説明

電子機器、データ管理方法およびプログラム

【課題】データの使用頻度に応じた保存を行う。
【解決手段】操作部101が受け付けた所定の操作に基づいて選択または変換されたデータを、記憶部103が、データが選択または変換された回数に応じたグループに分類して記憶し、グループごとにデータを記憶するための空き容量の不足が生じた場合、所定の規則に従って、そのグループにすでに記憶されているデータを削除し、表示部102が、記憶部103に記憶されているデータを表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データを記憶する電子機器、データ管理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯端末等の入力装置(以下、電子機器と称する)に文章を入力する際、入力したい文章の最初の1文字や2文字を入力すると、その文字に応じた単語や文章を予測し、予測された単語や文章を表示する機能(予測変換機能)が具備された電子機器が多く出回っている。
【0003】
この予測変換機能を用いれば、入力したい文章を構成するすべての文字を入力手段であるボタンキーを操作して入力しなくても、予測にしたがって表示された単語や文章のうち、所望のものを選択するだけで、当該単語または文章へ変換され、単語や文章を入力することができる。
【0004】
また、文章を入力する時間や場所に応じた単語や文章を予測して表示する技術も考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−305385号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した予測変換機能では、表示された単語や文章以外に、直接入力された単語や文章も、変換候補として追加登録され、その後の予測変換に用いられる。この直接入力された単語や文章は、誤って入力されたものや、頻繁には使用しないものも、候補として他の単語や文章と同等に登録される。それは、これらの単語や文章が、その後に使われるか、使われないかの判断をつけられないためである。
【0007】
また、このように登録された単語や文章を記憶しておくメモリ領域は有限であるため、登録する単語や文章を記憶する容量が所定の容量を超えた場合、超えた分の単語や文章は削除されてしまう。一般的には、登録されている単語や文章のうち、最も長い間使用されていないものが削除される。
【0008】
そのため、頻繁に使用する有効な単語や文章であっても、長い期間、使用しないでいると削除されてしまうおそれがある。一方、誤って入力された単語や文章であっても、使用してから間もない場合は、削除されない。
【0009】
これは、電子機器に格納されている画像データ等の文字データ以外のデータでも、格納容量が不足した場合に時系列的に古いものから削除されるものについても同じことが言える。例えば、電子機器に保存された画像データのうち、電子メールに頻繁に添付して送信したものであっても、長い期間、使用しないでいると削除されてしまうおそれがある。一方、一時的に撮影した画像データであっても、保存してから間もない場合は、故意に削除しない限り、削除されない。
【0010】
このように、重要なデータが削除され、一方、あまり重要ではないデータが残るといった不便さが生じてしまう。
【0011】
また、特許文献1に記載された技術においては、予測候補をあらかじめ登録しておかなければならないという問題点がある。
【0012】
本発明の目的は、上述した課題を解決する電子機器、データ管理方法およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の電子機器は、
外部からの操作を受け付ける操作部と、
前記操作部が受け付けた所定の操作に基づいて選択または変換されたデータを、該データが選択または変換された回数に応じて、複数のグループのうちのいずれかのグループに分類して記憶し、前記グループごとに前記データを記憶するための空き容量の不足が生じた場合、所定の規則に従って、該グループにすでに記憶されているデータを削除する記憶部と、
前記記憶部に記憶されているデータを表示する表示部とを有する。
【0014】
また、本発明のデータ管理方法は、
電子機器に記憶するデータを管理するデータ管理方法であって、
当該電子機器の外部から受け付けた所定の操作に基づいて選択または変換されたデータを、該データが選択または変換された回数に応じて、複数のグループのうちのいずれかのグループに分類して記憶する処理と、
前記グループごとに前記データを記憶するための空き容量の不足が生じた場合、所定の規則に従って、該グループにすでに記憶されているデータを削除する処理と、
前記記憶されているデータを表示する処理とを行う。
【0015】
また、本発明のプログラムは、
電子機器に実行させるためのプログラムであって、
複数のデータを複数のグループに分類して記憶する手順と、
当該電子機器の外部から受け付けた所定の操作に基づいて選択または変換されたデータを、該データが選択または変換された回数に応じて、複数のグループのうちのいずれかのグループに分類して手順と、
前記グループごとに前記データを記憶するための空き容量の不足が生じた場合、所定の規則に従って、該グループにすでに記憶されているデータを削除する手順と、
前記記憶されているデータを表示する手順とを実行させる。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明においては、データの使用頻度に応じた保存を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の電子機器の実施の一形態を示す図である。
【図2】図1に示した携帯端末に文字を入力しているときの外観の一例を示す図である。
【図3】図2に示した予測変換候補のうち「コントラバス」へ変換された後の表示部における表示の一例を示す図である。
【図4】一般的な携帯端末に具備されている記憶部の内部構造の一例を示す図である。
【図5】図1に示した記憶部の内部構造の一例を示す図である。
【図6】図1に示した記憶部に図5の(8)に示したように予測変換候補が記憶されている場合、「こん」が入力された際の表示部における表示の一例を示す図である。
【図7】本形態におけるデータ管理方法の一例を説明するためのフローチャートである。
【図8】本形態におけるデータ管理方法の他の例を説明するためのフローチャートである。
【図9】画像データが記憶されている場合の記憶部の内部構造の一例を示す図である。
【図10】図1に示した記憶部に図9の(3)に示すように画像データが記憶されている場合に表示部に表示される画像一覧の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0019】
図1は、本発明の電子機器の実施の一形態を示す図である。本形態における電子機器は、携帯端末である場合を例に挙げて説明する。
【0020】
本形態における携帯端末100には図1に示すように、操作部101と、表示部102と、記憶部103と、カウンタ104とが設けられている。なお、図1には、携帯端末100が具備する構成要素のうち、本発明に関わる構成要素のみを示した。
【0021】
操作部101は、外部からの操作を受け付ける。操作部101は、例えば、ボタンキーやタッチパネル等の、外部から情報を入力するために操作されるものである。操作部101を操作して、外部から文字を入力したり、表示部102に表示されたアイコン等を選択したりすることができる。
【0022】
表示部102は、記憶部103に記憶されているデータや、操作部101が操作されて入力された情報を表示する。また、表示部102には、一般的に用いられているディスプレイと、そのディスプレイへのデータの表示を制御する要素とが含まれる。また、表示部102は、データを表示する際、記憶部103にて分類されているグループごとに表示する。
【0023】
また、表示部102は、記憶部103に記憶されているデータをグループごとに一覧として、記憶部103が記憶した順、または、操作部101を用いた操作に応じて変換された順で表示するものであっても良い。
【0024】
また、表示部102は、記憶部103に記憶されているデータが画像データである場合、その画像データに応じたサムネイル画像を表示するものであっても良い。
【0025】
記憶部103は、情報等のデータ(文字変換候補データや画像データ等)を記憶する。また、記憶部103には、記憶媒体であるメモリと、そのメモリへのデータの読み書きを制御したり、メモリの容量を監視したりする要素とが含まれる。また、記憶部103は、複数のデータを複数のグループに分類して記憶する。このとき、記憶部103は、表示部102に表示されたデータのうち、操作部101が受け付けた所定の操作に基づいて変換されたデータを、当該データが変換された回数に応じたグループに分類して記憶する。ここで、当該データが変換された回数は、カウンタ104がカウントする。
【0026】
また、記憶部103は、グループごとにデータを記憶するための空き容量の不足が生じた場合、所定の規則(例えば、LRU:Least Recently Used、NRU:Not Recently Used、NFU:Not Frequently Used、FIFO:First−In First−Out等)に従って、当該グループにすでに記憶されているデータを削除する。ここで、容量とは、物理的な容量であっても良いし、データの数であっても良い。例えば、記憶部103は、グループにすでに記憶されているデータのうち、最も古く記憶した、または最も古く変換されたデータを削除するものであっても良い。また、記憶部103は、グループにすでに記憶されているデータのうち、変換された回数が最も少ないデータを削除するものであっても良い。
【0027】
また、記憶部103は、複数のグループのうち第1のグループに分類されているデータが変換された回数が、複数のグループのうち第2のグループに分類されるべき回数となった場合、当該データを第1のグループから第2のグループへ移動させる。これには、あらかじめ設定された閾値を用いて、例えば、閾値を「3」としておき、当該データが3回以上変換された場合、そのデータを第1のグループから第2のグループへ移動させるものであっても良い。
【0028】
図2は、図1に示した携帯端末100に文字を入力しているときの外観の一例を示す図である。
【0029】
図1に示した携帯端末100に文字を入力しているとき、図2に示すように、表示部102には文字入力画面が表示される。
【0030】
図2に示した例では、操作部101が操作されて、「こん」という文字が入力された場合に、その予測変換候補として「コントラバス」、「コンプレッサー」、「混んで」、「こんな」、「今日」、「こんなに」、「こんにちは」、「今度」、「こんばんは」、「今週」、「今回」、「今月」、「今晩」および「今夜」が表示されている。携帯端末100を操作する者は、これらの予測変換候補のうち、所望の単語がある場合、操作部101を操作して、その単語を選択する。すると、当該単語が決定され、その単語へ変換される。
【0031】
図3は、図2に示した予測変換候補のうち「コントラバス」へ変換された後の表示部102における表示の一例を示す図である。
【0032】
図3に示すように、利用者が操作部101を操作することに応じて、図2に示した予測変換候補のうち「コントラバス」が選択されると、表示部102には「コントラバス」という単語が表示される。
【0033】
このような予測変換候補の表示は、一般的な携帯端末においても行われている。
【0034】
図4は、一般的な携帯端末に具備されている記憶部の内部構造の一例を示す図である。図4においては、説明の便宜上、動作開始時に記憶部には予測変換候補が1つも記憶されていないものとする。また、図4において、(1)から(7)まで記憶部に記憶されている予測変換候補を時系列で示している。また、図4に示した予約変換候補は、上側が新しく記憶されたものであり、下側になればなるほど、古く記憶されたものである。また、記憶部に記憶できる予測変換候補の数が8つである場合を例に挙げて説明する。
【0035】
まず、文字入力時に「コントラバス」と入力された場合、または、所定の入力文字が「コントラバス」へ変換された場合、図4の(1)に示すように、記憶部に予約変換候補として「コントラバス」が記憶される。これにより、その後、「こん」が入力された場合、予測変換候補として「コントラバス」が表示される。
【0036】
続いて、「11111」、「22222」、「33333」、「44444」および「55555」が順に入力されると、図4の(2)に示すように、これらが順に記憶部に記憶される。ここで、「11111」、「22222」、「33333」、「44444」および「55555」は、わかりやすいように表現したものであり、数字の羅列ではなく、適当な単語を示す(以下に示す数字および記号についても同じ)。
【0037】
その後、「こん」が入力されることに応じて、予測変換候補として「コントラバス」が表示された際、利用者によって操作部101が操作されて「コントラバス」が選択され、「こん」が「コントラバス」へ変換されると、記憶部内の予約変換候補の順が入れ替わる。具体的には、図4の(3)に示すように、「コントラバス」が最上位の位置へ移動し、それにより、他の予約変換候補が1つずつ下側の位置へずれる。
【0038】
続いて、「66666」および「コンプレッサー」が順に入力されると、図4の(4)に示すように、これらが順に記憶部に記憶される。ここで、記憶部には8つの予測変換候補が記憶されるため、これ以上の予測変換候補を記憶するには、すでに記憶されている予測変換候補を削除しなければならない。
【0039】
その後、「77777」が入力されると、「77777」を記憶するために、時系列的に最も古く記憶された「11111」が削除され、「77777」が最も新しい予測変換候補として図4の(5)に示すように記憶される。
【0040】
続いて、「88888」、「99999」、「!!!!!」および「#####」が順に入力されると、上述したような削除が順に行われ、これらが順に予測変換候補として図4の(6)に示すように記憶される。
【0041】
さらに、「$$$$$」が入力されると、上述した処理と同様に、時系列的に最も古く記憶された「コントラバス」が削除され、「$$$$$」が最も新しい予測変換候補として図4の(7)に示すように記憶される。そのため、その後に「こん」が入力されても、「コントラバス」が予測変換候補として表示されることはない。
【0042】
次に、図1に示した記憶部103の内部構造について説明する。
【0043】
図5は、図1に示した記憶部103の内部構造の一例を示す図である。図5においては、説明の便宜上、動作開始時に記憶部103には予測変換候補が1つも記憶されていないものとする。また、図5において、(1)から(8)まで記憶部103に記憶されている予測変換候補を時系列で示している。また、図5に示した予約変換候補は、上側が新しく記憶されたものであり、下側になればなるほど、古く記憶されたものである。また、記憶部103には、2つのグループ(第1予測変換候補および第2予測変換候補)に分類されて予測変換候補が記憶される。また、各グループに記憶できる予測変換候補の数が、それぞれ8つである場合を例に挙げて説明する。
【0044】
まず、文字入力時に「コントラバス」と入力された場合、または、所定の入力文字が「コントラバス」へ変換された場合、図5の(1)に示すように、記憶部103の第1予約変換候補に「コントラバス」が記憶される。これにより、その後、「こん」が入力された場合、予測変換候補として「コントラバス」が表示される。
【0045】
続いて、「11111」、「22222」、「33333」、「44444」および「55555」が順に入力されると、図5の(2)に示すように、これらが順に記憶部103の第1予約変換候補に記憶される。
【0046】
その後、「こん」が入力されることに応じて、予測変換候補として「コントラバス」が表示された際、利用者によって操作部101が操作されて「コントラバス」が選択され、「こん」が「コントラバス」へ変換されると、これまでに「コントラバス」へ変換された回数が、あらかじめ設定されている閾値以上かどうかが判定される。ここでは、閾値が「1」である場合を例に挙げて説明する。
【0047】
これまでに「コントラバス」が変換された回数が閾値「1」以上であるため、「コントラバス」は図5の(3)に示すように第1予測変換候補から第2予測変換候補へ移動する。
【0048】
続いて、「66666」、「77777」および「コンプレッサー」が順に入力されると、図5の(4)に示すように、これらが順に記憶部103の第1予測変換候補に記憶される。ここで、第1予測変換候補には8つの予測変換候補が記憶されるため、これ以上、第1予測変換候補に予測変換候補を記憶するには、第1予測変換候補にすでに記憶されている予測変換候補を削除しなければならない。
【0049】
その後、「88888」が入力されると、「88888」を第1予測変換候補に記憶するために、第1予測変換候補にて時系列的に最も古く記憶された「11111」が削除され、「88888」が最も新しい予測変換候補として図5の(5)に示すように第1予測変換候補に記憶される。
【0050】
続いて、「99999」、「!!!!!」、「#####」および「$$$$$」が順に入力されると、上述したような削除が順に行われ、これらが順に第1予測変換候補に予測変換候補として図5の(6)に示すように記憶される。
【0051】
その後、「こん」が入力されることに応じて、予測変換候補として「コントラバス」および「コンプレッサー」が表示された際、利用者によって操作部101が操作されて「コンプレッサー」が選択され、「こん」が「コンプレッサー」へ変換されると、これまでに「コンプレッサー」へ変換された回数が、あらかじめ設定されている閾値以上かどうかが判定される。
【0052】
これまでに「コンプレッサー」が変換された回数が閾値「1」以上であるため、「コンプレッサー」は図5の(7)に示すように第1予測変換候補から第2予測変換候補へ移動する。
【0053】
さらに、「コンコルド」が入力されると、図5の(8)に示すように、記憶部103の第1予約変換候補に記憶される。
【0054】
このように、記憶部103には、予測変換候補が変換回数に応じて2つのグループに分類されて記憶される。これにより、変換された回数が閾値以上である予測変換候補の記憶部103からの削除を遅らせることができる。なお、2つのグループに分類する場合を例に挙げて説明したが、3つ以上のグループに分類するものであっても良い。
【0055】
また、図5においては、物理的に、上側が新しく記憶されたものであり、下側になればなるほど、古く記憶されたものである場合を例に挙げて説明したが、各データに順序を示す識別子をそれぞれ付与し、論理的に順序を管理するものであっても良い。
【0056】
図6は、図1に示した記憶部103に図5の(8)に示したように予測変換候補が記憶されている場合、「こん」が入力された際の表示部102における表示の一例を示す図である。
【0057】
図6に示すように、操作部101が操作されて「こん」が入力されると、表示部102には、第2予測変換候補である「コントラバス」および「コンプレッサー」と、第1予測変換候補である「コンコルド」と、端末内予測変換候補である「こんな」、「今日」、こんなに」、「今度」、「こんばんは」、「今週」、「今回」、「今月」、「今晩」および「今夜」が表示される。ここで、端末内予測変換候補は、携帯端末100にあらかじめ登録されている予測変換候補である。
【0058】
図6に示すように、第2予測変換候補、第1予測変換候補、端末内予測変換候補の順(つまり、第2予測変換候補を第1予測変換候補よりも前、かつ、第1予測変換候補を端末内予測変換候補よりも前)に表示することで、変換頻度に応じた順に表示することとなり、利用者が文字入力をしやすくするという効果がある。
【0059】
以下に、本形態におけるデータ管理方法について説明する。
【0060】
図7は、本形態におけるデータ管理方法の一例を説明するためのフローチャートである。
【0061】
まず、操作部101への操作で入力された文字が、単語や文章へ変換されると(ステップS1)、その単語(以下、データと称する)が記憶部103の第1予約変換候補に記憶されているかどうかが判定される(ステップS2)。
【0062】
当該データが記憶部103の第1予約変換候補に記憶されている場合、これまでに変換された回数とあらかじめ設定された閾値とが比較される(ステップS3)。
【0063】
変換された回数が閾値以上である場合、当該データを第2予測変換候補に記憶するための容量が不足しているかどうかが判定される(ステップS4)。
【0064】
第2予測変換候補に容量不足がある場合、第2予測変換候補に記憶されているデータのうち、最も古く記憶されたデータが削除される(ステップS5)。
【0065】
その後、当該データが第2予測変換候補の最も新しいデータとして記憶(登録)される(ステップS6)。また、当該データが第1予測変換候補から削除される(ステップS7)。ステップS6の処理で、記憶部103に記憶されているデータが、図5の(2)の状態から図5の(3)の状態(データが「コントラバス」である場合)へ、または図5の(6)の状態から図5の(7)の状態(データが「コンプレッサー」である場合)へ遷移する。
【0066】
また、ステップS4にて、第2予測変換候補に容量不足がない場合、つまり第2予測変換候補に十分な容量がある場合は、ステップS5の処理は行われず、ステップS6の処理が行われる。
【0067】
一方、ステップS3にて、変換された回数が閾値以上ではない場合は、変換された回数がカウンタ104を用いてインクリメントされ(ステップS8)、第1予測変換候補の順序が変更される(ステップS9)。具体的には、当該データの順序が、第1予測変換候補の最も新しいデータとして記憶(登録)される。また、インクリメントされた回数を示す情報は、当該データと対応付けられて記憶部103に記憶される。
【0068】
また、ステップS2にて、当該データが記憶部103の第1予約変換候補に記憶されていない場合は、当該データが記憶部103の第2予約変換候補に記憶されているかどうかが判定される(ステップS10)。
【0069】
当該データが記憶部103の第2予約変換候補に記憶されている場合、第2予測変換候補の順序が変更される(ステップS11)。具体的には、当該データの順序が、第2予測変換候補の最も新しいデータとして記憶(登録)される。
【0070】
一方、ステップS10にて、当該データが記憶部103の第2予約変換候補に記憶されていない場合は、当該データが記憶部103に記憶されていないことになるため、第1予約変換候補に記憶することになる。まず、当該データを第1予測変換候補に記憶するための容量が不足しているかどうかが判定される(ステップS12)。
【0071】
第1予測変換候補に容量不足がある場合、第1予測変換候補に記憶されているデータのうち、最も古く記憶されたデータが削除される(ステップS13)。
【0072】
その後、当該データが第1予測変換候補の最も新しいデータとして記憶(登録)される(ステップS14)。
【0073】
また、ステップS12にて、第1予測変換候補に容量不足がない場合、つまり第1予測変換候補に十分な容量がある場合は、ステップS13の処理は行われず、ステップS14の処理が行われる。
【0074】
その後、変換された回数がカウンタ104を用いてインクリメントされる(ステップS15)。また、インクリメントされた回数を示す情報は、当該データと対応付けられて記憶部103に記憶される。
【0075】
また、当該データと第2予測変換候補に記憶されているデータとの比較の処理を、当該データと第1予測変換候補に記憶されているデータとの比較の処理よりも先に行うものであっても良い。
【0076】
図8は、本形態におけるデータ管理方法の他の例を説明するためのフローチャートである。
【0077】
まず、操作部101への操作に基づいて入力された文字が、単語や文章へ変換されると(ステップS21)、その単語(以下、データと称する)が記憶部103の第2予約変換候補に記憶されているかどうかが判定される(ステップS22)。
【0078】
当該データが記憶部103の第2予約変換候補に記憶されている場合、第2予測変換候補の順序が変更される(ステップS23)。具体的には、当該データの順序が、第2予測変換候補の最も新しいデータとして記憶(登録)される。
【0079】
また、ステップS22にて、当該データが記憶部103の第2予約変換候補に記憶されていない場合は、当該データが記憶部103の第1予約変換候補に記憶されているかどうかが判定される(ステップS24)。
【0080】
当該データが記憶部103の第1予約変換候補に記憶されている場合、これまでに変換された回数とあらかじめ設定された閾値とが比較される(ステップS25)。
【0081】
これまでに変換された回数が閾値以上である場合、当該データを第2予測変換候補に記憶するための容量が不足しているかどうかが判定される(ステップS26)。
【0082】
第2予測変換候補に容量不足がある場合、第2予測変換候補に記憶されているデータのうち、最も古く記憶されたデータが削除される(ステップS27)。
【0083】
その後、当該データが第2予測変換候補の最も新しいデータとして記憶(登録)される(ステップS28)。また、当該データが第1予測変換候補から削除される(ステップS29)。ステップS28の処理で、記憶部103に記憶されているデータが、図5の(2)の状態から図5の(3)の状態(データが「コントラバス」である場合)へ、または図5の(6)の状態から図5の(7)の状態(データが「コンプレッサー」である場合)へ遷移する。
【0084】
また、ステップS26にて、第2予測変換候補に容量不足がない場合、つまり第2予測変換候補に十分な容量がある場合は、ステップS27の処理は行われず、ステップS28の処理が行われる。
【0085】
一方、ステップS25にて、変換された回数が閾値以上ではない場合は、変換された回数がカウンタ104を用いてインクリメントされ(ステップS30)、第1予測変換候補の順序が変更される(ステップS31)。具体的には、当該データの順序が、第1予測変換候補の最も新しいデータとして記憶(登録)される。また、インクリメントされた回数を示す情報は、当該データと対応付けられて記憶部103に記憶される。
【0086】
一方、ステップS24にて、当該データが記憶部103の第1予約変換候補に記憶されていない場合は、当該データが記憶部103に記憶されていないことになるため、第1予約変換候補に記憶することになる。まず、当該データを第1予測変換候補に記憶するための容量が不足しているかどうかが判定される(ステップS32)。
【0087】
第1予測変換候補に容量不足がある場合、第1予測変換候補に記憶されているデータのうち、最も古く記憶されたデータが削除される(ステップS33)。
【0088】
その後、当該データが第1予測変換候補の最も新しいデータとして記憶(登録)される(ステップS34)。
【0089】
また、ステップS32にて、第1予測変換候補に容量不足がない場合、つまり第1予測変換候補に十分な容量がある場合は、ステップS33の処理は行われず、ステップS34の処理が行われる。
【0090】
その後、変換された回数がカウンタ104を用いてインクリメントされる(ステップS35)。また、インクリメントされた回数を示す情報は、当該データと対応付けられて記憶部103に記憶される。
【0091】
このように、予測変換候補を「複数回使用した単語(データ)」と「一度(閾値が「1」である場合)しか使用していない単語(データ)」とに分けて管理する。これにより、予測変換候補から登録、削除される条件が変更され、「複数回使用した単語」を登録するには「複数回使用した単語」に登録されているものを削除する場合であり、「一度しか使用していない単語」が入力されても、「複数回使用した単語」の予測変換候補が更新されることはない。また、このデータは、単語や文章以外の絵文字や記号等であっても良い。
【0092】
一方、一般的な入力装置のように、予測変換候補を分けずに管理する場合には、「複数回使用した単語」と「一度しか使用していない単語」とのどちらか一方が更新されるタイミングで予測変換候補が更新される。
【0093】
そのため、本発明のように、これらを分けて管理することで「複数回使用した単語」の予測変換候補の更新は減り、長い期間、使用しなかった単語も更新頻度が減ることで予測変換候補から削除されるタイミングを遅らせることができる。
【0094】
また、誤って入力した単語以外にも、入力する機会が一度しかない単語(名称や造語等の珍しい単語等)においても有効である。意図して入力した単語であっても、再度入力されることがないのであれば、第2予測変換候補に登録されることはなく、更新頻度の高い第1予測変換候補の中で削除される。
【0095】
また、電子機器に記憶されている画像データについても同様の処理ができる。ただし、ここで記憶されている画像データは、格納容量が不足した場合に時系列的に古いものから削除されるものである。
【0096】
図9は、画像データが記憶されている場合の記憶部103の内部構造の一例を示す図である。
【0097】
図9に示すように、記憶部103が一般領域と保護領域との2つの領域(グループ)に分けられている。この一般領域は、図5に示した第1予約変換候補に相当し、また保護領域は、図5に示した第2予約変換候補に相当する。また、一般領域から保護領域への移動の閾値は「1」とする。
【0098】
例えば、犬の画像データ、花の画像データ、人物の顔の画像データおよび自動車の画像データが順に記憶されると、図9の(1)に示すように、それぞれが一般領域に古い方から順に記憶される。
【0099】
その後、犬の画像データが電子メール添付等のために選択されると、図9の(2)に示すように、犬の画像データが一般領域から保護領域へ移動する。
【0100】
その後、新たに飛行機の画像データが記憶されても、図9の(3)に示すように、最も古く記憶された犬の画像データは削除されない。
【0101】
図10は、図1に示した記憶部103に図9の(3)に示すように画像データが記憶されている場合に表示部102に表示される画像一覧の一例を示す図である。
【0102】
図10に示すように、表示部102には、保護領域に記憶されている画像データと、一般領域に記憶されている画像データとが一覧となって表示される。このとき、これらの画像データは、当該画像データのサムネイル画像やファイル名等であっても良く、利用者が識別できる表示であれば良い。
【0103】
なお、本発明の電子機器は、他の装置と接続される端末装置や、一般的なゲーム機等の装置等である。
【0104】
上述した携帯端末100に設けられた各構成要素が行う処理は、目的に応じてそれぞれ作製された論理回路で行うようにしても良い。また、処理内容を手順として記述したコンピュータプログラム(以下、プログラムと称する)を携帯端末100にて読取可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムを携帯端末100に読み込ませ、実行するものであっても良い。携帯端末100にて読取可能な記録媒体とは、フロッピー(登録商標)ディスク、光磁気ディスク、DVD、CDなどの移設可能な記録媒体の他、携帯端末100に内蔵されたROM、RAM等のメモリやHDD等を指す。この記録媒体に記録されたプログラムは、携帯端末100に設けられたCPU(不図示)にて読み込まれ、CPUの制御によって、上述したものと同様の処理が行われる。ここで、CPUは、プログラムが記録された記録媒体から読み込まれたプログラムを実行するコンピュータとして動作するものである。
【符号の説明】
【0105】
100 携帯端末
101 操作部
102 表示部
103 記憶部
104 カウンタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部からの操作を受け付ける操作部と、
前記操作部が受け付けた所定の操作に基づいて選択または変換されたデータを、該データが選択または変換された回数に応じて、複数のグループのうちのいずれかのグループに分類して記憶し、前記グループごとに前記データを記憶するための空き容量の不足が生じた場合、所定の規則に従って、該グループにすでに記憶されているデータを削除する記憶部と、
前記記憶部に記憶されているデータを表示する表示部とを有する電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器において、
前記記憶部は、前記グループにすでに記憶されているデータのうち、最も古く記憶した、または最も古く選択または変換されたデータを削除することを特徴とする電子機器。
【請求項3】
請求項1に記載の電子機器において、
前記記憶部は、前記グループにすでに記憶されているデータのうち、選択または変換された回数が最も少ないデータを削除することを特徴とする電子機器。
【請求項4】
請求項1に記載の電子機器において、
前記表示部は、前記データを前記グループごとに一覧として、記憶した順、または選択または変換された順で表示することを特徴とする電子機器。
【請求項5】
請求項1に記載の電子機器において、
前記記憶部は、前記複数のグループのうち第1のグループに分類されているデータが選択または変換された回数が、前記複数のグループのうち第2のグループに分類されるべき回数となった場合、該データを前記第1のグループから前記第2のグループへ移動させることを特徴とする電子機器。
【請求項6】
請求項1に記載の電子機器において、
前記記憶部は、前記データとして、文字変換候補データを記憶することを特徴とする電子機器。
【請求項7】
請求項1に記載の電子機器において、
前記表示部は、前記記憶部に記憶されているデータが画像データである場合、該画像データに応じたサムネイル画像を表示することを特徴とする電子機器。
【請求項8】
請求項5に記載の電子機器において、
前記表示部は、前記第2のグループのデータを前記第1のグループのデータよりも前に表示することを特徴とする電子機器。
【請求項9】
電子機器に記憶するデータを管理するデータ管理方法であって、
当該電子機器の外部から受け付けた所定の操作に基づいて選択または変換されたデータを、該データが選択または変換された回数に応じて、複数のグループのうちのいずれかのグループに分類して記憶する処理と、
前記グループごとに前記データを記憶するための空き容量の不足が生じた場合、所定の規則に従って、該グループにすでに記憶されているデータを削除する処理と、
前記記憶されているデータを表示する処理とを行うデータ管理方法。
【請求項10】
電子機器に、
複数のデータを複数のグループに分類して記憶する手順と、
当該電子機器の外部から受け付けた所定の操作に基づいて選択または変換されたデータを、該データが選択または変換された回数に応じて、複数のグループのうちのいずれかのグループに分類して手順と、
前記グループごとに前記データを記憶するための空き容量の不足が生じた場合、所定の規則に従って、該グループにすでに記憶されているデータを削除する手順と、
前記記憶されているデータを表示する手順とを実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−168706(P2012−168706A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−28756(P2011−28756)
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】