説明

電子写真用キャリアおよび現像剤および画像形成装置

【課題】現像剤を薄層で形成する画像形成方法において長期にわたって、カブリやトナー飛散が発生せず、高湿環境でも安定な画像を得ることのできる現像剤及び画像形成方法を提供すること。また、体積固有抵抗が小さく、帯電量の低下及び色汚れの発生を抑制することが可能なキャリア、該キャリアを有する現像剤及び該現像剤を有する現像剤入り容器並びに該現像剤を用いる画像形成方法及びプロセスカートリッジを提供すること。
【解決手段】芯材粒子の表面に結着樹脂と微粒子を含有する被覆層が形成されているキャリアであって、該被覆層に金属酸化物導電性粒子(I)と、それ以外の金属酸化物または金属塩または両方(II)とを含み、該金属酸化物または金属塩または両方(II)を100重量%以上300重量%以下含むことを特徴とするキャリア。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、芯材粒子の表面に被覆層が形成されているキャリア、現像剤、現像剤入り容器、画像形成方法及びプロセスカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式による画像形成では、光導電性物質等の静電潜像担持体上に静電潜像を形成し、この静電潜像に対して、帯電したトナーを付着させてトナー像を形成した後、トナー像を記録媒体に転写し、定着され、出力画像となる。近年、電子写真方式を用いた複写機やプリンターの技術は、モノクロからフルカラーへの展開が急速になりつつあり、フルカラーの市場は拡大する傾向にある。
【0003】
フルカラー画像形成では、一般に、イエロー、マゼンタ、シアンの3色のカラートナー又はこれに黒色を加えた4色のカラートナーを積層させて全ての色の再現を行う。したがって、色再現性に優れ、鮮明なフルカラー画像を得るためには、定着されたトナー像の表面を平滑にして光散乱を減少させる必要がある。このような理由から、従来のフルカラー複写機等の画像光沢は、10〜50%の中〜高光沢のものが多かった。
【0004】
一般に、乾式のトナー像を記録媒体に定着させる方法としては、平滑な表面を持ったローラーやベルトを加熱し、トナーと圧着する接触加熱定着方法が多用されている。このような方法は、熱効率が高く、高速定着が可能であり、カラートナーに光沢や透明性を与えることが可能である反面、加熱定着部材の表面と溶融状態のトナーとを加圧下で接触させた後、剥離するために、トナー像の一部が定着ローラー表面に付着して別の画像上に転移する、いわゆるオフセット現象が生じる。
【0005】
このようなオフセット現象を防止することを目的として、離型性に優れたシリコーンゴムやフッ素樹脂で定着ローラーの表面を形成し、さらにその定着ローラー表面にシリコーンオイル等のトナー固着防止用オイルを塗布する方法が一般に採用されている。しかしながら、このような方法は、トナーのオフセットを防止する点では極めて有効であるが、オイルを供給するための装置が必要であり、定着装置が大型化するという問題がある。
【0006】
このため、モノクロ画像形成では、溶融したトナーが内部破断しないように、溶融時の粘弾性が大きく、離型剤を含有するトナーを用いることにより、定着ローラーにオイルを塗布しないオイルレスシステム、或いはオイルの塗布量を微量とするシステムが採用される傾向にある。
【0007】
一方、フルカラー画像形成においても、モノクロ画像形成と同様に、定着装置の小型化、構成の簡素化の目的で、オイルレスシステムが採用される傾向がある。しかしながら、フルカラー画像形成では、定着されたトナー像の表面を平滑にするために、溶融時のトナーの粘弾性を低下させる必要があるため、光沢のないモノクロ画像形成の場合よりもオフセットが発生しやすく、オイルレスシステムの採用が困難になる。また、離型剤を含有するトナーを用いると、トナーの付着性が高まり、記録媒体への転写性が低下する。さらに、トナーのフィルミングが発生して、帯電性が低下することにより、耐久性が低下するという問題がある。
【0008】
一方、キャリアとしては、トナーのフィルミングの防止、均一な表面の形成、表面の酸化の防止、感湿性の低下の防止、現像剤の寿命の延長、感光体の表面への付着の防止、感光体のキズあるいは摩耗からの保護、帯電極性の制御、帯電量の調節等の目的で、被覆層として、カーボンブラックを含有する樹脂が表面に形成されているものが知られている。
【0009】
しかしながら、初期は良好な画像を形成することができるが、コピー枚数が増加するに連れて、被覆層が削れて画質が低下するという問題がある。また、被覆層が削れたり、被覆層からカーボンブラックが脱離したりすることにより、色汚れが発生するという問題がある。
【0010】
カーボンブラックの代替材料としては、一般に、酸化チタン、酸化亜鉛等が知られているが、体積固有抵抗を低下させる効果が不十分である。
特許文献1の特開平11−202560号公報には、針状導電粉として、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)を含有する被覆層が形成されているキャリアが開示されている。しかしながら、ATOは、色調が青みを帯びるため、カーボンブラックと同様に、色汚れが発生するという問題がある。
【0011】
特許文献2の特開2006−39357号公報には、基体粒子の表面に二酸化スズ層と二酸化スズを含む酸化インジウム層が積層されている導電性粒子を含有する被覆層が形成されているキャリアが開示されている。しかしながら、このような導電性粒子は、レアメタルを含有するため、コスト、永続的使用可能性等の問題がある。
【0012】
また、我々は先に、酸化スズ粒子の表面に炭素を有する第一の導電性粒子と、金属酸化物粒子及び/又は金属塩粒子の表面が導電処理されている第二の導電性粒子を含むコート層を有するキャリアを提案しており、この提案技術では、高画像面積でトナーを収支させたときにキャリアの帯電能力の低下に対して一定の効果を上げているが、しかし、トナー外添剤が多いトナーを使用した場合で、高画像面積で連続通紙を行った場合には、やはり帯電低下し、効果が十分であるとは言えなかった。
【0013】
このように、電子写真方式の画像形成に用いられる現像剤には大別して一成分現像剤と二成分現像剤の2種類が用いられてきたが、特にカラー用現像剤においては安定した帯電特性が確保できるという点で二成分現像剤が有利である。
現像剤層厚の薄層化を達成する手段としては、2成分現像剤代表的なものとして下記のものがある。図6記載のように、非弾性規制ブレード(50)と現像剤担持体(28)表面を所定の間隙に保持し現像剤層を規制する手段等が知られている(図中、符号(10)は感光体である)。
中でも、現像手段中に配置された現像剤層規制棒を押圧する手段や、特許文献3の特開平2−50184号公報で提案されている剛性の棒状磁性体による薄層形成法が安定した層厚の形成に効果がある。しかし、この手段を用いた場合安定した層形成というメリットは有するものの、現像剤が過大なストレスを受けるという欠点が挙げられる。薄層形成時のストレスの増大はキャリア被覆層の破壊、剥がれなどを生じる原因となり、現像剤の耐久性に大きな悪影響を与える。一方、近年においてレーザプリンタ等電子写真法が適用される画像形成装置が小型化される傾向にあり、これに伴って画像形成装置内の現像器も小型化されている。然るに小型の現像器においては、現像剤量が必然的に少なくなる。
【0014】
このため前記のような二成分現像剤においてはトナーが補給されてから現像領域部に移動する間にいかに高速に適正な帯電量を持たせるかが重要な課題である。従来から負帯電性現像剤の帯電立ち上がり特性の向上にはトナーに負帯電性荷電制御剤を添加することが一般的に行われてきた。しかし、このような小型の現像器を用いる場合これだけでは不充分であり、弱帯電トナーの増加によるトナーの機内飛散や画像に現れるカブリが顕著であった。
【0015】
帯電立ち上がり特性向上のキャリア側の手段として、特許文献4の特開平2−8860号公報記載のように、キャリアに正帯電荷電制御剤を添加することが行われている。正帯電の荷電制御剤として挙げられるのは、特許文献5の特開昭49-51951号公報、特許文献6の特開昭52−10141号公報等に開示されている第4級アンモニウム化合物や特許文献7の特開昭56−11461号公報、特許文献8の特開昭54−158932号公報に開示されているアルキルピリジニウム化合物、アルキルピコリニウム化合物(例えば、ニグロシンSO・ニグロシンEX等)が挙げられるが、これらの荷電制御剤は凝集力の高い有機化合物であり、分散性が悪い。そのため、キャリアの被覆層中では荷電制御剤の遍在や遊離によってトナーとの帯電不良を起こしやすかった。また、多数枚複写においてトナー成分がキャリアに融着するいわゆるスペントが発生すると、表面に存在する荷電制御剤成分がトナー成分に覆われてしまうために帯電立ち上がり性能の安定がはかれない。
【0016】
また、現像剤層を薄層化し、安定な現像性をえるためには、現像剤の搬送量を安定化する必要がある。しかしながら、搬送量は現像剤の帯電量の変化により変化する。
また、現像剤の帯電性の環境差を改善する試みは、特許文献9の特開昭57−168256号公報、特許文献10の特開昭59−228261号公報、特許文献11の特開昭63−71860号公報、特許文献12の特開平2−110577号公報記載のように、磁性粒子を珪素樹脂で被覆したり、被覆層に疎水化処理を施した無機微粒子を添加することにより吸水による帯電性の変化を押さえようとするものである。
しかしながら、これらの方法でも、長期にわたる高温高湿下の放置においては、疎水化は十分ではなく、キャリアの帯電能の変化が観測される。
【0017】
またトナースペントにより帯電性が変化することを防止する手段として、スペントしたトナーを研磨することを目的として、特許文献13の特開昭54-21730号公報、特許文献14の特開昭58-117555号公報、特許文献15の特開昭59−232362号公報記載のように、シリカを添加することが行われている。しかし、これらに用いられているシリカは一般的に球形であるために研磨効果が小さい。さらには、薄層形成法のようにストレスが大きい系ではシリカが脱離してしまうという欠点がある。従って、シリカ未添加のキャリアと比較してスペントの発生が遅くはなるものの、その効果を持続させることは不可能である。多数枚複写後にはシリカが完全に脱離し、スペントが大量に発生するために著しい帯電量の変化が発生し、トナー飛散や地かぶりを招く結果となる。
【0018】
また、コート層をシリコン樹脂で構成することで高温高湿放置時の吸湿による帯電量低下を小さくし、コート層中に大粒径のアルミナ粒子を含有することでトナースペントに対して研磨効果を持たせた構成も、経時において一定の効果が得られる。また、特許文献16の特開平6−301245号公報、特許文献17の特開平7−261465号公報には、マグネシウム化合物粒子と樹脂を被覆したキャリア構成とすることで、トナースペントに対してはマグネシウム化合物粒子による研磨効果を使用することで効果を得て、高温高湿放置時の帯電量低下に対してはマグネシウム自体の正帯電性で効果が得られている。
しかし、どの上記構成においても高温放置時の帯電量低下はゼロにはならず、印字品質の変動をより小さくするためには、より帯電量低下が小さい構成が望まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
したがって、本発明の目的は、上記の従来技術が有する問題に鑑み、現像剤を薄層で形成する画像形成方法において長期にわたって、カブリやトナー飛散が発生せず、高湿環境でも安定な画像を得ることのできる現像剤及び画像形成方法を提供することにある。
また、体積固有抵抗が小さく、帯電量の低下及び色汚れの発生を抑制することが可能なキャリア、該キャリアを有する現像剤及び該現像剤を有する現像剤入り容器並びに該現像剤を用いる画像形成方法及びプロセスカートリッジを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記課題は、つぎのような本発明により、良好に解決される。
(1)「芯材粒子の表面に結着樹脂と微粒子を含有する被覆層が形成されているキャリアであって、該被覆層に金属酸化物導電性粒子(I)と、それ以外の金属酸化物または金属塩または両方(II)とを含み、該金属酸化物または金属塩または両方(II)を100重量%以上300重量%以下含むことを特徴とするキャリア」、
(2)「前記金属酸化物または金属塩または両方(II)として、硫酸バリウムを含み、その含量が前記結着樹脂に対して110重量%以上300重量%以下であることを特徴とする前記第(1)項に記載のキャリア」、
(3)「前記導電性粒子の重量に対して硫酸バリウムを100重量%以上含むことを特徴とする前記第(2)項に記載のキャリア」、
(4)「前記導電性粒子(I)の比抵抗の常用対数値が0.5[Log(Ω・cm)]以上3[Log(Ω・cm)]以下であることを特徴とする前記第(2)項又は第(3)項に記載のキャリア」、
(5)「前記導電性粒子(I)として酸化スズを含み、被覆層の表面のうち樹脂の占める面積(A)と酸化スズと、前記金属酸化物と金属塩(II)をすべて含む無機添加剤の表面露出部が占める面積(B)の比(A/B)が0.3以下であることを特徴とする前記第(1)項に記載のキャリア」、
(6)「前記金属酸化物(II)は、酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、二酸化ケイ素及び酸化ジルコニウムからなる群より選択される少なくとも一種であり、前記金属塩(II)は、硫酸バリウムであることを特徴とする前記第(5)項に記載のキャリア」、
(7)「前記酸化スズ粒子は、比抵抗の常用対数値が0.5[Log(Ω・cm)]以上3[Log(Ω・cm)]以下であることを特徴とする前記第(5)項又は第(6)項に記載のキャリア」、
(8)「体積固有抵抗の常用対数値が10[Log(Ω・cm)]以上14[Log(Ω・cm)]以下であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(7)項のいずれか一項に記載のキャリア」、
(9)「前記芯材粒子は、重量平均粒径が20μm以上65μm以下であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(8)項のいずれか一項に記載のキャリア」、
(10)「前記被覆層は、平均膜厚が0.05μm以上2μm以下であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(9)項のいずれか一項に記載のキャリア」、
(11)「前記結着樹脂は、シリコーン樹脂及び/又はアクリル樹脂を含有することを特徴とする前記第(1)項乃至第(10)項のいずれか一項に記載のキャリア」、
(12)「1kOeの磁場における磁化が40Am/kg以上90Am/kg以下であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(11)項のいずれか一項に記載のキャリア」、
(13)「前記第(1)項乃至第(12)項のいずれか一項に記載のキャリア及びトナーを有することを特徴とする現像剤」、
(14)「前記トナーは、カラートナーであることを特徴とする前記第(13)項に記載の現像剤」、
(15)「前記第(13)項又は第(14)項に記載の現像剤を有することを特徴とする現像剤入り容器」、
(16)「静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程と、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、前記第(13)項又は第(14)項に記載の現像剤を用いて現像してトナー像を形成する工程と、該静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する工程と、該記録媒体に転写されたトナー像を定着させる工程とを有することを特徴とする画像形成方法」、
(17)「静電潜像担持体、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、前記第(13)項又は第(14)項に記載の現像剤を用いて現像する手段が少なくとも一体に支持されていることを特徴とするプロセスカートリッジ」。
【発明の効果】
【0021】
以下の詳細かつ具体的な説明から理解されるように、本発明によれば、高温高湿環境においても良好な帯電量を保つことを長期にわたって安定的に保つことのできるキャリアを提供し、該キャリアを有する現像剤及び該現像剤を有する現像剤入り容器並びに該現像剤を用いる画像形成方法及びプロセスカートリッジを提供することができる。
また、本発明によれば、体積固有抵抗が小さく、帯電量の低下及び色汚れの発生を抑制することが可能なキャリア、該キャリアを有する現像剤及び該現像剤を有する現像剤入り容器並びに該現像剤を用いる画像形成方法及びプロセスカートリッジを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】導電粉の体積固有抵抗を測定する装置である図。
【図2】キャリアの体積固有抵抗を測定する際に用いられるセルを示す図である。
【図3】本発明のプロセスカートリッジの一例を示す図である。
【図4】実施例9のキャリアの反射電子画像の撮影例を示す写真である。
【図5】比較例4のキャリアの反射電子画像の撮影例を示す写真である。
【図6】非弾性規制ブレードと現像剤担持体表面を所定の間隙に保持し現像剤層を規制する手段を有する現像装置例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、本発明を実施するための形態を図面と共に説明する。
本発明のキャリアは、芯材粒子の表面に結着樹脂と微粒子を含有する被覆層が形成されているキャリアであって、該被覆層に微粒子として金属酸化物導電性粒子(I)と、その以外の金属酸化物または金属塩または両方(II)とを含み、該金属酸化物または金属塩または両方(II)を100重量%以上300重量%以下含むことを特徴とするキャリアであり、うち、第1のカテゴリのキャリアは、前記金属酸化物(II)として結着樹脂に分散された硫酸バリウム粒子を含むものである。硫酸バリウム粒子とともに白色系の導電性粒子を含んでも良い。
また、第2のカテゴリのキャリアは、前記導電性粒子(I)として酸化スズを含み、被覆層の表面のうち樹脂の占める面積(A)と酸化スズと、前記金属酸化物と金属塩(II)をすべて含む無機添加剤の表面露出部が占める面積(B)の比(A/B)が0.3以下のものである。
【0024】
[第1のカテゴリのキャリア]
本発明者らは、芯材被覆用樹脂中に導電性微粒子を含み、高温高湿環境においても良好な帯電量を保つことを長期にわたって安定的に保つことのできるキャリアは、該金属酸化物または金属塩または両方(II)を100重量%以上300重量%以下含むことによって、好適に達成されることを見い出し、また、該金属酸化物として、特に硫酸バリウムを用いたときには、より好適に達成されることを見い出した。硫酸バリウム粒子とともに白色系の導電性微粒子(I)を含んでいることが、さらに好ましい。
【0025】
[第2のカテゴリのキャリア]
また、発明者は鋭意検討の結果、無機添加剤が表面に占める割合が多いほど、帯電安定性が高くなることを見出した。これは、無機添加剤は樹脂に比べてはるかに硬いため、トナーに含まれる添加剤が埋め込まれにくくなることが原因であると考えられる。
【0026】
無機添加材が表面に占める割合を多くするには、まず無機添加材の処方量を多くすることである。処方量を多くしすぎると芯材にコート液を塗布する工程において、パイプ詰まりがおきやすくなったり、キャリア表面に保持されず離れていって無駄になる無機添加材が増えるなど好ましくないことが起こったが、製造されたキャリア自体の品質には問題は見当たらなかった。他、無機添加材をコート液に分散する再に、より細かく分散できる工程にすることが重要である。これは、同じ処方量であっても細かく分散した方が無機添加材の表面積が大きくなるため、コートキャリア表面に占める表面積も当然大きくなるためである。
【0027】
該被覆層に酸化スズを含み、金属酸化物または金属塩または両方を含み、 金属酸化物としては、特に限定されないが、酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、二酸化ケイ素、酸化ジルコニウム等が挙げられ、二種以上併用してもよい。また、金属塩としては、特に限定されないが、硫酸バリウム等が挙げられる。
【0028】
この第2のカテゴリのキャリアは、芯材粒子の表面に被覆層が形成されており、被覆層は、導電性付与剤として酸化スズを含み、被覆層の表面のうち樹脂の占める面積(A)と酸化スズと金属酸化物と金属塩をすべて含む添加剤の表面露出部が占める面積(B)の比(A/B)が0.3以下であることを特徴とする。
【0029】
これらの導電性の低い粒子は比抵抗の常用対数値が3[Log(Ω・cm)]以上であり、コートキャリアの抵抗を下げる能力は高くない。これらを単体で使用してもコートキャリアとして望ましい抵抗にはならない。
【0030】
酸化スズ単体でしようすると、コートキャリアの抵抗を下げることができるが、添加剤の表面露出部が占める面積(B)の比(A/B)が0.3以下になるように酸化スズを処方すると、抵抗が下がりすぎてしまい。現像機からのキャリア飛びの問題を起こす。よって、酸化スズと金属酸化物または金属塩を併用することが重要である。
【0031】
以下、両カテゴリのキャリアに共通な技術的事項について説明すると、導電性粒子の比抵抗は、以下のようにして測定することができる。まず、内径1インチ(2.54cm)の円筒状の塩化ビニル管の中に、導電性粒子5gを入れ、その上下を電極で挟む。次に、プレス機を用いて、これらの電極に10kg/cmの圧力を印加した状態で、LCRメータ4216A(横河ヒューレット・パッカード社製)を用いて、抵抗r[Ω]を測定し、つぎの式(1)
Log[π(2.54/2)/H×r] 式(1)
(式中、Hは、抵抗測定時の電極間の距離[cm]である。)
から、比抵抗の常用対数値[Log(Ω・cm)]を算出することができる。
【0032】
結着樹脂としては、特に限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン又はその変性品;スチレン樹脂、アクリル樹脂、アクリロニトリル樹脂;ビニルアセテート、塩化ビニル、ビニルカルバゾール、ビニルエーテル等のモノマーを重合することにより得られる架橋性共重合体;シリコーン樹脂;シリコーン変性アルキド樹脂、シリコーン変性ポリエステル、シリコーン変性アクリル樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、シリコーン変性ポリウレタン、シリコーン変性ポリイミド等のシリコーン変性樹脂;ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、エポキシ樹脂、アイオノマー樹脂、ポリイミド及びこれらの誘導体等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
【0033】
本発明において、結着樹脂は、芯材粒子及び導電性粒子との密着性が強く、脆性が低いことから、アクリル樹脂を含有することが好ましい。これにより、被覆層の削れや剥離を抑制することができ、被覆層を安定に維持することができる。さらに、導電性粒子を強固に保持することができ、特に、被覆層の膜厚よりも粒径が大きい導電性粒子を保持する場合は、強力な効果を発揮することができる。
【0034】
アクリル樹脂は、ガラス転移点が20〜100℃であることが好ましく、25〜80℃がさらに好ましい。これにより、結着樹脂が適度な弾性を有するため、現像剤を摩擦帯電させる時に、キャリアが受ける衝撃を軽減でき、被覆層の削れや剥離を抑制することができる。
【0035】
また、結着樹脂は、アクリル樹脂とアミノ樹脂の架橋物を含有することがさらに好ましい。これにより、適度な弾性を維持したまま、被覆層同士の融着を抑制することができる。
アミノ樹脂としては、特に限定されないが、キャリアの帯電付与能力を向上させることができるため、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂が好ましい。また、適度にキャリアの帯電付与能力を制御する必要がある場合には、メラミン樹脂及び/又はベンゾグアナミン樹脂と、他のアミノ樹脂を併用してもよい。
【0036】
アミノ樹脂と架橋し得るアクリル樹脂としては、ヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基を有するものが好ましく、ヒドロキシル基を有するものがさらに好ましい。これにより、芯材粒子や導電性粒子との密着性をさらに向上させることができ、導電性粒子の分散安定性も向上させることができる。このとき、アクリル樹脂は、水酸基価が10mgKOH/g以上であることが好ましく、20mgKOH/g以上がさらに好ましい。
本発明において、結着樹脂は、シリコーン樹脂を含有することが好ましい。これにより、キャリアの表面エネルギーが小さくなるため、トナーのフィルミングを抑制することができ、その結果、キャリアの特性を長期に亘って維持することができる。シリコーン樹脂の構成単位としては、メチルトリシロキサン、ジメチルジシロキサン、トリメチルシロキサン等が挙げられ、二種以上併用してもよい。なお、シリコーン樹脂は、他の結着樹脂と混合されていてもよく、被覆層は、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。
【0037】
結着樹脂は、被覆層の削れや剥離を抑制できることから、シラノール基及び/又は加水分解によりシラノール基を生成することが可能な官能基(以下、加水分解性官能基という)を有するシリコーン樹脂を縮合することにより得られる架橋物を含むことがさらに好ましい。加水分解性官能基としては、特に限定されないが、ハロシリル基、アルコキシシリル基、ヒドロシリル基、イソシアネートシリル基等が挙げられ、二種以上併用してもよい。このような官能基は、大気中の水分や加熱により縮合し、シリコーン樹脂が架橋される。
【0038】
シリコーン樹脂の市販品としては、KR271、KR272、KR282、KR252、KR255、KR152(以上、信越化学工業社製)、SR2400、SR2405、SR2406(以上、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)等が挙げられる。
また、シリコーン変性樹脂の市販品としては、シリコーン変性エポキシ樹脂ES−1001N、シリコーン変性アクリル樹脂KR−5208、X−22−8004、X22−8212、X22−8195X、X−24−798A、シリコーン変性ポリエステルKR−5203、シリコーン変性アルキド樹脂KR−206、シリコーン変性ポリウレタンKR−305(以上、信越化学工業社製)、シリコーン変性エポキシ樹脂SR2115、シリコーン変性アルキド樹脂SR2110(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)等が挙げられる。
【0039】
本発明において、被覆層は、キャリアの経時での安定性が良好となり、耐久性を向上させることができることから、シランカップリング剤をさらに含有することが好ましい。シランカップリング剤としては、特に限定されず、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン等が挙げられるが、アミノシランが好ましい。
【0040】
アミノシランとしては、特に限定されないが、化学式
N(CHSi(OCH
N(CHSi(OC
N(CHSi(CH(OC)、
N(CHSi(CH)(OC
N(CH(NH)(CH)Si(OCH
N(CH(NH)(CHSi(CH)(OCH
N(CH(NH)(CHSi(OCH
(CHN(CHSi(CH)(OC
(CN(CHSi(OCH
で表される化合物が挙げられる。
【0041】
被覆層中のアミノシランの含有量は、0.001〜30質量%であることが好ましく、0.001〜15質量%がさらに好ましい。この含有量が0.001質量%未満であると、キャリアの耐久性を向上させる効果が不十分となることがあり、30質量%を超えると、導電性粒子や無機粒子を被覆層中に保持することが困難となることがある。
本発明において、被覆層は、平均膜厚が0.05〜2μmであることが好ましい。平均膜厚が0.05μm未満であると、使用時の機械的なストレスで膜が剥離し、芯材露出し、初期の体積固有抵抗を維持できず、2μmを超えると、樹脂成分が多すぎて製造時に2つ以上のキャリアが固着して見掛け粒径が大きくなることがある。
【0042】
[樹脂量]
上記シリコーン系樹脂の上記キャリア芯材に対する被覆量としては、キャリア芯材に対して0.05〜10.0重量%とするのが好ましく、特に0.1〜7.0重量%が好ましい。シリコーン系樹脂の被覆膜厚はキャリア芯材の比表面積に応じて調整し、キャリア芯材の露出部分を少なくすることが必要であり、このことによって現像剤の抵抗、帯電量、流動性の変化を小さくすることができる。この被覆膜厚は0.02〜2.0μm程度とするのが好ましい。
【0043】
本発明において、芯材粒子としては、磁性体であれば、特に限定されないが、鉄、コバルト等の強磁性金属;マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄;各種合金や化合物;これらの磁性体を樹脂中に分散させた樹脂粒子等が挙げられる。中でも、環境面への配慮から、Mn系フェライト、Mn−Mg系フェライト、Mn−Mg−Srフェライト等が好ましい。
【0044】
本発明において、芯材粒子は、体積平均粒径が20〜65μmであることが好ましい。体積平均粒径が20μm未満であると、キャリア付着が発生することがあり、65μmを超えると、画像細部の再現性が低下し、精細な画像を形成できなくなることがある。
なお、体積平均粒径は、マイクロトラック粒度分布計モデルHRA9320―X100(日機装社製)を用いて測定することができる。
【0045】
本発明のキャリアは、体積固有抵抗の常用対数値が10〜14[Log(Ω・cm)]であることが好ましい。体積固有抵抗の常用対数値が10[Log(Ω・cm)]未満であると、非画像部でキャリア付着が発生することがあり、14[Log(Ω・cm)]を超えると、エッジ効果が許容できないレベルになることがある。
【0046】
なお、体積固有抵抗は、図2に示すセルを用いて測定することができる。具体的には、まず、表面積2.5cm×4cmの電極(1a)及び電極(1b)を、0.2cmの距離を隔てて収容したフッ素樹脂製容器2からなるセルに、キャリア(3)を充填し、落下高さ1cm、タッピングスピード30回/分で、10回のタッピングを行う。次に、電極(1a)及び(1b)の間に1000Vの直流電圧を印加して30秒後の抵抗値r[Ω]を、ハイレジスタンスメーター4329A(横河ヒューレットパッカード社製)を用いて測定し、式(2)
Log[r×(2.5×4)/0.2] 式(2)
から、体積固有抵抗の常用対数値[Log(Ω・cm)]を算出することができる。
【0047】
また、本発明のキャリアは、1kOe(10/4π[A/m])の磁場における磁化が、40〜90Am/kgであることが好ましい。この磁化が40Am/kg未満であると、キャリアが現像ロールから飛びやすくなり、90Am/kgを超えると、現像ロール上のキャリアの穂ががさつき、画像の均一感が低下することがある。
なお、磁化は、VSM−P7−15(東英工業社製)を用いて測定することができる。
【0048】
本発明の現像剤は、本発明のキャリア及びトナーを有する。
トナーは、結着樹脂と着色剤を含有するが、モノクロトナー及びカラートナーのいずれであってもよい。また、定着ローラーにトナー固着防止用オイルを塗布しないオイルレスシステムに適用するために、トナーは、離型剤を含有してもよい。このようなトナーは、一般に、フィルミングが発生しやすいが、本発明のキャリアは、フィルミングを抑制することができるため、本発明の現像剤は、長期に亘り、良好な品質を維持することができる。さらに、カラートナー、特に、イエロートナーは、一般に、キャリアの被覆層の削れによる色汚れが発生するという問題があるが、本発明の現像剤は、白色である硫酸バリウムを含むことで色汚れの発生を抑制することができる。
【0049】
トナーは、粉砕法、重合法等の公知の方法を用いて製造することができる。例えば、粉砕法を用いてトナーを製造する場合、まず、トナー材料を混練することにより得られる溶融混練物を冷却した後、粉砕し、分級して、母体粒子を作製する。次に、転写性、耐久性をさらに向上させるために、母体粒子に外添剤を添加し、トナーを作製する。
【0050】
このとき、トナー材料を混練する装置としては、特に限定されないが、バッチ式の2本ロール;バンバリーミキサー;KTK型2軸押出し機(神戸製鋼所社製)、TEM型2軸押出し機(東芝機械社製)、2軸押出し機(KCK社製)、PCM型2軸押出し機(池貝鉄工社製)、KEX型2軸押出し機(栗本鉄工所社製)等の連続式の2軸押出し機;コ・ニーダ(ブッス社製)等の連続式の1軸混練機等が挙げられる。
また、冷却した溶融混練物を粉砕する際には、ハンマーミル、ロートプレックス等を用いて粗粉砕した後、ジェット気流を用いた微粉砕機、機械式の微粉砕機等を用いて微粉砕することができる。なお、平均粒径が3〜15μmとなるように粉砕することが好ましい。
【0051】
さらに、粉砕された溶融混練物を分級する際には、風力式分級機等を用いることができる。なお、母体粒子の平均粒径が5〜20μmとなるように分級することが好ましい。
また、母体粒子に外添剤を添加する際には、ミキサー類を用いて混合攪拌することにより、外添剤が解砕されながら母体粒子の表面に付着する。
【0052】
結着樹脂としては、特に限定されないが、ポリスチレン、ポリp−スチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単独重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロロメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は芳香族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
【0053】
圧力定着用の結着樹脂としては、特に限定されないが、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン等のポリオレフィン;エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂等のオレフィン共重合体;エポキシ樹脂、ポリエステル、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリビニルピロリドン、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体、マレイン酸変性フェノール樹脂、フェノール変性テルペン樹脂等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
【0054】
着色剤(顔料又は染料)としては、特に限定されないが、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ等の黄色顔料;モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGK等の橙色顔料;ベンガラ、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B等の赤色顔料;ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等の紫色顔料;コバルトブルー、アルカリブルー、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC等の青色顔料;クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ等の緑色顔料;カーボンブラック、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、アニリンブラック等のアジン系色素、金属塩アゾ色素、金属酸化物、複合金属酸化物等の黒色顔料等が挙げられ、二種以上を併用してもよい。
【0055】
離型剤としては、特に限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、脂肪酸金属塩、脂肪酸エステル、パラフィンワックス、アミド系ワックス、多価アルコールワックス、シリコーンワニス、カルナウバワックス、エステルワックス等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
【0056】
また、トナーは、帯電制御剤をさらに含有してもよい。帯電制御剤としては、特に限定されないが、ニグロシン;炭素数が2〜16のアルキル基を有するアジン系染料(特公昭42−1627号公報参照);C.I.Basic Yello 2(C.I.41000)、C.I.Basic Yello 3、C.I.Basic Red 1(C.I.45160)、C.I.Basic Red 9(C.I.42500)、C.I.Basic Violet 1(C.I.42535)、C.I.Basic Violet 3(C.I.42555)、C.I.Basic Violet 10(C.I.45170)、C.I.Basic Violet 14(C.I.42510)、C.I.Basic Blue 1(C.I.42025)、C.I.Basic Blue 3(C.I.51005)、C.I.Basic Blue 5(C.I.42140)、C.I.Basic Blue 7(C.I.42595)、C.I.Basic Blue 9(C.I.52015)、C.I.Basic Blue 24(C.I.52030)、C.I.Basic Blue25(C.I.52025)、C.I.Basic Blue 26(C.I.44045)、C.I.Basic Green 1(C.I.42040)、C.I.Basic Green 4(C.I.42000)等の塩基性染料;これらの塩基性染料のレーキ顔料;C.I.Solvent Black 8(C.I.26150)、ベンゾイルメチルヘキサデシルアンモニウムクロライド、デシルトリメチルクロライド等の4級アンモニウム塩;ジブチル、ジオクチル等のジアルキルスズ化合物;ジアルキルスズボレート化合物;グアニジン誘導体;アミノ基を有するビニル系ポリマー、アミノ基を有する縮合系ポリマー等のポリアミン樹脂;特公昭41−20153号公報、特公昭43−27596号公報、特公昭44−6397号公報、特公昭45−26478号公報に記載されているモノアゾ染料の金属錯塩;特公昭55−42752号公報、特公昭59−7385号公報に記載されているサルチル酸;ジアルキルサルチル酸、ナフトエ酸、ジカルボン酸のZn、Al、Co、Cr、Fe等の金属錯体;スルホン化した銅フタロシアニン顔料;有機ホウ素塩類;含フッ素4級アンモニウム塩;カリックスアレン系化合物等が挙げられるが、二種以上併用してもよい。なお、ブラック以外のカラートナーにおいては、白色のサリチル酸誘導体の金属塩等が好ましい。
【0057】
外添剤としては、特に限定されないが、シリカ、酸化チタン、アルミナ、炭化珪素、窒化珪素、窒化ホウ素等の無機粒子;ソープフリー乳化重合法により得られる平均粒径が0.05〜1μmのポリメタクリル酸メチル粒子、ポリスチレン粒子等の樹脂粒子が挙げられ、二種以上併用してもよい。中でも、表面が疎水化処理されているシリカ、酸化チタン等の金属酸化物粒子が好ましい。さらに、疎水化処理されているシリカ及び疎水化処理されている酸化チタンを併用し、疎水化処理されているシリカよりも疎水化処理されている酸化チタンの添加量を多くすることにより、湿度に対する帯電安定性に優れるトナーが得られる。
【0058】
本発明の画像形成方法は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程と、静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、本発明の現像剤を用いて現像してトナー像を形成する工程と、静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する工程と、記録媒体に転写されたトナー像を定着させる工程とを有する。
【0059】
図3に、本発明のプロセスカートリッジの一例を示す。プロセスカートリッジ(10)は、感光体(11)、感光体(11)を帯電する帯電装置(12)、感光体(11)上に形成された静電潜像を本発明の現像剤を用いて現像してトナー像を形成する現像装置(13)及び感光体(11)上に形成されたトナー像を記録媒体に転写した後、感光体(11)上に残留したトナーを除去するクリーニング装置(14)が一体に支持されており、プロセスカートリッジ(10)は、複写機、プリンター等の画像形成装置の本体に対して着脱可能である。
【0060】
以下、プロセスカートリッジ(10)を搭載した画像形成装置を用いて画像を形成する方法について説明する。まず、感光体(11)が所定の周速度で回転駆動され、帯電装置(12)により、感光体(11)の周面が正又は負の所定電位に均一に帯電される。次に、スリット露光方式の露光装置、レーザービームで走査露光する露光装置等の露光装置(不図示)から感光体(11)の周面に露光光が照射され、静電潜像が順次形成される。さらに、感光体(11)の周面に形成された静電潜像は、現像装置(13)により、本発明の現像剤を用いて現像され、トナー像が形成される。次に、感光体(11)の周面に形成されたトナー像は、感光体(11)の回転と同期されて、給紙部(不図示)から感光体(11)と転写装置(不図示)の間に給紙された転写紙に、順次転写される。さらに、トナー像が転写された転写紙は、感光体(11)の周面から分離されて定着装置(不図示)に導入されて定着された後、複写物(コピー)として、画像形成装置の外部へプリントアウトされる。一方、トナー像が転写された後の感光体(11)の表面は、クリーニング装置(14)により、残留したトナーが除去されて清浄化された後、除電装置(不図示)により除電され、繰り返し画像形成に使用される。
【実施例】
【0061】
次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。なお、部は、質量基準である。
【実施例1】
【0062】
固形分が50質量%のアクリル樹脂「ヒタロイド3001(日立化成工業社製)」26部、固形分が70質量%のグアナミン樹脂マイコート106(三井サイテック社製)10部、固形分が40質量%の酸性触媒キャタリスト4040(三井サイテック社製)2.2部、固形分が20質量%のシリコーン樹脂SR2410(東レ・ダウコーニング社製)354部、固形分が15質量%のアミノシランSH6020(東レ・ダウコーニング社製)0.42部、第導電性粒子として、平均一次粒径が30nm、比抵抗の常用対数値が2.1[Log(Ω・cm)]の酸化スズS2000(三菱マテリアル製)150部、硫酸バリウムBF10(堺化学工業社製)を160部、及びトルエン800部を、ホモミキサーを用いて、10分間分散させ、被覆層用塗布液を得た。
【0063】
スピラコーターSP−40(岡田精工社製)を用いて、コーター内の温度を50℃に設定して、被覆層用塗布液を、体積平均粒径が35μmの焼成フェライト粉5000部(DOWAIPクリエイション社製)に対し塗布し、乾燥した。次に、200℃の電気炉の中で1時間焼成し、冷却した後、目開きが63μmの篩を用いて解砕し、キャリアを得た。
このキャリアで樹脂の固形分量を計算すると91.7部であり、硫酸バリウムの処方量は本発明の範囲内である。
【実施例2】
【0064】
硫酸バリウムBF10(堺化学工業社製)を200部とした以外は、実施例1と同様にして、キャリアを得た。
【実施例3】
【0065】
酸化スズS2000(三菱マテリアル製)250部、硫酸バリウムBF10(堺化学工業社製)を260部とした以外は、実施例1と同様にして、キャリアを得た。
【実施例4】
【0066】
酸化スズS2000(三菱マテリアル製)100部、硫酸バリウムBF10(堺化学工業社製)を150部とした以外は、実施例1と同様にして、キャリアを得た。
【実施例5】
【0067】
酸化スズS2000(三菱マテリアル製)200部、硫酸バリウムBF10(堺化学工業社製)を220部とした以外は、実施例1と同様にして、キャリアを得た。
【実施例6】
【0068】
酸化スズS2000(三菱マテリアル製)120部、ITO処理アルミナEC−700(チタン工業製)120部、硫酸バリウムBF10(堺化学工業社製)を160部とした以外は、実施例1と同様にして、キャリアを得た。
【実施例7】
【0069】
酸化スズS2000(三菱マテリアル製)160部、ITO処理アルミナEC−700(チタン工業製)160部、硫酸バリウムBF10(堺化学工業社製)を180部とした以外は、実施例1と同様にして、キャリアを得た。
【実施例8】
【0070】
酸化スズS2000(三菱マテリアル製)150部、硫酸バリウムBF21(堺化学工業社製)を200部とした以外は、実施例1と同様にして、キャリアを得た。
【0071】
[比較例1]
酸化スズS2000(三菱マテリアル製)250部、硫酸バリウムBF10(堺化学工業社製)を200部とした以外は、実施例1と同様にして、キャリアを得た。
【0072】
[比較例2]
酸化スズS2000(三菱マテリアル製)150部、硫酸バリウムBF10(堺化学工業社製)を100部とした以外は、実施例1と同様にして、キャリアを得た。
【0073】
[比較例3]
酸化スズS2000(三菱マテリアル製)150部、硫酸バリウムBF10(堺化学工業社製)を300部とした以外は、実施例1と同様にして、キャリアを得た。
以下、キャリアの特性及び帯電安定性の評価方法を示す。
【0074】
[導電性粒子の比抵抗]
導電性粒子の比抵抗は、以下のようにして測定した。まず、内径1インチ(2.54cm)の円筒状の塩化ビニル管の中に、導電性粒子5gを入れ、その上下を電極で挟んだ。次に、プレス機を用いて、これらの電極に10kg/cmの圧力を印加した状態で、LCRメータ4216A(横河ヒューレット・パッカード社製)を用いて、抵抗r[Ω]を測定し、式(1)
Log[π(2.54/2)/H×r] 式(1)
(式中、Hは、抵抗測定時の電極間の距離[cm]である。)
から、比抵抗の常用対数値[Log(Ω・cm)]を算出した。
【0075】
[芯材粒子の体積平均粒径]
マイクロトラック粒度分布計モデルHRA9320−X100(日機装社製)を用いて、芯材粒子の粒度分布を測定した。
【0076】
[被覆層の平均膜厚]
透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、キャリアの断面を観察して、被覆層の平均膜厚を測定した。
【0077】
[体積固有抵抗]
体積固有抵抗は、図2に示すセルを用いて測定した。具体的には、まず、表面積2.5cm×4cmの電極1a及び電極1bを、0.2cmの距離を隔てて収容したフッ素樹脂製容器2からなるセルに、キャリア3を充填し、落下高さ1cm、タッピングスピード30回/分で、10回のタッピングを行った。次に、電極1a及び1bの間に1000Vの直流電圧を印加して30秒後の抵抗値r[Ω]を、ハイレジスタンスメーター4329A(横川ヒューレットパッカード社製)を用いて測定し、つぎの式(2)
Log[r×(2.5×4)/0.2] 式(2)
から、体積固有抵抗の常用対数値[Log(Ω・cm)]を算出した。
【0078】
[1kOeの磁場における磁化]
キャリア約0.15gを、内径が2.4mm、高さが8.5mmのセルに充填した後、VSM−P7−15(東英工業社製)を用いて、1kOeの磁場において、磁化を測定した。
【0079】
[帯電安定性]
数平均分子量が3800、重量均分子量が20000、ガラス転移点が60℃、軟化点が122℃のポリエステル100部、5部のアゾ系イエロー顔料C.I.P.Y.180、サリチル酸亜鉛2部及び融点が82℃のカルナウバワックス3部を、ヘンシェルミキサーを用いて混合した後、2本ロールを用いて120℃で40分間溶融混練した。次に、冷却した後、ハンマーミルを用いて粗粉砕し、エアージェット粉砕機を用いて微粉砕した。得られた微粉末を分級して重量平均粒径が5μmの母体粒子を得た。
【0080】
次に、母体粒子100部に、表面を疎水化処理したシリカ1部、湿式法で作製した酸化チタン1部を添加し、ヘンシェルミキサーを用いて混合し、イエローのトナーを得た。
さらに、実施例又は比較例のキャリア93部と、トナー7部をシェーカーミキサーT10B(Bachofen社製)にて、5分間混合攪拌し、現像剤を得た。
【0081】
現像剤をブローオフ装置TB−200(東芝ケミカル社製)にてトナー帯電量を測定した。この帯電量をQ1とする。
【0082】
27℃80%環境に12時間放置した後に、ブローオフ装置にてトナー帯電量を測定した。この帯電量をQ2とする。
【0083】
デジタルフルカラープリンターIPSiO CX 8200(リコー社製)の改造機に現像剤をセットし、初期のキャリアの帯電量Q及び画像面積率20%で3000枚のランニング後のキャリアの帯電量Q3を測定した。
【0084】
ランニングの現像剤を27℃80%環境に12時間放置した後に、ブローオフ装置にてトナー帯電量を測定した。この帯電量をQ4とする。
帯電量は-30μC/g〜40μC/g程度が特に品質上望ましく、絶対値で15μC/g以下に低下すると地汚れ、トナー飛散による機内汚染等の問題が発生する。
また、放置での帯電量低下の割合が大きいと、再攪拌時に帯電量変動が大きくなりやすく、画像濃度の変動が大きくなりやすい。放置での変動量W1=|(Q1−Q2)/Q1|、W2=|(Q3−Q4)/Q3|が0.5以下であると良い。
実施例及び比較例のキャリアの特性及び帯電安定性の評価結果を表1、2に示す。
【0085】
【表1】

【0086】
【表2】

【0087】
表1、2より、実施例1〜8のキャリアは、帯電量絶対値が15μC/g以下になることが無く、使用前後、環境放置を含めても帯電能力が十分であることが分かる。また帯電量変動量が小さいことから、放置後に連続使用する場合でも画像濃度変動が小さくなるであろうことが分かる。
これに対して、比較例1、2のキャリアは、放置後の帯電量が15μC/g以下となり、導電性粒子に対して硫酸バリウム処方量が少ないと、コピー使用後の高温高湿放置後に帯電量が下がりやすいことが分かる。
また、比較例3のキャリアは、帯電量低下率W1が0.5を超え、硫酸バリウムの処方量が樹脂の固形分量の300%を超えると、
【実施例9】
【0088】
固形分が50質量%のアクリル樹脂(ヒタロイド3001:日立化成社製)58部、固形分が77質量%のグアナミン樹脂(マイコート106:三井サイテック社製)16部、固形分が20質量%のシリコーン樹脂SR2410(東レ・ダウコーニング社製)204部、アミノシランSH6020(東レ・ダウコーニング社製)2.5部、無機添加材として酸素欠損型酸化スズ被覆硫酸バリウム粒子「パストラン4310」(三井金属製)300部、
以上の被覆層用原材料を1mmZrビーズ1000部とともに、ペイントシェイカーで1時間分散し、被覆層用塗布液を得た。
【0089】
スピラコーター(岡田精工社製)を用いて、コーター内の温度を40℃に設定して、被覆層用塗布液を、重量平均粒径が35μmの焼成フェライト粉5000部に塗布し、乾燥した。次に、300℃の電気炉の中で1時間焼成し、冷却した後、目開きが63μmの篩を用いて解砕し、キャリアを得た。
【実施例10】
【0090】
無機添加材として、実施例9の「パストラン4310」を200部とし、さらに導電性製処理アルミナ「EC−700」(チタン工業製)を100部使用した他は、実施例9と同じようにキャリアを得た。
【実施例11】
【0091】
無機添加材として、酸素欠損型酸化スズS−2000(三菱マテリアル製)を100部とし、さらに導電性製処理アルミナ「EC−700」(チタン工業製)を100部使用した他は、実施例9と同じようにキャリアを得た。
【実施例12】
【0092】
無機添加材として、実施例9の「パストラン4310」を200部とし、さらに酸素欠損型酸化スズS−2000(三菱マテリアル製)を100部使用した他は、実施例9と同じようにキャリアを得た。
【0093】
[比較例4]
実施例9において、「パストラン4310」の処方量を200部とした他は、実施例9と同じようにキャリアを得た。
【0094】
[比較例5]
実施例9において、被覆層用原材料を、ビーズを使わずに、ホモミキサーで10分攪拌して被覆層用塗布液を得た他は、実施例9と同じようにキャリアを得た。
【0095】
[比較例6]
比較例5において、無機添加材として、「パストラン4310」の代わりに、酸素欠損型酸化スズS2000(三菱マテリアル製)を200部、導電性製処理アルミナ「EC−700」(チタン工業製)を100部使用した他は、比較例5と同じようにキャリアを得た。
導電性粒子の比抵抗、体積固有抵抗、帯電安定性、1kOeの磁場における磁化、帯電安定性等のキャリアの特性及び帯電安定性の評価方法は、実施例1〜8、比較例1〜3の場合と同様に測定した。
また、以下のその余の特性を測定した。
【0096】
[芯材粒子の重量平均粒径]
マイクロトラック粒度分布計モデルHRA9320−X100(日機装社製)を用いて、芯材粒子の粒度分布を測定した。
【0097】
[被覆層の平均膜厚]
透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、キャリアの断面を観察して、被覆層の平均膜厚を測定した。
【0098】
さらに、実施例又は比較例のキャリア93部と、トナー7部を混合攪拌し、現像剤を得た。
デジタルフルカラープリンターIPSiO CX 8200(リコー社製)の改造機に現像剤をセットし、初期のキャリアの帯電量Q及び画像面積率20%で3000枚のランニング後のキャリアの帯電量Qを測定した。
【0099】
なお、初期のキャリアの帯電量は、キャリアとトナーを、質量比93:7で混合し、摩擦帯電させたサンプルを、ブローオフ装置TB−200(東芝ケミカル社製)を用いて測定した。また、ランニング後のキャリアの帯電量は、ブローオフ装置TB−200(東芝ケミカル社製)を用いて、ランニング後の現像剤中のトナーを除去したキャリアを用いた以外は、上記と同様にして測定した。
帯電量は少なくとも、QもQも20[μC/g]以上が望ましい。
【0100】
[樹脂の露出面積/添加剤の露出面積]
樹脂の露出面積/添加剤の露出面積については、初期のキャリアの帯電量を測定した後の、トナーが除去されたキャリアを、熱電界放出型走査電子顕微鏡で観察し、粒径10μm以上のキャリアを無作為に30個抽出し、それぞれのキャリア中心部の反射電子像を倍率10000倍にて撮影する。反射電子画像では、コート樹脂部分は暗く、本発明で用いられるフィラー部分は明るく撮影される。得られた画像サンプルを画像解析ソフト(例えばアドビシステムズ社製Photoshop C2)に導入し、適切な2値化基準で2値化した後の黒/白比を、樹脂の露出面積/添加剤の露出面積とした。
ちなみに、使用した粉体の比抵抗測定結果を表3に、また実施例、比較例のキャリアについて測定結果を表4、それぞれに示す。また、反射電子画像の撮影例として、実施例9のものを図4に、比較例4のものを図5に示す。
【0101】
【表3】

【0102】
【表4】

【符号の説明】
【0103】
10 プロセスカートリッジ
11 感光体
12 帯電装置
13 現像装置
14 クリーニング装置
(図6について)
10 感光体
28 現像剤担持体
50 非弾性規制ブレード
【先行技術文献】
【特許文献】
【0104】
【特許文献1】特開平11−202560号公報
【特許文献2】特開2006−39357号公報
【特許文献3】特開平2−50184号公報
【特許文献4】特開平2−8860号公報
【特許文献5】特開昭49-51951号公報
【特許文献6】特開昭52−10141号公報
【特許文献7】特開昭56−11461号公報
【特許文献8】特開昭54−158932号公報
【特許文献9】特開昭57−168256号公報
【特許文献10】特開昭59−228261号公報
【特許文献11】特開昭63−71860号公報
【特許文献12】特開平2−110577号公報
【特許文献13】特開昭54-21730号公報
【特許文献14】特開昭58-117555号公報
【特許文献15】特開昭59−232362号公報
【特許文献16】特開平6−301245号公報
【特許文献17】特開平7−261465号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
芯材粒子の表面に結着樹脂と微粒子を含有する被覆層が形成されているキャリアであって、該被覆層に金属酸化物導電性粒子(I)と、それ以外の金属酸化物または金属塩または両方(II)とを含み、該金属酸化物または金属塩または両方(II)を100重量%以上300重量%以下含むことを特徴とするキャリア。
【請求項2】
前記金属酸化物または金属塩または両方(II)として、硫酸バリウムを含み、その含量が前記結着樹脂に対して110重量%以上300重量%以下であることを特徴とする請求項1に記載のキャリア。
【請求項3】
前記導電性粒子の重量に対して硫酸バリウムを100重量%以上含むことを特徴とする請求項2に記載のキャリア。
【請求項4】
前記導電性粒子(I)の比抵抗の常用対数値が0.5[Log(Ω・cm)]以上3[Log(Ω・cm)]以下であることを特徴とする請求項2又は3に記載のキャリア。
【請求項5】
前記導電性粒子(I)として酸化スズを含み、被覆層の表面のうち樹脂の占める面積(A)と酸化スズと、前記金属酸化物と金属塩(II)をすべて含む無機添加剤の表面露出部が占める面積(B)の比(A/B)が0.3以下であることを特徴とする請求項1に記載のキャリア。
【請求項6】
前記金属酸化物(II)は、酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、二酸化ケイ素及び酸化ジルコニウムからなる群より選択される少なくとも一種であり、前記金属塩(II)は、硫酸バリウムであることを特徴とする請求項5に記載のキャリア。
【請求項7】
前記酸化スズ粒子は、比抵抗の常用対数値が0.5[Log(Ω・cm)]以上3[Log(Ω・cm)]以下であることを特徴とする請求項5又は6に記載のキャリア。
【請求項8】
体積固有抵抗の常用対数値が10[Log(Ω・cm)]以上14[Log(Ω・cm)]以下であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のキャリア。
【請求項9】
前記芯材粒子は、重量平均粒径が20μm以上65μm以下であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載のキャリア。
【請求項10】
前記被覆層は、平均膜厚が0.05μm以上2μm以下であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載のキャリア。
【請求項11】
前記結着樹脂は、シリコーン樹脂及び/又はアクリル樹脂を含有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載のキャリア。
【請求項12】
1kOeの磁場における磁化が40Am/kg以上90Am/kg以下であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載のキャリア。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれか一項に記載のキャリア及びトナーを有することを特徴とする現像剤。
【請求項14】
前記トナーは、カラートナーであることを特徴とする請求項13に記載の現像剤。
【請求項15】
請求項13又は14に記載の現像剤を有することを特徴とする現像剤入り容器。
【請求項16】
静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程と、
該静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、請求項13又は14に記載の現像剤を用いて現像してトナー像を形成する工程と、
該静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する工程と、
該記録媒体に転写されたトナー像を定着させる工程とを有することを特徴とする画像形成方法。
【請求項17】
静電潜像担持体、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、請求項13又は14に記載の現像剤を用いて現像する手段が少なくとも一体に支持されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−145388(P2011−145388A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−4993(P2010−4993)
【出願日】平成22年1月13日(2010.1.13)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】