説明

電子情報表示装置

【課題】目的の情報を検索、閲覧するに足る表示性能を保ちつつ、消費電力の低減による省エネルギー化と長時間動作とが可能な電子情報表示装置を提供すること。
【解決手段】行および列方向に2次元配列された複数の画素からなり、消費電力が画素の表示濃度の濃淡に依存し、表示濃度が濃くなるに従って増加する表示パネルに、情報を、情報本来の表示濃度で表示する第1の表示モードと、情報本来の表示濃度を変換して表示する第2の表示モードとを有し、所定の条件の場合に、第2の表示モードで表示を行うことにより、目的の情報を検索、閲覧するに足る表示性能を保ちつつ、消費電力の低減による省エネルギー化と長時間動作とが可能な電子情報表示装置を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子情報表示装置に関し、特に省エネルギーに優れた電子情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナルコンピュータの動作速度の向上、ネットワークインフラの普及、データストレージの大容量化と低価格化等に伴い、従来は紙への印刷物で提供されたドキュメントや画像等の情報を、より簡便な電子情報として入手、閲覧する機会が益々増大している。
【0003】
このような電子情報の閲覧手段としては、従来の液晶ディスプレイやCRT、また近年では、有機ELディスプレイ等の発光型ディスプレイが主として用いられているが、特に閲覧する電子情報がドキュメント情報の場合、比較的長時間にわたって閲覧手段である発光型ディスプレイを注視する必要がある。
【0004】
しかし、一般に、発光型ディスプレイには、フリッカーで目が疲労する、持ち運びに不便で読む姿勢が制限され、静止画面に視線を合わせる必要が生じる等の欠点があり、電子情報を発光型ディスプレイで閲覧することは必ずしも人間に優しい方法とは言えない。さらに、発光型ディスプレイでは、長時間使用すると消費電力が嵩む等の欠点もある。
【0005】
一方、上述した欠点を補う表示手段として、外光を利用し、像保持のために電力を消費しないメモリ性反射型ディスプレイが知られているが、下記の理由で十分な性能を有しているとは言い難い。
【0006】
すなわち、反射型液晶等の偏光板を用いる方式は、反射率が約40%と低く白表示に難があり、また構成部材の作製に用いる製法の多くは簡便とは言い難い。また、ポリマー分散型液晶は高い駆動電圧を必要とし、また有機物同士の屈折率差を利用しているため、得られる画像のコントラストが十分でない。また、ポリマーネットワーク型液晶は駆動電圧が高いことと、メモリ性を向上させるために複雑な回路が必要である等の課題を抱えている。
【0007】
また、電気泳動法による表示素子も、10V以上の高い駆動電圧が必要であり、電気泳動性粒子凝集による画質劣化が起こりやすい。電気泳動性粒子を一定量で小分けする隔壁構造にすることで凝集を低減できるが、セル構成・プロセスが複雑になり、安定した製造が難しい。
【0008】
そこで、これら上述の各方式の欠点を解消する表示パネルとして、金属または金属塩の溶解析出を利用するエレクトロデポジション(以下、EDと言う)方式の表示素子(電気化学表示素子;以下、ED素子と言う)を用いた表示パネル(以下、EDパネルと言う)が注目されている。
【0009】
ED素子は、3V以下の低電圧で駆動が可能で、簡便なセル構成や、明るいペーパーライクな白と引き締まった黒という優れた表示品位等の特長を持ち、多値の階調表示も可能である。また、メモリ性を有するため、像保持のために電力を消費しない。
【0010】
一方、このような電子情報表示装置においては、携帯性を重視するために、電源は電池が用いられることが多い。電池を電源として、いつでもどこでも長時間動作可能とするためには、消費電力の低減が最重要課題である。
【0011】
そこで、例えば特許文献1には、単純マトリクス型の電気化学表示装置において、信号電極と走査電極とをそれぞれ2組に分け、2組を同時にアドレス駆動することで、画面全体の走査に要する時間を短縮して、表示に要する時間の短縮と消費電力の低減とを可能にする方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2004−170849号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、特許文献1に示された方法では、表示に要する時間の短縮にはなるが、ED素子の場合は駆動時のみに電流が流れるので、駆動する画素数が同じであれば消費電力の低減にはならない。また、2組を同時にアドレス駆動するので、同時に駆動される画素数が倍増して、瞬間的に流れる電流が倍増するために電源が不安定になり、表示ムラ等の表示品位の低下という新たな問題が発生する恐れがある。これに対応するために電源の強化を行うと、電池の本数が増えて携帯性が損なわれたり、電池の寿命が短くなって動作時間が短くなってしまう。
【0014】
また、ED素子の場合、閲覧したい情報を検索するために繰り返して表示を更新する場合、画面の消去と表示とを繰り返すために消費電力が大きくなるので、これに対する対応が必要である。
【0015】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、目的の情報を検索、閲覧するに足る表示性能を保ちつつ、消費電力の低減による省エネルギー化と長時間動作とが可能な電子情報表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の目的は、下記構成により達成することができる。
【0017】
1.行および列方向に2次元配列された複数の画素からなり、消費電力が前記画素の表示濃度の濃淡に依存し、表示濃度が濃くなるに従って増加する表示素子を有し、情報を表示するための表示パネルと、
前記表示パネルへの前記情報の表示を制御する表示制御部とを備えた電子情報表示装置において、
前記表示制御部は、
前記表示パネルに、前記情報を、情報本来の表示濃度で表示する第1の表示モードと、情報本来の表示濃度を変換して表示する第2の表示モードとを有し、
所定の条件の場合に、前記第2の表示モードで表示を行うことを特徴とする電子情報表示装置。
【0018】
2.前記表示制御部は、前記第2の表示モードにおいて、前記情報の所定の画素の表示濃度を低減する変換を行うことを特徴とする前記1に記載の電子情報表示装置。
【0019】
3.前記表示制御部は、前記第2の表示モードにおいて、前記表示パネルに印加する駆動電圧を低減する変換を行うことを特徴とする前記1または2に記載の電子情報表示装置。
【0020】
4.前記表示パネルに表示する複数の前記情報と、複数の前記情報の各々の代表ページに関する情報とを記憶するメモリ部を備え、
前記表示制御部は、
複数の前記情報の中から目的の情報を選択するための情報選択モードを有し、
前記情報選択モードでの表示の場合に、前記情報の代表ページを、前記第2の表示モードで前記表示パネルに表示することを特徴とする前記1から3の何れか1項に記載の電子情報表示装置。
【0021】
5.前記表示パネルに表示する複数の前記情報と、複数の前記情報の各々の過去の閲覧履歴とを記憶するメモリ部を備え、
前記表示制御部は、
前記情報の過去の閲覧履歴に基づいて、前記情報の2回目以降の閲覧の場合に、前記情報を、前記第2の表示モードで前記表示パネルに表示することを特徴とする前記1から4の何れか1項に記載の電子情報表示装置。
【0022】
6.前記表示素子は、エレクトロデポジション方式の電気化学表示素子であることを特徴とする前記1から5の何れか1項に記載の電子情報表示装置。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、行および列方向に2次元配列された複数の画素からなり、消費電力が画素の表示濃度の濃淡に依存し、表示濃度が濃くなるに従って増加する表示パネルに、情報を、情報本来の表示濃度で表示する第1の表示モードと、情報本来の表示濃度を変換して表示する第2の表示モードとを有し、所定の条件の場合に、第2の表示モードで表示を行うことにより、目的の情報を検索、閲覧するに足る表示性能を保ちつつ、消費電力の低減による省エネルギー化と長時間動作とが可能な電子情報表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】ED素子の基本構造と表示原理とを示す模式図である。
【図2】ED素子で、黒化電圧を印加する時間を制御して階調表示を行う方法を示す模式図である。
【図3】本発明における電子情報表示装置の構成の1例を示す外観模式図である。
【図4】本発明における電子情報表示装置の構成の1例を示す回路ブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態の動作を示すフローチャートのメインルーチンである。
【図6】図5のサブルーチン(1/2)である。
【図7】図5のサブルーチン(2/2)である。
【図8】図7のサブルーチン(1/2)である。
【図9】図7のサブルーチン(2/2)である。
【図10】第1の実施の形態の動作を説明するための模式図である。
【図11】表示濃度の削減方法の1例を示す模式図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態における表示濃度の削減方法の他の例を示す模式図である。
【図13】本発明の第3の実施の形態における表示濃度の削減方法の第3の例を示す模式図である。
【図14】本発明の第4の実施の形態の動作を示すフローチャートのメインルーチンである。
【図15】図14のサブルーチン(1/2)である。
【図16】図14のサブルーチン(2/2)である。
【図17】第4の実施の形態の動作を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて説明するが、本発明は該実施の形態に限らない。なお、図中、同一あるいは同等の部分には同一の番号を付与し、重複する説明は省略する。
【0026】
まず最初に、ED素子の基本構造と表示原理について、図1を用いて説明する。ここでは、ED素子11は1つの画素で構成されているとする。図1は、ED素子の基本構造と表示原理とを示す模式図で、図1(a)は黒表示状態を、図1(b)は白表示状態を示す。
【0027】
図1(a)および(b)において、ED素子11は、基板101上に画素電極103が設けられた駆動基板100と、基板111上にコモン電極113が設けられたコモン基板110とで、銀イオン123が溶解された電解液121を挟み込んだ構造をしている。
【0028】
コモン電極113は、通常はED素子11の観察側電極であるため、透明であることが求められる。そのため、コモン電極113には、通常は酸化インジウムスズ(以下、ITOと言う)電極等の透明電極が用いられる。一方、画素電極103には、通常は化学的に安定な金属、例えば銀電極が用いられる。
【0029】
次に、ED素子11の表示原理について説明する。図1(a)において、スイッチSW1が閉じられると、コモン電極113のコモン電圧Vcomとして、画素電極103に対して閾値以上の負の電圧(以下、黒化電圧と言う)−Vbが印加され、コモン電極113から電子が注入されてコモン電流Icomが流れ、コモン電極113の画素電極103に対向する位置に、銀イオン123が還元された銀の層125が析出される。これをコモン電極113側から見ると黒く見える。
【0030】
図1(b)において、同様に、コモン電極113のコモン電圧Vcomとして、画素電極103に対して閾値以上の正の電圧(以下、白化電圧と言う)Vwが印加されると、図1(a)で析出された銀の層125が酸化されて銀イオン123になり、電解液121の内部に分散される。
【0031】
銀の層125が銀イオン123に変化した状態は、コモン電極113側から見ると透明であるため、電解液121を白く着色しておく、あるいは画素電極103の上に拡散層を設ける等により、白く見える。このようにして白と黒の表示を切り替えることができる。
【0032】
図1では、スイッチSW1を用いてED素子11に電圧を印加するとしたが、通常は、スイッチとして1画素当たり2個のTFT(薄膜トランジスタ)を用いて電圧を印加する、所謂アクティブマトリクス方式で駆動される。
【0033】
上述したED素子11を1つの画素として、駆動基板100上に2次元マトリクス状に配置することで、電気化学表示パネル(以下、EDパネルと言う)1を構成することができる。
【0034】
EDパネル1の表示では、最初に、ED素子11の全画素に白化電圧Vwを印加して、全画素を白表示にすることで表示をリセットした後に、図2で後述する方法で、黒表示にする画素だけに黒化電圧−Vbを印加して情報を表示する。
【0035】
次に、ED素子11で、黒化電圧を印加する時間を制御して階調表示を行う方法について、図2を用いて簡単に説明する。図2は、ED素子11で、黒化電圧を印加する時間を制御して階調表示を行う方法を示す模式図である。
【0036】
図2(a)において、コモン電極113のコモン電圧Vcomとして、黒化電圧−Vbが印加されると、図2(b)に示すように、画素電極103からコモン電極113に向かって、最初に大きく、徐々に小さくなるようなコモン電流Icomが流れ、コモン電極113の画素電極103に対向する位置に、銀の層125が析出される。図2(c)に示すように、析出された銀の層125をコモン電極113の側から見ると、ED素子11の表示濃度Dは、黒化電圧−Vbの印加時間tpが長くなるに従って、白表示Wから灰表示G、黒表示Bへと濃く変化する。
【0037】
黒化電圧−Vbの印加を、途中(例えば図2のtgのタイミング)で打ち切ると、コモン電極113上に析出した銀の層125はそのまま保持されるので、図2(c)に太い破線で示すように、ED素子11の表示濃度Dはそのまま保持される。
【0038】
従って、黒化電圧−Vbの印加時間tpを、灰表示時間tgあるいは黒表示時間tbに制御することで、白、灰、黒の3値表示が可能となる。そして、表示濃度D、即ち黒化電圧−Vbの印加時間tpをさらに細かく分割することで、3値以上の多値表示も可能である。
【0039】
上述したように、ED素子11は、コモン電流Icomが流れることで銀の層125が析出したり、溶解したりする、電流駆動型の表示素子である、そして、図2(b)のIcomの波形と横軸(tp軸)とで囲まれた面積は、ED素子11の消費電力を示す。従って、図2(b)および(c)から、ED素子11の消費電力は、表示濃度の濃淡に依存し、表示濃度が濃くなるに従って増加することが分かる。
【0040】
次に、本発明における電子情報表示装置の構成の1例を、図3および図4を用いて説明する。図3は、本発明における電子情報表示装置の構成の1例を示す外観模式図である。
【0041】
図3において、電子情報表示装置1は、その表面に、ED素子からなる表示パネル10および操作部5等を備えている。操作部5は、電源スイッチ(以下、電源Swと言う)51、送り操作部53および戻し操作部55等で構成され、電子情報表示装置1の電源のオン/オフおよび表示パネル10への表示の操作に用いられる。
【0042】
図4は、本発明における電子情報表示装置の構成の1例を示す回路ブロック図である。
【0043】
図4において、電子情報表示装置1は、表示制御部2、操作部5、記憶部6、バス9および表示パネル10等で構成されている。表示制御部2は、CPU3、表示コントローラ4およびVcom駆動回路8等で構成されている。各部は、バス9を介して、あるいは直接に接続されている。
【0044】
記憶部6は、電子情報表示装置1の各動作を制御するためのプログラムを記憶するROM61、ROM61に記憶されたプログラムを展開するRAM63、表示パネル10に表示される情報INFを記憶するメモリ部65、および、表示パネル10に表示される1ページ分のデータを一時記憶するフレームメモリ67等の記憶手段で構成され、CPU3や表示コントローラ4の動作に寄与する。
【0045】
CPU3は、記憶部6のROM61に記憶されたプログラムをRAM63上に展開し、プログラムに従って、表示コントローラ4を介した表示パネル10への表示動作や、電子情報表示装置1の各動作を制御する。また、CPU3は、後述する、表示パネル10に表示される情報INFの表示濃度Dを削減する機能を有する。
【0046】
表示コントローラ4は、CPU3の制御下で、記憶部6のメモリ部65に記憶された情報INFの表示パネル10への表示を制御するための列選択信号Ssを表示パネル10のソースドライバ13に、行選択信号Sgを表示パネル10のゲートドライバ15に供給する。
【0047】
さらに、表示コントローラ4は、Vcom駆動回路8を駆動するためのVcom駆動信号ScomをVcom駆動回路8に供給する。表示コントローラ4は、例えばCMOS−LSIやゲートアレイ等のハードウェアロジックやマイクロコンピュータチップ等により構成される。
【0048】
操作部5は、上述したように、電源Sw51、送り操作部53および戻し操作部55等で構成され、各々がCPU3に接続されている。電源Sw51が押される度に、電子情報表示装置1の電源のオン/オフが行われる。送り操作部53が押されると、表示パネル10の表示が1ページ先に更新され、戻し操作部55が押されると、表示パネル10の表示が1ページ前に更新される。
【0049】
Vcom駆動回路8は、表示コントローラ4から供給されるVcom駆動信号Scomに従って、表示パネル10のED素子11のコモン電極113に印加するコモン電圧Vcomを生成して、表示パネル10のED素子11に供給する。
【0050】
表示パネル10は、ED素子11と、ソースドライバ13やゲートドライバ15等の周辺回路等とで構成され、表示コントローラ4およびVcom駆動回路8の制御により、記憶部6のフレームメモリ67に一時記憶された閲覧のための情報INFの1ページ分のデータを表示する。
【0051】
続いて、本発明の電子情報表示装置の第1の実施の形態について、図5から図11を用いて説明する。図5から図9は、電子情報表示装置の第1の実施の形態の表示動作を示すフローチャートで、図5はメインルーチン、図6と図7とは図5のサブルーチン、図8と図9とは図7のサブルーチンである。また、図10は、図5から図9の各ステップでの動作を説明するための模式図である。
【0052】
第1の実施の形態では、本来の表示濃度Dで情報を表示する第1の表示モードと、表示濃度Dを削減して情報を表示する第2の表示モードとを有し、表示時の消費電力の低減のために、所定の条件の場合に、第2の表示モードで表示濃度Dを削減して表示する。
【0053】
(メインルーチン)
図5において、ステップS11で、電源Sw51が操作されて電子情報表示装置1の電源が投入されると、ステップS12で、表示パネル10に、図10(a)に1例を示す、電子情報表示装置1の動作選択画面OSが表示される。
【0054】
ここでは、電子情報表示装置1の動作として、表示パネル10に表示する情報INFを検索する「情報検索」と、情報INFを表示パネル10に表示して閲覧する「情報閲覧」の2つの動作モードがあるとし、動作選択画面OSには、「情報検索」と「情報閲覧」との何れかを選択するための2つの釦が表示されるとする。
【0055】
ステップS13で、2つの釦の内の「情報検索」釦が押されて、2つの動作モードの内の「情報検索」が選択されたか否かが確認される。「情報検索」が選択されなかった場合(ステップS13;No)、ステップS14で、2つの釦の内の「情報閲覧」釦が押されて、2つの動作モードの内の「情報閲覧」が選択されたか否かが確認される。「情報閲覧」が選択されなかった場合(ステップS14;No)、ステップS13に戻って、何れかが選択されるまでステップS13とS14とが繰り返される。
【0056】
なお、「情報検索」と「情報閲覧」との選択は、例えば、図3に示した送り操作部53か戻し操作部55かの何れかが押されることで、表示パネル10に表示された「情報検索」か「情報閲覧」かの何れかの釦が「白黒反転」あるいは「点滅」等されて選択対象が示され、送り操作部53と戻し操作部55との両方を所定の時間内に同時押しすることで、選択対象が選択される方法で行われる。以下に述べる本発明の全てのステップでの選択動作も同様である。ただし、選択動作は、この方法に限るものではなく、他の方法であってもよい。
【0057】
ステップS13で「情報検索」が選択された場合(ステップS13;Yes)、図6に示すステップS20「情報検索サブルーチン」が実行されて、閲覧する情報INFが選択され、図7に示すステップS30「情報閲覧サブルーチン」に進む。
【0058】
一方、ステップS14で「情報閲覧」が選択された場合(ステップS14;Yes)、ステップS15で、表示パネル10に、図10(b)に1例を示す、電子情報表示装置1の記憶部6のメモリ部65に記憶された複数の情報INFの情報一覧画面ISが表示される。ここでは、メモリ部65には、例えば情報番号IN1からIN99までの99個の情報INFが記憶されているものとし、情報一覧画面ISには、全ての情報INFの情報番号INと情報名称IDとの組が表示される例を示すが、これに限るものではない。
【0059】
なお、メモリ部65に記憶された複数の情報INFの各々は、図10(c)に1例を示すようなファイル構造を有しているものとする。図10(c)において、1つの情報INFは、情報番号IN、ヘッダHD、情報本体MP等で構成されている。情報番号INは、情報番号パラメータkで区別され、例えばk番目の情報INFには「INk」という情報番号が割り振られている。
【0060】
ヘッダHDには、情報名称ID、情報INFを代表する代表ページRPの番号RN、情報INFが過去に閲覧された日時や閲覧回数等の閲覧履歴RH等が記載されている。代表ページRPは、情報INFの内容を代表する、例えば図や写真等が記載されたページで、閲覧したい情報INFを検索する場合の拠り所となるページである。情報本体MPには、情報INFを構成する文書、図、表、写真等が納められ、上述した代表ページRPも、その中に含まれている。
【0061】
ステップS16で、情報一覧画面ISから閲覧する情報INFが選択され、ステップS30「情報閲覧サブルーチン」で選択された情報INFが閲覧され、全ての動作が終了される。
【0062】
ステップS20「情報検索サブルーチン」
閲覧したい情報INFを検索する動作を示すサブルーチンである。ここでは、閲覧者は、表示パネル10に表示される、複数の情報INFの代表ページRPを順次確認して、閲覧したい情報INFを選択するものとする。この際の表示パネル10の消費電力を低減するために、情報INFの代表ページRPの表示濃度Dを削減して表示する。
【0063】
図6において、ステップS201で、情報番号パラメータkが1に設定される。ステップS203で、k番目の情報INFの代表ページRPが読み出される。ステップS205で、CPU3により、k番目の情報INFの代表ページRPの表示濃度Dが削減され、ステップS207で、k番目の情報INFの代表ページRPが、ステップS205で削減された表示濃度Dで表示される。ステップS205およびS207は、本発明における第2の表示モードとして機能する。
【0064】
表示濃度Dの削減は、例えば図11に示す、階調を削減する方法で行われる。図11は、図2に示した、ED素子で黒化電圧を印加する時間を制御して階調表示を行う方法と同じ図で、表示濃度Dの削減方法の1例を示す模式図である。ここでは、表示濃度Dを1/2に削減するとして説明する。
【0065】
図11(c)において、表示は、階調(000)の白表示Wから階調(111)の黒表示Bまでの8階調で表示されるとする。この例で、階調を1/2に削減する。そのためには、各階調の上位2ビットを用いて、階調(111)と(110)とを階調(011)に、階調(101)と(100)とを階調(010)に、階調(011)と(010)とを階調(001)に、階調(001)と(000)とを階調(000)に削減する。図11(c)に示したものは、階調(111)の黒表示Bを階調(011)の灰表示Gに削減する例である。
【0066】
実際の階調の削減は、図11(a)に破線で示したように、黒化電圧−Vbの印加時間tpを、黒表示時間tbから灰表示時間tgへと短縮することで実現される。これによって、k番目の情報INFの代表ページRPの表示濃度Dが、1/2に削減される。
【0067】
表示濃度Dを1/2に削減することによって、図11(b)に示すように、画素電極103からコモン電極113に向かって流れるコモン電流Icomの波形の面積、即ち表示時の消費電力が図にハッチングで示すように約1/2に削減される。
【0068】
表示濃度Dを削減することで、表示パネル10上の表示はコントラストの低い表示となるが、情報INFの内容を代表する図や写真等が記載された代表ページRPを表示するので、コントラストが低くても、情報INFの選択には支障ない。
【0069】
図6に戻って、ステップS211で、送り操作部53が操作されて、次の情報INFの代表ページRPの表示が指示されたか否かが確認される。送り操作部53が操作されて、次の情報INFの代表ページRPの表示が指示された場合(ステップS211;Yes)、ステップS213で、情報番号パラメータkに1が加算されて、ステップS203に戻り、上述した各ステップが繰り返される。
【0070】
送り操作部53が操作されなかった場合((ステップS211;No)、ステップS221で、戻し操作部55が操作されて、前の情報INFの代表ページRPの表示が指示されたか否かが確認される。戻し操作部55が操作されて、前の情報INFの代表ページRPの表示が指示された場合(ステップS221;Yes)、ステップS223で、情報番号パラメータkから1が減算されて、ステップS203に戻り、上述した各ステップが繰り返される。
【0071】
戻し操作部55が操作されなかった場合((ステップS221;No)ステップS231で、送り操作部53と戻し操作部55との両方が所定の時間内に同時押しされて、k番目の情報INFが選択されたか否かが確認される。同時押しされなかった場合(ステップS231;No)、ステップS211に戻り、送り操作部53または戻し操作部55が操作されるか、送り操作部53と戻し操作部55との両方が同時押しされるまで、上述した各ステップが繰り返される。
【0072】
送り操作部53と戻し操作部55との両方が同時押しされて、k番目の情報INFが選択された場合(ステップS231;Yes)、図5のステップS20「情報検索サブルーチン」に戻り、続いて、ステップS30「情報閲覧サブルーチン」に進む。
【0073】
ステップS30「情報閲覧サブルーチン」
情報INFを閲覧する動作を示すサブルーチンである。ここでは、表示パネル10の消費電力の低減のために、情報INFの閲覧履歴が所定の回数(例えば2回)以上の場合に、情報INFの表示濃度Dを削減して表示する。
【0074】
図7において、ステップS301で、上述したステップS20「情報検索サブルーチン」で、あるいは図5のステップS16で選択された閲覧される情報INFのヘッダHDと情報本体MPとが読み出される。ステップS303で、閲覧される情報INFのページパラメータmが1に設定される。
【0075】
ステップS311で、ステップS301で読み出されたヘッダHDの閲覧履歴RH中の閲覧回数が、2回以上であるか否かが確認される。2回以上の場合(ステップS311;Yes)、図8に示すステップS320「濃度削減表示サブルーチン」が実行されて、図5のステップS30「情報閲覧サブルーチン」に戻り、全ての動作が終了される。
【0076】
2回未満の場合(ステップS311;No)、図9に示すステップS330「通常表示サブルーチン」が実行されて、図5のステップS30「情報閲覧サブルーチン」に戻り、全ての動作が終了される。
【0077】
ステップS320「濃度削減表示サブルーチン」
情報INFを、表示濃度Dを削減して閲覧する動作を示すサブルーチンである。
【0078】
図8において、ステップS321で、閲覧される情報INFの、ページパラメータmで示されるmページの表示濃度Dが削減され、ステップS322で、閲覧される情報INFのmページが、ステップS321で削減された表示濃度Dで表示される。ステップS321およびS322は、本発明における第2の表示モードとして機能する。
【0079】
表示濃度Dの削減は、上述したと同じく、図11に示す、階調を削減する方法で行われる。表示濃度Dを削減することで、表示パネル10上の表示はコントラストの低い表示となるが、閲覧される情報INFは、過去に複数回閲覧したことのある情報であるので、コントラストが低くても、情報INFの閲覧には支障ない。
【0080】
ステップS323で、送り操作部53が操作されて、次ページへのページ送りが指示されたか否かが確認される。送り操作部53が操作されて、次ページへのページ送りが指示された場合(ステップS323;Yes)、ステップS324で、ページパラメータmに1が加算されて、ステップS321に戻り、上述した各ステップが繰り返される。
【0081】
送り操作部53が操作されなかった場合((ステップS323;No)、ステップS325で、戻し操作部55が操作されて、前ページへのページ戻しが指示されたか否かが確認される。戻し操作部55が操作されて、前ページへのページ戻しが指示された場合(ステップS325;Yes)、ステップS326で、ページパラメータmから1が減算されて、ステップS321に戻り、上述した各ステップが繰り返される。
【0082】
戻し操作部55が操作されなかった場合((ステップS325;No)、ステップS327で、送り操作部53と戻し操作部55との両方が所定の時間内に同時押しされて、閲覧の終了が指示されたか否かが確認される。同時押しされなかった場合(ステップS327;No)、ステップS323に戻り、送り操作部53または戻し操作部55が操作されるか、送り操作部53と戻し操作部55との両方が同時押しされるまで、上述した各ステップが繰り返される。
【0083】
送り操作部53と戻し操作部55との両方が同時押しされて、閲覧の終了が指示された場合(ステップS327;Yes)、図7のステップS320「濃度削減表示サブルーチン」に戻り、そのまま、図5のステップS30「情報閲覧サブルーチン」に戻る。
【0084】
ステップS330「通常表示サブルーチン」
情報INFを、本来の表示濃度Dで情報を閲覧する動作を示すサブルーチンである。
【0085】
図9において、ステップS331で、閲覧される情報INFのmページが、その情報本来の表示濃度Dで表示される。ステップS331は、本発明における第1の表示モードとして機能する。
【0086】
ステップS332で、送り操作部53が操作されて、次ページへのページ送りが指示されたか否かが確認される。送り操作部53が操作されて、次ページへのページ送りが指示された場合(ステップS332;Yes)、ステップS333で、ページパラメータmに1が加算されて、ステップS331に戻り、上述した各ステップが繰り返される。
【0087】
送り操作部53が操作されなかった場合((ステップS332;No)、ステップS334で、戻し操作部55が操作されて、前ページへのページ戻しが指示されたか否かが確認される。戻し操作部55が操作されて、前ページへのページ戻しが指示された場合(ステップS334;Yes)、ステップS335で、ページパラメータmから1が減算されて、ステップS331に戻り、上述した各ステップが繰り返される。
【0088】
戻し操作部55が操作されなかった場合((ステップS334;No)、ステップS336で、送り操作部53と戻し操作部55との両方が所定の時間内に同時押しされて、閲覧の終了が指示されたか否かが確認される。同時押しされなかった場合(ステップS336;No)、ステップS332に戻り、送り操作部53または戻し操作部55が操作されるか、送り操作部53と戻し操作部55との両方が同時押しされるまで、上述した各ステップが繰り返される。
【0089】
送り操作部53と戻し操作部55との両方が同時押しされて、閲覧の終了が指示された場合(ステップS336;Yes)、図7のステップS330「通常表示サブルーチン」に戻り、そのまま、図5のステップS30「情報閲覧サブルーチン」に戻る。
【0090】
このように過去に2回以上閲覧したことのある情報についてのみ表示濃度Dを削減して表示し、過去に閲覧したことのない、あるいは1回しか閲覧したことのない情報INFの場合には表示濃度Dを削減しないので、過去に閲覧したことのない、あるいは1回しか閲覧したことのない情報INFであっても、閲覧に支障はない。
【0091】
なお、ステップS30「情報閲覧サブルーチン」では、情報INFの閲覧履歴が所定の回数(例えば2回)以上の場合に、情報INFの表示濃度Dを削減して表示するとしたが、これに限るものではなく、例えば、最近閲覧したことがある、即ち、前回の閲覧が現在よりも所定の期間以内(例えば1週間以内等)の場合に、情報INFの表示濃度Dを削減して表示してもよい。
【0092】
上述したように、第1の実施の形態によれば、情報の代表ページを用いて閲覧する情報を検索する場合、および過去に複数回閲覧したことのある情報を閲覧する場合に、第2の表示モードで情報の表示濃度Dを削減して表示することで、目的の情報を検索、閲覧するに足る表示性能を保ちつつ、表示時の消費電力の低減による省エネルギー化と長時間動作とが可能な電子情報表示装置を提供することができる。
【0093】
続いて、本発明の電子情報表示装置の第2の実施の形態について、図12を用いて説明する。図12は、表示濃度Dの削減方法の第2の例を示す模式図である。ここでは、第1の実施の形態での全画素の表示濃度Dを削減する表示濃度Dの削減方法とは異なり、所定の画素の表示濃度Dを削減することで、表示時の消費電力を削減する。
【0094】
図12において、表示パネル10のED素子11は、5画素×5画素=25画素で構成されているとする。そして、例えば2画素につき1画素の表示濃度Dをゼロとする、つまり白表示Wとすることで、表示時の消費電力を1/2に削減する。ここでは、画素の横の並びを行、縦の並びを列と呼ぶ。
【0095】
図12(a)において、情報本来の表示では、左の1列が白表示W、中央2列が灰表示G、右の2列が黒表示Bの3値で表示されているとする。第2の表示濃度Dの削減方法では、例えば奇数行では奇数列の画素の表示濃度Dをゼロに、偶数行では偶数列の画素の表示濃度Dをゼロにする。この結果を図12(b)に示す。
【0096】
白表示Wの画素には黒化電圧−Vbは印加されないので、表示時の表示時の消費電力はゼロである。従って、灰表示Gおよび黒表示Bの画素の数を1/2にすることで、表示時の消費電力を1/2にすることができる。
【0097】
第2の実施の形態の表示濃度Dの削減方法によれば、解像度は低下するが、コントラストを低下させることなく情報を表示できるので、表示品位、特に写真のような自然画での表示品位をあまり低下させることなく、表示時の消費電力を削減することができる。
【0098】
次に、本発明の電子情報表示装置の第3の実施の形態について、図13を用いて説明する。図13は、図2に示した、ED素子で黒化電圧を印加する時間を制御して階調表示を行う方法と同じ図で、表示濃度Dの削減方法の他の例を示す模式図である。ここでは、コモン電極113に印加する黒化電圧−Vbを小さくすることで、表示濃度Dを削減し、消費電力を削減する方法を説明する。第3の実施の形態のその他の動作については、第1の実施の形態と同じであるので、説明は省略する。
【0099】
図13(a)において、コモン電極113に印加する黒化電圧−Vbを、太い破線で示したように、通常の黒化電圧−Vbよりも小さい黒化電圧−Vb2とする。これによって、図13(b)に太い破線で示すように、画素電極103からコモン電極113に向かって流れるコモン電流Icomが小さくなり、図13(c)に太い破線で示すように、表示濃度Dが圧縮されて削減される。これによって、表示時の消費電力も、図13(b)にハッチングで示すように、削減される。
【0100】
第3の実施の形態の表示濃度Dの削減方法によれば、ED素子の駆動方法を通常の表示と同じにしたままで、黒化電圧−Vbを任意に選択することで、第1の実施の形態で示した方法のように階調数を落とすことなく、表示濃度Dを任意の濃度に削減することができ、表示時の消費電力を削減することができる。
【0101】
なお、第1の実施の形態と第3に実施の形態とを併用する方法、あるいは、第2の実施の形態と第3の実施の形態とを併用する方法も可能である。
【0102】
次に、本発明の電子情報表示装置の第4の実施の形態について、図14から図16を用いて説明する。図14から図16は、電子情報表示装置の第4の実施の形態の動作を説明するフローチャートで、図14はメインルーチン、図15および図16は図14のサブルーチンである。
【0103】
電子情報表示装置1には、例えばACアダプタが使用できて、電池寿命を気にせずに長時間動作が可能に設計されたものもある。また、例えば日中の屋外での表示のように、電池駆動であっても、コントラストの強い、見やすい表示が必要な場合もある。第4の実施の形態では、このような電源の条件や閲覧者の意図等に対応して、通常表示と省電力表示とを使い分けることのできる電子情報表示装置1の1例を示す。
【0104】
(メインルーチン)
図14において、ステップS11で、電源Sw51が操作されて電子情報表示装置1の電源が投入されると、ステップS41で、電子情報表示装置1が電池駆動状態であるか否かが確認される。電池駆動であれば(ステップS41;Yes)、ステップS43で、バッテリチェック動作等により、電池の残量が少ないか否かが確認される。
【0105】
電池残量が少ない場合(ステップS43;Yes)、図16に示すステップS60「省電力駆動サブルーチン」が実行されて、全ての動作が終了される。電池残量が少なくない場合(ステップS43;No)、ステップS45に進む。
【0106】
一方、ステップS41で、電子情報表示装置1が電池駆動でない場合(ステップS41;No)もステップS45に進み、図17に1例を示す、電子情報表示装置1の駆動モード選択画面DSが表示される。
【0107】
ここでは、電子情報表示装置1の駆動モードとして、情報本来の表示濃度Dで情報INFを表示する「通常駆動モード」と、表示濃度Dを削減して情報INFを表示する「省電力駆動モード」の2つの駆動モードがあるとし、駆動モード選択画面DSには、「通常駆動モード」と「省電力駆動モード」との何れかを選択するための、2つの釦が表示されるとする。
【0108】
ステップS47で、2つの釦の内の「省電力駆動モード」釦が押されて、2つの駆動モードの内の「省電力駆動モード」が選択されたか否かが確認される。「省電力駆動モード」が選択された場合(ステップS47;Yes)、図16に示すステップS60「省電力駆動サブルーチン」が実行されて、全ての動作が終了される。
【0109】
ステップS47で、「省電力駆動モード」が選択されなかった場合(ステップS47;No)、図15に示すステップS50「通常駆動サブルーチン」が実行されて、全ての動作が終了される。
【0110】
ステップS50「通常駆動サブルーチン」
情報本来の表示濃度Dで情報INFを表示する駆動モードである。
【0111】
図15において、図5の第1の実施の形態と同様に、ステップS12で、表示パネル10に、図10(a)に1例を示す、「情報検索」と「情報閲覧」との何れかを選択するための動作選択画面OSが表示される。
【0112】
ステップS13で、2つの釦の内の「情報検索」釦が押されて、2つの動作モードの内の「情報検索」が選択されたか否かが確認される。「情報検索」が選択されなかった場合(ステップS13;No)、ステップS14で、2つの釦の内の「情報閲覧」釦が押されて、2つの動作モードの内の「情報閲覧」が選択されたか否かが確認される。「情報閲覧」が選択されなかった場合(ステップS14;No)、ステップS13に戻って、何れかが選択されるまでステップS13とS14とが繰り返される。
【0113】
ステップS13で「情報検索」が選択された場合(ステップS13;Yes)、ステップS201で、情報番号パラメータkが1に設定される。ステップS203で、k番目の情報INFの代表ページRPが読み出される。ステップS501で、ステップS203で読み出されたk番目の情報INFの代表ページRPが、表示パネル10に、情報本来の表示濃度Dで表示される。
【0114】
ステップS211からステップS231までの各動作は、図6と同じであるので、説明は省略する。ステップS231で、k番目の情報INFが選択された場合(ステップS231;Yes)、ステップS303に進む。
【0115】
一方、ステップS14で「情報閲覧」が選択された場合(ステップS14;Yes)、図5と同様に、ステップS15で、表示パネル10に、図10(b)に1例を示す、電子情報表示装置1の記憶部6のメモリ部65に記憶された複数の情報INFの情報一覧画面ISが表示され、ステップS16で、情報一覧画面ISから閲覧する情報INFが選択される。
【0116】
続いて、ステップS303で、閲覧される情報INFのページパラメータmが1に設定され、図9のステップS330「通常表示サブルーチン」が実行され、図14のステップS50「通常駆動サブルーチン」に戻って、全ての動作が終了される。ステップS501およびステップS330「通常表示サブルーチン」中のステップS331は、本発明における第1の表示モードとして機能する。
【0117】
ステップS60「省電力駆動サブルーチン」
表示濃度Dを削減して情報INFを表示する、省電力駆動モードである。
【0118】
図16において、ステップS601で、図10(a)に1例を示す、「情報検索」と「情報閲覧」との何れかを選択するための動作選択画面OSの表示濃度が削減される。削減方法は、第1から第3の実施の形態で説明した何れの方法でもよい。
【0119】
続いて、ステップS603で、図5と同様に、表示パネル10に、図10(a)に1例を示す、「情報検索」と「情報閲覧」との何れかを選択するための動作選択画面OSが、ステップS601で削減された表示濃度Dで表示される。
【0120】
ステップS13で、2つの釦の内の「情報検索」釦が押されて、2つの動作モードの内の「情報検索」が選択されたか否かが確認される。「情報検索」が選択されなかった場合(ステップS13;No)、ステップS14で、2つの釦の内の「情報閲覧」釦が押されて、2つの動作モードの内の「情報閲覧」が選択されたか否かが確認される。「情報閲覧」が選択されなかった場合(ステップS14;No)、ステップS13に戻って、何れかが選択されるまでステップS13とS14とが繰り返される。
【0121】
ステップS13で「情報検索」が選択された場合(ステップS13;Yes)、図6のステップS20「情報検索サブルーチン」が実行されて、閲覧する情報INFが選択され、ステップS303に進む。
【0122】
一方、ステップS14で「情報閲覧」が選択された場合(ステップS14;Yes)、ステップS605で、図10(b)に1例を示す、電子情報表示装置1の記憶部6のメモリ部65に記憶された複数の情報INFの情報一覧画面ISの表示濃度Dが削減される。削減方法は、第1から第3の実施の形態で説明した何れの方法でもよい。
【0123】
ステップS607で、表示パネル10に、情報一覧画面ISが、ステップS605で削減された表示濃度Dで表示され、ステップS16で、情報一覧画面ISから閲覧する情報INFが選択される。
【0124】
続いて、ステップS303で、閲覧される情報INFのページパラメータmが1に設定され、図8のステップS320「濃度削減表示サブルーチン」が実行され、図14のステップS60「省電力駆動サブルーチン」に戻って、全ての動作が終了される。ステップS601およびS603、ステップS605およびS607、ステップS20中のステップS205およびS207は、本発明における第2の表示モードとして機能する。
【0125】
上述したように、第4の実施の形態によれば、電源の条件や閲覧者の意図等に合わせて、情報本来の表示濃度で表示する通常駆動モードと、表示濃度を削減して表示する省電力駆動モードとを使い分けることのできるにより、目的の情報を検索、閲覧するに足る表示性能を保ちつつ、消費電力の低減による省エネルギー化と長時間動作とが可能な電子情報表示装置を提供することができる。
【0126】
以上に述べたように、本発明によれば、行および列方向に2次元配列された複数の画素からなり、消費電力が画素の表示濃度の濃淡に依存し、表示濃度が濃くなるに従って増加する表示パネルに、情報を、情報本来の表示濃度で表示する第1の表示モードと、情報本来の表示濃度を変換して表示する第2の表示モードとを有し、所定の条件の場合に、第2の表示モードで表示を行うことにより、目的の情報を検索、閲覧するに足る表示性能を保ちつつ、消費電力の低減による省エネルギー化と長時間動作とが可能な電子情報表示装置を提供することができる。
【0127】
なお、本発明に係る電子情報表示装置を構成する各構成の細部構成および細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜更新可能である。
【符号の説明】
【0128】
1 電子情報表示装置
2 表示制御部
3 CPU
4 表示コントローラ
5 操作部
51 電源スイッチ(電源Sw)
53 送り操作部
55 戻し操作部
6 記憶部
61 ROM
63 RAM
65 メモリ部
67 フレームメモリ
8 Vcom駆動回路
9 バス
10 表示パネル
11 エレクトロデポジション方式の電気化学表示素子(ED素子)
13 ソースドライバ
15 ゲートドライバ
Ss 列選択信号
Sg 行選択信号
Scom Vcom駆動信号
Vcom コモン電圧
−Vb 黒化電圧
Vw 白化電圧

【特許請求の範囲】
【請求項1】
行および列方向に2次元配列された複数の画素からなり、消費電力が前記画素の表示濃度の濃淡に依存し、表示濃度が濃くなるに従って増加する表示素子を有し、情報を表示するための表示パネルと、
前記表示パネルへの前記情報の表示を制御する表示制御部とを備えた電子情報表示装置において、
前記表示制御部は、
前記表示パネルに、前記情報を、情報本来の表示濃度で表示する第1の表示モードと、情報本来の表示濃度を変換して表示する第2の表示モードとを有し、
所定の条件の場合に、前記第2の表示モードで表示を行うことを特徴とする電子情報表示装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記第2の表示モードにおいて、前記情報の所定の画素の表示濃度を低減する変換を行うことを特徴とする請求項1に記載の電子情報表示装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記第2の表示モードにおいて、前記表示パネルに印加する駆動電圧を低減する変換を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の電子情報表示装置。
【請求項4】
前記表示パネルに表示する複数の前記情報と、複数の前記情報の各々の代表ページに関する情報とを記憶するメモリ部を備え、
前記表示制御部は、
複数の前記情報の中から目的の情報を選択するための情報選択モードを有し、
前記情報選択モードでの表示の場合に、前記情報の代表ページを、前記第2の表示モードで前記表示パネルに表示することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の電子情報表示装置。
【請求項5】
前記表示パネルに表示する複数の前記情報と、複数の前記情報の各々の過去の閲覧履歴とを記憶するメモリ部を備え、
前記表示制御部は、
前記情報の過去の閲覧履歴に基づいて、前記情報の2回目以降の閲覧の場合に、前記情報を、前記第2の表示モードで前記表示パネルに表示することを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の電子情報表示装置。
【請求項6】
前記表示素子は、エレクトロデポジション方式の電気化学表示素子であることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の電子情報表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−102900(P2011−102900A)
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−257788(P2009−257788)
【出願日】平成21年11月11日(2009.11.11)
【出願人】(000001270)コニカミノルタホールディングス株式会社 (4,463)
【Fターム(参考)】