コマンドは、このページに対応する認可コードを含んでいる。本実施例において、認可コードは、16ビット語である。制御回路は、存在すれば、ディスプレイ57も制御することができる。
【0039】
コントロール・ユニット55は、記憶手段58を含み、認可コード等の情報を保持することができる。より多くのメモリが必要であれば別々の記憶手段を使用することができる。認可コードがラベルに保持された認可コードと一致しなければ、所望するページは表示されない。
【0040】
本発明に従って、ハンド・ヘルド装置51は、受信機、この例ではIR受信機59も含んでいる。IR受信機59は、システムのトランシーバ5と通信するものである。このようにして、特定の認可コードが変更される時に、認可コードは、トランシーバ5を介して送信されラベルおよびハンド・ヘルド装置51で受信することができる。この例のように、IR通信が使用される場合、各ハンド・ヘルド装置は、更新のために少なくとも1つのトランシーバの通信距離内に配置する必要がある。これは、更新が行われる1つのエリアまたは部屋を店舗内に画定して達成することができる。
【0041】
好ましくは、受信機59は、ラベルで使用されたものと同じ種類である。認可コードは、ハンド・ヘルド装置とラベルの両方で同じソースから変更されるため、エラーのリスクが低減される。好ましくは、コントロール・ユニット55およびラベル・コントロール・ユニット33は、同一回路であり唯一の違いは、外部コンポーネントおよびデバイスのセットアップにある。
【0042】
前記したように、電子ラベルは、いくつかのレジスタ、すなわち、ページを含むことができ、各ページは、異なるタイプの情報を含んでいる。特定の認可コードは、1つ以上のこれらのレジスタへのアクセスを与えることができる。このようにして、たとえば、異なるカテゴリのスタッフ、店のボーナス制度のメンバーである顧客、および他の顧客に異なる認可コードを与えることができる。たとえば、メンバに対する特価提供があり、それは他の顧客には表示すべきではない。
【0043】
マスタ認可コードをシステムで設定して全レジスタ、すなわち、ページへのアクセスを提供することができる。ラベル内で受信された認可コードが所望ページに対する認可コードとは一致しないがマスタ認可コードとは一致する場合、ページを示すコマンドが実行される。マスターキー機能は、システム・パラメータをその旨設定することによりディセーブルすることができる。
【0044】
ハンド・ヘルド装置は、そのアイデンティティをトランシーバへのワイヤレス接続を介して規則正しい間隔でシステムへ送信し識別を行うようにすることができる。
【0045】
また、ハンド・ヘルド装置は、他のタイプの情報をラベルに送り、たとえば、ラベルに格納された情報を更新したり、ラベルを閉鎖するようにすることができる。
【0046】
ラベルの情報をハンド・ヘルド装置から更新することができるが、その場合システムは、ラベルに何が格納されているか知らないため、恐らく、それは望ましいことではない。特殊なケースとして、たとえば、ラベルがある期間システムとの通信を阻止される場合、迅速に更新を行うのが有用なことがある。
【0047】
前記したように、ハンド・ヘルド装置は、ディスプレイ57を含むこともでき、それは、たとえば、特定タイプの商品の全般的割引に関する情報を直接特定の顧客や従業員に提供するのに使用することができる。当業者ならば、ハンド・ヘルド装置が好ましくはラベルと同じタイプの制御回路を含む場合、これを容易に実現することができる。情報は、ブロードキャスト・コマンドとして送ることができ、また、システムの異なるトランシーバ5により異なるタイプの情報を送信することにより、店舗内のどこにハンド・ヘルド装置が配置されているかに依存するようにすることができる。また、前記したのと同じ方法で、ハンド・ヘルド装置にそのアイデンティティをシステムに伝えさせることにより、この情報は、ハンド・ヘルド装置のアイデンティティに依存するようにすることができる。システムは、特定のハンド・ヘルド装置のユーザに特別に適合された情報を返送する。
【0048】
図5は、本質的に図4と同じユニットを有し、情報を表示するディスプレイ57を含むハンド・ヘルド装置を示す。図5には1つの釦53’しかない単純化されたハンド・ヘルド装置が示されている。
【0049】
もちろん、1つの釦しかないハンド・ヘルド装置をディスプレイ無しで作ることもできる。
【0050】
ハンド・ヘルド装置には新しいメッセージがそこへ送られている時に活性化されて注意を引くことができるビーパを備えることもできる。
【0051】
メッセージは、日中顧客が店舗内にいる時、または夜間にハンド・ヘルド装置へ送信することができる。メッセージは、一時に1つずつ表示することができ、あるいは、いくつかのメッセージをハンド・ヘルド装置のメモリの数ページとしてダウンロードすることができ、またメッセージは、自動的にあるいはハンド・ヘルド装置上の釦を押してスクロールすることができる。
【0052】
本発明のもう1つの側面に従った方法および電子棚ラベルにより、図5に示すような単純化されたハンド・ヘルド装置を使用して異なる情報片を特定のハンド・ヘルド装置のユーザに対して適合され、特定のラベルに依存する所望のシーケンスで表示することができる。したがって、単純かつ低廉なハンド・ヘルド装置を、たとえば、顧客に提供することができる。最も単純なケースでは、各ハンド・ヘルド装置は、1つの釦しか必要とせず、各ラベルの各レジスタに格納された情報に応じて異なるラベルの異なるアクションをトリガする1つのコマンドを送る。このようにして、フルスケール・ハンド・ヘルド装置を必要とせずにユーザ適合情報を表示する方法および装置が提供される。
【0053】
2つ以上のコマンドを送信することができる図4に示すようなより複雑な装置も本発明に従って使用することができる。もちろん、この装置は、電子棚ラベル・システムから情報を受信する受信機を含むことも含まないこともできる。
【0054】
本発明のこの側面に従って、各電子棚ラベルは、任意のコマンドによりプリセットすることができる。コマンドは、システムにより、あるいはラベルの製作時にラベルのレジスタへダウンロードすることができる。たとえば、ラベルのベース・モード動作を変えるコマンド、ラベルのデータ・レジスタを更新するコマンドまたは、一時的スクロール・シーケンス等の一時的モードを開始するコマンド、またはある期間1つの一時的イメージを示すだけのコマンド等のラベルにより処理される全コマンドをこのようにダウンロードすることができる。1つの好ましいこのようなコマンドは、スクロール・シーケンスを開始するスクロール・コマンドである。コマンドの実行は、ラベル自体上の釦を押すことによりハンド・ヘルド装置からのコマンドによりトリガするか、またはシステムの中央装置からのコマンドによりトリガすることができる。
【0055】
図6は、いくつかの異なるスクロール・シーケンスのインプリメンテーションを可能にする実施例を論理的に示す。前記したように、電子棚ラベルは、いくつかのレジスタ、このケースでは8つのレジスタ61−68を含んでいる。各レジスタ61−68には、第1および第2のポインタ61a,61b,62a,62b,...,68a,68bが関連付けられている。この実施例では、各レジスタ61−68は、2つの異なるスクロール・シーケンスで使用することができる。一方のスクロール・シーケンスでは、各ラベルの第1または第2のポインタしか使用できない。図4に示すように、ページ62,65,64,68をこの順序で含むスクロール・シーケンスを実現するために、ページ62に関連付けられた第1のポインタ62aは、ページ65のポイントに設定される。ページ65の第1のポインタ65aは、ページ64のポイントに設定される。ページ64の第1のポインタ64aは、ページ68のポイントに設定される。同時に、任意の順序で61,63,66,67を含む代替スクロール・シーケンスを定義することができ、各ページの第1のポインタを使用して実現することができる。たとえば、ページ65がもう1つのスクロール・シーケンスでも使用される場合、このスクロール・シーケンスは、含まれる各ページ61,...68の第2のポインタ61b,...,68bを使用しなければならない。
【0056】
好ましくは、各61a,61b,62a,62b,...,68a,68bは、ポインタにより指示されたページへ行く前にポインタに関連付けられたページの情報を表示すべき期間長に関する情報も含んでいる。
【0057】
スクロール・シーケンスは、たとえば、次のようにすることができる。
レジスタ63を10秒表示する
レジスタ66を5秒表示する
デフォールト・ページへ戻る(たとえば、ページ61)
【0058】
この場合、コマンドは、レジスタ63を指示する。関連するポインタ、たとえば、ポインタ63aは、10秒待機時間を指定しページ66を指示する。ポインタ66aは、5秒待機時間を指定しスクロール・シーケンスの終りを示すか、あるいはデフォールト・ページを指示する。あるいは、ポインタは、次のページに対する表示時間、すなわち、ポインタが指示するページを指定することができる。
【0059】
また、好ましくは、ハンド・ヘルド装置からラベルに送信されるコマンドは、開始ページおよびそれに続くスクロール・シーケンス、すなわち、ポインタaまたはbを使用すべきかを含む。あるいは、スクロール・コマンドを関連するレジスタにプリロードすることができ、ハンド・ヘルド装置からラベルに送信されるコマンドは、プリロードされたコマンドの実行をトリガするだけのコマンドである。また、スクロール・シーケンスは、全レジスタを1つずつスクロールすることができる。
【0060】
コマンドに応答してとられるアクションは、電子棚ラベルがデータベース内で製品品目に接続される時に、リンキング・プロセス中に作ることができ、あるいは製作中にプリロードすることができる。あるいは、電子棚ラベル・システムからのコマンドにより任意の時間に変更することができる。
【0061】
好ましくは、スクローリング・シーケンスは、ハンド・ヘルド装置からある程度制御することができる。たとえば、スクローリングしている間に、機能がどのように実現されるかに応じて、スクローリングを再開したのと同じ釦を連続的に押すか、あるいはもう1つの釦を押すことにより特定ページの表示を延ばすことができる。スクローリングしている間に、たとえば、同じ釦を短時間、再び押すことにより関心の無い表示ページをより速く進めることができる。これは、スクローリング機能がラベル自体から開始されたか、またはハンド・ヘルド装置から開始されたかに無関係に適用される。
【0062】
全ラベル、明確に定められたラベル・グループ、または単一ラベルへのブロード・キャストコマンドにより電子棚ラベル・システム自体からスクロールを開始することもできる。
【0063】
異なるユーザ・グループに対して異なるスクロール・シーケンスを定義することができる。たとえば、異なる顧客カテゴリに異なるオファを与えることができる。あるいは、ポイント数またはカロリに関する情報を、たとえば、健康またはダイエット組織のメンバに提供することができる。ある種の食品にアレルギ性の人には、その製品が危険となるものを含んでいるかどうかの特定情報を与えることができる。この場合、各ユーザ・グループは、そこに適用されるスクロール・シーケンスを開始する特定コマンドを発行するようにされた特定キーを持たなければならない。
【0064】
スクロールは、どの方向で商品が見つかるかを示すイメージ、たとえば、点線、一方向の動きを作るために実現することもできる。次に、移動するイメージは、スクロール・シーケンス内に含まれる各レジスタ内に格納することができ、イメージの位置は所望の方向へ次々にシフトされる。
【0065】
これは、いくつかの異なる方法で達成することができる。電子ラベルは、1ページの情報を受信すると、同じデータをいくつかのレジスタ内に自動的に格納することができる。スクロールにおいてアクティブであるセグメントは、イメージの残りとは別個に定義する必要がある。制御手段は、変えられるセグメントを定義し、それらをどのように変えるかに関する情報をコピーされたレジスタに格納するようにされている。これらのイメージを次々にスクローリングする時に唯一動いているのは、点線である。このソリューションの利点は、フラッシュしてはならないデータは、1回しか送信する必要がないことである。
【0066】
電子ラベルのより進んだ実施例は、同じ情報をいくつかのレジスタにコピーする必要性を低減するために、たとえば、スクロール・マスクを使用してスクローリング・セグメントと定義されるセグメントだけを変える手段を持つことができる。これは、図8に記述したものと本質的に同じ回路と3つのレジスタを使用して実現することができる。第1のレジスタ77は、フル・イメージ・データである。次のレジスタ79は、フラッシュ・マスクと同様に働いてレジスタ77内のスクロール・セグメントだけを変えられるようにするスクロール・マスクであり、第3のレジスタ81は、部分イメージ・スクロール・モード中に更新されるレジスタである。これらのレジスタで関心のある唯一のデータは、スクロール・イネーブルド・セグメントであり、他のデータビットは、使用されない(ダミービット)。価格を更新する時に更新しなければならない唯一のレジスタは、第1のレジスタ77である。
【0067】
いくつかのレジスタへのデータの自動的コピーは、この方法に対して必要ない。所望により、スクロールするセグメントだけをダウンロードしてダミービットは、ダウンロードせず、それら全てを1つのレジスタに格納する機能を追加することによりメモリ・スペースをさらに節減することができる。次に、たとえば、8セグメントが時間と共に、どのように変化するかに関する情報を1つのレジスタが8ビットのブロックに保持することができる。セグメント数、すなわち、各ブロックのビット数に関する情報をレジスタに与えることができ、あるいはブロックに対する固定サイズを定義することができる。
【0068】
移動パターンを生成するもう1つの方法を以下に記述する。スクロール・マスクを使用して移動していなければならないイメージのセグメントを定義することができ、他の全てのセグメントは、移動するセグメント・スクロールの影響を受けない。移動するセグメントの順序は、追加メモリに定義する必要がある。スクロール順序を定義する単純な方法は、非変化セグメントは、000(ページ1ビット0、ページ2ビット0、ページ3ビット0)に設定され、移動するセグメントは、7セグメントを定義する001,010,011,100,101,110,111に設定されるメモリの、たとえば、3ページを使用するスクロール・マスクおよび移動線活性化時間に照光されるセグメントの順序を定義することである。4ページは、点線の15セグメントを制御し、5ページは、31セグメントを制御し、また、3セグメントしか必要でなければ、2ページ・スクロール・マスクで十分である。
【0069】
単純な移動イメージを生成するもう1つの方法は、後述するように、1つ以上のフラッシュ・マスクを使用するフラッシュ機能を使用することである。
【0070】
スクロール・マスクを使用してディスプレイのスクロール中に更新される部分を定義することができる。スクローリングに使用される双安定ディスプレイにとってディスプレイの部分的更新は、主要な関心事である。完全な更新は、通常、高いエネルギ消費を伴うが、あるケースでは部分的更新を使用して少数セグメントのスクロールを実現することができる。完全な更新を行えるのは、さらに稀なことであり、ラベルの低平均消費電流が可能となる。
【0071】
スクロール・シーケンスは、ある持続時間または数シーケンスに制限しなければならない。この時間または数シーケンス後に、ラベルは戻ってスクロール開始前と同じ情報を示さなければならない。
【0072】
本発明に従ってベース・モードが定義され、それは回路のデフォールト・モードである。ベース・モードは、特定ページを表示し、数ページ間のスクロールを行い、または任意の情報を示さないことを含むことができる。回路は、この状態に入るのにコマンドまたは任意の他の情報を必要としない。一時的モードは、回路が限定された時間だけ入って、たとえば、特定のページを表示し、スクロールまたはスヌーズするモードとして定義される。一時的モードの後で、回路は、常にベース・モードに戻る。一時的モードが切れた後またはディスプレイ・メモリが更新された後で、ディスプレイ制御機能は、ディスプレイ・レジスタに必要なページ・データをロードする。
【0073】
特定コマンドがベース・モードを変えるように定義される。好ましくは、ベース・モードは、回路が一時的モードである間に変えることができ、一時的モードが終わる時に新しいベース・モードに入る。ベース・モードは、回路がベース・モードである間に変えることもできる。
【0074】
この実施例では、新しい一時的コマンドを受信する時に既に一時的モードであれば、回路は、実行中コマンドを終止させ、スヌーズ・コマンドを除いて、新しいコマンドを実行し、それは他のスヌーズ・コマンドをオーバライドするだけである。たとえば、長いスヌーズ・コマンドは、短いスヌーズ・コマンドにより終止することができる。
【0075】
スクロール・コマンドの特別なケースは、ショーコマンドであり、それは1つの特定レジスタ、すなわち、ページの表示を予め定められた時間量だけ開始する。
【0076】
この側面において、本発明は、電子ラベル・システムで使用する電子ラベル11に関係しており、ラベルは、棚ラベル11のディスプレイ35に表示することができる異なる情報片を保持するためのいくつかのレジスタ37を含み、かつ、ラベルの情報の表示を制御する制御手段33を含み、少なくとも第1のレジスタ37は、第1のレジスタに含まれる予め定められたコマンドの実行を開始するコマンドを保持できることを特徴としている。
【0077】
好ましい実施例では、予め定められたコマンドは、少なくとも第2のレジスタを表示する予め定められたスクロール・シーケンスである。
【0078】
好ましくは、電子棚ラベルの制御手段は、ワイヤレス接続を介してハンド・ヘルド装置から受信したコマンドに応答して第1のレジスタにアクセスするスクロール・シーケンスを開始するようにされている。
【0079】
電子棚ラベルの制御手段は、押されるラベル自体上の釦に応答してスクロール・シーケンスを開始するようにすることもできる。
【0080】
好ましくは、制御手段は、受信されるた認可コードをコマンドにより検証し、認可コードが格納された認可コードと一致する場合のみスクロール・シーケンスを開始するようにされている。
【0081】
好ましくは、各レジスタ37は、ポインタと関連付けられた後で表示しなければならないもう1つのレジスタを指示するように設定できる少なくとも第1のポインタに関連付けられる。
【0082】
各レジスタは、ポインタと関連付けられた後で表示しなければならないもう1つのレジスタを指示するように設定できる第2のポインタに関連付けることもできる。次に、ハンド・ヘルド装置から送信されるコマンドの情報は、どのポインタが続くべきかを示さなければならない。
【0083】
好ましくは、少なくとも第1のポインタは、ポインタに関連付けられたページがどれだけ長く表示されるかに関する情報も含むことができる。あるいは、少なくとも第1のポインタは、それが指示するページをどれだけ長く表示すべきかに関する情報を含んでいる。これらの特徴により異なるページを異なる時間量だけ表示することができる。
【0084】
好ましくは、制御手段は、中央装置またはハンド・ヘルド装置から受信した更新情報を処理してその情報の少なくとも一部を2つ以上のレジスタに格納するようにされている。
【0085】
本発明は、複数のラベル11を含む電子棚ラベル・システムで使用する方法も含んでおり、各ラベルは、棚ラベル上に表示することができる異なる情報片を保持するいくつかのレジスタ37およびラベルへの情報表示を制御する制御手段33を含み、この方法は、ハンド・ヘルド装置からコマンドを受信したら1つのレジスタ37に格納された予め定められたコマンドを開始するコマンドを制御手段で受信するステップにより特徴づけられ、コマンドは、関係するレジスタ37への参照を含んでいる。
【0086】
好ましい実施例では、予め定められたコマンドは、少なくとも第2のレジスタを表示するスクロール・シーケンスを表示することおよびコマンドに応答してスクロール・シーケンスを開始することを含んでいる。また、コマンドは、システムの中央装置から受信したコマンドにより、またはラベル自体の釦を押すことによりトリガすることができる。
【0087】
本発明のこの側面は、複数の電子ラベルを含む電子ラベリング・システムで使用するハンド・ヘルド装置にも関係しており、ハンド・ヘルド装置は、少なくとも1つのラベルにコマンドを送信する送信機およびハンド・ヘルド装置の機能を制御する制御手段を含み、ラベルの第1のレジスタへの参照およびそのレジスタで開始するラベルでスクロール・シーケンスを開始しなければならないという表示を含むコマンドを少なくとも1つのラベルに送信するようにされていることを特徴とする。
【0088】
好ましくは、ハンド・ヘルド装置は、スクロール・シーケンスで続くポインタとしてレジスタに関連付けられた少なくとも2つのポインタの一方の識別を含むコマンドを送信するようにされている。
【0089】
この側面に従った本発明は、前記した少なくとも1つの電子ラベルおよび/または前記したハンド・ヘルド装置を含む電子ラベリング・システムにも関係している。
【0090】
本発明に従って、電子ラベルは、フラッシュ・マスクに関する情報も含んでいる。フラッシュ・マスクは、表示されるデータを含まず、フラッシュするディスプレイの領域、すなわち、セグメントに関する情報しか含んでいない。
【0091】
2つ以上のフラッシュ・マスクを組み合わせて、たとえば、あるセグメントまたはセグメント・グループ23,25,27,29を第1の周波数でフラッシュさせ、他のセグメントをもう1つの周波数でフラッシュさせることができる。たとえば、品目の価格を表示するのに使用されるセグメントを第1の周波数でフラッシュさせ、任意の特価提供(2つの価格で3つ等)を第2の周波数でフラッシュさせることができる。
【0092】
図7は、本発明に従ったフラッシュ・マスクを含むラベルの実施例の論理図である。従来技術で知られているように、ラベルは、コマンド復号ブロック71に接続された受信機31および、恐らくは、送信機(図示せず)またはトランシーバを含んでいる。コマンド復号ブロック71は、受信機31を介してシステムからコマンドを受信してとるべきアクションを決定する。コマンド復号ブロック71は、ディスプレイ・コントロール・ユニット73にも接続され、クロック発生手段75からクロック信号を受信する。従来技術で知られているように、ラベルは、ディスプレイ・レジスタ77から情報を受信するディスプレイ35を含み、ディスプレイ・レジスタは、表示される情報を1つ以上のレジスタ37から受信する。レジスタ37からディスプレイ・レジスタ77への読出しは、コマンド復号ブロック71により制御される。ディスプレイ35へのディスプレイ・レジスタ77の情報の表示は、クロック発生手段75からのクロック信号に依存してディスプレイ・コントロール・ユニット73により制御される。クロック信号は、ディスプレイ・コントロール・ユニット73のフラッシュ・タイミング・カウンタを制御するのに使用される。フラッシュ・サイクルの開始を決定するために、フラッシュ・タイミング・カウンタをシステムからリセットすることもできる。いくつかのラベルを同時にフラッシュさせるために、フラッシュ・タイミング・カウンタをリセットするコマンドがこれら全てのラベルに同時に送られる。
【0093】
ラベルは、1つ以上のフラッシュ・マスク79,81およびディスプレイ・ドライバ・ユニット83も含むことができる。フラッシュ・マスクの機能については後述する。
【0094】
図8は、ディスプレイの1つのセグメントを制御する実施例を詳細に示す。図7について検討したように、ディスプレイ・レジスタは、ディスプレイに表示される情報を少なくとも1つのレジスタ37から受信する。ここには、ディスプレイの1つのセグメント85しか示されていない。ここでは、ディスプレイ・コントローラ73がクロック発生器75からクロック信号を受信し、それを使用して表示された情報を変更するのに使用される1つ以上の論理回路(AND回路)の機能を制御する。好ましくは、ディスプレイ・コントローラ73は、クロック発生器75からクロック信号を受信するフラッシュ・タイマ86を含み、このクロック信号に依存してAND回路を制御する。
【0095】
ディスプレイ・レジスタ77からセグメント85への出力は、1または0、すなわち、オンまたはオフである。この出力は、第1のAND回路87に与えられ、セグメント85をオンまたはオフすべきかどうかに関する情報も第1のフラッシュ・マスク79から受信する。セグメントがフラッシュする場合、AND回路87は、第1のフラッシュ・マスク79から交互に1および0を受信する。ディスプレイ・レジスタ77から受信した信号とフラッシュ・マスク79から受信した信号が共に1である場合だけ第1のAND回路87からの出力は、1となる。セグメントは、フラッシュしないと思われる場合、フラッシュ・マスクは、常にハイ信号をAND回路に提供する。ディスプレイ・レジスタからのハイ信号によりセグメントは、常にオンとなる。ディスプレイ・レジスタからの信号がローであれば、セグメントは、オフとなる。
【0096】
図8に示す実施例では、第2のフラッシュ・マスク81および第2のAND回路88も使用される。第2のAND回路88は、入力として第1のAND回路87からの出力と、セグメント85は、オン/オフすべきかに関する第2のフラッシュ・マスク81からの情報とを受信する。両方の入力信号が1であればセグメント85は、オンである。一方または両方の入力信号が0であれば、セグメント85は、オフである。第2のAND回路88からの出力は、コントロール・ユニット89の1入力に供給され、単純なセグメント・ドライバ、または、図5に示すように多重駆動方式信号を生成する多重化ユニットとすることができる。
【0097】
ディスプレイ・レジスタ77からの信号が0であれば、フラッシュ・マスク79,81のコンテンツに関わらず、セグメントは、常にオフである。
【0098】
フラッシュ・マスク79,81を使用して同じセグメントの異なるフラッシング周波数を達成することができ、あるいは、異なるセグメントに異なるフラッシュ・マスクを適用することができる。
【0099】
クロック発生器75により発生されるクロック信号は、方形パルスである。いくつかのラベルのフラッシングを同期化させるために、システムの中央装置1からリセット・コマンドがブロードキャスト信号として送信される。このリセット・コマンドは、各ラベルのコントロール・ユニットに受信され、全ラベルのサイクルが同じ時間に同じポイントにあることを確実にするために、パルス・サイクルがサイクルの予め定められたポイント、たとえば、パルスの上向き縁で再開するようにクロック発生器手段75をリセットするのに使用される。フラッシュ・タイマ86は、このコマンドによってもリセットされる。使用された周波数が同じであれば、次に、ラベルのフラッシュ機能が同期化される。
【0100】
同期化機能は、各ラベルを棚縁上のその位置に対応する僅かな遅延と同期化させることによりパターン、たとえば、フラッシング・ラベルのウェーブを生成するのにも使用することができる。全ラベルのタイマを正確に同じ時間にリセットする替わりに、遅延機能を使用して、たとえば、棚に沿って移動するウェーブまたは矢(または他の図形)の印象を生成することができる。
【0101】
フラッシュ・マスクは、スクロール中に更新されるディスプレイの一部を規定するのにも使用することができる。スクローリングに使用される双安定ディスプレイに対してディスプレイの部分的更新は、主要な関心事である。完全な更新は、通常、高いエネルギ消費を伴うが、あるケースでは部分的更新を使用して少数セグメントのスクロールを実現することができる。完全な更新を行えるのは、さらに稀なことであり、ラベルの低平均消費電流が可能となる。
【0102】
随意、スクロールを規定する時に照光されたセグメントは、次のセグメントが照光される時でも、まだオンでなければならず次のスクロール・シーケンスの始めにしかターンオンされないか、または1つのセグメントしか任意の定められた時間にオンすべきでないかを選択することができる。これは、スクロール・セットアップにおいて1ビットだけで行うことができる。
【0103】
前にフラッシングしていた同じセグメントがまだフラッシュする場合、本発明に従ったフラッシュ・マスクを使用して表示されるデータを更新するのに1フレームしか送信する必要がない。また、1ページしか使用されないため、2ページ間をトグルしてフラッシュを達成する必要はなく、本発明に従ってバッテリ容量が節減される。数ページが同じフラッシュ・マスクを使用することができる。
【0104】
本発明に従って、表示時間(全ページが表示される時間)およびオフ時間は互いに別々に指定することができる。
【0105】
オン時間およびオフ時間に関して異なるパラメータ設定で、2つ以上のフラッシュ・マスクを一緒に使用することができる。
【0106】
同期化機能は、いくつかのラベル間でページのスクローリングを同期化するのにも使用することができる。このケースでは、タイマ86がスクロール・タイマとして使用される。中央装置からのコマンドによりタイマ86は、リセットされ、スクロール・シーケンスの予め定められたポイントでスクロール・シーケンスが再開する。フラッシュおよびスクロール機能は、結合することもできる。
【0107】
この側面において、本発明は、下記に関係している。
電子棚ラベル・システムで使用する電子棚ラベル11であって、文字を生成するいくつかのセグメント85を含む情報を表示するディスプレイ35と、電子棚ラベル・システムの中央装置と通信する通信手段31と、ディスプレイ制御(コントロール)手段83,89と、ディスプレイ35、通信手段31およびディスプレイ制御(コントロール)手段83,89を制御するコントロール・ユニット73とを含み、ラベルは、各セグメントが常にオンまたはオフでなければならない第1のセグメント・グループおよび少なくともあるセグメントが規則正しい周波数でオン/オフされる第2のセグメント・グループを選択するフラッシュ・メモリ79,81,87,88を含むことを特徴とする電子棚ラベル11である。
【0108】
好ましくは、フラッシュ手段は、クロック発生手段75から提供される第1のクロック・サイクルに依存して制御回路72により制御されてハイおよびロー信号間で交番する制御信号を第2のグループの少なくとも1つのセグメントに対して作り出す第1のフラッシュ・マスク79およびディスプレイ・レジスタ77からの第1の入力信号と第1のフラッシュ・マスク79からの第2の入力信号を受信し第1および第2の入力信号に依存して出力信号を出力するようにされた第1の論理回路87を含んでいる。
【0109】
フラッシュ手段は、クロック発生手段75から提供される第2のクロック・サイクルに依存して制御回路73により制御されてハイおよびロー信号間で交番する制御信号を第2のグループの少なくとも1つのセグメントに対して作り出す第2のフラッシュ・マスク81および第1の論理回路87からの第3の入力信号と第2のフラッシュ・マスク81からの第4の入力信号を受信し第3および第4の入力信号に依存して出力信号を出力するようにされた第2の論理回路87を含むこともできる。
【0110】
この側面に従って、本発明は、電子ラベル・システムで使用する電子棚ラベルにも関係しており、文字を生成するいくつかのセグメント85を含む情報を表示するディスプレイ35と、中央装置73と通信する通信手段31と、ディスプレイ35および通信手段31を制御する制御回路73とを含み、さらに、コントロール・ユニット73にクロック信号を与えるクロック発生手段を75含み、コントロール・ユニット73は、クロック信号に依存してラベルのディスプレイの少なくともいくつかのセグメントを制御するタイミング・カウンタを含むことを特徴とする。
【0111】
好ましくは、タイミング・カウンタ86およびクロック発生手段75は、中央装置1からリセット・コマンドを受信したらコントロール・ユニット73によりリセットすることができる。
【0112】
コントロール・ユニットは、タイミング情報を受信したら即座にまたは遅延を伴ってタイミング・カウンタ86およびクロック発生手段75をリセットするようにすることができる。異なるラベルで異なる遅延を使用してウェーブのイメージまたは他の動くイメージを生成することができる。
【0113】
また、本発明は、この側面に従って電子ラベリング・システムの電子ラベルの表示を制御する方法にも関係しており、
− クロック信号に依存してコントロール・ユニット73によりディスプレイの少なくとも1つのセグメントを制御するステップと、
− 電子ラベリング・システムの中央装置からリセット・コマンドを送信してクロック信号をリセットするステップと、
− リセット・コマンドをコントロール・ユニットで受信するステップと、
− リセット・コマンドに依存してクロック信号をリセットするステップと、
により特徴づけられる。コマンドは、リセットを遅延させる遅延機能を含むことができる。
【0114】
この方法は、クロック発生手段75から受信されるタイミング情報に依存して制御回路73により制御される少なくとも1つのラベルのスクロール機能をリセットするのに使用することができる。これは、たとえば、2つ以上のラベル間でスクローリングを同期化するために使用することができる。
【0115】
この方法は、クロック発生手段から受信されるタイミング情報に依存して回路73により制御される少なくとも1つのラベルのフラッシュ機能をリセットするのにも使用することができる。これは、たとえば、2つ以上のラベル間でフラッシングを同期化するために使用することができる。
【0116】
電子棚ラベルの故障や誤作動の危険性がある。たとえば、バッテリは、寿命が限定されている。特に、IR通信が使用される場合、何かが通信を阻止して中央装置からの信号が所期のラベルへ達しなくなる危険性がある。
【0117】
電子棚ラベルに問い合わせてバッテリ・レベルをモニタすることが長い間知られている。出願人は、このような機能を1996年以来インストールしている。欧州特許EP1107154は、ラベルにセルフ・テスト・プログラムが設けられている電子棚ラベル・システムを開示している。セルフ・テスト・プログラムは、中央装置からのコマンドにより、またはラベル自体により自動的に実行することができる。自己診断のためにラベルのコントロール・ユニットは、ラベルに含まれるいくつかのユニットにテスト信号を送出し、各コンポーネントからのリターン信号を受信して評価する。故障は、中央装置に報告することができ、あるいは、ラベル自体によりディスプレイ上に表示したり可聴信号により表示したりすることができる。たとえラベルが中央装置に信号で知らせることができなくても故障が検出されることを保証するために、正常動作を示す信号を規則正しい間隔で中央装置に送信することができる。
【0118】
ESLシステムが満足に機能するためには、中央装置1と各ラベル11間の通信は、任意の定められた時間に特定のラベルに対する更新情報がそのラベルに届くことを保証するように機能しなければならない。ワイヤレス通信リンクは、しばしば故障して通信が中断される。特に、IR通信を使用するシステムでは、トランシーバ5と1つ以上のラベル11間の通信は、物理的障害、たとえば、トランシーバ5とラベル11間の通信を阻止するように配置された商品の山により阻止されることがある。もちろん、通常は、有線である中央装置1とトランシーバ5間の通信も故障することがある。
【0119】
一方向システム、すなわち、ラベルが送信機を含んでいないシステムでは、中央装置は、特定のラベルが更新情報を受信できないことを検出する方法がないため、通信中断は、特に重大である。
【0120】
この問題は、システムからの2つの更新間で経過する時間を各ラベルがモニタするようにして克服することができる。閾値時間が設定され、中央装置からの2つのメッセージ間で経過を許される最大時間に対応する。受信した最後のメッセージからの時間を測定するのにタイマ39が使用される。コントロール・ユニット33がタイマ39からの信号を受信して閾値時間と比較する。経過時間が閾値時間を超えれば、コントロール・ユニット33は、適切なアクションをとる。典型的な最大時間は、24時間であるが、所望により、たとえば10分のより短時間としたり、より長時間としたりすることができる。
【0121】
各ラベルで測定される時間は、特に特定のラベルに対する2つのメッセージ間の時間、またはラベルにより受信される任意の2つのメッセージ間の時間とすることができる。特に特定のラベルに対するメッセージは、全ラベルまたはラベル・グループに対するブロードキャスト・メッセージを含むことができる。
【0122】
アクションは、たとえば、エラーメッセージを与えるラベルの1つのレジスタ内のプリロードされたイメージにディスプレイを変更するものとすることができる。あるいは、ディスプレイの1セグメントを予め定められた方法で制御してオン/オフさせたり特定の方法でブリンクさせることができる。あるいは、ラベルがオーディオ・ユニット39を含む場合には、警報音を発することができる。
【0123】
このケースでは、中央装置は、設定されている最大時間よりも頻繁に各ラベルへメッセージを送信し、中央装置から実際にメッセージを受信できないラベルだけが故障とみなされることを保証するようにしなければならない。
【0124】
各ラベルで受信されるメッセージ間の時間をモニタすることにより、前記したように設定された最大時間よりも長くはならない限定された時間を除いてラベルは、故障情報を表示しないことが保証される。
【0125】
この側面において、本発明は、製品に関連する情報を表示するディスプレイと、中央装置1からコマンドおよび/またはデータを受信する受信手段31と、ディスプレイおよび受信手段を制御するコントロール・ユニット33とを含む電子ラベル11に関係しており、ラベルは、
− 中央装置から最後のメッセージが受信されてから経過した時間を測定するタイマ39、
− 測定された時間を予め定められた閾値時間と比較する手段39、および、
− 測定された時間が閾値時間を超える場合には予め定められたアクションを開始する制御手段33を含むことを特徴とする。
【0126】
アクションは、ディスプレイ35の少なくとも一部、たとえば、1つ以上のセグメントを予め定められた方法で制御することを伴うことができる。
【0127】
ラベルが音響発生手段38を含む場合、アクションは、警報音を発してラベルへ注意を喚起することを伴うことができる。
【0128】
タイマ39は、ラベルに対する最後のメッセージがラベルで受信されてから経過した時間、または任意のラベルに対する最後のメッセージがラベルで受信されてから経過した時間を測定するようにすることができる。
【0129】
この側面において、本発明は、このようなラベルを含む電子ラベリング・システムにも関係している。
【0130】
各ラベルは、ディスプレイを駆動するコントロール・ユニットに接続された、少なくとも受信機および恐らくは送信機を含む通信手段を含み、各ラベルは、それ自体のアドレスを有している。個別の1つのラベル上には限定された量の情報しか示すことができず、各ラベルは、個別に更新しなければならない。従来技術の電子棚ラベルでは、コントロール・ユニットは、典型的に184セグメントを制御することができ、たとえば、26文字を形成するのに使用することができ2つの付加セグメントを有する。
【0131】
図9は、本発明に従った電子棚ラベル91の基本的構成を示す。基本的に、ラベルは、いくつかのラベル93,95,97,99、たとえば、4つのラベルにより組み立てられ、各々がそれ自体の制御(コントロール)回路103,105,107,109をそれぞれ有している。ラベルの制御回路は、シリアルに接続される。列内の第1のラベルは、マスタ・スレーブ構成におけるマスタとして働く。他方のラベルは、スレーブとして扱われる。
【0132】
この構成により、いくつかのラベルを一緒に使用して単一ラベル上に表示できるよりも多くの情報を表示することができる。
【0133】
各制御回路103,105,107,109が184セグメントまで処理することができれば、ここに示す電子棚ラベルは、736セグメントを処理できることを意味する。各制御回路、すなわち、ラベルは、それ自体のアドレスを有するが、スレーブ回路105,107,109のアドレスは、明確に定義された方法でマスタのアドレスに関連している。最も単純なソリューションは、アドレスを増分することであり、たとえば、マスタ・アドレスが16であれば、スレーブのアドレスは、17,18,19である。
【0134】
好ましくは、この実施例に示すように、マスタ・ラベル193だけがシステムと通信する受信手段111および送信手段113を含んでいる。マスタ制御(コントロール)回路103は、それ自体に対する情報だけではなく、アセンブリの全制御回路に対する情報を受信して作用するようにされている。アセンブリのスレーブ制御回路105,107,109に対する情報は、全スレーブ制御回路105,107,109に転送される。次に、その情報に対する制御回路がそれに作用する。情報は、たとえば、この制御回路により制御されるセグメントに対する更新情報とすることができる。代替構成は、各スレーブ回路105,107,109を直接マスタ回路103に接続することである。次に、マスタ回路103は、どのスレーブ回路105,107,109が特定の情報片を受信するものであったかを確認して、それをこの特定スレーブ回路にだけ送信することができる。セグメント・ベース・ディスプレイが使用される場合、各スレーブ回路は、セグメント・ドライバである。
【0135】
また、マスタ制御回路103は、クロック発生器115からクロック信号を受信して、このクロック信号117を全スレーブ回路105,107,109に送信し、マスタおよびスレーブ回路間の同期を保証する。
【0136】
本発明のマスタ・スレーブ構成の第1の適用方法が図10に示されている。ここでは、ラベルは、統合されて1つの大きなラベル121を形成する。ラベルのセグメントの第1のグループ122は、第1の制御回路123により制御され、マスタ制御回路である。セグメントの第2のグループ124および第3のグループ126は、それぞれ、第1のスレーブ制御回路125および第2のスレーブ制御回路127により制御される。それらの間の制御回路123,125,127は、552セグメントを処理することができ、図5に示す実施例で使用できるセグメントの総数である。ラベル121は、従来の方法でシステムと通信するために、マスタ回路123により制御される、受信および送信手段129,130も含むことができる。一般的な実施例と同様に、好ましくは、スレーブ回路のアドレスは、マスタ回路のアドレスによって決まる。各ラベル、すなわち、回路のアドレスは、システムから来る情報がどのラベルに対するものか決定するのに使用される。
【0137】
マスタ・スレーブ構成の第2の適用方法が図11に示されており、一緒に働くラベル(この例では4つ)のアセンブリ131を例示している。ここでは、各ラベル133,135,137,139の一般的なレイアウトは、ラベルが別々に使用される場合と本質的に同じである。各ラベルは、それぞれ、ディスプレイ134,136,138,140を含んでいる。ラベルは、互いに隣接してまたは互いにある距離をおいて接続されている。各ラベルは、制御回路143,145,147,149を含み、1つの制御回路143は、マスタ回路である。この回路143により制御されるラベル133は、マスタ・ラベルである。マスタ・ラベル133は、従来の方法でシステムと通信する受信および送信手段151,153も含んでいる。
【0138】
ラベルが互いにある距離をおいて接続されている場合、ラベル・アセンブリは、棚全体または棚の一部に沿って使用することができる。この場合、ラベルは、レールまたはストリップで統合したり、個別に配置してケーブルを介して接続することができる。マスタおよびスレーブ回路のコントロール・ユニット間のワイヤレス通信も可能である。好ましくは、同じコントロール・ユニットがマスタまたはスレーブとして機能するように構成することができる。
【0139】
この側面において、本発明は、たとえば、店舗内の製品の価格に関する情報を提供する電子ラベリング・システム内で使用する電子棚ラベル91,121,131に関係しており、電子棚ラベルは、情報を文字の形で表示するようにされており、好ましくはワイヤレス接続を介して電子ラベリング・システムの中央装置と通信する通信手段111,113,129,130,151,153を含み、通信手段111,113,129,130,151,153は、ラベルに対する第1の制御回路103,123,143に接続され、電子棚ラベルは、第1の制御回路103,123,143がマスタ・スレーブ構成の第1の制御回路103,123,143に接続された少なくとも第2の制御回路105,107,109,125,127,145,147,149に接続されていることを特徴とする。
【0140】
この側面において、本発明は、たとえば、店舗内の製品の価格に関する情報を提供する電子ラベリング・システムで使用する電子棚ラベル121にも関係しており、電子棚ラベルは、情報を文字の形で表示するようにされており、好ましくはワイヤレス接続を介して電子ラベリング・システムの中央装置と通信する通信手段129,130を含み、通信手段は、ラベルに対する第1の制御回路123に接続され、電子棚ラベルは、マスタ・スレーブ構成の第1の制御回路123に接続された少なくとも第2の制御回路125,127を含み、ディスプレイは、エリア122,124,126に分割され、各制御回路123,125,127は、1つのこのようなエリア122,124,126を制御するようにされていることを特徴とする。
【0141】
第1の実施例では、ディスプレイは、セグメント・ベースである。この場合、ディスプレイのセグメントは、前記したエリアに対応するセグメント・グループ122,124,126に分割され、各制御回路123,125,127は、1つのこのようなセグメント・グループ122,124,126を制御するようにされている。このケースでは、いくつかのコントロール・ユニット、1つのマスタおよび1つ以上のスレーブが1つのラベルを制御するのに使用される。
【0142】
この側面に従った本発明は、たとえば、店舗内の製品の価格に関する情報を提供する第1の電子棚ラベル133および少なくとも第2の電子棚ラベル135,137,139を含む電子ラベリング・システムで使用するラベル・アセンブリ131にも関係しており、電子棚ラベル133,135,137,139は、情報を文字の形で表示するようにされており、好ましくはワイヤレス接続を介して電子ラベリング・システムの中央装置と通信する通信手段151,153を含み、通信手段151,153は、第1の電子棚ラベルに対する第1の制御回路143に接続されており、少なくとも第2の電子棚ラベル135,137,139は、第2の電子棚ラベル145,147,149の機能を制御する第2の制御回路145,147,149を含み、かつマスタ・スレーブ構成の第1の制御回路143に接続されている。
【0143】
第2の実施例では、第2の、すなわち、スレーブ制御回路145,147,149の各々が別々のラベルを制御するのに使用される。このようにして、システムの中央装置は、2つ以上のラベルとより効率的に通信することができ、いくつかのラベルの機能を調整することができる。
【0144】
このようにして、2つ以上のラベルの機能を調整することができ、典型的に店舗内の同じ棚の上に互いに並んで配置され、単一製品または2つ以上の製品に関するより多くの情報を表示する。
【0145】
全ての実施例において、少なくとも第2の制御回路のアドレスは、好ましくは第1の制御回路のアドレスによって決まる。
【0146】
従来、電子棚ラベルに表示される情報は、デジットにより構成され、各デジットは、7セグメントの組合せにより形成される。米国特許出願第2002/0020935号には電子価格ラベル・システムが記述されており、価格ラベルでドット・マトリクス・ディスプレイが使用されている。セグメント・ベース・ディスプレイの替わりにドット・マトリクス・ディスプレイが使用されると、表示されたイメージのより良い分解能が達成される。それによりランダム情報の表示が可能となり、従来タイプのラベルにより多くの情報を表示することができる。しかしながら、ドット・マトリクスの制御には従来タイプのラベルに対して必要なものよりも多くの処理容量およびメモリが必要である。
【0147】
ドット・マトリクス・ディスプレイを使用するワイヤレス価格ラベル・システムの問題点は、表示の更新に長い時間がかかり、また沢山の電力を必要とするため寿命が短くなることである。各ラベルのバッテリを交換するのは、時間を消費する仕事であるため、低消費電力の価格ラベルが好ましい。
【0148】
好ましくは、ディスプレイは、双安定であり、規則正しい間隔、たとえば、毎日または毎月行わなければならないことがあるイメージのリフレッシュを除き、表示された情報が変更されないままとされる間いかなる電力も消費しないことを意味する。このような双安定ディスプレイは、一般的に短い更新時間のエネルギ消費が高い。バッテリにより提供される電圧を10倍以上昇圧させるのにしばしば電圧コンバータが必要である。たとえば、3Vバッテリは、ディスプレイを更新できるようにするために30Vまでアップ・コンバートしなければならない。バイステーブル・ディスプレイを更新する時にアクティブでなければならない回路は、消費電流が高く、エネルギを節減するために、できるだけ少なく作動しなければならない。
【0149】
WO03/073261は、ドット・マトリクス・ディスプレイを有する電子価格ラベル・システムを開示している。イメージを更新する時に電力を節減するために、ドット・マトリクス・イメージの実際に変化する部分だけが電子装置で受信される。それにより実際の各更新に必要な電力が最小限に抑えられる。
【0150】
特に、バッテリ寿命を低減したりラベルのコストを過度に増加することなく、ドット・マトリクス・ディスプレイを有する電子棚ラベルの制御を可能にすることが本発明のさらなる側面である。
【0151】
本発明は、電子棚ラベルの最も電力を消費するコンポーネントは、マイクロ・プロセッサであることを認識し、マイクロ・プロセッサがアクティブである時間を最小限に抑えることによりこの目的を達成する。
【0152】
本発明の一実施例では、マイクロ・プロセッサは、ドット・マトリクス・ディスプレイを制御する必要がある。もう1つの実施例では、マイクロ・プロセッサは、進んだタイプのセグメント・ベース・ディスプレイを制御する必要がある。進んだセグメント・ベース・ディスプレイは、たとえば、特殊なタイプのディスプレイ制御機能、場合によってはDC/DCコンバータ制御および/または温度補償を必要とするE−ペーパ・ベース・バイステーブル・ディスプレイとすることができる。一実施例では、ディスプレイ・ドライバは、DC/DCコンバータからの高電圧電力入力を必要とする。
【0153】
図12は、本発明のさらなる側面に従った電子棚ラベル151を示す。従来技術で知られているように、ラベルは、コントロール・ユニット153、ドット・マトリクス・ディスプレイ155およびコントロール・ユニット153と少なくとも1つのディスプレイ・ドライバ(後述)に電力を与える電源157を含んでいる。コントロール・ユニット153は、電子棚ラベル・システムの中央装置と、好ましくは、ワイヤレスで通信するようにされている。たとえば、IRまたは無線を使用するワイヤレス通信が好ましい。中央装置は、実際上、ワイヤレスまたはケーブルにより、複数の価格ラベルに対してデータをワイヤレスで送受信するようにされる少なくとも1つのトランシーバに接続される。本発明に従った通信インターフェイス159が更新された情報を中央装置から受信し、かつ、ドット・マトリクス・ディスプレイ155のどこにこの情報を示すべきかに関する情報を配置するようにされている。更新された情報は、通常、この特定価格ラベルに関連する製品に対する新価格であるが、更新すべき他種の製品情報のこともある。
【0154】
コントロール・ユニット153は、さらに、通信インターフェイス159に接続された処理手段161を含んでいる。この処理手段161は、受信情報を処理してドット・マトリクス・ディスプレイ155に表示されたイメージに関連付けるようにされている。このイメージは、処理手段161に接続された記憶手段163にも格納される。処理手段161は、更新された受信情報を記憶手段163のイメージの正しい位置に格納するようにされている。第1のディスプレイ・ドライバ165を制御手段153に含めて、存在するならば、第2のディスプレイ166を駆動するのに使用することができる。
【0155】
本発明に従って、コントロール・ユニット153は、IR受信機およびIR送信機を制御するマイクロ・プロセッサ167へのインターフェイスIFを有する。好ましくは、マイクロ・プロセッサは、電源157から給電される。マイクロ・プロセッサ167は、ラベルの一部とすることができ、あるいは外部コンポーネントとすることができる。マイクロ・プロセッサ167は、メモリ169に接続され、かつ、ディスプレイ・ドライバ171を制御してドット・マトリクス・ディスプレイ155および実際上、電圧ポンプであるDC/DCコンバータ173を駆動し、電源157から供給される電圧をディスプレイを更新するための十分高い電圧へアップ・コンバートする。また、コントロール・ユニット153およびマイクロ・プロセッサ167は、別々のメモリ163,169を制御するのではなく1つのメモリを共有することができる。
【0156】
本発明に従って、コントロール・ユニット153は、マイクロ・プロセッサ167に信号を送って必要な時にそれをウェークアップ(起動)させることができる。アクティブ・モードである時にマイクロ・プロセッサ167は、たとえば、システムから更新データを受信する通信チャネルを制御する。コントロール・ユニット153は、ポーリングに使用され、すなわち、規則正しい間隔でこの特定ラベルに対する情報が受信されているかどうかをチェックする。これは、受信した情報フレームのアドレス・フィールドをチェックしてラベルのアドレスと一致するかを確認することを伴う。そうであれば、内部コントロール・ユニット153は、マイクロ・プロセッサ167へ信号を与えて、ウェークアップし情報の受信を制御できるようにする。
【0157】
この実施例では、マイクロ・プロセッサと内部コントロール・ユニット間のインターフェイスIFは、データ・クロックおよびマイクロ・プロセッサをウェークアップさせるのに使用されるイネーブル信号等の付加制御信号を有するシリアル・データ・バスである。マイクロ・プロセッサ167への電力は、その完全な停止を可能にするインターフェイスの一部とすることができる。あるいは、マイクロ・プロセッサ167は、低消費電流のスリープ・モードがあれば、電源157に直接接続することができる。
【0158】
このようにして、たとえば、情報更新のために必要であれば十分なプロセッサ容量を利用できる。同時に、プロセッサ167は、実際に必要な時しかアクティブとなって電力を消費しないため、過剰消費電力が低減される。
【0159】
本発明に従った消費電力が図13に例示されている。従来技術で知られているように、内部コントロール・ユニット153は、大部分の時間がスリープ・モードであるが、規則正しい間隔でウェークアップして接続をポーリングし、ラベルにコマンドが受信されているかどうかを調べる。これらのポーリングは、図13に時間t=1,t=2,t=3におけるエネルギ消費のピークとして示すエネルギを必要とする。適切なコマンドが受信されておれば、コントロール・ユニットは、ウェークアップし、t=4で始まる単なるピークよりも長い時間だけエネルギ消費が増加する。実施されるタスクは、複雑すぎてコントロール・ユニット153がマイクロ・プロセッサ167を関与させなければならないと決定すると、マイクロ・プロセッサ167にウェークアップ信号を送る。その結果、時間t=5でさらに高いエネルギ消費が始まる。時間t=6においてプロセッサおよび内部コントロール・ユニットは、スリープ・モードへ戻り、消費電力は、ゼロへ降下する。ポーリングは、時間t=7,t=8等で継続する。あるケースでは、内部コントロール・ユニット153は、マイクロ・プロセッサ167がスリープ・モードへ戻った後でもまだアクティブである。これらのケースでは、消費電力は、時間t=6において低減されるがゼロとはならない。
【0160】
図14は、本発明に従った価格ラベルと、たとえば、IRまたは無線を介してワイヤレス通信を行うようにされた中央装置181の略図である。中央装置181は、たとえば、価格ラベルで更新できる情報を含む金銭登録機およびデータベースに接続されている。通常、中央装置は、たとえば店舗内の金銭登録機も含むことができるコンピュータに配置される。価格変更その他の更新情報は、たとえば、価格データベースから中央装置181の受信手段183で受信される。通信インターフェイス189は、処理手段185により与えられたアドレスを有する価格ラベルに更新情報を送るようにされている。中央装置の処理手段185は、さらに、新しい更新されたイメージを記憶手段187に格納して記憶手段187のイメージが常に更新され価格ラベルに示されたイメージに対応するようにされる。
【0161】
この側面において、本発明は、電子ラベリング・システムにワイヤレス接続されるようにされた電子棚ラベル151に関係しており、ラベルは、ディスプレイ155に示される情報を受信するようにされたワイヤレス通信インターフェイス159と、通信インターフェイス159を制御する内部制御(コントロール)手段153とを含み、制御手段153は、情報フレームが受信される度にそれが棚ラベル151に対するものかどうかを確認するようにされており、棚ラベルは、制御手段153が処理手段167と通信するインターフェイスIFを含み、それは電力が消費されないスリープ・モードをとることができ、あるいは処理手段167がシステムからラベルへの情報の受信を制御するアクティブ・モードをとることができ、制御手段153は、アクティブ・モードをとるべきであると決定したら処理手段167にウェークアップ信号を送信するようにされていることを特徴とする。これは、たとえば、ラベル151に対する情報フレームが受信される時である。
【0162】
好ましくは、内部制御手段153は、大部分の時間スリープ・モードをとり、ある時間間隔で通信リンク159をポーリングし、ラベルに対するメッセージが受信されている場合は、それ自体を活性化させるようにもされている。
【0163】
好ましい実施例では、ディスプレイ155は、双安定である。好ましくは、マイクロ・プロセッサ167は、ディスプレイ・ドライバ171を制御することによりディスプレイ155の更新を制御するようにされている。
【0164】
好ましくは、マイクロ・プロセッサ167は、電源157により供給される電圧をディスプレイを更新するのに十分高い電圧へ変換するようにされたDC/DCコンバータ173を制御する。
【0165】
従来技術のラベルは、一般的に製品に関係するバーコード等の追加情報を提供する紙片用ホールダを含んでいる。また、大概の製品は、パッケージにバーコードを有している。紙片または製品自体のバーコードは、製品を識別するのに使用され、また、小売り店舗においてますます普及しつつある、いわゆる自己走査ソリューションにおいて使用される。この場合、顧客は、バーコード・リーダを含むハンド・ヘルド・コンピュータを有し、バーコードを電子的に読み取ることにより買い物篭内に置かれる各品目を登録する。典型的に、バーコード・リーダは、選択された全製品の合計だけでなく、最後に選択された製品の名称および価格等の消費者情報を表示するディスプレイを含んでいる。買い物を後悔する、すなわち、合計から品目の価格を差し引くこともできる。チェックアウト時に顧客は、ハンド・ヘルド・コンピュータを、恐らくは、ロイアルティ・カードと共に、レジ係へ提示しレジ係は、支払を受ける。
【0166】
従来技術で主要な3タイプのハンド・ヘルド装置を入手できる。
1つのタイプのハンド・ヘルド装置は、実際上、小型コンピュータであり、各製品に関する情報、その価格等を含んでいる。第2のタイプは、製品情報を含まない小型コンピュータであるが、無線LAN(W−LAN)接続を介して中央データベースに接続することができる。これらのタイプのハンド・ヘルド装置は、共にかなり複雑であり、たとえ顧客が店舗内にいる間ハンド・ヘルド装置を借りるだけであっても高価なソリューションとなる。
【0167】
第3のより単純なタイプのハンド・ヘルド装置は、バーコードしか登録しない単純なIDタグ・コレクタである。製品情報がカウンタにおいてコンピュータに格納され顧客が支払う時に検索される。このソリューションにより顧客は選択された製品、総価格に関する情報を見ることができる。
【0168】
さらに、たとえば、固定される表面が平坦でなければバーコードを読み取るのは、しばしば困難となる。バーコードは、数回試した後でも読み取れないことがある。紙片を更新しなければならない時は、手で変えなければならず、時間がかかる。
【0169】
本発明の一側面に従って、通常、紙片に提供される情報は、替わりに電子棚ラベルの1つ以上のレジスタに提供される。次に、ハンド・ヘルド装置を使用してこのレジスタから価格に関する情報を読み取ってメモリに格納することができる。
【0170】
この電子棚ラベルは、RFIDタグを備えることができ、ハンド・ヘルド装置には電子棚ラベルからRFIDタグを要求する手段を備えることができる。
【0171】
あるいは、要求に応じて、ラベルは、それ自体のアイデンティティ情報または製品に関連する情報を送信するようにすることができる。
【0172】
この場合、ハンド・ヘルド装置は、関連するラベルにコマンドを送信して、ハンド・ヘルド装置に読取可能なフォーマットで情報を送信させるようにされたトランシーバ56,59を含んでいる。通常、これは、品目のアイデンティティに関する情報を含んでいる。品目の価格および製品のタイプに関する情報等の他の情報も含んだり、あるいは、替わりに含むことができる。ハンド・ヘルド装置も少なくとも顧客の全購入品の総額を格納するようにされたメモリ・ユニット58を含むことができ、ハンド・ヘルド装置のコントロール・ユニット55は、ハンド・ヘルド装置により登録された各新しい品目に対してその価格を総額に加算するようにされている。好ましくは、選択された品目のリストおよびそれらの価格が含まれる。
【0173】
ハンド・ヘルド装置は、押すことで買い物篭に品目が追加されその価格を総額に加算しなければならないことを示すことができる釦53,53’(図4、図5)、および買い物篭から品目が取り出されその価格を総額から差し引かなければならないことを示すことができる釦も含むことができる。コントロール・ユニット55は、それに応じて価格を加算または減算するようにされている。
【0174】
ラベルは、このような情報を読取可能なフォーマットでハンド・ヘルド装置に送信するようにされている。ラベルのコントロール・ユニット33は、関連するレジスタ37またはラベルのレジスタからの情報の読取りおよびこのような情報のハンド・ヘルド装置への送信を制御する。
【0175】
ハンド・ヘルド装置からのコマンドおよびラベルからハンド・ヘルド装置への情報の送信は、好ましくは、赤外(IR)接続により実施される。それにより、どのラベルと通信するかを選択する時に十分な精度が与えられる。
【0176】
本発明のこの側面に従って、通常、紙片また製品上のバーコードにより提供される情報は、電子棚ラベル自体により提供することができるハンド・ヘルド装置により読み取られる。それにより、この情報の更新が単純化され情報は、常に正しいことが保証される。
【0177】
この側面において、本発明は、コントロール・ユニット33および電子棚ラベルに関連付けられた製品に関する情報を保持する少なくとも1つのメモリ・ユニット37を含む電子棚ラベルに関係しており、ラベルは、電子棚ラベルに関連付けられた製品に関する情報の要求をハンド・ヘルド装置から受信する受信手段31を含み、コントロール・ユニット33は、要求を処理して少なくとも1つのメモリ・ユニット37に格納された情報を選択するようにされており、さらに、このような要求に応答して情報をハンド・ヘルド装置に送信する送信機手段31を含んでいる。
【0178】
本発明は、少なくとも1つの電子棚ラベルと通信するトランシーバ手段(56,59)を含む電子棚ラベル・システムで使用するハンド・ヘルド装置にも関係しており、電子棚ラベルに関連付けられた製品に関する情報、特に、価格情報を要求する送信機手段56、情報を電子棚ラベルから受信する受信機手段59および情報を格納するメモリ手段58を含むことを特徴とする。
【0179】
好ましくは、ハンド・ヘルド装置は、さらに製品の価格に関連する情報の少なくとも一部をメモリ手段58に格納される総額に加える計算手段55を含んでいる。
【0180】
この側面において、本発明は、
− ラベルに関連付けられた製品に関連する情報の要求をハンド・ヘルド装置から電子棚ラベルに送信する、
− 要求をラベルで受信する、
− 要求をラベルで処理して要求された情報がハンド・ヘルド装置に提供しなければならないことを検証する、
− 要求をラベルで処理してハンド・ヘルド装置に送信しなければならない情報片を決定する、
− 要求された情報をハンド・ヘルド装置に送信する、
ステップを含む電子棚ラベル・システムで使用する方法にも関係している。
【0181】
製品に関連する情報は、好ましくは、価格情報および/または製品の記述を含んでいる。
【0182】
前記した方法は、情報またはその一部をハンド・ヘルド装置のメモリに格納するステップを含むこともできる。それは要求された情報内に含まれる価格データを前に受信した価格データに加えていくつかの製品に対するコストを示す総額を提供するステップを含むこともできる。
【0183】
好ましくは、前記した方法は、要求された情報の少なくとも一部をハンド・ヘルド装置のディスプレイに表示するステップも含んでいる。
【0184】
ドット・マトリクス・ディスプレイが使用される時は、製品のタイプに関する情報等の非常に稀にしか変化しない情報と、価格情報等のより頻繁に変化する情報との組合せであるイメージを提示できることがしばしば望ましい。このシステムでは、これらのイメージを結合してディスプレイに提示すべき最終イメージを生成することが必要とされている。
【0185】
通常、これは、静止または半静止情報を含む背景イメージおよびより頻繁に変化する情報を含む前面イメージを規定して行われる。次に、これら2つのイメージは、典型的にはビット・マップ・ファイルの編集を伴うイメージ処理により結合されるが、時間を消費し高いプロセッサ容量を必要とする。
【0186】
このようにして、全体イメージを電子ラベル・システムに格納しなければならず、ラベル数が多いと、それは沢山のメモリを必要とする。また、従来、情報の一部、たとえば価格が更新される時は、全体イメージを再送信しなければならない。
【0187】
WO03/073261は、ドット・マトリクス・ディスプレイを有する電子棚ラベルを開示している。この文書では、更新するために送信しなければならないデータの量は、ディスプレイを部分へ分割し、更新されている部分だけ再送信することにより低減される。
【0188】
したがって、本発明のもう1つの側面に従って、ドット・マトリクス・ディスプレイを有するラベルを使用する電子棚ラベル・システムは、さらに、少なくとも1つの電子棚ラベルのディスプレイ・ユニットに適合された少なくとも1つのテンプレートを保持する記憶手段を有する中央装置と、一般的なマークアップ言語のフォーマットを有しテンプレートの仕様に適合する少なくとも1つのファイルを含み、ファイルは、少なくとも1つの電子ラベルに関連付けられた製品に関する、システムの少なくとも1つの電子ラベルに表示される情報を含んでいる。
【0189】
図15は、ドット・マトリクス・ディスプレイを有する、本発明で使用される電子棚ラベル190の一般的なレイアウトを開示している。この図面は、例にすぎないことに注意される。電子棚ラベル190は、製品のイメージを表示するイメージ・フィールド191、製品の名称を表示する第2のフィールド193および製品の価格を表示する第3のフィールド195を含んでいる。第4のフィールド197および第5のフィールド199は、付加情報、たとえば、原産国および製品がアレルギを起こす成分を含む場合に、その製品は環境フレンドリ標準に適合することを表示するのに使用することができる。
【0190】
図16は、図15に示すラベルに対する単純化されたマークアップ言語を示す。ファイルは、ラベル番号、ここではXXXにより識別される。「イメージ」の下でファイルは、ファイル「pear.jpg」で見つかったイメージをイメージ・フィールド191に表示すべきことを指定する。第2のフィールド193に表示された製品名は、「桃」でなければならない。価格は、第3フィールドに1.50ユーロとして指定しなければならない。原産国は、第4フィールド197に「スペイン」として指定しなければならず、追加情報フィールド199は、桃が生態学的に栽培されてきているという情報を含んでいなければならない。もちろん、イメージ・ファイルだけでなくテキスト・ファイルも参照することができる。好ましくは、全フィールドに対する値が製品アイデンティティおよびラベル・アイデンティティと共にデータベースに格納される。
【0191】
少なくとも1つの電子棚ラベルに表示されるイメージを生成する対応する方法は、
− ラベルに対するテンプレートを決定または選択する、
− 第1のファイルに一般的なマークアップ言語でテンプレートの仕様に適合するイメージに表示される情報片を指定する、
− 第1のファイルから全体イメージのビットマップ・ファイルを発生する、
− イメージの再送信する必要がある部分を規定し、イメージの一部に対する送信パラメータを得てイメージの一部を全体イメージから抽出することを伴い、
− ビットマップ・ファイルの抽出された部分を少なくとも1つの電子棚ラベルに送信する、
ステップを含んでいる。
【0192】
情報片は、直接ファイルに含まれた情報または情報を保持する他のファイルへの参照とすることができる。
【0193】
このようにして、各ラベル上に表示される情報は、イメージの異なる部分を規定する1つのファイルとしてシステムに格納される。ファイル・フォーマットは、HTMLまたはXML等の一般的なマークアップ言語である。ディスプレイの情報のレイアウトを規定するのにテンプレートが使用される。このテンプレートは、通常、いくつかのラベルに共通であり、システムで使用される全ラベルに対してさえ共通である。さらに、ラベルに表示される商品の絵等の任意の予め定められたイメージがシステムに格納される。各絵は、1つの場所に格納するだけでよく、特定のラベルに関連付けられたHTMLファイルは、このラベルに表示される適切な絵を参照する。したがって、本発明に従った方法およびシステムは、必要なメモリ・スペースを著しく低減する。
【0194】
HTMLファイルのビットマップへの変換は、既存のソフトウェア、たとえば、HTML2BMPコンバータを使用して行うことができる。
【0195】
また、本発明に従った方法およびシステムにより電子ラベルに表示される情報の処理および更新が単純化される。更新される部分だけを変えればよい。イメージが変更される場合は、単にイメージ・ファイルへの参照を変えるだけでよい。
【0196】
テンプレートに各フィールドに対する位置およびスパンを定義すれば、更新されているフィールドだけを再送信すればよい。
【0197】
たとえば、イメージ・フィールド、価格、割引価格および単価に対する3つのフィールドおよび全フィールドの位置を定義するHTMLまたはXML、テンプレートは、次のようにすることができる。

【0198】
対応する送信パラメータファイルは、次のようにすることができる。

【0199】
WO03/073261に記述されているように、ビットマップの全体または一部を送信する替わりに、変更されるイメージの一部を符号化テキスト、たとえば、ASCIIコードとして、この例ではイメージの発生が処理手段11で実施される価格ラベルに送ることができる。
【0200】
この側面において本発明は、電子棚ラベル・システムで使用する中央装置に関係しており、中央装置は、処理ユニット2を含み、さらに少なくとも1つの電子ラベル11に表示されるディスプレイ情報を支配する制御情報を保持するようにされたメモリ・ユニット3を含むか、またはそれに接続することができ、ラベルは予め定められたタイプの情報に対する少なくとも1つのフィールド191,193,195,197,199を含み、メモリ・ユニットは、テキスト・ファイル形式の情報をマークアップ言語フォーマットで格納するようにされており、各テキスト・ファイルは、ラベルの情報のレイアウトを決定するテンプレート・ファイルを参照し、処理ユニット2は、テキスト・ファイルを電子ラベルにより読取可能なフォーマットを有するディスプレイ・ファイルへ変換してラベルに送信することを特徴とする。
【0201】
好ましくは、処理ユニット2は、テキスト・ファイルをビットマップ・フォーマットに変換するようにされている。マークアップ言語は、好ましくは、HTMLまたはXMLである。
【0202】
テキスト・ファイルは、変換後にディスプレイ・ファイルに含まれるイメージ・ファイル等の他のファイルを参照することもできる。
【0203】
好ましくは、テキスト・ファイルは、各フィールド191−199のスパンを定義する境界情報を含み、境界情報は、テキスト・ファイルが更新されている時にラベルを更新するために送信しなければならないディスプレイ・ファイルの少なくとも一部を決定するために処理手段2により使用される。
【図面の簡単な説明】
【0204】
【図1】従来技術の電子ラベリング・システムの全体図である。
【図2A】電子ラベル例の正面図である。
【図2B】電子ラベル例の論理回路図である。
【図3】本発明に従った電子ラベルとの通信に使用する情報フレームを示す図である。
【図4】本発明の一側面に従ったハンド・ヘルド装置を示す図である。
【図5】本発明の一側面に従ったハンド・ヘルド装置を示す図である。
【図6】レジスタまたはページおよびポインタの原理を示す図である。
【図7】本発明の一側面に従った2つのフラッシュ・マスクを使用する電子棚ラベルを一般的に示す図である。
【図8】2つのフラッシュ・マスクを使用する電子棚ラベルのより詳細な図である。
【図9】本発明の一側面に従った基本的マスタ・スレーブ構成を示す図である。
【図10】マスタ・スレーブ構成の第1の実施例を示す図である。
【図11】マスタ・スレーブ構成の第2の実施例を示す図である。
【図12】本発明の一側面に従った外部プロセッサを使用する電子ラベルを示す図である。
【図13】外部プロセッサが使用される時間にわたる電子ラベルを示す図である。
【図14】本発明の一側面に従って使用される中央装置の略図である。
【図15】ドット・マトリクス・ディスプレイのレイアウトを示す図である。
【図16】本発明の一側面に従って使用されるHTMLファイルの単純化された例である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子棚ラベル・システムに使用される電子棚ラベル(11)であって、
文字を構成する多数のセグメント(85)を含む情報を表示するディスプレイ(35)と、
電子棚ラベル・システムの中央装置と通信する通信手段(31)と、
表示コントロール手段(83,89)と、
ディスプレイ、通信手段および表示コントロール手段を制御するコントロール回路(73)と、
を含み、前記ラベルは、
各セグメントが常時、オンとオフとなるセグメントの第1のグループおよび少なくともセグメントの一部が所定の周波数でオンとオフとなるセグメントの第2のグループを選択するフラッシュ手段(79,81,87,88)を含むことを特徴とする前記棚ラベル。
【請求項2】
請求項1記載の電子棚ラベルであって、前記フラッシュ手段は、
クロック発生手段(75)により提供された第1のクロック・サイクルに依存してコントロール回路により制御され、ハイおよびロー信号を交互する第2のグループの少なくとも1つのセグメント用の制御信号を生成する第1のフラッシュ・マスク(79)と、
ディスプレイ・レジスタ(77)から第1の入力信号および第1のフラッシュ・マスクから第2の入力信号を受信し、第1および第2の入力信号に依存して出力信号を出力する第1の論理回路(87)と、
を含んで成る前記棚ラベル。
【請求項3】
請求項1または2記載の電子棚ラベルであって、
前記フラッシュ手段は、
クロック発生手段により提供された第2のクロック・サイクルに依存してコントロール回路により制御され、ハイおよびロー信号を交互する第2のグループの少なくとも1つのセグメント用の制御信号を生成する第2のフラッシュ・マスク(81)と、
第1の論理回路から第3の入力信号および第2のフラッシュ・マスクから第4の入力信号を受信し、第3および第4の入力信号に依存して出力信号を出力する第2の論理回路(88)と、
を含んで成る前記棚ラベル。
【請求項4】
電子棚ラベル・システムに使用される電子棚ラベルであって、
文字を構成する多数のセグメント(85)を含む情報を表示するディスプレイ(35)と、
中央装置(1)と通信する通信手段(31)と、
ディスプレイ(35)および通信手段を制御するコントロール回路(73)と、
を含み、
コントロール回路にクロック信号を提供するように配置されたクロック発生手段(75)を含み、コントロール回路は、クロック信号に依存して前記ラベルのディスプレイの少なくともセグメントの一部を制御するタイミング・カウンタを含むことを特徴とする前記棚ラベル。
【請求項5】
請求項4記載の電子棚ラベルであって、前記タイミング・カウンタ(86)および前記クロック発生手段(75)は、中央装置(1)からのリセット・コマンドの受信時に、コントロール回路(73)によりリセットされて成る前記棚ラベル。
【請求項6】
請求項4または5記載の電子棚ラベルであって、前記コントロール回路は、タイミング情報を遅延をもって受信時に、直ちにタイミング・カウンタ(86)およびクロック発生手段をリセットして成る前記棚ラベル。
【請求項7】
請求項6記載の電子棚ラベルであって、異なる遅延が異なるラベルに使用され、波の画像または他の移動画像を形成して成る前記棚ラベル。
【請求項8】
請求項1から7記載の電子棚ラベルを含む電子ラベリング・システム。
【請求項9】
電子ラベリング・システムの電子棚ラベルのディスプレイを制御する方法であって、
クロック信号に依存してコントロール装置(73)によりディスプレイの少なくとも1つのセグメントを制御する段階と、
電子ラベリング・システムの中央装置からリセット・コマンドを送信し、クロック信号をリセットする段階と、
コントロール装置のリセット・コマンドを受信する段階と、
リセット・コマンドに依存してクロック信号をリセットする段階と、
を含んで成る前記方法。
【請求項10】
請求項9記載のディスプレイを制御する方法であって、前記コマンドは、リセットを遅延する遅延機能を含んで成る前記方法。
【請求項11】
請求項9記載のディスプレイを制御する方法であって、前記方法はクロック発生手段(75)から受信したタイミング情報に依存してコントロール回路により制御された少なくとも1つのラベルのスクロール機能をリセットするように使用されて成る前記方法。
【請求項12】
請求項11記載のディスプレイを制御する方法であって、前記方法は、二またはそれ以上のラベル間のスクロールを同期するように使用される前記方法。
【請求項13】
請求項9記載のディスプレイを制御する方法であって、前記方法は、クロック発生手段から受信したタイミング情報に依存してコントロール回路により制御された少なくとも1つのラベルのフラッシュ機能をリセットするように使用されて成る前記方法。
【請求項14】
請求項13記載のディスプレイを制御する方法であって、前記方法は、二またはそれ以上のラベル間のスクロールを同期するように使用されて成る前記方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−18170(P2009−18170A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−187287(P2008−187287)
【出願日】平成20年7月18日(2008.7.18)
【分割の表示】特願2007−501750(P2007−501750)の分割
【原出願日】平成17年3月4日(2005.3.4)
【出願人】(506299940)プライサー エービー (6)
【Fターム(参考)】