説明

電子回路の製造方法、および電子回路製造装置

【課題】装置構成の複雑化を招くことなく、素子における割れやクラックの発生を抑制することができる技術を提供する。
【解決手段】素子に設けられた第1導電部と、第2導電部とが電気的に接続されて成る接続部を有する電子回路の製造方法であって、第1導電部に対して半田を介して接触された第2導電部を、該第2導電部の下方に位置し且つ少なくとも一以上の孔部が設けられた支持部によって支持する支持工程と、半田を加熱して、その少なくとも一部を溶融させる加熱工程と、所定の孔部から第2導電部に向けて気体を噴射して、支持工程において第2導電部が支持部によって支持された状態よりも、第2導電部の少なくとも一部を支持部から離隔させる噴射工程とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子回路に関するものであり、特に半田による電気的な接続に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境問題などの視点から太陽電池モジュールの設置が急速に進んでいる。
【0003】
この太陽電池モジュールを構成する太陽電池素子は、単結晶シリコン基板や多結晶シリコン基板などを用いて作製されることが多い。このため、太陽電池素子は物理的な衝撃に対して割れやすく、野外に太陽電池素子を設置する場合には、風雨から保護するための構成が必要である。また、一般的に、太陽電池素子1枚だけでは発生する電気出力が小さいため、複数の太陽電池素子を電気的に直列および並列的に接続して、ある程度大きな電気出力が得られるように構成される必要がある。
【0004】
このため複数の太陽電池素子を電気的に接続した上で、透光性の基板とエチレンビニルアセテート共重合体(EVA)などを主成分とする充填材で封入して太陽電池モジュールを作製することが通常行われている。
【0005】
図28は、一般的な太陽電池モジュール100の受光面側の外観を例示した図である。
【0006】
図28で示すように、太陽電池モジュール100は、透光性基板101、複数(図28では16枚)の太陽電池素子120、バスバー電極121、接続タブT、およびモジュール枠105を備える。
【0007】
太陽電池モジュール100は、透光性基板101と裏面シート(不図示)の間に、接続タブTによって電気的に接続された複数の太陽電池素子120を充填材で封入した太陽電池パネルを作製し、該太陽電池パネルの外周部にモジュール枠105が取り付けられて構成される。なお、太陽電池モジュール100のコーナー部分では、例えばビス止めによってモジュール枠105が固定される。
【0008】
複数の太陽電池素子120間の電気的な接続は、通常厚さ0.1〜1.0mm程度、幅1〜3mm程度の銅などの導電性の良好な金属(良導電性の金属)によって行われる。より詳細には、良導電性金属の全面に半田を被覆させ、所定の長さを有するリボン状の形状に切断されることで形成された接続タブTが、2つの太陽電池素子120のバスバー電極121間に架設されて、各バスバー電極121に対して半田付けによって電気的に接続される。
【0009】
図29は、図28で示した太陽電池モジュール100のうち、2つの太陽電池素子120a,120bに着目して、2つの太陽電池素子120a,120bが接続タブTによって電気的に直列に接続された状態を示している。
【0010】
図29で示すように、2つの太陽電池素子120a,120bの間を直列に接続するために、太陽電池素子120aの裏面側のバスバー電極(不図示)に電気的に接続されている接続タブTが、隣接する太陽電池素子120bの受光面側のバスバー電極121に対して半田付けによって電気的に接続される。このような太陽電池素子120aの裏面側のバスバー電極に対して電気的に接続された接続タブTを次の太陽電池素子120bの受光面側のバスバー電極に対して電気的に接続することを、所定の枚数の太陽電池素子について繰り返すことで、所望の電力の発電が可能となる。
【0011】
ところで、このような太陽電池モジュールの製造においては、品質向上および製造コスト低減を図る上で、太陽電池素子に対して接続タブTを正確かつ効率良く半田付けすることが望まれている。そこで、例えば、接続タブTを太陽電池素子の表面側と裏面側のバスバー電極に対して同時に取り付ける装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0012】
この特許文献1で提案されている装置では、太陽電池素子の位置決めが行われた後に、幅が太陽電池素子のバスバー電極間のピッチよりも狭く設定された歯付きベルト上に太陽電池素子が載置され、半田付け作業位置に間欠的に搬送される。そして、半田付け作業位置では歯付きベルト上に載置された太陽電池素子の表面側のバスバー電極に接続タブが移送されてピンなどで押圧されながら、接続タブに向けて熱風が供給されることで半田付けが施されると共に、作業テーブル上に載置された接続タブが下部押圧装置により太陽電池素子の裏面側のバスバー電極に押圧されながら半田付けが施される。
【0013】
【特許文献1】特開2006−135258号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、半田付けによって太陽電池素子の電極に対して接続タブを電気的に接続する場合、半田付けされる面(半田面)の酸化膜を取り去る等の目的で、接続タブと太陽電池素子の電極の少なくとも一方の表面に、半田付け前に融剤であるいわゆるフラックスを塗布しておく必要がある。そして、半田付けで接続タブと太陽電池素子の電極とを接続した場合、接続タブおよび太陽電池素子の双方とも半田の溶融温度(例えば、約200℃)以上の温度になる。このため、上記特許文献1で提案されている技術のように、裏面側の接続タブを作業テーブルに載置して、下部押圧装置により太陽電池素子の裏面側の電極に半田付けを施す場合、接続タブや太陽電池素子の電極に塗布したフラックスが流れて、接続タブが半田付けされた太陽電池素子と作業テーブルや下部押圧装置とが固着してしまう。その結果、半田付け後の太陽電池素子を半田付け作業位置から平行移動したり、上方に持ち上げた際に、太陽電池素子が割れたり、欠け(クラック)を生じるような不具合が発生することが考えられる。
【0015】
特に、最近の太陽電池モジュールでは、環境面への配慮から鉛が実質的に含まれていない半田を使用するケースが増えており、この鉛が実質的に含まれない半田を使用する場合には、その半田の物性から半田付け温度が高くなるため、上述したフラックスによる太陽電池素子と作業テーブルとの固着がより強固になる傾向にある。更に、太陽電池素子では、コストダウンを指向してシリコン基板がより薄くなる傾向にあり、太陽電池素子の割れやクラックが発生し易い状況にあると言える。
【0016】
そして、太陽電池素子に割れやクラックが発生すると太陽電池モジュールの製造における歩留りの低下を招き、更に太陽電池モジュールの品質に対する信頼性の低下をも招く可能性がある。
【0017】
また、上述した特許文献1の技術においては、裏面側の接続タブを作業テーブルに載置して、裏面側の接続タブを太陽電池素子の裏面側の電極に押圧しながら半田付けを施すため、下部押圧装置が必要となり、装置の機構が複雑で、装置の製造コストの上昇を招いてしまうといった問題もあった。
【0018】
このような問題は、太陽電池モジュールの製造に限られるものではなく、例えば半導体素子などを含むような電子回路について、素子側の電極と導電性を有する部材とを半田で電気的に接続する場合一般に共通して生じ得る。
【0019】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、装置構成の複雑化を招くことなく、素子における割れやクラックの発生を抑制することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明は、素子に設けられた第1導電部と、第2導電部とが電気的に接続されて成る接続部を有する電子回路の製造方法であって、前記第1導電部に対して半田を介して接触された前記第2導電部を、該第2導電部の下方に位置し且つ少なくとも一以上の孔部が設けられた支持部によって支持する支持工程と、所定の前記孔部から前記第2導電部に向けて気体を噴射して、前記支持工程において前記第2導電部が前記支持部によって支持された状態よりも、前記第2導電部の少なくとも一部を前記支持部から離隔させる噴射工程とを備えることを特徴とする。
【0021】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の電子回路の製造方法であって、前記半田は、前記第2導電部を被覆してなるものであることを特徴とする。
【0022】
また、請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の電子回路の製造方法であって、前記加熱工程において、前記素子は前記第1導電部と異なる主面に形成された第3導電部を有し、且つ、該第3導電部に対して第2の半田を介して第4導電部を接触した状態で、前記半田と前記第2の半田とを加熱することを特徴とする。
【0023】
また、請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の電子回路の製造方法であって、前記噴射工程において、前記気体の噴射は、前記半田が溶融される前から開始されることを特徴とする。
【0024】
また、請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の電子回路の製造方法であって、前記支持工程において、所定の前記孔部が前記第2導電部を吸引することを特徴とする。
【0025】
また、請求項6の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の電子回路の製造方法であって、前記支持工程において、前記支持部は溝部を有し、該溝部内に前記第2導電部の少なくとも一部が位置するようにして該第2導電部を支持することを特徴とする。
【0026】
また、請求項7の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の電子回路の製造方法であって、前記支持工程において、所定の前記孔部が前記素子を吸引することを特徴とする。
【0027】
また、請求項8の発明は、請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の電子回路の製造方法であって、前記噴射工程において、所定の前記孔部が前記素子に向けて前記気体を噴射することを特徴とする。
【0028】
また、請求項9の発明は、請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の電子回路の製造方法であって、前記素子が半導体素子を含むことを特徴とする。
【0029】
また、請求項10の発明は、請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の電子回路の製造方法であって、前記素子が太陽電池素子を含むことを特徴とする。
【0030】
また、請求項11の発明は、素子に設けられた第1導電部と、第2導電部とが電気的に接続されて成る接続部を有する電子回路を製造する電子回路製造装置であって、少なくとも一以上の孔部を備え、且つ、前記第1導電部に対して半田を介して接触された前記第2導電部を支持する支持部と、前記半田を加熱して、その少なくとも一部を溶融させる加熱部と、所定の前記孔部から前記第2導電部に向けて気体を噴射するように制御する制御部とを備えることを特徴とする。
【0031】
また、請求項12の発明は、請求項11に記載の電子回路製造装置であって、所定の前記孔部は、前記素子及び前記第2導電部の少なくとも一方を吸引するものであることを特徴とする。
【0032】
また、請求項13の発明は、請求項11又は請求項12に記載の電子回路製造装置であって、前記支持部は、内部に前記第2導電部の少なくとも一部が配される溝部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0033】
請求項1から請求項10のいずれに記載の発明によっても、素子に設けられた第1導電部に対して半田を介して接触された第2導電部を下方から支持部によって支持しつつ、第1導電部の下面側から第2導電部を半田付けする際に、支持部に設けられた孔部から第2導電部に向けて気体を噴射するような構成を採用することで、第2導電部に付着している半田が、支持部から離隔された状態で凝固し易くなるため支持部と素子とが固着されにくい。したがって、装置構成の複雑化を招くことなく、素子における割れやクラックの発生を抑制することができる。
【0034】
また、請求項2に記載の発明によれば、半田で被覆された第2導電部を用いるため製造時の作業効率を向上させることができ、且つ、噴射工程によって第1導電部側よりも支持部に付着し易い支持部側の半田やフラックスが支持部へ付着することを抑制できる。
【0035】
また、請求項3に記載の発明によれば、異なる主面にそれぞれ接続部を有するような電子回路を製造する場合であっても、加熱工程によって同時に接続部を形成することができるため、半田付けに要する時間をさらに短縮化することができる。
【0036】
また、請求項4に記載の発明によれば、支持部に設けられた孔部から第2導電部に向けた気体の噴射が、半田が溶融される前から開始されるため、支持部へのフラックスの流れが早期に抑制され、装置構成の複雑化を招くことなく、素子における割れやクラックの発生を更に抑制することができる。
【0037】
また、請求項5に記載の発明によれば、第2導電部が支持部によって支持された状態で孔部によって吸引されるような構成を採用することで、例えば、第2導電部がうねったり、湾曲している場合にも、形状が矯正されるため、第1導電部と第2導電部とが相互に対向する面の全面にわたって接触するように半田付けを行うことができる。また、支持部上における第2導電部の位置決め精度の向上や、半田付けを行う際における支持部と第2導電部との位置関係のずれが生じ難くすることができる。
【0038】
また、請求項6に記載の発明によれば、支持部に設けられた溝部に第2導電部の少なくとも一部が位置するようにして支持部が第2導電部を支持するような構成を採用することで、機械的な振動などにより支持部上における第2導電部の位置が所望の位置からずれるような不具合を抑制することができる。また、支持部上の所望の位置に第2導電部を容易に配置することもできる。
【0039】
また、請求項7に記載の発明によれば、支持部に設けられた孔部によって素子が吸引されることで、機械的な振動などにより支持部上で素子が所望の位置からずれるような不具合を抑制することができる。したがって、第1および第2導電部の半田付けを高精度で行うことが可能となる。
【0040】
また、請求項8に記載の発明によれば、支持部に設けられた孔部から素子に向けて気体を噴射するような構成を採用することで、例えば、支持部の上面のうちの第2導電部が載置される領域以外に飛び散ったフラックスや半田やその他の汚れなどにより、素子の下面が支持部に固着するような不具合の発生を抑制することができる。
【0041】
また、請求項10に記載の発明によれば、例えば、シリコン基板がより薄くなる傾向にあり、太陽電池素子の割れやクラックが発生し易い実情に応じて、装置構成の複雑化を招くことなく、素子における割れやクラックの発生を抑制することができる。
【0042】
また、請求項11に記載の発明によれば、少なくとも一以上の孔部を備え、且つ、第1導電部に対して半田を介して接触された第2導電部を支持する支持部と、半田を加熱して、その少なくとも一部を溶融させる加熱部と、支持部に設けられた孔部のうちの所定の孔部から第2導電部に向けて気体を噴射するように制御する制御部とを備えているため、請求項1と同様な作用効果を得ることができる。
【0043】
また、請求項12に記載の発明によれば、支持部に設けられた孔部によって、素子及び第2導電部のうちの少なくとも一方を吸引するような構成を採用することで、請求項5及び請求項7のうちの少なくとも一方と同様な作用効果を得ることができる。
【0044】
また、請求項13に記載の発明によれば、支持部に第2導電部の少なくとも一部が配される溝部を設けることで、該溝部に第2導電部の少なくとも一部が配されれば、機械的な振動などにより支持部上における第2導電部の位置が所望の位置からずれるような不具合を抑制することができる。また、支持部上の所望の位置に第2導電部を容易に配置することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0046】
<第1実施形態>
<太陽電池モジュール製造装置の構成>
図1は、第1実施形態に係る太陽電池モジュール製造装置10の構成を示す図である。図1では、作業テーブル11については、断面模式図が示され、図1および図1以降の図では、方位関係を明確化するためにXYZの直交する3軸を付している。
【0047】
太陽電池モジュール製造装置10は、太陽電池素子の表裏面に設けられた導電部であるバスバー電極に対して、導電性を有する部材である接続タブを半田付けする装置である。そして、図1で示すように、太陽電池モジュール製造装置10は、主に作業テーブル11、吸引用ポンプ12、高圧気体の供給源13、吸引用バルブ14、噴射用バルブ15、押し付けピン16、熱風吹き出しノズル17、および全体制御部50を備える。
【0048】
図2は、作業テーブル11の上面11uを例示する平面図である。また、図3は、接続タブが半田付けされる対象となる太陽電池素子20の一方主面すなわち表面(受光面)側の構成を例示する平面図である。更に、図4は、太陽電池素子20の他方主面すなわち裏面側(半田付け工程では下面側)のバスバー電極(以下「下面側バスバー電極」とも「第1導電部」とも称する)21に対して半田付けされる接続タブ(以下「下面側接続タブ」とも「第2導電部」とも称する)LTa,LTbが作業テーブル11の上面11uに載置された状態を示す図である。なお、以下では、接続タブを適宜「接続タブT」と総称する。
【0049】
図3で示すように、太陽電池素子20は、例えば、主として、0.3〜0.4mm程度の厚みと、一辺が150mm程度の略正方形の盤面を有し、単結晶シリコンや多結晶シリコンによって形成されている。そして、太陽電池素子20の内部にはボロンなどのP型不純物を多く含んだP層とリンなどのN型不純物を多く含んだN層とが接しているPN接合(不図示)が形成されている。また太陽電池素子20の表面にはバスバー電極21とフィンガー電極22とが櫛歯状の電極を構成するように形成されている。
【0050】
バスバー電極21とフィンガー電極22は、銀ペーストなどをスクリーン印刷すること等によって形成される。なお、バスバー電極21の表面は、その保護と接続タブを取り付け易くするために、そのほぼ全面に渡って半田がコーティングされても良い。
【0051】
フィンガー電極22は、幅が0.1〜0.2mm程度の比較的細い電極で、太陽電池素子20の外縁のうち対向する一組の辺に対して平行に形成され、受光されることで生成されるキャリヤを収集するために多数本形成される。一方、バスバー電極21は、フィンガー電極22によって収集されたキャリヤを集電し、太陽電池素子20用の接続タブTを取り付けるために、幅が2mm程度で、フィンガー電極22と略垂直に交わるように2〜3本程度形成される。このようなバスバー電極21とフィンガー電極22は、太陽電池素子20の非受光面側にも同様に形成されている。なお、バスバー電極21とフィンガー電極22の厚みは通常5〜20μm程度であることが多い。
【0052】
図2で示すように、作業テーブル11は、外形が矩形状の平板によって形成され、太陽電池素子20の下面側のバスバー電極21に対して下面側接続タブLTa,LTbを半田付けする際に、該下面側接続タブLTa,LTbを下面側から支持するものである。
【0053】
作業テーブル11の上面11uの寸法としては、接続タブTが半田付けされる太陽電池素子20よりも一辺が10〜30mm程度大きなものが好適であり、例えば太陽電池素子20の一辺が150mm程度である場合には、作業テーブル11の上面11uの寸法は、外形の一辺が160〜180mm程度の大きさであれば好適である。また、作業テーブル11の厚みとしては、例えば10〜20mm程度のものが挙げられる。更に、作業テーブル11を構成する素材としては、ステンレスやアルミニウム、真鍮、鉄などの熱を伝え易い金属などが挙げられ、作業テーブル11の表面は、酸化防止や半田やフラックスなどの固着防止を目的として、フッ素樹脂などでコーテングされることが望ましい。
【0054】
また、作業テーブル11の内部には、作業テーブル11上に太陽電池素子20が載置される領域がほぼ均一に加熱および昇温されるように複数のヒーター(不図示)が内蔵されている。つまり、作業テーブル11は、いわゆる加熱プレートとして構成されている。そして、ヒータとしては、例えば、作業テーブル11の内部に所定間隔で延設されるコイル等が挙げられる。より具体的には、太陽電池素子20が一般的な一辺が150mm程度の略正方形の大きさを有する場合には、20〜40mm間隔で4〜6本程度のヒーターを内蔵することが好適である。また、作業テーブル11の内部または表面には温度センサー(不図示)が設けられ、フィードバック制御等の自動温度調節によって一定温度に維持可能に構成されている。
【0055】
また、図1および図2で示すように、作業テーブル11では、上面11u側から下面にかけて複数の貫通孔11hが形成され、複数の貫通孔11hの開口が、上面11u上で列を成している。図2では、5つの貫通孔11hによって構成される貫通孔の列(貫通孔列)が2列設けられている態様が示されている。
【0056】
そして、図4で示すように、貫通孔11hの列は、作業テーブル11のうち、太陽電池素子20の下面側に接続タブLTa,LTbが半田付けされる際に、該接続タブLTa,LTbが載置される領域に形成されている。なお、各貫通孔列では貫通孔11hが8〜25mm程度の間隔で設けられ、貫通孔11hの直径としては、接続タブLTa,LTbの幅の1/4〜2/3程度のものが好適である。
【0057】
ここで、太陽電池素子20のバスバー電極21に電気的に接続される接続タブTは、導電性を有する部材であり、0.1〜1.0mm程度の厚みを有している。この接続タブTの幅は、半田付け後に、下面側接続タブLTa,LTbによって太陽電池素子20の受光面に影が形成されないように、バスバー電極21の幅と同じかそれ以下となるように設定される。接続タブTの長さは、太陽電池モジュールを構成する1つの太陽電池素子20の受光面側のバスバー電極21のほぼ全長に渡って重なり、更に、1つの太陽電池素子20から所定距離だけ離隔配置された他の1つの太陽電池素子20の裏面側のバスバー電極21のほぼ全長に渡って重なるような長さに設定される。例えば、一般的な一辺が150mm程度の略正方形の盤面を有するシリコン基板を用いた太陽電池素子を使用する場合には、接続タブTは1〜3mm程度の幅、および200〜300mm程度の長さを有するような態様が挙げられる。なお、太陽電池素子20用の接続タブTが、電極21のほぼ全長に渡って重なるように電気的に半田付けされるのは、電気抵抗を低減させるためである。
【0058】
接続タブTを構成する素材としては、銀、銅、アルミニウム、鉄などの電気伝導性の高い良導電性の金属が挙げられるが、その導電性や半田のコーティングのし易さなどを考慮すると、銅であることが好ましい。また、接続タブTは、太陽電池素子20のバスバー電極21に対して半田付けし易いように、その全面が半田によってコーティングされる。詳細には、銅箔などを溶融された半田の浴槽に浸漬するディピングや半田をメッキすることにより、各面とも20〜70ミクロン程度の厚みの半田が被覆される。
【0059】
図1に戻って説明を続ける。
【0060】
吸引用ポンプ12は、貫通孔11hに対してパイプ19を介して連通接続され、貫通孔11h上に存在するものを吸引するものである。そして、吸引用バルブ14は、吸引用ポンプ12と貫通孔11hとを接続するパイプ19の経路を開閉するものであり、貫通孔11hから固体や気体や液体を吸引する状態(吸引状態)と、吸引しない状態(非吸引状態)とを選択的に切り換えるものである。なお、吸引用ポンプ12としては、小型の真空ポンプなどが好適に採用され、吸引用バルブ14としては、気体の流れを制御する電磁弁などが好適に採用される。
【0061】
高圧気体の供給源13は、貫通孔11hに対してパイプ19を介して連通接続され、貫通孔11hから所定の気体を噴出させるものである。そして、噴射用バルブ15は、高圧気体の供給源13と貫通孔11hとを接続するパイプ19の経路を開閉するものであり、貫通孔11hから気体を噴出する状態(噴出状態)と、噴出しない状態(非噴出状態)とを選択的に切り換えるものである。なお、高圧気体の供給源13としては、圧力が一定に制御された空気または不活性気体のタンクなどが好適に採用される。
【0062】
押し付けピン16は、太陽電池素子20の受光面側(半田付け工程では上面側)のバスバー電極(以下「上面側バスバー電極」とも「第3導電部」とも称する)21に対して接続タブ(以下「上面側接続タブ」とも「第4導電部」とも称する)UTa,UTbを半田付けする際に、該上面側接続タブUTa,UTbが動かないように、該上面側接続タブUTa,UTbを上面側バスバー電極21に対して押し付けて固定するものである。この押し付けピン16は、上下方向に駆動可能であり、この上下駆動を可能とする手段としては、エアーシリンダなどが挙げられる。なお、上面側接続タブUTa,UTbは、下面側接続タブLTa,LTbと一体の接続タブTを形成するため、当然、同様な構成を有する。
【0063】
熱風吹き出しノズル17は、内径が3〜10mm程度のステンレス製のパイプなどで構成され、一端側の開口(吹き出し口)から熱風を吹き出すものである。そして、熱風吹き出しノズル17は、作業テーブル11の斜め上方から貫通孔11hの列上に向けて延設され、吹き出し口から貫通孔11hの列上に向けて熱風が吹き出されるように配置されている。また、熱風吹き出しノズル17の他端は、熱風を発生させる装置に対して連結されている。なお、熱風吹き出しノズル17の吹き出し口の付近には熱電対などの温度センサー(不図示)が配置され、熱風の温度が所定の温度となるように制御可能となっている。
【0064】
全体制御部50は、太陽電池モジュール製造装置10全体の動作を制御するものであり、例えば、CPUやROMやRAM等を備え、ROM等に格納されたプログラムを適宜CPUで読み込んで実行することで、各種動作や制御に係る機能を実現する。より詳細には、全体制御部50は、押し付けピン16の上下駆動、熱風吹き出しノズル17からの熱風の吹き出しの開始と終了動作、吸引用バルブ14による吸引状態と非吸引状態との選択的な切り換え動作、および 噴射用バルブ15による噴出状態と非噴出状態との選択的な切り換え動作等を制御する機能を有する。
【0065】
次に、太陽電池モジュールの製造工程に含まれる、太陽電池モジュール製造装置10を用いたバスバー電極21に対する接続タブTの半田付け工程について説明する。
【0066】
<接続タブの半田付け工程>
図5は、太陽電池モジュール製造装置10を用いたバスバー電極21に対する接続タブTの半田付け工程を示すフローチャートである。また、図6から図9は、本半田付け工程を構成する各ステップにおける状態を示す図である。なお、本半田付け工程における主要な動作は全体制御部50によって制御され、本半田付け工程は、所定のタイミングで開始されて、各太陽電池素子20のバスバー電極21に対する接続タブTの半田付けが行われる度に実行される。
【0067】
まず、事前に、作業テーブル11を所定温度まで昇温し維持しておく。この所定温度は、半田の融点より5〜30℃程度低い温度が好適である。具体的には、所定温度は、例えば、共晶半田を用いる場合には、170〜180℃程度、Sn−Cu−Ag系の半田を用いる場合には、180〜200℃程度であることが好適である。
【0068】
(1)そして、所定温度まで昇温ならびに維持された作業テーブル11の上面11uのうちの貫通孔11hの列の上に、太陽電池素子20の裏面側(本工程では下面側)に半田付けするための接続タブ(下面側接続タブ)LTa,LTbを載置する(ステップS1、図6(a))。このとき、作業テーブル11は、下面側接続タブLTa,LTbの下方に位置し、下面側接続タブLTa,LTbを支持する。
【0069】
(2)次に、吸引用バルブ14が開いた状態となり、吸引用ポンプ12により貫通孔11h内部を0.01〜0.08MPa程度まで減圧し、作業テーブル11の上面11uのうちの所定の位置で貫通孔11hによって下面側接続タブLTa,LTbを吸引し固定する(ステップS2、図6(a))。つまり、ここでは、貫通孔11hによる下面側接続タブLTa,LTbの吸引が開始され、下面側接続タブLTa,LTbが貫通孔11hに吸着されて、上面11u上で固定される。
【0070】
(3)この下面側接続タブLTa,LTbが貫通孔11hに吸着された状態で、太陽電池素子20の下面側バスバー電極21が下面側接続タブLTa,LTbに接するように、太陽電池素子20を作業テーブル11上に載置する(ステップS3、図6(b))。この太陽電池素子20を作業テーブル11上に載置する手段としては、手動で行う手段を採用しても良く、また、別の作業テーブル上でいわゆるピンアライメントや画像処理などによって太陽電池素子20の位置決めを行い、この太陽電池素子20を吸着パッド等で吸着して搬送する手段を採用しても良い。
【0071】
(4)更に、太陽電池素子20の上面側バスバー電極21上に、上面側接続タブUTa,UTbを載置する(ステップS4、図7(a))。
【0072】
(5)その後、押し付けピン16を下方に駆動させ、上面側接続タブUTa,UTbを上面側バスバー電極21に対して押圧する(ステップS5、図7(a))。このとき、下面側バスバー電極21の下面側から下面側接続タブLTa,LTbが半田を介して接触された状態、および上面側バスバー電極21の上面側から上面側接続タブUTa,UTbが半田を介して接触された状態で、作業テーブル11が下面側接続タブLTa,LTbを下面側から支持している状態となる。
【0073】
(6)そして、押し付けピン16によって上面側接続タブUTa,UTbを上面側バスバー電極21に対して押し付けている部分に、熱風吹き出しノズル17から400〜500℃程度の熱風を吹き付ける動作を開始する(ステップS6、図7(b))。このとき、上面側接続タブUTa,UTbに被覆されていた半田が加熱されて溶融するとともに、熱伝導によって下面側接続タブLTa,LTbに被覆されていた半田も加熱されて溶融する。また、この熱風吹き出しノズル16から400〜500℃程度の熱風を吹き出し始めるのと略同時に吸引用バルブ14を閉じ、噴射用バルブ15を開けて空気または窒素やアルゴンなどの不活性気体を貫通孔11hから噴出させ始める(ステップS6、図8(a))。
【0074】
なお、本願発明者らが繰り返し行った実験結果によれば、このとき貫通孔11hから噴出される気体としては、半田、上面側および下面側接続タブUTa,UTb,LTa,LTb、およびバスバー電極21の酸化を防止する点で、窒素やアルゴンなどの不活性ガスを採用することが望ましく、更にコスト面を考慮すると窒素ガスが好適である。
【0075】
(7)そして、熱風吹き出しノズル17からの熱風の吹き出しを止めて、加熱を終了する(ステップS7、図8(b))。なお、ステップS6〜S7における熱風吹き出しノズル17からの熱風の吹きつけは、例えば数秒程度行われる。加熱を終了すると、上面側接続タブUTa,UTbと上面側バスバー電極21との間に介在する半田が凝固し始め、上面側バスバー電極21に対して上面側接続タブUTa,UTbが半田付けされる。また、下面側接続タブLTa,LTbと下面側バスバー電極21との間に介在する半田も凝固し始め、下面側バスバー電極21に対して下面側接続タブLTa,LTbが半田付けされる。つまり、下面側接続タブLTa,LTbと下面側バスバー電極21とが凝固した半田によって電気的に接続された部分(以下「接続部」とも称する)が形成される。このとき、貫通孔11hから所定の気体が噴射されているため、下面側接続タブLTa,LTb、及び下面側接続タブLTa,LTbの下面側の半田が噴射される気体の圧力によって若干持ち上げられた状態で凝固する。すなわち、下面側接続タブLTa,LTbのうち、所定の気体によって圧力を受ける部分が、下面側に付着している半田ごと、ステップS1における状態よりも、作業テーブル11から離隔された状態となって、半田が凝固する。このため、下面側接続タブLTa,LTbの下面側に付着している半田が作業テーブル11と固着する現象が抑制される。なお、下面側接続タブLTa,LTbと作業テーブル11とが固着する現象を抑制するためには、半田が凝固する際に下面側接続タブLTa,LTbのうちの作業テーブル11から離隔される部分は、下面側接続タブLTa,LTbのうちの少なくとも一部であれば良い。
【0076】
(8)半田が完全に固化した後、噴射用バルブ15を閉じて、貫通孔11hからの気体の噴出を止める(ステップS8、図9(a))。
【0077】
(9)押し付けピン16を上方に駆動させ、上面側バスバー電極21に対する上面側接続タブUTa,UTbの半田付け、および下面側バスバー電極21に対する下面側接続タブLTa,LTbの半田付けが完了する(ステップS9、図9(b))。
【0078】
(10)作業テーブル11上に載置された太陽電池素子20を移動させて、本半田付け工程が終了する(ステップS10)。そして、直列接続される太陽電池素子20の数に合わせて、適宜、ステップS1〜S10の工程が繰り返される。
【0079】
以上のように、第1実施形態に係る太陽電池モジュール製造装置10によれば、下面側バスバー電極21の下面側から下面側接続タブLTa,LTbを半田付けする際に、例えば、半田が溶融された状態から該半田が凝固された状態に至るまでの期間において、下面側接続タブLTa,LTbが載置されている作業テーブル11に設けられた貫通孔11hから該下面側接続タブLTa,LTbの下面側に向けて気体が噴射される。このような構成を採用することで、下面側接続タブLTa,LTbを下面側バスバー電極21に対して半田付けした後に太陽電池素子20が半田やフラックスなどによって作業テーブル11に固着するような不具合が抑制される。このため、作業テーブル11上から太陽電池素子20を移動させる際に、太陽電池素子20に割れやクラックが発生することが抑制され、太陽電池素子20の製造の歩留まりが向上する。そして、気体を噴射させるための構成は、複雑な駆動機構を必要としないため、装置構成の複雑化を招くことなく、太陽電池素子20における割れやクラックの発生を抑制することができる。また、常温の気体を噴射すれば、装置の複雑化を招くことなく半田の固化を促進させることができるため、半田付けに要する時間の短縮化、すなわち作業タクトの短縮化も可能となる。
【0080】
特に、太陽電池素子20に使用されるシリコン基板がより薄くなる傾向にあり、太陽電池素子20の割れやクラックが発生し易い実情を考慮すると、太陽電池モジュール製造装置10によれば、この実情に対応して、装置構成の複雑化を招くことなく、素子における割れやクラックの発生が抑制されるのであるから、極めて効果的であると言える。
【0081】
なお、上述したステップS6〜S8において、貫通孔11hから噴出させる気体の圧力は、0.15MPa以上1.1MPa以下であることが望ましい。これは、噴出する気体の圧力が0.15MPa以上の場合には、下面側バスバー電極21に対する下面側接続タブLTa,LTbの半田付けの後に、太陽電池素子20と作業テーブル11との間において半田やフラックスなどによる固着の発生を効果的に抑制できるため好ましく、噴出する気体の圧力が1.1MPa以下の場合には、噴出される気体の圧力により太陽電池素子20に加わる応力を抑制できるため好ましい。
【0082】
ところで、上述した太陽電池モジュール製造装置10では、吸引用バルブ14を閉じ、噴射用バルブ15を開けることで貫通孔11hから気体を噴出させるタイミングが、半田の溶融開始時から該半田の凝固に至るまでの期間であったが、これに限られず、貫通孔11hからの気体の噴出開始タイミングは、半田が固化する前であれば、太陽電池素子20を作業テーブル11上に載置した直後でも良いし、押し付けピン16を下ろし、上面側接続タブUTa,UTbを上面側バスバー電極21に押圧した直後でも良し、半田が溶融された後であっても良い。
【0083】
但し、半田が溶融される前から、貫通孔11hから気体を噴出させ始める方が、作業テーブル11上への半田やフラックスの流れおよび拡がりをより抑制することが可能となるため、より好適である。すなわち、少なくとも半田が溶融される前から該半田が凝固された状態に至るまでの期間において、下面側接続タブLTa,LTbが載置されている作業テーブル11に設けられた貫通孔11hから該下面側接続タブLTa,LTbの下面側に向けて気体が噴射される方が、作業テーブル11への半田やフラックスの流れや拡がりがより早期に抑制される。このため、装置構成の複雑化を招くことなく、素子における割れやクラックの発生を更に抑制することができる。
【0084】
また、太陽電池モジュール製造装置10では、下面側接続タブLTa,LTbが作業テーブル11に載置されると貫通孔11hによって吸着されるため、例えば、下面側接続タブLTa,LTbがうねったり、湾曲している場合にも、形状が矯正される。このため、下面側バスバー電極21と下面側接続タブLTa,LTbとが相互に対向する面の全面にわたって接触するように、下面側接続タブLTa,LTb上に太陽電池素子20を載置することができる。その結果、下面側バスバー電極21と下面側接続タブLTa,LTbとが相互に対向する面の全面にわたって接触するように半田付けを行うことができる。また、作業テーブル11上における下面側接続タブLTa,LTbの位置決め精度の向上が図られ、半田付けを行うまでに、機械的な振動などにより、作業テーブル11と下面側接続タブLTa,LTbとの位置関係のずれが生じ難くなる。このため、下面側バスバー電極21に対する下面側接続タブLTa,LTbの半田付けの位置の精度が向上するとともに、貫通孔11hから下面側接続タブLTa,LTbへの気体の噴射精度も向上する。そして、この気体の噴射精度の向上により、太陽電池素子20が半田やフラックスなどによって作業テーブル11に固着するような不具合がより確実に抑制される。
【0085】
なお、下面側接続タブLTa,LTbを被覆していた半田が溶融している際には、貫通孔11hから気体が噴出されるため、溶融した半田が貫通孔11hに吸い込まれて、下面側接続タブLTa,LTbの下面で固化した後の半田において凸部が生じてしまうような不具合を抑制できる。
【0086】
<第2実施形態>
上述した第1実施形態に係る太陽電池モジュール製造装置10では、作業テーブル11の上面11uは、貫通孔11hが設けられている以外は、ほぼ平坦なものであったが、第2実施形態に係る太陽電池モジュール製造装置10Aでは、作業テーブル11Aの上面11uAのうち、下面側接続タブLTa,LTbが載置される部分に溝部11sが更に設けられている。
【0087】
以下、第2実施形態に係る太陽電池モジュール製造装置10Aについて説明するが、第1実施形態に係る太陽電池モジュール製造装置10と比較して、作業テーブル11の上面11uに溝部11sが設けられて、作業テーブル11Aおよび上面11uAとされている以外は、第1実施形態に係る太陽電池モジュール製造装置10と同様な構成を有しているため、同様な部分には同じ符号を付して説明を省略する。
【0088】
図10は、第2実施形態に係る太陽電池モジュール製造装置10Aの構成を示す図である。図10では、作業テーブル11Aの断面模式図が示されている。また、図11は、作業テーブル11Aの上面11uAを例示する平面図である。
【0089】
図10および図11で示すように、作業テーブル11A上には、2本の溝部11sが形成されている。溝部11sは、上面11uAのうちの該上面11uAの外縁から所定距離だけ上面11uAの中央寄り(すなわち内部側)に配置されるとともに、上面11uAの外縁のうち対向する2辺の間を縦断するように延設される。そして、溝部11sの底面が上面11uAの溝部11sが設けられていない部分に対して略平行でかつ平坦で、溝部11sの側面が上面11uAに対して略垂直となっている。更に、2本の溝部11sは、図12で示すように、太陽電池素子20の裏面側(半田付け工程では下面側)のバスバー電極(下面側バスバー電極)21に対して半田付けされる接続タブ(下面側接続タブ)LTa,LTbが作業テーブル11Aの上面11uA側に載置される部分に形成されている。したがって、貫通孔11hの列は、溝部11sの幅方向の略中央であって、溝部11sの延設方向に沿って配置されている。
【0090】
より詳細には、溝部11sは、下面側接続タブLTa,LTbの幅より0.1〜0.5mm程度広い幅と、下面側接続タブLTa,LTbの厚さと同じか0.05〜0.1mm程度浅めの深さを有することが好ましい。このような寸法とするのは、溝部11sの深さを下面側接続タブLTa,LTbの厚さよりも深くした場合は、下面側接続タブLTa,LTbと太陽電池素子20の下面側バスバー電極21とが接しない部分が発生し、下面側接続タブLTa,LTbと下面側バスバー電極21との半田付けが部分的なものとなってしまい、半田付け面積が低下して、電気抵抗が上昇し、太陽電池モジュールの発電効率が低下してしまうからである。
【0091】
図13は、太陽電池モジュール製造装置10Aを用いたバスバー電極21に対する接続タブLTa,LTbの半田付け工程をイメージした図である。なお、太陽電池モジュール製造装置10Aを用いた半田付け工程は、第1実施形態に係る太陽電池モジュール製造装置10を用いた半田付け工程と同様な手順(上記図5のステップS1〜S10)で行われるため、ここでは説明を省略する。
【0092】
但し、第2実施形態に係る太陽電池モジュール製造装置10Aでは、作業テーブル11Aの上面11uAに溝部11sが設けられており、ステップS1で、図12で示すように、下面側接続タブLTa,LTbが、溝部11sに嵌り込むように、作業テーブル11Aの上面11uA側に載置される。なお、各接続タブTは、複数の太陽電池素子20のバスバー電極間を電気的に接続するものであるから、各接続タブTの長さは、1つの太陽電池素子20の1辺よりも長い。したがって、ここでは、各接続タブTのうちの少なくとも一部が溝部11s内に配置されることになる。
【0093】
このように、溝部11sに嵌り込むように下面側接続タブLTa,LTbを載置するような構成によれば、作業テーブル11Aの上面11uAにおける所望の位置に下面側接続タブLTa,LTbをより確実に載置することができる。より詳細には、機械的な振動などにより作業テーブル11A上における下面側接続タブLTa,LTbの位置が所望の位置からずれるような不具合が抑制され、作業テーブル11A上の所望の位置に下面側接続タブLTa,LTbを容易に配置させることもできる。更に、溝部11sの存在により、半田付け工程において、溶融した半田やフラックスなどが作業テーブル11A側に流れてきたとしても、溝部11sの外側に半田やフラックスなどが拡がり難く、作業テーブル11Aの上面11uAにおける汚れの発生や、太陽電池素子20と作業テーブル11Aとの固着の発生なども抑制される。
【0094】
なお、第2実施形態に係る太陽電池モジュール製造装置10Aを用いて太陽電池モジュールを製造する際にも、第2実施形態と同様な作用効果を得ることが出来るのは言うまでもない。
【0095】
<第3実施形態>
上記第2実施形態に係る太陽電池モジュール製造装置10Aでは、作業テーブル11Aの上面11uAのうち、下面側接続タブLTa,LTbが載置される部分に貫通孔11hが設けられたが、第3実施形態に係る太陽電池モジュール製造装置10Bでは、作業テーブル11Bの上面11uBのうち、下面側接続タブLTa,LTbが載置される部分以外にも吸引および気体を噴射する貫通孔11dが設けられている。
【0096】
以下、第3実施形態に係る太陽電池モジュール製造装置10Bについて説明するが、第2実施形態に係る太陽電池モジュール製造装置10Aと比較して、作業テーブル11Aの上面11uAのうちの下面側接続タブLTa,LTbが載置される領域以外にも貫通孔11dが設けられている点、貫通孔11dを介して吸引および気体の噴出を実行させるための構成が追加されている点、および貫通孔11dを用いた吸引および気体の噴出などのタイミング制御以外は、第2実施形態に係る太陽電池モジュール製造装置10Aと同様な構成を有しているため、同様な部分には同じ符号を付して説明を省略する。
【0097】
図14は、第3実施形態に係る太陽電池モジュール製造装置10Bの構成を示す図である。図14では、作業テーブル11Bの断面が模式的に示されている。また、図15は、作業テーブル11Bの上面11uBを例示する平面図である。
【0098】
図14および図15で示すように、作業テーブル11Bの上面11uBのうちの溝部11s以外の部分に複数の貫通孔11dが設けられている。つまり、上面11uBには、下面側接続タブLTa,LTbに係る吸引および噴射用の複数の貫通孔11hとは別に、複数の貫通孔11dが設けられている。なお、貫通孔11dは、例えば、0.5〜2.0mm程度の直径を有する。
【0099】
図16は、太陽電池素子20の下面側バスバー電極21に対して下面側接続タブLTa,LTbを半田付けする際に、作業テーブル11Bの上面11uBのうちで、太陽電池素子20が載置される位置(破線部)で示す図である。図16で示すように、作業テーブル11Bの上面11uBのうちで、太陽電池素子20が載置される全領域にわたって複数の貫通孔11dがほぼ均一な分布で設けられている。なお、複数の貫通孔11dは、太陽電池素子20を吸引する目的で設けられている観点から言えば、「吸引孔部」とも称すことができ、太陽電池素子20に対して気体を噴射する目的で設けられている観点から言えば、「噴射孔部」とも称することができる。
【0100】
図14に戻って説明する。
【0101】
太陽電池モジュール製造装置10Bは、第2実施形態に係る太陽電池モジュール製造装置10Aと比較して、更に吸引用ポンプ52、高圧気体の供給源53、吸引用バルブ54、噴射用バルブ55を備えている。
【0102】
吸引用ポンプ52は、貫通孔11dに対してパイプ56を介して連通接続され、貫通孔11d上に存在するもの(具体的には太陽電池素子20)を吸引するものである。そして、吸引用バルブ54は、吸引用ポンプ52と貫通孔11dとを接続するパイプ56の経路を開閉するものであり、貫通孔11dから固体や気体や液体を吸引する状態(吸引状態)と、吸引しない状態(非吸引状態)とを選択的に切り換えるものである。なお、吸引用ポンプ52としては、小型の真空ポンプなどが好適に採用され、吸引用バルブ54としては、気体の流れを制御する電磁弁などが好適に採用される。
【0103】
高圧気体の供給源53は、貫通孔11dに対してパイプ56を介して連通接続され、貫通孔11dから所定の気体を噴出させるものである。そして、噴射用バルブ55は、高圧気体の供給源53と貫通孔11dとを接続するパイプ56の経路を開閉するものであり、貫通孔11dから気体を噴出する状態(噴出状態)と、噴出しない状態(非噴出状態)とを選択的に切り換えるものである。なお、高圧気体の供給源53としては、圧力が一定に制御された空気または不活性気体のタンクなどが好適に採用される。
【0104】
次に、太陽電池モジュールの製造工程に含まれる、太陽電池モジュール製造装置10Bを用いたバスバー電極21に対する接続タブTの半田付け工程について説明する。
【0105】
図17は、太陽電池モジュール製造装置10Bを用いたバスバー電極21に対する接続タブTの半田付け工程を示すフローチャートである。また、図18から図22は、本半田付け工程を構成する各ステップにおける状態を示す図である。なお、本半田付け工程における主要な動作は全体制御部50によって制御され、本半田付け工程は、所定のタイミングで開始され、各太陽電池素子20のバスバー電極21に対する接続タブTの半田付けが行われる度に実行される。
【0106】
まず、上記第1および第2実施形態と同様に、事前に、作業テーブル11Bを所定温度まで昇温し維持しておく。この所定温度は、半田の融点より50℃程度低い温度が好適であり、具体的には、例えば、共晶半田を用いる場合には、130〜180℃程度、鉛フリー半田を用いる場合には、160〜210℃程度であることが好適である。
【0107】
(1)そして、所定温度まで昇温ならびに維持された作業テーブル11Bの上面11uBのうちの貫通孔11hの列の上に、下面側接続タブLTa,LTbを、溝部11sのほぼ全長に渡って嵌り込ませるように載置する(ステップSP1、図18および図19)。このとき、作業テーブル11Bは、下面側接続タブLTa,LTbの下方に位置し、溝部11s内に配置された下面側接続タブLTa,LTbを支持する。
【0108】
(2)次に、吸引用バルブ14が開いた状態となり、吸引用ポンプ12により貫通孔11hの内部を0.01〜0.08MPa程度まで減圧し、作業テーブル11Bの上面11uBにおける所定の位置で貫通孔11hによって下面側接続タブLTa,LTbを吸引し固定する(ステップSP2、図19)。つまり、ここでは、貫通孔11hによる下面側接続タブLTa,LTbの吸引が開始され、下面側接続タブLTa,LTbが貫通孔11hに吸着されて、上面11uBの所定位置で固定される。なお、このとき、作業テーブル11Bに設けられた貫通孔11h,11dのうちの所定の貫通孔11hによって下面側接続タブLTa,LTbが吸引され始めていると見ることもできる。
【0109】
(3)この下面側接続タブLTa,LTbが貫通孔11hによって吸着された状態で、太陽電池素子20の下面側バスバー電極21が下面側接続タブLTa,LTbに接するように、太陽電池素子20を作業テーブル11B上に載置する(ステップSP3、図20(a))。この太陽電池素子20を作業テーブル11B上に載置する手段としては、第1及び第2実施形態と同様に、手動で行う手段や、別の作業テーブル上でいわゆるピンアライメントや画像処理などによって太陽電池素子20の位置決めを行い、この太陽電池素子20を吸着パッド等で吸着して搬送する手段などを採用しても良い。
【0110】
(4)次に、吸引用バルブ54が開いた状態となり、吸引用ポンプ52により貫通孔11d内部を0.01〜0.08MPa程度まで減圧し、貫通孔11dによって太陽電池素子20を所定の位置で吸引し固定する(ステップSP4、図20(a))。つまり、ここでは、貫通孔11dによる太陽電池素子20の吸引が開始され、太陽電池素子20が作業テーブル11Bの上面11uBにおける所定の位置で貫通孔11dに吸着されて、固定される。なお、図20(a)およびそれ以降の図では、図示の関係上、作業テーブル11Bと該作業テーブル11B上に載置された太陽電池素子20とがある程度離隔しているように記載されているが、この作業テーブル11Bと太陽電池素子20との間の離隔距離は、実際には非常に狭いものであり、太陽電池素子20が貫通孔11dによって吸引されて、作業テーブル11B上で固定される。このようにして、作業テーブル11Bに下面側接続タブLTa,LTbが載置される部分以外で太陽電池素子20が吸引されることにより、機械的な振動などがあっても作業テーブル11B上で太陽電池素子20が所望の位置からずれ難くなる。なお、このとき、作業テーブル11Bに設けられた貫通孔11h,11dのうちの所定の貫通孔11dによって太陽電池素子20が吸引され始めていると見ることもできる。
【0111】
(5)更に、太陽電池素子20の上面側バスバー電極21上に、上面側接続タブUTa,UTbを載置する(ステップSP5、図20(a))。
【0112】
(6)その後、押し付けピン16を下方に駆動させ、上面側接続タブUTa,UTbを上面側バスバー電極21に対して押圧する(ステップSP6、図20(b))。このとき、下面側バスバー電極21の下面側から下面側接続タブLTa,LTbが半田を介して接触された状態、および上面側バスバー電極21の上面側から上面側接続タブUTa,UTbが半田を介して接触された状態で、作業テーブル11Bが下面側接続タブLTa,LTbを下面側から支持している状態となる。
【0113】
(7)そして、押し付けピン16によって上面側接続タブUTa,UTbを上面側バスバー電極21に対して押し付けている部分に、熱風吹き出しノズル17から400〜500℃程度の熱風を吹き付ける動作を開始する(ステップSP7、図21(a))。このとき、上面側接続タブUTa,UTbに被覆されていた半田が加熱されて溶融するとともに、熱伝導によって下面側接続タブLTa,LTbに被覆されていた半田も加熱されて溶融する。また、この熱風吹き出しノズル16から400〜500℃程度の熱風を吹き出し始めるのと略同時に吸引用バルブ14,54を閉じ、噴射用バルブ15,55を開けて空気または窒素やアルゴンなどの不活性気体を貫通孔11h,11dから噴出させ始める(ステップSP7、図21(a))。なお、このとき、作業テーブル11Bに設けられた貫通孔11h,11dのうちの所定の貫通孔11hから下面側接続タブLTa,LTbに向けて所定の気体が噴射され始め、所定の貫通孔11dから太陽電池素子20に向けて所定の気体が噴射され始めていると見ることもできる。
【0114】
なお、本願発明者らが繰り返し行った実験結果によれば、このとき貫通孔11dから噴出される気体は、貫通孔11hから噴出される気体と同様に、半田、上面側および下面側接続タブUTa,UTb,LTa,LTb、およびバスバー電極21の酸化を防止する点で、窒素やアルゴンなどの不活性ガスを採用することが望ましく、更にコスト面を考慮すると窒素ガスが好適である。また、噴射される気体の圧力は、上述した第1実施形態のステップS6〜S8で噴射される気体の圧力と同様であることが好適である。
【0115】
(8)そして、熱風吹き出しノズル17からの熱風の吹き出しを止めて、加熱を終了する(ステップSP8、図21(b))。なお、ステップS7〜S8における熱風吹き出しノズル17からの熱風の吹きつけは、例えば数秒程度行われる。加熱を終了すると、上面側接続タブUTa,UTbと上面側バスバー電極21との間に介在する半田が凝固し始め、上面側バスバー電極21に対して上面側接続タブUTa,UTbが半田付けされる。また、下面側接続タブLTa,LTbと下面側バスバー電極21との間に介在する半田も凝固し始め、下面側バスバー電極21に対して下面側接続タブLTa,LTbも半田付けされる。つまり、下面側接続タブLTa,LTbと下面側バスバー電極21とが凝固した半田によって電気的に接続された接続部が形成される。このとき、貫通孔11hから所定の気体が噴射されているため、下面側接続タブLTa,LTb、及び下面側接続タブLTa,LTbの下面側の半田が噴射される気体の圧力によって若干持ち上げられた状態で凝固する。すなわち、下面側接続タブLTa,LTbのうち、所定の気体によって圧力を受ける部分が、下面側に付着している半田ごと、ステップSP1における状態よりも、作業テーブル11Bから離隔された状態となって、半田が凝固する。このため、下面側接続タブLTa,LTbの下面側に付着している半田が作業テーブル11Bと固着する現象が抑制される。更に、貫通孔11dから所定の気体が噴射されているため、溶融している半田の作業テーブル11B側への流れ込みが抑制されるとともに、例えば、作業テーブル11Bの上面11uBのうちの下面側接続タブLTa、LTbが載置される領域以外に飛び散ったフラックスや半田やその他の汚れなどが上面11uB上から吹き飛ばされる。
【0116】
(9)半田が完全に固化した後、噴射用バルブ15,55を閉じて、貫通孔11h,11dからの気体の噴出を止める(ステップSP9、図22(a))。
【0117】
(10)押し付けピン16を上方に駆動させ、上面側バスバー電極21に対する上面側接続タブUTa,UTbの半田付け、および下面側バスバー電極21に対する下面側接続タブLTa,LTbの半田付けが完了する(ステップSP10、図22(b))。
【0118】
(11)作業テーブル11B上に載置された太陽電池素子20を移動させて、本半田付け工程が終了する(ステップSP11)。そして、直列接続される太陽電池素子20の数に合わせて、適宜、ステップSP1〜SP11の工程が繰り返される。
【0119】
以上のように、第3実施形態に係る太陽電池モジュール製造装置10Bによれば、下面側バスバー電極21の下面側に対して下面側接続タブLTa,LTbを半田付けする工程において、作業テーブル11Bの上面11uBのうちの下面側接続タブLTa,LTbが載置される部分以外で、上面11uBに載置された太陽電池素子20が貫通孔11dによって吸引される。このような構成を採用すると、例えば、太陽電池素子20が作業テーブル11B上に載置されてから、押し付けピン16で太陽電池素子20が上面側接続タブUTa,UTbを介して作業テーブル11B方向に押し付けられるまで、機械的な振動などによって作業テーブル11B上で太陽電池素子20が所望の位置からずれるような不具合が抑制される。その結果、上面側バスバー電極21と上面側接続タブUTa,UTbとの半田付け、および下面側バスバー電極21と下面側接続タブLTa,LTbとの半田付けが高精度で行われる。
【0120】
更に、下面側バスバー電極21の下面側に対して下面側接続タブLTa,LTbを半田付けする際に、半田が溶融された状態から該半田が凝固された状態に至るまでの期間において、作業テーブル11Bの上面11uBのうちの下面側接続タブLTa,LTbが載置される部分以外で、貫通孔11dにより太陽電池素子20の下面側に向けて所定の気体が噴射される。このような構成を採用することで、例えば、作業テーブル11B側に溶融した半田やフラックスなどが流れて来ることが抑制されるため、半田やフラックスなどによる太陽電池素子20と作業テーブル11Bとの固着が更に抑制される。また、例えば、作業テーブル11Bの上面11uBのうちの下面側接続タブLTa、LTbが載置される領域以外に飛び散ったフラックスや半田やその他の汚れなどが上面11uB上から吹き飛ばされるため、太陽電池素子20の下面が作業テーブル11Bに固着するような不具合の発生が抑制される。このため、装置構成の複雑化を招くことなく、太陽電池素子20における割れやクラックの発生を更に抑制することができる。また、貫通孔11dからの気体の噴射により、半田の固化が促進されるため、半田付けに要する時間の短縮化、すなわち作業タクトの短縮化も可能となる。
【0121】
ところで、上述した太陽電池モジュール製造装置10Bでは、吸引用バルブ14,54を閉じ、噴射用バルブ15,55を開けて貫通孔11d,11hから気体を噴出させるタイミングが、半田の溶融開始時から該半田の凝固に至るまでの期間であったが、これに限られず、貫通孔11d,11hからの気体の噴出開始タイミングは、半田が固化する前であれば、太陽電池素子20を作業テーブル11B上に載置した直後でも良いし、押し付けピン16を下ろし、上面側接続タブUTa,UTbを上面側バスバー電極21に押圧した直後でも良いし、半田が溶融された後であっても良い。
【0122】
但し、半田が溶融される前から、貫通孔11d,11hから気体を噴出させ始める方が、作業テーブル11B上への半田やフラックスなどの流れおよび拡がりをより抑制することが可能となるため、好適である。すなわち、少なくとも半田が溶融される前から該半田が凝固された状態に至るまでの期間において、作業テーブル11Bに設けられた貫通孔11d,11hから下面側接続タブLTa,LTbの下面側および太陽電池素子20の下面側に向けて気体が噴射される方が、作業テーブル11Bへの半田やフラックスなどの流れや拡がりがより早期に抑制される。このため、装置構成の複雑化を招くことなく、素子における割れやクラックの発生を更に抑制することができる。
【0123】
なお、第3実施形態に係る太陽電池モジュール製造装置10Bを用いて太陽電池モジュールを製造する際にも、第1及び第2実施形態と同様な作用効果を得ることが出来るのは言うまでもない。
【0124】
<太陽電池モジュールの完成品>
ここで、上記第1〜第3実施形態に係る太陽電池モジュール製造装置10,10A,10Bによって相互に電気的に接続された複数の太陽電池素子20を用いて作成される太陽電池モジュールについて説明する。
【0125】
図23は、太陽電池モジュールの構造の一例を示す断面模式図である。図23(a)では、太陽電池パネルの構成が分解された状態が模式的に示されている。図23で示すように、太陽電池パネルは、透光性基板61、受光面側充填材62、複数(図23では4枚)の太陽電池素子20、裏面側充填材64、裏面シート65、接続タブUTa,UTb,LTa,LTbを備える。
【0126】
まず、太陽電池モジュールを構成する各部について説明する。
【0127】
透光性基板61は、ガラスやポリカーボネート樹脂などからなる基板である。ガラス板としては、白板ガラス、強化ガラス、倍強化ガラス、熱線反射ガラスなどが用いられるが、一般的には厚さ3〜5mm程度の白板強化ガラスが使用される。他方、ポリカーボネート樹脂などの合成樹脂からなる基板を用いる場合には、厚みが5mm程度のものが多く使用される。
【0128】
受光面側充填材62及び裏面側充填材64は、エチレン−酢酸ビニル共重合体(以下「EVA」と略す)やポリビニルブチラール(以下「PVB」と略す)によって構成され、いわゆるTダイと押し出し機によって、厚さ0.4〜1mm程度のシート状に成形されたものされて用いられる。EVAやPVBは、ラミネート装置により、減圧下にて加熱および加圧を行うことで、軟化、融着して他の部材と一体化する。
【0129】
なお、EVAやPVBついては、酸化チタンや顔料等を含有させ白色等に着色させることがあるが、受光面側充填材62を着色させたものとすると、太陽電池素子20に入射する光量が減少し、発電効率が低下するため、受光面側充填材62に用いるEVAやPVBは透明であることが好ましい。一方、裏面側充填材64に用いるEVAやPVBについては、透明でも構わないし、太陽電池モジュールが設置される周囲の環境(設置環境)に合わせて、酸化チタンや顔料等を含有させ白色等に着色させても構わない。
【0130】
裏面シート65は、水分を透過しないようにアルミ箔を挟持した耐候性を有するフッ素系の樹脂のシートやアルミナまたはシリカを蒸着したポリエチレンテレフタレ−ト(以下「PET」と略す)のシートなどによって構成される。
【0131】
次に、太陽電池モジュールの最終的な製造工程について説明する。
【0132】
図23(b)で示すように、太陽電池モジュールを作製するにあたっては、透光性基板61上に受光面側充填材62を載置し、更にその上に接続タブUTa,UTb,LTa,LTbによって相互に電気的に接続された複数(図23では4枚)の太陽電池素子20を載置する。更に、その上に裏面側充填材64、裏面シート65を空間順次に積み重ねる。このように、下方から順に、透光性基板61、受光面側充填材62、太陽電池素子20、裏面側充填材64、および裏面シート65を空間順次に積層させた状態で、いわゆるラミネーターにセットし、減圧下において加圧しながら、100〜200℃の温度で、例えば15分〜60分程度加熱することで、透光性基板61、受光面側充填材62、太陽電池素子20、裏面側充填材64、および裏面シート65が一体化された太陽電池パネルが完成する。そして、この太陽電池パネルの外周部に例えば金属製の枠(モジュール枠)が取り付けられると、太陽電池モジュールが完成する。
【0133】
<具体例>
ここで、上記第1〜第3実施形態に係る太陽電池モジュール製造装置10(10A,10B)を用いた半田付け工程後の下面側接続タブLTa,LTb(ここでは、「下面側接続タブLT」と総称する)の外観の観察結果について説明する。
【0134】
図24は、下面側接続タブLTが下面側バスバー電極21に対して半田付けされた後の1つの太陽電池素子20Cに着目して示した模式図である。
【0135】
図24で示すように、ここで使用した太陽電池素子20Cは、上記実施形態で用いた太陽電池素子20と比較して裏面側に設けられたバスバー電極21の本数が2本から3本に増え、バスバー電極21に対して略直交するフィンガー電極が短いものとなっている。そして、図24で示す太陽電池素子20Cの裏面側の略全面は、アルミニウム(Al)が塗布されたいわゆる集電電極であり、そのAl集電電極上に下面側バスバー電極21およびフィンガー電極によって形成される電極パターンAPが3本配置されている。
【0136】
このような太陽電池素子20Cを用いて、太陽電池モジュール製造装置10(10A,10B)によって、以下の条件(a)〜(k)に従って観察対象とする試料(実施例)を調製し、半田付け工程後の下面側接続タブLTの表面(下面)を観察した。なお、観察領域は、図24で示す太線枠CAの領域とした。
【0137】
(a)下面側接続タブLTの素材:銅箔、
(b)下面側接続タブLTの寸法:厚さ0.1mmから0.4mm程度(うち半田メッキ厚が上下面とも20μmから70μm程度),幅1mmから3mm程度、
(c)半田の種類:共晶半田
(d)フラックスの種類:合成樹脂、IPA、活性剤を主成分としたもの、
(e)フラックスの塗布方法:太陽電池素子を作業テーブル(加熱プレート)上に載置する直前に、太陽電池素子の受光面と非受光面側のバスバー電極に塗布、
(f)加熱プレートの加熱温度:100℃から200℃、
(g)貫通孔から噴出される気体の圧力:0.5MPa以下。
【0138】
図25は、太陽電池モジュール製造装置10(10A,10B)を用いた半田付け工程後の下面側接続タブLTの外観を捉えた光学顕微鏡写真を示す図である。
【0139】
図25で示す写真では、下面側バスバー電極21、フィンガー電極FC、Al集電電極AC、および表面が半田によって被覆された下面側接続タブLTが捉えられている。そして、図25で示すように、下面側接続タブLTの表面側、すなわち半田付け工程で作業テーブル11(11A,11B)側に位置していた表面に被覆された半田の表面が、凹み部HB(図25で白っぽく見える部分)を有していた。この凹み部HBは、半田付け工程において、貫通孔11hから所定のガスが吹き付けられて、半田が押し上げられた状態で固化されたことで形成されたものである。
【0140】
なお、比較のために、貫通孔11hから気体を吹き付けることなく半田付け工程を行って作成した試料(比較例)の観察結果を図26に示している。なお、比較例に係る試料の調製方法としては、貫通孔11hからの気体の吹き付け以外については実施例と同様な条件を採用し、観察領域についても実施例と同様に図24で示した太線枠CAの領域とした。
【0141】
図26で示すように、比較例では、下面側接続タブLTの表面側、すなわち半田付け工程では作業テーブル11(11A,11B)側に位置していた表面に被覆された半田の表面には、実施例で見られたような凹み部HBは全く見られなかった。
【0142】
なお、図27は、図25で示した光学顕微鏡写真のエリアをA−A線で切断した断面を模式的に示した図である。図27で示すように、太陽電池素子20Cの受光面側に半田の層(半田層、共晶半田、厚さ20μm〜70μm程度)HN、上面側接続タブUT(銅箔、厚さ0.1mm〜0.3mm)、半田の層(半田層、共晶半田、厚さ20μm〜70μm程度)HNの順に積層され、太陽電池素子20Cの非受光面側に半田の層(半田層、共晶半田、厚さ20μm〜70μm程度)HN、下面側接続タブLT(銅箔、厚さ0.1mm〜0.3mm)、半田の層(半田層、共晶半田、厚さ20μm〜70μm程度)HNの順に積層された状態となっている。そして、最下面の半田層HNの表面、すなわち太陽電池素子20Cとは反対側の半田層HNの表面に凹み部HBが形成されていた。
【0143】
このように、半田付け工程で、下面側接続タブLTの下面側に付着している溶融状態にある半田の下面側に対して、貫通孔11hから所定の気体が吹き付けられることで、下面側接続タブLTの下面側に付着している半田が噴射される気体の圧力によって若干持ち上げられた状態で凝固することが分かった。そして、このような現象により、下面側接続タブLTの下面側に付着している半田が作業テーブル11(11A,11B)と固着する現象が抑制されることが分かった。
【0144】
<変形例>
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
【0145】
◎例えば、上記実施形態では、上面側バスバー電極21が太陽電池素子20の受光面側の電極であるものとして説明したが、これに限られず、例えば、太陽電池素子20の非受光面(裏面)側の電極であっても良い。また、下面側バスバー電極21が太陽電池素子20の非受光面(裏面)側の電極であるものとして説明したが、これに限られず、例えば、太陽電池素子20の受光面側の電極であっても良い。
【0146】
◎また、上記実施形態では、半田を溶融させるための加熱方法として、熱風を吹き付ける構成が採用されていたが、これに限られず、例えば、いわゆる鏝(半田コテ)やヒータブロックを押し付けて加熱する構成を採用しても良い。
【0147】
◎また、上記実施形態で使用した半田については、錫−鉛の共晶半田等の他、いわゆる鉛フリー半田などといった各種半田を採用しても良い。
【0148】
◎また、上記実施形態では、太陽電池素子20が単結晶や多結晶シリコンなどを用いた結晶系の太陽電池素子であるものとして説明したが、これに限られず、例えば、いわゆる薄膜系の太陽電池素子であっても良く、本発明は、適宜接続タブを用いて複数の太陽電池素子が電気的に接続されるような太陽電池モジュール一般に適用することができる。
【0149】
◎また、上記実施形態では、上面側および下面側接続タブUTa,UTb,LTa,LTbの両面に半田がコーティングされている例を示して説明したが、これに限られず、例えば、半田は、上面側および下面側バスバー電極21の側に付着されていても良いし、接続タブUTa,UTb,LTa,LTb側に付着されていても良い。
【0150】
なお、下面側接続タブLTa,LTbの下面側に予め半田がコーティングされていない場合には、半田付けの際に、下面側接続タブLTa,LTbのうち、貫通孔11hから噴射される所定の気体によって圧力を受ける部分が、ステップS1,SP1における状態よりも、作業テーブル11,11A,11Bから離隔された状態となるとともに、溶融した半田が下面側接続タブLTa,LTbと下面側バスバー電極21との間から作業テーブル11,11B側に流れて来ることも抑制される。したがって、作業テーブル11,11A,11Bに半田が付着することが抑制され、その結果、下面側接続タブLTa,LTbと作業テーブル11,11A,11Bとが固着する現象が抑制される。
【0151】
◎また、上記実施形態では、太陽電池素子20のバスバー電極21に対して導電性を有する接続タブUTa,UTb,LTa,LTbを半田付けするような構成について説明したが、これに限られるものではない。本発明は、太陽電池素子20以外の半導体素子などの各種素子に設けられた導電性を有する部分(第1の導電部)とその他の導電性を有する部分(第2の導電部)とが半田付けされて形成される電子回路一般に適用することができる。
【0152】
◎また、上記第1及び第2実施形態では、作業テーブル11,11Aに複数の貫通孔11hが設けられたが、これに限られず、少なくとも1以上の貫通孔11hが設けられれば、上記第1及び第2実施形態と同様な傾向の作用効果を得ることができる。但し、下面側接続タブLTa,LTbの吸引、ならびに下面側接続タブLTa,LTbへの気体の噴射による作用効果をより高める観点から言えば、貫通孔11hの数が多い方が好ましい。
【0153】
◎また、上記第3実施形態では、作業テーブル11Bに複数の貫通孔11dが設けられたが、これに限られず、少なくとも1以上の貫通孔11dが設けられれば、上記第3実施形態と同様な傾向の作用効果を得ることができる。但し、太陽電池素子20の吸引、ならびに太陽電池素子20への気体の噴射による作用効果をより高める観点から言えば、貫通孔11dの数が多い方が好ましい。
【0154】
◎また、上記第2及び第3実施形態では、作業テーブル11A,11Bの上面11uA,11uBの外縁のうち対向する2辺の間を縦断するように溝部11sが延設されたが、これに限られない。例えば、上面11uA,11uBのうちの縁部から上面11uA,11uBの中央寄り(内部側)に入った一部に溝部11sが延設され、下面側接続タブLTa,LTbを作業テーブル11A,11Bによって支持する際に、下面側接続タブLTa,LTbの少なくとも一部が、溝部11s内に嵌り込むような位置に配置されれば、上記第2及び第3実施形態において溝部11sを設けることによって得られる作用効果と同様な傾向の作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0155】
【図1】第1実施形態に係る太陽電池モジュール製造装置の構成を示す図である。
【図2】太陽電池モジュール製造装置の作業テーブルの上面を例示する図である。
【図3】太陽電池素子の外観を例示する図である。
【図4】作業テーブルに対して接続タブを載置した状態を例示する図である。
【図5】半田付け工程を例示するフローチャートである。
【図6】半田付け工程を説明するための図である。
【図7】半田付け工程を説明するための図である。
【図8】半田付け工程を説明するための図である。
【図9】半田付け工程を説明するための図である。
【図10】第2実施形態に係る太陽電池モジュール製造装置の構成を示す図である。
【図11】太陽電池モジュール製造装置の作業テーブルの上面を例示する図である。
【図12】作業テーブルに対して接続タブを載置した状態を例示する図である。
【図13】半田付け工程のイメージを示す図である。
【図14】第3実施形態に係る太陽電池モジュール製造装置の構成を示す図である。
【図15】太陽電池モジュール製造装置の作業テーブルの上面を例示する図である。
【図16】作業テーブル上での太陽電池素子の載置位置を例示する図である。
【図17】半田付け工程を例示するフローチャートである。
【図18】作業テーブルに対して接続タブを載置した状態を例示する図である。
【図19】半田付け工程を説明するための図である。
【図20】半田付け工程を説明するための図である。
【図21】半田付け工程を説明するための図である。
【図22】半田付け工程を説明するための図である。
【図23】太陽電池モジュールの構造の一例を示す断面模式図である。
【図24】具体例の観察位置を示す図である。
【図25】具体例の観察結果を示す図である。
【図26】比較例の観察結果を示す図である。
【図27】具体例に係る半田形状を示す断面模式図である。
【図28】一般的な太陽電池モジュールの受光面側の外観を例示した図である。
【図29】2つの太陽電池素子が接続タブで直列接続された状態を示す図である。
【符号の説明】
【0156】
10,10A,10B 太陽電池モジュール製造装置
11,11A,11B 作業テーブル
11d,11h 貫通孔
11s 溝部
11u,11uA,11uB 上面
12,52 吸引用ポンプ
13,53 高圧気体の供給源
14,54 吸引用バルブ
15,55 噴射用バルブ
16 押し付けピン
17 熱風吹き出しノズル
20,20C 太陽電池素子
21 バスバー電極、上面側バスバー電極、下面側バスバー電極
50 全体制御部
HB 凹み部
HN 半田層
LT 下面側接続タブ
LTa,LTb 下面側接続タブ
T 接続タブ
UTa,UTb 上面側接続タブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
素子に設けられた第1導電部と、第2導電部とが電気的に接続されて成る接続部を有する電子回路の製造方法であって、
前記第1導電部に対して半田を介して接触された前記第2導電部を、該第2導電部の下方に位置し且つ少なくとも一以上の孔部が設けられた支持部によって支持する支持工程と、
前記半田を加熱して、その少なくとも一部を溶融させる加熱工程と、
所定の前記孔部から前記第2導電部に向けて気体を噴射して、前記支持工程において前記第2導電部が前記支持部によって支持された状態よりも、前記第2導電部の少なくとも一部を前記支持部から離隔させる噴射工程と、
を備えることを特徴とする電子回路の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の電子回路の製造方法であって、
前記半田は、前記第2導電部を被覆してなるものであることを特徴とする電子回路の製造方法。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の電子回路の製造方法であって、
前記加熱工程において、
前記素子は前記第1導電部と異なる主面に形成された第3導電部を有し、且つ、該第3導電部に対して第2の半田を介して第4導電部を接触した状態で、前記半田と前記第2の半田とを加熱することを特徴とする電子回路の製造方法。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の電子回路の製造方法であって、
前記噴射工程において、
前記気体の噴射は、前記半田が溶融される前から開始されることを特徴とする電子回路の製造方法。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の電子回路の製造方法であって、
前記支持工程において、
所定の前記孔部が前記第2導電部を吸引することを特徴とする電子回路の製造方法。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の電子回路の製造方法であって、
前記支持工程において、
前記支持部は溝部を有し、該溝部内に前記第2導電部の少なくとも一部が位置するようにして該第2導電部を支持することを特徴とする電子回路の製造方法。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の電子回路の製造方法であって、
前記支持工程において、
所定の前記孔部が前記素子を吸引することを特徴とする電子回路の製造方法。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の電子回路の製造方法であって、
前記噴射工程において、
所定の前記孔部が前記素子に向けて前記気体を噴射することを特徴とする電子回路の製造方法。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の電子回路の製造方法であって、
前記素子が半導体素子を含むことを特徴とする電子回路の製造方法。
【請求項10】
請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の電子回路の製造方法であって、
前記素子が太陽電池素子を含むことを特徴とする電子回路の製造方法。
【請求項11】
素子に設けられた第1導電部と、第2導電部とが電気的に接続されて成る接続部を有する電子回路を製造する電子回路製造装置であって、
少なくとも一以上の孔部を備え、且つ、前記第1導電部に対して半田を介して接触された前記第2導電部を支持する支持部と、
前記半田を加熱して、その少なくとも一部を溶融させる加熱部と、
所定の前記孔部から前記第2導電部に向けて気体を噴射するように制御する制御部と、
を備えることを特徴とする電子回路製造装置。
【請求項12】
請求項11に記載の電子回路製造装置であって、
所定の前記孔部は、前記素子及び前記第2導電部の少なくとも一方を吸引するものであることを特徴とする電子回路製造装置。
【請求項13】
請求項11又は請求項12に記載の電子回路製造装置であって、
前記支持部は、内部に前記第2導電部の少なくとも一部が配される溝部を有することを特徴とする電子回路製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2008−251979(P2008−251979A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−93954(P2007−93954)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】