説明

電子機器、時計装置、プログラム

【課題】スタートからの経過時間と、残りターゲット時間を同時に知ることができる。
【解決手段】第1の計時開始操作から経過した時間を計測する第1の時間計測部と、第2の計時開始操作から経過した時間を計測する第2の時間計測部とを備えた時間装置であって、前記第1の時間計測部が計測した時間と、目標時間から前記第2の時間計測部が計時した時間を減じた時間とを、前記表示部に併せて表示することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、時計装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
陸上競技などで計時に用いられるストップウオッチでは、計時開始から現在までの所要時間(スプリット時間)を表示するだけでなく、区間(ラップ)の走行に費やすと予想される時間(ターゲット時間;目標時間)を複数の区間に対して予め設定できるものがある。このようなストップウォッチでは、ターゲット時間を経過するたびに、報音するなどして利用者にターゲット時間の経過を告知するものが知られている。利用者は、このターゲット時間を、走行中に距離を知ることができる区間に対して設定することにより、実際の走行が予め設定した時間に対して進んでいるか、遅れているかを知ることができる。
特許文献1には、ストップウオッチにおいて、1回目のターゲット時間を入力すると、1回目のターゲット時間の整数倍の値を2回目以降のターゲット時間として自動的に設定することが記載されている。
特許文献2には、ストップウオッチにおいて、前の区間のターゲット時間を次のラップタイムの設定操作の際に初期値として表示することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公平06−28717号公報
【特許文献1】特開平09−72973号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1、2に記載の従来技術では、次の目標地点に到達するまでの目安となる残り時間を知ることができなかった。例えば、従来技術のストップウオッチにおいて、利用者は、スタート時や5km地点通過時など、新たなラップの開始地点(ラップ地点)の通過時に、ストップウオッチモードとは別のモードにあるタイマをスタートさせる。また、利用者は、ストップウオッチモードとタイマモードを切り替えながら、ラップ地点通過からの経過時間(ラップ経過時間)を確認する。しかしながら、このような使い方では、走行中に煩雑なボタン操作を必要するうえ、スプリット時間と次のラップ地点までの目標とした時間の残り時間(残りターゲット時間)を同時に知ることができない。
【0005】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、スプリット時間と、目標とした時間までの残り時間を同時に表示する電子機器、時計装置、及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の一態様は、第1の計時開始操作から経過した時間を計測する第1の時間計測部と、第2の計時開始操作から経過した時間を計測する第2の時間計測部とを備え、前記第1の時間計測部が計測した時間と、目標時間から前記第2の時間計測部が計時した時間を減じた時間とを、前記表示部に併せて表示することを特徴とする時計装置である。
【0007】
(2)また、本発明は、前記第1の時間計測部と、前記第2の時間計測部が同時に計時を開始することを特徴とする。
【0008】
(3)また、本発明の一態様は、前記第2の時間計測部が、計時の終了操作と同時に、新たな計時を開始することを特徴とする。
【0009】
(4)また、本発明の一態様は、前記予め設定した時間から前記第2の時間計測部が計時した時間を減じた時間が負の値となるときに、前記予め設定した時間から前記第2の時間計測部が計時した時間を減じた時間を負の値として表示することを特徴とする。
【0010】
(5)また、本発明の一態様は、前記第2の時間計測部が、前記予め設定した時間の経過時に、新たな計時を開始することを特徴とする。
【0011】
(6)また、本発明の一態様は、前記予め設定した時間の和から前記第2の時間計測部が計測した時間の和を減じた値を表示することを特徴とする。
【0012】
(7)また、本発明の一態様は、前記の時計装置を備える電子機器である。
【0013】
(8)また、本発明の一態様は、時計装置のコンピュータに、第1の計時開始操作から経過した時間を計測する第1の時間計測手段、第2の計時開始操作から経過した時間を計測する第2の時間計測手段、前記第1の時間計測部が計測した時間と、目標時間から前記第2の時間計測部が計時した時間を減じた時間とを、前記表示部に併せて表示する手段を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、スタートからの経過時間と、設定された目標時間までの残り時間を同時に知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るストップウオッチの外観を示す図である。
【図2】本実施形態に係るストップウオッチの構成を示す概略ブロック図である。
【図3】本実施形態に係るストップウオッチにおけるCPUの内部の機能ブロック図である。
【図4】本実施形態に係るストップウオッチにおける動作と利用者の操作の関係の一例を示した図である。
【図5】本実施形態に係るストップウオッチにおけるRAMに記憶されたデータ構造の例を示す図である。
【図6】本実施形態に係るストップウオッチにおける動作の一例を示したフローチャートである。
【図7】本実施形態に係るストップウオッチにおける表示の一例を示した図である。
【図8】本実施形態に係るストップウオッチにおける表示の別の一例を示した図である。
【図9】本実施形態に係るストップウオッチにおける表示の別の一例を示した図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係るストップウオッチにおける動作の一例を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第1の実施形態について詳しく説明する。
【0017】
図1は本発明の第1の実施形態に係るストップウオッチ1の外観を表す外観図である。図示する例では、ストップウオッチ1(時計装置)は、ボタン11〜14、表示部206を含んで備える。
ボタン11は、利用者からの計時のスタート、ストップ、及びリセットの入力に用いられる。
ボタン12は、利用者からのラップ地点を通過した旨の情報の入力に用いられる。
ボタン13は、利用者からの表示モードの変更の入力に用いられる。
ボタン14は、利用者からの動作モード(ストップウオッチモード、通常時計モード、タイマモード、ワールド時計モード等)の変更の入力に用いられる。
また、ボタン11〜14を組み合わせて、ラップ地点間の走行目標時間(ターゲット時間)の入力にも用いる。
表示部206は、液晶パネル等の表示素子からなり、計測時間や、各モードの設定情報等を表示する。
【0018】
図2は、本発明の第1の実施形態に係るストップウオッチ1の構成を示す概略ブロック図である。図示する例では、ストップウオッチ1は、発振部201、入力部202、CPU(Central Processing Unit;中央演算装置)203、読み出し専用メモリ(ROM)204、ランダムアクセスメモリ(RAM)205、表示部206、及び報知部207を含んで構成される。
【0019】
発振部201は、水晶振動子等の発振子が出力する信号を分周して、CPU203の動作に適した周波数のクロック信号を生成し、出力する。
入力部202は、利用者からの入力を受ける。例えば、利用者は、ストップウオッチ1のスタート、ストップ、ラップ、ターゲット時間設定、動作モード、又は画面表示の切り替えをしたい場合に、ストップウオッチ1に設けられたボタン11〜14を用いて入力する。入力部202は、入力に応じた信号をCPU203に出力する。例えば、スイッチ12が押下されると、入力部202は、ラップ地点を通過したことを示す信号をCPU203に出力する。
【0020】
CPU203は、発振部201が出力するクロック信号に同期して、様々な処理動作を行う。CPU203は、入力部202から情報を入力される。CPU203は、ROM204からプログラムを読み込む。CPU203は、RAM205に内部で一時的に使用するデータ等を書き込み、読み出す。CPU203は、表示部206に計測した時間や、各モードの設定情報等を表示させる。CPU203は、報知部207に、時刻が到来したことを報知させる。
ROM204は、プログラムその他データが書き込まれている。
RAM205は、CPU203で生成したデータや、現在が何番目のラップであるかを示すラップ数ポインタ、後に示す図5を用いて説明する各ラップのターゲット時間やラップタイム等をCPU203から書き込まれ、読み出される。
報知部207は、CPU203からの命令を入力され、報音や振動などによって利用者に、予め設定した時刻が到来したことを知らせる。
【0021】
図3は、CPU203の内部で処理を行う各部の構成を示す概略ブロック図である。図示する例では、制御部301、ラップカウント部302、残りターゲット時間算出部303、差分算出部304、スプリットカウント部305、合計ラップタイム算出部306を含んで構成される。
【0022】
制御部301は、ラップカウント部(第2の時間計測部)302、残りターゲット時間算出部303、差分算出部304、スプリットカウント部(第1の時間計測部)305、及び合計ラップタイム算出部306の初期化、起動、及び各部とのデータの交換等の処理を行う。制御部301は、RAM205に書き込まれている各区間のターゲット時間とラップタイムを読み出し、差分検出部304、合計ラップタイム算出部306に出力する。制御部301は、スプリットカウント部305に、計時開始の命令を出力する。制御部301は、スプリットカウント部305に、スプリット時間を制御部301に出力させる命令を出力する。制御部301は、RAM205に書き込まれたラップタイムを読み出し、読み出したラップタイムを合計ラップタイム算出部306に出力する。制御部301は、合計ラップタイム算出部306に、合計ラップタイムを出力させる命令を出力する。
制御部301は、入力部202、ROM204,RAM205、表示部206、及び報知部207とのデータ入出力の処理を行う。
【0023】
ラップカウント部302は、制御部301から計時を開始させる命令を入力され、計時を開始する。計時を開始する際に、ラップカウント部302は、計測中の時間データを消去し、時間データは0からカウントアップする。また、ラップカウント部302は、制御部301から、カウントの開始時の時間データの初期値を設定され、その初期値からカウントアップすることもできる。ラップカウント部302は、制御部301から、ラップ経過時間、又はラップタイムを制御部301、又は残りターゲット時間算出部303に出力する命令を入力され、ラップ経過時間、およびラップタイムを制御部301に出力し、ラップ経過時間を残りターゲット時間算出部303に出力する。
残りターゲット時間算出部303は、制御部301から、ターゲット時間を入力され、ラップカウント部302からラップ経過時間が入力される。残りターゲット時間算出部303は、ターゲット時間からラップ経過時間を減じた値(残りターゲット時間)を算出する。残りターゲット時間算出部303は、制御部301から、残りターゲット時間を制御部301に出力する命令を入力される。残りターゲット時間算出部303は、算出した残りターゲット時間を制御部301に出力する。
【0024】
差分検出部304は、RAM205に書き込まれた、各区間のターゲット時間とラップタイムを、制御部301を通じて入力される。差分検出部304は、計時した各ラップの合計ラップタイムと、各ラップに対応するターゲット時間の合計ターゲット時間とを計算する。差分検出部304は、合計ラップタイムと合計ターゲット時間との差分(複数ラップ差分)を算出する。差分検出部304は、制御部301から、複数ラップ差分を制御部301に出力する命令を入力される。差分検出部304は、算出した複数ラップ差分を制御部301に出力する。
スプリットカウント部305は、制御部301から、計時開始の命令を入力され、計時を開始する。スプリットカウント部305は、制御部301からスプリット時間を制御部301に出力する命令を入力される。スプリットカウント部305は、算出したスプリット時間を制御部301に出力する。
【0025】
合計ラップタイム算出部306は、RAM205に書き込まれた、それまでに計時された各区間のラップタイムが、制御部301から入力される。合計ラップタイム算出部306は、計時した各ラップの合計ラップタイムを算出する。合計ラップタイム算出部306は、制御部301から、合計ラップタイムを出力する命令が入力される。合計ラップタイム算出部306は、算出した合計ラップタイムを制御部301に出力する。
【0026】
図4は、本実施形態におけるストップウオッチ1の動作と利用者の操作の関係の一例を示す図である。Tは時間軸を表し、右方向に時間が進んでいくことを示している。利用者は時刻t0にボタン11(スタート)を押下し、計時を開始する。このとき、ストップウオッチ1は、スプリットカウント部305を用いてスプリット時間の計時を開始すると共に、ラップカウント部302を用いてラップ経過時間の計時を開始する。つまり、スプリット時間の計時とラップ経過時間の計時を同時に開始する。表示部206は、現在のスプリット時間、ラップ経過時間、残りターゲット時間等を表示する。
【0027】
図4では、利用者がターゲット時間内に1km地点であるLAP−1に到達できなかった場合を示している。そのため、利用者が、LAP−1に到達する前に報音B1がなされる。なお、報音された後も、ラップ経過時間の計時は継続される。利用者は、LAP−1に到達したときに、ボタン12(ラップ地点通過)を押下する。これにより、ストップウオッチ1はラップ経過時間の計時を終了し、ラップタイムをRAM205に記憶させる。なお、ラップタイムとは、ボタン12の押下があり、ラップカウント部302が計時を停止した時点でのラップ経過時間のことをいう。次に、ストップウオッチ1は、時刻t2から新たなラップ経過時間の計時を開始する。なお、スプリットカウント部305はスタートで開始した計時を続行する。
【0028】
利用者は、LAP−2の地点に到達したときに、ボタン12を押下する。これにより、ストップウオッチ1はラップ経過時間の計時を終了し、ラップタイムをRAM205に記憶させる。その後、新たなラップ経過時間の計測を開始する。利用者は、ターゲット時間の経過以前にLAP−2の地点に到達したため、LAP−1の地点で開始したターゲット時間の経過時に報音されない。
【0029】
利用者がLAP−3の地点で行う操作は、利用者がLAP−1の地点で行った操作と同様である。また、ストップウォッチ1のLAP−3の地点での動作は、LAP−1の地点におけるストップウオッチ1の動作と同様である。このようにして、各ラップにおけるストップウオッチ1の動作と利用者の操作が繰り返される。最後にゴール地点についた場合のストップウオッチ1の動作と操作について説明する。利用者はゴール地点に到達(t6)すると、ボタン11(ストップ)を押下して、ストップウオッチ1の計時を停止させる。このとき、ストップウオッチ1は、スプリット時間の計時とラップ経過時間の計時を停止させ、ラップタイムをRAM205に記憶させる。
【0030】
図5は、各ラップのターゲット時間とラップタイムとの関係の例を表すテーブルである。
図5に示すように、LAPに付された番号、ターゲット時間、ラップタイムが関連付けられている。1列目は各ラップに付された番号である。2列目は、ターゲット時間である。3列目は、各ラップに実際に費やされた時間(ラップタイム)である。4列目は、現在、何ラップ目を計時しているかを示す値であるラップ数ポインタである。本例では、ターゲット時間を15区間、現在のラップが14ラップ目の場合を示している。このテーブルに示した情報はRAM205に記録される。ターゲット時間は、残りターゲット時間算出部303において、残りターゲット時間を算出する際に利用される。また、ラップタイムは、差分算出部304において、複数ラップ差分や、ある周回までのラップタイムの和である合計ラップタイムを算出するために用いられる。
【0031】
次に、本実施形態におけるストップウオッチ1の動作の一例について説明する。
図6は、本実施形態に係るストップウオッチ1における動作の一例を示したフローチャートである。
【0032】
(ステップS601)入力部202は、ボタン11〜14を用いて、利用者からターゲット時間を入力される。入力部202は、制御部301に、入力されたターゲット時間を出力する。制御部301は、入力部202から入力されたターゲット時間をRAM205に書き込む。なお、ターゲット時間は、各ラップに共通であってもよいし、各ラップに異なる値を設定してもよい。その後、ステップS602に進む。
(ステップS602)入力部202は、利用者からボタン11(スタート)を押下されることにより、制御部301に、計時をスタートする旨の信号を出力する。制御部301は、入力部202から、計時をスタートする旨の信号を入力される。制御部301は、スプリットカウント部305、及びラップカウント部302の時間カウント数を0に初期化する。制御部301は、スプリットカウント部305、及びラップカウント部302に、計時を開始させる。制御部301は、RAM205に記録された、現在のラップ数を表す、ラップ数ポインタに1を書き込む。その後、ステップS603に進む。
【0033】
(ステップS603)制御部301は、RAM205から、ターゲット時間を読み込む。制御部301は、RAM205から読み込んだターゲット時間を残りターゲット時間算出部303に出力する。ラップカウント部302は、制御部301が出力したラップ経過時間を出力させる命令を入力され、ラップ経過時間を残りターゲット時間算出部303に出力する。残りターゲット時間算出部303は、制御部301から入力された、ターゲット時間、及びラップカウント部302から入力されたラップ経過時間を用い、ターゲット時間から、ラップ経過時間を減じた値(残りターゲット時間)を算出する。制御部301は、残りターゲット時間算出部303に残りターゲット時間を出力させる命令を出力する。残りターゲット時間算出部303は、制御部301に、残りターゲット時間を出力する。その後、ステップS604に進む。
【0034】
(ステップS604)制御部301は、RAM205から、ラップ数ポインタを読み込む。制御部301は、RAM205から、1回目から(ラップ数ポインタ−1)回目までのターゲット時間と、1回目から(ラップ数ポインタ−1)回目までのラップタイムとを読み込み、差分算出部304に出力する。差分算出部304は、制御部301から入力されたターゲット時間の和、及びラップタイムの和を算出する。差分算出部304は、ラップタイムの和からターゲット時間の和を減じた値(複数ラップ差分)を算出する。制御部301は複数ラップ差分を出力させる命令を差分算出部304に出力する。差分算出部304は、制御部301に複数ラップ差分を出力する。なお、ラップ数ポインタの値が1である場合は、この差分算出は行わない。その後、ステップS605に進む。
【0035】
(ステップS605)制御部301は、RAM205から、ラップ数ポインタを読み込む。制御部301は、RAM205から、1回目から(ラップ数ポインタ−1)回目までのラップタイムを読み込み、合計ラップタイム算出部306に出力する。合計ラップタイム算出部306は、制御部301から入力されたラップタイムを用い、ラップタイムの和(合計ラップタイム)を算出する。制御部301は合計ラップタイムを出力させる命令を合計ラップタイム算出部306に出力する。合計ラップタイム算出部306は、合計ラップタイムを制御部301に合計ラップタイムを出力する。なお、ラップ数ポインタの値が1である場合は、この合計ラップタイム算出は行わない。その後、ステップS606に進む。
【0036】
(ステップS606)制御部301は、現在のスプリット時間、ラップ経過時間、残りターゲット時間、複数ラップ差分、及び合計ラップタイム等を表示させる命令を表示部206に出力する。表示部206は、制御部301から現在のスプリット時間、ラップ経過時間、残りターゲット時間、複数ラップ差分、及び合計ラップタイム等を表示させる命令を入力され、現在のスプリット時間、ラップ経過時間、残りターゲット時間、複数ラップ差分、及び合計ラップタイム等を表示する。なお、表示の方法の詳細については、図7〜9を用いて後述する。その後、ステップS607に進む。
【0037】
(ステップS607)制御部301は、ボタン13の押下があったか否かの情報に基づき、表示を変更するか否かの判定をする。表示を変更すると判定した場合(Yes)は、ステップS608に進み、表示を変更すると判定しなかった場合(No)はステップS609に進む。
【0038】
(ステップS608)制御部301は、表示モード変更を命令する信号を表示部206に出力する。表示部206は、制御部301から表示モード変更を命令する信号の入力を受け、表示モードを変更する。なお、ボタン13押下後に、一定の時間(たとえば、10秒)経過後に、ボタン13押下前に表示していた表示モードに、自動的に戻るようにしてもよい。表示部206に表示される表示モードの例については、後に示す図7〜9を用いて後述する。その後、ステップS609に進む。
(ステップS609)制御部301は、ボタン12(ラップ地点通過)の押下があったか否かの情報に基づき、ラップ地点を通過したか否かを判定する。ラップ地点を通過したと判定した場合は、ステップS610に進む。ラップ地点を通過したと判定しなかったときは、ステップS611に進む。
【0039】
(ステップS610)制御部301は、ラップカウント部302に計時を停止させる命令を出力する。ラップカウント部302は制御部301からの計時を停止させる命令を入力され、計時を停止する。制御部301は、ラップタイムを出力させる命令をラップカウント部302に出力する。ラップカウント部302は、制御部301からラップタイムを出力させる命令を入力され、ラップタイムを制御部301に出力する。制御部301は、ラップカウント部302から入力したラップタイムをRAM205に書き込む。制御部301は、ラップカウント部302の時間カウント数を0に初期化する。制御部301は、ラップカウント部302に、計時を開始させる命令を出力する。ラップカウント部302は、制御部301から計時を開始させる命令を入力され、計時を開始する。制御部301は、RAM205からラップ数ポインタを読み込む。制御部301は、RAM205から読み込んだラップ数ポインタに1を加えた値をRAM205に書き込む。その後、ステップS603に進む。
(ステップS611)制御部301は、残りターゲット時間算出部303が算出した残りターゲット時間が0未満であるか否かを判定する。残りターゲット時間が0未満であると判定した場合(YES)は、ステップS612に進む。残りターゲット時間が0以上であると判定した場合(No)は、ステップS603に進む。
【0040】
(ステップS612)制御部301は、ターゲット時間が経過した旨の報知を行う命令を報知部207に出力する。報知部207は、残りターゲット時間算出部303からターゲット時間が経過した旨の報知を行う命令を入力され、報音によって利用者にターゲット時間が経過した旨の報知を行う。なお、報知は、報音によって行うが、振動などの方法を用いることもできる。その後、ステップS613に進む。
(ステップS613)制御部301は、ボタン11(ストップ)の押下があったか否かの情報に基づき、計時を停止するか否かを判定する。計時を停止すると判定した場合(Yes)は、ステップS614に進む。計時を停止すると判定しなかった場合(No)は、ステップS603に進む。
【0041】
(ステップS614)制御部301は、スプリットカウント部305に、計時を停止させる命令を出力する。スプリットカウント部305は、制御部301からの計時を停止させる命令を入力され、計時を停止する。制御部301は、ラップカウント部302に計時を停止させる命令を出力する。ラップカウント部302は、制御部301からの計時を停止させる命令を入力され、計時を停止する。制御部301は、ラップタイムを出力させる命令をラップカウント部302に出力する。ラップカウント部302は、制御部301からラップタイムを出力させる命令を入力され、ラップタイムを制御部301に出力する。制御部301は、ラップカウント部302が出力したラップタイムを入力される。制御部301は、ラップカウント部302から入力されたラップタイムをRAM205に書き込む。その後、終了処理に進む。
【0042】
次に、本実施形態におけるストップウオッチ1の表示の例について説明する。
図7は、本実施形態に係るストップウオッチ1における表示部206の表示の例を示した模式図である。図7における時刻t0〜t5はそれぞれ、図4における時刻t0〜t5と同じである。表示(ア)は、表示部206に情報を2段で表示する場合の例であり、上段にスプリット時間が、下段に残りラップ時間が表示されている。表示(イ)は、表示部206に情報を2段で表示をする場合の別の例であり、上段にスプリット時間が、下段にラップ経過時間が表示されている。表示(ウ)は、表示部206に3段で情報を表示する場合の例であり、上段にスプリット時間が、中段にラップ経過時間が、下段に残りラップ時間が表示されている。時刻t2において、残りラップ時間が「――’――”」と表示されている。これは、すでにターゲット時間を経過してしまったことを示すものである。
ステップS607における表示モードの変更とは、図7における表示(ア)、(イ)、及び(ウ)等の表示モードを変更することを意味する。
【0043】
図8は、図4に示した時刻t2における表示部206の表示の別の一例を示したものである。表示(ア)では、ターゲット時間を10分と設定しており、2段目には、ターゲット時間15秒を経過しても、いまだボタン12(ラップ地点通過)が押下されていない状態の表示を示している。この場合、図7の例では、「――’――”」と表示していたところを、ターゲット時間からラップ経過時間を引いた値(この場合、負の値となる)を表示することとしたものである。表示(イ)では3段表示の例を示しており、一段目にはスプリットタイムを、2段目にはラップ経過時間を、3段目には、ターゲット時間からラップ経過時間を引いた値(この場合、負となる)を表示したものである。このように、ターゲット時間を超過してもいまだボタン12が押下されない場合に、ターゲット時間からラップ経過時間を引いた負の値を表示することにより、利用者は、予定したラップ地点への到達時刻からどれだけ遅れているかを知ることができる。
【0044】
図9は、図4に示した時刻t5における表示部206の表示の別の一例を示したものである。表示(ア)では、上段にスプリット時間を、下段にスタートからLAP−2までの合計ラップ時間を表示している。表示(イ)では、上段にスプリット時間を、中段にラップ経過時間を、下段にスタートからLAP−2までの合計ラップ時間(合算ラップタイム)を表示している。同様に、合計ラップ時間(合算ラップタイム)の代わりに、複数ラップ差分を表示するようにしてもよい。このように、スタートからLAP−n(n=1、2・・・)までの合計ラップ時間(合算ラップタイム)や、複数ラップ差分を表示することにより、利用者は、スタートからLAP−nまでの区間の走行に費やした時間が、予定した時間より長いか、短いかを知ることができる。
【0045】
このように、本実施形態によれば、スプリット時間と残りターゲット時間を、画面の切り替え操作をすることなく同時に知ることができる。これにより、利用者は煩雑な操作をすることなく、現在のスプリット時間と、次のラップ地点までの目標到達時間を知ることができる。
【0046】
また、本実施形態によれば、スプリット時間の計時とラップ経過時間(及び、残りターゲット時間)の計時を同時に開始することができる。これにより、利用者を煩わすことなく、正確に、スプリット時間とラップ時間、及び残りターゲット時間を正確に計時することができる。
【0047】
また、本実施形態によれば、ラップ経過時間の計時の終了と同時に、新たなラップに対するラップ経過時間の計時を開始する。これにより、新たなラップに対する適正なターゲット時間を設定し、正確なラップ時間の測定が可能となる。
【0048】
また、本実施形態によれば、ラップ経過時間がターゲット時間を過ぎてしまった場合に、残りラップ時間を表示しない、又はラップ経過時間がターゲット時間を過ぎてしまった場合に、その過ぎた時間を負の値として表示する。これにより、利用者は、ターゲット時間内にラップ地点を通過できなかったことを知ることができる。
【0049】
また、本実施形態によれば、ターゲット時間の和と、ラップタイムの和との差を表示する。これにより、利用者は、前のラップまでの予定した走行時間の合計と、実際に要した前のラップまでの走行時間との差を知ることができる。
【0050】
なお、複数ラップ差分の表示は、1ラップ毎でなく、5ラップや10ラップといった、予め定めたラップ数単位で表示をしてもよい。
【0051】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について、図面を参照しながら説明する。本実施形態のストップウオッチ(ストップウオッチ2という)は、第1の実施形態におけるストップウオッチ1の外観(図1)、及び構成(図2、図3)と同様である。従って、本実施形態においても、第1の実施形態の説明で用いた図1、2,3を用い、説明は省略する。
【0052】
次に、本実施形態におけるストップウオッチ1(時計装置)の動作の一例について説明する。
図10は、本実施形態に係るストップウオッチ1における動作の一例を示したフローチャートである。なお、ステップS1001〜ステップS1009、及びステップS1011〜ステップS1014の各処理は、第1の実施形態(図6)におけるステップS601〜ステップS609、及びステップ611〜ステップS614の処理と同様であるので、説明は省略する。ただし、ステップS1009の判定が(Yes)の場合に、ステップS1010に進む点、ステップS1009の判定が(No)の場合に、ステップS1011に進む点、ステップS1011の判定が(No)の場合に、ステップS1003に進む点、及び、ステップS1013の判定が(No)の場合にステップS1003に進む点が異なる。
【0053】
(ステップS1010)制御部301は、残りターゲット時間算出部303が算出した残りターゲット時間が0未満であるか否かを判定する。残りターゲット時間が0未満であると判定した場合(YES)は、ステップS1015に進む。残りターゲット時間が0以上であると判定した場合(No)は、ステップS1017に進む。
(ステップS1015)制御部301は、ラップタイムを出力させる命令をラップカウント部302に出力する。ラップカウント部302は、制御部301からラップタイムを出力させる命令を入力され、ラップタイムを制御部301に出力する。制御部301は、ラップカウント部302から入力されたラップタイムをRAM205に書き込む。制御部301は、RAM205から、ターゲット時間を読み込む。制御部301は、ラップタイムからターゲット時間を減じた値を算出する。その後ステップS1016に進む。
(ステップS1016)制御部301は、ラップカウント部302の時間カウント数をステップS1015で算出した、ラップタイムからターゲット時間を減じた値に設定する。制御部301は、ラップカウント部302に、計時を開始させる命令を出力する。ラップカウント部302は、制御部301から計時を開始させる命令を入力され、計時を開始する。制御部301は、RAM205からラップ数ポインタを読み込む。制御部301は、RAM205から読み込んだラップ数ポインタに1を加えた値をRAM205に書き込む。その後、ステップS1003に進む。
【0054】
(ステップS1017)制御部301は、ラップタイムを出力させる命令をラップカウント部302に出力する。ラップカウント部302は、制御部301からラップタイムを出力させる命令を入力され、ラップタイムを制御部301に出力する。制御部301は、ラップカウント部302から入力したラップタイムをRAM205に書き込む。制御部301は、ラップカウント部302の時間カウント数を0に初期化する。制御部301は、ラップカウント部302に、計時を開始させる。制御部301は、RAM205からラップ数ポインタを読み込む。制御部301は、RAM205から読み込んだラップ数ポインタに1を加えた値をRAM205に書き込む。その後、ステップS1003に進む。
【0055】
図10の動作により、ストップウオッチ2は以下のように利用される。ストップウォッチ2は、ラップ地点の通過時に、すでにターゲット時間を経過していたときに、ラップタイムがターゲット時間を超過していた分を、予め設定されていたターゲット時間から差し引いた値を、新たなターゲット時間として計時を開始する。
【0056】
このように、本実施形態によれば、ストップウオッチ2は、ラップ経過時間が、ターゲット時間を経過したときに、新たなラップ経過時間の測定を開始する。つまり、ストップウオッチ2は、ラップタイムがターゲット時間を超過してしまった場合に、次のターゲット時間から、超過した時間分だけ減じた値を新たなターゲット時間として、計時を開始する。これにより、ストップウオッチ2は、元々設定されていたターゲット時間より、前のラップで超過した時間だけ短い残りターゲット時間を表示することにより、利用者は、新たなラップで、遅延を取り戻すように促される。
【0057】
なお、上述した実施形態におけるストップウオッチ1、又は2が備える各部の機能全体あるいはその一部は、これらの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0058】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0059】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【符号の説明】
【0060】
1・・・ストップウオッチ(時計装置)、11〜14・・・ボタン、201・・・発振部、202・・・入力部、203・・・CPU、204・・・ROM、205・・・RAM、206・・・表示部、207・・・報知部、301・・・制御部、302・・・ラップカウント部、303・・・残りターゲット時間算出部、304・・・差分算出部、305・・・スプリットカウント部、306・・・合計ラップタイム算出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の計時開始操作から経過した時間を計測する第1の時間計測部と、
第2の計時開始操作から経過した時間を計測する第2の時間計測部と
を備え、
前記第1の時間計測部が計測した時間と、目標時間から前記第2の時間計測部が計時した時間を減じた時間とを、前記表示部に併せて表示する
ことを特徴とする時計装置。
【請求項2】
前記第1の時間計測部が、時間の計測を開始するのと同時に、前記第2の時間計測部が時間の計測を開始する
ことを特徴とする請求項1に記載の時計装置。
【請求項3】
前記第2の時間計測部が、前記第2の時間計測部の時間の計測の終了操作と同時に、新たな時間の計測を開始する
ことを特徴とする請求項1、又は2に記載の時計装置。
【請求項4】
前記目標時間から前記第2の時間計測部が計時した時間を減じた時間が負の値となるときに、前記目標時間から前記第2の時間計測部が計時した時間を減じた時間を負の値として表示する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の時計装置。
【請求項5】
前記第2の時間計測部が、前記目標時間の経過時に、新たな計時を開始する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の時計装置。
【請求項6】
前記目標時間の和から前記第2の時間計測部が計測した時間の和を減じた値を表示する
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の時計装置
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の時計装置を備える電子機器。
【請求項8】
時計装置のコンピュータに、第1の計時開始操作から経過した時間を計測する第1の時間計測手段、第2の計時開始操作から経過した時間を計測する第2の時間計測手段、前記第1の時間計測部が計測した時間と、目標時間から前記第2の時間計測部が計時した時間を減じた時間とを、前記表示部に併せて表示する手段を実行させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate