説明

電子情報を管理する管理システム

【課題】版数を正確に管理することができる情報管理システムを提供する。
【解決手段】識別番号に対応した電子情報と、前記電子情報の属性データを含み、前記識別情報に対応して設定される管理情報とを管理する管理サーバ、及び、前記管理サーバに接続された端末を備える管理システムであって、前記電子情報は、1又は複数の前記識別番号に対応付けられており、前記管理情報は、前記電子情報の版の情報を含み、前記管理サーバは、第1の前記識別情報に対応する前記電子情報の登録時に、当該電子情報と他の識別情報との対応付けを確認し、当該電子情報が第2の前記識別情報にも対応付けられている場合、前記第2の識別情報の管理情報の更新が必要か否かを判定し、前記第2の識別情報の管理情報の更新が必要と判定された場合、前記判定の結果を前記端末に通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子情報(例えば、図面)を管理する管理システムに関し、特に、図面の版数及び図面間の関係を正確に管理できるシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、CADシステムを用いて図面を作成し、作成された図面を電子情報のままで管理されている。このため、図面の版数、図面間の関係も電子情報で管理することが可能となっている。作成された図面は、保持、管理された後、修正によって改版される。図面管理システムは、このような図面の改版に対応する必要がある。
【0003】
このため、例えば、特許文献1には、操作者端末で図面の改版データを入力すると、改版処置データと最新データとを比較して、最新版に改訂されていない場合は是正処置を要求する情報管理システムが提案されている。
【0004】
また、例えば、特許文献2には、同一図面に対して2以上の修正依頼を受け付けた際に、すべての図面の改版の受付が完了するまで先に受け付けた図面の改版を保留し、原図データに反映しないの図面管理装置が提案されている。
【0005】
また、例えば、特許文献3には、所定単位の編集データ(図面など)の保存に応じて、版確定値を更新する編集データ管理装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−331633号公報
【特許文献2】特開平9−212530号公報
【特許文献3】特開平8−272663号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、図面には、複数の用紙で構成され、各図葉が関連付けられているものがある。また、複数の図面が親図面と子図面のように関連付けられているものがある。前述した従来の図面管理システムにあっては、図面間の関係が考慮されておらず、関連付けられた図面の版数を正確に管理することが困難であった。このような関連付けられた図面においても版数を適切に管理することが望まれている。
【0008】
本発明は、関連付けられた図面の一部の図面が変更等によって版を重ねた場合でも、版数を正確に管理することができる情報管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、識別番号に対応した電子情報と、前記電子情報の属性データを含み、前記識別情報に対応して設定される管理情報とを管理する管理サーバ、及び、前記管理サーバに接続された端末を備える管理システムであって、前記電子情報は、1又は複数の前記識別番号に対応付けられており、前記管理情報は、前記電子情報の版の情報を含み、前記管理サーバは、第1の前記識別情報に対応する前記電子情報の登録時に、当該電子情報と他の識別情報との対応付けを確認し、当該電子情報が第2の前記識別情報にも対応付けられている場合、前記第2の識別情報の管理情報の更新が必要か否かを判定し、前記第2の識別情報の管理情報の更新が必要と判定された場合、前記判定の結果を前記端末に通知するこ
とを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、図面が複数葉によって構成される場合や、親子関係にある場合であっても、ユーザの手間をかけずに、効率的に図面の登録、改版等の管理をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態の図面管理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態の図面データ記憶領域23のデータの構成を示す説明図である。
【図3】本発明の実施の形態の図面管理データ22のデータ構造の説明図である。
【図4】本発明の実施の形態の図面管理データ定義2200の構成を示す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態の登録依頼処理のフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態の管理データチェック処理のフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態のロック/ダウンロード処理のフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態のロック処理のフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態の最新版廃棄処理のフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態の管理データチェック処理の変形例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本発明の実施の形態の図面管理システムの構成を示すブロック図である。
【0013】
本実施の形態の図面管理システムは、図面管理サーバ1、記憶装置2、端末装置3及びスキャナ4を備える。図面管理サーバ1と端末装置3とはネットワーク5によって接続されている。
【0014】
図面管理サーバ1は、プロセッサ、メモリ、外部記憶装置及び通信インターフェース等を備えるコンピュータである。
【0015】
記憶装置2は、ハードディスクドライブ等の記憶素子を備え、記憶領域を図面管理サーバ1に提供する。記憶装置2は、品番台帳21、図面管理データ22及び図面データ記憶領域23を含む。なお、記憶装置2は、図面管理サーバ1に内蔵されている記憶装置でも、図面管理サーバ1の外部に設けられた記憶装置でもよい。
【0016】
端末装置3は、プロセッサ、メモリ、通信インターフェース等を備えるコンピュータであって、図面管理サーバ1から取得した図面データを表示したり、図面データの登録を図面管理サーバ1に指示する。
【0017】
端末装置3の少なくとも一部には、スキャナ4が接続されている。スキャナ4は、紙の図面イメージを取得する画像取得装置である。スキャナ4が接続されている端末装置3は、紙の図面を電子データ(例えば、TIFFデータ)に変換して、変換された図面データを図面管理サーバ1に送ることができる。
【0018】
図2は、本発明の実施の形態の図面データ記憶領域23のデータの構成を示す説明図である。
【0019】
図面データ記憶領域23は、正式図庫231、登録待ち領域232、旧版領域233及
び削除領域234を含む。
【0020】
本実施の形態の図面データは、下記のいずれかの図面データを含む。
(1)CADで作成されたCAD図面データ等のドローデータが存在する場合、CADで作成されたCAD図面データ及びこの図面のイメージデータ(例えば、TIFFデータ)のペア
(2)CADで作成されたCAD図面データ等のドローデータが存在しない場合、図面のイメージデータ(例えば、TIFFデータ)のみ
【0021】
正式図庫231は、上記(1)及び(2)のデータが格納される記憶領域(フォルダ)である。登録待ち領域232は、正式図庫231に格納される前の仮登録状態の図面データが格納される記憶領域(フォルダ)である。旧版領域233は、同じ品番に対応する図面が改版された場合、旧版の図面のデータが格納される記憶領域(フォルダ)である。削除領域234は、削除された図面のデータが格納される記憶領域(フォルダ)である。
【0022】
図3は、本発明の実施の形態の図面管理データ22のデータ構造の説明図である。
【0023】
図面管理データ22には、各図面毎の管理データが含まれ、各管理データは、品番221、版222、図面状態223、代表品番224、ページ225、CADの種類226、CAD図227及び関連文書228のデータを含む。なお、図示した以外の付加的なデータを含んでもよい。
【0024】
品番221は、この図面に表される製品(部品を含む)の一意な識別子である。版222は、この図面の版数を示す。すなわち、版222は、この図面が初めて登録されたときには初版を示す「1」であり、その後図面が変更される毎に版数は1ずつ増加する。
【0025】
図面状態223は、この図面の状態、すなわち、この図面が「登録待ち」、「入庫済み」、「ロック中」のいずれであるかを示す。「登録待ち」、この図面管理システムに登録される前の状態である。「入庫済み」は、この図面管理システムに登録されている状態である。「ロック中」は、改版作業中で内容の変更が禁止されている状態である。
【0026】
代表品番224は、この図面によって表される製品が他の製品に従属するもの(子品番)である場合、従属元の製品の品番(親品番)が登録される。例えば、長さのみが異なる長尺物の製品が複数ある場合、その一つを親品番に設定し、親品番以外の製品に子品番を設定する。なお、この図面が子品番のものではない場合、代表品番224には何も登録されない。
【0027】
ページ225は、この図面を構成する図葉の枚数である。CADの種類226は、この図面のCADデータがある場合に、CADデータの拡張子である。この拡張子よって、CADデータの種類、すなわち、このCADデータを読み込むことができるソフトウェアを知ることができる。
【0028】
CAD図227は、この図面のCADデータがこのシステムに登録されているか否かを示すフラグである。例えば、CADデータがある場合は「CAD図有り」に設定し、CADデータがない場合は「CAD図無し」に設定するとよい。なお、CAD図227のデータは1ビットのフラグでもよい。
【0029】
関連文書228は、この図面に関連する文書(例えば、仕様書、見積書等)のファイル名である。必要に応じて、そのファイルを開くための情報(例えば、パス名)を付加してもよい。
【0030】
図4は、本発明の実施の形態の図面管理データ定義2200の構成を示す説明図である。
【0031】
図面管理データ定義2200は、図面管理データ22の各項目のデータ形式を規定し、登録依頼処理の管理データチェック処理(S105)にて参照される。図面管理データ定義2200は、項目2201、データ長2202、文字/数字2203及び半/全2204を含む。
【0032】
項目2201は、図面管理データ22の各項目と同じである。データ長2202は、各項目のデータに許容されるデータ長であり、例えばバイト数で表される。文字/数字2203は、各項目のデータが数字のみで構成されるデータか、数字も文字も許容されるデータかを示す。半/全2204は、各項目のデータに半角文字(1バイト文字)のみが許容されるのか、全角文字(2バイト文字)も許容されるのかを示す。
【0033】
図5は、本発明の実施の形態の登録依頼処理のフローチャートである。図5に示す登録依頼処理は、新しい図面(改版された図面)の登録を依頼する場合に実行される処理である。
【0034】
図面の登録を依頼するユーザ(例えば、設計者)は、端末装置3を操作してシステムにログインする(S101)。図面管理サーバ1は、予め格納された認証リストを参照し、ユーザによって入力されたユーザID及びパスワードと、認証リストに登録されたユーザID及びパスワードとを照合する。そして、図面管理サーバ1は、照合の結果を端末装置3に送る。ユーザによるログインが完了すると、端末装置3は、メニュー画面を表示し、これから行われる処理の選択を促す。
【0035】
その後、登録依頼処理が選択されると、端末装置3は、登録を依頼する図面の管理データの入力画面を表示して、管理データの入力を促す(S102)。S102で入力される管理データの項目は、図3に示すとおりである。このとき、登録を依頼する図面のファイル(CADデータ)を所定のディレクトリに格納する。
【0036】
次に、端末装置3は、入力された図面の管理データを表示して、ユーザに確認を求める(S103)。端末装置3は、ユーザによる「登録依頼確認」ボタンの操作を検出すると、入力された管理データを図面管理サーバ1に送る(S104)。
【0037】
図面管理サーバ1は、入力された管理データに誤りがないかをチェックする(S105)。管理データチェック処理の詳細は図6を用いて後述する。なお、CADデータは、所定のルールで付与されたファイル名で(例えば、品番、版数、拡張子によって定まるファイル名で)、登録待ち領域232に格納される。
【0038】
S105におけるチェックの結果、一つ以上の項目が不正と判定された場合、エラーであるので、S103に戻り、入力された管理データを表示して、修正を促す。一方、全てのチェック項目が正しいと判定された場合、S107に進む。
【0039】
その後、図面管理サーバ1は、入力された管理データから、「登録待ち」状態の図面管理データのエントリを作成する(S107)。このとき、入力された管理データに代表品番の指定があれば、代表図面及びこの代表図面の子図面の図面管理データを生成する。また、生成される図面管理データには子図面から代表図面へのリンクの情報が含まれる。
【0040】
ここまでの処理が終了すると、この図面管理システムの管理者宛に、登録依頼があったことが通知される。この通知は、例えば、電子メールや、管理者が使用する端末装置3の
画面に一覧で表示してもよい。
【0041】
管理者は、登録依頼の通知を受けると、スキャナ4を用いて、この図面の画像を読み取り、読み取った画像データ(TIFFファイル)を端末装置3に入力する(S108)。なお、この画像データのファイル名も、CADデータと同様のルールで付与される。
【0042】
端末装置3は、入力された画像データを図面管理サーバ1に送信する。図面管理サーバ1は、入力された画像データと登録待ち領域232に格納されている同一ファイル名のCADデータとを、正式図庫231に登録する(S109)。
【0043】
この入力された画像データのファイル名とCADデータのファイル名とは、所定のルールで付与されるので、これらのファイルを指定する情報を管理情報に持たなくても、管理情報と画像データとCADデータとを関連付けることができる。なお、画像ファイルとCADデータとの指定を管理データに含め、図面管理サーバ1が、管理データを参照して、管理データと画像ファイルとCADデータとを関連付けてもよい。
【0044】
図6は、本発明の実施の形態の管理データチェック処理のフローチャートである。
【0045】
まず、図面管理サーバ1は、重複登録の有無をチェックする。具体的には、登録が依頼された図面の品番及び版数が同じデータが、図面管理データ22に存在するか否かを判定する(S111)。
【0046】
次に、図面管理データ22の版222を参照し、登録が依頼された図面の版数が、現在の版数+1であるか否かを判定する(S112)。
【0047】
次に、登録依頼処理の起動時にログインしたユーザIDが、この図面をロック状態に設定した者のIDと同じであるか否かを判定する(S113)。
【0048】
次に、登録が依頼された図面の管理データの形式が、図面管理データ定義2200に合致しているか否かを判定する。具体的には、各項目の、データ長、データ形式(数字データか文字データか)、1バイト文字か2バイト文字か、等を判定する(S114)。
【0049】
次に、登録が依頼された図面の管理データに代表品番が入力されているか、また、登録が依頼された図面の図面管理データ22の代表品番224に親図面のデータが登録されているかを判定する(S115)。すなわち、登録が依頼された図面の管理データに代表品番が入力されていれば、この登録が依頼された図面は子図面である。
【0050】
さらに、登録が依頼された図面の品番が図面管理データ22の代表品番224に登録されているかを判定してもよい。登録が依頼された図面の品番が図面管理データ22の代表品番224に既に登録されていれば、この登録が依頼された図面は他の図面の親図面であると判定できる。
【0051】
その結果、登録が依頼された図面が子図面である場合、親図面の登録が依頼されているか否かを判定する(S116)。
【0052】
次に、登録が依頼された図面のCADデータがあるか否かを判定する。具体的には、入力された管理データのCAD図のデータが「CAD図有り」であれば、この図面のCADデータがある。このとき、所定のルール(例えば、CADの種類226を拡張子とするルール)で付与されたファイル名のデータが、所定のディレクトリに格納されているかをチェックする(S117)。
【0053】
その結果、一つ以上のチェック項目で不正と判定された場合、入力データはエラーであるので、エラー項目とエラー内容を返す。一方、全てのチェック項目が正しいと判定された場合、入力データは正常である旨を返す。
【0054】
図7は、本発明の実施の形態のロック/ダウンロード処理のフローチャートである。図7に示すロック/ダウンロード処理は、ユーザが、図面のCADデータを端末装置3にダウンロードする場合に実行される処理である。
【0055】
図面データをダウンロードするユーザ(例えば、設計者)は、端末装置3を操作してシステムにログインする(S121)。図面管理サーバ1は、予め格納された認証リストを参照し、ユーザによって入力されたユーザID及びパスワードと、認証リストに登録されたユーザID及びパスワードとを照合する。そして、図面管理サーバ1は、照合の結果を端末装置3に送る。ユーザによるログインが完了すると、端末装置3は、メニュー画面を表示し、これから行われる処理の選択を促す。
【0056】
その後、検索処理が選択されると、端末装置3は、検索条件の入力画面を表示して、検索条件(例えば、品番)の入力を促す(S122)。端末装置3は、入力された検索条件を図面管理サーバ1に送る。
【0057】
図面管理サーバ1は、端末装置3から受信した検索条件をキーとして、図面管理データ22を検索し、検索条件と一致する(品番が同じ)管理データを抽出し、抽出された管理データ(検索結果)を端末装置3に送る(S123)。
【0058】
端末装置3は、図面管理サーバ1から検索結果を受信すると、受信した検索結果を表示し、検索結果に対して次に実行される処理を選択するためのメニューを表示し、ユーザからの選択を待つ(S124)。
【0059】
ユーザが、この図面を改版したい場合、「ロック」を選択する。「ロック」が選択された場合、端末装置3は、再度、ユーザID及びパスワードの入力を促す。入力されたユーザID及びパスワードは、図面管理サーバ1に送られる。
【0060】
図面管理サーバ1は、端末装置3から送られたユーザID及びパスワードと、認証リストに登録されたユーザID及びパスワードとを照合し、このユーザIDに図面を改版する権原があるか否かを判定する(S125)。その結果、このユーザIDに図面を改版する権原がないと判定された場合、エラーである旨を表示し、検索結果の表示画面に戻る。
【0061】
一方、このユーザIDに図面を改版する権原があると判定された場合、図面管理データ22の代表品番224を参照して、検索された品番が子品番であるか否かを判定する(S126)。
【0062】
その結果、代表品番224に親品番が登録されている場合、検索された品番が子品番であると判定し、ロック要求は処理できない旨(エラー)と、代表品番224に登録された親品番とを表示して、ロック/ダウンロード処理を終了する(S130)。
【0063】
一方、代表品番224に何も登録されていない場合、検索された品番が親品番であると判定し、正式図庫231から図面のCADデータを検索して(S127)、CADデータが検索された図面の管理データの図面状態223を「ロック中」にする(S128)。この図面管理データ22の更新によって、他のユーザが、この図面を更新することができなくなり、二重更新を防止することができる。なお、S128の処理は、図8を用いて後述
する。
【0064】
その後、検索されたCADデータを端末装置3に転送し(S129)、ロック/ダウンロード処理を終了する。
【0065】
一方、ユーザが、この図面の改版を伴わずに図面データを使用したい場合、「単純DL」を選択する(S131)。「単純DL」が選択された場合、端末装置3は、選択された処理を図面管理サーバ1に指示する。この場合、図面管理サーバ1は、図面管理データ22を更新することなく、CADデータを端末装置3に転送する(S132)。これによって、ユーザは、例えば、この図面データを他の図面に流用することができる。
【0066】
図8は、本発明の実施の形態のロック設定処理のフローチャートである。図8に示すロック処理は、ユーザが図面を改版する等で、この図面の内容の変更を禁止する場合に(例えば、図7のS128において)実行される。
【0067】
まず、図面管理サーバ1は、図面管理データ22の代表品番224を参照して、この図面の品番が代表品番224に登録されているか否かを検索する(S141)。その結果、この図面の品番が代表品番224に登録されていれば、この図面が代表品番に登録されている図面は、この図面の子品番の図面であると判定できる。このため、子品番の図面の管理データの図面状態223を「ロック中」にする(S142)。
【0068】
次に、図面管理サーバ1は、図面管理データ22を参照して、検索された図面に別のページがあるか否かを判定する(S143)。その結果、図面管理データ22のページ225が「1」でなければ、この図面を構成する図葉は複数ページなので、1ページ目の他、別ページの管理データの図面状態223を「ロック中」にする(S144)。その後、S145に進み、自ページの管理データの図面状態223を「ロック中」にする。
【0069】
一方、図面管理データ22のページ225が「1」であれば、この図面を構成する図葉は1枚なので、自ページの管理データの図面状態223を「ロック中」にする(S145)。
【0070】
以上説明したように、本実施の形態のロック処理によると、図面データをロックする際に、子図面を検索するので、この図面に関連付けられた子図面も確実にロックをすることができ、親品番の図面のみの改版を防止することができる。また、その図面を構成する図葉の枚数を確認するので、複数の図葉によって構成される図面であっても、確実にロックをすることができ、2ページ目以後のみの改版を防止することができる。
【0071】
図9は、本発明の実施の形態の最新版廃棄処理のフローチャートである。図9に示す最新版廃棄処理は、以前の版(旧版)を最新版に設定する場合に実行される処理である。
【0072】
図面の版数を変更するユーザ(例えば、設計者)は、端末装置3を操作してシステムにログインする(S151)。図面管理サーバ1は、予め格納された認証リストを参照し、ユーザによって入力されたユーザID及びパスワードと、認証リストに登録されたユーザID及びパスワードとを照合する。そして、図面管理サーバ1は、照合の結果を端末装置3に送る。ユーザによるログインが完了すると、端末装置3は、メニュー画面を表示し、これから行われる処理の選択を促す。
【0073】
その後、検索処理が選択されると、端末装置3は、検索条件の入力画面を表示して、検索条件(例えば、図面の品番)の入力を促す(S152)。端末装置3は、入力された検索条件を図面管理サーバ1に送る。
【0074】
図面管理サーバ1は、端末装置3から受信した検索条件をキーとして、図面管理データ22を検索し、検索条件と一致する(図面品番が同じ)図面管理データを抽出し、抽出された図面管理データ(検索結果)を端末装置3に送る(S153)。
【0075】
端末装置3は、図面管理サーバ1から検索結果を受信すると、受信した検索結果を表示し、検索結果に対して次に実行される処理を選択するためのメニューを表示し、ユーザからの選択を待つ(S154)。
【0076】
ユーザが、この図面を廃棄し、以前の版を最新版としたい場合、「戻し」を選択する(S155)。端末装置3は、「戻し」の選択を受け付けると、検索された図面の品番(複数の図面が検索された場合は、ユーザが選択した図面の品番)と、戻し指示とを、図面管理サーバ1に送信する。
【0077】
図面管理サーバ1は、戻し指示を受信すると、現在の版(例えば、5版)の図面のデータを正式図庫231から削除領域234に移動する。また、この図面(5版)の管理データを図面管理データ22の図面記憶領域229を「削除領域」に変更する(S156)。
【0078】
次に、一つ前の版(4版)の図面のデータが旧版領域233に格納されているか否かを判定する(S157)。そして、一つ前の版(4版)の図面のデータが旧版領域233に格納されていれば、一つ前の版(4版)の図面のデータを旧版領域233から正式図庫231に移動する(S158)。そして、旧版領域から正式図庫231に移動された版(4版)の管理データの図面記憶領域229を「正式図庫」に変更する。
【0079】
この最新版廃棄処理によって、最新版の図面データを記憶装置22から削除することなく、旧版の図面データに戻すことができる。このため、最新版削除処理を実行した後でも、削除された版の管理データを入力するだけで、一旦削除された版を最新版に戻すことができる。
【0080】
図10は、本発明の実施の形態の管理データチェック処理の変形例のフローチャートである。
【0081】
図10に示す変形例の管理データチェック処理では、前述した管理データチェック処理(図6)と同様に、S111からS117の処理が行われ、その後、1図面に複数の紙が含まれる場合の処理(S151〜S154)が追加されている。
【0082】
図面管理サーバ1は、重複登録の判定(S111)、版数の判定(S112)、ログイン者のユーザIDの判定(S113)、管理データの判定(S114)、親子関係の判定(S115、S116)、CADデータの有無の判定(S117)をする。
【0083】
その後、図面管理サーバ1は、図面管理データ22を参照して、登録が依頼された図面に別ページがあるか否かを判定する(S161)。その結果、図面管理データ22のページ225が「1」でなければ、この図面を構成する図葉は複数枚なので、この図面の別ページも登録が依頼されているか否かを判定する(S162)。その結果、別ページの登録が依頼されていない場合は、登録依頼処理のS109で、登録が依頼されたページ以外のページの図面データはそのままで版数を+1更新して登録するように指示をする(S163)。すなわち、図面管理サーバ1は、TIFFデータ、CADデータ及び管理データに含まれる版数のデータ(図中のイメージデータも含む)を、現在の版数+1に更新する。
【0084】
一方、別ページも登録が依頼されている場合は、登録依頼処理のS109で、登録が依
頼された全てのページの図面データを登録するように指示をする(S164)。
【0085】
なお、S161において、図面管理データ22のページ225が「1」であれば、この図面を構成する図葉は1枚なので、登録依頼処理のS109で、登録が依頼されたページの図面データを登録するように指示をする(S164)。
【0086】
そして、一つ以上のチェック項目で不正と判定された場合、入力データはエラーであるので、エラー項目とエラー内容を返す。一方、全てのチェック項目が正しいと判定された場合、入力データは正常である旨を返す。
【0087】
以上説明したように、本実施の形態の属性データチェック処理によると、複数の図葉によって構成される図面の1ページのみを書き換えて、他のページを書き換えることなく、図面の全体を改版することができて、効率的である。
【符号の説明】
【0088】
1 図面管理サーバ
2 記憶装置
3 端末装置
4 スキャナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別番号に対応した電子情報と、前記電子情報の属性データを含み、前記識別情報に対応して設定される管理情報とを管理する管理サーバ、及び、前記管理サーバに接続された端末を備える管理システムであって、
前記電子情報は、1又は複数の前記識別番号に対応付けられており、
前記管理情報は、前記電子情報の版の情報を含み、
前記管理サーバは、
第1の前記識別情報に対応する前記電子情報の登録時に、当該電子情報と他の識別情報との対応付けを確認し、
当該電子情報が第2の前記識別情報にも対応付けられている場合、前記第2の識別情報の管理情報の更新が必要か否かを判定し、
前記第2の識別情報の管理情報の更新が必要と判定された場合、前記判定の結果を前記端末に通知することを特徴とする管理システム。
【請求項2】
前記管理サーバは、前記第2の識別情報が前記第1の識別情報に従属する関係にある場合、前記第2の識別情報の管理情報の更新が必要と判定することを特徴とする請求項1に記載の管理システム。
【請求項3】
前記管理サーバは、
前記電子情報が改変可能な状態であるか否かを管理し、
前記電子情報の状態を改変可能な状態から改変不可能な状態に変更する場合、前記電子情報に含まれる全てのデータが改変不可となるように、前記属性データを変更することを特徴とする請求項1又は2に記載の管理システム。
【請求項4】
前記管理サーバは、前記電子情報の登録時に、前記電子情報の別のページの登録依頼の有無を確認し、
当該電子情報の別ページの登録が依頼されていなければ、当該別ページの図はそのままで、版数を更新した管理情報を生成することを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の管理システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate