説明

電子機器、制御方法、および制御プログラム

【課題】利便性の向上が図れる電子機器を提供すること。
【解決手段】電子機器としてのプロジェクタ1を構成する制御装置30は、操作装置20を構成する複数の操作キー22〜24と各操作キー22〜24の機能に関する各機能情報とが関連付けられた関連情報を記憶する関連情報記憶部351と、操作キー21〜24の入力操作を認識する入力操作認識部341と、入力操作認識部341にて機能説明キー21といずれかの操作キー22〜24とが同時に入力操作されたと認識された場合に、関連情報に基づいて、機能説明キー21と同時に入力操作された操作キーに対応する機能情報を報知手段10に報知させる報知制御部343とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力操作可能とする複数の操作キーを有する操作手段と、所定の情報を報知する報知手段と、操作手段および報知手段を制御する制御手段とを備えた電子機器、制御方法、および制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、装置本体に設けられた操作パネルや、遠隔操作可能とするリモートコントローラ等の操作手段を備え、利用者による操作手段への入力操作により、種々の機能を実施するプロジェクタが知られている。
このようなプロジェクタでは、一般的に、操作手段において、各操作キーの機能を利用者に認識させるために、操作キーの近傍に該操作キーの機能を示す情報が記載されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2003−262922号公報(図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、操作キーの近傍に記載できる文字数は限られているため、利用者がその記載だけで操作キーに割り当てられた機能を認識することは困難なものである。
また、操作手段に設けられた例えばヘルプボタンが押下されることで、操作説明等に関するヘルプ画面を表示するプロジェクタも存在する。すなわち、利用者は、ヘルプボタンを押下してヘルプ画面を確認しながら、適宜、項目を選択することで操作キーに関連した情報を見つけ出し、操作キーに割り当てられた機能を認識することができる。しかしながら、操作説明等に関する情報は、膨大な量である。このため、膨大な量の情報から操作キーに関連した情報を見つけ出すことは困難なものである。
したがって、操作キーの機能を容易に認識させることができ、利便性の向上が図れる技術が要望されている。
【0005】
本発明の目的は、利便性の向上が図れる電子機器、制御方法、および制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電子機器は、入力操作可能とする複数の操作キーを有する操作手段と、所定の情報を報知する報知手段と、前記操作手段および前記報知手段を制御する制御手段とを備えた電子機器であって、前記複数の操作キーは、前記操作キーの機能に関する機能情報を前記報知手段に報知させるための機能説明キーを含んで構成され、前記制御手段は、前記複数の操作キーのうち少なくともいずれかの操作キーと前記機能情報とが関連付けられた関連情報を記憶する関連情報記憶部と、前記操作キーの入力操作を認識する入力操作認識部と、前記入力操作認識部にて前記機能説明キーといずれかの前記操作キーとが同時に入力操作されたと認識された場合に、前記関連情報に基づいて、前記機能説明キーと同時に入力操作された前記操作キーに対応する前記機能情報を前記報知手段に報知させる報知制御部とを備えている。
【0007】
ここで、報知手段としては、所定の情報を報知可能な構成であれば、いずれの構成でもよく、例えば、音声出力により情報を報知する構成としてもよいし、画像表示により情報を報知する構成としても構わない。
【0008】
本発明では、制御手段は、関連情報記憶部と、入力操作認識部と、報知制御部とを備えているので、以下に示すように、操作キーの機能を利用者に認識させることができる。
すなわち、入力操作認識部は、利用者による各操作キーの入力操作を認識する(入力操作認識ステップ)。
そして、報知制御部は、入力操作認識部にて機能説明キーといずれかの操作キーとが同時に入力操作されたと認識された場合に、関連情報記憶部に記憶された関連情報に基づいて、機能説明キーと同時に入力操作された操作キーに対応する機能情報を報知手段に報知させる(報知制御ステップ)。
以上のように、利用者は、操作キーの機能が不明な場合には、機能が不明な操作キーと機能説明キーを同時に入力操作することで、報知手段から報知される機能情報により、操作キーの機能を把握できる。
したがって、利用者に操作キーの機能を簡単な操作で容易に認識させることができ、利便性の向上が図れる。
また、機能情報を報知することにより各操作キーの機能を利用者に認識させることができるため、操作手段において、各操作キー近傍に記載する各操作キーの機能を示す情報をより簡略化することができ、多機能化により各操作キーの数が増加した場合であっても、適切に対応できる。
【0009】
本発明の電子機器では、前記報知手段は、画像を表示することで所定の情報を報知し、前記報知制御部は、前記機能情報に基づく画像を前記報知手段に表示させることが好ましい。
本発明では、画像表示により機能情報を報知する構成であるので、利用者に操作キーの機能をより確実に認識させることができる。
【0010】
本発明の電子機器では、前記制御手段は、前記複数の操作キーのうち少なくともいずれかの操作キーと当該電子機器における前記操作キーの機能の現状に関する状態情報とを関連付けて記憶する状態情報記憶部と、前記入力操作認識部にて前記機能説明キーといずれかの前記操作キーとが同時に入力操作されたと認識された継続時間を計測する計測部とを備え、前記報知制御部は、前記計測部にて計測された継続時間が所定の時間以上となった場合に、前記機能説明キーと同時に入力操作された前記操作キーに対応する前記状態情報を報知手段に報知させることが好ましい。
【0011】
本発明では、制御手段は、状態情報記憶部と、計測部とを備える。そして、報知制御部は、計測部にて計測された継続時間が所定の時間以上となった場合に、機能説明キーと同時に入力操作された操作キーに対応する状態情報を報知手段に報知させる。このことにより、利用者は、電子機器における操作キーの機能の現状が不明な場合、例えば、プロジェクタ等において、種々の色合いのモードで画像を表示可能とし、該モードを選択するための操作キーが設けられ、操作キーによるモードの選択により現状でどのモードで画像を表示しているかが不明な場合には、該操作キーと機能説明キーとを所定時間、継続して同時に入力操作することで、報知手段から報知される状態情報により、電子機器における操作キーの機能の現状(上記の例では、現状のモード)を把握できる。
したがって、利用者に電子機器における操作キーの機能の現状を簡単な操作で容易に認識させることができ、利便性のさらなる向上が図れる。
【0012】
本発明の電子機器では、当該電子機器は、光源装置と、前記光源装置から射出され光束を画像情報に応じて変調する光変調装置と、前記光変調装置にて変調された光束を拡大投射する投射光学装置とを備えたプロジェクタであることが好ましい。
本発明によれば、上述した電子機器をプロジェクタとすることで、上述した効果を好適に図れる。
【0013】
本発明の制御方法は、入力操作可能とする複数の操作キーを有する操作手段と、所定の情報を報知する報知手段と、前記操作手段および前記報知手段を制御する制御手段とを備えた電子機器の制御方法であって、前記複数の操作キーは、前記操作キーの機能に関する機能情報を前記報知手段に報知させるための機能説明キーを含んで構成され、前記制御手段が、前記操作キーの入力操作を認識する入力操作認識ステップと、前記入力操作認識ステップにて前記機能説明キーといずれかの前記操作キーとが同時に入力操作されたと認識した場合に、前記複数の操作キーのうち少なくともいずれかの操作キーと前記機能情報とが関連付けられた関連情報に基づいて、前記機能説明キーと同時に入力操作された前記操作キーに対応する前記機能情報を前記報知手段に報知させる報知制御ステップとを実行することを特徴とする。
本発明の制御方法は、上述した電子機器によって実施されるものであるので、上述した電子機器と同様の作用および効果を享受できる。
【0014】
本発明の制御プログラムは、入力操作可能とする複数の操作キーを有する操作手段と、所定の情報を報知する報知手段と、前記操作手段および前記報知手段を制御する制御手段とを備えた電子機器の制御プログラムであって、上述した制御方法を前記制御手段に実行させることを特徴とする。
本発明の制御プログラムは、上述した制御方法を実施するために利用されるので、上述した制御方法と同様の作用および効果を享受できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態における電子機器としてのプロジェクタ1の構成を示すブロック図である。
プロジェクタ1は、入力した画像情報(画像信号)に対して所定の画像処理を施し、画像処理を施した画像情報に基づいて、光源から射出された光束を光学的に処理して画像光を形成し、スクリーン(図示略)に拡大投射する。このプロジェクタ1は、図1に示すように、報知手段としての画像投射装置10と、操作手段としての操作装置20と、制御手段としての制御装置30とで大略構成されている。
【0016】
画像投射装置10は、制御装置30による制御の下、画像光を形成してスクリーンに拡大投射する。この画像投射装置10は、図1に示すように、光源装置11と、光変調装置12と、投射光学装置13等を備える。
光源装置11は、制御装置30による制御の下、光束を光変調装置12に向けて射出する。この光源装置11は、放電発光型の超高圧水銀ランプで構成されている。なお、光源装置11としては、超高圧水銀ランプに限らず、メタルハライドランプ、キセノンランプ等の他の放電発光型の光源ランプを採用してもよい。さらに、放電発光型の光源ランプに限らず、発光ダイオード、レーザダイオード、有機EL(Electro Luminescence)素子、シリコン発光素子等の各種固体発光素子を採用してもよい。
【0017】
光変調装置12は、光源装置11から射出された光束を制御装置30からの駆動信号に応じて画像光に変調して投射光学装置13に射出する。
投射光学装置13は、光変調装置12から射出された画像光をスクリーンに向けて拡大投射する。
【0018】
操作装置20は、利用者による操作を認識して所定の操作信号を制御装置30に出力する。なお、この操作装置20としては、プロジェクタ1の図示しない外装筐体に露出して設けられる本体操作パネルや、プロジェクタ1を遠隔操作するリモートコントローラとして構成できる。そして、操作装置20は、図1に示すように、ヘルプボタン21、Color Modeボタン22、E-Zoom +ボタン23、およびAutoボタン24等を備える。各ボタン21〜24は、本発明に係る複数の操作キーに相当する。また、ヘルプボタン21は、本発明に係る機能説明キーに相当する。
【0019】
ヘルプボタン21は、プロジェクタ1の操作説明等に関するヘルプ画面H(図3(B)参照)を表示させるための操作キーである。
Color Modeボタン22は、表示される画像のカラーモードを利用者に選択させ、選択されたカラーモードで画像を表示させるための操作キーである。
E-Zoom +ボタン23は、表示される画像の倍率を利用者に選択させ、選択された倍率で画像を拡大表示させるための操作キーである。
Autoボタン24は、同期、表示位置、トラッキングを自動的に調整させるための操作キーである。
そして、操作装置20は、各ボタン21〜24が押下されると、当該ボタンに応じた操作信号を制御装置30に出力する。なお、操作装置20は、各ボタン21〜24のいずれかが押下された際での各操作信号、ヘルプボタン21と他の各ボタン22〜24のいずれかとが同時押下された際での各操作信号をすべて異なる操作信号として制御装置30に出力する。
【0020】
なお、図1では図示を省略したが、操作装置20は、上述したボタン21〜24の他、プロジェクタ1の電源ON/OFFを実施するための電源ボタン、画像の入力を切り換えるための入力切換ボタン、音量を調整するための音量調整ボタン、E-Zoom +ボタン23とは逆に選択された倍率で画像を縮小表示させるためのE-Zoom −ボタン等の他の操作キーも備えているものである。
【0021】
制御装置30は、CPU(Central Processing Unit)等の主制御部34を含んで構成され、メモリ35に記憶された制御プログラムにしたがって、プロジェクタ1全体を制御する。なお、制御装置30の構成としては、各ボタン22〜24の機能に関する機能情報に基づく機能説明画面FF(図4参照)や、プロジェクタ1における各ボタン22〜24の機能の現状に関する状態情報に基づく状態説明画面SF(図5参照)を表示させる処理機能を主に説明し、その他の機能については説明を省略する。この制御装置30は、主制御部34およびメモリ35の他、操作受付部31と、信号処理部32と、光変調装置制御部33等を備える。これら各構成要素31〜35は、図示しないバスにより接続され、必要な情報が伝送可能に構成されている。
【0022】
操作受付部31は、操作装置20から出力された操作信号を入力し、主制御部34にて読取可能なデジタル信号に変換して主制御部34に出力する。
信号処理部32は、外部機器から入力した画像信号(画像情報)を、光変調装置制御部33にて処理可能なデジタル信号(デジタル画像データ)に変換して光変調装置制御部33に出力する。
【0023】
光変調装置制御部33は、主制御部34からの制御信号に応じて、光変調装置12の駆動制御を実施する。より具体的に、光変調装置制御部33は、信号処理部32を介して入力したデジタル画像データに対して所定の画像データ処理を施し、画像データ処理を施したデジタル画像データ(以下、処理済画像データ)に応じた駆動信号を光変調装置12に出力することで処理済画像データに基づく画像(画像光)を光変調装置12に形成させる。この光変調装置制御部33は、図1に示すように、画像データ処理部331と、駆動信号生成部332等を備える。
【0024】
画像データ処理部331は、信号処理部32から出力されたデジタル画像データに対して、解像度を光変調装置12の解像度(画素数)に合わせる解像度変換処理、拡大・縮小等の画像サイズ調整処理、色相、色度、コントラスト、シャープネス、輝度、同期、およびトラッキング等の画質補正処理、OSD(オンスクリーンディスプレイ)画像を合成するOSD画像合成処理、台形歪補正処理、ガンマ補正処理等の各種の画像データ処理を実施する。なお、具体的な図示は省略したが、画像データ処理部331は、上述した画像データ処理を実施する際の画像メモリを有している。前記画像メモリは、入力した画像データをバッファリングする部分であり、例えば、1画面分の画像データを全て記憶するフレームバッファや、水平方向の1ライン分の走査データを記憶するラインバッファ等を採用できる。
駆動信号生成部332は、画像データ処理部331にて画像データ処理が施された処理済画像データから光変調装置12を駆動するための駆動信号を生成し、光変調装置12に駆動信号を出力することで画像(画像光)を形成させる。
【0025】
主制御部34は、メモリ35に記憶された制御プログラムにしたがって、各構成要素31〜33に所定の制御信号を出力し、所定の処理を実行させる。この主制御部34は、図1に示すように、入力操作認識部341と、計測部342と、報知制御部343等を備える。
入力操作認識部341は、操作受付部31から出力される信号に基づいて、利用者による操作装置20の入力操作を認識する。そして、入力操作認識部341は、認識した入力操作に応じた種々の処理を実行する。
また、入力操作認識部341は、ヘルプボタン21と他の各ボタン22〜24のいずれかとの同時押下を認識した場合には、その旨を計測部342および報知制御部343等に通知する。
計測部342は、入力操作認識部341にてヘルプボタン21と他の各ボタン22〜24のいずれかとの同時押下が認識された継続時間を計測する。
【0026】
報知制御部343は、入力操作認識部341にてヘルプボタン21と他の各ボタン22〜24のいずれかとの同時押下が認識された場合に、光変調装置制御部33に所定の制御信号を出力してOSD画像合成処理を実施させ、メモリ35に記憶された関連情報を構成する各機能情報のうちヘルプボタン21と同時に押下されたボタンに対応する機能情報に基づく機能説明画面FF(図4参照)を表示画像に合成させて表示させる。
また、報知制御部343は、計測部342にて計測された継続時間が所定の時間以上となった場合に、光変調装置制御部33に所定の制御信号を出力してOSD画像合成処理を実施させ、メモリ35に記憶された各状態情報のうちヘルプボタン21と同時に押下されたボタンに対応する状態情報に基づく状態説明画面SF(図5参照)を表示画像に合成させて表示させる。
【0027】
メモリ35は、制御プログラムの他、主制御部34にて処理された情報、主制御部34の処理に必要な情報、光変調装置制御部33の処理に必要な情報等を記憶する。このメモリ35は、図1に示すように、関連情報記憶部351と、状態情報記憶部352とを備える。
関連情報記憶部351は、各ボタン22〜24と各ボタン22〜24の機能に関する各機能情報とが関連付けられた関連情報を予め記憶している。また、関連情報記憶部351は、ヘルプ画面に関するヘルプ画像情報を予め記憶している。
状態情報記憶部352は、入力操作認識部341の処理により、各ボタン22,23と該ボタンの機能の現状に関する状態情報とを関連付けて記憶する。
【0028】
〔プロジェクタの動作(制御方法)〕
図2は、プロジェクタ1の動作を説明するフローチャートである。
図3ないし図5は、プロジェクタ1の動作を説明するための図である。
次に、上述したプロジェクタ1の動作について図面を参照して説明する。
なお、以下では、プロジェクタ1の動作として、機能説明画面FFや、状態説明画面SFを表示させる動作を主に説明し、その他の動作については、説明を省略する。
また、以下では、プロジェクタ1の電源がONされ、スクリーン上に所定の表示画像Fg(図3(A))が表示されている状態とする。
先ず、入力操作認識部341は、利用者により操作装置20が入力操作されたか否かを常時、監視する(ステップS1:入力操作認識ステップ)。
ステップS1において、入力操作認識部341は、「Y」と判定した場合には、ヘルプボタン21と他の各ボタン22〜24のいずれかとが同時押下されているか否かを判定する(ステップS2:入力操作認識ステップ)。
【0029】
ステップS2において、入力操作認識部341は、「N」と判定した場合には、各ボタン21〜24の押下に応じた各処理を実行する(ステップS3)。
例えば、入力操作認識部341は、ヘルプボタン21の押下を認識した場合には、光変調装置制御部33に所定の制御信号を出力してOSD画像合成処理を実施させ、メモリ35に記憶されたヘルプ画像情報に基づくヘルプ画面Hを表示画像Fgに合成させて表示させる(図3(B))。そして、利用者は、ヘルプ画面Hを確認しながら、適宜、操作装置20を操作して調べたい項目を選択することで、プロジェクタ1の操作説明等に関する情報を把握する。
【0030】
また、例えば、入力操作認識部341は、Color Modeボタン22の押下を認識した場合には、光変調装置制御部33に所定の制御信号を出力して画質補正処理を実施させ、各モード(例えば、リビング、シアタ、ゲーム等)に応じた色合いで表示画像Fgを表示させる。また、入力操作認識部341は、Color Modeボタン22の機能の現状に関する状態情報、例えば、現状で「シアタ」のモードで表示画像Fgを表示させている場合には「シアタ」のモードである旨の状態情報とColor Modeボタン22とを関連付けてメモリ35に記憶させる。すなわち、入力操作認識部341は、Color Modeボタン22の押下を認識した場合には、メモリ35に記憶されたColor Modeボタン22に対応する状態情報を読み込み、現状のモードを認識する。そして、入力操作認識部341は、認識したモードの次のモード(「リビング」の次は「シアタ」、「シアタ」の次は「ゲーム」、「ゲーム」の次は「リビング」等)に応じた色合いで表示画像Fgを表示させる。
【0031】
さらに、例えば、入力操作認識部341は、E-Zoom +ボタン23の押下を認識した場合には、光変調装置制御部33に所定の制御信号を出力して画像サイズ調整処理を実施させ、各倍率(例えば、0.5倍〜4倍までの0.125倍刻み)で表示画像Fgを拡大表示させる。また、入力操作認識部341は、上記同様に、E-Zoom +ボタン23の機能の現状に関する状態情報、例えば、現状で「1倍」の倍率で表示画像Fgを表示させている場合には「1倍」である旨の状態情報とE-Zoom +ボタン23とを関連付けてメモリ35に記憶させる。すなわち、入力操作認識部341は、上記同様に、E-Zoom +ボタン23の押下を認識した場合には、メモリ35に記憶されたE-Zoom +ボタン23に対応する状態情報を読み込み、現状の倍率を認識する。そして、入力操作認識部341は、認識した倍率の次の倍率(「0.5倍」の次は「0.625倍」、「0.625倍」の次は「0.75倍」・・・)で表示画像Fgを拡大表示させる。
【0032】
さらにまた、例えば、入力操作認識部341は、Autoボタン24の押下を認識した場合には、光変調装置制御部33に所定の制御信号を出力して画質補正処理、すなわち、同期、表示位置、トラッキングの自動調整を実施させる。なお、Autoボタン24に関しては、上述したような機能の現状に関する状態情報が存在しないため、入力操作認識部341は、Autoボタン24に関する状態情報をメモリ35に記憶させる処理を実施しない。
【0033】
また、入力操作認識部341は、上記の各ボタン21〜24の押下の他、例えば電源ボタン、入力切換ボタン、音量調整ボタン、E-Zoom −ボタンの押下を認識した場合には、プロジェクタ1の電源のONあるいはOFFの処理、画像信号の入力を切り換える処理、音量を調整する処理、E-Zoom +ボタン23の押下とは逆に表示画像Fgを縮小表示させる処理等を実施する。
【0034】
一方、ステップS2において、入力操作認識部341が「Y」と判定した場合には、計測部342は、入力操作認識部341にてヘルプボタン21と他の各ボタン22〜24のいずれかとの同時押下が認識された継続時間の計測を開始する(ステップS4)。
ステップS4の後、報知制御部343は、光変調装置制御部33に所定の制御信号を出力してOSD画像合成処理を実施させ、メモリ35に記憶された関連情報を構成する各機能情報のうちヘルプボタン21と同時に押下されているボタンに対応する機能情報に基づく機能説明画面FFを表示画像Fgに合成させて表示させる(ステップS5:報知制御ステップ)。
【0035】
例えば、報知制御部343は、ヘルプボタン21と同時に押下されているボタンがColor Modeボタン22である場合には、図4(A)に示すように、Color Modeボタン22の説明として、Color Modeボタン22の機能が記載された機能説明画面FF1を表示画像Fgに合成させて表示させる。
また、例えば、報知制御部343は、ヘルプボタン21と同時に押下されているボタンがE-Zoom +ボタン23である場合には、図4(B)に示すように、E-Zoom +ボタン23の説明として、E-Zoom +ボタン23の機能が記載された機能説明画面FF2を表示画像Fgに合成させて表示させる。
さらに、例えば、報知制御部343は、ヘルプボタン21と同時に押下されているボタンがAutoボタン24である場合には、図4(C)に示すように、Autoボタン24の説明として、Autoボタン24の機能が記載された機能説明画面FF3を表示画像Fgに合成させて表示させる。
そして、利用者は、機能説明画面FFを確認することで、操作装置20において、各ボタン22〜24近傍に記載された各機能を示す情報からでは認識できなかった各ボタン22〜24の機能を把握する。
【0036】
ステップS5の後、報知制御部343は、入力操作認識部341にてヘルプボタン21と他の各ボタン22〜24のいずれかとの同時押下の認識状態が継続しているか否かを判定する(ステップS6)。
ステップS6において、主制御部34は、「N」と判定した場合、すなわち、利用者がヘルプボタン21と他の各ボタン22〜24とのいずれかとの同時押下を止めた場合には、再度、ステップS1に移行する。そして、主制御部34は、ステップS1において「Y」と判定し、ステップS1以降の処理を実施する際に、機能説明画面FFの表示を終了する。
【0037】
一方、ステップS6において、報知制御部343は、「Y」と判定した場合、すなわち、利用者がヘルプボタン21と他の各ボタン22〜24とのいずれかとの同時押下を継続している場合には、計測部342にて計測された継続時間を認識する。そして、報知制御部343は、認識した継続時間が所定の時間以上であるか否かを判定する(ステップS7)。
ステップS7において、報知制御部343は、「N」と判定した場合には、再度、ステップS6に移行する。
【0038】
一方、ステップS7において、報知制御部343は、「Y」と判定した場合には、光変調装置制御部33に所定の制御信号を出力してOSD画像合成処理を実施させ、メモリ35に記憶された各状態情報のうちヘルプボタン21と同時に押下されているボタンに対応する状態情報に基づく状態説明画面SFを表示画像Fgに合成させて表示させる(ステップS8)。
【0039】
例えば、報知制御部343は、ヘルプボタン21と同時に押下されているボタンがColor Modeボタン22である場合には、図5(A)に示すように、Color Modeボタン22のの機能の現状が記載された状態説明画面SF1を表示画像Fgに合成させて表示させる。なお、図5(A)に示す例では、現状で「シアタ」のモードで表示画像Fgが表示されている状態を示している。
また、例えば、報知制御部343は、ヘルプボタン21と同時に押下されているボタンがE-Zoom +ボタン23である場合には、図5(B)に示すように、E-Zoom +ボタン23の機能の現状が記載された状態説明画面SF2を表示画像Fgに合成させて表示させる。なお、図5(B)に示す例では、現状で「1倍」の倍率で表示画像Fgが拡大表示されている状態を示している。
さらに、例えば、報知制御部343は、ヘルプボタン21と同時に押下されているボタンがAutoボタン24である場合には、上述したようにメモリ35にはAutoボタン24に関する状態情報が記憶されないため、図5(C)に示すように、「表示する状態情報がない」旨が記載された状態説明画面SF3を表示画像Fgに合成させて表示させる。
【0040】
ステップS8の後、報知制御部343は、ステップS6と同様に、入力操作認識部341にてヘルプボタン21と他の各ボタン22〜24のいずれかとの同時押下の認識状態が継続しているか否かを常時、監視する(ステップS9)。
そして、主制御部34は、ステップS9において、「N」と判定した場合、すなわち、利用者がヘルプボタン21と他の各ボタン22〜24とのいずれかとの同時押下を止めた場合には、再度、ステップS1に移行する。そして、主制御部34は、ステップS1において「Y」と判定し、ステップS1以降の処理を実施する際に、状態説明画面SFの表示を終了する。
【0041】
上述した本実施形態によれば、以下の効果がある。
本実施形態では、プロジェクタ1を構成する制御装置30は、関連情報記憶部351と、入力操作認識部341と、報知制御部343とを備えている。このことにより、利用者は、各ボタン22〜24の機能が不明な場合には、機能が不明なボタンとヘルプボタン21とを同時押下することで、表示画像Fgに合成される機能説明画面FFにより、ボタン22〜24の機能を把握できる。
したがって、利用者に各ボタン22〜24の機能を簡単な操作で容易に認識させることができ、利便性の向上が図れる。
【0042】
また、上述したように、機能説明画面FFによりボタン22〜24の機能を利用者に認識させることができるため、操作装置20において、各ボタン22〜24近傍に記載する各ボタン22〜24の機能を示す情報をより簡略化することができ、多機能化により各ボタンの数が増加した場合であっても、適切に対応できる。
【0043】
また、本実施形態では、画像表示により機能情報を報知する構成であるので、利用者に各ボタン22〜24の機能をより確実に認識させることができる。
【0044】
また、制御装置30は、状態情報記憶部352と、計測部342とを備える。そして、報知制御部343は、計測部342にて計測された継続時間が所定の時間以上となった場合に、ヘルプボタン21と同時押下されたボタンに対応する状態情報に基づく状態説明画面Sfを表示画像Fgに合成させて表示させる。このことにより、利用者は、各ボタン22,23の機能の現状が不明な場合には、機能の現状が不明なボタンとヘルプボタン21とを所定時間、継続して同時押下することで、表示画像Fgに合成される状態説明画面SF1,SF2により、プロジェクタ1における各ボタンの機能の現状を把握できる。
したがって、利用者にプロジェクタ1における各ボタンの機能の現状を簡単な操作で容易に認識させることができ、利便性のさらなる向上が図れる。
【0045】
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記実施形態では、報知手段として、画像投射装置10を採用し、画像表示により機能情報や状態情報を報知する構成としていたが、これに限らず、スピーカ等からの音声出力により機能情報や状態情報を報知する構成としても構わない。
【0046】
前記実施形態において、機能説明キーとしては、ヘルプボタン21に限らず、その他の操作キー、例えば、機能説明画面FFや状態説明画面SFを表示させるための専用の操作キーを設け、該専用の操作キーを機能説明キーとして構成しても構わない。しかしながら、前記実施形態のように、機能説明キーをヘルプボタン21として構成した場合には、上述したような専用の操作キーを設ける必要がなく、操作装置20の制御構造のみを変更することで、機能説明画面FFや状態説明画面SFを表示させることができる。
【0047】
前記実施形態では、説明の便宜上、機能説明画面FFや状態説明画面SFの表示対象として各ボタン22〜24を例示していたが、これに限らず、その他の操作キーに関する機能説明画面FFや状態説明画面SFを表示させる構成としても構わない。
【0048】
前記実施形態において、光変調装置12としては、透過型の液晶パネルや反射型の液晶パネルの他、DMD(Digital Micromirror Device)(米国テキサスインスツルメント社の商標)等を採用してもよい。
前記実施形態では、スクリーンを観察する方向から画像投射を行うフロントタイプのプロジェクタ1のみを例示したが、本発明は、スクリーンを観察する方向とは反対側から画像投射を行うリアタイプのプロジェクタにも適用可能である。
前記実施形態では、電子機器としてプロジェクタを採用したが、これに限らず、操作手段およびスピーカ等の報知手段を備える電子機器であれば、例えば、パーソナルコンピュータ、液晶テレビ、プラズマテレビ、有機ELディスプレイ等の表示手段を備えたテレビ受信機、HDD(Hard Disk Drive)レコーダ、DVD(Digital Versatile Disk)プレーヤ等の他の電子機器を採用しても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、利便性の向上が図れるため、プレゼンテーションやホームシアタに用いられるプロジェクタ等の電子機器に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本実施形態における電子機器としてのプロジェクタの構成を示すブロック図。
【図2】前記実施形態におけるプロジェクタの動作を説明するフローチャート。
【図3】前記実施形態におけるプロジェクタの動作を説明するための図。
【図4】前記実施形態におけるプロジェクタの動作を説明するための図。
【図5】前記実施形態におけるプロジェクタの動作を説明するための図。
【符号の説明】
【0051】
1・・・プロジェクタ(電子機器)、10・・・画像投射装置(報知手段)、11・・・光源装置、12・・・光変調装置、13・・・投射光学装置、20・・・操作装置(操作手段)、21・・・ヘルプボタン(操作キー、機能説明キー)、22・・・Color Modeボタン(操作キー)、23・・・E-Zoom +ボタン(操作キー)、24・・・Autoボタン(操作キー)、30・・・制御装置(制御手段)、341・・・入力操作認識部、342・・・計測部、343・・・報知制御部、351・・・関連情報記憶部、352・・・状態情報記憶部、S1,S2・・・入力操作認識ステップ、S5・・・報知制御ステップ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力操作可能とする複数の操作キーを有する操作手段と、所定の情報を報知する報知手段と、前記操作手段および前記報知手段を制御する制御手段とを備えた電子機器であって、
前記複数の操作キーは、前記操作キーの機能に関する機能情報を前記報知手段に報知させるための機能説明キーを含んで構成され、
前記制御手段は、
前記複数の操作キーのうち少なくともいずれかの操作キーと前記機能情報とが関連付けられた関連情報を記憶する関連情報記憶部と、
前記操作キーの入力操作を認識する入力操作認識部と、
前記入力操作認識部にて前記機能説明キーといずれかの前記操作キーとが同時に入力操作されたと認識された場合に、前記関連情報に基づいて、前記機能説明キーと同時に入力操作された前記操作キーに対応する前記機能情報を前記報知手段に報知させる報知制御部とを備えている
ことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器において、
前記報知手段は、画像を表示することで所定の情報を報知し、
前記報知制御部は、前記機能情報に基づく画像を前記報知手段に表示させる
ことを特徴とする電子機器。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の電子機器において、
前記制御手段は、
前記複数の操作キーのうち少なくともいずれかの操作キーと当該電子機器における前記操作キーの機能の現状に関する状態情報とを関連付けて記憶する状態情報記憶部と、
前記入力操作認識部にて前記機能説明キーといずれかの前記操作キーとが同時に入力操作されたと認識された継続時間を計測する計測部とを備え、
前記報知制御部は、
前記計測部にて計測された継続時間が所定の時間以上となった場合に、前記機能説明キーと同時に入力操作された前記操作キーに対応する前記状態情報を前記報知手段に報知させる
ことを特徴とする電子機器。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の電子機器において、
当該電子機器は、光源装置と、前記光源装置から射出された光束を画像情報に応じて変調する光変調装置と、前記光変調装置にて変調された光束を拡大投射する投射光学装置とを備えたプロジェクタである
ことを特徴とする電子機器。
【請求項5】
入力操作可能とする複数の操作キーを有する操作手段と、所定の情報を報知する報知手段と、前記操作手段および前記報知手段を制御する制御手段とを備えた電子機器の制御方法であって、
前記複数の操作キーは、前記操作キーの機能に関する機能情報を前記報知手段に報知させるための機能説明キーを含んで構成され、
前記制御手段が、
前記操作キーの入力操作を認識する入力操作認識ステップと、
前記入力操作認識ステップにて前記機能説明キーといずれかの前記操作キーとが同時に入力操作されたと認識した場合に、前記複数の操作キーのうち少なくともいずれかの操作キーと前記機能情報とが関連付けられた関連情報に基づいて、前記機能説明キーと同時に入力操作された前記操作キーに対応する前記機能情報を前記報知手段に報知させる報知制御ステップとを実行する
ことを特徴とする制御方法。
【請求項6】
入力操作可能とする複数の操作キーを有する操作手段と、所定の情報を報知する報知手段と、前記操作手段および前記報知手段を制御する制御手段とを備えた電子機器の制御プログラムであって、
請求項5に記載の制御方法を前記制御手段に実行させる
ことを特徴とする制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−75746(P2009−75746A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−242593(P2007−242593)
【出願日】平成19年9月19日(2007.9.19)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】