説明

電子情報の作成及び開示システム、並びにその方法

【課題】 顧客と証券取引所間で送受信される電子情報の信頼性を保証しつつ、顧客の要求する形式に変換した電子情報を指定時刻に確実に開示することを目的とする。
【解決手段】 証券取引所情報システムにおいて、作成された電子情報を開示するための情報として、開示日時、開示方法、開示先アドレス、フォーマット形式、及び関連ファイル等が指定されると、その指定フォーマット形式で電子情報が展開され、さらに電子署名及び時刻情報を付与することで原本性が確保された形態で保管し、指定の開示日時に達すると保管された電子情報を指定の開示方法で指定の開示先アドレスに送信するように構成したので、証券取引所の電子情報への原本性を確実に付与し且つ保証することが可能となり、インターネット等を介して配信される電子情報に対する信用性を確保することができる。これにより、顧客と証券取引所間で電子情報を安心して指定時刻にネット配信することができ、利便性を格段に向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信ネットワークを介した電子情報の管理に関し、特に、電子情報を作成する際に固有の原本情報が付与されるようにするとともに、原本性を保証した電子情報を任意の形式で任意の時刻に開示又は配信することを実現させるための技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、情報インフラストラクチャとしての通信ネットワークが広範囲に浸透してきた。例えば、様々な通信ネットワークを結ぶグローバルな情報インフラストラクチャであるインターネットは、民間ビジネスが提供する情報又は商品の中から各個人が興味のあるものを入手するために利用されるのが主流であるが、中央省庁或いは自治体への各種申請手続きといった公的なサービスのために利用するなど、その利用目的が拡大してきている。
【0003】
株券や債券などの証券を取り扱う証券取引所でも各種の情報に対する電子化が推進されつつあり、これら電子情報をインターネットを介して配布するサービスが実際に行われている。このため、将来は、個人、企業にかかわらず、顧客からの電子情報の開示又は配信の要求がますます増大することが予想され、これに呼応するサービスを充実させることが必須となってきている。
【0004】
このような状況の中、電子情報に対していつの時点でその情報が作成されたり送受信されたりするかの情報を付与する時刻認証技術(タイムスタンプ)も普及されはじめてきた。タイムスタンプによる確定時刻は各電子情報の属性情報として様々な用途に用いることが可能で、例えば、その電子情報をいつまで保存すべきかという保存期限の判断に用いて、指定の保存期間が経過すれば自動的に破棄することもできるようになる。最近では、この時刻認証技術を応用した、公証役場での電子公証制度等の実用化が開始されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように電子情報による文書(電子文書)は記録物の保管面や検索の容易性及び迅速性、さらには紙の文書に比べて簡単に複製することができるといった点で非常にメリットが大きい反面、紙の文書のように書かれていた内容を消去したり書き変えれば痕跡が残って発見され易いのに比べて、痕跡を残さないで改変され易いという問題点がある。本人の知らない間に、電子情報を複製して手続きを進められてしまう危険性が高いのである。最近では、第三者のふりをしてネットワーク上で活動するなりすましや、無断で電子情報を書き換える改ざんなどによって被害をもたらす犯罪行為が増加傾向にある。このため、インターネット上の本人性(同一性)の確認や電子情報の原本性を保証しながら電子情報を安全に流通させる重要性が指摘され、これを実現する仕組みが要求されてきている。
【0006】
そこで、ISO、IETF(Internet Engineering Task Force)を始めとした国際標準化団体又は規格団体は、前述した要求に応えるために技術的な標準化を推進させるべく各種の規格を整備している。技術的な標準化としては、具体的には例えば、PKI(Public Key Infrastracture:公開暗号鍵技術を利用した認証基盤)をベースにした電子署名が挙げられる。この電子署名技術は、電子情報の原本性の確保及び作成者の本人性の確認(即ち、電子認証)を実現することが可能と言われている。つまり、電子文書の作成者は、電子署名を行った文書と、自分が作成した文書であることを証明する証明書とを受信者に送付し、受信者はその証明書が有効であることを認証局で確認し、文書が原本性を保持していることを確認するのである。
【0007】
各国の政府によっても、前記PKIによる電子署名が電子情報の信頼性(原本性)を担保する手段として有効であることが認められ、法的背景を与えるために電子署名法を制定する流れにある。特に米国・欧州などの多くの国で法制化が進んでおり、電子文書の原本性を確保する対策の一つのスタンダードとなっている。日本においても平成13年4月に「電子署名及び認証業務に関する法律(電子署名法)」が施行され、電子署名が電子情報の原本性を確保する手段として公に認められている。
【0008】
なお、電子署名法は、(1)電子署名された文書の真正性(当該文書が電子署名の名義人による作成であること)の推定、(2)国が認める電子証明書発行機関である特定認定認証局の認定制度の2点を規定しており、この2点は独立の関係にありながら、原則としては(2)で認定された認証局による電子証明書を利用した場合に(1)の文書の真正性が付与され、(2)以外の認証機関による電子署名を利用した場合では個別に電子署名の有効性が評価されて、有効であれば(1)の文書の真正性が付与されることになると考えられている。
【0009】
このような状況において証券取引所で取り扱う電子情報に着目してみると、インターネットを介した取り扱い電子情報又は関連情報の開示や配布をする上で、様々な面からみた厳密性、正確性が殊のほか要求されることが明らかである。証券取引所から発信された情報が通信経路で改ざんされた内容になって顧客に届いてしまうとなれば、情報の公益性や影響度からみて社会・市場で大きな問題となることが予想されるからである。さらに、証券取引法におけるインサイダー取引の規制上、開示時間から12時間以前の株式等の証券取引が禁じられているように、電子情報の開示時刻を正確に制御することも非常に重要である。
【0010】
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、顧客と証券取引所の間で送受信される電子情報の信頼性を保証しつつ、顧客の要求に応じて当該電子情報を形式変換して指定した時刻に確実に開示又は配信することができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の証券取引所情報システムは、情報開示依頼を受けて電子情報を発行する証券取引所機関に設けられたホストコンピュータと、前記証券取引所機関に設けられた情報端末とを備え、前記証券取引所機関の情報端末は、作成された電子情報を開示するための情報として、開示日時、開示方法、開示先アドレス、フォーマット形式、及び関連ファイルのうちの一部又は全部を指定する申請機能を有し、前記証券取引所機関のホストコンピュータは、前記証券取引所機関の情報端末による申請機能で指定されたフォーマット形式で前記電子情報を展開するフォーマット展開機能と、前記フォーマット形式で展開された電子情報に、電子署名及び時刻情報を付与することによって原本性を確保する原本性確保機能と、前記原本性が確保された電子情報を保管しておく保管機能と、前記申請機能で指定された開示日時に達すると、前記保管されている電子情報を前記開示方法でWebページ上で公開したり又は前記開示先アドレスに送信して開示する情報開示機能とを有することを特徴としている。
【0012】
また、情報開示依頼を受けて電子情報を発行する証券取引所機関に設けられたホストコンピュータと、各ユーザ機関に設けられた情報端末とを備え、前記ユーザ機関の情報端末は、前記証券取引所機関に登録されている所定の電子情報を取得するため、又は前記証券取引所機関に電子情報を登録若しくは開示してもらうための情報として、開示日時、開示方法、開示先アドレス、フォーマット形式、及び関連ファイルのうちの一部又は全部を指定する申請機能を有し、前記証券取引所機関のホストコンピュータは、前記ユーザ機関の情報端末による申請機能で指定されたフォーマット形式で電子情報を展開するフォーマット展開機能と、前記フォーマット形式で展開された電子情報に、電子署名及び時刻情報を付与することによって原本性を確保する原本性確保機能と、前記原本性が確保された電子情報を保管しておく保管機能と、前記電子情報の取得又は開示の場合は、前記申請機能で指定された開示日時に達すると、前記保管されている電子情報を前記開示方法でWebページ上で公開したり又は前記開示先アドレスに送信して開示する情報開示機能と、前記電子情報の取得、登録、又は開示サービスに対する対価を請求するために課金計算を行う課金機能とを有することを特徴としている。
【0013】
また、各種の電子情報を蓄積するデータベースにアクセス可能な証券取引所機関に設けられたホストコンピュータと、前記証券取引所機関に設けられた情報端末とを備え、前記証券取引所機関の情報端末は、作成された電子情報を保管するために、当該電子情報に関連するファイル情報、及びフォーマット形式情報のうちの一部又は全部を指定する保管申請機能を有し、前記証券取引所機関のホストコンピュータは、前記証券取引所機関の情報端末による保管申請機能で指定されたフォーマット形式で電子情報を展開するフォーマット展開機能と、前記フォーマット形式で展開された電子情報に、電子署名及び時刻情報を付与することによって原本性を確保する原本性確保機能と、前記原本性が確保された電子情報を保管しておく保管機能とを有することを特徴としている。
【0014】
また、情報検証依頼を受けて電子情報の検証結果を通知する証券取引所機関に設けられたホストコンピュータと、前記証券取引所機関に設けられた情報端末と、各ユーザ機関に設けられた情報端末とを備え、前記証券取引所機関の情報端末又はユーザ機関の情報端末は、検証元情報及び検証内容を指定する申請機能を有し、前記証券取引所機関のホストコンピュータは、前記申請機能からの情報に基づいて証券取引所機関で保管された各種情報を検索し、前記検証元情報との比較を行う検証機能と、前記検証機能から得られた検証結果を、前記証券取引所機関の情報端末又はユーザ機関の情報端末に通知する検証通知機能とを有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
本発明の証券取引所情報システムによれば、作成された電子情報を開示するための情報として、開示日時、開示方法、開示先アドレス、フォーマット形式、及び関連ファイルのうちの一部又は全部が指定されると、その指定フォーマット形式で電子情報が展開され、さらに電子署名及び時刻情報を付与することによって原本性が確保された形態で保管されるようにし、指定された開示日時に達すると保管されている電子情報を指定の開示方法でWebページ公開したり又は指定の開示先アドレスに送信して開示するように構成したので、証券取引所で取り扱う電子情報に対して原本性を確実に付与し且つ保証し、しかも指定された正確な時刻に当該電子情報を開示又は配信することが可能となり、インターネット等の一般的に普及された通信経路を介して配信される電子情報に対する信用性を確保することができる。これにより、顧客と証券取引所間で電子情報を安心してネット配信することができるとともに顧客は正確な時刻で入手することができるので、安全性及び利便性を格段に向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
まず初めに、本発明の技術思想において重要となる「原本性(オリジナル)」について説明する。通常、役所に申請・届出などの手続きを行う際には、申請書や届出書が複製ではなく、「原本」であることが求められる。つまり、原本性が確保されていること(本人が作成したものであり、改変されていないこと)が必要となる。こうした条件が求められるのは、紙の文書による手続きだけでなく、電子文書による手続きの場合でも同じである。本発明における電子情報の作成又は開示は、この原本性を備えていることを前提にして行うものである。本実施形態では、「原本性」があるとは、
(1)文書を作成した者が確定していること(誰かが成りすまして作成したり、複写したものではないこと)。
(2)故意又は過失による改変がなく、内容が完全であること(知らないうちに書き変えられたりしていないこと)。
(3)作成、開示等が行われた時刻が保証されていること。
を満たしていることをいう。
また、以下に示す実施形態においては、「配布」という場合は指定された個人(又は組織)に対して限定的に開示する場合を表し、「公開」という場合は複数の者が閲覧可能なように開示する場合を表し、「開示」という場合は「公開」及び「配布」の両方を含むものとする。さらに、「情報」という場合は特に指定がない限り電子情報を表し、「文書」も電子文書を表すものとする。
【0017】
<原本性が確保された電子情報の作成/開示システム1の全体構成>
図1は、本発明の原本性が確保された電子情報の作成/開示システム1(以下、電子情報システム1と略す)の概略構成を示す図である。電子情報システム1は証券取引所内で構築・運用されるシステムである。
図1に示すように、電子情報システム1は、電子情報取得手段12と、電子情報配信手段13と、顧客要求受付手段14と、情報収集手段15と、電子署名付与手段16と、時刻情報付与手段17と、情報保管手段18と、情報検証手段19と、原本性確保手段11とを含んだ構成である。担当者は情報端末2から電子情報取得手段12を介して電子情報システム1にアクセス可能である。また、システム外部の顧客(個人又は企業)の情報端末3は通信ネットワーク4を介して電子情報システム1にアクセスし、電子情報システム1は顧客からの要求を受付けると対応した情報を作成又は検索して所望の電子情報に構築し、情報端末3又はその他の情報端末(不図示)に返信するように構成されている。また、電子情報システム1は課金データベース8を備えた課金システム7と接続している。なお、前述した構成をクライアント/サーバシステムとの関係で言えば、電子情報システム1がサーバ側で、担当者及び顧客の情報端末2,3がクライアント側として位置付けることができる。
【0018】
図1に示す電子情報システム1の各手段の主な機能を以下に記すが、これらに限定された機能でないことに留意されたい。各手段のその他の機能については、後述する電子情報システム1の4つの基本処理の中で説明することとする。
電子情報取得手段12は、担当者が作成した情報を情報端末2を介して取得してシステム内部に登録させる機能を備える。具体的には、主に、電子情報の入力(通常は、ファイル単位で行うので、電子ファイルのアップロードを意味する)、取得ファイルのフォーマット変換、フォーマット変換後の電子ファイルの登録、登録情報の承認及び管理、開示方法、開示先、開示時刻の指定、及び検証情報の登録などの処理を行う。なお、情報端末2は通信ネットワーク4と接続された構成でもよく、この場合、電子情報取得手段12は後述する顧客要求受付け手段14と同様に、通信ネットワーク4を介して電子情報を取得する。
電子情報配信手段13は、担当者が作成した情報を顧客に配布する機能を備える。これは顧客からのサービス要求に応じて配布することを含んでいる。具体的には、配布を要求する顧客の認証、対象の電子情報(ファイル)を顧客側でダウンロードするためのWebサーバ処理、ダウンロード情報の配信、配信通知の処理を行う。
【0019】
顧客要求受付手段14は、顧客が選択した所望の開示情報に関する識別情報を受付ける機能を備える。具体的には、主に、顧客を認証する処理、顧客により任意の変換フォーマット形式・開示方法・開示先・開示時刻が選択された際のこれら情報の入力を行う。
情報収集手段15は、担当者及び顧客の要求に従って必要な情報をデータベースから取得する機能を備える。
原本性確保手段11は、原本性を保証すべく電子情報(ファイル)に対して、印影データ、電子署名、及び時刻情報を付与する機能を備える。
電子署名付与手段16は、原本性を保証すべく電子情報(ファイル)に対して、電子署名を付与する機能を備える。
時刻情報付与手段17は、外部の時刻発信手段5から正確な時刻を取得し、原本性を保証すべく電子情報(ファイル)に対して時刻情報を付与する機能を備える。
情報保管手段18は、電子文書システム1で処理された原本性が保証された電子情報を記憶手段(例えば、データベース6)に保管する機能を備える。
情報検証手段19は、例えば、登録された情報に関する開示時刻を閲覧したい場合に、データベース6に登録されている関連情報を取得し、表示する機能を備える。
【0020】
なお、課金システム7及び課金データベース8は、ユーザによる情報要求に対するサービスの対価を自動計算するものであるが、本発明の技術思想とは深く関係しないので詳細な説明は省略する。また、クライアントである担当者及び顧客からの入力手段である情報端末2,3は説明を簡単にするためにそれぞれ1つずつ図示しているが、複数存在していてもよいことはいうまでもない。これら情報端末は、いずれも、例えばデスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ノートブックコンピュータ、ハンディコンピュータ、携帯型情報端末(PDA)など、一般的な情報処理が可能で通信ネットワークにアクセス可能な情報端末であれば特に制限されることはなく、その詳細な構成については後述するが、当業者であれば、データプロセッサ又は中央処理装置(CPU)と、メモリと、ユーザインタフェースと、通信インタフェース回路と、バスとを含んでいることは明らかであろう。
【0021】
通信ネットワーク4は、電子情報システム(サーバ)1と顧客(クライアント)とを相互に接続させるためのものであるが、他のネットワーク(不図示)と相互接続することやサブネットワーク(不図示)を含むことも可能で、例えばローカルエリアネットワーク(LAN)、都市データ(メトロポリタン)ネットワーク(MAN)、広域エリアネットワーク(WAN)、又は大規模ネットワーク(インターネット)によって具体化される。
さらに通信ネットワーク4は、アクセスサービスのタイプ(例えば公衆交換電話網(PSTN)、総合ディジタル通信ネットワーク(ISDN)、ディジタル加入者線システム(DSL)、非同期伝送モード(ATM)等)を限定するものでない。加えて、通信ネットワーク4は、プロトコルのタイプ(例えば、無線アプリケーション・プロトコル(WAP)、伝送制御プロトコル/インターネット・プロトコル(TCP/IP)、NetBIOS拡張ユーザインタフェース(NetBEUI)、又はインターネットワークパケット交換/シーケンスパケット交換(IPX/SPX)等)を限定するものではない。
【0022】
次に、電子情報システム1で行われる基本的な処理について説明する。これは4つに大別することができる。
(A)担当者が開示を目的として作成した電子情報に対する原本性の付与:
(B)顧客からの要求による原本性が保証された電子情報サービス:
(C)担当者からの要求による原本性が保証された電子情報の保管:
(D)担当者又は顧客からの要求による原本性が保証された電子情報の検証:
である。
【0023】
(A)担当者が作成した電子情報に対する原本性の付与を行う処理手順について:
担当者とは、情報端末2から電子情報システム1にアクセスして電子情報を作成したり、登録したりする者をいう。ここでは、担当者が電子情報を作成していく過程で電子情報に原本性を自動的に付与し、これをデータベース6に登録するまでの処理手順を示す。図2−A及び図2−Bは、その処理手順を示したフローチャートである。
図2−Aに示すように、担当者により電子情報が作成される(ステップS20)。この電子情報が、基本処理(B)における後に顧客の要求によって開示される開示情報であったり、基本処理(D)における担当者等が検証する電子情報となる。なお、電子情報は、例えば株価証明書、上場証明書、上場日証明書、又は決算証明書などであるが証券取引所からの通知情報、更には金融庁等の行政機関に提出するものと同一な情報等も含み、情報の種類や内容を特に限定するものではない。また、情報作成に利用されるソフトウェアアプリケーションは制限されない。例えばマイクロソフト社製品、Acrobat製品等、電子情報を扱う任意のアプリケーションで電子情報が作成されるものとする。
【0024】
担当者によって、例えば図8(a)に示すようなメニュー画面の「登録」が選択されたことを受けて、電子情報システム1の電子情報取得手段12は、情報端末2から送信される電子情報(電子ファイル)を入力する処理を開始するが、このとき、担当者が誰であるかを識別するために、ステップS21で、固有の識別情報(例えば、ユーザID、パスワード、生体情報、又はこれらの組合せ)の入力を要求する。次にステップS22で、電子情報取得手段12は、システム利用者として予め許可された担当者であるか否かを、例えばアクセス者が許可されている者を記録したテーブルを参照するなどして認証し、許可済みの担当者であれば入力された電子ファイルをデータベース6へ登録するための処理(図2−Aにおける破線枠内の処理)に進む。これに対して、許可されていない担当者が電子情報システム1にアクセスしようと判断できる場合、電子情報取得手段12は当該アクセスを拒否する(ステップS23)。
【0025】
登録される電子ファイルは、後に開示(公開又は配布)される可能性のある情報である。このため次のステップS24で、電子情報取得手段12は、例えば図8(b)に示すような選択画面を情報端末2に表示して、登録情報の開示種類(Webサーバによる公開、個別の利用者に対する配布、開示せず保存)、開示方法(メール、ダウンロード等)、開示先のアドレス、開示日時、登録する際のフォーマット形式(例えば、XBRL,PDF,XML,テキスト,ビットマップ,その他)、更には登録情報に関連ファイルの有無を担当者により指定させる。関連ファイルとは、登録情報と関連付けられる過去の登録情報をいう。例えば、2004年1月1日時点のある特定銘柄の株価証明書と、2005年1月1日時点の同銘柄の株価証明書とは関連性がある。そこで、前記2005年の株価証明書が登録される場合は、前記2004年の株価証明書(1)が関連ファイルとして指定されたりする(ステップS26)。また、本実施形態では、図8(c)の関連ファイル指定画面に示すように、置き換え、追加、サブセットであるかといった過去の登録情報とどのような関係にあるかを表す関連内容を指定するように構成している(ステップS27)。
なお、この関連性は、担当者の判断で指定する他に、銘柄や企業名などの任意のキー項目に基づいて電子情報システム1側で自動的に行うように構成してもよい。
【0026】
一度、電子情報が開示されればその後にこれを秘密状態にすることができない。このため、証券取引所としては開示するか否かを慎重に決定し、意図しない開示を防止することが顧客や社会に対する信頼を維持する上でも重要となる。そこで、電子情報取得手段12は承認プロセスを実行して、開示前に指定された承認者によって承認を要することとする(ステップS28,S29)。例えば、図8(d)に示すような承認確認画面によって、担当者が対象の電子情報に対する承認を必要とし承認者を指定した場合、電子情報取得手段12は、図3のフローチャートに示す承認プロセスを実行する。
【0027】
図3に示すように、承認プロセスは、まず、ステップS50で、承認指定者に対して「ある電子情報の承認をお願いします」という承認依頼を通知する。これは、承認を要する各電子情報にはそれを識別できる固有の承認番号が自動的に付与されるようになっていること、更に、図8(d)の確認画面に示すように、承認が必要な場合は承認者を指定するように構成されていることから、電子情報取得手段12は当該承認者に承認を依頼する承認番号が付された通知を、例えば電子メールを介して配信することができる。
承認番号が記載された通知を受け取った承認者も、担当者と同様に、電子情報システム1にアクセスするにはアクセス許可の権限を有していることを前提とする。このため、ステップS51で、電子情報取得手段12は、承認者に対して識別情報(ユーザID、パスワード、生体情報、又はこれらの組合せ)を入力することを要求する。同時に、何れの電子情報についての承認を行うのかを指定させるために承認番号の入力を要求する。
【0028】
次に、ステップS52で、電子情報取得手段12は、承認者によって入力された承認番号を基に、その承認者に依頼していた案件であるか否かをデータベース6等に記憶した承認者一覧リスト等を参照して確認する。仮に、承認者が入力ミスで依頼していない承認番号を指定していた場合は、正しい承認番号を再度入力することを要求する。このようにすることで、予定していない承認者によって知らない間に承認プロセスが実行されることを防止している。予定通り承認者に要求した承認番号が入力された場合、電子情報取得手段12は、対応する電子情報をデータベース6からダウンロードして画面上に出力する(ステップS53)。
【0029】
次に、ステップS54で、承認者が出力された電子情報に対して承認するか否かの判断を入力するために図8(e)に示すような承認確認画面を出力する。電子情報取得手段12は、承認者が本画面の承認するボタンを押下したか否かを判断し(ステップS55)、承認された場合は承認結果を履歴情報として残すために承認者、承認日時等を電子情報の関連情報として記録する(ステップS58)。そして、ステップS59で、担当者に対して、承認者が承認した旨を承認結果として電子メール等で通知した後、承認プロセスを終了する。これに対して、ステップS55で承認者が承認しなかった場合(承認しないボタンの押下の場合)は、担当者に未承認結果を電子メール等で通知し(ステップS56)、そして未承認状態を保持したまま承認プロセスを終了する(ステップS57)。
【0030】
このようにして図2−AのステップS29に示す承認プロセスを実行後、及びステップS28で承認プロセスを行わないとした場合も、次にステップS30で、電子情報取得手段12は電子情報をステップS24で指定したフォーマット形式に変換する。この場合、担当者が指定できるフォーマット形式は1つに限らない。担当者が複数のフォーマット形式を指定した場合、同一情報が複数のフォーマットに展開されることになる。なお、担当者が特定のフォーマット形式を選択せずに、電子文書の種類等によってどのフォーマット形式するかを自動的に指定して展開するようにしてもよい。
【0031】
次にステップS31で、電子情報に視覚的な印影データ、いわゆる電子印鑑を付与するか否かを担当者に指定させ、印影データを付与することを選択する場合は、図8(f)に示すようにどのような(どの種類の)印影を、また図8(g)に示すように電子情報のどの位置に追加するのかを指定するかを指定させるための画面を出力する。
【0032】
ここまでの処理は電子情報取得手段12によって行われていたが、以降の処理は、原本性確保手段11を中心にした電子署名付与手段16、時刻情報付与手段17、及び情報保管手段18が担当する。ステップS32での印影に関する指定に基づき、ステップS33で原本性確保手段11は電子情報に印影データを付与する。このように、ステップS24で指定した内容に基づいて関連ファイル、承認情報、印影データを必要に応じて付加させたフォーマット変換後の電子情報が、データベース6に登録される(ステップS34)。
【0033】
次に、原本性確保手段11は、指定された開示日時に達していないかをチェックする(ステップS35)。この開示日時のチェックは、電子情報システム1の外部の時刻発信手段5から取得できる正確な電子時刻を使用する。すなわち、テレフォンJJY、標準電波、FM放送の時報等の時刻情報の送信局を外部時刻源とし、例えばFM受信機等によって、送信局の計時装置によって計時された高精度の外部標準時刻(以下、「外部時刻」と称する)に基づいて生成される時報を受信し、これに基づいて外部標準時刻を取得して入力する。なお、FM受信機に代えて標準電波を受信する受信機を用いてもよく、また、GPSの時刻情報を受信するものであってもよく適宜変更可能である。
【0034】
外部時刻の参照によって開示日時に達していると判断された場合であって、且つ当該電子情報が承認を要していれば、原本性確保手段11はその承認手続きが完了しているかをチェックする(ステップS37)。図3の承認プロセスで説明したように、承認者によって承認がなされず未承認の状態(ステップS57)で登録される電子情報も存在するため、この段階で担当者に承認依頼の通知をして(ステップS38)、承認手続きを完了させることを要求するためである。最終的に承認が終了した場合、次に、電子署名付与手段16は、前述したフォーマット形式や関連性情報を基にして対象の電子情報のハッシュ値を求めて暗号化することで電子署名を作成する。この際、「○○証券取引所が作成した」ことを示す電子証明書を合わせて暗号化するので、「○○証券取引所」の名称による電子証明書を使用した電子署名が生成されることになる。電子署名付与手段16は、この電子署名を、データベース6に登録されている電子情報に付与する(ステップS39)。
【0035】
なお、当業者であれば明らかなように、ハッシュ値とは、与えられた原文から不可逆な一方向関数(ハッシュ関数)を用いて生成された固定長の値で、メッセージダイジェストなどとも呼ばれる値である。ハッシュ値から原文の電子情報を求めることや、同じハッシュ値を持つ異なった文章の電子情報を作成することは極めて困難であるため、ハッシュ値を比較することで原文電子情報と同一であるかどうかの確認を行うことができるものである。
【0036】
次に、ステップS40で、時刻情報付与手段17は、前述した正確な外部時刻を取得して現在の時刻(年月日を含む)として電子情報に付加する。これは、いわゆる当業者で既知のタイムスタンプである。電子署名同様、タイムスタンプの付加でも電子情報に関するハッシュ値を求め、通信ネットワークを介して任意のタイムスタンプ会社に送信し、外部時刻を用いた正確な時刻の情報とともに暗号化されて返信されるようにしてもよい。返されたタイムスタンプを電子情報に埋め込むことでタイムスタンプ付き電子情報を作成することができるようになる。
以上説明した電子署名及び時刻情報の付与によって、原本性として要求される(1)成りすましや複写によって作成されたものではなく作成者が確定していること、(2)改ざんがなく内容が完全であること、(3)作成等の時刻が保証されていること、を確保した電子情報を作成することが可能となる。
【0037】
次に、ステップS41で、情報保管手段18は、原本性が確保された電子情報をデータベース6にあらためて保管する。この保管の際、保管時刻及び登録者(即ち、電子情報を作成・登録処理した電子情報システム1の担当者)情報をリンク付けして記憶するようにしている。
なお、本実施形態では、ステップS41での原本性が確保された電子情報が保管されるのはデータベース6としたが、ステップS40までの処理で用いるデータベースと異なるデータベースに保管するようにしてもよいことは言うまでもない。
【0038】
また、電子情報配信手段19は、ステップS24で指定した開示日時になると、指定された開示種類及び開示方法によって、指定された開示アドレス先に指定フォーマット形式で対象の電子情報を開示する。
【0039】
以上説明したように、担当者が作成した電子情報に対して原本性を付与するサービスにおいては、証券取引所側で作成した電子情報を保管する際に、証券取引所名義を有する電子証明書による電子署名と、時刻証明(タイムスタンプ)と、印影データとを付与しながら、複数の形式(フォーマット)に展開可能にするとともに当該電子情報に関連のある情報を関連づけ、更に必要に応じて承認プロセスを経てから登録するように構成しているので、原本性が保証された承認済みの内容の電子情報を、顧客が指定する任意の形式で指定の日時に正確に開示(公開又は配布)することが可能となる。
したがって、インターネット等の一般的に普及された通信経路を介して配信される電子情報を安心して利用することができるようになる。
【0040】
(B)顧客からの要求による原本性が保証された電子情報サービスを行う手順について:
次に、顧客(利用者)から所定の電子情報の開示要求があったことを受けて、証券取引所が上場企業及び参加者から事前に収拾済みの情報を集計し整形して配布する処理手順を示す。図4−A及び図4−Bはその処理手順を示したフローチャートである。ここで、「登録」とは外部の個人(組織)が証券取引所の担当者に対して電子情報を渡すことを意味し、「取得」とは外部の個人(組織)が証券取引所で記録又は登録された電子情報を取得することを意味するものとする。
図4−Aに示すように、電子情報の開示又は登録を要求することを希望する者が、情報端末3を介して電子情報システム1にアクセスすることを試みる(ステップS70)。具体的には例えば、証券取引所が開設するWebサイト上の電子情報提供ページをクリックする。これを受けて、電子情報システム1の顧客要求受付け手段14は、その利用希望者を識別するための固有の識別情報(例えば、利用者の氏名や住所等、再利用者で証券取引所からユーザID、パスワード等が付与されている場合はこれらの情報、生体情報、又はこれらの組合せ)の入力を要求する(ステップS71)。顧客要求受付け手段14は、入力された識別情報を基に電子情報システム1へのアクセスを許可するか否かを判断する(ステップS72)。例えば、犯罪目的で情報を入手したことのある者や、成りすましで情報を入手しようとしている者のリストを参照して該当者であればアクセスを拒否するようにできる(ステップS73)。
【0041】
次に、顧客要求受付け手段14は、アクセスを許可した利用者に対して利用内容の選択画面を情報端末3に表示する。利用者は、利用内容として表示された(1)情報を取得する、(2)登録する、又は(3)公開するの中から何れかを選択した後、さらに詳細な所定の指定項目を順次入力していく。
【0042】
(1)ステップS74で「取得」が選択された場合:
顧客要求受付け手段14は、ステップ75で、図9に示すような取得情報に関する指定画面を介して、利用者が証券取引所で保有する情報のどの種類の情報(例えば、上場関係情報、先物・オプション取引関係情報、株価証明情報、為替情報など)を、更にはどのような範囲(例えば、新規上場分、特定銘柄株の終値、配当予想など)で取得することを希望しているのかを把握する。ここで、図9(a)は取得情報の分類を選択する画面例、図9(b)は図9(a)で「証明情報」を選択したときの具体的な証明情報を更に特定するための画面例、図9(c)は図9(b)で「株価証明」を選択したときの指定可能な範囲条件を選択するための画面例であって、図示する他に証明日時を選択することを含んでいてもよい。図9(d)は取得情報のフォーマット形式を選択するための画面例、図9(e)は取得情報の開示先及び開示方法を選択/指定するための画面例、図9(f)は取得情報をダウンロードする際の画面例である。なお、これら画面例はあくまでも一例であって限定されるものではない。そして、ステップS76で、情報収集手段15は、顧客要求受付け手段14で得た指定情報を基にデータベース6から必要な情報を検索及び抽出して、利用者が望む形に整えた電子情報を生成する。
【0043】
次に図4−Bに示すステップS77で、情報収集手段15は、生成した電子情報が承認を要する内容であるかを判断し、必要であれば証券取引所の担当者に対して承認プロセスを実行するよう依頼する(ステップS78)。どのような電子情報に対して承認を必要とし、どの担当者に依頼するのかは予め決定されているものとする。依頼された担当者は、承認者を指定して承認依頼を通知するが、これについては前記(A)の手順におけるステップS29で示した図3における手順と同じなので省略する。
【0044】
次に、情報収集手段15は、ステップS76で生成して承認が適宜付加された電子情報に対して、更に印影データを付与する(ステップS80〜S82)。そして、ステップS83で、この情報提供サービスに対する対価を徴収するための課金処理を行う。課金処理は、電子情報システム1内に課金手段を備えて行うようにしてもよいが、本実施形態では図1に示すように外部の課金システム7で実行する構成にしている。典型的な課金処理は、どのような情報をどれくらいの量で提供したかを基にして計算されるが、適宜変更可能である。
【0045】
次に、承認終了の確認(ステップS84〜S86)、電子署名の付与(ステップS87)、時刻情報の付与(ステップS88)、データベースへの保管(ステップS89)、指定された開示先への開示(ステップS90)をそれぞれ実行するが、これについては前記(A)の手順におけるステップS36〜S42の対応する処理と同じなので省略する。
【0046】
(2)ステップS74で「登録」又は「公開」が選択された場合:
顧客要求受付け手段14は、利用者が選択した利用内容が「登録」であれば、さらに登録先の担当者(担当部署であってもよい)、開示方法、及び開示先アドレスが指定されるのでこれらの情報を入力する(ステップS91)。一方、利用者が選択した利用内容が「公開」であれば、公開方法、公開先を入力する(ステップS92)。更にステップS93で、開示時刻及びフォーマット形式などを入力する。次に、ステップS94で、顧客要求受付け手段14は、利用者が提供する電子情報を入力(アップロード)する。次に、アップロードした情報に対して関連ファイルがあれば担当者に関連ファイルを指定させ(ステップS96)、更に関連ファイル間の関連性情報を作成する(ステップS97)。
【0047】
その後、図4−A及び図4−Cに示すように、「登録」及び「公開」ともに、承認プロセス、指定フォーマットへの変換、印影データの付与、課金処理、承認の確認、電子署名の付与、時刻情報の付与、保管(ステップS100〜S112)を実行するが、これらの具体的な内容は、前記(A)の手順におけるステップS28〜S42の同一名の対応する処理と同じなので説明を省略する。そして、ステップS113で担当者への通知又は指定された公開先への公開が行われる。なお、「登録」の場合は、情報が証券取引所外に出るのではないので、本実施形態では承認プロセス及び承認の確認に関する処理を行わないように構成している。
【0048】
以上説明したように、顧客(利用者)からの要求に応じて原本性が保証された電子情報の提供サービスにおいては、利用者から入手する情報を登録又は公開する場合でも、更には利用者が証券取引所から発信される情報を取得する場合でも、証券取引所名義を有する電子証明書による電子署名と、時刻証明(タイムスタンプ)とを付与するように構成しているので、証券取引所が配布する電子情報は原本性が確保された信用性の高い情報を示すことが可能となる。更に、証券取引所内の担当者への通知やデータベースへの保管を、原本性を保証した上で指定された時刻に確実に行うことができる。
【0049】
また、証券取引所が電子情報システム1を通った電子情報を顧客に開示した後、顧客は電子情報に埋め込まれた電子署名を復号することにより、得られるハッシュ値に基づいて改ざんがなされたか否かを検証することができる。このため、情報の入手経路にかかわらず当該電子情報の原本性が証券取引所によって保証されているか、電子証明書の有効期限が切れていないか、タイムスタンプ時以降から現在に至るまで改ざんされていない等、即ち信用ができる電子情報であるか否かを確認することができる。このことは、取得された電子情報が様々に流通することによって、電子情報の入手経路を特定できなくなっている第三者にとっては、その信用性(原本性)を確認するのに非常に有効である。
【0050】
ここで説明した顧客の要求に応じた電子情報の提供サービスには、例えば、インターネットを通じて全国の証券取引所、及びJASDAQの上場会社の開示情報や各種資料を顧客の情報端末で閲覧することができるネットワークサービスを含んでいる。このネットワークサービスでは、全国上場会社の適時開示資料(決算短信、業績予想、配当予想等)・大量保有報告書・自己株券買付状況報告書・上場申請のための有価証券報告書等を閲覧・印刷・保存等したりするが、本発明によって原本性の保証された資料又は報告書を指定された処理時刻に実施することができるようになる。
【0051】
(C)担当者からの要求による原本性が保証された電子情報の保管を行う手順について:
次に、担当者からの要求により原本性の確保された電子情報を電子情報システム1内に保管する処理手順を示す。図5はその処理手順を示したフローチャートである。
図5に示すように、担当者により保管情報が作成される(ステップS120)。なお、情報作成に利用されるソフトウェアアプリケーションは制限されない。例えばマイクロソフト社製品、Acrobat製品等、電子情報を扱う任意のアプリケーションで電子情報が作成されるものとする。
【0052】
電子情報システム1の電子情報取得手段12は、情報端末2から送信される保管情報(電子ファイル)を入力するが、このとき、担当者が誰であるかを識別するために、ステップS121で、固有の識別情報(例えば、ユーザID、パスワード、生体情報、又はこれらの組合せ)の入力を要求する。ステップS122で、電子情報取得手段12は、システム利用者として予め許可された担当者であるか否かを、例えばアクセス者許可テーブルを参照するなどして認証する。許可済みの担当者であれば入力された電子ファイルをデータベース6へ登録する(ステップS124)。これに対して、許可されていない担当者が電子情報システム1にアクセスしようと判断できる場合、電子情報取得手段は当該アクセスを拒否する(ステップS123)。
【0053】
さらにステップS124では、印影データの種類、印影データを付加する位置、フォーマット形式、関連ファイルの有無など、処理内容の選択を行う。次に、ステップS126で、電子情報取得手段12は、保管情報に対して関連ファイルがあれば担当者に関連ファイルを指定させ、関連性情報を作成する(ステップS127)。その後、指定フォーマットへの変換(ステップS128)、印影データの付与(ステップS129〜S131)した後にデータベース6へ一旦登録し(ステップS132)、更に電子署名の付与(ステップS133)、時刻情報の付与(ステップS134)を行う。そしてステップS135で、情報保管手段18は、これまでの処理によって原本性を確保した電子情報をデータベース6に保管する。これらの具体的な内容は、前記(A)及び(B)における同一名の対応する処理と同じなので説明を省略する。なお、保管データに対応付けながら、保管日時、保管請求者、及び承認者等の情報も保管ログとしてあわせて記録する(ステップS135)。
【0054】
以上説明したように、担当者からの要求により原本性の確保された電子情報を電子情報システム1内に保管するサービスにおいては、電子証明書による電子署名と、時刻証明(タイムスタンプ)とを付与するように構成しているので、例えば上場企業からの株価に影響したりする適時開示資料(新製品情報、役員人事情報、又は決算情報)等の重要な電子情報を、原本性を確保した上で保管することが可能となる。これにより、電子情報に客観的に信頼のある情報としての価値を持たせる場合に、証券取引所で保管されたものであることを示すことによって直ちに証明をすることができるようになる。
【0055】
(D)顧客等からの要求による原本性が保証された電子情報の検証を行う手順について:
次に、顧客等からの要求により電子情報の検証を行う処理手順を示す。
例えば、顧客が、A会社に関する上場証明情報を配布要求してあって既にこれを入手していた。その後A会社に関する上場情報に変更があって第三者から変更後の上場証明情報をさらに入手した。先に入手した上場証明書が後のものに置き換えられた情報或いは追加された情報であるのか等、2つの上場証明情報の関係を把握したいというような要求がある。このような場合、電子情報システム1は、データベースに記録された原本性の確保された各種の電子情報並びにその関連情報を検索して検証し、その検証結果を通知するようにする。図6はその処理手順を示したフローチャートである。なお、このような要求は顧客に限らず証券取引所内の担当者等からも生じる。例えば、証券取引所内の担当者がB会社の株価証明情報に対する開示履歴を閲覧したいというような場合である。このときは、電子情報システム1によって処理された検証結果は、内部向けの通知となる。
【0056】
図6に示すように、まず、利用者よって検証情報の準備がなされ、情報端末3を介して電子情報システム1へのアクセスが行われる(ステップS140)。このとき、電子情報システム1の顧客要求受付け手段14は、利用者が誰であるかを識別するために、ステップS141で、固有の識別情報(例えば、ユーザID、パスワード、生体情報、又はこれらの組合せ)の入力を要求する。同様に、担当者よって検証情報の準備がなされ、情報端末2を介して電子情報システム1へのアクセスが行われる場合は、電子情報システム1の電子情報取得手段12が、担当者を識別するために前記固有の識別情報の入力を要求する。以下、利用者からの要求による電子情報の検証を例にして説明するが、担当者からの要求よる検証も同様である。
【0057】
ステップS142で、顧客要求受付け手段14(担当者による要求の場合は電子情報取得手段12、以下同じ)は、システム利用者として予め許可された利用者であるか否かを、例えばアクセス者許可テーブルを参照して認証し、許可済みの者であれば検証対象の電子情報をデータベース6へ登録する(ステップS144)。これに対して、許可されていない者が電子情報システム1にアクセスしようと判断できる場合、顧客要求受付け手段14は当該アクセスを拒否する(ステップS143)。
【0058】
次に、ステップS145で、顧客要求受付け手段14は、登録した検証対象の情報に対して具体的にどのような検証処理を行うのかを利用者に指定してもらうための画面出力を行う。例えば、前述した置換えや追加などの関連情報を検証するための閲覧請求や開示履歴を検証することを指定することの他に、同一内容の情報で他のフォーマット形式として登録されているものを検証することを指示したり、又は開示時刻や作成者や承認記録など登録時の記録を検証することを指示したりする。
【0059】
次に、ステップS146で、情報検証手段19は、登録されている検証情報が有する電子署名値を参照キーとしてデータベースに登録された関連情報を検索して取得する。データベース6内には、電子署名及び時刻証明(タイムスタンプ)によって原本性が確保された状態で各種の電子情報を記録しているので、電子署名値による検索を実行できる。ここで電子署名値以外の情報によって検証情報と関連情報とを一義的かつ包括的に検索できるのであれば、その情報を参照キーとして用いるようにしてもよい。そして、情報検証手段19が検証の結果得られた情報を顧客要求受付け手段14に渡すと、顧客要求受付け手段14はこれを情報端末3に出力して利用者に通知するとともに(ステップS147)、当該情報を閲覧又はダウンロードできるようにする(ステップS148)。
【0060】
以上説明したように、顧客等からの要求により電子情報の検証を行うサービスにおいては、電子情報システム1を用いて電子署名及び時刻証明を付与して作成し、開示又は配布される/された電子情報を情報検証手段19へ登録するように構成しているので、登録情報に関する関連情報、登録者又は承認者といった承認プロセスに関するログ、電子情報システム1を利用(通過)したことに関するログ、及び異なるフォーマットで記録された電子情報を検索することが可能である。特に、この検索に際して原本性が確保された電子情報の原本性情報(例えば、電子署名値)をユニークキーとして参照しているので、顧客又は担当者が所望する関連情報を確実且つ迅速に取得することができる。
【0061】
なお、本実施形態では、前述した一連の処理を電子情報システム1の各構成手段が実行してクライアント側である利用者の情報端末3、又は証券取引所内部の担当者の情報端末2を制御するように説明したが、これに限定するものではない。クライアント/サーバシステム型ではよく行われているように、電子情報システム(サーバ)1の負担を軽減するために情報端末(クライアント)2,3上のブラウザで入出力処理を行いその結果を電子情報システム1に送信するように構成してもよい。
【0062】
なお、図2−A、図2−B、図3、図4−A、図4−B、図4−C、図5、及び図6のフローチャートに示した本発明の処理手順では、説明を簡単にするために各手順を一連のブロックにして示して説明しており、幾つかのブロックは図示され説明されるものとは異なる順序及び/又は他のブロックと同時に起こり得ることから、本方法はブロックの順序によって厳密に限定されるものではないことを理解されたい。例えば、図2−BにおけるステップS40の時刻情報の付与処理を先に行った後に、ステップS39の電子署名の付与処理を行うようにするなど、ステップS41における原本確保情報の保管処理の前で順不同でこれらの各処理が終了することを認めているものである。
【0063】
更に、図示された全てのブロックより少ないブロックが本実施形態例の方法を実施するのに必要とされる場合もある。更に、付加的な方法及び/又は別の方法では、図示されていない追加のブロックを用いてもよい。この場合、矩形ブロックは、例えばソフトウェアで実施することができる「処理ブロック」を意味する。また同様に、ダイヤモンド形ブロックは、例えばソフトウェアで実施することができる「決定ブロック」又は「フロー制御ブロック」を意味する。なお、この処理ブロック及び決定ブロックは、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、ASIC、及びこれらに類するもののような機能的に等価な回路で実施することができる。
【0064】
また、前述した各フローチャートは、ある特定のプログラミング言語、方法、或いはスタイル(例えば手続き型、オブジェクト指向)に対する構文を表していない。逆に、当該フローチャートは、当業者がソフトウェアのプログラム、回路設計などに用いることができる機能的情報を示している。本実施形態例を含む幾つかの実施例において、ループ及び変数の初期化、一時変数の使用、ルーチンループなどのプログラム要素は示されていないことを理解されたい。
【0065】
前述した本実施形態の情報処理システム1(サーバ)及び情報端末2,3(クライアント)のハードウェア構成(以下、演算装置700と略す)の一例について説明する。図7は、演算装置700の構成を示したものである。
図7に示すように、演算装置700は、バス708によって作動的に接続されたプロセッサ702、メモリ704、ディスク706、入出力ポート710、及びネットワークインタフェース712を含むいわゆるコンピュータ700である。本明細書で説明されたコンピュータ実行可能な方法は、コンピュータ700のようなコンピュータ上で実施することができる。なお、コンピュータ700の構成に限定されるものではなく、他のコンピュータもまた本明細書で説明される方法に用いることができる点を理解されたい。
【0066】
プロセッサ702は、デュアルマイクロプロセッサ及び他のマルチプロセッサアーキテクチャを含む種々のプロセッサの種類とすることができる。プロセッサ702が備える構成手段を表したブロック図の一例が図1となる。なお、図1において、入出力デバイス718(モニタ画面)に対するデータ出力制御手段など本発明に直接関係のない構成手段については省略している。
メモリ704は、揮発性メモリ及び/又は不揮発性メモリを含むことができる。不揮発性メモリは、限定するものではないが、読出し専用メモリ(ROM)、プログラム可能読出し専用メモリ(PROM)、電気的プログラム可能読出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラム可能読出し専用メモリ(EEPROM)、及びこれらに類するものを含むことができる。揮発性メモリは、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、シンクロナスRAM(SRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、シンクロナスDRAM(SDRAM)、ダブルデータレートSDRAM(DDR SDRAM)、及びダイレクトRAMバスRAM(DRRAM)を含むことができる。ディスク706は、限定ではないが、磁気ディスクドライブ、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、テープドライブ、Zipドライブ、フラッシュメモリカード、及び/又はメモリスティックのようなデバイスを含むことができる。更に、ディスク706は、コンパクトディスクROM(CD−ROM)、CD書き込み可能ドライブ(CD−Rドライブ)、CD書き換え可能ドライブ(CD−RWドライブ)、及び/又はディジタル多機能ROMドライブ(DVD ROM)のような光ドライブを含むことができる。また、メモリ704は、例えばプロセス714及び/又はデータ716を記憶することができる。
【0067】
データ716は、例えば、担当者の情報端末2又は顧客の情報端末3から送信されるデータを含むことができる。ディスク706及び/又はメモリ704は、コンピュータ700のリソースを制御し且つ割り当てるオペレーティングシステムを記憶することができる。
【0068】
バス708は、単一の内部バス相互接続アーキテクチャ及び/又は他のバスアーキテクチャとすることができる。バス708は、限定するものではないが、メモリバス又はメモリコントローラ、周辺バス又は外部バス、及び/又はローカルバスを含む種々の形式のものとすることができる。ローカルバスは、限定するものではないが、業界標準アーキテクチャ(ISA)バス、マイクロチャネルアーキテクチャ(MSA)バス、拡張ISA(EISA)バス、ペリフェラルコンポーネントインターコネクト(PCI)バス、ユニバーサルシリアル(USB)バス、及び小型コンピュータシステムインタフェース(SCSI)バスを含む種々のものとすることができる。
【0069】
コンピュータ700は、入出力ポート710を介して入出力デバイス718と対話する。入出力デバイス718は、限定するものではないが、カテーテルのような挿入可能なデバイスに取り付けられたハンドル、キーボード、マイクロフォン、ポインティング及び選択デバイス、カメラ、ビデオカード、ディスプレイ、及びこれらに類するものを含むことができる。入出力ポート710は、限定するものではないが、シリアルポート、パラレルポート、及びUSBポートを含むことができる。入出力デバイス718は、入力デバイスと出力デバイスの2つに分離して構成してもよい。
【0070】
コンピュータ700はネットワーク環境で動作することができ、従って、ネットワークインタフェース712によってネットワーク720に接続される。ネットワーク720によって、コンピュータ700は遠隔のコンピュータ722に論理的に接続することができる。従って、本明細書に説明される方法は、2つ又はそれ以上の通信し協働するコンピュータ間に分散することができる。ネットワーク720は、限定するものではないが、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、及び他のネットワークを含むことができる。ネットワークインタフェース712は、限定するものではないが、光ファイバ分散データインタフェース(FDDI)、銅線配線データインタフェース(CDDI)、イーサネット(登録商標)/IEEE802.3、トークンリング/IEEE802.5、及びこれらに類するものを含むローカルエリアネットワーク技術に接続することができる。同様に、ネットワークインタフェース712は、限定するものではないが、ポイントツーポイントリンクと、統合サービスデジタル通信網(ISDN)、パケット交換ネットワーク、及びディジタル加入者回線(DSL)のような回線交換ネットワークとを含むワイドエリアネットワーク技術に接続することができる。
【0071】
このような意味で、本発明の情報処理システム1(サーバ)及び情報端末2,3(クライアント)が図7に示す構成に限定されないことも言うまでもない。つまり、演算装置700が、ネットワーク720を介して複数の機器が相互に必要なデータを送受信する演算装置又はシステムを構築するようにしてもよい。例えば、複数のハードウェア装置を通信ネットワーク(例えば、インターネット等)によって互いに通信可能なように接続してデータ等をやり取りした構成のシステムである、サーバ/クライアントシステム又はグリッドコンピュータシステムなどにおいても本発明を実現することは可能である。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の一実施例である電子情報システムの概略構成を示す図である。
【図2−A】担当者が作成した電子情報に原本性の付与を行う電子情報システムの処理手順を示したフローチャートである。
【図2−B】担当者が作成した電子情報に原本性の付与を行う電子情報システムの処理手順を示したフローチャートである。
【図3】承認プロセスの処理手順を示したフローチャートである。
【図4−A】原本性が保証された電子情報サービスを顧客からの要求されたときの処理手順を示したフローチャートである。
【図4−B】原本性が保証された電子情報サービスを顧客からの要求されたときの処理手順を示したフローチャートである。
【図4−C】原本性が保証された電子情報サービスを顧客からの要求されたときの処理手順を示したフローチャートである。
【図5】担当者からの要求により原本性の確保された電子情報を電子情報システム1内に保管するときの処理手順を示したフローチャートである。
【図6】顧客等からの要求により電子情報の検証を行う処理手順を示したフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態で用いる情報端末のハードウェア構成を示す図である。
【図8】顧客又は担当者の情報端末から所定の情報を指定又は選択させるときの画面出力例である。
【図9】顧客又は担当者の情報端末から所定の情報を指定又は選択させるときの画面出力例である。
【符号の説明】
【0073】
1 電子情報システム
2 証券取引所内担当者の情報端末
3 顧客(利用者)の情報端末
4 通信ネットワーク
5 時刻発信手段
6 データベース
7 課金システム
8 課金データベース
11 原本性確保手段
12 電子情報取得手段
13 電子情報配信手段
14 顧客要求受付け手段
15 情報収集手段
16 電子署名付与手段
17 時刻情報付与手段
18 情報保管手段
19 情報検証手段
700 コンピュータ
702 プロセッサ
704 メモリ
706 ディスク
708 バス
710 入出力ポート
712 ネットワークインタフェース
714 プロセス
716 データ
718 入出力デバイス
720 ネットワーク
722 遠隔コンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報開示依頼を受けて電子情報を発行する証券取引所機関に設けられたホストコンピュータと、
前記証券取引所機関に設けられた情報端末とを備え、
前記証券取引所機関の情報端末は、
作成された電子情報を開示するための情報として、開示日時、開示方法、開示先アドレス、フォーマット形式、及び関連ファイルのうちの一部又は全部を指定する申請機能を有し、
前記証券取引所機関のホストコンピュータは、
前記証券取引所機関の情報端末による申請機能で指定されたフォーマット形式で前記電子情報を展開するフォーマット展開機能と、
前記フォーマット形式で展開された電子情報に、電子署名及び時刻情報を付与することによって原本性を確保する原本性確保機能と、
前記原本性が確保された電子情報を保管しておく保管機能と、
前記申請機能で指定された開示日時に達すると、前記保管されている電子情報を前記開示方法でWebページ上で公開したり又は前記開示先アドレスに送信して開示する情報開示機能とを有することを特徴とする証券取引所情報システム。
【請求項2】
情報開示依頼を受けて電子情報を発行する証券取引所機関に設けられたホストコンピュータと、
各ユーザ機関に設けられた情報端末とを備え、
前記ユーザ機関の情報端末は、
前記証券取引所機関に登録されている所定の電子情報を取得するため、又は前記証券取引所機関に電子情報を登録若しくは開示してもらうための情報として、開示日時、開示方法、開示先アドレス、フォーマット形式、及び関連ファイルのうちの一部又は全部を指定する申請機能を有し、
前記証券取引所機関のホストコンピュータは、
前記ユーザ機関の情報端末による申請機能で指定されたフォーマット形式で電子情報を展開するフォーマット展開機能と、
前記フォーマット形式で展開された電子情報に、電子署名及び時刻情報を付与することによって原本性を確保する原本性確保機能と、
前記原本性が確保された電子情報を保管しておく保管機能と、
前記電子情報の取得又は開示の場合は、前記申請機能で指定された開示日時に達すると、前記保管されている電子情報を前記開示方法でWebページ上で公開したり又は前記開示先アドレスに送信して開示する情報開示機能と、
前記電子情報の取得、登録、又は開示サービスに対する対価を請求するために課金計算を行う課金機能とを有することを特徴とする証券取引所情報システム。
【請求項3】
各種の電子情報を蓄積するデータベースにアクセス可能な証券取引所機関に設けられたホストコンピュータと、
前記証券取引所機関に設けられた情報端末とを備え、
前記証券取引所機関の情報端末は、
作成された電子情報を保管するために、当該電子情報に関連するファイル情報、及びフォーマット形式情報のうちの一部又は全部を指定する保管申請機能を有し、
前記証券取引所機関のホストコンピュータは、
前記証券取引所機関の情報端末による保管申請機能で指定されたフォーマット形式で電子情報を展開するフォーマット展開機能と、
前記フォーマット形式で展開された電子情報に、電子署名及び時刻情報を付与することによって原本性を確保する原本性確保機能と、
前記原本性が確保された電子情報を保管しておく保管機能とを有することを特徴とする証券取引所情報システム。
【請求項4】
情報検証依頼を受けて電子情報の検証結果を通知する証券取引所機関に設けられたホストコンピュータと、
前記証券取引所機関に設けられた情報端末と、
各ユーザ機関に設けられた情報端末とを備え、
前記証券取引所機関の情報端末又はユーザ機関の情報端末は、
検証元情報及び検証内容を指定する申請機能を有し、
前記証券取引所機関のホストコンピュータは、
前記申請機能からの情報に基づいて証券取引所機関で保管された各種情報を検索し、前記検証元情報との比較を行う検証機能と、
前記検証機能から得られた検証結果を、前記証券取引所機関の情報端末又はユーザ機関の情報端末に通知する検証通知機能とを有することを特徴とする証券取引所情報システム。


【図1】
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【図2−A】
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【図2−B】
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【図3】
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【図4−A】
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【図4−B】
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【図4−C】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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