説明

電子回路の冷却部の異常検査システム

【課題】電子回路の冷却部の実装不良や故障等の異常を確実且つ簡便な手法で検査可能な異常検査システムを提供する。
【解決手段】発熱部品2と該発熱部品2を冷却する冷却部3とを備えた電子回路1における冷却部3の異常検査システムが、発熱部品2の温度を検出する部品温度検出部4と、発熱部品2を昇温させる回路動作の実行前に部品温度検出部4によって検出された第1部品温度及び回路動作の実行後に部品温度検出部によって検出された第2部品温度に基づいて冷却部の異常を判定する異常判定部7とを具備し、第1部品温度をT1とし、第2部品温度をT2とすると、予め定められた冷却部の正常及び異常の境界を示す関数f:T2=f(T1)において、T2>f(T1)の関係式を満たしたときに、異常判定部が異常と判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子回路の冷却部の異常検査システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子回路において中央演算処理装置(CPU)等の発熱の大きな電子部品の冷却部として、例えばヒートシンクや冷却ファン、ヒートパイプ、ペルチェ素子が用いられている。冷却部に関してヒートシンクを例に用いて説明すると、図12は、セラミックBGAパッケージ等の冷却すべき電子部品31の取り付け平面に対して、放熱フィンを備えたヒートシンク32が、傾くことなく密着して正しく実装されている状態を示している。ヒートシンク32がこのような正しい実装状態にある場合には、電子部品31の熱がヒートシンク32に効率良く伝達し、放熱フィンから効率良く放熱され、電子部品31が冷却される。なお、ヒートシンク32と電子部品31との間は、接着剤33によって接着されるが、シリコングリース又は熱伝導シート等を介在させる場合もある。
【0003】
一方、図13に示されるように、ヒートシンク32が、接着剤の過不足等によって傾いた状態で電子部品31に固定される場合や、図14に示されるように、ヒートシンク32を固定する接着剤が厚い状態で固定される場合がある。その結果、電子部品31の熱がヒートシンク32に効率良く伝達しないことから冷却効果の低下や、接着不良等によって製品出荷後にヒートシンク32が電子部品31から取れてしまうという問題がある。この問題を解決するため、製造時にヒートシンク32の実装状態を目視により検査するのは人件費がかかる上に確実性に欠ける。
【0004】
このような問題を防止するために冷却部の実装状態を調べる手段として、特許文献1には、半導体装置のバーンイン試験を実施する場合に装着するヒートシンクにおいて、半導体装置とヒートシンク本体との密着性を機械的な検知手段を備えたことを特徴とするヒートシンクの装置の発明が記載されている。
【0005】
なお、その他の例として、特許文献2には、異なる電流を流したときのヒートシンクのそれぞれの温度を測定して冷却ファンの異常を検出する発明が記載されている。また、特許文献3及び特許文献4には、ヒートシンクの2箇所に温度検出器を設け、それら2箇所の温度差と所定の値とを比較することにより冷却ファンの異常を検出する発明が記載されている。また、特許文献5には、単一の温度検出器の検出値と周囲温度とから冷却部の異常を検出する発明が記載されている。また、特許文献6には、ヒートシンク上の2箇所の測定点において検出された検出温度から冷却部の異常を検出する発明が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平5−223890号公報
【特許文献2】特開2009−130223号公報
【特許文献3】特開2004−150777号公報
【特許文献4】特開2005−327855号公報
【特許文献5】特開2006−294978号公報
【特許文献6】特開2007−221908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の装置は複雑且つ高価である。さらに、製品出荷後に、振動や衝撃によりヒートシンクの実装状態が変化することもあるが、その装置を当該電子部品が使用されている現場に持ち込み、実装状態を調査することは困難である。また、冷却部として冷却ファンを用いた場合には、それ自体がモーター等により駆動する部品であるため、電子部品に比べて故障しやすいという問題がある。
【0008】
本発明は、一態様において、電子回路の冷却部の実装不良や故障等の異常を確実且つ簡便な手法で検査可能な異常検査システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、発熱部品と該発熱部品を冷却する冷却部とを備えた電子回路における前記冷却部の異常検査システムであって、前記発熱部品の温度を検出する部品温度検出部と、前記発熱部品を昇温させる回路動作の実行前に前記部品温度検出部によって検出された第1部品温度及び前記回路動作の実行後に前記部品温度検出部によって検出された第2部品温度に基づいて前記冷却部の異常を判定する異常判定部と、を具備し、前記第1部品温度をT1とし、前記第2部品温度をT2とすると、予め定められた冷却部の正常及び異常の境界を示す関数f:T2=f(T1)において、T2>f(T1)の関係式を満たしたときに、前記異常判定部が異常と判定する冷却部の異常検査システムが提供される。
【0010】
すなわち、請求項1に記載の発明では、電子回路の冷却部の実装不良や故障等の異常を確実且つ簡便な手法で検査が可能になるという効果を奏する。また、この発明は、部品温度のみに基づいて異常の判定するため、その温度は1箇所の温度でもいいことから、より単純な構成でその判定を行うことができるという効果も奏する。
【0011】
また、請求項2に記載の発明によれば請求項1に記載の発明において、当該異常検査システムの周囲温度を検出する周囲温度検出部をさらに具備し、前記異常判定部が、さらに、該周囲温度検出部によって検出された周囲温度に基づいて前記冷却部の異常を判定する冷却部の異常検査システムが提供される。
【0012】
すなわち、請求項2に記載の発明では、判定に際して周囲温度をさらに考慮することから、より精度の高い異常の判定を行うことができるという効果を奏する。
【0013】
また、請求項3に記載の発明によれば請求項1又は2に記載の発明において、当該異常検査システムを所定の温度に維持するように収容可能な恒温槽をさらに具備した冷却部の異常検査システムが提供される。
【0014】
すなわち、請求項3に記載の発明では、常に同一の周囲温度で異常の判定を行うことができることから、よく校正のされた条件の下より精度の高い異常の判定を行うことができるという効果を奏する。また、周囲温度が一定であることから、当該異常検査システム自体には周囲温度を検出する手段を設ける必要はなく、且つ、検査の時間や場所に依らない安定した検査環境を作り出すことが可能となる。
【0015】
また、請求項4に記載の発明によれば請求項1から3のいずれか1つに記載の発明において、前記異常判定部が異常と判定すると、異常を画面に表示若しくは音声で通知し、又は、判定結果を記録し、又は、前記発熱部品を省電力状態に移行し、又は、前記発熱部品の電源を遮断し、又は、異常の監視を行うシステムへ通知する冷却部の異常検査システムが提供される。
【0016】
すなわち、請求項4に記載の発明では、出荷後のシステム動作中に、画面表示や音声でユーザーやオペレーターに異常を通知したり判定結果を記録したり、省電力状態へ移行したり、電源を遮断したり、異常の監視を行うシステムへ通知したりすることによって、冷却部の交換・修理等を促すことができ、加熱による発熱部品の破損等の障害を未然に防ぐことが可能になるという効果を奏する。従って、請求項4に記載の発明は、衝撃や経年変化による冷却部の実装状態変化や故障等を自己診断するシステムとして応用することもできる。なお、本発明は、出荷前の試験においても有効である。
【発明の効果】
【0017】
各請求項に記載の発明によれば、電子回路の冷却部の実装不良や故障等の異常を確実且つ簡便な手法で検査が可能になるという共通の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一態様による冷却部の異常検査システムの概略を示すブロック図である。
【図2】本発明の一態様による冷却部の異常検査システムの具体的構成を示す図である。
【図3】本発明の一態様による冷却部の異常検査システムの別の具体的構成を示す図である。
【図4】本発明の一態様による冷却部の異常検査システムの第1の実施形態を示す図である。
【図5】本発明の一態様による冷却部の異常検査システムの第2の実施形態を示す図である。
【図6】本発明の一態様による冷却部の異常検査システムの第3の実施形態を示す図である。
【図7】本発明の一態様による冷却部の異常検査システムの第4の実施形態を示す図である。
【図8】本発明の一態様による冷却部の異常検査システムの第5の実施形態を示す図である。
【図9】本発明の一態様による冷却部の異常検査システムの第6の実施形態を示す図である。
【図10】本発明の一態様による冷却部の異常検査システムの第7の実施形態を示す図である。
【図11】第2の実施形態における異常判定処理のフローチャートである。
【図12】ヒートシンクの正常な実装状態を示す図である。
【図13】ヒートシンクの異常な実装状態を示す図である。
【図14】ヒートシンクの異常な実装状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の一態様による冷却部の異常検査システムの概略を示すブロック図である。異常検査システムは、電子回路1を有し、電子回路1には発熱部品2が実装されており、発熱部品2には発熱部品2を冷却する冷却部3が設けられている。ここで発熱部品とは、一般に電子回路に実装される電子部品のうち特に発熱の大きい部品のことであり、例えば中央演算処理装置(CPU)が挙げられる。また、冷却部とは、発熱部品に発生した熱を電子回路外へ放出させて冷却するため、通常、発熱部品に当接又は近接して実装される部材のことであり、例えばヒートシンクや冷却ファン、ヒートパイプ、ペルチェ素子が挙げられる。
【0020】
また、本発明の一態様による異常検査システムは、部品温度検出部4及び消費電流検出部5をさらに有している。部品温度検出部4は、発熱部品2の温度の温度を検出する機能を有しており、消費電流検出部5は、発熱部品2又は発熱部品2を含む部品群における消費電流を検出する機能を有している。なお、異常検査システムは、部品温度検出部4及び消費電流検出部5のいずれか一方を有するような構成であってもよい。さらに、本発明の一態様による異常検査システムは、発熱部品2の温度変化の影響を受けない程度に離れた場所に、当該異常検査システムの周囲の環境の温度を測定するための周囲温度検出部6を有してもよい。
【0021】
また、本発明の一態様による異常検査システムは、異常判定部7を有している。異常判定部7は、例えば、双方向性バスによって互いに接続されたCPUとROM(リードオンリメモリ)とRAM(ランダムアクセスメモリ)とを備え、さらに不揮発性メモリを備えていてもよい。なお発熱部品2と異常判定部7に備えられたCPUは同一であってもよい。
【0022】
異常判定部7は、部品温度検出部4によって検出された部品温度と消費電流検出部5によって検出された消費電流とのいずれか一方又は双方に基づいて、冷却部3の実装不良や故障等の異常を判定する機能を有している。異常判定部7は、異常の判定に際して、周囲温度検出部6によって検出された周囲温度をさらに考慮してもよい。
【0023】
さらに、本発明の一態様による異常検査システムは、異常判定部7による判定の結果、異常と判定された場合に、その結果を出力する異常結果出力部8を有してもよい。異常結果出力部8は、例えば、警告を画面表示するディスプレイや、音声で警告音を鳴らしたりするスピーカーや、異常を記録する不揮発性メモリや、異常検査システムによって管理されている電子回路1の電力を制御する電力制御装置等が挙げられる。ディスプレイやスピーカーによって警告が発せられることによって、ユーザーやオペレーターは異常を検知することができる。また、電力制御装置に異常結果が出力されることによって、発熱部品2を省電力状態に移行したり、発熱部品2の電源を遮断したり等の過熱を防止する措置をとることができる。また、異常の監視を行うシステム、例えば、外部のシステムへ異常の通知をすることもできる。
【0024】
次に、図2を参照しながら、本発明の一態様による冷却部の異常検査システムの具体的構成について説明する。図2では、冷却部としてヒートシンクを用いている。電子回路11には発熱部品12が実装されており、発熱部品12には発生した熱を外部へ放出するヒートシンク13が設けられている。ヒートシンク13によって外部へ放出された熱は、冷却ファン14によって、例えば電子回路11を収容する筐体の外部へと放出される。
【0025】
また、発熱部品12の温度を検出するために、部品温度センサ15が発熱部品近傍に配置され、さらに、発熱部品12の温度変化に影響の受けない程度に離れた場所に、当該異常検査システムの周囲の環境の温度を測定するための周囲温度センサ16が配置されている。さらに、電子回路11には電源17が接続され、電子回路11に流れる電流が電流計18によって検出される。その結果、発熱部品12の消費電流が算出される構成となっている。
【0026】
次に、図3を参照しながら、本発明の一態様による冷却部の異常検査システムの別の具体的構成について説明する。図3では、冷却部としてヒートシンクを用いている。電子回路21には発熱部品22が実装されており、発熱部品22には発生した熱を外部へ放出するヒートシンク23が設けられている。ヒートシンク23によって外部へ放出された熱は、冷却ファン24によって、例えば電子回路21を収容する筐体の外部へと放出される。
【0027】
また、発熱部品22の温度を検出するために、部品温度センサ25が電子回路21上に実装され、さらに、発熱部品22の温度変化に影響の受けない程度に離れた電子回路21上に、当該異常検査システムの周囲の環境の温度を測定するための周囲温度センサ26が実装されている。さらに、電子回路21には電源27が接続され、電子回路11に流れる電流が電流計28によって検出される。その結果、発熱部品22の消費電流が算出される構成となっている。
【0028】
なお、図2及び図3において、温度センサとして、赤外線温度センサや熱電対等を用いてもよく、電子回路に流れる電流を検出する手段として、電源に電流プローブを接続するようにしてもよい。また、図2及び図3に示された構成は例示であり、以下にいくつかの実施形態によって示される冷却部の異常の判定において、用いられない値を検出する構成は、当該実施形態においては必須の構成ではない。例えば、図4に示される第1の実施形態では冷却部の異常の判定において周囲温度を考慮しないため、図2の周囲温度センサ16や図3の周囲温度センサ26は必須の構成ではない。
【0029】
以下に、図1を参照しながら説明した異常判定部7において冷却部の異常を判定するための方法について、いくつかの実施形態に基づいて説明する。
【0030】
図4は、本発明の一態様による冷却部の異常検査システムの第1の実施形態を示す図である。横軸は、消費電流検出部5によって検出された発熱部品2の消費電流Iを示し、縦軸は、部品温度検出部4によって検出された発熱部品2の温度である部品温度Tを示す。さらに、製品仕様等によって予め定められた部品温度Tの限界の高温である限界部品温度をTmaxとし、製品仕様等によって予め定められた消費電流Iの限界値である限界消費電流をImaxとし、製品仕様等によって予め定められた当該異常検査システムの周囲温度の限界の高温である限界周囲温度をTamaxとする。限界周囲温度Tamaxは、限界部品温度Tmaxよりも小さい。
【0031】
この場合において、予め実験を行うことによって、図4に示される座標系に冷却部の正常及び異常の結果をプロットすると、その境界線を1次近似して以下の式(1)で表すことができる。なお、式(1)は、図4において線L1で示されている。
T=(Tmax−Tamax)×I/Imax+Tamax ・・・(1)
また、製品仕様等で予め定められていることから限界消費電流Imaxについての以下の式(2)も境界線となる。
I=Imax ・・・(2)
【0032】
従って、本実施形態の異常判定部7は、
T>(Tmax−Tamax)×I/Imax+Tamax ・・・(3)
又は、
I>Imax ・・・(4)
の関係式を満たしたときに、異常と判定する。
【0033】
すなわち、式(3)に関しては、消費電流が少ないにもかかわらず部品温度が高いということは、冷却部に異常が生じていると判断できる。式(4)に関しては、消費電流が限界値を超えているため異常が生じていると判断できる。なお、図4において斜線で示され且つ「OK」で示された領域は、冷却部が正常であると判定される領域を示している。それ以外の領域で「NG」で示された領域は、冷却部が異常であると判定される領域を示している。これらの情報はROMに記憶されている。
【0034】
図5は、本発明の一態様による冷却部の異常検査システムの第2の実施形態を示す図である。本実施形態では、所定の回路動作を実行して発熱部品を意図的に昇温させる。その前後における部品温度を部品温度検出部によって検出し、これらの値を比較することで異常の判定を行う。図5において、横軸は、所定の回路動作の実行前の部品温度T1を示し、縦軸は、所定の回路動作の実行後の部品温度T2を示す。なお、所定の回路動作とは、例えば、電子回路の機能を検証する試験である機能試験等がそれに該当する。
【0035】
この場合において、予め実験を行うことによって、図5に示される座標系に冷却部の正常及び異常の結果をプロットすると、その境界線を1次近似して以下の関数fで示される式(5)で表すことができる。なお、式(5)は、図5において線L2で示されている。
T2=f(T1) ・・・(5)
【0036】
従って、本実施形態の異常判定部7は、
T2>f(T1) ・・・(6)
の関係式を満たしたときに、異常と判定する。
【0037】
すなわち、冷却部が正常な場合には、所定の回路動作によって昇温した発熱部品が冷却部によって冷却されるが、式(6)を満たしているということは正常な冷却がなされておらず、冷却部に異常が生じていると判断できる。なお、図5において斜線で示され且つ「OK」で示された領域は、冷却部が正常であると判定される領域を示している。それ以外の領域で「NG」で示された領域は、冷却部が異常であると判定される領域を示している。これらの情報はROMに記憶されている。
【0038】
図6は、本発明の一態様による冷却部の異常検査システムの第3の実施形態を示す図である。本実施形態では、所定の回路動作を実行して発熱部品を意図的に昇温させる。その前後における消費電流を消費電流検出部によって検出し、これらの値を比較することで異常の判定を行う。図6において、横軸は、所定の回路動作の実行前の消費電流I1を示し、縦軸は、所定の回路動作の実行後の消費電流I2を示す。なお、所定の回路動作とは、例えば、電子回路の機能を検証する試験である機能試験等がそれに該当する。
【0039】
この場合において、予め実験を行うことによって、図6に示される座標系に冷却部の正常及び異常の結果をプロットすると、その境界線を1次近似して以下の関数gで示される式(7)で表すことができる。なお、式(7)は、図5において線L2で示されている。
I2=g(I1) ・・・(7)
【0040】
従って、本実施形態の異常判定部7は、
I2>g(I1) ・・・(8)
の関係式を満たしたときに、異常と判定する。
【0041】
すなわち、所定の回路動作を実行すると、発熱部品が昇温し、その上昇に伴いリーク電流も増大するが、冷却部が正常な場合には、所定の回路動作によって昇温した発熱部品が冷却部によって冷却されてリーク電流が減少し、消費電流I2も減少する。しかしながら、式(8)を満たしているということは発熱部品の正常な冷却がなされておらず、冷却部に異常が生じていると判断できる。なお、図6において斜線で示され且つ「OK」で示された領域は、冷却部が正常であると判定される領域を示している。それ以外の領域で「NG」で示された領域は、冷却部が異常であると判定される領域を示している。これらの情報はROMに記憶されている。
【0042】
図7は、本発明の一態様による冷却部の異常検査システムの第4の実施形態を示す図である。本実施形態では、図4に示される第1の実施形態に、さらに、当該異常検査システムの周囲温度を考慮することで、より正確な異常の判定を行うものである。図7において、横軸は、消費電流検出部5によって検出された発熱部品2の消費電流Iを示し、縦軸は、部品温度検出部4によって検出された発熱部品2の温度である部品温度Tを示す。さらに、製品仕様等によって予め定められた部品温度Tの限界の高温である限界部品温度をTmaxとし、製品仕様等によって予め定められた消費電流Iの限界値である限界消費電流をImaxとし、製品仕様等によって予め定められた当該異常検査システムの周囲温度の限界の高温である限界周囲温度をTamaxとし、周囲温度検出部6によって検出された周囲温度Taとする。限界周囲温度Tamaxは、限界部品温度Tmaxよりも小さく、周囲温度Taは、限界周囲温度Tamaxよりも小さい。
【0043】
この場合において、予め実験を行うことによって、図7に示される座標系に冷却部の正常及び異常の結果をプロットすると、その境界線を1次近似して以下の式(9)で表すことができる。なお、式(9)は、図7において線L4で示されている。
T=(Tmax−Tamax)×I/Imax+Ta ・・・(9)
また、製品仕様等で予め定められていることから限界消費電流Imaxについての以下の式(10)も境界線となる。
I=Imax ・・・(10)
【0044】
従って、本実施形態の異常判定部7は、
T>(Tmax−Tamax)×I/Imax+Ta ・・・(11)
又は、
I>Imax ・・・(12)
の関係式を満たしたときに、異常と判定する。
【0045】
すなわち、式(11)に関しては、消費電流が少ないにもかかわらず部品温度が高いということは、冷却部に異常が生じていると判断できる。式(12)に関しては、消費電流が限界値を超えているため異常が生じていると判断できる。なお、図7において斜線で示され且つ「OK」で示された領域は、冷却部が正常であると判定される領域を示している。それ以外の領域で「NG」で示された領域は、冷却部が異常であると判定される領域を示している。これらの情報はROMに記憶されている。
【0046】
図4と図7とを比較すると、図7で示される第4の実施形態の方が異常と判定される領域が大きくなっている。すなわち、周囲温度を考慮することによって、より精度の高い異常の判定を行うことができる。
【0047】
図8は、本発明の一態様による冷却部の異常検査システムの第5の実施形態を示す図である。本実施形態は、図7に示される第4の実施形態において、異常検査システムを、所定の温度を維持するように構成された恒温槽に収容し、電子回路の周囲温度を常に一定として異常の判定を行うものである。図8において、横軸は、消費電流検出部5によって検出された発熱部品2の消費電流Iを示し、縦軸は、部品温度検出部4によって検出された発熱部品2の温度である部品温度Tを示す。さらに、製品仕様等によって予め定められた部品温度Tの限界の高温である限界部品温度をTmaxとし、製品仕様等によって予め定められた消費電流Iの限界値である限界消費電流をImaxとし、製品仕様等によって予め定められた当該異常検査システムの周囲温度の限界の高温である限界周囲温度をTamaxとし、一定に維持された周囲温度をTafixとする。限界周囲温度Tamaxは、限界部品温度Tmaxよりも小さく、周囲温度Tafixは、限界周囲温度Tamaxよりも小さい。
【0048】
この場合において、予め実験を行うことによって、図8に示される座標系に冷却部の正常及び異常の結果をプロットすると、その境界線を1次近似して以下の式(13)で表すことができる。なお、式(13)が、図8において線L5で示されている。
T=(Tmax−Tamax)×I/Imax+Tafix ・・・(13)
また、製品仕様等で予め定められていることから限界消費電流Imaxについての以下の式(14)も境界線となる。
I=Imax ・・・(14)
【0049】
従って、本実施形態の異常判定部7は、
T>(Tmax−Tamax)×I/Imax+Tafix ・・・(15)
又は、
I>Imax ・・・(16)
の関係式を満たしたときに、異常と判定する。
【0050】
すなわち、式(15)に関しては、消費電流が少ないにもかかわらず部品温度が高いということは、冷却部に異常が生じていると判断できる。式(16)に関しては、消費電流が限界値を超えているため異常が生じていると判断できる。なお、図8において斜線で示され且つ「OK」で示された領域は、冷却部が正常であると判定される領域を示している。それ以外の領域で「NG」で示された領域は、冷却部が異常であると判定される領域を示している。これらの情報はROMに記憶されている。
【0051】
図4と図8とを比較すると、図8で示される第5の実施形態の方が異常と判定される領域が大きくなっている。すなわち、周囲温度を考慮することによって、より精度の高い異常の判定を行うことができる。さらに、周囲温度が一定であることから、当該異常検査システム自体には周囲温度を検出する手段を設ける必要はなく、検査の時間や場所に依らない安定した検査環境を作り出すことが可能となる。
【0052】
図9は、本発明の一態様による冷却部の異常検査システムの第6の実施形態を示す図である。本実施形態では、図5に示される第2の実施形態に、さらに、電子回路の周囲温度を考慮することで、より正確な異常の判定を行うものである。本実施形態では、所定の回路動作を実行して発熱部品を意図的に昇温させる。その前後における部品温度を部品温度検出部によって検出し、これらの値を比較することで異常の判定を行う。図9において、横軸(X軸)は、所定の回路動作の実行前の部品温度T1を示し、縦軸(Y軸)は、所定の回路動作の実行後の部品温度T2を示す。さらに、垂直方向のZ軸を加え、Z軸は、周囲温度検出部6によって検出された周囲温度Taとする。なお、所定の回路動作とは、例えば、電子回路の機能を検証する試験である機能試験等がそれに該当する。
【0053】
この場合において、予め実験を行うことによって、図9に示される3次元の座標系に冷却部の正常及び異常の結果をプロットすると、その境界は平面で近似することができ、図9において平面S1で示されている。
【0054】
従って、本実施形態の異常判定部7は、図9に示された座標系おいて、検出された部品温度T1、T2及び周囲温度Taによって特定される点が、平面S1で区切られた空間領域のうち、原点を含まない側の領域にあるときに、異常と判定する。
【0055】
すなわち、冷却部が正常な場合には、所定の回路動作によって昇温した発熱部品が冷却部によって冷却されて、部品温度T2は減少する。しかしながら、検出された部品温度T1、T2及び周囲温度Taによって特定される点が、境界平面S1で区切られた原点側の領域にないということは、発熱部品の正常な冷却がなされておらず、冷却部に異常が生じていると判断できる。なお、図9において原点を含み斜線で示され且つ「OK」で示される側の領域は、冷却部が正常であると判定される領域を示している。それ以外の空間領域で「NG」で示された領域は、冷却部が異常であると判定される領域を示している。これらの情報はROMに記憶されている。
【0056】
図10は、本発明の一態様による冷却部の異常検査システムの第7の実施形態を示す図である。本実施形態では、図6に示される第3の実施形態に、さらに、電子回路の周囲温度を考慮することで、より正確な異常の判定を行うものである。本実施形態では、所定の回路動作を実行して発熱部品を意図的に昇温させる。その前後における消費電流を消費電流検出部によって検出し、これらの値を比較することで異常の判定を行う。図10において、横軸(X軸)は、所定の回路動作の実行前の消費電流I1を示し、縦軸(Y軸)は、所定の回路動作の実行後の消費電流I2を示す。さらに、垂直方向のZ軸を加え、Z軸は、周囲温度検出部6によって検出された周囲温度Taとする。なお、所定の回路動作とは、例えば、電子回路の機能を検証する試験である機能試験等がそれに該当する。
【0057】
この場合において、予め実験を行うことによって、図10に示される3次元の座標系に冷却部の正常及び異常の結果をプロットすると、その境界は平面で近似することができ、図10において平面S2で示されている。
【0058】
従って、本実施形態の異常判定部7は、図10に示された座標系において、検出された消費電流I1、I2及び周囲温度Taによって特定される点が、平面S2で区切られた空間領域のうち、原点を含まない側の領域にあるときに、異常と判定する。
【0059】
すなわち、所定の回路動作を実行すると、発熱部品が昇温し、その上昇に伴いリーク電流も増大するが、冷却部が正常な場合には、所定の回路動作によって昇温した発熱部品が冷却部によって冷却されてリーク電流が減少し、消費電流I2も減少する。しかしながら、消費電流I1、I2及び周囲温度Taによって特定される点が、境界平面S2で区切られた原点側の領域にないということは発熱部品の正常な冷却がなされておらず、冷却部に異常が生じていると判断できる。なお、図10において原点を含み斜線で示され且つ「OK」で示される側の領域は、冷却部が正常であると判定される領域を示している。それ以外の空間領域で「NG」で示された領域は、冷却部が異常であると判定される領域を示している。これらの情報はROMに記憶されている。
【0060】
図9及び図10に示された第6の実施形態及び第7の実施形態について、電子回路の周囲温度を考慮しない場合に較べて、より精度の高い異常の判定を行うことができる。さらに、これら実施形態における異常検査システムを、上述の恒温槽に収容し、周囲温度を常に一定として異常の判定を行うこともできる。この場合、当該異常検査システム自体には周囲温度を検出する手段を設ける必要はなく、検査の時間や場所に依らない安定した検査環境を作り出すことが可能となる。
【0061】
最後に、図11を参照しながら、第2の実施形態における異常判定部で実行される異常判定処理のフローチャートについて説明する。この処理は、冷却部の検査を実行しようとしたとき実行されるルーチンとして行われる。また、異常判定部7によって予め定められた時間間隔で自動的に実行されるルーチンとして行ってもよい。なお、他の実施形態の異常判定処理のフローチャートについて、当業者であれば図11に示されたフローチャートに基づいて容易に想到できるであろう。
【0062】
図11を参照すると、まず始めにステップ101において、部品温度T1が読み込まれる。次いでステップ102では、所定の回路動作が実行される。次いで、ステップ103では、部品温度T2が読み込まれる。次いでステップ104では、ROMから読み込まれたT2>f(T1)の関係式を満たしているか否かが判定される。当該関係式を満たしている場合には、冷却部が異常であるとして、ステップ105へ進み、異常結果の出力を行ってルーチンを終了する。一方、ステップ104において、上記関係式を満たしていない場合には、冷却部が正常であるとして、ルーチンを終了する。
【0063】
上述した実施形態は、予め実験を行うことによって得られた冷却部の正常及び異常の結果から、その境界を直線又は平面で近似したが、当然のことながら、曲線又は曲面によって近似してもよい。また、上述した実施形態において、部品温度検出部によって検出される発熱部品の部品温度を、発熱部品近傍の温度に置き換えてもよい。
なお、本発明の1番目の態様によれば、発熱部品と該発熱部品を冷却する冷却部とを備えた電子回路における前記冷却部の異常検査システムであって、前記発熱部品の温度を検出する部品温度検出部と、前記発熱部品における消費電流を検出する消費電流検出部と、前記部品温度検出部によって検出された部品温度と前記消費電流検出部によって検出された消費電流とに基づいて前記冷却部の異常を判定する異常判定部と、を具備した冷却部の異常検査システムが提供される。
また、本発明の2番目の態様によれば1番目の態様において、前記部品温度をTとし、前記消費電流をIとし、予め定められた前記部品温度の限界部品温度をTmaxとし、予め定められた前記発熱部品の限界消費電流をImaxとし、予め定められた当該異常検査システムの限界周囲温度をTamaxとすると、
T>(Tmax−Tamax)×I/Imax+Tamax
又は、
I>Imax
の関係式を満たしたときに、前記異常判定部が異常と判定する冷却部の異常検査システムが提供される。
すなわち、本発明の1番目及び2番目の態様では、電子回路の冷却部の実装不良や故障等の異常を確実且つ簡便な手法で検査が可能になるという効果を奏する。また、これら発明は、ある時点での部品温度及び消費電流に基づいて異常の判定するため、その判定を短時間で行うことができるという効果も奏する。
また、本発明の3番目の態様によれば、発熱部品と該発熱部品を冷却する冷却部とを備えた電子回路における前記冷却部の異常検査システムであって、前記発熱部品の温度を検出する部品温度検出部と、前記発熱部品を昇温させる回路動作の実行前に前記部品温度検出部によって検出された第1部品温度及び前記回路動作の実行後に前記部品温度検出部によって検出された第2部品温度に基づいて前記冷却部の異常を判定する異常判定部と、を具備した冷却部の異常検査システムが提供される。
また、本発明の4番目の態様によれば3番目の態様において、前記第1部品温度をT1とし、前記第2部品温度をT2とすると、予め定められた冷却部の正常及び異常の境界を示す関数f:T2=f(T1)において、T2>f(T1)の関係式を満たしたときに、前記異常判定部が異常と判定する冷却部の異常検査システムが提供される。
すなわち、本発明の3番目及び4番目の態様では、電子回路の冷却部の実装不良や故障等の異常を確実且つ簡便な手法で検査が可能になるという効果を奏する。また、これら発明は、部品温度のみに基づいて異常の判定するため、その温度は1箇所の温度でもいいことから、より単純な構成でその判定を行うことができるという効果も奏する。
また、本発明の5番目の態様によれば、発熱部品と該発熱部品を冷却する冷却部とを備えた電子回路における前記冷却部の異常検査システムであって、前記発熱部品における消費電流を検出する消費電流検出部と、前記発熱部品を昇温させる回路動作の実行前に前記消費電流検出部によって検出された第1消費電流及び前記回路動作の実行後に前記消費電流検出部によって検出された第2消費電流に基づいて前記冷却部の異常を判定する異常判定部と、を具備した冷却部の異常検査システムが提供される。
また、本発明の6番目の態様によれば5番目の態様において、前記第1消費電流をI1とし、前記第2消費電流をI2とすると、予め定められた冷却部の正常及び異常の境界を示す関数g:I2=g(I1)において、I2>g(I1)の関係式を満たしたときに、前記異常判定部が異常と判定する冷却部の異常検査システムが提供される。
すなわち、本発明の5番目及び6番目の態様では、電子回路の冷却部の実装不良や故障等の異常を確実且つ簡便な手法で検査が可能になるという効果を奏する。また、これら発明は、消費電流のみに基づいて異常の判定するため、各部の温度を検出する必要が無く、より単純な構成でその判定を行うことができるという効果も奏する。
また、本発明の7番目の態様によれば本発明の1から6番目のいずれか1つの態様において、当該異常検査システムの周囲温度を検出する周囲温度検出部をさらに具備し、前記異常判定部が、さらに、該周囲温度検出部によって検出された周囲温度に基づいて前記冷却部の異常を判定する冷却部の異常検査システムが提供される。
すなわち、本発明の7番目の態様では、判定に際して周囲温度をさらに考慮することから、より精度の高い異常の判定を行うことができるという効果を奏する。
また、本発明の8番目の態様によれば本発明の3から6番目のいずれか1つの態様において、当該異常検査システムを所定の温度に維持するように収容可能な恒温槽をさらに具備した冷却部の異常検査システムが提供される。
すなわち、本発明の8番目の態様では、常に同一の周囲温度で異常の判定を行うことができることから、よく校正のされた条件の下より精度の高い異常の判定を行うことができるという効果を奏する。また、周囲温度が一定であることから、当該異常検査システム自体には周囲温度を検出する手段を設ける必要はなく、且つ、検査の時間や場所に依らない安定した検査環境を作り出すことが可能となる。
また、本発明の9番目の態様によれば本発明の1から8番目のいずれか1つの態様において、前記異常判定部が異常と判定すると、異常を画面に表示若しくは音声で通知し、又は、判定結果を記録し、又は、前記発熱部品を省電力状態に移行し、又は、前記発熱部品の電源を遮断し、又は、異常の監視を行うシステムへ通知する冷却部の異常検査システムが提供される。
すなわち、本発明の9番目の態様では、出荷後のシステム動作中に、画面表示や音声でユーザーやオペレーターに異常を通知したり判定結果を記録したり、省電力状態へ移行したり、電源を遮断したり、異常の監視を行うシステムへ通知したりすることによって、冷却部の交換・修理等を促すことができ、加熱による発熱部品の破損等の障害を未然に防ぐことが可能になるという効果を奏する。従って、本発明の9番目の態様は、衝撃や経年変化による冷却部の実装状態変化や故障等を自己診断するシステムとして応用することもできる。なお、本発明は、出荷前の試験においても有効である。
【符号の説明】
【0064】
1 電子回路
2 発熱部品
3 冷却部
4 部品温度検出部
5 消費電流検出部
7 異常判定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱部品と該発熱部品を冷却する冷却部とを備えた電子回路における前記冷却部の異常検査システムであって、
前記発熱部品の温度を検出する部品温度検出部と、
前記発熱部品を昇温させる回路動作の実行前に前記部品温度検出部によって検出された第1部品温度及び前記回路動作の実行後に前記部品温度検出部によって検出された第2部品温度に基づいて前記冷却部の異常を判定する異常判定部と、
を具備し、
前記第1部品温度をT1とし、前記第2部品温度をT2とすると、予め定められた冷却部の正常及び異常の境界を示す関数f:T2=f(T1)において、T2>f(T1)の関係式を満たしたときに、前記異常判定部が異常と判定する冷却部の異常検査システム。
【請求項2】
当該異常検査システムの周囲温度を検出する周囲温度検出部をさらに具備し、
前記異常判定部が、さらに、該周囲温度検出部によって検出された周囲温度に基づいて前記冷却部の異常を判定する請求項1に記載の冷却部の異常検査システム。
【請求項3】
当該異常検査システムを所定の温度に維持するように収容可能な恒温槽をさらに具備した請求項1又は2に記載の冷却部の異常検査システム。
【請求項4】
前記異常判定部が異常と判定すると、異常を画面に表示若しくは音声で通知し、又は、判定結果を記録し、又は、前記発熱部品を省電力状態に移行し、又は、前記発熱部品の電源を遮断し、又は、異常の監視を行うシステムへ通知する請求項1から3のいずれか1つに記載の冷却部の異常検査システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−64975(P2012−64975A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−273796(P2011−273796)
【出願日】平成23年12月14日(2011.12.14)
【分割の表示】特願2010−125904(P2010−125904)の分割
【原出願日】平成22年6月1日(2010.6.1)
【出願人】(390008235)ファナック株式会社 (1,110)
【Fターム(参考)】