説明

電子式キャッシュレジスタ

【課題】 オプション機器を接続するだけでキー入力無効のキーが自動的に有効になるようにすることである。
【解決手段】 通常使用されるキーと通常時はキー入力無効のキーとを配設したキーボード5と、オプション機器23が接続されているか否かを検出するオプション機器接続検出手段と、このオプション機器接続検出手段によりオプション機器23が接続されたことを検出した時にキー入力無効の前記キーを前記オプション機器23に対応させて有効とする編集手段とよりなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機能の拡張のために増設キーボードやスリッププリンタ等のオプション機器を接続することができる電子式キャッシュレジスタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、増設キーボードやスリッププリンタ等のオプション機器を接続することができる電子式キャッシュレジスタにおいて、オプション機器が接続されると、そのオプション機器を動作させるためのキー、もしくは、オプション機器が接続されることにより必要となるキーが発生する。そのため、オプション機器を接続する度に、電子式キャッシュレジスタのキーボード上のキー配列を変更しなければならなかった。
【0003】
このように電子式キャッシュレジスタのキーボード上のキー配列を変更するためには、種々の手段が存するが、特許文献1にその一例が示されている。すなわち、特許文献1に記載されたキーボードは、置数をするテンキースイッチ、複数のファンクションスイッチ、各商品部門或いは商品名と対応させた多数の部門スイッチ等をオンオフするキーよりなっているものであるが、これらの各種のキーの機能が変更設定されることを前提にしてその操作領域の文字、数字あるいは記号を変更可能とする技術が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2000−20223号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
オプション機器を接続する度に、電子式キャッシュレジスタのキーボード上のキー配列を変更しなければならないということは、オプション機器接続時の手数が大変であり、実質的にはキーボードの再設定となる。そのため、オプション機器を接続するためには、専門的な技術が必要となり、簡単にオプション機器の接続あるいは交換をすることができない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、通常使用されるキーと通常時はキー入力無効のキーとを配設したキーボードと、オプション機器が接続されているか否かを検出するオプション機器接続検出手段と、このオプション機器接続検出手段によりオプション機器が接続されたことを検出した時にキー入力無効の前記キーを前記オプション機器に対応させて有効とする編集手段とよりなる。
【発明の効果】
【0007】
したがって、オプション機器を接続するだけでキー入力無効のキーが自動的に有効になり、キー配列の変更をしなくても所望のオプション機器をスムーズに使用可能とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の実施の態様を図面に基いて説明する。まず、図1に示すように、電子式キャッシュレジスタ1は、ドロワ2の上部に本体制御部3が一体的に載置されており、この本体制御部3の本体ケース4の前方には、キーボード5が配設されており、中央部上方には表示部6が設けられている。また、この表示部6の左右には、レシート等を発行するプリンタ7が設けられている。また、このような電子式キャッシュレジスタ1に必要に応じて選択的に接続されて使用されるオプション機器である増設キーボード8が設けられている。この増設キーボード8は、例えば、レストラン等において使用されるものであり、メニュー毎の単価が各キーに割り当てられている。そのため、メニューの数に対応した数のキーが配設されているものである。
【0009】
前記キーボード5には、0〜9のテンキーの他に各種のファンクションきーが配設されているものであるが、これらのキーの他に、通常は、キー入力無効であり、後述するようにオプション機器を接続することによりそのオプション機器に対応して有効となるキーが配設されており、本実施の態様においては、金額キー9及び伝票発行キー10とが設けられている状態を例示する。
【0010】
前記電子式キャッシュレジスタ1の回路的な基本構造を図3に示す。まず、CPU11が設けられ、このCPU11には、バスライン12を介して各種制御プログラムを格納したROM(リードオンメモリ)13、各種データを格納するメモリを有するRAM(ランダムアクセスメモリ)14が接続されている。また、前記CPU11には、I/Oポート15を介してキー割り付けコントローラ16が接続されているとともに、表示部コントローラ17を介して前記表示部6が接続され、また、キーボードコントローラ18を介して前記キーボード5が接続されている。さらに、前記CPU11に接続されたI/Oポート19が設けられ、このI/Oポート19には、ドロワ解除装置20を介して前記ドロワ2が接続され、また、プリンタ駆動回路21を介して前記プリンタ7が接続されている。また、前記I/Oポート19には、オプション機器接続口22が接続されており、このオプション機器接続口22には、各種のオプション機器23が選択的に接続される。その一例として前記増設キーボード8がオプション機器23として接続される。
【0011】
図4に示すものは、オプション機器接続検出手段24である。すなわち、P00〜P13と表記した接続端子を備えた前記CPU11に、+5Vの駆動電圧が印加されたECRコネクタ25のSELECTライン26が接続されている。このECRコネクタ25には、「+5V」、「SELECT」、「TXD」、「RXD」、「CS」、「INT」、「SG」のそれぞれの接続部が設けられている。また、前記ECRコネクタ25に選択的に接続される増設キーボードコネクタ27が設けられている。この増設キーボードコネクタ27にも、前記ECRコネクタ25と同様に、「+5V」、「SELECT」、「TXD」、「RXD」、「CS」、「INT」、「SG」の接続部が設けられており、特に、前記「SELECT」ライン及び前記「SG」ラインは、接地されている。したがって、ECRコネクタ25に増設キーボードコネクタ27を接続することにより、「SELECT」信号が、H→Lに変化し、この信号レベルをCPU11側で検出することにより、オプション機器23が接続されたことを認識する。
【0012】
このような構成において、電子式キャッシュレジスタ1のみの使用状態においては、キーボード5上の各種のキーの内、金額キー9と伝票発行キー10とは、それらを押下しても何の信号も出ない状態、すなわち、キー入力無効の状態になっている。そのため、これらの金額キー9と伝票発行キー10とを使用しない状態での操作が行われているものである。
【0013】
この状態において、レストラン等においては、メニューにある料理の単価を一つのキー毎に割り振った状態の増設キーボード8を使用することが多い。このような場合には、増設キーボード8を電子式キャッシュレジスタ1に接続する。この接続時に、ECRコネクタ25に増設キーボードコネクタ27が接続されるものであるが、これらの接続により、接続されたオプション機器23の判定がなされる。この判定は、前述のように、「SELECT」信号が、H→Lに変化し、この信号レベルをCPU11側で検出することにより、接続されたオプション機器23が増設キーボード8であることが認識される。ついで、接続された増設キーボード8が使用可能であるかどうかのチェックもなされる。当該増設キーボード8が使用可能であることは、電子式キャッシュレジスタ1側で予めプログラム制御されるよう設定されているものであるが、もし、使用不能である場合には、使用するオプション機器23のドライバーを入力して使用可能な状態とする。ここで、接続されたのが増設キーボード8であるので、その増設キーボード8の個々のキーには、メニューに対応した単価が入力されるように設定されているものであり、そのまま、メニューの単価入力を行うことができる。しかるに、期間商品の設定や特売等の理由により、レストランにおけるメニューの単価は変更されることがあり、この変更設定は、電子式キャッシュレジスタ1側で行われる。その場合には、金額変更のために、キーボード5上の金額キー9が使用可能である必要がある。この金額キー9が使用可能であることは、電子式キャッシュレジスタ1側のECRコネクタ25に増設キーボード8側の増設キーボードコネクタ27を接続することにより、「SELECT」信号が、H→Lに変化し、この信号レベルをCPU11側で検出することにより、金額キー9が使用可能となる。すなわち、当該オプション機器23で使用するキーボードパターンを呼び出し、そのキーボードパターンに必要なキーがキーボード5に存在するかどうかをチェックし、存在する場合には、当該オプション機器23で使用するすべてのキーをアクティブにし、かつ、オプション機器23、この場合には、増設キーボード8が接続されていることを表示する。この場合、増設キーボード8を認識してキー入力無効であった金額キー9を有効とする作用をする編集手段が設けられていることになり、この編集手段により、増設キーボード8に対応させてキー入力無効であったキーを有効とするものである。
【0014】
また、全く新規のオプション機器23である場合などは、そのオプション機器23で使用するキーがキーボード5に存在しない場合がある。このような場合には、必要とするキーを新たな設定しなければならないので、空キーがあるかどうかをチェックして空キーがあれば、そのキーを必要な機能キーとして使用できるように設定する。
【0015】
前述の場合には、オプション機器23を増設キーボード8として説明したが、他のオプション機器23として、伝票発行に使用するスリッププリンタ(図示せず)などがある。このスリッププリンタに対しては、キーボード5上で、伝票発行キー10が準備されている。そのため、スリッププリンタが接続される前は、伝票発行キー10はキー入力無効の状態であるが、スリッププリンタを接続することにより使用可能な状態になり、伝票発行をスリッププリンタで行うことができるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の態様を示すもので、電子式キャッシュレジスタと増設キーボードとの斜視図である。
【図2】電子式キャッシュレジスタのキーボードの平面図である。
【図3】電子式キャッシュレジスタの回路的な基本構造を示すブロック図である。
【図4】オプション機器接続検出手段の回路図である。
【図5】動作の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0017】
5 キーボード
23 オプション機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通常使用されるキーと通常時はキー入力無効のキーとを配設したキーボードと、オプション機器が接続されているか否かを検出するオプション機器接続検出手段と、このオプション機器接続検出手段によりオプション機器が接続されたことを検出した時にキー入力無効の前記キーを前記オプション機器に対応させて有効とする編集手段とよりなることを特徴とする電子式キャッシュレジスタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−34661(P2007−34661A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−216784(P2005−216784)
【出願日】平成17年7月27日(2005.7.27)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】