電子機器、表示方法
【課題】画面の表示倍率が変更されたときであってもカーソルをユーザが操作しやすい電子機器、画像表示システム、および画像表示方法を提供することを目的とする。
【解決手段】DTV1は、十字キー23を備えたリモートコントローラ2から受信する十字キー操作信号に基づいて、十字キーカーソル61を移動させる。DTV1のブラウザ33が表示するページ51の表示倍率が変更されると、移動制御モジュール35は変更前と同様の十字キー操作信号を受信したとしても、十字キーカーソル61の移動量を表示倍率の変化に応じて変更する。移動制御モジュール35はページ51の表示倍率が拡大されたときは、この十字キーカーソル61の移動量を大きくし、縮小されたときには十字キーカーソルの移動量を小さくする。
【解決手段】DTV1は、十字キー23を備えたリモートコントローラ2から受信する十字キー操作信号に基づいて、十字キーカーソル61を移動させる。DTV1のブラウザ33が表示するページ51の表示倍率が変更されると、移動制御モジュール35は変更前と同様の十字キー操作信号を受信したとしても、十字キーカーソル61の移動量を表示倍率の変化に応じて変更する。移動制御モジュール35はページ51の表示倍率が拡大されたときは、この十字キーカーソル61の移動量を大きくし、縮小されたときには十字キーカーソルの移動量を小さくする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子機器、画像表示システム、及び画像表示方法に関するものであって、特に画面の表示倍率が変更されたときに、カーソルをユーザが操作しやすい電子機器、画像表示システム、及び画像表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の技術発達によって電子機器のシームレス化が進み、例えばテレビのような電子機器においてブラウザ等を搭載している機器が提供されるようになった。このような電子機器では、ブラウザ起動時にカーソルを表示し、このカーソルを用いてユーザが操作入力を行う場合がある。
【0003】
例えばテレビのような電子機器では、リモートコントローラのような外部操作入力装置にはタッチパッド等のポインティングデバイスを搭載していない場合も存在するため、十字キー等のキーによってカーソルの操作を行う場合がある。
【0004】
この一例として、十字キーを用いてマウスカーソルを移動させるWebブラウザ用リモコンの技術がある(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−209495号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述のような電子機器は画面の表示倍率を変更する機能を備えている場合がある。この機能により電子機器が画面の表示を拡大/縮小するとき、カーソルの移動量が拡大/縮小前と同様であるなら、例えば拡大された場合には拡大前の所定距離を移動するためにより多くカーソルを移動させなければならない。また、例えば縮小された場合には一度に動いてしまうカーソルの移動量が大きいためカーソルを細かいポイントに合わせづらい。このような電子機器が表示倍率の変更機能を有する場合のカーソル移動に関する課題は、上記の文献記載の技術では考慮されておらず、未解決のままであった。
【0007】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、画面の表示倍率が変更されたときであってもカーソルをユーザが操作しやすい電子機器、画像表示システム、および画像表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決するために、実施形態の電子機器は、ページ領域および該ページ領域以外の画像領域を含む画像と、該画像上を移動可能なカーソルとを表示装置に表示させる表示制御部と、前記画像のうち前記ページ領域の表示倍率を設定する表示倍率設定部と、 前記カーソルの移動信号を受信する受信部と、を備え、前記表示制御部は、前記表示倍率設定部が前記ページ領域の表示倍率を第1の表示倍率に設定している場合、前記移動信号に応じて前記カーソルを第1の画素数分移動させ、前記表示倍率設定部が前記ページ領域の表示倍率を前記第1の表示倍率より大きい第2の表示倍率に設定している場合、前記移動信号に応じて前記カーソルを前記第1の画素数より多い第2の画素数分移動させて、前記表示装置に表示させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、画面の表示倍率が変更されたときであっても、カーソルをユーザが操作しやすい電子機器、画像表示システム、および画像表示方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態における画像表示システムの一例を示す概観図。
【図2】本発明の一実施形態におけるリモートコントローラの一例を示す外観図。
【図3】本発明の一実施形態におけるDTV及びリモートコントローラの内部構成の一例を示すブロック図。
【図4】本発明の一実施形態におけるDTVの一部の機能構成であって、カーソル制御に関連する機能ブロックの一例を示すブロック図。
【図5】本発明の一実施形態におけるタッチパッド操作モードでの表示部の表示の一例を示す概観図。
【図6】本発明の一実施形態における十字キー操作モードでの表示部の表示の一例を示す概観図。
【図7】本発明の一実施形態におけるに十時キー操作モード時の受信する十字キー操作信号と十字キーカーソルの移動量の関係の一例を示す概念図。
【図8】本発明の一実施形態における十字キーカーソルの移動量の一例を示す図。
【図9】本発明の一実施形態におけるページの表示倍率を変更した場合の十字キーカーソルの移動量の一例を示す図。
【図10】本発明の一実施形態におけるDTVのブラウザ画面の表示倍率変更処理およびカーソル移動量設定処理の一例を示すフロー図。
【図11】本発明の一実施形態におけるDTVのカーソル表示・移動処理の一例を示すフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明を行う。
【0012】
図1は本実施形態における画像表示システム3の一例を示す概観図である。図1には、DTV1、リモートコントローラ2、及び画像表示システム3が示されている。
【0013】
DTV1は本実施形態における電子機器の一例としてのデジタルテレビジョン(Digital Television)であり、受信した放送波の放送信号から映像・音声情報を抽出し、これらを出力する機能を有している。またDTV1は、例えばインターネットのような大規模ネットワーク網(WAN::Wide Area Network)と接続されており、この大規模ネットワークに接続されている他の機器と通信可能となっている。本発明における電子機器の一例としてここではDTV1を示すが、これに限定されるものではない。電子機器の他の例示としては、STB(Set Top Box)、HDDレコーダ(Hard Disk Drive)およびDVD(Digital Versatile Disc)レコーダ、またはPC(Personal Computer)のような様々な機器が考えられる。
【0014】
リモートコントローラ2は複数の操作スイッチ(キー)を有しており、この操作スイッチが押下されると、これに応じてDTV1の操作を行うための信号を送信する機能を有している。信号の形式は、例えば、RF(Radio Frequency)信号やIR(Infrared)信号を用いるのが一般的であるが、本発明では有線、無線の区別を問わない。
【0015】
画像表示システム3はDTV1とリモートコントローラ2より構成されており、ユーザはリモートコントローラ2を用いてDTV1を操作して所定の処理を行わせ、画像を表示させることができる。
【0016】
次にリモートコントローラ2の詳細な構造を説明する。
【0017】
図2は本実施形態におけるリモートコントローラ2の一例を示す外観図である。
【0018】
リモートコントローラ2はDTV1の各種機能を操作するための複数のキー(スイッチ)を有している。本実施形態において、この複数のキーはキー21、タッチパッド22、および十字キー23によって構成されている。
【0019】
キー21はDTV1の各種機能を実行するために設けられたキーであって、リモートコントローラ2はそれぞれのキーへのユーザの押下操作に応じて異なる操作信号を発信する。キー21にはDTV1の電源投入と遮断とを切り替える電源キーと、表示する映像情報のソースを切り替える入力切替キー、ゲーム、地デジ、BS又はCSを選択するキーを備えた入力切替キー群と、チャンネルの選択や文字の入力等を行うチャンネル文字キー群、チャンネルの切り替えを行うチャンネル切替キーと、画面の表示形式を選択する画面表示キー、音量を調整する音量調整キー、各種DTV1の機能を実現させるための色が割り当てられたカラーキー等の様々なキーが含まれている。また、DTV1に表示されたカーソルの所定の位置での選択操作を行うための決定キーもこれに含まれる。本実施形態の説明においては便宜上これらのキーを一纏めのキー21として説明し、タッチパッド22及び十字キー23をこのキー21とは分けて説明する。
【0020】
タッチパッド22は、例えばユーザの指等によるタッチパッド22表面への接触を静電容量の変化で検知し、この検知点を示す検知信号を出力する機能を有している。このタッチパッド22の表面を指でなぞることによって、ユーザはDTV1に表示されたカーソルの操作を行うことが可能である。
【0021】
十字キー23は、リモートコントローラ2内部の、タッチパッド22の裏面に対向に位置に設けられており、ユーザに押下されたタッチパッド22の裏面が接触することで、この押圧を検知して検知信号を出力する。十字キー23は図2中のポイントAのリモートコントローラ2内部に当たる位置に上下左右が割り当てられて4つ設けられている。この4つのスイッチから構成される十字キー23は、それぞれの上下左右の方向を示す信号を出力する。
【0022】
本実施形態において、リモートコントローラ2はタッチパッド22と十字キー23とが一体として設けられている(タッチパッド22が十字キー23と兼用されている)。十字キー23が押下される際にはユーザの指はタッチパッド22に接触しており、このときにはタッチパッド22と十字キー23はそれぞれ検知信号を出力することとなる。
【0023】
本実施形態におけるリモートコントローラ2ではタッチパッド22と十字キー23とが外部から見て同じ位置に設けられているように例示したがこれに限定されず、異なった位置に独立してそれぞれが設けられていてもよい。
【0024】
次に画像表示システム3のDTV1及びリモートコントローラ2の内部構成について説明する。
【0025】
図3は本実施形態におけるDTV1及びリモートコントローラ2の内部構成の一例を示すブロック図である。
【0026】
先ずDTV1に関する説明を行う。
【0027】
DTV1は、装置各部の動作を制御する制御部156を備えている。制御部156は、CPU(Central Processing Unit)等を内蔵している。制御部156は、操作部116から入力される操作信号や、リモートコントローラ2から送信され受信部118を介して受信される操作信号に応じて、ROM(Read Only Memory)157に予め記憶されたシステム制御プログラム及び各種処理プログラムを起動させる。制御部156は、起動したプログラムに従って、RAM(Random Access Memory)158をワークメモリとして装置各部の動作を制御する。
【0028】
入力端子144は、BS/CSデジタル放送受信用のアンテナ143が受信した衛星デジタルテレビジョン放送信号を衛星デジタル放送用のチューナ145に供給する。チューナ145は、受信したデジタル放送信号のチューニングを行い、チューニングしたデジタル放送信号をPSK(Phase Shift Keying)復調器146に送信する。PSK復調器146は、TS(Transport Stream)の復調を行い、復調したTSをTS復号器147aに供給し、TS復号器147aは、TSをデジタル映像信信号、デジタル音声信号、およびデータ信号を含むデジタル信号に復号した後、信号処理部100にこれを出力する。ここでのデジタル映像信号とはDTV1が出力可能な映像に関するデジタル信号であり、音声信号はDTV1が出力可能な音声に関するデジタル信号である。またデータ信号とは、例えばDTV1が電子番組表であるEPG(Electronic Program Guide)を生成するときに使用する情報である番組関連情報等を含む、放送波の放送番組に関する情報に関するデジタル信号である。
【0029】
入力端子149は、地上波デジタル放送受信用のアンテナ148が受信した地上波デジタルテレビジョン放送信号を地上波デジタル放送用のチューナ150に供給する。チューナ150は、受信したデジタル放送信号のチューニングを行い、チューニングしたデジタル放送信号をそれぞれのOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)復調器151に送信する。OFDM復調器151は、TSの復調を行い、復調したTSをそれぞれのTS復号器147bに供給し、TS復号器147bは、TSをデジタル映像信号及び音声信号等に復号した後、信号処理部100にこれを出力する。チューナ150の11個それぞれのチューナで取得した地上波デジタルテレビジョン放送は、これらの複数個のOFDM復調器151、TS復号器147bによってそれぞれ同時にデジタル映像信号、音デジタル音声信号、及びデータ信号を含むデジタル信号として復号された後に、信号処理部100に出力されることが可能である。
【0030】
アンテナ148は、地上波アナログ放送信号も受信可能である。受信された地上波アナログ放送信号は、図示しない分配器によって分配されて、アナログチューナ168に供給される。アナログチューナ168は、受信したアナログ放送信号のチューニングを行い、チューニングしたアナログ放送信号をアナログ復調器169に送信する。アナログ復調器169はアナログ放送信号の復調を行い、復調したアナログ放送信号を信号処理部100に出力する。また、DTV1は、一例として、アンテナ148が接続される入力端子149にCATV(Common Antenna Television)用のチューナを接続することによってCATVも視聴することができる。
【0031】
信号処理部100は、TS復号器147a、147b、または制御部156から出力されたデジタル信号に、適切な信号処理を施す。より具体的には、信号処理部100はデジタル信号を映像信号、デジタル音声信号、およびデータ信号に分離する。分離された映像信号はグラフィック処理部152に、音声信号は音声処理部153に出力される。また信号処理部100は、アナログ復調器169から出力された放送信号を、所定のデジタルフォーマットの映像信号及び音声信号に変換する。デジタルに変換された映像信号はグラフィック処理部152に、音声信号は音声処理部153に出力される。また信号処理部100は、ライン入力端子137からの入力信号にも所定のデジタル信号処理を施す。
【0032】
OSD(On Screen Display)信号生成部154は、制御部156の制御に従って、UI(ユーザ・インタフェース)画面などを表示するためのOSD信号を生成する。また信号処理部100においてデジタル放送信号から分離されたデータ信号は、OSD信号生成部154により適切なフォーマットのOSD信号に変換され、グラフィック処理部152に出力される。
【0033】
グラフィック処理部152は、信号処理部100から出力されるデジタルの映像信号のデコード処理を行う。デコードされた映像信号は、OSD信号生成部154から出力されたOSD信号と重ね合わせて合成され、映像処理部155に出力される。グラフィック処理部152は、デコードされた映像信号またはOSD信号を、映像処理部155に選択的に出力することもできる。
【0034】
映像処理部155は、グラフィック処理部152から出力された信号を、表示部120で表示可能なフォーマットのアナログ映像信号に変換する。アナログに変換された映像信号は、表示部120に表示される。
【0035】
音声処理部153は、入力された音声信号を、スピーカ110で再生可能なフォーマットのアナログ音声信号に変換する。アナログに変換された音声信号は、スピーカ110に出力されて再生される。
【0036】
カードホルダ161は、カードI/F(Interface)160を介して制御部156に接続されている。メモリカード119は、このカードI/F160に装着可能である。メモリカード119は、例えばSD(Secure Digital)メモリカード、MMC(Multimedia Card)及びCF(Compact Flash)カード等の記憶媒体である。カードホルダ161に装着されたメモリカード119、及び制御部156は、カードI/F160を介して情報の書込み/読み出しを行うことができる。
【0037】
LAN端子131は、LANI/F164を介して制御部156に接続されている。LAN端子131は、イーサネット(登録商標)を用いた一般的なLAN対応ポートとして使用される。本実施形態においてLAN端子131にはLANケーブル(図示しない)が接続されており、インターネットと通信可能となっている。
【0038】
USB(Universal Serial Bus)端子133は、USB I/F166を介して制御部156に接続されている。USB端子133は、一般的なUSB対応ポートとして使用される。USB端子133には、例えばハブを介して、携帯電話、デジタルカメラ、各種メモリカードに対するカードリーダ/ライタ、HDD、キーボード等が接続される。制御部156は、USB端子133を介して接続される機器との間で、情報の通信(送受信)を行うことができる。
【0039】
HDD170はDTV1に内蔵される磁気記憶媒体(Hard Disk Drive)であってDTV1が有する各種情報を記憶する機能を有している。
【0040】
次にリモートコントローラ2に関する説明を行う。
【0041】
キー21、タッチパッド22、及び十字キー23より出力される検知信号は、リモコン制御部24に入力される。リモコン制御部24は入力された信号に基づいて、DTV1を操作するための操作信号を生成し、送信部25によって外部に送信させる。この送信された操作信号を受信部118が受信するとDTV1はこの操作信号に応じた所定の処理を実行する。
【0042】
本実施形態においては、キー21の押下によってリモートコントローラ2から送信される信号をキー操作信号、タッチパッド22をなぞることによって送信される信号をタッチパッド操作信号、十字キー23を押下することによって送信される信号を十字キー操作信号と呼ぶこととする。
【0043】
次に、DTV1の制御部156に関しての説明を詳細に行う。
【0044】
図4は本実施形態におけるDTV1の一部の機能構成であって、カーソル制御に関連する機能ブロックの一例を示すブロック図である。図4には制御部156、受信部156、OS31、カーソル制御モジュール32、ブラウザ33、カーソル設定モジュール34、移動制御モジュール35、およびカーソル表示モジュール36が示されている。
【0045】
OS31は、受信部118や操作部116からの入力や表示部120への出力といった入出力機能やHDD180やRAM158の管理など、多くのアプリケーションソフトから共通して利用される基本的な機能を提供し、コンピュータシステム全体を管理するソフトウェア(Operating System)である。OS31はリモートコントローラ2から受信する所定の操作信号をカーソル設定モジュール34、移動制御モジュール35およびブラウザ33に送信する機能を有している。
【0046】
カーソル制御モジュール32はDTV1の表示部120にカーソルを表示させる機能を有している。ユーザはリモートコントローラ2を操作することにより、結果的にカーソル制御モジュール32によって表示部120に表示されるカーソルを操作することとなり、DTV1に各種の操作指示を行うことができる。
【0047】
ブラウザ33はインターネットを介して取得したページを表示部120に表示する機能を有している。またブラウザ33はページの表示倍率を操作し、表示するページ(画像)の拡大縮小を行うことができる。ブラウザ33はこの表示倍率の情報を移動制御モジュール35に送信する。
【0048】
カーソル設定モジュール34は表示されるカーソルの操作モードを設定する機能を有している。本実施形態ではカーソルの操作モードとして、タッチパッド操作モードと十字キー操作モードとの2種類の操作モードとを定める。タッチパッド操作モードとは、リモートコントローラ2から受信する、タッチパッド22の操作によって送信されるタッチパッド操作信号に基づいてカーソルの移動を行うモードである。また十時キー操作モードとは十字キー23の操作によって送信される十字キー操作信号に基づいてカーソルの移動を行うモードである。ユーザはリモートコントローラ2を用いてこのカーソル操作モードを設定することができる。OS31から操作信号を受信して、カーソル操作モードが切り替えられると、カーソル設定モジュール34はこのカーソルの操作モードの情報を保持し、このモードの情報を移動制御モジュール35およびカーソル表示モジュール36に送信する。
【0049】
移動制御モジュール35はOS31から受信するタッチパッド操作信号および十字キー操作信号に基づいて表示されているカーソルの移動量を制御する機能を有している。移動制御モジュール35はカーソル設定モジュール34から受信するカーソル操作モードに基づいて受信する操作信号の取捨選択を行う。つまり、移動制御モジュール35は、タッチパッド操作モードであるときはタッチパッド操作信号に基づいてカーソルの移動量を決定し、十字キー操作信号を受信しても無視する。逆に、十字キー操作モードであるときは、十字キー操作信号に基づいてカーソルの移動量を決定し、タッチパッド操作信号を受信しても無視する。
【0050】
また、移動制御モジュール35はブラウザ33より、画像の表示倍率の情報を取得する。移動制御モジュール35は、このブラウザ33の表示倍率情報、受信する操作信号の種類、及び連続して同じ信号を受信した回数等に基づいてカーソルの移動量を制御する。このカーソル移動量の制御に関しては、図7乃至図9を用いて後述にて詳細に説明する。
【0051】
カーソル表示モジュール36は、カーソルを描画する機能を有している。また、カーソル表示モジュール36はカーソルの現在の位置情報を保持しており、DTV1はこのカーソルの位置情報及び描画されたカーソルの画像信号に基づいて表示部120にカーソルを表示する。
【0052】
カーソル表示モジュール36は、移動制御モジュール35から受信するカーソルの移動量情報に基づいてカーソルの表示位置を変更する。また、カーソルの操作モード(タッチパッド操作モードまたは十字キー操作モード)に応じて、表示するカーソルの画像を切り替える。さらに、カーソル表示モジュール36は、現在カーソルが存在する位置情報(カーソルの指す位置の表示面上での座標情報)をブラウザ33に出力する機能も有している。
【0053】
次に表示部120に表示されるカーソルに関して図5及び図6を用いて説明を行う。
【0054】
図5は本実施形態におけるタッチパッド操作モードでの表示部120の表示の一例を示す概観図である。図5には表示部120、ページ51、タッチパッドカーソル52、ページタブ53、ページURL54、リンク55、倍率設定表示56、バー57、スライダ58、および倍率設定呼び出し表示59が示されている。
【0055】
ページ51はDTV1がインターネットより取得したサイトのWebページであり、ブラウザ33によって描画され、表示されている。
【0056】
タッチパッドカーソル52はカーソル制御モジュール32によって描画され、表示されたカーソルである。このタッチパッドカーソル52はカーソル操作モードがタッチパッド操作モードであるときに表示されるカーソルであり、カーソル表示モジュール36によって描画される。
【0057】
ページタブ53には表示されているページ51のタイトルが示されている。
【0058】
ページURL54には表示されているページ51のURL(Uniform Resource Locator)が記述されている。
【0059】
リンク55は表示されているページ51に記述されており、ユーザはこのリンク55をカーソルを用いて選択することでリンク55で指定されているページにジャンプすることができる。
【0060】
倍率設定表示56はブラウザ33がこのページ51を表示するときの倍率を設定するための表示ウィンドウ(GUI)であり、ユーザはこの表示を参照しながらリモートコントローラ2を操作することで、ページ51を拡大/縮小することができる。倍率設定表示56にはバー57及びスライダ58が表示されており、ユーザはリモートコントローラ2を用いてスライダ58をバー57上で移動させることによってページ51の表示倍率を変更することができる。図5ではスライダ58がバー57の100%の上に位置しており、ページ51はページ提供者の提供したサイズで表示されている。リモートコントローラ2の十字キー(左)23スライダ58をバー57上で左に動かすと、ページ51は縮小され、十字キー(右)23によって右に動かすとページ51は拡大される。このように、スライダ58の移動はリモートコントローラ2の十字キー23によって操作することができ、ユーザは表示倍率を自由に選択することができる。
【0061】
倍率設定呼び出し表示59は倍率設定表示56を呼び出すためのリモートコントローラ2の操作方法を示す表示である。本実施形態においてはリモートコントローラ2のキー21のカラーキーうち黄色キーを押すことで倍率設定表示56が呼び出されることとなる。ユーザはページ51の倍率設定を行いたいとき(拡大/縮小を行いたいとき)は、黄色キーを押すことでこの倍率設定表示56を呼び出し、ページ51の表示倍率の設定を行うことができる。この表示倍率設定はブラウザ33の機能によって実現される。
【0062】
図6は本実施形態における十字キー操作モードでの表示部120の表示の一例を示す概観図である。図6には表示部120、ページ51、ページタブ53、ページURL54、リンク55、倍率設定呼び出し表示59、および十字キーカーソル61が示されている。図6では倍率設定表示56が表示されていないときの表示部120を示している。
【0063】
タッチパッド操作モードにおいては表示部120にタッチパッドカーソル52が示されるが、十字キー操作モードではタッチパッドカーソル52ではなく、十字キーカーソル61が表示される。この十字キーカーソル61は十字キー操作モードのとき、カーソル表示モジュール36によって描画されるカーソルである。
【0064】
カーソル操作モードはリモートコントローラ2の所定のキーによって設定を行うことが可能であり、ブラウザ33がページ51を表示している最中にもモードを切り替えることが可能である。このときは、カーソルも表示が切り替えられる。
【0065】
本実施形態においては、タッチパッド操作信号と十字キー操作信号との内、カーソルの移動にどちらの操作信号を採用するかが、カーソル操作モードによって設定される。図5及び図6のようにモードによってカーソルのデザインを変更することで、ユーザはタッチパッド22と十字キー23とのうち、どちらを用いて操作を行えばよいかを、表示を見るだけで直感的に判別することができる。
【0066】
更に本実施形態では、リモートコントローラ2にタッチパッド22と十字キー23とは一体として設けられている(タッチパッド22を押下することで十字キー23を操作できる)。このため、ユーザが十字キー23を押下して操作しようとした場合であってもタッチパッド22から検知信号が出力される可能性があり、またタッチパッド22を操作しようとした場合であっても十字キー23が押下されてしまう可能性がある。そこで、どちらかの信号のみを採用するように、カーソルの操作モードを設けることによってユーザのリモートコントローラ2による操作ミスの可能性を低減することができる。また、リモートコントローラ上でタッチパッド22と十字キー23が近接して設けられている場合であっても同様の操作ミスが起こりうる。
【0067】
次に十時キー操作モードにおける入力される十字キー操作信号と十字キーカーソル61の移動量との関係を説明する。
【0068】
図7は本実施形態におけるに十時キー操作モード時の、受信する十字キー操作信号と十字キーカーソル61の移動量の関係の一例を示す概念図である。
【0069】
リモートコントローラ2のリモコン制御部24は、設けられた各種キーからの検知信号を受信し、この検知信号に基づいて各種操作信号を発信部25を介して発信する。
【0070】
タッチパネル22の表面が指によってなぞられたとき、タッチパネル22はタッチパネル22表面上の接触された位置の座標情報をリモコン制御部24に入力する。リモコン制御部24は所定時間毎の座標の変化量を検知し、この変化量をカーソルの移動を操作するためのタッチパッド操作信号として発信部25を介して外部に発信する。
【0071】
十字キー23が押下されたとき、十字キー23はどの方向のキーが押下されたかを示す検知信号をリモコン制御部24に入力する。リモコン制御部24は、十字キーが押下されている間は押下された十字キー23の方向の情報をカーソルの移動を操作するための十字キー操作信号として発信部25を介して外部に発信する。リモコン制御部24はこれらの操作信号を100m秒毎に発信する。
【0072】
本実施形態においてはリモートコントローラ2が送信する十字キー操作信号には3種類存在し、DTV1は受信する十字キー操作信号の種類に応じてカーソルの表示上での移動距離を制御する。この3種類の十字キー操作信号とは単発信号、長押し信号、及び長押しの最終信号である。以下にこれらの信号に関する説明を行う。
【0073】
単発信号はリモートコントローラ2において十字キー23が長押しではなく(所定時間以下)押下されたとき、発信する信号である。この信号には十字キー23のうちの上下左右のどのキーが押下されているかという情報が含まれている。
【0074】
長押し信号とは十字キー23が所定時間以上継続して押下されているときに発信される信号である。この長押し信号には十字キー23の上下左右の内どの信号が押下されているかという情報に加えて、この押下が所定時間以上継続されたものであるという長押しの情報が含まれる。この長押し信号は上述のように100m秒毎に発信される。
【0075】
長押しの最終信号とは十字キー23に対する長押しがやめられたとき、最後に送信する信号である。この長押しの最終信号には十字キー23の上下左右の内どの信号が押下されているかという情報に加えて、この信号が長押しの最後の信号であるということを示す情報が付加されている。
【0076】
リモコン制御部24は十字キー23の検知信号の連続して入力される時間に応じてこのような3種類の操作信号を発信する。十字キー23がリモコン制御部24に入力する検知信号は方向しか示しておらず、カーソルの移動量に関する情報は何も含まない。そこで本実施形態に於いては、ユーザの十字キー23の押下時間に応じて、リモートコントローラ2は3種類の操作信号を発信するようにし、この信号の種類に基づいてカーソルの移動量を制御するように構成する。
【0077】
これらの操作信号を受信したDTV1は、移動制御モジュール35によってそれぞれの信号に応じて十時キーカーソル61の移動量を制御する。例えば図7のように単発信号を受信したときには、移動制御モジュール35は十字キーカーソル61を十字キー23の押下された方向に向けて10画素移動させる。また、長押し信号を3回まで受信したときには、移動制御モジュール35はそれぞれ一回の信号受信に対して十字キーカーソル61を20画素ずつ移動させる。また長押し信号を4回以上連続して受信するときは、移動制御モジュール35は一回の信号受信に対して十字キーカーソル61を40画素ずつ移動させる。また、更に長押しの最終信号を受信したときには、移動制御モジュール35は十字キーカーソル61を操作指示された方向に向けて10画素のみ移動させる。
【0078】
このように構成しておくことで、ユーザは十字キーカーソル61を表示部120上で長い距離移動させようと思う場合には十字キー23を長押しすることで、十字キーカーソル61の移動量を大きくすることができ、ユーザの利便性が向上する。
【0079】
また、リモートコントローラ2およびDTV1の処理速度の関係で、ユーザがリモートコントローラ2の十字キー23を押下してからDTV1の十字キーカーソル61の移動を行うまでの反応速度が遅い場合が考えられる。この場合、ユーザはリモートコントローラ2を長押ししておいて、カーソルを止めたい場所付近になって指を離したとしても、反応速度が遅いためカーソルが止まる場所が目的の場所(カーソルを止めたい場所)を超えてしまう場合が考えられる。本実施形態では長押し最終信号受信に対する十字キーカーソル61の移動量を小さく設定することによって、上述のような長押しによるカーソルの進みすぎの防止を図ることができる。
【0080】
このように移動制御モジュール35は上述のように受信する信号によって十字キーカーソル61の移動量を制御する。この十字キーカーソル61の表示部120上での移動の様子について次に説明する。
【0081】
図8は本実施形態における十字キーカーソル61の移動量の一例を示す図である。
【0082】
図8ではリモートコントローラ2の十字キー23がある一定の時間長押しされた場合の十字キーカーソル61の移動量が示されている。図8において十字キーカーソル61は図7に示される対応に基づいて移動している。
【0083】
このとき、移動制御モジュール35は右向きの十字キー23の十字キー操作信号を受信しており、受信した信号は最初に単発信号、次に4回連続して長押し信号、そして最後に長押し最終信号となっている。最初の単発信号の受信により移動制御モジュール35はカーソル表示モジュール36に対して10画素右に十字キーカーソル61を移動させるように指示する。次に移動制御モジュール35は長押し信号に基づいて3回分20画素移動させるようにカーソル表示モジュール36に対して指示を行う。また、移動制御モジュール35は4回連続して長押し信号を受信しているため、次には40画素十字キーカーソル61を移動させるようにカーソル表示モジュール36に対して指示を行う。最後に、長押し最終信号を受信するため、移動制御モジュール35はカーソル表示モジュール36に対して10画素右に十字キーカーソル61を移動させるように指示する。カーソル表示モジュール36はこれに基づいて十字キーカーソル61を移動させて表示する。
【0084】
上述のように、ブラウザ33は倍率設定表示56によってユーザが行った操作入力に基づいて、ページ51の表示倍率を変更して、拡大/縮小を行うことが可能である。このページ51の拡大を行った場合の十字キーカーソル61の移動量について次に説明する。
【0085】
図9は本実施形態におけるページ51の表示倍率を変更した場合の十字キーカーソル61の移動量の一例を示す図である。
【0086】
図9Aには表示倍率100%のときに、十字キー23を時間tの間押下したときの十字キーカーソル61の移動の様子(移動量)が示されており、図9Bには表示倍率200%のときに、十字キー23を図9Aで押下した時間と同じ時間tの間押下したときの十字キーカーソル61の移動の様子(移動量)が示されている。
【0087】
ユーザは倍率設定表示56を用いてページ51の表示倍率を設定することができ、図9Aではスライダ58が100%の表示の上に位置するように操作されており、図9Bではスライダ58が200%の表示の上に位置するように操作されている。これによって、図9Aのページ51はページ提供者の提供したサイズである表示倍率100%に設定されており、図9Bのページ51はページ提供者の提供したサイズの倍の表示サイズとなる表示倍率200%に設定されている。すなわち図9Bのページ51は(ページ51に記述されたリンク55も)、図9Aのページ51に対して2倍の倍率(拡大率)で表示されている(2倍に拡大されている。)
図9Aの場合も図9Bの場合も同じ時間tだけ十字キー23を押下しているが、図9Bに示される十字キーカーソル61は、図9Aに示される十字キーカーソル61の倍の距離移動している。このように本実施形態において、移動制御モジュール35はブラウザ33の画像の表示倍率に応じて十字キーカーソル61の移動量を制御する。すなわち、ブラウザ33のページ51を表示する表示倍率が大きいときは十字キーカーソル61の移動量を大きくし、表示倍率が小さいときは十字キーカーソル61の移動量を小さくする。
【0088】
例えば表示倍率を拡大したとしても十字キーカーソル61の移動量を変化させない場合には、ページ51の全体のサイズに対する相対的な十字キーカーソル61の移動量が小さくなってしまい、ユーザはページ51上で十字キーカーソル52を同じ距離移動させるのに多くの時間を必要とする。そこで、画面の表示倍率が大きくなったときにカーソルの移動量を大きくすると、この移動時間を短縮することができる。
【0089】
また、表示倍率を縮小したとしても十字キーカーソル61の移動量を変化させない場合には、ページ51の全体のサイズに対する相対的な十字キーカーソル61の移動量が大きくなってしまい、ユーザは目的の場所を行き過ぎてしまうことが多く、使い勝手が悪い。そこで、画面の表示倍率が小さくなったときにカーソルの移動量を小さくすると、このカーソルの行きすぎの可能性を低減でき、ユーザにとって十字キーカーソル61は使い易くなる。
【0090】
また更に、本実施形態において移動制御モジュール35は、画面の表示倍率が変更されると、十字キーカーソル61の移動量がその画面の拡大率と等倍の移動量となるように制御する。例えば図9のように表示倍率が100%から200%に変更された場合には拡大率が2倍となっているので、十字キーカーソル61の移動量を表示倍率100%のときの2倍の移動量とする。また例えば、ブラウザ33がページ51の表示倍率を100%から50%へと変更したときは、表示倍率が半分となっているため(拡大率が2分の1となっているため)十字キーカーソル61の移動量を表示倍率100%の半分の(2分の1の)移動量となるように制御する。このように移動制御モジュール35は表示画面が拡大/縮小されると、このとき変化する表示倍率に応じてカーソルの移動量を変化させる。これにより、ユーザは画面の表示倍率が変更されても、変更前と同様の距離感覚でカーソルを操作することが可能となる。
【0091】
移動制御モジュール35はブラウザ33より表示倍率の変更情報を受信すると、図7に示される対応のうちカーソルの移動量を変化させる。例えば、2倍の拡大率で拡大された場合には、単発信号のとき20画素、長押し信号3回まで40画素、長押し信号4回以降で80画素、長押しの最終信号で20画素等のように移動量を制御する。この移動量は拡大率の通知がされたときに随時移動制御モジュール35が算出するようにしてもよいし、移動量と拡大率を対応付けたテーブルを有しているとしてもよい。
【0092】
また、本実施形態では十字キーカーソル61のサイズはブラウザ33の表示倍率に応じて変更させていないが、これも移動量と同様に拡大率に応じてサイズを変更するようにしてもよい。このときブラウザ33は表示倍率の変更をカーソル表示モジュール36にも通知し、カーソル表示モジュール36はブラウザ33の表示の拡大率と同倍となるように十字キーカーソル61を拡大/縮小して描画する。これによりユーザは十字キーカーソル61も含めた画面全体が拡大/縮小しているように感じる。
【0093】
以下では、DTV1の行う処理についての説明を行う。
【0094】
図10は本実施形態におけるDTV1のブラウザ画面の表示倍率変更処理およびカーソル移動量設定処理の一例を示すフロー図である。
【0095】
先ずブラウザ33が起動される(ステップS101)。このときブラウザ33の起動と共にカーソル制御モジュール32が起動される。
【0096】
次に、ブラウザ33がシャットダウン指示(ブラウザ33の実行終了指示)を受信したか否かの判別を行う(ステップS102)。ステップS102においてブラウザ33へのシャットダウンが指示されていない場合(ステップS102、No)、ブラウザ33はユーザからページ51の拡大/縮小の指示があるか否かの判別を行う(ステップS103)。
【0097】
ユーザからページ51の拡大/縮小の指示(表示倍率の変更指示)がなされないとき(ステップS103、No)、処理フローはステップS102に戻る。
【0098】
ユーザからページ51の拡大/縮小の指示(表示倍率の変更指示)がなされたとき(ステップS103、Yes)、ブラウザ33はページ51の拡大/縮小処理(表示倍率の変更処理)を行う(ステップS104)。これと共にブラウザ33は移動制御モジュール35に対して、このときの拡大/縮小率を通知する。
【0099】
移動制御モジュール35はこの拡大/縮小率の通知を受けて、十字キーカーソル61の移動量の設定処理を行う(ステップS105)。ここでの移動量設定処理とは、図9を用いて上述したように表示の拡大率に応じて受信する十字キー操作信号に対するカーソルの移動量を設定するであり、図7に示す対応関係のうちの移動量を変更する。
【0100】
ステップS105の処理が終了すると、処理フローはステップS102に戻る。
【0101】
ステップS102において、ブラウザ33がシャットダウン指示を受信すると(ステップS102、Yes)、ブラウザ33はシャットダウンを行い、共にカーソル制御モジュール32もシャットダウンして一連の処理フローは終了となる。
【0102】
次にカーソルの表示・移動処理フローについての説明を行う。
【0103】
図11は本実施形態におけるDTV1のカーソル表示・移動処理の一例を示すフロー図である。
【0104】
先ずブラウザ33が起動される(ステップS1101)。このときブラウザ33の起動と共にカーソル制御モジュール32が起動される。
【0105】
次にカーソル設定モジュール34が自身の有する前回起動時のカーソルの操作モード情報に基づいて、カーソルの操作モードを設定する。
【0106】
操作モードが十字キー操作モードであるときは(ステップS1102、Yes)、カーソル設定モジュール34は、カーソルの設定モードが十字キー操作モードであるという情報を移動制御モジュール35及びカーソル表示モジュール36に対して出力し、これに基づいてカーソル表示モジュール36は十字キーカーソル61を描画して表示させる(ステップS1103)。
【0107】
操作モードが十字キー操作モードでないとき(ステップS1102、No)、つまりタッチパッド操作モードであるときは、カーソル設定モジュール34は、カーソルの設定モードがタッチパッド操作モードであるという情報を移動制御モジュール35及びカーソル表示モジュール36に対して出力し、これに基づいてカーソル表示モジュール36はタッチパッドカーソル52を描画して表示させる(ステップS1104)。
【0108】
ステップS1103又はステップS1104が終了すると、カーソル設定モジュール34はユーザからのカーソル操作モードの変更指示を受信するか否かを判別する(ステップS1105)。
【0109】
ユーザからカーソル操作モードの変更を指示されたとき(ステップS1105、Yes)、処理フローはステップS1102に戻る。
【0110】
カーソル操作モードの変更指示を受信していないとき(ステップS1105、No)、ブラウザ33は自身のシャットダウン指示(終了指示)を受信したか否かの判別を行う(ステップS1106)。
【0111】
ブラウザ33がシャットダウン指示を受信していないとき(ステップS1106、No)、移動制御モジュール35はリモートコントローラ2よりタッチパッド操作信号又は十字キー操作信号を受信したか否かの判別を行う(ステップS1107)。
【0112】
ステップS1107において、移動制御モジュール35がリモートコントローラ2よりタッチパッド操作信号又はカーソル操作信号を受信したとき(ステップS1107、Yes)、移動制御モジュール35はこのときカーソル操作モードが十字キー操作モードに設定されているか否かの判別を行う(ステップS1108)。
【0113】
ステップS1108において、十字キー操作モードに設定されているとき(ステップS1108、Yes)、移動制御モジュール35は移動量設定及び、十字キー操作信号に基づいてカーソルの移動量を決定し、この移動量(移動方向を含む)の情報をカーソル表示部36に送信する。これに基づいてカーソル表示部36は受信した移動量分移動させて十字キーカーソル61を描画、表示する(ステップS1109)。
【0114】
また、ステップS1108において十字キー操作モードに設定されていないとき(ステップS1108、No)、すなわちタッチパッド操作モードに設定されているとき、移動制御モジュール35はタッチパッド操作信号に基づいてタッチパッドカーソル52の移動量を決定する。移動制御モジュール35はこの移動量に基づいてタッチパッドカーソル52を移動させて描画、表示する(ステップS1110)。
【0115】
ステップS1107においてタッチパッド操作信号又はカーソル操作信号を受信しないとき(ステップS1107、No)、ステップS1109終了後、又はステップS1110の終了後には処理フローはステップS1105に戻る。
【0116】
ステップS1106において、ブラウザ33がシャットダウン指示を受信するとき(ステップS1106、Yes)、ブラウザ33はシャットダウンを行い、共にカーソル制御モジュール32もシャットダウンして、以上で一連の処理フローは終了となる。
【0117】
本実施形態では、十字キー23からの十字キー操作信号およびブラウザ33の拡大/縮小情報に応じて十字キーカーソル61の移動量を制御する。リモートコントローラ2の十字キー23はタッチパネル22のようなポインティングデバイスとは異なり、ユーザは一回の操作で方向に関する情報しか入力することができず、移動量に関する情報は入力できない。そのため、十字キー23でカーソル等を移動させようと考えるとき、移動量に関する情報をユーザが入力できるとよい。そこで本実施形態における画像表示システム3では、十字キーの押下時間に基づいてカーソルの移動量を制御するように構成している。しかし、このように構成したとしても短い時間の間に移動量を変更させることはできない。そこで特に大きくカーソルの移動量を変化させたい画面の拡大/縮小時に、この拡大率に応じてカーソルの移動量を制御することで、短い時間であっても移動量を変更させることができる本実施形態の構成は、十字キーのような方向のみの情報を最初に出力する入力装置を用いてカーソルを操作する場合には、特に有用となる。
【0118】
本実施形態においては、ブラウザの表示倍率に応じたカーソル移動量の変更を十字キー操作信号に対して適用した場合を例示したが、これに限定されず、タッチパッド操作信号に対して移動量の変更を行ってもよい。
【0119】
本実施形態のDTV1によれば、画面の表示倍率が変更された場合にも、ユーザはカーソル操作が行い易い。
【0120】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具現化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0121】
1…DTV、2…リモートコントローラ、3…画像表示システム、110…スピーカ、120…表示部、100…信号処理部、116…操作部、118…受信部、119…メモリカード、131…LAN端子、133…USB端子、137…ライン入力端子、143…アンテナ、144…入力端子、145…チューナ、146…PSK復調器、147…TS復号器、148…アンテナ、149…入力端子、150…チューナ、151…OFDM復調器、152…グラフィック処理部、153…音声処理部、154…OSD信号生成部、155…映像処理部、156…制御部、157…ROM、158…RAM、160…カードI/F、161…カードホルダ、164…LAN I/F、166…USB I/F、168…アナログチューナ、169…アナログ復調器、170…HDD、21…キー、22…タッチパッド、23…十字キー、24…リモコン制御部、25…発信部、31…OS、32…カーソル制御モジュール、33…ブラウザ、34…カーソル設定モジュール、35…移動制御モジュール、36…カーソル表示モジュール、51…ページ、52…タッチパッドカーソル、53…ページタブ、54…ページアドレス、55…リンク、56…倍率設定表示、57…バー、58…スライダ、59…倍率設定呼び出し表示、61…十字キーカーソル
【技術分野】
【0001】
本発明は電子機器、画像表示システム、及び画像表示方法に関するものであって、特に画面の表示倍率が変更されたときに、カーソルをユーザが操作しやすい電子機器、画像表示システム、及び画像表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の技術発達によって電子機器のシームレス化が進み、例えばテレビのような電子機器においてブラウザ等を搭載している機器が提供されるようになった。このような電子機器では、ブラウザ起動時にカーソルを表示し、このカーソルを用いてユーザが操作入力を行う場合がある。
【0003】
例えばテレビのような電子機器では、リモートコントローラのような外部操作入力装置にはタッチパッド等のポインティングデバイスを搭載していない場合も存在するため、十字キー等のキーによってカーソルの操作を行う場合がある。
【0004】
この一例として、十字キーを用いてマウスカーソルを移動させるWebブラウザ用リモコンの技術がある(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−209495号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述のような電子機器は画面の表示倍率を変更する機能を備えている場合がある。この機能により電子機器が画面の表示を拡大/縮小するとき、カーソルの移動量が拡大/縮小前と同様であるなら、例えば拡大された場合には拡大前の所定距離を移動するためにより多くカーソルを移動させなければならない。また、例えば縮小された場合には一度に動いてしまうカーソルの移動量が大きいためカーソルを細かいポイントに合わせづらい。このような電子機器が表示倍率の変更機能を有する場合のカーソル移動に関する課題は、上記の文献記載の技術では考慮されておらず、未解決のままであった。
【0007】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、画面の表示倍率が変更されたときであってもカーソルをユーザが操作しやすい電子機器、画像表示システム、および画像表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決するために、実施形態の電子機器は、ページ領域および該ページ領域以外の画像領域を含む画像と、該画像上を移動可能なカーソルとを表示装置に表示させる表示制御部と、前記画像のうち前記ページ領域の表示倍率を設定する表示倍率設定部と、 前記カーソルの移動信号を受信する受信部と、を備え、前記表示制御部は、前記表示倍率設定部が前記ページ領域の表示倍率を第1の表示倍率に設定している場合、前記移動信号に応じて前記カーソルを第1の画素数分移動させ、前記表示倍率設定部が前記ページ領域の表示倍率を前記第1の表示倍率より大きい第2の表示倍率に設定している場合、前記移動信号に応じて前記カーソルを前記第1の画素数より多い第2の画素数分移動させて、前記表示装置に表示させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、画面の表示倍率が変更されたときであっても、カーソルをユーザが操作しやすい電子機器、画像表示システム、および画像表示方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態における画像表示システムの一例を示す概観図。
【図2】本発明の一実施形態におけるリモートコントローラの一例を示す外観図。
【図3】本発明の一実施形態におけるDTV及びリモートコントローラの内部構成の一例を示すブロック図。
【図4】本発明の一実施形態におけるDTVの一部の機能構成であって、カーソル制御に関連する機能ブロックの一例を示すブロック図。
【図5】本発明の一実施形態におけるタッチパッド操作モードでの表示部の表示の一例を示す概観図。
【図6】本発明の一実施形態における十字キー操作モードでの表示部の表示の一例を示す概観図。
【図7】本発明の一実施形態におけるに十時キー操作モード時の受信する十字キー操作信号と十字キーカーソルの移動量の関係の一例を示す概念図。
【図8】本発明の一実施形態における十字キーカーソルの移動量の一例を示す図。
【図9】本発明の一実施形態におけるページの表示倍率を変更した場合の十字キーカーソルの移動量の一例を示す図。
【図10】本発明の一実施形態におけるDTVのブラウザ画面の表示倍率変更処理およびカーソル移動量設定処理の一例を示すフロー図。
【図11】本発明の一実施形態におけるDTVのカーソル表示・移動処理の一例を示すフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明を行う。
【0012】
図1は本実施形態における画像表示システム3の一例を示す概観図である。図1には、DTV1、リモートコントローラ2、及び画像表示システム3が示されている。
【0013】
DTV1は本実施形態における電子機器の一例としてのデジタルテレビジョン(Digital Television)であり、受信した放送波の放送信号から映像・音声情報を抽出し、これらを出力する機能を有している。またDTV1は、例えばインターネットのような大規模ネットワーク網(WAN::Wide Area Network)と接続されており、この大規模ネットワークに接続されている他の機器と通信可能となっている。本発明における電子機器の一例としてここではDTV1を示すが、これに限定されるものではない。電子機器の他の例示としては、STB(Set Top Box)、HDDレコーダ(Hard Disk Drive)およびDVD(Digital Versatile Disc)レコーダ、またはPC(Personal Computer)のような様々な機器が考えられる。
【0014】
リモートコントローラ2は複数の操作スイッチ(キー)を有しており、この操作スイッチが押下されると、これに応じてDTV1の操作を行うための信号を送信する機能を有している。信号の形式は、例えば、RF(Radio Frequency)信号やIR(Infrared)信号を用いるのが一般的であるが、本発明では有線、無線の区別を問わない。
【0015】
画像表示システム3はDTV1とリモートコントローラ2より構成されており、ユーザはリモートコントローラ2を用いてDTV1を操作して所定の処理を行わせ、画像を表示させることができる。
【0016】
次にリモートコントローラ2の詳細な構造を説明する。
【0017】
図2は本実施形態におけるリモートコントローラ2の一例を示す外観図である。
【0018】
リモートコントローラ2はDTV1の各種機能を操作するための複数のキー(スイッチ)を有している。本実施形態において、この複数のキーはキー21、タッチパッド22、および十字キー23によって構成されている。
【0019】
キー21はDTV1の各種機能を実行するために設けられたキーであって、リモートコントローラ2はそれぞれのキーへのユーザの押下操作に応じて異なる操作信号を発信する。キー21にはDTV1の電源投入と遮断とを切り替える電源キーと、表示する映像情報のソースを切り替える入力切替キー、ゲーム、地デジ、BS又はCSを選択するキーを備えた入力切替キー群と、チャンネルの選択や文字の入力等を行うチャンネル文字キー群、チャンネルの切り替えを行うチャンネル切替キーと、画面の表示形式を選択する画面表示キー、音量を調整する音量調整キー、各種DTV1の機能を実現させるための色が割り当てられたカラーキー等の様々なキーが含まれている。また、DTV1に表示されたカーソルの所定の位置での選択操作を行うための決定キーもこれに含まれる。本実施形態の説明においては便宜上これらのキーを一纏めのキー21として説明し、タッチパッド22及び十字キー23をこのキー21とは分けて説明する。
【0020】
タッチパッド22は、例えばユーザの指等によるタッチパッド22表面への接触を静電容量の変化で検知し、この検知点を示す検知信号を出力する機能を有している。このタッチパッド22の表面を指でなぞることによって、ユーザはDTV1に表示されたカーソルの操作を行うことが可能である。
【0021】
十字キー23は、リモートコントローラ2内部の、タッチパッド22の裏面に対向に位置に設けられており、ユーザに押下されたタッチパッド22の裏面が接触することで、この押圧を検知して検知信号を出力する。十字キー23は図2中のポイントAのリモートコントローラ2内部に当たる位置に上下左右が割り当てられて4つ設けられている。この4つのスイッチから構成される十字キー23は、それぞれの上下左右の方向を示す信号を出力する。
【0022】
本実施形態において、リモートコントローラ2はタッチパッド22と十字キー23とが一体として設けられている(タッチパッド22が十字キー23と兼用されている)。十字キー23が押下される際にはユーザの指はタッチパッド22に接触しており、このときにはタッチパッド22と十字キー23はそれぞれ検知信号を出力することとなる。
【0023】
本実施形態におけるリモートコントローラ2ではタッチパッド22と十字キー23とが外部から見て同じ位置に設けられているように例示したがこれに限定されず、異なった位置に独立してそれぞれが設けられていてもよい。
【0024】
次に画像表示システム3のDTV1及びリモートコントローラ2の内部構成について説明する。
【0025】
図3は本実施形態におけるDTV1及びリモートコントローラ2の内部構成の一例を示すブロック図である。
【0026】
先ずDTV1に関する説明を行う。
【0027】
DTV1は、装置各部の動作を制御する制御部156を備えている。制御部156は、CPU(Central Processing Unit)等を内蔵している。制御部156は、操作部116から入力される操作信号や、リモートコントローラ2から送信され受信部118を介して受信される操作信号に応じて、ROM(Read Only Memory)157に予め記憶されたシステム制御プログラム及び各種処理プログラムを起動させる。制御部156は、起動したプログラムに従って、RAM(Random Access Memory)158をワークメモリとして装置各部の動作を制御する。
【0028】
入力端子144は、BS/CSデジタル放送受信用のアンテナ143が受信した衛星デジタルテレビジョン放送信号を衛星デジタル放送用のチューナ145に供給する。チューナ145は、受信したデジタル放送信号のチューニングを行い、チューニングしたデジタル放送信号をPSK(Phase Shift Keying)復調器146に送信する。PSK復調器146は、TS(Transport Stream)の復調を行い、復調したTSをTS復号器147aに供給し、TS復号器147aは、TSをデジタル映像信信号、デジタル音声信号、およびデータ信号を含むデジタル信号に復号した後、信号処理部100にこれを出力する。ここでのデジタル映像信号とはDTV1が出力可能な映像に関するデジタル信号であり、音声信号はDTV1が出力可能な音声に関するデジタル信号である。またデータ信号とは、例えばDTV1が電子番組表であるEPG(Electronic Program Guide)を生成するときに使用する情報である番組関連情報等を含む、放送波の放送番組に関する情報に関するデジタル信号である。
【0029】
入力端子149は、地上波デジタル放送受信用のアンテナ148が受信した地上波デジタルテレビジョン放送信号を地上波デジタル放送用のチューナ150に供給する。チューナ150は、受信したデジタル放送信号のチューニングを行い、チューニングしたデジタル放送信号をそれぞれのOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)復調器151に送信する。OFDM復調器151は、TSの復調を行い、復調したTSをそれぞれのTS復号器147bに供給し、TS復号器147bは、TSをデジタル映像信号及び音声信号等に復号した後、信号処理部100にこれを出力する。チューナ150の11個それぞれのチューナで取得した地上波デジタルテレビジョン放送は、これらの複数個のOFDM復調器151、TS復号器147bによってそれぞれ同時にデジタル映像信号、音デジタル音声信号、及びデータ信号を含むデジタル信号として復号された後に、信号処理部100に出力されることが可能である。
【0030】
アンテナ148は、地上波アナログ放送信号も受信可能である。受信された地上波アナログ放送信号は、図示しない分配器によって分配されて、アナログチューナ168に供給される。アナログチューナ168は、受信したアナログ放送信号のチューニングを行い、チューニングしたアナログ放送信号をアナログ復調器169に送信する。アナログ復調器169はアナログ放送信号の復調を行い、復調したアナログ放送信号を信号処理部100に出力する。また、DTV1は、一例として、アンテナ148が接続される入力端子149にCATV(Common Antenna Television)用のチューナを接続することによってCATVも視聴することができる。
【0031】
信号処理部100は、TS復号器147a、147b、または制御部156から出力されたデジタル信号に、適切な信号処理を施す。より具体的には、信号処理部100はデジタル信号を映像信号、デジタル音声信号、およびデータ信号に分離する。分離された映像信号はグラフィック処理部152に、音声信号は音声処理部153に出力される。また信号処理部100は、アナログ復調器169から出力された放送信号を、所定のデジタルフォーマットの映像信号及び音声信号に変換する。デジタルに変換された映像信号はグラフィック処理部152に、音声信号は音声処理部153に出力される。また信号処理部100は、ライン入力端子137からの入力信号にも所定のデジタル信号処理を施す。
【0032】
OSD(On Screen Display)信号生成部154は、制御部156の制御に従って、UI(ユーザ・インタフェース)画面などを表示するためのOSD信号を生成する。また信号処理部100においてデジタル放送信号から分離されたデータ信号は、OSD信号生成部154により適切なフォーマットのOSD信号に変換され、グラフィック処理部152に出力される。
【0033】
グラフィック処理部152は、信号処理部100から出力されるデジタルの映像信号のデコード処理を行う。デコードされた映像信号は、OSD信号生成部154から出力されたOSD信号と重ね合わせて合成され、映像処理部155に出力される。グラフィック処理部152は、デコードされた映像信号またはOSD信号を、映像処理部155に選択的に出力することもできる。
【0034】
映像処理部155は、グラフィック処理部152から出力された信号を、表示部120で表示可能なフォーマットのアナログ映像信号に変換する。アナログに変換された映像信号は、表示部120に表示される。
【0035】
音声処理部153は、入力された音声信号を、スピーカ110で再生可能なフォーマットのアナログ音声信号に変換する。アナログに変換された音声信号は、スピーカ110に出力されて再生される。
【0036】
カードホルダ161は、カードI/F(Interface)160を介して制御部156に接続されている。メモリカード119は、このカードI/F160に装着可能である。メモリカード119は、例えばSD(Secure Digital)メモリカード、MMC(Multimedia Card)及びCF(Compact Flash)カード等の記憶媒体である。カードホルダ161に装着されたメモリカード119、及び制御部156は、カードI/F160を介して情報の書込み/読み出しを行うことができる。
【0037】
LAN端子131は、LANI/F164を介して制御部156に接続されている。LAN端子131は、イーサネット(登録商標)を用いた一般的なLAN対応ポートとして使用される。本実施形態においてLAN端子131にはLANケーブル(図示しない)が接続されており、インターネットと通信可能となっている。
【0038】
USB(Universal Serial Bus)端子133は、USB I/F166を介して制御部156に接続されている。USB端子133は、一般的なUSB対応ポートとして使用される。USB端子133には、例えばハブを介して、携帯電話、デジタルカメラ、各種メモリカードに対するカードリーダ/ライタ、HDD、キーボード等が接続される。制御部156は、USB端子133を介して接続される機器との間で、情報の通信(送受信)を行うことができる。
【0039】
HDD170はDTV1に内蔵される磁気記憶媒体(Hard Disk Drive)であってDTV1が有する各種情報を記憶する機能を有している。
【0040】
次にリモートコントローラ2に関する説明を行う。
【0041】
キー21、タッチパッド22、及び十字キー23より出力される検知信号は、リモコン制御部24に入力される。リモコン制御部24は入力された信号に基づいて、DTV1を操作するための操作信号を生成し、送信部25によって外部に送信させる。この送信された操作信号を受信部118が受信するとDTV1はこの操作信号に応じた所定の処理を実行する。
【0042】
本実施形態においては、キー21の押下によってリモートコントローラ2から送信される信号をキー操作信号、タッチパッド22をなぞることによって送信される信号をタッチパッド操作信号、十字キー23を押下することによって送信される信号を十字キー操作信号と呼ぶこととする。
【0043】
次に、DTV1の制御部156に関しての説明を詳細に行う。
【0044】
図4は本実施形態におけるDTV1の一部の機能構成であって、カーソル制御に関連する機能ブロックの一例を示すブロック図である。図4には制御部156、受信部156、OS31、カーソル制御モジュール32、ブラウザ33、カーソル設定モジュール34、移動制御モジュール35、およびカーソル表示モジュール36が示されている。
【0045】
OS31は、受信部118や操作部116からの入力や表示部120への出力といった入出力機能やHDD180やRAM158の管理など、多くのアプリケーションソフトから共通して利用される基本的な機能を提供し、コンピュータシステム全体を管理するソフトウェア(Operating System)である。OS31はリモートコントローラ2から受信する所定の操作信号をカーソル設定モジュール34、移動制御モジュール35およびブラウザ33に送信する機能を有している。
【0046】
カーソル制御モジュール32はDTV1の表示部120にカーソルを表示させる機能を有している。ユーザはリモートコントローラ2を操作することにより、結果的にカーソル制御モジュール32によって表示部120に表示されるカーソルを操作することとなり、DTV1に各種の操作指示を行うことができる。
【0047】
ブラウザ33はインターネットを介して取得したページを表示部120に表示する機能を有している。またブラウザ33はページの表示倍率を操作し、表示するページ(画像)の拡大縮小を行うことができる。ブラウザ33はこの表示倍率の情報を移動制御モジュール35に送信する。
【0048】
カーソル設定モジュール34は表示されるカーソルの操作モードを設定する機能を有している。本実施形態ではカーソルの操作モードとして、タッチパッド操作モードと十字キー操作モードとの2種類の操作モードとを定める。タッチパッド操作モードとは、リモートコントローラ2から受信する、タッチパッド22の操作によって送信されるタッチパッド操作信号に基づいてカーソルの移動を行うモードである。また十時キー操作モードとは十字キー23の操作によって送信される十字キー操作信号に基づいてカーソルの移動を行うモードである。ユーザはリモートコントローラ2を用いてこのカーソル操作モードを設定することができる。OS31から操作信号を受信して、カーソル操作モードが切り替えられると、カーソル設定モジュール34はこのカーソルの操作モードの情報を保持し、このモードの情報を移動制御モジュール35およびカーソル表示モジュール36に送信する。
【0049】
移動制御モジュール35はOS31から受信するタッチパッド操作信号および十字キー操作信号に基づいて表示されているカーソルの移動量を制御する機能を有している。移動制御モジュール35はカーソル設定モジュール34から受信するカーソル操作モードに基づいて受信する操作信号の取捨選択を行う。つまり、移動制御モジュール35は、タッチパッド操作モードであるときはタッチパッド操作信号に基づいてカーソルの移動量を決定し、十字キー操作信号を受信しても無視する。逆に、十字キー操作モードであるときは、十字キー操作信号に基づいてカーソルの移動量を決定し、タッチパッド操作信号を受信しても無視する。
【0050】
また、移動制御モジュール35はブラウザ33より、画像の表示倍率の情報を取得する。移動制御モジュール35は、このブラウザ33の表示倍率情報、受信する操作信号の種類、及び連続して同じ信号を受信した回数等に基づいてカーソルの移動量を制御する。このカーソル移動量の制御に関しては、図7乃至図9を用いて後述にて詳細に説明する。
【0051】
カーソル表示モジュール36は、カーソルを描画する機能を有している。また、カーソル表示モジュール36はカーソルの現在の位置情報を保持しており、DTV1はこのカーソルの位置情報及び描画されたカーソルの画像信号に基づいて表示部120にカーソルを表示する。
【0052】
カーソル表示モジュール36は、移動制御モジュール35から受信するカーソルの移動量情報に基づいてカーソルの表示位置を変更する。また、カーソルの操作モード(タッチパッド操作モードまたは十字キー操作モード)に応じて、表示するカーソルの画像を切り替える。さらに、カーソル表示モジュール36は、現在カーソルが存在する位置情報(カーソルの指す位置の表示面上での座標情報)をブラウザ33に出力する機能も有している。
【0053】
次に表示部120に表示されるカーソルに関して図5及び図6を用いて説明を行う。
【0054】
図5は本実施形態におけるタッチパッド操作モードでの表示部120の表示の一例を示す概観図である。図5には表示部120、ページ51、タッチパッドカーソル52、ページタブ53、ページURL54、リンク55、倍率設定表示56、バー57、スライダ58、および倍率設定呼び出し表示59が示されている。
【0055】
ページ51はDTV1がインターネットより取得したサイトのWebページであり、ブラウザ33によって描画され、表示されている。
【0056】
タッチパッドカーソル52はカーソル制御モジュール32によって描画され、表示されたカーソルである。このタッチパッドカーソル52はカーソル操作モードがタッチパッド操作モードであるときに表示されるカーソルであり、カーソル表示モジュール36によって描画される。
【0057】
ページタブ53には表示されているページ51のタイトルが示されている。
【0058】
ページURL54には表示されているページ51のURL(Uniform Resource Locator)が記述されている。
【0059】
リンク55は表示されているページ51に記述されており、ユーザはこのリンク55をカーソルを用いて選択することでリンク55で指定されているページにジャンプすることができる。
【0060】
倍率設定表示56はブラウザ33がこのページ51を表示するときの倍率を設定するための表示ウィンドウ(GUI)であり、ユーザはこの表示を参照しながらリモートコントローラ2を操作することで、ページ51を拡大/縮小することができる。倍率設定表示56にはバー57及びスライダ58が表示されており、ユーザはリモートコントローラ2を用いてスライダ58をバー57上で移動させることによってページ51の表示倍率を変更することができる。図5ではスライダ58がバー57の100%の上に位置しており、ページ51はページ提供者の提供したサイズで表示されている。リモートコントローラ2の十字キー(左)23スライダ58をバー57上で左に動かすと、ページ51は縮小され、十字キー(右)23によって右に動かすとページ51は拡大される。このように、スライダ58の移動はリモートコントローラ2の十字キー23によって操作することができ、ユーザは表示倍率を自由に選択することができる。
【0061】
倍率設定呼び出し表示59は倍率設定表示56を呼び出すためのリモートコントローラ2の操作方法を示す表示である。本実施形態においてはリモートコントローラ2のキー21のカラーキーうち黄色キーを押すことで倍率設定表示56が呼び出されることとなる。ユーザはページ51の倍率設定を行いたいとき(拡大/縮小を行いたいとき)は、黄色キーを押すことでこの倍率設定表示56を呼び出し、ページ51の表示倍率の設定を行うことができる。この表示倍率設定はブラウザ33の機能によって実現される。
【0062】
図6は本実施形態における十字キー操作モードでの表示部120の表示の一例を示す概観図である。図6には表示部120、ページ51、ページタブ53、ページURL54、リンク55、倍率設定呼び出し表示59、および十字キーカーソル61が示されている。図6では倍率設定表示56が表示されていないときの表示部120を示している。
【0063】
タッチパッド操作モードにおいては表示部120にタッチパッドカーソル52が示されるが、十字キー操作モードではタッチパッドカーソル52ではなく、十字キーカーソル61が表示される。この十字キーカーソル61は十字キー操作モードのとき、カーソル表示モジュール36によって描画されるカーソルである。
【0064】
カーソル操作モードはリモートコントローラ2の所定のキーによって設定を行うことが可能であり、ブラウザ33がページ51を表示している最中にもモードを切り替えることが可能である。このときは、カーソルも表示が切り替えられる。
【0065】
本実施形態においては、タッチパッド操作信号と十字キー操作信号との内、カーソルの移動にどちらの操作信号を採用するかが、カーソル操作モードによって設定される。図5及び図6のようにモードによってカーソルのデザインを変更することで、ユーザはタッチパッド22と十字キー23とのうち、どちらを用いて操作を行えばよいかを、表示を見るだけで直感的に判別することができる。
【0066】
更に本実施形態では、リモートコントローラ2にタッチパッド22と十字キー23とは一体として設けられている(タッチパッド22を押下することで十字キー23を操作できる)。このため、ユーザが十字キー23を押下して操作しようとした場合であってもタッチパッド22から検知信号が出力される可能性があり、またタッチパッド22を操作しようとした場合であっても十字キー23が押下されてしまう可能性がある。そこで、どちらかの信号のみを採用するように、カーソルの操作モードを設けることによってユーザのリモートコントローラ2による操作ミスの可能性を低減することができる。また、リモートコントローラ上でタッチパッド22と十字キー23が近接して設けられている場合であっても同様の操作ミスが起こりうる。
【0067】
次に十時キー操作モードにおける入力される十字キー操作信号と十字キーカーソル61の移動量との関係を説明する。
【0068】
図7は本実施形態におけるに十時キー操作モード時の、受信する十字キー操作信号と十字キーカーソル61の移動量の関係の一例を示す概念図である。
【0069】
リモートコントローラ2のリモコン制御部24は、設けられた各種キーからの検知信号を受信し、この検知信号に基づいて各種操作信号を発信部25を介して発信する。
【0070】
タッチパネル22の表面が指によってなぞられたとき、タッチパネル22はタッチパネル22表面上の接触された位置の座標情報をリモコン制御部24に入力する。リモコン制御部24は所定時間毎の座標の変化量を検知し、この変化量をカーソルの移動を操作するためのタッチパッド操作信号として発信部25を介して外部に発信する。
【0071】
十字キー23が押下されたとき、十字キー23はどの方向のキーが押下されたかを示す検知信号をリモコン制御部24に入力する。リモコン制御部24は、十字キーが押下されている間は押下された十字キー23の方向の情報をカーソルの移動を操作するための十字キー操作信号として発信部25を介して外部に発信する。リモコン制御部24はこれらの操作信号を100m秒毎に発信する。
【0072】
本実施形態においてはリモートコントローラ2が送信する十字キー操作信号には3種類存在し、DTV1は受信する十字キー操作信号の種類に応じてカーソルの表示上での移動距離を制御する。この3種類の十字キー操作信号とは単発信号、長押し信号、及び長押しの最終信号である。以下にこれらの信号に関する説明を行う。
【0073】
単発信号はリモートコントローラ2において十字キー23が長押しではなく(所定時間以下)押下されたとき、発信する信号である。この信号には十字キー23のうちの上下左右のどのキーが押下されているかという情報が含まれている。
【0074】
長押し信号とは十字キー23が所定時間以上継続して押下されているときに発信される信号である。この長押し信号には十字キー23の上下左右の内どの信号が押下されているかという情報に加えて、この押下が所定時間以上継続されたものであるという長押しの情報が含まれる。この長押し信号は上述のように100m秒毎に発信される。
【0075】
長押しの最終信号とは十字キー23に対する長押しがやめられたとき、最後に送信する信号である。この長押しの最終信号には十字キー23の上下左右の内どの信号が押下されているかという情報に加えて、この信号が長押しの最後の信号であるということを示す情報が付加されている。
【0076】
リモコン制御部24は十字キー23の検知信号の連続して入力される時間に応じてこのような3種類の操作信号を発信する。十字キー23がリモコン制御部24に入力する検知信号は方向しか示しておらず、カーソルの移動量に関する情報は何も含まない。そこで本実施形態に於いては、ユーザの十字キー23の押下時間に応じて、リモートコントローラ2は3種類の操作信号を発信するようにし、この信号の種類に基づいてカーソルの移動量を制御するように構成する。
【0077】
これらの操作信号を受信したDTV1は、移動制御モジュール35によってそれぞれの信号に応じて十時キーカーソル61の移動量を制御する。例えば図7のように単発信号を受信したときには、移動制御モジュール35は十字キーカーソル61を十字キー23の押下された方向に向けて10画素移動させる。また、長押し信号を3回まで受信したときには、移動制御モジュール35はそれぞれ一回の信号受信に対して十字キーカーソル61を20画素ずつ移動させる。また長押し信号を4回以上連続して受信するときは、移動制御モジュール35は一回の信号受信に対して十字キーカーソル61を40画素ずつ移動させる。また、更に長押しの最終信号を受信したときには、移動制御モジュール35は十字キーカーソル61を操作指示された方向に向けて10画素のみ移動させる。
【0078】
このように構成しておくことで、ユーザは十字キーカーソル61を表示部120上で長い距離移動させようと思う場合には十字キー23を長押しすることで、十字キーカーソル61の移動量を大きくすることができ、ユーザの利便性が向上する。
【0079】
また、リモートコントローラ2およびDTV1の処理速度の関係で、ユーザがリモートコントローラ2の十字キー23を押下してからDTV1の十字キーカーソル61の移動を行うまでの反応速度が遅い場合が考えられる。この場合、ユーザはリモートコントローラ2を長押ししておいて、カーソルを止めたい場所付近になって指を離したとしても、反応速度が遅いためカーソルが止まる場所が目的の場所(カーソルを止めたい場所)を超えてしまう場合が考えられる。本実施形態では長押し最終信号受信に対する十字キーカーソル61の移動量を小さく設定することによって、上述のような長押しによるカーソルの進みすぎの防止を図ることができる。
【0080】
このように移動制御モジュール35は上述のように受信する信号によって十字キーカーソル61の移動量を制御する。この十字キーカーソル61の表示部120上での移動の様子について次に説明する。
【0081】
図8は本実施形態における十字キーカーソル61の移動量の一例を示す図である。
【0082】
図8ではリモートコントローラ2の十字キー23がある一定の時間長押しされた場合の十字キーカーソル61の移動量が示されている。図8において十字キーカーソル61は図7に示される対応に基づいて移動している。
【0083】
このとき、移動制御モジュール35は右向きの十字キー23の十字キー操作信号を受信しており、受信した信号は最初に単発信号、次に4回連続して長押し信号、そして最後に長押し最終信号となっている。最初の単発信号の受信により移動制御モジュール35はカーソル表示モジュール36に対して10画素右に十字キーカーソル61を移動させるように指示する。次に移動制御モジュール35は長押し信号に基づいて3回分20画素移動させるようにカーソル表示モジュール36に対して指示を行う。また、移動制御モジュール35は4回連続して長押し信号を受信しているため、次には40画素十字キーカーソル61を移動させるようにカーソル表示モジュール36に対して指示を行う。最後に、長押し最終信号を受信するため、移動制御モジュール35はカーソル表示モジュール36に対して10画素右に十字キーカーソル61を移動させるように指示する。カーソル表示モジュール36はこれに基づいて十字キーカーソル61を移動させて表示する。
【0084】
上述のように、ブラウザ33は倍率設定表示56によってユーザが行った操作入力に基づいて、ページ51の表示倍率を変更して、拡大/縮小を行うことが可能である。このページ51の拡大を行った場合の十字キーカーソル61の移動量について次に説明する。
【0085】
図9は本実施形態におけるページ51の表示倍率を変更した場合の十字キーカーソル61の移動量の一例を示す図である。
【0086】
図9Aには表示倍率100%のときに、十字キー23を時間tの間押下したときの十字キーカーソル61の移動の様子(移動量)が示されており、図9Bには表示倍率200%のときに、十字キー23を図9Aで押下した時間と同じ時間tの間押下したときの十字キーカーソル61の移動の様子(移動量)が示されている。
【0087】
ユーザは倍率設定表示56を用いてページ51の表示倍率を設定することができ、図9Aではスライダ58が100%の表示の上に位置するように操作されており、図9Bではスライダ58が200%の表示の上に位置するように操作されている。これによって、図9Aのページ51はページ提供者の提供したサイズである表示倍率100%に設定されており、図9Bのページ51はページ提供者の提供したサイズの倍の表示サイズとなる表示倍率200%に設定されている。すなわち図9Bのページ51は(ページ51に記述されたリンク55も)、図9Aのページ51に対して2倍の倍率(拡大率)で表示されている(2倍に拡大されている。)
図9Aの場合も図9Bの場合も同じ時間tだけ十字キー23を押下しているが、図9Bに示される十字キーカーソル61は、図9Aに示される十字キーカーソル61の倍の距離移動している。このように本実施形態において、移動制御モジュール35はブラウザ33の画像の表示倍率に応じて十字キーカーソル61の移動量を制御する。すなわち、ブラウザ33のページ51を表示する表示倍率が大きいときは十字キーカーソル61の移動量を大きくし、表示倍率が小さいときは十字キーカーソル61の移動量を小さくする。
【0088】
例えば表示倍率を拡大したとしても十字キーカーソル61の移動量を変化させない場合には、ページ51の全体のサイズに対する相対的な十字キーカーソル61の移動量が小さくなってしまい、ユーザはページ51上で十字キーカーソル52を同じ距離移動させるのに多くの時間を必要とする。そこで、画面の表示倍率が大きくなったときにカーソルの移動量を大きくすると、この移動時間を短縮することができる。
【0089】
また、表示倍率を縮小したとしても十字キーカーソル61の移動量を変化させない場合には、ページ51の全体のサイズに対する相対的な十字キーカーソル61の移動量が大きくなってしまい、ユーザは目的の場所を行き過ぎてしまうことが多く、使い勝手が悪い。そこで、画面の表示倍率が小さくなったときにカーソルの移動量を小さくすると、このカーソルの行きすぎの可能性を低減でき、ユーザにとって十字キーカーソル61は使い易くなる。
【0090】
また更に、本実施形態において移動制御モジュール35は、画面の表示倍率が変更されると、十字キーカーソル61の移動量がその画面の拡大率と等倍の移動量となるように制御する。例えば図9のように表示倍率が100%から200%に変更された場合には拡大率が2倍となっているので、十字キーカーソル61の移動量を表示倍率100%のときの2倍の移動量とする。また例えば、ブラウザ33がページ51の表示倍率を100%から50%へと変更したときは、表示倍率が半分となっているため(拡大率が2分の1となっているため)十字キーカーソル61の移動量を表示倍率100%の半分の(2分の1の)移動量となるように制御する。このように移動制御モジュール35は表示画面が拡大/縮小されると、このとき変化する表示倍率に応じてカーソルの移動量を変化させる。これにより、ユーザは画面の表示倍率が変更されても、変更前と同様の距離感覚でカーソルを操作することが可能となる。
【0091】
移動制御モジュール35はブラウザ33より表示倍率の変更情報を受信すると、図7に示される対応のうちカーソルの移動量を変化させる。例えば、2倍の拡大率で拡大された場合には、単発信号のとき20画素、長押し信号3回まで40画素、長押し信号4回以降で80画素、長押しの最終信号で20画素等のように移動量を制御する。この移動量は拡大率の通知がされたときに随時移動制御モジュール35が算出するようにしてもよいし、移動量と拡大率を対応付けたテーブルを有しているとしてもよい。
【0092】
また、本実施形態では十字キーカーソル61のサイズはブラウザ33の表示倍率に応じて変更させていないが、これも移動量と同様に拡大率に応じてサイズを変更するようにしてもよい。このときブラウザ33は表示倍率の変更をカーソル表示モジュール36にも通知し、カーソル表示モジュール36はブラウザ33の表示の拡大率と同倍となるように十字キーカーソル61を拡大/縮小して描画する。これによりユーザは十字キーカーソル61も含めた画面全体が拡大/縮小しているように感じる。
【0093】
以下では、DTV1の行う処理についての説明を行う。
【0094】
図10は本実施形態におけるDTV1のブラウザ画面の表示倍率変更処理およびカーソル移動量設定処理の一例を示すフロー図である。
【0095】
先ずブラウザ33が起動される(ステップS101)。このときブラウザ33の起動と共にカーソル制御モジュール32が起動される。
【0096】
次に、ブラウザ33がシャットダウン指示(ブラウザ33の実行終了指示)を受信したか否かの判別を行う(ステップS102)。ステップS102においてブラウザ33へのシャットダウンが指示されていない場合(ステップS102、No)、ブラウザ33はユーザからページ51の拡大/縮小の指示があるか否かの判別を行う(ステップS103)。
【0097】
ユーザからページ51の拡大/縮小の指示(表示倍率の変更指示)がなされないとき(ステップS103、No)、処理フローはステップS102に戻る。
【0098】
ユーザからページ51の拡大/縮小の指示(表示倍率の変更指示)がなされたとき(ステップS103、Yes)、ブラウザ33はページ51の拡大/縮小処理(表示倍率の変更処理)を行う(ステップS104)。これと共にブラウザ33は移動制御モジュール35に対して、このときの拡大/縮小率を通知する。
【0099】
移動制御モジュール35はこの拡大/縮小率の通知を受けて、十字キーカーソル61の移動量の設定処理を行う(ステップS105)。ここでの移動量設定処理とは、図9を用いて上述したように表示の拡大率に応じて受信する十字キー操作信号に対するカーソルの移動量を設定するであり、図7に示す対応関係のうちの移動量を変更する。
【0100】
ステップS105の処理が終了すると、処理フローはステップS102に戻る。
【0101】
ステップS102において、ブラウザ33がシャットダウン指示を受信すると(ステップS102、Yes)、ブラウザ33はシャットダウンを行い、共にカーソル制御モジュール32もシャットダウンして一連の処理フローは終了となる。
【0102】
次にカーソルの表示・移動処理フローについての説明を行う。
【0103】
図11は本実施形態におけるDTV1のカーソル表示・移動処理の一例を示すフロー図である。
【0104】
先ずブラウザ33が起動される(ステップS1101)。このときブラウザ33の起動と共にカーソル制御モジュール32が起動される。
【0105】
次にカーソル設定モジュール34が自身の有する前回起動時のカーソルの操作モード情報に基づいて、カーソルの操作モードを設定する。
【0106】
操作モードが十字キー操作モードであるときは(ステップS1102、Yes)、カーソル設定モジュール34は、カーソルの設定モードが十字キー操作モードであるという情報を移動制御モジュール35及びカーソル表示モジュール36に対して出力し、これに基づいてカーソル表示モジュール36は十字キーカーソル61を描画して表示させる(ステップS1103)。
【0107】
操作モードが十字キー操作モードでないとき(ステップS1102、No)、つまりタッチパッド操作モードであるときは、カーソル設定モジュール34は、カーソルの設定モードがタッチパッド操作モードであるという情報を移動制御モジュール35及びカーソル表示モジュール36に対して出力し、これに基づいてカーソル表示モジュール36はタッチパッドカーソル52を描画して表示させる(ステップS1104)。
【0108】
ステップS1103又はステップS1104が終了すると、カーソル設定モジュール34はユーザからのカーソル操作モードの変更指示を受信するか否かを判別する(ステップS1105)。
【0109】
ユーザからカーソル操作モードの変更を指示されたとき(ステップS1105、Yes)、処理フローはステップS1102に戻る。
【0110】
カーソル操作モードの変更指示を受信していないとき(ステップS1105、No)、ブラウザ33は自身のシャットダウン指示(終了指示)を受信したか否かの判別を行う(ステップS1106)。
【0111】
ブラウザ33がシャットダウン指示を受信していないとき(ステップS1106、No)、移動制御モジュール35はリモートコントローラ2よりタッチパッド操作信号又は十字キー操作信号を受信したか否かの判別を行う(ステップS1107)。
【0112】
ステップS1107において、移動制御モジュール35がリモートコントローラ2よりタッチパッド操作信号又はカーソル操作信号を受信したとき(ステップS1107、Yes)、移動制御モジュール35はこのときカーソル操作モードが十字キー操作モードに設定されているか否かの判別を行う(ステップS1108)。
【0113】
ステップS1108において、十字キー操作モードに設定されているとき(ステップS1108、Yes)、移動制御モジュール35は移動量設定及び、十字キー操作信号に基づいてカーソルの移動量を決定し、この移動量(移動方向を含む)の情報をカーソル表示部36に送信する。これに基づいてカーソル表示部36は受信した移動量分移動させて十字キーカーソル61を描画、表示する(ステップS1109)。
【0114】
また、ステップS1108において十字キー操作モードに設定されていないとき(ステップS1108、No)、すなわちタッチパッド操作モードに設定されているとき、移動制御モジュール35はタッチパッド操作信号に基づいてタッチパッドカーソル52の移動量を決定する。移動制御モジュール35はこの移動量に基づいてタッチパッドカーソル52を移動させて描画、表示する(ステップS1110)。
【0115】
ステップS1107においてタッチパッド操作信号又はカーソル操作信号を受信しないとき(ステップS1107、No)、ステップS1109終了後、又はステップS1110の終了後には処理フローはステップS1105に戻る。
【0116】
ステップS1106において、ブラウザ33がシャットダウン指示を受信するとき(ステップS1106、Yes)、ブラウザ33はシャットダウンを行い、共にカーソル制御モジュール32もシャットダウンして、以上で一連の処理フローは終了となる。
【0117】
本実施形態では、十字キー23からの十字キー操作信号およびブラウザ33の拡大/縮小情報に応じて十字キーカーソル61の移動量を制御する。リモートコントローラ2の十字キー23はタッチパネル22のようなポインティングデバイスとは異なり、ユーザは一回の操作で方向に関する情報しか入力することができず、移動量に関する情報は入力できない。そのため、十字キー23でカーソル等を移動させようと考えるとき、移動量に関する情報をユーザが入力できるとよい。そこで本実施形態における画像表示システム3では、十字キーの押下時間に基づいてカーソルの移動量を制御するように構成している。しかし、このように構成したとしても短い時間の間に移動量を変更させることはできない。そこで特に大きくカーソルの移動量を変化させたい画面の拡大/縮小時に、この拡大率に応じてカーソルの移動量を制御することで、短い時間であっても移動量を変更させることができる本実施形態の構成は、十字キーのような方向のみの情報を最初に出力する入力装置を用いてカーソルを操作する場合には、特に有用となる。
【0118】
本実施形態においては、ブラウザの表示倍率に応じたカーソル移動量の変更を十字キー操作信号に対して適用した場合を例示したが、これに限定されず、タッチパッド操作信号に対して移動量の変更を行ってもよい。
【0119】
本実施形態のDTV1によれば、画面の表示倍率が変更された場合にも、ユーザはカーソル操作が行い易い。
【0120】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具現化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0121】
1…DTV、2…リモートコントローラ、3…画像表示システム、110…スピーカ、120…表示部、100…信号処理部、116…操作部、118…受信部、119…メモリカード、131…LAN端子、133…USB端子、137…ライン入力端子、143…アンテナ、144…入力端子、145…チューナ、146…PSK復調器、147…TS復号器、148…アンテナ、149…入力端子、150…チューナ、151…OFDM復調器、152…グラフィック処理部、153…音声処理部、154…OSD信号生成部、155…映像処理部、156…制御部、157…ROM、158…RAM、160…カードI/F、161…カードホルダ、164…LAN I/F、166…USB I/F、168…アナログチューナ、169…アナログ復調器、170…HDD、21…キー、22…タッチパッド、23…十字キー、24…リモコン制御部、25…発信部、31…OS、32…カーソル制御モジュール、33…ブラウザ、34…カーソル設定モジュール、35…移動制御モジュール、36…カーソル表示モジュール、51…ページ、52…タッチパッドカーソル、53…ページタブ、54…ページアドレス、55…リンク、56…倍率設定表示、57…バー、58…スライダ、59…倍率設定呼び出し表示、61…十字キーカーソル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ページ領域および該ページ領域以外の画像領域を含む画像と、該画像上を移動可能なカーソルとを表示装置に表示させる表示制御部と、
前記画像のうち前記ページ領域の表示倍率を設定する表示倍率設定部と、
前記カーソルの移動信号を受信する受信部と、
を備え、
前記表示制御部は、
前記表示倍率設定部が前記ページ領域の表示倍率を第1の表示倍率に設定している場合、前記移動信号に応じて前記カーソルを第1の画素数分移動させ、
前記表示倍率設定部が前記ページ領域の表示倍率を前記第1の表示倍率より大きい第2の表示倍率に設定している場合、前記移動信号に応じて前記カーソルを前記第1の画素数より多い第2の画素数分移動させて、前記表示装置に表示させること
を特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記カーソルが前記ページ領域内に表示される場合に、前記表示倍率および前記移動信号に応じて、前記カーソルを前記第1の画素数分または前記第2の画素数分移動させることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記ページ領域は、ウェブページ情報からなり、
前記ページ領域以外の画像領域は、前記ウェブページ情報の所在を示すアドレス情報を含むこと
を特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項4】
前記移動信号は、前記カーソルの移動方向および移動画素数の少なくとも一方の情報を含むことを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項5】
放送信号を受信する放送信号受信部と、
受信した前記放送信号をチューニングするチューナと、
チューニングされた前記放送信号に含まれる映像情報を前記表示装置に表示させる映像表示部と、
を更に具備することを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項6】
前記表示装置をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項7】
ページ領域および該ページ領域以外の画像領域を含む画像と、該画像上を移動可能なカーソルとを表示装置に表示させ、
前記表示装置に表示された前記画像のうち前記ページ領域の表示倍率を、第1の表示倍率または該第1の表示倍率より大きい第2の表示倍率に設定し、
前記カーソルの移動信号を受信部により受信し、
前記ページ領域の表示倍率を第1の表示倍率と設定した場合、前記移動信号に応じて前記カーソルを第1の画素数分移動させ、前記ページ領域の表示倍率を前記第2の表示倍率と設定した場合、前記移動信号に応じて前記カーソルを前記第1の画素数より多い第2の画素数分移動させて、前記表示装置に表示させること
を特徴とするカーソルの表示方法。
【請求項1】
ページ領域および該ページ領域以外の画像領域を含む画像と、該画像上を移動可能なカーソルとを表示装置に表示させる表示制御部と、
前記画像のうち前記ページ領域の表示倍率を設定する表示倍率設定部と、
前記カーソルの移動信号を受信する受信部と、
を備え、
前記表示制御部は、
前記表示倍率設定部が前記ページ領域の表示倍率を第1の表示倍率に設定している場合、前記移動信号に応じて前記カーソルを第1の画素数分移動させ、
前記表示倍率設定部が前記ページ領域の表示倍率を前記第1の表示倍率より大きい第2の表示倍率に設定している場合、前記移動信号に応じて前記カーソルを前記第1の画素数より多い第2の画素数分移動させて、前記表示装置に表示させること
を特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記カーソルが前記ページ領域内に表示される場合に、前記表示倍率および前記移動信号に応じて、前記カーソルを前記第1の画素数分または前記第2の画素数分移動させることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記ページ領域は、ウェブページ情報からなり、
前記ページ領域以外の画像領域は、前記ウェブページ情報の所在を示すアドレス情報を含むこと
を特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項4】
前記移動信号は、前記カーソルの移動方向および移動画素数の少なくとも一方の情報を含むことを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項5】
放送信号を受信する放送信号受信部と、
受信した前記放送信号をチューニングするチューナと、
チューニングされた前記放送信号に含まれる映像情報を前記表示装置に表示させる映像表示部と、
を更に具備することを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項6】
前記表示装置をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項7】
ページ領域および該ページ領域以外の画像領域を含む画像と、該画像上を移動可能なカーソルとを表示装置に表示させ、
前記表示装置に表示された前記画像のうち前記ページ領域の表示倍率を、第1の表示倍率または該第1の表示倍率より大きい第2の表示倍率に設定し、
前記カーソルの移動信号を受信部により受信し、
前記ページ領域の表示倍率を第1の表示倍率と設定した場合、前記移動信号に応じて前記カーソルを第1の画素数分移動させ、前記ページ領域の表示倍率を前記第2の表示倍率と設定した場合、前記移動信号に応じて前記カーソルを前記第1の画素数より多い第2の画素数分移動させて、前記表示装置に表示させること
を特徴とするカーソルの表示方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−137767(P2012−137767A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−22942(P2012−22942)
【出願日】平成24年2月6日(2012.2.6)
【分割の表示】特願2010−29404(P2010−29404)の分割
【原出願日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年2月6日(2012.2.6)
【分割の表示】特願2010−29404(P2010−29404)の分割
【原出願日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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